2019年春夏シーズンでブランド創設25周年を迎えるルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)が、創業110年を超えるパリの高級バッグブランドのモラビト(MORABITO)とコラボレーションを発表。1994年に最高級の4プライのカシミアニット10点のコレクションでデビューし、またたく間にNYのセレブ御用達ブランドとなったルシアンは、ルイ・ヴィトンでマーク・ジェイコブスが村上隆とコラボを発表した同年の2003年に村上隆のマジックマッシュルーム・モチーフのコラボアイテムを発表。2011年には田名網敬一と、2012年にザ・ローリング・ストーンズのリップ&タンモチーフのセーターを、2013年にはキース・ヘリング、2014年にはジャン・ミシェル・バスキアとコラボするなど、常に時代の先を読んだコラボレーションで、ラグジュアリーストリート・シーンのお手本とも言えるコレクションを展開してきた。これまでアート、グラフィックを中心にコラボを行ってきた同ブランドが今回のコラボ相手に選んだのは、1905年創業のパリを代表する老舗レザーブランド・モラビト。宝飾細工の技術を生かし、世界最高級と言われる原皮の仕入れ、熟練の職人技術で仕上げられるトランク、バッグや革小物はサントノーレ、ヴァンドーム広場、ジョツジュ・サンク通りとブティックの場所は変わっても、世界のセレブに愛されてきた。特に2008年のフランス革命記念日にサルコジ大統領夫人であったカーラ・ブルーニがモラビトのアンティークバッグの「ヴァンドーム」を持って式典に出席したことは多くのファッション誌でも話題を集めた。その顧客にはマリリン・モンローやマリア・カラスも名を連ねている。今秋発売されるコラボアイテムはスカルやパームツリーなどルシアン ペラフィネの代表的なモチーフを、トートやクラッチバッグやミニボストンなどストリートファッションに合わせたアイテムで構成されている。パスポートケース、コインケースなどスモールレザーグッズまで幅広く展開される予定で、ファンにはどのモチーフが登場するか楽しみなところだ。
2019年05月14日ディオール(DIOR)は、2019年春夏オートクチュールコレクションを再びドバイで発表。2019年1月にパリ・ロダン美術館庭園で披露されたコレクションに加え、新たに15ルックの特別なピースを用意し、華やかなショーを行った。サーカスがテーマ「ディオール ドリーム パレード」インスピレーション源は「サーカス」。モード界を引っ張るディオールにはなかなか結びつかなそうに感じるが、実はメゾンと縁の深いテーマだ。過去には、冬のサーカス「シルク・ディヴェール」を訪れるのを楽しみにしていた、ムッシュ・ディオールにフォーカスを当てた、リチャード・アヴェドンによる写真作品が生まれおり、ジョン・ガリアーノの時代には「サーカス」をテーマにしたコレクションも製作されている。“チュチュ”に変わった刺繍ドレスそして、現アーティスティック ディレクターのマリア・グラツィア・キウリが、再びディオールの世界に「サーカス」の魔法を吹き込む。エンブロイダリーやスパンコールで装飾された華やかなスカートは、短くなり“チュチュ”の姿に。猛獣使いや曲馬師を想起させる、サーカスを象徴するコードとして登場している。続くのは、猛獣使いのジャケットから着想を得たブラックジャケットや、ピエロを想起させる幾何学模様のホワイトルック。タトゥー肌とオートクチュールの出会いまた、新しいエッセンスとしてタトゥーが施された肌とオートクチュールドレスとのコンビネーションを提案。スパンコールで彩られたミニドレスやジャケットには、その華やかさに負けないくらい“キラキラ”と輝く、ビジュー付きのボディスーツが組み合わされている。ドバイのための特別な15ルックドバイのために特別に用意されたのは15ルック。プリーツのマントをあしらったライトブルーのジャケットは、全面グリッターでポップなムードだ。ゴールドやライラック、ピンク、レッドなど、様々なテキスタイルでプリーツを作り、立体的に仕上げたドレスは、ピエロのように可愛らしい。クチュリエの技が光るドレスゴールドのスター モチーフを散りばめたスカートやドレスは、クチュリエの技が光る渾身の一着。小さなスパンコールを幾重にも重ねて並べ、総時間800時間をかけて完成させたピースだ。また、サーカスやパレードの楽し気な雰囲気を表現した、カラフルなミニドレスも同様に、約800時間かけて総エンブロイダリーで仕上げている。また、ディオールアトリエでのクチュリエたちの技術は、ムービーでも紹介されている。こちらもあわせて、チェックしてみて。【問い合わせ先】クリスチャン ディオールTEL:0120-02-1947
2019年04月04日ミュウミュウ(MIU MIU)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。ヒーロー、戦士になってミュウミュウガールは戦う政府への抗議活動、地球環境の雲行きの悪さ。毎日世界各国で取り上げられるニュースに耳を傾けたミウッチャ・プラダは、現代の不安定な世の中をデモ活動の盛んだった自身の若かりし頃と重ね合わせた。思考を巡らし、ミュウミュウというブランドを通して、ミウッチャが届けるのは、女性を“プロテクトする”ウェア。不安定だからこそ自分自身で我が身を守って欲しいという強いメッセージを込めて、新作ウェアを発表する。テーマは「エコヒーローとロマンティックな戦士」。ボディを守る「ケープ」身体の保護ーこのキーワードから生まれたのは、バリエーション豊富なケープである。この世に初めて誕生した18世紀には知識階級が纏っていた“インテリなピース”を現代で戦う女性たちに届ける。ただ身を守るだけでなく、女性だからこそデザイン性を楽しんで欲しいと、様々なファブリック、カラー、装飾を使って作り出した。共通しているのはロング丈であることのみ。ムートン素材のケープは、外からみるとハードで頑丈。ただし、纏うものには優しくほわほわのテクスチャーでボディを包んでくれる。袖を通すことのみが知る至福のとき。淡いピンクカラーで内側を染め上げれば、テンションアップのドレスアップピースの完成だ。ウールのケープはクラシカルに着こなすのが鉄則。テキスタイルの豊かな落ち感を楽しませてくれるロングレングスと、気品を象徴する金ボタンがポイントだ。カモフラージュ柄をロマンティックに着るまた、プロテクトの観点から今季はカモフラージュ柄も多様された。ミリタリーテイストを想起させる男性的なモチーフであるが、ここはミュウミュウらしく、可愛らしくアレンジする。もこもこのファーコートはフレアなラインに整えることで、可憐さを纏い、カモフラージュ柄のセットアップもニットカーディガン&ニットパンツで表現すれば、温もりのあるピースへと昇華する。ケープを脱げば“花々の楽園”対象的に投じられたのは、シフォンのロマンティックドレスやタフタのエレガントなドレス。女性らしさを強調するそれらのピースには、プリント、エンブロイダリーなど、様々な手法を使ってフラワーモチーフがあしらわれている。しっかりと身体を守ってくれるケープやカモフラージュ柄アウターを脱ぎ捨てれば、そこはミュウミュウガールの楽園。首にくるっと巻いたボウタイも、キラキラ輝くグリッター装飾も、丸みのあるバルーンスリーブも、すべて女性たちをうっとりとした気分にさせるために存在している。40’s風シューズ&ボストンバッグで決めて新作バッグは、柔らかなカーフ素材のボストンとフラワープリント付きのバックパックを用意。シューズは、40年代を想起させるレトロなデザインで、ユニークなヒールが特徴だ。
2019年03月24日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)の2019年冬コレクションが、フランス・パリで発表された。ファッションを通じて“パワー”を発信今季ステラ マッカートニーが捧げたメッセージは「力強いパワー」。女性たちを元気づけたい、パワーを感じて欲しいとの思いからスタートしたコレクションは、力強さとソフトさを重ね合わせた、二面性のあるコレクションになっている。パワーショルダーをアイコンにパワーの象徴として登場したのは、大きく張ったショルダー。ジャケットは肩にパットを入れて張りを出し、ニットトップやワンピースなど、ソフトなテキスタイルを用いたルックは、アームとショルダーを2重構造にしてピンと張った、主張の強いショルダーラインを作り上げている。いずれもウエストをシェイプさせて、肩と腰回りでコントラストを効かせて、特徴的なボディシルエットを作り上げている。スタイルは、パンツスーツ、ロングワンピースなどクラシックな装いに、オールインワンやカーゴパンツなど、アクティブなピースを交えた。カラーもブラウン、ブラック、グレーなどのベーシックカラーに、グリーン、ビビッドブルー、ピンク、イエローなど、テイスト違いのカラーをミックスしている。アーカイブテキスタイルを起用したドレスドレスラインは、クリエイティビティが光るピースが勢ぞろい。ステラ マッカートニーのアーカイブからピックアップした花柄テキスタイルをランダムに配置し、クロコダイル風のエコレザーのリボンとミックスして、アーティスティックな絵柄を胸元にのせた。Tシャツを裂いて仕上げたドレスカラフルなドレスは、個性的なデザインが光る。ヴィンテージTシャツを集めて裂き、リボン状にしたパーツを編み込んで仕上げた、ドラマティックな一品だ。また、今シーズンは、ネブラスカ出身のテキスタイルアーティスト、シェイラ・ヒックスの作り出したアクセサリーがランウェイを彩った。先住民の技法を尊重し、様々な作品を作り上げたシェイラのアートピースは、今季のコレクションのアイコニックなルックと融合し、コレクションの魅力を際立たせた。ハンターとコラボシューズはブーツがメインに。中でも注目は、ハンター(HUNTER)とのコラボレーションフットウェアだ。ナチュラルラバーのソールに、植物由来のソックスインサートを組み合わせたサステナブルなブーツが完成している。
2019年03月14日ラコステ(LACOSTE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月5日(火)に発表された。新クリエイティブディレクター ルイーズ・トロッターのデビューショーである。会場は、パリの老舗テニスクラブ・ド・パリ。ヘリテージをアレンジ今季のラコステは、ブランドのヘリテージを様々なテイストにアレンジ。お馴染みの”ワニロゴ”ポロシャツやテニススカート、Vネックのテニスセーターなど、ラコステを代表するピースの数々が、素材、ファブリックを変えて新しい形で登場している。ポロシャツがワンピースにアイコニックなポロシャツは、温かみのあるニット素材でワンピースに変身。襟元はデフォルメされて大きくなっていって、ボディと異なるアクセントカラーがあしらわれた、ストライプニットの襟が取り付けられている。オーバーサイズの手編みテニスニットVネックのテニスニットは”優等生スタイル”からストリート風に転身。肩の落ちたドロップショルダーで、身幅はたっぷりととった手編みのオーバーサイズニットになって登場している。胸元のワニロゴは、刺繍で立体的に描かれ、糸の伸びたアンフィニッシュな姿で、遊び心をプラスする。テニススカートがドレスにテニススカートは、ロング丈にアップデート。シルクやクレープなど軽やかな素材を使ってスカートを仕立て、ラコステのイニシャルであるLで作った幾何学模様やワニ柄など、ポップなパターンを配した。ワニのレザーグッズまた、ラコステの人気者ワニロゴは、レザーグッズに。立体的に表現したワニのクラッチバッグは、茶目っ気たっぷり。首から下げたワニのモチーフは、キーリングネックレスである。ラコステに伝わる伝統を巧みに調理した今季。進化したスポーティーウェアと交わるのは、テーラードやトレンチコートなど、クラシカルな装いだ。厚手のウールやニットなど、重量感のあるファブリックを使ったウェアを交えたコレクションは、スポーツを起源に持つブランドであることを思わず忘れされるほど、シックな一面を持っている。
2019年03月14日日本ブランド「シクラス(CYCLAS)」が、パリコレクション公式スケジュールにて、2019年3月5日(火)に2019年秋冬コレクションを発表した。パリコレ公式スケジュールデビューシクラスは、2016年シーズンよりスタートしたクリエイティブディレクター小野瀬慶子による日本のファッションブランド。これまでパリコレクション期間中に、プレゼンテーション、ミニショー形式なので新作を発表していたが、今季は公式スケジュールにてランウェイショーを開催した。会場はパレ・ド・トーキョー。相反する要素を持つ現代女性へ知的で大胆、フェミニンでありながらも男性的な要素を持つ。相反するキーワードを並べ現代女性の姿を描いてきた、小野瀬慶子。パリショーでもこれまで同様に、素材・シルエット・カラーリングなどにこだわりを効かせ、相反する要素を共存させたモダンな女性像を描き出す。シンプルの中に異素材でアクセントを一見シンプルなウールのロングコート。大人の女性に相応しいエレガントなアウターであるが、ここに異素材をミックスすることで遊びを加える。ウエストのベルトは、毛足の長いファーやハードなレザーで仕上げることで、枠にとらわれないアグレッシブな姿を表現する。コントラストの効いたスタイリングまた、コーディネートでも素材のコントラストを強調させたものが多かった。ニットトップにテクニカル素材のアウター、シルクのブラウスに起毛のVネックトップなど。ファブリックのテクスチャー、光沢などで対峙させるだけでなく、ベーシックカラーに、サフランイエローやバイオレット、ライトグリーンなどの鮮やかカラーを投じて、面白みを加えているものもあった。アイテムは、男性的なピースはフェミニンに、女性的なピースはマニッシュに仕立てているものも見られる。トラウザー&白シャツという紳士定番のスタイルも、白シャツをロング丈にしスリットを入れてチュニック風にアップデート。ライダース風のレザージャケットも、アームラインを丸くし、淡いベージュカラーで仕上げることで甘さをプラスしている。シルエットはロング&ボリューム。ゆったりと着られるリラクシングなサイズ感が気分だ。シューズもフラットフォームや太いヒールのパンプスで、履きやすさにこだわったものが多い。スパンコール、ファーなど、シューズでは敬遠されがちな個性的なファブリックを使っている点も興味深い。
2019年03月08日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。北のイギリスを旅して…今シーズンは、クリエイティブ・ディレクターのサラ・バートンが生まれた英国の北エリアが着想源。豊かな自然に溢れ、ファッション関連の工場が連なるスポットに、アトリエチームが実際に訪れ、目にしたもの、学んだ技術などをインスピレーションに、クリエーションを始めた。ファッション工場で見た知識をテーラードに落とし込む工場エリアで得たテキスタイルの知識。職人たちの繊細な技術は、テーラードスーツに落とし込まれた。素材はもちろん英国産で、驚くほどやわらかな肌触りのカシミヤや薄く軽いフランネル素材を使ってスーツを仕立てる。スリムなボディに組み合わせたのは、流れるのようなアシンメトリーなライン。男性的な装いに流動的なアクセントを取り入れることで、女性らしさを引き出している。“人工的アクセ”でパンチを効かせる工場の機械が着想源となり、シルバーのハードなアクセサリーが生まれた。クラシックなスーツ、ドレッシーなワンピースには、ハードなシルバーチョーカーをプラス。また、英国ならではのアイデアで、パンクの要素も取り入れ、ドレスにハーネスやスタッズベルトを組み合わせる。豊かな自然を表すローズ豊かな自然が広がる北のイギリスを想起させる、ローズのモチーフも印象的だ。ふわっと広がったフレアドレスには、ローズのモチーフをまんべんなくプリント。ダークなカラーリング仕上げることで、寒い北の地域の雰囲気までもファッションの中に落とし込む。フィナーレにかけて登場したドラマティックなドレスは、まさにローズそのもの。テキスタイルを花びらのように重ねて、芸術品のようなピースを完成させている。マニッシュ×フェミニンのMIXコーデコットンポプリンのホワイトドレス、テープ状のフリルを全面にあしらったロングドレス、一度編んだニットをほぐし、ボーダー状の透かし模様に仕上げたニットドレス。今季は女性らしいデザインのドレスが多く、ショルダーをカットオフして肌みせしたり、センシュアルなディテールも見られた。一方で、フットウェアはザ・イングランドのパンクテイスト。ほぼすべてのルックには、ボリューミーなブーツが組み合わせられていて、パンチの効いた着こなしが提案されている。
2019年03月08日ビューティフルピープル(beautiful people)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。新しい視点でクラシックを紐解くテーマは「サイドC」。クラシックなものを特別にする、ビューティフルピープルが提案する新しいものの見方。2019年春夏に続く今季は「ボリューム2」とし、新しい視点でクラシックを紐解く。「洋服の内側」にフォーカス着目したのは、普段隠れている洋服の内側。身体に寄り添い、快適な着心地や安心感をもたらしてくれるインナーを主役に洋服を仕立てた。なめらかな肌触りのサテンや、保温性を高めてくれるウール、温かみをもたらすファーなどが、内から外に飛び出しファッションの新しい楽しみ方を教えてくれる。トレンチコート、モッズコート、フーディコートなどのアウターは、前面でインナーがむき出しに。シルエットはどれもロングで流れるような動きをみせ、まるでドレスのような優美さを醸し出している。また、ライナーと洋服の間に隙間を作り、そこに体を通すデザインも提案。通常は、後ろのライナーが露わになり、サイドシームは縫い合わされず開いたままの状態になっているので開放的なスタイルとなっている。肌と一体化するファッションピース洋服の内側への探求を進め辿りついたのは肌。ニットやドレスは身体に張り付くようなタイトなデザインとなっていて、一体化していると思えるほど自然に肌の上に溶け込んでいる。内臓・血・筋肉を暗喩したフラワー柄さらに探求を進め、皮脂の下に隠れているものにも注目。内臓器官、流れる血液、動きのある筋肉、こういったものを暗喩したようなボタニカルモチーフをドレスやニットにあしらっている。
2019年03月08日シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。テーマは「ガーディアン」。中国の少数民族・苗族の神話から着想今シーズンの始まりは、中国の少数民族・苗族(モン族)の神話から。龍の頭に魚の体を持つ伝説の生き物やフェニックス、命の花、9つの太陽、蝶など、神話上のモチーフを落とし込み、ドラマのあるデザインを完成させる。神話のストーリーは、シャッツィ・チェンが深い愛情で守ってきた刺繍の技術で表現。アウターやドレスの胸元には、職人たちの手によって命を吹き込まれたアイコニックなモチーフたちが。フーディトップには3D刺繍の蝶をオン、ジャケットにはフラワーのステッチが施されている。フェミニンドレスで可憐さプラスチャイナ服をアレンジしたドレスやマオカラーのトップスなどで、オリエンタルなムードは継続しながらも、フェミニンなムードを交えているのが印象的。レースやオーガンザで仕上げたエアリーなドレスは、ドラマティックな仕上がり。立ち襟になっていて、襟から花開くようにふわっとレースが顔を出していて、可憐な雰囲気を助長する。ダウンを“雲のように浮かせる”テープベストまた、繰り返し登場したブランドロゴ入りテープベストも、今季を象徴するピース。ドレスに重ねるとスポーティさが加わり、カジュアルダウンしたスタイルが楽しめる、優秀な小物だ。ダウンジャケットをひっかけて使い方の”お手本”も披露。ダウンジャケットは雲のようにふわふわと揺れ動き、ユニークなバックスタイルを築き上げていた。
2019年03月08日アニエスベー(agnès b.)は、メンズ・ウィメンズの合同ショーで2019-20年秋冬コレクションをフランス・パリで2019年3月4日(月)に発表した。「カーディガンプレッション」を男女で着こなすメンズ・ウィメンズの合同ショーでは、性差を越えたファッションの楽しみ方を提案する。特徴的なのは、男性モデルと女性モデルが同じデザインのアイテムを着用していること。40周年を迎えるブランドのアイコン「カーディガンプレッション」は、男女どちらも様々なアイデアで着こなしている。カーディガンの中にインナーを忍ばせ、首元でカラーコントラストを効かせたルック。パープルのカーディガンに、ブルーのコート、ネイビーのトラウザーを合わせて、クールなスタイルを披露。同じアイテムでコーディネートしても、男性が着るとシックに、女性が着るとポップに見えるのがユニークだ。ストリートのエッセンスを取り入れて、シャツ&カーディガンプレッションの上にフーディコートを重ねたスタイル。さらにキャップを取り入れて、プレイフルに着崩した。ロング丈にしたカーディガンプレッションは、ボーダートップス&ミニスカートを組み合わせて、フレンチシックにスタイリング。フーディ付きの進化版カーディガンプレッションも登場している。アフリカ出身の写真家の作品を再現アフリカ出身の写真家マリック・シディベからインスピレーションを得て、彼の作品を模した男女のルックは合同ショーならではの演出。女性はノースリーブドレスを、男性はホワイトのセットアップに白シャツを組み合わせ。マリック・シディベの作品のように、ランウェイでは2人のモデルがカップルのように楽しく踊る姿も見られた。美しい風景をファッションでも楽しむアニエスベーのプリントシリーズには、アニエスべー本人が撮影した冬の美しいシーンを起用。青空に向かって枝を伸ばす木々や夕陽の落ちる水面、寒風に吹かれながらも、目に入るとほっと安心できる美しい風景が切り取られ、ドレスやスカートなどで花を咲かせている。
2019年03月08日ジバンシィ(Givenchy)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月3日(日)に発表された。MIXジェンダースタイルを楽しむ今シーズンのキーとなるのは、男性性と女性性の融合。マスキュリンなピースはより男性的に、フェミニンなピースはより女性らしくデザインし、それらを組み合わせることで、「ミックスジェンダー」のスタイルを作り出す。マニッシュにこだわったジャケットジャケットは、ウール、ツイードなど紳士服にみられるオーセンティックなファブリックを使って仕立てた。ハリのある素材の特徴を存分に活かし、肩回りは張り出したラウンドショルダーに仕上げ、力強さを演出。また、MA-1のアームにダウンジャケットのボディを組み合わせたスポーティなアウターも登場している。女性らしさを追い求めたドレスロング丈のドレスは、フラワーのプリントを配したり、プリーツ加工を施したりして、可憐さを増長。袖の周りにフリルをあしらうなど、可愛らしいディテールもポイントだ。相反するものを融合させたスタイリングスタイリングはこれらの要素をコンバイン。パフィーなショルダーのビスチェは、スーツ風のトップス&パンツとスタイリング。甘さと辛さを共存させ、コントラストの強いルックを作り出している。また、コーディネートの幅を広げてくれる3種類の新作シューズも注目。ドレッシーなヒール、ボリューム感のあるメンズライクなブーツ、英国調の厚底シューズがラインナップしている。
2019年03月08日パコ ラバンヌ(paco rabanne)の2019-20年秋冬コレクションがフランス・パリで発表された。”バブル黄金期”の社交場をイメージ今季の起点は、1930年代そして1960年代の”バブル黄金期”。ディスコや軍事イベント、レッドカーペットなど、その時代の華やかな社交場に視点を定め、参加者たちが纏った衣装や愛したファッションにフォーカスを当てた。煌びやかなナポレオンジャケット軍事イベントへの参加者たちからたどり着いたナポレオンジャケットは、襟、袖口に金糸で煌びやか装飾を施し、華やかに仕上げた。ロングコートは、袖口の金刺繍だけでなく、襟から裾までファーをあしらうことでよりゴージャスな雰囲気を作り出した。30’sから蘇るオートクチュール風ピース1930年代のオートクチュールから切り取ったドレスやビスチェには、花々や扇型モチーフのグラフィカルパターンをのせて。前後アシンメトリーなスカートは、パーティードレスのようにバックスタイルがロング丈になっていて、エレガントなムードを放っている。ディスコパンツをより個性的に着こなすディスコシーンから選出されたディスコパンツは、メタリックピンクやパープルの”派手”な配色が魅力。ゼブラ柄のニットやギンガムチェックのロングコートなど、パンチの効いた個性的なアイテムとミックスコーディネートすることで、活気あるナイトシーンを表現している。アイコンバッグ50周年円形のパーツが連なったブランドを代表するバッグからは、誕生から50年を記念したアニバーサリーデザインが登場。また、星のパーツを組み合わせたポップなスタイルも提案されている。
2019年03月08日イーチ アザー(EACH OTHER)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月3日(日)に発表された。ミュージシャンの生歌からスタートミュージシャンのパフォーマンスから幕を開けたショー。生歌の後に披露されたのは、クラシックなルックだった。パンツスーツやストライプシャツ、ミディ丈のスカートなど、オーセンティックなアイテムが並ぶ。模様などの起用は控えめで、鮮やかなカラーのパワーを楽しんでいる。クラシックウェアをプレイフルにアレンジまた、クラシックな装いに遊びをいれたピースも登場。パンツスーツのジャケットに手を加え、ラペルを小さくし、異素材のベルベット地に変化させたものや、腕周りにボタンをぐるっと配して着脱できるようにしたジャケット、胸元にカッティングを入れた白シャツなどがラインナップしている。ニットレイヤードで“平凡打破”オーセンティックなウェアをプレイフルに着るため、ニットを使ったレイヤードピースも提案。着丈が”非常に短い”トップスやアームカバー、スカートの下に重ねるニットパンツなど。どれもユニークな組み合わせでコーディネートされ、クラシックウェアの厳格さを緩和させている。
2019年03月07日ロシャス(ROCHAS)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。クチュールへの回帰今季のロシャスは、昨シーズンに引き続き、クチュールへの原点回帰。クチュールメゾンとして誕生した、創立時のマルセル・ロシャスの作品やその妻エレーネ・ロシャスの作品にインスピレーションを得ている。Aラインのシルエット、たっぷりとしたボリューム感など、クチュールピースならではのエッセンスが落としこまれている。美しいAラインを描くふわりと広がったブラウスは、前面だけをタックインして、ボリュームスカートと合わせ、ふっくらとしたフォルムに整えている。背中で見せる“女の色気”Aラインを象徴するドレスたちは、気品溢れるパリジェンヌたちへ捧げた上品なブラック、優しいパウダーピンク、ピュアなホワイトなどのカラーで登場。いずれも、バックスタイルはカットアウトされ、背中でセンシュアルな魅力を引き出す。大きなリボンをバックに配したものも、可愛くなりすぎずエレガントにまとまっている。フェザーに見立てたウールビッグボリュームを表現したコートは、フェザーにみえるが実はウール。1束1束丁寧に縫い付けられ、アイコニックなシルエットを作り出している。
2019年03月07日クロエ(Chloé)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月28日(木)に発表された。オーロラを追い求める旅旅をキーワードに様々なクリエーションを展開するクロエだが、今季は、オーロラの広がる大地やロストフォレストへ歩みを進めた。絶景が望める一方、人には厳しい寒冷な地域。自然の美しさと厳しさを同時に感じられる地に足を踏み入れる、勇敢な女性像を描き出す。男性的なアウターが描く、勇敢な女性像寒冷地への旅に向けて用意したのは、暖かいアウター。勇敢なクロエガールにふさわしいマニッシュなデザインを基調としている。ウールとニットをコンバインさせたロングコートは、どことなくミリタリーな雰囲気も醸し出す。ファー付きのMA-1やチェック柄のダウンジャケット、ムートン、そしてクロエ自慢のケープも用意している。男性的な装いから派生して、ユニフォームのエッセンスも様々なピースから見て取れた。細身ラインのニットワンピースやトップスには、制服の定番モチーフであるアーガイル柄が刻まれている。グラフィックに隠された3つのキーワード今季のキーワードとして挙げられたLOVE、NATURE、commitmentの3ワード。これを表現するピースとしてグラフィカルなプリントのTシャツが登場。豊かな自然で佇む男女のカップルやペガサスのモチーフが、ファンタジックに描かれている。同時に、カップル・ペガサス・自然の絵柄は、トワルドジュイ風のデザインとなり、ブラウス上でも表現された。フェアリーなドレスでフィナーレへフィナーレにかけては、序盤とは一転フェミニンなウェアが勢ぞろい。フェアリーのイメージを投影したというドレスは、刺繍やプリント様々な手法で花々が描られている。スカート部分は、上下左右非対称的なアシンメトリーなシルエットが特徴で、今季はサイドにノットを配したデザインを提案。柔らかな素材をノットで調整することで、より流れるような美しいシルエットが表現されている。
2019年03月07日セリーヌ(CELINE)が、パリ・ファッション・ウィーク期間中の3月1日、2019-20年秋冬コレクションショーを行った。
2019年03月07日sacai(サカイ)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。ボリュームアウターの量感をコントロール今季のsacaiは、シルエットに緩急をつけたボリュームアウターが主役だ。ダウンや厚手のウール、さらに暖かさの象徴でもあるニットなど温かみのあるファブリックを起用。レングスも長めに整えて、寒風から身を守ってくれる女性に優しいピースを完成させた。シルエットは、ふわっと広がったAラインが基本。ふっくら厚みのある素材をAラインにそのまま取り入れてしまうと”大きくなってしまう”が、そこはベルトやギャザーなどによって女性らしいシルエットを形成。太いベルトやロープでウエストをシェイプさせたり、バッグスタイルにギャザーを寄せて、女性らしい砂時計型を作り出したり、メリハリのあるシルエットが印象的だ。遊び心あふれるディテールまた、ボリュームアウターというキャンバスには遊び心のある装飾で、個性という名の色を添えた。ピーコート風のウールコートは、胸下でカットアウトしジップを配して、ボディそのものをアンバランスな姿に変換。ダブルのウールコートには、ビックサイズのポケットを胸元にのせた。ヘムラインや袖口に異素材を配してフリルのようなふわっと広がったフォルムに仕上げているものもある。カラフルペインティングがアクセントにスタイルは、sacaiらしいテイストミックス。ミリタリー、ワーク、エスニック、スポーツ、クラシックなど、様々なスタイルが一つのガーメントの上で重なり合う。カラーはモノトーンやアースカラーなど、落ちつきのある色彩がメインだが、鮮やかなカラーを散りばめられたペインティングでアクセントを効かせている。
2019年03月07日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月2日(土)に発表された。昨シーズンより合同ショーをスタートしたブランドは、今季も引き続きメンズ・ウィメンズの新作を同時に見せる。黒・白・赤たった3色で作る個性あふれる世界今シーズンは、シックなブラック、ピュアなホワイト、そして情熱的なレッドの3色がメインカラー。ほぼほぼ全てのルックがこの3色によって構成され、組み合わせ方や模様、モチーフの配置の位置を変え多数のデザインを作り出す。カラーブロックのように左右、前後で色を変えたロングコートや、袖口のみ赤を差したホワイトのオーバー、アームラインのみ赤色に染めたブラックのジャケットなど、色の配置を変えることで個性を引き出したルックたち。同じ3色を使いながらも、チェッカーフラッグモチーフをあしらったジャケットやシャツ、ストライプ柄のロングコートなど模様を組み合わせてアレンジしたルックもある。立体ディテールでスリムジャケットに動きをプラススーパースリムな細身パンツにタイトなジャケット。おなじみのハイダー アッカーマンのユニフォームは、折りを使ってアレンジ。胸元のテキスタイルを折り紙を折るように手を加え、立体的なモチーフを施したジャケットは、コンパクトな空間に遊び心のある動きを加えている。ボリュームアウターが充実反して、ハイダー アッカーマンらしい“スリムユニフォーム”と対峙させるように、オーバーサイズのピースも多く提案された。腕周りもゆったりと取ったドロップドショルダーのコートや、羽織り風の総柄コート、肩周りに丸みのあるウールコートなど、ゆったりとしたアウターが揃っている。
2019年03月06日イザベル マラン(ISABEL MARANT)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月28日(木)に発表された。パワーショルダーの80年代を着想源に今シーズンのキーワードは「タイムレス 80’s」。ボリュームショルダーを繰り返し登場させ、80年代の特徴的なスタイルを現代に運んだ。トップスは贅沢に生地を使用し羽根のような広がりのあるショルダーラインに。ベストは斜めにカットアウトすることでツンと張った主張のある肩周りを完成させる。肉厚なニットは、ボディとアーム部分を立体的に組み合わせることで、80’sのシルエットを整えた。ワンピースも2ピーススタイルも、どちらもウエストマークすることで、美しい逆三角形のシルエットを作り上げている。旅人の勇敢さをマニッシュなスタイルで描くまた「旅」も今季を紐解くキーワードの一つである。何が起こるかわからない旅だからこそ、ワークパンツやミリタリーテイストのシャツ、オールインワンなどマニッシュな装いを登場させることで、旅に勇敢に立ち向かうアグレッシブな姿を描き出す。アースカラー×シルバーカラーはアースカラーが基本。ベージュ、カーキ、ブラウンなどほっこりとしたカラーに、キラキラと輝くシルバーを組み合わせた。パンツのサイドには、シルバーの立体的な装飾を並べ、シルバーのネックレスを重ね付け。また、洋服にハトメをあしらったり、ラメ入りのテキスタイルを起用しているルックもあった。
2019年03月06日ランバン(LANVIN)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。新クリエイティブ・ディレクターのブルーノ・シアレッリによる初めてのコレクションである。時代を越えて旅する「神秘的な巡礼者」がテーマテーマは神秘的な巡礼者を意味する「MYSTIC PILGRIMS」。様々な場所を訪ね歩き、巡りあったものを寄せ集めるように、コレクションピースの中には、時代・国境を超えたエッセンスを詰め込んだ。ジャンヌ・ランバンを巡る旅まずはメゾンランバンへの敬意を込めて、ジャンヌ・ランバンを巡る旅をスタート。1924年に生まれたメゾンロゴ「La femme et l’enfant」は、パジャマパンツのようにラフなパンツやロングスカートにプリントした。また、ランバンのシグネチャーカラーである“クワトロチェント”ブルーをピックアップ。アボカドグリーン、バナナイエロー、トマトレッドなど食べ物にまつわるポップな色彩と交えて、プレイフルにまとめた。また、ジャンヌ・ランバンの娘マルグリットからヒントを得て生まれたのは、マーガレットのパターン。花束を作るように小さな花たちを寄せ集めた可憐なモチーフは、ブラウスやスカートの上にのせた。ジャンヌ・ランバンのイニシャルからJLのロゴも誕生。総柄プリントになってロングパンツやトップスになったり、モチーフとしてボアアウターに配されていたりする。中世ヨーロッパの勇敢な聖人へ思いを馳せてブルーノ・シアレッリの旅は、中世のヨーロッパへ渡る。聖人セント・ジョージがドラゴンを倒したワンシーンをプリントとして起こし、ワンピースやスカートを作り上げている。70’s日本で生まれたカルト漫画&象のババールさらに、70年代への日本へと旅は続き、当時生まれたカルト漫画から着想した女性のモチーフをドレスルックのプリントに起用。ジャン・ド・ブリュノフの絵本「象のババール」やキツネ、野ウサギ、マーメイドの刺繍やプリントと交わることでほっこり温かみのある空気を作り出している。デニム地で作るフレッシュなブランドイメージブルーノ・シアレッリによる新生ランバンの誕生を物語るのが、デニムの起用。メインコレクションでは、これまで積極的に取り入れてこなかったカジュアルな素材をアウターからボトムスまで、様々なシルエットで提案することで、フレッシュな新しいランバン像が出来上がっている。
2019年03月06日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2019-20年秋冬「デフィレ」コレクションがフランス・パリで発表された。「デカダンス」をテーマに“本質”を追求コレクションの起点は、先に発表されたオートクチュール・アーティナザルコレクションから。「デジタル デカダンス」をテーマに、情報飽和の現代を表現したコレクションでは、一面鏡張りの空間で、どれか現実でどれが虚構であるか…本物のわからないカオスな空間を作りだした。対峙させるように生み出したのが、この2019-20年秋冬「デフィレ」コレクション。カオスな空間からカッティングなどの技術を使って、あらゆるものをそぎ落とし、純粋なもの=本質を突き詰める。このプロセスを「デカダンス」と呼び、コレクションのテーマに定めた。3Dから2Dへ変化させた洋服1つのアプローチとして、人が袖を通すことを考えて立体的に作られる、洋服の作り方そのものにもメスを入れた。アイテムは3Dから2Dピースへ変化。厚手のニットはふっくらとしたテキスタイルを潰し、平面的なニットに。フラットカットと呼ばれる手法で仕立てられたドレスは、前面と後面をピタッとくっつけたような平たい形に変化している。紳士服・婦人服の境界を取り払うまた、パンツ、スカート、コートなど洋服のカテゴライズを取っ払い洋服そのものと向き合う手法がある。本来男性のトラウザーであったものは、着る位置を移動させてケープドレスに変身。袖口のボタンなどのディテールに、元の形の余韻を残したジャケットも、ドレスへと様変わりしている。洋服の概念そのものを取り去ることで、紳士服・婦人服の線引きさえも消し去っていくのだ。洋服が持つ二面性前後で印象を変え、どちらが本物の服であるか揺さぶりをかける視点もあった。正面から見ると、フェルトやウールのヘリーボーンなど、紳士服に見られるオーセンティックな素材でできているのに、背面ではピンクフラミンゴをモチーフにしたエキセントリックなプリントのネオプレンを起用。二面性を持たせることで、洋服そのものをきちんと見る視点を持つことを訴えかける。
2019年03月06日オーラリー(AURALEE)が3月3日、パリで2019-20年秋冬メンズ&ウィメンズコレクションを発表した。オーラリーは、東京都と繊維ファッション産業協議会が主催する「第2回ファッション プライズ オブ 東京」を2018年10月に受賞。今シーズン、来シーズンにパリ・ファッション・ウィークで発表することが決まっている。会場に選んだのは、ポンピドゥー センター(Centre Pompidou)の横にあるコンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi)のアトリエ。ブランクーシの彫刻や再現されたアトリエ風景を背景に、プレゼンテーションが行われた。
2019年03月06日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月2日(土)に発表された。”穴あき”なのにほっこり、温かみのあるピースからスタートショーの幕開けは球体ピースから。毛足の長いファーのような素材に、連続的に円形の穴が開けられている。同じ素材で作られたドレスが続き、あとを追うようにモールで作られた立体的なドレスが現れた。ソフトな素材が使用されているからか、”穴あき”ピースなのに温かみが感じられるフェミニンデザインを積極的に起用この穏やかで優しい雰囲気は、後に続くコレクションピースにも連動した。ジャンパースカートやシースルートップス、プリーツたっぷりのドレスなど、ノアール(黒)の世界にフェミニンなピースが交わる。ハトメいっぱいのレザーアウターやライダースジャケットなど、ハードなピースにスウィートなピースを対峙させるのだ。ロマンティックカラーのドレスリボン状のシフォンを幾重にも重ねて仕上げたものや布を花びらのように並べて束ねたもの、花のようなボンボンを並べたものなど、ドレス群は特に女性らしい仕上がりで、ロマンティックな雰囲気を放っている。カラーも、ベビーピンクやオフホワイトなど、淡いカラーが選ばれていて、可憐なムードを演出する。
2019年03月06日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月2日(土)に発表された。お人形モデルがペアで登場今季は”双子ルック”のモデル2名が同時に登場し、2つのデザインを一緒に見せる演出を実施。モデルたちは”ぐりんぐりん”の巻き髪をツインテールにして、まるでお人形のようだ。花柄ワンピースをどう着る?キーピースとなるのは、色とりどりの花々をのせたロング丈のワンピース。軽やかな風を運ぶフレアシルエットのもの、クラシックな印象のプリーツタイプなど、様々なスタイルで提案されているのだが、”何か”が変わっている。どのワンピースも2つのワンピースがドッキングされていて、前後でまたは左右で違う柄、形のワンピースが顔を出している。正面から見ると2枚のワンピースを重ね着しているようだが、バックスタイルをみると、1枚のワンピースになっていたり、見る角度によって驚きがある。中盤からは、ワンピースだけでなく、アウターやニット、スウェットトップスなど、様々な種類のファッションアイテムと花柄ワンピースが交わる。前からから見るとレイヤードしているのに、後ろではセパレートしていたり、やはり見る角度によって表情が違うのが特徴だ。共通しているのは、いずれも洋服をリメイクしたような温かみがあること。MA-1やダブルのコートなどは、2人のモデルが表と裏、リバーシブルで着用。表では、ワンピースの上にアウターを重ねているのに、裏を返すとアウターがワンピースのインナーになっていたりと、洋服をひっくり返すことで、アイテムそのものの役割も変わっている。足元はウエスタンブーツで統一。柔らかさのあるウェアが続いた今季、フットウェアで統一。スタッズをたくさん取り付けられていたり、ブランドらしいパンクな雰囲気を感じられた。
2019年03月06日黒河内真衣子によるマメ(Mame Kurogouchi)が、パリで2019-20年秋冬コレクションを発表した。今シーズンは、黒河内自身のダイアリーを元に、青と記憶の破片というインスピレーションから生まれたコレクションを展開。
2019年03月05日マメ(Mame Kurogouchi)は、2019-20年秋冬コレクションをフランス・パリで2019年3月1日(金)に発表した。デザイナーの日記から生まれたコレクションテーマは「セカンド ダイアリー」。2019年春夏コレクションよりキーワードにしている、デザイナー自身の日記を中心にクリエーションはスタートした。そのダイアリーは、1日1日記、1写真、1デザインで構成され、事実とフィクションが融合されたユニークな物語。一見相反するフィクションとノンフィクションが出会うことで生まれるのは、異なる時代、文化、言語が融合した夢のようなストーリーだ。キーカラーは「青」今季のキーワードの一つとなるのが「青」。日常の中から見つけた浴槽で溶けて混ざりゆくバスソルト、過去の時代から見つけた歌川国貞らにみられる作品、そして江戸時代に織られた古布などからインスピレーションを受けたシーズンカラーである。藍色に近い深みのある青、淡いライトブルー、晴れやかな蒼色。織り、染め、加工など日本の技術を融合させたテキスタイルの上で、異なる表情を持った「青」が洋服の上で交わっていく。シルバーやゴールド、ブルーのラメ色を交わると幻想的な雰囲気だ。装いは、ややマニッシュな印象を受けるほどパンツルックが多く見られた。パジャマシャツとパンツのコンビ、ガウンコートとスラックスの組み合わせ。セットできるのがベストと言わんばかりに、同じ色柄のピースが同時に提案されている。しかし、どれも一点一点別々に着用できるようにデザインされており、ボタンや紐を巧みに組み合わせると、複雑なレイヤードが完成する、ウィットに富んだデザインである。また、秋冬シーズンらしくボマージャケットやムートンジャケットなど、厚手のアウターも提案。新作はテーブルクロス柄クリアバッグPVCバッグシリーズに加わる新作は、テーブルクロスを着想源に。クリア素材に、万華鏡に広がる複雑な模様をあしらい、クリスタルハンドルをコンビネーションさせている。
2019年03月05日ルメール(LEMAIRE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月27日(水)に発表された。セットアップをユニフォーム化今季のルメールは、トップ、ボトムスをワントーンでまとめてセットアップ風に着こなすのが気分だ。ニットとスカート、ボタンダウンシャツとパンツ、トップス+スカート&レギンスなど、どんな組み合わせも同じトーンでまとめることで統一感を作り出している。また、レングスはロングが基本で、スッと長いシルエットを作っているのも特徴である。スカート、パンツのボトムス群はどれもおへそ上までのハイウエストタイプで、ロングシルエットを強調させている。ディテールアレンジで個性をプラス華やかなデコレーションや個性のあるパターンなど、際立った装飾性は見られないが、襟、ショルダーなどのディテールをアレンジすることで遊び心を加えている。ウールのロングコートは、襟をデフォルメさせて前下がりの大きな襟に整え、ショート丈のジャケットは、肩周りを膨らませて変形型のパフスリーブを作り出している。また、スカートとレイヤードさせたタイトパンツに至っては、膝下をランダムに膨らませてデコボコとしたユニークなラインに仕上げている。再構築して作り出したピースも見られ、トレンチの変形型ポンチョや、ベストを昇華させて作り上げたジャケットなども登場した。
2019年03月05日クリスチャン ワイナンツ(christian wijnants)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。感情を揺さぶる美しいカラーパレット風をきるように優雅に舞う1着のワンピースから始まったショー。カラーは桜のように優しいピンクで、新しい季節の訪れを祝うかのような優美な印象だ。今季のクリスチャン ワイナンツは、ファーストルックを始め、エモーショナルなカラーが目立った。パキっとしたグリーンやブルー、パープル、オレンジ。ビビッドなカラーたちは、個性的な色彩と出会うことでその魅力をより発揮する。グリーンとブルー、パープルとホワイト、イエローとブラック。ファッションの楽しさやコーディネートの可能性を指し示す、ユニークなペアでコンビネーションされ、ランウェイに現れている。同色・同柄をセットで着る装いは、2ピースまたは3ピースのセットアップスタイルが多く、パンツスーツの正統派コンビに加えて、ハイネックニットとニットスカート、ガウンコートとシャツ・スカートなど、様々なスタイルで登場する。一つの色または柄に絞って、同じ色・模様を組み合わせるのがムードで、中にはジャケットからパンツ、シャツまで同じ花柄、ストライプ模様というルックもあった。パンツスーツは、落ち感のキレイなストレートパンツとややオーバー気味のジャケットをコンビネーション。すっきりとしたラインに仕立てることで、テキスタイルの上の模様やカラーの美しさを強調する。一方ドレスは、サイドスリット入りのボリュームモデルや、ニット地のもの、ウエストをきゅっと絞ったスリムタイプまで、様々なバージョンで展開された。
2019年03月05日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。理想の形を叶える素材「DOUGH DOUGH」がウール地に昨シーズン登場した新素材DOUGH DOUGH 。規律的に並んだプリーツ素材に反して、自由にかたちを遊べるのが特徴だ。ねじる、丸める、折るなど様々な動きを自由にし、パンをこねるように好みの形を作り出せる。イッセイミヤケの仲間に加わったニューカマーが、今季はバージョンアップして登場する。選ばれたのは秋冬らしいウール素材だ。暖かみのあるウールのDOUGH DOUGHを使ってコートやジャケットを作る。自由自在に変形できる特徴を生かして、襟を折り曲げ、裾をめくり理想の形を作りだす。そこには時間が止まったかのような儚い美しさが存在するのだ。万華鏡のように移ろいゆく新素材BLINKデビューまた、新素材BLINKもデビュー。樹脂プリントで仕上げたこの素材は、万華鏡のように光の角度によってコロコロと表情を変えるのが特徴。布全体に八角形のモチーフが隙間なく並んでいて、動きによって、そのモチーフが浮かび上がったり消えたりする。BLINKには、イエローやグリーン、オレンジなど、見ているだけで元気をくれる鮮やかな色彩をのせた。コートやジャケット、ドレスの上にランダムに配置されたカラーは、自分の意思をもって自由気ままに動き回っているようにみえるほど、エネルギッシュに映る。
2019年03月05日