写真週刊誌で、芸能&事件班とグラビア班を取り仕切る副編集長にして、次の編集長の座を狙うライバル同士。吉田羊と滝藤賢一がこの役を演じると聞いただけで、よく知りもしない写真週刊誌の編集部の様子がなぜかリアルにイメージできてしまう。校了前の“戦場”と化した編集部で、大声を張り上げ、互いのやり方を認めずに丁々発止の激論をぶつけ合う。実は若いときからなぜか対抗意識を持っていて…そんな、時間を超えたドラマ性まで妙にリアリティをもって想像させてしまうのは、この2人の演技力の高さ、絶妙な存在感ゆえである。この数年、次々と話題の作品に出演して注目を浴び、いまや日本映画界に欠かせない引っ張りだこの人気俳優となったという点でも共通している2人が、映画『SCOOP!』および、お互いについて、知られざる、とっておきの特ダネも…?――普段は、パパラッチに狙われる側であるお二人が本作では狙う側の写真週刊誌の副編集長を演じられていますね。滝藤:僕なんて狙われたことないよ!――いやいや、きっと虎視眈々とパパラッチが狙ってますよ(笑)。滝藤:そうなの(笑)?吉田:演じてみて「こういう風に(スクープの撮影を)やっているのか!」と興味深かったですね。実際、本物の張り込みの現場の様子の映像なども見せていただいたんですけど「こんなに手の内を見せていいのかな?」となぜか心配までしつつ(笑)。――写真週刊誌に対してイメージは変わりましたか?吉田:最初は二階堂ふみちゃんが演じた野火と一緒で「こんな仕事…」とか思ってたんですけど、演じる中で「なにがなんでもスクープ撮ってやるぞ!」って気持ちになってくるし、世間の反応を見て「自分は世の役に立っているんだ」なんて正義感まで芽生えてくる。それが原動力であり、大義名分にさえなってくるんですよね。映画の撮影が終わる頃には、私自身の感覚がちょっとすり替わっているのに気づいて怖くなりましたね。――お金とか部数増加のためではなく…吉田:お金に関係なく、自分がやったことが世の中を動かしたり、世間をあっと言わせたりする快感や興奮があるんでしょうね。理解したくないけど、ちょっと理解をしてしまったり…(苦笑)。滝藤:そりゃ、撮られるよりも撮る側の方がいいですよね。吉田:世間の「知りたい」という欲って底知れないもので、どんなに撮っても「その次が見たい!」ってなるんですよね。滝藤:僕はそこまで図太くないから無理だなと思いました。本人を前に直撃したりなんてできない!繊細ですから(笑)。だから僕は、グラビア班でよかった…。――グラビアといえば、映画の中でも“袋とじ”グラビアが出てきますね。滝藤:夢があっていいのかなぁ…(笑)?僕は破らずに、こうやって(隙間からのぞくように)見ます。吉田:そこで袋とじを破るか?破らないかの差、一線を超えるかどうかの基準って何?好きなタレントかどうか?――さすが芸能・事件班担当の副編集長!切り込みますね(笑)。滝藤:いや、破ったら見たってわかっちゃうでしょ?跡を残したくないんですよ。奥さんに知られるのはいいけど、僕の楽屋に置いてあった週刊誌の袋とじが破れていたら「滝藤賢一が袋とじを見た」ってなるわけでしょ。吉田:滝藤さん的には見たい欲求はあるけど、周りにどう見られるかを意識して…(笑)?滝藤:そう。僕は他人に対する壁が高いというか、シャットアウトしようとする気持ちが強いんでしょうね。――週刊誌の繰り出す芸能ネタに熱狂する人々の気持ちは理解できますか? 「見たい人がいるから、撮る人がいる」という論理もありますが…。滝藤:欲求はあるでしょうね。ただ、僕は常に「逆を問う」ことを大事にしています。「こういうニュアンスで書かれているけど、本当なのか?もしかしたら逆だったり、都合よく切り取られたりしてるだけなんじゃないか?」と。全てを鵜呑みにするんじゃなくて。――もしご自分に関する記事が出たら、どう受け止めますか?滝藤:僕の記事ですか?もし真実ならば、しょうがないですよね。でもそうじゃないなら…反論したくなるなぁ。吉田:しますか?滝藤:しないでしょうね。反論したらしたで、それがまたニュースになって…。そうならないように努力するしかないのかな?だいたい、そんな努力する必要あるのかな?僕の場合、そんなこと意識したのは「半沢直樹」直後だけでしたよ。――いまでは、もしも何かあれば一斉に飛びつきますよ(笑)!滝藤:何かあればね。何もないもん。吉田:うまくやっているから(笑)?滝藤:違う(笑)!家族がいるし、仕事しかないから!結局、そこでリスクを冒してまで、仕事の運気を変えたくないんです。僕は自分のことが大好き人間だから(笑)。――今回、お二人が演じたのは、同じ雑誌内でライバル関係にある定子と馬場という副編集長でした。お互い、これまで共演経験も多くて互いをよく知っていらっしゃるとは思いますが…。吉田:実は、そんなに以前から何回も共演経験があるわけではないんですよね。しっかりとお芝居で絡めたのはこの映画とWOWOWの「コールドケース」くらい?ただ、もともと、舞台出身ということで、似たようなスタンスでこの世界を生きている仲間意識、同じニオイのする同族意識があるのかな?滝藤:嬉しいですね。僕は勝手に“ライバル”だと思っているから(笑)。吉田:そうなの?滝藤:同じようにずっとやってきて「なんで売れないんだ?」って思ってた。自分のことも、羊さんのことも。だから『HERO』で羊さんがガツンと来たときは「ほら来た!」って(笑)。僕だけでなく、周りで見てきた俳優さんはみんなそう思ってたと思いますよ。――お互いを「似ている」「同族」と思うのはどういった部分で…?吉田:何でしょうね…どこかで「自分は何かを成し遂げられるかもしれない」って根拠のない自信を持っているところ…ありません?滝藤:あります(笑)。あとは、ひたすら現場で腕を磨いてきたっていうところ。小さな役でもひとつひとつ、積み重ねてきた自負がある。一作一作が勝負なんです。映画『八日目の蝉』でも、羊さんはラストだけだったでしょ?でもあれ見て「やっぱりすげーな!」って思ったもん。吉田:そういえば「傍聴マニア」もありましたね!滝藤:検事と被告人の関係でしたね。吉田:この時点で、私の中では『クライマーズ・ハイ』の印象があったんですよね。滝藤さんといえば、出る作品ごとに存在感を示していて、しかもいい作品ばっかり出てる!この人みたいになりたいなって憧れていました。「傍聴マニア」で共演したとき、私のアドリブにこれ以上ないっていうくらいのベストな返しをしてくださって、これだけ柔軟で、対応力があるからこそ求められているんだなって肌で感じました。――お二人とも様々な作品に出てこられましたが、世間的な意味で“全国区”の知名度を得たのはこの数年ですね。お話を伺っていると、売れる以前と以降でやっていること自体は変わってないように思えますが、売れる・売れないの差はどこにあるんでしょうか?滝藤:(指でこちらを指しながら)運!そうじゃないかなぁ?だって、うまくても埋もれている人もいっぱいいますし。発見してもらえなければ、世間に出てこられない。努力はしていて当たり前だし、才能がある人なんてゴロゴロいる。あとは運とか巡り合わせじゃないかしら?吉田:タイミングとか巡り合わせはあるよね。滝藤:自分がタイミング合わずにお断りした役で、別の俳優さんが助演男優賞を獲ったこともありますし(苦笑)。いつ何があるかわからないから、常に準備をしておく――結局、一作ずつを大切にしていくしかないんですよ。全てをチャンスと思ってやっておかないと、誰が何を見てくれているかわからない。積み重ねがなければチャンスすら来ないですしね。(無名塾時代の恩師の)仲代達矢さんは「チャンスは人生で3度来る」っておっしゃっていました。――そんなお二人から見て、今回の主演の福山雅治さんの存在は…?滝藤:僕とは見てきた世界が全く違う。持って生まれたもの、運命もあるんだろうし…カッコいいですよ。こちらが真似のしようのないお芝居をされますよね。吉田:でも、いい意味で変わらない方ですよねオンもオフも。「俺は福山だから」ってところがないんですよ。今回、特にカッコ悪い役ですけど、そこでカッコよく見せようって意識や欲が全くないのがカッコいい。私が見てきた、第一線で走ってきた人たちに共通することでもあります。自分ならカッコよく見せようとしちゃう気がします(笑)。滝藤:福山さんは気さくに話しかけてくださるんですけど、こっちは緊張しますよ、どこかでやはり…。吉田:わかる!わかる(笑)!やっぱりみんな、福山雅治のファンなんだもん!――お二人の中で福山雅治といえば…吉田&滝藤:チイ兄ちゃん(「ひとつ屋根の下」)!滝藤:「何なら、店ごと買い占めるか」ってしびれましたよ!(※妹の小梅がキャバクラに乗り込んでのセリフ)。吉田:あった!あった(笑)!!テレビ見ながら叫んでました。滝藤:あの福山雅治さんと共演しているって…いまだに不思議な気分です(笑)。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年09月30日俳優の滝藤賢一が7月1日(金)公開の映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の日本語版で、物語のカギを握る新キャラクター“タイム”の声を演じることが発表になった。その他の画像本作は『アリス・イン・ワンダーランド』のその後を描く作品で、アリスが親友マッドハッターの危機を救うために、再びワンダーランドに戻り、時間をさかのぼる冒険を繰り広げるが、時が正しく流れ、過去が改変されないように見張っている番人が“タイム”だ。「ついにハリウッドデビューか!と嬉しかったです。やっとこの日が来たかって(笑)」と喜ぶ滝藤は「ジョニー・デップやヘレナ・ボナム=カーターと共演している気持ちにさせていただける素敵な現場だったと思います。勘違いしてしまいそうでした(笑)」とコメントした。滝藤は徹底的に準備を重ねて現場に臨むことで知られているが、彼がワンダーランドの番人にして、どこかコミカルな面も持つ“タイム”の声をどう演じるのか気になるところだ。『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』7月1日(金) 全国ロードショー
2016年06月24日俳優の滝藤賢一が、映画『アリス・イン・ワンダーランド』の6年ぶりとなる新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)で新キャラクターの時間の番人"タイム"の日本語版声優を務めることが23日、わかった。映画声優初挑戦となる。滝藤が演じる時間の番人"タイム"は、誰もが敵に回したくはないと恐れている人物。無限の空間にそびえる永遠の城に棲む、"時間"の化身で万物にパワーをもたらす万物の大時計を守り続けており、その大時計とシンクロする時計仕掛けの心臓を持つ、半身人間、半身機械という摩訶不思議な存在だ。おどろおどろしい姿とは裏腹に、自信家で間抜けという愛嬌のある一面も持つ。オーディションを受けて決定したという滝藤は、「ついにハリウッドデビューか!とうれしかったです。やっとこの日が来たかって(笑)」と声優が決まった時の喜びをコメント。アフレコについて「声だけで表現することは難しく、大変でした」と振り返り、「ジョニー・デップやヘレナ・ボナム=カーターと共演している気持ちにさせていただける素敵な現場だったと思います。勘違いしてしまいそうでした(笑)」と冗談交じりに語った。本作は、前作から3年後の世界を舞台に、悲しい過去に心を奪われ帰らぬ家族を待ち続けるマッドハッターを救うため、時間をさかのぼるアリスの冒険を描くファンタジー・アドベンチャー。白の女王役の深田恭子をはじめ、マッドハッタ―役の平田広明、アリス役の安藤瞳、赤の女王役の朴ロ美(ロは王へんに路)の日本語版声優の続投も先日発表された。(C)2016 Disney. All Rights Reserved.
2016年06月24日原爆で亡くなった浩二と、遺されたその母・伸子との、悲しく温かい交流を描いた映画『母と暮せば』。本当の息子のように二宮和也さんを見つめる吉永小百合さん。それを誇らしく、気恥ずかしそうに受ける二宮さん。クランクアップ後、久々に顔を合わせた二人のやわらかな交流を、お楽しみください。二宮:撮影の時期はうちのお袋よりも長く一緒にいさせてもらいましたし、会話も実の親との1年分くらい?させていただいて、いま思えば夢のような時間でした。小百合さんは本当に優しい方で、みんな小百合さんとお仕事すればいいと思いましたよ。自分を見つめ直しますよ。世の中にこんなに優しい人がいるのかと。吉永:優しくないです…。外では隠しているだけです。家族には“君、もう少し優しくなってくれ”なんて言われてますし。二宮:(笑)。僕が評するようなことを言うのも申し訳ないですけど、優しいけれど仕事の場ではご自分に厳しく、律するところは律していらっしゃって。吉永:厳しくないです。そうありたいと思ってはいますけど…。二宮:いやもうその姿勢こそが厳しいです。小百合さんはよく現場で、“私なんか全然できてない”とおっしゃっていましたけれど、小百合さんができてなかったら僕はいったいなんなんだ?と。吉永:(笑)。二宮さんは作らなくても、ふわっと映画の世界に入って、セリフも何も自在にできる方ですから。二宮さんの浩二という役は亡霊なので、ちょっと不思議な動きもしなくてはならないけれど、そういうのもすぐできてしまうのね。天才だと思います。二宮:そんなに褒めていただけるなんて、いままでにない経験です。僕、あまり褒められたことがないので、素直に嬉しいです。吉永:浩二が“町子(黒木華さん演じる浩二の恋人)には僕しかおらん”と泣くシーンでね。二宮さんのお芝居があまりにも素敵だったので、カットがかかってから私、二宮さんに抱きついてしまったんですよね。なんて素敵なお芝居だろうと思って。そんなこと、初めてだったんですけど。二宮:台本には書いてないことですもんね(笑)。この映画に出られて本当によかった!◇よしなが・さゆり東京都出身。1957 年にラジオドラマ『赤胴鈴之助』でデビュー。公開中の山田洋次監督作品『母と暮せば』は映画出演119本目。映画プロデュースや、ボランティアで原爆詩の朗読も行っている。◇にのみや・かずなり1983年6月17日生まれ。東京都出身。1999 年に嵐のメンバーとしてCDデビュー。宮城での復興支援コンサートを収録した『ARASHI BLAST in Miyagi』DVD&BDが2016年1月1日に発売される。※『anan』2015年12 月25日号より。写真・三浦憲治ヘア・森下千帆文・千石よう子
2015年12月16日終戦70年を記念し製作された『母と暮せば』の初日舞台あいさつが12月12日に、都内で行われ、山田洋次監督、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信が出席した。本作に親子役で共演した吉永と二宮。“息子”の二宮からサプライズで感謝の手紙を受け取ると、“母”吉永は「皆さんのおかげでやり遂げることができた」と感無量の面持ちだった。『母と暮せば』舞台あいさつ/その他の写真1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永)の目の前に、3年前の原爆投下で亡くなった息子の浩二(二宮)がひょっこり姿を現すという、山田監督が初めてファンタジーを手がけた本作。終戦70年を迎える今年、山田監督が故・井上ひさしの広島を舞台にした『父と暮せば』と対になる作品として映画化した。昨年12月の製作会見から、丸1年をかけて現場をリードした吉永は「山田丸という大きな船に乗り込み、心と力を合わせた現場」と振り返り、「今はうれしい気持ちとともに、ここにいる皆さんとしばらくお別れする辛い気持ちです。何か機会があれば、また一緒にお芝居したり、ご飯を食べたりできれば…。ぜひ監督にお願いしたい」としみじみ語った。劇中で印象に残るのは、浩二がこの世に残した恋人の幸せを願うシーンだといい「さすが私の息子」と誇らしげ。一方、二宮は「吉永さんにたくさん気づかっていただき、現場を元気にしてくださった。改めて大切なことを教わった」と感謝のコメント。戦争を知らない世代として「何より『知らない』ということに勇気をもって向き合うのが大変でした。でも、真実を知らなければ、間違ったことを伝えることになりますし…」と作品への思いを熱弁した。『母と暮せば』公開中取材・文・写真:内田 涼
2015年12月12日吉永小百合と二宮和也が12月12日(土)、親子役で共演した『母と暮せば』(山田洋次監督)の初日舞台挨拶に登壇。二宮さんが感謝の手紙をサプライズ披露すると、座長にして現場の“母”だった吉永さんは「皆さんのおかげでやり遂げることができた」と感激していた。受け取った手紙を胸のあたりで、我が子のように大切に抱きしめた吉永さん。昨年12月に行われた製作会見から1年間に渡り、主演女優として撮影はもちろん、プロモーションも引っ張ってきただけに「山田丸という大きな船に乗り、力と心を合わせた現場。公開されるのはうれしい気持ちですが、ここにいる皆さんとしばらくお別れするのはつらい」と複雑な胸中を明かした。一方、“息子”二宮さんは「現場ではとても気づかってくださり、現場を元気にしてくださった。大事なことを教わりましたね」と吉永さんに感謝の意。映画は母親と亡くなった息子の亡霊の交流を描いており「会話そのものは普通でしたが、触ろうとすると消えてしまうから…」(吉永さん)、「僕だって、消えなくなかったですよ」(二宮さん)と切ない親子関係をふり返った。長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永さん)の目の前に、3年前に原爆で亡くなった息子の浩二(二宮さん)が“ひょっこり”姿を現すという、山田監督が初めて手がける心温まるファンタジー。かつて広島を舞台にした『父と暮せば』を著した故・井上ひさしの遺志を継ぎ、山田監督が脚本を執筆した。二宮さんは「一番大変だったのは、僕が『戦争を知らない』ということ。教科書やいろいろな作品を通して、学んではいるが、戦争を経験なさった山田監督に勇気を出して『知らない』と伝え、真実を教えてもらわないと、結局間違ったことを表現してしまうことになるので」と苦労を語っていた。東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われた初日舞台挨拶には共演する山田監督、吉永さんと二宮さんに加えて、黒木華、浅野忠信が同席した。『母と暮せば』は全国公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母と暮せば 2015年12月12日より全国にて公開(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
2015年12月12日山田洋次監督最新作で、吉永小百合と二宮和也が親子を演じる『母と暮せば』の完成披露試写会が11月22日(日)に開催され、山田監督、吉永さん、二宮さん、共演の黒木華、浅野忠信、加藤健一、本田望結が舞台挨拶に登壇した。故・井上ひさしが生前に着想していたという、長崎を舞台に原爆をテーマにした作品を山田監督が映画化。敗戦から3年、長崎で助産婦をして暮らす伸子の元に原爆で亡くなった息子の浩二が亡霊となって現れ、2人の奇妙な暮らしを通じ、大切な人を失った遺族の悲しみ、戦争の傷から立ち直ろうとする人々の姿を描き出す。山田監督は、1,200倍もの倍率を勝ち抜いてこの披露試写会のチケットを手にした観客を前に「この1年をかけて、ここにいる俳優さん、多くのスタッフと心を込めてこの映画を作りました。みなさんにとって、納得のいく映画になっているのか?胸がドキドキします」と胸の内を語る。5度目の山田作品出演となる吉永さんは「監督の熱い思いを何とか受け止めたいと思いながらやっていました。今回が一番、監督は迫力があって、1カット1カット、集中していて緊張しっぱなしでした」と撮影を振り返る。二宮さんは「亡霊の役ですが悪い亡霊ではなく、良い亡霊で出てきます。親子関係など、いい形でみなさんに届く作品になっています」と作品の出来栄えに自信をのぞかせた。吉永さんは、以前より二宮さんを「天才」と絶賛しているが、この点について「監督から難しい注文があっても、ひょいと受け止めて、次のテストではできちゃうんです。軽やかでリズム感があって、男性ですが“フェアリー(=妖精)”のようなんです」と説明する。二宮さんは喜びのあまり「“フェアリー和也”に改名しようと思います!」と即断し会場は笑いに包まれた。生前の回想シーンでは、黒木さんが二宮さんの鼻をツンっと触れるシーンがあるが、司会者はこれを“鼻ツン”と紹介し、“壁ドン”、“アゴクイ”に続く、女性が胸キュンするしぐさとして世に広めるべく、黒木さんにこのシーンについて尋ねる。黒木さんは「“フェアリー”の顔が間近にあるので緊張しました(笑)」とユーモアたっぷりに語り「“鼻ツン”は女性からなので、ぜひ使ってください!」と笑顔で呼びかけた。『母と暮せば』は12月12日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母と暮せば 2015年12月12日より全国にて公開(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
2015年11月23日昨年より病気療養中であった坂本龍一が音楽を担当することで注目を集める山田洋次監督の83作目の最新作『母と暮せば』。吉永小百合が「嵐」の二宮和也と母子役で初共演を果たす本作品。この度、9月14日(月)に行われた坂本さんのレコーディング風景が解禁された。1948年8月9日、長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」。その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた――。作家の井上ひさしが広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台に作りたいと発言していたことを井上さんの三女・麻矢さんを通じて知った山田監督が、終戦70年となる今年、その井上さんの想いに捧げ映画化を決定したもの。母・伸子役には吉永小百合、息子の浩二役に「嵐」の二宮和也が演じる。また浩二の恋人・町子役に『舟を編む』でブルーリボン賞新人賞を受賞するなど多くの新人賞を受賞し、今年2月の第38回日本アカデミー賞では最優秀助演女優賞を受賞し圧倒的な存在感を見せつけている黒木華が演じる。坂本さんと山田監督が初タッグを組む本作品。この度9月14日に東京オペラシティコンサートホールにてレコーディングが行われた。東京フィルハーモニー交響楽団演奏による坂本さんの本作へ向けた音楽は、本作より感動へと導く暖かなものとなった。坂本さんは本楽団と一緒に行うのは1年4か月ぶりとなる。坂本さんが「今の日本で山田監督と吉永さんに何かお願いされて断る勇気のある人はいないでしょう(笑)。もちろん断るつもりはなかったですけど。光栄です」と語ると、オーケストラはあたたかい笑いに包まれた。会場には山田監督も訪れ、レコーディング前にオーケストラに向けて「この映画の音楽はどうしても坂本さんにお願いしたかった」「長崎、広島の原爆の犠牲者を含めて戦争の犠牲者への鎮魂の思いをこめて、そんな気持ちでどうぞみなさん演奏なさってください」と作品や音楽へ込めた熱い想いを語っていた。また演奏後には奏者も「坂本さんの復帰第一弾のお仕事にご一緒できて感無量でした。いつもより思いの籠った演奏ができたと思う」と語った。山田監督が坂本さんにラブコールを送り、実現した本作。映画と共に思いが込められた楽曲にも期待がかかる。『母と暮せば』は12月12日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年09月25日映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。第一回の対談記事<人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない>第二回の対談記事<人は歳をとると自分自身を受け入れる。私は私どうにもならない>はこちら上質なものを長く使うのは無理…かもしれない雨宮まみさん(以下敬称略):上質なものを一生使う、という傾向が最近はありますよね。でも、クローゼットの中が上質で飽きがこないものだけで構成されてたら、私はちょっと息苦しいんです。これをずっと大切に、ずっと使わないとっていうプレッシャーを感じてしまって。いくつかは、飽きたら捨ててもいい、買い換えてもいい、というものもあって欲しいなって気持ちがあります。そのときの気分で、着たいものも変わりますし。青野賢一さん(以下敬称略):僕もお店で販売スタッフやってた頃、お客さんによく言ってたのが、「一生モノなんてほんとないですから」で(笑)ほんとにないんですよ。年齢も変わるし、メンタルもかわるし、環境も変わるし。そういうことを考えると口がさけてもいえない。でもメディアはそういうこといっていかなきゃいけないのでね。でも一生モノなんてないなってずっと思ってました。雨宮:誠実に言うとしたら、5~6年は着れますよ、ってくらいですよね(笑)。青野:そうですね(笑)結果的に一生だったらいいんですけどね。気がついたらそのくらい長く使ってるって位がちょうどいいかなと。スタイルを持つという到達点雨宮:この映画では、スタイルを持つということが一つの到達点となっていますよね。それってずっとみんなが目指していることのような気がするんです。自己啓発書を読んでも「スタイルを持つことが重要だ」と何百回も言われるけど、なかなか持てないなと感じます。青野:そもそもスタイルってどういうものなんでしょうね?流行という意味でファッションを考えるとその時その時とっかえひっかえしても、ファッショナブルだけど、それはあなたが着なくても、トレンドが担保されている状態ってことですよね。それを繰り返していくと疲れていくだけじゃない?ってことはわかるんですけどね。雨宮:そうすると、逆に「この服は私が着なかったら誰が着るんだろう?」っていうのを選ぶのはありですね。青野:なんか、服に呼ばれることってないですか?お店に行って、あれ?って。雨宮:あります。パッと見かけて「あれだ!」と思うこともありますし、プレセールで見て、さらにセールの終わりかけの頃に、何回も値札を貼り直されて70%offとかになってるどうしようもない服を、「これは私が着ないと誰も着ないかもしれない」と思って買ってきちゃうこともあります(笑)。妙に愛おしくなっちゃったりして。青野:ありますよね!お店に入って見回したら、なんかあの色のあれが気になるなって。あるんですよね。で着てみたら、やっぱりよかったって。この人しか着られないとか、着てあげないと…というのはいわゆる流行、ファッションとは違うレベルの感覚ですよね。お直しして着る服青野:あと、今年は着られなさそうな、前シーズンのものを直して着ることはありますか?雨宮:祖母が洋裁ができるので、袖を切ってもらったり、ワンピースを巻きスカートに直してもらったりはありますね。でも身近にできる人がいなければ、なかなか難しいかもしれません。自分ではせいぜい裾上げ程度かな。青野:でも、それ、すごくいいなあと思うんですよね。『アドバンスト~』のなかでもカスタマイズする人も結構いて。自分の髪の毛でつけまつげを作ったりする人とか。自分でどんどん手を入れて、ちょっと形を直せば今シーズンも着られる、服って直せるんだよってことはもっと知ってほしいですね。雨宮:そうですね、丈は直しやすいですし、ボタンを変えるのも簡単ですね。青野:ボタンは効果ありますね!雨宮:あと、アクセサリーも簡単なものなら、今はすごく作りやすくなってますね。パーツ屋さんが増えて、イメージに近いものを作りやすい。そういう工夫はしやすいですね。青野:それが、既製服をより自分の方に引き寄せることになりますよね。それこそがファッションがスタイルになっていく、一つの契機だってことはあると思います。正解が狭まる怖さ青野:これってどういうふうに着るんですか、何に使うんですか?っていう質問はお店でもよくあるんですが、そんなの好きにやればいいじゃん、って僕は思ってしまうんです。どう使えるかっていうよりは、これこういう風に使えるじゃんとか、柄が気に入った布があったとしたら、シャツ、ワンピ、カーテン、テーブルクロスでも、色々できるんですよね。でも、「これはどういうもの?」と聞いてしまうと、物の可能性をどんどん消していってしまってもったいないなって。雨宮:正解が欲しいんですよね。「あの人、テーブルクロス巻いてるんじゃない?」とか「後ろ前を逆に着てるんじゃない?」と思われたくないって気持ちが強い(笑)。誰が見ても、「あの着方で正しいんだな」っていう答えが欲しいなという気持ちは、私にもあります。青野:なるほど。今親切な世の中だから、これはこうしてください、とだまってても何でも進んでいくということはすごく多いと思うんですけど、そこで失ってきてしまった視点の多様性っていうものも復権するとよさそうだなと思います。雨宮:そうですね、自分にとって少し謎なものに挑戦したりするのも重要ですね。私、最近大きい花瓶を買ったんですけど、ハイビスカスの模様がついてるんですよ。 これ、どうしようと思って。ハイビスカスを活けるのも変な気がするし、ハイビスカス以外は合うのかな?とも思うし。どうしろっていうんだろうと(笑)。でも意外に使うのが楽しいんです。私の場合はこうやって使った、ということでいいんだろうなと。うまくいくと嬉しいんですよ。失敗しても、部屋の中のことですし。青野:服の着方も結構似ていますね。僕、よくやるのが、家から近所のスーパーにいくときに、この組み合わせやってないけどやってみようって10分だけその恰好でいくんです。それで、歩いてて嫌な気分じゃなければ、これいけんのかな?ってなります。電車乗っちゃうと最後って感じするじゃないですか。雨宮:(笑)。そうですね、気心の知れてる人がいるときに着ていったりするのもいいですね。変だったら容赦なくツッコまれるような関係の人たちとの飲み会とか、実験の場にはちょうどいい。人との関係性の中で楽しむ服雨宮:私は、すごく派手な格好をすることに少し怖さを感じてるところがあるんです。でも、私のように「できない」と感じてる人が多いからこそ、こういう本(『アドバンスト・スタイル』)が何度でも世の中に出てきてくれるんだなと思います。青野:特に日本だとロールモデルみたいなのが求められるじゃないですか。だから、単純に憧れをもって、めざすものがあるのは必ずしも悪いことじゃないなって。最後にですが、今、せっかく服が好きで好きなように着られるんだったら、憧れを持つのもいいし、シンプルに楽しんで制約なく服を着れたらいいなあって思います。僕は誰と会うとかってことを大事にしているので、派手な方向に振り切ることは中々ないんですが、人との関係性の中でファッションを楽しみたいですね。雨宮:コミュニケーションとしての服ですよね。私もそういう風にも楽しんでいけたらいいなと思っています。―それでは、今日はありがとうございました。
2015年09月02日映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。第一回の対談記事<人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない>はこちら路上で知らない者同士がとるコミュニケーション青野賢一さん(以下敬称略):東京は、全然知らないもの同士が路上でコミュニケーションすることって、スナップ撮らせてください、位しかないですよね。雨宮まみさん(以下敬称略):海外だと、すれ違うときに普通に「その服素敵ね」とか言う人、いますよね。日本ではあんまりないですが、たまにお歳を召した方に「その帽子いいわね、どこで買ったの?」とか、普通に訊かれることもあったりして。そういうの、言えるといいなあと思うんです。自分も素敵な人に「素敵ですね」とただ言いたいときがあるんですが、不審者と思われるのが怖くて。青野:ガードが固い感じですよね。街を歩いている時でも、なるべくそういうものを遠ざけたいというか、面倒くさいものを避けたい気持ちは確実にありますよね。雨宮:ただ一言、賞賛したいだけなんですけどね。でも、そういう声のかけ方に慣れてないので、どうしても不自然になりそうです…。青野:そこで、うまく伝わればいいんですけどね。なんて一言目にしようとか考えちゃう(笑)。『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)雨宮:『東京を生きる』でも書いてるんですけど、たまに本当に素敵な人を見かけることがあって、そのコーディネートやその人の佇まいをしっかり見たくて、しばらくそっと追いかけちゃったりすることがあります。ほんとは写真撮りたいくらいなんですけど…。我慢して、目に焼き付けてます。青野:本の話が出ましたね。今、雨宮さんが目に焼き付けるといいましたが、ぼくは『東京を生きる』を読んで、あなたの目線の強さというか、見る力がすごいなと思って読んでいたんです。なんでもない景色に関するディテールの言及の仕方とか、人の姿を見る視点がすごいなと。だから僕も今日気が抜けない感じで(笑)。それは自意識過剰かもしれないけど、そう思ってしまうほど、目の力が凝縮されている本だなって。雨宮:見るのは確かに好きなんですよね。でも、自分の見たものの中からいいものを選べるかというとそうでもなくて、たくさん見ていると、どれもいいと思ってしまうんです。東京って、本当に色んなスタイルがあって、家具や服、全てにいい物があるから、高いものも安いものも、北欧もアンティークもいいなとか思っちゃって。でも、それぞれはセンスのいいものでも、ごちゃごちゃに置いて合うわけじゃないんですよね。ふと振り返ると、だいたいごちゃごちゃになっているので、『人生ががときめく片付けの魔法』を再読しては、捨てに捨てまくったりしてます(笑)。そういう人、すごく多いと思います。日本の褒め言葉「かわいい」の相容れなさ雨宮:『アドバンスト・スタイル』のような世界観が、東京で成立しない理由のひとつとして、『女の子よ銃を取れ』という本でも書いたんですが、日本では「かわいい」っていう褒め言葉がすごく強いんですよね。「かわいい」って、年齢を重ねていくこととは相容れないじゃないですか。「かわいいおばあちゃん」みたいな言い方もあるけど、ちょっとバカにしてるところがある気がして、私はあまり好きじゃないんです。かわいいかかわいくないかしかないのかな、と思ってたときに、「ティムガンのファッションチェック」という、素人が変身していく番組を見たんです。そしたら褒め言葉がすごく豊富で。「存在感がある」「すごくシックだね」「ゴージャスだよ」とか…。「かわいい」とか「きれいだね」はほとんどなかった。こんなにたくさんの褒め言葉があるのに、なぜ「かわいい」だけになってしまうんだろうって、褒め言葉の貧しさを感じてしまいました。「かわいい」以外にも、自信を持たせてくれる言葉はたくさんあるのに。青野:かわいいといっときゃ、何か伝わっている気がするみたいなのはありますね。雨宮:どんなに褒められても、「かわいい」と言われないと不安になる気持ちも正直あります。「かわいい」と言われることが好意の証、みたいに思っちゃうんですよね。青野:すごくレンジが広い言葉ですよね。なので、便利な言葉というところはあるかもしれません。雨宮:ちょっと褒める時に、ほとんどその言葉でまかなえるので、豊かな言葉ではあるんですけど、歳を取るとやっぱりかわいいと縁を切らなきゃならなくなるっていうことがすごく恐怖で。でも『アドバンスト~』のこういう形で美しく着飾っている人を見ると、かわいいとかにこだわってる場合じゃないよなって。元気付けられます。力強いですね。青野:パワフルですよね。白いフリルのついた傘が映画に出てくるんですけど、可愛いという言葉で表現されるような小物でも、たとえば違うスタイリングをしたら、また違う存在感や価値を与えられる。どういう風に組み合わせるか、ということで「かわいい」ではなく、スタイルが生まれるってことはありますね。必ず読み返す『エレガンス』という本雨宮:『エレガンス』というイギリスの小説があるんですが、美から遠ざかっていたアメリカの女性がイギリスに移住して変わっていくというお話なんです。元気がないとき、必ず読み返す本で。ある時、彼女がアスコット競馬に行くための帽子を買うことになって、他の人たちと同じような、ツバの大きい派手なものを買おうとするんですけど、そこへ通りがかった素敵なマダムが「あなたにはそれお似合いにならないわ。もっと小さくてベールのついた帽子が似合うわ」と言うんです。彼女には本当にその帽子が似合ってしまう。でも、「周りから自分は浮くのではないか?」と不安を口にすると、「溶け込むのは女学生まで。人と違うことは罪ではないのよ、財産です」と言われる。まるで日本のようなシチュエーションだなと思ったんですが、イギリスでもこういうことはあるんだなと。文化の違いはあるでしょうけど、特に『アドバンスト~』の映画を観ていると、ニューヨークだからみんなが自由に生きてるって訳ではなくて、やっぱり戦って得てきた自由であり、個性なんだなと感じました。青野:素敵な本ですね。似合うでいうと、歳を重ねたからこそ似合ってきたものってあったりしますか?雨宮:シンプルな服ですかね。似合うというか、昔はとにかく飾りがついているものがおしゃれだと信じてたので、シンプルなのが着れなかったんです(笑)。あと、失敗を繰り返してきた分、似合うものはわかってきたのですが、似合うものも少しずつ変わっていくので、安全圏から半歩出るようなものを選びたいなと。青野:やっぱりそういう積み重ねみたいなものがありますよね。映画に出てくる方々って私たちよりもっと積み重ねがある方ですから、ただ、自分が着心地が良いとか似合うだけじゃなくて、さっきおっしゃったように半歩でて、少しづつアップグレードしてこられた感じが、服だけじゃなく、発言からも感じられますよね。雨宮:そうですね、センスは別に最初からあるものじゃなくて、磨いていけるものだっていうセリフも映画内でありましたもんね。青野:やっぱり突然変異でここにはやってこないですよね。僕は今47歳なんですけど、昔はベージュが似合わなくて全然着られなかったんです。でも今は髪が結構白くなってきて、そうなってくると、突然着られるようになってくる。そういう体験があるので、この歳になってから着られないものって当然あるんですけど、この歳になったから、着られるものもあるんだなぁって。雨宮:歳をとって自分の見た目がフレッシュさを失った時こそ、派手な服を着ると、明るさが足されていい感じになったりしますよね。若い頃に着たら過剰だった服が、歳を取ると以外に似合ったり。青野:若い人がパンとしてて派手なのは、まぶしくて見てられないことはありますね。雨宮:まぶしくて見てられないって(笑)。私、「人は歳をとると自分自身を受け入れるようになるわ、私は私、どうにもならないでしょ」っていうセリフがすごく好きで。私自身、自分を受け入れるのに時間がかかったタイプで、やっと受け入れることができても「今朝のこのほうれい線は受け入れられない…」とか思ったりして(笑)。受け入れないといけないものはどんどん増えていくんですよね、でも同時に、受け入れるとどんどん軽くなる気がしています。【次回に続きます。お楽しみに!】
2015年08月27日今回は、映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』とは?NYの街角を闊歩する、over 60のおしゃれな女性たちを紹介したファッション・ブログ「Advanced Style」。このブログからはじまった写真集は世界中でベストセラーとなり、ついには映画公開となりました。ブログにも登場するエレガントな七人を四年間にわたって密着した、素敵なドキュメンタリー映画です。人のいいなりになっていたら明日死ぬかもしれない青野賢一さん(以下敬称略):そもそも僕らはなぜここにいるのか、の話からしましょうか。雨宮まみさん(以下敬称略):私は、Numéroという雑誌で、『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』に関して、一ページ映画評を書かせていただいたんですよね。青野:僕は、劇場用パンフレットにエッセイを書いたり、雑誌『装苑』でやはり映画にまつわるエッセイを書かせていただいたり。そういうことで私たちは座ってます。まずは、『アドバンスト・スタイル』に対する率直な感想としては、「いくつになってもファッションっていいよね」っていう当たり前の話は大前提として、出演者が歳を取っていくことに関するシークエンスが印象的でした。雨宮:そうですね。本当に生きること、装うことが戦いというか、今、人のいいなりになっていたら明日死ぬかもしれない、という切実さが感じられました。そういうことが老いを通じて伝わってくるように描かれていましたね。青野:舞台であるニューヨークと日本を置き換えるとまた違うところがあるかもしれませんね。ファッションと自分の関係性というか、ニューヨークだからこそ成立することもあります。雨宮:ありますね。出演者の有名ファッションブロガーが歩いているときに、「あなた有名人でしょ!知ってる!一緒に写真撮ってー!」って気軽に声かけるノリは、東京じゃあまりないなと。あと、『アドバンスト・スタイル』はブログから出発していますが、そういう新しいものが出てきたときに、認められるスピードもとても速いですよね。私は『アドバンスト~』の写真集を知った頃に、ちょうどL’idéalというブログを見つけたんです。まさに『アドバンスト~』の日本版のような感じで、本当に素敵で。皆さん、奇抜すぎず上品で、本人にとても似合った服装をしてらっしゃるし、パーフェクトだからどこにいても違和感がないんです。かといって周りには埋没していなくて。打ち破る人の価値雨宮:私の祖母もこの『L’idéal』を写真集(『Over60 Street Snapいくつになっても憧れの女性』)で見ていて、とても喜んでましたね。祖母は福岡に住んでいて、おしゃれで、マリメッコとかも好きなんです。でも、「こんな派手な花柄のバッグ持ってたら、ついにボケたと思われるから」と言って買わなかったり、コムデギャルソンの金色の財布を持ってるんですけど『カラスに襲われる』とか言って、滅多に使わなかったり。私が銀色のクラッチを持ってたら『そんな目立つバッグ持ってたらひったくられるから、エコバッグに入れなさい』とか言うんですよね(笑)。やっぱり上の世代の方は打ち破るのが大変なんだなと思います。だからこそ打ち破ってる人の姿には価値があるなって、L’idéalをみて感じました。福岡といってもうちは田舎のほうですし、もっと都会のほうだったり、関西のように違う文化圏だとまた違ったりするんでしょうけどね。青野:そうですね。ちょっと失礼ですけど、「大阪のおばちゃんの代名詞はヒョウ柄」みたいな言い方されますよね。ビームスで89年頃に大きな店が大阪にできたんです。その時の商品の配分を思い出すと、同じブランドの中でも、やっぱり大阪用はめっちゃ派手な服ばっかりで(笑)。もちろんちゃんとそういうのが売れるお店とお客さんの関係性っていうのがあるんですが。雨宮:大阪に行くと、派手なものに対して躊躇しない姿勢が気持ちよく感じるんです。むしろ、地味で目立たないものなんか買っても意味ないじゃん、ぐらいの感覚がありますよね。でも、東京では目立つものに手を出すのに躊躇しちゃう。自分も人も、他人の視線に怯えてるな、って感じることはあります。青野:特にリアルな場面とか、対面する場だと過剰にそういうのがありますね。ただ一方で、インスタグラムとかであれば逆に個性を全面に出していく。そのアンビバレントなところの面白さは現代にあるなと感じます。埋没しないファッションって?『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)雨宮:青野さんはお仕事柄、ファッションには気を遣われていると思いますが、埋没しないようにとか、逆に浮かないようにとか、そういうことは考えます?青野:僕はそんなに考えてないかも。一番重要なのは今日誰と、どんな場所で、ってことかなあ。人は特に大切ですね。 短パンはないだろうとか。今日だったら、この作品に出てくる人と派手さで同じ土俵には立てないし。だから落ち着いたカラーかな、でもネクタイはちょっと下北沢の場所的に違うかな、じゃあドットのスカーフでも垂らそうかな、とかそういうのが楽しめるタイプなので、それは考えます。埋没、溶け込むかとかは考えないかな。雨宮さんはどうですか?雨宮:例えばですけど、オープニングパーティ、レセプションパーティー、とか言われるともう身構えますね(笑)。「パーティー」って、みんなどれくらいのテンションでキメキメで来るのか教えて欲しいんです。行き慣れてないと、わからない。青野:ああいうのは一番難しいですね。大体、和装でくる方は何人かいますよね。鉄板だし別の世界にいってる感じもあるし。でも、あれはあれでずるいなと僕は思っちゃうんですけど(笑)。雨宮:和装は逃げ…!(笑)私の研究によると、文化系の女性には和装逃げに走る人と、チャイナ逃げに走る人がいるんですよね。私はチャイナ逃げ派なんですが…。知性もありつつ個性も見せつつ、なおかつ格式もあるというのが可能かなあ、と自分では思っているんですが…(笑)。アイコニックなものは落ち着けない青野:ファッション系の催しだと、特に女性はハイブランドの人も多いですよね。あえてそっちに突っ込んでいったりすることもありますか?雨宮:正真正銘のハイブランドは、正直買えないです。でも確かに、試写会なんかでもファッション誌の方はすぐわかりますね。最新のアイコン的なものを必ず一つは身につけていらっしゃるので、これがファッション誌の世界なんだなぁとはよく感じます。青野:でも、そういうところでいうと、ぼくはアイコニックなものは敬遠してしまうタイプかもしれません。悟られたくない気持ちが、少しあって。そういう感じで服を着るのって自分に関していえば全然落ち着けないんですよね。ロゴが入っているものも興味ないですし…。ロゴものを、本気で着てるとちょっときついじゃないですか。雨宮:(笑)。 本気で着てるかどうかの区別は、仲良しじゃないとわからないですもんね。この人は洒落で着てるんだなぁとか、友達はわかってくれても、知らない人が見ればただのロゴ好きな人に見えちゃう。青野:ロゴものは難しいところですよね。わかりやすいんですけど、逆にそれが足かせとなってしまったりして、どっちもどっちみたいなところがあるかなと思います。【次回に続きます。お楽しみに!】
2015年08月19日映画『母と暮せば』のクランクアップ記者会見が12日、都内で行われ、キャストの吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信が出席した。12月12日に全国公開する本作は、山田洋次監督初のファンタジー作品。終戦後の1948年、長崎で助産婦をする伸子(吉永)の前に、原爆で死んでしまった息子・浩二(二宮)が亡霊となって現れる――というストーリーで、井上ひさしの戯曲『父と暮せば』と対になる作品となっている。山田監督と主演の吉永は、今月9日、ロケ地の長崎で行われた長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典にも参加。山田監督は、「戦後70年という節目の年に公開することは、とても意義あること。この作品を通して、戦争や平和について考えてくれれば」と熱い想いでアピール。一方、「かけがえのない人を失った家族の悲しみの映画。70年前にはそんな人がたくさんいた」と話した吉永は、「戦争のこと、命のことを考えてもらえるのは素晴らしいこと。声をかけて下さった監督に感謝しています」と出演への喜びを語った。また、山田監督作品に5年ぶり5度目の出演となった吉永は、「監督から怖いくらいの情熱を感じた。心からの演出に応えられなくて、落ち込んだ時もあったけど、軽やかな二宮さんに助けてもらった」と撮影を振り返る場面も。息子役の二宮とはファーストネームで呼び合っていたことを明かし、「最初から"小百合さん"って呼んでくれて、うれしく感激した。テレビで危険な事をしてると、『うちの息子は大丈夫かしら?』って思わず見ちゃう」と微笑むと、二宮も、「"和也さん"と呼んで頂いて、ドキドキしちゃいます。親にも身内にも呼ばれていないので、僕の初めての人になりました」と笑顔を向けていた。
2015年08月12日山田洋次監督最新作『母と暮せば』のクランクアップ報告会見が終戦記念日が迫る8月12日(水)に開催され、山田監督に主演の吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信が出席した。故・井上ひさしが生前、「父と暮せば」「木の上の軍隊」に続く戦争三部作の最後の作品と自ら位置付けるも実現しなかった原案を、井上さんの娘から伝え聞いた山田監督が映画化。長崎で助産婦として暮らす伸子の前に3年前の原爆で死んだはずの息子の浩二が現れる。その日から時々、伸子の前に浩二は姿を見せるようになるが…。撮影は長崎でも行われ、先日9日の長崎の原爆の日には平和祈念式典に山田監督と吉永さんが出席した。山田監督は猛暑の中、執り行われた式典について、70年前に思いをはせ「五千度で焼かれて黒こげになった肉親を捜す作業はどれだけつらかったことか…」と語り、改めて今年、この映画が公開となることに「(戦後)70年という年にこの作品を作り上げたことは意義のあることだと思っています」とうなずいた。吉永さんは「若い人の中に戦争のことも原爆のことも知らないという人が増えていると聞いています。浅野さん、二宮さん、黒木さんの世代、10代の人たちにもこの映画を見てもらい、あのときに起こったことやこれからどんな風に未来に向かって歩いていくのかを考えてもらえたら、こんな嬉しいことはありません」と語った。吉永さんにとっては5年ぶり5度目の山田作品出演となったが「今回が一番、監督の情熱を感じました。鬼気迫ると言うと語弊がありますが怖いほどで、1カットカット、心からの演出をされていました」と述懐する。また息子役を演じた二宮さんの演技に関して「軽やかに演じていて助けられた」とも。2人は互いに「小百合さん」「和也さん」と名前で呼び合っているそうだが、二宮さんは「ドキドキしちゃいます。親や身内にも呼ばれたことがなく、僕にとって“初めての人”になりました」とニッコリ。吉永さんは「どうお呼びしていいか分からずにいたらスッと『小百合さん』と呼んでいただき嬉しくて感激しました。撮影期間中は本当のお母様よりも長く一緒に過ごしておりましたが、(撮影後に)TVなどを見ていると危険なことをやっていたりして『大丈夫かしら?うちの息子は…』と思ったりしています(笑)」と仲睦まじい様子をうかがわせていた。山田監督は劇中での2人について「(二宮さんは)亡霊だから触れない」と説明。「2回だけ触れる回想シーンがあって、泣き伏すんですが、触れるのはこの時だけなので『思い切って抱きしめてほしい』と言いました」と明かした。山田監督は改めて、戦後70年を経て戦争を体験した人たちが次々と亡くなっていることに触れ「そういう人たちがどんどん亡くなっている時だからこそ、記憶を伝えていかなくては」と語り、吉永さんも「語り継ぐことの大切さを感じています。私たちにできることは続けていくこと」と固い決意を口にした。『母と暮せば』は12月12日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月12日終戦70年を記念し製作された『母と暮せば』のクランクアップ会見が8月12日に、都内で行われ、山田洋次監督、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信が出席した。その他の写真1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永)の目の前に、3年前の原爆投下で亡くなった息子の浩二(二宮)がひょっこり姿を現すという、山田監督が初めてファンタジーを手がけた本作。終戦70年を迎える今年、山田監督が故・井上ひさしの広島を舞台にした『父と暮せば』と対になる作品として映画化した。「運命を感じた作品。僕にとっては一番大切な作品になるんじゃないかと思う」と強い思い入れを示す山田監督は、「当時を知る人々が減っているなか、長崎で何が起こったのか後世に伝えなければいけないと改めて思った。メッセージを伝えるために映画を作るわけではないが、平和や戦争について考えてもらえれば」と熱弁。「同時に母と子の愛情の物語であり、悲しい恋の物語でもある」と語りかけた。一方、山田監督と5度目のタッグを組む吉永は、「心からの演出で、怖いほどの情熱を感じた」と振り返り、「それに応えられない自分がいて、悩んだが、二宮さんの軽やかな演技に助けられた」と感謝した。作品に対しては、「かけがえのない人を失った家族の物語。語り継いでいくことの大切さを感じる」(吉永)、「役柄を通して、自分の思いを映画に置いてきたつもり」(二宮)とそれぞれの思いをコメント。撮影中は「小百合さん」「和也さん」と名前で呼び合ったそうで、「どうお呼びしたらいいか、悩んでいたら、すっと“小百合さん”と呼んでくれて…」(吉永)、「うちの家族でも名前で呼ばれることはないので、和也さんと呼んでいただき、ドキドキしました」(二宮)と演技を通して育んだ親子愛を振り返った。『母と暮せば』12月12日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年08月12日吉永小百合が「嵐」の二宮和也と母子役を演じる、山田洋次監督の83作目となる最新作『母と暮せば』。このほど、本作の音楽を、昨年より病気療養中だった坂本龍一が担当することが決定。坂本さんと親交があった吉永さんが縁を取り持ち、山田監督と初タッグを組むことが明らかとなった。映画の舞台は、1948年8月9日長崎。助産婦として暮らす母・伸子(吉永小百合)のもとへ、3年前に原爆で亡くなったはずの息子・浩二(二宮和也)がひょっこり現れ、楽しかった思い出話や、残していった恋人・町子(黒木華)の話をして過ごす日々を描く、山田監督初のやさしく泣けるファンタジー。作家・井上ひさしが、広島を舞台にした『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと発言していたことを、井上さんの三女・麻矢さんを通じて知った山田監督が、終戦70年となる今年、その想いに捧げる形で映画化した。もともとは、主演の吉永さんは、ライフワークとして携わっている原爆詩の朗読で坂本さんがピアノ伴奏を担当するなど、坂本さんとは親交があった。本作の企画立ち上げまもないとき、サントリーホールで行われた坂本さんのコンサートで、吉永さんが山田監督に坂本さんを紹介。監督が映画音楽の仕事をオファーしたところ、『男はつらいよ』シリーズの大ファンという坂本さんが快諾し、これまでありそうでなかった初タッグの実現に、吉永さんがひと役買った形となった。坂本龍一コメント『寅さん』映画は、歳をとるほどに味わい深く感じられます。最近などはタイトルバックの江戸川が見えるだけで、涙目になってしまいます。もう帰ってくることのない昭和の日本への郷愁でしょうか。小津安二郎や成瀬巳喜男の映画にも共通のものを感じます。その山田洋次監督から、次回作の音楽を頼まれました。しかも吉永小百合さんが同席しています。この二人に何かを頼まれて断れる日本人がいるでしょうか。そして内容は井上ひさしさんの『父と暮せば』へのオマージュとして呼応するように、長崎が舞台となっています。核のない世界を望んでいるぼくとしては、これはやるしかありません。このような大作が、病気からの復帰後第一弾の仕事なのですから、ぼくは本当に幸せ者です。山田洋次監督コメント『母と暮せば』の企画を発想したとき、先ずぼくの念頭にあったのは、主役は吉永小百合、音楽は坂本龍一、このお二人しか考えられないということでした。最初に吉永さんの承諾を得てそのあと、彼女と二人でコンサート中の坂本龍一さんの楽屋に押しかけ口づてで企画を話しました。彼の口から快い承諾の返事を聞いたときは本当に嬉しかったものです。坂本龍一さんと組んで仕事をするのは長年の夢でした。ぼくの頭の中にはすでに坂本龍一の美しい音楽が鳴り始めています。吉永小百合コメント昨年の4月、山田監督とご一緒に坂本さんのコンサートに伺いました。坂本さんが『母と暮せば』の音楽を創って下さることになって、嬉しくて嬉しくて舞い上がっています。『母と暮らせば』は秋の完成に向け、現在ポストプロダクション中、12月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月03日山田洋次監督の最新作にして、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一ら、豪華キャストが出演することでも話題の『母と暮せば』。7月10日(金)には、長崎にてクライマックスシーンの撮影が行われ、吉永さん、二宮さんら、メインキャストが一堂に会し、本作への思いを語った。本作の舞台は、1948年8月9日の長崎。助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前の原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れ、奇妙でも、和やかな時間を過ごしていく物語。終戦70年、長崎被曝70年となる今年、山田監督が故・井上ひさしの広島を舞台にした『父と暮せば』と対になる作品として映画化した。今回、長崎で行われたのは、母親の伸子(吉永小百合)と息子の浩二(二宮和也)がカトリック教会の中を二人で寄り添って歩く、ラストシーン。教会の中には、親しかった懐かしい人々が勢ぞろいしているという感動的な場面。本作のクライマックスということもあり、33度を超える暑さの中、山田監督の演出もいつも以上に熱が入り、現場はピリリとした緊張感に包まれていた。思いを込めた作品のクランクアップについて、山田監督は、「これはなんとしても作らなければと思ってから、2年の歳月が過ぎて、この長崎の地で主な出演者がみんな集まって、クランクアップを迎えることができ、こういった形で作品を終えることができると思うと『よーい、はい』と言うのもなんだか胸がいっぱいになります。また、俳優、スタッフみんなに感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。吉永さんも、「戦後70年のこの年にこの作品に参加できて感無量です。でも、山田監督のこの映画にかける熱い思いや情熱に応えられているかどうか、いまはとても不安で不安で、もっともっとできたんじゃないかと自分では反省しているんですけど、素晴らしい共演者の方々と共演できてクランクアップを迎えられるということはとても嬉しいです。公開したらたくさんの人に見てもらいたいと願うばかりです」と万感の思いを明かす。初の山田組への参加で「初めはとても緊張していた」という二宮さんは、「一日一日が非常に贅沢な時間だと感じることができました。また僕は作品の性質上、吉永さんとしか会話ができないので(笑)、今日はこんなにたくさんの人と会えて嬉しいですし、新鮮な気持ちです。長崎という地で終われるのが、卒業旅行ではないですけど、この地で終えられてよかったなと思っています」と思いを込めた。二宮さん演じる浩二の恋人・町子役の黒木さんは、「長崎の話ですし、こうして長崎で撮影ができるのは非常に嬉しいです。山田監督がずっと『戦争を知らない世代に伝えたいことがたくさんある』とおっしゃっていて、私も身近な話ではなかったので、この作品を通して、少しですが知ることができて、いいきっかけになりました」と戦後70年に思いを馳せる。また、町子に心惹かれていく黒田役を演じた浅野さんは、「僕は山田監督と吉永さんとは『母べえ』以来ですが、今回またご一緒できてとても光栄です。僕はとても大きな役ではないのですが、とても重要な役をいただいて、非常にやりがいがあるのですが、現場でも色々なことを勉強させていただいて、非常に楽しかったです」と語り、山田監督も「彼は『父と暮せば』でも宮沢りえちゃんの恋人役で出演しててね。不思議な縁」と感慨深げ。さらに、演劇界の重鎮である加藤さんは「非常に素敵な教会で撮影できて、感無量です。先日、喫茶店に行ったらば、時計が30個ぐらい置いてあって、全て11時2分で止まっていました。長崎の人たちの想いが強く残っているんだなと感じています」と、被爆70年の長崎に思いを寄せた。そんな本作で、初共演で親子役を演じた吉永さんと二宮さんは、お互いの印象も明かす。「二宮さんとは初めて会ったその日から、もしかしたら本当に自分の息子なんじゃないかと思うくらい、寄り添って演じることができました。かわいい息子です。お芝居は二宮さんはとてもしなやかなで、どんな状況でも力を入れずに、本当にすばらしい存在感で、私は引っ張ってもらいました。こういう息子に出会えて本当によかったと思います」と吉永さん。二宮さんも、「そう言っていただけただけで、この作品に出てよかったと思います。吉永さんから、僕の小さい頃の写真を見せてほしいと言われ、僕も久しぶりに自分の写真を見ました。そのことをきっかけに、実際には共有していない思い出などが想像できました」と語る。「本当に、とても優しいお母さんで、撮影が終わる度に『よかったね、よかったね』と言ってくれて、一度撮影が終わった時に抱きしめてくださいました(笑)」と、二宮さんが明かすと、「あんまり素敵なお芝居だったので(笑)」と吉永さん。それを聞いた二宮さんは、「本当に『よかった』と言っていただけたので、そういったことも、先ほども言った贅沢な時間だったなぁと」とふり返った。そんな2人に、山田監督も、「本当にお2人は甘ーいんですよね。とても甘いトローンとした味が漂っていてね。小百合さんも浩二の役に二宮さんが決まったと聞いたら、何度もよかったと喜んでくれて、いいキャスティングができたというよりは、この2人じゃなかったら成り立ってないんじゃないかと。時として恋人に見えるような甘さ、そういう独特の母子の物語になりえているのではないかと思います」と、期待を込めて語ってくれた。『母と暮らせば』は12月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月12日故・井上ひさしの遺志を継ぎ、山田監督が脚本を執筆、二宮和也と吉永小百合が親子役で初共演を果たす山田洋次監督最新作『母と暮せば』。このほど、本作の追加キャストに、加藤健一、浅野忠信が決定した。1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」。その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。山田監督83作品目にして初のやさしく泣けるファンタジー映画である『母と暮らせば』。作家・井上ひさしが、広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと願っていたことを知った山田監督が、終戦70年となる今年、その井上さんの想いに捧げ映画化に臨む。既に発表されているキャストには、母・伸子役に吉永小百合、息子の浩二役に二宮和也、浩二の恋人・町子役に黒木華といった豪華なラインナップ。そして今回解禁となった追加キャスト発表では、一人で暮らす伸子(吉永)を心配し何かと世話を焼く“上海のおじさん”役に、舞台を中心に活躍し日本演劇界を代表する俳優である加藤健一、そして、黒木華演じる町子に心惹かれていく青年・黒田役に、現在公開中『寄生獣完結編』にも出演の浅野忠信が務めることがわかった。浅野忠信は、山田組には吉永小百合主演の『母べえ』以来の8年ぶりの出演となる。二宮和也との共演は初となり、二人がスクリーンでどんな掛け合いをしてくれるのかに期待がかかる。『母と暮せば』は2015年12月12日より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月29日『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員(ぽっぽや)』など日本が誇る名優・高倉健(享年83)が11月10日(月)、亡くなっていたことが明らかになり、吉永小百合、大竹しのぶ、広末涼子らこれまで共演した女優たちから追悼コメントが発表された。1956年に銀幕デビューを果たし、『網走番外地』『日本侠客伝』を始め邦画史上に残るヒット作に出演してきた高倉さん。CMで話題となった「自分、不器用ですから」という台詞で寡黙なイメージがあるが、多くの俳優陣から「健さん」という愛称で親しまれていた。遺作となったのは、高倉さんにとって6年ぶりの主演映画『あなたへ』だった。1980年に『動乱』で共演した吉永さんは、「お知らせに信じられない思いでおります。1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした。映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です。本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」。また、『鉄道員』で共演した大竹さんは「『鉄道員』での、たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました。映画人「高倉健」の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません。神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」。同作で共演した広末さんは「今もまだ信じられません。ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出…全て全部、忘れません」。さらにSNSでも各著名人がコメントを残している。<俳優・浅野忠信>高倉健さんのご冥福をお祈りします本当に悲しいですありがとうございました。<俳優・糸井重里>「気仙沼ニッティング」の、第一号のセーターを予約してくれて買ってくださったのが高倉健さんでした。あの時、ほんとうに勇気になりました。合掌。<俳優・八嶋智人>京都の東映太秦撮影所に初めて行った時、高倉健という楽屋を見付け、十数分その前で立ち尽くしていた。いらっしゃらないのに。高倉健という字面にはそういう力があります。これからそんな人は現れるんだろうか。大きな喪失感。凄いなぁ。合掌。すでに葬儀は、親族のみの密葬で行われているとのこと。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日女優の吉永小百合が18日、俳優・高倉健さんの訃報を受け、東映を通じて追悼のコメントを発表した。1980年公開の映画『動乱』で共演した吉永は、「お知らせに信じられない思いでおります」と心境を伝え、「1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした」と、直接会ったのは約28年前であることを明かした。そして、「映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です」と高倉さんへの思いをつづり、「本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」と感謝の気持ちを表した。
2014年11月18日吉永小百合が主演を務めた映画『ふしぎな岬の物語』の舞台あいさつが15日、千葉・USシネマ木更津で開催され、女優人生で初めて映画の企画を手がけた吉永小百合と成島出監督、スペシャルゲストとして実在の喫茶店「音楽と珈琲の店 岬」の店主・玉木節子さんが登壇した。同映画は、作家・森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』が原作。モチーフとなった喫茶店「音楽と珈琲の店 岬」が実在する千葉県明鐘岬を中心に、館山ファミリーパークや和田浦漁港、大多喜町・大多喜駅、上総中野駅、勝浦漁港、千葉市ブルーフィールドなどでロケーションを敢行。舞台あいさつが行われたUSシネマ木更津は、「音楽と珈琲の店 岬」から最も近い映画館となる。舞台あいさつでは撮影時のエピソードや交流の様子はもちろん、同作品を生み出した「音楽と珈琲の店 岬」の魅力についてもトークが繰り広げられた。玉木さんが同店で提供しているコーヒーを吉永と成島監督にプレゼントする場面もあり、優しさとコーヒーの香りに包まれたイベントとなった。吉永は「色々な意味で千葉との繋がりができて嬉しいです」と話し、「コーヒーの淹れ方をマスターして毎日淹れていて、今朝も淹れてきましたが、淹れる時に、心の底から『おいしくなあれ』と願うとおいしくなるものですね。節子さんとは、お会いした時からずーっと友達だったという感じがしました」と続けた。成島監督は千葉県の茂原に15年以上住んでいることから、外房で映画が撮れた喜びを表した。「撮影中は、吉永さんの淹れるコーヒーを飲み、撮影終わりは節子さんの淹れたコーヒーを夕日を見ながら飲むという幸せな生活をしていました。吉永さんがこの映画に入る前に『旅人の心のオアシスになればいいね』とおっしゃっていたんですが、まさに岬の喫茶店は今そういう風になっていて嬉しいですね」とコメント。玉木さんは「今も岬に来る方は『小百合さんはどこに座られたの?』とあらゆるところに座られるの。岬は小百合さんの匂いでいっぱいです」と反響エピソードを明かし、「今もお客さまと話すとき、海を見ている時、コーヒーを淹れている時、常に小百合さんが寄り添っているような気持ちを感じて生きています。小百合さんが中に入っちゃったような! 双子の気持ちがよくわかりましたね」と語った。(C)2014「ふしぎな岬の物語」製作委員会
2014年10月16日吉永小百合が初めて企画も手がけた主演作『ふしぎな岬の物語』の公開を記念して、キャストと監督による初日舞台あいさつが10月11日(土)に丸の内TOEIで開催される。その他の写真本作は、千葉県に実在する喫茶店をモチーフにした森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』を映画化するもの。岬に立つ小さなカフェを舞台に、そこに集う人々の温かくも切ない人間模様が描かれる。吉永小百合がカフェ店主に扮し、阿部寛、竹内結子、笑福亭鶴瓶ら実力派俳優が脇を固める。メガホンを執るのは『八日目の蝉』の成島出監督。初日舞台あいさつは、丸の内TOEIで2回行われ、吉永、竹内、笑福亭鶴瓶、春風亭昇太、成島監督が登壇する。チケットは、10月4日(土)午前10時より一般発売が開始される。『ふしぎな岬の物語』10月11日(土)会場:丸の内TOEI9:20の回上映後/13:00の回上映前登壇者(予定):吉永小百合/竹内結子/笑福亭鶴瓶/春風亭昇太(9:20の回のみ登壇)/成島出監督料金:大人2000円、大学・高校生1700円、3才~中学生1200円、シニア1300円、障がい者手帳お持ちの方(付き添い1名様まで同額)1200円チケット発売:10月4日(土)10:00AMより
2014年10月02日作家・演出家・翻訳家の谷賢一が立ち上げたユニット「テアトル・ド・アナール」は、これまで、第1回公演で“脳科学”を、第2回公演で“哲学”を素材にしてきた。第3回公演の『トーキョー・スラム・エンジェルス』で、谷が俎上にするのは、“資本主義経済”。南果歩を主演に迎え、そのテーマはどんな演劇に立ち上がっていくのだろうか。テアトル・ド・アナール チケット情報第3回公演で“資本主義経済”を選び、南果歩を迎えることになった経緯を、谷賢一はまずこう語る。「世界のほとんどの国が資本主義をベストな形態だと思って動いてきたけれども、ここ5年ぐらい、そのひずみが見えてきた。日本でもたとえば格差が広がってますよね。じゃあ、自分は何のために働き、その経済活動はどういう意味を持っているんだろうと、経済に興味が湧いてきて。そのときに、“女の金儲け”という言葉が浮かんできたんですが(笑)、女性から見たお金という価値観が入ると、お話が膨らむなと思ったんです」。それに対し、証券会社で成功を手に入れた女性を演じることになる南もこう応える。「女性には男性よりも、家庭のこととか、仕事以外に自分を引っ張るものがある。だから、証券会社で“女の金儲け”をしてたとしても(笑)、男性とは違うお金との関係が描かれるんじゃないかなと、楽しみにしているんです」。物語の舞台となるのは、2020年の東京オリンピック景気も過ぎ去った、少し未来の日本。スラム化が始まりつつある東京の一角に住む低所得者層と、南演じる高所得者層の異なる世界が描かれる。「オリンピックが決まってから、みんな2020年を目標に生きているところがあるなか、その先を見ようとしている谷さんはやっぱりおかしい(笑)」と笑う南だが、その谷の視点と、「演者に1対1で対峙して情熱を注ぐ濃い稽古」に信頼を置いているそうだ。谷にとっても南は、「自分から何でもやろうとし、役作りも自分で研究して、きちんと演劇をやろうとしている頼りになる人」である。この取材でも、谷の話をしきりにメモしていた南の姿があった。その誠実さは、経済というテーマを実像に落とし込む困難な作業にあたっても、力となるだろう。「経済というと堅苦しく思えますが、青山円形劇場という客席とステージが近い場所で演じることで、それが人間の営みであり、人の喜怒哀楽や愛情や失望に結びついているということが、息遣いで伝わるんじゃないかなと思ってるんです」と谷。その目論みの成就が早くも浮かぶ。公演は11月14日(金)から24日(月・祝)まで東京・青山円形劇場にて。チケットの一般発売は10月4日(土)午前10時より。なおチケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、10月2日(木)午前11時まで受付。取材・文:大内弓子
2014年09月29日一夜の乱交パーティの模様を描いた映画として注目を浴びる『愛の渦』の完成披露試写会が2月18日(火)に開催。主演の池松荘亮、門脇麦に滝藤賢一、柄本時生、三浦大輔監督らが作品の魅力を語った。三浦監督が舞台で上演した自らの戯曲を映画化。ただセックスだけを目的に集まった男女のむき出しの人間模様を描き出していく。123分の本編中、着衣時間はわずか18分という過激さが話題となっているが、池松さんは見どころを問われると「卑猥なことしか思い浮かばない!」と苦笑いしつつ、「女性陣の体じゃないでしょうか(笑)?」とストレートに語る。昨年のドラマ「半沢直樹」で人気が急上昇した滝藤さんは、開口一番「4月クールのドラマの主役が決まりました!だからなんだって…(笑)?」と映画と全く関係ないアピールで笑いを誘い、作品について「金メダルの羽生(結弦)くんのような美しさがあり、銅メダルのラージヒル日本チームのようにチームワークの良かった作品です。僕たちにとっては間違いなく金メダル」とソチ五輪にちなんだノリノリのコメント。これから映画を鑑賞する観客に「ムラムラすると思うけど、ここでヘンなコトするとヘンなコトになるので(笑)、家に帰ってから自分で処理してください!」と映画開始前から卑猥な言葉で会場を沸かせていた。柄本さんはまだ完成した映画を観ていないと前置きしつつ、「女の人たち(三津谷葉子&中村映里子)が裸で罵り合ってるのを予告編で見ました。バカみたいで笑えそう」と楽しそうに語っていた。ぽっちゃり体型の信江勇は見どころとして「男性キャストとスタッフを魅了した私のヌード!」と自信満々に語り喝采を浴びる。三浦監督は映画について「『テラスハウス』みたいな映画ですって言えと言われてるんですが…(苦笑)」と明かし、「過激な言われ方をしてますが、人が本質的に持ってる“スケベ心”を描いただけ。デートムービーと思ってます。ちょっとでもこの作品が爪跡を残すことができれば、面白いことになるなと思ってます」と観客の反応を心待ちにしていた。最後に、マイクを握った門脇さんは「撮影が終わった後、私も乱交パーティに参加していたかのような変な感じがありました。ドキュメンタリーのようにみんな、むき出しになっていき、乱交パーティを覗いたり、参加したりしているような気持ちで見られる面白さがあると思います」としっかりと作品の魅力を訴えた。『愛の渦』は3月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年02月18日映画『バイロケーション』の完成披露試写会が14日、都内で行われ、キャストの水川あさみ、滝藤賢一、酒井若菜、浅利陽介と安里麻里監督が出席した。法条遥の同名小説が原作の同作は、"もう1人の自分"であるバイロケーションに命を狙われるサスペンス・ホラー作品。覚えのない偽札使用の容疑をかけられた桐村忍(水川)は、刑事の加納(滝藤)からバイロケーションの存在について聞かされる。突如現れ凶暴化していくバイロケーションに、忍たちは追い詰められていく――というストーリーで、映画はエンディングが異なる2作品("表"は18日~、"裏"は2月1日~)が全国公開される。オリジナルとバイロケーションの2役を演じた主演の水川は、「1人の役を演じ分けるので、私が私と対峙する時も、1人でやらなきゃいけない。複雑だったけど、貴重な体験でした」と初体験に刺激を受けた様子。また、狂気じみた役を熱演している滝藤は、「普段は3人の親なのでとても穏やかなんです」と釈明しつつ、「(狂気を)見るのも演じるのも好きなので、とても楽しくやらせてもらいました」と満足げに語った。イベントでは、「痩せすぎ!」と水川に突っ込まれた滝藤が、「病気じゃない。役づくりだから心配しないで!」と返して笑いを誘い、巨大なマイクに「ツボにはまっちゃった」と笑いが止まらない酒井につられて水川も爆笑するなど、和気あいあい。最後は、集まった観客の多数決で"表"と"裏"のどちらかを上映するという企画も行われ、「観終わった後の気分が全然違う。個人的には"表"が大好き」(安里監督)、「終わってもモヤッとする"表"が好き」(水川)というアピールによって、試写会では"表"が上映された。
2014年01月15日女優の吉永小百合が12月18日(火)、都内のホテルで開かれた「第37回報知映画賞」の表彰式に出席。『北のカナリアたち』での熱演が評価された吉永さんは、28年ぶりに同主演女優賞を獲得したが「みなさんから良い作品だという声をたくさんいただき、手応えもあった。もしかしたら、作品賞かなと期待していたので、私ひとりでいいのか…という思いがあります」と恐縮した様子。それでも『北のカナリアたち』、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』の2作品で助演男優賞を受賞した森山未來、お祝いに駆けつけた共演者の満島ひかり、撮影を手がけた木村大作氏とステージに居並び、『北のカナリアたち』がこの日の“主役”となった。「今年は決選投票で、僅差だったと伺っています」(吉永さん)という通り、大接戦となった作品賞を制したのは、内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』。内田監督の受賞を祝おうと、堺雅人、広末涼子、香川照之という豪華キャスト陣が駆けつけ表彰式を彩った。「終始ワハハと笑いながら、楽しく平和に撮影した。だから、逆にインタビューで答えることがなくて、インタビュアーさんを困らせちゃったほど」(堺さん)、「素っ裸のまま、銭湯ですっ転ぶ(笑)。そんなたった1秒のシーンを、丸一日かけて撮影したのが昨日のよう」(香川さん)。ちなみに、広末さんは体調不良で声が出ず、挨拶こそなかったが、その分男優2人が丁々発止のやりとりで盛り上げ役を買って出るなどチームワークは相変わらず。内田監督も「この映画は、とにかくキャストが良かった」と喜びの笑顔を見せていた。また、高倉健が約6年ぶりの出演作『あなたへ』で、第2回(1977年)以来の主演男優賞を受賞した。スケジュールの都合で表彰式は欠席となったが、「今回の受賞を励みに、これからも精進していきたい」とメッセージを寄せ、さらなる飛躍を誓うと、会場からは大きな拍手が沸き起こった。高倉さんの代理として、同作がなんと20本目のタッグとなる盟友・降旗康男監督が登壇し、「健さんを鉄に例えるのも何ですが(笑)、『鉄は熱いうちに打て』という言葉もあるように、とにかく早く次の作品を撮りたい」と次なる21本目に期待感。「ぜひ面白い企画で、健さんを誘い出してくれれば、友人として嬉しい」と映画関係者が集う会場でアピールしていた。<「第37回報知映画賞」受賞結果一覧>作品賞・邦画部門:『鍵泥棒のメソッド』(内田けんじ監督)作品賞・海外部門:『アルゴ』(ベン・アフレック監督)主演男優賞:高倉健(「『あなたへ』)主演女優賞:吉永小百合(『北のカナリアたち』)助演男優賞:森山未來(『ALWAYS 三丁目の夕日’64』『北のカナリアたち』)助演女優賞:安藤サクラ(『愛と誠』『その夜の侍』)監督賞:吉田大八監督(『桐島、部活やめるってよ』)新人賞:満島真之介(『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』)新人賞:能年玲奈(『カラスの親指』)■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会 北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち 2012年6月2日より全国にて公開カラスの親指 2012年11月23日より全国にて公開© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズアルゴ 2012年10月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2012年12月18日「ぴあ」調査による11月1日、2日、3日公開の映画・満足度ランキングは、吉永小百合主演映画『北のカナリアたち』がトップに輝いた。2位に料理家・辰巳芳子が食を通して“人の命の尊厳”を唱える映像記録『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』が、3位に和田竜のベストセラー小説を野村萬斎主演で映画化した『のぼうの城』が入った。上位作品の画像1位の『北のカナリアたち』は、湊かなえの短編小説を原案に、阪本順治監督が映画化した東映創立60周年記念作品。20年前に起こった“ある事件”に翻弄される女性の姿が描かれる。劇場には幅広い世代の観客が足を運び「気がついたら自然と涙が出ていた」「吉永小百合はとてもキレイで魅力的だった」「若い俳優たちの演技が凄い。特に森山未來は適役」「自分の子ども時代や、その頃の純粋な気持ちを思い出した」「ストーリーがいいだけでなく、情感や雰囲気のある作品。人との繋がりというテーマを感じた」などのコメントが寄せられた。2位の『天のしずく…』は、料理家の辰巳を通じて、私たちの食や、現代の食糧事情、そして日本のゆくえについて考えるドキュメンタリー。出口調査では「辰巳先生の姿勢に大変共感した」「映像がとても美しい。食料自給率など日本食について考えさせられた」「身体を作っているのは食だと改めて実感。自分の食生活を見直し、子どもにも継承していきたいと思った」「農作物が命に繋がるというメッセージがきちんと伝わってくる作品。若い人に観てほしい」など、女性を中心に支持を集めた。(本ランキングは、2012年11月1日(木)、2日(金)、3日(土)に公開された新作映画14本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年11月05日女優の吉永小百合が3日、都内で開催された主演最新作『北のカナリアたち』(阪本順治監督)の完成披露会見に、共演する柴田恭兵、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平とともに出席した。舞台となる北海道・礼文島と利尻島での過酷なロケを無事に終え、「あまりの厳しさに乗り越えられないのでは…と不安になったことも。今は完成してホッとしております」と安どの表情を見せた。その他の写真原案は『告白』の湊かなえ氏が昨年発表した『往復書簡』(幻冬舎刊)に収められた「二十年後の宿題」。20年前に一人の女性教師・はる(吉永)と生徒6人の間に起こった転落事故を軸に、双方の思いが複雑に絡み合いながら、当時明かされることのなかった謎と真実が、一つの衝撃的な結末を導き出すというヒューマン・サスペンスで、東映創立60周年記念作品として全国公開される。吉永は「サスペンスなんですけど、最後には登場人物全員の思いやりや優しさ、温かさがジンワリと伝わる作品になった。辛いことが多い時代ですが(観客の)皆さんの心に、温かい思いが灯ってくだされば」と格段の思いでアピール。劇中で仲村トオルとのキスシーンも披露しており、「二人の心の通い合いをどう表現するか阪本監督と相談し、監督が『じゃあ、キスシーンにしましょう』と(笑)。台本にもキスシーンはあったが、アップで撮ることになったので、監督の度胸に驚かされました」と告白。「撮り終えた後は余韻というか、不思議な気持ちになった」と少し照れくさそうに振り返った。はるの夫を演じた柴田は「まるで吉永さんの手の上でコロコロ転がされた感覚で、心地よかった。今後、何度も何度も共演させていただきたい。ぜひお願いします」と再共演を懇願し、吉永も「次はアクションですか?」とすっかりその気。一方、はるの父親を演じた里見は「吉永さんの親父役と聞いて、ちょっとがっかりしたんですよ(笑)。ぜひ次回は恋人役で」とこちらも吉永との再共演に意欲を見せた。宮崎ら“20年後の子どもたち”を演じた若手俳優陣も、吉永との共演、そして厳しい自然と向き合うロケを通して、感慨を噛みしめていた様子。会見にはキャストに加えて、阪本監督をはじめ、木村大作氏(撮影)、湊かなえ氏(原案)、那須真知子氏(脚本)、川井郁子氏(音楽)、黒澤満氏(企画)らスタッフ陣も顔を揃えた。『北のカナリアたち』11月3日から全国でロードショー取材・文・写真:内田 涼
2012年10月03日東映創立60周年記念作品となる映画『北のカナリアたち』の完成報告会見が10月3日(水)に行われ、主演の吉永小百合を始め柴田恭兵、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、阪本順治監督らが出席した。「告白」などで知られる湊かなえの連作集「往復書簡」(幻冬舎刊)に収録された「二十年後の宿題」を原案に映画化した本作。北海道の離島にひとりの女教師が赴任し、彼女の下で6人の生徒たちがのびのびと育っていくが、ある日痛ましい事故が…。その傷を抱えたまま巣立っていった教え子たちと教師の運命が20年の時を経て絡み合っていく。北海道の礼文島、利尻島で冬と夏の2回にわたりロケが行われたが、特に冬は極寒の中での過酷な撮影が続いた。吉永さんは「あまりの厳しさに『乗り切れないのでは?』と思ったこともあった」と述懐。「それでもスタッフやここにいる出演者のみなさんが頑張ってくださっているのだから、『私ももっとしっかりしなくちゃ』と思い、夏に向けて体力作りもしました」と明かす。吉永さん演じるはる先生の教え子の20年後を演じた森山さんら若手キャスト陣は、吉永さんとの共演、吉永さんの指揮で合唱をするシーンで強く感じるものがあったよう。森山さんは「僕らが歌うシーンは20年前の子供たちと違って綺麗な声で歌うというよりも、20年の時を経てどんな経験をしてまたあの分校に戻ってきたのか?というところ。それぞれが様々な方向に歩き、“ずれ”を感じながらも6人が歌うんですがすごく気持ちよかったです。(映画を観て)自分が出ているのに『いいな』と思えました」と語る。満島さんは「何度もテストをやって気持ちが高揚しすぎるところもあったんですが、吉永さんが本当はこっちを向くはずなにずっとふり向かないことがあったんです。それが高揚感も緊張感もあるけど、空気が澄んだ静かなものになった瞬間に吉永さんがふり向いてシーンが始まったんですが、そのときの表情は、後からみんなで『凄まじかったね』と話をしました。神々しくて、静かだけど美しくて…葛藤も抱えたフッとした表情でした」と尊敬を込めて語った。宮崎さんは吉永さんと目を合わせない芝居が多かったそうで「ストレスがありましたが、指揮をしている吉永さんの顔をしっかりと見られて幸せでした」と告白。小池さんも「歌いながら鳥肌が立つような体験でした」と語る。20年後の6人がこの歌のシーンで初めて揃って再会することになるが、松田さんは「それまでは(6人の関係性や過去が)想像でしかなかったので、それを繋げるものは歌しかなかった。練習でも吉永さんが指揮をしてくださったんですが、想像が形になっていくようで余計な芝居が要らず、本当に久々の再会という感じがして不思議でした」と感嘆を込めて述懐した。吉永さんは“教え子”たちの言葉に目を細めつつ「6人が真っ直ぐに私を見てくれて、それだけで何とも言えぬ感動があり、この場に居合わせてよかったと思いました」としみじみ。「何冥利に尽きると言ったらいいのか…私は先生になりたいと思ったこともあったので、先生冥利に尽きるというか」と現場で感じた幸福を明かした。また吉永さんは劇中、仲村トオルとのキスシーンも披露。吉永さんの映画でのキスシーンは『北の零年』(’05)での渡辺謙とのシーン以来となるが「(はる先生と)仲村トオルさんとの心の通い合いはどういうもの何だろう?と監督とよく話し合いました。トオルさんは撮り終えてその日、東京に帰られたんですが、気恥ずかしくてトオルさんのところに行けず、余韻があり不思議な思いに駆られました」と静かな笑みを浮かべて語った。撮影開始前の制作発表会見で「これまでにない吉永さんを撮りたい」と語っていた阪本監督は、「見たこともない吉永さんの表情というのは、僕が演出で作るのではなく物語がそれを求める瞬間があるんです。不思議な雰囲気を醸し出したショットを感じていただければ」と手応えを口にした。『北のカナリアたち』は11月3日(祝・土)より公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年10月03日「告白」などで知られるベストセラー作家・湊かなえの小説を原作に、吉永小百合を主演に迎えて贈る東映創立60周年記念作品『北のカナリアたち』。北の大地での過酷な撮影の最中に、シネマコンプレックス「MOVIX」のためだけに収録された貴重な特別映像がシネマカフェに一足早く到着!湊かなえの短編集「往復書簡」(幻冬舎文庫)に収録の一遍「二十年後の宿題」を原案に、ひとりの女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描き出す。主演の吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮﨑あおい、小池栄子、松田龍平など豪華なキャスト陣の共演でも話題の本作。吉永さんのコメント、さらに20年前の生徒役の子供たち6人が歌う「MOVIX」のテーマソングをバックに、本作の劇中映像と未公開メイキングシーンで構成されたこの映像。子供たちによる牧歌的なメロディの美しいコーラスと、そこに映し出される劇中のサスペンスフルな映像のコラボレーションは何とも形容しがたい緊張感がある。映像冒頭のほのぼのとした雰囲気に油断していると、森山さんや満島さんらが演じる20年後の子供たちのこれまで抱えてきた葛藤や不安が次々に映し出され、観るものを釘付けにする。しかし、何よりも驚かされるのが映像の冒頭から流れるこの子供たちの“天使の歌声”。本作でも重要な役割を果たすこの歌声は、3,100人の中から選ばれた子供たちによるものなんだとか。“日本最後の秘境”と言われる利尻・礼文島で、天使たちの歌声はどのように響き渡るのか?まずは、こちらの映像から注目の特別映像をチェック!『北のカナリアたち』は11月3日(土)より全国にて公開。※こちらの特別コラボ映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年09月14日吉永小百合が厳しい寒さの北海道で映画撮影1月13日、女優の吉永小百合が東映創立60周年記念映画「北のカナリアたち」の撮影のため寒さ厳しい北海道、礼文島で2日間の撮影をした。氷点下11度という厳しい寒さの中、撮影したのは、吉永演じる先生が、20年前に天使の歌声を持っていた教え子6人と時を経て思い出の島の学校で再会するというシーンだ。成長した教え子たちを抱きしめたい大人になったかつての教え子たち6人は、それぞれ見事に空白の20年の歳月を演じ、映画.コムによると吉永は「みんなかわいくて、役ではなく私、個人としてもハグしたくなります。俳優をやっていなかったらこんな素敵な教え子たちに出会えなかった。お芝居もみんな20年の歳月をきちっと作って、それを埋めて表現するのを目の当たりして、逆に学ぶことも多かったです」と、感慨深げに話したという。そして6人との合唱の練習のシーンでは、皆が可愛くて仕事ではなく、個人として抱きしめたくなったという。新しいジャンルの映画になるのでは?吉永は、「北のカナリアたち」は現在と過去が交互に出てくるシナリオになっている。明日への新しい第一歩を踏み出していく(再生に向かう)ような新しいジャンルの映画になるのではと本作への深い思い語った。20年後の生徒たちを演じる役者たち吉永が絶賛した生徒役の6人は、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平が演じている。ストーリーは利尻、礼文島を主要舞台としたサスペンス映画20年前に起きた事故がきっかけで、島を出た小学校教師の(吉永)が、教え子の一人が事件を起こしたことを知り、かつての教え子たちに会う旅に出る……。(映画.コムより)元の記事を読む
2012年01月18日