Apple TV+の「Pachinko パチンコ」(アメリカ・韓国・カナダ合作)が、第28回放送映画批評家協会賞(クリティクス・チョイス・アワード)にて外国語ドラマシリーズ賞を受賞。同賞には「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」もノミネートされていたなか、前回の「イカゲーム」に続く快挙となった。Apple TV+「Pachinko パチンコ」映画部門では、最多14ノミネートの『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(キー・ホイ・クァン)・編集賞の計5冠を達成。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』外国語映画賞には、韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』をはじめ、ゴールデン・グローブ賞を受賞した『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』などがノミネートされていたが、インド映画の『RRR』が主題歌賞と合わせて受賞した。『RRR』なお、エンターテイメントにおいてステレオタイプを打ち破るリアルな女性像を体現した女性に贈られるSeeHer賞は、LBGTQIA+コミュニティの活動家であり『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』で助演女優賞にノミネートされていたジャネール・モネイに授与された。放送映画批評家協会賞は、北米の放送や映画に関わる批評家協会によって選出。アカデミー賞の前哨戦として例年その結果の行方が注目されている。今年は現地時間1月15日、ロサンゼルスにて開催された。主な受賞結果は以下の通り。映画部門作品賞『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』監督賞ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演女優賞ケイト・ブランシェット『TÁR』主演男優賞ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』助演男優賞キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』コメディ映画作品賞『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アンサンブル演技賞『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』脚本賞ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』脚色賞サラ・ポーリー『ウーマン・トーキング 私たちの選択』外国語映画賞『RRR』主題歌賞「Naatu Naatu」『RRR』アニメ賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』テレビ部門外国語ドラマシリーズ「Pachinko パチンコ」ドラマシリーズ・作品賞「ベター・コール・ソウル」ドラマシリーズ・主演女優賞ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」ドラマシリーズ・主演男優賞ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」コメディシリーズ・作品賞「アボット エレメンタリー」コメディシリーズ・主演女優賞ジーン・スマート「Hacks」(原題)コメディシリーズ・主演男優賞ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」(上原礼子)■関連作品:RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年01月16日日本時間1月11日に開催された第80回ゴールデン・グローブ賞で、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーが主演賞を受賞した。ミシェルの名前が読み上げられたとき、感動のあまり両手で顔を覆ったミシェルと、両手を上げて大喜びする共演者のジェイミー・リー・カーティスの姿がバイラルに。数日後、その瞬間を収めた画像と「FRIENDS SUPPORTING FRIENDS」(友だちは友だちをサポートする)という文言がプリントされたTシャツをジェイミーとミシェルがSNSに投稿し再び話題になっている。この画像はジェイミーもお気に入りのようで、授賞式当日に「かつてチアリーダーでした。いつだってチアリーダーです。私の大好きな人がゴールデン・グローブ賞を受賞しました。初ノミネーションで初受賞」とインスタグラムに掲載していた。「自然な熱狂と喜びの瞬間が、女性がほかの女性をサポートする象徴のようなものになったことに、いまだ驚いています」とつづったジェイミー。このTシャツを起業家のエリン・ギャラガーが作ってくれたことや、Tシャツが自宅の外にたくさんのベーグル(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の仲間から!)と一緒に届けられたことを明かした。ジェイミーはゴールデン・グローブ授賞式に出席後、新型コロナウイルスに感染していることが分かり、自宅療養している。(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年01月16日日本時間1月11日(現地時間1月10日夜)、アカデミー賞の前哨戦とされる第80回ゴールデン・グローブ賞の授賞式がロサンゼルスのビバリー・ヒルトンにて3年ぶりにリアル開催。A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』がミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンの俳優賞受賞で2冠、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で女王ラモンダを演じ、助演女優賞を受賞したアンジェラ・バセットのスピーチなどで会場が沸いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』アニメ映画賞にノミネートされていた湯浅政明監督の『犬王』は受賞を逃し、『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が選ばれた。スティーヴン・スピルバーグ監督は自身3度目の監督賞を受賞した自伝的作品『フェイブルマンズ』が作品賞(ドラマ部門)に。『フェイブルマンズ』最多ノミネートだった『イニシェリン島の精霊』は、マーティン・マクドナー監督の脚本賞、作品賞・主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)の最多受賞となった。『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』からは主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にミシェル・ヨーが選ばれたほか、キー・ホイ・クァンが助演男優賞を受賞。ミシェル・ヨーは先日も米の番組で、ハリウッドでは年齢を重ねることで役を得る機会が減ってしまうことを語ったばかりだが、アジア系女優として自身の闘いをふり返りながら40年立ってきたこの舞台に立ち続けることを力強く語っていた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』キー・ホイ・クァンは『グーニーズ』でキャリアのきっかけをくれたスピルバーグ監督や、本作のダニエルズ監督、共演者らに壇上から感謝を述べ、会場の涙を誘った。また、インド映画『RRR』から高速シンクロダンスが話題となった「Naatu Naatu」が歌曲賞に。インド映画としても、アジア映画としても初受賞となった。「オスカー候補にも選ばれて会場で踊ってほしい」という声もSNSには上がっている。『RRR』一方、テレビ部門は、黒人の女性教師を主人公にした「アボット エレメンタリー」が作品賞・主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)、助演男優賞の3冠。作品賞(ドラマ部門)は「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」が選ばれた。「ハリウッド外国人記者協会(HFPA)」は変革を印象づけるように努めてはいたが、司会のコメディアン、ジェロッド・カーマイケルからは「私がここにいるのは、私が黒人だからです」と辛辣なジョークが式冒頭から飛び出していた。第80回ゴールデン・グローブ賞受賞結果映画部門作品賞<ドラマ部門>『フェイブルマンズ』作品賞<ミュージカル・コメディ部門>『イニシェリン島の精霊』<ドラマ部門>主演男優賞オースティン・バトラー『エルヴィス』主演女優賞ケイト・ブランシェット『TÁR』<ミュージカル・コメディ部門>主演男優賞コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』主演女優賞ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』<共通部門>助演男優賞キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』監督賞スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』非英語映画賞『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)作曲賞ジャスティン・ハーウィッツ『バビロン』歌曲賞「Naatu Naatu」『RRR』テレビ部門作品賞<ドラマ部門>「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」作品賞<ミュージカル・コメディ部門>「アボット エレメンタリー」<ドラマ部門>主演男優賞ケヴィン・コスナー「イエローストーン」主演女優賞ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」<ミュージカル・コメディ部門>主演男優賞ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」<共通部門>助演男優賞テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」助演女優賞ジュリア・ガーナー「オザークへようこそ」<ミニシリーズ・テレビ映画部門>作品賞「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」主演女優賞アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」助演男優賞ポール・ウォルター・ハウザー「ブラック・バード」助演女優賞ジェニファー・クーリッジ「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」キャロル・バーネット賞ライアン・マーフィーセシル・B・デミル賞エディ・マーフィ(text:cinemacafe.net)■関連作品:エルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights ReservedRRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.TAR/ター 2023年5月、全国にて公開© 2022 FOCUS FEATURES LLC.ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー 2022年11月11日より全国にて公開©Marvel Studios 2022ギレルモ・デル・トロのピノッキオ 2022年11月25日より全国にて公開、12月9日よりNetflixにて配信エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年01月11日『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞し、絶好調のキー・ホイ・クァン。かつて子役として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』に出演しブレイクするも、その後の出演作はヒットせず。数年前に「ただ、仕事がほしい」と願っていたところ、つかみ取った『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のウェイモンド・ワン役で再ブレイクした。いま勢いに乗っている彼が、ジョシュ・ホロウィッツのPodcast「Happy Sad Confused」に出演。『インディ・ジョーンズ』シリーズに再出演する気はないかと聞かれると、次のように答えた。「(『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』で演じた)ショート・ラウンドは大好きだよ。おもしろくて勇気があり、インディを助けるからね」「もしディズニーかルーカスフィルムがぼくのところに来て『ショート・ラウンドのスピンオフを作りたいんだけど』と言ってくれたら、『準備万端だよ!』と言うよ。あのキャラクターが大好きだし、何年も経ってから再び演じるのはただただ最高に違いない」とアピールした。38年経ったショート・ラウンドの現在はどうなっているのか。キーは「彼がどこにいるかなんて、見当も付かないな」と前置きし、「インディのお世話をよくしていたから、考古学者になっていても驚かないね」と想像した。(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年01月11日アカデミー賞で韓国代表作品として国際長編映画賞ショートリスト入りを果たしたパク・チャヌク監督『別れる決心』。本作で韓国国内映画賞で主演男優賞を軒並み受賞、繊細な演技で世界中を魅了し、セリフは少なくともその存在感で“静寂のカリスマ”といわれるパク・ヘイルに注目した。2000年から俳優としての活動を始めたパク・ヘイル。2001年のファン・ジョンミン主演『ワイキキ・ブラザーズ』で映画デビューを果たし、『嫉妬は私の力』(02)で韓国映画評論家協会賞をはじめ各賞で新人賞を受賞し注目を集め、様々なジャンルの作品で多様なキャラクターを演じ分け、多くのヒット作に出演してきた。2003年には、『パラサイト 半地下の家族』でもお馴染みのポン・ジュノ監督の大ヒット作『殺人の追憶』に出演。80年代後半に実際に韓国国内で発生した未解決事件を描いた作品で、パク・ヘイルは容疑をかけられる青年を演じ、言葉少ないながらも強烈なインパクトを残し、一躍広く知られる存在に。2006年には再びポン・ジュノ監督とタッグを組んだ『グエムル-漢江の怪物-』はソン・ガンホやペ・ドゥナと兄妹役を演じ、1300万人という当時、韓国映画史上最高の観客動員数を記録する大ヒットに貢献。さらに、韓国映画史上最高動員『バトル・オーシャン』(14/1760万人)のキム・ハンミン監督が手掛けた『神弓 KAMIYUMI』(11)でも主演を務め、その年のナンバーワンヒットを獲得した。そして今年は、2月17日(金)公開のパク・チャヌク監督最新作『別れる決心』、3月17日(金)公開のキム・ハンミン監督最新作『ハンサン-龍の出現-』と話題作が相次ぎ、現在も韓国映画界を牽引し続けている。『ハンサンー龍の出現ー』より『別れる決心』で韓国国内映画賞の主演男優賞を軒並み受賞!“今年最もロマンティックな作品”との呼び名も高い『別れる決心』では、パク・ヘイルは刑事のヘジュンを演じている。ある事件を追って被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)と出会い、刑事と容疑者という立場ながらも、互いに惹かれあっていくという役どころだ。パク・ヘイルは持ち前の繊細な演技力で、どこか刑事らしからぬ気品に溢れたヘジュンを巧みに演じて魅せ、彼の視線に込められたミステリアスな色気には観客までも魅了され、世界中が虜となっている。本作は韓国国内で社会現象ともいえるブームを巻き起こしており、数々の映画賞を獲得しているが、パク・ヘイルも青龍賞・大鐘賞・釜日映画賞と韓国国内の映画賞で主演男優賞を軒並み受賞。さらにはアジア記者協会(AJA)の「AJAアワード2022」も贈られ、先日はアジア全域版のアカデミー賞とされる「第16回アジア・フィルム・アワード」(AFA)でも主演男優賞にノミネート、国内外から熱い注目を集めている。キャリア初の刑事役に挑戦「パク・ヘイル以外に思い浮かびませんでした」と監督意外にもパク・チャヌク監督作品への出演も、刑事役も本作が初。2022年の釜山国際映画祭にて、パク・ヘイルはある日突然監督から電話がかかってきたことを明かし、驚きのあまり電話に出るなり「何か失礼なことをしてしまいましたか?」と尋ねてしまったという。それほどに監督作品への出演は意外だったというが、パク・チャヌク監督は「パク・ヘイルとは長い付き合いなので、1本か2本は一緒に撮影したと思い込んでいたのですが、ある日彼とは映画を撮ったことがないことに気づきました。映画の中のへジュンは、とびきり優しく、端正で礼儀正しく、風変わりなユーモア感覚のある人間です。そのキャラクターは、パク・ヘイル以外に思い浮かびませんでした」と語り、脚本家のチョン・ソギョンとパク・ヘイルをイメージして脚本作業を行い、キャラクターを構築していったほど。そして、パク・ヘイルが出演を決めたのも脚本が出来上がる前だったというが、最初の打ち合わせ時に監督が30分ほどかけてストーリーを全て説明してくれたそうだ。彼によれば、出演を快諾したのには3つの理由があるという。1つ目は“『パク・チャヌク映画』というジャンルへの興味”。2つ目は“初の刑事役であり、典型的な刑事像とも異なる魅力のあるキャラクターであったこと”。そして3つ目は“タン・ウェイと共演できること”があったと明かし、「こんなに素晴らしいオファーを断る理由がありませんでした」と出演を決定した際をふり返っている。初の刑事役挑戦となったことについては、「今まで演じたことのないような役だったので、僕にできるだろうか」と感じたともいう。若手俳優にとって刑事役というのは登竜門でもあるが、パク・ヘイルは『殺人の追憶』の容疑者のイメージが強すぎたのかもしれないとしながらも、「ようやく僕も刑事を演じられるようになったか、とも思いました」と明かす。「それにこれまでの刑事物とは全然違うテイストで新鮮でした。従来の映画での刑事役は、だらしなくて暴力的に描かれることも多かったけれど、へジュンはとても清潔感があって、あまり暴力を振るわず、慎重に捜査を進めていく。そういう刑事だってきっといると思いますし、今までにない新しい刑事を演じてみたいと思いました」と自身初の刑事役への挑戦についての思いも語っている。『別れる決心』は2月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2023年01月10日第47回報知映画賞の表彰式が22日に都内で行われ、各賞の受賞者が登場した。映画『流浪の月』で助演男優賞を受賞した横浜流星。会場には来られなかったもののVTRメッセージを寄せ「悩みもがきながらも監督を信じて必死に生きようとして来ました。監督、広瀬(すず)さん、松坂(桃李)さん、そしてその他のキャストの皆様、スタッフの皆様がいたから、人間らしくもがいている亮が出来上がったと思います。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と言葉を伝える。さらに「これからも『流浪の月』で得たものを次の作品、次の作品に活かして、ひとつひとつ積み重ねて皆さんに心に響く作品をお届けできるよう精進します」と意気込んだ。李相日監督は「横浜くん、ゆくゆくはトム・クルーズのように……はならないと思いますけれど、ストイックさは引けをとっていない」と表す。「横浜くんは空手をずっとやっておりまして、極めて厳しいストイックな性格。今回演じた亮という男は強くあらねばならないという生き方をしてきたと思うんですけど、女性に暴力をふるってしまうような非常に繊細で心の弱い男の内面なので、自分と違う生き方をしてきた男をどう掴むか、撮影中も撮影以外も常に悩んでストイックに探している姿が印象的でした」と振り返る。さらに李監督は横浜に対し「努力の賜物であると思うんですけど、戦友である広瀬すずとの関わりが非常に大きかったと思いますし、我々スタッフも全員で彼を支えて来た成果として受け止めて、非常に嬉しく思っております」と祝福。「賞をいただくということは、非常にこの先厳しく、なかなか褒めてもらえないゾーンに入ると思うので、より高みに向かってストイックに続けてくれる姿を見守っていきたいと思います」とエールを送った。○第47回報知映画賞 受賞・登壇者一覧作品賞・邦画部門:『ある男』石川慶監督作品賞・海外部門:『トップガンマーヴェリック』東宝東和 代表取締役社長 山崎敏アニメ作品賞:『劇場版四畳半タイムマシンブルース』夏目真悟監督主演男優賞:福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞:有村架純『前科者』助演男優賞:横浜流星 『流浪の月』助演女優賞:尾野真千子 『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカンSABAKAN』監督賞:片山慎三『さがす』新人賞:嵐莉菜 『マイスモールランド』新人賞:白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』
2022年12月22日ロサンゼルス映画批評家協会賞作品賞受賞、ゴールデングローブ賞3部門ノミネートの話題作『TÁR』(原題)が2023年5月に公開されることが決定した。ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命された指揮者リディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、天才的能力と、たぐいまれなるプロデュース力で、自身を1つのブランドとして作り上げてきた。しかし、のしかかる重圧、過剰な自尊心、仕掛けられた陰謀により、彼女の心の闇は少しずつ広がっていく…。本年度ヴェネチア国際映画祭でケイト・ブランシェットが主演女優賞受賞を皮切りに数々のアカデミー賞前哨戦に名を連ねている本作。第80回ゴールデングローブ賞でも作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、主演女優賞(ドラマ部門)の3部門にノミネートされ注目を集めている。ケイト・ブランシェット Photo by Andreas Rentz/Getty Images監督と脚本を手掛けたのは『イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』でアカデミー賞脚色賞に連続ノミネートされたトッド・フィールド。16年ぶり待望の新作となる本作は、今年のヴェネチア国際映画祭で上映されるや6分間のスタンディングオベーションを受け、最優秀主演女優賞を受賞。早くも「アカデミー賞有力!」と絶賛を浴びた。2度のアカデミー賞受賞経験を持つ主演のケイト・ブランシェットは、今回で主演・助演あわせて10回目のゴールデングローブ賞ノミネートとなる。受賞発表は米国時間23年1月10日を予定。1月24日のアカデミー賞ノミネート発表にも期待したい。今後の続報にも注目だ。『TÁR』(原題)は2023年5月より公開。(text:cinemacafe.net)
2022年12月13日第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本のアニメ『犬王』(湯浅政明監督)がアニメ映画賞にノミネートされた。作品賞(ドラマ部門)に、ジェームズ・キャメロン監督の渾身作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や大ヒット作『トップガン マーヴェリック』といったエンターテイメント超大作がノミネート。キャメロン監督は監督賞にもノミネートされたが、同賞には女性監督のノミネートはなかった。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最多は『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作『イニシェリン島の精霊』が8部門で、A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が6部門で続いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』非英語映画賞には、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』や、『バーフバリ』S・S・ラージャマウリ監督による『RRR』も選出された。『別れる決心』受賞者・受賞作品は2023年1月10日に開催される授賞式にて発表。昨年は、主催する「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の人種差別や特権体質が問題視され、トム・クルーズら俳優やAmazon、Netflix、ワーナー・メディアがボイコットを表明。授賞式は無観客開催で米NBCがテレビ中継を取りやめたが、今回は同局にて授賞式の放送が決定している。※主なノミネートは以下のとおり【映画部門】作品賞(ドラマ部門)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『エルヴィス』『フェイブルマンズ』『TÁR』『トップガン マーヴェリック』作品賞(ミュージカル・コメディ部門)『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『逆転のトライアングル』監督賞ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』バズ・ラーマン『エルヴィス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞『TÁR』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『イニシェリン島の精霊』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『フェイブルマンズ』主演男優賞(ドラマ部門)オースティン・バトラー 『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ヒュー・ジャックマン 『The Son/息子』ビル・ナイ 『生きる LIVING』ジェレミー・ポープ『The Inspection』(原題)主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット『TÁR』オリヴィア・コールマン 『エンパイア・オブ・ライト』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』(原題)アナ・デ・アルマス 『ブロンド』ミシェル・ウィリアムズ 『フェイブルマンズ』主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)レスリー・マンヴィル 『ミセス・ハリス、パリへ行く』マーゴット・ロビー 『バビロン』アニャ・テイラー=ジョイ 『ザ・メニュー』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』(原題)ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ディエゴ・カルバ『バビロン』ダニエル・クレイグ 『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』レイフ・ファインズ 『ザ・メニュー』助演男優賞ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』ブラッド・ピット『バビロン』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッドその名を暴け』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『犬王』『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』非英語映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)『CLOSE/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)『別れる決心』(韓国)『RRR』(インド)主題歌賞「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』「Ciao Papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』「Naatu Naatu」『RRR』【テレビ部門】作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「アボット エレメンタリー」「一流シェフのファミリーレストラン」「Hacks」(原題)「マーダーズ・イン・ビルディング」「ウェンズデー」作品賞(ドラマ部門)「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」「オザークヘようこそ」「セヴェランス」主演男優賞(ドラマ部門)ジェフ・ブリッジス「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ケヴィン・コスナー「イエローストーン」ディエゴ・ルナ「キャシアン・アンドー」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」アダム・スコット「セヴェランス」主演女優賞(ドラマ部門)エマ・ダーシー「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ローラ・リニー「オザークヘようこそ」イメルダ・スタウントン「ザ・クラウン」ヒラリー・スワンク「アラスカ・デイリー」ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」スティーヴ・マーティン「マーダーズ・イン・ビルディング」マーティン・ショート「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」ケイリー・クオコ「フライト・アテンダント」セレーナ・ゴメス「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェナ・オルテガ「ウェンズデー」ジーン・スマート「Hacks」(原題)助演男優賞ジョン・リスゴー「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ジョナサン・プライス「ザ・クラウン」ジョン・タトゥーロ「セヴェランス」テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」助演女優賞エリザベス・デビッキ「ザ・クラウン」ハンナ・アインビンデル「Hacks」(原題)ジュリア・ガーナー「オザークヘようこそ」ジャネール・ジェームズ「アボット エレメンタリー」シェリル・リー・ラルフ「アボット エレメンタリー」作品賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)「ブラック・バード」「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」「パム&トミー」「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)タロン・エジャトン「ブラック・バード」コリン・ファース「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」セバスチャン・スタン「パム&トミー」主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ジェシカ・チャステイン「George & Tammy」(原題)ジュリア・ガーナー「令嬢アンナの真実」リリー・ジェームズ「パム&トミー」ジュリア・ロバーツ「ガスリッド 陰謀と真実」アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersエルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedアバター:ウェイ・オブ・ウォーター 2022年12月16日より全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.バビロン(2022) 2023年、全国にて公開© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2022年12月13日ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。今年の作品賞はミシェル・ヨー主演『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と、ケイト・ブランシェット主演『TAR』の2作品が受賞した。1975年から48回行われているロサンゼルス映画批評家協会賞で、これまで作品賞が2作品選ばれたのは1975年の『カッコーの巣の上で』と『狼たちの午後』、1976年の『ネットワーク』と『ロッキー』、2013年の『ゼロ・グラビティ』と『her/世界でひとつの彼女』と3度あり、今回で4度目。ロサンゼルス映画批評家協会賞はアカデミー賞の前哨戦の一つであり、注目は集めているものの、作品賞がアカデミー賞の作品賞と重なることはあまりない。昨年作品賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)は、アカデミー賞では国際映画長編賞を受賞した。主な受賞者、受賞作品は以下の通り。作品賞『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『TAR』監督賞トッド・フィールド『TAR』主演俳優賞ケイト・ブランシェット『TAR』ビル・ナイ『生きる Living』助演俳優賞ドリー・デ・レオン『Triangle of Sadness』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』脚本賞トッド・フィールド『TAR』アニメ賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2022年12月12日L.A.映画批評家賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『TAR(原題)』と『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。主演賞は『TAR(原題)』のケイト・ブランシェットと、黒澤明の『生きる』のリメイク『生きる LIVING』のビル・ナイ。助演賞は『エブリシング…』のジョナサン・キー・クァンと『Triangle of Sadness』のドリー・デ・レオン。監督賞と脚本賞は『TAR(原題)』のトッド・フィールド。外国語映画賞は『EO』、アニメーション賞は『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、美術賞は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』だった。文=猿渡由紀
2022年12月12日ティモシー・シャラメが初主演でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『君の名前で僕を呼んで』の日本公開5周年を迎えるにあたり、記念イベントの実施が発表された。イベント第1部は、「朗読劇君の名前で僕を呼んで」を開催。主人公エリオに扮するのは、『天気の子』の主人公・森嶋帆高役(声の出演)で第14回声優アワード新人男優賞を受賞し、最近では映画『カラダ探し』やNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」など活躍めざましい醍醐虎汰朗。オリヴァー役には、俳優として主演映画『ツーアウトフルベース』や舞台「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rule the Stageなどで幅広く活躍しながら、7人組アーティスト「7ORDER」のボーカルとして音楽活動にも取り組んでいる阿部顕嵐。脚本・演出は、劇作家・小説家としても知られる、「私の頭の中の消しゴム」など朗読劇の名手・岡本貴也。音楽監督は、多彩な音楽性を活かし、新感覚・音楽朗読劇「SOUND THEATRE」をはじめ、映像や舞台、TVアニメなどの音楽を次々に手掛ける土屋雄作が務める。第2部のトークショーには、醍醐さん、阿部さんとともに、本作をこよなく愛する映画ライター・よしひろまさみちが出演。また、会場では5周年記念グッズや豪華パンフレットも販売予定となっている。コメント全文エリオ役/醍醐虎汰朗映画『君の名前で僕を呼んで』を観て、そして今回の朗読劇の脚本を読んで、その美しい世界観を「声」が主体となる朗読という形で、しかも日本語で届けられることをとても嬉しく思っています。初めての朗読劇ですが、皆さんの心に響くような表現ができるように精一杯努めます。視界からの情報が少ない分、音を存分に楽しんで、ご自身の想像の世界に浸っていただければ嬉しいです。劇場でお待ちしています!オリヴァー役/阿部顕嵐『君の名前で僕を呼んで』僕の人生の中で題名ひとつとってもこんなに引き込まれる響きは初めてです。お話を頂く前から知っていた長く愛されるこの作品に関わらせて頂き嬉しいです。観てくださる皆さん、そして僕の生涯を通じて何ひとつとも忘れられない作品にします。脚本・演出/岡本貴也こんなに素敵な恋があるだろうか……。ひと夏の恋にしてはあまりに深く、切なく、そして幸せな時間。それは、もう二度と取り戻せない。この映画を観終えた時、思わず溜め息が漏れました。心の奥底にしまっていた青春の記憶が、むくむくと起き上がってくるあの感じ。この映画の持つ力強い感動を、朗読劇によってより繊細に、深く、表現できればと思っています。そしてそれを醍醐さん阿部さんとともに作り上げるのが楽しみでなりません。音楽監督/土屋雄作美しい俳優、美しい風景、そして繊細に選ばれた映画音楽、この映画はどこを切り取っても美しい作品です。個人的には1人の父親として、父と子の会話のシーンも印象に残っています。朗読劇という形で、皆さんがもう一度映画に恋できるような音を生み出せたらと思っています。生演奏の朗読劇、どうぞお楽しみに!「君の名前で僕を呼んで~5th anniversary~」は2023年1月27日(金)~1月29日(日)恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催。『君の名前で僕を呼んで』はBlu-ray&DVD発売中。デジタル配信中。発売元:カルチュア・パブリッシャーズセル販売元:ハピネット(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2022年12月09日映画賞レースのトップを飾る第47回報知映画賞の各賞が発表され、『沈黙のパレード』で難解な事件を解決する天才的物理学者を演じた福山雅治が主演男優賞を初受賞、主演女優賞は『前科者』の演技が評価された有村架純が初受賞。作品賞・邦画部門は石川慶監督、妻夫木聡主演の『ある男』が受賞した。主演女優賞:『前科者』有村架純報知映画賞はスポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生。読者参加型の映画賞が大きな特色であり、各映画賞や映画祭の先陣を切って発表されるため、その年の受賞者・受賞作品を占う意味でも大きな注目を集めている。助演男優賞:横浜流星「流浪の月」なお、作品賞(海外)は130億円超えのメガヒットとなった『トップガン マーヴェリック』が受賞した。第47回報知映画賞各賞作品賞・邦画『ある男』監督賞片山慎三『さがす』主演男優賞福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞有村架純『前科者』助演男優賞横浜流星『流浪の月』助演女優賞尾野真千子『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカン SABAKAN』新人賞嵐莉菜『マイスモールランド』/白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』作品賞・海外『トップガン マーヴェリック』アニメ作品賞『劇場版 四畳半タイムマシンブルース』(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.20歳のソウル 2022年5月27日より全国にて公開©2022「20歳のソウル」製作委員会前科者 2022年1月28日公開© 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会流浪の月 2022年5月13日より全国にて公開(c)2022「流浪の月」製作委員会沈黙のパレード 2022年9月16日より全国にて公開©2022「沈黙のパレード」製作委員会ある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会さがす 2022年1月21日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022『さがす』製作委員会マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会サバカン SABAKAN 2022年8月19日より全国にて公開©2022「SABAKAN」Film Partners四畳半タイムマシンブルース 2022年9月30日より全国にて3週間限定公開©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会ぜんぶ、ボクのせい 2022年8月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会千夜、一夜 2022年10月7日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
2022年11月30日「第35回東京国際映画祭」(TIFF)のクロージングセレモニーが2日、都内で開催され、最高賞である東京グランプリ/東京都知事賞はロドリゴ・ソロゴイェン監督の『ザ・ビースト』が受賞。『ザ・ビースト』は最優秀監督賞、そして主演のドゥニ・メノーシェが最優秀男優賞を受賞し、3冠に輝いた。ソロゴイェン監督はビデオメッセージを寄せ、「最優秀監督署と東京グランプリ/東京都知事賞の2つをいただけるなんて本当にうれしいです。この2つの賞を受賞できることを心より光栄に思います。東京国際映画祭と審査委員のみなさんありがとうございます。本当にうれしいです」と喜びを語った。スペシャルプレゼンターとして小池百合子東京都知事も登壇。「毎年数多くの新しい才能がここ東京から世界へ羽ばたいていることを大変うれしく思います。映画には、人々の心をつなげる大きな力があります。この映画祭を通じて相手の個性や考えを尊重し一人ひとりの夢、希望が育まれることを期待しています」と述べた。「東京国際映画祭」は、日本で唯一の国際映画製作者連盟から公認を受けた国際映画祭。日比谷・有楽町・銀座エリアに会場を移して2年目となる今年は、10月24日から11月2日まで開催する。今回、丸の内ピカデリーや丸の内ピカデリーなども会場として加わり、主要9部門の上映本数も昨年の86本から110本へと増加。海外ゲストの招へいも本格的に再開した。コンペティション部門は、107の国・地域から寄せられた1,695本もの応募の中から15作品が選ばれ、日本からは『窓辺にて』(今泉力也監督/稲垣吾郎主演)、『山女』(福永壮志監督/山田杏奈)、『エゴイスト』(松永大司監督/鈴木亮平主演)の3作品が選出されていた。
2022年11月03日「第35回東京国際映画祭」(TIFF)のクロージングセレモニーが2日、都内で開催され、『窓辺にて』(今泉力也監督/稲垣吾郎主演)が観客賞を受賞した。ステージに登壇した今泉監督は「このたびはこのような光栄な賞をいただきありがとうございます」と感謝。「私の作品は個人的な小さな悩み、特に恋愛の映画をずっと作り続けています。世界にはさまざまな問題がある中で、本当に小さな小さな悩みとか個人的な問題を恋愛を通じて、コメディ的なことも含めて描こうと思って作り続けています」と語り、「ここに立てていることをうれしく思います」と喜んだ。主演の稲垣は、新型コロナウイルスに感染したことが10月31日に発表されたばかり。今泉監督は稲垣について「公開初日も登壇できないという状況があります」と話した上で、「まだコロナや、世界にはいろんな問題がありますが、そこにある小さな喜びとか、自分なりにできることをこれからも考えていきたいと思います」と語った。なお、今年のコンペティション部門は、107の国・地域から寄せられた1,695本もの応募の中から15作品が選ばれ、日本からは『窓辺にて』(今泉力也監督/稲垣吾郎主演)、『山女』(福永壮志監督/山田杏奈)、『エゴイスト』(松永大司監督/鈴木亮平主演)がノミネートされた。
2022年11月02日2021年10月期にTBS金曜ドラマ枠で放送した吉高由里子主演「最愛」が、「東京ドラマアウォード2022」作品賞 連続ドラマ部門グランプリに選出。さらに主人公・真田梨央を演じた吉高さんが主演女優賞、演出賞を塚原あゆ子が受賞した。「東京ドラマアウォード」は、作品の質の高さはもちろん、海外発信も見据え“市場性”“商業性”を重視し、“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと2008年に創設。今年で15回目を迎えた。今回は昨年7月から今年6月までに放送されたドラマの中から、日本映画テレビプロデューサー協会および、新聞、テレビ誌各社のドラマ担当、テレビ各局のプロデューサーによって選考された。グランプリを受賞した「最愛」は、殺人事件の重要参考人となった女性実業家・真田梨央(吉高さん)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事(松下洸平)、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士(井浦新)の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。吉高由里子「こんなに反響の大きかったドラマはなかった」受賞にあたり、「これまでにこんなに反響の大きかったドラマはなかったです」と吉高さん。「たくさんのドラマ賞もいただけて、授賞式でスタッフの皆さまと再会できることがすごくうれしくて。受賞するたびに『最愛』というドラマが生きて、いろんな人に出会っているような気がしています。オールロケでの撮影で、いろんな場所へ行って、まるで旅のようなドラマでした。大変だった分、自分の中で残っているものが大きいです。放送が終わって約1年経ちますが、今もなお『最愛』が広まっていることに感謝しています」とコメント。また、塚原さんは「ミステリーとラブストーリーのバランスを大切にしていたので、どちらに興味を持っていただいても最後まで愛されるようにいい塩梅を探っていました」と明かす。「展開が何度か大きく動くところがあったので、時間配分は脚本家、プロデューサーとも何度も相談しました。キャストもみんなで支えあって、お互い切磋琢磨して芝居をぶつけあっていたので、主演の吉高さん含めみんなのびのびやってくれたと思います」と話した。そして作品賞を代表し、新井順子プロデューサーは「このチームで約10年やってきていて、これまでは原作があったのですが、今回はオリジナル作品に挑戦してみたいと思って臨んだ作品です。今まで培ってきた経験と脚本家さんの力、監督の熱量があってこそ、10話楽しんでいただけたと思います」とふり返ってコメントした。(text:cinemacafe.net)
2022年10月25日韓国・釜山で10月8日(土)に行われた第4回アジアコンテンツアワード(ACA)にて、TBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で主演を務めた鈴木亮平が主演男優賞、また、Netflixシリーズ「新聞記者」に出演した横浜流星がニューカマー賞を受賞した。アジアコンテンツアワードは、釜山国際映画祭に併設されたアジアンフィルムマーケットで2019年に新設。アジア全域で過去1年間に制作された独創的で優れたテレビ、OTT(動画配信サービス)、オンラインコンテンツや俳優に贈られる賞。アジアの優れたコンテンツを奨励し、アジアのコンテンツおよび映画市場の活性化を目的に、今年で4回目を迎えた。今年はコロナ禍以来3年ぶりに釜山でオフライン開催され、授賞式ではベストコンテンツ賞、ベストアジアアニメ賞、俳優賞、新人賞、作家賞に加え、今年新設されたベストアジアドキュメンタリー賞、助演賞など12部門の結果が発表。韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が作品賞にあたるベストコンテンツ賞および主演女優賞(パク・ウンビン)、「イカゲーム」が技術賞と助演男優賞(パク・ヘス)の2冠を達成した。「TOKYO MER」主演男優賞・鈴木亮平は韓国語と英語でスピーチ2021年7月期の日曜劇場として放送された「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で主演男優賞を受賞した鈴木さん。現地で授賞式に参加し、韓国語で挨拶と自己紹介をして会場を和ませたのち、英語で受賞の喜びと新型コロナ感染症と闘う医療従事者への尊敬の言葉をスピーチ。「このような素晴らしい賞をいただき、たいへん光栄です。私たちはこのドラマを、すべての医療従事者、そしてその家族への尊敬を込めて、特に2019年以降、現在に至るまで、最前線で新型コロナウイルスと闘い続ける方々の勇気を讃えたいという思いで作りました。この受賞の名誉は彼らのものです。東京、日本、韓国、そして世界中すべての医療従事者の方々にこの賞を捧げたいと思います」と語った。本作の“MER”とは、モバイル・エマージェンシー・ルームの略称で、東京都知事のもと結成された架空の医療チームであり、鈴木さんはチームを率いるリーダー・喜多見幸太役を演じた。救命救急のプロフェッショナルとして、最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両(ERカー)で危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、患者の命を救うために現場に飛び込み、熱いチームワークで負傷者を果敢に救命していく彼らのストーリーは多くの視聴者の心を熱くした。2023年に劇場版が公開される。同アワードではほかにも、助演女優賞に「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の中条あやみと、2022年1月期日曜劇場「DCU」の中村アン、また優れた撮影技術・美術・音楽・ビジュアルエフェクトなどに与えられる技術賞に「TOKYO MER~走る緊急救命室~」がノミネートされていた。なお、TBSドラマからは、「凪のお暇」で主演を務めた黒木華が第2回の主演女優賞を受賞し、「半沢直樹」が第3回審査員特別賞を受賞している。劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は2023年公開予定。「新聞記者」主要3部門ノミネートから横浜流星が受賞Netflixシリーズ「新聞記者」はベストコンテンツ賞、主演女優賞(米倉涼子)、ニューカマー賞(横浜流星)の主要3部門にノミネートされており、見事、横浜さんが受賞。2019年6月に劇場公開された映画『新聞記者』は近年の政治事件やスキャンダルに切り込み、第43回アカデミー賞の最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得したほか、多くの映画賞を受賞した。その衝撃の問題作がさらにスケールアップし、全6話のドラマとしてキャストを一新、新たな物語として誕生したのが今作。“新聞業界の異端児”と呼ばれる主人公の東都新聞社会部記者・松田杏奈を米倉涼子、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一役に綾野剛、そして新聞配達をしながら大学に通う就活生・木下亮役に横浜流星と豪華キャストが集結。監督は映画版に引き続き、藤井道人が務めている。配信直後の週末から3日連続で、Netflixの日本における今日の総合TOP10にて1位となるなど大きな話題と関心を集めた。今回の横浜さんの受賞について、アジアコンテンツアワード組織委員長は「難しい演技が必要な社会派ドラマにおいて、存在感のある素晴らしい表現力を発揮されていました。正義のために葛藤するその姿に、今後アジアを代表するビッグスターになると確信しました」とコメントし、横浜さんの演技力を高く評価。知らせを受けた横浜さんは「本作では、藤井道人監督が一般市民目線を描きたいということで、僕に託してくださり、覚悟をもって、“亮”を生きました」とコメント。「キャスト、スタッフ一丸となって作った『新聞記者』が、国を越えたくさんの方に届き、嬉しく思います。これからも皆さんの心に残る作品をお届けできるよう、精進します」と喜びを語っている。Netflixシリーズ「新聞記者」はNetflixにて全世界独占配信中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~ 2023年公開予定©2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会
2022年10月10日フランスを代表する名女優カトリーヌ・ドヌーヴと、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞した演技派ブノワ・マジメルが共演した映画『愛する人に伝える言葉』が10月7日より公開された。この度、ドヌーヴが本作について語るインタビュー映像が公開となった。ガンを宣告された主人公とその母親が、限られた時間のなか「人生のデスクの整理」をしながら、穏やかに死と対峙していく過程を感動的に描く本作。誰にでも平等に訪れる死、もし、ある日、余命を宣告されたら、誰に何を伝え、人生をどう整理して幸せな最後を迎えるのか。死を語ることで逆説的に生を描き、その尊さを見つめる感動作となっている。監督は、『太陽のめざめ』でカンヌ国際映画祭のオープニングを飾ったエマニュエル・ベルコ。主人公を献身的に看病し、愛情を寄せる看護婦役には、『モンテーニュ通りのカフェ』などで知られるセシル・ド・フランス、そして主治医のドクター・エデ役には、実際に現役のガン専門医であるガブリエル・サラが扮しているのも話題となっている。この度、公開されたのは、最愛の息子がガンを患うという、人生における最大の悲しみを受けた母を演じたドヌーヴのインタビュー映像。ドヌーヴは、患者には嘘をつかないという自身のやり方を本作に反映したエデ医師について、「重症患者に独特な態度で接しています」と表現した。「死期を伝えるのは確かにひどいと思われるかもしれません。アメリカでは違うかも。医師が余命をはっきり伝えることが多いですから。ヨーロッパとは大きな違いがある」と語った。本作で惹かれたものとは?という問いにドヌーブは、「演じるというだけでなく、この脚本の映画化に参加するということです。物語も人物もすばらしかった。とても難しくはありました。息子役のブノワにはもっと難しかったかも。すごく力強くて特別な物語でした。話し方や動き方も含め、よくある描き方とは、別のアプローチで人生を終える人々―確実に“最期が近い”人々を描いています」と答え、映画の企画に賛同し、母親役という枠に収まらず、映画の制作にも多大なる力を注いだことを明かした。「ブノワのことは以前から知っていますから、彼に再会して一緒に撮影に挑むとつながりを感じます。撮影以外で会うことはありませんけど、でも彼に再会すると、久しぶりだとは思えません。」と日に日にやつれ、朦朧としていく様を、心身ともに見事に表現したマジメルに対する想いを語ったドヌーブ。病室のベッドで風前の灯のなか、もはや解脱したかのように点を見つめるシーンについて、「彼を腕に抱いて、私が持ち上げると大きな体がすごく軽くなってる。エマニュエル(監督)がこだわっていたのがこのイメージです。ほとんど宗教画のような光景です。母の腕に抱かれる息絶えつつある息子の絵です」と話した。『愛する人に伝える言葉』公開中
2022年10月07日映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」では、第70回ヴェネチア国際映画祭にて銀獅子賞(最優秀監督賞)と最優秀男優賞(テミス・パヌ)を受賞した『ミス・バイオレンス』、S.S.ラージャマウリ監督作、ジョニー・トー監督作などを10月に配信開始、併せて第18回東京フィルメックス最優秀作品賞を受賞した、バリ島の伝説をモチーフに10歳の少女が直面する喪失と希望を描いた話題作『見えるもの、見えざるもの』の予告編も解禁となった。10月の「JAIHO」は、第34回東京国際映画祭にてコンペティション部門最高賞の東京グランプリに輝いた、男性優位の環境に抵抗する女性を力強く描いたコソボの女性監督のデビュー作『ヴェラは海の夢を見る』、ヴェネチア国際映画祭2冠の“ギリシャの奇妙な波(Greek Weird Wave)”と呼ばれるムーブメントを代表する1作『ミス・バイオレンス』などを含む4作品をプレミア配信。また、毎月注目を集める特集企画は「ラージャマウリの世界」と「ジョニー・トー特集」に決定。「ラージャマウリの世界」では、9月よりすでに配信されている『マガディーラ 勇者転生』(11月15日まで配信)に加えて、複数の言語でリメイク化もされた人気作『あなたがいてこそ』、『バーフバリ』2部作に先駆けてプラバースを主演に迎えた『チャトラパティ』の2本が今月より配信スタート。「ジョニー・トー特集」では、香港映画界の名匠ジョニー・トー監督を公私ともに撮影した貴重なドキュメンタリー映画『あくなき挑戦ジョニー・トーが見た映画の世界』をはじめ、珠玉のラインアップ。そして、「ストーリー・オブ・フィルム」には「エピソード9.新しいアメリカ映画」が登場。1960年代後半から1970年代、ベトナム戦争を経て、映画製作のスタジオシステムが終わりを迎える中、台頭したアメリカ映画の歴史を黒人映画の原点であるチャールズ・バーネットなどと一緒に紐解いていく。そして、併せて解禁となった日本未公開作『見えるもの、見えざるもの』の予告で描かれるのは、脳障害で寝たきりの双子の弟を持つ10才の少女タントリが、真夜中にだけ不思議と元気な姿で起き上がる弟と、2人だけの遊びを楽しむ姿が描かれる。インドネシアの美しい自然をバックに現実と幻想が入り混じる寓話的な演出が印象的な映像となっている。『見えるもの、見えざるもの』(2017年/インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール)10月2日(日)~※プレミア作品(日本未公開作)※60日間配信バリ島の伝説をモチーフに、10歳の少女が直面する喪失と希望をインドネシアの美しい自然を背景に現実と幻想が入り混った描写で寓話的に綴る。『枕の上の葉』(98)などで知られるインドネシアを代表する映画監督ガリン・ヌグロホの娘であり、長編初監督『鏡は嘘をつかない』(11)が第24回東京国際映画祭でTOYOTAEarth GrandPrixを受賞したカミラ・アンディニ。日本でも第18回東京フィルメックスで上映され最優秀作品賞に輝いた。10歳の少女タントリは、脳障害で倒れ病院のベッドで寝たきりになっている双子の弟タントラに寄り添っている。タントリの精神は真夜中になると解放され、かつての元気だったタントラと遊びまわり、2人で色とりどりの衣装に身を包み月光の下でダンスを繰り返す。しかし、弟の死は徐々に近づいていた…。『ヴェラは海の夢を見る』(2021年/コソボ、北マケドニア、アルバニア)10月15日(土)~※プレミア作品(日本未公開作)※60日間配信第34回東京国際映画祭コンペティション部門の最高賞の東京グランプリに輝いた、男性優位の環境に抵抗する女性を力強く描いたコソボの女性監督カルトリナ・クラスニチ監督のデビュー作。手話通訳者のヴェラは、高名な判事だった夫の突然の自殺の後、家が夫のギャンブルの借金の抵当になっていたことを知り、平穏な日常が一変していく。『ミス・バイオレンス』(2013年/ギリシャ)10月29日(土)~※プレミア作品(日本未公開作)※60日間配信第70回ヴェネチア国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞し、主演のテミス・パヌが最優秀男優賞を受賞した1作。一見幸せそうに見える、ある家族の11才の娘がバルコニーから飛び降りて自殺。警察が捜査をするが、家族は「事故だった」と主張する。事故なのか、自殺なのか、家族の秘密が少しずつ露わになる。<ラージャマウリの世界>最新作『RRR』が10月21日(金)より全国公開を控える『バーフバリ』の“創造神”S.S.ラージャマウリ。9月よりすでに配信が開始している『マガディーラ 勇者転生』(11月15日まで配信)、『マッキー』(10月23日まで配信)ほか、今月はさらに『あなたがいてこそ』(10月10日~配信)とプレミア作品『チャトラパティ』(10月23日~)の2作のS.S.ラージャマウリ監督作品の配信がスタート。現代インド映画界をリードする巨匠の世界を堪能できる。<ジョニー・トー特集>最新作『七人樂隊』(10月7日より公開)が劇場公開を控える香港映画界の名匠ジョニー・トー監督の特集を開催。ジョニー・トー監督の公私を追ったドキュメンタリーをはじめ、末期がんの敏腕刑事と完全犯罪を計画した男の奇妙な友情を描く『暗戦デッド・エンド』(10月12日~)、アンディ・ラウ&サミー・チェンの名コンビによる『名探偵ゴッド・アイ』(10月17日~)など珠玉の作品をセレクト。本特集の作品は全て配信期間が60日間となっている。(text:cinemacafe.net)
2022年09月28日フランスを代表する名女優カトリーヌ・ドヌーヴと、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞した演技派ブノワ・マジメルの共演作『愛する人に伝える言葉』より、ブノワ・マジメルのインタビュー映像と本編映像が解禁された。この度解禁されたインタビュー映像は「脚本を読んでこんなに感動したのは初めて」と語るブノワ・マジメルから始まる。マジメルは、ガンを宣告された主人公バンジャマンという一筋縄ではいかない役どころに対し「バンジャマンを演じるにはどうすればいいのか。こういう物語に1年も取り組めるか?」と、役を引き受けた際の逡巡した気持ちを回想。そして「この役を自分のほうへ引き寄せて一体になる。真っ向勝負ですよ」とコメントしており、演じる上での覚悟が伝わってくる。また病に倒れたバンジャマンという役を理解するにあたり、「すい臓がんは自分に原因がありませんから、まずは怒りがある」と感じたという。「不当だという怒り」を持ちながら「避けられない運命と闘う力が自分にあるのか」を考え続けたマジメルを助けたのは、コロナ禍での製作の中断。1年がかりで撮影を行うことになり、結果的に「主人公に残された時間と同じくらい」の時間で撮影が進行したのだ。「(1年という時間は)皆が彼を見守り、見送るまでの時間です。僕も同じ道をたどることができた」と語るマジメル。バンジャマンという人物が体験したことを自分の中で受け入れ、憑依したかのような演技が実現した秘密を明かしている。「残された時間を使うこと。最期まで必死に生きること。愛する人と残された時間を分かち合うこと。これは愛を語る映画です」全身全霊でバンジャマンという役を生きた、ブノワ・マジメルの姿を是非劇場で観てほしい。『愛する人に伝える言葉』は10月7日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛する人に伝える言葉 2022年10月7日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© Photo 2021 : Laurent CHAMPOUSSIN - LES FILMS DU KIOSQUE
2022年09月26日積水ハウス株式会社は、本日発表の「第16回キッズデザイン賞」においてキッズデザイン協議会会長賞を受賞しました。キッズデザイン賞は、キッズデザイン協議会(本部:東京都港区虎ノ門)主催の子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度です。キッズデザイン賞受賞作品214点の中から、優秀作品へノミネートされた36作品が最優秀賞、優秀賞、奨励賞(キッズデザイン協議会会長賞)、特別賞として選出されます。キッズ・ファースト企業である積水ハウスは、第1回キッズデザイン賞から16年連続、累計107作品を受賞しています。キッズデザインマーク▼奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞「エルミタージュクール」受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 個人・家庭部門エルミタージュクール説明:子育て世代の「もしこんな住まいがあったら・・・」を叶える賃貸住宅です。乳児期~児童期の子を持つ世帯に特化した間取りのほか、安心して子どもを遊ばせることができる中庭、親同士で子どもの預かり合い等を想定したキッズラウンジ、子どもの学びを手助けするterakoya(寺子屋)など、子育てを支援する要素を多数備えています。(受賞理由)「子育て世帯ならではのニーズ、例えば見守りをしながら家事のしやすい動線、外遊びを自由にさせられるような中庭、一時預かりに使えるような空間や遊び場などを備えた賃貸住宅であり、子育てに特化した思い切った空間提案として高く評価した。賃貸住宅の共用部でここまでの設備と取組は貴重であり、ニーズも高いだろう。」エルミタージュクール 外観エルミタージュクール 中庭積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、今後も人生100年時代における「幸せ住まい」を追求し続けてまいります。エルミタージュクール 公式サイト: キッズデザイン賞 公式サイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月22日エイドリアン・ブロディ主演のアクション映画『クリーン ある殺し屋の献身』より、本編映像が解禁された。本作は、『戦場のピアニスト』でアカデミー主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディが主演するハード・アクション。大都会の裏側を舞台に、殺し屋と少女の交流と絆を描いた『レオン』や『タクシードライバー』を彷彿とさせるエモーショナルなアクション・ドラマとなっている。この度解禁された本編映像では、かつて凄腕の殺し屋だったクリーン(エイドリアン・ブロディ)が、ギャングのボスの家にトラックで突っ込むド派手なシーンが切り取られている。ギャングのボス、マイケルの息子に瀕死の怪我を負わせたクリーンは、組織を総動員して追われる身となっていたが、やがて逃げ場を失い、心を通わせた隣人の少女を護るために、たった一人でギャングたちに戦いを挑むことに。ゴミ収集車に乗り込み、亡くなってしまった幼い娘の写真にキスをして決心を固めたクリーンは、仲間たちと酒を飲み交わし油断しているマイケルの家に向かってゴミ収集車を走らせる。ライトに照らされ車が向かってくるのに気づいたマイケルたちが呆然とする中、ゴミ収集車はどんどんと加速し、ついに壁を破壊し家の中に突っ込む!ド派手な登場で反撃が始まったが、クリーンはたった一人でギャングたちを一掃することができるのか…?その後の展開が気になる本編映像となっている。『クリーン ある殺し屋の献身』は9月16日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:クリーン ある殺し屋の献身 2022年9月16日より全国にて公開© 2018 A Clean Picture, LLC All Rights Reserved.
2022年09月12日今年のアカデミー賞授賞式で、主演男優賞を受賞したウィル・スミスから壇上で平手打ちされたコメディアンのクリス・ロックが、来年の同式の司会オファーを断っていたことがわかった。PEOPLEなどが報じている。アリゾナ州フェニックスで、8月28日夜にロックのトークショーが行われた。その中で、来年のアカデミー賞授賞式のホストにとオファーを受けたが、O.Jシンプソン事件を引き合いに出し、「ニコール・ブラウンに、もう一度あのレストランに行けっていうようなもんだよ」とオファーを断ったことを明かしたという。O.J.シンプソン事件の被害者で、シンプソンの元妻であるニコール・ブラウンは、殺される直前にデート相手の勤め先だったイタリアンレストランに行っていた。ロックはこの事件を引き合いに出し、“犯罪現場に戻るようなものだ”とジョークにしたのだ。また、「あの件について聞かせてよ!」と観客から声をかけられたロックは、スミスが映画でモハメド・アリ役を務めたことに触れ、「彼は僕より大きいからね、ネバダ州では僕とウィル・スミスの試合は認められないと思うよ」と笑い飛ばしたとArizona Republicは伝えている。スミスは今年のアカデミー賞授賞式で、妻のジェイダ・ピンケット・スミスの丸刈りスタイルをロックに茶化されて激昂し、壇上で平手打ちをして大問題となった。スミスは翌日に謝罪コメントを発表。主演男優賞の剥奪は免れたものの、今後10年間はアカデミーが主宰するイベントへの出席禁止の処分が下されていた。消費者の動向調査を用いて、有名人の人気と魅力を数値化することで知られるQ Scoresは、この事件後にスミスの人気が39から24に下がったと発表している。この結果に、同社のヘンリー・シェイファー副社長は「非常に顕著で急激な低下」と論評していると英The Guardianは報じている。
2022年08月30日近年、映画賞の演技部門において、「男優賞」「女優賞」と性別で分けることをやめ、「ジェンダー・ニュートラル」(性的に中立)な形を取る動きが加速している。すでにジェンダー・ニュートラル化を行ったベルリン国際映画祭、今年開催の授賞式から実施するゴッサム賞などに続き、インディペンデント・スピリット賞も演技部門の性別区分けの廃止を表明。主催者のフィルム・インディペンデントが公式ホームページにて発表した。同団体のトップのジョシュ・ウェルシュは、「私たちは、性別に関わらず素晴らしい演技を称えるため、すでに動き出している映画祭や映画賞に加わることに喜びを感じています。また、男性か女性かの選択を強制することなく、ノンバイナリーの俳優たちをスピリット賞に迎えられることもうれしく思います」とコメント。また、インディペンデント・スピリット賞はこれまで製作費が2250万ドルまでの作品を対象としていたが、昨今の物価・製作費高騰により、製作費3000万ドルまでに引き上げられた。「新しい上限を設けたことで、これまでと同じように幅広い作品を称えることができます」としている。インディペンデント・スピリット賞授賞式は2023年3月4日に開催される。(賀来比呂美)
2022年08月24日●「何も考えないように」草なぎ流の役作り映画『ミッドナイトスワン』(2020)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝き、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021)での徳川慶喜役も高く評価され、ギャラクシー賞テレビ部門個人賞を受賞するなど、俳優としてさらなる進化を続けている草なぎ剛。映画『サバカン SABAKAN』(8月19日公開)で主人公の大人時代を演じた草なぎにインタビューし、経験を重ねてたどり着いた「何も考えない」役作りや、今の自分の中に息づいている子供時代の思い出、「最高の遊び」だという仕事への思い、そして今後について話を聞いた。本作は、1980年代の夏の長崎を舞台に、イルカを見るために冒険に出ることになった2人の少年、久田孝明(番家一路)と竹本健次(原田琥之佑)の友情や、それぞれの家族との日々を描いた物語。草なぎが演じたのは、大人になった久田であり、“ひと夏の冒険”を回想する作家。どのようなことを意識して演じたのか尋ねると、「あまり何も考えずに。意識することはなかったです」とサラリ。役との共通点も「なかったです」と話した。そして、「僕は、役を理解して演じることはほぼない。理解してないです」と告白。「本当に何も考えてなくて。こういう風にやらないとって決めて演じるとつまらなくなるので、何も考えないようにしています」と草なぎ流の役作りを明かした。頭で考えて役を理解して演じるのではなく、現場での感覚を何よりも大切に。この演じ方は、昔からそうだったわけではないという。「30歳頃は台本をしっかり読んで、キャラクターについてすごく考えていたけど、台本を何度も読むと疲れちゃって(笑)。それよりも、早く寝て元気出せよ! みたいな気持ちになってきて。最低限セリフを覚えていれば現場は進むし、元気があったほうがいい演技ができるんじゃないかなと思うようになりました」続けて、「しっかり台本を読んでいた時期もあったから今こうなっているのだと思います」と自己分析し、「もしかしたら50代になって、この役はちゃんと台本を読まないといけないって思うかもしれないけど、まあそれもないかな」と笑った。何かきっかけがあって変化したのか尋ねると「舞台が大きいと思います」と答え、「舞台経験を重ねていく中で、演技する上で一番大切なのは睡眠だと。一番の役作りは寝ることだという考えにたどり着きました」と説明した。●子供時代の思い出「今の僕に息づいている」本作への出演が発表されたときに、「僕にも忘れられない子供の頃の思い出があります。あの頃のおかげで踏ん張れる事ってあると思います」とコメントしていた草なぎ。その思い出とはどのようなものなのだろうか。「僕も80年代に幼少期を過ごしているので、久ちゃんと竹ちゃんと同じように、仲間と自転車をこいで、隣の町まで行ってカブトムシを捕まえたり、田んぼや畑で戯れて泥だらけになって毎日遊んでいたんです。あと、四国のおばあちゃんの家に行って海で遊んだり。その頃の思い出が今の僕に息づいていて、その記憶は今でも忘れられません」自身の子供時代とも重なる、『サバカン』で描かれる少年たちの“ひと夏の冒険”。完成した作品を見て癒やされたという。「大人になるといつしか田舎にも帰らなくなって、都会に染まってしまって。やさぐれた自分のささくれ立った心を『サバカン』が癒やしてくれました。この作品を機に子供返りというか、またリボーンしてやっていきたいと思います!」子供時代の思い出は疲れた心をリセットしてくれるものになっているようで、「幼少期に友達と遊んだ感覚や、子供のときに自転車に乗って風を切るだけでめちゃくちゃ気持ちいいという感覚、そういうものが僕にとってとても大切なことなんだなって、改めて感じました」としみじみ。「無条件で楽しいことって大人になると減ってきますが、朝起きたときから毎日夏休みだよっていうような気持ちを『サバカン』のおかげで取り戻しました! 子供心を忘れずに、いつまでも子供のままいきたい」と目を輝かせた。●「80%はふざけていて、20%はちゃんとやる」草なぎといえば、優しい人柄やユーモアも大きな魅力だ。『拾われた男』(NHK BSプレミアム/ディズニープラス)で共演した仲野太賀も「大スターでこんなに優しんだって感動しました」と話していたが、草なぎは人と接する際にどんなことを意識しているのか。「あまり無理しないことじゃないですかね。気をつかわないというか。気をつかうと逆にお互い疲れちゃうのかなと」。年齢を重ねて無理しなくなってきたそうで、「昔は気をつかって空気を読んだり、もうちょっと大人だったかもしれない。今は無理しなくなって、ちょっとわがままかもしれないけど、むしろそのほうが自分も周りも接しやすくなった気がします。気をつかっていたほうが接しにくいとか、不思議ですよね」と笑う。続けて、「でも自分の中でいつも議論してるんですよ。これでよかったのかな、取材であんなにふざけちゃったけど失礼だったかなとか。学ぶことは大事だから、やったらやったままでいいとは思っていなくて、寝る前にちょっと反省したりしています」と真面目な一面も明かし、「自分の中にA剛くんとB剛くんがいて、『こういうのはダメなんじゃないの?』『それがいいんじゃないの?』っていつも話し合っています」と話した。その上で「基本、ずっとふざけている。80%はふざけていて、20%はちゃんとやるという感じかな」とニヤリ。「この仕事は遊びだと思っているから。だからすごく幸せ」と満面の笑顔を見せる。「だって歌うことや演技することって、おままごととか、小さいときに遊んでいたことと変わらないじゃないですか。将軍になったり、現実ではないことを本気で演じる。最高の状態で最高の遊びをしているような感覚です」さらに、「この前も海外まで行かせてもらって」と『拾われた男』の撮影でアメリカに行ったことにも触れつつ、「楽しませてもらっているので頑張ります。頑張るというか楽しみます! 自分がまず楽しむことが大切だと思っているので」と話した。●「どの作品も、どの役も、生きる糧になる」先月9日に誕生日を迎えたばかり。「48歳になりました。 赤ちゃん返りしているんです。バブーバブー」とおちゃらけてから、40代後半になってからの変化について「体力的にも疲れやすくなりました。運動が好きで昔はバク転もできたけど、もうできないだろうし。そこをどう楽しんで抗っていくかという意識が高まってきました。簡単には朽ち果てていかないぞ! みたいな(笑)。最後の最後まで抵抗して元気でいたいという気持ちがあります」と語る。身体の変化も感じつつ、「今、人生で一番楽しいかもしれない。すごく楽しい!」と声を弾ませる。「趣味が増えて、フィルムカメラも始めちゃって。(『拾われた男』で共演した)仲野太賀くんの影響で「マキナ67」というフィルムカメラを買って、そのカメラがもうかわいくて。現像に出したり、失敗したりするのがすごく楽しい。ギターも好きだし、バイクに乗るのも、(愛犬の)クルミちゃんが大好きだったり、より趣味を楽しんでいて、時間が足りません!」そして、「仕事も楽しくて、すごく充実しています」と続ける草なぎ。「この『サバカン』に出会えて幸せですし。未来を感じる作品だと思っていて、若い少年たちが余すことなくいい演技を見せてくれて、金沢知樹監督もメガホンとったのが初めてですが、すごい才能を持っている方だと思っていて、いろんな意味でみんながここから出発できると思っています」と述べ、「『サバカン2』はホタテ缶でも、カレーライスでもいいのかなと。監督カレーライスが好きなので。監督は食べ物の名前でどんどん映画を撮っていったらいいと思います」と提案した。さらに、「すごい可能性と未来を秘めている作品。演技をしたことがない2人をずっと画面に登場させるって大挑戦だと思いますが、それをやっているというのが映画っぽくて大好き。和製の『スタンド・バイ・ミー』ですよ!」と熱く語り、「ギターを始めた頃、『スタンド・バイ・ミー』で練習したなって思い出しました。いつか(共演の)竹原ピストルさんと『スタンド・バイ・ミー』の弾き語りをやりたい!」と話した。そして、「この間はアメリカに行きましたが、いつも僕にスペシャルな思い出を作ってくれて、どの作品も、どの役も、生きる糧になる」としみじみ。これからもオファーを受けた作品と役に全力で向き合っていくつもりだ。「役が自分のところに舞い降りてくること自体が奇跡で、スペシャルなことが起きるというのは必然なんです。でもそれは自分が望んでも起きるわけではないので、そういう役や作品が自分のところに舞い降りてきてくれたときに、100%、120%の力を注ぐことができるように、健康つよぽんで! 毎日をちゃんとしっかりしたいと思います」さらに、少年時代の自分にどんな言葉をかけたいか尋ねると、「『人生最高だから、友達とか大事にしろよ。父ちゃん母ちゃんも大事にしろよ』って言いたい」と回答。また、新しい地図の活動をともにしている香取慎吾と稲垣吾郎について「慎吾ちゃんも吾郎ちゃんも新しい映画を撮っていたみたいで、いい感じに3人とも映画が控えているというのがうれしいですね」とにっこり。「これからもよろしくね! これからもいろんなところを冒険しようね!」と2人にメッセージを送った。なお、香取主演の映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』は9月23日公開、稲垣主演の映画『窓辺にて』は11月公開予定。また、10月には草なぎと香取の二人芝居公演『burst!~危険なふたり~』が控えている。さらに草なぎは、2023年1月期のカンテレ・フジテレビ系ドラマで6年ぶりに連ドラ主演を務めることも発表されており、どのような演技を見せてくれるのか今後の作品も楽しみでならない。■草なぎ剛1974年7月9日生まれ。91年にCDデビュー以来、数々の名曲を世に送り出し、『NHK紅白歌合戦』に23回出場。17年9月に稲垣吾郎、香取慎吾と「新しい地図」を立ち上げた。俳優、歌手、タレント、YouTuberなど幅広く活躍。近年の主な出演作は、映画『台風家族』(2019)、「第44回日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を受賞した『ミッドナイトスワン』(2020)、大河ドラマ『青天を衝け』(2021)など。NHK Eテレ『ワルイコあつまれ』、読売テレビ『草なぎやすともの うさぎとかめ』、NHK『ブラタモリ』(ナレーション)、bayfm『ShinTsuyo POWER SPLASH』、ABEMA『7.2新しい別の窓』にレギュラー出演中。
2022年08月17日フランスを代表する名女優カトリーヌ・ドヌーヴと、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞したブノワ・マジメルが共演した映画『愛する人に伝える言葉』の予告編が公開。フリーアナウンサー・笠井信輔がナレーションを務めた。予告編では、ブノワ演じる膵臓癌を宣告されるバンジャマンが、主治医から余命を告知され、カトリーヌ演じる母クリスタルの悲しみに暮れる姿が映し出される。バンジャマンは、名医ドクター・エデから「一緒に進みましょう」と声をかけられ、様々な葛藤に苛まれながらも、死と対峙していく。今回が初の映画予告編のナレーションだったという笠井さんは、「これは、末期がんを悲しむ映画ではありません。人生の終点までどう生きればいいのか?そして、どう見送ってあげればいいのかを優しく教えてくれるのです。がんサバイバーの私も希望と気づきを頂きました」とコメント。監督のエマニュエル・ベルコは「この映画は人生の讃歌だ」と語っている通り、本作は死を語ることで逆説的に生を描き、その尊さを見つめる作品となっている。『愛する人に伝える言葉』は10月7日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:愛する人に伝える言葉 2022年10月7日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© Photo 2021 : Laurent CHAMPOUSSIN - LES FILMS DU KIOSQUE
2022年07月15日フランスを代表する名女優カトリーヌ・ドヌーヴと、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞した演技派ブノワ・マジメルの共演で魅せる感動作『愛する人に伝える言葉』。このたび、フリーアナウンサーの笠井信輔がナレーションを務めた予告編が公開された。フランスを代表する名女優カトリーヌ・ドヌーヴと、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞した演技派、ブノワ・マジメルの共演によるこの物語は、癌を宣告された主人公とその母親が、限られた時間のなか「人生のデスクの整理」をしながら、穏やかに死と対峙していく過程を感動的に描く。監督は、『太陽のめざめ』でカンヌ国際映画祭のオープニングを飾ったエマニュエル・ベルコ。主人公を献身的に看病し、愛情を寄せる看護婦役には、『モンテーニュ通りのカフェ』などで知られるセシル・ド・フランス、そして主治医のドクター・エデ役には、実際に現役の癌専門医であるガブリエル・サラが扮している。笠井信輔がナレーションを務める予告編は、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞したブノワ・マジメル演じるバンジャマンが、主治医から余命「半年から一年」と告知され、カトリーヌ・ドヌーヴ演じる母のクリスタルの、悲しみに暮れる姿が心を打つシーンから始まる。人生半ばで膵臓癌を宣告されたバンジャマンは、名医として知られるドクター・エデから「一緒に進みましょう」と声をかけられ、教師として、母の愛を受ける子供として、そして父親として、様々な葛藤に苛まれながらも、死と対峙していく過程が穏やかに描かれてゆく。映画予告編のナレーションは初めてという笠井。自身も悪性リンパ腫という重篤な病にかかり、4か月半の入院経験を持つ。本作については「これは、末期がんを悲しむ映画ではありません。人生の終点までどう生きればいいのか?そして、どう見送ってあげればいいのかを優しく教えてくれるのです。がんサバイバーの私も希望と気づきを頂きました」とコメントを寄せる。「この映画は人生の讃歌だ」と監督エマニュエル・ベルコが語るように、本作は死を語ることで逆説的に生を描き、その尊さを見つめる感動作となっている。なお、ムビチケは本日、7月15日(金)より発売開始。『愛する人に伝える言葉』10月7日(金)より公開
2022年07月15日第78回ゴールデン・グローブ賞コメディ/ミュージカル部門で作品賞、主演男優賞にノミネートされた映画『パーム・スプリングス』(20)が、映像配信サービス・dTVで配信開始した。昨年1月のサンダンス映画祭で上映され、注目を集めた同作。米カリフォルニア州のリゾート地パーム・スプリングスを舞台に、タイムループに巻き込まれた男女が恋に落ち、真実の愛に目覚めていくという一風変わったラブコメディだ。コメディ・グループ“ザ・ロンリー・アイランド”の中心人物で、テレビシリーズ『ブルックリン・ナイン–ナイン』で主役と製作を兼任しているアンディ・サムバーグが、主人公のナイルズを演じ、ヒロイン・サラをクリスティン・ミリオティ、謎の老人をJ・K・シモンズが演じている。
2022年07月11日第75回カンヌ国際映画祭で主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞した『ベイビー・ブローカー』の凱旋記者会見が13日に都内で開催され、メガホンをとった是枝裕和監督が出席。授賞式を振り返り「役者が褒められるのが一番うれしい」と語った。本作は、是枝監督が長らく企画として考えていた“赤ちゃんポスト”を題材に、赤ちゃんを育てられずにポストに預けた女性、その赤ちゃんを、子供を欲しがる人に斡旋するブローカー、さらにはその事実を追う刑事というさまざまな視点から描いたヒューマンストーリー。男優賞のほか、キリスト教関連の国際映画組織がコンペティション部門のなかから「人間の内面を豊かに描いた作品」に与える「エキュメニカル審査員賞」も受賞している。受賞式の現場で、最優秀男優賞にソン・ガンホの名前が呼ばれたとき、是枝監督は「この映画の最高のゴールなんだなと気づきました」と胸に去来した思いを述べると、これまで『万引き家族』でのパルムドールなど海外で数々の映画賞を受賞しているが「役者が褒められるのが一番うれしい」と語った。続けて是枝監督は「(『誰も知らない』で男優賞を受賞した)柳楽(優弥)くんのときは、彼はすでに日本に帰っていて、現地には僕しかいなかった。受賞してあの場で(ソン・ガンホと)抱き合ったのは初めてでした」と特別な夜だったことを明かしていた。6月8日に韓国で公開されると、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』や『犯罪都市2』を抑えてオープニング興収1位を記録。是枝監督は「単館映画から始めた監督が、今回1600スクリーン規模という大きな興行。僕のキャパを超えていると思っていたので、結果にはホッとしています」と笑顔を見せると、カンヌから韓国に凱旋したとき、空港に多くの人が詰めかけたことに「ソン・ガンホさんは改めて国民的スターだなと感じました。オリンピックでメダルを取る以上なんだなと思いました」と語っていた。今後について「まだこの作品の総括できていない」と前置きすると「受賞後のパーティーは、結構気軽に審査員と話をしたりできるのですが、ハビエル・バルデムと目が合ったら指を差してくれて……。ほかにもジェイク・ギレンホールやマッツ・ミケルセンとか、そういう人たちを頭のなかで組み合わせて、こんな物語はどうだろう……みたいなことを考えていました。もちろん、今すぐにとかいうのではなく“いずれチャンスがあれば”ですよ。この言葉は削らないでくださいね」と強調していた。
2022年06月13日【前編】「歌を歌って」息子が歌手目指すきっかけ作った耳の聞こえない母からの“お願い”より続く第94回アカデミー賞で、作品賞・助演男優賞・脚色賞の3部門を受賞した『コーダあいのうた』(以下、『コーダ』)。タイトルのコーダとは、“Children of Deaf Adults”の頭文字で、聴覚障がいの親を持つ子どものこと。映画は両親と兄の4人家族の中でただ一人だけ耳が聞こえる主人公の少女が、通訳として家族を支えながら歌うことへの夢を追う、コーダとしての葛藤を描いた物語だ。「映画では、家族が聞こえず少女ひとりだけ聞こえる話ですが、私の場合は、家族みんなが聞こえて、私だけが聞こえない。だから、家族とぶつかる少女の気持ちがよくわかります」そう語るのは、重度聴覚障がい者の安藤美紀さん(52)。口の形を見て、相手が話していることを読み取ったり、言葉を話すことはできるが、生まれつき耳は全く聞こえない。映画では、コーダとして育つ少女にスポットライトが当たっている。耳の聞こえない人の子育ては、どのようなものなのだろうか?美紀さんは、そもそも子供を産むこと自体、周囲から猛反対されたという。「それでもこの子を産みたいという気持ちがとても強かったので、どれだけ反対されても産もうと思いましたね。なぜ反対するのときいたら、聴こえないから、とだけで片付けられて、それはすごく嫌でした」意を決して出産した美紀さんだが、子育てには不安がつきまとった。「夜寝るときはとくに、赤ちゃんが泣いてもわからないのが心配でした。それで、動いたらわかるように、毎晩赤ちゃんと私の手をハンカチで縛って寝ていました。でもそのうち、泣くよりも私の体に触れたほうが気付いてもらえると、自然にわかったみたいです。寝返りができるようになると、私の体に当たったり、ミルクを飲みたいときは哺乳瓶をトントンと叩いたり。赤ちゃんってわかるんだなぁと感心しました」また、唇を読み取って相手の言葉を理解する美紀さんには、思春期の息子の“照れ”はコミュニケーションをとる際の大きなハードルとなった。「小学校6年生までは私の顔をみて、口の形が見えるようにお話をしてくれたんですけど、だんだん大きくなると、恥ずかしいというか、私の目をちらちら見ながらも、あいまいな言葉が増えてきました。それで、『なに?もう一回言って』というと、『もういいよ!』と言われてしまって。携帯のメールでやりとりするようにして、乗り越えましたね。あと、一成はお腹が空いているとイライラするので、先にご飯を食べさせてから、話しかけたり(笑)」反抗期に一成さんが喧嘩をして帰ってきても、美紀さんは決して一成さんを責めなかったという。「普通は、怒られると思うんです。母は、なんでそうなったの、きちんと理由を聞いてくれる。それが僕にはありがたかった。なぜ、こんな喧嘩になったのかと、大丈夫?と聞いてくれた。とても優しかったし、母をみて聴こえない人になにか届けたいと思ったのも、母のやさしさを感じていたからだと思います」(一成さん)“毒親”“親ガチャ”という言葉が流行し、障がいのあるなしに関係なく、親子関係に問題を抱える人も少なくない時代。そんな中で、一成さんはさらりと「母を尊敬している」と話す。「音を伝える役目のあるコーダだからこそ、母とのコミュニケーションは普通の子どもよりも密です。母はいつも、やりたいことはやってみなさいと応援してくれました。凄まじい努力をしてきた母が味方だと思うと、自信がもてますし、安心感があります」(一成さん)いま、親子で聴導犬の普及活動などを行うNPO法人MAMIE(マミー)を運営し、美紀さんが座長を務める舞台「みきまる座」で、一成さんは音楽や映像を担当する。美紀さんは言う。「わたしも自分の親といろいろあって、理解しあうまでにすごく時間がかかりました。だから、家族ってなんだろうなあ、聴こえる聴こえないってなんだろうなあと、お互いに分かり合えないのかなあと心の中でずっと思っていたんです。だからこそ、子どもを信じ、何があっても大丈夫だよと子供のことを支えたかった。こんなお母さんでもあなたのそばにいますよと、安心感を与え続けることを何よりも大事にしてきたんです」
2022年06月04日第94回アカデミー賞で、作品賞・助演男優賞・脚色賞の3部門を受賞した『コーダあいのうた』(以下、『コーダ』)。タイトルのコーダとは、“Children of Deaf Adults”の頭文字で、聴覚障がいの親を持つ子どものこと。映画は両親と兄の4人家族の中でただ一人だけ耳が聞こえる主人公の少女が、通訳として家族を支えながら歌うことへの夢を追う、コーダとしての葛藤を描いた物語だ。じつは、日本にも映画と似た境遇の家族がいる。手話シンガーソングライターとして活動する安藤一成さん(27)の母、美紀さんは重度の聴覚障がい者だ。「息子の声は聞こえません。でも、歌っている姿はとても輝いています」そう語る美紀さんは、口の形を見て、相手が話していることを読み取ったり、言葉を話すことはできるが、生まれつき耳は全く聞こえない。しかし、一成さんが歌に親しむようになったのは、耳が聞こえない美紀さんからのあるお願いがきっかけだったという。「幼稚園の帰り道、自転車のうしろに一成を乗せると、私からは口の動きが見えず、おしゃべりをすることができません。話を聞いてあげられず申し訳ないと思って、『歌を歌ってほしい』とお願いしたんです。一成は喜んで、毎日歌うようになりました。歌が聞こえなくても、歌わせることが、私にできることだったんです。聞こえなくても、私のために一生懸命に歌ってくれていると思うと、心が暖かくなって、仕事の疲れが取れていくのを感じました」(美紀さん)母の背中を見ながら、全力で歌っていたことを一成さんも記憶しているという。そして、一成さんはどんどん歌うことが好きになっていった。美紀さんが、一成さんにとっての歌の大切さを感じた出来事がある。「一成は小学校3年生から歌のスクールに通っていたのですが、中学2年生のときそのスクールが閉校してしまったんです。スクールにいかなくなってから、一成は暗くてイライラするようになりました。やっぱりこの子は歌がないと、生きた心地がないのかなと思うようになったんです」一成さんにとって、歌がどれほど大切かを実感した美紀さんは通っていたスクールの恩師を探しだし、レッスンを再開してもらえるように頼み込んだ。「私は音楽のことはよくわからないんですけど、やっぱり一成には音楽が必要なのかなあと。そこで、この子には音楽の中で生きる環境を与えたほうがいいと思ったんです」一成さんが、歌を仕事にしたいと大阪芸術大学で歌を学ぶ演奏学科に進んだときも、「頑張って」と背中を押した。「私の行きたかった大学に進学してくれたので、それが嬉しくて。私は絵やイラストを描くので、美術学部で学びたかったんですが、母に反対されて叶いませんでした」(美紀さん)一成さんは、母にも歌を届けたいと思う気持ちで、いまは手話をつけて歌うようになった。「一成には、私の持っていない音楽を作る力があります。これからも色々な歌を歌い、多くの人を感動させてほしいと思っています」【後編】聴覚障がいの母が子育てで抱いた不安「赤ちゃんが泣いても気づけない」へ続く
2022年06月04日