意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「大川小学校の教訓」です。東日本大震災から12年が経ちます。宮城県石巻市立大川小学校では、74人の児童と10人の教職員が津波の被害に遭い亡くなりました。12年前の3月11日に地震が起き、津波が来るからと授業は中断され、児童は校庭に集められました。子供たちは、いつも遊んでいる裏山に逃げようと先生に提案しましたが、指示が遅れておよそ50分間校庭にとどまり、あろうことか川のある方向に逃げてしまったために多くの児童が犠牲になってしまいました。なぜ指示が遅れたのか。裏山に逃げなかったのか。現場に行きご遺族のお話を伺い、実際に登らせていただいたのですが、学校のすぐ裏にあり、危険な場所でもないので、全速力で走ればすぐに逃げられたはずと思うと無念でなりません。学校ではその理由に関して回答しませんでした。犠牲になった児童のうち23人の保護者は、責任の所在や原因を明らかにし、二度と子供たちの命が失われることがないよう対策を取ってもらうために、市と県に対して2014年に訴訟を起こしました。裁判は長く続き、’19年10月に、市と県に約14億3600万円の支払いを命じる仙台高裁の控訴審判決が確定しました。学校を運営する行政の、防災に対する事前の不備を指摘し、原告の訴えが全面的に認められた形です。学校の教員には、住民よりもはるかに高いレベルの防災知識や経験が求められるということです。公開中のドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』では、真相を究明しようとした遺族の姿が見られます。小学校の近くには川が流れており、津波が川を遡ってきます。そして堤防が決壊して、被害が広がりました。のちに文科省の調査で、津波の浸水が予測されていた地域に位置する約4割の学校が、津波に対する避難訓練を実施していなかったことがわかりました。東日本大震災を機に、災害時に子供たちをどのようにして保護者に引き渡すかの防災マニュアルが作られました。大川小学校の亡くなった児童の親御さんや生き残った子供たちは、自らが語り部となり、事故の教訓を伝えようという取り組みが続けられています。この悲劇を忘れてはならないと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年3月15日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年03月11日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イラン“ヒジャブ”抗議デモ」です。ヒジャブを発端に広がる反政府運動。深刻な人権問題。昨年9月イランにて、ヒジャブ(スカーフ)のかぶり方が不適切と、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが風紀警察に拘束され、3日後に死亡しました。これに対する抗議デモが拡大し、世界中のセレブリティが女性の自由と人権をSNSで訴えました。イランでは、9歳以上の女性は、国籍や宗教を問わず公共の場では、髪の毛を覆うヒジャブと体の線を隠す服の着用が法律で義務付けられています。事件のあと、イランの抗議デモは国内各地で膨れ上がり、当局はデモ参加者のうち、治安部隊に危害を与えた2人の男性を死刑に処し、2人目は公開処刑を行いました。昨年12月半ばの段階で約1万8000人が拘束され、治安部隊との衝突などにより約490人が亡くなっています。カタールで開かれたサッカーW杯では、イランの選手やサポーターがデモへの連帯を示し、国歌を歌いませんでした。国内でも、プロサッカー選手のアミル・ナスル・アザダニさんがデモに参加したことで拘束され、長期の懲役刑にあたる罪に問われています。イランの国民的俳優のタラネ・アリドゥスティさんは、抗議活動に加わった人を死刑にすることに異を唱え、反革命と暴動を支援する虚偽の情報を拡散した罪で、12月半ばに警察に逮捕されました(※1月4日に釈放)。10月にイスラムの女性に取材したところ、イスラム教の経典コーランでは、女性が男性を誘惑するようなきっかけを作ることが禁じられていますが、ヒジャブのかぶり方まで制約されているわけではないと話していました。つまりこれはとても政治的な意味合いの強い問題です。独裁的な政治家たちが国の統治を強めるために、ヒジャブに言いがかりをつけているのであり、イスラムの教えによるものではありません。民主的な運動で国家体制が崩れることを警戒する統治者が、締め付けを図っているのです。イスラム教そのものに対して、世界で誤解や偏見を生みかねないことを、その方は懸念されていました。イランの男性中心の政治の権力構造が、ヒジャブ着用の問題に表れているということに目を向けてほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年2月8日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年02月04日《脊椎調整》と言う特殊な治療方法を専門とする吉田原整骨院を運営する合同会社 吉田原整骨院(所在地:長野県塩尻市広丘吉田665-13、院長:折橋 誠之)は、脊椎調整による治療を受けた頭痛患者がどの程度の割合で頭痛が改善・回復しているかの調査を行いました。その結果、108人中105人の症状が改善したことが分かりました。頸椎調整の様子令和4年8月~令和4年10月の期間に受診されていた頭痛持ちの患者を対象とします(8月以前から受診されていた方も一部含みます、また通院数回程度で来院されずデータを取ることができなかった患者は除外します)。《データ》頭痛患者108人中、うち105人は頭痛が改善しました。治療回数は、患者により差があり8回~25回程度です。若い方、頭痛を患った期間が短い人ほど早期から改善しました。毎日パソコン仕事の方、何年も頭痛で苦しんだ方は少し治療回数が必要でしたがほとんどの方が改善しました。治療時間は一回につき数分程度、毎回頸椎の調整を行いました。《頭痛の治療方法》頸椎は7個あり、主に頸椎上部を頸椎調整により治療しました。頸椎にある3つの突起を使い行います(後ろに一つ、左右に一つずつ)。突起の並びを触診により確認し、頸椎のねじれを判断します。頸椎にねじれや、圧迫がある箇所の治療を頸椎調整により行い、この頸椎のねじれや圧迫を取り除くことにより神経の圧迫を取り除きます。頸椎にねじれや圧迫が生じると、椎間孔(脊椎と脊椎の間の孔)が狭くなり、そこから出てくる神経を触ってしまうため、頸椎調整(脊椎調整)により、このねじれや圧迫を取り除く治療を必要とします。脊椎調整専用ベッド《結果》令和4年8月~令和4年10月の期間に受診されていた頭痛持ちの患者を対象にし、この治療方法により頭痛を治療しました。頭痛の回復までの治療回数などには差があるものの、8回~25回程度来院された頭痛患者108人中、105人の方の頭痛が改善しました。《まとめ》これらのデータから、脳腫瘍や脳出血など脳の病気ではない一般的な頭痛の原因は頸椎で神経を潰してしまっていることだと考えられます。頸椎から出てくる2番目、3番目の神経は、主に頭の表面を支配しており、頭皮の感覚情報を脳に送る働きをしています。例えば、頭をどこかにぶつけて痛みを感じますが、これは頭皮を支配している神経が、ぶつけて『頭が痛い』、と言う情報を脳まで伝達し、脳が痛みを感じます。しかし、神経は途中で圧迫されてしまうと間違った情報を発信してしまいます。頸椎2番目がねじれたり圧迫があったりして神経を潰してしまうと、脳には間違った情報が送られてしまいます。例えば、頭が痛い、頭が締め付けられている、目の奥が痛い、と言った情報となり脳に信号が送られ、脳はその通りに判断してしまいます。今回のデータから一般的な頭痛の原因は、頸椎の2番のねじれや圧迫により頸神経の2番、3番を圧迫してしまうことだと判明しました。頸神経2番通常、一般的な頭痛の原因は、・血管拡張性頭痛・筋緊張頭痛・天気痛などと言われることが多いですが、実際にはその様な頭痛は存在しないことが確認できました。『頭痛は頸椎調整により根本的に治せるもの』であると、頭痛で悩む多くの方に知っていただきたいと思います。薬では根本的な解決にはならず、ずっと服用しなくてはいけません。また薬の副作用のリスクもあります。課題は、頸椎調整と言う高度な医療技術をどの様に多くの医療従事者が習得するかです。多くの方に《頭痛の本当の原因と、その根本的な治し方》を知っていただけたら幸いです。■会社概要商号 : 合同会社 吉田原整骨院代表者 : 代表社員 院長 折橋 誠之所在地 : 〒399-0701 長野県塩尻市広丘吉田665-13設立 : 2009年6月事業内容 : 整骨院資本金 : 40万円URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月23日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」の拡大版をお届け。堀潤さんがニュースを解説、五月女ケイ子さんが等身大の視点から読み砕きます。Q. 物価が上がる一方、賃金は上がらない。何が起こっているの?A. 日本が乗り遅れてしまった世界の出口戦略。スタグフレーションに陥っています。今、日本は物価高、燃料高に悩まされています。物価は高騰しているのに、先進国のなかでも日本だけ賃金が上がらず、さらに円はどんどん安くなっています。アメリカやヨーロッパに比べると、実感値として、2~3倍、モノの値段が開いている状況です。コロナ禍でなんとか持ち堪えていた日本経済もいよいよコロナ対策の補助金対応が弱くなり、2022年7‐9月期のGDPは4期ぶりにマイナス成長になりました。さらに社会保障費が増額され、2023年秋からはインボイス制度の導入も始まり、締め付けが厳しくなるので、税金の負担が多くなり、将来の展望が描きづらいというのが現状です。稼ぐ力がないので、金融緩和を終わらせることができない日本。2008年のリーマン・ショック以降、金利を低く抑え、貨幣の発行量を増やして、人々がお金を借りやすい状況にして、不景気を支えてきました。世界各国がこのような金融緩和政策をとってきたのですが、これをやり続けると貨幣の価値が暴落し、「多額のお金を出してもモノが買えない」というインフレが進んでしまいます。ある程度稼ぐ力がついてきたので、そろそろ終わらせていいだろうと、’22年の3月にアメリカが出口戦略(金融緩和の終了)を導入。ヨーロッパもそれに続きました。ところが日本だけ追随することができなかったのです。なぜなら、賃金が上がっていないから。この状態のまま金利を上げたら、途端にローンが支払えないなどの事態に陥り、日本経済は混乱します。また、日本企業の衰退も影響しています。自動車産業はガソリン車からEV車に取って代わろうとしていますし、世界に誇っていた大手家電メーカーも他国に追い抜かれ、半導体産業は台湾や中国、韓国に持っていかれ、日本はこれから何で食べていけばいいのか、先ゆきが見えません。日本の成長が見られず、円が買われなくなった。世界経済が不穏になったときには、リスク回避として安定した円が買われていたのですが、日本が成長しない国となれば円を持っていても仕方がないので、投資家たちは皆、手放すようになります。するとますます円の価値は下がってしまいます。これまでは、モノの値段が下がる企業の収益が下がる賃金が下がる(売れないので)さらにモノの値段を下げる、といったデフレスパイラルが起きていました。それを改善しようと、いまモノの値段を上げています。しかし、賃金は上がらないままなので、スタグフレーションという最も警戒しなければならない局面にさらされてしまいました。暮らしを立て直すには、投資、あるいは副業。新しく稼ぐ道を!賃金を上げるためには、需要、仕事を作らなければいけません。これまでは、公共事業を増やし、仕事を作って金回りをよくしました。しかし、オリンピックを招致しても、それはうまくいきませんでした。岸田政権では、デジタル田園都市国家構想といい、地方のデジタル化を進めて、一次産業や観光に付加価値をつけようとしています。ただ、それがどれほどの恩恵をもたらすのかはまだ見えていません。今後も賃金が上がる見込みはなかなかないので、国は個人に向けて、NISAやiDeCoのルールを緩和方向へ。限られた資産をうまく運用して将来に備えてほしいと呼びかけています。また、副業解禁の波は2023年以降も広がるでしょう。自分の専門的な技術を持って、業を起こしていく人たちがより増えていくと思います。金融機関も新しいベンチャー企業に融資しようという姿勢になっているので、アイデアと意欲がある人は、すぐに起業したほうがいいでしょう。働きながら、学び直しをして新たな技術を身につける、リスキリングの支援も国では始めています。AmazonやTwitter社での大量解雇がニュースになりましたが、それらの会社で技術を身につけた優秀な人材はほかの分野で新たな仕事を生みます。人材の流動性があるから、アメリカは成長できているのだと思います。日本の企業も学びと働く環境をセットに、新たなことを生み出そうとする人を優遇していこうというふうに変わっていくと思います。五月女解読員のひと言リスキリング。仕事を軸に持ちつつなら、「生まれ変わる」ほど大ごとじゃなく、自分をバージョンアップできる感じがしていいですね。私もイラストを軸に、職人に弟子入りしたり、エクセルで、事務処理も自分でできるようになりたいです。ほり・じゅんジャーナリスト。市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX)、『ABEMA Prime』(ABEMA)などに出演中。監督作に『わたしは分断を許さない』など。そおとめ・けいこイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、面白楽しいオリジナルグッズを多数、販売中。LINEスタンプも各種展開。近著に細川徹との共著『桃太郎、エステヘ行く』(東京ニュース通信社)がある。※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年12月30日嵐の松本潤が出演する、リクルート・SUUMOの新CM「新しい住まいに出会うとき松本潤さん」編が、2023年1月2日より放送される。新CMでは、松本が「人は、新しい住まいに出会うとき、想像する」と、建物の屋上から優しいまなざしで人々の暮らしに思いを馳せる。「そこで、くつろぐ自分を。夢を、育てていく自分を。そんな姿が見えたなら、そこはきっといい住まいになる」という松本の言葉と共に、新たな暮らしと住まいを想像する人々の様子が映し出される。監督との打ち合わせを終えると、屋上のセットに立った松本。ワンシーンごとに温かな表情、未来への前向きなまなざしを丁寧に表現した。また、ナレーション録りでも、声のトーンやスピード、余韻などの表現を細やかに収録。終了後には「伝わったら良いな」と話し、新CMへの思いやこだわりを感じさせる撮影となった。■松本潤インタビュー――今回のCM撮影の感想は?気持ちの良いCMですよね。撮影前に監督に完成イメージを見せてもらったのですが、空気感がすごく柔らかくて、温かい。そのイメージに自分を当てはめながら撮影しました。自分がどんな家に住んで、どういう人生を歩むか、どんなライフスタイルで過ごしていくかという、住まいの大切さを柔らかいトーンで表した作品になっていると思います。「家を探すことって、生活を豊かにすることなんだ」というメッセージが伝わると良いなと思っています。――2022年はどんな1年でしたか。今年は働きましたね! 忙しい1年でした。同じ作品の撮影に入っている時間がすごく長かったです。今までは1つの作品が終わったら次の現場に行って……ということが多かったのですが、今回はその現場に行くことが家に帰ることに近いというか、日常の生活の中に自然にその現場があるという初めての経験をしているので、すごく新鮮でした。良い1年でしたし、来年も良い1年にしたいですね。――プライベートではいかがでしたか。今年は旅行に行きたいと思っていたものの行けなかったのですが、仕事の関係で各地の神社仏閣などを見てまわる機会がありました。「日本にはこんなにいろいろな所があるんだ」とか「ここにはこんな歴史があるんだ」など、知らなかったことを知れる時間があり、すごく良かったです。
2022年12月27日COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』に出演する、吉田羊さんにお話を伺いました。吉田羊さんが松尾スズキ作品と出合ったのは、’12年の舞台『ふくすけ』だそう。エロもグロも毒も笑いも、そしてその奥に潜む切なさや美しさも、まとめてごった煮にしたような独特の世界観に、「最初は正直、よくわからなかった」と吐露する。「ただ、なんだかすごいものを観たという感覚だけはありました。しかも、観終わった後もずっと何かを問いかけられているような余韻があって。その後、さまざまな作品を拝見するうちに、弱さとか本音を必死に取り繕って生きる人間の滑稽さみたいなものをユーモアで包んで笑い飛ばして、寄り添ってくれるようなところが松尾作品の魅力なのかなと思うようになりました。ダメなところがあるのはみんな同じだよね、だから許そうよ、君も不完全でいいんだよって言ってもらえているような、そんな優しさを感じたんです」そこから「いつか自分もこの舞台に」と憧れていたそう。念願叶った舞台『ツダマンの世界』は、昭和初期から戦後の日本を舞台に、阿部サダヲさん演じる小説家・ツダマン(津田万治)を軸に描かれる愛憎劇。そこで吉田さんが演じるのは、ツダマンと再婚する戦争未亡人、数。「今回すごく演劇的な作品になっていると思います。舞台転換もですし、ひとりの俳優が2役、3役と演じ、ド派手な音楽の中で非現実的な展開が繰り広げられていて、まさに舞台でしか見られない世界。でもその一方で、これまで時間や場所などを限定しない世界で描いてきた松尾さんが初めてだとおっしゃるように、リアルな時代背景で描かれている作品でもあるんですね。命の危険と隣り合わせの戦時下にあっても愛憎にまみれ、嫉妬とプライドに身をやつす人間の愚かさみたいなものも笑いに変えて描いていくところに、松尾さんらしさも感じられます」じつは台本を手にするより前、あらすじを読んだ段階で、吉田さんは思わず泣いてしまったのだとか。「物語終盤、数さんがそれまで溜め込んでいた気持ちを吐き出すセリフがあるんですけれど、自分と重ねてしまい胸がキュッとしてしまったんです。数さんは、無学な自分に引け目を感じつつも小説家の妻としてふさわしくあろうとする女性なんですが、私自身も自己肯定感が低い中で自己研鑽の日々を送っているので、どこか身につまされたんだと思います。最初お話をいただいたときは、松尾さんの世界を果たして自分がどれくらい理解できるかと心配していましたが、もしかしたら自分だからこそできる数さんがあるかもしれない、と思えるようになりました」実際に松尾演出を受けてみて感じるのは、その繊細さだという。「最初に驚いたのは、アドリブのように見えていた部分が、ほとんど台本通りだったことでした。むしろ、受けの芝居を細やかに積み重ねていかれるという印象で。しかも、ちょっとした間や、言葉のニュアンスにこだわられていて、そこの些細な音の違いで、見え方や感じ方が一気に変わるんです。その演出を受けて、黙って隣に座っていた俳優さんが途端に生き生きして見えてくる瞬間があって、本当にすごいなと」かつて吉田さんが松尾さんの手がけたコント番組に出演した際には、台本に書かれた「あ゛」というセリフの発音に対し、すごく熱心に演技指導を受けた経験が。笑いを交えながらも、なんだか妙に心の深い部分に刺さる松尾作品の魅力は、そんな小さなこだわりが積み重なって生まれてくるものなのかもしれない。「世の中に、感情を理路整然と話せる人って少ないですよね。でも、しっちゃかめっちゃかになりながらも、自分なりの言葉を尽くして想いを必死に伝えようとする人の姿には、心を打たれるものがあります。松尾さんの作品には、何かそれに似た美しさを感じるんです」COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』地味に小説を書き続け、中年にさしかかった頃、新作が文壇最高峰の賞の候補となった万治(阿部)は、幼馴染みの勧めにより戦争未亡人の数(吉田)と結婚する。豪商の息子・葉蔵(間宮)は弟子になりたいと押しかけてきて…。11月23日(水)~12月18日(日)渋谷・Bunkamura シアターコクーン作・演出/松尾スズキ出演/阿部サダヲ、間宮祥太朗、江口のりこ、村杉蝉之介、笠松はる、見上愛、町田水城、井上尚、青山祥子、中井千聖、八木光太郎、橋本隆佑、河井克夫、皆川猿時、吉田羊S席1万1000円A席9000円コクーンシート5500円Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~18:00)京都公演あり。よしだ・よう福岡県出身。小劇場で演劇活動をスタートし、ドラマ『HERO』などで注目を集める。最近の主な出演作に、ドラマ『きれいのくに』、舞台『ザ・ウェルキン』など。出演映画『マイ・ブロークン・マリコ』が現在公開中。ニット¥63,800スカート¥85,800(共にケイタマルヤマ TEL:03・3406・1935)リング、右手人さし指¥165,000右手薬指¥99,000左手¥264,000ピアス¥319,000(以上グリンビジューInstagram:@gren_jewelry_official)※『anan』2022年11月30日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・石井あすかヘア&メイク・赤松絵利(ESPER)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年11月29日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「スピーキングテスト」です。受験科目に加えることが、英語力向上につながる?都立高校の入試の合否判定に、来年度から英語のスピーキングテスト導入の準備が進められていますが、受験生や親御さんらから中止を求める声が多く上がっています。都議会でも、立憲民主党や東京維新の会から、合否判定から除外する要請を盛り込んだ条例案が出されました。入試の中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)は、日本人の英語能力を上げていきたいという理由から導入されました。英語能力を示すEFEPI(英語能力指数)の世界ランキングを見ると、2021年は日本は112か国中78位。前年は100か国中55位、2011年には44か国中14位でした。経済成長につれ海外留学が増えたことなどで、英語力が上がっている他国に日本がどんどん追い抜かれている状況が露わになっています。ESAT‐Jは、英文の音読や絵に描かれたシチュエーションに対する解答、自分の意見を述べることが求められ、タブレットに録音して答えます。このテストが、英語以前に、自分の思いを言葉に表すことが得意か否か、コミュニケーション能力を問うものにならないか。吃音や障害のある子供に対して不公平にならないかという問題が指摘されています。テストを受けないという選択肢もあるのですが、受けて低い点数をつけられるよりも受けないほうが受験に有利になる可能性も。また、ベネッセが実施しますが、一事業者が選定された経緯が不透明。解答した音声はフィリピンに送られ採点されます。AからFのグレードに分けられ点数がつきますが、1点の違いでもグレードが分かれてしまうこと、採点の正当性についても問題視されています。そもそも、受験にスピーキングテストを加えることで、日本人の英語力が上がるのでしょうか。それよりも、普段から、英語に触れられる機会を増やす、海外から来る外国人との交流を頻繁にする、留学や英会話スクールへの助成を入れるなど、ほかにもより効果的な方法はあるように思います。11月27日には本テストが実施されます。東京で導入されればこれは全国に広がる可能性も大きい。改めてきちんとした議論が必要だろうと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年11月30日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年11月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「NPT会議決裂」です。核の危機感を持ち、橋渡しに、本気の姿勢を見せて。ウクライナでは、ロシア軍がヨーロッパ最大級のザポリージャ原子力発電所を占拠し、原発を盾に攻撃を強めています。本来、国際法により、原発は攻撃してはいけないと定められているのにもかかわらず、原発のある地域を舞台にした戦闘が続いています。国際原子力機関(IAEA)が現地に入り、誰が攻撃し、何が起きているのか、原発事故が起きないよう策をとっていますが、送電網が遮断されるなど、非常に深刻な事態に陥っています。8月にはNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議がニューヨークで開かれました。ここでは、核兵器の不拡散だけではなく、現在のウクライナ情勢を背景に、原子力は平和利用のために使うことを盛り込んだ最終合意文書を作ろうとしましたが、ロシアは一貫して、「原発を攻撃していない。ロシアに非があるようなことを盛り込むのであれば、文書に署名できない」と主張。最終的に文書はまとまりませんでした。前回の検討会議でも、最終合意文書はまとまらず決裂しました。中東の非核化を求め合意を取ろうとしたのですが、土壇場になってアメリカが核保有国のイスラエルに配慮して、合意できないと言い出し否決されました。NPTは2回連続、核を持つ国は大きな脅威であり、保有国にしか交渉力がないことを見せつける結果になりました。核保有国も非保有国も一致団結しようと昨年、核兵器禁止条約が発効しました。しかし、核保有国は不参加。広島選挙区選出の岸田総理は両者をつなぐ橋渡しをしたいと話していましたが、核兵器禁止条約には参加せず。NPT再検討会議に乗り込んだものの、何か成果を残したわけではありません。いま、核兵器がいつ使われてもおかしくない緊張が続いていますが、その危機感が日本では共有されていないように思います。今年は、核兵器や原子力の平和利用の大きなターニングポイントとなる年になるはずでした。次のチャンスは、来年のG7。岸田総理の肝入りの企画で、広島で開催されます。核保有国に対し、「核が再び攻撃に使われるようなことがあってはならない」と、粘り強く交渉する姿勢をぜひ世界に打ち出してほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年10月12日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年10月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「宗教2世」です。公的支援から外れる貧困。偏見もなくそう。安倍元首相の銃撃事件を機に宗教2世の存在がクローズアップされました。僕は以前からオウム真理教信者の子供たちや、脱会した方のその後の社会生活について当事者に取材してきました。彼らは、一般の社会生活を送るのは極めて困難な状況に陥っていました。学校でも職場でも自分が宗教2世であることを伝えるのは難しかったとみなさん話しておられます。奇異な目で見られたり、レッテルを貼られたり、警戒されたり。友人や恋人に話せば自分から離れていくのではないかという怖さから、余計に一人で抱え込んでしまいます。一方では、SNSの普及により、初めて自分以外にも同じような状況にある人がいることがわかり、心が支えられたとおっしゃる方もいます。今回の事件の山上容疑者の家は、旧統一教会の信者である母親が多額の献金をしたことにより破産しました。このようにカルト教団で、常識を超えた霊感商法などで信者がお金を吸い上げられていくような家庭で育った人は、経済的に非常に苦しい状況に陥ります。ところが、こういう場合の貧困は法的なサポートから外れてしまうんですね。生活保護費は、病気や怪我で働くことができない人に支給されます。しかし、宗教による過剰献金の家庭の場合、両親のどちらかが働いており、お金も稼いでいる。それが家庭や子供たちに回らないという状況ですから、当然、生活保護の対象にはなりません。旧統一教会の信者の子供たちは「祝福2世」と呼ばれ、教会内で大切に育てられます。しかし自由な恋愛や結婚ができないなど厳しい教えがあります。教義に疑問を抱き、親とは違う道を歩みたいと思っても、家族や人間関係、自分の居場所などをすべて切り離すことになるので相当の覚悟が必要です。この問題はほかの新興宗教にも通じます。宗教2世は自分で信仰を選べず、そういう家庭に生まれたことで社会的孤立を強いられ、学びの機会や様々な選択の自由を奪われます。偏見を抱いてしまう社会風潮にも問題はあると思います。公的支援のあり方も再考の余地があるでしょう。宗教の問題というよりは、子供の虐待や貧困の観点から捉えるのが重要ではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年9月21日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年09月17日来年の大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康を演じる松本潤が、家康の素顔を求めて旅をする歴史ドキュメントの第2弾「どうする松本潤?徳川家康の大冒険2」が9月10日(土)に放送される。今回のテーマは、「なぜ家康は天下人になれたのか?」。幾度となく襲いかかる人生の危機の中で、家康が熱心に行っていたのは戦や政争ばかりではない。実は、家康が人知れず、日々熱心に取り組んできた「趣味」の中に、家康が危機を乗り越え、天下人にのぼりつめることができた秘密が隠されている。乗馬、たか狩り、聞香など家康が打ち込んだ趣味の数々を松本さんが体を張って実際に体感。さらに、「最も家康に似ている」といわれる普段は非公開の家康・等身大の木像や、徳川宗家・次期当主の徳川家広さんも登場。愛知県、岐阜県、山梨県、京都府をめぐり、教科書には載っていない知られざる徳川家康の人物像に迫る。解説は本郷和人(東京大学史料編纂所教授)、語りはキムラ緑子が務める。【どうするポイント 1】「乗馬」天下人への道は「負けても死なない」こと三方ヶ原の戦いで武田信玄に惨敗し、絶体絶命の危機に陥った若き日の家康。「生きていてこそ次がある!」。どんな状況であっても最後は逃げて命をつなぐために、家康がのめり込んだのが「乗馬」だった。日本伝統の古馬にまたがり、「家康の逃げの乗馬術」に迫る。【どうするポイント2】「たか狩り」天下人への道は「誰よりも長生きする」ことライバルたちが次々と病死する中、家康の秘策は「ライバルたちよりも長生きすること」。健康オタクへの道を邁進する家康がことのほか重視したのは「たか狩り」だった!75歳という驚きの長寿を全うし、天下人レースを逃げ切った家康健康長寿の秘訣に迫る。【どうするポイント 3】「聞香」天下への道は「己に勝つ」こと誰が敵で誰が味方なのか?陰謀渦巻く心理戦を勝ち抜いた家康の強さは、どんな状況下でも冷静さを失わないメンタルの強さでもあった。それを支えていた家康の趣味こそが「香」。家康がのめり込んだ「聞香」とはどんな世界なのか?家康考案のオリジナル香の再現にも挑戦する。■木道壮司チーフ・プロデューサーよりコメント天下人となった徳川家康は、神君・家康公として神格化され、「いかにエラい人か」を伝える記録ばかりが残されています。本当の人間・家康とはどのような人物だったのでしょうか?今回、そんな家康の素顔を探るため、家康がのめり込んでいた「趣味」を、松本さんが家康の気持ちになりきって体当たりで挑戦!そこからどんな家康像を発見することができたのでしょうか?歴史の裏側を松本さんと一緒に探っていけば、2023年の大河ドラマ「どうする家康」がより楽しくなること間違いありません。「どうする松本潤?徳川家康の大冒険2」は9月10日(土)19時30分~NHK BSプレミアム、BS4Kにて放送。(text:cinemacafe.net)
2022年09月06日嵐の松本潤が出演する、日本航空の新WEB動画「櫻井翔・松本潤の行こうぜ! ニッポン! 九州」編 Part1~3が21日、公開された。同WEB動画は、松本と櫻井翔が日本全国に旅に出かけ、各地の魅力を紹介するシリーズの最新作。松本が福岡と佐賀を訪れ、九州の文化・伝統に触れている。佐賀・呼子にある漁協直営の「呼子台場みなとプラザ」を訪れた松本は、名物のイカを自らさばいて食べることに。「イカは暴れるって聞くよ」と墨対策にカッパを着ながら恐る恐るすくい上げ、包丁を入れていくと、見守っていた婦人会から「上手!」と声が上がる。続いて、福岡・八女の「光安青霞園茶舗」で玉露とういろうを堪能し、茶葉の香りや茶器にも興味津々。店主・光安さんのお茶入れを真剣に見つめ、2煎目にはお茶入れにチャレンジし、華麗な所作を披露した。また、最後に訪れた「門田提灯店」では、櫻井へのお土産として提灯の絵付けに挑戦。「櫻井くんといえば迷彩のイメージだけど、時間がかかりそうだな……やっぱり彼の名前を入れるのがいいかな……!」と提灯に“櫻井”の文字を入れることに。“櫻”の字を間違えてしまうハプニングもあり、「(出来上がりが)どうなってもいいや……(笑)」と言いながらも、スタッフが話しかけると「ちょっと静かにしてください」と返し、真剣な様子で書き進めた。旅を終えた松本は、「その土地の文化・食に触れたり、そこに行かないと見られない景色、感じられない空気感を感じることができたので、心が豊かになる気がします。旅に来られてよかったです」と満足気に振り返っていた。
2022年08月22日嵐の松本潤が出演する、リクルート・SUUMOの新CM「松本潤さんのスーモノリスで地図検索」編が、17日より放送される。新CMでは、無機質な白い空間に松本が登場。スマホを模した巨大な石板を前に松本が「住まい探し……」「地図……」と語りかける。するとそこに地図が浮かび上がり、手でなぞりながら物件検索をし、「使いやすい……」とつぶやく。■松本潤インタビュー――今回のCM撮影の感想は?楽しかったです! 実は撮影の方は以前から親交がある方でしたし、監督も僕と同い年で、以前から監督が作る映像が好きで、一緒に仕事してみたいと思っていたんです。今回のCMは結構特殊な設定・空間なので、どうやって演じるか目指す映像の世界観を監督と話し合いながら撮影しました。――今回のCMのみどころは?独特な世界観の中でちょっとクセのある感じを楽しんでいただけたら嬉しいです。「SUUMO」が、「物件数 No.1」であり「いろいろな情報が手軽に手に入る」というサービスのすごさと、近未来的な映像のかっこよさの両方を楽しんでいただけたらと思います。――「なぞって検索」機能で検索して、どんなエリアに住みたいですか?リアルに自分が選ぶとすると、普段行くジムや、よく行く友達がやっている飲食店などは、わりと1カ所に集まっているので、そのエリアを囲むかな。やっぱり近い方が楽なので。これまでいろいろな所に住んできましたが、僕の場合、結局行く所はほとんど変わらないんです。そこから離れたエリアに住んだこともあるのですが、やっぱり近い方が便利だなって(笑)。僕はいろいろ見るのも好きなので、緑の多いエリアや、魚がおいしそうな海沿いなどを検索してみるのも楽しそうですよね。――物件選びで迷うことはありますか?あまり迷わないかな。自分がその家に住んだらどこに何を置いて、玄関や風呂へはどこを通って……などを想像しながら選びます。あとは、日当たりや景観、駅からの時間、近くに自分に必要な場所がいくつあるのかなども考えます。でも最終的には、自分のフィーリングで「あ、ここにしよう」って納得がいくということがいちばん大事なのかなと思います。――最近の自宅でのマイブームは?最近は、帰ってきてリラックスするために、お香やキャンドルをたくことがマイブームで、割と習慣づけていますね。現場にいる時間が長いので、家に帰ってきて、仕事と自分の時間を切り替えるスイッチにしているんです。あとは、最近、撮影で朝が早いことが多いので、毎朝6時くらいには起きるようにしています。朝のうちに運動したり、サウナに入ったりして現場に行っています。――現在の自宅を「今後こうしたい」などのお考えはありますか?僕は現状に満足していますね(笑)。あえて言うと、最近仕事が立て込んでいるので仕事の資料が増えてきたんです。本などを買ったことで本棚が整理しきれなくて。前回のインタビューの際に「物を減らしてシンプルにした」と言ったんですけど、もうちょっと収納を作っておけばよかったな(笑)。
2022年08月16日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「戦争犯罪」です。ルールはあっても、現実的には大国を裁くのは難しい。国連憲章では、他国への侵略行為、戦争は禁じられています。しかし、戦争になった場合も最低限守るべきルールが、ジュネーブ条約(赤十字条約)によって国際的に定められました。まず、民間人への攻撃は禁止。市民の暮らしの要になるインフラを故意に攻撃することも禁じられています。また、無差別攻撃を目的とする兵器、クラスター爆弾や焼夷弾、化学兵器や生物兵器、毒ガス、対人地雷も使用は禁止されています。兵士を含め、病人や負傷者は手当てを受ける権利が保障されており、それらの人々を助ける赤十字の関係者や施設は、中立的な立場のため攻撃してはいけません。捕虜への拷問や残虐行為も禁止。これらのルールを犯した場合、戦争犯罪になります。また、特定の民族や人種を意図的に根絶やしにするような民族虐殺(ジェノサイド)も禁じられています。ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻では、数々の戦争犯罪の証拠が挙がっています。自転車に乗った民間人を殺害したロシア兵は、明白な戦争犯罪だとして、ウクライナで終身刑が言い渡されました。国家間の紛争を解決するために設立されたのが国際司法裁判所(ICJ)。ウクライナ政府はロシア政府をICJに訴えましたが、ICJは国連の司法機関で、執行は国連安全保障理事会が担います。しかし安保理の常任理事国であるロシアは拒否権を持っています。そのため、ICJがロシアを戦争犯罪を起こしている国と認定しても、実際には裁くことは難しいのです。もうひとつ、国連から独立した国際刑事裁判所(ICC)があり、人道に対する罪や戦争犯罪に問われる、組織のリーダーや個人を裁きます。ICCは、ウクライナでのロシアの戦争犯罪に十分な証拠が揃っていると述べています。しかし、ICCは警察機関を持っておらず、犯罪者の逮捕はその国の警察機関に働きかけます。ただ、ロシアもアメリカも中国も、ICCには加盟していません。そのため、戦争犯罪が立証されても逮捕する手立てはないのです。そもそも戦争を起こさないための知恵を、諦めずに出し合うしか解決方法はないのだろうと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年7月6日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年07月03日2022年6月24日、シンガーソングライターの吉田拓郎さんがテレビ出演から引退する意向であることが分かりました。吉田さんが最後に出演するのは、同年7月25日に放送される音楽バラエティー番組『LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP』(フジテレビ系)です。吉田拓郎、最後のテレビ出演!豪華メンバーが集結『LOVE LOVE あいしてる』は1996~2001年まで、吉田さんと、アイドルデュオ『KinKi Kids』の堂本剛さん、堂本光一さんの3人がMCを務め、人気を博していた音楽バラエティー番組。タレントの篠原ともえさんのほか、バンド『THE ALFEE』の坂崎幸之助さんなどがレギュラーメンバーとして出演していました。同番組の公式ウェブサイトによると、レギュラーメンバーのほか、吉田さんが「最後に会いたい」とオファーした豪華ゲストが出演するそうです。また番組内では、今回のために『KinKi Kids』と吉田さんが合作に挑んだ楽曲『Sayonara あいしてる』が披露されるとのこと。楽曲のリハーサルを終えた吉田さんは「有終の美を飾れそうで、とても幸せ」と語りました。リハーサルを終えた剛は「久しぶりにこのメンバーで過ごして『LOVELOVE~』をもう一度やりたいと思うくらいめちゃくちゃ楽しい」と興奮。光一は特番放送や楽曲制作を実現した大御所の行動力に「昔も今も変わらないエネルギーがすてき」と感服した。吉田はキンキとの〝ラストステージ〟に向けて「すてきな有終の美を飾れそうで、とても幸せ」と2人に感謝した。サンケイスポーツーより引用ちなみに、吉田さんは同月29日にラストアルバム『ah-面白かった』をリリース予定。同アルバムは、吉田さんが1970年にデビューして以来、52年間のアーティスト活動にピリオドを打つ、最後のアルバムです。アーティスト活動の終了に次ぎ、テレビ出演からの引退も発表され、ファンからは悲しみや感謝の声が上がりました。・同じ時代に生き、吉田さんの音楽とともに青春が送れたことを心から幸せだと思います。コンサートに参加したこと、一生の思い出です。・日本初の単独全国ツアーや、オールナイト野外コンサートなど、さまざまな功績を残したこと、本当に尊敬します。・『LOVE LOVE あいしてる』、一番好きな番組です。出演者のみんなが心から楽しんでいると伝わってくるから。最終回、楽しみ!・吉田さんはフォークソングの神様だと思っています。引退は残念だけど、プロだからこその決断なんだろうね。さびしいな。シンガーソングライターとして、音楽業界に大きな影響を与えた吉田さん。彼の、最後のテレビ出演をその目に焼き付けてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2022年06月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「沖縄本土復帰50年」です。もとは独立国家。虐げられてきた歴史に目を向けて。50年前の5月15日、アメリカの施政権下にあった沖縄が日本に復帰しました。沖縄は、古くは琉球国という約450年続いた独立国家でした。明治政府は1872年に琉球国を解体し、琉球藩に。1879年には廃藩置県により、沖縄県に生まれ変わります。「富国強兵」のスローガンのもと、近代国家の仲間入りを果たそうとしていた日本。沖縄は内地とはある種、支配・従属的な関係にありました。中央から派遣された役人や軍人は、沖縄を見下し「はやく大和になれ」と押し付けます。沖縄の人々は差別や偏見にさらされ、「私たちは日本人なのだ」という強い機運を生み、太平洋戦争末期、日本を守るために玉砕、集団自決を決行します。日本で、民間人が戦闘要員として駆り出されたのは沖縄だけです。1945年、米軍は沖縄に上陸し3か月にわたり激しい戦闘が繰り広げられました。沖縄県民の4人に1人が犠牲になり、日米合わせて約20万人の被害が出ました。沖縄戦は9月7日に幕を閉じ、アメリカに統治されることに。マッカーサー元帥は、太平洋地域に拡大した日本国の影響を弱体化させるため、沖縄・南西諸島を日本から分離させることにこだわりました。当時、ソ連や中国を筆頭に共産化の波が押し寄せており、東の果ての防波堤として、沖縄を所有することはアメリカの安全保障上、大きな意味がありました。戦後、沖縄支配は日本からアメリカに移ります。やがて「島ぐるみ闘争」という、米軍支配への反対運動が勢いを増し、日本に復帰するか、独立するか、国連の統治下に置かれるべきか、沖縄住民の間でも意見が割れました。返還交渉は1969年に始まり、年末に最終合意。沖縄県内では「核抜き、本土並み」と核の持ち込み禁止、沖縄と本土が格差のないように扱ってほしいと訴えていました。しかし、裏で秘密協定が結ばれており、沖縄返還に関する費用は日本国が負担し、核の持ち込みも密約では認められていたことがのちに明らかになりました。沖縄には、いまなお米軍基地の約7割が集中しています。国家の安全保障のなかで、沖縄県民の思いを無為にしてきた歴史があることを忘れないでほしいです。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年5月25日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年05月21日吉田羊、大原櫻子らが出演する舞台『ザ・ウェルキン』のビジュアルと公演詳細が18日、明らかになった。同作は英国期待の若手劇作家ルーシー・カークウッドによる作品。1759年、英国の東部サフォークの田舎町を舞台に、人々が75年に一度天空に舞い戻ってくるという彗星を待ちわびる中、一人の少女サリー(大原櫻子)が殺人罪で絞首刑を宣告される。しかし、妊娠している罪人は死刑だけは免れることができるため、妊娠を主張するサリー。その真偽を判定するために、妊娠経験のある12人の女性たちが陪審員として集められた。なんとかサリーに公正な扱いを受けさせようと心を砕く助産婦エリザベス(吉田羊)が尽力する中、法廷の外では血に飢えた暴徒が処刑を求める雄叫びを上げていた。『チャイメリカ』(2013年上演)でローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞を受賞し、英国期待の若手劇作家として一躍メインストリームに躍り出たルーシー・カークウッドの新作として、コロナ禍直前の2020年1月下旬に、英国ナショナルシアターで開幕した同作。ロックダウンで中止になるまでの限られた期間の上演だったが、若い観客層を中心に大喝采を浴びたという。タイトルの「THE WELKIN ザ・ウェルキン」は、英語の古語で「天空」を意味し、75年ぶりに「天空」に舞い戻る大彗星(のちにハレー彗星と命名)を待つ18世紀半ばの英国辺境を舞台にサスペンスフルに展開する物語では、現代にも残る女性たちが受けてきた苦難の歴史が、陪審員審議の会話の中でドラマチックに語られていく。出演は吉田羊、大原櫻子、鷲尾真知子、梅沢昌代、那須佐代子、峯村リエ、明星真由美、那須凜、西尾まり、豊田エリー、土井ケイト、富山えり子、恒松祐里と13人のパワフルな女性たちが登場。土屋佑壱、田村健太郎と、声で出演する段田安則が物語にスパイスを加える。気鋭の劇作家・演出家:加藤拓也が、初めて翻訳戯曲の演出に挑む。東京公演はBunkamura シアターコクーンにて7月7日〜7月31日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて8月3日〜8月7日。
2022年03月18日第2弾がもうすぐ放送となる「松尾スズキと30分の女優」。この度、前作より吉田羊が出演した「吉田羊の乱」がYouTubeにて無料配信スタートした。松尾スズキが毎回ひとりの女優とがっぷり四つに組んで繰り広げる至極のWOWOWオリジナルオムニバスコントドラマ「松尾スズキと30分の女優」。第1弾には吉田さん 、多部未華子 、麻生久美子、黒木華が出演、観た人をやみつきにさせた。現在、WOWOWオンデマンドにて配信中の第1弾。全4話の中から今回、「吉田羊の乱」をYouTubeで期間限定配信。そして、3月放送の第2弾は、生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希の4名が出演(放送順)。どんなコントを繰り広げるのか、注目だ。松尾スズキと30分の女優「吉田羊の乱」は4月4日(月)23時59分までWOWOWオフィシャルYouTubeチャンネルにて配信。「松尾スズキと30分の女優2」は3月13日(日)23時~WOWOWプライム・WOWOWオンデマンドにて放送&配信。※WOWOWオンデマンドでは全4話を一挙配信(cinemacafe.net)
2022年02月27日ベストセラー作家・池井戸潤原作、累計発行部数50万部突破の『シャイロックの子供たち』(文春文庫)が、2022年にWOWOWでドラマ化することが決定した。池井戸潤が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、作家人生の転機として位置付けてきた本作。タイトルの「シャイロック」とは、シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する、強欲な金貸しのこと。本作は、銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた群像劇である。物語の舞台となる東京第一銀行・長原支店は、中小零細企業が主な取引先の小さな店舗。出世街道を外れた課長代理・西木雅博をはじめ、家族を支える真面目な女性行員、エリートで策略家の支店長、業績のためにはパワハラも辞さない副支店長、業務課のエースなど、個性豊かで一癖ある行員たちが皆それぞれの事情や葛藤を抱えながら働いていた。そんなある日、長原支店で100万円の現金紛失事件が発生する。女性行員が犯人として疑われるが、紛失事件を追っていたはずの西木が突然失踪してしまう。現金紛失事件と西木の失踪。2つの謎と長原支店の行員たちの物語が交錯し、やがて現金紛失事件の裏に隠された不正が明らかに。そして西木が姿を消した驚きの真相とは。WOWOWでは、池井戸作品がまだ連続ドラマ化されていなかった2009年に『連続ドラマW 空飛ぶタイヤ』(2009年 / 全5話)を映像化し、その年のドラマ賞を席巻。それ以来『連続ドラマW 下町ロケット』(11年 / 全5話)、『連続ドラマW 株価暴落』(2014年 / 全5話) 、『連続ドラマW アキラとあきら』(2017年 / 全9話)、『連続ドラマW 鉄の骨』(2020年 / 全5話)など、数々の池井戸潤原作ドラマを世に送り出してきた(※いずれもWOWOWオンデマンドにて全話アーカイブ配信中)。監督は鈴木浩介、脚本は前川洋一が務め『連続ドラマW アキラとあきら』や『連続ドラマW 鉄の骨』に続いて再び池井戸作品でタッグ。なお、主人公・西木をはじめとする登場人物たちを演じるキャストは今後発表されるという。『シャイロックの子供たち』2022年放送・配信スタート公式サイト:
2022年02月17日松本潤が遊川和彦とタッグを組む「となりのチカラ」が1月20日スタート。松本さん演じるチカラに「見たことない松潤」「めっちゃ新鮮」などの声が殺到、ずっとセーターを裏返しのまま着ている姿にも「可愛い」の声が多数寄せられている。「人を救いたい」「周囲を平和にしたい」という思いから、いつも中途半端に他人の問題に関わり、簡単に解決できない問題だとわかるとオロオロと中腰になりながら悩んでしまう中越チカラを主人公に、そんなチカラが同じマンションに住む住人たちの悩みを解決し、やがてそのマンションはひとつのコミュニティーとなって強い繋がりを持っていくという、現代人の心に癒しと少しの勇気を与えてくれる、社会派ホームコメディーとなる本作。中越チカラを松本さんが演じるほか、チカラの妻で12歳の娘・愛理と10歳の息子・高太郎の母親、アパレルショップで店長を務めている中越灯に上戸彩。小学6年生のチカラの娘・中越愛理に鎌田英怜奈、高太郎に大平洋介。中越一家のお隣に住むエリート会社員で、妻と娘と仲良く暮らす理想的な3人家族に見えるが、なぜか妻と娘は何かに怯えている木次学に小澤征悦。学の妻の達代に映美くらら。小学3年生の娘・好美に古川凛。中越一家の真下に住み、数人でルームシェアをしているマリアにソニン。凶悪少年犯罪事件の真犯人“少年A”という噂がある上条知樹に清水尋也。震災で両親を失い祖母の清江と暮らす高校3年生の柏木託也に長尾謙杜(なにわ男子)。託也の祖母・清江に風吹ジュン。チカラの担当編集者・本間奏人に勝地涼(友情出演)。チカラが仕事場に使うカフェの店主に夙川アトム。マンションの管理人・星譲に浅野和之。中越一家の隣人で占いにハマっている道尾頼子に松嶋菜々子といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。東京の郊外にあるマンションにチカラたち一家が引っ越してくる。個性豊かな住人たちに思いを巡らせるチカラに対し、灯は「ご近所のことに首を突っ込まないように」と諭す。しかし隣の部屋から叫び声が聞こえ、心配でいてもたってもいられなくなったチカラは隣の木次家を訪ね、学に怯えたような表情をみせる達代と好美が気になる。実は好美は虐待を受けているらしく…というのが1話のストーリー。チカラ役の松本さんに「面白かった! 見たことない松潤だった!」「こういう役の松潤新鮮だなー。凄い好き」「今までの松潤と違うキャラでめっちゃ新鮮」などの反応が上がるとともに、「歩き方も話し方も違って松本潤くんなのに松本潤くんじゃ無かった」など、これまでにない役柄を演じる松本さんの演技力を高く評価したコメントも。一方、放送が開始してしばらくたつとSNS上には「セーター裏返しじゃんチカラくんw」「セーター表裏逆じゃございませんか?」など、チカラがセーターを裏返しに着ているという指摘が相次ぐように。その後、裏返しに着ていることを灯に指摘されたチカラはあわてて脱ごうとするのだが、視聴者からはその姿にも「セーター表裏逆可愛い」「チカラくん可愛すぎ セーター裏返し」など、多数の“カワイイ”という反応が寄せられている。(笠緒)
2022年01月20日吉田鋼太郎主演「おいハンサム!!」が1月8日から放送開始。SNSでは吉田さんの演技に「吉田鋼太郎さん劇場」「父の昭和感が絶妙」など絶賛の声が上がったほかキャスト陣を賞賛する声も多数。「テンポとリズムがすごい好き」など演出も高く評価されている。本作は東海テレビ×日本映画放送が共同製作する“家族”と“食”のラブ&ファミリードラマ。伊藤理佐による“食”と“恋”を描いた人気コミック「おいピータン!!」&「おいおいピータン!!」を中核原作に、「渡る世間はオヤジばかり」「チューネン娘。」「あさって朝子さん」など伊藤氏の数ある人気コミックのモチーフを加え実写化した。昭和頑固親父の生き残りのような伊藤源太郎を吉田さんが演じるほか、伊藤家の三姉妹のうち、ある程度の外見の良さを求め元カレを捨てた長女・由香に木南晴夏。今は結婚して大阪で暮らしている次女・里香に佐久間由衣。漫画家志望の彼をいて1人暮らしをはじめた三女の美香に武田玲奈。家族をのんびり支える母親の千鶴にはMEGUMI。由香に捨てられた元カレで、源太郎の取引相手でもある大森利夫に浜野謙太。里香の夫で銀行員のミキヒロに桐山漣。ちょっとだらしない漫画家志望で美香の彼氏・ユウジに須藤蓮。また合コンで美香と出会うエリートサラリーマン・大倉学に高杉真宙。由香の不倫相手の竜也に久保田悠来。物の例えが古風な美香の同僚・シイナに野波麻帆。大森の会社の新入社員・山下に京典和玖といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。美香は1人暮らしをはじめユウジと半同棲状態になるが、ユウジが全力を込めた漫画を読んだ美香は「別れてください」と土下座。しかし美香と別れたくないユウジは「僕と別れると後悔するよ」と部屋に居座る。また高学歴な銀行員の夫と大阪で暮らす次女の里香も離婚寸前。不倫中の長女の由香も食事をしていると元カレ・大森が現れ…というのが1話のストーリー。酔っ払って帰ってきて千鶴の周囲をぐるぐる回り、スーツのまま布団に倒れ込むが、千鶴がタイガーマスクのセリフを口にすると突然起き上がる…。ラストでは由香の元カレとは知らず、飲んで意気投合した大森を自宅に招いてしまう…。“昭和おやじ”全開な源太郎を演じる吉田さんに「説明しすぎず不思議なテンポなのに面白い!吉田鋼太郎さん劇場だった」「吉田鋼太郎演じる父の昭和感が絶妙 中々面白いドラマだった」「吉田鋼太郎を愛でるドラマ」といった声が続出。また「吉田鋼太郎さんとMEGUMIさんが夫婦の時点で一定の期待はしてましたが、やっぱいい味出してました」「MEGUMI母さんのキャラが笑いを増幅させてて面白すぎる」「木南晴夏とハマケンのコンビだけでも観る価値あり」「内容も細かく丁寧に作られてる感じして最高のキャスト」など、豪華キャスト陣への賞賛も。「テンポよくて面白かった。キャストも豪華。毎週見る事にしよう」「おいハンサムめっちゃ面白いな。ドラマのテンポとリズムがすごい好き」「テンポと絶妙なセリフと独特の雰囲気がめちゃくちゃ楽しい」「淡々と笑えるというのはなかなか珍しいので、このテンポと熱量を今後もキープしてもらいたい」といった演出の良さについて触れたコメントも多数投稿されている。(笠緒)
2022年01月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「親ガチャ」です。階層の固定化をどのように崩していくのか。「親ガチャ」とは、カプセル玩具やソーシャルゲームの“ガチャ”になぞらえて、親や生まれる境遇を選べない状況を表す言葉で、国会でも取り上げられました。かつては「一億総中流」といわれ、どの家庭に生まれても平準化された暮らしがありましたが、いまは大きく変わってしまいました。一般的に親の年収ごとに400万円以上ならN(ノーマル)。1000万円以上ならR(レア)。3000万円以上ならSR(スーパーレア)、400万円以下はB、C、D…と、ゲームのランキングのように、年収と職業を符号させることがネット上で流布されています。階層化をまざまざと認識させるような手法は、社会の分断を加速させてしまいます。一番の問題は、階層移動が不可能な格差が固定化されていることでしょう。これまでは、個人の努力によって、いかなる家庭に生まれようとも望む暮らしが手に入れられるチャンスがありました。ところが、いまは頑張ったところでどうにもならない状況に追い込まれています。この問題の解決には政治の力が求められます。少なくとも、「機会の均等」について対策をとるべきでしょう。日本は教育への投資がGDP比率で圧倒的に低い状況にあります。大学までは国が無償で面倒をみる、給食費は国や自治体が税金でまかなう、タブレットやパソコンなどのデジタル機器・通信環境は家庭によって差が出ないように補助していくなど、方法はいくつもあると思います。アメリカのシリコンバレーでは、難民や移民、貧困層の子供たちに民間の企業が寄付を呼びかけるなど、教育機会を与えて人材育成に力を注いでいます。日本では孫正義さんが率いる財団で、進学や留学、研究などを志す若者たちのサポートをしていますが、民間企業全体ではそういうサポートがまだ足りていません。自分たちの国を支える技能者を育てるという観点からも、必要なことなのではないかと思います。子供たちを国や社会で育成するという視点が重要なのではないでしょうか。読者のみなさんも、自分が親になったときに、子供の人生が自分の年収で決まってしまう社会でいいのか?考えていただけたらと思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月8日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年12月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「中国TPP加盟申請」です。中国も台湾も加盟を申し出た。行く末に注目。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の始まりは、ASEAN(東南アジア諸国連合)や南米地域の経済連携でした。ところが、オバマ政権時にアメリカが加わることになり一気に色合いが変わりました。中国の台頭が目覚ましくなり、中国を牽制する連携が必要と、自由主義諸国の中国経済圏への対抗措置として交渉が進められるようになったのです。日本は最初は関心を示していませんでしたが、この巨大な貿易圏に入っておかなければ、将来孤立しかねませんし、最初からルール作りに参加しておいたほうがよいだろうと判断。反対意見もあるなか、民主党政権下で参加を決め、交渉を開始しました。ところが2017年、ようやく貿易交渉も合意したところに、トランプ政権が誕生し、アメリカはTPPを離脱。一気に、規模が縮小してしまいました。そこからは日本主導となり、2018年に11か国がTPPに署名しました。今年、バイデン政権になり、日本はアメリカのTPP復帰を求めていますが、バイデン大統領は静観しています。そんな折、中国がTPP加盟を申し出ました。習近平国家主席は当初からTPPに関心を持っていたらしく、米国が抜けたいまがチャンスだったんですね。中国は戦争という武力で圧力をかけることよりも、交渉のなかで自国に有利なルールを作り、中国の貿易圏に取り込むことで他国を経済的支配下におくことに注力してきました。TPPはその大きな入り口になるところでした。そこへTPP加盟を申し出て牽制に入ったのが台湾です。これには「中国は一つではなく、台湾は台湾」というメッセージが込められています。TPPの加盟には参加国全員の合意が必要です。中国を先に入れれば台湾やアメリカの加盟は不可能になるでしょう。また、台湾を先に入れれば中国を敵に回すことになり、アジア太平洋地域の緊張につながります。日本にとって頭の痛い問題なのです。TPPの先には、さらに国や地域を拡大した連携などの構想があります。政治と経済を切り離し、東アジア全体の安定につながるような交渉ができるといいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月1日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年11月26日圧倒的な強さから『霊長類最強女子』として知られる、元レスリング選手の吉田沙保里さん。現役引退後は、タレントや解説者など幅広く活躍しています。そんな吉田さんが投稿した何やら意味がありげな写真に、ネットがざわついでいるようです。吉田沙保里の投稿した写真に「まさか…!」の声2021年10月31日、吉田さんは自身のInstagramに複数枚の写真を投稿しました。投稿文には「Happy Halloween」という10月31日にちなんだメッセージと、「#happyday」「#ありがとう」「#20211031」というハッシュタグが。何気ない文章の投稿が話題になっている理由は、添付された写真にありました。※写真や動画は複数あります。スライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 吉田沙保里(@saori___yoshida)がシェアした投稿 写っているのは、吉田さんと思われる女性と、同年代に見える男性の姿。2人は一緒にブランコに乗ったり、手をつないだり、肩を組んだりと、とても親しい関係に見えます。そう、この写真と意味ありげな投稿文を見た人たちは「もしかして、吉田さんに恋人がいるのでは…!?」と予想したのです。吉田さんの投稿はまたたく間に話題になり、Instagramのコメント欄だけでなく、ネットのあちこちで反響が上がっています。・ま、まさか…近いうちにご結婚されるのでは…!?・素敵な方だし、おめでたい発表が近いうちに来たら嬉しい!・どんどん美人になってるもんね。写真見てニヤニヤしちゃった。テレビ番組で「好きな人とうまく話すことができない」といった悩みを明かすなど、かわいらしい一面も持つ吉田さん。『霊長類最強女子』として試合に挑む勇ましい姿とのギャップも、魅力の1つといえるでしょう。もしかすると、近いうちに何か発表があるのでしょうか…![文・構成/grape編集部]
2021年10月31日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京オリパラ」です。パラの成長を見た東京大会。認知に広がりも。東京オリンピック・パラリンピックは大会としては結果的に成功だったように思います。無観客でさまざまな制約があったにせよ、特にパラリンピックは過去の大会に比べると注目度もたいへん高く、史上最多の4403人の選手が参加しました。アフガニスタンでは開催直前に政変が起き、選手が大会に参加できず他国に逃れるという事態に。開会式では国連難民高等弁務官事務所の方が代わりに国旗を持って入場行進をし、最終的にはサポートを得て2人の出場が叶いました。女性選手も、LGBTQをカミングアウトする選手も、これまでの大会以上に参加が増えました。僕はパラリンピックの取材に関わっていましたが、会場内の感染対策は徹底していました。関係者はPCR検査を毎日無料で受けられ、毎朝専用アプリに体温を入力。それが自分のIDナンバーに紐づけられていました。誰か記入漏れがあると同じ取材グループ全員にメッセージが届き、入力を促すシステムで、すごく安心感がありました。こういうデジタル化された管理システムが街中でもできればと思います。日本のボランティアは、海外から高い評価を得ました。しかしそのバックヤードでは、1年延期により指揮命令系統や担当者の引き継ぎに不具合があり、ボランティアのみなさんに大きな負荷をかけてしまっていたようです。東京五輪は、政治的な抗議パフォーマンスが認められた初めての大会でもありました。女子サッカーなどでは試合開始前に選手が片膝をつき、女子砲丸投げの銀メダリストは表彰台で両腕をクロスして人種差別等に抗議を示しました(表彰台上でのパフォーマンスは本来は禁止)。Black Lives Matterなどの流れを受けたことが背景にあります。ミャンマーの選手の日本への難民申請が異例の早さで認定されたのも、オリパラという世界が注目する場だからできた判断だったと思います。今回、オリンピックよりもパラリンピックのほうが、理念をより体現した大会だった印象です。世界中の人々が集まり、出身国の政治状況を身近に知る機会になったのは、大きな財産になったのではないでしょうか。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月27日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月23日パルコ・プロデュース 2021『ジュリアス・シーザー』は、女性キャストたちだけで描かれるシェイクスピア劇。その見どころを吉田羊さんに聞きました。意外にも、シェイクスピア劇への出演は初めてだという吉田羊さん。「観客として観るシェイクスピアって難解で、途中でセリフを聞き逃すと置いていかれてしまうんですよね。役者としては、舞台上の俳優の胆力とパッションに圧倒されるのだけど、それをどう楽しんでいいかわからない。でも、今思えば、自分と関係のないものだと決めつけて、その魅力に向き合おうとしてこなかっただけなのかなと感じています」というのも、今回初タッグとなる森新太郎さんの演出を受けて、これまで抱いてきたシェイクスピア戯曲のイメージがガラッと変わったそう。「森さんは演出するうえで、英語の原典を引用されるんです。たとえば、同じ“自由”という言葉でも、自ら闘って得ていく“liberty”と人間がもともと持っている権利としての“freedom”では、ニュアンスが違いますよね。そういう言葉ひとつひとつを読み解いて、シェイクスピアが表現しようとする真意を理解して演じさせようとしてくださる。ひとつひとつに時間をかけるので、稽古が始まって10日ほどですが、まだ本読み段階(笑)。それでも、シェイクスピアで大事なのは言葉で、役者同士が言葉という武器を手に戦う作品ですから、着実に理解は深まっていると思います」森さんの稽古は声を荒げることなく淡々と快活に、でも何度も何度も何度も同じ場面を繰り返すスタイル。「98点では満足しない方なんですよね。だから100点が出るまで何度も繰り返すんです。でもそれって、役者を信頼してくれているからで、だからこっちも食らいついていけるんです。何より森さん自身がおもちゃを与えられた子供みたいに、誰より稽古を楽しんでいますから。あと、演出するときに用いる比喩の表現が本当に面白くて」そんな森さんからは、「役の感情に流されないように」ということも。「今回は、言葉を伝えることを重視しているため、感情を作るのは大事だけれど、流されずに言葉をしっかり相手に投げていく訓練をしています。これまで、『セリフを歌うな』というダメ出しはされてきましたが、今回は逆。言葉のリズムが音楽の旋律のようで、口にするうち自然に体に馴染んで気持ちよくなっていく。今まで感じたことがない体験です」舞台『ジュリアス・シーザー』は、共和制ローマの最高実力者・シーザーの暗殺を巡る権力闘争と愛憎の物語。吉田さんはシーザーの親友ながら、暗殺に力を貸すことになるブルータス役。なんと今作は、すべての役が女性キャストによって上演される。シェイクスピアの時代の上演スタイルを踏襲して全役男性で演じられることはときどきあるが、オールフィメールは珍しい試み。「最初こそ俺という一人称に違和感がありましたけど(笑)、戯曲の中の性別を固定するようなセリフは今回ほぼカットされていますし、性別を超えた人間の物語として観ていただけるんじゃないでしょうか。ジェンダーレスが声高に叫ばれる昨今ですが、根本にあるのは、性別で人間をはかるなってことだと思うんです。どんな感情も人間が等しく持つもので、性別によって区別されるものではない。この作品を通じて、そういうメッセージを発信できたらと思うし、そういう意味でまさに今やるにふさわしい作品ですよね」嫉妬や欲が渦巻く中で、ブルータスは「私利私欲がなくて、誠実だと誰もが評する人物」。「人望が厚く優しいけれど、ここぞというときに詰めが甘くて、その優しさが自分の首を絞めていく。そんな人間味のあるブルータスをお見せしたいと思っています」近年の吉田さんといえば、ジェーン・スーさんのエッセイをドラマ化した『生きるとか死ぬとか父親とか』や、異色の設定で話題を呼んだドラマ『きれいのくに』など、ひと癖ある作品に出演している印象が。「脚本、演出家、企画…判断基準はいろいろありますが、基本的にやりたいかやりたくないかの直感です。お芝居って心なので、自分が面白いと思って取り組めないと伝わってしまう。だからこそ心を大事に作品を選んでいきたいなと思うんです」ならば今回の舞台、出演を決めた最大のポイントはどこですか?「優先順位をつけるのは難しいですが、一番はPARCO劇場かな。選ばれた俳優しか出られない劇場のイメージ。長く小劇場で演劇をやってきて、あそこに呼ばれるようになりたいと奮闘してきたので、成功させるぞという思いで臨みます」共和制末期のローマ。次々と戦果を挙げ権力を増大化させていくシーザー(シルビア)の存在を危ぶんだキャシアス(松本)。ブルータス(吉田)を仲間に引き入れ、シーザーを暗殺する。その知らせを聞いたアントニー(松井)は…。10月10日(日)~31日(日)渋谷・PARCO劇場作/ウィリアム・シェイクスピア演出/森新太郎出演/吉田羊、松井玲奈、松本紀保、シルビア・グラブ、三田和代ほか全席指定1万1000円ほかパルコステージ TEL:03・3477・5858大阪、山形、福島、宮城、富山、愛知公演あり。よしだ・よう福岡県出身。舞台を中心に活動する中、2009 年の『returns』や‘11年の『国民の映画』などの三谷幸喜演出舞台に出演し注目を集める。最近の出演作にドラマ『恋する母たち』など。ブラウス¥75,900 スカート¥86,900ピアス¥26,400(以上sacai TEL:03・6418・5977)※『anan』2021年10月13日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・梅山弘子ヘア&メイク・井手真紗子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年10月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「世界の気温1.5℃上昇」です。加速する温暖化。脱炭素に向けた新技術に注目。8月、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は、今後20年以内に、世界の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5度に達するという予測を発表しました。これは3年前の報告よりも10年早まっています。温暖化は人間の影響により起きており、そのせいで熱波や豪雨、干ばつなどの異常気象が増加。気温の上昇は2050年頃にCO2の排出をゼロにしても1.5度、ゼロにならなければさらに上がり、脱炭素対策が急務であると警告しました。日本政府は4月、2030年度には‘13年度比でCO2を46%削減すると発表しています。しかし、産業界からは、それさえ難しいという声が上がっており、再生可能エネルギーの普及促進を政府に求めています。家庭でのCO2排出量削減は66%減が必要と国は試算していますが、個人でできる範囲は限られます。電力の使用量を可視化できる「スマートメーター」も個人で新たに設置するには高額です。国は街づくりと一体化して、効率的に電力を運用していく必要があるのではないでしょうか。環境省は、‘19年より省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」をウェブで公開。また、ステイホームで長時間使用するようになったエアコンのサブスク化の検討も進めています。新しい省エネ機種を購入するのではなく、月額使用料を支払い、導入しやすくする狙いがあります。また、大学や公的機関のインフラを再生エネルギー100%に変えていく試みも始めようとしています。企業に対しては、太陽光パネルの設置の義務化も提案されましたが、それには森林を切り開かなければいけなかったり、台風や土砂災害により太陽光パネルが産業廃棄物になってしまうという環境負荷の問題もあり、異論が出ています。そんななか、非常に薄いフィルム状の「ペロブスカイト太陽電池」が開発されました。世界で注目の次世代型太陽電池で日本でも研究が進んでいます。将来は自分の使用するエネルギーを、身につけているものでまかなう時代になるかもしれません。新しいテクノロジーに社会的関心が高まり、研究促進の後押しになるといいなと思います。ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月6日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月01日女優の茅島みずきと俳優の吉田鋼太郎が共演する、三菱重工業の新CM「カーボンニュートラル」編、「水素発電」編が5日より、日本テレビ系ニュース番組『news zero』(毎週月~木曜23:00~、金曜23:30~)で放送開始する。新CMは、今年1月から放送が始まった三菱パワーのCMに次ぐ第二弾。前回同様、茅島が主演を務め、吉田扮するフレンチブルドッグの“ブルくん”とともに、ユニークな掛け合いを通じて「カーボンニュートラル社会の実現」に向けた取り組み姿勢を伝える。■茅島みずきコメント前回出演させて頂いた三菱パワーさんのCMに続いて、今回は三菱重工さんのCMに出演できることになり、とても嬉しく思います。ブルくんは相変わらずのかわいさで、撮影もスムーズに進みました。ブルくんも2回目の撮影ということで段々慣れてきたのかなと思います。元気でかわいい子供達の表情も見どころです。カーボンニュートラルや水素発電といった地球に優しいキーワードをテーマに撮影を実施しました。ぜひご覧になってください。■吉田鋼太郎コメント約1年ぶりにブルくんの声で出演することができ大変嬉しいです。どんな声で演技をしていくか悩みましたが、前回よりも吉田鋼太郎らしさを出していく形で臨みました。結果、大好きなブルくんと一心同体になれたのではないかと思います。素敵な茅島さんとかわいいブルくんと改めて共演できましたし、地球がより良くなっていく未来を予感させるようなCMに仕上がっております。 是非お楽しみくださいませ。
2021年10月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフガニスタンとタリバン」です。タリバンの圧政を恐れ、逃げる国民。世界の監視が必要。8月16日、武装勢力タリバンがアフガニスタンのほぼ全域を制圧しました。タリバンは1996年に政権を樹立。しかし2001年、アメリカ同時多発テロの首謀者・ビンラディンを匿っているとして米軍などがアフガンを空爆、政権を崩壊させました。その後、約20年間、タリバンは駐留米軍や政府軍と戦闘状態にありましたが、前トランプ政権時に米軍が撤退することで合意。引き継いだバイデン大統領が5月から撤退を本格化させるとタリバンは次々に全土を掌握、首都を包囲されたガニ大統領は国外に逃れ、8月末の米軍の完全撤退前に政権が崩壊しました。元タリバンの兵士で、現在は現地で平和構築活動をしている方を3年前に取材したことがあります。そのときに、「シリア内戦やISの台頭など、世界の注目がアフガニスタンから外れていった。その空白(時期)が生まれると暴力が起きる」とおっしゃっていました。今回の制圧も急に進んだのではなく、ガニ政権は腐敗しており、タリバンの活動は近年活発化していたのです。旧タリバン政権は女性の教育や就労を認めず、男性家族が同伴しない外出を禁止。人権侵害だけでなく、反政府勢力となってからは無差別テロをたびたび起こすなど残虐性が増していると指摘する海外メディアもあります。復権による圧政を恐れた国民は、国外に逃れようと空港に押し寄せ、離陸する飛行機にしがみつき振り落とされて亡くなる悲劇も起こりました。そんななか、中国やロシアはいち早くタリバン新政権を支持すると表明しました。中国にとっては一帯一路構想の重要な地域なので、タリバンと良好な関係を築いておきたいのです。一昨年、アフガニスタンの緑化運動を進めていた中村哲医師が、武装勢力に殺害されました。現地には日本の人道支援に対して、強いリスペクトを持つ人が大勢います。こういうときこそ、アメリカかタリバンかではなく、市民の側に立ち、生活が安定するように関わり続けることが重要なのではないかと思います。いま現地では、激しい攻撃を受けながらも、女性たちが権利を求めて抗議活動を行っています。動向を注視しなければなりません。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新型コロナの治験」です。多くの治験が新薬の完成を早めます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大がなかなか収まらないなか、急がれるのは治療薬の開発です。そのために行われるのが「治験」です。治験とは、新しい治療薬の候補が開発される過程で、健康な人や患者さんに使ってもらい、効果や安全性、副作用の有無などを確かめる臨床試験のこと。体を使って調べるため、もちろんリスクを伴いますが、検査費用の負担はなく日本では何かあればすぐさま医療機関による手厚いフォローが受けられます。現在、国立国際医療研究センターの治験管理室や「生活向上WEB」で、新型コロナの治験参加者を募集しています。「生活向上WEB」の募集案内によれば、自宅で服薬しながら病院に定期的に通い、7か月にわたり経過を調べる。通院は、自宅から病院まで専用タクシーが送迎。参加することにより、薬の開発は進み、社会貢献になると記されています。ただし、治験にはデータを採るのに適した検体でなければいけません。新型コロナの治療薬候補の場合、陽性患者で症状があり、ワクチンをまだ一度も接種していない成人男女が対象になります。あらゆる治療薬の開発に治験は欠かせません。日本での治験の数は近年増えていますが、先進国のなかでは下位に位置します。アメリカなどは医療費が高額なため、無料で治療を受けられる治験を希望する人は大勢いますが、日本では一定水準の医療が保険適用で受けられるので、無理して受けようという人は限られているのです。治験の数が足りない分は、アジアの他の国のデータを活用しますが、日本人の治療には、やはり日本人による治験の結果が必要です。たとえば、海外の製薬会社で新薬が開発されても、日本人の治験結果がなかなか採れないためその薬が日本に投入されない、もしくは日本向けには開発されないという問題が起きてしまいます。このことに厚労省は危機感を抱いています。治験については、まだ一般にはよく知られていません。政府はもっと広くアナウンスするべきではないでしょうか。新型コロナの治療薬も、多くの治験データ収集が、完成に少しでも近づけることになります。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「熱海土砂災害」です。突発的な災害に備えるため、住む地域を見直そう。7月、熱海市伊豆山地区にて大規模な土石流が発生し、約130棟の建物が被害に遭い、多くの死者と行方不明者を出しました。現地に行ってみると、典型的な土石流とは明らかに様子が違いました。これまでの現場では大岩や根から折れた木などが流れてきて、土は粘り気のある泥状でした。ところが今回は、土を踏むと膝まで埋まってしまうサラサラのシャーベット状で、足が掬われそうになりました。専門家の調査では、「盛り土」により造成された山が崩壊し、そのまま土砂となって流れていたことが判明。この場所の、度を越した盛り土問題は県も把握しており、業者に対して指導をしていたにもかかわらず、対策が取られていなかったことが問題になっています。土石流を引き起こしたのは短時間の集中豪雨。熱海市の72時間降水量は、過去最大量の1.3倍にあたる500mm以上だったことが分かりました。明らかに気象が変わってきているため、防災基準の見直しは必須でしょう。国土交通省は大規模盛土造成地の徹底調査を行っており、全国で5万1306か所存在していると昨年3月に発表していました。しかし、自治体に対し国が安全対策の必要性を伝えても、自治体には、民間業者に販売権利を撤回する権限はありません。また、この背景には、都市近郊に人口が集中し、土地のないところに土地を造成して住宅を増やさねばならないという近年の宅地開発の流れも深く関係しています。やはり自分の身は自分で守るしかないと思います。山や川が近い、液状化が起きるかもしれないなど、自分の住む地域に災害の可能性を少しでも感じているのならば、何らかの対策を検討する必要があります。熱海の土砂崩れの第一報は、公的機関の発表より前に住民のグループラインによって、「あそこが危ないらしい」と連絡が回ったそうです。集中豪雨はすさまじい雨音のため、広報車の避難アナウンスもほとんど聞こえなくなります。予期せぬ大規模災害を即座に察知するには、地域住民の連携による防災発信が大切になります。これからは、“地方創生と防災”が、住みやすさの大きなキーワードになると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月24日