2022年7月26日 12:30
【『初恋の悪魔』感想2話】これは私の物語、そしてあなたの物語 ・ネタバレあり
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
「言われなくても疲れてるよ」と、柄本佑が演じる小鳥琉夏は物憂げに言う。
「お疲れ様」という仕事上の挨拶の言葉なんて、「お疲れ様」と返してさらっと流せばいいのに、いちいち律儀に「お気遣いいただくまでもなく私は既に疲れております」と表明して会話に逆毛を立てる。
彼は、思いやりの出し殻みたいな言葉を流せない。
きっと小鳥琉夏は、「レモンかけていいですか」と尋ねる言葉すら同調圧力の初歩だと異議を申し立てる家森諭高(TBS系『カルテット』2017年)や、「お土産なんていります?」と土産を買う時間の無駄を糾弾する中村慎森(フジテレビ系『大豆田とわ子と三人の元夫』2021年)と同じものが見える世界に生きている。
それはきっとトゲだらけの蔓(つる)が繁る奥に、柔らかく繊細なバラが咲く世界だ。
仲野太賀演じる悠日の生々しい独白
警察署に勤めながらも、裏方として総務に従事している馬淵悠日(仲野太賀)