2022年8月9日 16:51
【『初恋の悪魔』感想4話】献身と暴力の螺旋を抜け出すために・ネタバレあり
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
「片思いはハラスメントの入り口だ。僕は彼女に片思いという暴力を振るってしまった」
小鳥琉夏(柄本佑)は素数を拾い上げるように、自らの言葉と行動の一つ一つを用心深く見つめて検証する。だから、片思いは一種の暴力であると彼は言う。
確かに片思いは強烈な熱量を伴うものだけれど、多くの人の人生に訪れるその熱量を、どうすれば想う相手を傷つけずに軟着陸させられるのか。あるいは愛情という名の創造的な感情に転化させられるのか。
鹿浜鈴之介(林遣都)の言葉を借りるなら、誰しもがマイナスとマイナスを掛け算してプラスに転じられるような幸運に巡り会うわけではないし、同じく鈴之介のように失恋の予感を静かに内面に閉じ込められるはずもない。
対極に見えて実は背中合わせの、片思いから連なる献身と暴力の境界線はどこにあるのか『初恋の悪魔』4話を見ながら考えていた。