小沢健二が、アルバム『LIFE』の発売30周年を記念して、8月31日に東京・日本武道館でアニバーサリーライブを開催する。『LIFE』は、1994年8月31日にリリースされた小沢健二の2ndアルバム。「愛し愛されて生きるのさ」「ラブリー」「今夜はブギー・バック」「ぼくらが旅に出る理由」などのヒットシングルを含む全9トラックが収録され、発売から30年を経た今も多くの音楽ファンに愛され続けている。本ライブでは、『LIFE』の収録曲全曲を演奏するだけでなく、アルバムのサウンドを徹底的に再現すべくレコーディングに参加した主要ミュージシャンのほぼ全員を招集。東京スカパラダイスオーケストラのメンバー、スチャダラパー、ヒックスヴィル、服部隆之指揮によるオーケストラなど、『LIFE』の音を作り上げた面々が日本武道館のステージに集結する。また、演奏には可能な限り当時の機材・手法が使用される予定となっており、再現度の高いライブパフォーマンスとなりそうだ。なお、当日のステージでは『LIFE』収録曲をライブ後半にまとめて演奏し、ライブ前半は『LIFE』以外の曲を披露する予定だ。■小沢健二 コメントアルバム『LIFE』の発売日は1994年8月31日。そのピッタリ30年後の8月31日の土曜日に日本武道館で、スカパラのメンバーやスチャダラやヒックスヴィルや服部隆之指揮のオーケストラ……、つまり一緒に録音した大勢のみんなと、『LIFE』全曲の音を再現します。キーボードが3台入っている曲は、3人のキーボーディストで再現。「あの音だ!」となるはず。昔一緒に聴いてたご友人や、最近音楽に興味のあるお子さんたちと聴きにきてください。帰り道、「お父さん、なんで泣いてるの?」となるやつです。笑ライブ前半は『LIFE』以外の曲をやります。聴きたい曲があれば、インスタやXwitterに #LIFE小沢健二 でどうぞ。できたら、私的なエピソードも添えて。長い時間、本当にありがとう。最後は一緒に「愛し愛されて生きるのさ」をみんなで歌って、今の生活に帰ろう。家族や友人たちと。<ライブ情報>小沢健二『LIFE再現ライブ』8月31日(土) 東京・日本武道館開場 16:30 / 開演 17:30■演奏ミュージシャンNARGO, 北原雅彦,GAMO & 沖祐市(東京スカパラダイスオーケストラ)、スチャダラパー(ANI、Bose、SHINCO)、ヒックスヴィル(真城めぐみ、木暮晋也、中森泰弘)、服部隆之オーケストラ(服部隆之指揮、コンサートマスター・室屋光一郎)、朝川朋之、他『LIFE』録音及び小沢ライブ演奏メンバー小沢健二 オフィシャルサイト:
2024年04月26日アマチュア部門54名、プロ部門13組15名が出場した「第一回小西健二音楽堂ピアノコンクール」の各賞が決定しました!北海道東川町と小西健二音楽堂ピアノコンクール実行委員会共催でが3月23日(土)・24日(日)に実施した「第一回小西健二音楽堂ピアノコンクール」において、各賞が決定いたしました。このコンクールは、地域おこし協力隊として東川町で小西健二音楽堂を拠点に活動しているドートレトミシーのお二人が、東川という町らしく小西健二音楽堂らしいピアノコンクールを作りたいという思いから生まれたコンクールです。全国にピアノコンクールは山ほどありますが、年齢制限をなくし課題曲を設けず好きな曲を弾くという新しく、自由で温かいコンクールとなりました。23日のアマチュア部門は応募者59名(当日参加者54名)。東川・旭川・東神楽・美瑛・当麻・鷹栖だけでなく札幌や紋別、羅臼など遠方からも参加がありました。年齢は5歳から66歳まで。課題曲も年齢制限も無く5分以内で自分の好きな曲を自由に演奏するというスタイルで行い、実に多様な曲が演奏されました。アマチュア部門総合最優秀賞を受賞したのは、山本敬太さん(10歳・旭川)。総合優秀賞は、佐藤拓音さん(13歳・旭川)、伊藤遼さん(9歳・旭川)のお二人が受賞されました。アマチュア部門コンクール演奏中の様子アマチュア部門最優秀賞山本さん(中央)と審査員23日(土)18時からは、審査員7名それぞれのソロ演奏とドートレトミシーボーカル長尾匡祐と三重奏のコラボなどによるスペシャルコンサートを開催。会場は超満員で贅沢なコンサートに会場からは感嘆の声が上がりました。審査員・実行委員(ピアニスト)田中英純さん審査委員長(ピアニスト・東京音楽大学専任講師)吉田友昭さんピアノ、ヴァイオリン、チェロ三重奏とドートレトミシーボーカル長尾匡祐とのコラボ24日(日)プロフェッショナル部門では東川・旭川・紋別や横浜、東京や名古屋からも集まり、午前の室内楽部門、午後のピアノソロ部門併せて13組15名の参加者が15分の持ち時間で思い思いの曲を演奏しました。プロフェッショナル部門の最優秀賞を受賞したのは、安達莉子さん(23歳・札幌・愛知県立芸術大学大学院1年)。優秀賞はピアノ連弾の中者あゆみさん、渋谷藍香さん(32歳・旭川)、永瀧陽菜さん(19歳・岩見沢・北海道教育大学岩見沢校)、小西杏花里さん(19歳・旭川・東京藝術大学)、吉崎美桜さん(21歳・東京・桐朋学園大学)となりました。各最優秀賞受賞者にはトロフィーの他に東川米10キロ、優秀賞受賞者にはトロフィーと東川の特産品が手渡されました。プロフェッショナル部門の最優秀賞、優秀賞受賞者は小西健二音楽堂でのリサイタル出演権(日程は未定)も賞として授与。この小さな音楽堂から、受賞者や参加者の輪を通じた交流や活躍が期待されます。プロフェッショナル部門の表彰式終了後には、参加者と審査員で茶話会が行われ、自分の演奏についてそれぞれの審査員が手書きした審査票を見ながら交流を深めました。優秀賞ピアノ連弾手前から中者あゆみさん、渋谷藍香さん最優秀賞安達莉子さんプロフェッショナル部門受賞者と審査員との記念写真。小西健二音楽堂にて。アマチュア部門受賞者一覧最優秀賞山本敬太10歳旭川バッハ/フランス組曲メヌエット、ブルグミュラー/せきれい優 秀 賞 佐藤拓音13歳旭川中田喜直/元気なおどりとしずかなおどり、演奏会用練習曲伊藤遼9歳旭川ヘンデル/プレリュード、ブルグミュラー/タランテラ10歳未満部門優秀賞鈴木凛音8歳旭川森山智宏/こもれ日の散歩道。平山毅州/プリンとプルンのふざけっこTelemann/Scherzino本間晴香8歳旭川グレンダ・オースティン/華やかなワルツ加藤森湖9歳旭川湯山昭/お菓子の世界バースデー・ケーキ、バームクーヘン10代部門優秀賞池田依愛13歳旭川ショパン/ワルツ第9番「告別」変イ長調Op.69-1井上詠舞13歳旭川アルベニス/スペイン作品1665よりマラゲーニャ北川七楓12歳剣淵モーツアルト/きらきら星変奏曲(抜粋)20歳以上部門優秀賞古山文美46歳札幌ショパン/エチュードOp.10-3「別れの曲」中村敦子59歳当麻モーツアルト/ピアノ・ソナタ第11番(トルコ行進曲付き)K.331K6.300i第1楽章高見綾香45歳東川バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻第13番嬰ヘ長調BWV858プロフェッショナル部門受賞者一覧最優秀賞安達莉子23歳札幌リスト/詩的で宗教的な調べより「葬送」ドビュッシー/12のエチュードより半音階のために優 秀 賞 中者あゆみ・渋谷藍香32歳旭川春畑セロリ/アストロ・ノーツ~宇宙(そら)からの手紙~永瀧陽菜19歳岩見沢北海道教育大学岩見沢校スクリャービン/幻想曲ロ短調Op.28小西杏花里19歳旭川東京藝術大学ショパン/ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58より第1楽章、第4楽章吉崎美桜21歳東京桐朋学園大学バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻第2番ハ短調Bmv871ショパン/練習曲嬰ハ短調作品10-4ラヴェル/「鏡」より第4曲「道化師の朝の歌」プロフェッショナル部門最優秀賞安達莉子さんのコメントあたたかい雰囲気で素敵なホール・ピアノと共に演奏出来、とてもしあわせな1日でした。リサイタルをさせて頂けることを心より楽しみにしております。審査委員長吉田友昭氏のコメント・プロフェッショナル部門では結果発表と表彰式を行なった後すぐ、茶話会という形で参加者と審査員が1人1人演奏について話し合う。講評用紙を手渡しする。・参加者全員が、小西健二音楽堂において時間カットを行わずに演奏曲全てをお客様の前で演奏するサロンコンサート形式のコンクール審査。・コンクール期間中に審査員全員が全身全霊で演奏会を行う。日本全国、数えきれない多くのコンクールがありますが上記3点を行なっているのは東川町の小西健二音楽堂コンクールのみです。第1回審査委員長として誇りに感じております。次回はアマチュア部門も審査員1人1人とお話しできる時間を設けたいですね。ご支援をよろしくお願い申し上げます。実行委員長長尾佳子氏のコメント初めてのコンクールが無事に終了致しました。全国にピアノコンクールは山ほどあると思いますが、そんな中で東川という町らしく小西健二音楽堂らしいピアノコンクールを作りたいと考え、年齢制限をなくし課題曲を設けず好きな曲を弾くという形にしました。それぞれが自分らしい音を伸び伸びと演奏出来、学びになり、出逢いの場となるようなコンクールにとの願いを込め、賞の在り方についてもぎりぎりまで協議を重ねておりました。また、クラシックを身近に感じてもらいたいと一般の方が無料で観覧出来るようにも致しました。コンクールという形で点数を付けましたが、音楽はそれぞれの命の音を奏でるものであり、自分の音を曲の理解や日頃の練習・学びを通じて奏でられているかという事なのだと思います。今回審査員の皆さまは技術やマナーに加えまさにその点をしっかりと審査して頂き、宝のようなコメントをおひとりおひとりの審査票に記入し、プロフェッショナル部門ではご本人へ手渡して下さいました。審査員の皆さまは現役の演奏家であり学び続け進化し続けている皆さま。出演された皆様の気持ちがわかり、的確なアドバイスも出来るのではないかと考えましたが、本当にそのようになったなと感激しています。また出演された方が聞きたいことがたくさんあるのではないかと茶話会を企画しましたが、大変喜んで頂きました。今後参加して頂いた皆様全員が交流できるような場づくりも考えていきたいと思っています。ご協力頂いたすべての方へ感謝申し上げます。有難うございました。美しい大地に、美しく生きる。写真文化首都 「写真の町」 北海道上川郡東川町のオフィシャルサイトです。 : 小西健二音楽堂 : competition | レパートリーマッチング : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年04月12日小沢健二とスチャダラパーのコラボシングル『ぶぎ・ばく・べいびー』が、4月24日(水) にリリースされることが決定した。この2組によるコラボ曲は、1994年に発表された「今夜はブギー・バック」以来30年ぶり。「ぶぎ・ばく・べいびー」は小沢の紡ぐ美しいメロディとスチャダラパーによるキャッチーなラップが交互に重なる「ブギー・バック」スタイルのコラボ曲で、70年代ディスコソングの曲名が歌詞に登場する「ブギー・バック」の手法に倣い、「ぶぎ・ばく・べいびー」では90年代を連想させる印象的なフレーズが散りばめられている。CDには「ぶぎ・ばく・べいびー」とそのインストバージョンに加え、小沢とスチャダラパーのトークを収めた30分のおまけトラックを収録。おまけトークでは新曲の制作秘話にしばしばの脱線を挟みつつ、ラジオ番組さながらの和気あいあいとしたトークが展開されている。また、小沢が5月に行うツアー『モノクロマティック』の名古屋公演と大阪公演にスチャダラパーがゲスト参加することが発表された。いずれのステージも2組の共演による「今夜はブギー・バック」と「ぶぎ・ばく・べいびー」の披露が期待できそうだ。なお東京ではツアーに先駆け、4月26日(金) に東京・NHKホールで小沢とスチャダラパーが出演する『今夜はブギー・バック発売30周年記念ライブ「ぶぎ・ばく・べいびー」』が開催される。<リリース情報>小沢健二とスチャダラパー『ぶぎ・ばく・べいびー』4月24日(水) リリース価格:1,000円(税込)小沢健二とスチャダラパー『ぶぎ・ばく・べいびー』メイン画像【CD収録内容】M1. ぶぎ・ばく・べいびーM2. ぶぎ・ばく・べいびー(instrumental)M3. おまけのおしゃべり30分Pre-add / Pre-saveリンク:予約リンク:<ライブ情報>HOT STUFF PROMOTION 45th ANNIVERSARY 今夜はブギー・バック発売30周年記念ライブ『ぶぎ・ばく・べいびー』4月26日(金) 東京・NHKホール開場18:00 / 開演19:00出演:小沢健二 ft. スチャダラパー VS. スチャダラパー ft. 小沢健二<ツアー情報>小沢健二 ‘24ツアー Monochromatique モノクロマティック5月1日(水) 愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール開場17:30 / 開演18:30ゲスト:スチャダラパー5月4日(土・祝)・5日(日・祝) 大阪・グランキューブ大阪開場16:30 / 開演17:30ゲスト:スチャダラパー5月8日(水)・9日(木) 東京・NHKホール開場17:30 / 開演18:30チケット情報:()「ぶぎ・ばく・べいびー」特設サイト:
2024年04月01日“オザケンっぽい”ことを言う息子3年間続いてきた番組の最終回となるこの日、パーソナリティーの麒麟・川島明さんがゲストに迎えたのは、大ファンだという小沢健二さん。「目の前に小沢健二さんがいるというのが信じられない。3年間やってきてよかった」と感激しきりの川島さんですが、実は小沢さんと会うのは二度目だといいます。小沢さんは2009年に結婚し、2013年6月に長男・凛音(りおん)くん、2016年10月に次男・天縫(あまぬ)くんが誕生。10歳の凛音くんは川島さんの著書『ぼくをつくった50のゲームたち』(文藝春秋)を愛読しており、川島さんは縁あって小沢さんのライブに行った際にお子さんとも対面したそう。凛音くんはその本が大好きで、小沢さんいわく「子どもにとってはレトロゲームって、資料で残ってるもの。でも、あの本では本当に生き生きと、レトロゲーム全盛の頃が子どもの視点で書かれていて。やっぱり子どもとしてすごく共感できる」のだといい、大好きな川島さんが楽屋に来るとなってかなり緊張していたのだそうです。そんな息子さんたちを仕事場に連れて行くことが多いという小沢さん。番組ではその理由を次のように説明しました。「単純に、あんまりベビーシッターさんみたいに生活を切るのは良くないなと思って。多少効率が下がってもちゃんと自分で見てる方がいいなと思って連れてったりしている」すると、子どもというのはよく見ているもので、仕事中のお父さんの真似をしてみせるように。「子どものほうが“オザケンっぽい”ことを言う。勝手に『そこアナログっぽい感じで』『あ、そこー、色、白でいいよ。アナログっぽい感じで白っぽい感じにしとけばいいんじゃない?』とか僕が言いそうなことをイメージして言うんですけど、それが面白かったりします(笑)」ちなみに、川島さんから過去の楽曲を聴き直すことはあるのかと問われた小沢さんは、ライブのタイミングで聴き直すことはもちろんありますが、息子が面白がって聴いているのだと告白。というのも、息子の同級生で9~10歳の子が、1994年リリースのアルバム『LIFE』の楽曲を全部歌えるのだそうです。お弁当を作ったからできたライブ2019年にリリースしたアルバム『So kakkoii 宇宙』で、お子さんの顔写真をジャケットにしたことについて、小沢さんは「いろんな考え方があると思うんですけど」と切り出し、日常生活と作品作りの継続性について語りました。お子さんたちは給食のない学校に通っていますが、昨年行ったコンサート『So kakkoii 宇宙 Shows』の準備が大変だった時期も、小沢さんは「朝ちゃんと子どものお弁当を作ることだけは継続しようと思って」実際にお弁当作りをしていたそう。そうした家事育児にかかる時間を「確かにそこで時間は無駄になるんだけど、それが本当に無駄になってるかはわからないですね」と評価し、「そういう日常の雑事をやることって作るもの(作品)に影響するじゃないですか」といいます。「雑事を切っちゃって作るものと雑事を切らないで作るものっていうのは、やっぱり作るもの自体に差が出てくるとういか。お弁当を作ったからできたライブかなというか」もちろん、雑事をすべて切り捨てて仕事に集中したいという人もいるだろうとしつつ、自身の場合は家族のことも含む様々な雑事ありきで時間制限がありながらも、「その雑事の中で生まれる感触みたいなのが音楽に入ってたほうがいいかなと」という考えを明かし、次のように語っていました。「日常に根差しておいてそれをどうにか昇華したいというか、日常を切り離して自分の時間をマキシマムにして作ろうとは思わなくて。特別な環境を作っちゃうと僕の場合は作るものが刺さらなくなっちゃうような気がして、継続性というかつながっていたほうがいい」
2023年10月03日川合健二が手掛けた日本最古のコルゲートハウスを改修した「コルゲートハウス(CORRUGATED HOUSE)」が愛知県・豊橋市にて2023年9月7日(木)にオープンする。モダニズム建築「コルゲートハウス」を改修したホテルが愛知に「コルゲートハウス」とは、トンネルや地下鉄などで使用されるコルゲートパイプを利用して設計した建築のこと。建築家である川合健二が、1965年に個人住宅としてセルフビルドした日本初のコルゲートハウスは「日常から切り離された生活を味わえる究極の空間」として、モダニズム建築を認定、保存する国際組織ドコモモ(DOCOMOMO)に選出されたことでも話題を集めた。“地球とのつながり”を感じる体験ができる宿泊施設ホテル「コルゲートハウス」は、そんな歴史あるコルゲートハウスとその周辺敷地を、「インフラから離れ、自然の中で自給自足の生活を送りたい」という川合健二の建築コンセプトを尊重しつつ改修。“地球とのつながりを感じる体験ができる”宿泊施設としてリデザインした一棟貸ホテルだ。施設全体を通じて唯一無二の宿泊体験をホテルはコルゲートハウス建築の内部だけでなく、周辺の景観にもその思想を取り入れており、宿泊者は敷地内で自給自足の生活を体験することが可能。家族や大切な人と共に、自給自足の考え方を実践しながら、地球とのつながりを感じ、社会全体を俯瞰する貴重な時間を過ごすことができる。農業やデジタルデトックスなど豊富な体験オプションもまた、宿泊のオプションとして、豊富な体験プログラムを用意。ルームウェアにも使用されている、有松絞りの染めを再構築した愛知県有松の「Suzusan」のワークショップのほか、果樹やハーブが生い茂る敷地内の「FOOD FOREST」を利用した農業体験イベント、スマートフォンやPCなどのデジタル機器から距離を置く「デジタルデトックス・プログラム」などが企画される。詳細ホテル「コルゲートハウス」オープン日:2023年9月7日(木)住所:愛知県豊橋市 某所※詳細は予約時に確認プラン例:<1棟貸し>※1日1組限定(ツイン1(12㎡)・ダブル1(8㎡)・シングル1(6㎡)最大5名)素泊まりプラン 150,000円・2DAYS FREE PLAN 300,000円・レンタカーパッケージプラン 170,000円/泊(30時間)<ゲストハウス>※2組まで・ルームA 1名6,000円~(和室 1~3/8畳)・ルームB 1名7,000円~(和室 1~2名/6畳+ワークスペース)※建築当時の空間を体感するため、エアコン・暖房設備は最小限。体調のすぐれない人や子供・年配は注意が必要。
2023年08月20日切なくも爽やかな余韻を残す、至極のアイスクリームのような恋物語を映し出した映画『アイスクリームフィーバー』のエンディングテーマに小沢健二の楽曲「春にして君を想う」の起用が決定。楽曲が使用された第2弾予告編も公開された。「春にして君を想う」は、“子供のように甘えたいのだ静かなタンゴのように”というフレーズのリフレインが優しく響く、1998年発表のバラードソング。「春にして君を想う Remaster + Reprise」ジャケット起用理由について監督の千原徹也は「自分の中にある何かが呼び起こされるような音楽のパワーがある曲にしたかったので、昔の自分が好きだった曲にしようと」と明かし、「僕は『恋する惑星』などを観に映画館に足を運んでいた90年代のワクワク感を本作の中に詰め込みたいと考えていて、『春にして君を想う』はそういう意味でもぴったりだと思っていました」とコメントしている。併せて公開された予告編では、アイスクリーム屋で働く菜摘(吉岡里帆)が、作家の佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ惹かれていく様子や、菜摘の変化に複雑な表情を浮かべる後輩・貴子(詩羽)、ぶつかり合う優(松本まりか)と姪の美和(南琴奈)らの姿が映し出される。それぞれに複雑な事情や言葉にならない思いを抱えるそんな彼女たちを、「春にして君を想う」が優しく包み込んでいる。「春にして君を想う Remaster + Reprise」は7月14日(金)リリース。『アイスクリームフィーバー』は7月14日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:アイスクリームフィーバー 2023年7月14日よりTOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイントほか全国にて公開© 2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会
2023年06月20日KAAT 神奈川芸術劇場の2022年度ラインアップ発表会が2月28日、オンラインで開催され、芸術監督の長塚圭史が出席。溝口健二監督の同名映画を長塚がミュージカル化する『夜の女たち』、赤堀雅秋が黒澤明の名作の舞台化に挑む『蜘蛛巣城』、岡田利規がドイツのミュンヘンの劇場での上演のために書き下ろした戯曲を本谷有希子の演出で上演する『掃除機』など、多彩なクリエイターによる企画が発表された。昨年4月より芸術監督に就任した長塚は、「冒」をテーマに様々な作品を上演した昨年を「非常に充実した1年でした」と述懐。来るべき新年度に向けて「忘(ぼう)」を新たなテーマに掲げる。「僕らは日々、忘れていきます。ものすごい情報量の中で生き、大事なものも忘れていきますし、もはや覚えようともしなくなっている時代なのかもしれません。でも忘れちゃいけないことを思い出す動作は必要だと思います。いま僕らがどこに立ってるのか?なぜこうした社会にいるのか? そこにはいろんな時間が眠っています。忘れることで、強く生きられる部分もあります。『忘れる』という言葉は、非常に人間性を映しだす気がしています。『忘』という言葉は、人間そのものを照らし出すかもしれません」とテーマに込めた想いを語る。メインシーズンの開幕を飾るのは、長塚にとって初のミュージカルとなる『夜の女たち』。溝口健二の映画は敗戦後の大阪に生きる女たちの姿を描いているが、長塚は「占領下で、昨日まで信じたものが全てひっくり返った時代の物語」と人々の価値観が大きく転換した時代を描くことへの意欲を口にし「そこには音楽の力が必ずあったと思うので、ミュージカルにしたいと思いました。暗い時代ですが、ミュージカルの力でひらけた夜の女たちを作りたい」と意気込みを語った。また、今年は沖縄が本土に復帰して50年となるが、11月から12月にかけて、沖縄在住の兼島拓也の脚本で、沖縄出身の田中麻衣子が演出を担当しての新作(タイトル未定)が上演されることも明らかになった。このほか、串田和美が1994年から上演し、ライフワークともなっている『スカパン』、山内ケンジの作・演出による『温暖化の秋- hot autumn -』(仮)、2020年秋に上演された森山開次の作・演出・出演によるノンバーバル作品の再演となる『星の王子さま -サン=テグジュペリからの手紙-』の上演も決定。また、KAAT初登場となる赤堀雅秋は、黒澤明の同名映画を原作に、齋藤雅文の作・演出で2001年に新橋演舞場で上演された『蜘蛛巣城』に挑む。赤堀はビデオメッセージで「泥臭い作品にしたい。(映画を)踏襲するのではなく、もうちょっと若い、若さゆえの何かを視点として作品にできたらと思います。初めての時代劇ですが生々しい人間像を描けたら」と意気込みを語った。22年度ラインアップ演出家・作家(上段左より、鬼頭健吾北村明子松井周/中段左より串田和美山内ケンジ田中麻衣子/下段左より森山開次赤堀雅秋本谷有希子本谷有希子の演出による『掃除機』は、岡田利規の作・演出で2019年12月に『The Vacuum Cleaner』のタイトルでドイツのミュンヘンの劇場で上演された作品で、80代の父親、50代のひきこもりの子どもらの姿を、一家の掃除機の視点で描いた異色作。ビデオでメッセージを寄せた本谷は「(岡田の戯曲を)壊していかなきゃ! ということに頭が行ってたけど、岡田さんと偶然お会いして話をして、壊しながら育み、また壊して構築するという作業にどれだけ持っていけるかだなと思いました。いま、自分の劇団(劇団、本谷有希子)を休止している状態で、私は自分のことを演出家だと思ってない節があるんですが、そんな中で他人のアタマの中を舞台化するというのは未知のことで、興味があります。チャレンジになると思いますが頑張りたいです」と語り、長塚も「いわゆる“8050問題”を描いてますが、掃除機のキャラがチャーミングで、見事に社会を捉えている作品。岡田さんの描く強い世界を、同じく世界を持っている本谷さんが演出したらどうなるか楽しみです」と期待を寄せた。プレシーズンでは現代アーティスト・鬼頭健吾の作品とライブパフォーマンスをコラボレートした『鬼頭健吾展Lines』、キッズ・プログラムとして昨年、舞踊家の北村明子(振付・演出)と現代美術家の大小島真木(美術)のタッグで制作し好評を博した『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』、同じくキッズ・プログラムとしてコロナ禍で延期となっていた松井周の作・演出で白石加代子を迎えて制作する『さいごの1つ前』が上演されることも発表。ジャンルの垣根を超えたアーティストたちによる多彩な演目に期待が集まる。取材・文:黒豆直樹KAAT神奈川芸術劇場 2022年4月~2023年3月主なラインアップ<プレシーズン>■KAAT EXHIBITION 2022『鬼頭健吾 展 Lines 』+関連企画2022年5月1日(日)~2022年6月5日(日)・アトリウム■KAAT キッズ・プログラム2022『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』振付・演出:北村明子美術:大小島真木2022年7月下旬 ・大スタジオ■KAAT キッズ・プログラム2022『さいごの1つ前』作・演出:松井周2022年8月中旬・大スタジオ<メインシーズン『忘』>■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『夜の女たち』原作:久板栄二郎映画脚本:依田義賢上演台本・演出:長塚圭史音楽:荻野清子2022年9月上旬下旬・ホール■『スカパン』原作:モリエール潤色・美術・演出:串田和美2022年10月下旬・大スタジオ■KAAT× 城山羊の会『温暖化の秋 hot autumn』(仮)作・演出:山内ケンジ2022年11月・大スタジオ■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『タイトル未定(新作)』作:兼島拓也演出:田中麻衣子2022年11月下旬~12月上旬予定・中スタジオ■KAAT DANCE SERIES『星の王子さま サン=テグジュペリからの手紙』演出・振付・出演:森山開次美術:日比野克彦衣裳:ひびのこづえ音楽:阿部海太郎2023年1月下旬・ホール■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『蜘蛛巣城』原脚本:黒澤明小国英雄橋本忍菊島隆三脚本:齋藤雅文演出:赤堀雅秋2023年2月中旬3月上旬・ホール■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『掃除機』作:岡田利規演出:本谷有希子2023年3月上旬・中スタジオ■YPAM 横浜国際舞台芸術ミーティング 20222022年12月上旬・ホール / 大スタジオ / 中スタジオ(予定)【提携公演】ROTH BART BARON5月・大スタジオ小㞍健太+森永泰弘5 月・中スタジオ横浜夢座5月・大スタジオケダゴロ5月・大スタジオモメラス6月・大スタジオCATプロデュース『テーバスランド』6~7月・大スタジオ快快(FAIFAI)8~9月・大スタジオ劇団た組9~10月・大スタジオCo.山田うん10月・大スタジオ地点12月・ホール 、2月・大スタジオオペラシアターこんにゃく座3月・ホール※各公演の最新情報は、劇場公式サイト にてご確認ください。
2022年03月01日大林宣彦監督1989年の名作『北京的西瓜』(ぺきんのすいか)のデジタル配信が開始された。青果店を営む夫婦と中国人留学生たちとの心温まる交流を、実在の人物と実際にあった出来事を基に描いた本作は、およそ20年前にDVD発売されてはいるが、長らく今も続く廃盤状態で入手困難となっていた作品。1989年5月~7月に撮影されたが、天安門事件により、当初予定していた中国での撮影が急きょとん挫したという。現実の青果店の雑然とした空気感、自然で臨場感あふれる撮影手法と演出に安定的に下支えされた物語は、無償の思いやり、愛情と信頼、受けた恩に報いる気持ち、そして時代に翻弄される悲しみまでが、淡々粛々と描かれている。STORY船橋市郊外の青果業・八百春の主人の春三(ベンガル)は、李中山(ウー・ユエ)という中国留学生と知り合ったことから、彼らの苦しい生活を見兼ねて、援助の手を差し伸べた。最初は軽い気持ちでやった春三だったが、次第にエスカレートしていき、ついには自らの生活までをも犠牲にしてしまうのだった。留学生たちは彼を「日本のお父さん」として慕うが、春三が忙しくなればなるほど、女房の美智(もたいまさこ)の負担は重くなり、挙句の果てには店や家庭の危機にまで発展してしまった。「このままでは店が潰れてしまう!」と留学生たちは店を手伝うようになり、春三や美智は感涙にむせんだ。そして数年が過ぎ、中国に帰った李中山から国際電話が入り、彼らの招待で春三と美智は中国へ向かった。映画『北京的西瓜』監督:大林宣彦原作:林小利/久我山通脚本:石松愛弘撮影:長野重一音楽:根田哲雄出演:ベンガル/もたいまさこ/峰岸徹/林泰文(c)1989 MAXDAI CO., LTD.配信はコチラ:
2022年01月02日小沢健二が、12月24日23時30分より配信ライブ『マイクロ魔法的・ミッドナイト』を行うことを発表した。生配信は、クリスマスイブの真夜中24時(12月25日0時)を越えて行われる予定で、全3幕構成となっている。有料視聴チケットを購入することで全3幕を通して視聴することができるほか、第1幕のみ小沢の配信ライブとしては初となる無料配信という形でYouTubeでも配信される。なお小沢は、テレビ朝日系で放送される『ミュージックステーション ウルトラ SUPER LIVE 2021』に生出演後、別の場所へ移動しこの配信ライブを行うとのこと。小沢の配信ライブは、ビジュアル・朗読・生演奏などのミックスメディアで行われるのが特徴。昨年11月に行われた初の配信ライブは2時間にわたる朗読劇、その後は配信シングルをライブで初披露するなど、ユニークなスタイルの配信を行っており、クリスマスの真夜中に開催される今回の配信ライブはどのような内容になるのか、期待が高まる。小沢は、ファーストアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』の再発盤とニューシングル『飛行する君と僕のために / 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』を12月22日に同時リリースする。また現在公開中の映画『ボクたちは大人になれなかった』では小沢の楽曲が8曲使用されており、“オザケン”を知らない世代にもリスナー層を広げている。<ライブ情報>小沢健二『マイクロ魔法的・ミッドナイト』12月24日(金) 23:30~配信チケット料金:2,000円(税込)<リリース情報>小沢健二 1stアルバム再発盤『犬は吠えるがキャラバンは進む』2021年12月22日(水) リリース価格:6,050円(税込)小沢健二『犬は吠えるがキャラバンは進む』再発盤の外観●完全生産限定盤【2CD】本人デザインの特殊装丁全曲をオリジナルマスターテープから原音に忠実にリマスター【CD収録】1. 昨日と今日2. 天気読み3. 暗闇から手を伸ばせ4. 地上の夜5. 向日葵はゆれるまま6. カウボーイ疾走7. 天使たちのシーン8. ローラースケート・パーク【ライブCD収録】1. 天使たちのシーン(Live 1995)小沢健二 ニューシングル『飛行する君と僕のために / 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』2021年12月22日(水) リリース価格:2,090円(税込)小沢健二『飛行する君と僕のために / 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』外観●完全生産限定盤本人デザインの特殊装丁リソグラフカード・ジャケット【収録曲】1. 飛行する君と僕のために2. 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)3. 飛行する君と僕のために Instrumental4. 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ) Instrumental関連リンク小沢健二 公式サイト:小沢健二 公式Twitter:小沢健二 公式Instagram:小沢健二 公式YouTube:小沢健二 公式TikTok:
2021年12月17日東京芸術劇場のリサイタル・シリーズ「VS」(ヴァーサス) 第3弾、塩谷哲と大林武司のピアノ・セッションによる公演が2022年3月25日(金)に開催されることが決定した。リサイタル・シリーズ「VS」は、「ピアノ・デュオ(2台のピアノ)演奏」によって、ふたりの異なる個性を持つピアニストがぶつかり合う、新しい形のリサイタル。その第3回目となる公演では、ジャズ界のみならず多彩な活動で音楽界を走り続ける塩谷哲と、NYを拠点とし、MISIAのバンドマスターとしても活躍する大林武司が登場する。ふたりの出会いは大林の出身地・広島で開催された塩谷のコンサート。大林は塩谷の演奏に感動を受け、楽屋を訪れた。そこで塩谷からエールをもらったことが、アメリカ留学の後押しのひとつの要因となったと大林は語っている。そんなふたりが約15年の時を経て、“ピアニスト”と“ピアニスト”として、舞台の上で初共演を果たすことになった。東京芸術劇場のステージで、ピアノを通し、対話するように楽譜も筋書きもないパフォーマンスを披露するふたり。誰も予想できない熱狂的な空間をぜひ、会場で体感してほしい。チケットは好評発売中。■公演概要東京芸術劇場 リサイタル・シリーズ 「VS」Vol.3SHIONOYA Satoru × OHBAYASHI Takeshi2022年3月25日(金) 19:00開演会場:東京芸術劇場 コンサートホール
2021年12月13日小沢健二の1stアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』の再発盤が12月22日にリリースされる。同アルバムは、収録曲が現在公開中の映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』の劇中歌として使用されている。森山未來が演じる主人公が愛聴するアルバムとなっていたり、伊藤沙莉が演じるヒロインのペンネームがアルバムの略称“犬キャラ”となるなど物語とも深く関わっており、アルバム収録全8曲のうち7曲が劇中で流れるため、90年代当時を知る人に加え若い世代にも新たに認知されてきている。また、1997年には『dogs』と改題され、デザイナー平野敬子が手掛けた新ジャケットで再リリースされたが、ジャケットに使用されている特殊なカラープラスチック板が2000年代に生産中止となったため『dogs』は生産中止に。小沢は1stアルバムを配信していないため、『犬は吠えるがキャラバンは進む』は長く「幻の名盤」となっていた。今回の再発盤は、オリジナルの『犬は吠えるがキャラバンは進む』の全曲を1/2インチアナログマスターテープから原音を忠実にリマスタリングし、小沢自身が特殊パッケージをデザインした限定盤となっており、デザインには1993年の録音時に使用された全曲の手書き歌詞カードが用いられている。小沢は「このCDは、録音時に僕がスタジオで聴いていた音に最も近い音です。音を近く感じると思います。デザインは、録音当時の自分の気持ちに迫るように、と思っています」とコメントしている。さらに、この再発盤には1995年5月9日に行われた日本武道館公演で披露された「天使たちのシーン」のライブ音源を収録したCDが付属。当時VHSとLDで発売された映像作品『VILLAGE“the video”』に収録された48チャンネルのアナログテープを1995年にミックスダウンした未発表の秘蔵音源で、26年前の小沢とバンドメンバーが大編成のストリングスと奏でる神がかった演奏を高音質でくっきりと聴くことができる。併せて、ニューシングル『運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』がアルバムと同時リリースされることが発表された。こちらもCDパッケージは小沢自身のデザインによる特殊仕様で、守本勝英が撮影した小沢のポートレートをリソグラフで加工した美しいアートワークが添えられている。表題曲『運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』はこの同時リリースのために書き下ろされた楽曲で、バンド編成での小沢の録音リリースとしては2019年11月のアルバム『So kakkoii 宇宙』以来2年1カ月ぶり。歌詞が女性の視点から描かれており、幾度もの転調が織り込まれた軽やかな曲調とともに小沢にとっての新機軸と言える仕上がりになっている。また、1曲目には小沢がステージで2016年から演奏している楽曲「飛行する君と僕のために」の待望のスタジオ音源が収録される。小沢は、2020年5月から実施されるはずだったライブツアー『So kakkoii 宇宙 Shows』を2年の延期を経て2022年春に開催を予定している。<リリース情報>小沢健二1stアルバム再発盤『犬は吠えるがキャラバンは進む』2021年12月22日(水) リリース価格:6,050円(税込)●完全生産限定盤【2CD】本人デザインの特殊装丁全曲をオリジナルマスターテープから原音に忠実にリマスター【CD収録】1. 昨日と今日2. 天気読み3. 暗闇から手を伸ばせ4. 地上の夜5. 向日葵はゆれるまま6. カウボーイ疾走7. 天使たちのシーン8. ローラースケート・パーク【ライブCD収録】1. 天使たちのシーン(Live 1995)小沢健二『飛行する君と僕のために / 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』2021年12月22日(水) リリース価格:2,090円(税込)●完全生産限定盤本人デザインの特殊装丁リソグラフカード・ジャケット【収録曲】1. 飛行する君と僕のために2. 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)3. 飛行する君と僕のために Instrumental4. 運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ) Instrumental関連リンク小沢健二 公式サイト:小沢健二 公式Twitter:小沢健二 公式Instagram:小沢健二 公式YouTube:小沢健二 公式TikTok:
2021年11月19日歌手の小沢健二(53)が、人気急上昇中のバンドAwesome City Clubのボーカル・PORIN(30)とホテルで密会していたと6月30日に報じられた。近年では子煩悩ぶりも話題となっていた小沢。ネットでは、その行動を疑問視する声が相次いでいる。98年にアメリカへ移住し、09年に写真家の女性と結婚、その後2人の子宝にも恵まれている小沢。いっぽうPORINはAwesome City Clubのメンバーとして15年4月にメジャーデビューを。そして、今年1月に公開された映画『花束みたいな恋をした』の“インスパイアソング”である『勿忘』でブレイクを果たした。『文春オンライン』によると、小沢は『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でPORINと共演したのち、2人してホテルの同じ部屋へ。取材に対しPORINは一度関係を否定したものの、再度訊ねると「こういう場合はどう答えればよいのかちょっと」と返答。のちに彼女の事務所は「打ち合わせだった」と同じ部屋にいたことは認めたが、小沢側は無言を貫いているという。小沢はInstagramで子供たちの写真や彼らとのエピソードをたびたびアップ。さらに19年11月に発売されたアルバム『So kakkoii 宇宙』のジャケットや、『彗星』『ウルトラマン・ゼンブ』『泣いちゃう』といった楽曲のMVにも愛息たちを登場させている。そんな子供思いな姿を見せてきた小沢による、23歳年下の女性シンガーと“ホテル密会”。ネットでは普段のイメージとはかけ離れた行動に非難の声が上がっている。《いやいや小沢さん 子煩悩に愛妻家アピール凄かったやん》《密会なのか打ち合わせなのかは知らないけど、疑わしい行動をしたり、子供が知って嫌がることはしないで欲しかったな、、、》《オザケン最近MVで子供推しまくっててこれはなくね》《カワイイ息子だけは泣かさないでくださいね》《小沢健二、最近は説教と子煩悩でやってきているから週刊誌に撮られちゃうと説得力が薄れちゃうので大変》
2021年07月01日小沢健二が、26年ぶり3カ月連続シングルの第2弾「エル・フエゴ(ザ・炎)」のMUSIC VIDEOを公開した。同曲は中村倫也主演のドラマ『珈琲いかがでしょう』のオープニングテーマに起用されており、ドラマでは小沢健二が本編映像を観た上で各話の内容にマッチするパートを切り出して編集するという楽曲提供のスタイルをとっている。そのためSNS上では、放送のある毎週月曜夜にドラマの展開とシンクロする“今週のエル・フエゴ”についての感想も盛り上がりを見せている。今作のMVは前作「ウルトラマン・ゼンブ」と同様小沢健二本人が監督し、11名のグラフィック・デザイナーから成る“Ozawa Kenji Graphic Band”がデザインするGIFベースの映像となっている。もともと小沢の7歳長男の創作物語をモチーフに生まれたこの楽曲のMVは付随するエッセイ、歌詞、長男によるスケッチ、子どもらを交えた演奏風景とフォトセッションなどが複層的に織り重なった映像作品となっており、見る人は美術、デザイン、音楽、文学、写真などのさまざまなジャンルの芸術を同時に味わうことができる。また小沢は本日5月21日20時からの『ミュージックステーション』2時間スペシャルに出演し、生ギターと生チェロによる「エル・フエゴ(ザ・炎)」フルバージョンを披露する。さらに5月26日に配信リリースされる3カ月連続シングルの第3弾「泣いちゃう。」が、リリース前日の5月25日夜10時に生配信で初演されることが決定。あざやかなグリーンのパーカとマスク姿が印象的なジャケットは小沢健二と言乃田埃(Ozawa Kenji Graphic Band)がデザインし、フォトグラファーの当山礼子が撮影した。配信ライブのチケットはローソンチケットにて本日5月21日18時より発売が開始される。小沢健二「エル・フエゴ(ザ・炎)」MV<リリース情報>小沢健二 配信シングル「泣いちゃう」2021年5月26日(水) リリース小沢健二 配信シングル「泣いちゃう。」ジャケット配信シングル「エル・フエゴ(ザ・炎)」2021年4月21日(水) リリース小沢健二 配信シングル「エル・フエゴ(ザ・炎)」ジャケット関連リンク小沢健二 公式サイト:小沢健二 公式Twitter:小沢健二 公式Instagram:小沢健二 公式YouTube:小沢健二 公式TikTok:
2021年05月21日小沢健二が4月20日20時より配信ライブ『マイクロ魔法的』を開催することが急遽決定した。26年ぶり3カ月連続リリースシングルの第2弾「エル・フエゴ(ザ・炎)」のフルサイズが初披露される今回の配信ライブは、新しい曲はリスナーの目の前で、生で届けたいという小沢の強い願いから実現したショートライブで、録音や打ち込みは使わずにすべて生音で届けられる。1回目の演奏は小沢のギターのみ、2回目は読売交響楽団のソロ・チェロ奏者である遠藤真理が加わる予定で、カメラマンは前回の配信と同じくファッションフォトグラファー・守本勝英が務める。チケットはローソンチケットで本日4月12日21時より発売がスタートしている。同ライブの翌4月21日に配信リリースされる同曲は、テレビ東京系で放送されている中村倫也主演ドラマ『珈琲いかがでしょう』のオープニングテーマ。あたたかな癒しを提供するかに見えて深く苦い過去を持つ主人公を描いた同ドラマを体現したような楽曲に仕上がっている。3月にリリースされた「ウルトラマン・ゼンブ」は小沢の4歳次男の発想が元になっていたが、新曲「エル・フエゴ(ザ・炎)」は7歳の長男が考えた想像上の人物がモチーフとなっており「ゼンブ」と「フエゴ」は文字通り兄弟作となっている。さらに小沢の楽曲としては初のハイレゾ配信が行われることも決定し、高音質で同曲を楽しむことができる。なお今作のジャケット写真は「ウルトラマン・ゼンブ」MVを撮影した当山礼子による長男・凜音くんのポートレートで、合わせてトラッドな白いシャツに黒いネクタイという息子と同じスタイリング、同じ構図となる小沢の最新アーティスト写真も公開された。<ライブ情報>小沢健二 配信ライブ『マイクロ魔法的』4月20日(火) 20:00~スタート<リリース情報>小沢健二 配信シングル「エル・フエゴ(ザ・炎)」2021年4月21日(水) リリース小沢健二 配信シングル「エル・フエゴ(ザ・炎)」ジャケット関連リンク小沢健二 公式サイト:小沢健二 公式Twitter:小沢健二 公式Instagram:小沢健二 公式YouTube:小沢健二 公式TikTok:
2021年04月12日中村倫也主演の新ドラマ「珈琲いかがでしょう」にて、“オザケン”こと小沢健二の新曲「エル・フエゴ(ザ・炎)」がオープニングテーマに決定。小沢さんがドラマのテーマ曲を担当するのは、なんと25年ぶりとなる。中村さん主演、夏帆、磯村勇斗共演で“幸せを運ぶ珈琲物語”を描いたコナリミサト著の名作漫画を、『かもめ食堂』の荻上直子の監督・脚本で実写化。初回放送が目前に迫り、SNSではさらに盛り上がりを見せている本作。一方、今年に入り、予定していたアリーナツアー、日本武道館公演が中止に。その代わりとして3か月連続シングルリリースを発表し、3月9日に第1弾の「ウルトラマン・ゼンブ」が配信されたばかりの小沢さん。今回の「エル・フエゴ(ザ・炎)」は、その連続リリースの第2弾にあたる楽曲。ライブはなくなれど意欲的に創作活動する小沢さんが新たに創り上げた、物語の雰囲気にぴったりなオザケン節で、ドラマのオープニングを盛り上げる。さらには、ドラマのストーリーが進むにつれ、楽曲の使用箇所が変わっていくという情報もあり、要注目。「武道館での一人コンサートのために『エル・フエゴ(ザ・炎)』を書き終わった頃にこのドラマのお話をいただき、原作漫画を読み進むにつれて、本当に驚きました。『珈琲いかがでしょう』と『エル・フエゴ』は、怖いくらいテーマが似ていたからです」と小沢さん。「どう似ているかは、ある日ドラマを見ているあなたに『あっ!』とわかり、ドラマ終盤、あなたはきっと(ピー:機密保持のため伏字)でしょうし、僕もきっと(ピー)でしょう。考えてみると、もしドラマのために曲を作っていたら、ここまで強烈にシンクロはしなかった気がします。別々の空間で、意識せずに生まれたから、4月から一話一話共振していく『珈琲』と『フエゴ』の、美しい関係が生まれたと思っています。真実は共振する」と、意味ありげにコメント。「オープニングは今や、スキップされるもの。そこでオープニングテーマの形を(おそらく毎回)変えていこうと思っています。めっちゃめちゃな回もあったら素敵です。スキップした人は気がつかない。笑」と明かす。「7歳長男の発案から生まれた」という新曲「エル・フエゴ」は「今月始まった3ヶ月連続シングルの第一弾『ウルトラマン・ゼンブ』が4歳次男の発案であるのと、文字どおり兄弟作です(『エル・フエゴ』は第二弾)。子どもを題材にするのではなく、子どもの時空に入りこんで一緒に書く、という手法です。それがなぜ『珈琲』と共振するのか?それは(ピー)は(ピー)であり、(ピー)だからです!役者、制作陣も最高。ドラマ、一回も見逃すのはナシです。No Skip Introで!」と、念を押して(?)コメントを寄せている。「珈琲いかがでしょう」は4月5日(月)23時6分~テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送にて放送スタート(※初回~第3話は5分拡大)。(text:cinemacafe.net)
2021年03月23日26年ぶりに3カ月連続シングルリリースを行う小沢健二が、第1弾『ウルトラマン・ゼンブ』発表にあたり、初監督を務めたミュージックビデオを公開した。このMVは、自らCDのジャケットデザイン等も手がける小沢が、GIF動画制作の際に用いてきた手法を進化させてつくったもの。「グラフィックデザインと音楽の融合」という、これまでにない斬新な映像表現に仕上がっている。小沢はこのMVについて、「『〇〇を真似て』とかいうネタは一切なく、作り方から自分で作りました。オリジナルでいいんだ、変な発想でいいんだ、ということを伝えたいとも思った」と語る。小沢は2月7日にInstagramを通じてプロのグラフィックデザイナーを公募。その1カ月後の現在に公開、というスピード感で『ウルトラマン・ゼンブ』のMVは完成した。グラフィックデザイナーをSNSで募った経緯について、「僕は自分のリスナーに対して絶対的に信頼しているから」と小沢は語る。リスナーに対して呼び掛ければ、きっとこの仕事にふさわしい人が来てくれる、絶対に大丈夫、と信じていたとのこと。今回、 ”Ozawa Kenji Graphic Band” として集結した11人のグラフィックデザイナーは、うち女性が4名、年齢も21歳から49歳までと幅広い。300名近い候補者の中から、今回のMVのテーマにフィットするという基準で選ばれたのは、昨年ハンドソープ「キレイキレイ」のリニューアルを手がけたグラフィックデザイナーの多嘉山ゆりあ、RADWIMPS『君の名は。オーケストラコンサート』など音楽や映画のアートワークで知られる寺澤圭太郎、Eテレ『ピタゴラスイッチ』『2355』などの映像作品を世に送り出してきた石川将也、PIZZA OF DEATH RECORDSのロゴデザインや、Hi-STANDARD「MAKING THE ROAD」のジャケットデザインでも知られ小沢と長く共作しているダイスケ・ホンゴリアン、インストバンド「neco眠る」のドラムも担うグラフィックデザイナー・三木章弘ら、プロフェッショナルの面々だ。つくり手の「多様性を確保したかった」ことが公募した理由の一つだというが「この、素晴らしい人たちが集まって力を出してくれるということ自体が、僕がこれまでやってきたことの『ゼンブ』と思っている」と、新曲の歌詞にある「ぼくの『ゼンブ』賭け」になぞらえて小沢は話している。MVでは全編にわたり、『ウルトラマン・ゼンブ』の歌詞がメロディに合わせて寸分のズレもなくグラフィックデザインで表現されている。歌詞に含まれる漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベットの文字を分解して再構築し、楽曲にシンクロさせてビジュアライズした、独自の映像世界となっている。MVには小沢のふたりの息子が登場しており、ジャケットにも彼らの写真やシルエットが採用されている。<以下、小沢健二本人へのインタビュー>――ミュージック・ビデオの構想はいつ頃生まれた?もともとSNSに載せるためによくGIF動画(以下GIF)をつくっていたんです。GIFって数枚のグラフィックを連続させて「動く絵」を作るのですが、作りながら一度インスタでコメントしたんだけど、「静止画にリズムをつける」という感じなんですよ。そう考えると現代音楽のようで、面白いんです。それでGIFを作りながら、「動画とは静止画が時系列に並んだものだ」という根源的なことがよくわかって、「じゃあ、こう作ればおもしろいのでは?」とオリジナルな方法論を思いついたんです。それを具現化したのが、このMVです。見た人には「こんなMVない」と言われるのですが、正に、ないものを作ろうとしました。この10年ほどCDジャケットなどのアートワークを自分でやってきたから、デザインと音楽の関係を、どちらも手を動かして自分で作業しながら、やっぱり考えていた。その中でGIFづくりからアイデアが生まれたんだけど、アイデアの実現にはものすごい枚数のグラフィックが必要で、しかも良いデザインじゃないといけないし。だから高いレベルのグラフィックデザイナーが何人も必要で、リスナーを信じて公募しました。そしたらやっぱりとても高いレベルの人たちからたくさんの応募があって、ものすごい数のポートフォリオを拝見しながら「こんな人たちが聴いてくれてるのか!がんばろ!」と思いました。応募してくださった方、今回はお願いしなかった方々も含め、本当に光栄で、感謝でいっぱいです。――1カ月という短期間でどのように制作したのかそれはもう今ですから、全員でZoomとSlack(ビジネスコミュニケーションツール)を駆使して(笑)。僕と11人のグラフィックデザイナーとがいて、朝6時まで作業している人がいる一方で、朝6時に起きて「おはよう」って入ってくる人とがいて、このプロジェクトは24時間ぶっ通しで動いていました。みんな東京、大阪、富山とそれぞれの拠点に散らばっていて、会わずにどんどん進んでいく。グラフィックデザインを連続させて音楽みたいな映像作品をつくる、という手法自体は僕は自信があったのですが、実際にきちんとできたのは、僕の方法論も当たっていたのだろうけど、なんせみんなのスキルと才能と、そして人間性が最高だったからです。みんなで24時間Slackで話をしながらつくっていくのは本当に楽しかった。なんか、Slackアートという感じはあります。今まで存在しないタイプの映像作品を作るのだから、Slackに雑談チャンネルを作って、そこでの雑談で技術を開発していきました。7歳長男とかも雑談に乱入してきて、そういうエネルギーが作品に影響していったなあと思います。朝起きたメンバーは通知が100とか来てる。(笑)毎日デザインのファイルを僕もふくめてみんなで回して、どんどん技術と理解を深めていきました。――デザインチーム名は ”Ozawa Kenji Graphic Band”これ、本当に「バンドやってるときと一緒だ!」と思ったんですよ。お互いに信用し合って、闇の中を進んでいく。「きっとこうやればこうなるはず」と想像図は僕の頭の中にあるわけだけど、これまで世の中にないもの、見たことないものをつくっているわけだから、手探りで闇の中を進んでいくようなんです。その闇の中で、絶対誰かがいいことを思いつく。その光で、また進んでいく。グラフィックバンド内でいくつもの「歴史的瞬間」がありました。だいたい朝4時くらいに(笑)あと、みんなプロなので、誰かがポーンと新しいものを出してきたときに、何をやってこうなっているのか、お互い即座に理解し合えるんですよね。今回のメンバーは1人を除いてGIFなんて作ったこと、ほとんどなかったんですよ。GIF動画は一般的にアマの世界で、デザイナーのみんなは普段、もっとプロの世界のデザインをしてるから。でもアニメーションやモーショングラフィックではなく、「グラフィックデザインが動く」ということを11人みんながイメージしてくれて、GIFというローテクで、DIY的で、「アマの世界」のものに興味を持つ心の広さがあったから、これだけの時間で作品ができあがった。――どのような形で指揮をとった?絵は動かすけれど、「アニメーションにならないように、コマ撮り作品にならないように、モーショングラフィックにならないように」というのは最初からお願いしていました。既視感がない、新しい「動くグラフィックデザイン」である、ということをテーマにして。そして、「しばり」をいくつもお願いしました。プロだからこそ、しばりを楽しんでもらえると思って。(笑)最終的にできた形は、僕が「こうなるはず」と想像していたものを超えていて、それは本当に、11人のデザイナーの創造力と人間性の賜物です。あと僕のライブのスタッフで、本職は映像で、僕の現場では別の仕事をしている女性がいるのですが、ライブが中止になっても、彼女といつもと違う形(編集)で仕事ができたことは最高でした。このMVのための写真撮影も、僕のライブの舞台監督にお願いしたので、ライブの代わりにMVを作っている感覚はありました。――単独ではなく複数のグラフィックデザイナーが参加した理由は?この『ウルトラマン・ゼンブ』はそもそも4歳の子どもが言い出したこと(小沢の次男が考えた、歴代ウルトラマンの特徴を「ゼンブ」兼ね備えた最強のウルトラマンのこと)からできあがった曲なので。子どもってすごく多面的な存在ですよね。不思議なほど老成したところ、残酷なところもあれば、素直さ、可愛らしさもあって。だからそこから生まれたこの曲も、多様なビジュアルでなければ、と考えたんです。だから多様なデザインができる、多様なデザイナーが必要でした。あと単純に、一人でこれだけの量のGIFは作れません!(笑)多様なバックグラウンドとかタッチが必要だったので、300人近い応募の中から、タッチが「かぶる」方は、才能・実績バリバリでも泣く泣くはずしました。お断りをするのが本当に残念でした。――若い、新しいリスナーの反応をどう受け止めているか自分と感覚の近い人が、現在の作品、そして過去につくってきたものをアンテナに引っ掛けて、応えてくれていると感じています。素晴らしい人たちに届いている。気持ちが近い、友人のような人たちに。もうずっとプロモーションらしいプロモーションはしていないにもかかわらず。これは本当にうれしい、ありがたいことですね。若い人というと、今回公募の呼びかけに応えてデザイナーとして手を挙げてくれた、21歳の言乃田埃(いいのだ・ほこり)さんや25歳の多嘉山ゆりあさんがいい例です。ライフが出た時には生まれていなかったりするのに、うれしいことに僕のリスナーで、同時に才能に溢れていて、スキルも超絶で、僕と感覚が近くて。そういう人たちと友人になって、直接やりとりしてものをつくり上げるというのは、本当にうれしい経験です。――MVのさまざまな日本語の表現について「日本語だからできることを意識する」っていうのも、最初からありました。日本語だからこそできるグラフィックデザインってなんだろう?って。日本語のリリックビデオって、何がかっこいいんだろう?と。そのお題にみんなが応えてくれた形です。あとはみんなで研究していくうちに、この映像作品は「詩」なんだなぁということは感じました。あと、大阪のモリサワフォントにうかがわなければいけない、ということも。(笑)――GIFをベースにしている理由は?GIF動画って英語圏でのネットコミュニケーションではかなりメジャーな位置にあるんですよ。日本語のネットコミュニケーションだと、みんなスタンプや絵文字を気軽に、そしてすごく繊細に使い分けてるじゃないですか。それに相当するものが英語圏だとGIFというところがあって。インターネットミームではGIFって欠かせないものだし。だから僕の英語圏の生活では、GIFはめちゃくちゃ身近なものです。だから前からGIFを作っていたのですが、今回、日本文化の優れたデザイン感覚でGIFにアプローチすると新しいGIFの世界ができるのではないか……、という話はしました。世界のGIF界に衝撃を与えるようなものがつくれた気がします。(笑)――自分の手を動かすことにこだわる理由は?僕は若い頃から自分で会社をつくって音楽活動をやってきていて、そのこと自体がDIY感覚あふれることなんだと思う。ライブの演出だとか、ジャケットやグッズのデザインだとかを自分で舵取りするのは、実は一番自分が、無理をしない形です。そして手を動かすと、理解も深まります。今回こんなに大胆に一流のグラフィックデザイナーを集めることができたのも、僕自身が一応ソフトウェアがいじれるから、みんなの共通言語で、提案ができる自信がありました。手を動かすのが好きなんです、要するに。手を動かして損はない。(笑)――26年ぶりの3カ月連続シングルリリースについて僕は日本とアメリカとを行ったり来たりする生活を送ってきて、ある意味アメリカにいる間は仕事のスイッチは切れているんです。それがコロナで行き来ができなくなって、ずっと東京にいる。だからずっと仕事しちゃう。(笑)真面目にいうと、その理由からだけじゃなくて1995年に『強い気持ち・強い愛』、『戦場のボーイズライフ』、『さよならなんて云えないよ』『痛快ウキウキ通り』とかを出していたときみたいな、「仕事しなきゃ」「つくらなきゃ」っていう気持ちがいまはある。世の中の状況も、1995年(注:阪神大震災や地下鉄サリン事件のあった年)とちょっと似ているし、その中で、つくらなくちゃ、という気持ちはあります。――コロナで制作体制が変わったという影響は?『ウルトラマン・ゼンブ』などの曲は、コロナの中で発展させた、「新しい弾き語り」と呼んでいます。これをアリーナで、一人でやるはずだった。そういう新しい弾き語りだから、新しい映像がつくのが当然と思いました。曲のつくり方自体がこれまでとは大きく変わっているので。見たことのない、新しい映像を作りたいという気持ちになったというのはあります。「新しい弾き語り」曲のつくり方とこのビデオのつくり方は、似ています。この『ウルトラマン・ゼンブ』も他にできている曲も、もともとはライブのためにつくっていた新曲だったので、(アリーナツアー中止の代わりにシングル発売を決めて)短期間でレコーディングクオリティに持っていくのは大変だったけれども。コロナになって、なるべくミニマムな人数でやらないといけないという制約の中、新しい、超少人数でできる音楽のかたちではあります。でも、30何人でやる音楽を追求してからの弾き語りだから、ただ弾き語りをするのとは、理解もアプローチもちがいます。そういう意味で「新しい弾き語り」です。このMVで何よりうれしかったのは、一緒にやってくれたグラフィックデザイナーたちが、明るい気持ちになっていくのがわかった。これは僕も含めてですけど。それが今回の制作で得た、最強に最高のものです。そういう「みんなが明るい気持ちになるような、へなちょこな作品(笑)というのは、最初の段階から強く思っていました。それがうまくできたと思っています。Ozawa Kenji Graphic Band言乃田埃石川将也大西裕二(フィヨルデザイン)小沢健二お豆腐佐藤豊ダイスケ・ホンゴリアン多嘉山ゆりあ田口陵(CIDER INC.)寺澤圭太郎三木章弘山下ともこ■リリース情報『ウルトラマン・ゼンブ』作詞・作曲:小沢健二配信日:3月9日(火)購入はこちらから
2021年03月09日小沢健二が、2019年より企画していた日本武道館アリーナライブについて、新型コロナの感染拡大状況を受けて中止を決定したことを発表。その代わりとして3月9日(火)から3カ月連続シングルリリースを行うことが決定した。なお、小沢が3カ月連続でシングルをリリースするのは、1995年1月〜3月『カローラIIにのって』『強い気持ち・強い愛』『ドアをノックするのは誰だ?』のヒットチューン以来、実に16年ぶり。シングル第1弾タイトルは『ウルトラマン・ゼンブ』になるとのこと。この「ウルトラマン・ゼンブ」とは小沢の次男(4歳)による「すべてのウルトラマンの美徳や必殺技を『ゼンブ』兼ね備えた歴代最強最高のウルトラマン」という意味の造語で、円谷プロからの協力を得て、曲のタイトルに決定した。アップテンポのこの曲は、幼い子供の無敵の万能感、何かを得て何かを失いながら成長していく時間、大人になり味わう焦燥感、限界を知った上で乗り越える疾走感、3分間で終わらない変身、そんな「ゼンブ」が詰まった、期待を軽々と超えてゆくホットな楽曲となっている。「カラータイマーが点滅してからが勝負の時だ」の歌詞で始まる、ひとつの完成された小説のような一曲だ。3カ月連続でリリースされるシングルは、小沢がコロナ禍で書いた新曲ばかり。これらをファンの前で演奏し、その瞬間に初めて世に出して共有したいという本人の強い希望があったものの、ファンやスタッフの健康リスクにさらしてまでそれは「行わない」という判断を下した。そんな中で、急遽決定した3ヶ月連続シングルリリース。まずは武道館公演予定日だった3月9日に発売される第1弾「ウルトラマン・ゼンブ」を心で味わってほしい。小沢健二からのメッセージ3、4、5月と、3カ月連続でシングルをリリースします。どの新音源も、アリーナ公演中止の無念さを叩きこんで、アツアツに仕上げます。状況に合わせて、その時々の創作をするしかないです。3月9日、無念ですが武道館ではなく、それぞれの場所で、『ウルトラマン・ゼンブ』を爆音で聴きたいです。そして4月も、5月も。困難の中、一瞬でも、Tower of Good! (絵文字の「いいね」が積み上がっているような、「良いの塔」。「ウルトラマン・ゼンブ」と同じく、次男4歳の造語です)な時間を。武道館中止決定詳細いつもアーティスト・小沢健二を応援していただきまして誠にありがとうございます。3月9日の日本武道館で予定しておりましたコンサート「aルbイmイseルf 魔法的ひとりArena」に関しまして、新型コロナウイルスの感染拡大状況を日々確認しながら、開催の可否について検討して参りましたが、このたび公演中止という結論に至りました。本公演は観客数も大幅に減らし、消毒・換気・電子チケット導入など感染対策を徹底、国や東京都のガイドラインをクリアした内容ではございますが、楽しみにして下さっているお客さまには「移動」という感染リスクがあり、またスタジオでのリハーサル期間中はスタッフとその家族に健康上のリスクがあるのは事実です。現況においては、そのリスクは非常に高いとの判断で、中止という苦渋の判断に至りました。開催を心待ちにして下さっていた皆様には、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます。発売分のチケットの払い戻しにつきましては、別途ローソンチケットより発表を行い、またお客様には個別にご連絡を差し上げます。
2021年02月05日小沢健二が2021年3月から日本武道館、さいたまスーパーアリーナ、大阪・丸善インテックアリーナを巡るツアー「小沢健二『aルbイmイseルf 魔法的ひとりArena』」(読み:オールバイマイセルフ魔法的ひとりアリーナ)」を開催する。90年代後半、人気絶頂の中で電撃的に音楽活動を停止しニューヨークに移住、そして2019年に17年ぶりの沈黙を破ってフルアルバム『So kakkoii 宇宙』を発表した小沢健二。近年は、あいみょんをはじめ影響を受けて育ったと公言する若手アーティストが多い。また彼自身もSEKAI NO OWARI、二階堂ふみ、吉沢亮、満島ひかり、峯田和伸、三浦大知など積極的なコラボレーションを行ってきたことも記憶に新しい。そして2020年初夏の全国ツアー「So kakkoii 宇宙 Shows」が、新型コロナ流行拡大を受けて延期。全世界がウイルスに翻弄され、これまでとは異なるニューノーマルな日常が強いられる中で、彼はつき動かされるように次々と曲を書き下ろしていた。今回のツアーは小沢がたったひとりでパフォーマンスするという内容。これは新型コロナ流行以前の2019年に企画・決定されていたものだが、社会の変化を受けて内容を再構築。2020年のコロナの日々に次々と書き下ろした曲だけでなく、今やJ-POPやJ-ROCKにおけるクラシックとも呼ぶべき“あの曲”や“あの曲”も、2021年版アレンジで奏でられるという。より豪華にバージョンアップさせた、小沢の単独演奏スタイルに期待したい。観客数は収容人数の半数未満を予定し、換気・消毒・検温など最新の医学的見地にもとづいた万全の対策をとった開催となり、チケットの枚数も限られる。1次先行予約(抽選)はローチケにて12月9日(水)19:30から12月20日(日)まで。さらに小沢自身の願いから、今回のツアーでは若者割とでも呼ぶべきU25限定プライスのチケットが用意されている(S席:5,000円、A席:4,000円)。6歳未満かつ膝上観覧であれば、入場者1名につき子供1人が無料で入場可能となっている。<小沢健二・コメント>コロナ以前の2019年の時点で、2021年の3月に一人で武道館などをやることは決まっていました。コロナの中、僕の考えも、曲の書き方も、進化しました。ばっちり感染対策をとり、換気のよいアリーナで、大幅に収容人数を減らしての公演ですが、歌を届けたいと思っています。バンドはなく、僕一人です。今までの一人演奏を、ムダに豪華にしました。帰り道に口ずさむのは、きっと聞いたばかりの新曲たちになると思います。明るい曲。気持ちが強くなる曲。ベタですが、そういうライブです。おなじみの曲も、もちろんやります。新曲のタイトル予告、第一弾は『ウルトラマン・ゼンブ』(仮題)です。笑、と思いきや、勇気と涙の一曲です。なお、延期されている『So kakkoii 宇宙ツアー』はこれまでの告知通り2021年初夏の予定です。このアリーナは、それより前の、それとは別の、2021年春の公演です。ゼッタイコイ元ツイート: ■公演情報「小沢健二『aルbイmイseルf 魔法的ひとりArena』」2021年3月5日(金) 大阪・丸善インテックスアリーナ開場17:30 / 開演19:002021年3月9日(火) 東京・日本武道館開場17:30 / 開演19:002021年3月14日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ開場16:30 / 開演18:00チケット料金(税抜)アリーナ席¥12,000 / スタンドS席¥10,000 / スタンドA席¥8,000U-25スタンドS席¥5,000 / U-25スタンドA席¥4,000U-25チケットは 25歳以下限定 / 入場時にIDチェックあり6歳以上有料(6歳未満のご入場は保護者同伴のもと、膝上観覧の場合のみ保護者1名につき、1名まで入場可。ただし、お子様のお席が必要な場合はチケット購入が必要)オフィシャル1次先行予約(抽選):12月9日(水)19:30~12月20日(日)23:59(1公演日1申し込み最大4枚)次先行は電子チケットのみの申し込みになります。
2020年12月09日筑摩書房が、三島由紀夫没後50年特別企画として、1991年に刊行した『三島由紀夫レター教室』(ちくま文庫)を、小沢健二デザインによる特別帯をつけて販売することを発表した。小沢書下ろしエッセイを両面に掲載した特別帯は、11月11日(水)頃の書店着荷分から本に巻かれて全国順次発売となる。またそれに先がけ、メモリアル・イヤーにちなんだ2020部の限定版帯付き本を、10月31日(土)より全国86店舗の協力書店にて先行発売する。小沢は雑誌『オリーブ』92年9月号で、「私が文を学んだ本」として『三島由紀夫レター教室』を紹介している。当時これをきっかけにして「突然話題沸騰どうやら小沢健二さんのお気に入り本らしい」という帯が巻かれ、大きな話題を呼んだ。小沢健二書下ろしエッセイでは、『三島由紀夫レター教室』が「なんて贅沢な行為。なんと「反社会的」な行為。なんて地下活動的な、秘密裡な行為。編集されて、冷静に、平静に進んでいく世の中の下に、トンネルを掘るような。」と表現された。2020部限定版帯は、壁を破るかのような切り抜き、袖や裏面にまでびっしりと書きこまれたエッセイ、斜めにカットされた変形帯……。文庫版の帯としてはこれまでに見たこともない、異例の仕様となっている。『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』など硬派な純文学作品で知られる三島だが、本作は氏のもう一つの顔、極上エンタメ作家としての代表作のひとつ。1966年に週刊誌『女性自身』に連載されたこの異色小説は、メールやラインが主流となった現代において、さらに光を増すような魅力がつまっている。新たな帯は、この時代の空気の中で新たな価値を発掘し発信するものとなっている。■2020部限定版取り扱い書店(全国86店舗)北海道 紀伊國屋書店札幌本店北海道 MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店宮城 丸善仙台アエル店群馬 ブックマンズアカデミー前橋店埼玉 BookDepot書楽千葉 丸善津田沼店東京 紀伊國屋書店新宿本店東京 ジュンク堂書店池袋本店東京 丸善丸の内本店東京 三省堂書店池袋本店東京 三省堂書店神保町本店東京 東京堂書店神田神保町店東京 丸善お茶の水店東京 丸善日本橋店東京 ブックファースト新宿店東京 八重洲ブックセンター本店東京 紀伊國屋書店国分寺店東京 ジュンク堂書店吉祥寺店東京 MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店東京 紀伊國屋書店玉川高島屋店東京 ジュンク堂書店立川高島屋店東京 ブックファーストルミネ町田店東京 有隣堂アトレ目黒店東京 八重洲ブックセンタールミネ荻窪店東京 啓文堂書店吉祥寺店東京 紀伊國屋書店西武渋谷店東京 文教堂書店二子玉川店東京 くまざわ書店調布店東京 TSUTAYA三軒茶屋店東京 大盛堂書店駅前店東京 HMV&BOOKSSHIBUYA東京 タワーレコード新宿店東京 文喫六本木東京 ヴィレッジヴァンガード下北沢東京 HMV&BOOKSSPOT新宿東京 タワーレコード渋谷店東京 スーパーブックスあおい書店春日店神奈川 有隣堂横浜駅西口店神奈川 紀伊國屋書店横浜店神奈川 丸善ラゾーナ川崎店神奈川 八重洲ブックセンター京急上大岡店神奈川 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店神奈川 有隣堂ルミネ横浜店神奈川 ACADEMIAくまざわ書店橋本店新潟 知遊堂亀貝店富山 明文堂書店富山新庄経堂店富山 喜久屋書店高岡店富山 BOOKSなかだファボーレ店石川 金沢ビーンズ明文堂石川 うつのみや金沢香林坊店愛知 三省堂書店名古屋本店愛知 ジュンク堂書店名古屋栄店愛知 MARUZEN名古屋本店愛知 TSUTAYAウイングタウン岡崎店愛知 TSUTAYA春日井店京都 MARUZEN京都本店京都 大垣書店イオンモールKYOTO店京都 ふたば書房御池ゼスト店京都 大垣書店烏丸三条店京都 大垣書店イオンモール京都桂川店京都 ふたば書房山科駅前店大阪 紀伊國屋書店梅田本店大阪 ジュンク堂書店大阪本店大阪 MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店大阪 ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店大阪 ジュンク堂書店難波店大阪 ブックファースト梅田2階店大阪 梅田蔦屋書店大阪 大垣書店高槻店大阪 田村書店千里中央店大阪 HMV&BOOKS心斎橋大阪 HMV&BOOKSSPOT伊丹空港兵庫 ジュンク堂書店三宮店兵庫 ジュンク堂書店姫路店岡山 喜久屋書店倉敷店岡山 啓文社岡山本店広島 ジュンク堂書店広島駅前店広島 啓文社西条店福岡 ジュンク堂書店福岡店福岡 丸善博多店福岡 喜久屋書店小倉店福岡 HMV&BOOKSHAKATA熊本 蔦屋書店熊本三年坂鹿児島 ブックスミスミオプシア店沖縄 ジュンク堂書店那覇店沖縄 HMV&BOOKSOKINAWA(※在庫状況、販売方法などは各書店にお問い合わせください)■小沢健二デザイン帯付き『三島由紀夫レター教室』(普及版)2020部限定版の見た目そのままに、表紙カバーの一部も印刷して再現した大型の帯(ダブルカバー仕様)となっている。2020年11月11日より全国順次発売(※地域により差があります)■書誌情報タイトル:『三島由紀夫レター教室』ちくま文庫著者:三島由紀夫体裁:文庫判/240ページ本体価格:620 円(税別)
2020年10月23日約3年前「がんが消えた!」と笑顔で語ってくれた大林さん。病魔は大林さんに試練を与え続けたが、映画への熱が冷めることはなかった。それはきっといまでも……。「昨年11月ごろから、新作の公開日に照準を合わせて、大事をとって自宅で療養していました。父は何よりも、母のそばを離れたくない。とにかく自宅が大好きな人でした。亡くなる当日まで、寝室の窓から見える八重桜を眺めながら『きれいだね』と、日課のように話をしていました」悲しみをこらえながら、本誌のインタビューに答えてくれたのは、4月10日、肺がんのため亡くなった映画作家・大林宣彦さん(享年82)のひとり娘、千茱萸さん。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により公開は延期となったが、大林さんが亡くなった日は、くしくも監督を務めた最新作『海辺の映画館−キネマの玉手箱』の公開予定日だった。’16年8月、「肺がんステージ4、余命3カ月」という宣告を受けた大林さん。本誌はその1年後の’17年8月、そして2年4カ月後の’18年12月に、大林さんに2度インタビューをしている。本誌記者に語りかける大林さんの口調は、まるで親がわが子に語りかけるように優しかった。そして自らの人生哲学を語る情熱は、宣告された余命を大幅に超えて生き続けた大林さんのエネルギッシュさを物語っていた。がん闘病、家族の絆、そして映画にこめた「反戦」への思い……。監督が本誌に残した、約9時間にも及ぶ“魂のメッセージ”に、もう一度触れてみようーー。闘病のなか、映画製作に情熱を注ぎ続けた大林さんは、妻の恭子さん(81)のことを「人生最大の理解者」だと語っていた。「僕と一緒になったときも、『あなたの才能を尊敬しているからお手伝いをします。でも、私があなたを尊敬できなかったらすぐに別れます』と宣言されて、一緒になった。古い時代の人ですから、本当に尽くしてくれますよ。自分の体のことは放っておいても、僕のことを気にしてくれてね。恭子さんがいなければ、僕は映画も作っていなかったでしょう。つまり、彼女との出会い自体が、僕そのものなんですよ。彼女もそうみたいですけど(笑)」恭子さんは、成城大学在学中から大林さんの自主映画製作に関わり、以来、大林作品を常に支えてきた。そして『転校生』(’82年)から正式にプロデューサーとなる。「彼女は、“私は最初の観客よ”と、必ず現場にいるんです。映画のプロデューサーはお金を集めてきたら現場にいないのが普通ですが、恭子さんは現場に張り付いている。僕が現場でいろんなことを思いついたりすると、横にいる彼女に相談するんです。そうすると、『あ、面白いわね。きっと面白くなると思うから、やってみて』と言って、すぐにその手配をしてくれます。“面白いと思えば、私はOKよ”というのが彼女のスタンス。ときには、容赦なくシーンをカットすることも提案してきます」夫婦であり、クリエーター同士でもある2人。いつも一緒にいれば、ケンカが起きても不思議ではないのだが。「感情的なケンカはしませんが、議論は年中しています。娘の千茱萸がいるときは、参戦させるんですよ。娘は赤ん坊のころから、夫婦で議論するときにそばに置いていましたからね。小さいときの娘は、議論するママの顔を見ながら“あ、パパのほうが間違っている”とか“ママのほうが正しそうだな”とよく思っていたみたいです(笑)」余命3カ月の宣言を受けてから、すでに2年以上が過ぎた’18年11月、大林さんにとってうれしい出来事があった。長年二人三脚で映画を作ってきた恭子さんが、「第42回山路ふみ子映画賞」で映画功労賞を受賞したのだ。「その贈呈式で彼女がいいスピーチをしてくれてね。《私の記憶は7歳のとき、東京大空襲の焼け野原から始まっています。すべてが焼かれ、写真1枚残っていない。昔の記憶も残っていない。戦争を二度と起こさないために、何か役に立てることはないか。そんなときに映画と出合い、それをこれまでずっとやってきました》と。僕は会場で聞いていて“こんなに喋る人だったんだ”と驚かされました。監督というのは好き放題、やりたい放題。それを勝手にやらせてくれたのは、プロデューサーである妻であったと、そのとき気づかされた。そしていまでは、娘の千茱萸、彼女の夫と一緒に、家族で映画を作っている。これは幸せなことです」大林さんの家族もまた、映画を愛し、そして何より新しい映画に挑戦し続ける大林さんを愛していた。そんな家族について語る大林さんの表情は、いつも優しかった。「女性自身」2020年5月5日号 掲載
2020年04月23日4月10日(金)、82歳で死去した大林宣彦監督を追悼する特別企画として、日本テレビ系では4月18日(土)、大林監督がメガホンを取り原田知世主演で筒井康隆の人気SFファンタジー小説を映画化した『時をかける少女』を放送する。『HOUSE ハウス』で商業映画初監督、80年代には本作とともに『転校生』『さびしんぼう』の3作が“尾道三部作”として多くの観客をとりこにしたほか、92年には『青春デンデケデケデケ』で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。近年は『この空の花-長岡花火物語』『野のなななのか』、第72回毎日映画コンクール日本映画大賞をはじめ数々の映画賞を受賞した『花筐/HANAGATAMI』といった作品を世に送り出し、精力的な活動を続けてきたが、16年にがんが発覚。『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の製作に向けて闘病を続けていた矢先、82歳の生涯に幕を下ろした大林監督。大林監督を世に知らしめた“尾道三部作”の1作でもあり、監督が角川春樹とタッグを組んで世に送り出したアイドル映画の代表作ともいえるのが本作となる。昨年放送の「あなたの番です」も話題となった原田さんは本作で初の映画主演を務め、第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。興行成績も28億円の配給収入をあげて公開年の邦画第2位となるヒットを記録した。物語は、ある日の放課後の実験室でラベンダーの香りを嗅いで以来、時間を跳躍する能力を持ってしまった芳山和子(原田さん)が、同じ毎日を繰り返すなかで、同級生の深町一夫(高柳良一)と淡い想いを寄せるのだが、一夫には“秘密”があって…というもの。当時16歳の原田さんによるフレッシュな演技と、叙情溢れる尾道の風景。そして現在まで数多くの作品が作られる“ループもの”青春ストーリーの元祖ともいえる、時空を超えた切ないラブストーリー。その美しい映像と世界観はいまだに多くの人の心を惹きつけてやまない。『時をかける少女』は4月18日(土)13時30分~日本テレビでオンエア(関東ローカル)。(笠緒)
2020年04月18日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)塚本 晋也(映画監督・俳優)大学生のころ、「『HOUSE/ハウス』という面白い映画があるぞ!」と自主映画仲間と映画談義に花を咲かせました。その後、大好きな『転校生』、『時をかける少女』(ラスト、倒れていた原田知世さんが立ち上がって歌い出す瞬間の驚きとときめき)など好きな映画はたくさんありますが、大林監督とお話するようになったのは、実は2015年に発表した『野火』以降になります。ですから大林監督を慕って行動を共にされていた監督さんたちとも違い、僕には雲の上の人のようにずっと遠くに感じられていました。学生のころうらやましく見ていた自主制作からプロデビューする監督さんたちの、さらにその先をいく存在だったのです。『野火』の上映で、全国のミニシアターからミニシアターへ行脚していたおり、大林監督の故郷にある映画館シネマ尾道で、僕の『野火』と大林監督の『野のなななのか』を上映し、対談をさせていただく大きな機会を得ました。大林監督は、そのすべての映画に戦争というテーマを隠し味としてこめていたと仰いましたが、3.11以降、『この空の花ー長岡花火物語』からははっきりと戦争がモチーフになっていき、その後『野のなななのか』、『花筐』へと続いてゆきます。対談の前に大きなスクリーンで観た『野のなななのか』は、戦争で亡くなった人たちと今この世で生きている自分たちが地続きに感じられる優しい目線で描かれている作品でした。全編が繰り返し歌われる詩のようで、感情が揺さぶられ続けました。そしてこの連作で、年齢や病をものともせず、作品はますますパワフルに溢れ出したのです。対談ではたくさんの大切なことをお話しくださいましたが、衝撃だったのは、大林監督は「僕(大林監督)は戦後の監督で、塚本君は戦前の監督」という視点。また、正義という概念は時代によって変わるので、必要なのは自分を俯瞰してみる正気の目線だ-。という教え。残念ながら自分たち人間は、状況によっては悪魔に変身することができる生き物だと知ってしまったので、そういう状況を作り出さないようひとりひとりが正気の目を持ち続けることが最も大切という思いに至りました。また『斬、』という新作の上映と舞台挨拶でやはりシネマ尾道にうかがったとき、大林監督が新作を撮影されているということを知り陣中見舞いにうかがったこともあります。撮影中にお邪魔するのもいかがなものかとはばかられたのですが、そうっと覗かせてもらうことにしました。そのとき監督はだいぶ小さくなられていましたが、静かに、着実に撮影を進めていらっしゃいました。撮影現場にいることが一番の薬だったのでしょう。そして自分がひょっこり現れたことをたいへんに喜んでくださいました。その後高崎映画祭の授賞式でもご一緒できる機会があったのですが、セレモニーの間どこにいらっしゃるか分からなく、自分の登壇の直前、舞台袖に待機すると車椅子の方が目に入り、その瞬間も大林監督だとはすぐには思わず、通り過ぎて壇上に出てようやく監督だとわかったのです。舞台袖ですべての進行をご覧になっていたのです。しかし目にしても気づかないほど小さくなられていたのでした。僕もゲストを大勢連れていったものですからそのあと直接お話しする機会を逸してしまい、ずっと気になっていました。あのときシネマ尾道さんの計らいで撮影現場にうかがっておいて本当によかったです。しかし高崎映画祭の壇上に出た大林監督は、本当に病気なのかと思うほどしっかりとして、たくさんの貴重なお話をみなさんにしてくださいました。実は新作の『海辺の映画館―キネマの玉手箱』は、試写やDVDでなく、町の映画館で一観客として観させていただくのを楽しみにしていたので、初日を今かと今かと待っていたのですが、まさに公開予定日に旅立たれてしまいました。映画はお客さんに届いて完成するものと思っていらしたはずですので、そこまではがんばろうとされていたのではないでしょうか。コロナの終息が見えない中亡くなられてしまったと思うと、映画の感想をお届けできなかったことが悔やまれてなりません。亡くなられる数日前に、自分の名前も上げてくださり、「君たちが映画をつないで平和な世の中に・・・」と途切れ途切れお話しをしたという奥様の恭子さんのコメントを読みました。高崎でお話しできなくごめんなさい。やっぱりどんな形ででも新作を観てしまうべきだったといろいろ悔やみましたが、今となってはいかんともしようがありません。大林さんはずっと平和のことを考え、その思いを映画に込め、語っていらっしゃいました。『海辺の映画館―キネマの玉手箱』はとてつもなくパワフルな映画と各所から耳に入ってきます。もう少ししたら、最高の場所、映画館で堪能させていただきますからね、大林監督。ほんとうにありがとうございました。大林監督の遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』から (C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC塚本 晋也(つかもと・しんや)1960年東京生まれ。映画監督/俳優。日本大学芸術学部卒業後、『電柱小僧の冒険』(1987)でPFFグランプリを受賞。『鉄男』(1989)でローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞するなど、国際的な映画祭での評価も高く、ヴェネツィア国際映画祭では審査員も務めた。自作の『野火』(2015)、『斬、』(2018)や、マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙 -サイレンス-』(2016)などに、俳優としても出演している。
2020年04月16日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)川本 三郎(映画評論家/文芸評論家)大林宣彦さんは、大仰ではなく、ほとんど「奇跡」のような存在だったと思う。八十歳を過ぎ、癌と闘いながら最後まで映画を作り続け、遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』を作り上げたことも「奇跡」だし、なによりも映画人生の大半を「自由人」として映画を作り続けたことが「奇跡」だった。大林さんの世代の映画監督の大半は、映画会社に所属している。当時としては、それが当たり前だった。ところが大林さんは、まったく別のところから現われた。子供の頃から八ミリで映画を作り、映画少年がそのまま大きくなり、テレビのコマーシャルを多数作り、そして、映画を作るようになった。それまでの映画監督、あるいは同世代の映画監督が「撮影所育ち」だったのに対し、大林さんはあくまでも「自立」した「自前」の映画監督として映画を作り続けた。その意味で、映画史のなかの、いい意味での「突然変異」と言っていい。映画会社に属さないということは、経済的には大変だったと思うが、逆に、映画会社の枠にとらわれない自由な映画を作ることが出来た。「映像の魔術師」と呼ばれるほど、従来の映画文法にとらわれない想像力豊かな映画を作り続けることが出来たのは、大林さんが映画会社に所属しなかったことが大きいと思う。大林さんは、映画監督であると同時に「自由人」であり続けた。そこに敬服する。そして、あの優しい風貌に、この言葉は似合わないかもしれないが、偉大なる「一匹狼」だった。それを、奥さんの大林恭子さんや、娘さんの千茱萸(ちぐみ)さんが支え続けたのも素晴しい。矛盾した言い方になるかもしれないが、「家族に支えられた一匹狼」と言えばいいだろうか。「自由人」にふさわしく、大林さんの映画は、テーマよりもメッセージよりも、最初は何よりも、自由奔放なイメージの連続から作られた「奇妙なもの」として立ち現れた。従来の日本映画のこぢんまりした花鳥風月の世界とはまったく違う。アメリカン・アートのポップな感覚、テレビのコマーシャルのカラフルな喧騒には正直、最初はついていけなかった。2016年11月に、『キネマ旬報』の仕事で『花筐/HANAGATAMI』製作中の大林さんにインタビューをした時、「君は、最初の頃、僕の映画を批判していたよね」と言われて、思わず冷や汗をかいたものだった。大林さんの作品で最初に感動したのは、遅れていて、1984年の『廃市』だった。それまでの、にぎやかな世界と違って、福岡県の「柳河」という掘割の町、水の町を舞台にした静かな映画で、大林さんはこんな映画も作るのかと魅了された。福永武彦の原作も好きだったし、何よりも北原白秋が好きだったので、『廃市』を観たあと、すぐに「柳河」に旅した。のち、2012年に、北原白秋論『白秋望景』(新書館)を書いたのも、きっかけは大林さんの『廃市』だった。大林さんは声もよかった。あるところで『廃市』はナレーションの声がいいと書いた。あとで、その声は監督の大林さん自身の声だったと知って、恥かしくもあり、同時にうれしくもあった。かつて木下恵介監督は「作品のなかで必ず映画的実験をする」と言って、作品ごとにそれを試みたが、大林さんも新作ごとに「映画的実験」に挑んだ。ひとつ例を挙げれば2004年の『理由』だろうか。あの宮部みゆきの傑作を映画化する。普通の映画監督ならリアリズムの手法で事件を追っていただろう。ところが大林さんはそうはしなかった。テレビのワイドショーの手法を使った。それまでは映画では使ってはならないとされていた、俳優がまっすぐカメラを見るという禁じ手を逆手にとって、俳優たちがワイドショーのレポーターのように正面からカメラを見て事件を語る。この型破りの手法には驚いた。「自由人」だから出来る冒険だったろう。大林さんの「映画的実験」は近年の『花筐/HANAGATAMI』や『海辺の映画館-キネマの玉手箱』で如何なく発揮されている。どちらの作品も反戦のメッセージが強く打ち出されているが、決してありきたりのリアリズムの枠にはおさまっていない。具象画の世界に突然、抽象画が現われたような新鮮な驚きがある。故郷である尾道を舞台にした尾道三部作をはじめ、小樽、長岡、臼杵、唐津など地方を舞台にした作品を作り続けたことも、東京一極集中の時代にあって意味が大きい。中心に対して、周縁からの抵抗の思いもあっただろう。大林さんの反骨精神を感じる。『廃市〈HDニューマスター版〉』発売・販売:キングレコードKIXF-4286/¥2,500+税 KIBF-4533/¥1,900+税川本 三郎(かわもと・さぶろう)1944年東京生まれ。映画評論家/文芸評論家。「週刊朝日」「朝日ジャーナル」の記者として活躍後、文芸・映画の評論、翻訳、エッセイなどの執筆活動を続けている。91年『大正幻影』でサントリー学芸賞、2012年『白秋望景』で伊藤整文学賞などを文芸著作で各賞受賞。1970年前後の実体験を描いた著書『マイ・バック・ページ』は、2011年に妻夫木聡と松山ケンイチ主演で映画化もされた。
2020年04月15日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)植草 信和(元キネマ旬報編集長)大林さんと最後にお会いしたのは2018年の春だった。クランクイン直前に下された〈余命三ヵ月宣告〉を撥ね返して完成させた『花筐/HANAGATAMI』公開が前年の2017年12月だから、『海辺の映画館―キネマの玉手箱』準備中だった。ぴあアプリ「私のクリエイター人生」の取材で、3回に亘って6時間ほどインタビューさせていただいた。場所はご自身のプロダクション〈PSC〉の仕事場兼応接間。恭子夫人に伴われて現れた監督は病魔との戦いに疲れた様子だったが、インタビューを始めるとそれまでの痛々しさを微塵も感じさせないほど饒舌になり、尾道時代の幼年期からの「映画人生」を語ってくれた。個々の作品評価は紙幅の都合で別の機会に譲るとして、大林さんが我々に遺してくれた最大の遺産は何だったのだろうか、と真剣に思う。それを一言で表せば、「後進への映画の道を切り拓いた」ということに尽きる。映画監督への道はそれまで、撮影所の門をくぐった者しか開かれていなかった。だが彼は、CMディレクターであり自主映画の監督に過ぎなかったにも関わらず、『HOUSE /ハウス』で東宝という大メジャーから監督デビューを果たした。しかも興行的にも大成功を収め、一躍時の人、人気監督になった。大林さんの出現は、日本映画史に「大林以前・大林以後」と特筆大書してもいいほど燦然と輝く新たな一ページを加えた。日本映画界が低迷していた中でのその鮮烈な監督デビューは、大森一樹や原田眞人、是枝裕和、岩井俊二という現在の日本映画を牽引する監督たちを登場させる端緒になったといっていい。その他、犬童一心、塚本晋也、手塚眞、今関あきよしなどの大林チルドレンと言われる監督たちも生まれ、その幹から育った監督たちも多くいる。3.11東日本大震災からは「反戦」を刻印する映画を4本作った大林監督、文字通り遺書になった著書『最後の講義/映画とは“フィロソフィー”』の終章は、「映画では、平和を引き寄せられます。本当にそれができるんだから。頼むよ、みんな」という一文で結ばれている。その一文から、手塚治虫が「漫画と少年」の懸け橋になったように、大林さんは「映画と青年」の懸け橋になったのだ、と思える。大島渚、かわなかのぶひろ、ほしのあきら、松田政男、松本俊夫ら審査員各氏がそろったPFF審査中の貴重なショット。手前左端サングラスが大林監督。写真提供:PFF植草 信和(うえくさ・のぶかず)1949年、千葉県市川市生まれ。フリー編集者。キネマ旬報社に入社し、1991年に同誌編集長。退社後2006年、映画製作・配給会社「太秦株式会社」設立。現在は非常勤顧問。ぴあアプリ「私のクリエイター人生」で、大林宣彦監督のインタビュー&構成を担当。
2020年04月12日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)中川 右介(作家)最初に大林宣彦監督にお会いしたのは、スマートフォンの記録を見ると、2013年10月29日。当時の私は「関西ウォーカー」誌に、後に『角川映画 1976-1986』(角川文庫)となる記事を連載しており、角川春樹時代の角川映画で最も多く撮った大林監督に、時間をとっていただき、『時をかける少女』などの角川映画時代を語っていただいた。実はその時点まで、どういう本にするか明確な設計図ができていなかったのだが、このインタビューで、「角川春樹と大林宣彦の距離感のある盟友関係」を隠れた主題にするアイデアを思いついた。そのインタビューの際、同行していたカメラマンが「写真のチェックをしますか」ときくと、「それはあなたの仕事でしょう。僕の映画なら、もちろんチェックするけれど、あなたの写真なのだから、あなたが最もいいと思う写真を使いなさい」との答えで、かっこいいなあと思った。そこに、プロとしての矜持を感じた。監督の好きな言葉で言えば、「フィロソフィー」を。その矜持の本質をもっと知りたくなり、『大林宣彦の体験的仕事術』(PHP新書)という本を企画し、私がインタビューをして構成することになった。原稿に大林監督が手を加え、さらに私が手を入れと、何度も原稿のやりとりがあった。組版してからも大変だった。この本を手にしてていただければ分かるが、一行も余白がない。たとえば、校正刷りで、あるページに2行余白が生じると、大林監督は2行足して埋めていく。映画には余白はない。始まったら最後まで1秒も空白がない。その感覚で、作られた本だった。カメラマンが撮った写真はその人の作品だから口出ししないが、本での自分の発言は自分の作品だから、一字一句までこだわる。そのすさまじさ。一緒に映画を作ることはなかったけれど、この本を作ったことで、プロとしての大林宣彦の仕事の流儀、作法に接することができた。生涯の思い出だ。インタビューの後は、いつも成城学園前駅近くで食事をした。ある晩、店から出てくると、駅周辺にいる人たちが夜空を見上げていた。「なんだろう」と私たちも見上げたが、とくに変わったものは見えない。私はぼんやりと見上げていただけだったが、大林監督は、見上げている人たちのそばへ行き、「何が見えるんですか」ときいた。すごい好奇心だ。「月食です、いま見えなくなったところ」との答えに、「見えないわけだ。見そこなったのは、ツキがなかった」と大笑い。「大林宣彦のダジャレ」のひとつだ。新宿で食事をしたときも、「西武新宿線で帰ります」と言うと、すかさず「ほう、西武線か。セイブ戦線異状なしだといいね」と返された。ダジャレの天才だった。これからも、大林映画は何度でも見ることができるけど、あのダジャレはもうきけない。映画『HOUSE/ハウス』のチラシ中川 右介(なかがわ・ゆうすけ)1960年東京生まれ。出版社アルファベータを創立。クラシック、映画、文学者の評伝を出版。現在は文筆業。『大林宣彦の体験的仕事術』(PHP新書)など、映画、歌舞伎、ポップスに関する著書多数。近著に『手塚治虫とトキワ荘』(集英社)など。
2020年04月12日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)樋口 尚文(映画評論家、映画監督)1977年、東宝のスクリーンに『HOUSE/ハウス』という作品が「乱入」してきた時のインパクトは、当時の若い観客にとってとんでもないものだった。その頃はビデオなどないから、封切りの後は、私のように名画座で何度も観まくる中毒患者が多発した。この作品は言わば邦画らしからぬモダンなタッチで描かれた美少女ホラーだったのだが、中毒まで行った観客はそんな設定やストーリーのうわべに痺れていたのではない。ぼくらを虜にしたのは、特異な画と音で埋め尽くされた映画の行間にたちのぼるフィルムの手ざわり、フィルムの生理のようなものであり、そこに弾けては消える(少女の思春のときの儚さのような)抒情、リリシズムを感じて甘美な疼痛を覚えていた。自然主義的な文学性で語ってきた日本映画の歴史のなかで、フィルムを愛玩しつくした先に降るフィルムそのものの抒情を領分とする作品などあり得なかった。正確に言えば、邦画五社の商業映画でなければ、それは存在した。『HOUSE』のひと昔まえに大林が発表した16mm作品『EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ』を筆頭とする個人映画の諸作である。『いつか見たドラキュラ』は全国の大学祭で上映しないところはないくらいの人気を博したが、それはまさにフィルムの生理で語った画期的な大林調が若者たちを揺さぶった結果であった。『HOUSE』の凄さは、これらの個人映画が発散していた濃厚なフィルムの抒情が、手かげんなく東宝の夏休みアイドル映画に越境していた、ということだ。この「越境」の原点は、それを遡ること二十年前、大林青年が8mmカメラで映画を撮り出した頃にすでに明らかだ。すなわち大林は戦時中の子ども時代から熱狂的な映画ファンであったものの、8mmで作り出したのはフィルムの手ざわり、生理をもって自分ならではの「詩」をうたう習作だった。以来、大林はテレビコマーシャルの売れっ子演出家である時も、16mmのアンダーグラウンド映画の作家である時も、35mmの商業映画の監督をまかせられた時も、全く変わらずに大林の専売特許であるフィルム的抒情をもって作品づくりに傾注した。だから、厳密に言うと『いつか見たドラキュラ』時代の作風が『HOUSE』に越境したというよりも、大林は常に変わらず「私人=詩人」として自分だけのフィルムの「詩」をうたってきた、ということだろう。それは近年のデジタル長篇時代になっても変わらないどころか、より旗幟鮮明に(身体は病み疲れても)情熱的なフィルム語りにのめっていった。そして作家はつねに「私性」に生き、自分だけの「詩」をうたうべし、という大林の実践的な教えは、大林も審査員をつとめていたPFF(ぴあフィルムフェスティバル)出身者をはじめとする「大林チルドレン」の監督たちに継承されていった。だが、あの『時をかける少女』などをはじめとする口あたりのよいジュブナイルの紙背にひそむ、フィルムそのものの匿名の抒情の戦慄は、なまなかな追随を許さぬ「導師」ならではの境地であろう。畏怖とともに、合掌。新文芸坐で開催された「大林宣彦映画祭2017」のチラシ樋口 尚文(ひぐち・なおふみ)1962年生まれ。映画評論家、映画監督。著書に『大島渚のすべて』『黒澤明の映画術』『実相寺昭雄 才気の伽藍『映画のキャッチコピー学』ほか。監督作に『インターミッション』。新作『葬式の名人』がDVD・配信リリース。2017年、新文芸坐での「大林宣彦映画祭」を企画。2019年、大林監督の研究本『フィルムメーカーズ20 大林宣彦』(宮帯出版社)を責任編集。
2020年04月12日映画監督の大林宣彦さんが4月10日、肺がんのため亡くなった。82歳だった。大林さんにゆかりのある俳優たちからは、追悼の言葉が上がっている。83年の主演作「時をかける少女」で映画デビューを果たした原田知世(52)は《大林宣彦監督 在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします》とTwitterに投稿。また各メディアによると82年の「転校生」で主演の1人を演じた小林聡美(54)は「大林監督は私の根っこであり、お日様でした」「心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントしたという。16年8月、映画「花筐/HANAGATAMI」の撮影前日に肺がんだと判明した大林さん。ステージ4だと診断され、2日後には余命3カ月と宣告された。しかし、奇跡的に復活を果たした。17年9月、本誌で大林さんは余命宣告に対して「自分でも不思議なほどネガティブな気持ちはいっさいなかった」と告白。そして「それはやはり、伝えなければいけないメッセージがあるから。命懸けで撮らなければならない映画があるからなんです」と語っていた。身を賭して撮り続けたのは、同作で戦争を描いたためだ。映画を通して、反戦を伝えてきた大林さん。そこには黒澤明さん(享年88)に託された願いがあったという。黒沢さんはある日、こう話した。「大林くん、人間というのは本当に愚かなものだ。いまだに戦争もやめられない。けれども、人間はなぜか映画というものもつくったんだな。映画には必ず世界を戦争から救う、世界を平和に導く、美しさと力があるんだ」「きみが無理だったら、きみの子どもが、さらにはきみの孫たちが、少しずつ俺の先の映画を撮り続けてほしい。そのときにはきっと、映画の力で世界から戦争がなくなるぞ」大林さんは「これが“世界のクロサワ”から託された、遺言なんです」と語っていた。そんな大林さんが亡くなった4月10日は、新型コロナウイルスの影響がなければ新作「海辺の映画館-キネマの玉手箱-」が公開される日だった。同作も戦争をモチーフにした映画だ。18年12月、再び本誌の取材に応じた大林さんは闘病生活について「がんとは共存共生」と表現。そして「地球からしたら、戦争をやめられない人間こそが、がんだっていうことですよ」「勝つためだけに国に殺され、たくさんの人々が不幸になる」として、同作についてこう語っていた。「現代の若者たちが幕末日本や第二次世界大戦中の中国戦線、原爆投下直前の広島にタイムスリップします。現象だけを見ると、戦意高揚の映画に思われるかもしれない。勝って喜んでいるシーンもある。自分でも笑えない幕間喜劇という難しい作品に手を出したな、と思っています」さらに「僕は、“あと30本映画を撮る”と言っているんです。未来のことはわからないけど、そのつもりでいないと生きていることにならないと思っているんです」と、これからについても意気込んでいた。最期まで映画に人生を捧げてきた大林さん。黒沢さんの願いを自身が引き継いだように、次は大林さんの思いを別の誰かが繋いでいくだろう。
2020年04月11日タレントの早見優が11日、オフィシャルブログを更新し、肺がんで前日に亡くなった映画作家・大林宣彦さん(享年82)を偲んだ。早見は、「私が初めてミュージカルに出演したのは、アメリカで大ヒットした映画『グリース』の舞台版でした。1988年。大学を卒業し、アイドル活動も少し落ち着いてきた頃でした」と大林さんとの思い出を回顧。「事務所からはもうレコードも売れる年齢ではないので、もう少し幅広くお芝居などに挑戦するようにと、話がありました。大好きな歌が歌えないのか、、、と落ち込んでいた時に、ミュージカルのお話をいただいたのです。それが『グリース』でした。演出は大林宣彦監督」そして、「舞台が初めての私には、セリフ、踊り、歌を全部こなすのにとても大変な思いをした事を覚えています」と懐かしむ早見。大林さんはそんな早見に対して、どんな時も優しい笑顔で「大丈夫だよ。絶対できるから」と励ましてくれたそうで、「サンデイのソロ曲の、“Hopelessly Devoted to you”を、一度英語で歌ってみなさい、と指示があり、英語で歌ってみたら、サンデイの気持ちがとても分かりやすくて、その気持ちで日本語で歌ってみて、と演出してくださった事があります」と振り返った。「昨年30年ぶりにグリースの出演者のみんなと集まりました。その時に監督に会いたいね、とみんなで話していました」と感慨深げな早見。「優しい笑顔の大林監督」と思い浮かべ、「心よりご冥福をお祈りいたします」と追悼している。
2020年04月11日『カメラを止めるな!』(17)などで知られる上田慎一郎監督が11日、ツイッターを通じ、肺がんで前日に亡くなった映画作家・大林宣彦さん(享年82)を偲んだ。上田監督は、「『ハウス』を観て映画ってこんなに自由なのかと衝撃を受けた」と大林監督が手掛けた同作に触れ、「カメ止めを観て頂いた時はぎっしり手書きの感想を書いて送って下さった」と感謝。「初めてお会いした時は『いいパジャマを着なさい。妻にだけ見せるお洒落だからね』という言葉をもらった」と金言を振り返り、「大林宣彦監督。唯一無二の方でした。ご冥福をお祈りします」と追悼した。また、「コロナでの延期がなければ今日4月10日は大林監督の最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』公開初日だった。今日の夕方、『長岡花火大会が中止になった』というニュースを見て、嗚呼、と大林監督の顔がよぎっていた」と感慨深げな上田監督。「なんだろう。色々と考えてしまう」と心境をつづっている。
2020年04月11日原田知世主演『時をかける少女』などの“尾道三部作”をはじめ、数々の名作を世に贈りだしてきた映画作家・大林宣彦監督が、肺がんのため4月10日(金)に82歳で死去。この日は、最新作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の公開予定日だったが、新型コロナウィルスの影響により映画館が休館し、公開延期となっていた。1938年、広島県尾道市生まれ。3歳のときに自宅の納戸で見つけた“活動写真機”と戯れるうちに映画をつくり始めたという。テレビCM草創期にはチャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用したCMを製作、その作品数は3,000 本を超える。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。自身の古里・尾道を舞台にした『転校生』(’82)、『時をかけ る少女』(’83)、『さびしんぼう』(’85)は“尾道三部作”と称され、世代を超え親しまれ、現在も新世代のクリエイターへ大きな影響を与えつづけている。近年には“大林的戦争三部作”と呼ばれる『この空の花-長岡花火物語』(’11)、『野のなななのか』(’14)、『花筐/HANAGATAMI』(’17)を発表。特に『花筐/HANAGATAMI』は第72回毎日映画コンクール日本映画大賞、第33回高崎映画祭特別大賞など様々な賞を受賞し、第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画ベスト・テン第2位に選ばれ、監督賞を受賞した。また、2004年春の紫綬褒章受章、 2009年秋の旭日小綬章受章。2019年には令和初の文化功労者にも選ばれていた。肺がんと診断され、余命の宣告を受けたのは、2016年8月。転移を繰り返すがんと闘いながら、みずからの命を削って、平和をたぐり寄せる映画を完成させた大林監督渾身の最新作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』は、新型コロナウイルスの影響により映画館が休館し、公開延期となっていた。その公開予定日だった4月10日(金)19時23分、東京都世田谷区の自宅にて息を引き取った大林監督。葬儀・告別式は、家族葬(密葬)を執り行い、後日、お別れの会を予定。喪主は、妻で映画プロデューサーの、大林恭子氏が務める。『時をかける少女』でデビューした原田さんは「在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします」とTwitterに思いを綴り、また、『青春デンデケデケデケ』に出演した浅野忠信も「ありがとうございました一緒に映画を撮った日々を忘れません」とTwitterを更新。岩井俊二監督は「ちょっとすぐには受け止められない。 エネルギッシュな新作にコメントを書かせて頂いたばかりでした」とまだ信じられないといった様子で、「訃報を聞いて呆然としている」と綴った行定勲監督は「恩師を失ってしまったような気持ちだ。この時、拙作『遠くの空に消えた』を『僕が撮ったらあんな爽やな風のような映画にならない』と気に入ってくださった」と2ショット写真をアップするなど、出演者や映画関係者、映画ファンから悲しみの声が相次いでいる。『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』は近日公開。(text:cinemacafe.net)
2020年04月11日