エプソンは2014年11月1日から11月9日まで、大画面で3D映画やゲームを体験できるイベント「3Dホームシアタープロジェクター体感イベント」を開催する。会場は東京都・墨田区の東京ソラマチ「スペース634」。入場は無料だ。本イベントは、3Dホームシアタープロジェクターの迫力ある映像を体験できるイベント。150型の大画面にプロジェクター「EH-TW6600W」で3D映像を映し出す「迫力の3D映像体験コーナー」、6畳程度のスペースで実現可能な100型のリビングシアターにプロジェクター「EH-TW5200」で映像を映す「リビングシアターコーナー」、ゲーム機「Xbox One」を大画面で楽しめる「大画面ゲーム体験コーナー」、メガネ型デバイス「MOVERIO」を装着できる「スマートグラス体験コーナー」などを用意する。実施期間は2014年11月1日から11月9日。開催時間は平日が12:00から20:00、土日祝日が10:00から20:00まで。6歳未満の3D映像視聴は不可。
2014年10月30日ハウステンボスは、大阪城に3Dプロジェクションマッピングを行うイベント「大阪城3Dマッピング スーパーイルミネーション」を開催する。開催期間は12月13日~2015年3月1日。営業時間は17:30~22:30(12月20日~12月25日は23:00まで/2015年1月13日以降は18:00~22:30)。会場は大阪城 西の丸庭園および天守閣。入場料は大人(中学生以上)が1,700円、小人(4歳以上~小学生)が1,000円(12月13日~1月4日および土日祝は割増料金/優先入場可能なプレミアムチケットあり)。この企画は同社と大阪観光局が2013年より連動展開させたもので、今年で2度目の開催。ハウステンボスが同社テーマパークで行う大規模なイルミネーションイベント「光の王国」の技術を生かし、光を用いた演出を実施する。今回2度目の開催にあたって、3Dプロジェクションマッピングの映像を新装。原則30分のサイクルで、大阪城を舞台に上映を行う。また、3Dプロジェクションマッピングのほか、「日本最大級の新イルミオブジェ」が登場するとのこと。さらに、一面に青い光が広がる「光のビックブルー」と光と音楽のショー「ジュエルイルミネーションショー」も展開するなど、全部で4つの見どころを設けるとのことだ。
2014年10月30日XYZプリンティングは、世界初となる3Dスキャナ機能を搭載した3Dプリンタ複合機「ダヴィンチ 1.0 AiO」を販売すると発表した。販売開始は11月中旬を予定。販売経路は全国の家電量販店やネットショップ、同社Webサイト。価格は11万9,800円。「ダヴィンチ 1.0 AiO」は、3Dプリンタと3Dスキャナが一体化した、世界初となる3Dプリンタ複合機。スキャナ機能が搭載されたことで、3Dデータを作成するモデリング技術がなくても、自宅で簡単にお気に入りの小物などを手軽に"3Dコピー"することが可能となっている。スキャンしたい物を筐体内のターンテーブルに置いてスキャンすると、左斜め上と右斜め下に配置された2方向からのセンサーによって、5分弱という短時間でスキャンが行われ、そのスキャンデータがパソコンに出力されるという。また、同製品向けに新たに開発されたPC向けアプリケーション「XYZscan」を使って、スキャンデータのサイズを変更したり、表面の滑らかさを調整できるという。3D形状を表現するファイルフォーマットのひとつである「STL」ファイルとしても保存でき、同型式のファイルに対応した編集ソフトを使って編集することも可能だ。そのほか、フィラメントはABS樹脂およびPLA(ポリ乳酸)樹脂の両方に対応。ABS樹脂フィラメントは従来の13色に加え、新色として「ゴールド」、「蛍光マゼンタ」の2色が販売されるほか、同製品から対応したPLA樹脂フィラメントとして「クリア」、「ホワイト」、「ブラック」、「ブルー」、「レッド」の5色が、同じく11月中旬より順次販売を開始されるとのことだ。価格はABS樹脂、PLA樹脂ともに各色3,280円。なお、同製品の本体サイズは468mm(幅)×510mm(高さ)×558mm(奥行)、重量は約23.0kg(本体のみ)。印刷方式はFFF/熱溶解フィラメント製法。プリントヘッドはシングルへッドで、ノズル直径は0.4mm。プリントスピードは60、90、120mm/秒。積層ピッチは0.1mm / 0.2mm / 0.3mm / 0.4mm。対応ファイルはSTL、das、XYZフォーマット。最大出力サイズは200mm(幅)×200mm(高さ)×190mm(奥行)。スキャナは200万画素カメラ+レーザーダイオード。スキャンサイズは150(直径)×150mm(高さ)、精度は0.2mm(200μm)。スキャン速度は平均4.8 分(288秒)。インタフェースはUSB 2.0。対応OSはWindows 7以降、OS X 10.8以降。
2014年10月30日XYZプリンティングは10月29日、パーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ」シリーズの新製品となる「ダヴィンチ 1.0 AiO」を発表した。「ダヴィンチ 1.0 AiO」は、スキャナ機能を搭載した3Dプリンタ複合機。筐体内の専用ターンテーブルに対象物を置いてスキャンすることができる。スキャン用センサを2つ配置することによってスキャン時間の短縮が図られているほか、より遮光性の高い材質を選定し、従来製品から筐体色を変更するなど、精度を高めるための工夫もなされている。また、フィラメントは従来のAVS樹脂に加えてPLA樹脂にも対応した。本体サイズは468(幅)×510(高さ)×558(奥行)mmで、最大出力サイズは200(幅)×200(高さ)×190mm(奥行)。価格は11万9800円で、家電量販店やネットショップ、同社のWebサイトなどで11月中旬より販売を開始する。
2014年10月30日XYZプリンティングジャパンは29日、家庭向け3Dプリンタとして初めてスキャナ機能を搭載した「ダヴィンチ 1.0 AiO」を発表した。同社は同日発表会を開催し、XYZprinting会長兼XYZプリンティングジャパン代表取締役の沈軾栄氏、XYZプリンティングジャパンゼネラルマネージャーの吉井宏之氏が、製品の概要や特徴を紹介した。「ダヴィンチ 1.0 AiO」は、家庭向け初の3Dスキャナ搭載「オールインワン3Dプリンタ」。本体内部に2基のスキャンユニットを備え、直径15cm、高さ15cm以内の対象物をスキャンできる。データはPCに出力され、専用のドライバソフトウェア「XYZscan」で調整後、印刷ボタンをクリックすると、3Dプリントが行われる仕組み。XYZscanでは読み込めなかった影の部分などを補正する自動補修機能、サイズや表面の滑らかさを調節できるパラメータ機能などを備える。本体サイズはW468×D558×H510cm、重量は23kg。発売時期は11月中旬。価格は税込119,800円。家電量販店やオンライン販売サイトなどで発売予定。2014年9月にドイツ・ベルリンで開催された国際家電製品展「IFA 2014」で展示されたモデルとなる。製品詳細はニュース記事に詳しい。■ニュース記事XYZプリンティング、スキャナ内蔵の3Dプリンタ複合機「ダヴィンチ 1.0 AiO」○3Dプリンタで「5つのチャレンジ」をXYZprinting会長兼XYZプリンティングジャパン代表取締役の沈軾栄氏は、「今回紹介する製品はオールインワンの3Dプリンタだが、5年後、10年後を踏まえると世界初の3Dプリンタとなる」とコメント。沈軾栄氏は、今後3Dプリンタが発展するにともない、「5つのチャレンジ」があるという。1つ目は3Dモデリングデータの普及。現状、ほとんどのユーザーが自分で3Dモデリングができない中、方法としてはネット上からデータをダウンロードする方法と、今回発表されたように、自分でスキャンする方法があるとする。その中で「ダヴィンチ 1.0 AiO」で対象物をスキャンするには「物を中に入れてスキャンするだけ。非常に簡単。82歳の母に使い方を教えたい」と、モデリングの手軽さを強調した。2つ目は材料。今後は金属材料のほか、柔らかいもの、固いものを融合したような素材も出てくると話し、2015年1月に開催予定のCESにおける新素材の発表も示唆した。今回の「ダヴィンチ 1.0 AiO」では、シリーズ初となるPLA素材に対応し、ABS樹脂とPLAの2種類の素材が利用できるようになった。なお、残りの3つは「フルカラー印刷」、「品質」、基板などにプリントできる「電子材料」とのこと。氏は今後の3Dプリンタ市場について「今の時代は家の中でもロボットが出始めている。家庭や事務所に3Dプリンタが置かれる時代がきっとやってくる」と締めくくった。○「3Dモデリングができない人でも手軽に使える」 - 吉井氏XYZプリンティングジャパンゼネラルマネージャーの吉井宏之氏は、「ダヴィンチ 1.0 AiO」の特徴を紹介。ターゲットは一般家庭だが、今後法人営業にも力を入れるという。目標販売台数は、「ダヴィンチ」シリーズ全体で、今後1年間で数千台。吉井氏は大きな特徴として、「知識がない人でもスキャン機能により、手軽に3Dプリントできる」ことを挙げ、スキャン内蔵の優位性をアピールした。「ダヴィンチ 1.0 AiO」は、内部に200万画素カメラ・キャリブレーション用ライト・赤色レーザーダイオードを一体化したユニットを2基備え、ターンテーブルに載せた対象物を回転させてスキャンする。スキャンにかかる時間は約288秒(約5分)。スキャン精度は0.2mmで、プリンタ機能は従来と同等で、デザインも踏襲するが、側面にはスキャン精度の向上のため、外部光を遮るダークブルーを新たに採用する。また、PLA素材のシリーズ初対応にも触れ、合わせてABS新色も発売も明かした。ABS新色はゴールド、蛍光マゼンダ。発売日は11月中旬で、価格は3,280円。
2014年10月29日XYZプリンティングジャパンは29日、個人・家庭向けの3Dプリンタ「ダヴィンチ」シリーズの新製品「ダヴィンチ 1.0 AiO」を発表した。3Dプリンタ本体に3Dスキャナを内蔵し、対象物のスキャンからPC経由でのデータ生成、3D出力までが行える「3Dプリンタ複合機」をうたう。発売時期は11月中旬。価格は税込119,800円。販路は家電量販店やオンライン販売サイトなど。2014年9月にドイツ・ベルリンで開催された国際家電製品展「IFA 2014」で展示された新製品。きょう体は、従来の「ダヴィンチ」シリーズ共通のデザインとなるボックス型を採用。側面は従来グレー色のパネルだったが、スキャン精度の向上のため、外部光を遮るダークブルーを採用する。内部に200万画素カメラ・キャリブレーション用ライト・レーザーダイオードを一体化したユニットを2基備え、対象物を1回転させてスキャンする。スキャンにかかる時間は約5分。スキャン精度は0.2mmで、スキャンサイズは最大15×15cm。スキャンに適する素材は石膏像など白色の物体や丸みのある物体など。適さない素材は光沢素材のもの、黒色など色がくらいもの、角や足など影ができやすいもの、空洞のあるものなど。スキャンデータの編集は、独自ソフトウェア「XYZscan」を使いPCで行う。XYZscanでは、スキャン対象物に合わせ、物体の色や明度、滑らかさなどをパラメータで調節可能。サポートするデータ形式は独自の.das、.stl。プリンタ部の主な仕様は、印刷方式が熱溶解樹脂積層(FFF:Fused Filament Fabrication)方式、最大出力サイズがW190×D200×H200mm、解像度が100~400ミクロン、プリントヘッド数がシングル、ノズル直径が0.4mm。本体表示は日本語(カタカナ)。PCとの接続はUSB 2.0で、対応OSがはWindows 7以降、OS X 10.8以降。プリント用ソフトウェア「XYZware」のサポートデータ形式はデータはデータは.das、.stl、XYZフォーマット。
2014年10月29日イーフロンティアは、国産3DCG作成ソフトウェア「Shade 3D」シリーズの最新版「Shade 3D ver.15」シリーズを発表した。発売日は11月28日。価格は、「Shade 3D Basic ver.15」が税抜9,800円、「Shade 3D Standard ver.15」が税抜4万円、「Shade 3D Professional ver.15」が税抜8万円。最新バージョンでは、3Dプリントに適した3Dモデルを作成するための「3Dプリントアシスタント」が大幅に強化された。「自動修正」を強化するためのモデリング新機能「ラッピング」も組み込まれており、3Dプリンタが処理できない部分の検出から修正までを、よりスムーズに行えるようになったという。また、3Dスキャナとも相性が良いモデリング機能、ポリゴンリダクションも搭載。さらに、レンダリング速度も5%から10%程度向上した。なお、ユーザーインタフェースの4Kモニタ対応や、Dropboxと連携した3Dデータ管理なども新たにサポートする。なお、上述のソフト単体のほか、「Shade 3D Basic ver.15 ガイドブック付き」(税抜1万1,800円)、「Shade 3D Standard ver.15 アカデミック」(税抜2万円)、「Shade 3D Professional ver.15 アカデミック」(税抜4万円)といった、ガイド本のセットや学割製品も用意される。
2014年10月28日ニコンは10月23日、高精度非接触センサ3D計測システム「HN-C3030」を発表した。2015年5月上旬より発売する予定。同製品は、高速デジタル変換処理により、毎秒約12万点の高スピードで表面点群のデータを取得する。また、非接触式3次元測定機として世界最高の最大許容球間測定誤差ES, MPE 5μmの高い精度で計測できる。例えば、直径約250mmの自動車用歯車の全歯面形状検査を約5分で完了できるといった、高いスループットを備えている。さらに、測定方向の自由度を高めた新開発のチルトヘッド方式のセンサを採用。レーザスキャナの作動距離が98.6mmと大きく、凹凸のある被検物の測定も可能な他、最大30kgの被検物まで測定できる。そして、オプションとして、測定ティーチングファイルの作成や、歯車を簡単に解析できる、多様なアプリケーションソフトウェアが用意されている。この他、装置チャンバ内の温度を一定に保つ温調装置(別売)を接続することにより、生産ラインなど、より現場に近い場所や恒温測定室外での使用もできる。
2014年10月24日●家電感覚で手軽に使えるコンパクトな3Dプリンタ登場!もともとは、業務用の"試作用機器"として存在した3Dプリンタ。しかしここ数年で、コンシューマー向けの小型で手軽なモデルが一気に普及し始めている。今回、株式会社ストラタシス・ジャパンから発売されている、MakerBot製品の「MakerBot Replicator Mini(メーカーボット レプリケーター ミニ)」をお借りすることができたので、実際に筆者が自宅で使ってみたレビューを、お届けしたいと思う。○信頼性・手軽さ・デザイン性、すべてを兼ね備えた「MakerBot Replicator Mini」「MakerBot Replicator Mini」は、世界で7万台以上の販売実績を誇る、コンシューマー3DプリンタのパイオニアであるMakerBot社が、今年リリースしたデスクトップ3Dプリンタである。同社が扱う3Dプリンタの中では最も小型で、手軽さを前面に打ち出している製品だ。その手軽さは、付属のクイックスタートガイドに従って作業を進めるだけで感じられた。"箱から出す"といったアクションまで含め、たったの14ステップでプリント可能な状態にたどりついてしまったのだ。その間、細かい調整やセッティングのたぐいは一切なし。気をつかったといえるのは、造形物をプリントするビルドプレートにシートを貼るときくらい。誰しもシールを貼るときは、まっすぐ貼ることができるか、ちょっとは気をつかうだろう。それくらいの気づかいでOKなのだ。フィラメントが溶かされ、精密に制御されながら3Dモデルをプリントする。最も大事な場所であるはずのエクストルーダー部分ですら、パチンとはめ合わせるだけ。強力なマグネットが仕込まれているおかげで、しっかりと位置決めが行われる。3Dプリンタは「精密機械」という先入観を打ち崩す、生活家電に近い気安さだ。まるで生活家電のような、たたずまいにも注目だ。リビングに置いても違和感がない黒を基調としたボックス形の筐体デザインは、工作機械然とした雰囲気がほとんどないのだ。●3Dプリントデザイン・コミュニティ「Thingiverse」で簡単に3D製品が作れる○早速、造形開始!象の人形編さて、そんなこんなで自宅に設置された「MakerBot Replicator Mini」だが、これをどう使うかが今回の本題だ。まずは3DCADで3Dデータでも作ってみよう……なんて、どこかで見たような流れにはならない。今回は3DCADをまったく触らずに、遊んでしまうことにする。というのも、「MakerBot Replicator」シリーズには強い味方がいる。それが「Thingiverse」(シンギバース)という世界最大規模の3Dプリントデザイン・コミュニティだ。2014年9月現在、21万8千件以上の3Dデータが投稿されており、そのすべてが無料という宝の山である。ここに投稿されているデータはSTL形式の一般的な3Dデータだが、うれしいのは「Thingiverse」と「MakerBot Replicator」の親和性だ。セットアップの過程で「MakerBot Desktop」というソフトをインストールするのだが、実はこのソフトから直接「Thingiverse」のデータを検索することができる。さらに使いたいデータを見つけたら、「Prepare(準備)」ボタンを押すだけで取り込まれ、あとは「Print(プリント)」ボタンを押すだけで造型がスタートするのだ。3Dプリンタは3Dデータがなければただの箱だ。しかし「Thingiverse」には、ちょっとした小物からロボットの部品まで、さまざまなデータが投稿されている。そこで、まず最初にプリントしてみたのは、ストラタシス社公認データだという、象の人形だ。スイッチを入れ、準備ができると「ピロリロ~♪」と明るい電子音が流れる。準備OKのサインなのだが、無機質なブザー音でないのは、楽しげな使用感を演出するためだそうだ。確かに、PCから指示を送ると、動作の所々でまた違った電子音が流れるので、まるでコミュニケーションを取っているような気分になった。あとはデータを読み込んで、「Print」ボタンをクリック。これでもう自分にできることは「待っているだけ」だ。次にプリントするデータを探しながら待ってもいいし、部屋を離れても構わない。そうはいっても進行状況が気になるという人のために、筐体内にはカメラが設置されている。専用アプリをインストールすれば、iPadやアンドロイド携帯からこのカメラで造形中の映像を見ることができる。ただ「MakerBot Replicator Mini」が接続されたPCと、同じネットワーク内でなければ見られないため、友人に見せたい場合は、造形中のデータをSNSに投稿するのがいいだろう。気になる点があるとすれば、作動音の大きさだ。ほかの作業をしている間にも、知らぬ間に"小人さん"がこつこつと造形してくれるかのようだが、寝ている横で動作させる場合は、モーターの駆動音が気になるかもしれない。とはいえ、寝室に3Dプリンタを置く人は少ないと思うので、実質的には問題にならないだろう。象はこんな形で完成する(下の写真参照)。象とビルドプレートの間に広がる部分は、造型を安定させるためのサポート材である。これをはがせば、象の完成だ。ちなみにこの象、一体成形されているように見えるが、内部構造を作ることができる3Dプリンタの利点を最大限に活かしている。プリントされた直後は両脚を前後に投げ出している姿勢なのだが、脚をたたむ方向に力を加えると、軽い手応えとともに脚がそろって動き、象を立たせることができるようになるのだ。削り出しの工作機械では不可能な、プリントしただけで動かせる人形なのである。●3Dプリンタでランプホルダー作成にも挑戦!!○実用性のあるものも作ってみたい!お役立ちグッズ編「Thingiverse」には、実用的なちょっとした小物も数多く投稿されている。ここで筆者が見つけたのがランプホルダーだ。ガラス製のものはよく見かけるが、筆者の家のランプはLED。となれば、3Dプリンタ製のランプホルダーでも問題ないはずだ。複雑な面を組み合わせた外形だったこともあって、プリント時間は長くかかったが、できあがったのは、ゆがみがまったく感じられないシャープなものだった。さらに半透明のフィラメントと内部構造を作ることができる、3Dプリンタならではの特長が活かされ、絶妙な透け感のある魅力的なランプホルダーとなった。フィラメントの色には、半透明だけでなく22色のバリエーションがある。さらに筆者は、スマホスタンド(True Purple)とペン立て(True Yellow)をプリントしてみたが、それぞれ無塗装とは思えない鮮やかなカラーで出力された。「MakerBot Replicator Mini」は、知らない誰かが生み出したアイデアを、ネットワーク経由で立体物として造型するという、ちょっとした未来感覚を味わわせてくれる存在だ。3Dプリンタは、アメリカでは教育機関に広く浸透しており、若い世代に限らず、幅広いユーザに活用されている。今後は日本においても、「MakerBot Replicator Mini」のような親しみやすい製品が現れることで、3Dプリンタによるアウトプットを気軽に楽しめるような未来は、そう遠くないのかも知れない。3DCADをまったく触ったことがない方でも、今後触る予定がなかったとしても、気軽に3Dプリンタの世界を楽しめる、この製品に注目したい。○3Dプリンタに関するアンケート調査協力のお願いマイナビニュースでは、「3Dプリンタ」についてのアンケート調査を実施しております。ご協力頂ける方は、下記概要をお読みになり、設問にお答えください。□アンケート調査概要アンケートにご回答いただいた方の中から、抽選で1名様に「Makerbot Replicator mini」を、抽選で5名様にギフト券1000円分を差し上げます。募集期間:2014年10月23日(木)~2014年12月1日(月)応募方法:アンケートページより、必要な情報をご記入いただき応募。当選発表:2014年12月下旬までに、当選者様にはメールにてご連絡。
2014年10月23日アルテックは10月23日、同社が販売するストラタシスの3Dプリンタ「Objet30pro」が、福井県鯖江市の部品メーカーである前澤金型と国立情報学研究所(NII)の合同研究「プライバシーバイザー」の開発において重要な役割を果たしたと発表した。「プライバシーバイザー」とは、ゴーグル型の眼鏡にLEDを取り付けて人の目には見えない光を顔に当てることで、SNSなどの顔認証検出機能を妨害するプライバシー保護眼鏡。今回の合同研究は、同技術を研究していたNIIの越前功 教授が、3Dプリンタを用いた眼鏡部品の試作研究を行っている前澤金型に共同研究を依頼したことにより実現した。「Objet30pro」は、Polyjet方式の3Dプリンタで、ハイエンドなラピッドプロトタイプ機に匹敵する精度と多様性、そして設置場所を選ばないという特徴をもつ。前澤金型では試作品づくりや加工シミュレーションなどに同機を導入しており、製作・加工期間の短縮だけでなく、若手エンジニアの技術教育などにも利用するなど、3Dプリンタを活用したものづくりを実践している。越前教授が検討しているフレーム形状は、市販品にはない特殊な形状をしているため、前澤金型がもつフレームの知見と、任意の形状を素早く製作できる3Dプリンタが試作品の性能評価に大いに役立ったという。また、「Objet 30pro」で試作したプロトタイプは従来より顔検出の妨害効果が高く、越前教授は「短期間にプライバシー保護眼鏡の基本構造設計が確立された」とコメントしている。なお、10月25日より鯖江市嚮陽会館にて開催される「さばえものづくり博覧会」の前澤金型ブースにて、同研究の成果発表や3Dプリンタによる実演加工が実施される予定。
2014年10月23日テクノソリューションズは、2014年11日1日より、デンマーク製3Dプリンタ「blueprinter」の取り扱いを開始すると発表した。「blueprinter」は、デンマーク工科大学が開発した3Dプリンタで、熱可塑性粉末の層に熱転写ヘッドを使用して熱を加え、焼結する、選択的加熱焼結(SHS)テクノロジーを使用している。シンプルな構造でメンテナンスもしやすく、簡単な操作で高精細な造形ができるので、比較的短期間で技術の習得が可能だという。さらに、造形中のモデルは形成室内の素材そのもので支えられるため、サポート材が不要で、造形後に余った素材は、付属のクリーニングステーション内でフィルターされ、再利用できるエコ設計が採用されている。プリンタの寸法は1150(幅)×600(高さ)×500(奥行)mm、プリントエリアは157(幅)×140(高さ)×200(奥行)mmで、価格は350万円(税別)となっている。
2014年10月22日デアゴスティーニ・ジャパンは21日、「予想をはるかに超える反響があった」として、一部地域で先行発売していた「週刊 マイ3Dプリンター」を全国展開すると発表した。全国版の発売日は1月5日。全国書店や同社サイトで発売する。「週刊 マイ3Dプリンター」は、毎号付属するパーツを組み立てると3Dプリンタが完成する週刊誌。完成予定の3Dプリンタ「idbox!」は、3Dプリンタ「BS01」などを展開するボンサイラボが監修し、一般的なドライバーとレンチ(提供予定)だけで組み立てられる。「idbox!」の本体サイズはW250×D250×H270mm、重量が約5kg。最大造形サイズはW150×D130×H100mm、ノズル径は0.4mm、積層ピッチが0.1mm、造形スピードが100mm/s。対応フィラメントはPLA、ABSで、各1.75mm径。対応OSはWindows 7以降およびMac OS X。素材や消耗品はデアゴスティーニ専用サイトで販売予定。シリーズはA4変型判オールカラーで、毎週火曜日発売。創刊号は特別価格で税込999円。2号以降は通常価格で税込1,998円。全55号、約1年で完結する予定。
2014年10月21日デアゴスティーニ・ジャパンは、毎号付属のパーツを組み立てると軽量でコンパクトな3Dプリンター「idbox!(アイディー・ボックス)」が完成する「週刊『マイ3Dプリンター』」を、2015年1月5日より全国書店(一部地域をのぞく)および公式サイトにて販売する。全55号で、創刊号は特別価格999円、2号以降は通常価格1,998円。「週刊『マイ3Dプリンター』」は、2014年9月から一部地域のみで先行販売されていたが、予想を超える反響を受けて全国一斉発売が決定。本書では、週刊で刊行される雑誌に付属するパーツを組み合わせ、家庭にある一般的なドライバーとシリーズで提供するレンチだけで簡単に3Dプリンター「idbox」を組み立てることができる。本体は、縦250mm×奥行250mm×高さ270mm、重量約5kgとコンパクトな軽量サイズ。スケルトンボディを採用しており、さまざまな角度から製造工程を見ることができるという。また、3Dプリンター本体の組み立てと同時進行で、出力に必要な3Dデータを作成(モデリング)するためのソフトウェアの使い方も学ぶことも可能。本書では、CADと3DCG両方のソフトウェアを取り上げ、操作に必要な図形のテンプレートを提供し、基本操作からステップアップしながら学ぶことができる。対応OSは、Windows7以上、Mac OS X。対応3Dプリントソフトは、Repetier Host(idbox!カスタマイズ版)。使用モデリングソフトは、123D Design(フリーウェア)。「idbox!」の監修は、3Dプリンターの開発・販売を行う「ボンサイラボ」が担当。一般的なトラブルで多く見られるノズル詰まりを起こしにくい構造設計で、出力素材はPLA樹脂とABS樹脂に対応している。特にABS樹脂は、自分のイメージを形にできるだけではなく、作品に好きな色を着色できるのが特徴。このプリンターで制作できる最大造形サイズは、縦150mm×奥行130mm×高さ100mmで、デスク周りの小物やスマホケース、フィギュアなど、自分のアイデアをさまざまな形で具現化する楽しみを味わえる。マガジンはオールカラー仕様で、3Dプリンターの組み立て方をわかりやすい写真付きの手順で紹介する「組み立てガイド」が付属。そして、3Dプリンターで立体物ができる仕組みや基礎知識をイラストや写真で解説する「ベーシック講座」、3Dプリンターを活用する企業やクリエイターの最先端の作品や技術を紹介する「3Dプリンターの世界」、専用ソフトを使って3Dデータを作る方法を実際にデータ作りしながら学んでいく「作って学ぶモデリングガイド」の4つの章で構成され、3Dプリンティングを始めるビギナーにとって役立つ情報が詰まった内容になっている。また、1冊に14号分のマガジンを保存できる「特製バインダー」は1,328円で販売(2015年2月10日~7月末までは特別価格699円)。なお、デアゴスティーニでは、恒例の読者プレゼントキャンペーンを今回も展開。創刊号~第45号を購入すると、「idbox!」推奨のノズル詰まりが起こりにくい樹脂素材の「フィラメント(2色セット)」と、ABSも出力可能な3Dプリンター専用シート「ビルドタック」がプレゼントされる。
2014年10月21日Microchip Technologyは10月15日、2Dマルチタッチと3Dジェスチャに対応した開発プラットフォーム「3DTouchPad」を発表した。「3DTouchPad」は、マルチタッチに自由空間ジェスチャ認識を追加した、開発プラットフォームおよびリファレンスデザインである。具体的には、最大10個のタッチポイントとマルチフィンガーサーフェスジェスチャをサポートする応答性の高い投影型静電容量式2Dマルチタッチソリューションに加え、同社のGestICテクノロジにより、パッドから最大で10cm離れた空間での3Dジェスチャを検出する機能を備えている。このうち、2Dマルチタッチは、新しい静電容量式タッチスクリーンラインドライバ「MTCH652」で機能を強化したという。この他、ドライバなしですぐに使えるWindows 7/8.x、およびOS X向けの機能、3D空中ジェスチャ、サーフェスジェスチャなどの最新のマルチタッチ機能、開発者向けの無償でダウンロード可能なGUIおよびSDK/APIパッケージが含まれている。同技術の可能性は、PC市場とコンピュータのタッチパッドに留まらず、手で触らずに使える衛生製品、ホームオートメーション、リモコン、ゲーム コントローラ、ウェアラブル機器、車載アプリケーションにも広がるとコメントしている。なお、「3DTouchPad」はすでに提供が開始されている。ソフトウェアはWebページから無償でダウンロードできる。
2014年10月20日ロフトワークは、3Dプリンタやレーザーカッターなどで作成したハロウィン・アイテムを身につけ、仮装して参加できる「FabCafe ハロウィンパーティー」を、東京(日本)、台北(台湾)、バルセロナ(スペイン)の3カ国で同時開催する。東京会場は、渋谷にあるデジタルものづくりカフェ「FabCafe Tokyo」。日時は10月31日 20:00~22:00。参加費は2,000円(1ドリンク、フード付き、小学生以下は無料)。このパーティーは、同社がスタートさせたプロジェクト「GRUE」のリアルイベントとして開催されるもの。3Dプリンタやレーザーカッターなどのデジタル工作機器で作れるハロウィン・アイテムのデザインデータをオンラインで共有し、3カ国に拠点をもつデジタルものづくりカフェ「FabCafe」でハロウィンパーティーを開催するという試みだ。パーティー参加者は、クリーチャーやロボット、モンスターなどのデザインをダウンロードしてアイテムを作成し、装着したりかぶったりして盛り上がることができる。また、参加希望者は、申し込みページにて登録したうえで、今年のテーマ「White Nightmare」に合わせたドレスコード(コスチュームのどこかに「白」を取り入れた仮装)で参加する。なお、当時は世界中から集まったの3Dデータを巨大3Dプリンタで出力した「かぶりモノ」が用意されるほか、メイクブースも用意されるため、手ぶらで行っても大丈夫とのことだ。この催しには直接の参加のほか、デザインの投稿で参加することも可能。クリエイターコミュニティサイト「ロフトワークドットコム」のプロジェクトページから作品のデータを投稿できる。募集しているのは、3Dプリンタで出力するモンスターのかぶり物やアクセサリーのデータ、レーザーカッターを使用して作るキャラクターのカットデータ、段ボールとはさみで作るロボットコスチュームの型紙、布や紙などにプリントするハロウィンマスクのプリントデータなど、ハロウィンで楽しめるアイテムのデータおよび型紙。作品はパーティー当日の10月31日まで投稿でき、パーティー会場では集まったクリーチャーやロボットをプリントアウトし、ミニコンテストが行われる。
2014年10月14日オートデスクは10月7日、3Dデータ制作アプリ「123D Catch」がAndroidに対応したと発表した(Android 4.0.3以上)。同アプリはデジカメやスマートフォンで撮影した複数の画像データから3Dデータを作成することができるというもので、Google Playから無料でダウンロードができる。3DデータはSNSでシェアしたり、手を加えることで3Dプリント用データとして利用したりすることも可能だ。これまでiOS、Windows、Mac版は提供されており、待望のAndroid版のリリースとなった。
2014年10月07日光電センサや画像センサなどを手がけるオプテックス・エフエーは10月6日、卓上3D形状計測装置「3D-Eye LS」を発売すると発表した。同製品は、部品などの外観計測が行える卓上計測装置で、センサヘッドに同社の形状測定用センサLSシリーズを採用。ライン状のレーザ光にて測定対象物をスキャニングすることで3D画像およびプロファイルデータを高速・高精度で取得できるという。最大計測可能範囲は80(X軸)×27(Y軸)×125(Z軸)mmで、計測分解能は、Z軸2μm、Y軸25μmとなっている。標準付属のPCにはWindowsベースのソフトウェアを搭載し、3D画像およびプロファイルに対して、一点・平均高さ、最大・最小値、段差・平均段差、角度、幅といったさまざまな計測を行うことができる。また、メディアンフィルタなど、高精度計測のための高度なフィルタ機能を搭載している。標準価格は、本体・PC・ソフトウェアを含めて198万円(税別)で、年間10台の販売を目指すとのこと。
2014年10月06日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は、同社の最新世代となる3Dプリンタ/切削加工機「monoFabシリーズ」の発売を記念した体験型イベント「monoFab Experience Day」を10月16日ならびに17日の2日間、東京 浜松町のローランドDG 東京クリエイティブセンターにて開催する。開催時間は両日ともに10時から17時で、10時30分~11時30分ならびに15時~16時(17日は15時30分~16時30分)の予定でローランド ディー.ジー.アカデミーによるmonoFabシリーズの製品紹介が行われるほか、13時30分~15時の予定で特別講演が行われる予定。特別講演の講演者は16日がコトック代表取締役の安冨浩氏で、「RPを用いた『コトづくり』」と題してデザインの本質と、ユーザーエクスペリエンスについて語るほか、当日は同氏がmonoFabシリーズを利用して作成した作品の展示も行われるという。一方の17日は、日本における「FabLab(ファブラボ)」「ファブシティー」の推進者として知られる慶應義塾大学の田中浩也氏が「教育現場での3Dプリンター活用」と題して教育現場やコミュニティにおいて3Dプリンタをはじめとしたデジタルツールの活用を事例を交えて紹介する予定だという。ちなみに17日の講演は、Ustreamで会場からの生中継が予定されている。参加費用は無料で、同社Webサイトから参加申し込みを行うことが可能。また、同Webサイトから申し込みを行った場合に限り、1社(1校/1組織)につき1冊限定ながら、田中浩也氏の著書「SFを実現する3Dプリンタの想像力」(講談社現代新書)をもらうことができるという。なおローランドDGは、今回のイベントについて、メーカー勤務の設計者、デザイナー、教育関係者などに特に有益な内容だとしており、興味を持っている人はこれを気にぜひ参加してもらいたいとコメントしている。
2014年10月03日オムロンは10月2日、LEDの光を透明なプレートから出射し、3D静止映像を空間に投影する「透明プレート型空間投影技術」を開発したと発表した。近年、3D表示やヴァーチャルリアリティ、拡張現実の実現、ジェスチャー入力の補助等のための次世代ディスプレイとして空間投影技術が注目されているが、従来の技術では多くの部品を搭載し比較的規模の大きなシステムや設置スペースが必要だった。同社が開発した「透明プレート型空間投影技術」は液晶ディスプレイ用バックライト事業などで培った光指向性設計技術と微細加工技術を応用し、プレートまたはシート1枚とLED1個のみで空間に3D映像を投影することができる。同技術は3次元で奥行きのある表示、実空間の物体への表示の重ね合わせ、複数枚のシートを重ねての使用ができるほか、シートが目立たず、薄くて軽く、ガラスなどにも貼り付けることができる。そのため、看板の3D表示、鉄道の駅構内など各施設における案内表示の立体化、ショウウィンドウにディスプレイされた商品の周囲への各種情報やデザインの投影、各種のジェスチャー入力機器や非接触スイッチにおける空間上の感知部分を可視化するなど、幅広い用途に活用できるという。なお、同技術は2014年10月7日から11日まで、幕張メッセで開催される「シーテックジャパン2014」に展示される予定。
2014年10月03日今回から「点群データ(Point Cloud Data)」を取得・解析する技術を紹介していく「3D点群編」を開始します。点群とは、3D空間に存在する物や環境や人を、3Dセンサによってその表面形状を撮影した「3D点の座標の集まり」のデータを指します(検索エンジンで「point cloud」で画像検索して頂くと、点群データの例が表示されると思います)。例えばKinectで撮影した距離画像を、3D空間の点に透視投影したものも3D点群です(参考:第62回と第63回)。Kinectの各フレームでの点群は、対象をその時のカメラから見た表面部分のみを3D撮影した2.5Dの点群となっていることは第63回でも紹介しましたが、同じ対象を複数方向から順番に撮影したのちに、それらをレジストレーションと呼ばれる後処理を適用することで、1つの位置合わせされた点群に統合するという技術もあります。その3D点群を取得し、解析する技術を紹介していくのですが、これまで一年ほど続けていた「安価なデプスセンサ編」でも、今回の3D点群編と同じくデプスセンサを用いた技術の話でしたので、両者の違いを把握していただかないと、話がつかめない部分が出て来る恐れがあります。従って、まず手始めに、デプスセンサ編と3D点群編の違いを整理していきます。次に、3D処理のメリットや、歴史的経緯を述べることで、3D点群編の全体の導入を行います。そして、導入が終わって以降は、これまでのように応用先別に、3D点群に関する各技術をその仕組みと共に紹介して行くという順番で書いていきます。点群処理は、以前は高額な3Dセンサを購入できる企業や大学などしか使う機会がほとんど無い、非常にマイナーな技術でした。それが、Kinect登場以降安価なセンサで誰でも活用できるようにはなり、安価なセンサを用いた点群処理のビジネス応用例も少しずつ出て来ています。また、現在ではモバイルデバイスに統合されたデプスセンサの登場も控えており(GoogleのTangoなど)、今後一般の消費者向けの話も増えていくと期待できる技術でもあります。ただ、現状では一般消費者向けの応用例は少なく、広く一般の方々向けの応用は、まだまだこれからという技術分野です。そこで、まずはKinect以前からも活用されてきた高価なセンサを用いた3D画像センシング技術の応用例を紹介し、のちに後半では安価な動画デプスセンサを用いた最近の応用例を紹介していくこととします。○デプスセンサ編と3D点群編の違い2013年9月から掲載を開始したデプスセンサ編では、Kinectを始めとした安価なRGB-Dセンサにより実現した「リアルタイムでの人物姿勢推定の技術」と、その人の身体や手の動きをセンシングできる技術を利用することで、コントローラーやキーボードに触ることなく、人の動きそのものを被接触の入力インタフェースとして用いる、「ナチュラルなユーザーインタフェースを用いたアプリケーション」の紹介をしてきました。紹介してきた内容を思い返して頂くと、いずれも「推定した人の3D姿勢データを主な入力として用いるアプリケーション」が中心だったことがわかると思います。すなわち、デプスセンサ編以前の本連載で紹介してきた、カラー画像や動画を入力としてきた技術とは違い、RGB-Dセンサの距離データから、KinectやLeap Motionなどに搭載されているボーン推定エンジンが推定したモーションキャプチャデータを活用する話が、これまでの紹介した内容の中心でした。しかし、そうした人物姿勢情報に頼らず、RGB-Dセンサでも「3D点群データ」を直接解析することが当然ながら可能です。これが今回の3D点群編でのターゲットとするテーマです。例えばあなたの部屋をKinectで撮影すれば、壁やテーブル、そのテーブル上のコップもデプスセンサで点群データ化できており、それらの3D点群を直接解析することができるのです。ここで「できるのです」と一方的に断言されても、3D点群処理の開発経験や実用例を見た経験が無い方には、何が解析できて、どういうメリットがあるのかイメージがつかないと思いますので、まずは点群処理の具体例を1つお見せしようと思います。林 昌希(はやし まさき)慶應義塾大学大学院 理工学研究科、博士課程。チームスポーツ映像解析プロジェクトにおいて、動画からの選手の姿勢の推定、およびその姿勢情報を用いた選手の行動認識の研究に取り組み中。(所属研究室が得意とする)コンピュータビジョン技術によって、人間の振る舞いや属性を機械学習・パターン認識により計算機で理解する「ヒューマンセンシング技術」全般に明るい。技術商社でエンジニアをしていたこともあり、海外のIT事情にも詳しい一方、デプスセンサー等で撮影した実世界の3D点群データの活用を推進するための「Point Cloud コンソーシアム」での活動など、3Dコンピュータビジョンのビジネスでの普及にも力を入れている。また、有料メルマガ「DERiVE メルマガ 別館」では、コンピュータビジョン・機械学習の初~中級者のエンジニア向けの、他人と大きな差がつく情報やアイデアを発信中(メルマガでは、わかりやすい理論や使いどころの解説込みの、OpenCVの初心者向け連載なども展開中)。翻訳書に「コンピュータビジョン アルゴリズムと応用 (3章前半担当)」。
2014年09月30日イメージ・マジックが運営する「オリジナルプリント.jp」で作るTシャツの完成イメージがこのほど、3Dプレビューで全方向から確認できるようになった。「オリジナルプリント.jp」は、オリジナルTシャツ、エコバッグ、マグカップなど、600種類以上のアイテムへのプリント加工をオーダーし、1点からでもオリジナルデザイングッズを作成できるというウェブサイト。ウェブ上でデザインできるほか、「仕上がりイメージ」「価格」「出荷日」を確認してからの注文が可能となる。同社が展開する「オールオーバー サブリメーションTシャツ」では、いままで平面でしか見られなかったTシャツの完成イメージを3Dでプレビューすることで、実際に着用するイメージにより近い形で確認できるようになった。拡大・縮小のほか、360度の回転といった操作が自由にできるという。でき上がったデザインは、「完成イメージ」ページからTwitterやFacebookなどのSNSでシェアでき、ブログ用リンクを利用してブログでも3Dでデザインを表示できるとのこと。サイズはS・M・Lで、価格は1,580円(税込)から。
2014年09月30日(画像はプレスリリースより)キレイを応援する「d プログラム」資生堂の「d プログラム」では、「キレイでいたいし、仕事もプライベートも充実させたい」という忙しい女性に向け、スキンケア、ライフスタイル、美肌を維持するコツなどをブランド公式サイトや、イベントを通じて発信しています。シェアハウスでの生活を通じて「美」を学ぶ!今回、「d プログラム」では、丁寧に、美しく生活するための応援サイト「Beauty & Co.」とコラボレーションをし、2014年11月8日(土)から11月15日(土)までの1週間、ライフスタイルから美しくするテーマ型のシェアハウス、第5回「Beautyシェアハウスby d プログラム」(以下、「Beautyシェアハウス」)を開催します。「Beautyシェアハウス」は、東京都大田区にあるシェアハウス「コンフォート蒲田」での開催になります。広々としたキッチンやフィットネススタジオも完備した同シェアハウスは快適な共同生活に最適な施設となっています。イベントは3つのプログラムで構成。最後はパーティも同イベントは大きく3つのプログラムで構成。「SKIN」「MIND」「SLEEP」「FOOD」「BODY」の各分野のプロによる【ワークショップ】、仲間とともにシェアハウスで生活しながらワークショップで学んだことを行う【実践】、最後にはイベントで学んだり、実践したりした感想や結果報告を行う【発表会&パーティ】の3つの構成で、美しくなれるコツを自分のものに。詳しくは【参考】のリンク先を参照下さい。【参考】・“冬の” 第5回「Beautyシェアハウス」・株式会社資生堂 プレスリリース/PR TIMES
2014年09月19日ワコムは、スカルプト作業を行う3DCGクリエイター向けのペンタブレットセミナー「Wacom Creative Seminar Vol.17 for 3D-Sculpting」を開催する。開催日時は9月27日 13:00~15:30(12:30 開場)。会場は東京・新宿のベルサール新宿グランド。参加費は無料(事前申込制)。「Wacom Creative Seminar」は、同社が定期的に開催しているクリエイター向けの無料セミナー。今回は3DCG制作でスカルプト作業を行う「スカルプター」を対象に、カプコンのゲーム制作現場で活躍する黒藪裕也氏が登壇し、液晶ペンタブレットを使った3Dスカルプトのテクニックやポイント、最新の業界動向などを紹介する。また、会場ではプロフェッショナル向けペンタブレット「Intuos Pro」や液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズなどを体験できるタッチ&トライコーナーも用意される。同セミナーは事前申込制となっており、定員は72名(先着順)。参加申し込みはセミナーのWebページから。なお、セミナー当日の様子はUstreamにて配信予定となっている。
2014年09月11日マウスコンピューターは20日、メガハウスが開発するの3D住宅デザインソフト「3Dマイホームデザイナー12」および、業務用の住宅・建築プレゼンテーションソフト「3DマイホームデザイナーPRO8」の動作を確認した公認モデルを発表した。即日販売を開始する。「3Dマイホームデザイナー」は、マウスによる操作で敷地や部屋の間取り、建具などを配置して住宅のリアルな立体イメージを制作することができるソフトウェア。一方の「3DマイホームデザイナーPRO8」は間取りや建築パース図を簡単に作成して顧客に紹介できる業務用ソフトウェア。公認モデルのラインナップは、「3Dマイホームデザイナー」公認モデル2機種と、「3DマイホームデザイナーPRO8」公認モデル1機種。いずれもそれぞれのソフトウェアを利用するに当たり、動作確認を行い、3Dの表示やすべての機能が軽快に動作することを確認しているという。○「3Dマイホームデザイナー」公認モデルデスクトップPC「LM-QH300SL6-WS-3DM」の主な仕様は、CPUがIntel Core i5-4690(3.5GHz)、チップセットがIntel H81 Express、グラフィックスがNVIDIA Quadro K600 1GB、メモリがPC3-12800 8GB、ストレージが500GB SATA3 HDD、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 8.1 Update 64bit。本構成での価格は84,800円から。ノートPC「MB-K620QSV-3DM」の主な仕様は、CPUがIntel Core i5-4210M(2.6GHz)、チップセットがMobile Intel HM86 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 850M 2GB、メモリがDDR3L-1600 8GB、ストレージが500GB SATA2 HDD、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、ディスプレイが15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)、OSがWindows 8.1 Update 64bit。本構成での価格は89,800円から。○「3DマイホームデザイナーPRO8」公認モデルデスクトップPC「MousePro-iS470GX-WS-1408-3DM」の主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4790(3.6GHz)、チップセットがIntel B85 Express、グラフィックスがNVIDIA Quadro K600 1GB、メモリがPC3-12800 16GB、ストレージが500GB SATA3 HDD、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 8.1 Update 64bit。本構成での価格は11万4,800円から。
2014年08月20日米Applied Materials(AMAT)は7月7日(米国時間)、3Dチップ構造に対応したCVD(化学気相成長)装置「Applied Producer XP Precision」と、CMP(化学機械研磨)装置「Applied Reflexion LK Prime」を発表した。2つの装置は、プレシジョンマテリアルズエンジニアリング(精密材料技術)のノウハウを生かし、将来の3Dデバイス製造における課題を解決する。CMP装置の「Applied Reflexion LK Prime」は、ナノメートルレベルの精度が要求されるFinFETおよび3D NANDなどのアプリケーションで優れたウェハ研磨性能を発揮する。これらの新しいデバイス構造においては、最大10工程のCMP工程が追加される可能性があり、同装置はこれらの新工程における要求項目に対応するため、6つの研磨ステーションと、8つの洗浄ステーションを備えている他、先進的なプロセス制御機能を搭載する。また、精度の高いCMP処理により、オンウェハ性能とスループットを改善する。さらに、プロセスモジュールの増加により、多くのアプリケーションでウェハのスループットが倍増し、生産性も最大100%向上するという。CVD装置の「Applied Producer XP Precision」は、各層においてナノメートルレベルの膜厚制御を可能にし、ウェハ全面にわたって優れたCD均一性を実現している。この性能を支えているのは、独自のチャンバデザインと、温度、プラズマ、ガスフローなどの重要なパラメータを調整するユニークな機能である。こうした柔軟な技術により、高品質で欠陥率の低い異なる膜を交互に形成し、ウェハ内、ウェハ間、層間で抜群のストレス制御と成膜プロセス均一性を発揮してゲート性能を高め、デバイスのバラつきを抑えるとしている。
2014年07月09日青山3Dサロンは、鉄道会社の制服を着た自分の姿を3Dプリンタでオリジナルフィギュアにできる企画「なり鉄」シリーズ第2弾を開催する。フィギュアの販売期間は6月14日~8月31日、3Dデータを撮影可能な期間は6月21日~8月31日。会場は東京都・港区の青山3Dサロン。この企画では、普段は着ることのできない鉄道会社の制服を用意し、それを着用して3Dデータを撮影する。これにより、制服を着た自分自身の姿を、3Dプリンタ製フィギュアとして残すことができる。今回は、数ある鉄道会社の中でも珍しいカラーであるグレーの制服が特徴的な「りんかい線」(東京臨海高速鉄道)の制服を用いる。また、前回の企画では、東京メトロの車両基地見学イベントにあわせて数量限定で受け付けていたが、今回は販売期間内であれば、任意の日時を予約し、青山3Dサロン内スタジオで撮影することができる。そのほか、フィギュアを入れるケースに「りんかい線」オリジナルのデザインも特別に展開している。なお、この企画への申し込みは、オンラインストア「3friD.jp」にて受け付けている。
2014年06月12日アドウェイズ・ラボットは、個人向け3Dプリンタ用のフィギュアデータ共有サイト「DELMO(デルモ)」にて、「初音ミク」らバーチャル・シンガーキャラクターの3Dデータを募集する「3Dモデリングコンテスト」を開催している。募集期間は8月17日まで。同コンテストでは、クリプトン・フューチャー・メディア協力のもと、同社製品のキャラクターである「初音ミク」、「鏡音リン」、「鏡音レン」、「巡音ルカ」、「MEIKO」、「KAITO」に関して、「Music」というテーマを反映させた3Dデータを募集する。主な選考基準として、「テーマに沿っていること」、「3Dプリンタで「印刷してみたい」と思えるデータであること」という内容が挙げられており、実際に3Dプリンタで出力が可能なデータのみが先行対象となる。また、このコンテストは、8月30日・9月20日に開催される「初音ミク」を取り巻く創作文化のイベント「初音ミク「マジカルミライ 2014」」と連動。最優秀賞に選ばれた作品には賞金10万円を授与した上で、実際に3Dプリンタで出力した作品を「初音ミク「マジカルミライ 2014」」大阪会場に展示する。そのほか、コンテスト入賞作品は、総合ホビー情報誌「月刊ホビージャパン」に掲載されるとのこと。なお、同サイトでこれらのボーカロイドキャラクターのデータ投稿が行えるのは、このコンテスト開催期間中のみ。加えて、キャラクターごとにコピーライトを明記した作品だけが選考対象となる。詳細については同コンテストの特設ページを参照してほしい。
2014年06月04日機楽は、同社が手がけた低価格ロボット組み立てキット「ラピロ(RAPIRO)」の3Dデータを、Makerbotの3Dデータ共有サイト「Thingivers」上にて公開した。「ラピロ」は、"かわいらしい外見"と"組み立てやすさ"が特徴の低価格ロボットキット。製品名は、同製品の頭部に組み込むことが可能な名刺サイズのコンピューター「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」に由来している。製品化に際して、英国発のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」や、サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営する「Makuake」での資金調達を行い、目標金額を上回る支援を獲得し話題となった。また、今回の3Dデータの公開は「Kickstarter」での資金調達を開始した段階で予告されていたもの。3Dプリンタを所有している人であれば、無料でデータをダウンロードし、RAPIROのパーツやミニチュアを出力することができる。そのほか、3Dデータを改造し、オリジナルパーツを製作して出力することも可能となっている。なお、同製品の組み立てキットは、スイッチサイエンスあるいはAmazon.co.jpにて購入可能となっている。詳細は同製品のWebサイトを参照してほしい。
2014年05月02日ネクスト21、東京大学、理化学研究所などで構成される研究チームは4月7日、3Dプリンタで成形するカスタムメイド人工骨を開発し、臨床試験の結果、ヒトでの有効性と安全性を確認したことから、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への薬事承認(製造販売承認)申請を完了したと発表した。外傷などによる骨欠損などの治療としては、日本では自家骨移植が第一選択肢となり、外科的に患者の骨の一部を摘出し、それを移植部の形状に成形するといった作業が行われていた。また、熱処理により焼結した人工骨を成形して用いるという手法もあるが、癒合が難しいといった課題がある。今回研究チームが開発したカスタムメイド人工骨は、3Dプリンタで成形することで、骨内部の構造の設計や0.1mm単位での形状再現が可能なほか、熱処理が不要なため生理的な活性を持たせられることから自骨への癒合が早く、時間の経過とともに自骨へ変化(骨置換)するといった特徴もある。審査にかかる期間は約10カ月程度とのことで、研究チームでは、薬事承認(製造承認)の取得後、ネクスト21が2015年に実用化する予定としており、日本市場のみならずアジア市場への輸出も進めていくとするほか、オランダやカナダの企業とのライセンス契約に向けた交渉も進めているとしている。
2014年04月07日国土地理院は3月19日、日本全国の3次元の地図を簡単に見ることができるWebサイト「地理院地図3D」を公開した。地理院地図3Dは、「地理院地図」で配信している地図データと標高データを利用して、指定した範囲の3D地図閲覧を可能にしたWebサイト。3Dプリンタによる立体模型の作成にも対応しており、Webサイトで表示したデータを3Dプリンタ用のSTLファイルやVRMLファイルでダウンロードできるほか、ブラウザ表示などに利用できるのWebGL用ファイルも用意されている。国土地理院では、防災業務や学校教育など様々な場面での利用に期待している。
2014年03月20日