「EMBA」(エグゼクティブMBA)という名称を耳にしたことがあるという方は、決して少なくはないはず。いうまでもなく、現役のビジネスエリートが通う教育機関です。そして『世界の最も野心的なビジネスエリートがしている 一流の頭脳の磨き方』(山崎裕二、岡田美紀子著、ダイヤモンド社)のふたりの著者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とシンガポール国立大学(NUS)が共同で行っている「UCLA-NUS」のEMBAの同窓生なのだそうです。なにしろ名門中の名門ですから、クラスメイトも豪華絢爛。グローバル企業のゼネラルマネージャーやCFO(最高財務責任者)クラスから、経営者や投資家、政府関係者、医学博士までが揃っているのだとか。ところで興味深いのは、世界のトップクラスのビジネスエリートたちが、「どのように学んでいるのか」についての記述です。というのも、彼らの「学び方」には、ビジネスを成功させる大きなヒントが潜んでいるというのです。■異常に強い「時はカネなり」意識彼らのスタイルを一言で表現するなら、「学びと実践を同時進行させる」ということに尽きるのだと著者はいいます。ビジネスエリートたちにとって、「仕事をしながら学び続ける」というのは至極当たり前のスタンスだというのです。そして、最大のポイントがここにあります。すなわち、彼らは「時はカネなり」の意識が異常なほど強いということ。新入社員ならともかく、上に行くにつれて競争が激しくなるので、自分が停滞することに焦りを感じるものなのだそうです。しかし使える時間は少ないので、必然的に、学びと実践が常に同時進行になるということ。そして、そんな彼らの学び方については、「MBAとEMBAの違い」という観点から説明するとわかりやすいそうです。■MBA取得は最低でも1年かかるフルタイムのMBAを取得するためには最低でも1年、多くの場合は2年程度、仕事を休まなければならないのだといいます。仕事をいったんストップして勉強するというかたちになるわけです。しかし、20代の若者なら不可能ではないかもしれませんが、すでに第一線で活躍しているビジネスエリートにとって、2年間のブランクを空けることなど現実的ではありません。しかしEMBAの場合は、もちろん各校によって期間こそ違うもの、通常の仕事をしながら集中的に授業を受けられるというのです。著者の通ったUCLA-NUSのEMBAは、約1年半の間に2週間のプログラムを6回受けるというスケジュールだったそうです。授業の行われる2週間は凝縮された学びの時間が続き、宿題、課題の連続で寝る間もないほど。しかしその2週間を終えると、それぞれが学びを携え、ビジネスの現場へと戻っていくことに。そして、それから3か月後にまた戻ってきて授業を受けるわけで、まさに学びと実践を同時進行していくスタイルだということです。■EMBAで学んだことは即実行!だからこそ、彼らと学んでいると、インプットからアウトプットまでのスピード感に驚かされるのだといいます。実際、彼らはEMBAで学んだことを即座に現場で実行し、新たな成果と課題を持ってふたたび学びの場に帰ってくるというのです。その高速反復のサイクルが当たり前になっているので、EMBAでは彼らが実践した生の事例を題材として取り上げながら、教授や講師、生徒たちと議論を重ね、さまざまな意見交換をするのだそうです。いってみれば、学問だけでも得られず、経験だけでも得られない「自身の実体験に教授やクラスメイトたちの暗黙知を加味し、経験値と知見を倍速で得る」というサイクルを、1~2年のあいだ回転させる、ということです。■EMBA後に収入が変わったか?ちなみにEMBAの世界ランキングは、「EMBAへ来る前と、来た後で、どのくらい収入が変わったか」というところで順位付けされるのだといいます。だからこそEMBAサイドも、「ここでの学びをどんどん現場で実践し、大きな成功を収めてほしい」と強く願っているのだそうです。当然、そのためのカリキュラムが用意されており、生徒同士がネットワークを広げ、新たなビジネスチャンスが生まれるように、さまざまな工夫、考慮がされているということ。実際に、クラス内でビジネスが生まれることもあるのだといいます。*この記述を目にしただけでも、ビジネスエリートたちの強い野心を実感することができるのではないでしょうか?そしてこうした考え方を軸として、以後も頭脳を効率的に磨いていくためのメソッドがパワフルな筆致で展開されています。ビジネスをレベルアップさせたい人にとっては、必読の一冊だといえそうです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※山崎裕二、岡田美紀子(2016)『世界の最も野心的なビジネスエリートがしている 一流の頭脳の磨き方』ダイヤモンド社
2016年06月13日『いいエリート、わるいエリート』(山口真由著、新潮社)の著者は、東京大学法学部在学中に司法試験と国家公務員1種合格。東大もオール「優」の成績で首席卒業し、財務官僚を経て弁護士になったという人物。筋金入りのエリートであるわけですが、つまり本書では、体験に基づいたエリート論を展開しているわけです。ここまでのエリートはそうそういるものではありませんから、「自分とは関係ない世界の話」と感じても不思議ではないでしょう。私もそれは同じでした。しかし本書が魅力的なのは、著者の語り口が決して“上から”ではなく、むしろ共感できるものであること。特殊な能力を持った人の体験談として、とても興味深く読むことができるのです。きょうはそのなかから、「勉強法」に書店を当てた項目を引き出してみたいと思います。■エリートの7回読み勉強法著者の勉強法の基本は“反復”で、具体的にはさまざまな機会に「7回読み勉強法」を勧めてきたのだそうです。その名のとおり、教科書や参考書を7回読むことによって、脳に記憶させるという方法。それはおおむね、次のようなプロセスで進められるそうです。(1)ページ数にもよるが、一冊を30分から1時間のペースで、漢字だけを意識して眺めていく(2)同じペースで、今度は1.で拾いもらした漢字とカタカナを意識して眺めていく(3)前2回をおさらいするつもりで全体を読む以上3回を、著者は「助走読み」といっているそうです。このプロセスではその本に慣れ、大切なキーワードを脳に記憶させるわけです。(4)前3回でチェックしたキーワードの前後の文章を中心に読む(5)「たとえば」「しかし」など接続詞や副詞の前後を意識して読むこの2回を、著者は「本走読み」と呼んでいるのだとか。キーワードをより正確に理解し、要旨をつかむ意識を持って読むのだそうです。(6)(7)本全体の内容を深く理解し、脳に定着させる意識で2回読む最後の2回は「完走読み」。本の内容をしっかり記憶するように心がけるわけです■信じて「続ける」ことが大切これが、著者の勧める「7回読み勉強法」。著者によると、これを実践すると、その本に記載されている内容が「おもしろいように」頭に入ってくるのだそうです。そして著者は、勉強法はできるだけ変えない方がいいと主張しています。だから自身も、一貫して7回読みを続けたのだそうです。その過程では「いまの勉強法でいいのだろうか?」と悩むものですが、そこでうろたえることなく、初志貫徹。自分の勉強法を信じて、「続ける」ことがなによりも大切なのだといいます。*こうした考え方に説得力があるのは、いわゆる「机上の空論」ではないから。読んでみるとわかりますが、著者は考えられないほどの状況を乗り越えてきています。だからこそ、理屈を超えて訴えかけてくるのです。エリートであろうがなかろうが、人に大切なのは「乗り越える」こと。そんな本質的な部分を、本書は実感させてくれます。(文/書評家・印南敦史)【参考】※山口真由(2015)『いいエリート、わるいエリート』新潮社
2015年10月26日KADOKAWA中経出版ブランドカンパニーは、米国の名門大学で学ぶエリートの実像に迫る「米国製エリートは本当にすごいのか?」を刊行した。同書は、現NewsPicks編集長の佐々木 紀彦(ささき のりひこ)氏が、スタンフォード大学での留学生活を通して見た「エリートたちの真実」について書いている。佐々木氏は、スタンフォードでの留学生活について、「なんと私は馬鹿なのか、と思い知らされる日々でした」と回顧している。同氏だけではなく、留学経験のある日本人の多くは、なぜ米国人学生に勝てないのか、一度は考えたことがあるはずであるという。多くは「英語ができないから」という結論に至るが、英語に慣れてきたあともなかなか米国人学生には追いつくことができない。専門知識をもっと極めればいいのでは、と専門知識を詰め込んでも、成績は上がるが、どうしても差は縮まらない。その理由は何なのかを、「米国の一流大学は本当にすごいのか?」「世界から集うエリートの生態」など、6章にわたって分析している。同書は296ページ。価格は650円(税別)。
2014年09月30日パリを本部に世界各国でモデル事務所を展開する世界最大のモデル・エージェンシー「エリート・モデル・マネジメント」創始者の1人である、ジョン・カサブランカス氏(John Casablancas)が7月20日、癌のため死去した。享年70歳。「エリート・モデル・マネジメント」はニューヨーク出身のジョン氏と、アラン・キットラー(Alain Kittler)によって72年にパリで創立。その後、77年にニューヨークに初の国外支社を設立し、現在では約30ヶ国に事務所を展開。2,000名を超えるモデルが在籍している。ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)やシンディ・クロフォード(Cindy Crawford)、タチアナ・パティッツ(Tatjana Patitz)、ヘレナ・クリステンセン(Helena Christensen)、ハイディ・クルム(Heidi Klum)、ミラナ・ケラー(Milana Keller )、ヘレン・スウェディン(Helen Swedin)らを輩出し、現在は女優として活躍するキャメロン・ディアス(Cameron Diaz)やキルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)、ミラ・ジョヴォヴィッチ(Milla Jovovich)、ユマ・サーマン(Uma Thurman)らもエリートからモデルとしてそのキャリアをスタートさせている。日本のエリートジャパンでは小西真奈美や松下奈緒、今宿麻美らが所属していた。ジョン氏は2000年に「エリート」から引退。その後もモデル学校やスカウト組織を立ち上げるなど、ファッション界に貢献し続けた。なお、アメリカのロックバンド「ザ・ストロークス(The Strokes)」のヴォーカルであるジュリアン・カサブランカス(Julian Casablancas )は実の息子である。
2013年07月25日腐女子というイメージからは想像もつきませんが、腐女子は意外と“エリート男子”を彼氏にしている方が多いって知っていましたか?しかし、一体どうやって?男性側からすれば、どうしてわざわざ腐女子を彼女に選ぶのでしょうか。そこで今回は、腐女子がエリート男子を彼氏にできる理由をご紹介します。エリート男子の彼氏をゲットしたい女性は必見ですよ!実際に、筆者の周りにいる腐女子たちに、エリート男子にまつわる恋愛エピソードをリサーチしてみました。■1.気軽に話せる「友人の彼氏が外資系証券会社に勤めるエリート男子。彼いわく、一般的に言いづらいことでも、腐女子だと気軽に話せるんだとか」(28歳/広告)たしかに腐女子ということで、気を遣わなくて楽、という男性は多いです。腐女子でない女性でも、フットワークの軽い女子を目指せば、彼もおのずと心を許してくれるようになるのではないでしょうか。■2.外見にそぐわないコアな趣味を持っている「実家の病院を継いでいる彼は、私の趣味がBLだと知ると、すごく驚いた顔をしていました。理由を聞けば、腐女子は野暮ったいイメージがあった、とか。どんなイメージなんだ!」(29歳/美容)見た目によるギャップは、それだけ異性の心をキャッチしますよね。たとえば、普段はかわいい系の女子が実は釣りが趣味で、週末は決まって海に行く。それだけで、男は彼女を一目置くに違いありません。ノーマル女子のみなさんも、これを機に新たな趣味を開拓してみては?■3.秘密を守る意識が高い「BLという、少々マイナーなジャンルを好きでいるためか。彼から口が堅いから助かっている、と言われます。そりゃあ、安易にBL好きを公言したところで、相手には引かれてしまいますからね・・・・・・」(30歳/販売)秘密を守る人間は男女問わず、仕事においても私生活においても信頼されますよね。もし、あなたが噂好きな女性であれば、ここは素直に腐女子の姿勢を見習った方がいいかもしれません。■4.腐女子なりのプライドがある「私が彼に言われて印象に残っているのは、『お前は安くないよな』のひと言。なんでも大抵の女子は、エリートだから玉の輿になれる!と一喜一憂するみたいで」(31歳/小売)これは彼から口説かれたときに、用心したいですね。玉の輿になれる!という気持ちを抑えて、なるべくピュアな女を演じた方が、彼もあなたと真剣に付き合っていこうと思うようになります。■5.エリートだからと意識しない「私が彼の前で気をつけているのは、エリートを意識しないこと。お金目当てで寄ってくる女は嫌いだ、と彼に言われているので・・・・・・」(31歳/製造)相手の男性によっては、エリートと呼ばれることを嫌がるかもしれません。腐女子だから、と構えられて嫌がる腐女子がいるのと同様。ひとりの男性として自然な態度で接することがエリート男子を落とす秘訣かもしれませんね。■おわりにいかがでしたでしょうか。エリート男子といえども、ひとりの男。エリートと呼ばれる一面を除いて、相手をちゃんと観察する必要があります。エリート男子をゲットしたい際は、ぜひ上記のポイントに気をつけてみてくださいね。(柚木深つばさ/ハウコレ)
2013年05月07日