近鉄では、鳥羽・志摩の魅力を発信する新たなラッピング列車「とばしまメモリー」2編成(1編成2両)がデビューします。1編成目は、「とばしまメモリー なみの章」として2023年2月6日(月)から、2編成目は、「とばしまメモリー うみの章」として2023年2月下旬から、それぞれ運行開始予定です。「とばしまメモリー」は、鳥羽市、志摩市と協働でデザインや名称を考案し、鳥羽・志摩エリアの魅力をたっぷり詰め込んだ「乗って楽しい、見て楽しい」観光ラッピング列車となっています。主な運行区間は伊勢中川駅から賢島駅(一部、近鉄名古屋駅から伊勢中川駅間も運行します)で、運賃のみでご乗車いただけます。「とばしまメモリー なみの章」の運行開始を記念して、2023年2月3日(金)に鳥羽駅にて出発セレモニーを、2023年2月4日(土)に賢島駅にて列車を留置展示してのお披露目イベントを、それぞれ行います。現在近鉄では、第8回エリアキャンペーン「MEET SMILE!伊勢志摩」を開催しており、この機会に伊勢志摩へお出かけいただき、鳥羽・志摩エリアの魅力がいっぱいのラッピング列車「とばしまメモリー」で、素敵な思い出を作って頂ければと考えています。詳細は、別紙のとおりです。(別 紙)■ラッピング列車「とばしまメモリー」について1.「とばしまメモリー なみの章」について(1)名 称 「とばしまメモリー なみの章」(2)運行期間 2023年2月6日(月)から当分の間(3)運行区間 主に伊勢中川駅~賢島駅(一部、伊勢中川駅から近鉄名古屋駅間も運行します。)(4)対象列車 1編成2両(5)特 徴 〇外観・鳥羽の青々としたアクティブな海と波をイメージしたラッピングを施します。〇車内装飾・吊り革には、鳥羽・志摩のクリアで美しい海をイメージしたアクセサリーを散りばめています。・観光案内には、一枚ずつ違う模様の陶器タイルを飾っています。2.「とばしまメモリー うみの章」について(1)名 称 「とばしまメモリー うみの章」(2)運行期間 2023年2月下旬から当分の間(3)運行区間 主に伊勢中川駅~賢島駅(一部、伊勢中川駅から近鉄名古屋駅間も運行します。)(4)対象列車 1編成2両(5)特 徴 〇外観・志摩のおだやかな里海をイメージしたラッピングを施します。〇車内装飾・吊り革には、鳥羽・志摩のクリアで美しい海をイメージしたアクセサリーを散りばめています。・座席シートには、気持ちよく泳ぐ小さな魚の群れをデザインしています。■運行開始記念イベントについて1.出発セレモニーについて(1)実施日 2023年2月3日(金) 10時20分~10時50分(2)対象列車 とばしまメモリー なみの章(3)実施場所 鳥羽駅ホーム(4)実施内容 ・鳥羽市代表者、志摩市代表者による挨拶・関係者によるテープカット・鳥羽駅長の出発合図とともに列車のお見送り※一般のお客さまのご乗車はできません。2.お披露目イベントについて(1)実施日 2023年2月4日(土) 10時00分~12時00分(2)対象列車 とばしまメモリー なみの章(3)実施場所 賢島駅コンコース・ホーム(4)実施内容 ・「とばしまメモリー なみの章」をホームに留置展示(車内を自由にご見学いただけます。)・とばしまメモリーの運行開始記念グッズをプレゼント・志摩市のPRキャラクター「しまこさん」によるグリーティング・志摩市の名産「あおさ」を使用したあおさ汁を提供【参 考】第8回エリアキャンペーン「MEET SMILE!伊勢志摩」について特定地域を集中的にPRすることにより活性化を図る観光プロモーションキャンペーンです。近鉄、伊勢志摩観光コンベンション機構、伊勢市、鳥羽市および志摩市が、伊勢志摩エリアのイベントや伊勢志摩の魅力を発信し、地域が一体となってキャンペーンを盛り上げます。皆さまに、豊かな自然や食のある伊勢志摩で笑顔になっていただきたいという思いをこめて、「笑顔」をテーマに実施しています。(以 上) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月18日佐藤健(33)がラブストーリーに帰ってきた!満島ひかりと主演を務めた『First Love 初恋』(Netflixで独占配信中)が、国内シリーズ3週以上連続で1位を獲得するなど話題に。大人の恋を体現する彼の魅力を、本誌ドラマウオッチャーが語り尽くします!『First Love 初恋』は、宇多田ヒカルの代表曲『First Love』(’99年)と『初恋』(’18年)、2つの楽曲から着想を得て制作された全9話のラブストーリー。主人公は、キャビンアテンダントを目指すも現在はタクシードライバーとして働く野口也英(満島ひかり)と、航空自衛隊のパイロットになるも現在はセキュリティ会社に勤める並木晴道(佐藤健)。’98年、高校生の2人は北海道の田舎町で出会い、恋に落ちる。しかし、高校卒業後、大学生と航空学生となった彼らは、境遇の違いからケンカ別れをしてしまう。その後、也英は不慮の事故に遭ってしまい……。以来、運命に翻弄され、20年余りそれぞれの人生を歩んできた2人が再会。戸惑い、葛藤の末に選択した道とはーー。■『First Love 初恋』は大人の純愛物語編集K(以下、K):佐藤健の久々のラブストーリーはどうでしたか?記者H(以下、H):出会いや別れ、仕事でもいろいろ経験した、そんな大人同士の純愛がよかったです。ヒット作『恋はつづくよどこまでも』のドSキャラとは全く違う、素朴な男性役もピッタリで。男同士で会話するときとか、ちょいちょい見せるやんちゃな顔もかわいかったな。K:20代前半から30代、といろんな時代の佐藤健が見られましたね。恋人の恒美(夏帆)に対しても、出会ったころのツンとした感じから好意を寄せていく、そのグラデーションもよかったです。あと、めいっ子をかわいがるおじさんの顔にもキュンとしました!H:也英と再会した瞬間の心の揺れ動きや、恋人がいるのに也英を忘れられないところとか、特にセリフはなくても表情だけでひしひし伝わってくるから、佐藤健、すごいなあって。K:説明しすぎない脚本もいいですよね。私は、也英からのメールを見て、思わずニヤッとする場面など再会後の2人のやりとりにほっこりしました。自分の思いを打ち明けたらいいのに、大人だから考えすぎて臆病になっている。そこがもどかしいけれど、すごくリアルでした。H:あの憂いのある感じがいいよね。それに、もともと自分の大事な人を守るために自衛官になったような人だから、男気があるところも魅力的。K:必死なときの泥くさい感じも好きです。ドラマ『silent』もそうでしたけど、今、“出会い直し”がキーワードなのかなと。過去と現在が交互に描かれるなかで、少しずつ過去が明かされていくところもトレンドですね。■『First Love 初恋』3つの見どころ【1】ヒロインとの距離感「約20年ぶりに高校時代の初恋の相手・也英と再会する晴道は、心の内側では感情が激しく動いているはずなのに表には出さない。しかも相手の心に踏み込みすぎないところが大人の距離感だなと思いました」(編集K)【2】妹への優しさ「耳が不自由な妹への優しさが随所にあふれているところも素敵。妹の結婚式で、手話でスピーチをするシーンは泣けました」(記者H)【3】凜々しい制服姿「自衛隊員や警備員など、時代によっていろいろな制服姿を披露した佐藤健。精悍な表情がかっこいいです!」(記者H)
2023年01月14日満島ひかりと佐藤健が共演し、宇多田ヒカルの「First Love」「初恋」からインスパイアされたラブストーリーを紡ぐNetfixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」。配信開始されるや否や、日本のみならず各国でヒットを記録している本作、その立役者の一員が八木莉可子と木戸大聖だ。本作は、也英と晴道という高校生が恋に落ちるも予期せぬ試練に遭い離ればなれになり、時が経って運命的に再会する姿を約20年というスパンで描いた作品。也英を満島さんと八木さん、晴道を佐藤さんと木戸さんがそれぞれ2人一役で演じている。一大ブームの渦中で自身に起こった“変化”を皮切りに、ふたりが本作とどのように歩んできたのか――。その軌跡を語っていただいた。国内外の声からも反響の大きさを実感――11月24日の配信からちょうど1か月が経過しましたが、おふたりのもとにはどのような反響が届きましたか?八木:私は、本当にたくさんの国の方からInstagramのコメントをいただくようになりました。あとは、この間渋谷で撮影をしていたら台湾出身の方が英語で話しかけてきてくださったんです。ご本人も向こうで役者をされているそうで、観ていただけたことも嬉しかったですし、これまではそんな風に声をかけていただけることもなかったのでびっくりして嬉しかったです。大学の友達も観てくれましたし、学内の知らない子からも声をかけられて反響の大きさを実感しています。木戸:僕も莉可子ちゃんと一緒で、日本だけでなく海外の人からも反響をいただけたことがすごく嬉しかったです。あとは、具体的な数字になってしまうのですがInstagramのフォロワーが配信前は1.3万人くらいだったのですが、一気に19万人くらいまで増えました。これも莉可子ちゃんと一緒だとは思うのですが、海外の方がたくさんフォローしてくださいました。――10倍以上!すごいですね…。木戸:あまりに増えすぎて、その数字を見たときは「バグかな?」と思ったくらいでした(笑)。こうやって、日本のラブストーリーが国を超えて海外の方にもたくさん支持いただけていると実感できて嬉しかったです。――ここからは作品の舞台裏含めて伺えればと思います。まずはオーディションについて。木戸さんはオーディション後、タクシーで移動中に合格の連絡が来たそうですね。ちなみに、オーディション時はどんなシーンを演じたのでしょう?八木:也英と晴道がリスの話をしているシーンがあって、「10年後に何をしているんだろうね」と会話するところです。大聖くんもそうだったよね?木戸:そうだね。僕は2回オーディションを受けたのですが、2回目は先に莉可子ちゃんの出演が決まっていて相手役をしてくれたんです。その時に演じたのがいま言ってくれたシーンでした。八木:私が受けたオーディションは1回だったのですが、実際に具体的なシーンを演じていた時間は2分くらいで、ほぼほぼ1時間くらい寒竹ゆり監督やプロデューサーさんとお話ししていました。「普段はどういう人か」といったように私自身のことを聞かれたり、宇多田ヒカルさんの音楽を聴きますか?とご質問いただきました。実は私が初めて受けたオーディションがポカリスエットのCMなのですが、その時の課題曲が宇多田さんの「traveling」だったんです。そのことを話したら「じゃあ歌ってみて」という話になってその場で歌ったり…。「プロットを読んでどう感じた?」というお話もしましたし、自分の内面や考え、気持ちをたくさん話すオーディションでした。木戸:僕が受けた1回目のオーディションも同じ内容でした。ただ僕は、1回目のオーディションであえて渡されたプロットを読まずに挑んだんです。そのときは審査して下さる方の中で「えっ読んでないんだ」という反応もありましたが、現場に入る前に寒竹監督からいただいた手紙に「プロットを読まずにオーディションに挑んだあなたは誰よりも晴道でした」と書かれていて、ホッとしました。莉可子ちゃんと一緒にやった2回目のオーディションも、ずっとお芝居していたというより話していた時間が多かったよね。八木:そうだね。ふたりで並んでみて!みたいなのもあったね(笑)。木戸:あったあった(笑)。あと、僕は作品の中で坊主にするシーンがあるのですが、プロデューサーの方に頭をたくさん触られました(笑)。――頭の形のチェックが…(笑)。木戸:そうなんです(笑)。でもそのときはなんのこっちゃわからず、後からそういうことか!となりました(笑)。役作りのため様々な“90年代”を体験――撮影に入る前には、満島ひかりさんによるワークショップも開催されたと伺いました。木戸:也英と晴道が『タイタニック』のポーズを真似してはしゃぐシーンをピックアップしてやりしました。台本にはジャック(レオナルド・ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)のセリフがあって「笑い合う」くらいしか書いていないんですが、ワークショップの前に監督と3人で読み合わせをやったときに僕と莉可子ちゃんが恥ずかしくなっちゃって(笑)。八木:私も「I’m flying, Jack!」のセリフが全然うまく言えなくて、何回も回数を重ねてしまいました…(苦笑)。あとは晴道との電話を切った後に「キャー!」って喜びを爆発させるシーンも何回もやったことを覚えています。木戸:ワークショップではひかりさんが莉可子ちゃんの部分をやってくださって、そこに書いてあるセリフに関係なくアドリブで「やだやだやだやだ!やりたくない!」みたいに演じてらっしゃって、新鮮でした。お芝居というよりもひかりさんが素で楽しんでらっしゃるような感じがあって、ご本人も「とにかく楽しんだ方がいいよ」とおっしゃってくださいました。――八木さんは役作りの一環で「90年代当時のことを調べた」とおっしゃっていましたが、『タイタニック』のシーン然り、世代的に当時の盛り上がりを体感していないなか演じる状況でもありました。八木:おっしゃる通り当時の盛り上がりだったり、そういった当時流行ったものがその人にとってどれくらい大切なものなのかわかっていなくて、監督に現場で指摘いただいて「自分はちゃんとわかっていなかったんだな」「違ったんだな」と感じることはありました。木戸:いまのお話に通じますが、90年代当時はいまみたいにスマホで簡単に連絡を取り合えなかっただろうから、と思い、僕から提案して莉可子ちゃんと連絡先を交換しなかったんです。そのぶん、会える時間に色々な話をするはずと思って現場入りしたのですが、お芝居をやりながら「もっと普通に連絡を取っておけばよかった…」と思い直して(苦笑)。僕が監督から晴道を演じるうえで色々言っていただけたことを処理しきれずに悩んでしまったときに、ホテルのロビーで莉可子ちゃんと話をさせてもらったのですが、そのタイミングで「やっぱ連絡先交換していい?」とお願いしました。八木:お互いに「こうした方がいいよ」みたいにシーンの悩み相談をするだけじゃなくて、普通に会話する時間を増やしました。「明日は仲のいいシーンの撮影だし1回会って話そうか」みたいにホテルのロビーで待ち合わせて話したり、1回だけじゃなくて何回もお互いに話す機会を作りました。木戸:ふたりでNetfixの宇多田ヒカルさんのライブツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」を観たりもしましたね。それこそ、劇中の也英と晴道の屋上のシーンみたいに。八木:でも私たちはAirPodsだったから(有線式の)イヤフォンを片耳ずつ、ではなかったです(笑)。木戸:(笑)。あとは撮休のときに、莉可子ちゃんが飛行機のお守りを買ってきてくれたんです。八木:パイロットの方やCAさんが買うお守りがあるんです。――素敵ですね。劇中とリンクしていますね。木戸:そうなんです。僕が空いている日はお守りを買ってきて、お守り交換もしました。八木:札幌の中島公園に行って話したりもしたよね。木戸:そうだね。出演を経てからの変化と成長――本作ですと順撮り(※脚本の順番通り、ないし時系列順に撮影すること)ではないぶん日によって也英と晴道の距離感も変わりますし、満島ひかりさん・佐藤健さんと2人一役という難しさもあります。八木さんは手の使い方・木戸さんはタバコを吸うときの角度などを参考にされたと伺いました。八木:最初にプロデューサーさんから「ひかりちゃんと莉可子が通じるのは、野性的なところ」と言っていただけたのが大きかったですね。手に関しては最初からそこを考えていたというより、むしろ意識できていなくて監督から教えていただいたんです。私は「仕草を真似しようかな」と考えていたのですが、撮影時に監督から「ひかりちゃんはすごく丁寧にものを持つんだよ」と言われて、「確かに!」と気を付けるようになりました。――なるほど、そういう順番だったのですね。最初に「ひかりさんと通じる」と言ってもらえたことで、自分らしくいられる部分もあったのではないでしょうか。八木:そう思います。最初は「ひかりさんと同じ役を演じさせてもらえるなんて、どうしよう」と思っていましたから。ひかりさんも「莉可子ちゃんの自然体のキラキラしたところが映るといいね」と言ってくださって、お陰でリラックスしてお芝居に臨めました。木戸:僕も初めは健さんのいままでに出ていらっしゃる作品を観たうえでの芝居のイメージはもちろんあったのですが、そこに近づこうとしていくのは違うのではないかとどこかのタイミングで思うようになりました。健さんも晴道に近づこうとしているなかで、僕も同じようにしなければベクトルが違ってしまうと感じたんです。本作は也英の事故を境に健さんのブロックになりますが、それまでは僕が演じないといけない。晴道自身も大きく変わるわけで、同じものを演じるというより僕がやる部分では純愛のキラキラした部分をしっかり演じようと思いました。そういった意味では芝居面で寄せていこうというアプローチではなく、ただ先ほど挙げてくださった所作については人間が子どものころからやっているものが大人になっても出ちゃうものだから、晴道が1本の線でつながっていると見せるためにも沿わせていきたいと考えていました。――いま木戸さんがお話した部分は、「身体が憶えている」という本作のテーマにも通じますね。木戸:そうなんです。そのうえで今回、「タバコを吸う」という共通項があるのであれば…と先に撮っていた健さんの喫煙シーンを見せていただき、「指のこの位置で挟んでいるな」等を研究して、意識して演じましたね。――本日は貴重なお話、ありがとうございました。最後に、「First Love 初恋」を経験したことでおふたりの「演じる」に生じた変化があれば、ぜひ教えて下さい。八木:本作の出演が決まったのは高校生のときで、まだお芝居の経験もあまりないタイミングでした。それからコロナなどで撮影が延びてしまい、何回も読み合わせをしたりワークショップを開いていただいたりと、本当に一から手取り足取り教えていただいた感覚があります。だから「ここが変わった」というより、この作品で役との向き合い方を教えてもらった気持ちです。まだまだ未熟なので全然わかっていないのですが、「こうしたら綺麗に見える」みたいなものではなく、役に対して俳優としてどう向き合うかの姿勢や意識ができてきたように感じます。たとえば私は自分に引き寄せて考えないと苦手なタイプだな、自分事として捉えるのがいいんだなとわかりました。木戸:僕がすごく覚えているのは、去年の7月くらいに自衛隊の基地で撮影していたときのことです。炎天下のなか自衛隊員の方たちに混ざってほふく前進をしないといけないシーンでしたが、無我夢中でやっている僕の芝居を観た寒竹監督が「それまで撮ってきた中で、初めて大聖が周りの目や人が気にならなくなって、ガッとそこしか見えていない状態になっていた」とおっしゃっていて。ひかりさんがそういう状態のことを「水中に潜っている状態」とおっしゃっていて、ひょっとしてこれかもしれないと気づきました。――ゾーンに入るといいますか。木戸:そうですね。芝居の最中は必死でしたが、周りの音が聞こえなくなって目の前のことだけに集中する瞬間は初めてかもしれないと感じました。寒竹監督は五感や身体の人間的な反応をすごく大事にしている方なので、そう思っていないまま表面的な芝居をするとすぐカットをかけられて「違う」と言われてしまうんです。でも、そういった部分に気づけずに役者を続けていたら、いつか絶対に壁にぶち当たっていました。寒竹監督や、莉可子ちゃんはじめ色々な方と芝居していくなかでこの“水中に潜った感覚”に出会えたこと――この経験は、今後も大事にしていきたいです。(text:SYO/photo:Jumpei Yamada)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年01月04日満島ひかりと佐藤健がW主演する究極のラブストーリー「First Love 初恋」より、宇多田ヒカルの「初恋」が彩る特別映像の全貌が公開。豪華キャストが集う台本ナシのスペシャル対談の公開も決定した。宇多田ヒカルの「FirstLove」と「初恋」にインスパイアされ、90年代後半とゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる一組の男女を描いた本作。配信開始から約1か月、日本の今日のシリーズTOP10で24日間連続1位を獲得し、話題に。作品と合わせて、楽曲もアジア各国・地域で話題、続々とチャートインしている「初恋」の特別映像ロングバージョンが公開となった。主人公・也英(満島さん)と晴道(佐藤さん)の運命の再会から、再びの“初恋”の軌跡がひとつひとつ丁寧に紡がれ、「初恋」の歌詞に沿って楽曲の世界観と作品の世界観がリンクし、涙なしでは観られない映像となっている。そして明日より、満島さんが役さながらにタクシードライバーに扮し、共演者を迎えたスペシャルトーク映像が、Netflix Japan公式YouTube上で公開。満島さんがホストを務め、車内に乗客として共演者を迎え入れ、台本なしのトークを展開。キャスト同士だからこそ語ることの出来る自然体なトーク、ここでしか聞くことのできない貴重な撮影裏話は必見。「The Taxi Talk」と題された本映像は、佐藤さんと小泉今日子を迎えたEpisode.1、木戸大聖と荒木飛羽を迎えたEpisode.2、八木莉可子とアオイヤマダを迎えたEpisode.3と、全3回構成となっている。「First Love 初恋」スペシャルコンテンツ「The Taxi Talk」は12月23日(金)正午Netflix Japan公式YouTubeにて公開。Netflixシリーズ「First Love 初恋」はNetflixにて独占配信中。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年12月22日俳優の佐藤健と女優の満島ひかりがW主演を務めるNetflixシリーズ『First Love 初恋』の本編映像を使用した、宇多田ヒカルの「First Love」特別映像が9日、公開された。宇多田ヒカルが1999年にリリースした「First Love」とその19年後にリリースした「初恋」にインスパイアされ、誕生したNetflixシリーズ『First Love 初恋』。佐藤と満島をW主演に迎え、90年代後半からゼロ年代そして現在と、20年にわたる忘れられない“初恋”の記憶をたどる男女の物語を描いている。公開後、日本の「今日のシリーズTOP10」で12日間連続1位を記録。現在も連続1位を更新し続け、Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)では先週に続きTOP10入りの第5位を獲得したほか世界11の国・地域で「 今日のシリーズTOP10」に入り、台湾では7日間1位獲得するなど国内外で注目を集めている。宇多田のデビュー日である9日に公開された特別映像は、若き日の主人公・也英(八木莉可子)と晴道(木戸大聖)を中心に描写。20余年にもわたる“初恋”のはじまりを映した淡いシーンに、宇多田の楽曲が響き渡っている。
2022年12月09日満島ひかりと佐藤健が主演を務める究極のラブストーリー「First Love 初恋」が、11月24日(木)本日「Netflix」にて配信開始。これを記念して、本編映像で構成された宇多田ヒカルの楽曲「First Love」「初恋」のスペシャルコラボ映像のショート版が先行公開された。1999年に発表され大ヒットした宇多田さんの珠玉の名曲「First Love」、その19年後に発表された「初恋」。この2つの楽曲にインスパイアされ、新しいストーリーを紡ぎ出す本作。今回公開された「First Love」の特別映像では、八木莉可子と木戸大聖が演じる若き日の也英と晴道の初恋のはじまりが垣間見え、初々しくて、甘酸っぱくもほろ苦い、あの頃の記憶が思い出されてしまいそうな映像となっている。そして、「初恋」の特別映像では、満島さんと佐藤さんが演じる、約20年の時を経て別々の道を歩むこととなった現在の2人の“大人の初恋”を映し出す。「First Love」で紡がれた、淡く煌めくような初恋の記憶たちがより切なさを引き立たせるかのように、胸が締め付けられるシーンの数々が登場する。なお、7インチアナログ盤「First Love/初恋」のリリースを記念したPOPUP企画が、タワーレコード渋谷店、タワーレコード梅田NU茶屋町店、HMV札幌ステラプレイスの3会場で12月8日(木)より開催。さらに、開催地ではDJイベントが再び開催されるほか、企画に合わせて全国5都市のソニーストアにて、試聴イベントが行われる。Netflixシリーズ「First Love 初恋」はNetflixにて独占配信中。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年11月24日女優の満島ひかり、俳優の佐藤健らが21日、東京・六本木ヒルズアリーナで行われたNetflixシリーズ『First Love 初恋』(11月24日配信開始)の配信記念プレミアイベントに登場した。宇多田ヒカルの名曲「First Love」「初恋」からインスパイアされた究極のラブストーリーを描く本作は、90年代後半とゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、 20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる男女の物語。CAを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される野口也英を満島、航空自衛隊のパイロットになるも、現在は別の道を進む、一途でまっすぐな性格の並木晴道を佐藤が演じた。イベントではリムジンに乗ってキャストが登場。満島と佐藤が最初に姿を現すと会場から歓声が起こり、八木莉可子、木戸大聖、夏帆、中尾明慶、荒木飛羽、アオイヤマダ、向井理、小泉今日子、寒竹ゆり監督も続き、会場を華やかに彩った。その後、ステージにキャストと監督が登壇。満島は「胸を張っていろんな方に見ていただきたい作品です」と自信をのぞかせ、佐藤は「僕が思う見どころはアクションです。走ったりするのではなくて、監督から何回も『体温が2度くらい高い感じで』って言われていたんですけど、好きな人のことを考えているときに体内の細胞が暴れまわって体温が上がる、登場人物たちの細胞のアクションを注目して見ていただけたらと思います」と語った。
2022年11月21日ジョージ・ルーカスが原案と製作総指揮を務め、アカデミー賞受賞ロン・ハワードが監督を務めた冒険譚を、その20年後の世界を舞台にディズニープラス オリジナルシリーズとして描く「ウィロー」。本作でプロデューサーを務め、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』では脚本を手掛けたジョナサン・カスダンが、幼い頃に見た映画版『ウィロー』に衝撃を受けたことを告白した。本作には、ルーカスフィルムの社長キャスリーン・ケネディや映画『ウィロー』でメガホンをとったロン・ハワードなど名だたる製作陣が集結しているが、その中の1人であるジョナサンは「前作は、大きなスクリーンで映画を見ることの素晴らしさを僕に教えてくれた。ジョージ・ルーカスとロン・ハワードはイマジネーションに溢れた膨大な世界を作り出し、ドキドキハラハラするようなとても楽しい瞬間を僕らに与えてくれた」と言い、「8歳だった僕は、自分が見たもののスケールの大きさに興奮しながら映画館を出た」と告白。ルーカスが生み出した『ウィロー』を鑑賞した時の衝撃をふり返った。悪の女王が支配する暗黒の時代に、世界を救うという赤ん坊を拾った見習い魔法使い・ウィローの大冒険を描いた前作。当時の最先端技術で生み出されたファンタジックな世界観と、ルーカスとハワードが紡いだドラマチックなストーリーは、大人になったジョナサンの心を捉え続けていたようで、「20代半ばの頃、ピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』を見に行った時に、“『ウィロー』を見た時もこんな気持ちになったな”と思い出したのを覚えている。鑑賞当時の気持ちは、大人になってこのキャリアを始めてからも離れなかった」と、映画製作者としての道を歩むことになったいまも鮮烈に胸に刻まれていることを明かす。さらにジョナサンは、「キャスリーン・ケネディとロン・ハワードとの繋がりのおかげでこの作品を手がける機会が訪れた時、僕はとても惹かれた」と語り、思い入れのある作品の最新作を自らの手で手掛けることへの喜びを語る。見事に夢を実現させたジョナサンは「今は当時よりも『ウィロー』の素晴らしさを理解していると思う」と、本作を手掛けるにあたって改めて製作者として新たな視点で作品と向き合ったことを明かしている。ウィロー役のワーウィック・デイヴィスは、このプデューサーについて「彼は優れたマインドを持った人。彼がどうやってこんな話を思いついたのか分からないが、毎話ごとに脚本を読むときは最高にエキサイティングだった。“ここから僕らはどこに行くんだろう?”、“このキャラクターは次に何をするんだろう?”」と言い、想像を巡らせていたようで、「ジョン(ジョナサン)ほどクリエイティブな人はいないと僕は思う。彼はオリジナルの映画の要素も持ち込み、とても賢い形で使ってもいる」と、誰もが思いつかないような発想力を持っていると絶賛。本作でもドキドキハラハラが止まらない大冒険が描かれていることを示唆している。そんな本作は前作から20年後の世界が舞台。ウィローたちの活躍により、闇の勢力は王国から追放されたはずであったが、邪悪な気配を纏う新たな脅威が動き出す。再び王国に危機が迫る時、ウィローと若き冒険者たちの神秘に満ち溢れた新たな旅が始まっていく。「ウィロー」は11月30日(水)よりディズニープラスにて独占配信。(text:cinemacafe.net)
2022年11月19日台湾台中市発 - 2022年11月16日 - 半導体メモリソリューションの世界的リーディングサプライヤーである、ウィンボンド・エレクトロニクス株式会社は本日、同社のフラッシュメモリ製品において、表面実装(SMT/ Surface Mount Technology)の温度を鉛フリープロセスの220~260℃から最高190℃に下げる低温はんだ付け(LTS/ Low Temperature Soldering)プロセスをサポートすることを発表しました。この新しいプロセスにより、ウィンボンドはSMT生産ラインにおけるCO2排出量の大幅削減とともに、SMTプロセスの簡素化・短縮・コスト削減に貢献します。Low Temperature Soldering● 地球規模の環境問題やサステナビリティの実現に取り組む企業としての同社の姿勢を強調● 2022年11月よりSONおよびBGAパッケージのフラッシュメモリ製品でLTS(Low Temperature Soldering)に対応● LTSへの移行により、SMTプロセスの簡素化・短縮・生産コスト削減に貢献国際エレクトロニクス製造者協会(iNEMI)によると、LTS応用製品の市場シェアは、1%未満から2027年には20%以上に増加すると予想されており、環境問題や持続可能な開発に対する電子業界の取り組みを際立たせています。ウィンボンドは、このプロセスを提供するフラッシュメモリのプロバイダーとして、グローバルなトレンドの最前線に立っており、そのLTS対応製品がJEDEC規格に準拠し、落下試験、振動試験、温度サイクル試験などの信頼性検証に合格していることをすでに実証しています。ウィンボンドは次のように述べています。「ウィンボンドはフラッシュメモリ製品のリーダーとして、その地位を活かし、カーボンニュートラルと地球温暖化の抑制に貢献して行きます。そして、メモリ業界でいち早くLTSに対応したことを誇りに思うとともに、他のグローバルリーダーにも、より環境に優しく、より持続可能な未来のために行動を起こすよう呼びかけています」LTSプロセスへの移行による主なメリットは以下のとおりです。● 二酸化炭素排出量の削減 - インテルの「Introduction to Low Temperature Soldering (LTS) 2017」(低温はんだ付けの紹介2017)P18~19によると、鉛フリープロセスにおけるSMT温度を220~260℃から最高190℃に下げることにより、各SMT生産ラインのCO2排出量を年間57トン削減することができます。● プラグインコンポーネントの使用によるPCB向けSMTプロセスの簡素化・高速化 - プラグインコンポーネントは低温はんだ付けプロセスの温度に耐えられるため、SMTラインではPCBの全コンポーネントを一度に組み立てることができます。これにより、SMTプロセスを大幅に簡素化・短縮することができます。● コスト削減 - はんだ付けの温度が下がると、チップやPCBに、より低コスト・低温の材料を選択することができます。インテルの「LTS 2017」P15~16によると、LTSに移行した場合、SMT生産の年間総コストを約40%削減することが可能です。また、ウィンボンドは11月16日~18日にパシフィコ横浜で開催されるEdgeTech+ 2022(小間番号B-J17)、および11月15日~18日に開催されるエレクトロニカミュンヘン(ホールB4-320)、エレクトロニカ深セン(ホール2F-80)で「Next Future: the memory of everything」(次なる未来:あらゆるもののメモリ)をテーマに出展します。■ウィンボンド・エレクトロニクスについてウィンボンド・エレクトロニクスは半導体メモリソリューションの世界的リーディングサプライヤーです。製品の設計、研究開発、製造、および販売サービスのエキスパートとして、お客様のニーズに基づいたメモリソリューションを提供しています。ウィンボンド・エレクトロニクスの製品ポートフォリオは、スペシャリティDRAM、モバイルDRAM、コードストレージフラッシュメモリ、およびTrustME(R)セキュアフラッシュメモリで、通信、家電、車載、産業用、そしてコンピュータ周辺機器市場におけるTier1メーカーで広く採用されています。台湾中部サイエンスパーク(CTSP)を拠点とし、米国、日本、イスラエル、中国、香港、ドイツに子会社を有しています。稼働中の台湾・台中の12インチファブ、および建設中の高雄の12インチファブをベースに、高品質メモリ製品を提供するため、更なる自社技術開発を進めています。ウィンボンドの製品、サービスの詳細については、 をご参照ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月16日配信開始が迫る満島ひかり×佐藤健W主演のNetflixシリーズ「First Love 初恋」より、本予告編とキーアートが公開された。本作は、宇多田ヒカルの楽曲「First Love」と「初恋」の2曲にインスパイアされた物語。90年代後半とゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる男女の究極のラブストーリー。今回公開された映像は、満島さん演じる也英の「誰かが言った。人生はまるでジグソーパズルだと」というセリフからスタート。若き日の也英(八木莉可子)と晴道(木戸大聖)が織りなす初恋のはじまりの物語、そして也英と晴道(佐藤さん)の現在の2人を映し出す。映像では、約20年が過ぎて再会した2人だったが、也英からの「初めまして」という一言に、晴道が涙を流すシーンや、「もしもあなたに出逢わずにいたら、私はどんな今を生きているのだろう」というセリフが登場。運命の因果に翻弄されながら、もがき生きていく2人の姿が初恋の記憶を辿るように描かれている。そして合わせて公開されたキーアートは、第1弾、第2弾に続く美しい世界観の中で、也英と晴道の距離がまたさらに近づいた、目が離せない一枚となった。また明日からは、JR山手線をフルラッピングでジャックする「First Love 初恋」トレインがスタート。車内では、也英と晴道のビジュアルが埋め尽くし、映像モニターではこれまでに発表された本作の予告映像の放映など、車両全体が作品の世界観一色に染められる(11月16日から30日まで運行)。Netflixシリーズ「First Love 初恋」は11月24日(木)Netflixにて独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年11月15日満島ひかり×佐藤健W主演で贈る、宇多田ヒカルの楽曲にインスパイアされたNetflixシリーズ「First Love 初恋」より、佐藤さんが表現する“大人の初恋”10余年の月日を写した場面写真が公開された。90年代後半、ゼロ年代、現在と、3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない初恋の記憶をたどる本作。佐藤さん演じる並木晴道は、航空自衛隊のパイロットを目指し夢を叶えたが、現在は自衛官を退官、セキュリティ会社で働いている。今回到着した場面写真では、セキュリティ会社の制服姿でうたた寝をするカットや、航空自衛隊の制服を身に纏った真剣な顔つきのカット。また、晴道の妹・優雨の結婚式で手話を交えながらスピーチをする姿や、雪景色の中で神妙な表情を浮かべる様子、満島さん演じる也英との急接近カットも公開。佐藤さんの自衛官としての所作は、現役航空自衛隊パイロットにも絶賛され、さらに繊細な手話の表現といった新たな挑戦も自分のものにしている。今作では、20代前半から30代までの年月を、時代に応じて演じ分けることが求められた佐藤さん。登場人物の心情の波と彼がそのときまで経験してきた人生を確認しながら、緻密で繊細な表現で見事に演じ上げた。Netflixシリーズ「First Love 初恋」は11月24日(木)Netflixにて独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年11月10日写真や書類などのデータを保存しておける、USBメモリ。USBメモリにデータを書き込むだけで、ほかのパソコンや機器などに接続し、中のデータを見たり移したりすることができるとあって、使ったことがある人は多いでしょう。そんなUSBメモリの『あるある』をTwitterに投稿したのは、漫画家のコハラモトシ(@kohara_motoshi)さん。コハラさんはある日、デスクトップパソコンの本体にUSBメモリを差し込もうとしました。すると…。「USBあるある」何で、こうなるの? pic.twitter.com/TIemSzjHfP — コハラモトシ@ちいさめプライズ化! (@kohara_motoshi) October 30, 2022 一度では差し込めず、USBメモリを回転させて再挑戦したコハラさん。裏返しても挿入できなかったため、再度ひっくり返して入れようとした結果、ようやくUSBメモリを接続することができました。そう、最初に差し込もうとした向きで、USBメモリを差し込むことができたはずなのです…!「最初の向きでよかったんかい」と心の中でツッコミを入れ、目を血走らせるコハラさんの姿に、自分の体験を重ねた人は多い様子。「あるある」「すごい分かる」「これ、何度やったことか…!」と、共感のコメントが寄せられました。また、差し込む向きを間違えないよう、目印としてUSBメモリにシールを貼っている人もいるようです。みなさんも、自分なりの方法でプチストレスを解消するのがよいかもしれませんよ![文・構成/grape編集部]
2022年10月31日宇多田ヒカルの楽曲「First Love」「初恋」にインスパイアされ新しいストーリーを紡ぎ出す、満島ひかりと佐藤健をW主演に迎えたNetflixシリーズ「First Love 初恋」より、ティーザー予告とティーザーアートが公開された。今回の映像は、第1弾の予告映像の雰囲気とは打って変わり、主人公・也英と晴道が人生を変えてしまうような運命の出会いを果たす1998年からゼロ年代、そして現代までの20年余りのストーリーが、「Automatic」、「First Love」、「初恋」の3曲とともに紡がれる、“初恋”の記憶をたどる内容だ。またラストは、大人になった也英の「いつかくるその日に、また会いたい人は、誰か――」という印象的なセリフで締めくくられている。併せて公開されたティーザーアートは、第1弾ビジュアルと同じく、雪景色の中のカット。也英と晴道が寄り添い合い、イヤホンを共有しあう姿が写し出された。Netflixシリーズ「First Love 初恋」は11月24日(木)Netflixにて独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年10月30日満島ひかりと佐藤健共演の「First Love 初恋」、鬼才ティム・バートンが贈る「ウェンズデー」など新作シリーズをはじめ、ミリー・ボビー・ブラウン主演の『エノーラ・ホームズの事件簿2』、ジェイソン・モモア主演の『スランバーランド』など新作映画も勢ぞろい。韓国の人気WEB漫画のアニメ化「外見至上主義」や新ドラマ「ザ・ファビュラス」なども配信スタートする。「First Love 初恋」11月24日独占配信満島ひかり×佐藤健、そして宇多田ヒカルの楽曲という奇跡のタッグが紡ぎ出す究極のラブストーリー。3つの時代が交錯し、20年余年に渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる一組の男女の物語。「ウェンズデー」11月23日独占配信鬼才ティム・バートンが贈る「アダムス・ファミリー」の長女“ウェンズデー”を主人公にした推理ミステリー。ティーンになり学生生活に奮闘するウェンズデー(ジェナ・オルテガ)に、一族にまつわる殺人事件が巻き起こる。「わが愛しのブロックバスター」11月3日独占配信注目の新シットコムシリーズ。アナログ人間のティミーが経営するレンタルビデオ店は、ついにアメリカ最後の1店に。愛する店を存続させることはできるのか?「ブルックリン・ナイン-ナイン」のメリッサ・フメーロと『アントマン&ワスプ』「ワンダヴィジョン」のランドール・パークが共演。「外見至上主義」12月8日配信開始グローバルで累計閲覧数87億回以上を記録している、韓国人気Webコミックがアニメ化!見た目重視の社会でのけ者にされてきた高校生パク・ヒョンソクは、ある日、もうひとつの超絶イケメンの体を手に入れる。もうひとりの“自分”を手に入れたヒョンソクは、昼はその姿で学校に通い、夜は元の姿でバイトに勤しむという、奇妙な二重生活を始めることになる。2つの視点から見えてくる人々、社会を通じて、ヒョンソクは多くのことを学んでいくが……?「ザ・ファビュラス」12月23日配信開始チェ・スビンとチェ・ミンホ(SHINee)ら共演のリアルロマンス。華やかで、し烈なファッション業界に生きる4人の若者が、エリートたちの傍らでそれぞれの夢を追っていく。「ザ・クラウン:シーズン5」11月9日独占配信人気シリーズがキャストを新たにシーズン5へ。対立を深めるダイアナとチャールズ、そして君主制をめぐる議論の高まり。エリザベス女王にとって最大の試練が待ち受ける。「サムバディ」11月18日独占配信キム・ヨングァン、カン・へリムら出演のスリラー。出会い系アプリを開発したソムは、自分のアプリを通じてユンホと出会うが、彼はとてつもない秘密を隠していた。『エノーラ・ホームズの事件簿2』11月4日独占配信ミリー・ボビー・ブラウン主演の人気ミステリー・アドベンチャーの続編。探偵となったエノーラ・ホームズだが依頼はない。ある日、ついに行方不明の少女を探してほしいという依頼が舞い込むが…。『スランバーランド』11月18日独占配信ジェイソン・モモア主演のファンタジー映画。最愛の父をなくした少女ニモ(マーロウ・バークリー)の前に現れたのは、どんな夢でも叶う"夢の国"へのヘンテコな案内人フリップだった――。「アラバマ州対ブリタニー・スミス -正当防衛法とは何か?-」11月10日独占配信ひどい暴行を受け、身を守るために加害者を射殺したアラバマ州の女性。正当防衛法をめぐる、ひとりの女性の過酷な闘いに迫るドキュメンタリー。【11月1日更新】11月4日に配信を予定しておりました「ザ・ファビュラス」「外見至上主義」は配信日が延期となりました【12月16日更新】「外見至上主義」は12月8日より配信中、「ザ・ファビュラス」は12月23日より配信開始されます(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年10月28日~一般販売に向けたネクストゴール50万を設定~「ぷにっとおててメモリー」は赤ちゃんの手や足の形と感触を思い出として残す商品です。今までのインクでスタンプを押す形式とは異なり、固まると人肌に近い感触になる樹脂を使用しているため、赤ちゃんや子どもの成長していく一瞬の思い出を残すことができます。2022年10月10日(月)から11月30日(水)の期間でクラウドファンディングに挑戦しています。クラウドファンディング詳細: CreativePocket株式会社(東京都新宿区西新宿、代表取締役 福田慎也)は、赤ちゃんの手足の感触を残せる手形足形キット「ぷにっとおててメモリー」のクラウドファンディングをCAMPFIREにて2022年10月10日から開始し、開始5日目で目標金額の20万円を達成しました。10月20日現在で総額213,200円(達成率106%)が集まっています。【一般販売に向けたネクストゴール50万の設定】沢山の支援者の方々に支持されて、開始5日目で目標金額を達成!その後も多くの反響があり10月20日現在で36名の支援者の方々から総額総額213,200円(達成率106%)が集まっています。当初の目標額を上回る支援金と、何よりこんなに沢山の方の支持を頂いたことで、更なるチャレンジを決断しました。販路を拡大して、一般販売に向けネクストゴールとして目標金額50万を設定しました。追加でいただいたご寄付は、販売時のパッケージ作成や広告費に使う予定です。もっと多くの人に「ぷにっとおててメモリー」をお届けできればと思っております。【プロジェクト概要】クラウドファンディング(CAMPFIRE)プロジェクト名:ぷにっとおててメモリー期間 :2022年10月10日~2022年11月30日リターン :「ぷにっとおててメモリー」の製作キット、命名書等URL : 赤ちゃんの手や足の感触を残す思い出命名書キット『ぷにっとおててメモリー』 : 【一般販売に向けたネクストゴール50万の設定】【商品の3つの特長】「ぷにっとおててメモリー」は、赤ちゃんの手足の柔らかい感触を残すことができます。せっかく手足を半立体で残せたとしても、石膏のような硬い材質のものでは、どこか味気ないと思います。手足の小ささと共に、ずっと触っていたくなるあの柔らかさを再現するためにゲルを使用しています。いつまでもぷにっとしたくなる感触にこだわりました。1) 手足の柔らかい「感触を残す」ことが可能に「ぷにっとおててメモリー」は、手形足形を半立体で残すことができます。手や足にインクをつけて紙に残すことは、経験したことがある人も多いかと思います。紙に残すと手足のサイズ感が少しわかりづらく、自分の手足を重ねて確認するのではないでしょうか。しかし、半立体で残すと『普段目にしている卵と同じくらいの大きさだな』というのをより実感しやすくなります。赤ちゃんの手足の小ささを見て愛おしく思ったその感情を、鮮明に思い返すことが出来るよう、半立体で残せるようにしました。3) 世界に一つしかない「命名書と共に残す」ことが可能に「ぷにっとおててメモリー」は、作った手形足形を命名書と共に保管できます。手形足形を作ったのはいいけど、置き場所に困ってしまうのは避けたい…。そこで、インテリアとして使えて、将来子どもに贈ることもできる命名書ボードをオーダーすることが可能です。命名書ボードは、アクリル板にレーザーカッターで名前や生まれた日時を刻印したオシャレな仕上がりで、経年劣化もしにくいため長く残すことができます。2)手形足形を「半立体で残す」ことが可能に6000円:「ぷにっとおててメモリー」の製作キットを提供いたします。(人数限定で1〜2割引の特典もございます。)7980円:「ぷにっとおててメモリー」の製作キットに加えて、刻印した命名書ボードがつきます。他にも、オンラインでのモーニングヨガや関東在住者限定で家族写真の撮影を提供するコースも用意しています。3) 世界に一つしかない「命名書と共に残す」ことが可能にCreativePocket株式会社「ものづくりに、ワクワクと企みを」をビジネスコンセプトに、2020年5月12日に設立したスタートアップ企業です。デジタルマーケティングの支援事業をメインで行なっており、自社D2C事業として、第一子のハイハイ期の赤ちゃんに向けた自社商品の開発を行っています。今後も子育て世帯を中心とした新しいサービスやものづくりに取り組んでいきます。 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7丁目22-3 BPビル3F-1TEL:090-5347-6993 s.fukuda@creativepocket.jp 福田慎也<事業>子育てメディア「memorico」 赤ちゃんの撮影ガジェット「ベビパシャ」 ============= 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月20日女優の満島ひかりと俳優の佐藤健がW主演を務めるNetflixシリーズ『First Love 初恋』が11月24日より全世界独占配信される。このたび場面写真7点が公開された。宇多田ヒカルの名曲「First Love」「初恋」からインスパイアされた究極のラブストーリーを描く本作は、90年代後半とゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、 20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる一組の男女の物語。CAを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される野口也英を満島、航空自衛隊のパイロットになるも、現在は別の道を進む、一途でまっすぐな性格の並木晴道を佐藤が演じる。也英(満島)と晴道(佐藤)が互いに異なる方向を向きすれ違う様子や、笑みを浮かべる也英と、花束を手に物憂げな表情を浮かべる晴道の対比が気になるカットが写されており、ふたりが織りなす“初恋”の物語の行方に思わず思いを馳せてしまうような場面写真となっている。また本作において重要な役割を担う、八木莉可子と木戸大聖が演じる若き日の也英と晴道の“初恋”の始まりも捉えており、20余年の時を紡ぐ壮大な愛の物語にますます期待が膨らむ。さらに、光瞬く夜景の中で会話する也英と晴道や、ライラックの木の下で手紙を読む也英、雪景色の中抱擁する若き日の也英と晴道の姿を切り取った場面写真からは、寒竹ゆり監督が細部までこだわり抜いた色彩の映像美も垣間見ることができる。
2022年10月12日宇多田ヒカルの2つの楽曲にインスパイアされ、新しいストーリーを紡ぎ出す、満島ひかりと佐藤健がW主演する「First Love 初恋」より、場面写真が初公開された。本作は、90年代後半と、ゼロ年代、現在と3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない初恋の記憶をたどる、一組の男女の物語。公開された場面写真では、CAを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される、満島さん演じる也英と、航空自衛隊のパイロットになるも、也英とは別の道を歩む、佐藤さん演じる晴道が、異なる方向を向いてすれ違う場面、笑みを浮かべる也英と、反対に物憂げな表情を浮かべる晴道の姿も写し出され、ますますふたりが織りなす初恋の行方が気になる。また、光の中で会話する2人や、ライラックの木の下で手紙を読む也英。さらに、若き日の也英(八木莉可子)と晴道(木戸大聖)の初恋の始まり、雪の中で抱き合うシーンも。こだわりの色彩の映像美も垣間見える。Netflixシリーズ「First Love 初恋」は11月24日(木)よりNetflixにて独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年10月12日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。孤独からやってきた男は、ひとときの喧噪の後、再び孤独な暮らしに戻っていった。誰かと笑い、食べて暮らす楽しさを経験した分だけ、失った悲しみは避けられないけれども、痛みをまるごと抱え込んで生きる姿は、前より美しく、強くなったように見えた。罪の概念が壊れた殺人犯に対峙したとき、「悪魔を殺せるのは悪魔だけだ」と言って、自分自身もその境界線に足を踏みこんだけれども、結局彼は悪魔にはなれなかった。大切な人を殺されたかもしれない怒りで、暴力的に殺人犯を裁くことも出来たのだろうけれども、その間際に友人が大声で知らせた大切な人は生きているという言葉が、彼を紙一重で悪魔にしなかった。悪魔にはならず、愛する人は消えて、スプーン一杯分の思い出と耳かきひと匙分の願いが残った。『初恋の悪魔』は、失った痛みと孤独をなぞり続ける物語だった。変わり者の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、うだつのあがらない警察署の総務課職員・馬淵悠日(仲野太賀)、皮肉屋の経理課職員・小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格の生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。うまく組織にハマれない4人が、勝手な『捜査会議』をきっかけに、少年連続殺人事件の謎に巻き込まれるというサスペンス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。最終回、少年連続殺人の犯人は、警察署長・雪松鳴人(伊藤英明)の息子の弓弦(菅生新樹)だったことが明かされる。雪松は警察官として息子の殺人を隠蔽しつづけ、そのために殺人と二つの冤罪をおこしてしまったのだった。雪松が息子の罪を告白する最中にも、ひっきりなしに鳴る弓弦からのメッセージの乾いた着信音が何ともおぞましい。まるで幼子のように、弓弦は父親に「どうしたらいいの」「まだ?」「早くきて」と短文で懇願し続ける。父親としての愛情ゆえにそれを無視できず、絶望する雪松に鈴之介がかけた「終わりませんよ。あなたが死刑になっても、そのメールは届きますよ。ずっと続くんですよ」という淡々とした言葉に慄然とさせられる。それを信じる人々にとって、何もかもを解決する親の愛のように解決と意思決定は序列の上から降りてくる。そこに疑いも間違いも、罪悪感も存在しない。そして枠組みから外れている人々への無関心が、錆になって思考を止めてしまう。理由など考えないまま、少年は最初に万能たる父親に指示された通りに、繰り返し殺した相手の靴を脱がせて捨てる。盲信と無関心は弱い人々を押しつぶし、大きな問題を先送りにして、いずれ手遅れにする。それはこの物語を終始貫いていた警告だったと思う。極上のエンターテインメントの中で深く静かにその描写を繰り返し、見ている私たちに訴えかけたその根気に、惜しみない賞賛を贈りたい。こうして事件はほろ苦く解決し、鈴之介と悠日の間で二つの人格を行き来していた星砂は刑事の星砂に戻る。解決後しばらく悠日と星砂は鈴之介の家に居候しているがおそらく悠日と星砂は蛇の星砂を失った鈴之介の喪失感を、鈴之介は事件が引き起こした暴力や兄の死で傷ついた2人を思いやって共に生活しているのだろうけれども、傷がある程度癒えたであろうタイミングで鈴之介は2人を突き放し、2人もまた踏ん切りをつけて鈴之介の家を出ていく。居候中は、食事は出されるまま、終日パジャマ、靴下は脱ぎっぱなしという緩さがリアルで可笑しい。テレビドラマ『カルテット』(TBS系)でも真紀の失踪した夫が脱ぎ散らした靴下が繰り返し描かれるが、坂元作品の中で脱ぎ散らした靴下は家庭のくつろぎや人の体温、気配を表象しているのかもしれない。切ないし寂しく見えるけれども、それは互いを思いやりながらも、依存はしない『風通しのいい』関係の当然の帰結なのだと思う。1人で淡々と暮らす日々の夜、鈴之介は最後に蛇の星砂と出会う。「これが最後になるから会いに来ました」と語る蛇の星砂は、鈴之介の夢だったのか、それとも星砂は本当に来たのか。解釈は見た人それぞれだと思うけれども、個人的には本当に星砂はやってきたのだと思いたい。自転車が倒れる音で振り向いて、そのまま小走りに駆けていく姿は蛇のほうの星砂に見えた。彼女は最後の時間でリサ(満島ひかり)に会い、そのあと本当の最後として鈴之介のところにやってきたのだと思いたい。大型犬に吠えられること、共同生活の朝はトイレが混んで困ること。日常の他愛もないこと、楽しいこと、愛しいことを語り合って言葉で残し、彼女は去った。言葉にすることは、流れゆく膨大な感情を切り取って残すことだ。死んだ兄に携帯越しに語りかけた悠日の言葉も、刑事の星砂が悠日に書いた手紙も、リサが刑事の星砂を通して蛇の星砂に語りかけた言葉も、誰しも別れ、何かを失う人生を生きていくための、小さな縁(よすが)だ。1人、2人の友人であっても、価値観を共にできる誰かがいれば、孤独の悪魔からは逃げられる。でも、そんな誰かが今はいなくても、慈しまれた記憶と言葉がスプーンひと匙あれば、きっと人は悪魔にならないでいられる。そして耳かきひと匙分の希望を抱いて、その時が来れば誰しもが誰かの『思い出のひと匙』になれるのだと思う。偏屈だが、常に切なさが全身に詰まった鈴之介を演じた林遣都、穏和だけれども情熱を秘めた包容力のある悠日を演じた仲野太賀、二つの人格をシームレスに往来する難役を2人分以上に魅力的に演じた松岡茉優、弱く見えるけれどもしなやかで、息詰まる展開の癒しになった小鳥琉夏を演じた柄本佑。メインの4人もバイプレーヤーもゲストも、終始『この人でなければできない』に満ちていて、素晴らしい見ごたえだった。今のご時世、これだけの複雑さを提示して、集中力を保って見なければ追えないドラマは、決して多数派のものではないのだろう。また、この稀代の名脚本家にとって、今のテレビドラマは媒体として制約が多すぎるのではないかと杞憂めいた思いもある。それでも、誰かの孤独な夜に、泣きたくても傍らに誰もいないようなその時に、この人の紡ぐ言葉が福音のように届くその可能性があるとしたら、やはりテレビドラマなのだろうと思う。この次に脚本家・坂元裕二が私たちにどんな未知の世界を切り開いて見せてくれるのか、もちろんそれも待ち遠しいけれども、今はもう少しこの『初恋の悪魔』の美しい余韻に浸っていたいと思う。人生の一里塚のような素晴らしい作品を、本当にありがとうございました。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月27日キル フェ ボン(Qu’il fait bon)は、特選タルトにも使用されている「白イチゴ“初恋の香り”」を使用したフルーツブランデー、オー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」を2022年10月1日(土)にグランメゾン銀座店・グランフロント大阪店などにて発売する。“白イチゴ”香るフルーツブランデー、「mitosaya」とコラボ新作フルーツブランデーのオー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」は、キル フェ ボンと「mitosaya 薬草園蒸留所」とのコラボレーションによるスペシャルな1品。季節や旬に合わせた原料を使用した「mitosaya」の蒸留酒は、素材の風味を生かした香りや味わいが魅力。発売と同時に即完売になるほどの人気を集めている。白イチゴを丁寧に発酵、フレッシュさを残して蒸留オー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」の主役となるのは、キャンディのように甘い香り、穏やかな甘味、酸味が特徴の「白イチゴ“初恋の香り”」。摘みたての白イチゴのへたを丁寧に取り、粗く潰して発酵させ、発酵が落ち着いた2週間後にフレッシュさを残したまま蒸留した。白イチゴの香りを引き出すため、じっくりとライススピリッツに漬け込んだ後に蒸留したパートとブレンド。より一層白イチゴの風味が際立つ仕上がりとなっている。グラスに注ぎ、ダイレクトに白イチゴの風味を味わうのはもちろん、デザートに加えて豊かな香りを楽しむのもおすすめだ。【詳細】オー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」発売日:2022年10月1日(土)販売店舗:キル フェ ボン(グランメゾン銀座・グランフロント大阪店)/ キル フェ ボン公式WEBストア※WEBストアでは、10月中旬ごろ販売予定 ※数量限定のため、無くなり次第終了価格:100ml / 2,420円、500ml / 10,120円※購入数の制限あり(100mlは2点まで、500mlは1点まで)※WEBストアでは、100mlのみの販売
2022年09月23日満島ひかりと佐藤健がW主演、宇多田ヒカルの楽曲にインスパイアされた新しいストーリーを紡ぎ出す、Netflixシリーズ「First Love 初恋」からスーパーティーザーアートが初解禁となった。1999年に発表され大ヒットした宇多田ヒカルの「First Love」、その19年後に発表された「初恋」にインスパイアされた本作。90年代後半と、ゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる1組の男女の物語を描く。「First Love」「初恋」満島さんが演じるのは、フライトアテンドを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される野口也英。佐藤さんは、航空自衛隊のパイロットになるも現在は別の道を進む並木晴道を演じる。解禁されたスーパーティーザーアートでは、佐藤さん演じる晴道が満島さん演じる也英をおんぶし、幸せそうに笑い合う印象的なカット。一面の雪景色と相まって、全体的にブルーで統一された世界観は温かくもどこか儚げな雰囲気を感じさせる1枚となっている。また、9月25日(日)に開催されるNetflix最大のグローバルファンイベント「TUDUM Japan」にて、本作初公開となるスーパーティーザー映像も解禁予定となっている。さらに本作の配信にあわせ、宇多田さんにとってデビュー24周年となる記念日(12月9日)にドルビーアトモス版「First Love(2022 Mix)」「初恋」の配信、ならびに「初恋(2022 Remastering)」の配信、そして「First Love(2022 Mix)」と「初恋(2022 Remastering)」の2曲を収録した7インチアナログ盤「First Love/初恋」の限定発売が決定。宇多田さんにとってドルビーアトモス配信、および7インチアナログ盤を発売するのは初のこととなる。Netflixシリーズ「First Love初恋」は11月24日(木)よりNetflixにて全世界独占配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年09月23日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「君は知っているか。この世には知らない方が良かったことがある」鈴之介(林遣都)と悠日(仲野太賀)の最初の出会いのとき、鈴之介はそう言った。恋は(とりわけ失恋は)分かりやすく、その最たるものだ。世の中には頑張っても尽くしてもわめいても報われないことが存在すると身にしみたとき、人は確かに世の中の見方が変わる。そして、親であったり先輩や上司であったり、自分が盲目的に崇拝する相手が実は凡庸な人物であると、何かのきっかけで見抜いてしまうこと。凡庸ならまだいいけれども、社会的・倫理的に悪いところを見抜いてしまうことさえあって、それもまた人にとっては人生の境界線だと思う。でも『知らない方が良かったこと』という表現には、結局のところ人はそれを知って、それでも人生は続くというニュアンスがあらかじめ含まれている。『知らないほうがよかった』の後にあるのは、どんな人生だろうか。最終話まであと1話、『初恋の悪魔』(日本テレビ土曜22時)の9話を見ながら考えずにはいられなかった。優秀だが変人の刑事・鹿浜鈴之介、お人好しの元総務課職員・馬淵悠日、二重人格に揺れる生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)、そして図らずも三角関係になってしまった3人を繋ぐ経理課職員・小鳥琉夏(柄本佑)。警察組織の主流に乗れない4人は、勝手に自己流の『自宅捜査会議』を繰り返すうちに、5年前から続く少年連続殺人事件に巻き込まれてしまう。かつての依頼人の冤罪を確信して事件の調査を続けている元弁護士で、現在は作家の森園(安田顕)を加え、面々は連続殺人犯として警察署の署長である雪松鳴人(伊藤英明)への疑念を深めていく。思えば、第1話の事件(病院内の不審死)の被害者は十代の少年たち。第2話の事件(団地内の空白の殺人)は兄と弟のすれ違い。第3話の事件(万引きの未遂)は、内部の偽証。第4話の事件(世界英雄協会と名乗る動画)は、公権力を介さない私的な制裁。『自宅捜査会議』を行っていた前半のエピソードは、5~9話までの少年連続殺人事件にループするように繋がっている。前半と後半を貫いているのは、効率重視で拙速に結論を出そうとする多数派の流れが、ともすれば問題の根源を見逃し、更なる悪を蔓延させるという警告である。連続殺人の犯人だという確証を掴むために雪松を尾行する悠日と琉夏は、雪松の息子の弓弦が古い靴を廃棄しようとする現場を抑え、それがきっかけで連続殺人事件の真相を聞くことになる。息子の雪松弓弦を演じる菅生新樹(すごう・あらき)は、今や日本のエンタメを代表する俳優の1人である菅田将暉の実弟とのこと、確かに遠目には兄の面影を彷彿とさせるものがある。父の犯罪に巻き込まれた息子の悲痛さから一転して、おにぎりを口にしながら刃物を振るい、襲撃者に転じるさまは、見ていて恐怖で肌が粟立つようだった。『あの』菅田将暉の弟であるというあおりを、最大限に逆手に取った鮮烈な地上波作品デビューである。その大胆さ、覚悟。これからのキャリアが楽しみだ。それにしても、これが最初の頃の鈴之介ならば、ひとり猟奇犯罪の本を読み漁って、エキセントリックに研ぎ澄まされていた鈴之介なら、家族の犯罪を告発しているということを差し引いても、刃物のある部屋に事件がらみの青年を一人で放置したりしないのではないかと思ってしまう(5話で描かれたが、そもそも鈴之介の自宅には地下室もある)。おそらく星砂への想いと惑乱が、一連の事件の中でその判断の切れ味を狂わせたのだと思う。友人を得て、恋をして、それがきっかけで友人との関係が互いに微妙なものになり、もがくうちに彼らは最初に持っていた「マーヤーのヴェールを剥ぎ取る」ための第三の目を曇らせてしまう。そして、毛布を与え、温かな善意で差し出したおにぎりが、底知れぬ害意の呼び水になってしまう展開は、人の善を前提とする繋がりが、その居心地の良さで悪も同様に培養してしまう現実を反映しているようでやるせない。それでも、禁断の実の林檎を口にすることが無垢の喪失で、苦しみの始まりなら、せめて大切な人と上手に剥いて分かち合い、その記憶とともに生きて死にたい。その優しさが時に悪を引き入れる可能性があるとしても、居場所のない絶望する誰かのために、優しくてでたらめなお伽話を口にして、風の吹く夜を遠回りをして歩きたい。物語の最後に、私たちは何を見つけるだろうか。優しきマイノリティの4人それぞれに、風の吹く日が来てくれるといいなと願う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月20日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。仕事絡みの知人が亡くなって通夜に行く。ご親族に挨拶をするけれども、その人について語れる思い出は多くないから、少し居心地が悪い。外に出て会葬のお礼状を読み、こんな人だったのかと驚く。書かれた趣味や家族への愛情は職場で見た印象とは随分違う。人ってやっぱり複雑なものだなと思う。スマホの手がかりから兄・馬淵朝陽(毎熊克哉)の意外な生前の姿を追っていく悠日(仲野太賀)の姿を見ていて、ふとそんな自分の最近のほろ苦い思いが浮かんでくる。悠日がスマートなエリートだと思っていた兄・朝陽は、『七転び八起き』という言葉を必死で抱きしめて生きていた。弱さも悩みも、悠日の知っている朝陽とは違っていた。脚本家・坂元裕二の紡ぐ言葉はフィクションの中からするっと這い出してきて、見ている私たちの人生に忍び込んでくる。一度箱に詰めた過去の感情が、軽妙なセリフや磨き抜かれた言葉が鍵になって不意に開く。最終章が始まる第8話は、そんな坂元脚本の醍醐味が詰まった回だった。凶悪事件マニアで変人の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、兄の不審死を調べた結果、上司に疎まれ退職に追い込まれた総務課職員の悠日、生活安全課の刑事だが、二重人格でその不審死の真相の鍵を握る摘木星砂(松岡茉優)、警察署にいながら警察組織が嫌いな経理課の小鳥琉夏(柄本佑)。上下関係の堅固な組織の中にありながら、そこに馴染めないまま生きている4人が連続殺人事件の謎を追う『初恋の悪魔』(日本テレビ土曜22時)。刑事の星砂は悠日と、もう一人の人格の星砂は鈴之介と、それぞれに惹かれあっているため、3人は奇妙な三角関係になっていて、小鳥が飄々と立ち回って4人が空中分解しないように絶妙にバランスを取っている。坂元脚本といえば、テレビドラマ『カルテット』(2017年 TBS系)の3話の名セリフ「泣きながらご飯食べたことある人は生きていけます」が有名(今回、そのシーンと同じ定食屋らしき店が登場していた)だが、今作でも食事の場面は印象的で8話はとりわけそれが際立っていた。冒頭、鈴之介はいちごとマスカットのショートケーキを一つずつ買って帰り、まず星砂にどちらか好きな方を選んで食べてほしいと思っている(残った方を自分が食べるという目論見で、そんな無垢な浮かれ方が鹿浜鈴之介というキャラクターの何ともいえない魅力である)。「同じケーキを二つ買う」でも十分愛情表現として良いと思うが、あなたが楽しそうに選ぶ表情が見たいという高揚が恋の純度だと思う。結果として星砂も同じ二種類のケーキを買っていて鈴之介に選んでほしいと待っていたというオチで、キスよりもハグよりも、恋としてより深いものを示唆する描写はさすがである。この時、鈴之介がもう1人の星砂に対して、この先離れていても会えなくても、どこかで生きてほしいと願う言葉が切なくて印象深い。もう一つ、印象的なシーンは、星砂が悠日から渡されたカレーを食べる場面だった。鈴之介と惹かれあうもう1人の星砂がレンジで温めておいたカレーを、入れ替わりの直後になぜそこにカレーがあるのかよく分からないままに刑事の星砂は食べる。一口食べて、それは恋人が作った味だとすぐに気づいて涙が溢れてくる。食べ終えてから星砂はタッパーに貼られたメモで、悠日が自分を案じてくれていること、一緒にいられないならばとせめてもの思いでカレーを託したことを察して、悠日の元に帰ろうと雨の中を走り出す。「食べてください」は「生きてください」だと、そして理屈やどうしてよりも前にある無条件の愛おしさが満ちて溢れだす、胸にせまる美しい場面である。ロマンチックなラブストーリーとして、切れ味ある社会派のドラマとして、謎が混迷するサスペンスとして、自在に魅力を変えていくこの複雑なドラマを成立させるための根幹にして、かつ一番の難関は『ヒロインが記憶喪失を伴う二重人格』という設定だと思う。そこに揺るがないリアリティを得るために、松岡茉優の卓越した演技力が必須だったのだと改めて痛感する。宅配便を受け取りサインを書く。その瞬間に星砂の人格は入れ替わる。ためた間があるから、もしやと見ている私たちは固唾をのむわけだが、星砂が宅配業者に「あぁ」と短く低い声で答えるそのとき、その声のトーンだけで既に私たちはわかってしまう。これまで緻密に積み上げた松岡茉優の演技が、私たちを鳥肌が立つようなその瞬間に連れて行ってくれるのである。最終章の皮切りになるこの回で、初めて『初恋』というタイトルに絡む言葉が提示された。悠日の兄の朝陽が発したその言葉の意味は、崇拝であり盲信なのだろう。そこに連なる『悪魔』は、どんな姿をしているだろうか。おそらく多面的で、複雑で、やるせないものになるのだと思う。そんな複雑さごと私たちはこのドラマを愛している。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月13日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。時々、いくつも同時進行するSNS上の自分に疲弊する。トラブルが起きたらもちろんだし、トラブルがなくても理由のない倦怠感に襲われる。「もうこれ終わりにしたらどうなのかな、アカウントごと消して寂しくはなるだろうけど少しは救われる部分だってあるんじゃないかしら」ほとんどの人がおそらく、多少なりともそんな誘惑にかられたことがあると思う。アカウントごと消したら、それまでネットの空間にいた私の分身は、言葉のかけらは、声の切れ端は、どこに沈んでいくだろうと漠然と思う。その断片の中に『本当の自分』はどのくらい含まれているのだろう。社会と自分の境界線は案外脆くて複雑だ。何が『本当の自分』か。それを決めるのは投稿か思い出の数か、あるいはそこで生きるための執着か。2つの人格を彷徨う摘木星砂(松岡茉優)の手紙に、そんなことを考えていた。休職があけた変わり者の捜査一課の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、穏和だが自己主張できない警察署の総務担当・馬淵悠日(仲野太賀)、優しいが目ざとくてちょっと面倒くさい経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格で2つの生活を彷徨う生活安全課の刑事・摘木星砂。組織からはみ出している4人は『自宅捜査会議』と称して、勝手に捜査一課の事件を推理するうちに、やがて5年前に起きた少年殺人事件にたどり着く。更にその事件は、悠日の兄で刑事だった馬淵朝陽(毎熊克哉)の3年前の殉職事故に加え、もう1人の星砂の恩人・淡野リサ(満島ひかり)が犯人として逮捕された殺人事件と一本の線で繋がっていた。そして今、更なる類似の殺人事件が発生し、過去と同様に不自然なほど証拠が揃いすぎている容疑者が浮かび上がる。このドラマの中で、主要部署の捜査一課は、権力と治安であり、社会の多数派を現すものとして描かれる。彼らは少しでも早く順当な落とし所を見つけ、そこに向けて効率よく事件を解決しようとするため、時折こぼれ落ちている、自分たちの仮説に相反する真実の欠片は見てみないふりをする。今回の殺人事件の容疑者は殺された青年の恋人だが、おそらく社会一般的に見てあざとすぎて無言のまま反感を買うタイプの女性である。見ていて薄ら寒くなるのは、容疑者の彼女にとっては無実になるかどうかの重要なアリバイを、容疑者の知人や店員が自分たちの不都合(未成年への飲酒を容認したという)を隠蔽するために迷わず黙殺する部分である。それを小鳥は「罪と罰が釣り合わないでしょ。嫌われるとは恐ろしかね」とあきれたように呟く。自分たちの価値観では好ましくない人間にも同じように生身の人生があって、その人生が軽いはずなどないのに、とても容易く人はそれを失念する。そんな社会の薄情さと、効率よく治安を保とうする権力が同調するとき、滑り落ちるように冤罪が起きて本当の犯人は見逃される。事件はドラマの中のことだけれども、私たちはその無責任さを薄めたものを日々どこかしらで見ている。そんな社会の『凡庸な悪』を、坂元裕二はそっと極上のエンターテイメントに差し込んでくる。今回、悠日は星砂の小さな仕草ひとつから、恋人だった星砂を諦めきれない想いがあふれ出て、激しい言葉でもう1人の星砂の存在を否定してしまう。その身体から出て行ってほしいと詰め寄ってしまう。それは、かつて婚約者からオープンマリッジ(他に恋愛関係を持ってもいい婚姻関係)を持ちかけられても、愛想笑いしながら承諾した物わかりの良すぎる男らしからぬ言動である。そして鈴之介は「この人に触るな、触るな。触らないでくれ」と毅然とした言葉で悠日を拒み、傷つくもう1人の星砂をひたすらに守ろうとする。それもまた、他人との関わりを諦めて、常に孤独を良しとして、恋愛は自分の人生にはいらないと割り切っていた男らしからぬ言動である。それぞれに友情と恋を得て、扉を開いて一歩を踏み出したからこそ、悠日と鈴之介は正面からぶつかりあってしまう。誰かが何かを失わねば決着のつかない3人の関係に胸がひりひりする。そして今回のラストで見つかる星砂の手紙は、その痛みに呼応するかのようだ。自身の存在が失われる覚悟とともに、星砂は手紙で悠日に語りかける。思い出は必要なものだ。でも慎ましくスプーン一杯くらいあればいい。それはホットドッグからはみ出すキャベツであり、シャツがまくれて見えるヘソであり、キスの直前に鳴るアラームであり、起き抜けに分けあう一杯の水であり、普段の暮らしの中のものだ。そんな特別でない、等身大の自分を覚えていてほしい。これは、愛おしい恋人への言葉であり、同時にすべての人の喪失の痛みに寄り添うものだ。喪失とすべての解決の予感をはらんで物語は最終盤に向かう。4人の友情と愛情がどのように着地するのか、しっかり見届けたいと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月06日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。このドラマで、何気ないけれど、ふと目について覚えている場面がある。2話、鹿浜鈴之介(林遣都)の家でいつもの4人が大福を食べながら話すシーンだ。摘木星砂(松岡茉優)は、残った大福を持ち帰るためなのか、大事に紙に包んで手元に置く(結局は忘れて帰るが)。そういえば、星砂は馬淵悠日(仲野太賀)相手にも最初に会ったとき、「食べるものを持ってないか」と問いかけていた。どちらも食べることに対する切迫感が透けて見える。用心深いけれども、安心して受け取れる相手からは食べ物をもらって、その時食べられるだけ食べて、すっと離れるさまは誇り高い野良猫のようだ。誇り高く生きることと引き換えに、暮らしの基盤は脆いけれども、常に相手の本質を真っ直ぐに見据える星砂のまなざしは美しい。大福をみんなで食べた時に「おまえら、粉、こぼさずに食えねえのか」と、少年のように乱暴な言葉とともに、口の端に粉をつけて笑った顔も忘れがたく素敵だった。優秀だが変人の刑事課の刑事・鈴之介(林遣都)、真面目で優しいが平凡な警察署の総務担当・悠日(仲野太賀)、愚痴っぽいが友達想いで、一途に刑事課の新人刑事に片思いしている経理担当・小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格により途切れる自分の記憶に悩む生活安全課の刑事・星砂(松岡茉優)。組織からはみ出して生きる4人が事件を追う『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。前回5話から、物語はおそらくストーリー全体の核になるだろう悠日の兄・馬淵朝陽(毎熊克哉)の3年前の殉職と、5年前の少年拉致殺害をめぐる謎に踏み込んでいる。更に今回、6話ではそれらの事件と星砂の二重人格の、別の人格が深く絡んでいるさまが提示される。正直、1~4話までは、いつもの坂元脚本と変わらずセリフもキレキレだし、コメディの部分もさすがの匙加減であるけれども、それでも物語がどこに向かっているのかは全く見えず、心許ない感じが消えなかった。だが、5話から6話にかけた怒濤の展開に、ここまでのばらばらに散りばめられたエピソードは、織り上げる前の『糸』の準備だったのだと痛感する。今回、鈴之介は『もう一人の星砂』と出会い、互いに心を寄せあって彼女の過去を知る。学生の頃に、心無いいたずらで傷ついた鈴之介の思い出に、真剣に怒る『もう一人の星砂』のしなやかな正義感と、つらい過去を語ろうとして中断する星砂に「途中でやめようとした話こそ、いちばん話したい話です」と気遣う鈴之介の、傷ついて生きてきた者特有の優しさが呼応する会話は、見ていてじわじわと熱量が上がっていくような見事さだった。刑事の星砂は、傷つきながらも綺麗ごとを抱えて誰かの居場所であろうとする悠日に惹かれていく。けれども、もう一人の星砂は、過去に『頭がよくて、正しくて、近道が好きな』人々(おそらく良識を振りかざす人々ということなのだろう)に、大切な人である淡野リサ(満島ひかり)との居場所を奪われた記憶から、綺麗ごとを語る悠日には警戒心を抱いて相容れない。今回のラストシーン、悠日を拒んで鈴之介の服の肩口を掴む『もう一人の星砂』の手に、見ている私たちも胸がぎゅっと痛む。これは、異形ゆえに傷ついてきたひとりと、凡庸ゆえに踏み付けにされてきたひとりと、転落の危機を持ちこたえながらぎりぎりで生きているひとりが、互いの欠けたところを補うように惹かれ合う恋の物語だ。坂元裕二の作品の魅力は、もちろん洒脱な言葉を選りすぐって磨かれたセリフ群ではあるけれども、更にそのセリフを対話としてふんだんに積み重ねた末に見えてくる『名づけられない関係』にあると思う。例えば、家出少女のたまり場と言えば一般的には不穏な響きしか残らないそれを、風の強い日に髪をなびかせてみんなで道草をして、ただ「おかえり」と「ただいま」を大切にして、それ以上を求めない風通しのよい何かに描きだすこと。例えば、男社会の横暴にしなやかに抗いながらレストランを営む女たちの繋がりを、単に職場の同僚という枠におさめずに豊かに鮮やかに描きだすこと。(テレビドラマ『問題のあるレストラン』2015年フジテレビ系)例えば、3回の結婚を経た女社長と夫たちの関係を、白黒ありがちな名前の感情にとどめずに、繊細なグラデーションの日々として描きだすこと。(テレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』2021年フジテレビ系)精緻に染めた感情の糸で、社会のいまを通して、未知の布を織りあげていく。彼が描き出す『今は』名前のない関係は、私たちが半歩先、いつか未来で見つける何かだと思う。今作ではどんな色の、そしてどんな手触りの布に、私たちは触れることが出来るだろうか。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月23日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。私たちはこの奇妙なドラマに足を踏み入れたその時、最終的にどこにたどり着くのかはよく分からないままに切符を買った。どんな景色の旅になるのか、まだ半分も分からないけれども、最終的にこれまでに見たことのない目的地にたどり着くのだという確かな予感はあった。しかし5話を見て怖くなった。果たして乗ったのは列車だと思っていたけれど、もっと過激ななにか、大きならせんを描き、激しく揺れ、時に水しぶきのかかるジェットコースターか何かだったのではないか。4話までの、牧歌的にカタコト揺れていた音は、ジェットコースターの長い長い最初の登り区間だったんじゃないか。同じドラマ、同じ登場人物。ひと繋ぎの同じレールの上で、私たちはいま、どちらが頭で足なのか分からなくなるような急降下と急上昇を味わっている。休職中の刑事の鹿浜鈴之介(林遣都)、警察署の総務担当・馬淵悠日(仲野太賀)、経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。警察署にいながら組織から少しずつはみ出している4人が織りなす不思議なミステリアス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。鈴之介は異端としての生きづらさを、悠日は平凡さゆえに下に見られる痛みを、小鳥は片思いの相手に振り向いてもらえない哀しみを、そして星砂は多重人格から来る不安定さにそれぞれ苦悩しながら4人は事件の解決を通して距離を縮めていく。5話、ストーリーはこれまでとはがらりと違う展開になり、鈴之介が暮らしている家に、鈴之介すら知らない地下室があること、その地下室をめぐる隣人・森園(安田顕)とのトラブルを通して鈴之介の過去が描かれる。これまで4人が事件を考察した『自宅捜査会議』では、最初に事件を俯瞰するために事件現場のジオラマを作成する。ジオラマで俯瞰されず表に出ない地下室の存在は、ひどく不穏で薄気味悪い。1年前、この家を鈴之介に譲ったのは椿静枝(山口果林)と名乗る老婦人だった。子供の頃から周囲になじめず、大人になって一層孤独感を深めていく鈴之介の心を唯一解きほぐしてくれたその恩人は、過去にブロック塀の倒壊事故で娘と孫を亡くし、その無念から倒壊事故に関わった人物の監禁事件を起こしていた。自分にとっては人生で唯一の恩人と思っていた人物が実は猟奇犯罪者であることを知って呆然とする鈴之介だが、同時に偏屈で人嫌いな自分と出会うことで静枝が救われたこと、安らかな気持ちで死んでいったことを知り、複雑な思いを噛みしめる。静枝は厭世観(えんせいかん)に沈むかつての鈴之介に語りかける。静枝「世の中を恨む悪魔になっちゃだめ」鈴之介「人間は苦手なんです」静枝「人は人。自分らしくいれば、いつかきっと未来の自分が褒めてくれる。僕を守ってくれてありがとう、って」悪魔というこのドラマのタイトルの半分が初めてここに現れる。自分が救われたと思っていたけれども、実際には自分が相手を救っていた。恋ではないけれども、マイナスとマイナスが掛け算してプラスに転じるような出会いだった。そしてこれは3話の居酒屋のシーンで星砂が悠日に語りかけた「誰かと出会ったとき、それが変わるんだよ。平凡な人を平凡だと思わない人が現れる。異常な人を異常な人だと思わない人が現れる。それが、人と人との出会いの…いい、美しいところなんじゃないか」というセリフにも繋がっていく。初回、医師が多忙すぎて患者が命の選択に晒される、2話、兄弟同士の格差が分断を起こす。3話、年金が足りなくて高齢者が横領に手を染める。物語が静かに浮かび上がらせるのが、この国で淡々と静かに進行しているあらゆる原因の見えづらい病巣だとすれば『悪魔』はその裂け目から生まれてくるものかもしれない。それならば悪魔を寸前で引き留めるもの、悪魔を引き戻すものは何か。ともにマイナスだとしても、マイナスとマイナスでプラスに転じるような出会い、星砂が悠日に語ったカテゴリやラベルにとらわれない会遇が、その鍵になるのだろうと思う。鈴之介の危機を残りの3人の機転で乗りきって、4人の絆はより深まったが、この回のラストで一気に物語は暗転する。悠日の不審死した兄の携帯をめぐって星砂は行方不明になり、もう1つの人格で鈴之介の前に現れて誘惑めいた言動を見せる。そして鈴之介の隣に住む作家の森園が、5年前に起きた監禁ののちに、遺体で発見された少年の殺人事件に関わった弁護士であるということも明らかになる。解決し距離を縮めたその直後、更なる猟奇と分断が螺旋のように加速する。まだ物語は、ようやく点が線になりはじめたばかりだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月16日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「片思いはハラスメントの入り口だ。僕は彼女に片思いという暴力を振るってしまった」小鳥琉夏(柄本佑)は素数を拾い上げるように、自らの言葉と行動の一つ一つを用心深く見つめて検証する。だから、片思いは一種の暴力であると彼は言う。確かに片思いは強烈な熱量を伴うものだけれど、多くの人の人生に訪れるその熱量を、どうすれば想う相手を傷つけずに軟着陸させられるのか。あるいは愛情という名の創造的な感情に転化させられるのか。鹿浜鈴之介(林遣都)の言葉を借りるなら、誰しもがマイナスとマイナスを掛け算してプラスに転じられるような幸運に巡り会うわけではないし、同じく鈴之介のように失恋の予感を静かに内面に閉じ込められるはずもない。対極に見えて実は背中合わせの、片思いから連なる献身と暴力の境界線はどこにあるのか『初恋の悪魔』4話を見ながら考えていた。停職中のエキセントリックな刑事・鈴之介(林遣都)、警察署の総務部に勤める馬淵悠日(仲野太賀)、同じく経理担当の小鳥(柄本佑)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。警察署で仕事をしているが、刑事課の事件には捜査権のないはみだし者の4人があくまで自主的に事件を推理する新感覚のサスペンス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。毎回発生する様々な事件は横糸、そして物語の縦糸は、3年前に起きた悠日の兄の不審死と、鈴之介の隣に住む奇妙な隣人・森園(安田顕)と鈴之介の関係である。4話の事件は、マナーやルールを守れない人物を矢で射て制裁を加え、犯人がその様子を配信して警察を挑発するという劇場型犯罪。片思いの相手である渚(佐久間由衣)が事件に絡んで負傷したことで、小鳥は怒りに駆られ、なんとしても犯人を捕まえようと躍起になる。しかし鈴之介は推理をする一方で、そんな小鳥の情熱も、犯人を捕まえようとする自分達の推理も一方的なもので、安っぽい正義感に捕らわれた今回の犯人と本質は同じものだと語り、徒労感を滲ませる。思えばこれまでも事件の解決に解放感はなく、いつも苦い。解決後の犯人のその後も殆ど描かれず、事件はあくまでも物語の一部、ピースのひとつに見える。物語の中で、事件は4人が自分の内面を見つめたり、開放したり、関係を結びなおすための『装置』である。そして今回の事件は、どんなに本人が正しく思っても、相手を見ない一方的な感情の発露は暴力であるという現実を浮かび上がらせる。一度は鈴之介の言葉に腹を立てて出て行った小鳥が、事件の結末を見届けて、やがて「しばらく頭を冷やす」とメールで詫びてきたのは、苦さの中での救いに見えた。そんな小鳥の片思いをめぐるほろ苦い顛末の中で、悠日と星砂は次第に距離を縮めていく。星砂は、自分の中にあるもう一つの人格の存在(彼女はその人格を『ヘビ女』と呼んでいる)で、常に不安に苛まれている。覚えのないものを買っている、覚えのない誰かとトラブルになっている、覚えのない怪我をする。しかし彼女の不安の本質は、そういう日常のトラブル以上に、より根源的な、自分の存在そのものに対する不安定さである。実は追随者なのはヘビ女の方ではなくて、自分の方なのではないか。その不安を彼女は荘子の説話『胡蝶の夢』になぞらえる。蝶になる夢を見た。しかし蝶もまた確かに自分だった。逆に蝶の夢を見ている自分の存在が夢なのではないか(これは鈴之介が口にする『マーヤーのヴェール』と並列する概念だと思う)。二重人格といえばひどく特殊な状況に感じるけれども、半歩引いて、例えばSNSで見せている自分と実生活の自分の乖離や、自分でコントロールできないほどに傷ついたメンタルの話だと考えたら、星砂のそれは私たちにとっても身近な感情に思える。そんな不安におびえる星砂を抱きしめて、悠日は語りかける。「僕が好きなのは、トマトが嫌いでエビフライが好きな人です。僕が、あなたを知っています。僕が知っている限り、あなたはいなくなりません。困ったら僕を見て下さい。僕が『あなたはあなた』だって言います。大丈夫。絶対いなくなりません。僕が知ってますから」相手に何かを『する』、あるいは『してあげたい』ではなく、「ちゃんと覚えています」と誓う悠日の言葉は、少し離れた距離から背中だけで、悠日が兄に語りかける電話を聞いていた星砂の姿にも重なる。この2人は、人に対する誠実さや優しさが似ているのだと思う。今ここで一つ一つ覚えていく自分の記憶の中の、大切な人の姿は何にも左右されないし、誰からも奪われない。それは片思いの一方的なベクトルが、暴力的でない何か、きっと愛と呼べるものに転化する瞬間なのだろう。嵐の夜、荒波をゆく船を導くコンパスのような言葉だと思った。前半の4話を終了して、まだ謎は点在したまま、うっすらと繋がりが見えるか見えないかの程度だ。4人の関係がこの先どのように変化していくのか、悠日の兄の死の謎、鈴之介の家と隣人に潜む謎は繋がっていくのか。多くの謎と、見守る私たちの気持ちを強烈に引きずったまま、物語は中盤に入る。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月09日林遣都と仲野太賀がW主演、松岡茉優、柄本佑が共演する日本テレビ系・土曜ドラマ「初恋の悪魔」から、Huluオリジナルストーリーが配信されることが決定。また、第4話のダイジェスト映像も公開された。それぞれワケありの警察署勤務の4人、ヘマをして停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、総務課職員・馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)、会計課職員・小鳥琉夏(柄本佑)、この捜査権のない4人が事件解決に乗り出すミステリアスコメディー。脚本家・坂元裕二の世界観であるテンポがよく、繊細、軽妙かつ重厚で、思わず引きこまれてしまうセリフの掛け合いが展開されていく。この度、第4話の見どころをまとめたダイジェスト動画が公開、物語は大きな謎に向かっていよいよ目が離せない展開に。第5話への期待が高まっている。Huluではオリジナルストーリーを配信。初回は第6話(8月20日)の放送終了後より配信開始、詳細は後日発表予定となっている。第5話あらすじ鈴之介(林遣都)は森園(安田顕)とともに、廊下の突き当りにあった開かずの扉を開く。そこには地下に続く階段があり、その先には地下室があった。薄気味の悪いその地下室は明らかに誰かが監禁されていた痕跡があり、さらに驚く2人。そんな隙、森園は地下室の扉を突然閉め、鈴之介だけを地下室に閉じ込めてしまう。一方、悠日(仲野太賀)は兄の朝陽(毎熊克哉)が残したスマホのロックを解除し、朝陽の死の謎を解きたいと星砂(松岡茉優)に言う。星砂は“もうひとりの自分”が朝陽の死に関わっている証拠が出てくるかもしれないと不安を抱く。閉じ込められている鈴之介は、森園から過去に起きたある殺人事件について聞かされる。5年前、15歳の少年が行方不明となり、まもなく遺体で発見された。犯人は逮捕されたものの、森園は真犯人がほかにいると考えていた。そしてこんな奇妙な家に住む鈴之介こそが、その真犯人ではないかと疑ったのだった。鈴之介は、「ここは僕の家に違いないが、僕の家ではない」と告げるが、森園は「意味が分からない」と取り合わない。そのころ、渚(佐久間由衣)は捜査に行き詰ったとき、いつも解決のヒントが書かれた手紙が届くことを琉夏(柄本佑)に打ち明ける。さらに渚は手紙の主が鈴之介ではないかと思っていると、頬を緩ませながら語るのだった。密かに渚に心を寄せる琉夏は複雑な心境に。一方、鈴之介は森園に、この家に住むこととなった経緯を語り始める。この家は椿静枝(山口果林)という老いた女性から譲り受けたのだった。椿との出会い、それは鈴之介がこれまで誰にも語ったことのない、現在の鈴之介を形成する壮大なストーリーがあったのだ。また、そのころ、しばらく音信不通になっている鈴之介を心配した悠日と星砂、そして琉夏は、鈴之介の家を訪ねてくる。地下室の存在など知る由もない3人は、鈴之介の部屋から椿の書いたとみられる手記を発見し――。「初恋の悪魔」は毎週土曜日22時~日本テレビ系にて放送中。(text:cinemacafe.net)
2022年08月08日俳優の仲野太賀さん、林遣都さんが主演を務めるテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の第4話が、2022年8月6日に放送されます。『初恋の悪魔』第4話あらすじ鈴之介(林遣都)の家を訪れた森園(安田顕)が見せた、「この部屋には監視カメラがあります」「この世界にはもう秘密などないということでしょう」と書かれたメモが、視聴者の反響を呼んだ第3話。第4話では、そんな森園がサスペンス小説家であることが明かされるも、森園家には妻と呼ばれる女性以外に、怪しげな女性が複数出入りしており、鈴之介は混乱するばかり。一方、悠日(仲野太賀)と琉夏(柄本佑)は、世界英雄協会を名乗る男を追うべく、奮闘していました。社会のマナーやルールを守らない者が矢で射られる事件が次々と発生。世界英雄協会を名乗る男が犯行声明を出す。刑事課の捜査会議で渚(佐久間由衣)が世界英雄協会の危険性を主張するも、他の刑事たちは取り合おうとしない。その後、世界英雄協会による犯行は続き、いつしか愉快犯となり、犯行声明とともにクイズを出題するように。大量の数字が並んだ暗号を示し、自らのアジトを示唆するのだった。琉夏(柄本佑)は渚に頼まれて、数字クイズ解読に取り組む。渚までが犠牲者となる。悠日と琉夏(柄本佑)は、鈴之介に助けを求めるが…?毎回、視聴者に少しの謎を残して話が終わる『初恋の悪魔』。第4話ではより物語の核を握る謎に近付くのでしょうか…。[文・構成/grape編集部]
2022年08月05日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「僕以外の世界中の人は、摘木さんのことが好きなんだろうなって、思うんだよ」どこにもたどり着けない片思いのやるせなさを表現するのに、これ以上簡潔で分かりやすい言葉があるだろうか。恋をしたら、閉じられていた自分の世界が一気に水平線の彼方まで広がる。でも同時に今まで自分を支えていた万能感や自信はぺしゃんこになって、ゴミみたいに感じられる。恋をしたら世界は広がり、同時に小さく縮む。それを一つのセリフで見事に切り取ってしまう、脚本家・坂元裕二のキャリア30年を経て、いまだ最前線の切れ味に脱帽するばかりである。警察署勤務、総務課の馬淵悠日(仲野太賀)、経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、停職中で凶悪犯罪マニアの刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。主流からどこかはみ出している4人が、あくまで『勝手に』事件を捜査する、風変わりなミステリアス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。3話目の事件は、とあるスーパーマーケットで繰り返される万引き疑惑である。生活安全課の刑事である星砂は、何度も万引きの現場を目撃して犯人を捕まえるものの、取り調べの段階になると、いつも盗んだはずの商品は見つからない。更に星砂には、時折自分の記憶が飛んで覚えのない行動を取っているという自覚と不安があり、果たして自分が見ている万引きの現場が現実なのかどうか次第に自信を失っていく。一度は星砂への恋心が見込みなしだと知って落胆し、更に万引きなど犯罪のうちに入らないという価値観もあって、推理を拒否する鈴之介だったが、ふとしたきっかけでそれを返上し星砂を手助けすべく4人で推理を始める。1話では小児病棟の少年たち。2話では持てる者と持たざる者としての格差のある兄弟。このドラマで事件を通して描かれてきたのは、弱者であり、マイノリティとして生きる人たちが、ぎりぎりの小さな声で訴える痛みである。2話では、「自分は人を勝たせて生きているから負けてもいいのだ」とお人よしの悠日は言う。しかし、優しさにつけ込む他人から無自覚に踏みつけられる痛みは、少しずつ悠日をむしばんでいる。そこにあるのは、平凡で優しくて、強いからこそ耐えてしまう人間の痛みだった。3話で語られるのは、常にエキセントリックで、傍若無人に見える鈴之介が語る痛みである。普通に人を(この場合を星砂を)好きになればいいのだと善意から諭す悠日に、鈴之介は諦めたようにこう返す。「君は人から気持ち悪いと言われたことはないだろ?馬淵くん。君は、優しい人だけど、そういうことを言ってはいけないよ。普通という言葉に恐れを抱き、おびえてしまう人間は存在するんだ。たとえどんなカテゴリーに入っても、そこでの僕は変わり者なんだ」初恋の悪魔ーより引用あの日、フォークダンスで差し出した手を気持ち悪いと拒否されはしないか怖かった。後で陰口をたたかれてはいないかと不安で怖かった。突然届いた異性からの手紙は、自分をからかおうとしている何かなんじゃないかと怖かった。怖くて近寄れないから、自分にはそれを欲しがる感情はないのだと心に言い聞かせる。孤独が好きなんじゃなくて、傷つくよりは孤独の方がまだましだと思っている。変わり者だから容易に周囲から踏み付けられはしないけど、忌避されてきた青年の人生が、その独白一つで視聴者の眼前にパノラマのように広がる。台詞に加えて、改めて『気持ち悪い男の人生』を体現する林遣都の演技が素晴らしい。もちろん容姿そのものは林遣都なのだから、言うまでもなく美しいのだけれども、怪しい隣人のゴミを漁るべく必死の形相で走る姿も、悠日と小鳥に身なりを整えてもらう間に憮然と立っている姿も、世間のほどほどから明らかに外れた感じが漂っていて可笑しかった。思えば『おっさんずラブ』(2018年テレビ朝日系)の牧を演じた時も、『スカーレット』(2019年NHK)の信作の時も、『姉ちゃんの恋人』(2020年フジテレビ系)の真人も、社会にうまく身の置き場を見つけられない青年を演じるとき、林遣都の演技の精度は更にもう一段上がる。この先の展開でも、坂元脚本の台詞の力を羽根にして、更なる高みに飛ぶのを見られるだろう。楽しみだ。星砂の助けになりたいと、みんなで解決した万引き事件の後味は悪かった。それでも礼を言いたいという星砂の来訪を、鈴之介は「事件を推理したのは自分のエゴであり、エゴに礼はいらない」と拒む。気持ち悪がられるかもしれないと怖れても、これが相手の好意に繋がらないかもしれないと分かっていても、大切な誰かに手を差し伸べたい気持ちをエゴだと割り切って一歩を踏み出す。傷つき、転がりながら生きていく人生だけど、それは救いに違いない。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月02日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「言われなくても疲れてるよ」と、柄本佑が演じる小鳥琉夏は物憂げに言う。「お疲れ様」という仕事上の挨拶の言葉なんて、「お疲れ様」と返してさらっと流せばいいのに、いちいち律儀に「お気遣いいただくまでもなく私は既に疲れております」と表明して会話に逆毛を立てる。彼は、思いやりの出し殻みたいな言葉を流せない。きっと小鳥琉夏は、「レモンかけていいですか」と尋ねる言葉すら同調圧力の初歩だと異議を申し立てる家森諭高(TBS系『カルテット』2017年)や、「お土産なんていります?」と土産を買う時間の無駄を糾弾する中村慎森(フジテレビ系『大豆田とわ子と三人の元夫』2021年)と同じものが見える世界に生きている。それはきっとトゲだらけの蔓(つる)が繁る奥に、柔らかく繊細なバラが咲く世界だ。仲野太賀演じる悠日の生々しい独白警察署に勤めながらも、裏方として総務に従事している馬淵悠日(仲野太賀)、同じく経理の小鳥琉夏(柄本佑)、何か問題を起こして停職中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、生活安全課の刑事の摘木星砂(松岡茉優)。本来なら刑事課の事件には捜査権のない四人が集まって、何故か事件を解決しようとする不思議なミステリアスコメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。しかしカテゴライズ出来ないドラマである。見始めたらずるずる引きずり込まれるような魅力に満ちているが、面白さを未見の誰かに説明するのは難しい。作中の端々で社会的だが、それらの描写は川面の泡のように浮かんではふつりと消えて、また浮かぶ。暗く閉じ込められた部分と、思わず吹き出すコメディの部分が入り交じって昇華する。ドラマごと簡単に括られること、安易な言葉で語られることを拒むように。第2話、はみだし者の4人が考察する事件は、とある団地に住む、かつて人気があったお笑いタレントの兄弟をめぐる殺人である。兄が殺され、弟に嫌疑がかかるが決定的な動機も手段も分からない。お笑いタレントとしては兄の方が人気があり、兄弟内で格差があった。刑事になる夢を諦めて、警察職員として生きている悠日は、3年前に殉職した優秀な刑事の兄と、親の期待に添えないまま生きている自分の立場の隔たりを思い、複雑な気持ちで事件に向かい合う。事件の真相を解き明かしたあと、悠日は夜の公園で星砂を相手に、淡々とこれまで誰にも語らなかった兄に対する自分の心情を打ち明ける。このセリフが、坂元脚本の真骨頂のような見事さであり、少し長いが引用する。欲しいものを手に入れた人と、手に入らなかった人がいて。一番欲しいものが手に入らなかった人は、もう…他になんっにも欲しくなくなってしまう。あ、僕はもう十分です。やあ、結構です結構です。僕はもうこれでいいんで。満足なんで。皆さんで楽しんでください。…顔はね。笑ってるんです。でもそんなの、上っ面で。心ん中じゃ、心の中では。俺を、笑うな。俺を、馬鹿にすんな。俺に、アドバイスすんな。俺に偉そうにすんな。もっと俺を尊敬しろ。いや、なんかそういうねえ、ひんまがったやつだから。兄は死んでしまったんだなあって。初恋の悪魔ーより引用「自分は勝たなくていい、人を勝たせてあげる人生でいいのだ」と笑い、達観して語っていた悠日の、言葉一つ一つから血が噴き出すような生々しい独白である。もしも何かで自尊心がずたずたになって、心が瀕死になってしまったら、それでも生きていくためには、自分が負けたんじゃない、負けを自分の意思で選んでいるのだと痛みから目を逸らして、自分に言い聞かせなければ生き延びられない。そうやって普段は踏みにじられる痛みから目を逸らして生きているけれど、ふとしたはずみに痛みが漏れ出す。その痛みを吐き出させるように少し離れた距離で背中を向けて、聞こえているのかいないのか、それでも悠日を見守っていると分かる星砂を演じる松岡茉優の物言わぬ横顔が、表情を殺した横顔がとても美しかった。坂元脚本の松岡茉優といえば、『問題のあるレストラン』(フジテレビ系2015年)での雨木千佳役が印象深い。孤独な境遇を飲み込み、泣きながら料理を作るシーンは名場面である。千佳のように感情を爆発させる役柄も、星砂のように感情を抑えて演じる役柄も、松岡茉優は独特の引力をもって演じる。1話目・2話目ともに、星砂の謎めいた複雑なキャラクターが何度も示唆されている。この先、万華鏡のようにどんなヒロインを魅せてくれるか楽しみである。余談だが、仲野太賀はNHK・BSの日曜日22時でも『拾われた男』で主人公を好演している。『初恋の悪魔』では松岡茉優を、『拾われた男』では伊藤沙莉を。それぞれに実力派女優を相手に、違う引き出しを開けたアクセル全開の演技が堪能できるので、それぞれに見比べてみるのも面白い。初回ではこの物語がすくい上げる階層と辺境の描写に唸ったが、2話目は内部にある『格差』の痛みを描写していた。これだけの細やかな物語を、週末にボタン一つ、チャンネルを合わせることで見られることを感謝したい。このドラマは複雑で、時に見る側に集中力を要求する作品ではあるけれど、作中に散りばめられた誠実な言葉はきっと見ているあなたの痛みに寄りそうだろう。これは、私の物語であり、あなたの物語でもある。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年07月26日