新春、ファッションデザイナー中里周子が考える3016年の百貨店の姿を提案したポップアップショップ「ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンしている。中里は、14年欧州最大のファッションコンペティション「ITS(International Talent Support)」のジュエリー部門で日本人初のグランプリを受賞。現在は、東京藝術大学美術学部芸術学科博士課程に在籍中というキャリアの持ち主。ファッションにおいても、強烈なメッセージと個性を放つ彼女から、目を離せない。今回は、中里がITSで受賞する約1年前に彼女と出会った、同ポップアップショップの舞台となるTOKYO解放区の担当バイヤー・寺澤真理が「ファッション」をテーマに熱いダブルトークを繰り広げる。二人の出会いの場となったのは、山縣良和が主催する「ここのがっこう」の卒業制作発表会。どうやら、当時から中里は「デパート」に関心があった模様…。■正直、はじめて中里さんの作品を見たときは「なんだこれは?」と思ったー中里さんと寺澤さん、お二人が出会ったのは「ここのがっこう」の卒業制作発表の時だったと聞きました。どんな印象を持ちましたか?寺澤真理(以下、寺澤):13年3月にリトゥン(アフターワーズ)の山縣(良和)さんにお声がけ頂いて、「ここのがっこう」の卒業制作の講評を担当しました。その時の卒業生に中里さんもいて、正直そこで中里さんの作品を目にした時は「なんだこれは?」と思いましたね(笑)中里周子(以下、中里):その時、私が作っていたのが「デパートプロジェクト」。架空のデパートを作るために、ダイナマイトでデパートを作るための土地を爆破する映像や、架空の商品を掲載したショッピングカタログ、人の顔がつながったアクセサリーや洋服などを並べて発表しました。商品説明VTRもありましたね。ー出会いの時から、「デパート」をテーマにした作品を発表していたなんて、運命的ですね。中里:子供の頃から、完成形の物を見せる場であり、何でも買えるものがあるというデパートに惹かれるものがありました。高校が新宿にあったので、学校帰りに伊勢丹に寄ったり。なんだか「伊勢丹は提案するエネルギーが凄いな」と当時の私は思っていました。寺澤: 約3年前の卒業制作発表の時は、中里さんはぶっ飛んでいて面白いけど、販売する場を持っている私から見ると「物を売ること」、つまりは生業に出来る「モノに落とし込む」という表現活動とは一番遠い存在の方かなと、その時は思っていました。講評でも、アーティストとして、その発想のユニークさを活かしたらいいのではとお伝えしていました。■中里さんとだったら、きっと考え方のシフトが出来ると思ったーそんなお二人が今年1月12日まで伊勢丹新宿店で「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」と題したポップアップショップを展開中です。「百貨店という場所で、物を販売する」ことに至るまでに、どんな変化があったのでしょうか?中里:14年の秋冬からブランド「NORIKONAKAZATO」をスタートしたこともあり、どう見せたら自分の作品を手に取ってもらえるのかを考える機会が多々ありました。自分の作品が持つ世界感を大切にしているので、展示会をして、バイヤーさんに来て頂いて、オーダーをつけてもらうというやり方にはあわないなと思うこともあります。例えば、グループ展示会で他のブランドと同じ照明やラックで自分のブランドの服を展示したことがありました。様子を見ていたら、ほとんどの人が私のラックの洋服に手を伸ばさないんです。その時「あぁ、私はこのやり方を続けていたら進歩しない」とふと思いました。つまり、見せるものと、見せる場所が一致していなかったんです。その時考えたのは、みんなの作品が展示会場で手に取れるとしたら、「NORIKONAKAZATO」の商品は、その会場の窓から望遠鏡で向かいのビルを見ないと見られません」とか、そのくらい作品を見せる時の在り方を考えなくてはいけないと思いました。寺澤:私もここ数年、百貨店が従来のように「モノ」を販売することで、お客さまから対価を頂くというかたちの限界を個人的に感じていました。もっと何か別の、次のやりかたにシフトする時期がやってきているのではないか?という、もやもやした思いの突破口の一つに、“物に価値を落とし込むこと”ではない提案をしていくことに可能性があるのではと考えていて、その考え方のシフトが中里さんとだったら出来るんじゃないかと思いました。そんな時、中里さんが昨年写真家・小林健太さん開催した二人展「ISLAND IS ISLAND」でPsychic VR LabさんとVRシステムを使った表現をされることを知ったんですよね。■ファッション×デジタルについて考えたら、宇宙に行き着いた中里:去年の8月末くらいに、寺澤さんから「ファッションとデジタル」をキーワードに、年末年始に伊勢丹で何か出来ないか?という相談を頂きましたよね。ここ数年は、自分の表現を手にとりやすい形に落とすためのバランスを模索していた時期とも言えるかもしれません。だから、自分の表現を手にとりやすい形に落としてみようと思っていたタイミングだったこともあり、やってみたいなと思いました。寺澤:そこからは、伊勢丹チームと中里さんで、7~8回はブレストをしました。ブレストの中から「伊勢丹を宇宙に持っていけたらいいんじゃない?」というアイデアが出て、そこからは加速度を増して企画がふくらんでいった気がしています。中里:私自身は「ファッション×デジタル」を表現するにあたって、光るテキスタイルを使うなど、いわゆる新しいテクノロジーが可能にしたファッション提案をする役割のデザイナーではないと思っています。テクノロジーと真っ向勝負するより、別の角度から「裏技的な」提案をすることが大事だと考えていて、それは単純に「すごい!」とか「おもしろい!」とか、まずそういう直感的な感覚を表現したいなと考えました。だから、才能の無駄遣いというか「ぬけ感」のあるアプローチに繋がっているんだと思います。それは、しっかりとした場であえてふざけてみることで、物事の本質が見えてくるとも考えているからです。■ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはいけないー中里さんのお話を伺っていると、「表現すること」「伝えること」に対する強い思いを感じます。なぜそこに思いを寄せるのでしょうか?中里:私は人間に関わる全ての“接触の瞬間”に興味があるんです。接触みたいなものをいつも探していて、それを可能にするのがファッションだと思っています。ファッションがアートとこれだけは違うなと思っているのは、ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはならないという点。「汚い…」とか「触りたくない…」とかでは、ファッションは成立しません。「かわいい!」とか「かっこい!」とか、ファッションと人の接触部分でプラスの感情が生まれます。アートはいわゆる「美」がそこになくても、その価値観は文脈の中で理解していくものなのです。だから、必ずしもプラスの感情につながる表現が全てではないですよね。その意味で、ファッションと人の接触の場所を考える=伝え方を考えることになるんだと思います。そう考えると、百貨店はリアルな売買の場であり、ファッションと人の接触の場でもあります。寺澤:「モノが売れること」が単純でもあり、難しいことでもありますよね。例えば、あるモノを手にした時に人は心が突き動かされたり、そこに共感が生まれたりすることが、購買に繋がるのではないかと思います。私の担当するTOKYO解放区は、13年の3月に伊勢丹新宿店がFASHION MUSEUMをコンセプトにリモデルした際に生まれました。トラディショナルでコンテンポラリーな一面も担う伊勢丹新宿店の中で背負っている役割は、ファッションにおける中里さんの役割と重なる部分もあるのではないかと思います。モノを売るということだけではなく、その先につながる価値観を提案することが役割なのではないかと。中里さんの価値観を提示するというファッションの在り方に未来性があり、将来性があると思っています。今はまだ、色々ともやもやしているし、難しい課題に直面しているなという感覚ですね。もしかしたら、今が何かの通過点の時期なのかもしれない。既成概念やルーティーンを打ち破る時が来ているのかなという気もしています。後編「中里周子×寺澤真理『ファッションだから持ち得る、人への愛。これが大事』」に続く。
2016年01月03日西暦3016年、伊勢丹初の宇宙支店がオープンする、というストーリーでファッションデザイナーの中里周子が提案するポップアップショップ「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が26日、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンする。16年1月12日まで。同ショップでは、3016年のトレンドや、宇宙の百貨店の在るべき姿を中里独自の視点で切り取り表現する。また、彼女が「旅行」「お土産」「お正月」をキーワードにセレクトしたポップなアイテムにも注目したい。中里が手掛けるエヌエヌ(nn)からは、3016年のトレンドアイテムとして、宇宙百貨店の制服や旅行の必需品であるパジャマなどを展開。また、宇宙支店内には地球で見かける土産品として、エジプト考古学の吉村作治教授やスフィンクス、ツタンカーメンをモチーフにしたお菓子なども並ぶ。また、巨大ジオラマのインスタレーションなども行うクリエイティブスタジオKLOKAからは、時空を飛び越えたかのような奇想天外なお土産アイテムを展開する。案内人を務めるのは、乃木坂46の伊藤万理華と堀未央奈。伊藤は、宇宙トラベル「nn air」の添乗員として、伊勢丹新宿店から宇宙支店への小旅行を案内するキャピンアテンダント。堀は宇宙支店の案内人として、肩に宇宙仕様の猿を乗せた宇宙支店の制服スタイルで、宇宙支店を訪ねる客を迎える。また、VR研究開発チームPsychic VR LabとのコラボレーションによりISETAN宇宙支店までの旅をお届けする。会期中、同ショップでは、バーチャルリアリティで新しい旅を体験することが可能。3016年に思いを羽ばたかせ、宇宙への未知の旅路を楽しめる「ISETAN宇宙支店」。中里自身が「宇宙には夢がある。この企画に、5000%の熱量で挑んだ」という渾身の宇宙への旅を、年末年始のプランに加えてみてはいかがだろうか。中里周子と「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」担当バイヤー・寺澤真理との対談を、16年1月3日に公開予定。【中里周子プロフィール】2011年立教大学文学部文芸思想専修総代卒業。同年より「ここのがっこう」でファッションデザインを学ぶ。14年欧州ITS(International Talent Support)で日本人初ジュエリー部門グランプリ・スワロフスキーアワード、アートワーク部門ファイナリスト選出。現在、東京藝術大学美術学部芸術学科にて博士課程在籍中。動画引用元: (ISETANPARKnetオフィシャルYouTube:
2015年12月25日公開初日を迎えたアニメーション映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の初日舞台あいさつが6日、東京・新宿ピカデリーで行われ、声優の桑島法子、内田彩、中村繪里子が登壇した。『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズでは初の舞台あいさつとなった桑島は「(イベント上映の)1章から7章までの間に舞台あいさつに呼ばれるだろうと思っていたら、やっと今回呼んでいただけてほっとしているところです(笑)」と安堵の表情。続く内田と中村は、WEBラジオ「YRAラジオヤマト」のパーソナリティコンビでもあり、内田は番組について「劇場版上映に向けて番組をリニューアルして2人でラジオをやってきましたが、本編が緊迫したシーンが多い中、ほっとする癒しの空気を作ってこれたらと思っていました」と語り、中村は「ラジオの中で皆さんに教えていただいたさまざまなことは、アフレコの収録の中ですごく助けになりました」と感謝の気持ちを伝えていた。森雪とユリーシャ・イスカンダルの二役を演じた桑島は「ヤマトは受け継いでいくテーマがあります。今回若い世代の活躍もあり、『古代君かっこよくなったな』って思いながら見ていました。劇場版では森雪も後輩のオペレーターたちを見守る立場になって少し肩の力が抜けましたね」と森雪と似た感情を抱いていたという。また、重要キャラクター二役を演じ分ける重役については「これだけの大作で、しかも見た目が森雪と同じユリーシャを同じ声でどう演じるかをすごく悩みました」と苦労を明かしていた。そのユリーシャに憑依されたこともある岬百合亜役の内田は、「最初は出渕監督に、桑島さんのユリーシャの演技を見てから演じる? と言ってくれて、見させていただいたのがほんの一言だったので、私の演技でユリーシャが崩れてしまったらどうしようと思いましたね」とプレッシャーを吐露。桑島は「難しかったよね。私は(内田のユリーシャを)真似ようかと聞いたら、桑島さんは桑島さんでと言われたので、お互い自由にやってました」と話していた。現場でのそんなやりとりを見ていたという桐生美影役の中村は、「私も今回の劇場版で兼役をやりますかというお話があったんです。桑島さんたちが大変な思いをされながら素晴らしい演技をされているのを見て、自分も挑戦したいと思いました」と二人からの影響を吐露。また、印象に残ったシーンとしては、桑島は古代が「逃げる」とかっこよく宣言したシーン、内田は沖田艦長が本編で百合亜のラジオの話をしてくれたシーンを挙げた。『星巡る方舟』では桐生美影の恋愛模様も描かれており、中村は「私個人はバーガーさんが好きなんですけど(笑)。美影ちゃんとしては初めてときめきというか、異性を感じたからこそ沢村君に最初は反発していたんだと思います。そのあと素直に会話をして笑顔を見せられるようになったので、この後どうなるかが楽しみです」と期待を寄せていた。完全新作劇場版となるアニメーション映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は、イスカンダルにたどり着いたヤマトが地球に帰還する途上のエピソードで、大マゼラン外縁部で突如出現した「ガトランティス」と名乗る謎の艦隊、さらには未知の生命体に遭遇。ヤマトの引き渡しを要求してくるガトランティス、そしてガミラスと三つ巴の戦いとともに、壮大なスケールの物語が描かれている。(C) 西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2014年12月07日初開催のファッションイベントに参加決定女優の酒井法子が6月22日にシンガポールで開催される予定の一大ファッションイベント「ASIA STYLE COLLECTION by style×style.com」(ASC)に、モデルとして出演することが明らかになった。9日、発表されたもので、酒井は日本、中国、韓国、シンガポールなどアジア各国の最新トレンドを発信するという、初開催のこのイベントに、アジアを代表する女優として招待されたそうだ。(画像は「style×style.com」トップより参考イメージ)モデルとしての登場に注目集まるかねてよりアジアで人気の高い酒井だが、今年中国で開催された「ファッションアワード」でアジア最優秀ファッション女優賞を受賞しており、この受賞がゲスト出演を決めるきっかけになったと伝えられている。ASCは、日本最大級のファッションと音楽の祭典として知られる「TOKYO GIRLS COLLECTION」、中国の「TGC Girls Collection」、韓国の「K-POP COLLECTION」とタイアップして開催されることとなった初のイベントで、シンガポール・エキスポを会場としている。プロデュースするのは、株式会社アルファエッジと、ファッションや美容のオンラインポータルサイト「style×style.com」を運営する総合メディアグループのメディアコープ社だ。当日は各国のスペシャルステージが展開される予定で、すでに日本でも人気の高い、韓国の人気女性アイドルグループ、少女時代や2NE1の出演も決定している。豪華なアーティストやモデルが集結するイベントに、スペシャルなゲストモデルとして登場するという酒井。どのような姿を見せるのか、注目が集まっている。元の記事を読む
2013年04月10日