恥ずかしさのあまり身を隠したい時、「穴があったら入りたい」と言いますが、さて、英語圏ではそんな時、どこに隠れたいと思うのでしょうか?答えは「ラグの下」。「恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいだった」は「I was so ashamed that I wanted to crawl under the rug(carpet).」と言えます。「I wish the ground would (open and) swallow me.」という言い方もあるようですが、地面にのみこんでほしいとは、想像するとちょっと怖いかも。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年02月17日■ミニチュア・ピンシャーの歴史ミニチュア・ピンシャーは、ドイツを原産国とする犬種です。もともとは、ネズミなどの小害獣駆除を目的として、ドーベルマン・ピンシャーの祖先としても知られる中型の犬種「ヘル・ピンシェル」を小型に改良したものです。ドイツ語では、「ツベルク・ピンシェル(超小型のかみつき犬)」といい、日本の愛好家からは「ミニピン」と呼ばれ親しまれています。数百年もの歴史があるといわれるミニチュア・ピンシャーのルーツに関しては不明な部分が多いのですが、1800年代には「レー(鹿)・ピンシャー」という犬種として登場しています。19世紀に入り急速に小型化が進み、愛玩犬として飼育できるサイズとなります。改良の過程でミニチュア・シュナウザーやトイ・マンチェスター・テリア、ダックスフントなどの血が混入され、体形も徐々に洗練されていきました。1895年にドイツのケネルクラブにより公認され、1925年に現在の犬種名となっています。非常に小型ながら番犬としても有能で、特にアメリカでは1920年代に急速に発展し、人気が高まりました。日本にも、主にアメリカ経由での輸入がなされています。■ミニチュア・ピンシャーの特徴と性格活発、大胆で攻撃的、そして自尊心が強い性格です。未知の人物に対しては警戒心が強く、ほえることもたびたびあります。愛玩犬として分類されてはいますが、その性質は、使役犬として改良されてきた出自を強く感じさせます。小型犬でありながら、体形は非常に均整がとれており、シャープで筋肉質。きびきびと俊敏に行動し、抜群の運動神経と疲れ知らずのタフネスを誇ります。前足を高く上げて歩く「ハックハニー」というウオーキング・スタイルが何とも魅力的です。■飼うなら…清潔好きで、体質も強壮。被毛は短毛で手入れの手間も多くありません。通常は陽気で、飼い主、家族にはとても忠実で愛情豊かですが、一方で、見知らぬ人に対しては、なかなか警戒心を解かない一面もあります。甘やかした育て方をすると、わがままな性格が助長される恐れがあり、しつけが重要な犬種といえます。また、多くの運動量を必要とするため、毎日たっぷりの運動が必須です。ただし、瞬発力に優れているため、ジャンプなどをした際に関節を痛めたり、脱臼する事故も起こりがちですので注意が必要です。■画像提供元ペットショップ「COO&RIKU」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月20日「九州の有明海沿岸には、『若者の尻の穴』を食べる食文化がある」。このように切り出せば、たちまちネット掲示板などは話題になるかもしれない。しかし残念(?)ながら、現地で実際に食されているのは人間のそれではなく、干潟に生息するイソギンチャクである。標準和名・イシワケイソギンチャク。有明海沿岸での方言名は「ワケノシンノス」。この「ワケノシンノス」を標準語に訳せば、「若い者の尻の穴」になるから恐ろしい。地元で古くから食材として愛されてきたワケノシンノスは、現在では水産物専門店で全国にネット販売されている。今回購入した商品は、送料込みで1kg4,200円。多少高価ではあるが、試食してみることにした。注文から数日後、ワケノシンノスが届く。漬けられた海水の中で灰褐色の肢体をだらしなく伸ばし、触手をフワフワ漂わせる姿はおよそ食欲をそそられるものではない。極端な魚介類嫌いが高じてか、水棲生物をモチーフにあらゆる邪神を創造したアメリカの怪奇作家の気持ちがよくわかるというものだ。そんなワケノシンノスをザルにあければ一瞬で丸く縮こまる。この状態で塩揉みしてヌメリを洗い流し、いよいよ調理に取りかかる。まずは現地でのスタンダードメニューである「味噌汁」と「煮付け」。創作メニューとして、縦に切り開いてタレに漬け、小麦粉をはたきつけた「和風ムニエル」。そして「酒蒸し」。「ワケノシンノス尽くし」の食膳を整え、ある程度覚悟しながら口に運ぶ。しかし、これが意外においしい。かたい外皮に歯を当てればカリッと快い感触のうちに噛み切られ、濃厚な旨味が口中に広がる。アサリの内臓か牡蠣にも似た、海中の栄養素を込めた芳醇な滋味に、食前の覚悟で胃に湧き上がっていた酸っぱいものは速やかに癒された。調理のポイントは、「加熱しすぎない」ことだろう。煮過ぎればクタクタになり、外皮の歯ごたえが失われる。また、薄味に調味することがおいしさを引き出すコツと思われる。名前と外見で損している典型例のワケノシンノス。命名者の感性が心から悔やまれる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月30日友だちや恋人、家族、同僚…誰かしら傍にいたとしても、なぜか寂しさに襲われるときがある。そんな心にぽっかりと空いた穴ぼこを埋められるモノは人それぞれで、映画『レンタネコ』に登場する人々の場合は“猫”の存在がその穴を埋めてくれる──。「♪レンタ~ネコ、ネコ、ネコ。寂しいヒトに、猫、貸します」と呼びかけながら、穴ぼこの空いた人と猫との出会いを手伝うヒロイン・サヨコを演じた市川実日子。30代を迎え、大人の女性に近づきつつある市川さんの心の中にも確かに寂しさはあった。市川さん、その寂しさとどう向き合っているんですか?30代を迎えて変わった“穴ぼこ”の受け止めかた「以前は、かわいい文房具や素敵な洋服を買ったり、友だちと会ったりして穴ぼこを埋めようとしたこともありました。今でも無意識にそうしているかもしれないけれど、埋めるために何かをしても埋まらないときもあるんですよね。それに気づいてからは、敢えて何かをしたりしないように。ああ、穴ぼこ空いているな…って、空いていることを受け止めて知っておくことも大切だと思うんです。だから今はほうっておきます(笑)。そんなふうに思えるようになったのは、20代を経て30代を迎え、年齢を重ねたからなのかもしれないですね。共演した田中圭さんとも“穴ぼこ”の話をしてたんですけど、(20代の)田中さんは『えーっ!僕はすぐに埋めます!』って言っていましたから(笑)」。自分自身の気持ちを素直に受け止められる年齢であることも、荻上直子監督がサヨコ役に市川さんを選んだ理由のひとつなのだろう。監督は「市川さんが持っている少年っぽさを出せる最後のタイミングだったんじゃないかと思っています」と、今の市川さんの魅力をスクリーンに映し出している。荻上監督といえば、デビュー作の『バーバー吉野』を始め、『かもめ食堂』、『めがね』、『トイレット』と、新作ごとに様々な形で人とのつながりを描いてきた監督だ。『めがね』に続いてのタッグを組む市川さんは、荻上監督の“らしさ”について「ファンタジーとリアルが入り混じっている世界を創り出す監督」と表現する。「寂しい人にネコを貸すという、ありそうでなさそうな物語は、見方によっては不思議な話とも思えるけれど、気づくと自分と重ね合わせたり、(その世界観を)自分の中で探していたりするんですよね」。中でもファンタジーとリアルを強く感じたのは、サヨコが川辺で立ち尽くすとあるシーン。「あれ…みんな何処に行っちゃったんだろうって感じるあのシーンには、いろいろな意味があると思うんです。具体的な言葉にはしていないけれど、あの感覚、なんか分かるんです。(周りに人がいるのに)突然、ひとりになってしまう感覚ってありますよね?普段、感じていても言葉にしていない、でも確かに感じ続けていることが、あのシーンに描かれていて。うん、ファンタジックなのにリアルなんですよ」。「猫との距離がぐっと近くなった」撮影現場リアルなキャラクターとしてサヨコの前に現れるのは、夫と愛猫に先立たれた老婦人、単身赴任中の中年男、自分の存在意義に疑問を感じている受付嬢。寂しさゆえの穴ぼこを抱えた彼らに「寂しいまま、なんて絶対にいけません」と、サヨコは猫を貸す。祖母の遺した一軒家に17匹の猫と住み、見ず知らずの人の寂しさを埋めることを仕事にしている彼女を、市川さんは「傍から見ると、ひとりでも楽しく生きてそうに見えるんですけど、彼女自身は自分は孤独だって感じていると思うんですよね…」と代弁する 。“今年こそは、結婚するぞ”と習字で目標を書いては壁に貼っているのも、孤独から脱したいという願望の現れなのかもしれない。市川さんも、意外にも結婚願望の強いサヨコに共感。「ひとり暮らしを始めた頃は楽しかったと思うんですよね。すべての時間を自分のために自由に使えるという醍醐味もあるし。でも、寂しさって突然にやってくるもので…たまーに寂しくなるんですよね」と、哀愁をふくんだ笑みを浮かべる。そんなサヨコの寂しさをからかうように、何かとちょっかいを出してくる謎の隣人を、ラジオDJとしておなじみの小林克也が、まさかの女装で演じているのも面白い。「本番で笑わないようにするのが大変でした(笑)。普段のしゃべり方はとても男らしい方なので、なおさら可笑しいんです。サヨコとの絡みも面白いし、何よりもあんなに正直に話してくれる隣人っていいですよね(笑)」と語るように、小林さんの演じる隣人のセリフは笑いと共に心にしっかりと突き刺さる“何か”を持っている。また、17匹の猫たちからは猫と暮らす良さ、動物が与えてくれる癒しを感じるはず。もともと犬派だった市川さんも「猫との距離がぐっと近くなった」と、猫に囲まれた現場をふり返る表情はなんとも和やかだ。「同居人」のような猫の存在「サヨコは、猫~!っていうように極端にかわいがるタイプではないので、ほどよい距離感を保ちつつ、猫は猫、サヨコはサヨコっていう感じで現場に臨んでいました。人でも猫でもすべてを同じ目線で見ることのできるキャラクターなんです。だから、17匹も猫がいても違和感がないというか…。撮影に入る前に監督が、猫に何か強要するということはせず、でも猫待ちということもせず、猫に自然なままでいてもらうスタイルで行きますと話していて、本当にそういう撮り方でしたね」。たしかに、サヨコと暮らす猫たちはペットというよりも同居人のような存在。荻上監督自身が長年猫を飼っているということもあり、彼女がつねに感じていた「猫に癒されたり、猫から与えられたものが多かったので、この映画はそのお裾分けという気分もあります」というメッセージも込められている。撮影を終えた今、市川さんもしっかりとそのお裾分けを受け取り「猫と暮らしたくなりました」と、猫との暮らしに惚れ惚れ。敢えて穴ぼこは埋めないようにしているという彼女の穴ぼこを『レンタネコ』の猫たちがごく自然に埋めたように、この映画を観た人の穴ぼこも、猫と人間、愛しいキャラクターたちがきっと埋めてくれるはず──。(photo:Yoshio Kumagai/text:Rie Shintani)■関連作品:レンタネコ 2012年5月12日より銀座テアトルシネマ、テアトル新宿ほかにて全国公開© 2012 レンタネコ製作委員会■関連記事:田中圭、初めての荻上直子作品の現場は「ボーっとしてた」『かもめ食堂』荻上直子監督の最新作『レンタネコ』、ベルリン映画祭出品決定荻上直子監督最新作!ハートフルムービー『レンタネコ』試写会に15組30名様ご招待
2012年05月09日全国から老若男女が集まりただ一心不乱に穴を掘るイベント――それが千葉県・成田ゆめ牧場が主催する「全国穴掘り大会」です。1~6人までのチーム制でひたすら穴を掘り、最も深い穴を掘ったチームには賞金10万円を進呈する気合の入りよう。口コミやネットでジワジワと広まり、なんと今年で12年目を迎えます。ただ穴を掘るだけのイベントが12年も……なかなかに感慨深いものがあります。聞けば、大会で掘った穴は、一週間後には牧場スタッフがせっせと埋めるのだそう。ではなぜわざわざ穴を掘るの?すぐ埋めるのに?イベントの実態を確かめるべく、現地で体験してきました。ちなみに、今年は259チームが参加し、ほとんどが6人でチームを組んでるとのこと。単純計算で、約1500人が穴掘りのためだけに成田市までやってくる……すごい話です。成田ゆめ牧場に着くと、周囲にはヘルメット、はしご、業務用スコップにロープ、とえらく本気の装備でスタンバイするオジサンたち。彼らのジャージや作業着の背面には"○○工業"、"○○水道"とプロアピールが。"牧場でただ穴を掘るだけのイベント"など、どう考えてもノンビリ優雅なファミリーイベントのはずなのに、この汗臭さは一体どういうこと?そして、紙によく分からない計算式を書いて打ち合わせをするチーム、イベントスタートから終了までのペース配分を打ち合わせるチーム。ところどころで円陣を組む様子まで見受けられました。彼らの何がそんなに穴掘りに駆り立てるのでしょうか。チームのひとつに声を掛けてみると、「んあ?取材?試合開始してからは寄ってこないでよ!」とうるさそうにあしらわれてしまいました。どうやら愛知県から毎年はるばる参加しにきてるそうで、今年こそはとこの試合に賭けているのだとか。ほかにも、今年は北は長野県、南は愛媛県までと地方からの猛者も多数。参加者のおおまかな比率は、工事関係者等のプロが35%、プロ以外の若い男性が30%、家族連れが25%、若い女性が10%といったところ。ただ、たったひとりの孤独なチームで、しかもショートパンツにタイツのような普段着の20代女性は筆者以外に見当たりませんでした。おのれの穴掘りへの情熱の足りなさを猛省し、孤独をかみしめてるうちに、試合開始のカウントダウンが始まりました。試合スタート!その一言で全チームがすさまじい勢いで掘り始めました。「うぉぉぉぉー!!」と猛り声まで聞こえてきます。「ああ、これは穴の深さでは勝てない」と軟弱な筆者は早々に気迫負け。大きさがダメなら、形で勝負です。穴を審査するのは、主催の成田ゆめ牧場のスタッフ。ならば、「御社のこと、大好きです」と言わんばかりに媚(こび)を売った穴を掘ればいいのです。そこで、筆者は「ゆめ牧場」と地面を掘る、いえ、彫ることに決めました。ところが。……掘れない。思った以上に地面は固く、やっとの思いでスコップをさしこめても、雑草の根っこが邪魔をし、数cm掘ることすらままなりません。「ゆめ牧場」と堂々たる媚び穴を掘るなど夢のまた夢。ゆめの「ゆ」の字すらまともに掘れたものではありませんでした。開始3分もたたずして試合放棄した筆者。対して、いい顔して泥だらけになっているほかのチーム。結局、「ただ地面の固さにイライラしただけ」という思い出のみが残り、試合終了の合図が鳴り響きました。穴ひとつまともに掘れないなんて……と肩を落としながらほかのチームの穴を見てまわると、ほとんどが深さ1m前後の穴を掘る中、富士山を模した穴や、字や絵を描いた穴など、もはや穴の範疇に収まりきらない力作もありました。全259個の穴の計測・審査が終わるのを、牧場で牛と戯れたり、牛を食べたりして待つこと数時間。ようやく結果発表が始まりました。芸術的な穴との評価で「ユーモア賞」に輝いたのはこの穴。穴の深さこそ35cmと優勝には遠く及ばなかったとは言え、穴にハマった人やHELP!の文字を添えることで、穴の浅さをごまかすことに成功している見事な作品です。そして、優勝はなんと3m39cmもの深い穴を掘ったチーム。当然ながら、優勝チームを始め、上位に名を連ねる面々は、ほとんどが土木工事関係のプロでした。ちなみに、優勝賞金は、50円玉を並べて「十万」と描かれた10万円。優勝チームは、これをそのまま渡され、家に持ち帰ります。あれだけの固い地面を3m39cmも掘れるなら、何のことはないでしょうけれども。主催の成田ゆめ牧場・鈴木卓さんは、「穴掘りはれっきとしたスポーツ。世界で一番力の入る脱力系スポーツイベントですよ」と笑います。もともとは、冬場の牧場の集客のために、インパクトがあり、わかりやすく、大人からこどもまで誰でも参加できるイベントとして企画された当イベント。むやみに力任せで掘っても優勝は難しく、緻密な作戦とチームワーク、知力がとても問われるのだそう。たとえ筆者のように非力で根性なしでも、他チームの穴作品や、穴を掘る人々を眺めているだけで非日常感を味わえる上、無心に穴を掘り進める人々の熱気に包まれるのは、異様な中毒性すらあります。日本でおそらくここでしか味わえないその中毒性こそが、12年もこの謎の大会が愛され続けているゆえんなのかもしれません……。(朝井麻由美+プレスラボ)(撮影:天谷窓大)成田ゆめ牧場「全国穴掘り大会」は、毎年冬にココで開催されます。
2012年03月23日