アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)やマウリツィオ・ポリーニ(1942-)など、イタリアからは時折驚異的な天才ピアニストが出現する。その天才の系譜を受け継ぐ存在として注目されているのが、1979年トリノ生まれのジャンルカ・カシオーリだ。その才能の凄さは、1997年に発表されたデビュー・アルバムにもしっかりと刻まれている。18歳の無名の若者が世界最古のクラシックレーベルにして最高の権威を誇るドイツ・グラモフォンからデビューすること自体驚きである上にその内容が凄い。冒頭にベートーヴェンを置きながら、ヴェーベルン、シェーンベルク、リゲティ、ブーレーズと20世紀を代表する作曲家たちの作品をずらりと並べたプログラムはまさに圧巻。このメニューを手掛ける18歳のカシオーリも凄ければ、これを認めて発売に踏み切ったドイツ・グラモフォンも素晴らしい。そのカシオーリによるオールベートーヴェン・プログラムとなればこれは気になる。しかも前半はピアノ・ソロによる「6つのバガテル」&「ピアノソナタ第12番(葬送)」。後半はオーケストラのみによる劇付随音楽「シュテファン王」序曲に続いて「ピアノ協奏曲第2番」を披露するのだから、まさに“一粒で2度美味しい”カシオーリのステージが楽しめそうだ。●公演概要1月20日(月)すみだトリフォニーホール大ホール「ジャンルカ・カシオーリ&新日本フィルハーモニー交響楽団/トリフォニーホール・グレイト・ピアニスト・シリーズ」●ジャンルカ・カシオーリ(ピアノ)(C)silvia-lelli1979年、イタリアのトリノ生まれ。イモラのピアノ・アカデミーにおいてピアノをフランコ・スカラに、作曲と電子音楽をトリノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院にて学んだ。94年、ルチアーノ・ベリオ、エリオット・カーター、マウリッツィオ・ポリーニ、チャールズ・ローゼンといった音楽界の重鎮が審査員を務めるウンベルト・ミケーリ国際ピアノ・コンクールで優勝後、ヨーロッパの主要オーケストラから共演依頼を受け、以来、ヨーロッパ、北米、日本の主要な音楽都市で公演を行い、多くの著名オーケストラ、名だたる指揮者との共演は数えきれない。CDは、3枚をドイツ・グラモフォンよりリリース。02年にマリオ・ヴェンツァーゴ指揮バーゼル交響楽団とシューマンの「ピアノとオーケストラのためのファンタジー」(ピアノ協奏曲イ短調作品54のオリジナル・バージョン)をレコーディング。05年にはショパンの4つのスケルツォをデッカよりリリースしている。2007/08シーズンはベルリン・ドイツ交響楽団、ベルリン交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団などと共演。また、カシオーリは指揮者・作曲家としても目覚しい活躍をしており、カンマーオーケストラ・ベルリンではモーツァルトとシューベルトのプログラムを指揮。00年11月の日本ツアーでは彼自身が作曲した《ピアノ変奏曲》の世界初演を行い、01年にはヴァイオリン奏者ステファノ・モロと自作の《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》の初演を行った。自作の《ピアノフォルテのためのソナチネ(2004)》の初演は04年9月のハンブルク音楽祭で行われ、05年3月にはウィグモア・ホールでイギリス初演が行わている。
2020年01月09日来年2020年のクラシック界は、“ベートーヴェン生誕250年”で盛り上がること必至。そのメモリアルイヤーを先取りして楽しめるのが、ベートーヴェンの9つの交響曲を1番から9番の「第九」まで一晩で聴いてしまおうという「ベートーヴェンは凄い!第17回 全交響曲連続演奏会2019」だ。9曲全部といえばその長さも半端ではない。大晦日の13時にスタートするコンサートの終了予定時刻は何と23時55分。まかり間違えば年を越そうかと言う時間までベートーヴェンに浸り切るのだからものすごい。演奏は、“炎のコバケン”の異名を持つマエストロ小林研一郎率いる岩城宏之メモリアル・オーケストラ。コンサートマスターをNHK交響楽団のコンマス篠崎史紀が務める超スペシャルな集団だ。更に凄いのは、横山幸雄(ピアノ)が演奏する、リスト編曲による(「第九」の第4楽章より)が披露されること。このベートーヴェン尽くしの凄まじいコンサートは、まさに演奏者と聴衆の根比べ。乗り切った暁には素敵な2020年が待っているに違いない。●公演概要12月31日(火)東京文化会館 大ホール「ベートーヴェンは凄い!第17回 全交響曲連続演奏会2019」指揮:小林研一郎ソプラノ:市原愛アルト:山下牧子テノール:ジョン・健・ヌッツォバリトン:青山貴管弦楽:岩城宏之メモリアル・オーケストラ(コンサートマスター:篠崎史紀)合唱:武蔵野合唱団特別演奏ピアノ:横山幸雄
2019年12月23日「子どもたちに豊かな音楽体験を」という願いの下、2002年にスタートした日本初のこどものためのオーケストラ定期演奏会「東京交響楽団&サントリーホールこども定期演奏会」では、大人たちが通う定期演奏会と同じように、毎回異なる指揮者が登場して年間4回のコンサートが開催される。2019年の最後を飾る第72回定期演奏会(12月15日:サントリーホール)のテーマは「リズム」。東京交響楽団正指揮者の飯森範親と同団首席チェリストの伊藤文嗣の共演でピアソラの『リベルタンゴ』が披露されるほか、「こども奏者」の参加による『美しく青きドナウ』、そしてラヴェルの『ボレロ』といったリズム表現豊かな作品が楽しめる。実は本格的な内容ながら、子供たちが集中してコンサートを楽しめるように、1曲は長くても15分、指揮者やソリストから作品や楽器についてのトークも入るこの公演。全体で約90分のコンサートを、司会の坪井直樹(テレビ朝日アナウンサー)がナビゲート。堅苦しくなく楽しい雰囲気の中で、本物の芸術に触れるひとときを、親子でも、大人だけでも過ごせるコンサートだ。※小学校1年生以上入場可●公演概要12月15日(日)サントリーホール東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」第72回『リズム』
2019年12月10日全国津々浦々、おいしいもの探検!ここでは、沖縄と九州各県のおいしい手みやげをご紹介。独断と偏見で、気になる“おいしい”を選びます!沖縄:金城かまぼこ店『じゅーしー&ブラック』各4個 計8個入り¥2,550*税込み白身魚の練り物に全卵を混ぜ、油で揚げる石垣島の八重山かまぼこ。昔ながらの作り方でかまぼこを作るこちらのお店の人気商品は、炊き込みご飯のじゅーしーをかまぼこ生地で包んで揚げた〈じゅーしーかまぼこ〉。黒いほうは、イカ墨かまぼこの中にドライカレー風味のじゅーしーをイン。取り寄せ可。(金城かまぼこ店 TEL:0980・82・3084)福岡:ポテトハウス『ポテトチップ』奇跡のスパイス味100g¥320(店舗により異なる)かつて福岡に米軍基地があった時代、基地関係者から習ったという手作り&厚切りにこだわって作られているポテトチップス。材料はもちろん国産じゃがいも100%で、こだわりの味付けは職人による完全手作業!味の種類は常に10種類以上あり、九州しょうゆなど珍しいものも。取り寄せ可。(ポテトハウス TEL:092・204・7773)佐賀:北島『マーガレット・ダ・マンド』¥2,500なんと創業は元禄9年、幕末にお菓子屋に転業し、以来今までお菓子を作り続けているこちらのお店。「マーガレット・ダ・マンド」はアーモンドパウダーをふんだんに使って焼き上げた一見シンプルなケーキですが、一口食べれば、アーモンドとバターと卵のリッチな風合いにうっとり。取り寄せ可。(北島 TEL:0120・26・4161)熊本:スイス『リキュールマロン』5個入り¥1,800*税込み熊本発の洋菓子専門店として、’62年のオープン以来地元に愛されているお店、『スイス』。こちらの人気商品は、熊本産渋皮栗が入ったバタークリームをカステラ生地でたっぷりサンドし、洋酒の効いたシロップを染み込ませた、こぶし大ほどのずっしりサイズの洋菓子。お酒好きにぜひ!取り寄せ可。(スイス TEL:096・372・2938)長崎:佐護ヤマネコ稲作研究会『佐護ツシマヤマネコ米』450g(3合)入り各¥455日本海の西に位置する対馬だけに生息する天然記念物のツシマヤマネコは、最も絶滅の恐れが高い動物。猫の餌になるネズミやカエル、野鳥を増やすために稲作を始めたのが、米の作り手の皆さん。売り上げは猫のために使われ、米が売れれば田んぼも増加。いいことずくめ!取り寄せ可。(佐護ヤマネコ稲作研究会 TEL:0920・84・5333)大分:フジヨシ醤油『カトレア醤油』360ml ¥500咲き誇るカトレアの花が印象的なこの醤油は、かつおの旨味を効かせた高級だし入り醤油。コクと甘みがあるので、煮物などの料理に使うと味に深みが出ること間違いなし。現地大分では刺し身はもちろん、卵かけご飯の必需品。愛用者の編集部スタッフは茹で上げたうどんに一回しするのが定番。取り寄せ可。(フジヨシ醤油 TEL:0977・21・1006)宮崎:風月堂『元祖チーズ饅頭』6個入り¥946*税込み県内でこのお菓子を作る店が250軒ある、なんていう話もあるくらい、宮崎県民に愛されているチーズ饅頭。こちらのお店のチーズ饅頭は、表面はサクサク、内側がしっとり甘みのあるクッキー生地の中にクリームチーズ。地元の人は、冷やして食べたり、トースターでカリッと焼いて食べる人もいるとか。取り寄せ可。(風月堂 TEL:0984・22・2987)鹿児島:本家文旦堂『西郷せんべい』(小)2枚入り×4袋¥500鹿児島の偉人・西郷隆盛が大胆に描かれた箱の中に入った、西郷さんを模した洋風煎餅。驚くのはその大きさで、iPhone 11 Proくらいのサイズ感。幕末時代に180cmあったといわれる西郷さん並みのビッグサイズです。でも焼き印の顔がかわいいので、食べるのを思わず躊躇(笑)。取り寄せ可。(本家文旦堂 TEL:0995・63・5410)※『anan』2019年12月4日号より。写真・内山めぐみイラスト・SANDER STUDIO(by anan編集部)
2019年12月02日1947年の創立以来、70年以上に渡ってヨーロッパの主要放送交響楽団の1つとして素晴らしい演奏活動を行ってきたケルン放送交響楽団が、ワルシャワ生まれの名匠マレク・ヤノフスキに率いられて来日する。両者の共演は1983年にまで遡り、2018年2月にはヒンデミット作品集を録音をするなど、関係性は抜群。2018年9月からは待望のベートーヴェン・チクルスを開始し、同時にレコーディングも進めているというのだから楽しみだ。今回はドイツ本国で行われたベートーヴェン・チクルスの勢いをそのまま持ち込むかのような日本公演が期待できる。ソリストには、2015年のショパン国際ピアノ・コンクールの覇者チョ・ソンジンを迎え、ベートーヴェンの偉大さを知る上で、欠かすことのできない「交響曲」と「協奏曲」の代表曲を披露する。いよいよ間近に迫った2020年の“ベートーヴェン生誕250年”を、より身近に感じさせるステージがこれだ!●公演概要・11月21日(木)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル・11月25日(月)東京文化会館 大ホール・11月26日(火)サントリーホール 大ホール●マレク・ヤノフスキ (指揮)ワルシャワ生まれ。現代におけるドイツ伝統音楽の巨匠の一人。1939年ワルシャワ生まれ。ドイツで教育を受け、フライブルグ、ドルトムントの歌劇場で音楽総監督を務めた。ドルトムント在任中、その芸術性が高く評価され、ヨーロッパの主要な歌劇場に招かれるようになる。1970年代後半以降、世界の主要な歌劇場のうちヤノフスキが定期的に客演しない歌劇場は一つもないほどになり、その活躍の場はニューヨークのメトロポリタン歌劇場からミュンヘンのバイエルン国立歌劇場へ、シカゴやサンフランシスコからハンブルクへ、ウィーンやベルリンからパリへと広がった。これまでにフランス国立放送フィル音楽監督、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団首席指揮者、ベルリン・ドイツ響第1客演指揮者、モンテカルロ・フィル音楽監督、ドレスデン・フィル首席指揮者、ベルリン放送響芸術監督を務める。ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ブルックナー、ブラームス、ヒンデミット、および新ウィーン楽派の解釈では世界的に定評があり、この幅広いレパートリーを網羅する多数の優れた録音を残している。2018/2019シーズンには、ドレスデン・フィル、ベルリン・フィル、ケルン放送響、フランクフルト放送響、NDRエルプフィル、ライプツィヒMDR、スイス・ロマンド管、オスロ・フィル、N響、サンフランシスコ響などを指揮予定。現在ヨーロッパと北アメリカの主要なオーケストラで特に高い評価を得ており、楽団を世界的な一流オーケストラへと育て上げる手腕を持つ指揮者としても知られている。●チョ・ソンジン(ピアノ)(C)Harald Hoffmann DG圧倒的な才能と生来の音楽性で、急速に世界的な活躍を繰り広げているチョ・ソンジンは、同世代の中で最も際立つアーティストの一人と認められている。2015年ショパン国際ピアノコンクールで念願の優勝を果たし、国際的な脚光を浴びる。ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、2016年にリリースされた最初のCDには、ノセダ指揮ロンドン響との共演による、ショパンのピアノ協奏曲第1番と4つのバラードが収録されている。2017年にはドビュッシーのソロ・アルバム、続く2018年には、ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管との「モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ソナタ第3番、第12番」のアルバムがリリースされた。これらのアルバムは、いずれも世界中の批評家たちから非常に高く評価されている。●ケルン放送交響楽団(C)Marek Janowski1947年創立。以来70年以上に渡り、ヨーロッパの主要な放送管弦楽団のひとつとして地位を確立。広大なレパートリー、芸術的完成度をトレードマークとする。大都市ケルンの主要なコンサート・ホールや音楽祭と数多く提携し、海外ツアー、数々のCDのリリースなど、その活動はドイツのオーケストラ界を代表する存在として国際的に重要視されている。1964年より、C.F.ドホナーニ、G.ベルティーニ、S.ビシュコフを、2010/2011シーズンよりユッカ=ペッカ=サラステを首席指揮者に迎える。その指導の下、特にマーラー、ショスタコーヴィチ、R.シュトラウス、ラフマニノフ、ヴェルディ、ワーグナー作品で頭角を現し、世界各国で頻繁にツアーを行うようになった。また多数の現代作品の世界初演を行うことで音楽史に貢献。これまでにストラヴィンスキー、ベリオ、ヘンツェ、シュトックハウゼン、カーゲル、リーム、ヴィトマン、ペンデレツキといった偉大な作曲家が自作を指揮している。さらに、テレビ・ラジオ放送、デジタルメディア、教育プログラムを通してクラシック音楽の普及に邁進している。1983年、指揮者マレク・ヤノフスキと初共演。2018年2月には、ヤノフスキと同団による、ヒンデミット作品を収録したCDがペンタトーンからリリースされた。また2018年9月よりベートーヴェン・チクルスを開始。初めてとなるベートーヴェン作品のレコーディングを進めている。2019年2月ヤノフスキ80歳の誕生日には、ソリストにチョ・ソンジンを迎え、ベルリン・フィルハーモニーでのコンサートを含むドイツ全国のツアーを敢行した。※関連公演・11月21日(木)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル・11月25日(月)東京文化会館 大ホール・11月26日(火)サントリーホール 大ホール
2019年11月14日来る2020年2月7日(金)から19日(水)、ロシアの巨匠ラザレフ率いる日本フィルハーモニー交響楽団が九州各地を訪れる。県庁所在地7か所全てに加え、小倉、大牟田、唐津の総計10会場で演奏。海外公演にも匹敵する大規模ツアーだ。【チケット情報はこちら】1975年以来、45年目を数える毎年恒例のこの長期遠征は、開催地のホールが主催する公共事業ではない。日本フィルを聴きたい地元の音楽好きが実行委員を組織して、ホールを借り、手弁当で開くコンサートなのだ。指揮者ラザレフと二人三脚で現在の日本フィル復興を成し遂げた平井俊邦理事長いわく、「本当に苦しかったとき、九州の方々が日本フィルを呼んでなんとか助けようと始まりました。訪れる各地に実行委員会があり、1年前から準備を始め、企画、チラシ、チケット販売まで、地元ボランティアと日本フィルが一緒になって作っています」無論、どんなに社会的な意義があろうが、音楽がダメならそれまで。ラザレフと来るならこれ、という地元のリクエストに日本フィルが自信を持って応えたプログラムには、重厚なドイツ音楽の大作と、ボリショイ劇場音楽監督も務めた指揮者が十八番とするロシア音楽とが並ぶ。生誕250年を祝うベートーヴェンの巨大なヴァイオリン協奏曲を独奏する堀米ゆず子は、「譜面は簡単に見えますけど、ひとつの音を間違えても全然ダメになる落とし穴があり、弾きごたえがあります」と意欲満々。これまた超ヘビー級のブラームスのピアノ協奏曲第2番に挑む河村尚子も、「ラザレフさんとの初共演がブラームス第1番で、音楽の大きさ、雄大さ、流れなど、たくさん教えていただきました。ほとんど交響曲のこの曲をラザレフさんと共演でき、とても嬉しいです」聴き逃せないのは、プロコフィエフのバレエ組曲《ロミオとジュリエット》だ。ボリショイ劇場音楽監督を務めバレエ現場を知り尽くしたマエストロは、敢えて劇的な純粋管弦楽曲として再構築する。「プロコフィエフはバレエ音楽から3つの組曲を作り、第2組曲が最も人気があります。私たちは、第2組曲を《ジュリエットの墓の前のロミオ》で静かに終え、間を繋ぎ、最後は《ティボルトの死》で盛り上げます。筋からすると逆ですが(笑)、音楽だけを考えると悪くない」(ラザレフ)その音楽の熱さと精密さが世界でも高く評価され、今や日本発のブランドとなりつつある「ラザレフ指揮日本フィル」、九州各地でも本拠地東京と同じ真剣勝負が繰り広げられる。取材・文章:渡辺和
2019年11月08日今を遡ること20年前の1999年。NHKのドキュメント番組によってにわかに巻き起こったフジコ・ヘミング現象は本当に凄かった。しかし、クラシック界を席巻したこのブームも、他の現象と同様、時の経過とともに忘れ去られてしまのではと思われた方も多いのではないだろうか。しかし20年を経過した今もフジコ・ヘミングは健在だ。それどころか、今も世界各地からリサイタルのオファーが届き、年間70回近くものコンサートをこなしているというのだから素晴らしい。そのフジコが、MDRライプツィヒ放送交響楽団と共演する。1923年に創設されたこのオーケストラの歴代指揮者には、古くはカール・シューリヒトやヘルマン・アーベントロートといった巨匠たち、そして近年においては、イタリアのファヴィオ・ルイージや、日本でもお馴染みの準・メルクルなどの名匠が名を連ね、現在はクリスチャン・ヤルヴィが音楽監督を務めるというドイツ屈指の名門だ。プログラムには、映画『みじかくも美しく燃え』に使われたことでも有名なモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」のほか、“フジコの代名詞”と言えそうなリストの「ラ・カンパネラ」が用意されるなど、ファン必聴のステージに期待がかかる。もちろん注目の指揮者クリスチャン・ヤルヴィが手掛けるベートーヴェンの「交響曲第5番『運命』」やバッハ(メンデルスゾーン編曲)の管弦楽組曲にも興味津々。名曲名演奏に浸る素敵な時間が過ごせそうだ。●公演概要10月26日(土)神戸国際会館こくさいホール10月31日(木)神奈川県民ホール大ホール11月3日(日・祝)東京文化会館大ホール
2019年10月22日音楽監督の英国人指揮者ジョナサン・ノットが任期7シーズン目を迎える2020年度の東京交響楽団(東響)。すでに9月に発表されていた来季ラインナップについて、ノットも出席して記者会見を開いた(10月8日・ミューザ川崎)。【チケット情報はこちら】「これまでのシーズンを振り返り、そしてこれからの7年間を見据えて、私にとって大事なものをミックスして、ひとつに結晶させたようなプログラムを組んだ」(ノット)そのハイライトは2020年10月のワーグナー《トリスタンとイゾルデ》で決まりだろう。昨年まで3年連続で上演して好評を得たモーツァルトのダ・ポンテ三部作に続く、演奏会形式でのオペラ上演となる。東京定期(サントリーホール)と川崎定期(ミューザ川崎)で、第1幕と第2&3幕に分け、それぞれ中5日で上演する。じつはノットは息子さんに「トリスタン」と名付けたというほど、思い入れの強い作品なのだ。ノットは、この演奏会形式というスタイルが大好きなのだと語る。「オーケストラと歌手がステージ上でやり取りしてひとつの音楽を作り出せるのはとてもエキサイティング。ひとつだけ問題は音量。ピットよりも抑えて演奏しなければならないので、難しい技術が求められる。しかし東響は、深みのあるmfやmpで、見事に歌手と対峙することができる。そこから生まれる、音量ではないパワーをを楽しんでいただけると確信している」題名役のトリスタンにブライアン・レジスター(テノール)、イゾルデにリサ・リンドストローム(ソプラノ)という、ワーグナー歌手として注目を集めるふたりを招聘する。演出がカウンターテナーの彌勒忠史というのも注目ポイント。声楽ファンには、2020年4月のウォルトン《ベルシャザールの饗宴》も見逃せない。合唱はノットが「この合唱に自信がある」と信頼を寄せる東響コーラス。日英交流年(UK in JAPAN 2019?2020)のスペシャル・プログラムで、十八番の英国音楽に、いまや日本を代表する藤倉大を組み合わせた。藤倉は英国在住。ノットとも周知の友人だ。同じ4月には、継続中のベートーヴェン交響曲シリーズが完結する。交響曲第2番にストラヴィンスキー《カルタ遊び》と、酒井健治のヴァイオリン協奏曲(独奏=辻彩奈)を組み合わせたプログラムも、ノットの面目躍如。邦人作曲家でいえば、ノットが矢代秋雄のピアノ協奏曲(独奏=小菅優)を振るのは実にうれしい(2020年11月/ブルックナーの交響曲第6番と)。客演指揮者陣も多彩。イタリア若手三羽烏のひとりミケーレ・マリオッティや、昨年東響で日本デビューのマキシム・エメリャニチェフ、2度目の定期登場のリオネル・ブランギエ、そして今年9月のブザンソン国際指揮者コンクールの覇者・沖澤のどかなど、中堅から新人まで若い力の積極的な起用も、近年の東響の勢いを感じさせる。楽しみなラインナップの全貌は、ぜひ楽団のホームページでご確認を。取材・文:宮本明
2019年10月09日クラシックの盛んなイギリスに於いて、“現在最もエキサイティングな指揮者”と讃えられるロビン・ティチアーティが来日公演を行う。2014年に、31歳の若さでイギリス伝統の音楽祭「グラインドボーン音楽祭」の監督に就任するなど、躍動感溢れる指揮ぶりと聴衆を魅了する音楽性によって、その評価はうなぎのぼりだ。今回は、2017年に音楽監督に就任したドイツの名門、「ベルリン・ドイツ放送交響楽団」を率いての来日公演となるのだから楽しみだ。しかも同公演に随行するソリストの顔ぶれがものすごい。三浦文彰(ヴァイオリン)、辻井伸行(ピアノ)、服部百音(ヴァイオリン)、森麻季(ソプラノ)、反田恭平(ピアノ)、高木綾子(フルート)、吉野直子(ハープ)と、日本のトップ奏者を散りばめた陣容は豪華絢爛。どれも聴き逃がせない公演のオンパレードだ。中でも注目は、10月9日に東京オペラシティコンサートホールで開催される森麻季との共演。リヒャルト・シュトラウスの『ドン・ファン』&『4つの最後の歌』とマーラーの交響曲第1番「巨人」を重ねたプログラムは、若きマエストロ、ティチアーティの実力を確認するのにうってつけ。ドイツの名門オーケストラが自国の作曲家の作品にかける思いにも興味津々だ。
2019年10月04日人気指揮者にして鍵盤楽器奏者の鈴木優人が、2020年4月1日より、読売日本交響楽団の指揮者/クリエイティヴ・パートナーに就任することが発表された。任期は2020年4月1日~2023年3月末までの3年間となる。鈴木優人と読売日本交響楽団の関係はといえば、2016年6月に行われた《読響アンサンブル・シリーズ》での鮮烈なデビューを皮切りに、2017年8月には《三大交響曲》を指揮。さらには、2019年4月の《名曲シリーズ》で手掛けたラモーやストラヴィンスキー作品においても高評価を得ていたことが思い出される。鈴木優人は、現在バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の首席指揮者を務め、国内各地のオーケストラを指揮するほか、チェンバリストやオルガニストとしても活躍中だ。バロック・オペラの分野では、17年のモンテヴェルディ:歌劇『ポッペアの戴冠』に続き、2020年10月にはヘンデル:歌劇『リナルド』を上演予定。調布国際音楽祭のエグゼクティヴ・プロデューサーとして腕を振るい、NHK-FM「古楽の楽しみ」にレギュラー出演するなど多岐に渡り活動中。クラシック界の未来を背負う逸材として今後の活動からますます目が離せない。●鈴木優人(c)読売日本交響楽団1981年オランダ生まれ。東京藝術大学及び同大学院修了。オランダ・ハーグ王立音楽院修了。第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。2018年9月よりバッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者に就任。2020年4月1日より、読売日本交響楽団の指揮者/クリエイティヴ・パートナーに就任予定。音楽監督を務めるアンサンブル・ジェネシスでは、オリジナル楽器でバロックから現代音楽まで意欲的なプログラムを展開する。指揮者としてアンサンブル金沢、九州交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー管弦楽団、広島交響楽団、読売日本交響楽団等と共演。今年11月にはNHK交響楽団にも初登場予定。2017年11月には、モンテヴェルディ生誕450周年を記念し、歌劇『ポッペアの戴冠』を国際的で魅力に富む歌手陣で上演。高い芸術性と優れたキャスティングを生かした躍動感を伴った上演はバロック・オペラの新機軸として高い評価を得た。
2019年10月02日毎年海外の名門オーケストラを招いて開催される「東芝グランドコンサート」。39回目となる2020年は、スウェーデンのエーテボリ交響楽団が、1985年生まれの新鋭指揮者サントゥ=マティアス・ロウヴァリとともに来日する。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番で共演するのが、パリを拠点に世界で活躍するピアニスト児玉麻里だ。「めったにない、素晴らしいアンサンブルで演奏するオーケストラです」【チケット情報はこちら】じつは児玉とエーテボリ交響楽団のつながりは密接だ。というのは、彼女の夫である指揮者ケント・ナガノが、2013~2017年に首席客演指揮者と芸術顧問を務めていたから。彼女自身も3年ほど前に、20世紀初頭に楽団の首席指揮者でもあった作曲家ヴィルヘルム・ステンハンマルのピアノ協奏曲を共演している。「海辺の街らしい、とても明るく勢いのある街です。その雰囲気はオーケストラにも通じていて、スカンジナビアらしい深みに、明るい勢いも持ち合わせたオーケストラです。そしてホールが素晴らしいんです。音響が良いだけでなく、バックステージに、楽員がアットホームに過ごせる環境が整っています。無料のカフェやバー、そしてたくさんのとてもきれいな練習室。みんないつもそこに入り浸って、大家族みたいな感じなんですよ。だから音も全員で一緒に作っているという感じで、和気あいあいとしたアンサンブルを聴かせてくれるのです」今回来日する指揮者ロウヴァリとは初共演。「とても楽しみです。よい噂しか聞きません。若くて勢いを持っているうえに、とても真面目で、すでに成熟した音楽家だと話題ですね。日本公演の前に2月にスウェーデンで同じプログラムを弾く予定です」ベートーヴェンの初期作品であるピアノ協奏曲第2番は、じつは第1番より先に作曲された、実質的には最初のピアノ協奏曲だ。「よくハイドンみたいで軽いと言われるんですけど、私はどちらかというと、すごく芯のある作品だと思っています。とても男性的。若いベートーヴェンの、理想と元気と夢が全部混ざった、とても機嫌のよい曲です。もちろんショパンみたいにフレキシブルに動いてはいけませんが、でも動かないと面白くない。動かないようで動いているような「間」。そのタイミングを、オケのひとりひとりと指揮者とソリストでやりとりして、同じ言葉で会話できれば、毎回舞台の上でちょっと違うことができます。そうなると、大きな室内楽みたいで、お客様も楽しいですね」思い入れがあるというこの曲。フォルテピアノで弾くために時代楽器の巨匠アンドレアス・シュタイアーにレッスンを受けたり、協奏曲全曲プロジェクトのときには、かねてからの師であるアルフレート・ブレンデルに夫婦で教えを受けたりと、すでに十分なキャリアを重ねてなお、謙虚に学ぶ誠実な姿勢を崩さないのは素敵なことだ。児玉が出演する公演は2020年3月に広島、東京、仙台で。楽しみでしかない。取材・文宮本明
2019年09月26日バターサンド専門店「プレスバターサンド(PRESS BUTTER SAND)」が2019年10月18日(金)、JR九州博多駅構内に九州初となる店舗をオープンする。「プレスバターサンド」は、焼きたてチーズタルト専門店「ベイク チーズタルト(BAKE CHEESE TART)」などを手がけるベイクの新業態として、2017年4月に東京駅構内に1号店が誕生したバターサンドの専門店。2019年9月現在は、国内10店舗で年間2,500万個以上のバターサンドを販売する人気店へと成長している。北海道産のフレッシュバターをたっぷりと使った看板商品のバターサンドは、バターそのものの味わいを堪能出来るように開発されたスイーツ。サクサク感が特徴のクッキーに、北海道産フレッシュバターを使用した濃厚なバタークリームと、口どけなめらかなバターキャラメルを挟み込むことで、それぞれの素材の良さが引き立つ味わいに仕上げた一品だ。同ブランドではバターサンドの食感を追求するに当たってオリジナルのプレス機を開発。和菓子の製造をルーツにもつ「はさみ焼き」と呼ばれる製法を採用し、ひとつひとつ丁寧にプレスすることで、北海道産オリジナルブレンドの小麦粉とフレッシュバターの豊かな風味が楽しめる。また、店舗のオープンを記念して、福岡県産の「あまおう苺」を贅沢に使った限定メニューの「バターサンド〈あまおう苺〉」が発売。サクサク食感のクッキーに挟んだのは、あまおう苺ジャムを練り込んだバタークリームと、あまおう苺の濃縮果汁を使用したキャラメル。口に入れる直前に漂うあまおう苺のふわっとした香りと、甘みと酸味が調和したバター&キャラメルの風味が楽しめる爽やかな一品となっている。【店舗情報】バターサンド専門店「プレスバターサンド(PRESS BUTTER SAND)」博多駅店オープン日:2019年10月18日(金)住所:福岡県福岡市博多区博多駅中央街1番1号JR九州博多駅構内営業時間:9:00〜21:00商品名/価格:・バターサンド 5個入/1,000円(税込)、9個入/1,710円(税込)、15個入/2,850円(税込)・バターサンド〈あまおう苺〉5個入/1,242円(税込)、9個入/2,235円(税込)・焼きたてバターサンド 1個/170円(税込)
2019年09月20日長崎・ハウステンボスで「第7回九州一花火大会」が、2019年9月21日(土)に開催される。「九州一花火大会」は、西日本最大級となる22,000発の花火を打ち上げる花火イベント。会場では、花火世界一を決める「世界花火師競技会」の決勝を実施。100年を超える歴史を持つ「山﨑煙火製造所」とロシアの「SLK FIREWORKS」による世界一の花火バトルを間近で見ることができる。さらに、全国の有名花火師たちによる繊細で芸術的な一尺玉の花火を競う「一尺玉品評会」や、大玉100発乱れ打ちなども実施される。イベントのクライマックスを飾るのは、名物となっている「大スターマイン」。5分間に 5,000発もの花火を打ち上げ、花火が連なる幅はなんと1km。0.1秒単位で音楽と花火が融合する圧巻の風景を楽しむことができる。【詳細】第7回九州一花火大会開催日:2019年9月21日(土)場所:ハウステンボス住所:長崎県佐世保市 ハウステンボス町1-1時間:19:00~21:00(予定)料金:特設公式WEBサイトを確認(【問い合わせ先】ハウステンボス総合案内(ナビダイヤル)TEL:0570-064-110
2019年08月30日ワーグナー音楽の聖地バイロイトから素敵なニュースが届いた。日本フィルハーモニー交響楽団首席指揮者ピエタリ・インキネンが、あの「バイロイト音楽祭」において超大作『ニーベルングの指環』全曲(2020年のニュープロダクション)の指揮を託されたというビックニュースだ。「バイロイト音楽祭」と言えば、古くはフルトヴェングラー、クナーパッツブッシュ、ベーム、カラヤン、サヴァリッシュ、マゼール、クライバーetc 現役でもバレンボイム、ヤノフスキ、ティーレマンといった歴史に名を遺す巨匠のみが指揮することを許された名門中の名門であり、まさにワーグナーの総本山。ワーグナーに魅了され、作品の演奏実績を着実に重ねてきたインキネンにとって、バイロイトでの指揮というのはこれ以上ないエキサイティングな出来事であり、名誉であることは想像に難くない。日本フィル広報から届いた知らせによれば、普段クールなインキネンにしては珍しく興奮気味のコメントからも、その喜びを感じることが出来るという。日本のクラシック界とも太い絆で結ばれたマエストロ、インキネンの新境地への船出を心から祝福したい。●ピエタリ・インキネン:コメントバイロイト祝祭劇場という唯一無二の環境で、音楽劇の究極の傑作を指揮する名誉を授かった数々の伝説の指揮者たちのリストに自分の名前を加えて頂くことができ、大変光栄に思っています。出演者及び聴衆の多くの皆様と同様に、私も人生の早い段階で、不治の病であるワーグナー熱にかかってしまった一人です。音楽祭の特別な雰囲気の中で、多くの優れた才能と深い経験を持つ音楽家と共にワーグナーに浸り、舞台をご一緒できるのは、舞台の上でもそれ以外のすべてにおいても、間違いなく私の音楽家としてのキャリアのハイライトとなるでしょう。*詳細: ●日本における【ベートーヴェン生誕250年記念】のツィクルスにも是非注目を!・【ベートーヴェン生誕250年Vol.1】第714回東京定期演奏会 サントリーホール2019年10月18日(金)19時、2019年10月19日(土)14時指揮ピエタリ・インキネン[首席指揮者]ピアノアレクセイ・ヴォロディンドヴォルジャーク:歌劇《アルミダ》序曲ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》・【ベートーヴェン生誕250年Vol.2】第351回横浜定期演奏会横浜みなとみらいホール2019年10月26日(土)18時指揮ピエタリ・インキネン[首席指揮者]ピアノアレクセイ・ヴォロディンベートーヴェン:交響曲第1番ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ドヴォルジャーク:交響曲第8番・第382回名曲コンサート サントリーホール2019年10月27日(日)14時30分指揮ピエタリ・インキネン[首席指揮者]ピアノアレクセイ・ヴォロディンベートーヴェン:交響曲第1番ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ドヴォルジャーク:交響曲第8番●ピエタリ・インキネン(C)吉田タカユキインキネンは、そのキャリアを通じて、ワーグナーの音楽と深く特別な関係にある。2013年に、オペラ・オーストラリアの初の『指環』チクルス(ニール・アームフィールド演出)を指揮して好評を博し、ヘルプマン賞(2014)の「ベスト・ミュージック・ディレクション」に選出された。2016年にはメルボルンを再訪し、同作の再演を指揮して、グリーン・ルーム賞の「オペラにおけるベスト・コンダクター」に選ばれている。2018年には同歌劇場で『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(カスパー・ホルテン演出)を指揮した。過去には、『ワルキューレ』と『ラインの黄金』をパレルモのマッシモ歌劇場でグラハム・ヴィック演出版を指揮し、イタリアの国立音楽批評家協会のフランコ・アッビアーティ賞の「ベスト・ショー」部門を、『ラインの黄金』で受賞。また、多くのコンサートでもワーグナーのオペラ作品を指揮しており、2020年には、彼にとって初となる『トリスタンとイゾルデ』をオペラ・クイーンズランドで指揮する。インキネンと長年共演し、2010年にEMIから発売され、高い評価を得たニュージーランド交響楽団とのワーグナーのアリア集の録音でも共演しているサイモン・オニールが主役を演じる。2017年9月より、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。また、日本フィルハーモニー交響楽団においては、7年間、首席客演指揮者として活躍した後、2016―17年シーズンより首席指揮者に就任している。2015年以来、プラハ交響楽団の首席指揮者も務める。2008年から2016年には、ニュージーランド交響楽団の音楽監督を務め、現在では同楽団の名誉指揮者となっている。また、2014年から2019年には、ルートヴィヒスブルク音楽祭の首席指揮者を務めた。客演指揮者としては、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団、南西ドイツ放送交響楽団、バイエルン放送交響楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニック、ピッツバーグ交響楽団、そしてイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と共演している。オペラの分野においても、ドレスデン国立歌劇場、フィンランド国立歌劇場、モネ劇場、ベルリン国立歌劇場、そしてバイエルン国立歌劇場で指揮している。インキネンは現在、ドヴォルザークとプロコフィエフの交響曲全集の録音を、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団と行っており、SWRミュージックより発売予定。また、同楽団の首席指揮者として、初となるワーグナー作品のCDは2019年8月9日にタイムリーなリリースが予定されている。そのファーストCDには、ワーグナーの『ジークフリート』からの抜粋も収録予定で、ソリストは、インキネンとも過去にワーグナーでの共演経験があり、ワーグナー歌手として評価の高いリーゼ・リンドストローム(ブリュンヒルデ役)とシュテファン・フィンケ(ジークフリート役)を迎えての録音となっている。
2019年08月16日東京都交響楽団と東京都は、2020年に向けて芸術文化都市東京の魅力を伝える取組「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の中核プログラムとして「TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL(トーキョー・メット・サラダ・ミュージック・フェスティバル)2019」(通称:サラダ音楽祭)を開催することを発表した【2019年9月14日(土)~16日(月・祝)】。これに付随したサラダ音楽祭の [スペシャルコンサート] を10月27日(日)に日比谷公園大音楽堂での野外コンサート(入場無料)およびワークショップ&ミニコンサートを開催。その詳細も決定した。*サラダ音楽祭公式サイト salad-music-fes.com●概要(1) 47年ぶりに都響が「野音」に帰ってくる!1964年の東京オリンピックのレガシーとして誕生した都響が「野音」で演奏するのは、1972年以来47年ぶり。2020年の1年前のいま、オリンピック・マーチ(1964)をはじめ、映画『スター・ウォーズ』の楽曲やアニメ、ミュージカル、ジャズ、クラシックの名曲をちりばめた上質な“ポップス”コンサートを開催。【SaLaDミニコンサート(鑑賞無料/申込不要)】都内の商業施設などで、無料ミニコンサートを開催!都響メンバーによる弦楽四重奏の他、新国立劇場合唱団による声楽アンサンブル、芸劇ウインド・オーケストラ・アカデミーメンバーによる演奏が楽しめる。
2019年08月12日毎夏の恒例、東京フィルハーモニー交響楽団の「ハートフルコンサート」が、30周年を迎える。ユニセフ親善大使・黒柳徹子のユニークなトークと、素敵な音楽に彩られたこのコンサートは、クラシック界における夏の風物詩。毎年楽しみにされているファンもたくさんいるに違いない。普段クラシックにあまり親しみのない方でも楽しめる“耳馴染みのある名曲”をセレクトしたプログラムも人気の秘密。今年は、尾高忠明の指揮で、スッペの喜歌劇『詩人と農夫』序曲、オッフェンバックの喜歌劇『天国と地獄』序曲、そしてグレン・ミラーの『ムーンライト・セレナーデ』にラヴェルの『ヴォレロ』などなど、ウキウキするような名曲のオンパレードだ。暑い夏のひとときを、涼しいコンサートホールで過ごす非日常の時間は格別です。(C)上野隆文■公演概要8月15日(木)東京芸術劇場コンサートホール「ハートフルコンサート2019」■出演尾高忠明(C)Martin Richardson指揮:尾高忠明管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団お話:黒柳徹子
2019年08月09日福岡・北九州にて「九州オクトーバーフェストin門司港」が開催される。期間は、2019年10月11日(金)から10月14日(月・祝)まで。2回目の開催となる「九州オクトーバーフェストin門司港」では、本場ドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェストを再現したイベント。会場では、このオクトーバーフェストの為だけに半年かけて造られた、普通よりも少しアルコール度数高く、モルトのコクが強い“オクトーバーフェストビア(フェストビア)”を味わえる。フェストビアは、初出店のホテルオークラ福岡を含む九州の地ビールメーカー5社の他、ドイツで造られたフェストビアも振る舞われるので、飲み比べをすることも可能だ。また、プレッツェルやソーセージといったドイツグルメ、宮崎の地鶏など九州のご当地グルメも充実。フェストビアにぴったりのフードと共に、楽しいひととき過ごしてみては。【詳細】「九州オクトーバーフェストin門司港」開催期間:2019年10月11日(金)~10月14日(月・祝)時間:11:00~21:00 ※初日のみ17:00~、最終日のみ~20:00会場:北九州市門司区東港町 門司港レトロ内 多目的広場、親水広場料金:チケット制 ※詳細は、公式ホームページで随時更新。【問い合わせ先】九州オクトーバーフェストin門司港 実行委員会TEL:093-332-5155
2019年06月20日2019年は、日本・ハンガリー外交関係開設150周年の記念年ということで、ハンガリー関連のコンサートが多数開催される中、ひときわ華やかな華やかな公演が、小林研一郎指揮、ハンガリー・ブダペスト交響楽団公演だ。小林が名誉指揮者を務めるこのオーケストラは、45年前に第1回指揮者コンクールで第1位を獲得した際に指揮して以来、長きに渡って共演を重ねてきた特別な存在だけに、感慨もひとしおであろうこと間違いなし。ソリストには、日本人の父とハンガリー人の母を持つ人気ピアニスト金子三勇士が登場するのも話題の1つ。プログラムには、小林研一郎が得意とするドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」&ハンガリー出身のピアノの鬼才フランツ・リストの「ピアノ協奏曲第1番」が予定されるほか、小林研一郎作曲の「ハンガリーへの想い」日本初演も行われるなど、日本とハンガリーの絆を感じる熱い時間が楽しめそうだ。小林研一郎 Ken-ichiro Kobayashi(指揮者,Conductor)東京藝術大学作曲科および指揮科卒業。第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞受賞。ハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィル)音楽総監督をはじめ、国内外のオーケストラの数々のポジションを歴任。ハンガリー政府よりリスト記念勲章、ハンガリー文化勲章、星付中十字勲章、ハンガリー文化大使の称号が授与されている。2011年文化庁長官表彰を受け、2013年には旭日中綬章が授与された。現在、日本フィル桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルおよび名古屋フィルの桂冠指揮者、読売日響の特別客演指揮者、群馬交響楽団ミュージック・アドバイザー(19年4月より)、九州交響楽団の名誉客演指揮者、東京文化会館音楽監督、長野県芸術監督団音楽監督、東京藝術大学、東京音楽大学およびリスト音楽院名誉教授、ハンガリー・ブダペスト交響楽団名誉指揮者などを務める。国内外のオーケストラへの客演も数多く、日本を代表する指揮者の一人である。金子三勇士 Miyuji Kaneko(ピアノ,Piano)ハンガリー・ブダペスト交響楽団 MÁV Budapest Symphony Orchestra1945年、ハンガリー国営鉄道によって設立される。ハンガリーならびにヨーロッパ各地で公演を行い、これまでにハンス・スワロフスキー、フランコ・フェラーラ、クルト・マズア、ヘルベルト・ブロムシュテット、ジェイムズ・レヴァイン等巨匠が定期的に登壇。日本からは小林研一郎が定期的に客演し、現在では名誉指揮者を務めている。この他、パヴァロッティ、キリ・テ・カナワ、ペレーニ、ゲリンガス、メニューイン等世界的な演奏家が客演している。CDはソニー、ナクソス等から多数リリース。
2019年05月15日「大九州うまいものと技紀行」を、西武池袋本店で2019年4月12日(金)から4月18日(木)まで開催する。12年目の開催を迎える「大九州うまいものと技紀行」。今回は"フルーツ"をテーマにパフェやジェラートなどのスイーツ、弁当や惣菜を用意。また、イートインコーナーではラーメンやちゃんぽんなども展開する。まずおすすめしたいのは、8種類のフルーツを使用したパフェ。マンゴーやいちごは陽射しをたっぷりと浴びて育った宮崎県産。ジューシーな果肉と鮮やかな彩りで南国気分が味わえるパフェは、各日200カップ限定なので早めに訪れたい。また、マスカルポーネのクリームとフルーツの果肉がごろごろと入ったフルーツサンドも必見。他にも、グァバやパッションフルーツのドリンク、あまおうミルクのジェラートなどここでしか味わえないスイーツが楽しめる。スイーツ以外にも、和牛とキウイを使用した弁当や、キウイのタルタルソースをかけたとり南蛮揚、みかんダレの焼き鳥串など、様々な形で"フルーツ"の味覚を堪能できる。【詳細】第12回 大九州うまいものと技紀行会期:2019年4月12日(金)〜18日(木)会場:西武池袋本店 7階 催事場住所:東京都豊島区南池袋1-28-1出店店舗:64店舗※最終日は16:30閉場
2019年04月09日パン専用の米粉「九州ミズホチカラ米粉」ふわふわ&しっとりのグルテンフリーパンが焼ける、パン専用の米粉「九州ミズホチカラ米粉」が、熊本製粉株式会社より新発売されました。美味しいパン作りへのこだわり「九州ミズホチカラ米粉」は、熊本製粉が長年の試作の末に辿り着いたパン専用の米粉。ふっくら&しっとりした焼き上がりを実現させるため、パン作りに適した米の品種と挽き方にこだわりました。製粉のパイオニアである同社だからこそ完成させることができた商品です。誰でも簡単に無添加パン作り「九州ミズホチカラ米粉」を使えば生地作りに複雑な工程は必要ありません。水や砂糖、塩、油、ドライイーストといったごくごく普通の素材に同米粉を加え、ホームベーカリーで焼くだけで完成です。グルテンや粘着剤といった添加物無しでも、ふわふわかつしっとりな米粉パンを楽しめます。また同商品は生産ラインに7大アレルゲン物質の持ち込み禁止を徹底しているため、アレルギーのある人でも安心です。同商品を使ったレシピは公式サイトで掲載されているため、参考にしてみてはいかがでしょうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※熊本製粉株式会社のプレスリリース※九州ミズホチカラ米粉
2019年03月23日首席指揮者ファビオ・ルイージとともに来日中の北欧の名門デンマーク国立交響楽団による「東芝グランドコンサート2019」。ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を弾くアラベラ・美歩・シュタインバッハーに話を聞いた。【チケット情報はこちら】作品は、ヴァイオリニストなら誰もが幼い頃から学ぶ、このジャンルの定番曲だ。「たくさんの思い出の詰まった、人生をともに歩んできたような曲です」初めて弾いたのは11歳の時。第2楽章で彼女がソロを聴こうと会場が静寂に包まれた瞬間、会場の教会の鐘が鳴った。「だから今でも、そこで耳の中に鐘が響きます(笑)」バイエルン国立歌劇場のコレペティートルだった父と、日本人声楽家の母との間にミュンヘンで生まれた。指揮者ファビオ・ルイージは父の劇場ピアニスト仲間として、彼女がまだ14歳の頃から顔見知りだった。「当時からとてもあたたかくてチャーミングな方でした。父は亡くなったけれど、自分の家族を知っている人とツアーをするのは格別なこと。とてもいい友情だと思っています」彼の指揮者としての魅力は、その豊富なオペラ経験にあるという。「父もよく、歌手は自由に歌うので、伴奏が難しいと言っていました。彼は一緒に『呼吸』してくれるので、私はとても自由に弾けるのです」彼女自身も「歌」の中で育った。「ピアノを弾く父の膝の上で、たくさんの歌手たちの歌い方や呼吸を聴いて育ちました。演奏家はみんな、歌の真似をしているのだから、私にとっては歌が先生です」幼い頃から夏休みは、葛飾区柴又の帝釈天近くの祖父母の家で過ごした。「親と離れて、祖父母に可愛がられて過ごすのだからパラダイスです(笑)!東京の蒸し暑い夏も大好き。やわらかい空気や言葉、食べ物。すべてが大切な思い出です」子供時代に1番好きだった日本食は、「カッパ巻き!(笑)その頃はお刺身が食べられなかったから。納豆だって食べられますよ!」帝釈天といえば「寅さん」だ。現在彼女が暮らすウィーンには、葛飾区と友好都市関係を結ぶフロリズドルフ区があり、そこには「寅さん公園」もあると伝えると、「今度行ってみるわ!」と目を輝かせた。公演の聴きどころを、「カラフルなコンビネーション」と語る。「デンマークのオケ、イタリア人指揮者、ドイツと日本の血を引く私。いろいろなバックグラウンドがミックスされるコンサートです。私が大好きなデンマーク家具のデザインを見てもわかるように、彼らはとてもクリエイティブ。すべてのものをシックに居心地よく作るのが得意で、全体を明確に構築して、その中に奇を衒わずにいろんなものを調和させることができるのです。今回も、音楽の中に調和を感じていただけると思います」3月19日(火)サントリーホール大ホール公演の後は、21日(木・祝)兵庫・22日(金)宮城を周る。取材・文:宮本明
2019年03月18日赤城乳業は、「ガリガリ君九州みかん」を2019年3月12日(火)から全国で発売する。「ガリガリ君九州みかん」は、九州のみかん果汁を使用したアイスの中に、みかん味のかき氷をいれたフルーティーなアイスキャンディ―。ガリガリっとした食感を楽しみながら、噛むほどにみかんのさっぱりとした味わいを感じることが出来る。またパッケージには、九州にちなんで、熊本県の人気マスコットキャラクター“くまモン”が描かれている。なお商品の発売に先駆けて、3月9日(土)・10日(日)に熊本市民会館で開催される「くまモン誕生祭2019」では、「ガリガリ君九州みかん」が無料配布される。【詳細】「ガリガリ君九州みかん」発売日:2019年3月12日(火)価格:70円+税※売り上げの一部は熊本地震復興支援として寄付される■くまモン誕生祭2019で無料配布開催スケジュール:・3月9日(土)第1部10:00~/第2部16:30~・3月10日(日)第3部10:00~/第4部16:00~場所:熊本市民会館住所:熊本県熊本市中央区桜町1−3【問い合わせ先】赤城乳業株式会社TEL:0120-571-591お客様相談室(9:00~18:00 日曜日を除く)
2019年03月10日ハウステンボスは、「春の九州一花火大会」を2019年3月30日(土)に開催する。「春の九州一花火大会」は、九州最大規模、20,000発の花火を打ち上げる春の花火イベント。今回は、「世界花火師競技会」の歴代チャンピオンである「ワキノアートファクトリー」社と「マルゴー」社の2チームによる、芸術的な花火のエキシビションや、有名なアニメソングに合わせて花火を打ち上げる「アニソン花火」を実施。さらに、『ワンピース』バギー役の千葉繁、『ドラえもん』骨川スネ夫役の関智一、『カードキャプターさくら』李小狼役のくまいもとこ、『クレヨンしんちゃん』マサオ役の一龍斎貞友といった豪華声優陣によるトークショーも開催され、イベントを盛り上げる。花火大会のクライマックスを飾るのは、いくつもの花火を組み合わせて短い時間で大量の玉を連続で打ち上げる「大スターマイン」。フィナーレには、5分間で約4,000発もの花火が打ち上がり、700mにもわたって花火が連なる、ダイナミックな風景を楽しめる。当日は「春の九州一花火大会」の他、世界最大1,300万球のイルミネーション「光の王国」や、日本最多700品種が集結する「100万本の大チューリップ祭」など、様々なイベントを同時開催。子供から大人まで楽しむことのできるイベントが目白押しとなっている。【詳細】ハウステンボス 春の九州一花火大会開催日:2019年3月30日(土)場所:ウォーターマークホテル前会場(トークショー開催)、ロッテルダム会場 ※ロッテルダム会場では大型ビジョンでトークショーを生中継。住所:長崎県佐世保市ハウステンボス町1-1料金・チケット:花火特別観覧チケットあり、詳細は公式サイトに記載■スケジュール:19:15~19:55 エキシビション花火20:00~20:30 豪華声優陣によるトークショー20:30~21:00 アニソン花火、クライマックスは大スターマイン21:00 終了予定※当日、ハウステンボスは24:00まで営業【問い合わせ先】ハウステンボス総合案内TEL:0570-064-110
2019年03月01日ピアニストの横山幸雄が、3月12日(火)東京・サントリーホールで「東芝グランドコンサート2019」に出演。ファビオ・ルイージ指揮デンマーク国立交響楽団との初共演で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》を弾く。【チケット情報はこちら】ピアノ協奏曲第5番はナポレオンがウィーンを占領した1809年に完成、1811年にドレスデンで初演された、ベートーヴェンの最後のピアノ協奏曲。「ベートーヴェンのピアノ協奏曲といえば《皇帝》でしょ?というぐらいの代表作。若い頃から書き始めて、ついにここに到達したと言える作品だと思います。ベートーヴェンが自分でこれを最後にしようと思っていたかどうかはわからないですけれども、ひとつの到達点として意識して書いたのではないかという感覚は、僕の中にはあります」私たちの持つ「ピアノ協奏曲」のイメージを決定づけたのがこの作品だという。「バロックの時代に、チェンバロとアンサンブルというところから始まって、ベートーヴェンの時代にピアノが飛躍的に発達したことで、ピアノという楽器がソロ楽器として前面に出てくるようになった。ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でも、特にこの第5番で、楽器としてのピアノの扱いがかなりスケールアップしています。この曲によって、ピアノ協奏曲のあり方、スタイルが確立したと言えるのです」ソナタ全曲演奏や、ピアノ協奏曲全5曲の一挙上演など、ベートーヴェンへのリスペクトをエネルギッシュに解放する横山が、ベートーヴェンと最初に出会ったのは、まだ物心がついたばかりの子供時代だったという。「家にレコードがあって、よく聴いていたのがベートーヴェンでした。だから僕の、音楽との最初の意識的な出会いというのはベートーヴェンが非常に大きかったんですよ。ピアノ協奏曲はブレンデル。ソナタはバックハウス、ときどきリヒテルという感じで。朝起きて、寝る前に、食事のとき……。1日に何度も聴いていました」。まさに「三つ子の魂百まで」!趣味の域を超えたワイン通としても知られる横山。《皇帝》をワインにたとえると?「それは変なことは言えませんね(笑)。どんな演奏かによっても違ってくるかもしれませんし。でもお遊びとしてオーバーラップさせるならば、輝かしさと力強さがあって、わかりやすい。だからといって飽きることもない。でも第2楽章の天国的な美しさがあるので、単純に“力強い”“わかりやすい”だけでもない。いろんな素晴らしさを持ち合わせているということで……。うーん。やっぱり非の打ちどころがない、ロマネ・コンティでしょうか。でも、《皇帝》は演奏される機会も多いから、その意味では、なかなか口にできる機会がないロマネ・コンティとは違うかもしれませんけれども(笑)」軽く100万円を超える最高峰ワインにはなかなか縁がない私たちも、横山幸雄の《皇帝》は聴きに行ける。力強く、高貴なベートーヴェンの最高峰を味わいに出かけよう。取材・文:宮本明
2019年02月18日2月9日(土)、サントリーホールで行われる東京都交響楽団プロムナードコンサートでは、小泉和裕と川久保賜紀による、季節を彩る演奏が楽しめそうだ。【チケット情報はこちら】川久保賜紀がチャイコフスキー国際コンクールで最高位、サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝してから、15年以上が経つ。その後、同世代の音楽家とピアノ・トリオを結成したり、タンゴの演奏に取り組んだりと演奏家としての幅を広げつつ、現在もソリストとして第一線で活躍しているのは多くの方がご存知の通りだ。ヴァイオリン協奏曲のなかでチャイコフスキーと並んで人気の高いシベリウスは、川久保が昔からレパートリーにしている作品のひとつ。続いて演奏される《冬の日の幻想》と曲の冒頭がそっくり、という共通点をもった凝ったプログラミングと合わせてお楽しみいただきたい。チャイコフスキーの交響曲第1番を小泉和裕が都響で取り上げるのは、今回を含めてなんと3回目。同じチャイコフスキーの交響曲でも第2番や第3番より演奏している点を鑑みれば、小泉の思い入れが伝わってくる。初期の作品ではあるが、チャイコフスキーらしい哀愁と情熱が詰まった名曲であることを、小泉による重厚な音楽づくりで気づけるはずだ。公演のチケットは発売中。文:小室敬幸(音楽ライター)
2019年02月01日テレビ朝日系「ミュージックステーション」3時間スペシャルが2月1日(金)今夜オンエア。先日2020年での活動休止を発表した「嵐」が東京フィルハーモニー交響楽団とコラボ、またコンサートでも定番の名曲「感謝カンゲキ雨嵐」もパフォーマンスしてくれる。大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤の5人で結成されに1999年にデビュー、グループとしてこれまで数々の記録を塗り替え、5人それぞれが俳優やニュースキャスターなど個人でも大きな活躍をみせてきた「嵐」が今回は東京フィルハーモニー交響楽団をバックに、相葉さん主演ドラマ「僕とシッポと神楽坂」の主題歌「君のうた」を歌い上げる。また2000年11月にリリースされた4thシングルでコンサートの定番曲としてファンに愛されている「感謝カンゲキ雨嵐」も披露する。今回の「君のうた」コラボに当たり二宮さんは「トップクラスの楽団の方々と一緒にやらせていただけるなんて光栄です」、大野さんと相葉さんは「やっぱり迫力が違いますよね」「豪華すぎて緊張します…」、櫻井さんも「生楽器に感じられる音圧が好きです」、松本さんも「いつもとはまったく違うパフォーマンスになると思うので、とても楽しみにしています!」とそれぞれ喜びや意気込みなどをコメント。また重岡大毅、桐山照史、中間淳太、神山智洋、藤井流星、濱田崇裕、小瀧望の7人による「ジャニーズWEST」は最新曲「ホメチギリスト」をテレビ初披露。「サビの振り付けを覚えて、ぜひ一緒に!」とメンバーが口を揃える特徴的なステップとダンスに注目しつつ、デビュー5周年を迎え改めて勢いづく7人の元気なパフォーマンスをお楽しみに。そのほか「THE YELLOW MONKEY」が「太陽が燃えている」を、大塚愛は「さくらんぼ」を、「ORANGE RANGE」は「花」を、「ZARD坂井泉水&倉木麻衣」が「負けないで」を、「GENERATIONS」が「AGEHA」を、Superflyが「Force」を、「乃木坂46」が「シンクロニシティ」を、秦基博が「ひまわりの約束」をそれぞれ披露するほか、「嵐」とコラボする「東京フィルハーモニー交響楽団」も「ドクターXのテーマ」を演奏する。テレビ朝日開局60周年「ミュージックステーション」3時間スペシャルは2月1日(金)19時~テレビ朝日でオンエア。(笠緒)
2019年02月01日ジャムホームメイド(JAM HOME MADE)より、映画『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』の公開を記念したコラボレーションリングが登場。2018年11月10日(土)より、予約の受付がスタートとなる。全てハンドメイドで製作されたジュエリーには、素材にプラチナを使用。稜線が交わらないよう、ねじり加工が施されたリングは、“2つの世界が交わらない”という、新劇場版第2部のストーリーとリンクさせたデザインとなっている。さらに、2009 年に公開された映画『交響詩篇エウレカセブン −ポケットが虹でいっぱい−』、2012年に放映されたTV版の続編『エウレカセブンAO』において製作されたアクセサリーシリーズの再受注を期間限定で開催。作品の世界観が表現されたアクセサリーを是非手にしてみてはいかがだろうか。【詳細】ジャム ホーム メイド×映画『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』予約開始日:2018年11月10日(土)販売店舗:ジャム ホーム メイド 東京店、ジャム ホーム メイド オンラインショップ、ジャム ホーム メイド ZOZOTOWNショップ価格:・EUREKA SEVEN HI-EVOLUTION <約束の指輪> 20,000円+税■過去コラボレーションアイテム(予約受付中)・レントンネックレス 13,000円+税・エウレカネックレス 11,000円+税・レントン、 エウレカネックレスSET 22,000円+税・バングル(ロープあり)真鍮 8,000円+税、シルバー 14,000円+税・バングル(ロープなし)真鍮 5,000円+税、シルバー 11,000円+税・K10WG 122,000円+税
2018年11月10日ジョナサン・ノットが音楽監督に就任して6年目のシーズンを迎える東京交響楽団。すでに9月はじめに2019/20年シーズンのコンサート・ラインナップを発表していたが、11月6日にあらためて、ミューザ川崎で記者会見があり、新シーズンの概要を説明した。【チケット情報はこちら】「東響の素晴らしさのひとつは、素晴らしい合唱の存在だ」。いの一番に手兵の東響コーラスへの厚い信頼を語ったノット音楽監督。最初に挙げた聴きどころも、彼らが難曲のリゲティ《レクイエム》を歌う7月の東京と川崎での定期演奏会だった。この演奏会は、ノットのプログラム構成の巧みさが象徴的。合唱はもう1曲、英国ルネサンスの作曲家トマス・タリスの、40声部からなる《スペム・イン・アリウム(我、汝の他に望みなし)》にも挑戦するが(オケの定期なのに、なんと無伴奏の合唱曲!)、その2曲を挟むのが、J・シュトラウスIIのワルツ《芸術家の生涯》と、R・シュトラウスの《死と変容》だ。後者は、死の床の芸術家による人生の回想。プログラム全体を、「二人のシュトラウス」「芸術家」「死」といったキーワードがふわりと覆う。ノットは、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』の音楽に用いられたリゲティとR・シュトラウスを並べたかったとも(ならば、J・シュトラウスもまた然り)。そしてさらに、来シーズンのノットの最後の出演となる11月の東京オペラシティ公演でも、再びリゲティとR・シュトラウスが組み合わされる。1回の演奏会だけでなく、シーズンを通してもリンクが張られているという仕掛けだ。また、拠点のミューザ川崎シンフォニーホール開館15周年記念公演(10月)は、シェーンベルクの大曲《グレの歌》。来年は読売日本交響楽団や東京都交響楽団など、なぜか《グレ》の当たり年だが、オケ・合唱ともに巨大編成が必要なこの作品の演奏機会は、普通は滅多になく、東京交響楽団が1986年以降、4回(全7公演)にわたって再演を繰り返しているのは特筆ものだ。もちろん、シーズン幕開けの桂冠指揮者・秋山和慶による近現代フランス・プロ(4月)、1986年生まれの新鋭指揮者リオネル・ブランギルの登場(9月)、伝統の「第九と四季」を衣替えして単独で演奏する《第九》(12月)、正指揮者・飯森範親の現代プロ(2020年1月)、鈴木優人指揮のメンデルスゾーン版J・S・バッハ《マタイ受難曲》(2020年3月)など、注目公演、聴きどころはありすぎる。「自分でも“うわっ、すごい!”と、あらためて感動するラインナップ」と笑うノット。変化に富んだ、そしてひねりの効いたシーズンの全貌は、ぜひ楽団のホームページで。なおこの日はほかに、スマートフォンやパソコンで東響の演奏を楽しめる音楽・動画配信サービス『TSO MUSIC & VIDEO SUBSCRIPTION』が同日からスタートしたことも併せて報告された。取材・文:宮本明
2018年11月08日日本初のゲーム音楽プロ交響楽団「JAGMO(JApan Game Music Orchestra)」が、12月2日(日)にNHK大阪ホール(大阪市中央区)にて、『幻想水滸伝』~『幻想水滸伝V』の5作品を網羅したフルオーケストラ公演『幻想水滸伝 × JAGMO Orchestra Concert in OSAKA』を開催する。「幻想水滸伝×JAGMO Orchestra Concert in OSAKA」チケット情報1995年に株式会社コナミデジタルエンタテインメントよりシリーズ第一作目となる『幻想水滸伝』が発売。『幻想水滸伝 × JAGMO Orchestra Concert in OSAKA』は、それ以来20年以上にわたって国内外のゲームファンを魅了し続けてきた幻想水滸伝シリーズとJAGMOによる2度目のコラボコンサートだ。今年8月に開催した東京公演では、初めて幻想水滸伝シリーズの楽曲を大々的に取り上げて演奏し、大反響と共に再演を望む声が多数あがった。今回はその反響に応え、兼ねてから要望の多かった大阪での公演が決定した。世代を超えて多くのファンから根強い支持を受け続け、シリーズの中核を担う『幻想水滸伝』~『幻想水滸伝V』の5作品の歴史を彩ってきた珠玉の楽曲たちを、まるでその壮大な物語を追体験しているかのようなストーリー性溢れた交響組曲形式にて、大迫力のフルオーケストラ生演奏でお届けする。チケットは、11月15日(木)10:00より一般発売開始。それに先駆け、11月7日(水)23:59までチケットぴあにて先行抽選販売を受付中。
2018年11月05日「九州産超にんにくフェス2019」が福岡・天神スカイテラスにて2019年10月3日(木)から10月22日(祝)まで開催される。「九州産超にんにくフェス2019」は、これまで東京、福岡、北海道で計30,000人が来場した人気イベント。会場では、福岡、長崎、宮崎産の無農薬にんにくを使用したオリジナルガーリック料理とドリンクを味わえる。料理・ドリンクともに全品550円(税込)という手に取りやすい価格なのも嬉しいポイントだ。今回の目玉は、通常のにんにくの3倍の大きさを誇る「ギガにんにく揚げ」。にんにく好きも驚きの一品だ。さらに、定番の「にんにくの丸揚げ」「ガーリックチキン」「ガーリックトースト」に加えて、新メニューも多数展開する。人気のデザート、ガーリックアイスは「ベルギーチョコ」と「マンゴー」のフレーバーを揃えた。料理とあわせて注文したいドリンクも、にんにく尽くしのラインナップ。ガーリックチップをプラスしたガーリックビール、ガーリックハイボール、ガーリックレモンサワーなどのアルコール類が登場する。昨年人気を博した「超ギリ盛り!カラフルスパークリングワイン」は引き続き要チェックだ。【詳細】九州産超にんにくフェス2019開催日時:2019年10月3日(木)~10月22日(火・祝日) 20日間平日:17:00〜22:00、土日祝:12:00〜22:00会場:天神スカイテラス(西日本新聞会館 17階屋)住所:福岡県福岡市中央区天神1丁目4-1 西日本新聞会館 17階屋上料金:1人 3,300円(550円券の6枚つづり:税込金額) チケットを購入して入場。※席が限られているため予約推奨※追加チケット購入可能※事前予約で、ウェルカムドリンク一杯プレゼント※余ったチケット:550円券1枚と国産にんにく2個を交換可能。
2018年10月05日