アートディレクター、デザイナーとして多岐にわたる分野で新しい時代を切り開きつつ世界を股にかけ活躍した石岡瑛子。彼女の世界初となる大規模回顧展『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』が開催される。1992年公開のハリウッド映画『ドラキュラ』の衣装を手がけアカデミー賞を受賞。また2008年の北京五輪では開会式の衣装を担当。マイルス・デイビスやビョークら、世界の一流アーティストたちから愛された彼女の仕事と人生を総覧する内容だ。彼女の才能は、資生堂に入社し1年目ですぐに開花する。社会現象となったサマー・キャンペーンポスターをはじめ、独立後もパルコや角川書店などの数々の歴史的な広告で快進撃を続けた。拠点をNYに移した’80年代以降は映画やオペラ、サーカス、演劇、PVなど様々な分野でその才能を遺憾なく発揮し続けた。その活躍を支えたのはデザインを生み出すまでの徹底した調査や、たった1ミリという細部にまでこだわる姿勢。完璧主義を貫く彼女の制作現場は常に緊張の糸が張りつめ、刃物のような立ち振る舞いだと彼女を揶揄する者もいた。そんな声を意に介さず「デザインはタイムレスでなければ。何十年後かに見た時、古くてはならない」「時代を生き残ってゆくために必要なのは自分の内から湧き上がるオリジナリティ」「創造のゴールは国を超え、人種を超え、性別を超えたところに存在する」と哲学を持ち、生涯仕事に邁進した。本展では、「Timeless:時代をデザインする」「Fearless:出会いをデザインする」「Borderless:未知をデザインする」の3部で会場を構成。’60~’70年代の広告の仕事や、石岡のデザインプロセスを示す膨大な資料、ハリウッドをはじめとする世界各国のアーカイブから集められた映画&舞台衣装を展示する。「表現者にとって一番大切なのは鍛錬」とバイタリティの塊のような生涯を送った彼女。その人生と言葉には、人を前に向かせる力がみなぎっている。石岡瑛子とは…「すごい日本人」と、世界が称賛した人物。1938年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部卒。アートディレクターとして資生堂、パルコ、角川書店などの広告でセンセーションを起こす。1980年代からはNYを拠点に幅広いプロジェクトを手がけアカデミー賞、グラミー賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、カンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞。紫綬褒章受章。2012年、すい臓がんで永眠。石岡瑛子1983年 Photo by Robert Mapplethorpe ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.’79年に制作されたPARCOのポスター「西洋は東洋を着こなせるか」は、無国籍で鮮烈なイメージ。高度成長期の日本において世界に目を向けたメッセージ性が注目を集めた。石岡瑛子ポスター『西洋は東洋を着こなせるか』(パルコ、1979年)アートディレクションシルク・ドゥ・ソレイユ『VAREKAI』の衣装。危険極まりなく見えても、絶対安全を確保できる魔法のコスチュームをデザインした。石岡瑛子コンテンポラリー・サーカス『ヴァレカイ』(シルク・ドゥ・ソレイユ、2002年)衣装デザイン Director:Dominic Champagne/Director of creation:Andrew Watson/Set designer:Stephane Roy/Courtesy of Cirque du Soleil『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』東京都現代美術館 企画展示室1F/B2東京都江東区三好4‐1‐1開催中~2021年2月14日(日)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)月曜(11/23、1/11日は開館)、11/24、12/28~1/1、1/12休一般1800円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年11月25日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年11月24日「東京都現代美術館」では、アート・ディレクター、デザイナーとして多岐に渡る分野で新しい時代を切り開きつつ、世界を舞台に活躍した石岡瑛子の回顧展「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」を開催する。石岡さんは、パルコ、角川書店などの数々の歴史的な広告を手掛け、ニューヨークに拠点を移した後、映画、オペラ、MVなど多岐にわたる分野で活躍。映画『ドラキュラ』の衣装でアカデミー賞衣装デザイン賞受賞、2008年の北京オリンピック開会式では衣装デザインを担当したことでも知られる。今回の回顧展では、時代を画した初期の広告キャンペーンから、映画、オペラ、演劇、オリンピックのプロジェクトなど、その唯一無比の個性と情熱が刻印された仕事を総覧する。本展示は、「Timeless:時代をデザインする」「Fearless:出会いをデザインする」「Borderless:未知をデザインする」という3つのカテゴリーで構成。マイルス・デイヴィス、レニ・リーフェンシュタールら名だたる表現者たちとのコラボレーションの連続で生み出されてきた石岡さんの仕事。展示では、集団制作の中で個のクリエイティビティをいかに発揮するかに賭けた「石岡瑛子の方法」を、デザインのプロセスを示す膨大な資料とともに紹介し、その秘密に迫る。さらに、『ドラキュラ』、『落下の王国』、『白雪姫と鏡の女王』など、ハリウッド・アカデミーをはじめ世界各国のアーカイブから集められた映画・舞台衣装の展示も必見だ。「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」は11月14日(土)~2021年2月14日(日)東京都現代美術館にて開催(休館日あり)。(cinemacafe.net)
2020年06月14日20歳で夭折した関根正二の過去最大規模の回顧展『生誕120年・没後100年 関根正二展』が、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館にて2月1日よりスタート。3月22日(日)まで開催されている。関根正二は、1899(明治32)年に福島県で生まれ、20歳と2カ月で夭折した大正時代の個性派画家だ。ほぼ独学で絵を志し、北方ルネサンスをはじめとする西洋絵画に感銘をうけ、天性の素描力に独自の色彩感覚を開花。16歳で二科展に初入選すると、その後5年に満たない画業の中で、「関根のヴァーミリオン」と称賛された美しい朱色を特徴とし、デカダンス文学や独自の宗教観に基づいた幻視性を帯びる作品群を制作した。同展では、その短い生涯に残した貴重な油彩作品に加え、このほど100年ぶりに発見されたパステル画《少女》や、近年の調査により発見された初公開の作品・資料類、関連作家らの紹介を交えて、関根正二の全貌を顧みる。神奈川県立近代美術館では20年ぶりにして、過去最大規模となる関根正二の回顧展。観る者に時代を越えて訴える、儚くも鮮烈な魂の響きを感じ取ってみたい。【開催情報】『生誕120年・没後100年 関根正二展』3月22日(日)まで神奈川県立近代美術館 鎌倉別館にて開催【関連リンク】 神奈川県立近代美術 鎌倉別館()《三星》1919年油彩、カンヴァス東京国立近代美術館蔵《自画像》1916年頃インク、紙福島県立美術館蔵《井上郁像》1917年油彩、カンヴァス福島県立美術館寄託《少女》1919年パステル、紙個人蔵《神の祈り》1918年頃油彩、カンヴァス福島県立美術館蔵《女の顔》1918年墨・インク・油彩、紙神奈川県立近代美術館蔵《チューリップ》1918年油彩、カンヴァス個人蔵
2020年02月05日いわゆる「にわか」カメラ女子です。スマートフォンのカメラ機能の進化で、デジタルカメラの出番はほとんどなくなっていたのですが、お料理の写真を撮ると、どうも色味が違う、暗くなってしまう、と、自分なりの問題点が浮かんできて、デジタルカメラを新しく購入するに至ったのが数年前。すると、カメラ自体に興味が湧いてきて、行き着いたのがLeica。(わたしのカメラ好きは、こちらで) 2019年は、毎日カメラを持ち歩き、Leicaユーザーを対象にした「ライカ・アカデミー」という写真教室に行ったりと、すっかり、カメラは生活の一部になっています。年末に最後の教室があり、帰り際に、ソール・ライターの写真を見る機会がありました。1958年の作品という絵画のようなカラーのヌード写真やファッション誌に掲載されたカラー写真が展示されていて、年明けに開催される「永遠のソール・ライター」という写真展への期待が高まりました。その数日後、Leicaから手紙が届き、開封すると、「Saul Leiter – Lanesville, 1958」をライカギャラリー東京で開催するにあたっての、レセプションの招待状でした。あいにくレセプション当日は東京にいないため、出席できなかったのですが、こういう特別な機会をもてることも、Leicaを使うことの魅力のひとつです。 そして、待ちに待った、「ニューヨークが生んだ伝説の写真家永遠のソール・ライター」に、早速、行ってまいりました。 ソール・ライターの世界1940年代から亡くなる少し前の2000年代まで、ソール・ライター財団が所蔵する218点もの作品が展示されています。写真展は、Black & Whiteの世界から始まりました。ニューヨークの街のスナップを中心に、ソール・ライターが見た一瞬がモノクロームで表現されています。冬のニューヨークの定番といえる道路から立ち上る湯気ではなく、雪、濡れた路面、結露のついた窓ガラス越しに撮った写真など、日常が写されています。乾いた写真が水の要素を写すことで、写真全体がしっとりとした印象になって、それがなんとも好きな表現でした。色彩を取り除いた世界は、そのものの実体が見えるので、モノクロームの写真は見る側の発想を自由にさせてくれるところが好きです。 続いて、カラーの世界です。パッと明るくなるというよりは、落ち着いた色味の世界が広がります。今回の写真の中でも、特に好きな写真は、広告などに使用されている「薄紅色の傘」(1950年代, Purple Umbrella)という写真です。薄紅色の傘の向こうに見える地面はもちろん雨で濡れていて、その上を走る赤い車と、その影が水面に映るという構図。傘で空は見えないけれど、路面に映る空は明るく見えて、雨も悪くないな、と思えるような、明るい気分になる写真でした。実物は、大きめにプリントされていて、実際に目の前にすると、見惚れてしまいました。展示されている写真の多くは、2LやA4くらいの大きさで、近寄らないと観えないという悩みが生まれますので、いらっしゃる場合は、空いている時期を狙った方が良いと思います。 次は、ファッションの世界です。目にしたことがある金色のように見える帽子を被り、グリーンのコートを着たモデルの写真、これは、ライカギャラリー東京にも展示されていましたが、素敵な写真です。モデルが寄りかかっている車と手前にいる人が開けたドアの色が同じで、その二人の間にある駐車禁止の赤い標識がアクセントになっていて、お洒落です。こんな写真、撮りたい。。。カラーの写真には、赤がとても印象的に映っていて、彼の色彩感覚の素晴らしさにじわじわくる感動を覚えました。 順路としては、カラーの世界が続き、次のパートへつながります。 ソール・ライターを探してこのパートは、ポートレートの展示です。まず、セルフ・ポートレート。勉強になります。スマートフォンのおかげで、自撮り(わたしの場合のセルフ・ポートレート)は戯けたような写真が多くて、とても、ポートレートなどと名乗れないものばかり、しかし、彼の撮る自分自身は、ダイレクトな被写体ではなく、ウィンドウに映る彼であったり、影であったり、映っているものの中にある彼をとらえていいました。スマートフォンにない緩い感じの写真、フィルムカメラだから、という理由もあるかもしれないけれど、デジタルでも、焦点距離、露出やシャッタースピードを変えてみれば、今と違うニュアンスの写真が撮れそうだ、とちょっとやる気が出てくるパートでした。(現時点で、ほとんどオートフォーカスしか使えていない。。。) ここからは、とても親密性のあるポートレートが続きます。 まず、ソール・ライターが妹のデボラをモデルに写したポートレート。写真に添えられていた解説によると、デボラはソール・ライターの初めてのモデルで、初期の頃の多くの作品に登場しているのですが、20代で精神障害を患い、亡くなるまで施設で過ごしたということでした。モデルのデボラは、目の表情が豊かで、モノクロームの写真の中で笑みを浮かべたり、睨んだりと、写真家である兄に対して、色々な顔を見せていたようです。 続いては、Soames。公使共にライターのモデルとなり、芸術への情熱を共有した女性。今回の写真展には23点の写真が展示されていて、モノクロームもカラーもありました。中にはとても親密は写真もあり、二人が共有した時間の深さを感じました。中でも、わたしは、雪の降る日に、コートを翻して歩き出そうとするSoamesの写真が好きでした。ソール・ライターの言葉もとても印象的。 I liked looking over and seeing Soames rocking away and listening to music. – Saul Leiter(彼女が揺り椅子に座って音楽を聴いているのを眺めるのが好きだった。- ソール・ライター) 彼の部屋の再現最後の最後にだけ、写真撮影が許される展示物がありました。 ソール・ライターが過ごした部屋の再現です。時計と反対周りにある明るい色合いの油絵はSoamesの作品、反対側の3点の油絵はソール・ライターの作品。 全ても観るのに、1時間30分ほどはかかり、観終わった時には、少し疲れた感じもしましたが、とても充実した写真展でした。ミュージアムショップで図録と好きな写真の絵葉書を購入して、Bunkamuraミュージアムをあとにしました。 ミュージアムショップで購入した図録 「永遠のソール・ライター」を観に行くときは、カメラを持参することをお勧めします。彼の世界を堪能して、建物を出ると、目の前に広がる景色がすでにフォトジェニックに見えてきます。 さらに、駅に進めば、できたばかりの銀座線の渋谷駅も、かなりフォトジェニックです。 2020年も、素敵なものに囲まれて、ワクワクする1年となりますように。 永遠のソール・ライター
2020年01月25日足を使って描く「フット・ペインティング」で知られる白髪一雄の全貌に迫る東京では初の大規模な回顧展が、東京オペラシティ アートギャラリーにて3月22日(日)まで開催されている。色と色が激しくぶつかり、融合することで、混沌としたエネルギーとその軌跡が生々しく立ち現れる。そんな、唯一無二の「フット・ペインティング」画法で知られるのが白髪一雄(1924〜2008)だ。東京オペラシティ アートギャラリー()
2020年01月15日Bunkamura ザ・ミュージアムにて1月9日(木)よりスタートした『ニューヨークが生んだ伝説の写真家永遠のソール・ライター』展。膨大な作品が眠るアーカイブから厳選された、世界初公開を含むモノクロ・カラー写真、カラースライドなどの作品が紹介されている。2017年に開催された日本初の回顧展が大反響を呼んだ写真家、ソール・ライター。1950年代からニューヨークで第一線のファッション写真家として活躍しながら、80年代に商業写真から退き、表舞台から突然姿を消した。その後、2006年出版の写真集『Early Color』で再び注目を集めたライターだったが、2013年に他界。現在は、2014年に創設されたソール・ライター財団により、カラー作品だけでも8万点ともいわれる写真や絵画、多くの資料などのアーカイブ化が進められている。同展は、2017年の展覧会以降に未整理資料の中から“発掘”された作品を中心に紹介するもの。第1部「ソール・ライターの世界」、第2部「ソール・ライターを探して」の2部構成で、彼の創作の秘密に迫る。ニューヨークが生んだ伝説の写真家永遠のソール・ライター()
2020年01月11日日本との関わりも深い、イタリアを中心に活動してきた陶芸家ニーノ・カルーソの回顧展『記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠ニーノ・カルーソ』が、京都国立近代美術館で1月4日(土)から2月16日(日)まで開催される。2017年にニーノ・カルーソが亡くなってから、この展覧会が世界初の回顧展となる。1950年代から制作を始めて以降、晩年までの92点の代表作、デザインワーク、スケッチなどを紹介する。カルーソの作品は、素材が陶磁に留まらず、鉄やセメント、グラスファイバーなどを用いて、神話性や象徴性をテーマの一つにしてきた。この展覧会は、5つのコーナーで構成される。「アルカイックシリーズ」は、紐作りで成型してざらついた質感の釉薬、人体を思わせるフォルムと装飾が特徴で、1960年代中ごろまで手掛けていた。また、「鉄の彫刻」は、50年代から60年代にかけて意欲的に制作した、切り取られた鉄板の断片で構成される作品だ。続いて、発泡スチロールでつくった複数のパーツを構成したものを原型とし、鋳込み技法で制作した「デザイン」、発泡スチロールの雄型・雌型を上下左右に組み合わせた「モジュラー彫刻」、「夢の記憶」ではカルーソ自身が見た夢が元となった手捻りによる家型の彫刻作品が並ぶ。こうしたニーノ・カルーソの足跡をたどることで、地中海地方の神話や風土、建築物に着想を得た作品群、作品とその空間との関係性、技術や素材、アイデアなどを垣間見ることができるだろう。【関連リンク】 京都国立近代美術館( )ニーノ・カルーソ《抱擁》1957年ニーノ・カルーソ《鷺》1958年ニーノ・カルーソ《把手付壺》1983-84年ニーノ・カルーソ《エトルリア人》1985年ニーノ・カルーソ《シチリアの記憶》1999-2004年
2020年01月07日2017年、Bunkamura ザ・ミュージアムで日本初の回顧展を開催し、大きな話題を呼んだ写真家ソール・ライター(Saul Leiter, 1923-2013)。ライターの展覧会がまた渋谷Bunkamuraに帰ってきます。2020年1月9日より開催。 携帯電話のカメラが普及して、日常的に写真を撮ることが当たり前になった昨今。そんな中、あえてカメラを購入し、自分の思い描く1枚を残したいと思う人もまた、増えてきたと感じるのは私だけではないでしょう。どんな写真が人の心を惹きつけるのか、おぼろげながらも考えるようになったとき、ふと目に留まったのが、写真家ソール・ライターの作品でした。 ソール・ライター 《ニューヨーク》 1950年代、ゼラチン・シルバー・プリント ⒸSaul Leiter Foundation ソール・ライター 《帽子》 1960年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation 元は「ヴォーグ」などの有名ファッション誌の表紙を飾ることもあったソール・ライターは、1980年代に商業写真から退き、表舞台から姿を消していった、伝説の写真家ともいわれています。今回の展覧会「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」では、2017年に大きな話題を呼んだ展覧会開催以降に発掘された、まさに“宝の山”のような未整理資料の中からモノクロ・カラー写真、カラースライド等の多くの作品を選出。さらにデジタル技術を駆使して、ソール・ライターの生涯にわたるアーカイブを通し、一人の写真家の創作の秘密に迫ります。 ソール・ライター 《赤い傘》 1958年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation ソール・ライター 《薄紅色の傘》 1950年代、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation 展覧会は2部構成となっていて、第1部では、2006 年に出版された『Early Color』によって、“カラー写真のパイオニア”と称されるようになったソール・ライターの世界初公開となるカラー作品をはじめ、前回の展覧会では紹介できなかったモノクロの代表作、多数の未発表作品など約130点により、その業績をたどります。また第2部では、ソール・ライターが残した膨大な作品・資料のアーカイブ構築に取り組むソール・ライター財団のプロジェクトを通して、ソール・ライターの実像に迫ります。 ソール・ライター 《無題》 撮影年不詳、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation ソール・ライター 《高架鉄道から》 1955年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation 晩年まで写真を撮り続け、絵を描き続けたソール・ライターは、12歳で初めて自分のカメラを手にして以来、多くのカメラを使い、新しい技術を楽しんだ写真家でもありました。彼の生きてきた証でもある写真1枚1枚を巡り鑑賞することで、何かヒントを得られることがあるかもしれません。 2020年の年始め、自分の感性を磨くために足を運んでみてはいかがでしょう。 ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター会期:2020年1月9日(木) ~ 3月8日(日)休館日:1/21(火)・2/18(火)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京/渋谷・東急本店横)開館時間 10:00-18:00(入館は17:30まで)毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)お問合せ:ハローダイヤル03-5777-8600(8:00-22:00)渋谷駅の賃貸をgoodroomで探す *出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2020年01月04日展覧会「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が、東京・六本木の森美術館にて、2022年2月18日(金)から5月29日(日)まで開催される。「Chim↑Pom」活動の全貌を一挙に紹介Chim↑Pom(チンポム)は、現代社会の事象や諸問題を題材に、時としてユーモアや皮肉を交えたプロジェクトを手がけてきたアーティスト・コレクティブだ。卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀の6人によるChim↑Pomは、2005年に東京で結成。現在に至るまで、都市、原爆、震災、メディア、境界、公共性といった多岐にわたる主題のもと、独創的でメッセージ性の強い作品を展開している。「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」は、Chim↑Pomの初期から近年までの代表作と、本展のために制作された新作を一挙に紹介する、初の本格的回顧展。都市と公共性、肉体といったテーマを設定し、Chim↑Pomが考察を続けてきた事象に光をあてつつ、その活動の全貌を紹介する。初期から新作まで、活動を網羅的に紹介会場では、Chim↑Pomの初期から現在に至る作品を網羅的に紹介。初期の代表作「サンキューセレブプロジェクト アイムボカン」から、「ビルバーガー」 シリーズといった大型作品、街の人通りが激減した2020年5月の東京で手がけられた「May,2020,Tokyo」シリーズなどの近作、2020年のエリイの出産を機に構想された新作映像インスタレーション、そして参加型・体験型作品まで、代表作を一挙に展示する。都市と公共性、肉体、境界など、テーマに則った展示構成本展では、一般的な回顧展のように作品を年代順に展示するのではなく、都市と公共性、肉体、境界などのテーマのもとで作品を展示。また、作品鑑賞のための動線を複数設定することで、展覧会の多様な読み解きが可能な構成となっている。さらに、アスファルトを用いた空間構成や、展示室を丸ごと一室使用し、複数の作品をひとつの巨大インスタレーションのように構成するなど、作家の発案によるダイナミックな展示空間を展開する。作品をめぐる議論を再検証過去にChim↑Pomの作品のいくつかは結果的に議論を呼び、とりわけ広島の原子爆弾投下と東日本大震災を主題に、核の問題を扱った《ヒロシマの空をピカッとさせる》や《LEVEL 7 feat.『明日の神話』》は、論争にまで発展している。本展では、作品自体のみならず、年表や関連資料などを展示し、作品にまつわる賛否両論も紹介するなど、複数の視点からこうした論争を再考する。展覧会概要展覧会「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」会期:2022年2月18日(金)~5月29日(日) 会期中無休※当初は2021年4月22日(木)~8月22日(日)、ついで2021年10月21日(木)〜2022年1月30日(日)の会期を予定していたが変更会場:森美術館 ほか住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階開館時間:10:00〜22:00(火曜日は17:00まで、ただし5月3日(火・祝)は22:00まで)※入館は閉館30分前まで観覧料(当日窓口/オンライン):・平日=一般 1,800円/1,600円、学生(高校・大学生) 1,200円/1,100円、子供(4歳〜中学生) 600円/500円、シニア(65歳以上) 1,500円/1,300円・土・日・休日=一般 2,000円/1,800円、学生(高校・大学生) 1,300円/1,200円、子供(4歳〜中学生) 700円/600円、シニア(65歳以上) 1,700円/1,500円※事前予約制(日時指定券 )を導入(専用オンラインサイトより「日時指定券」の購入が可能、詳細は専用ホームページを参照)※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館可※本展のチケットで同時開催プログラムも鑑賞可※東京シティビュー(屋内展望台)、スカイデッキ(屋上展望台)、森アーツセンターギャラリーへの入館は別料金【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2019年12月27日ディーゼル(DIESEL)の回顧録「5D: DIESEL DREAM DISRUPTION DEVIATION DENIM」が、2019年11月15日(金)に、ディーゼル 銀座・渋谷・大阪・青山店及び、公式オンラインストアにて発売される。「5D: DIESEL DREAM DISRUPTION DEVIATION DENIM」は、ディーゼルの創始者であるレンツォ・ロッソが立ち上げたレーベルの成長・発展の軌跡にフォーカスした書籍。全248ページに及ぶ本の中には、ディーゼルのアイコン“ジーンズ”誕生のきっかけとなる、15歳の頃のロッソのエピソードをはじめとする、数十年に渡るブランドの歴史を記録。またディーゼル従業員のストーリーやブランド関係者の寄稿や書簡なども、回顧録として紹介している。さらにデニムにフィーチャーした写真をはじめ、世界中のフリーマーケットやリサイクルショップからかき集めた“レア”なアーカイブ品、歴史的キャンペーンの様子を捉えた写真なども収録。ディーゼルファンにはたまらない、見ごたえたっぷりの1冊に仕上がっている。【詳細】ディーゼル回顧録「5D: DIESEL DREAM DISRUPTION DEVIATION DENIM」発売日:2019年11月15日(金)取扱:ディーゼル 銀座・渋谷・大阪・青山店及び、公式オンラインストア価格:11,880円(税込)【問い合わせ先】ディーゼルジャパンTEL:0120-55-1978
2019年11月17日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿・外苑前のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。■『Works 1983-2019』Fabien Baron「世界で最も人気のあるクリエイティブディレクター」(雑誌『バニティ・フェア(Vanity Fair)』)や、「間違いなく、今日最も成功し、影響力があり、人気のあるクリエイティブディレクター」(ウェブマガジン「Wallpaper*」)などと、媒体各社や業界人からも認められる世紀のアートディレクター、ファビアン・バロン(Fabien Baron)の30年以上の成果を収めた待望の回顧作品集。本書では、タイポグラフィー、パッケージング、プロダクト、家具、インテリアデザインなどを含め広範囲から作品をセレクトし、彼の美的論理を明快に伝える内容となっている。また、ケイト・モス(Kate Moss)による前書き、アダム・ゴピック(Adam Gopnik)による文章も収録。デザイン、ファッション、写真を専門とする人には必携の1冊だ。【書籍情報】『Works 1983-2019』写真:Fabien Baron出版社:Phaidon Press言語:英語ハードカバー/424ページ/380×300mm発刊:2019年価格:2万6,010円(為替により変動)■Shelfオフィシャルサイトで『Works 1983-2019』を購入する
2019年10月19日《麗子像》などで知られる岸田劉生の没後90年を記念した大回顧展『岸田劉生展』が開幕。10月20日(日)まで東京ステーションギャラリーで開催された後、山口県立美術館(11月2日〜12月22日)、名古屋市美術館(2020年1月8日〜3月1日)に巡回する。日本の近代美術を代表する画家、岸田劉生(1891〜1929)。没後90年を迎えて開催される同展では、初期から最晩年までの厳選された名品が一堂に会する。監修の山田諭氏(京都市美術館学芸員)によると、「日本の近代美術が常にフランスの近代美術を後追いしていた時代に、劉生はただひとり、自己の価値判断によって、自己の歩む道を選択し、自己の絵画を展開していった」と言う。劉生のほとんどの作品は、画面に残されたサインや日記から制作年月日が明らかになっており、同展ではほぼ制作年代順に作品を展示。そうすることで、劉生がどの時期に、どのような刺激を受けて、自身の画風を意識的に変転していったのか、その歩みを理解できるようになっている。第1章では、独学で水彩画を制作していた劉生が、黒田清輝が主催する研究所で本格的に油彩を学び、雑誌『白樺』からゴッホやゴーギャン、マチスら後期印象派の画家たちから衝撃を受けた時代の作品を紹介する。東京ステーションギャラリー()
2019年09月04日東京国立近代美術館にて10月6日(日)まで開催中の『高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの』。同展のスペシャルトークイベントが8月3日に同会場にて行われ、ゲストとしてアニメーション映画監督の細田守、聞き手としてフリーアナウンサーの宇垣美里が登壇した。【チケット情報はこちら】『火垂るの墓』などで知られ、2018年4月に永眠したアニメーション映画監督・高畑勲。その功績をたどる回顧展では、制作ノートや絵コンテなど1,000点以上の資料が展示され、アニメーションの革新に挑み続けた高畑の監督・演出家人生に迫っている。好きな高畑作品に『かぐや姫の物語』を挙げた宇垣は「監督から“受け止め方はあなたの自由”と言われている気がして、人によって異なる感想を聞くのも楽しい」と語る。この言葉に、細田は「つまり“客観性”ですね」と反応。「主人公がどんな状況に置かれているかを観客に考えさせるのが、高畑さんの演出。登場人物に感情移入させることだけが映画じゃない」と昨今の“共感”をベースに感動を生む風潮とは対極にある高畑流・映画づくりの特徴を強調した。90分にわたるイベント中、細田のボルテージが特に上がったのは『セロ弾きのゴーシュ』の美術に話題が及んだ瞬間。椋尾篁の手がけた背景をスクリーンに映し出しながら、「美術がそのまま作品の世界観になっている」と類型的でない緻密な“画”の魅力に言及する。CGを多用するアニメーション作品と比較しつつ、「実写に近づくことがリアルなのではなく、“画”だからこそリアルに伝わる感動があるんです。それを引き出した高畑さんも素晴らしい!」と熱弁をふるった。また細田は、自身の監督作『未来のミライ』がカンヌ国際映画祭の監督週間に選出された際のエピソードを紹介。高畑の訃報とタイミングが重なり、彼の逝去は日本のアニメにどう影響を及ぼすか──という現地報道陣の質問に「監督が追求していた作品テーマや表現方法、問題意識を誰かが引き継がなければ」と答えたという。イベント後、取材に応じた細田に、このエピソードを受けて高畑のどんな要素を自身の作品に継承していこうと考えているか──と聞いてみた。すると「さまざまな試行錯誤を重ね、アニメーションの可能性を広げていくことです」と即答。これまで発表した作品では『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』『未来のミライ』が実験的要素の強い作品だったと述懐し、「高畑監督からバトンを受け取り、今後も映画芸術に貢献できれば」と覚悟を覗かせた。取材・文:岡山朋代■「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの」会期:開催中~10月6日(日)会場:東京国立近代美術館(東京都)
2019年08月16日アニメーション映画監督・高畑勲(1935-2018)の“演出術”にフォーカスした回顧展、『高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの』が東京・竹橋の東京国立近代美術館ではじまりました。展覧会の音声ガイドナレーターをつとめるのは、俳優の中川大志さん。気になる内容や見どころをお伝えします!中川大志さんがガイド!『高畑勲展』【女子的アートナビ】vol. 151この展覧会では、総合芸術としてのアニメーションをつくりあげた監督・高畑勲氏の創作活動を、1,000点を超える作品や初公開の資料などによって紹介。絵を描かない高畑監督が、どのように新しい表現方法を追求し、作品に昇華させていったのか、その創造の軌跡を知ることができます。音声ガイドナレーターは俳優の中川大志さん。現在出演中の連続テレビ小説『なつぞら』で坂場一久役を演じている中川さんは、次のメッセージを寄せています。「自分たちが当たり前のように目にしていた作品が、どんな思いで、どんな苦悩を経て、どんな手法で作られていたのかを知ることができる貴重な機会です。日本のアニメーションの歴史でもある『高畑さんの人生』を存分に楽しめる音声ガイド、ぜひお楽しみください」展覧会場の入り口をぬけると音声ガイド機(¥550税込)を借りるブースがあるので、ぜひ中川さんの案内を聞きながら作品を楽しんでみましょう!宮﨑駿氏の原画も…!それでは、会場に入ってみます。まずは、高畑監督が手がけた仕事や業績などが記された年譜が壁一面に登場。作品数の多さに圧倒されます。そして、モノクロ写真で飾られたアーチを抜けると、「第1章 出発点」がはじまります。1959年に東京大学文学部仏文科を卒業し、東映動画(現・東映アニメーション)に入社した高畑監督は、まず演出助手としてアニメーション制作にかかわります。会場には、当時の貴重な制作ノートや絵コンテなどが勢揃い。ここでの見どころは、長編アニメーション初監督作品となった『太陽の王子 ホルスの大冒険』のコーナー。登場人物の人間関係を記した図や、感情の起伏を視覚化したテンションチャートなど、作品を作り上げていくプロセスがわかる資料は見ごたえがあります。また、当時、新人アニメーターだった宮﨑駿氏の原画も展示されています。ハイジの世界へ!続いて、第2章「日常生活のよろこび」では、『アルプスの少女ハイジ』をはじめ、『母を訪ねて三千里』、『赤毛のアン』など昭和世代には懐かしいテレビの名作シリーズが登場します。オープニング・フィルムの原画や動画、背景画、制作ノートなどが展示されていますが、特に見逃せないのは、アニメーター小田部羊一氏による主要キャラクターのデザインスケッチ。主人公のハイジが現在のデザインになるまでの過程が見られて楽しいです。高畑監督は、ハイジの日常生活をリアルに描くことを目指し、物語の舞台となるアルプスの自然環境などを取材するため、テレビ・アニメーションとして初の海外ロケハンを実施。宮﨑氏などクリエイターやプロデューサーたちと一緒に約10日間スイスとドイツをまわりました。そのときに撮影された写真なども会場で紹介されています。また、アルプスの山小屋をリアルに再現した美しいジオラマも展示。こちらは写真撮影OKです!続く第3章では『火垂るの墓』など日本を舞台にした作品群が登場し、最後の第4章では、新たなアニメーションへの挑戦についても詳しく紹介されています。アニメーターのインタビューも!音声ガイドでは、ナレーターとして中川さんが作品解説をするほか、アニメーターの大塚康生氏や小田部羊一氏などのインタビューも聞くことができます。文学や美術、音楽、映画など幅広いジャンルの知識を持ち、またクリエイターやスタッフからも慕われていた高畑監督。彼の手がけた作品を見ることで、アニメーションの歴史だけでなく、日本の文化史も知ることができます。ぜひぜひ、足を運んでみてくださいね!Information会期:~10月6日(日)休館日:月曜(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)、 8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)時間:10:00-17:00 ( 金曜・土曜は10:00-21:00 )*入館は閉館30分前まで会場:東京国立近代美術館料金:一般 ¥1500/大学生 ¥1100/高校生 ¥600、中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年07月13日数多くの革新的な作品を発表し、日本のアニメーションに多大なる影響を与えたアニメーション監督・高畑勲。その高畑初の回顧展『高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの』が、7月2日(火)から10月6日(日)まで、東京国立近代美術館で開催される。アクションやファンタジーではなく、日常生活に寄り添った、豊かな人間ドラマとしてのアニメーションを確立した高畑。本展では、半世紀を超える高畑の創作の秘密を、その演出術に着目し4つの章から紐解いていく。【チケット情報はこちら】まず第1章は「出発点:アニメーション映画への情熱」。ここで注目すべきは、初の演出(監督)作品となった『太陽の王子 ホルスの大冒険』だろう。高畑は絵を描かないアニメーション監督であり、作画監督や脚本家など、各スタッフと対話を重ねることで、これまでにない作品世界を構築。それは登場人物の香盤表や作画担当表といった、高畑による緻密な資料群からも伺うことが出来る。また本章には、遺作となった『かぐや姫の物語』に通じる貴重な資料「ぼくらのかぐや姫」も展示。第2章は「日常生活のよろこび:アニメーションの新たな表現領域を開拓」。ここでは子供を主人公に、子供が楽しめる作品づくりを目指した高畑の、テレビの名作シリーズを中心に紹介する。『アルプスの少女ハイジ』では、かの有名なオープニング映像のラフ原画を展示。現地をロケハンし描かれたという、美しい背景美術にも目を奪われる。また宮崎駿が手がけた『パンダコパンダ』のレイアウトは、本展開催直前に発見された非常に貴重なものだ。第3章「日本文化への眼差し:過去と現在との対話」では、『火垂るの墓』や『平成狸合戦ぽんぽこ』などが登場。大阪を舞台にした『じゃりン子チエ』以降、日本の風土や庶民の生活を、リアリティーをもって描くことに情熱を注いでいった高畑。膨大なイメージボードや背景などから、その強い想いを感じることが出来る。最後の第4章「スケッチの躍動:新たなアニメーションへの挑戦」では、水彩画風という新たなアニメーション表現を摸索した、高畑の飽くなき探求心に驚かされる。特に完成まで8年を要した『かぐや姫の物語』では、線画による1枚1枚の原画が、残像効果までも計算して描かれているというから、さらに驚きだ。また高畑はかつて、ジャック・プレヴェールの詩を翻訳、それに奈良美智が絵をつけた詩画集『鳥への挨拶』を発表。本展にはその詩画集が出力された色校正用の紙の上から、奈良が新たにドローイングを加えたオリジナル作品、≪鳥への挨拶≫24点も出品されている。取材・文:野上瑠美子
2019年07月05日猫の合同写真展&物販展「ねこ休み展」のスピンオフ企画「まるごとホイちゃん展 in 夏祭り」が、東京・浅草のギャラリー「TODAYS GALLERY STUDIO」にて開催される。期間は2019年7月26日(金)から9月1日(日)まで。「まるごとホイちゃん展」は、人気の甘えん坊猫“ホイップ”こと、通称“ホイちゃん”にフォーカスするもの。今回は、「夏祭り」をテーマに新作展示やグッズを展開する他、国内外で活躍するペインティングアーティスト・チョーヒカルが描くホイちゃんのトリックアートも登場する。また、来場者には先着特典としてヨーヨー釣りチケットがプレゼントされる。会場では、「ねこ休み展」ゆかりの作家陣とのコラボレーショングッズも販売。アップルココが制作した「ホイちゃんキーホルダー お座りver」や、marucoro chanの浴衣をまとった「ホイちゃんこけ)」など、夏祭り限定バージョンでラインナップする。【詳細】ねこ休み展スピンオフ企画「まるごとホイちゃん展 in 夏祭り」開催日時:2019年7月26日(金)〜9月1日(日)11:00〜19:00休館日:毎週月曜日※ただし8月12日(月)は開館、振替休日なし会場:TODAYS GALLERY STUDIO(東京都港区東新橋1丁目8台東区浅草橋5-27-6 5F)入場料:500円/3歳以下は入場無料※東京ドームシティで開催中の「ねこ休み展 夏 2019」のチケット半券持参で、オリジナルポストカードプレゼント。※本展覧会のチケット半券を「ねこ休み展 夏 2019」で提示すると、入場料200円引き。※上記は予定のため、内容は変更になる可能性がある。グッズ例:・<アップルココ>ホイちゃんキーホルダー お座りver 1,900円・<marucoro chan>ホイちゃんこけし(浴衣) 2,500円・<空木>ホイぺろ新作ポーチ 2,350円※限定グッズは数量限定で無くなり次第終了。【問い合わせ先】株式会社BACONTEL:03-5809-3917
2019年06月29日フランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの50年にわたる創作活動を紹介する国内最大規模の回顧展が始まった。人の痕跡を日用品から。ボルタンスキーの大規模回顧展。ボルタンスキーは日本とも縁が深く、近年では「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」にも参加。また2008年からベネッセアートサイト直島にて展開されている≪心臓音のアーカイブ≫は、人間が生きた証として人の心臓音を採録するという斬新なプロジェクトだ。他にも、越後妻有の廃校を使ったインスタレーションや、ドキュメント映像など、様々な作品を日本で発表してきた。作品の根底にあるのは、どれも人間の存在を訴える悲痛な叫びだ。原点は彼の生い立ちにある。1944年、ナチスの占領時代が終わった直後のパリで生まれたボルタンスキー。ユダヤ人である彼の父親は、迫害を逃れるため母親と偽装離婚し、家の床下に隠れ住まなければならなかった。終戦後、周囲から聞かされた強制収容所の話など、幼少時の経験が彼の生涯のトラウマとなる。例えば‘87年に発表された≪保存室(プーリム祭)≫。電球と子供たちの白黒写真を祭壇風に設えたこの作品は、使用されたブリキ缶が骨壺を暗示していて、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を語る代表作となる。その後、ボルタンスキーはユダヤ人にとどまらず普遍的な死の表現に目を向け、あらゆる立場の人々を想った作品を制作。表現手段も多様化し、古着など様々なメディアを使い、人間の存在と不在を示す作品を追求してゆく。‘90年代中盤からは、劇場や廃病院といった空間でのインスタレーションにも着手。最近では作品に神聖さを志向し、人里離れた砂漠や海岸など、簡単には辿り着けない場所に作品を設置していた。そんなボルタンスキーの作品を、東京で体感できる絶好のチャンスが本展。今回は初期作品から最新作まで約46点(予定)もの作品を紹介する。“空間アーティスト”を自認する彼だけに、展示は会場に合わせて作品を組み合わせ、ひとつの大きなインスタレーションとして構成されている点も見どころ。彼の死生観から生まれる独創的な作品は、きっと私たちの琴線に触れるはずだ。≪保存室(カナダ)≫1988 / 衣類 / 作家蔵© Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, © Ydessa Hendeles Art Foundation, Toronto, Photo by Robert Keziereクリスチャン・ボルタンスキー1944年パリ生まれ。‘60年代後半から作品を発表し始め、‘70年代からヴェネチアビエンナーレなどの国際展に招待されるなど国際的なアーティストに。2006年、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。クリスチャン・ボルタンスキー © Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, Photo by Didier Plowyクリスチャン・ボルタンスキー -Lifetime国立新美術館 企画展示室2E東京都港区六本木7-22-2開催中~9月2日(月)10時~18時(金・土曜に関しては6月は20時まで、7・8月は21時まで。入場は閉館の30分前まで)火曜休館一般1600円ほか。 TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年6月26日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2019年06月24日アザラシの合同写真展&イラスト展&物販展「あざらしラッシュ!!展」が、名古屋のTODAYS GALLERY STUDIO NAGOYAで2019年6月29日(土)から7月21日(日)まで、静岡パルコで2019年7⽉21⽇(⼟)から8⽉12⽇(⽉・祝)まで開催される。アザラシと言えば、アニメにもなって人気を博した"ゴマフアザラシ"や水族館でも見ることができる"アゴヒゲアザラシ"を思い浮かべる人も多いだろう。諸説あるが、実は全世界には18種のアザラシが存在するとも言われている。「あざらしラッシュ!!展」は、そんなアザラシにフォーカスした合同写真展&イラスト展&物販展。写真とイラストの融合展示や立体物販物、アニメーション作品などを楽しむことができる。出展する写真作家は、カナダなどでアザラシの赤ちゃんを撮り続ける動物写真家・小原玲など。会場では小原玲が過去30年間撮り溜めた作品を厳選して展示する予定だ。見るものを圧倒するほど美しく、愛らしいアザラシの姿を目にすることができる。イラストレーションは、インスタグラムでフォロワー数3万人を誇るぽんたによる“流氷からアザラシたちが昇り立つような大型作品”をはじめ、癒し系イラストが人気を博す植月えみりによる新作展示、初のアニメーション作品も公開予定。また、静岡会場では特設ブースを設置し、植⽉えみりの会場限定アニメーションやほわころくらぶのほっこり映像を公開する。約1,000種以上のグッズ販売にも注目。日本キャンドル協会認定キャンドルアーティスト作家による「流氷ごまキャンドル」、羊毛フェルトハンドメイドの「アザラシさんのパンケーキタワー」、食べ物とアザラシがコラボレーションした「あざらし寿司マスキングテープ」などが展開される。会場限定の新作グッズも並ぶのでファンは要チェックだ。【詳細】あざらしの合同写真展&イラスト展&物販展「あざらしラッシュ!!展」■名古屋開催日時:6月29日(土)~7月21日(日) 11:00~18:00休館日:月・火曜日(但し、7月15日(月)海の日は開館、17日が振替休日)会場:TODAYS GALLERY STUDIO NAGOYA(愛知県名古屋市中区新栄1-17-12-1F)入場料:600円/3歳以下は入場無料出展者:25組※来場者には先着2,000名限定で、イラストレーター・ぽんたが無数のアザラシを描いた特製オリジナルポストカード「ぎゅうぎゅうあざらし」をプレゼント。■静岡開催日時:2019年7⽉27⽇(⼟)〜8⽉12⽇(⽉・祝) 10:00〜20:00休館⽇:なし会場:静岡パルコ 3階特設会場(静岡県静岡市葵区紺屋町6-7 静岡パルコ3F)⼊場料:400円/⾼校⽣以下300円/ペア⼊場700円/3歳以下⼊場無料出展者:23組※来場者には先着1,000名限定で、⾬宮菜々⼦特製のオリジナルポストカード「ぽよざらしのポストカード」をプレゼント。グッズ例:・流氷ごまキャンドル 1,600円+税・アザラシさんのパンケーキタワー 2,500円+税・あざらし寿司マスキングテープ 580円+税・コッペパン列車マスキングテープ 580円+税<新作・会場限定>・あざらしクリームソーダトートバッグ 1,600円+税<新作・会場限定>
2019年04月27日現代のフランスを代表する作家、クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski)の活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー ―Lifetime」が、6月12日から9月2日まで東京・国立新美術館にて開催される。《ミステリオス》 2017 / ビデオプロジェクション(HD、約12時間)、3面のスクリーン / 作家蔵© Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, Photo © Angelika Markulクリスチャン・ボルタンスキーは、1960年代後半から短編映画を発表、1970年代には写真を積極的に用いて、自己や他者の記憶にまつわる作品を制作し注目された。1980年代に入ると、光を用いたインスタレーションで宗教的なテーマに取り組み、国際的な評価を獲得。その後も歴史や記憶、人間の存在の痕跡といったものをテーマに据え、世界中で作品を発表している。1970年代から国際的な活動を続けてきたボルタンスキーは、日本でもこれまで「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」に参加し、継続的に作品を発表してきた。今回の展覧会は、50年間の活動をたどる、日本では過去最大規模の回顧展となる。《保存室(カナダ)》 1988 / 衣類 / 作家蔵 © Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, © Yedessa Hendeles Art Foundation, Toronto, Photo by Robert Keziere会場では、最新作を含む47点(予定)の出品作によって、ボルタンスキーの多様な作品世界を紹介する。集団や個人の記憶、そして宗教や死を主題として作品を制作してきたボルタンスキー。その表現は多岐にわたり、1960年代後半には映像を使った創作活動を開始、その後写真、書籍、日用品といった多様なメディアを用いた作品を展開。近年では、人々が語り継ぐことをテーマとし、形として残らない作品にも取り組んでいる。《モニュメント》 1986 / 写真、フレーム、ソケット、電球、電気コード / 作家蔵 © Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, Photo © The Israel Museum, Jerusalem by Elie Posnerまた今回は、「空間のアーティスト」と自らを呼ぶ作家自身が、展覧会場に合わせたインスタレーションを手掛ける。初期作品から最新作までを時代順に紹介するのではなく、個々の作品を組み合わせ、一つの大きなインスタレーションとして構成される予定。会場では配布するマップを片手に観賞出来る。この他、展覧会初日のボルタンスキー本人による講演会、担当学芸員による解説会も開催予定。最新情報は展覧会公式ホームぺージにて。【展覧会情報】クリスチャン・ボルタンスキー ―Lifetime会期:6月12日~9月2日 会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00~18:00(6月の金・土曜日は20:00まで、7~8月の金・土曜日は21:00まで)※入場は閉館の30分前まで料金:一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生800円(600円)、中学生以下入場無料※( )内は前売り及び20名以上の団体料金、障害者手帳を持参の方(付添いの方1名を含む)は入場無料、高校生無料観覧日については追って発表休館日:火曜日
2019年02月19日映画ポスター・デザインの第一人者として活躍したグラフィック・デザイナー、野口久光の回顧展「生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス」が、横須賀美術館で2019年2月9日から3月31日まで開催される。「大人は判ってくれない」 映画ポスター 1960年野口久光は、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、映画配給会社・東和商事合資会社(のちの東宝東和)に入社し、ヨーロッパ映画の日本公開時のポスターを担当。豊かな表現力による絵と、タイトル文字を作品世界にあわせて描く「描き文字」により、戦前戦後の約30年で、1,000枚以上のポスターを手掛けた。野口の仕事は、当時のグラフィック・デザイン界に大きな影響を与え、コンピューターによるデザインが主流の現代においても、今なお輝き続けている。同展では、野口が制作したヨーロッパ映画のポスターを中心に、レコードのジャケットや、雑誌や本の装丁など約400点の作品・資料により、野口久光の多彩なグラフィック・デザインの世界を紹介する。「フレンチ・カンカン」(大判) 映画ポスター 1955年戦前、戦後にかけて映画が一大娯楽であった時代。その中で特に人気を誇ったのがヨーロッパ映画だった。野口はヨーロッパ映画を取り扱う東和商事合資会社で、日本公開時のポスターを手掛け、多くの人々を魅惑的なヨーロッパ映画の世界へと誘った。会場には、野口が手掛けた1,000枚以上のヨーロッパ映画のポスターから、代表作約160点を展示。『禁じられた遊び』、『フレンチ・カンカン』、『第三の男』、『大人は判ってくれない』など、現在でも名作として語り継がれているヨーロッパ映画のポスターが一堂に会する。「ザ・ルイ・アームストロング・オール・スターズ」 LPレコードジャケット テイチクレコード/1977年その深い造詣からジャズ、ミュージカルなどの音楽評論家としても活躍した野口。同展では、手掛けたジャズレコードのジャケットの他、親交を重ねたルイ・アームストロング、カウント・ベイシー、デューク・エリントンらジャズジャイアントたちを野口が収めたフォトグリフを公開するなど、ジャズファン必見の内容にもなっている。また会期中の3月30日には、関連イベントとして「横須賀美術館 シーサイドジャズ コンサート」を同美術館 海の広場で開催。出演者等の詳細、またその他イベントや講演会などについては、同館ホームページ()にて順次公開される。【展覧会情報】生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス会期:2019年2月9日〜3月31日会場:横須賀美術館住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1時間:10:00〜18:00料金:一般900円(720円)、大学生・高校生・65歳以上700円(560円)、中学生以下無料 ※2月17日は無料観覧日、( )内は20名以上の団体料金、市内在住または在学の高校生は無料、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と介助される方1名は無料休館日:3月4日
2019年01月04日ねこの合同写真展&物販展「ねこ休み展」のスピンオフ企画「まるごとホイちゃん展 in ⼤阪」が、ルクア大阪にて開催。期間は、2019年1月16日(水)から21日(月)まで。「ねこ休み展」史上初の単独展開催となる本展。記念すべく第1回目の主役に選ばれたのは、「ねこ休み展」で⼈気の⽢えん坊猫“ホイップ”こと、通称“ホイちゃん”だ。まるで「チクワ」のようなユニークな模様の毛並みを持つホイちゃんは、その愛らしい姿からSNSで25万人超えのフォロワーを持つアイドル猫でもある。今回は、そんなホイちゃんに焦点をあてた新作や未公開作品を展示。また2.5メートルを超える超巨⼤化したホイちゃんと写真が撮れるフォトスポットも設置予定など、会場全体がホイちゃん一色に彩られる。ファンにはたまないグッズコーナーには、「ねこ休み展」ゆかりの作家陣とのコラボレーションアイテムも登場。<灯さかす>とタッグを組んだステッカーや、<marucoro chan>とコラボレートした「ホイちゃんこけし」など、会場でしか手に入らない限定グッズが並ぶ。さらに期間中は、先着入場者1000名に、ホイちゃんの姿を捉えたオリジナルポストカードを配布する嬉しい特典も用意。なお1月19日(土)と20日(日)には、ホイちゃんの飼い主である“ホイ主”も在廊する予定だ。【詳細】「まるごとホイちゃん展 in ⼤阪」期間:2019年1月16日(水)~21日(月)10:00〜21:00 ※最終⽇のみ19:00閉場休館日:なし場所:ルクア大阪 9階 LUCUAホール住所:⼤阪市北区梅⽥3-1-3⼊場料:300円 ※3歳以下無料※上記は予定の為、内容が変更になる可能性有り■アイテム例<灯さかす>ステッカー 2種 各700円<0313>オリジナルトートバッグ 2,400円<marucoro chan>ホイちゃんこけし 2,500円■入場者特典先着入場者1000名に、ホイちゃんのオリジナルポストカードがプレゼント
2018年12月28日今週末に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!ムンクの名画「叫び」がムンク大回顧展で初来日、サカイがポラロイドオリジナルズとコラボし人気モデルを限定復刻発売、下北沢で第10回目となる映画祭を開催etc...週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け! ーー今週のお出かけ情報の詳しい内容はこちらからーー
2018年10月26日日本で生まれ育ち、パリで大ブレイクし、5人の女性と暮らしヨーロッパで生涯を終えた画家、藤田嗣治(1886~1968)。彼の画業を紹介する大回顧展『没後50年藤田嗣治展』が上野の東京都美術館で開かれています。キュートな猫や女性の絵で人気を博した画家のドラマチックな人生にも注目します!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 125『没後50年藤田嗣治展』では、明治期に生まれ、フランスで高く評価された画家、藤田嗣治の作品100点以上を紹介。パリのポンピドゥー・センターやアメリカのシカゴ美術館など、欧米の美術館が所蔵する名品も多数来日し、質・量ともに史上最大規模で開かれている大回顧展です。超エリート軍医の息子藤田は現在の東京都新宿区で、医者の家に生まれます。父親は、軍医として陸軍軍医総監まで昇りつめた超エリート。でも、画家になりたいという息子を応援し、東京美術学校(現・東京藝術大学)への入学から卒業後のパリ行きの資金まで面倒を見てくれました。とっても理解のある優しいパパです。展覧会の第一章では、そんな父親の肖像を描いた作品も見ることができます。ちなみに、1913年、26歳のときに藤田は女学校の教師をしていた日本人女性と一度目の結婚をしています。新居を構え、妻を残してパリに旅立ったのですが、3年後離婚することとなりました。パリで大ブレイク!パリに渡った藤田は、ピカソやモディリアーニなどの仲間と交友しながら腕を磨いていきます。しかし、1914年に第一次世界大戦が勃発。父親からの送金も途切れて厳しい生活を強いられましたが、終戦後、「狂乱の時代」といわれた1920年代に大ブレイクを果たします。特に注目されたのは、細い線で描写された裸婦像。彼が描く女性の白い肌は「すばらしき乳白色」と絶賛され、肖像画の注文なども舞い込むようになります。作品だけでなく、その風貌も人気でした。セルフプロデュースに長けていた藤田は、“おかっぱ頭・メガネ・ちょびひげ”という独特のスタイルでパリを闊歩。パーティに参加しては派手な行動を繰り返していました。そんな姿が注目され、パリの通りに藤田そっくりの人形が飾られるほど人気が出たそうです。ちなみに、展示室内のミュージアムショップでは、しりあがり寿さんが特別に描き下ろしたイラスト『フジタ画伯とねこ』をモチーフにしたグッズが売られています!さらに、ラインのスタンプも好評発売中です!二番目~四番目のパートナーたちここで、藤田を囲む女性たちをご紹介します。一番目の妻と別れたあと、まずパリで画家のフェルナンド・バレーと結婚します。この彼女の尽力が、絵が売れるきっかけとなったともいわれています。その後ブレイクした藤田のもとには、モデルの女性をはじめとしたさまざまな人たちが出入りし、さらには妻フェルナンドの不倫もあったようで、結局ふたりは離婚。続いてリュシー・バドゥーと結婚します。肌が白いため藤田から「雪(ユキ)」と呼ばれていたリュシーは、絵のモデルとして彼の作品にもたびたび登場。今展の出品作にも描かれているので、ぜひ会場で探してみてください。しかし1929年の世界恐慌による景気の悪化でパリ美術界の空気が変わってきたことに加え、ユキとの生活にも不和が生じ、藤田は新たな恋人のマドレーヌ・ルクーを連れて中南米に旅立ちます。このマドレーヌがモデルになった作品も今回の会場で見ることができます。日本を去ったわけは…?マドレーヌと死別した藤田は、1938年に最後の妻となる君代と結婚。そして第二次世界大戦がはじまると日本に戻り、陸海軍の依頼で「作戦記録画」を制作します。今展では、代表作《アッツ島玉砕》を含む2点を展示。それまでの画風とはまるで違う迫力ある油彩画をぜひご覧になってみてください。しかし、これらの戦争画が原因となり、戦後、藤田は戦争責任を問われることになってしまいます。結局、彼は妻とともに日本を離れてフランスに行き、同地で国籍を取得。その後、日本に戻ることはありませんでした。晩年にはカトリックの洗礼を受けて「レオナール・フジタ」となり、宗教画を制作。さらに79歳でランスに『フジタ礼拝堂』(通称)をつくり、内部のフレスコ画装飾を仕上げました。81歳で亡くなった画家は、妻とともに今もその礼拝堂で眠っています。猫だけじゃない!フジタ作品の中の猫をモチーフにしたタオル藤田といえば猫と裸婦像のイメージで、南米時代の作品や戦後の活動などが取り上げられる機会は少なかったように思います。没後50年の節目で開催された今回の展覧会では、藤田の画業を総覧できるほか、晩年に制作した自宅用の食器や妻に贈った木箱など手づくりの品々も紹介され、彼の人生とその日常までも伝わってくる味わい深い内容になっています。画家の人生を知ることで、また作品についても新たな魅力を発見できるかもしれません。この展覧会では、ぜひ藤田画伯のドラマチックな人生も一緒に味わってみてくださいね。Information会期:~10月8日(月・祝)時間:9:30~17:30*金曜日は20時まで開室。(入室は閉室の30分前まで)休室:月曜日。25日(火)。ただし9月24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室。料金:一般¥1,600/大学生・専門学校生¥1,300/65歳以上¥1,000/高校生¥800/中学生以下無料※巡回情報:京都国立近代美術館2018年10月19日(金)~12月16日(日)
2018年09月21日現代美術アーティスト・加賀美健の回顧展「加賀美健 レトロスペクティブ(Ken Kagami Retrospective)」が、8月31日から9月17日まで、池袋パルコ本館7階のパルコミュージアムにて開催。Images courtesy of artist and MISAKO & ROSEN Photo by KEI OKANO加賀美健は、社会現象や、時事ネタを始め、美術史で起こる様々な問題、カルチャーなどすべてのジャンルをジョーク的発想に変換し、彫刻、絵画、ドローイング、映像、パフォーマンス等の美術作品を発表し続ける現代美術アーティスト。多くの彫刻には、アメリカのスリフトストアや東京の街角によくあるリサイクルショップで見つけたアイテムが使われている。使われなくなったものを取り扱うスリフトストアやリサイクルショップは、消費社会のせつなさの象徴でありながら、加賀美健の作品を通してみると楽観的でポジティブなアイデアへと変容していく。幼年期に誰しもが無意識的に経験する皮肉ないたずらを、大人になった今も作品を通して続けている。Images courtesy of artist and MISAKO & ROSEN Photo by KEI OKANO同展では、2000年代はじめに加賀美健を印象づけるきっかけとなったファウンドオブジェクトによる彫刻作品や、それとは逆の発想から得た伝統的なモチーフの彫刻作品に加え、近年精力的に取り組んでいるキャンバスにテキストを描いたシリーズなど、これまでのシリーズ作品を一挙に展示する。9月15日の14時からは、「Ken Kagamiのオールナイトすっぽんぽん!下ネタ厳禁バージョン!」と題した、加賀美健が自らラジオパーソナリティーを務めるラジオ風番組の公開録音イベントを開催。この他、展覧会記念グッズの販売も行う。最新情報は、公式サイト(www.parco-art.com)にて随時公開。【展覧会情報】加賀美健 レトロスペクティブ(Ken Kagami Retrospective)会期:8月31日~9月17日会場:池袋PARCO本館7F PARCO MUSEUM住所:東京都豊島区南池袋1-28-2時間:10:00~21:00(入場は閉場の30分前まで)※最終日は18:00まで料金:一般500円 学生400円 小学生以下無料
2018年08月17日巡回展「アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然」が、2018年9月15日(土)から11月25日(日)まで神奈川県立近代美術館 葉山での開催を皮切りに、名古屋市美術館、東京ステーションギャラリー、青森県立美術館へと巡回する。巡回展「アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然」は、2014年9月にドイツのヴァイルアムラインにあるヴィトラデザインミュージアムでスタートし、スペイン・バルセロナ、マドリード、デンマーク・オールボー、フィンランド・ヘルシンキ、フランス・パリと開催されてきた国際巡回展だ。アルヴァ・アアルトの生誕120周年にあたる2018年、約20年ぶりに日本で本格的なアアルトの回顧展が実施される。建築家でありデザイナーとしても活躍したアルヴァ・アアルトは、建築や製品が、限られた人に向けたラグジュアリーなものではなく、デザインの力によってすべての人の暮らしが豊かになることを願ったアーティストだ。会場では、彼の想いが詰まったオリジナルの図面や家具、照明器具、ガラス器、建築模型などを紹介する。「北欧の賢人」とも称された20世紀を代表するアーティストの生涯と作品に触れることができる。日本巡回展の起点となる、神奈川県立近代美術館 葉山では、アアルトの軌跡を辿る展示とともに、実際にアアルトのデザインを体験できる特設コーナー「アアルトルーム(Aalto Room)」を設置。ここでは、アルヴァ・アアルトの代表的なスツールやテーブル、アームチェアが並んでいるので、来場者は実際に座ってその座り心地を体感することができる。また、大人から子どもまで楽しめるワークショップや記念撮影、instagramを使った企画も予定している。【詳細】巡回展「アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然」・2018年9月15日(土)~11月25日(日)会場:神奈川県立近代美術館 葉山住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1■アアルトルーム(Aalto Room」with Artek & Iittala)※第2・3展示室の展覧会「アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然」の当日観覧券が必要。料金:一般 1,200円/20歳未満・学生 1,050円/65歳以上 600円/高校生 100円開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで・2018年12月8日(土)~2019年2月3日(日)会場:名古屋市美術館住所:愛知県名古屋市中区栄2丁目17-25・2019年2月16日(土)~4月14日(日)会場:東京ステーションギャラリー住所:東京都千代田区丸の内1丁目9-1・2019年4月27日(土)~6月23日(日)会場:青森県立美術館住所:青森県青森市安田近野185
2018年08月11日建築家でありデザイナー、アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)の生誕120周年を記念した回顧展「アルヴァ・アアルト -もうひとつの自然」が、神奈川県立近代美術館 葉山にて9月15日から11月25日まで開催。これを皮切りに、2019年にかけて4会場を巡回する。©Vitra Design Museum ©UrsulaSprecherヴィトラデザインミュージアムとアルヴァ・アアルト美術館が企画した同展は、2014年9月にドイツのヴァイルアムラインにあるヴィトラデザインミュージアムで始まり、スペインのバルセロナ、マドリード、デンマークのオールボー、フィンランドのヘルシンキ、フランスのパリで開催されてきた国際巡回展。日本では約20年ぶりとなる本格的なアアルトの回顧展にあたり、オリジナルの図面や家具、照明器具、ガラス器、建築模型などで、「北欧の賢人」とも称された20世紀を代表する建築家であり、アルテックの設立者の一人であるアルヴァ・アアルトの生涯と作品を辿る。会場には、アアルトの創造の軌跡を辿る展示とともに、アアルトのデザインを実際に体験できる特設コーナー「アアルトルーム/Aalto Room」が開設される。このコーナーでは、メインパートナーであるアルテックと日本巡回展のメインスポンサーであるイッタラの協力のもと、アルヴァ・アアルトの代表的なスツールやテーブル、アームチェアが並び、その座り心地を実際に試すことができる。さらにインテリアスタイリストの黒田美津子が、会場構成とスタイリングを担当。海の見える窓辺から差し込む自然光のもとに、アアルトベースやトレーを合わせたるスタイリングからは、現代の暮らしにアアルトのデザインを取り入れるヒントを見つけ、日々の暮らしを豊かに美しくという彼の想いを体感することができる。期間中は「アアルトルーム/Aalto Room」にて、アルテックのテーブルで作業するアルヴァ・アアルトのパネルの隣に座り、記念撮影できる「アルヴァ・アアルトと記念撮影/instagramフォトコンテスト」を開催。好みの家具やコーディネイトなどの写真を撮って「#alvaraaltosecondnature」のハッシュタグとともにinstagramに投稿すると、会期終了後、抽選でプレゼントが当たる。さらに「アアルトルーム/Aalto Room」内のワークショップスペースでは、「自分だけのアアルトルームをつくろう」を実施。ポストカードに「スツール 60」や「41 アームチェア パイミオ」、アアルトベースなどのシールを貼ってスタイリング。ポストカードは持ち帰ることができ、子どもから大人まで自由に参加できる。会期中の11月3日を除き、毎日9時半より行われ、当日分の配布がなくなり次第終了となる。「アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然 -」は、神奈川県立美術館 葉山で開催後、12月8日から2019年2月3日まで名古屋市美術館、2019年2月16日から4月14日まで東京ステーションギャラリー、2019年4月27日から6月23日まで青森県立美術館に巡回予定。決して限られた人のためのラグジュアリーではなく、すべての人の暮らしがデザインの力によって便利で豊かになることを目指したアアルトの想いを体感してみては。【展覧会情報】アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然会期:9月15日〜11月25日会場:神奈川県立近代美術館 葉山 第2・3展示室時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)料金:一般1,200円 20歳未満・学生1,050円 65歳以上600円 高校生100円
2018年08月10日藤田嗣治(レオナール・フジタ 1886-1968)の大回顧展「没後50年藤田嗣治展」が7月31日(火)から東京都美術館、10月19日(金)から京都国立近代美術館にて開催される。その音声ガイドを務める俳優で声優の津田健次郎に、収録現場にて話を聞いた。【チケット情報はこちら】初の音声ガイドを務めた津田は、収録を終えて「ひたすら楽しい現場でした。豊かな時間になるようにがんばりました」と感想を語る。台詞はほぼ藤田の言葉。「これほど言葉が残っている人もなかなかいない、珍しい画家さんですよね。言葉自体が面白いですし、そこが普通の美術展と違うと思いました。この絵を描いた人がこういう言葉を残すんだって、すごく興味深かったです」。エコール・ド・パリの寵児のひとりである藤田嗣治。今回は編年的な構成で展示されるそうだが、その中でも津田の印象に残ったのは若い時代だという。「セルフプロデュースがすごくて。東洋人のアイデンティティとして、(藤田の代名詞でもある)乳白色の下地を使うとか、敢えて墨を使うとか…。当時のパリのスター画家たちと対抗していくために、どういうアプローチでいけば食い込めるのかと取り組む、名を馳せようと尖った部分は印象に残りましたね」、その時代を経ての静かな晩年も「あれだけ尖っていた人が、これほど静かに人生を終えようとしていること。アーティストとしても個人としても、その人生の閉じ方は読んでいて非常に感動的でした」と語る。普段から美術館にはよく行くという津田。「絵に対しての嫉妬がすごいんですよ。僕のやっている表現というのは、演劇で言えば2時間とか、アニメーションで言えば30分とか、ある種の“積み重ね”の中で初めて到達できる感動がほとんどですよね。でも絵は“一瞬”なんです。なんだかズルいなあって(笑)。しかもその一瞬が、一生忘れられないものになっていく。そういう嫉妬+リスペクトがすごくありますね」。中でも今回のような大規模展覧会は「“もしかしたら一生で1回かな”という思いで見ます」と話し、本展についても「これを逃すともう見られないかもしれませんよ!」とイチオシする。「藤田という画家をご存知の方にもご存知でない方にも、非常に興味深い絵を描かれる方ですし、非常に興味深い人物ですし、非常に興味深い人生を送られている方だと思います。僕の音声ガイド共々、ぜひ美術館に味わいに来ていただきたいです!」質、量ともに史上最大級の「没後50年藤田嗣治展」は、7月31日(火)から10月8日(月・祝)まで東京・東京都美術館にて、10月19日(金)から12月16日(日)まで京都・京都国立近代美術館にて開催。取材・文:中川實穂
2018年08月01日明治時代の日本生まれにしてフランス・パリを拠点に活躍した画家、藤田嗣治。その画業の全貌を解き明かす大回顧展『没後50年藤田嗣治展』が7月31日(火)より東京都美術館にて開幕する。1886年に東京で生まれた藤田嗣治は、東京美術学校(現・東京藝術大学)で学んだ後、26歳でパリに留学。エコール・ド・パリの寵児として活躍し、第二次世界大戦中は戦線取材と作戦記録画の制作にも邁進した。戦後、ニューヨークを経て再びパリに戻った藤田はカトリックの洗礼を受け、晩年にはフランス国籍を取得。1968年に同地で81歳で亡くなった。『没後50年藤田嗣治展』は、長らく画業を通覧する展覧会の機会が少なかった画家の、これまでにないスケールとなる大回顧展。パリのポンピドゥー・センター、パリ市立近代美術館、ベルギー王立美術館、ジュネーヴのプティ・パレ美術館、アメリカのシカゴ美術館など、欧米の主要な美術館から初来日作品も含め約20点の代表作を含む、精選された作品100点以上を一堂に展示。藤田の代名詞ともいえる「乳白色の下地」による裸婦は、数年前に修復を終えた大原美術館の《舞踏会の前》や、東京国立近代美術館の《五人の裸婦》ほか、最盛期1920年代の作品が集う。展示は8つのテーマに分かれ、年代ごとに藤田の画業の変遷を辿っていくことになる。東京美術学校時代の自画像から、華やかな20年代のパリの人々の肖像、乳白色の下地に黒く細い輪郭線で描く裸婦、中南米やアジア各国の旅の絵画、第二次世界大戦中の作戦記録画、そしてカトリックの洗礼を受けた後のキリスト教絵画へ。その画業を俯瞰することで、激動する時代の空気感、各地の人々や文化を独自のスタイルで捉えた藤田絵画の魅力をあらためて堪能することができる。代表作から初来日となる作品、そして、これまで紹介されることの少なかった作品がまとまった形で展示される同展。このまたとない機会に藤田芸術の全てを感じ取ってほしい。【開催情報】『没後50年藤田嗣治展』7月31日(火)〜10月8日(月・祝)東京都美術館にて開催【関連リンク】『没後50年藤田嗣治展』()
2018年07月31日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『Silver Lake Drive』Alex Prager2014年の『Face in the Crowd』が大変話題となり、パリで毎秋開催される国際的写真フェア「パリ・フォト 2013(Paris Photo)」(2013年11月14日〜17日)のメインイメージにも起用されたアレックス・プレガー(Alex Prager)のこれまでのシリーズを見渡す初めての回顧写真集。現代で最もオリジナリティーに溢れたイメージメーカーとして知られ、写真と映画の間で流動的に制作を続ける彼女は、ハリウッドや実験的な映画、ポピュラー文化、ストリートフォトなど、幅広い分野からの影響を取り込み、精巧なシーンを作成、撮影している。忘れがたく思い出深いワンシーンは魅力的で独特な美学に溢れ、彼女によって綿密に練られたコンポジションは、お馴染みでありながら奇妙だ。大衆的な評価とアートとしての評価の両方を獲得している本書は、この人気アーティストの最初のレトロスペクティブである。これまでの彼女のキャリアからの120枚の以上の作品を網羅し、これまでのクリエイティブな軌道をまとめた一冊は、読者にとって導入としても楽しめる。2018年6月から10月までロンドンのフォトグラファーズ・ギャラリー(The Photographer’s Gallery)にて、2018年11月から2019年1月までスイスのル・ロックル美術館にて展覧会を開催。【書籍情報】『Silver Lake Drive』作品:Alex Prager出版社:Thames & Hudson言語:英語ハードカバー/224ページ/310×250mm発刊:2018年価格:7,650円(為替により変動)■Shelfオフィシャルサイトで『Silver Lake Drive』を購入する【イベント情報】Alex Prager: Silver Lake Drive会場:The Photographer’s Gallery住所:16-18 Ramillies Street London W1F 7LW会期:6月15日~10月14日時間:10:00〜18:00(※木曜日は10:00〜20:00、日曜日は11:00〜18:00)会場:Musée des beaux-arts Le Locle住所:Marie-Anne-Calame 6 2400 Le Locle会期:11月3日~2019年1月27日時間:11:00〜17:00(水〜日曜日)
2018年07月28日今週末、7月14日から16日の3連休に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!今週末開催のイベントや、アート界の巨匠の作品を楽しめる展覧会、ブランドの歴史を辿る展示など...今週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け!!今週末開催のイベント◆横浜赤レンガで朝活フェス、世界の朝食レストラン出店や野菜のマルシェも(〜7/16)◆第2回紙博 in 京都の開催が決定! 作り手の情熱あふれる紙雑貨や文房具が集結(7/14、15)巨匠の作品に触れる◆イサム・ノグチ国内では12年振りの回顧展が東京オペラシティで開催、国内外の約80点を展示(7/14〜9/24)イサム・ノグチ《北京ドローイング(横たわる男)》 1930年 インク、紙 イサム・ノグチ庭園美術館(ニューヨーク)蔵©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] - JASPAR. Photo by Kevin Noble.◆モネの絵画の魅力を様々な切り口で紹介「モネ それからの100年」開催! 日本初公開作品も(7/14〜9/24)クロード・モネ 「睡蓮」1906年吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)ブランドの歴史を辿る◆ルイ・ヴィトンの軌跡をたどる「TIME CAPSULE」展が大阪で開催(7/14〜8/1)◆ロンドンで開催されたアナ スイの「THE WORLD OF ANNA SUI」展が六本木に上陸(7/14〜8/26)猫好き必見◆没後50年となる藤田嗣治の挿絵を紹介する展覧会がクレマチスの丘で開催、猫作品のテーマ展示も(前期: ~8/21、後期: 8/23~10/30)藤田嗣治 1928年頃 撮影:アンドレ・ケルテスullstein bild / Uniphoto Press◆横浜赤レンガ倉庫にねこ写真500点が集結! 「横浜赤レンガ倉庫 ねこ写真展2018」が開催決定(〜7/17)©阪靖之
2018年07月13日