米映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のBlu-ray&DVD発売記念イベントが17日、都内で行われ、プロレスラーの長州力、藤波辰爾、武藤敬司、グラビアアイドルの高崎聖子、倉持由香、鈴木咲、清水みさとが出席した。同作は、シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ハリソン・フォード、メル・ギブソンらハリウッド俳優たちが集結したアクション大作。傭兵集団・エクスペンダブルズを率いるバーニー(スタローン)を中心に、屈強な男たちの戦いを描く内容で、Blu-ray&DVDには日本語吹き替え版も収録している。シリーズを通して宣伝活動を行ってきた武藤は、「エネルギーをもらう映画なので、若いヤツも元気になると思う」とアピールし、「テリー・クルーズの上半身の筋肉がすごい。是非リングに上がって欲しい」とプロレス目線の感想を。同作を手掛けたパトリック・ヒューズ監督から、インタビュー時に、「次回作で悪役をやるべきだ」と推薦されていた武藤は、「やりたいですね。スタローンと是非戦ってみたい」と含み笑いでハリウッド進出を目論んでいた。一方、スタローンを意識した衣装で登場した藤波は、「こういうの嫌いじゃない」と満足げな表情で、「チームがどんな活躍を見せるか見どころ十分」と、ハードなアクションに挑んだハリウッド俳優たちを称賛。"レジェンド・プロレスラー"として紹介された長州と藤波だが、「控室でも気を遣って恐縮しちゃって大変でした。俺は使い走り。でも、俺もレジェンド、年寄り組ですからね」とこぼした武藤に、長州は、「ふざけんな! お前は感情表現が出来てない」と喝を入れて笑いを誘っていた。また、グラドル宣伝部の高崎、倉持、鈴木、清水は、セクシーなミリタリー・ファッションで登場。「監督と直接お会いして約束したので、グラドル宣伝部としてPRしていきたい」とあいさつした倉持は、写真撮影で自慢のヒップを長州に密着させ、ノリノリでアピールしていた。
2015年03月18日10月19日朝、開店時刻を迎えた伊勢丹新宿店本館1階の正面玄関入口には、同社社員に混ざってお客様を丁重にお出迎えする、デザイナー丸山敬太の姿が見られた。理由は同店本館1階ステージ#1に、10月15日から21日までの期間限定で“KEITA MATUYAMA 20周年ミュージアム『丸山景観』”がオープンすることを記念して、この日は丸山が「1日店長」を務めることになっているからだ。開店と同時に殺到するお客1人ひとりに対して、丸山は丁寧にお辞儀。ファンから声を掛けられると笑顔を見せ、会話を交わす場面もあった。「1日店長」の仕事はもちろんそれだけではない。閉店時間まで分刻みで店内を回り、商品を宣伝し、お客に荷物を手渡し、合間合間にはスマホでの記念撮影にも快く応じる。まず、開店直後には地下の食品フロアに赴き、ケイタマルヤマとコラボレーションした「京都 下鴨茶寮」の弁当、「鈴懸」のどら焼き、「鶴屋吉信」の生菓子をアピール。季節感や食材の色にもこだわることで、ケイタらしさを演出したという2段重の弁当を前にした際は、「見た目も色もばっちり。ぜひ多くの方に召し上がっていただきたい」と自信満々の表情を浮かべた。鈴懸のどら焼きには、ケイタらしさ満載の富士山、桜を模したオリジナル焼印を押印。鶴屋吉信の生菓子3種も、牡丹、富士などをモチーフに仕上げている。また、12時からスタートした屋上ランチパーティーでは、ケイタマルヤマ歴代コレクショなどを上手に着こなしておめかししたファンたちを前に、「大好きなデパートでこんなステキな会を催してもらえて本当にうれしい」とあいさつ。乾杯の音頭を取る段になると、「なんだか自分で自分に乾杯する感じ」とこぼし、照れくささを隠すかのように、「みなさんの20周年を祝して乾杯したいと思います」と高らかにグラスを掲げた。
2014年10月20日「イイ女」は私たちの目標でもあるし、そのために美容もお洒落もがんばる。でも、女から見た「イイ女像」って、得てして男性目線からのもとは違って、一歩間違った方向にいくと、「イタイ女」になりがち。そこで、日々、様々な業種の女性と接し、本人自身が「モテ男」と評判の「MEN’S CLUB」編集長・戸賀敬城さんに、美容&恋愛ライターの安田光絵が直撃! 男から見たイイ女について、じっくり語っていただきました。■男が感じる女の魅力とは? 安田:プライベートも仕事も含め、今まで数えきれないほどの女性とお会いしてきたと思いますが、男性から見てどういう女性が魅力的だと思いますか? 戸賀:まず、女の魅力を大きく2通りに分けるとすると、ひとつめは遊びで終わる時間的に短い魅力、もうひとつは、ずっといたいと思える時間的に長い魅力に分けられる。みんなが目指したいのは後者のほうだよね? 安田:ハイ。もちろんそうです。戸賀:前者のほうは、男ウケしそうなファッションで、トレンドのメイクをしていればある程度はモテる。ただ、外見的な華やかさは最初の掴みにはいいかもしれないけど、それと結婚につながる魅力は全く別のこと。仕事柄、ファッション業界の女性たちともしょっちゅう会ってるけど、服やバッグ、靴や時計だけが印象に残ってその人自身のことを覚えていないってことが多い。いくらいいものを持っていても、持ち物に負けていたら意味がないよね。安田:大事なのは中身ということでしょうか。戸賀:月並みの意見だけど、そういうこと。何かを身につけることによって魅力を引き出すのはいいけれど、それが長い恋愛につながるとは限らない。ただ、見た目は派手だけど、じつはしっかりしているとかのギャップがある女は魅力的だと思うよ。安田:男性はギャップに弱いっていいますよね。戸賀:その通り。見た目は地味だけど飲むとはしゃいじゃったりとか(笑)。会話をしたり食事したり、一緒に寝たりする相手なのに、ずっと一定のままだと何も面白くない。たとえば目の前に水があって、飲んでみたら意外な美味しさがあったらまた飲みたくなるじゃない。ギャップを使って裏切り続けて飽きさせない努力が必要。安田:それって、結婚してからもそうですよね。戸賀:そっちの方が先が長いからね。がんばらないとネタ切れになりそうだけど(笑)。飽きさせないためには、サプライズがあるかどうかが大事。もちろんエンターテイメントというわけではなく、美味しい店を知っていたり、面白い出来事を自分から提案できるかどうか。安田:それを男性任せにしている女子は多いと思います戸賀:いや、それは絶対にダメ。たとえば一緒に食事をした後、男に“次どこ行く?”と言われたときに、“なんでもいいよ”じゃ受け身すぎ。とくに、20代ならまだしも、30代でそれだと残念。“素敵なバーが近くにあるから、一件寄らない?”くらいは言ってほしいよね。そういう風に誘ってくれただけで俺なら“いいコじゃん!”って思っちゃう。安田:女子からすると、ワガママだと思われたらどうしようとか考えちゃうかも。戸賀:男は、ふたりのためのワガママなら大歓迎。イラッとはしないはずだよ。それに、女の子が“いろんな所に連れて行ってほしい”と思うのと一緒で、男だって自分のテリトリー以外の所を知りたい。だから、幅があるコのほうが飽きないし、一緒にいて心地いい。とくに、今は女がスポットを浴びている時代になってきているんだから、相手を振り回すとかプレゼン能力を発揮するべき。安田:ちなみに、“もっとメールして”とかおねだりしてもいいんですか? 戸賀:どんどんしてほしい(笑)。そもそも、20代、30代って人生のうちで女が一番輝いている時じゃない。自信を持って“もっとこうしたい”とか“◯◯に行きたい”とか言っていいと思うよ。安田:意見をきちんと主張できることが、魅力的な大人女子の条件ですね。戸賀:そう。それから、自分を更新し続ける努力を怠らないこと。僕は車が大好きで長年憧れていたモデルを手に入れたんだけど、それも3年経つと飽きてくる。どんなものでも色あせない魅力ってないんだよね。内面に深みがなければ、結婚して夫が家に帰って来ても、ご飯食べて寝るだけ、妻がつまらなくて居心地が悪い家になってしまう安田:それは、みんな避けたいと思っています。将来のためにも、内面を磨くことが必須条件ですね。戸賀敬城さんプロフィール:(とが ひろくに)1967年東京生まれ。学生時代より世界文化社「Begin」でアルバイト。大学卒業後に、そのまま配属となる。その後、別雑誌の編集長を経て、現在、ハースト婦人画報社「MEN'S CLUB」編集長。スマートなルックスと、バツグンのファッションセンス、男女問わず慕われるカリスマ性で、トークショーやテレビでも活躍。ラグジュアリーな日常を綴ったブログ「 トガブロ 」も人気。・MEN'S CLUB 公式サイト
2014年09月19日脚本・木皿泉、演出・内藤裕敬、主演・薬師丸ひろ子の舞台『ハルナガニ』が4・5月、東京と大阪で上演される。2012年『すうねるところ』に続く話題作。前作以来、互いに信頼を寄せ合う、木皿と内藤に話しを聞いた。舞台『ハルナガニ』チケット情報今回は藤野千夜の小説『君のいた日々』原作にした、ひと組の夫婦の物語。舞台上には“夫を失った妻”と“妻を失った夫”のふたつの世界が存在する。連れ合いの死後、それぞれは何を悔い、何を支えに生きていくのか。夫婦の究極の愛を描いていく。原作について木皿は「藤野さんの作品は、ずっと好きで、本当にうまいなぁといつも感心しています。今回のも、細かいところがとてもおもしろいのですが、何といっても設定がいいなぁと。日常を切り取って見せるには、とてもいい話だと思います」。舞台は「原作と違うのは、もっとドタバタするかな。それと、ジタバタもするかも」になるという。一方の内藤は舞台化のポイントについて「木皿泉流のノゾキだと思います。ノゾキ見が言葉になって会話になったとき、ノゾキをされた胸や頭や心が、どんなふうな物語になるか」。木皿作品の魅力について「フラフラするところですかね。いろいろが直進しないの。フラフラ‐クネクネするのね」と話す。主演の薬師丸については「私達は、現実と本質の間で迷うけれど、彼女は本質をいつも見つめてると思います」(内藤)、「今はタレントも役者も、商品として扱われているので、どんどん消費されるしかないのです。昔は、テレビや映画に出てる人は雲の上の人で、我々の手の届く人ではなかった。薬師丸さんは、その最後の人だと思っています。自分を商品として扱わず(それは、つまりお金みたいなものに決してころばず)志を持って仕事を続けてこられたので、この先、消費されることはないと思います。そういう存在感って、ほとんど他にないんじゃないでしょうか。誰が何と言っても「そこに居る」という感じ。いつか薬師丸さんにしかできない作品というものを書いてみたいです」(木皿)と、それぞれその魅力を語る。また、木皿は「能で使われる別れのコトバに「いずれ春永に」というのがありまして、それが美しく、はかなく、でも力強く、わたしたちはとっても好きです。能は死者の話だし、今回はお芝居にいいかなと思いました」とタイトルに込めた思いを話した。公演は4月7日(月)から27日(日)まで東京・シアタートラム、5月2日(金)から4日(日・祝)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットの一般発売は3月8日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行を実施中、大阪公演は2月17日(月)午前11時まで、東京公演は3月3日(月)午後6時まで受付。
2014年02月10日とにかく笑えて楽しめるエンタテインメントを追求し続けて33年を迎える劇団スーパー・エキセントリック・シアター(以下SET)。三宅裕司が主宰するこの劇団の第50回記念本公演『上海ローズ』が11月1日(木)に開幕する。それに先がけ、10月31日には公開舞台稽古と、三宅、小倉久寛、韓国の新人俳優クォン・ヨンミンによる記者会見が行われた。『上海ローズ』のテーマは音楽。劇中に登場するJ-POPのナンバーワンレーベル「アーベイ・グループ」は、韓国人歌手と日本人バックダンサーグループとのユニットで世界的ヒットを狙う。そのオーディションになぜか売れないバンドの三宅と小倉が呼ばれる。その裏では大ヒットの秘訣がつまった「幻の上海ローズのレコード」をめぐる企みが進行していて……と、いまの音楽業界を反映したような物語が展開する。公開稽古が始まると、どこかで見たことのあるような音楽会社のロゴが掲げられたステージが姿を現す。いかにも韓流らしい楽曲が流れると、10人あまりの出演者による一糸乱れぬヒップホップダンスが展開。まるで本当のコンサートに来たかのようなクオリティに圧倒される。曲が終わると三宅と小倉が登場。このふたりのどこまでが台本通りでどこからがアドリブかわからないようなテンポのよいやりとりに会場からは終始笑い声が聞こえていた。会見では、まず小倉が2年ぶりの本公演について「三宅さんがいるとやっぱり違う」と切り出した。昨年、椎間板ヘルニアの手術のために休養した三宅と共に50回目の記念公演を迎えられる感慨はひとしおのようで「三宅さんが走り回っているところを見てぐっときました」と語った。それを受けて三宅も「今回は走る三宅を見てください。といっても2秒ぐらいだけど」と笑わせたあと、「一度は舞台に復帰できないかもと思った。こうして生かされているからには、手間のかかる喜劇を日本に残さなくてはいけない。中身を練り上げた音楽ギャグをふんだんに使って、2年分の思いの詰まった舞台にします」と力を込めた。韓国人歌手役のクォン・ヨンミンは三宅自ら韓国に飛んで発掘した期待の新人。「彼の声には心をわしづかむ魅力がある」という三宅の言葉に、すかさず「ありがとうございます!」と覚えたての日本語で返した。創設33年目にして、全力で観客を楽しませることを追求し続けるSET。三宅の不在を乗り越えた彼らの舞台は、これまで以上に力のこもったものになりそうだ。11月1日(木)から18日(日)まで東京・サンシャイン劇場、11月22日(木)に新潟県民会館 大ホールにて上演。取材・文:釣木文恵
2012年11月01日三宅裕司が主宰する劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)が結成33年を迎え、11月からは第50回記念本公演『上海ローズ』が上演される。結成以来のミュージカル・アクション・コメディーという旗印を守り続けながら、公演ごとに観客を驚かせ、喜ばせ、笑わせるSET。9月某日、今回の公演にかける意気込みを三宅に訊いた。劇団スーパー・エキセントリック・シアター第50回記念本公演チケット情報昨年7月に椎間板ヘルニアの手術を受け、2011年後半は休養をしていた三宅。そのため、昨年行われた『あちらをたてれば、こちらが立たず』も主宰不在の番外公演という扱いだった。今回は実に2年ぶりの本公演復帰となる。「本当に復帰できるかどうかわからないという状況が何か月か続き、もちろん不安はありました。そうすると復帰できたときに『なぜ自分は生かされたのだろう』と思うわけです。結果、手間のかかる、今やなくなりつつあるコメディーというものを作っていかなくてはいけないという使命感が以前より増しました」と真剣なまなざしで告白した。手間のかかるもの、といえば今回の作品。音楽がテーマであるため、曲作りから歌の練習、楽器の練習……と、通常の芝居に加えていくつもの準備が必要となる。「音楽を扱う芝居っていちばん面倒(笑)。でも、ハーモニーがうまく重なったとき、そして音楽ギャグがうまく決まったときの気持ちよさも最高なわけです」と語る。現在は音楽を作り込みながら、個々人が歌や楽器の練習に勤しんでいる状況なのだとか。「こんな冴えない奴からこんな美しい音色が出るのか、という驚きをお客さまに感じて欲しい。小倉久寛が素敵なハーモニーを奏でたらやっぱり皆さん驚くし喜んでくださると思うんです(笑)」。三宅、小倉は今回、韓流歌手グループを売り出す事務所のオーディションになぜか呼ばれたバンドのメンバー役を演じ、演奏ではギターを担当する。「自分が一番プレッシャーの大きい役かもしれない。でも、それを乗り越えるぐらいのことをしなければ、観に来てくれたお客さまを楽しませることはできないですよね」と決意をみせる。33年間、“笑い”にこだわってきたSET。今回もそれは同じ。「笑って笑って、終わった後、ふと大きなテーマに気づくような作品。でもそんなこと気付かなくてもいい。とにかく笑いにきてほしい」。2年分の思いが詰まった舞台で、SETが究極のエンターテイメントを見せる。公演は11月1日(木)から18日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、11月22日(木)に新潟県民会館大ホールで千秋楽を迎える。チケットは発売中。取材・文:釣木文恵
2012年10月05日JALグループは18日、航空運送事業に関わる全部門の制服について、2013年度上期より新デザインに変更すると発表した。新制服のデザイナーには丸山敬太氏を起用。新制服のコンセプトは、「視認性の高さの実現」「清楚で上品なデザイン」「挑戦のスピリット」「コスト削減」。グループ内で統一性を持ったデザインにし、JALグループの社員であることが一目でわかるものにするという。また、素材だけではなく管理方法についても再検討し、さらなるコスト削減を実現するという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月19日2011年春に上演された『鎌塚氏、放り投げる』は、シャープで知的な笑いの波状攻撃に加え、三宅弘城演じる“万能執事・鎌塚アカシ”というニュースターを生み出し、劇作・演出の倉持裕が新境地を開いた記念すべき作品。その第2弾『鎌塚氏、すくい上げる』が今夏上演される。7月下旬の某日、稽古場を訪ねた。M&OPlaysプロデュース「鎌塚氏、すくい上げる」 チケット情報空間を不可思議かつ自在に使いこなすことに定評のある倉持が、今回選んだ舞台は豪華客船だ。完璧なる執事・アカシは主人・由利松公爵より、船上で行われる長男モトキ(田中圭)と花房家公爵令嬢センリ(満島ひかり)の見合いを成功させよとの命を受け、レッドジンジャー号に乗り込む。待ち受けていたのは、政略結婚を嫌うセンリが女中ミカゲ(市川実和子)に無理やり協力させた“作戦”や、打算と恨みで見合いを壊そうとする堂田男爵夫人タヅル(広岡由里子)と執事スミキチ(玉置孝匡)の陰謀、そして船長・丸地(今野浩喜)と船員・烏田(六角精児)のワケありな雰囲気、など不穏なことばかり。出演者8人の個性が、奇抜なキャラクターと溶け合い輝きを放つ。一見自信満々ながら実は非力でひ弱なモトキ坊ちゃんを田中が伸びやかに演じれば、満島が見るからに跳ねっ返りのセンリ嬢を虚実の境目が見えない暴走演技で応える。アカシに憧れるミカゲの切なさ、色っぽさを醸し出す市川も好サポート。前回から続投の広岡&玉置は、さすがの安定感で丁々発止の掛け合いせりふを操り毒のある笑いを振りまく。兄弟に見えなくもない六角と今野の、ぶっきらぼうながら息ピッタリのやりとりが作品に新たな風を吹き込む。そして、なんと言っても三宅演じるアカシが良い。ご主人からの難題を次々にクリアするスーパー執事を、抜群の身体性から繰り出すアクロバティックな演技、マンガかと思うほど変貌する表情、芸人顔負けの勘の良さで、戯曲の笑いを次々に具現化していく。倉持は、そんな魅力的な出演者に感情から動きまで実に繊細な指示を手渡しながら、同時にオモシロぜりふをその場で考えて差し込むという余力を見せ、演出ぶりからは開幕までに作品がさらに進化する可能性大と見て取れた。加えて豪華客船の甲板を模した舞台装置は360度回転し、変わりゆく舞台上の景色が物語を加速させるのだ。『鎌塚氏、放り投げる』にはタイトルに因んだ、ヨーロッパ映画のように小粋なラストシーンが用意されていたが、今回も終幕に小さな「奇跡」が起こる。センスの良い会話の妙に笑い、アクションシーンにハラハラし、誰もが幸福になれるラストに酔う。劇場での上質な時間を、是非味わって欲しい。公演は8月9日(木)から26日(日)まで東京・本多劇場にて上演。その後、名古屋、大阪、島根で公演を行う。取材・文:尾上そら
2012年08月06日三宅裕司率いる熱海五郎一座の最新作『落語日本花吹雪~出囃子は殺しのブルース~』が、6月15日に東京・サンシャイン劇場にて初日を迎えた。熱海五郎一座のチケット情報東京の喜劇“軽演劇”の継承を旗印に、第一線で活躍する喜劇人たちによる公演を重ねている熱海五郎一座。今回は座長・三宅にとって実に1年ぶりの舞台復帰作でもある。昨年、椎間板ヘルニアの手術を行い、その後リハビリに取り組んでいた三宅は、震災被災地の人々の前向きな姿に励まされたという。そんな姿を見て日本人の良さを描きたいと感じ、素材として浮上したのが今回のテーマ落語だった。座付作家・妹尾匡夫が手がけた物語は、古典落語重視の三遊亭円高(ラサール石井)一派と、新作落語志向の桂飯丸(三宅)一派の対立を軸に進む。高座中の円高師匠に声の異変が起こり、飯丸たちに疑いがかかるのだ。とはいえサスペンス色はほどほどに、冒頭から笑いどころは満載。円高扮するラサールとその息子円安を演じる東貴博が実生活で新婚となることから、嫁自慢トークが繰り広げられ、プライベートなネタも笑いに変えていた。三宅扮する飯丸と、その弟子・五穀米(小倉久寛)がボケとツッコミを応酬し始めると、50から60代の男性客が多い客席から爆笑する声が聞こえ、早くも最高潮に。その波に乗るように、ノリのいい社長役の渡辺正行、落語音痴の刑事役の春風亭昇太が、クセのあるキャラクターをコミカルにみせる。また、ミステリアスな美女役を演歌歌手としても活躍している林あさ美が演じ、劇中に華を添えていた。三宅は病気後初の殺陣も披露し、完全復活ぶりをアピール。圧巻は、渡辺・東・小倉・ラサール・三宅の5人によるリレー形式の落語。それぞれの持ち味を生かしつつ、回り舞台を駆使して次の話し手に繋ぐ様は、ひとり語りの落語とは違う魅力に溢れていた。最後は林の華やかな歌謡ショーでフィナーレとなった。3度に及ぶカーテンコールに、一座を待ちかねた観客の満足感が見てとれた。明治大学落語研究会の先輩・三宅の苦労に渡辺が思わず涙すれば、それを小倉が瞬時に緩やかな笑いへと変える。公演は7月1日(日)まで同劇場にて上演。その後、7月13日(金)に一座初の宮城公演として、東京エレクトロンホール宮城で上演される。チケットは発売中。取材・文:山上裕子
2012年06月18日少年のようなたたずまいと骨太で強い眼差しを併せ持つ独自の存在感で、ドラマや舞台でも活躍中の三宅健が新境地に挑んでいる。10月28日に幕を開けた舞台『ラブリーベイベー』は、一見イマドキの男女7人がリゾートホテルで繰り広げるラブストーリー。だが物語が進むうちに、段々とかれらの本当の姿が現れ始め……。作・演出は昨年、佐藤佐吉賞優秀脚本賞を受賞した28歳の新鋭・河西裕介。小島聖、松本まりか、井端珠里、吉本菜穂子、伊達暁、菅原永二ら個性派ぞろいの役者陣を得て、三宅の新しい表情を引き出すことに成功している。初日前に行われたプレスコールと囲み会見に足を運んだ。『ラブリーベイベー』チケット情報舞台は東京から車で2時間ほどの隠れ家風リゾートホテル「スターダスト」。そのホテルに定期的に訪れる経営者の息子・恋司(三宅)は、6人の友人たちとどこにでもあるような友情や恋愛を育んでいた。ハルカ(松本)とカスミ(井端)のいつものケンカを、人のいいキョウコ(吉本)がなだめるのもしょっちゅうだ。ある夏の夜、風邪をひいて花火に行けないマナト(菅原)のそばに、恋司はさりげなく付き添う。ふたりで線香花火を楽しむささやかなひととき。その1年後、恋司の傍らには姿の異なるマナト(小島)が……。一部を抜粋して上演するプレスコールでは、前半の若い男女のやりとりから三宅のラブシーン、さらに三宅と小島の仲睦まじい現在までを。ヒルクライムの曲や夏の花火などで彩られた、ごく普通の20代の日常をナチュラルに表現できるのは三宅ならでは。さらに、そこへスルリと衝撃的な愛の物語を滑り込ませるのが、劇団ポツドールなどで俳優としても活躍する河西らしい演出といえるだろう。その後の囲み会見では、「恋司役は違和感なくやっています。(菅原とのキスシーン)では意外と唇が柔らかかった」と笑わせた三宅。続けて「人を愛することの大切さを改めて考えさせられる作品。観る方も先入観なしに見てもらえれば」と表情を引き締めた。小島は、「三宅さんは小動物みたいな人。人見知りがちな私にもチョロチョロっと入ってきてくれて雰囲気づくりをしてくださいました」と稽古場での様子を楽しげに話した。「スタッフ・キャストが一緒に作った舞台なので、初日が無事に迎えられて嬉しい」と緊張気味の菅原を笑いながら見つめる三宅ら、メンバーのチームワークはバッチリの様子。かれらが一丸となって挑む意欲作を、ぜひ目撃してほしい。取材・文佐藤さくら公演は11月13日(日)まで、東京グローブ座で上演。その後、11月17日(木)から20日(日)まで大阪・シアタードラマシティにて公演が行われる。チケットは発売中。
2011年10月31日2000年の三宅島大噴火を題材にした映画『ロック 〜わんこの島〜』公開を前に、東京都庁で「三宅島パネル展」が開幕。このオープニングイベントが7月1日(金)に開催され、主演の佐藤隆太が“三宅島一日観光大使”として来場。監督の中江功、三宅島の平野祐康村長らが出席したが、途中、石原慎太郎都知事が突如、登場し映画をPRするひと幕もあった。全島避難の中、飼い主一家と離ればなれになり、島に残った犬のロックと、飼い主一家の絆を描いた本作。実際に三宅島で40日間にわたって撮影が行われた。“一日大使”に任命された佐藤さんは、当初、20日間ほどの予定だった島での撮影が、悪天候などの影響で40日ほどに伸びたことを明かし「結果として長く滞在できて良かったと思っています。作品にとっても良かったし、経験としてもプラスだったと思います。自然の厳しさを知ると同時にその温かさや美しさを肌で感じることができました。島の人々は、自然の下で、全てを受け入れて生活しているんですね。映画の中に『島は生きている』というセリフがありますが人々が島と一緒に呼吸していることを実感しました」とふり返った。そして「島の人々と触れ合えたことは大切な経験になりました。自分にとっては忘れられない第二の故郷です」と島への強い思いを口にした。中江監督も厳しい条件の中での撮影を苦笑交じりにふり返りつつ「苦労はしましたが、結果的に現在の美しい島が映画に映っているのではないかと思います」と充実の表情。パネル展を主宰する三宅島の観光協会の代表・浅沼徹哉氏は、噴火以前に8万人だった観光客が、昨年で4万人と半減している現状を明かし、映画が復興の起爆剤となることを期待。当時を知る島民として「私たちの苦しみや悲しみ、苦労を細かく調査され、よく描かれています。あきらめなければ何とかなるという希望を与えてくれる映画」と感謝の気持ちと共に称賛を送った。都庁は全島避難当時、臨時の村役場となった場所であり、平野村長は4年5か月にわたった避難生活に思いをはせ、感慨深げな表情。改めて当時の支援に感謝すると共に、いま現在、避難所生活を強いられている東日本大震災の被災者への悲痛な思いを吐露。すでに村長は被災地を訪れ、当時の実体験を被災地の方々に伝えているそうで「大変な苦労はあるけれど、しっかりやれば必ず帰れる、ということを伝えたい」と語った。映画についても「目に見えないものを信じろ。どんなに離れてても繋がってる」というセリフを挙げ「当時を思い出して泣けました」としみじみと語った。そして、会場に石原都知事が到着!いまなお復興が続く三宅島の現状を訴え「本当に美しい島です。東北も大変ですが、こっちも頑張っているので友情を感じてください!映画がそのきっかけになれば嬉しい」と挨拶し、佐藤“大使”とガッチリと握手を交わした。突然の知事の来訪に佐藤さんも「びっくりしました」と目を丸くしていた。『ロック 〜わんこの島〜』は7月23日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社■関連記事:佐藤隆太×麻生久美子が新鮮な役に挑戦『ロック』親子試写会に10組30名様ご招待佐藤隆太、三宅島で倍賞美津子と真夜中のサシ飲み!麻生久美子は無念の熟睡
2011年07月01日『パンドラの匣』『乱暴と待機』の冨永昌敬監督初のドキュメンタリー映画『庭にお願い』が来年3月に公開されることが決定し、予告編映像が公開された。『庭にお願い』は、福岡在住のミュージシャン、倉地久美夫を捉えた音楽ドキュメンタリー作品。その独特のパフォーマンスで一部の音楽ファンから熱狂的な支持をうけている倉地の魅力を、貴重なアーカイヴ映像、菊地成孔や岸野雄一らへのインタビュー、倉地、菊地、そして外山明によるライヴシーンを交えて描いていく。公開された予告編では、冒頭から菊地が倉地を「こいつは確実に天才だ」と絶賛し、東京・高円寺にあるレコード店/イベントスペース「円盤」の店主、田口史人氏が倉地を「誰から見ても“変”」と評する場面で幕を開け、倉地のパフォーマンスや、インタビュー映像の一部が収録されている。冨永監督は、相対性理論のミュージックビデオ演出や、デート・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンのライヴ中継監督など音楽にまつわる活動も多いだけに、映画ファンだけなく音楽ファンも気になる作品となりそうだ。『庭にお願い』2011年3月5日池袋シネマ・ロサにてレイト・ロードショー
2010年12月27日