ソフトバンクの2年連続日本一か、ヤクルトの14年ぶりの日本一か。『日本シリーズ』がいよいよ10月24日(土)に迫った。そして頂上決戦が開幕する2日前、明日22日(木)にチケット争奪戦もスタートする。工藤公康×真中満のルーキー監督対決や柳田悠岐×山田哲人のトリプルスリー対決など、話題に事欠かないソフトバンク×ヤクルトだが、『日本シリーズ』で対戦するのは、前身のチームも含めて今回が初めて。『セ・パ交流戦』の対戦成績を見ると、ソフトバンクが通算で28勝17敗2分、今季も2勝1敗とリードする。しかし、『交流戦』の対戦は5月末の話、場所はヤフオクドームだった。ヤクルトはそれまで8勝9敗1分と勝ち越しもままならないチーム状況だったことを考えると、深刻に捉える必要はない。両軍とも特長が酷似している。ソフトバンクは首位打者の3番・柳田は打率.363・34本塁打・99打点、4番・内川聖一は.284・11本・82打点、5番・李大浩は.282・31本・98打点、6番・松田宣浩は.287・35本・94打点、7番・中村晃は.300・1本・39打点と中軸が揃って高い数字を残す。対するヤクルトも負けてはいない。首位打者の2番・川端慎吾は打率.336・8本塁打・57打点、本塁打王&盗塁王の3番・山田は.329・38本・100打点、打点王の4番・畠山和洋は.268・26本・105打点、5番・バレンティンはケガに泣いたが実績十分、6番・雄平は.270・8本・60打点と抜け目のない打線を敷く。先発陣はソフトバンクの方が駒は揃う。ソフトバンクは13勝6敗・防御率3.17の武田翔太、9勝0敗・防御率2.52のバンデンハーク、9勝7敗・防御率3.24の中田賢一が、ヤクルトは13勝9敗・防御率3.31の石川雅規、11勝8敗・防御率3.11の小川泰弘、6勝3敗・防御率2.89の館山昌平が『クライマックス』ファイナルステージ第1~3戦の先発を託された。ソフトバンクはさらに10勝を挙げた攝津正とスタンリッジが控える。救援陣は互角か。ソフトバンクは3勝1敗31ホールド(H)2セーブ(S)・防御率1.38の五十嵐亮太、0勝2敗20H1S・防御率3.18のバリオス、5勝2敗16H・防御率2.69の森唯斗、ヤクルトは6勝1敗22H・防御率2.36の秋吉亮、5勝5敗23H・防御率2.40のロマン、5勝2敗33H・防御率2.05のオンドルセクと磐石のセットアッパー陣が揃う。クローザーも5勝1敗9H41S・防御率1.11のサファテ(ソフトバンク)、3勝1敗6H41S・防御率1.29のバーネット(ヤクルト)はともに最多セーブを獲得した。戦前の予想では、ソフトバンク有利の声が多数を占めるが、短期決戦は何が起こるかわからない。『日本シリーズ』ソフトバンク×ヤクルトは、10月24日(土)・25日(日)・31日(土)・11月1日(日)・ヤフオクドーム、10月27日(火)~29日(木)・神宮球場で開催される。チケットは10月22日(木)午前10時より一般発売。
2015年10月21日つい先日、幕を下ろしたペナントレース。最後の最後まで白熱した優勝争いがあり、チームの順位を1つでも上げるために多くの選手がプレーしていた。そんな中で、シーズン終盤に日本人選手とは異なった"戦い"を繰り広げている外国人選手たちも少なくなかった。ある者はタイトルを獲得してオフの大幅年俸アップを狙おうとし、またある者は「クビの当落線上」から何とか抜け出して来季の契約を勝ち取ろうと、必死に結果を残そうとした。登録枠の関係で、タフな"戦い"を強いられることが多い外国人選手たち。今回は彼らの今シーズンを振り返り、「優良助っ人」と「残念助っ人」を独自にジャッジしてみた。○阪神とソフトバンクに「超優良」が集中まずは、「超優良助っ人」から紹介していこう。呉昇桓(オ・スンファン)とメッセンジャー(共に阪神)CS進出に貢献したこの2人には、「大変よくできました」のハンコを押してあげてもいいだろう。31試合に全て先発登板したメッセンジャー。13勝10敗で防御率3.20という数字以上に、セ・リーグで唯一投球回数200回を突破し、リーグ断トツとなる226個の三振を奪ったことは評価に値する。呉昇桓は39セーブまで積み重ね、来日1年目の外国人投手の歴代最多セーブ記録を更新してタイトルを獲得した。ちなみにこれまでの最多は、2000年のギャラード(当時中日)と2011年のサファテ(当時広島)の35セーブ。その呉昇桓の年俸3億円は外国人投手の中では12球団で最も高い金額だが、見合った活躍はしたといえるだろう。スタンリッジとサファテ(共にソフトバンク)優勝したソフトバンク投手陣を支えたこの2投手も文句なしだろう。6年ぶりにソフトバンクに帰ってきたスタンリッジは、阪神時代の昨季はいわゆる「無援護状態」が続き、9イニングあたりの援護点はわずか3.02だった。結果、8勝12敗と敗戦数が上回ったが、今季は強打線のバックアップを受けて11勝8敗と、勝ちと負けが逆転した。守護神のサファテは、イニング数を超える奪三振数(68回と3分の1イニングで96奪三振)が魅力。今季にキャリアハイの成績を残した2人は、CSでの活躍も期待される。メヒア(西武)5月に年俸3,570万円で途中加入するも、34本塁打をかっ飛ばし、チームメートの中村剛也と並んで本塁打王のタイトルを獲得したメヒアも超優良助っ人と言える。打率2割9分と確実性がある点も魅力で、来季年俸は大幅アップになること間違いなしだ。エルドレッド(広島)年俸5,000万円ながらも37本塁打、104打点をマークしたエルドレッドも該当する。打撃が荒くてシーズン終盤には不振による2軍落ちの屈辱を味わったが、ツボにはまったときの打撃はすさまじく、カープの3位に貢献した。○年俸2,000万円台でも活躍したヒース、マエストリ続いて「優良助っ人」に値する選手たちを紹介しよう。モスコーソ(DeNA)DeNAのモスコーソは外国人枠の関係で、シーズン当初は1軍と2軍を行ったり来たりしたが、規定投球回数に到達し、防御率3.39はリーグ10位。打線との巡り合わせで9勝に終わったが、中畑清監督やチームからの評価は高く、8,500万円から年俸は上がり、来季から複数年の契約に至りそうだ。ヒース(広島)年俸2,290万円で後半戦から広島に加入したヒースは、7試合に登板して3勝0敗、防御率2.38と好成績を収め、シーズン終盤の救世主となった。マエストリ(オリックス)年俸わずか2,000万円ながら、33試合に登板して防御率1.97の好成績を挙げているオリックスのマエストリも選出したい。先発が早めに崩れた試合では、ロングリリーフもできるなど、使い勝手の良い投手だ。○パッとしなかった西武の2投手ここからは、高年俸の割にはそれほど活躍できなかった外国人選手たちだ。レイノルズとボウデン(共に西武)西武の新外国人投手のレイノルズとボウデンは、ともに年俸8,000万円ながら、ボウデンは主にリリーフとして36試合に登板し防御率4.50、レイノルズは先発として12試合に登板し防御率5.46とパッとした成績を残せなかった。メンドーサ(日本ハム)年俸1億円の日本ハムのメンドーサも思うように勝ち星が伸びず、7勝13敗、防御率3.89の成績に終わった。先発して6回以上投げて自責点3以内に抑えた時に記録される「クオリティ・スタート」(QS)を達成した割合は65%とまずまずの成績で、CS時の起用法に注目したい。○3億円で打率2割1分5厘、1本塁打のユーキリス最後は期待を大きく裏切る成績しか残せなかった「残念助っ人」の外国人投手たちを紹介しよう。ブラックリー(楽天)1年契約、総額2億円で楽天に入団するも、3試合に先発したのみ。成績も1勝2敗、防御率5.54と期待はずれに終わった。グライシンガー(ロッテ)8,500万円の年俸ながら開幕前に右肩痛を発症。今季は登板機会がないまま退団となった。ユーキリス(楽天)メジャー通算150発で、2008年にはシーズン29本塁打をマークした「大物助っ人」として期待がかかったユーキリス。契約金と合わせた年俸は3億円とされているが、左足のケガの検査ということで5月に米国へ帰国。早々と戦線離脱し、以後の試合に出場することなくシーズンを終えた。21試合で2割1分5厘、1本塁打、11打点と、寂しい結果に終わっている。選手のチームへの貢献度を考える際、プロ野球ファン一人ひとりにさまざまな意見があることは間違いない。ただ、今季の年俸が5,000万円以下ながらもタイトルを獲得したエルドレッドとメヒアが、今シーズン最も「費用対効果」が良かった選手と考えてもいいのではないだろうか。日本の野球にフィットするか否か、ふたを開けてみないとわからないことが多い外国人選手。ソフトバンクや阪神、広島のように「超優良助っ人」を抱えていたチームはCSに進みやすい傾向があるのかもしれない。そう考えると、12球団にとって助っ人たちは、あらためて貴重な戦力であると言えそうだ。(年俸は推定)週刊野球太郎スマホマガジン『週刊野球太郎』では、「クライマックスシリーズ観戦ガイド」や、10/23(木)ドラフト会議に向けた「ドラフト候補スター名鑑」など、”ポストシーズン”を総力特集中! また、ドラフト候補選手へのインタビューが30本、有望選手500名を掲載した雑誌『野球太郎No.012~2014ドラフト直前大特集号』が絶賛販売中!
2014年10月16日