科学技術振興機構(JST)と大阪大学は11月14日、多発性硬化症で神経が傷つけられる仕組みを解明したと発表した。同成果は大阪大学大学院医学系研究科の山下俊英 教授らによるもので、11月13日(現地時間)付けの米科学誌「Cell Reports」オンライン版に掲載された。多発性硬化症は免疫系の異常によって中枢神経に炎症が生じ、神経が傷つけられる難病で、手足の麻痺や感覚異常、視覚障害など重篤な症状が現れる。これまで、免疫系細胞が中枢神経に侵入して炎症を起こすことが神経傷害の原因であることは判明していたが、なぜ炎症によって神経が傷つけられるのかという仕組みはわかっていなかった。近年の研究により、「RGMa」というタンパク質が発生期の神経回路の形成に関わる一方で、免疫反応にも関与していることが明らかとなっている。同研究グループは、免疫システムの司令塔であるヘルパーT細胞の1種である「Th17」が「RGMa」を強く発現していることを突き止め、「Th17」細胞が発現する「RGMa」の役割を調査した。実験では多発性硬化症に類似する脳脊髄炎注を発症するモデルマウスを作製し、「RGMa」の機能を阻害することができる抗体を投与し、症状の変化を検討した。その結果、抗体を投与されたマウスでは四肢の麻痺などの症状が改善されたほか、炎症部における神経細胞の損害が少なくなっていた。また、培養実験によって、「Th17」細胞が「RGMa」を介して直接的に神経細胞を傷つけていることが判明した。「Th17」細胞は多発性硬化症のほか、視神経脊髄炎やアルツハイマー病などにも関わっていることが報告されている。今後、これらの脳神経疾患における「Th17」細胞の役割がより詳細に明らかになることで、有効な治療法の開発につながることが期待される。
2014年11月17日睡眠障害にはさまざまなタイプがあるため、それだけ多種多様な悩みが存在すると言えます。認知症との併発もまさにその1つかもしれません。今回は、認知症と睡眠障害の関係、またその対応について考えてみたいと思います。認知症と睡眠障害の関係認知症と睡眠障害には深い関連性があると言われています。それはデータにも表れていて、じつに認知症患者の約7割が何らかの睡眠障害に悩んでいるというものです。認知症患者の睡眠障害(夜間頻尿や昼夜逆転)は介護をする側の負担を激増させるので、介護破綻につながる可能性があると考えられています。今後、日本は高齢化社会へ突入していき、在宅介護がますます増えていくことが予想されるので、これは他人事ではない深刻な問題と言えるかもしれません。とは言っても、なかなか専門知識のない一般人には睡眠障害の対処法はわからないものです。何か良い方法はないのでしょうか?自宅でできるケア独立行政法人国立長寿医療研究センターは、すぐにできるケアとして次のような項目をあげています。・楽しめる活動やレクリエーションを活用する・つねに規則正しい就寝・起床時刻を保つ・有酸素運動を取り入れる(16時前が理想)・ベッド上で読書やテレビを見るなどの生活をしない・就寝3時間前は、食事・カフェイン摂取・喫煙をやめる・眠れない場合は一度起きて、眠くなってから再度ベッドに入る・温めた牛乳やバナナなどの軽食を摂る・日中は、なるべく日光を浴びるようにする・昼寝を制限する(寝すぎない)どれもやろうと思えば、すぐにできそうなものばかりですよね。カフェインの効果的な使い方上記の項目にあるカフェインは摂取の方法によっては、昼寝後の覚醒レベルを高めるなどの効果があります。具体的には、お茶やコーヒーなどカフェインの入ったものを飲むと30分後ぐらいを目安にカフェインの血中濃度が上がるため、覚醒しやすくなるのだそうです。つまり、夜眠る前にカフェイン入りの飲料を摂取してしまうと目が覚めてしまって逆効果ですが、昼寝などパッと短時間寝て、パッと起きるようなときには効果的に活用できる、ということですね。まずは、いろいろと上の項目を試してみて、自分に合った方法を探ってみるというのがよいかもしれません。ただし、それでも改善されない場合は、お医者さんに相談するようにしましょう。Photo by vic xia
2014年11月13日多くの方が親の介護の不安について語るとき、認知症の発症をあげます。それはまた自分におきかえても同じことです。パートナーや肉親に迷惑をかけたくないという思いから、認知症となることへの恐れを抱く方も少なくないよう。まだまだわからないことが多い認知症ですが、よいとされている睡眠での予防策をご紹介します!なかなか知られていない睡眠と認知症との意外な関係性とは?睡眠時は、成長ホルモンを分泌するなど身体的な回復を図る時間であると同時に、脳の記憶を整理するという働きがあります。まさにこの記憶の整理こそが重要で、きちんと自分が行ってきたことを時系列に引き出しにしまっておくことができるようになるのです。認知症の研究は日進月歩ですが、どういった要因で発症するのかはまだはっきりわかっていません。気になるのは、どんな睡眠の取り方をすれば認知症予防につながるのか? ということですよね。詳しく見ていきましょう。「知っておきたい」認知症予防につながる睡眠の取り方認知症を防ぐための睡眠の取り方にはいくつかポイントがあるようです。まずは、朝しっかりと太陽の光を浴びること。光には体内時計を調整する働きがあります。夜眠くなり、朝目が覚めるというリズムを生み出すために、日光を浴びることを意識しましょう。2つ目は、就寝時間と起床時間を定めること。これは、朝きちんと日光を浴びることにリンクしており、体内のリズムを整える上で重要です。そういう意味で、決まった時間にきちんと三食とることも重要です。ここでのポイントは、朝食をきちんと食べることで1日を活動的に過ごすこと、就寝2時間以上前に夕食をとっておくことです。そして、夕方以降はアルコールやニコチンをとることも控えましょう。最後に、部屋の照明や温度、湿度を管理して、睡眠環境を整えましょう。部屋の温度は16~26度くらいに設定します。暑すぎても、冷えすぎても眠りは阻害されてしまうので注意してくださいね。認知症になった場合、どんな睡眠の悩みを解消する方法があるのか?認知症になると、まずは脳の記憶を管理する部分が障害にさらされるといわれています。その後、さまざまな派生の仕方をし、睡眠と覚醒のリズムが狂うこともあります。不眠症を併発したり、昼夜逆転を引き起こしたりすることがあるのはそのためです。また重度の認知症の場合は、わずか1時間すら連続で眠っていられないこともあるようです。このような認知症の方の場合、介護者の睡眠時間もばらばらになり負担が増加してしまうという問題もあります。このような認知症の症状にも、上記の「認知症予防につながる睡眠の取り方」が有効です。認知症予防につながるような睡眠の取り方は健康にも効果的。心身ともに元気に活動できるように、睡眠を上手に活用してくださいね。Photo by Alba García Aguado
2014年10月31日理化学研究所(理研)は7月14日、統合失調症や自閉症などの精神疾患の発症に、脂肪酸を運搬する「脂肪酸結合タンパク質(FABP)」が関与している可能性を見出したと発表した。同成果は、理研脳科学総合研究センター 分子精神科学研究チームの島本知英研修生(お茶の水女子大学大学院生)、同 大西哲生研究員、同 吉川武男チームリーダー、山口大学の大和田祐二 教授、浜松医科大学の森則夫 教授らによるもの。詳細は、英国の科学雑誌「Human Molecular Genetics」のオンライン版に近日中に掲載される予定だという。統合失調症は、幻覚や幻聴、妄想などさまざまな精神症状が現れる疾患で、自閉症は対人コミュニケーションの障害、限定的な行動や興味などの特徴がみられる疾患として知られているが、近年の研究から、「脂肪酸」がそうした疾患の発症に関与している可能性があるという説が注目されるようになってきた。脂肪酸は、脳の正常な発達に必須な物質だが、水分となじまない性質であるため、細胞内の働くべき場所で働くためには、その移動を補助する「脂肪酸結合タンパク質(FABP)」の役割が重要とされている。FABPは10種類以上の近縁タンパク質の総称であり、これまで研究グループは、死後脳の研究から、その内の1つで、主に脳で働く「FABP7」の発現量が統合失調症患者の方が上昇していること、ならびにFABP7を作る「FABP7遺伝子」が統合失調症の原因遺伝子の1つであることを報告していた。しかし、ヒトの脳ではFABP7だけでなく「FABP3」と「FABP5」も発現していることから、今回の研究では、FABP7、FABP3、FABP5の3つが、統合失調症や統合失調症と遺伝的・臨床的な関連性が報告されている自閉症とどのように関係しているのかを調査したという。FABP7と同様にFABP3とFABP5の発現量を正常対照群と統合失調症患者の死後脳とで比較したところ、統合失調症患者ではFABP5の発現量が上昇しているほか、生存している統合失調症患者の血液細胞ではFABP5の発現量が低下している、自閉症患者の死後脳ではFABP7の発現が上昇している、そしてFABP3はどの試料においても、正常対照群との差が見られない、ということが判明したという。また、2097人の統合失調症患者と316人の自閉症患者のサンプルを用いて、実際にFABPの機能異常を引き起こすような遺伝子変異があるのかを調べたところ、8種類の変異(2種類のフレームシフト変異と6種類のミスセンス変異)を発見。これらの変異がFABPにどのような機能的異常を引き起こすのかを調べたところ、2種類のフレームシフト変異タンパク質は、どちらも細胞内で異常な分布を示すと同時に壊れやすい性質を持つことが判明したほか、6種類のミスセンス変異タンパク質のうち2種類の変異では、いくつかの脂肪酸に対する結合特性が変化しており、変異を持つ患者の細胞中の脂肪酸の働き方に異常がある可能性が示唆されたとする。これらの結果を踏まえ、Fabp遺伝子が脳の働きにどのような役割を果たすのかの解明を目指し、3種類のFabpをそれぞれノックアウトさせたマウスを用いて、精神疾患に関連する行動試験も実施。その結果、Fabp3ノックアウトマウスは新しいものに対する興味が低下していること、Fabp7ノックアウトマウスは活動性が高い一方で不安を感じやすいことが観察され、これらの行動が統合失調症や自閉症で見られる特徴と一致していることが示されたという。なお、研究グループは今回の成果を踏まえ、FABP5の発現量と脂肪酸量の変動を組み合わせて検査することでより正確なバイオマーカーとして利用できる可能性が出てきたとする。また、一部の統合失調症患者や自閉症患者では脳の発達期に脂肪酸機能の不全があることが示唆されたことから、脳の発達期である妊娠期や乳児期・幼児期に適切な量と質の脂肪酸を摂取することや、遺伝的な要因によって引き起こされる脂肪酸機能不全であってもそれを補う適切な量と質の脂肪酸を摂取することで、そうした症状を予防できる可能性が示されたとするほか、発症後でも、脂肪酸の適切な摂取が症状の軽減に有効である可能性が考えられると説明しており、今後、どの脂肪酸をどの程度、どのぐらいの期間・時期に摂取すれば症状を軽減できるのかを明らかにすることで、新たな治療法の確立につながると期待できるとしている。
2014年07月14日前回『複数の男子と平行してエッチしてはいけない理由4つ』 の中で性感染症をうつされると身体も心も大変なことになるとお伝えしました。今回は女性に多い性感染症(STD、最近はSTIと言う。STI= Sexually Transmitted Infections)について性感染症医療の大御所、尾上泰彦先生に教えていただきました。エッチのあと「なんか下半身がいつもと違う」と感じたら注意。カレがSTIにかかっているかもしれません。女性に多い病気を4つご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。■1.クラミジア感染症クラミジアは、現在もっとも多く、性感染症の約半数を占めます。10歳代後半から、20歳代のもっともエッチが盛んな年代に多く、とくに女性患者は男性の2倍。感染するとおりものの増量、不正出血、下腹部痛、性交痛、排尿痛などの症状があります。しかし約70%は症状が出ないとも言われ、放置すると不妊症になる可能性もあります。この菌が手指を介して眼に入ってしまうとクラミジア性封入体結膜炎を起こす場合もあります。「目がまっ赤だよ!」「性感染症かも」という会話ができるくらい意識しておくとよいでしょう。■2.性器ヘルペス性器、その周辺に小さな水疱、ただれが左右対称性にたくさんでき、痛みやかゆみが出ます。熱が出たり、足の付け根のリンパ腺が腫れたりします。女性では膀胱炎症状も見られます。再発を繰り返す場合があるので必ず治療しましょう。■3.淋病感染症男性では尿道、女性では子宮頚管に感染することが多いです。ビックリな事実ですが、オーラルセックス増加により咽頭に感染する女性が増えています。さらに、アナルセックスにより直腸に、手指を介して眼にも感染します。膿みのようなおりもの、不正出血、下腹部痛、排尿痛があります。バルトリン腺に感染するとバルトリン腺部が腫れ、強い痛みが出ます。おそろしいのは、女性の約80%は淋病は無症状ということ。すると、治療をしないまま男性にうつしてしまうことになります。そして、後にカレと別れた場合、カレは別の彼女にうつしてしまう。これが永遠のループでつながってゆきます。無症状に経過すると卵管炎、子宮付属器炎、骨盤腹膜炎と感染が拡がっていき、不妊症になる可能性もあります。■4.尖圭コンジローマヒトパピローマウイルスの感染によりできるイボの一種です。性器の周りや肛門周辺にできます。潜伏期間は数週間から8ヶ月と長いので、複数のカレとエッチしていると誰からうつされたのかわからなくなります。もしもHPV16型、18型に感染すると女性では子宮頸癌になる恐れがあります。■おわりに「今日はコンドームなくていいよね」と耳元でささやくカレに負けてはいけません。妊娠だけでなくSTIから自分を守るという意味で、カレとはちゃんと話合うように。喉や眼にも菌が感染することは覚えておきましょう。(二松まゆみ/ハウコレ)監修:宮本町中央診療所院長尾上泰彦先生
2014年06月12日前編 では、恋愛相手に依存してしまい、ダメな恋愛に振り回されてしまう恋愛依存症の特徴をお伝えしまた。それを読んで「私は全然当てはまらないから大丈夫」と思った人でも、実は違うタイプの恋愛依存症である可能性があります。恋愛依存症には相手を束縛したり、世話を焼く等相手にのめり込んでしまうタイプと、親密な恋愛関係を避け、常に優位に立っていたいタイプの2つがあります。この2つのタイプはお互いに強く引かれ合う傾向があり、やはり恋愛が上手く行きにくいという特徴が。今回は後者の親密な恋愛関係を避けてしまう「恋愛回避依存症」の特徴をお伝えしたいと思います。■恋愛回避依存タイプの特徴・どこか不安定でカゲがある人に惹かれる自分がリードできそうな、誰かがいないとダメそうな人を好きになる。・話し合いやケンカが苦手相手に心の中に踏み込まれるのを嫌い、話し合いや感情をぶつけあうようなケンカは極力避けたい。・本当の自分を出せない素の自分を知られることは、なんだか弱みを握られるような気がして怖い。・常に主導権を握っていたい頼れる存在でいたり、いい人を演じることで主導権を握る。支配願望が強いが、支配されたり束縛されることはガマンできない。・威圧的な態度をとる相手に対して威圧的になったり、もしくは過剰なほどていねいに接したり寡黙になる等して、感情を表に出さないことで相手と距離を置こうとする。・相手に対して批判的相手のいいところよりも悪いところが目につき、批判的・否定的に捉えがち。どんなときでも自分が正しいと思い自分の意見を押し通す。・対人関係が希薄人と交流を深めるのが苦手で、趣味や仕事に熱中したり、ギャンブルやアルコール、買い物依存など他の依存症を持つ傾向がある。恋愛回避依存のタイプは、恋愛依存症と同様に、小さい頃に十分な愛情を感じることができない環境で成長していきますが、他に親から過度の期待を受けて育ったり、支配や束縛をされた経験が強く影響している場合が多いようです。相手に追いつめられたり支配されることから身を守るために、自分の弱みを知られないようにし、相手との親密な接触を避けるという特徴があります。自分が支配できそうな相手に強く惹かれる一方で、本来の自分を知られないように親密になることを避け、相手が踏み込んでこようとすると恋愛関係を絶ってしまいます。恋愛依存症から抜け出すための第一歩は、自分が恋愛依存症かもしれないと自覚すること。いつも同じような恋愛パターンをくり返していないか、寂しさや不安を埋めるために恋愛をしていないかなど、自分の恋愛傾向を振り返ってみてはいかがでしょうか? 彼といると幸せ、ひとりでいても幸せと思えるようになると、恋愛に依存することなく信頼関係のある関係を築くことでき、恋愛が上手くいくようになるはずです。
2014年05月24日春の気配を感じはじめる、この季節。何となく目がかゆい、鼻がムズムズするなんて方も多いのでは…。私は、花粉症でないから大丈夫! と思っていたら 大間違いです。花粉症は、ある日突然に発症する、誰にでもかかる可能性のあるアレルギー反応なんです。■花粉症のメカニズムアレルギーとは、特定の物質に過剰に反応する現象のこと。私たちの身体は、花粉が体内に入ると、身体の免疫機能が反応して「抗体」をつくり、再び花粉が吸い込まれると異物として「抗体」が反応し、ヒスタミン などの物質を放出します。ヒスタミンによって、神経や粘膜の血管が刺激されて、くしゃみ、鼻水、かゆみ、などといった花粉症の症状が現れるのです。■外出時の花粉対策花粉症対策は、とにかく花粉を体内に侵入させないこと。日頃から、マスク、眼鏡、帽子などを活用して、花粉から身を守るように心掛けることが大切です。マスクは、花粉が入り込みにくい目の細かい物を選び、鼻までしっかりと覆うようにするのが鉄則です。長時間マスクを使用する際は、こまめにマスクの表面をはたいて、花粉を落とすようにしましょう。喉の乾燥を感じる場合は、水で濡らして固く絞ったガーゼを挟むと、喉の乾燥が和らぎます。また、外出時には、花粉が付着しにくい服装で出かけることも効果的。毛糸などの静電気が起こりやすい服は、花粉を引き寄せてしまうので避けるようにしましょう。ナイロン地のようなツルツルした素材の洋服を選ぶのがオススメです。■生活習慣や食事習慣を見直す外出先から帰宅したら、うがい・手洗い・洗顔を習慣にするようにしましょう。身体についてしまった花粉を、長時間放置しないことが大切です。髪にも花粉が付着しているので、花粉が多く飛び交う季節は、できれば毎日シャンプーするのがオススメです。また、花粉症対策には、食生活も重要です。長期間にわたって、高タンパク・高カロリーな食生活を続けていると、花粉症になりやすいと言われています。花粉症改善のためには、魚や野菜を中心にした食生活を心掛けること大切です。魚にはα-リノレン酸、EPA、DHAが多く含まれ、これらはアレルギー反応を抑制する働きがあります。また、玉ねぎやニンニクなどの野菜には、免疫力を高める作用や、炎症を抑制する効果があります。玉ねぎの皮には、ケセルチンが含まれており、花粉症に有効な成分としても有名です。毎日、規則正しい時間に、バランスの良い食事を心掛けることも、花粉症の予防&改善に効果的です。
2014年03月11日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は2月24日、神経難病である「多発性硬化症」の患者を対象とする新規治療薬「免疫修飾薬OCH(糖脂質アルファ・ガラクトシルセラミド類似体)」を開発し、同センター病院において多発性硬化症患者を対象とした医師主導治験を開始することをと発表した。成果は、NCNP 神経研究所 免疫研究部の山村隆部長らの研究チームによるもの。多発性硬化症は主に20~30歳代で発病し、視力障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が再発と回復を繰り返す慢性疾患だ。大脳、脳幹、脊髄、視神経など、中枢神経のさまざまな場所に、炎症性の神経組織破壊が繰り返して起こり、徐々に神経変性が進んでいくという疾患だ。遺伝子解析の結果などから、多発性硬化症は関節リウマチや1型糖尿病、シェーグレン症候群などと同様に、自己に反応するリンパ球(T細胞やB細胞)が関係する自己免疫疾患であると考えられ、異常な免疫反応を制御する薬剤の開発が求められている状況だったのである。免疫は、ご存じの通り、本来は細菌やウイルスなどの病原体や、悪性腫瘍などを排除する仕組みだが、誤って自分の体の成分に反応して組織障害を起こすことがあり、そのような病態を「自己免疫」といい、それによって起こる疾患のことを自己免疫疾患という。自己免疫疾患では、体のタンパク成分に反応するリンパ球が組織に入って炎症を誘導する。このような病気を誘導するリンパ球に対して、その活動を押さえつけようとする仕組みが「免疫制御機構」であり、免疫制御機構の一翼を担うリンパ球の1つがNKT細胞というわけだ。山村部長らは多発性硬化症患者の血液中のNKT細胞が著明に減少していることを明らかにし、NKT細胞に作用する薬剤が多発性硬化症の病態を改善する可能性を検討してきた。NKT細胞は抗原提示分子である「CD1d」に結合した糖脂質を認識するユニークなリンパ球で、抗原受容体から刺激が入ると、即座に大量の「サイトカイン」や「ケモカイン」など生理活性物質を産生するのが特徴だ。NKT細胞の産生するサイトカインには大別して、「インターフェロンγ(IFN-γ)」や「TNFα」などの炎症を促進する炎症性サイトカインと、「インターロイキン(IL)-4」、「IL-5」、「IL-13」などの炎症を抑制する抗炎症性サイトカインのがある。NKT細胞は、状況に応じて炎症性サイトカインまたは抗炎症性サイトカインを産生することによって、リンパ球相互の平衡状態維持や、過剰な免疫・炎症反応にブレーキをかける役割を担い、自己免疫疾患、アレルギー疾患、臓器移植、感染免疫などの広い分野において鍵になるリンパ球というわけだ。NKT細胞を刺激する糖脂質として最初に同定された物質が、「α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)」で、NKT細胞から炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインの両方を産生させることが可能である。一方、山村部長らによって現在開発が進められている治療薬のOCHは、α-GalCerの構造に修飾を加えた形で、NKT細胞に抗炎症性サイトカインの優先的な産生を促す活性があり、また経口吸収がよいことから、炎症性疾患の治療薬の候補として注目されてきた。OCHは特定の分子を阻害するのではなく、体内に本来備わった免疫制御機構を促進する作用機序があると推定されるという。従来の行政区域単位での特区でなく、テーマ重視の特区(複合体拠点の研究者をネットワークで結んだ複合体)として、「医療スーパー特区」がある。平成20(2008)年度より第1弾として「先端医療開発特区」が創設され、最先端の再生医療、医薬品・医療機器の開発・実用化が促進されており、現在国内の24施設が指定されており、NCNPもその内の1つだ。NCNPでは、平成21(2009)年度よりの医療スーパー特区関連事業として、OCHの医師主導治験の準備を開始。非臨床試験を終了した後、平成24(2012)年11月から平成25(2013)年6月まで「ファーストインヒューマン試験」(第1相試験に相当)として、健常成人がOCHを1回だけ服用する試験(経口単回投与試験)が同センター病院において実施された。同試験では5グループの被験者(1グループ3名)にそれぞれ異なる量のOCHが投与され、安全性、体内動態、免疫系の変化、治療効果を示すバイオマーカーの検討が行われた形だ。その結果、治療が必要になるような重篤な有害事象は認められなかったという。また多発性硬化症の発症に関係するT細胞や、炎症に関係する遺伝子の発現が低下するなどの所見が認められたとしている。多発性硬化症患者で減少している血液中のNKT細胞を刺激して増殖させれば、多発性硬化症が改善するのではないかというアイデアを基に、山村部長らは2000年から多発性硬化症の動物実験モデルである「実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)発症マウス」を使って基礎的な研究を行ってきた。最初にα-GalCerがEAE発症マウスに投与されて治療効果が調べられたが、病気の改善は見られなかったという。解析の結果、α-GalCerで刺激するとNKT細胞は、抗炎症性サイトカインであるIL-4を産生するが、同時に炎症性サイトカインであるIFN-γを産生し、それがIL-4のEAE抑制効果を打ち消すことが判明した野のである(画像1)。このような背景から山村部長らは、α-GalCerの構造を一部変えた化合物を複数合成し、治療薬として有望な化合物のスクリーニングを実施した。その結果、脂肪鎖が短い改変体OCHは、NKT細胞のIL-4産生を誘導する活性を保持しながら、IFN-γ産生をほとんど産生させない作用を持ち、α-GalCerよりも治療薬として優れている可能性が推測されたのである。治療実験ではOCHを投与されたマウスでEAEの発症が抑制され、その抑制はNKT細胞の糖脂質による活性化を介するものであることが明らかなった(画像2)。なお、この時の研究成果は2001年にNatureに発表されている。今回、同センター病院において、健常成人を対象とした本治療薬の医師主導治験を終えたため、次のステップとして患者を対象とした医師主導治験を実施することとなった形だ。同センター病院では3月上旬より、同治療薬を約3ヶ月にわたって3つのグループ(1グループ3名の多発性硬化症患者)に反復投与する治験を開始する予定である。
2014年02月25日(画像はプレスリリースより)花粉症に効くアロマオイル(株)マインが展開する、国産のナチュラルコスメブランドの「ゼミド」は、これからの季節、花粉症に効く、オリジナルのブレンドアロマオイルの「ノーズレスト」を販売しています。ノーズレストは花粉症だけでなく、咳にも有効だということです。4種類の香りノーズレストには鼻づまりや、咳に効く「ユーカリ」だけでなく、頭をすっきりさせる「ペパーミント」、免疫力アップが期待できる「ティーツリー」、リラックス効果で知られる「ラベンダー」の4つの香りを配合しています。花粉症対策としてのアロマオイル最近では、花粉症対策としてアロマオイルを使用することが一般的に知られるようになりました。「ノーズレスト」以外にも、目がかゆいとき、鼻づまりを押さえるとき、頭が重いときなど用途にわけでアロマオイルを使い分けると有効なようです。また、使用方法もマスクに数滴たらす、お風呂に数滴入れるなどさまざまです。ゼミドではさまざまアロマオイルが販売されています。用途に合わせて、試してみるのもいいかもしれませんね。【参考サイト】▼美容Press▼国産ナチュラルコスメケアブランド ゼミド
2014年02月13日レディー・ガガが、フルヌード写真を公開し、それに続いて過食症と拒食症の過去を告白するために下着姿の写真も披露した。先日来、激太りしたと報道されているガガだが、今回まず、手にタバコを持って足を組みつつも全裸でトイレに座った姿を自身のウェブサイト「littlemonsters.com」に公開している。写真集「レディー・ガガ×テリー・リチャードソン」でタッグを組んだテリーが撮影したものだそうで、写真と共に「レディー・ガガ、無修正#2」という意味深なキャプションを載せている。最近25ポンド(約11キロ)太ったと語っているガガは、続いて同サイトに激太りへの批判に反論する形で、下着姿の写真も公開。「私は15歳のときから過食症と拒食症に同時に苦しんでいるの」と綴っている。また、フランスで同性婚が合法化される見通しとの報道を受け、自身も同性婚を支持するとガガは訴えている。「同性婚は普通にありえることだと思うの。だから認められるべきよ。なかなか平等っていうわけにはいかないけど、でも、もし私たち全員が自由に愛し合うことが可能になれば、平等が達成されると思うわ」。さらに、ローマ教皇ベネディクト16世が同性婚のことを欠陥があり社会にとって悪影響があると批判したことに対しては、クリスチャンではない視点からガガは「教皇の発言は全クリスチャンが信じていることと同じではないと思うわ。教皇本人だけの見解よ」と批判している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マチェーテ・キルズ 2014年3月1日より新宿バルト新宿バルト9ほか全国にて公開(C) 2012 Vrelonovama LTD
2012年09月27日スイスのノバルティスファーマは、米食品医薬品局(FDA)が、結節性硬化症(TSC)に伴う腎血管筋脂肪腫のうち、直ちに外科手術を必要としない成人患者に対する治療薬として「アフィニトールR」を承認したことを発表した。結節性硬化症とは、重要な臓器に良性腫瘍を引き起こす可能性のある遺伝性の疾患。世界で約100万人から200万人の患者がいると推定されている。腎血管筋脂肪腫は結節性硬化症患者の最大80%で発生する症状で、腫瘍は時間の経過とともに大きく増殖。重度の内出血を引き起こす、塞栓(そくせん)術や腎摘出といった緊急の外科手術が必要になるなどのほか、腎不全を引き起こす可能性もある。「アフィニトールR」は、こうした患者の治療に対して初めて承認された薬剤となる。日本では根治切除不能または転移性の腎細胞がんに対する治療薬として2010年4月より販売されており、2011年12月に膵神経内分泌腫瘍の治療薬として承認されている。結節性硬化症に対しては現在申請中となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月15日伊藤園の中央研究所はこのほど、乳酸菌の1種「Enterococcus faecalis(エンテロコッカス フェカリス:以下、フェカリス菌)」を含んだ乳性飲料に、スギ花粉に対する症状緩和効果があることを確認したと発表した。詳細は、月刊誌「薬理と治療(JPT)Vol.40 no.2 2012」(ライフサイエンス出版発刊)に掲載された。同研究所は、2011年10月~12月の期間に、NPO日本健康増進支援機構の花粉曝露試験施設(和歌山・有田川町)にて試験を実施。スギ花粉症患者20名に、フェカリス菌が入った乳性飲料(1本200mlあたりフェカリス菌1,000億個含有)を、毎日1本、2カ月間飲用してもらい、飲用前・飲用後の曝露室内でのスギ花粉に対する自覚症状、および曝露試験後5日間の自覚症状について、「鼻かみ回数」「眼のかゆみ」などの項目で評価した。その結果、曝露室内で3時間経過した時点における「鼻かみ回数」の平均値は、飲用前が2.7回だったのに対し、飲用後は1.8回に減少。「眼のかゆみ」は飲用後に0.66ポイント、「鼻づまり」は飲用後に1.15ポイント低下した。さらに「流涙」についても改善する傾向が認められた。曝露試験後5日間の症状では、「日常生活の支障度」「眼のかゆみ」「流涙」「眠気」について有意な差が確認されたほか、「くしゃみ回数」「鼻づまり」の症状が改善する傾向が認められたという。同社は今回の試験結果より、フェカリス菌含有乳性飲料を継続して飲用することで、スギ花粉症の症状緩和が期待できるとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月26日医師限定のSNS「MedPeer」を運営するメドピア株式会社では、「先天性肥厚性幽門狭窄(きょうさく)症の治療」に関するインターネットリサーチを行った。調査対象はメドピアに会員登録をしている小児科、小児外科の医師で、有効回答数は272件。先天性肥厚性幽門狭窄(きょうさく)症は乳幼児に見られる消化器系疾患で、生後2~3週間ごろからミルクを噴水のように大量に吐くようになる病気。飲んだミルクが胃より先に進まなくなり、栄養を吸収できず体重があまり増えなくなる。原因は胃と十二指腸をつなぐ幽門括約筋周辺の肥大といわれている。小児外科の教科書には手術が第一選択と記載されていることが多く、小児科の教科書には内科的治療(幽門括約筋の弛緩(しかん)剤等の投与)が一般的とされている。では現場では実際、どちらの治療法を用いていることが多いのだろうか。手術と内科的治療それぞれのリスク等を両親に説明し、相談した上で治療法を決定すると答えた医師が28%。症状の深刻さに応じて、内科的治療ではなく手術をしたほうが良い場合は手術となるようだが、一般的には内科的治療が先行する場合が多い。「相談して決める」に次いで「外科の先生に相談した上で、内科的治療を行う」が21%。「入院期間・手術時間もそれ程かからないため、手術を行う」は20%。内科的治療は、手術よりお金も時間もかかるようだ。一方、手術はそれなりに体への負担も懸念される。症状の重さや幽門筋の厚みなど個々の体の特徴をよく医師から聞き、患者側が治療について正しい知識を得た上で、治療法を選択すべきだろう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月19日花粉症の方は対策をしたり、ケアを進めている方は多いのではないでしょうか。花粉症は、2~5月の間に発症されると言われていますね。スギやひのきなど植物の花粉が原因のアレルギー性の病気です。去年までは大丈夫だったのに、突然発症することも。鼻水や鼻づまり、くしゃみや目のかゆみ、肌荒れ、充血など体の粘膜の部分に現れるものでとってもつらいもの。マスクや眼鏡をして万全にしていてもなかなか効き目がなかったり、せっかくメイクをしてもいつの間にかカピカピな状態でメイク自体することが苦痛でもありますよね。■花粉症に効くテクニックとは?そこで花粉自体を取り込まないケアをすることももちろん大切ですが、他にも花粉症の症状を抑える方法があるのです。そこでみなさんがいつも行っている「入浴」が大切なポイントになるのです。花粉症は免疫の機能ととても大きな関わりがあって免疫が低下して、体の中に花粉という異物が入ってくると過剰な反応が起こってしまってアレルギーが発生しやすくなります。そこで免疫力を上げるポイントなのが体の体温を上げたときに生まれるタンパク質です。この特殊なタンパク質は「ヒートショックプロテイン」といわれるものなのですが、熱から体を守るため発生するといわれています。このタンパク質は体の弱っている細胞を治そうとしたり、疲れを回復させてくれる役割をもっているのです。したがって花粉と戦うためにもこのタンパク質を生み出すことがポイントなのですね。それには毎日お風呂につかり体の奥にある深部体温を38度くらいに上げ、体の芯から温めることでこのタンパク質は生み出されます。したがって毎日の入浴を楽しみながら、体の芯から温まり花粉症をしっかり撃退しましょうね!
2012年03月19日女性の性欲の波には、生理が関係あるらしいですが、それは本当なんでしょうか?私のクリニック目白の平田雅子先生に、女性の生理周期と性欲について教えていただきました。(以下、平田雅子先生)確かに、女性ホルモンの中には性欲を強くさせる作用のあるホルモンが存在します。このため人によっては、生理周期により性欲が左右される場合も。まず生理周期について説明すると、生理が始まった日を1日目とし、次の生理が始まる前日までを一周期として考えます。生理周期は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という卵巣から分泌される2つの女性ホルモンにより作り出されています。一周期は分泌されるホルモンにより、大きく3つに分けることができます。■生理中エストロゲン、プロゲステロン共に、分泌量が少ない時期。身体が冷えて血行が悪く、皮脂量も少ないため、肌や頭皮が乾燥して敏感になりやすい時期です。■生理終了から排卵までエストロゲンの分泌が最も盛んな時期。エストロゲンは生理の終わるころから分泌量が増え始め、排卵前に分泌量がピークになります。エストロゲンには性欲を増進させる働きがあるため、分泌量の一番多い排卵前は性欲が強くなる女性も。そのほか、エストロゲンにはコラーゲンやヒアルロン酸の生成をうながし、肌にハリやツヤを与えてくれる働きがあるの。また、副交感神経の働きも活発になるため気分的にも安定します。つまりこの時期は、肌のコンディションも良く、心身ともに一番安定している時期といえるでしょう。■排卵後から生理が始まるまで排卵を境に、エストロゲンの分泌量が急激に減少し、プロゲステロンの分泌が多くなる時期。ホルモンのバランスが急激に変化するため、精神的に不安定な状態になりやすいようです。プロゲステロンには、皮脂分泌を活発にする作用があるため、ニキビなどの肌トラブルが多くなりがち。ムクミや便秘などが起こりやすく、心身ともに不安定な時期といえます。このように女性は生理のリズムによって、体だけでなく心にも大きな影響が。デートや飲み会などのスケジュールは、生理周期にあわせて立てると良いかもしれませんね。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年03月19日東京都福祉保健局は12月初旬、65歳未満で発症する若年性認知症のハンドブックを作成、Webで無償公開した。若年性認知症で早期に現れる特徴などの基礎知識、医療機関を受診する際のポイントのほか、家族が相談できる窓口、各制度の問い合わせ先などを紹介・掲載している。早期に発見し、適切な支援に繋げるのが目的65歳未満で発症する「若年性認知症」の人は、働き盛りの時期と重なるため、最初に職場において異変に気がつくことも多く、職場内での正しい理解と支援が必要とされている。そこで都は、産業医及び企業団体の人事・労務担当者等を対象に、職場内で若年性認知症の人を早期に発見し、適切な支援に繋げることを目的に、同書を作成したという。早期発見・診断と早期治療の重要性を説明し、就労時から利用できる制度の紹介のほか、企業と産業医の連携による支援が行われた事例と行われなかった事例も取り上げている。また、退職後に利用できる制度、相談窓口、各制度の問い合わせ先などの情報のほか、介護保険制度の各サービスの特徴や負担割合も一覧表で示されている。(全60ページ、PDF形式)
2010年12月13日