8日から始まるデヴィッド・ボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」の開催に先駆け、5日のメディア内覧会後に、日本展オフィシャルサポーターの女優・二階堂ふみによるトークイベントが行われた。現在23歳の彼女が、ボウイを知ったのは16歳のころ。たちまち魅了され、ボウイの音楽やファッション、映像作品から多くの影響を受けたという。この日メグミウラ(MEGMIURA)の衣装を纏った二階堂ふみがデヴィッド・ボウイへ寄せる想いと、「DAVID BOWIE is」の見どころについて語った。(Qはオフィシャル)――二階堂さんがデヴィッド・ボウイ知ったきっかけは何ですか?二階堂:最初に魅かれたのはビジュアルでした。鋤田正義さんが撮ったボウイの写真を見てかっこいいなと思ったんです。そこから楽曲を聴き始めて、さらに好きになりました。一番思い入れのあるのは『Changes』という曲です。16歳の時に自分が変化をすることに恐れていた時期があって、毎日聞いて、前に進む勇気をもらいました。今でもこの曲を聴くと“前を向いてシャンとしなきゃ”という気持ちになるので、すごい曲だと思います。人生をかけて聴いていきたい曲です。デヴィッド・ボウイの魅力は、引き出しがたくさんあって、知れば知るほど魅力があふれ出るところだと思うので、まだまだ掘っていきたいですね。――「DAVID BOWIE is」展を見た印象はいかがでしたか?二階堂:見終わってから、その日一日が終わるまで余韻が続くほど、すごく刺激を受けました。最初入ってすぐのところが、若いころのボウイが何に影響を受けたか垣間見える作りになっているので、どう学び、どのようにスターになっていったのかがわかりました。あとは、デヴィッド・ボウイが描いた絵や、詩、当時のテレビ映像などとても貴重なものがたくさんあり、そういうのを見ると、若い世代の方は自分と重なるところがあったりすると思うので、素敵だなと思いました。――今回は衣装の展示も充実していましたが、二階堂さんが気になった衣装はありましたか?二階堂:ボウイのバックコーラスをしていたクラウス・ノミの衣装ですね。肩が大きく広がったもので、ボウイの衣装からインスピレーションを受けたものだそうです。山本寛斎さんが作られた衣装も生で見られたので、この衣装を着て、ボウイがステージに立っていたんだなと思うとゾクゾクしました。ボウイが表現したかったことが衣装にも表れていると思いました。デヴィッド・ボウイが日本のことが大好きで、日本の深い文化を知ろうとリスペクトしてくださっていたのかなと思うと、日本人として嬉しいなぁって思いましたね。――この展覧会の見どころについて教えてください。長くボウイを追い続けた方も楽しめますし、これからの世代の方が、ボウイが作ってきたものや表現してきたものを繋いでいくような展覧会にもなっていると思うので、ぜひたくさんの方に見に来ていただけたらと思います。それと、鋤田正義さんの写真ですね。鋤田さんの写真には、ボウイの内側から出る想いや、ありのままのボウイが現れていて、自分が見て来たものよりたくさんの作品が飾られているので、改めて見るとすごいなと思いました。――「DAVID BOWIE is」の“is”の後に何か言葉を続けるとしたら、何を入れますか?二階堂:ずっと追い続けたい方、ですね。私も表現者として、ボウイのように変化を恐れず、新しいことに挑戦し続けていきたいな、と思いました。2017年は、自分のやりたいことや、こうなりたいという自分を楽しく追及していきたいです。
2017年01月07日2016年1月に死去したデヴィッド・ボウイ(David Bowie)の大回顧展「DAVID BOWIE is」が、1月8日から東京・品川の寺田倉庫G1ビルでスタートする。20世紀を代表するアーティストであるデヴィッド・ボウイの全貌に迫る本展は、7万5000点にも及ぶ膨大なアーカイブの所蔵品から300点を厳選して公開。さらに、入場者がヘッドフォンでボウイの音楽やインタビューを聴きながら鑑賞する体験型の展示が話題で、会場に一歩足を踏み入れると、まだ生きているかのようなデヴィッド・ボウイの息づかいが感じられ、圧倒的なスターの輝きに鳥肌が立つことだろう。展示の最後には、巨大モニターでボウイのライブ映像が見られる“ショウ・モーメント”も用意されている。本展はイギリス・ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が13年にスタートした巡回展で、アメリカやヨーロッパなど9ヶ国を回り160万人を熱狂させ、いまだに記録を更新し続けている。その“奇跡の展覧会”が、アジアでは唯一となる日本についに上陸!ボウイが親日家だったこともあり、日本オリジナルの展示として「戦場のクリスマス」で共演した北野武と坂本龍一が、ボウイについて語る撮り下ろしのインタビュー映像を上映する。キュレーターを務めたヴィクトリア・ブロークスとジェフリー・マーシュは、本展のハイライトとして、ボウイが1974年に発表したアルバム「ダイアモンドの犬」を映画化するために描いた絵コンテと、読書家であったボウイが愛読していた書籍100冊のリストをあげている。アートを愛し、自ら絵を描き、俳優として活躍するなどマルチな才能を発揮したボウイは、音楽制作の際も作曲のみならず、アルバムのコンセプトから身に付ける衣装、ステージのイメージ、アートワーク、ミュージックビデオに至るまで、すべてのプロセスに積極的に関わり、自らコントロールしていたという。膨大な展示品の一つひとつから、常に新しい表現を追求し続けたボウイの哲学が感じられ、見ごたえは充分。デヴィッド・ボウイのすべてが網羅された回顧展といえるだろう。また、アレキサンダー・マックイーンのユニオン・ジャックのコート、山本寛斎の「アラジン・セイン」の衣装、ジョルジオ・アルマーニやエディ・スリマンのエレガントなスーツなど、錚々たるデザイナーたちが手掛けた衣装も必見。どれも奇想天外で、性別をも超越したボウイにしか着こなせないものばかりで、デヴィッド・ボウイがさまざまなキャラクターを演じるたびにファッションの力を最大限に利用してきたことがわかる。1階のオフィシャルショップでは、日本限定のグッズを販売。会場限定の7インチ・アナログ盤を始め、完売していた公式図録「DAVID BOWIE is」の復刻版、スワロフスキーを施したアクセサリーの他、本展のビジュアルにもなっている「アラジン・セイン」のジャケット写真を使用したポスターやノート、トートバッグやマグカップなどがそろう。【展覧会情報】「DAVID BOWIE is」会場:寺田倉庫G1ビル住所:東京都品川区東品川2-6-10会期:1月8日~4月9日時間:火・水・木・日・祝 10:00~20:00(最終入場19:00)金 10:00~21:00(最終入場20:00)休館日:月曜(ただし1月9日、3月20日、3月27日、4月3日は除く)料金:一般2,400円(2,200円)、中・高校生1,200円(1,000円)※()内は前売り料金
2017年01月06日「写真家ソール・ライター展」が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。期間は2017年4月29日(土・祝)から6月25日(日)までを予定。「私たちが見るものすべてが写真になる」。生涯、美の探究者であったソール・ライターはこの言葉を残している。1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍し、58歳で商業写真から退き、一度は世間から姿を消した彼。再び脚光を浴びるきっかけとなったのは83歳を迎えた2006年、ドイツのシュタイデル社によって出版された作品集だ。この写真集は大きなセンセーションとなり、展覧会開催や書籍出版、2012年にはドキュメンタリー映画の公開にも至った。本展は、ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力を得て、同財団所蔵のモノクロおよびカラー写真、絵画作品、その他貴重な資料200点あまりを一堂に集める。天性の色彩感覚によって“カラー写真のパイオニア”と称されたソール・ライターの創造の秘密に迫る日本初の回顧展だ。同時に「Bunkamura ル・シネマ」では、彼の生涯を追ったドキュメンタリー映画『写真家 ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』を同時期に上映予定。彼の作品は、私たちが日常で見逃してしまいそうな些細な風景の中にある「美」の存在、そして、その「美」の発見が人の生涯を変えることもできるということを示唆してくれる。本展を通して聴こえる静かな彼の訴えは、あなたの心にも響くはず。【開催概要】ニューヨークが生んだ伝説「写真家ソール・ライター展」Photographer Saul Leiter: A Retrospective会期:2017年4月29日(土・祝)~6月25日(日)※5/9(火)、6/6(火)のみ休館。場所:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)入館料:一般 1,400(1,200)円、大学・高校生 1,000(800)円、中学・小学生 700(500)円※()内は前売り及び20名以上の団体料金。団体の場合は電話で事前予約(03-3477-9413)。※学生券を購入場合は、学生証提示。(小学生は除く)※障害者手帳の提示で割引料金あり。詳細は窓口で。【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2016年12月29日『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家・水木しげるの人生を辿る回顧展「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」が、17年3月8日から20日まで松屋銀座にて開催される。水木しげるは、昨年11月に93歳で亡くなった漫画家。『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』など多くのヒット作を生み出した漫画家として知られるだけでなく、それらの作品を通じて妖怪文化を広めた妖怪研究家としても高く評価されていた。また、戦争で片腕を失い、復員後は貧困に苦しむなど波乱に満ちた生涯ではあったが、独特のユーモアと示唆に富んだ多くの言葉を遺している。同展では、水木プロダクションの全面的な協力のもと、少年期の習作から、戦地で描いたスケッチ、貸本時代からの貴重な漫画や妖怪画の原稿まで、水木が遺した130点以上の貴重な資料を展示。また、その人生経験に裏打ちされた独自の哲学が読み取れる名言も紹介される他、水木の書斎の再現や愛用していた私物、世界中で収集した妖怪・精霊像コレクションなども出展される。【展覧会情報】「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」会場:松屋銀座8階 イベントスクエア住所:東京都中央区銀座3-6-1会期:17年3月8日~20日時間:10:00~20:00(17年3月20日は17:00まで、入場は閉場の30分前まで)料金:一般1,000円(700円)、高校生700円(500円)、中学生500円(400円)、小学生300円※()内は前売り料金。ヤフーパスマーケット、セブンイレブン、ローソン、チケットぴあにて1月10日~3月7日まで販売
2016年12月24日2016年1月に惜しまれつつこの世を去ったロック界の伝説的スター、デヴィッド・ボウイ。来年1月8日から満を持して東京・天王洲アイルでデヴィッド・ボウイの大回顧展〈 デヴィッド・ボウイ・イズ(DAVID BOWIE is)〉が開催されます。展覧会では、手書きの歌詞やオリジナル衣装、写真・映像、ライブのセットデザイン、アルバムワーク、そして過去50年に渡るライブ道具など300点にのぼるアイテムが一堂に会す初の機会として現在世界各国を巡回しています。各界の著名人がコメントを寄せている公式サイト内の #davidbowieis ページを見れば、その影響力の偉大さを感じることができるはず。1月7日よりドキュメンタリー映画〈 デヴィッド・ボウイ・イズ 〉が各地で公開加えて、来年1月7日(土)より、ドキュメンタリー映画〈 デヴィッド・ボウイ・イズ 〉の劇場公開という朗報が!劇中ではキュレーターが展覧会で見るべきポイントについて解説してくれるため、大回顧展へ行く予定の人は予習・復習として、そして大回顧展へ行く予定のない方々もこの映画で大回顧展の醍醐味を堪能してみてはいかが?公開日別 上映予定映画館- 1月7日(土)東京: 新宿ピカデリー札幌: 札幌シネマフロンティア宮城: MOVIX仙台埼玉: MOVIXさいたま大阪: なんばパークスシネマ名古屋: ミッドランドスクエア シネマ福岡: KBCシネマ愛媛: 西条市総合文化会館 小ホール- 1月10日(火)高知: 高知県立美術館ホール- 1月14日(土)京都: 立誠シネマ- 1月21日(土)東京: YEBISU GARDEN CINEMA- 3月公開予定群馬: シネマテークたかさき※ 新宿ピカデリー / 札幌シネマフロンティア / MOVIX系 / なんばパークスシマ / ミッドランドスクエア シネマでは、劇場HPにて2017年1月1日 元日にチケット発売を開始予定※ 福岡KBCシネマ: 当日券のみの販売※ 愛媛: 2016月11日18日より前売券発売中 / 問合せ先:西条市総合文化会館(0897-53-5500)※ 高知: 2016月11日18日より前売券発売中 / 問合せ先:シネマ四国(088-855-9481)【 作品情報 】- 原題: 『 DAVID BOWIE IS 』- 監督: ハミッシュ・ハミルトン(BAFTA受賞監督)- 出演: ヴィクトリア・ブロークス、ジェフリー・マーシュ、デヴィッド・ボウイ、山本寛斎- 製作国:イギリス展覧会開催概要展覧会名: デヴィッド・ボウイ・イズ(DAVID BOWIE is)会期:2017年1月8日(日)〜 4月9日(日)時間:10:00 〜 20:00(最終入場 19:00)※金曜日のみ21時まで(最終入場 20:00)休館日: 毎週月曜日(1/9、3/20、3/27、4/3は除く)会場:寺田倉庫G1ビル(Google Mapsへ飛ぶ)チケット料金:〈一般〉前売 ¥2,200 / 当日 ¥2,400〈中学生・高校生〉前売 ¥1,000 / 当日 ¥1,200〈限定オリジナルグッズ付き〉 ¥5,000 ※前売りのみ〈ALL TIME〉 ¥3,000 ※前売りのみ公式サイト / Facebook / Twitter / Instagram【 一般発売 】( チケットぴあにて販売中 )主催: DAVID BOWIE is 日本展実行委員会企画: ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)音響協力: ゼンハイザー特別協賛: 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント一般協賛: ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 / 寺田倉庫後援: 駐日英国大使館 / ブリティッシュ・カウンシル / 品川区 / TOKYO MX / テレビ神奈川 / WOWOW / J-WAVE / TOKYO FM / InterFM897 / 文化放送協力:日本貨物航空株式会社 / 日本航空株式会社/ ムービープラス / 東京臨海高速鉄道株式会社 / 東京モノレール株式会社※ 劇場公開記念キャンペーンのお知らせ松竹マルチプレックスシアターズ系上映館クイズキャンペーン映画上映を記念して、SMT上映館のキャンペーンページで出題されるクイズに答えて応募すると、デヴィッド・ボウイ関連アイテムが当たるキャンペーン実施が決定!A賞:公式図録「デヴィッド・ボウイ・イズ復刻版」(1名)B賞:書籍「デヴィッド・ボウイーー気高きアーティストの奇跡」(3名)C賞:劇場公開用ポスター(非売品)(3名)D賞:大回顧展「DAVID BOWIE is」公開記念ステッカー5枚セット(非売品)(10名)キャンペーン期間2016年12月23日(金)〜2017年1月13日(金)詳細は松竹マルチプレックスシアターズHPをチェック。All Pictures (c) Victoria and Albert Museum, London Culture-VIlle() Text. Midori Tokioka (@mdrtkk)
2016年12月22日「おとろえぬ情熱、走る筆。ピエール・アレシンスキー展」が2017年1月28日(土)から4月9日(日)までの期間、国立国際美術館にて開催される。日本からの影響を強く受けた前衛画家 アレシンスキーピエール・アレシンスキーは今年で90歳を迎えるベルギーの前衛画家。日本の書道に影響されたダイナミックな筆致が特徴的だ。ショートフィルム「日本の書」を撮影したり、書家としての活動も行ったりするなど日本との関わりの非常に深いアレシンスキーは、今なおヨーロッパ現代絵画に大きな影響を与えている。日本初の本回顧展は1940年代から最新作までを網羅した80点もの作品が展示予定だ。アレシンスキー初期の大作、『夜』『夜』はアレシンスキーが絵と文字の相違点と共通点を意識する過程で創り出した作品。表象とも文字ともつかないものが全面を覆い尽くしている。このころの興味がのちに彼が書に共感するきっかけとなった。円熟期の傑作、『写真に対抗して』・『肝心な森』『写真に対抗して』・『肝心な森』はアレシンスキーが彼のスタイルを確立した時期の傑作といえる。即興的な制作スタイルに向いたアクリル絵具との出会い、マンガのように枠で囲まれた独特のスタイルは彼の強烈なエネルギーを深みのある絵として落とし込むのにぴったりであった。【イベント詳細】おとろえぬ情熱、走る筆。ピエール・アレシンスキー展会期:2017年1月28日(土)〜4月9日(日)料金:一般900(600)円 大学生500(250)円※高校生以下・18歳未満無料※かっこ内は20名以上の団体料金会場:国立国際美術館 地下2階展示室住所:大阪市北区中之島4-2-55開館時間 10:00〜17:00 (入場は閉館の30分前まで)※金曜日は19:00まで開館休館日 月曜日(ただし、3月20日(月・祝)は開館し翌日休館)【問い合わせ先】国立国際美術館TEL: 06-6447-4680
2016年12月09日「endless 山田正亮の絵画」展を東京国立近代美術館にて開催。会期は、2016年12月6日(火)から2017年2月12日(日)まで。山田正亮は1970〜90年代に特に活躍した日本の画家だ。生涯で約5,000点もの作品を残した彼は、自らを世間から隔離し、孤独の中で来る日も来る日も絵を描き続けた。そんな彼の作品は、線や色面のみで構成された抽象的なものが中心だが、それらにはドラマチックな物語を描いた具象画以上に観るものの感覚を揺さぶるものがある。本展は山田の初めての本格的な回顧展となる。彼の膨大な作品の中から約200点の油彩画と紙作品約30点を厳選した個展史上最大規模の約230点を紹介。また、スケッチが描きこまれた制作ノートを初公開し、孤高の画家の真意に迫る。初期に描かれた静物画「Still Life」シリーズと、直線で構成された「Work」シリーズ、そして単一な色彩で塗りこめた晩年作「Color」シリーズで構成。「Still Life」シリーズは、ワインやフルーツといった静物画の典型的な題材を使用しながらも、それらは一つの個体として存在するのではなく背景に溶け込むように描かれ、画面全体が一体に。抽象と具象の間を彷徨うような不思議な世界が広がる。彼の代名詞である直線で構成された作品は、シンプルな枠組みにも関わらず、その色彩や筆触、線は静と動や強弱、リズムを持っている。さらに、会場にもこだわりが。50年もの画家人生で、様々な様式で描いた彼の画業の変遷を一望できる、様式展開の見取図を本物の作品も使って展示する。また、最新型高演色性 LED 照明を用いた空間演出や、彼のアトリエの雰囲気を再現したスペースも用意した。【詳細】endless 山田正亮の絵画会期:2016年12月6日(火)〜2017年2月12日(日)会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3 - 1開館時間:10:00〜17:00 (金曜は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(1月2日(月)、9日(月)は開館)、年末年始(12月28日(水)〜2017年1月1日(日))、1月10日(火)料金:一般 1,000(800)円、大学生 500(400)円※全て税込※( )内は20名以上の団体料金。※高校生以下および18歳未満は無料※障害者手帳の提示で付添者1名を含め無料※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示で団体料金※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4F - 2F)、「瑛九1935-1937闇の中で「レアル」をさがす」(2Fギャラリー4)も観覧可■ストライプ割引開催期間:2017年1月11日(水)~1月15日(日)※期間中に何か1点、一部でもストライプを身につけ、チケット購入時にその旨を自己申告された方に限り、通常観覧料から100円割引。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2016年11月27日特別展「雪村―奇想の誕生―」が、2017年8月1日(火)から9月3日(日)まで、滋賀・MIHO MUSEUMにて開催される。戦国時代、東国で活躍した画僧、雪村周継(せっそんしゅうけい)。武将の子として生まれながら出家して画業に専心した雪村は、故郷の茨城や福島、神奈川など東国各地を巡り歩いた。その生涯は未だ謎に包まれているが、革新的であり、人間味あふれる温かな水墨画を描き続けたということだけは疑いようもない。本展は、海外からの里帰り作品を含めた雪村の主要作品約80件と、関連作品約30件で構成される最大規模の回顧展。雪村が、生涯にわたって衰えることなく描き続けた人物画はもちろん、山水画、花鳥画、静物画など“奇想”に溢れた作品を展示する。修行時代に描かれた《風濤図(ふうとうず)》から、70歳ごろの大作《呂洞賓図(りょどうひんず)》、《琴高仙人・群仙図》など重要文化財も多く、雪村芸術の写実的かつ細やかな感性に触れられる絶好の機会である。また、雪村の魅力に憑りつかれた画家たちの作品もあわせて紹介。尾形光琳や狩野芳崖らが、新たな日本画創出のために雪村を研究して描いたとされる絵画も目にすることができる。雪村のドラマチックな作品の数々はどのようにして生まれたのか。また、継承したものたちがいかにして受容してきたかを検証しつつ、雪村芸術の全貌に迫る。なお、本展は2017年3月28日(火)から5月21日(日)まで東京藝術大学大学美術館にて開催された同名の展覧会の巡回展である。また、会期中は展示替えが行われるので、鑑賞したい作品があれば事前にチェックしてほしい。【開催概要】特別展「雪村―奇想の誕生―」会期:2017年8月1日(火)~9月3日(日)会場:MIHO MUSEUM住所:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300TEL:0748-82-3411開館時間:10:00~17:00(入館は16:00まで)休館日:月曜日観覧料:一般 1,100円、高・大学生 800円、小・中生 300円。※20名以上の団体は各200円割引。出展数:122件(うち雪村作品87件) ※会期中展示替えあり。■イベント情報「とっておき美術公開講座 雪村展担当学芸員の解説」日時:2017年8月12日(土) 14:00~15:00場所:南レクチャーホール学芸員:片山 寛明※予約不要、参加無料(入館料は必要)
2016年11月25日ニューヨークが生んだ伝説の写真家、ソール・ライターの想像の秘密に迫る日本初の回顧展「写真家ソール・ライター展」が17年4月29日から6月25日まで、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催される。1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍しながら58歳の年にスタジオを閉鎖、商業写真から退き世間から姿を消したソール・ライターはドイツのシュタイデル社から出版された作品集で再び脚光を浴びるとことなり、12年に公開されたドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」でその名と作品がさらに多くの人々の知るところとなった。今回開催予定の回顧展は、ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力を得て、同財団所蔵のモノクロ、カラーの写真作品、絵画作品の他200点あまりの貴重な資料を一同に集めた日本初の回顧展となっている。【イベント情報】「写真家ソール・ライター展」会場:Bunkamuraザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1会期:17年4月29日~6月25日予定
2016年11月25日追悼特別展「高倉健」が東京ステーションギャラリーにて、2017年1月15日(日)まで開催される。本展は高倉健が三回忌を迎えるのを期に、表現者としての彼の姿を回顧するものだ。展示は時代ごとに6つに分けて構成され、東映でデビューして東映任俠映画のスターとなった姿や、実録やくざ映画などで新しい試みを行った時期、独立して出演した話題作、出演作をじっくり選ぶようになった晩年の名作などを、「東映時代初期」・「東映時代中期」・「東映時代後期」・「独立時代前期」・「独立時代中期」・「独立時代後期」という流れのもと紹介する。最大の見どころは、高倉健が生涯に出演した映画全205本すべてから映像を抜粋して構成した映像展示だ。経年劣化により鑑賞困難となった作品も、フィルムをデジタル修復することで蘇らせた。30台にも及ぶモニターとプロジェクターを駆使し、彼の全仕事を一度に見ることのできる特別な機会が提供される。ほかにも、横尾忠則と森山大道による高倉健をモチーフにした作品や、高倉健自らが所蔵していた脚本や小道具といった日本映画史を物語る貴重な映画資料も見どころの一つだ。本展は、日時指定の完全予約制となるので、訪れる際は事前にチケットの予約を忘れずに。【展覧会概要】「追悼特別展高倉健」場所:東京ステーションギャラリー会期:2016年11月19日(土)~2017年1月15日(日)休館日:月曜日(2017年1月2日、9日は開館。)、年末年始(12月29日~1月1日)、1月10日(火)時間:10:00-18:00 ※金曜日は20時まで開館。※入館は閉館30分前まで。入館券:一般 1,300円、高校・大学生 1,100円、中学生以下無料 ※障がい者手帳等持参の方は100円引き、その介添者1名は無料。※日時指定の完全予約制。前売券・当日券は販売しない。入館時間:1回目 10:00~12:00、2回目 12:00~15:00、3回目 15:00~17:30、4回目 17:30~19:30(金曜日のみ) ※入れ替え制ではない。チケット購入方法:ローソンチケット、チケットぴあ、セブン-イレブン、サークルK・サンクス、JTB店頭、JTB電子チケットサービス「パスミー」にて事前に購入。【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600(8:00~22:00)
2016年11月24日現代の写真表現をリードしてきた写真家のトーマス・ルフによる日本初の本格的な回顧展となる「トーマス・ルフ展」が東京に続き、12月10日から17年3月12日まで石川県の金沢21世紀美術館にて開催される。トーマス・ルフは、デュッセルドルフ芸術アカデミーで、アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートらとともにベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」の写真家。初期に発表した高さ約2mの巨大なポートレート作品で注目され、それ以降は建築、都市風景、ヌード、天体など様々なテーマの作品を展開してきた。同展では、トーマス・ルフの初期作品から初公開の最新作までを紹介する。ラインアップは、初期作品の「Interieurs」や、自身の評価を高めた「Portrats」、モダニズム建築を代表するドイツ出身の建築家、ルードヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエによる建築作品を撮影したシリーズ「l.m.v.d.r」など。NASAの宇宙探査船が撮影した土星や火星などの画像を素材にした「cassini」や「ma.r.s.」、様々な数式がつくる線形を3Dプログラムによって再現し、コンピューター上の3次元空間で再構成した「zycles」も展示される。さらに、カメラを用いず感光紙上に物体を置いて直接露光し、その影や透過する光をかたちとして定着させる「フォトグラム」技法を使用した「photograms」や、日本の漫画やアニメなどから取り込んだ画像に原形がわからなくなるまでデジタル加工を繰り返した「Substrate」などの作品も出展。インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や、デジタル画像の解体を主題とした「jpeg」、新作の「press++」シリーズなど主要な18シリーズ約160点が展開される。また、12月10日の14時から16時までは、トーマス・ルフ本人を招いてアーティストトークを開催する予定だ。【展覧会情報】「トーマス・ルフ展」会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:12月10日~17年3月12日時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)料金:一般1,000円、大学生800円、小中高生400円、65歳以上800円休館日:月曜日(17年1月2日、1月9日は開場)、12月29日~1月1日、1月10日
2016年11月23日先日、女優の二階堂ふみがオフィシャルサポーターを務めることが発表されたデヴィッド・ボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」。このほど、本展の日本上陸を前に、英ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館での開催の模様が収録されたドキュメンタリー映画も限定公開されることが決まった。没後からおよそ1年、生誕70年となる2017年のデヴィッド・ボウイ誕生日1月8日より、いよいよ日本でも開催される「DAVID BOWIE is」。世界を巡回中の大回顧展は、先日動員数150万人を突破。この動員数は、企画した英ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)の164年の歴史をふり返っても最高動員となる記録的な数字となっている。今回のドキュメンタリー映画『デヴィッド・ボウイ・イズ』は、全世界で好評を得ている本展の模様を収めた作品で、V&Aでの開催最終日に収録され、セレモニーに登壇した山本寛斎氏らゲストがボウイとの思い出を語る貴重なシーンや、キュレーターを務めたヴィクトリア・ブロークスやジェフリー・マーシュによる展示物の解説などが盛り込まれ、実際の大回顧展をいっそう楽しむことができる作品となっている。すでに本作を鑑賞した方々からは「解説が面白く、本物の展覧会が見たくなった」などの声が寄せられ、海外で大回顧展を目にしてきた鑑賞者からは「実際の展覧会だけではわからなかったところが深く理解できて、見てよかった」、さらにボウイファンからは「ボウイのファンだけじゃなく、幅広い人に見てもらいたい普遍的なメッセージをもった作品」といった賞賛の声が寄せられている。ちなみに本作は、権利の問題により現時点ではテレビ放映やビデオ化される予定がなく、映画館でのみ堪能することができる。世界中の人が魅了されたデヴィッド・ボウイのスゴさを、改めてスクリーンでも体験してみては。『デヴィッド・ボウイ・イズ』は2017年1月7日(土)より新宿ピカデリーほか全国9カ所にて1週間限定公開。大回顧展「DAVID BOWIE is」は2017年1月8日(日)~4月9日(日)まで東京都品川区・寺田倉庫G1ビルにて開催。(text:cinemacafe.net)
2016年11月20日「鼻ぺちゃ展」の巡回展と柴犬「巻きしっぽ展」が大阪なんばパークスで開催される。開催日は12月17日(土)、18日(日)と23日(金・祝)から25日(日)まで。フレンチブルドッグやボストンテリア、シーズーなど鼻の短い犬種“鼻ぺちゃ犬”に特化した合同写真&物販展「鼻ぺちゃ展」。2015年秋には東京・浅草橋、2016年夏には千葉・柏で開催され、累計10,000人以上を動員している。初の大阪巡回となる本展では、インスタグラムで不動の人気を誇る、たらちゃん&ふねちゃん、パグのはちべえ、そして本格写真家として活躍するtetsu ishiharaらが参加。人気作品はもちろん、冬の季節感あふれる作品や、クリスマスをイメージした作品も展示予定だ。生の写真だから伝わる濃密な“ぶひ可愛さ”を心行くまで楽しめる。また、特設コーナーで同時開催となる柴犬をメインとした「巻きしっぽ展」は、大阪初の企画。ふわふわの巻きしっぽをもつ柴犬たちの愛らしい姿は、訪れるひと皆を癒しのひと時へ誘う。なお、会場内には人気犬の素顔に迫る動画コーナーも併設。SNS未公開動画などが多数用意される。【開催概要】「鼻ぺちゃ展」in 大阪なんばパークス「巻きしっぽ展」開催日時:2016年12月17日(土)、18日(日)、23日(金・祝)~25日(日)開館時間:11:00~19:00休館日:なし会場:大阪なんばパークス 7階 パークスホール住所:大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70入場料:300円
2016年11月14日女優の二階堂ふみが、“世紀のカルチャーアイコン”にして、惜しくも今年1月にこの世を去ったデヴィッド・ボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」のオフィシャルサポーターに決定した。「HEROS」「Starman」「Space Oddity」など数え切れない名曲を送り出した「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」であり、唯一無二のカルチャーアイコンであるデヴィッド・ボウイの世界観やキャリアを総括した大回顧展が、来年1月についに日本上陸。オフィシャルサポーターを務めることになった二階堂さんは、本展公式サイトで公開中の“DAVID BOWIE is” 「あなたにとってデヴィッド・ボウイとは」に続く言葉に、「ずっと追いかけ続けたい憧れの男性」と語るほどの大ファン。さらに同サイトに好きなアルバム・楽曲とメッセージを寄せている。同サイトには、坂本龍一や山本寛斎をはじめ、そうそうたるミュージシャン、俳優、モデル、アーティストらが同様に、彼らにとってのデヴィッド・ボウイを語っている。さらに現在、一般の方が投稿するSNS企画「あなたにとってデヴィッド・ボウイとは?」を実施中。投稿した方の中から抽選で20名が、来年1月5日(金)に行われる特別内覧会に招待される。内覧会は、ボウイ展のキュレーションに直接関わったヴィクトリア・アンド・アルバート博物館のキュレーターによる解説付きで実施される。二階堂さんは、今回のオフィシャルサポーター就任に、「音楽、ファッション、映画、写真、アート、全てにおいてスーパースターであったアーティスト、デヴィッド・ボウイの大回顧展がいよいよ日本でも開催されます。私も時代を越えて彼に出会えることをとても楽しみにしています」と期待を込めてコメント。お披露目した画像の衣装も、「ボウイへの気持ちを取り入れた」ものとなっている。大回顧展「DAVID BOWIE is」は2017年1月8日(日)~4月9日(日)まで東京都品川区・寺田倉庫G1ビルにて開催。(text:cinemacafe.net)
2016年11月08日プラダ財団が、全米で評価を得たアメリカ人アーティスト、ウィリアム N. コプリーの生涯を辿る回顧展「William N. Copley」を、17年1月8日までミラノのプラダ財団内Podiumにて開催中。女性の裸体からメキシコの民間伝承のイメージ、夜のパリを舞台にした人々の情景からファウヌスやサテュロス、ニンフが登場する神話の光景まで様々な作品を生み出したコプリー。今回開催される「William N. Copley」展は回顧展としては過去最大規模となり、世界中の国際的な美術館やコレクションから集めた、1948年から1995年にかけてのコプリーの作品150点以上が展示される。会場はPodiumの1階と2階となっており、2階にはコプリーの重要な作品を展示。ニューヨークのWilliam N. Copley Estateから提供されたコプリーの出版物、写真、カタログ、保管資料のコレクションを通して個人所有していたシュールレアリストの作品と対話しながら、彼がマルセル・デュシャン、エルンスト、マグリット、マン・レイらとともに歩んだ長く複雑な道のりを伝記的かつ知的に振り返る。一方、1階はコプリー作品に見られる特定のテーマや側面に特化した8つの異なる空間で構成。ある部屋には地理的及び、文化的所属をテーマに1961年から1975年にかけてコプリーが制作した布と国旗画が集められ、またある部屋には「unknown whore」(無名売春婦)(「無名戦士」と呼ばれる軍事記念碑に対する皮肉)をテーマにした作品が集められた。
2016年10月26日ブルガリ(BVLGARI)は、関西初となる回顧展「NATURALLY DIVINE / ブルガリの素晴らしき創造性イタリアの輝ける至宝展」を2016年10月26日(水)から11月7日(月)まで、阪急うめだ本店で開催する。2700年以上の歴史を紡ぐブルガリは、すべてローマからインスピレーションを得てクリエーションを行っている。ローマの豊かな自然と彩りは、放射線状に広がる花冠や、美しい花束、色鮮やかな葉やたおやかな花びらで表現され、みなぎる生命力と高貴に咲き誇る自然の美しさは、大胆なデザインと卓越したクラフツマンシップにより最高峰のハイエンドピースへと昇華させてきた。いつの時代も愛され続けているブルガリのヘリテージレクションの中から希少なアーカイブピース約70ピースを、阪急うめだ本店9階、阪急うめだギャラリーに集めた。今回は「自然」と「ディーヴァ」をコンセプトに、年代やコレクションごとにデザイン画やブルガリを纏ったセレブリティとともに、そのクリエーションの背景をたどる。展示作品を紹介「ナチュラリア」コレクション1990年代に誕生した「ナチュラリア」コレクションは、自然の美しさと豊かさへの賛辞として発表された。コントラストの強い配色や細やかなカッティングが施され、ローマに咲き誇る花々を描き出す。「セルペンティ」コレクション古代より英知や永遠のシンボルとされてきた、イタリア語で蛇の意味する「セルペンティ」は、いつの時代も映画スターやセレブリティたちを魅了しつづけている。日本に着想を得たジュエリーコレクション日本開催ならではセレクトとして「富士山」のブローチが挙げられる。1970年代のブルガリは極東の文化にも興味を持ち、テーマとして取り入れていた。マザーオブパールで描かれた浮世絵を思わせる富士山の眺めを描き上げた、卓越したクラフツマンシップが感じられる逸品だ。【イベント詳細】NATURALLY DIVINEブルガリの素晴らしき創造性イタリアの輝ける至宝展開催期間:2016年10月26日(水)~11月7日(月)時間:日曜日~木曜日 10:00~20:00、金・土曜日 10:00~21:00※最終日のみ15:00閉場。会場:阪急うめだ本店9階/阪急うめだギャラリー住所:大阪府大阪市北区角田町8番7号入場料:無料
2016年10月24日戦国時代、東国で活躍した画僧、雪村周継の回顧展が2017年3月28日(火)から5月21日(日)まで東京・東京藝術大学大学美術館、8月1日(火)から9月3日(日)まで滋賀・MIHO MUSEUMで開催されることが発表された。同展は海外からの里帰り作品を含めた主要作品約100点と、関連作品約30点で構成される過去最大規模の回顧展。独自性の高い画風で後世の画家に強い影響を与え、同展の監修者である河合正朝氏(慶応義塾大学名誉教授、千葉市美術館館長)は「とても個性的で、感性が近代的だったのではないか」と評する雪村。回顧展は、雪村の「奇想」がどのようにして生まれたのか、その全貌に迫る内容となっている。■『特別展「雪村-奇想の誕生-」』【東京会場】東京藝術大学大学美術館(東京都)2017年3月28日(火)~5月21日(日)【滋賀会場】MIHO MUSEUM(滋賀県)2017年8月1日(火)~9月3日(日)
2016年10月17日2016年1月に亡くなったアーティスト、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の大回顧展「DAVID BOWIE is」が、2017年1月8日(日)から、東京・天王洲の「寺田倉庫G1ビル」で開催!2013年にイギリスからはじまった巡回展が、いよいよ日本にやってきます。「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」といわれる、デヴィッド・ボウイの50年にわたるクリエイティビティの軌跡をたどりましょう。「DAVID BOWIE is」の見どころミュージシャン、アーティストとして活躍し、ファッションなどアートや文化にも多大な影響を与えたデヴィッド・ボウイ。「DAVID BOWIE is」では、そんなデヴィッド・ボウイの多岐にわたる活動を300点以上の展示品、音、映像を駆使して紹介しています。●『スターマン』「ポップ・ミュージックの流れを変えた」といわれるパフォーマンスが、1972年にイギリスBBCの音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」でデヴィッド・ボウイが披露した『スターマン』。スターマンの衣装と「トップ・オブ・ザ・ポップス」の映像により、当時の衝撃を再体験することができます。●ファッションデヴィッド・ボウイは世界の一流デザイナーとコラボレーションして、斬新なファッションを生み出し続けました。山本寛斎、アレキサンダー・マックイーン、ジョルジオ・アルマーニ、エディ・スリマンらによる衣装展示は見逃せません。ミュージック・ビデオで見た、あの衣装が展示されているかも!?●JAPAN日本文化からインスピレーションを得、親日家としても知られていたデヴィッド・ボウイ。歌舞伎の化粧法や早変わりをライブ・パフォーマンスに取り入れていました。デヴィッド・ボウイを40年以上撮影してきた鋤田正義の写真、山本寛斎がデザインした漢字柄のマント、デヴィッド・ボウイが描いた三島由紀夫の肖像画など、日本とのつながりを感じる展示がおこなわれます。●音と映像で「音楽を展示」音と映像をフルに使ったマルチメディアにより、デヴィッド・ボウイの「音楽を展示」します。入場者1人ひとりにヘッドフォンが提供され、インタビュー音源を聞きながら展示を観賞。スクリーンでのライブ・パフォーマンス体験など、五感でデヴィッド・ボウイの世界へと没入することができますよ。日本だけのスペシャルコーナー!1983年に公開された映画「戦場のメリークリスマス」(監督・大島渚)の名場面が上映されます。さらに映画で共演した北野武氏、坂本龍一氏の撮り下ろしインタビュー映像も。「David Bowie Meets Japan」と題し、映画を通じてデヴィッド・ボウイの美学やクリエイティビティを感じられる構成になっています。また、会場では日本限定のグッズも販売される予定。貴重なグッズを手に入れましょう。大回顧展「DAVID BOWIE is」がスタートする2017年1月8日(日)は、存命ならばデヴィッド・ボウイ70歳の誕生日。比類なき表現者、デヴィッド・ボウイの世界にぜひ触れてください。チケットの先行発売は2016年10月3日(月)からはじまっています。亡くなったあとも人々をインスパイアし続けるデヴィッド・ボウイの大回顧展は、ファンならずとも必見です!■イベント概要名称:大回顧展「DAVID BOWIE is」開催期間:2017年1月8日(日)~4月9日(日)会場:寺田倉庫G1ビル所在地:東京都品川区東品川二丁目6番10号開館時間:10:00~20:00 (最終入場19:00)※金曜日のみ10:00~21:00 (最終入場20:00)休館日:毎週月曜日 ※1月9日、3月20日、3月27日、4月3日は開館前売り料金:一般2,200円 (当日券2,400円)、中高校生1,000円(当日券1,200円)、 ※小学生以下は入場無料。限定オリジナルグッズ付きチケット5,000円 (当日券は扱いなし)公式サイト:
2016年10月10日今年の1月にこの世を去ったイギリスのアーティスト、デヴィッド・ボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」が東京・寺田倉庫G1ビルで2017年1月8日(日)から4月9日(日)まで開催される。【チケット情報はこちら】同展では、彼のアーカイヴから集められた300点以上に及ぶ貴重な品々を、ファッション、音楽、デザイン、演劇、アート、フィルムのカテゴリーに分類。音楽と映像による演出を用いて展示する。回顧展は2013年にボウイの母国イギリス・ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館よりスタート。その後世界8都市を巡回し、これまでに150万人以上を動員。アジアでは日本が唯一の開催国となる。チケットの一般発売に先がけて、1月8日(日)・9日(月)・10日(火)入場分を対象にしたオフィシャル最速先行(抽選)を実施。受付は10月3日(月)午前10時から16日(日)午後11時59分まで。■「DAVID BOWIE is」会期:2017年1月8日(日)~4月9日(日)<火・水・木・土・日・祝>10:00~20:00(最終入場19:00)<金>10:00~21:00(最終入場20:00)※休館日:毎週月曜日(但し1月9日、3月20日、3月27日、4月3日は除く)会場:寺田倉庫G1ビル(東京都品川区東品川二丁目6番10号)※詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください。
2016年10月03日草間彌生の大回顧展「わが永遠の魂」が、2017年2月22日から5月22日まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される。世界を舞台に活躍し続ける前衛芸術家、草間彌生の個展としては過去最大規模、会場の国立新美術館は全館をくまなく使い、草間作品で埋め尽くされることとなる。9月27日、報道陣の前に姿を現した草間彌生は、開催への感謝とともに「私の人生は芸術によって磨かれました。そしてこれから一層、死に向かって新しい芸術を開拓するために死にものぐるいで闘っています」と、渾身のメッセージを伝えた。『TIME』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に日本人でただ一人選ばれた世界のKUSAMAは、10歳の頃より水玉と網目模様をモチーフに絵を描き始め、1950年代後半には単身渡米。絵画、彫刻、インスタレーション、映像、さらに小説や詩に至るまで、あらゆる方法を使い、圧倒的な量と質で「芸術」を体現してきた。現在88歳の彼女の人生は、いつも病と隣り合わせだった。幼少期からの重い強迫神経症、周囲に理解されない孤独、高齢となり視力もだいぶ弱まっているという。それでも彼女は、まっすぐに、スピードを緩めることなく芸術の最前線を走り続ける。「私が死んだ後も、私の創造への意欲と芸術への希望、私の情熱を感じていただけたら、これに勝る喜びはありません。みなさんの精神的な悩み、人生の苦しみがあった時に、私の生きてきた道を見つけてくれたら本当に嬉しいです」と、涙ながらにコメントした。テートモダン、ポンピドゥ・センターなど名だたる美術館で回顧展を成功させ、中南米やアジア、北欧でも大規模な個展を行ってきた草間彌生の作品群が、ついに東京で一同に会する。国内初公開となる大作「わが永遠の魂」約130点を中心に据え、初期から現在までの軌跡を巡る。屋外には「水玉ガーデン」が出現し、草間芸術の醍醐味「ミラールーム」も展示される予定だ。【展覧会情報】「草間彌生 わが永遠の魂」場所:国立新美術館 企画展示室 1E会期:2017年2月22日~5月22日時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,600円大学生1,200円高校生800円休館日:火曜日(5月2日は開館)
2016年09月30日「ピエール・アレシンスキー展」が、10月19日から12月8日まで、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。筆で描くことによる表現の究極に辿り着いた、ベルギー現代美術を代表する画家ピエール・アレシンスキーは、90歳近い今も精力的に活動を続けている。1948年に結成の前衛美術家集団コブラの活動を通じ、戦後アートシーンに躍り出たアレシンスキーは、洒脱な禅画で知られる仙がいを師と仰ぎ、前衛書道家の森田子龍と交流。日本を訪問した1955年には、「日本の書」という短編映画を撮影している。また、アレシンスキーはコミック本に刺激を受け、枠を設けて描く独特のスタイルを生み出した。さらに、第一級の文筆家であり、1965年以降、随筆を中心とした多くの著書が大手出版社から出されているアレシンスキーの絵画作品には、文字や言葉に対するこだわりが随所に見受けられる。コブラの目指したものの中に「専門外への挑戦」があったが、アレシンスキーは、左手による絵と右手による文の両方でこれを実践し、独自の境地に達した。日本・ベルギー友好150周年を記念して開催される日本初の回顧展となる本展では、1940年代から最新作までを網羅した約80点を展示。会場では、表象とも文字ともつかないものが全面を覆い尽くしている《夜》をはじめ、コミック本のような枠を作った中に墨で絵を描いた和紙の短冊を、横150cmほどの絵の周りにめぐらせ、何かの物語が展開しているような予感を観る者に与えている《肝心な森》、不要になった紙類を、パリや南仏の蚤の市、古物商、古本屋などで見つけ出して再利用し、独特の効果を生み出している《あなたの従僕》などが公開される。具象と抽象を織り交ぜ、日本の書に影響を受けた書法で絵画を制作してきたアレシンスキーの画業を辿る絶好の機会となっている。なお、本展は、2017年1月28日から4月9日まで大阪・中之島の国立国際美術館に巡回する。【イベント情報】「ピエール・アレシンスキー展」会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1会期:10月19日~12月8日時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)、毎週金・土は10:00~21:00(入館は20:30まで)料金:一般1,400円、大学・高校生1000円、中学・小学生700円休館日:10月24日のみ休館
2016年09月21日スペインの鬼才サルバドール・ダリの過去最大規模となる本格的な回顧展が7月・8月・9月の京都展に続き、9月14日に東京・国立新美術館で開幕した。【チケット情報はこちら】本展は、ガラ=サルバドール・ダリ財団(スペイン・フィゲラス)、サルバドール・ダリ美術館(米国・フロリダ州セント・ピーターズバーグ)、国立ソフィア王妃芸術センター(スペイン・マドリード)という世界の3つの主要なダリ・コレクションから招来される作品を中心に、国内所蔵の重要作品を加えて、約250点によって多面的なダリの世界を紹介する、日本では約10年ぶりとなる回顧展である。展覧会は油彩画のほかドローイング、オブジェ、ジュエリー、書籍など多岐に渡る作品で構成されている。ダリの様々なジャンルに対する才能は観るものを圧倒し、独特な世界にお誘いすること間違いない。また、本展の特設グッズショップ内にはダリ応援団に任命された歌手・タレントのはいだしょうこが描いた「ダリ肖像画」が展示されている。ダリ本人の写真にインスピレーションを受けて描いた肖像画がどんなものかは美術館でご確認あれ。ダリ展は12月12日(月)まで東京・国立新美術館にて開催。チケットは発売中。
2016年09月15日プリンスの1番目の妻マイテ・ガルシア(42)が回顧録を執筆中だという。マイテによる回顧録『ザ・モスト・ビューティフル』では、お互いに「異世界でのつながり」ともいえるマイテとプリンスの関係全般がつづられることになるようだ。出版は来年4月を予定している。そんなマイテは先日、元夫プリンスのために入れたタトゥーについて動画を投稿していたばかりだ。それには「これは私を笑顔にさせ、涙を流させる。愛は永遠!私の手を見るたびに思い出すわよ。傷ついている全ての人のために」とコメントをつけていた。また、6月のプリンスの誕生日は、完全菜食主義だったプリンスに習って、肉を食べないことのよさを実感してもらう日にしてほしいと意欲を見せていた。「プリンスは誕生日を祝いたいタイプじゃなかったけど、次の悟りのレベルに到達するために生活を送り、向上して、学びたい人だった」「毎年6月7日がプリンスの誕生を祝う日というだけでなく、プリンスのファンたちがどれだけ完全菜食主義になると気持ちよく感じるかを体験し、プリンスの思いやりのある残したものを讃える日に(動物愛護団体の)PETAとともにするってことが私のミッションよ」と話していた。プリンスは今年4月、ミネソタ州のペイズリー・パークの自宅でフェンタニルの過剰摂取により57歳で死去した。(C)BANG Media International
2016年09月15日スペインが生んだ奇才、サルバドール・ダリの大規模な回顧展「ダリ展」が、12月12日まで、東京・六本木の国立新美術館で開催されている。本展はシュルレアリスムの旗手として多くの絵画を描き、さらに映画や演劇など多方面でも才能を発揮したダリの軌跡を振り返る、国内最大規模の展覧会となる。ダリと言えば、まず尖った口髭とギョロリとした目の異様な風貌を思い浮かべる方も多いことだろう。芸術に“セルフプロデュース”の概念をいち早く取り入れ、自らもメディアに盛んに登場したダリは、それまでの芸術や芸術家のあり方を大きく変えた存在として世間の注目と人気を集めてきた。この展覧会では、全8章を通してダリの独特な世界が生み出された背景に迫っていく。まずはダリが生まれ育った街、フィゲラスの風景や自画像、身近な人々を描いた「第1章 初期作品」から始まり、自らの芸術のスタイルを模索した「第2章 モダニスムの探求」を経て、芸術の都、パリの訪問をきっかけに「第3章 シュルレアリスム時代」へ。若きダリは、さまざまな芸術家たちから刺激を受け、現実を越える世界を描くシュルレアリスム画家として頭角を現していく。そして、妻であり敏腕マネージャーとしても生涯を共にする「第4章 ミューズとしてのガラ」との出会い。この運命的な出会いにより“芸術家ダリ”は完成され、戦火を逃れて辿り着いた地「第5章 アメリカへの亡命」で大きな成功を手にすることとなる。『タイム』誌の表紙を飾り、映像作品の制作やジュエリーのデザイン、ウォルト・ディズニーとのコラボレーションなど、多岐に及ぶ仕事ぶりで文字通り「第6章 ダリ的世界の拡張」をしていく。ところが、第2次世界大戦の終結が再びダリの転機となる。広島、長崎への原爆投下に大きなショックを受け、「第7章 原子力時代の芸術」の追求が主題に。原子核分裂の様子や爆撃、爆弾のモチーフのほか、宗教観、古典絵画へのオマージュが色濃く表れた作品を描くようになる。そして晩年、「第8章 ポルトリガトへの帰還」では、ベラスケスやラファエロといった巨匠たちにインスピレーションを受けた作品を制作。故郷フィゲラスに暮らしながら日本、ロンドン、オランダ、フランスなどで大規模な展覧会を開き、世界中でその名を知られる芸術家として活躍し続けた。本展は、ガラ=サルバドール・ダリ財団(スペイン、フィゲラス)、サルバドール・ダリ美術館(アメリカ、セントピーターズバーグ)、国立ソフィア王妃芸術センター(マドリード)という3つの主要なダリ・コレクションを中心に構成され、さらに国内所蔵の重要作品を加えた約250点によってダリの魅力を紹介する。その中でも、スペインのフィゲラスにあるダリ劇場美術館からこの展覧会のために持ち込まれた『メイ・ウエストの部屋』は、特に見逃せない展示だろう。現実を越える超現実(シュルレアリスム)を多面的に表現したダリ・ワールドを、ぜひ会場で体感してほしい。【展覧会情報】「ダリ展」(東京展)会場:国立新美術館 企画展示室1E 住所:東京都港区六本木7-22-2会期:9月14日~12月12日時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)※毎週金曜日は20時まで※ただし、10月21日、22日は22時まで料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料休館日:火曜日22222
2016年09月14日「ダリ展」が2016年9月14日(水)から12月12日(月)まで、国立新美術館で開催されています。日本で開催されるダリの展覧会としては過去最大規模の回顧展とあって、開催前から多くの注目を集めています。asoview!編集部が気になるダリの世界を早速取材してきました!世界的なダリ・コレクションが一同に集結!今回の「ダリ展」では、スペインのガラ=サルバトール・ダリ財団、国立ソフィア王妃芸術センター、アメリカのダリ美術館のダリ・コレクションが初めて一同に会します。初期から晩年まで、ダリの創作の軌跡を約200点にもわたる作品を鑑賞しながらたどれる展示になっています。奇抜なイメージでとらえられがちなダリですが、その全貌を網羅していきます。ここが入り口です。早速ダリ・ワールドへ飛び込みましょう!ダリ・ワールドに圧倒される!絵画や彫刻のみならず、宝飾品、舞台装置や衣装のデザイン、挿絵や映画の制作、執筆活動などマルチに活躍したダリ。観るものを圧倒するパワーあふれるダリ・ワールドが展開されます。無料でもらえるこちら、「ジュニア・ガイドブック」とありますが、とてもわかりやすくまとまっているので大人もぜひゲットしてください。●音声ガイドを借りよう入り口で音声ガイドの貸出があります。料金は1台500円。ナビゲーターは俳優の竹中直人さん!かなり面白いので、これを借りてガイドを聞きながら鑑賞することをおすすめします。作品の点数が多いので、かなりボリュームのあるガイドになっています。※無料貸出しは取材日のみです●CHAPTER1 初期作品(1904~1922)サルバドール・ダリはスペイン・フィゲラスで生まれました。芸術や文化に造詣が深く、自由な気風の家庭だったそうです。カタルーニャ地方のフランス国境に近い町で、彼は少年時代から絵画の才能を賞賛されます。聖十字架祭のためのポスターサルバトール・ダリ美術館蔵Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida Worldwide rights: © Salvador Dalí,Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016. In the USA: © Salvador Dalí Museum Inc. St.Petersburg, Florida, 2016.このころの絵はまだ油絵で、独特のタッチです。ラファエロ風の首をした自画像ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres © Salvador Dalí, Fundació Gala-SalvadorDalí, JASPAR, Japan, 2016.ダリは子どものころから母親の眉墨やおしろいをつけて目立とうとしていたそうです。このころから個性派の片鱗が伺えますね!●CHAPTER2モダニズムの探求(1922~1929)アス・リャネーの浴女たちガラ=サルバドール・ダリ財団蔵Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres © Salvador Dalí, Fundació Gala-SalvadorDalí, JASPAR, Japan, 2016.ダリは1922年にマドリードのサン・フェルナンド王立美術アカデミーに入学します。国外の美術などを自ら探求していたダリにとって、学校の教育は退屈なものでした。そしてキュビズム、ピュリズム、未来派など、新しい芸術の影響を受けた作品を制作しました。学生寮では、後の映画監督であるルイス・ブニュエルや詩人となるフェデリコ・ガルシア・ロルカなどと交友を結びました。ルイス・ブニュエルの肖像国立ソフィア王妃芸術センター蔵Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid © Salvador Dalí, FundacióGala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.1925年にバルセロナで初の個展を行い、大盛況のうちに終了。1926年4月にパリを訪れ、アトリエでピカソと出会います。これ以降ダリの作品とピカソのキュビズムとの類似性がはっきりとわかります。ダリはこの年にアカデミーを退学しましたが、賞賛を得た彼には後悔はありませんでした。ここからダリの芸術家としての人生が始まったといえるでしょう。●CHAPTER3シュルレアリスム時代(1929~1938)1929年に学友のブニュエルと共同で脚本を執筆した映画「アンダルシアの犬」がパリで公開され、大きな反響を呼びました。「アンダルシアの犬」は実際に映像も見られますが、かなりショッキングなシーンが続きます…。閲覧注意です。奇妙なものたちガラ=サルバドール・ダリ財団蔵Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres © Salvador Dalí, Fundació Gala-SalvadorDalí, JASPAR, Japan, 2016.ダリはパリのシュルレアリスト・グループに参加し、シュルレアリスムの中心的な画家として活躍するようになります。引出しのあるミロのヴィーナスサルバドール・ダリ美術館蔵Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida Worldwide rights: © Salvador Dalí,Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016. In the USA: © Salvador Dalí Museum Inc. St.Petersburg, Florida, 2016.ダリは次第に「無意識」への関心を高めていきます。無意識に見る夢のイメージを現実に探す、ということもテーマになってきます。また、複数のモチーフを重ね合わせた「ダブルイメージ」「トリプルイメージ」と呼ばれる表現の追究もはじまります。1930年代のシュルレアリスムを代表するスタイルを確立していくことになります。子ども、女への壮大な記念碑国立ソフィア王妃芸術センター蔵Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid © Salvador Dalí, FundacióGala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.もうすでに今のイメージの「ダリっぽい」作品が見られますね。●CHAPTER4ミューズとしてのガラ1929年、ダリは詩人のポール・エリュアールの妻・ガラと出会い、いっぺんに恋に落ちてしまいます。ガラはポールと離婚し、ダリと結婚。常にダリに寄り添い、ダリの芸術にインスピレーションを与えるミューズとしてだけではなく、プロデューサーとしてもダリを支援し、作品の管理から販売までを一手に担います。雲の中の戦い(立体鏡絵画)国立ソフィア王妃芸術センター蔵Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid © Salvador Dalí, FundacióGala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.ダリの作品には、ガラをモチーフにした女性がたびたび登場します。ガラの3つの輝かしい謎国立ソフィア王妃芸術センター蔵Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid © Salvador Dalí, FundacióGala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.ガラが亡くなった後に描かれた作品です。ガラはダリの半身のような存在でもあったため、喪失感ははかりしれません。●CHAPTER5アメリカへの亡命(1939~1948)第二次世界大戦が勃発すると、ヨーロッパ各地が戦場となりました。ダリとガラはアメリカに亡命し、戦争が終わった後の1948年まで過ごしました。アメリカで大衆の評価を得たダリは、注文によって制作を行なうことが増えてきます。こうした亡命後の商業的な仕事や出版などを通じてさらにダリの名声は高まり、シュルレアリスムを体現する名士としての地位を確立します。左:幻想的風景暁(ヘレナ・ルビンスタインのための壁面装飾)中:幻想的風景英雄的正午(ヘレナ・ルビンスタインのための壁面装飾)右:幻想的風景夕べ(ヘレナ・ルビンスタインのための壁面装飾)横浜美術館蔵 © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.この3連の大作は、化粧品によって財をなしたクライアントからの注文です。ディズニーとのアニメーション制作、「デスティーノ」。制作当初、ダリが習作を10枚ほど作っていましたが、戦争による資金難などの問題で作品は完成には至りませんでした。その後ウォルト・ディズニーの甥であるロイ・E・ディズニーにより制作され、2003年に発表されました。いわゆるディズニー作品とは一線を画した不思議な世界が見られます。●CHAPTER6ダリ的世界の拡張ダリはアメリカ滞在中に絵画のみならず、舞台芸術や映画などの美術の仕事を多数行いました。さらにファッションの分野にも進出。ダリの芸術から派生したイメージは、大衆の支持を得ました。「ドン・ファン・テノーリオ」のための5つの衣装のスケッチ国立ソフィア王妃芸術センター蔵Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid © Salvador Dalí, FundacióGala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.この舞台衣装のスケッチは、細かいところまで描かれているのがよくわかります。エンターテインメント性が高く、見ていておもしろい章です。記憶の固執(ピン)サルバドール・ダリ美術館蔵Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida Worldwide rights: © Salvador Dalí,Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016. In the USA: © Salvador Dalí Museum Inc. St.Petersburg, Florida, 2016.ダリのデザインした宝石。絵画の世界そのままに、個性的なデザインです!タルトを盗んだのは誰か?ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres © Salvador Dalí, Fundació Gala-SalvadorDalí, JASPAR, Japan, 2016.これはなにか?というと、なんと「不思議の国のアリス」の挿絵です!アリスとは思えない!?独特の世界が展開されています。●CHAPTER7原子力時代の芸術(1945~1950s)1945年の広島と長崎への原爆投下は、ダリに強いショックを与えました。ダリの世界は今までと変化していきます。物質の真の姿を探ろうとするダリの想いは、量子学的真実を描こうという方向に向かっていきました。原子力や核兵器をつくりだす最新の科学の動向の研究を行い、それを反映した作品を制作していきます。素早く動いている静物サルバドール・ダリ美術館蔵Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida Worldwide rights: © Salvador Dalí,Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016. In the USA: © Salvador Dalí Museum Inc. St.Petersburg, Florida, 2016.「素早く動いている静物」。絵画内の物体の停止された動きと空間の分離というかたちで描かれています。ポルト・リガトの聖母福岡市美術館蔵© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.この当時、さらにカトリックへの回帰がみられます。ラファエロなど古典の研究を行なっています。「ポルト・リガトの聖母」は愛妻ガラを聖母に見立てて描いています。●CHAPTER8 ポルト・リガトへの帰還、もしくは晩年の作品(1960s~1980s)ダリとガラはアメリカから戻ると、小さな漁村ポルト・リガトに居を構えて過ごします。1960年代以降は古典芸術に回顧し、巨匠たちに触発された作品を制作します。テトゥアンの大会戦公益財団法人諸橋近代美術館蔵© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.さらにダリ芸術のさまざまな要素を集めた集大成的な作品「テトゥアンの大会戦」のような大作絵画も次々と制作していきます。1974年には生まれ故郷フィゲラスにダリ劇場美術館が開館しました。ダリ劇場美術館の一室「メイ・ウエストの部屋」を再現したものです。一見ちょっと変わった部屋ですが、正面から見てみると…女優、メイ・ウエストの顔があらわれました!ダリの絵画作品にも多用されている「ダブル・イメージ」を3次元で楽しめるこの部屋は、来館者からの人気も高い展示です。オリジナルグッズもチェックダリ展ではグッズが大充実!ショップを見ているだけでも楽しくなります。その中でもおすすめはガチャガチャ。まずはレジで300円を支払い、1ドル紙幣ならぬ1ダリ紙幣を入手します。これ1枚でふくびき風のガチャガチャを1回引けます。ぐるりと回すと、卵がコロコロ…ゲット!中にはダリの作品をモチーフにしたピンバッジと、シールが入っています。全部で7種類あります。絵画をモチーフにしたキーホルダーや時計も。時計はインテリアとしても面白そうです。ダリのデザインした宝飾品のレプリカもあります。トートバッグやTシャツも。ダリがデザインした香水、気になります。思わず買ってしまいそうになるポストカード、そして図録。気づいたら散財していた!なんてことにならないように!?とにかく作品が多く、これを日本で見る機会はもうしばらくないのでは、と思える充実ぶりです。各章ごとにギャラリーのような作りになっているので、ダリの頭の中に迷い込んだように感じることもありました。1回だけではなく、2回、3回と見ても色々な感じ方ができるのではないでしょうか?asoview!編集部員も絶対にもう一度行きたい!と心に決めています。ダリの不思議な世界、夢と現実の世界が曖昧になってくるような感覚を、じっくりと楽しんでみませんか。イベント詳細名称:ダリ展会場:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7-22-2会期: 2016年9月14日(水)~12月12日(月)開館時間:10:00~18:00 ※ただし、10月21日(金)・22日(土)は22:00まで(入場は閉館の30分前まで)休館日:火曜日電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)公式サイト:
2016年09月14日ドイツが世界に誇る最も重要な写真家のひとり、トーマス・ルフの日本初となる本格的な回顧展が8月30日より、東京・東京国立近代美術館で開幕。開幕前日の8月29日には、トーマス・ルフ本人を迎えての記者発表と開会式が行われた。【チケット情報はこちら】今回の個展は作品選択や展示構成にルフ自身が参加。初期から最新シリーズ、未発表の新作まで、主要シリーズで作品世界を紹介。ルフは自ら撮影したイメージだけでなく、インターネット上を流通するデジタル画像からコレクションしている古写真まで、あらゆる写真イメージを素材に用い、自身の世界観を表現。初期の作品である『Interieurs』。評価を高めた高さ2メートルを超える作品『Portraits』。少年時代からの宇宙への関心を背景とする『cassini』や『ma.r.s.』。インターネット時代の視覚・情報空間を問う『nudes』や『jpeg』など、東京会場では全18シリーズ、約120点の作品を展示。中でも、読売新聞社から提供されたプレス写真を使用した最新作『press++』シリーズは世界初公開となる。ルフは記者発表で「今回の展覧会では、アナログ時代からセミ・デジタル時代を経て、完全なデジタルに至るまでの、写真の変移の全容をご覧いただけると思う。写真のテクノロジーはこれからも飛躍、発展することは間違いない。すばらしい未来が拓かれていることを確信している。」と語った。『トーマス・ルフ展』は、11月13日(日)まで東京・東京国立近代美術館、12月10日(土)から2017年3月12日(日)まで金沢21世紀美術館にて開催。チケットは発売中。
2016年08月31日ドイツの写真家「トーマス・ルフ」の日本初の本格的回顧展が東京と石川で開催されます。期間は東京国立近代美術館が8月30日(火)~11月13日(日)まで、金沢21世紀美術館は12月10日(土)~2017年3月12日(日)までです。初期作品の「Interieurs(室内)」や「Porträts(ポートレート)」、最新作の「press++」など、18シリーズ・約125点の作品が一堂に会します。世界初公開となる作品も展示予定。現代の写真表現をリードするトーマス・ルフのユニークな世界観を存分に満喫できるまたとないチャンスです。トーマス・ルフ 《Porträt (P. Stadtbäumer)》 1988年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016C-print 210×165cm写真家トーマス・ルフとは?トーマス・ルフは1958年生まれ、ドイツ出身の写真家です。アンゼルム・キーファーやゲルハルト・リヒターなどを輩出した名門デュッセルドルフ美術アカデミーに入学し、ベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として、写真への新しいアプローチを展開してきました。初期に発表した高さ約2メートルにもなる巨大なポートレート作品で注目されて以降、建築や都市風景、ヌード、天体など様々なテーマの作品発表し、世界中の美術館やギャラリーで個展を開催。有名美術館がこぞってコレクションに加えるほど、現代の代表的な写真家の1人として知られています。近年は自身で撮影を行なわずに、インターネット上で収集した画像を再構築した作品シリーズを制作。その斬新な写真表現で、多くのアートファンの支持を集めています。トーマス・ルフ展の見どころをご紹介!トーマス・ルフ 《cassini 10》 2009年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016C-print 98.5×108.5cm今回の展覧会はルフにとって日本初の本格的な回顧展です。初期作品である「Interieurs」や、さまざまな人物の顔写真を高さ2メートル以上の大判サイズに引き伸ばした話題作「Porträts」、少年時代から続く宇宙への関心を背景にした「cassini」や「ma.r.s.」、インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や「jpeg」など、全18シリーズ・約125点が展示されます。トーマス・ルフ 《Substrat 31 III》 2007年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016186×268cmC-printほかにも、日本の漫画やアニメから取り込んだ画像に、原形がわからなくなるまでデジタル加工を繰り返した「Substrate」、デジタル画像の特性に注目した「jpeg」なども登場。写真の既成概念そのものが覆ること間違いありません。トーマス・ルフ 《jpeg ny01》 2004年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016256×188cmC-printまた、今回の展覧会では作品選択や展示構成にトーマス・ルフ自身も参加します。作家の全面的な協力を得て開催されるのもトーマス・ルフ展のポイントです。未発表の新作を含む世界観の全貌を楽しんでみてください。●最新作「press++」シリーズに注目!世界初公開となる作品も展示「press++」は、ある新聞社のプレス写真アーカイヴを入手したことから着想されたシリーズです。かつてのメディア空間で使用されていた紙焼写真と、それにともなう文字情報を素材に生まれました。今回の回顧展では、読売新聞社から提供されたプレス写真を使った世界初公開作品も発表予されます。同展は2016年12月10日(土)から2017年3月12日(日)まで、石川・金沢21世紀美術館にも巡回予定です。こちらの会場には、約160点の作品が展示が予定されています。「トーマス・ルフ展」詳細会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口から徒歩約3分会期:2016年8月30日(火)~11月13日(日)開催時間:10:00~17:00※毎週金曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 ※9月19日(月)、10月10日(月)は開館し、9月20日(火)、10月11日(火)は休館料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料東京国立近代美術館公式サイト:会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1アクセス:JR金沢駅バスターミナル東口7番乗り場から約20分、「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車、徒歩すぐ会期:2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)開催時間:10:00~18:00※毎週金・土曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 ※1月2日(月)、1月9日(月)は開館し、12月29日(木)~1月1日(日)、1月10日(火)は休館料金:一般1,000円、大学生800円、小中高生400円金沢21世紀美術館公式サイト:トーマス・ルフ展特設サイト:作品すべて© Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016
2016年08月29日20世紀を代表するスペインの芸術家、ダリの回顧展『ダリ展』が7月1日、京都市美術館で開幕した。国内では過去最大規模の回顧展となる今回、スペイン、アメリカのダリ・コレクションの全面的な協力により、193点の作品が一堂に集結。開幕前日には、スペインのガラ=サルバドール・ダリ財団のリュイス・ペニュエラス事務局長、国立ソフィア王妃芸術センターのミショー・ミランダ・パニアグア副館長、アメリカのサルバドール・ダリ美術館のチャールズ・ヘンリ・ハイン館長を招いての記者会見と内覧会が行われた。「ダリ展」チケット情報シュルレアリスムを代表する画家として活躍し、多くの人々を魅了してきたダリ。本展は、少年時代に描いていた初期作品から、広島・長崎の原爆投下に衝撃を受けた頃の作品、巨匠たちに触発された作品を描いた晩年など各時代ごとに紹介し、創作の軌跡を辿るものとなっている。開催にあたって、後藤結美子学芸員は「絵画に限らず、ジュエリー、映像、本の挿絵、版画など非常に多彩なダリの作品を193点ご紹介しております。時代と共に変化していくダリの好奇心をご覧いただければ」と、コメント。ダリが設立したガラ=サルバドール・ダリ財団のリュイス事務局長は「本物と対峙することができるのは、非常に重要なチャンスだと思います。生涯に一度の経験かもしれませんので、ぜひ多くの方に楽しんでいただきたい」と、本展の貴重さを語った。アメリカのサルバドール・ダリ美術館は、ダリの親しい友人であったレイノルズ、エレノア・モース夫妻が、40年もの歳月をかけてコレクションした作品をベースに作られた美術館。「ダリ財団、ソフィア美術館と共に、私たちのミュージアムが指名されたことを誇りに思います。現在考えられる最高の、最大の展覧会が実現しました」と、チャールズ館長。さらに、マドリードの国立美術館である国立ソフィア王妃芸術センターのミショー副館長は「ダリの作品は、何度観ても毎回新しい発見があるんです。日本の皆さまにも、何度もいろんな目線でご覧いただき、彼の持つ作品の秘密を探り出していただければ」と、コメントした。また、ダリ財団から依頼された京和傘の日吉屋が、ダリが愛用していた和傘の複製品を製作。その贈呈も行われ、直径2.7メートル、柄の長さ1.65メートルの和傘が披露された。ダリ展は9月4日(日)まで京都市美術館、9月14日(水)~12月12日(月)まで東京・国立新美術館にて開催される。取材・文:黒石悦子
2016年07月06日サルバドール・ダリの日本では過去最大規模の回顧展となる「ダリ展」が、京都・京都市美術館で7月1日から9月4日まで、東京・六本木の国立新美術館で9月14日から12月12日まで開催される。1904年にスペインに生まれたサルバドール・ダリは、1929年に彗星のようにパリの美術界に登場し、シュルレアリスムを代表する画家として活躍。絵画や彫刻の創作のみならず、宝飾品、舞台装置や衣装のデザイン、挿絵や映画の制作を手掛け、執筆活動も精力的に行うなど、様々なジャンルで才能を開花させた。本展は、ガラ=サルバドール・ダリ財団(スペイン、フィゲラス)、サルバドール・ダリ美術館(アメリカ、セントピーターズバーグ)、国立ソフィア王妃芸術センター(マドリード)という世界の3つの主要なダリ・コレクションから招来された作品を中心に、国内所蔵の重要作品を加え、油彩、ドローイング、オブジェ、ジュエリー、書籍、映像など約200点によって多面的なダリの創作活動の全貌を網羅的に紹介。会場では、若き芸術家ダリが敬愛したラファエロ制作の自画像を思わせるかのようなポーズをとっている《ラファエロ風の首をした自画像》といった初期作品をはじめ、後に映画監督として活躍し、ダリと映画『アンダルシアの犬』を共同で製作したルイス・ブニュエルの威厳のある表情が印象的な《ルイス・ブニュエルの肖像》、4歳下の妹のアナ・マリアをモデルとして後ろ姿を描いた《少女の後ろ姿》、人間の頭部や手、ナポレオン、モナリザなど、様々なものが朽ちるかのように溶け合った巨大な塔が圧倒的な存在感を示している《子ども、女への壮大な記念碑》、広島と長崎に原爆が投下されたことを知って製作した《ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌》など多様な作品が公開される。【イベント情報】「ダリ展」(京都展)会場:京都市美術館 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124会期:7月1日~9月4日時間:9:00~17:00※ただし、8月11日、12日は19時まで※入場は閉館の30分前まで料金:一般1,600円、高大生1,100円、小中生600円休館日:月曜日(ただし、7月18日は開館)「ダリ展」(東京展)会場:国立新美術館 企画展示室1E 住所:東京都港区六本木7-22-2会期:9月14日~12月12日時間:10:00~18:00※毎週金曜日は20時まで※ただし、10月21日、22日は22時まで※入場は閉館の30分前まで料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料休館日:火曜日
2016年06月26日“ベッヒャー派”として現代の写真表現をリードしてきたトーマス・ルフによる「トーマス・ルフ展」が、8月30日から11月13日まで東京国立近代美術館で、12月10日から17年3月12日まで金沢21世紀美術館で開催される。アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートらとともにデュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として現代の写真表現をリードしてきたトーマス・ルフ。初期に発表した高さ約2メートルにもなる巨大なポートレート作品で注目されて以降、建築、都市風景、ヌード、天体など様々なテーマの作品を展開してきた。同展では、初期作品「Interieurs」や評価を高めた「Portrats」、少年時代からの宇宙への関心を背景とする「cassini」や「ma.r.s.」、インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や「jpeg」など、全18シリーズ、東京会場約125点、金沢会場約160点の作品で構成。新聞社のプレス写真アーカイヴを入手したことから着想された最新作の「press++」シリーズも登場する。読売新聞社から提供されたプレス写真を素材とした世界初公開となる作品も展示される予定だ。なお、同展は作品選択や展示構成にトーマス・ルフ自身も参加するなど、作家の全面的な協力を得て開催される。【イベント情報】「トーマス・ルフ展」会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1会期:8月30日~11月13日時間:10:00~17:00(毎週金曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料休館日:月曜日(9月19日、10月10日は開館し、9月20日、10月11日は休館)会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:12月10日~17年3月12日時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,000円、大学生800円、小中高生400円休館日:月曜日(1月2日は開館し、12月29日~1月1日、1月10日は休館)
2016年06月14日