子どもが小学校高学年になってくると、多くの親が直面する子どものスマートフォン(以下、スマホ)問題。友達がスマホを持ち始め、おねだりされるものの、親としては心配な面もありますよね。子ども2人をもつhanaさんも、そのなかの一人。子どもがいつスマホデビューをしたか、ルールづくりやリスク回避の方法、家計への影響はどうかなど、hanaさんの場合を紹介してもらいましょう。■ スマホデビューはいつ?「〇〇ちゃんはスマホを買ってもらったって」「うちはいつ買ってくれるの?」という子どもの声を幾度となく聞いていました。そして筆者宅の子どもは、小学校卒業を控えた2月の終わりにスマホデビューをしました。学校やメディアから漏れ聞こえてくるのは、スマホ絡みのトラブルです。塾の保護者会では先生が「現在の敵はスマホです」と仰っていて、スマホを子どもに持たせるのは憂鬱でしかありませんでした。しかし今の時代に生きている以上、遅かれ早かれ持たせることになります。腹をくくり、ルールを決めて持たせることにしたのです。■ 所有者をはっきり示したうえでルールづくりmits / PIXTA(ピクスタ)ルールづくりの大前提となったのは「あなたが使うスマホは親からの貸与である」ということ。所有者は親であることをハッキリ示し、目に余る行動が見られたときは、すぐに契約を解除することを伝えました。その上で・自室には持ち込まない・22時以降に使う場合は許可を取る・親に見られて恥ずかしいと思うようなやり取りはしないという大枠のルーづくりをしました。ロック解除のパスワードもあえて筆者と同じパスワードを使うことにし、いつでも親が見ること、親の所有物を借りている意識を持つように仕向けました。スマホでのやり取りはとても便利ではあるけれど、一歩間違うとお友達を傷つけたり、お友達を失ってしまう恐れがあることを何度も言い聞かせているため、幸い今のところ大きなトラブルには遭っていません。■ Googleファミリーリンクで使いすぎを防止Googleファミリーリンクは、子どもの端末がアンドロイドであれば利用可能なアプリです。例えば子どもがゲームなど新たなアプリをダウンロードしたいときには、親の端末に連絡が入り、許可しないとダウンロードができないようになっています。ライン等の使用時間を親の端末で確認できたり、今何処にいるのかが分かる機能もついていたりと非常に便利なアプリです。ここで使用時間を確認して、使いすぎのときには声を掛けるようにしています。■ 家計への影響はどのくらい?親のスマホでは格安SIMを使用し、子どもは大手キャリアのキッズ携帯電話を利用していたのでキッズ携帯を解約し、格安SIMを新たに契約しました。新規契約の特典で端末料金が割り引かれたため端末代はかからず、通信費のみが請求されています。そのため大幅にアップすることなく、キッズ携帯とほぼ変わらない料金で子どものスマホを用意することができました。子どもはまだスマホを使い始めたばかり。これからさまざまな問題に直面するかもしれませんが、その都度対処できたらと考えています。
2019年11月05日親になって強くなったこと…いくつかありますが、1番の変化はコレ!■独身時代は考えられなかった変化…え、当たり前ですか?いやでもこれ私にとっては大きい変化なのです!というのも、子どもが産まれるまでは…こんな調子で、とにかく睡眠を最優先に生きてきました。とにかく眠いし寝たい! ロングローーーングスリーパー!そんな私が出産!となると…■出産後、寝不足でつらかった私…そして今はそう、寝たいときに寝られなくなり、慢性的に寝不足。イチコが昼夜の区別がつくまでは本っっっ当につらかったです。子どもが産まれてから1番つらい時期だったと言っても過言ではない…!さて、そんな私ですが、子どもが産まれて5年たった今となっては…深夜でも早朝でも、サッと起きれるようになりました。起きれるだけじゃない、起きた瞬間からエンジンフル回転!本当に強くなったなぁ私…!まあそれと引き換えに、身体が弱った気がしなくもないですけどね…!ほんと睡眠、大事です…。
2019年11月04日私が子どもの頃、親のしつけはそれなりに厳しかったような気がします。小学校のうちは、子どもだけで買い食いはダメ、休日は友だちと遊ぶのではなく家族と過ごす、夜10時には寝る、無駄なものは買わない、サンタさんは5000円以下(笑)…。わりと「ダメなものはダメ!」と言う親でした。さて、そんな親ですが、孫が産まれると…。■厳しかった親だったのに…「あまぁぁぁぁーーーい!」小沢さんかよ。他にも100均でなんか買ったり、セールで「かわいい」という理由で服買ったり…。なんか私のときとだいぶ違う。そしてそんな母に対して、上の子が小さいときは、「甘やかさないで!」と思っていました。ただ、上の子が5歳になった今…。■ママの建前を立て、子どもの気持ちを満たしてくれる親子どもが5歳になり、適当…もとい程良く力が抜けたので、こういう対応がありがたくなりました!そして元々あまり小さい子が得意ではない父は…めちゃめちゃかわいがってくれてます!ありがたや…!孫が産まれて、甘くなったばぁばとじぃじ。そして、子どもが産まれて、親への感謝の気持ちがどんどん大きくなる私。これからも楽しい時間を一緒に過ごせたらいいなぁと思います!
2019年10月28日創造力は、大人になってもとても大切なもの。でも、大人になって自由に創造力を羽ばたかせるためには、子どもの頃から創造力を育んでおくことが重要です。子どもは誰でも、無限の創造力を持って生まれます。しかし、親の接し方によって、せっかくの創造力がつぶされてしまうことも…。今回は、心理カウンセラーの筆者が、子どもの創造力をつぶしてしまう親の特徴や行動について紹介します。特徴1「子どもの自由裁量を許さない」あなたは日常の中で、子どもにどれくらいの頻度で「ダメ!」と言っていますか?大人が「ダメ!」と言うことの中には、よく考えると特段ダメでもないことがたくさん含まれています。例えば、子どもがお絵かきをしている時、太陽を描くのに青いクレヨンを用いたとします。あなたなら、どうコメントしますか?ママが「太陽を青で書いたりしちゃダメでしょ。赤か黄色じゃない?」とコメントすれば、子どもは「太陽って、赤とか黄色なのだ」と覚えるかもしれませんが、反面、青い太陽を楽しむ創造力は失われてしまうでしょう。こんな時はできれば「わあ、太陽が青いの?サファイアみたいですてきだね!」と、子どもの創造力に乗っかりたいものです。ほめられた子どもは、喜んでさらに創造力を働かせるようになるでしょう。特徴2「遊び方を限定する」おもちゃに限らずモノは基本的に、使い方が決まっていることが多いですね。例えばブロックは組み立てて遊ぶものですし、新聞は読むものです。ただし、子どもの創造力を伸ばしたい場合は、「モノの使い道」という枠を取り外すことが重要です。子どもの世界では、例えばブロックはただ組み立てるものに留まらないことが多いようです。時にそれはおままごとの食べ物になったり、サッカーボールのように蹴って遊んだりするかもしれません。こんな時、「ブロックは組み立てるものでしょ?おままごとをするなら、おままごとセットを使ってね」なんて言ってしまうのは、子どもの創造力を奪うことにつながります。特徴3「部屋をいつもきれいにしておく」「きれいな部屋で、すっきりと暮らしたい!」そんなふうに思っていませんか?実は、部屋をいつもきれいにしておくことで、子どもの創造力を奪ってしまうことがあります。子どもは、そこにあるもので創造力を働かせ、工作したり、あれをこうしたらどうなるだろう…と試したりして、創造力をどんどん伸ばしていきます。つまり、そこにモノがあるから伸びる、とも言えるわけですね。おもちゃでも何でも、いつもすぐに大人が片づけてしまうきれいな部屋には、モノが少なく、その分、創造の余地が少ないという見方をすることができます。もちろんいつも散らかっているのは理想ではありませんが、寝る前に片づける、食事の前に片づける、この部屋は昼間なら片づけなくてもよい…などのルールづくりを行い、子どもにある程度、モノを自由に使わせる工夫をするとよいでしょう。創造するとは、常識を疑うこと創造するということは、常識を疑うことでもあります。大人になってもこれは同じで、突出した何かを行っている人は、決して型枠の中にはまって安穏としていることがありません。大人になってこれができるようになるかどうかは、子どもの頃に、自由に創造力を羽ばたかせることを認められたかどうかにかかっているのです。当たり前を教えることは簡単です。でも、子どもの創造力を伸ばしたいなら、当たり前ではないという理由だけで否定をしないこと。当たり前ではないことを否定する親こそが、子どもの創造力をつぶしてしまうのです。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2019年10月15日最近、寝起きに子どもたちがよく言うセリフがあります。■子どもが毎朝言うセリフは本当!?そう、よく言うセリフは「のどいたい!」のどあめほしさに言うんです…。ほんとかよ。ただあげちゃうのにも理由があって…。■子どもが言っているのはウソ? ホント?そう、本当に喉が痛いかもしれないので、ついあげちゃうんです…!だって本当に痛いんやとしたら、軽症のうちに何かしら対処しておきたい!完全に子どもたちは味をしめてますが、まああめ1個やし、これで朝がご機嫌に過ごせるならいっか…。ちなみにのどあめと言いつつ、普通のあめをあげちゃっています。のどにひっかからない小さいサイズのもの。健康体の子どもが毎日食べても支障がなさそうなものにして、飲み込まないように注意深く見守っています。これが本当に喉風邪の予防になっていますように!そう願いながら、子どもたちにのどあめを与える毎日です…。※この体験記は、あくまでも筆者の体験談であり、治療を保証したりするものではありません。※飴など喉に詰まりやすい食品については、窒息のおそれがありますので十分注意してください。
2019年10月14日3歳になり、お手伝いをしたがるようになってきたハル。ただ子どものお手伝いは、親の仕事が増える&よけいに時間がかかることが多く、せがまれる度に「親の度量が試されている!」と感じてしまいます。今回は、思い切って彼を信じてみることにしたのですが…。■うれしいけど、親は大変な面もお手伝いって、「してもらうほうがむしろ大変!」ということがとても多いです。子どもの成長のためにも、お手伝いをさせてあげられる心の余裕を持ちたいいものです…。■大泣きされ…息子の料理デビューお手伝いの申し出を一度は断ったものの、かなり泣かれてしまい、彼に小麦粉をつけてもらうことにしました。■苦手なお肉も自分で作るとおいしいねお手伝いボーイとほめちぎりガール! 少し心配はあるものの、良いコンビになってくれそうで、うれしくなった母でした。
2019年10月02日イチコの幼稚園で、先日お泊まり保育がありました!イベント好きなイチコですが、お泊まり保育は様子が違って…。■はじめてのお泊まり保育。娘の様子は…とにかく寝るときは「おかあさんがいないとダメ!」なイチコ。お泊まり保育も、どんなに私が盛り上げても「やだなぁ…」とテンション低め。まあ初めてのことやもんね。そうなるわな。お泊まり保育が近づくにつれ、先生が遊びの内容や特別な体験を紹介したり、お泊まり保育の班分けをしたりと盛り上げてくれると…。やっぱり私抜きで寝るのが不安なようです…。「先生いるよ」「友だちいるよ」と言っても、「疲れてすぐ寝ちゃうよ!」と言ってもダメ。毎晩寝る前にメソメソしてました。■お泊まり保育当日、不安げな娘だったのが…さて、そんなこんなでお泊まり保育当日。幼稚園に着いたら、私にべったりで離れないイチコ。泣いてはいませんが不安な表情。そこへ…。バスの登場とともに、うれしそうな表情に!友だちとも手をつなぎ、記念撮影もニッコニコでポーズもばっちり、意気揚々とバスに乗り込み出発しました。バス、すごい…!そして翌日。帰ってきたイチコはというと…。めちゃめちゃ楽しんだようです!そして肝心の寝るときは…とのこと。よかったよかった!宿泊先であったいろんな遊びも教えてくれて、作ったものも誇らしげに見せてくれて、心から楽しんでいた様子。ひと安心です。お泊まり保育、親と離れて一晩過ごした経験はイチコを大きくしてくれた…かどうかはわかりませんが、楽しい思い出になったことは間違いなし!そして私はイチコがいないことにしんみり…はせず、ちょっと…いや、かなり羽を伸ばしました。笑手がかかるのが2人と1人じゃ、こんなに違うのね!とはいえやっぱりイチコがいてのわが家なんですけどね。賑やかさもおもしさも全然違うし、二太郎もうれしそう!(しょっちゅうケンカするけど!)以上、イチコのお泊まり保育話でした〜!
2019年09月16日次男が幼稚園のころ、近くの公園でよく出会っていた兄弟(イラストはイメージです)のお話です。…家もお母さんも知っているのですが…お兄ちゃんは友達との遊びに夢中で下の子から目を離していて危ない…!と思うことが何度かありました。大人が子どもの危険を知らせにきたらママさんも出てくるようになるかな~と思ったのですが、そのママさんのびのびした環境で育ったらしく、上の子が下の子を見るのは当たり前というお考えで…私たちの住んでる地域は都心部近くなので子どもだけで遊ぶには注意が必要です。小学生は公園でゲームをしている子も多いです。理想は歳の違う子もよその子もみんなで体動かして遊べたらいいのですが、現実はそんな環境ではありません。子育ては自分の経験を当てはめて考えがちですが、現状をきちんと把握して臨機応変に対応しないと本当に危ないのにな~と…私も「いつもいるわけではないので」と言ってはみたものの、その後もそのママさんが出てくることはほとんどなく状況は変わりませんでした。ですが、幸いお子さんたちは大きな事故もなく成長してくれましたが、万が一を考えるとぞっとします。また、今年の夏も…ヒヤリとしたことがありました事件か事故かと思いました(汗)年齢は幼稚園か小学校低学年か判断つきにくいくらいの小さい子。ザリガニ採りに1人できていて届かないのでこんなポーズになっていたようです。しかしこの用水路は柵も無いし、落ちたらこの子くらいでは一人で這い上がることは無理な深さでした。人通りも少なく助けを呼べたとしても運が良くなければ…。それに子どもは20cmも水深があれば溺れる可能性があるようで水の事故は一瞬で大きな事故になります。子どもは頭が重いし本当に怖いです。おうちの人はどうしてたのかわかりませんが、なにかあってからでは遅いです。私のような考え方は、そういうママさんからしたら過保護な親ということになってしまうのかもしれませんが…過干渉にならないように注意しながらも、子どもの命を守ることに関してはしっかりと考えたほうがいいと思っています。危険を感じてるのに放っておけるはずもなく、早く終わらせる方向でお手伝いしてしまいました。毎日のことだからずっと見ているわけにいかないのもわかっています。有名な「子育て四訓」をたまに思い出しつつ(1)乳児はしっかり肌を離すな(2)幼児は肌を離せ手を離すな(3)少年は手を離せ目を離すな(4)青年は目を離せ心を離すな子どもが何をしてるのか、したいのかを知ったり、よく話合ったりすることで危険回避し、事故など「あの時気をつけていたら…」が減るといいなと心から願っています!
2019年09月10日『ヘリコプターペアレント』という言葉、ご存じでしょうか?「モンスターペアレント」や「毒親」ほど広く知れわたってはいないものの、小さな子どもを育てる親にとって、決して人ごとではない問題をはらんでいるのです。今回は、真剣に子どもと向き合う親であれば、だれもがその予備軍となりうる『ヘリコプターペアレント』についてお伝えします。子どもの成功を無意識に阻む “ヘリコプターペアレント” の恐ろしさヘリコプターペアレントとは?まるでヘリコプターがホバリングをしているように、親が子どもの頭上で旋回し、目を光らせている様子から名づけられた “過保護かつ過干渉な親” の総称。わが子が失敗しないように上空で見張り続け、困難に遭遇しようものなら、すぐさま飛んでいって助ける親のことを指す。アメリカなどでは社会問題にもなっている。 親であれば、わが子を心配する気持ちは充分理解できます。程度の差こそあれ、誰もが子どもの幸せや成功を願って手助けをしてあげたいと思うもの。では、『ヘリコプターペアレント』は、いったい何が問題なのでしょうか?心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんによると、「過保護は “わが子への愛情ゆえ” と好意的にとらえていた時期もありますが、最近のアメリカの研究では、その傾向が否定されつつあるといいます」とのこと。研究の結果わかったことは、次の通りです。1. 親としての温かみがないうえに過保護だと、子どもはのちのち、自己否定感に悩み、問題行動のリスクも高まる。2. 親としての温かみを保った過保護の場合、1のケースと比べれば確率は減るが、自己否定感や問題行動のリスクはなおも残る。つまり「いくら愛情あふれる温かい接し方をしていても、決して過保護による悪影響がなくなるわけではない」らしいのです。結論として、子どもへの “愛情ゆえに” 過保護が容認されていた時代は、確実に変わりつつあるのだといえます。ヘリコプターペアレントに育てられた子どもたちの将来ワシントンポスト紙によれば、「ヘリコプターペアレントに育てられた大学生は、うつの割合が高い」と報告されています(2013年)。そこには「過剰な親の干渉は、子どもの自主性と能力の発達を阻害する。そのため、ヘリコプターペアレントは依存を促し、保護的な管理なしに仕事を完遂する能力を阻害する」とも書かれています。その理由として、「過保護に育った子どもは、喪失や失敗、さらに失望といった、誰の人生でも避けられない状況に対処する方法を、まったく学ぶことがない」ということが挙げられています。失敗から学ぶ教訓や、ひとりで問題を解決する力、試行錯誤しながら周囲とコミュニケーションを図る努力など、どれも生きていくうえで必要不可欠です。これらの力が身についていない若者にとって、社会の厳しさは相当なものなのではないでしょうか。子どもをすべての困難や失敗から遠ざけて、傷つかないように守るヘリコプターペアレントの過剰な愛情は、じつは子どもが成長するきっかけや将来の成功の機会を奪っているのです。また、ヘリコプターペアレントはわが子の人生や経験の多くを決めてしまうので、その子どもは圧倒的に『決断する機会』が減ります。決断力が欠如した状態で育つと、自分のことなのに何も決められないまま生きていかなければなりません。さらに、幼少期に失敗を重ねなかったことから、“完璧な自分” しか認められない、自分を好きになれない、などのネガティブな価値観形成や精神的な不安定さを引き起こす可能性も出てくるといわれています。誰もがヘリコプターペアレント予備軍!?「うちは子どもを甘やかしてしないし、厳しくしているから大丈夫」と自信があっても、安心はできません。「どんな親でもヘリコプターペアレントになる可能性がある」と述べるのは、『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)の著者・立石美津子さん。ヘリコプターペアレントになりやすい人には、次のような特徴が見られるそうです。1. 完璧主義子どもに対して “理想の子ども像” を求めるだけでなく、自分自身にも “理想の母親・父親像” を追い求めてしまうのが特徴です。それがやがて、「子どもの評価=自分自身に対する評価」となり、子どもの失敗を自分の失敗としてとらえてしまうのです。その結果、失敗する前に手や口を出すようになります。2. 気が利きすぎるよく気が利いて察しがいい人も要注意です。子どもが何も言わないのに「のど乾いたんじゃない?」と、しょっちゅう声をかけていませんか?子どもの自主的な行動よりも前に「あれやったの?」「忘れ物は?」など、四六時中注意喚起するのは明らかに過干渉です。3. せっかちなんでも早く、合理的に終わらせてしまいたいタイプもヘリコプターペアレント予備軍だといえるでしょう。確かに、あれこれと指示を出してその通りに行動させれば、無駄を省き最短でゴールにたどり着くことができます。しかし、結果として子どもは自分でSOSを出せなくなり、指示待ち人間になってしまうのです。共通しているのは、子どもの失敗の機会を奪っているということ。自分で考えて、自発的に行動した結果、成功の喜びも失敗の悔しさも身体で覚えることができます。そのような体験の機会を奪うことは、子どもが大きく飛躍するきっかけを失うことにもつながるのです。適切な距離感は子どもが知っているヘリコプターペアレントの危険性は理解できたとしても、「それでもつい過保護になってしまう……」「放任になるわけにもいかないし、どの程度子どもを手助けすればいいかわからない」と、悩んでしまいますよね。前出の佐藤さんは、親が過保護になる背景に「子どもにイヤな思いをさせたくない」という親心があるのなら、「子どもが持つ “負の感情” を恐れないことが大事」だといいます。「イヤだな」という気持ちは子どもの成長に不可欠です。それを自ら乗り越える力をつけさせることのほうが、その場限りの「イヤなことからの回避」よりも、何倍も子どものためになると思いませんか?では、親子として適切な距離感はどれくらいなのでしょうか。佐藤さんは、「基本的には、子どもが “適切な距離” を知っています」といいます。たとえば、公園で親と離れた場所で友だちと遊ぶような子でも、転んだり嫌なことあったりすると、すぐに親のところに飛んできますよね。つまり状況に応じて子どもが示した距離が、その子の心の状態に合った距離感というわけです。親はあれこれ考えずに、子どもが求めている距離に応じて見守ってあげるといいでしょう。もし普段の親子の会話の中で、子どもの発言に「ママ、これどう思う?」「パパが決めて」などが多いようであれば注意が必要。できるだけ子どもが自分の行動に主体性を持つようにはたらきかけましょう。何気ない日々の会話にも、「あなたはどう思う?」という質問を盛り込むように心がけるといいですね。子どもの自立をサポートするのが親の役目幼児教室を経営していた立石さんは、次のような光景が印象に残っているそう。ある子がハンカチを忘れたので、「忘れ物をしないようにね」と保育士が注意すると、「だってママが入れてくれなかったんだもん!」と親のせいにしたそうです。帰宅後、子どもは「ママ、どうしてハンカチ入れてくれなかったの?」と親を責め、母親は「ごめんね、ママが入れ忘れちゃって……」と子どもに謝ったそう。そして次回、また忘れたときには母親が保育園に慌てて飛んできて届けたといいます。「子どものために」と親が起こしたこの行動は、子どもにどんな影響を及ぼすのでしょうか?結果的に、“自分のものを自分で準備する習慣がいつまでもつかない” “忘れ物をしても人のせいにして、自分のことを反省しない” 人間に成長してしまいますよね。そして、なにかにつけて「親がなんとかしてくれる」と考える子どもは、忘れ物をしても親が届けてくれると思っているので、忘れ物に注意しなくなります。そして先生や友だちに、「鉛筆を忘れたので今日1日貸してください」といった簡単なSOSすら出せなくなってしまうのです。困っているときに、自分から他者への助けを求めるのは自立への一歩です。子育ての最終目標が「子どもの自立」だとしたら、ヘリコプターペアレントはそれを阻むことにより、永遠に子育てをし続けなければならないでしょう。幼児期に失敗したり、困ったりする経験を積ませて、自分で考えて決断して行動する力をつけることは、成長後の自立をスムーズに促します。子どもを心配する気持ち、大切に思う気持ちは誰もが持っているものですが、行きすぎた干渉は百害あって一利なしだと覚えておきましょう。***自分では気づきにくい「過保護・過干渉」。お子さんの様子をよく観察して、「自分で何にも決められないようだ」「すぐに人のせいにしているように見える」と感じたら、親子関係の距離感を見直すチャンスです。(参考)Yahoo!ニュース|子どもの自立を奪う“ヘリコプターペアレンツ”その驚きのエピソードとはAll About|ヘリコプターペアレントとは?親の過保護が仇になるHUFFPOST|「ヘリコプターペアレント」とは?行きづらい子どもに育つ親の存在excite ニュース|「ヘリコプターペアレント」になりやすい親の特徴サイゾーウーマン|厄介な「ヘリコプターペアレント」の実態と対策ーー何も決められない子どもが育つ!?excite ニュース|過保護・過干渉の「ヘリコプターペアレント育児」子どもへの影響は…?
2019年09月06日子ども同士のやりとり、口を出したことある?あんふぁんWebの「どっちだポン!」コーナーで「子ども同士のやりとり、口を出したことある?」と聞いたとこ65.6%が「ある」と回答。そのときの状況とママの気持ちを紹介します。つい口出ししてしまう■ 気の弱い息子は、公園の砂場で自分のスコップやバケツを奪われることが多い。しばらくは様子を見ているけれど、あまりにも返してもらえないと、つい間に入って取り返してしまう私…。本人に頑張ってほしいとは思いつつ。(はるまきさん/36歳)■ 2歳の娘が砂場遊びをしていたら、ほかの子どもに意地悪なことを言われていることがあった。しばらくは娘の反応見ていたけど、うまく遊べず「仲良く遊ぼうね、ちょっと貸してね」と言った。 やっぱり自分の子どもが一番かわいいから。最近は3歳間近になって、自分から話しかけるようになり遊び上手になって、あまり口出ししないようになった。(カシューナッツさん/40歳)■ 息子が公園のブランコに並んでいると、一番前に並んでいる子を押しのけて、ブランコに乗っている子がいることに気づきました。 最初は黙って見ていましたが、あまりに何度も繰り返すので、その子も含めてブランコに並んでいる子ども全員に声掛けしました。 子どもだけで解決できなさそうだと判断したら口を出しています。(ゆさらさん/38歳)■ 息子の年長クラスのリーダー的な女の子は、なぜかいつも自分のお気に入りを数人決めて、ほかの子をハブろうとする。そして、なぜかその子に気に入られようと奮闘する息子(涙)。不憫でついつい「みんなで遊ぼうねー」「●●(息子)も入れてー」と入り込んで仲を取り持とうとしてしまう…。よくないと思いながら。 (めこりんさん/30歳)■ わが家でテレビゲームをするとき、ゲームの順番を決めるときにもめて決まらないときについつい口出してしまう。(かっちさん/33歳)■ 小学校2年生の息子、トラブルになることが多くて…。(母です。さん/52歳)■ できるだけ自分たちで解決してほしいと見守るようにしていますが、明らかにイジワルな振る舞いや相手が悲しむ言動があったときは、その場で話をするようにしています。わが子にもほかの子にも同様に!(らなさん/39歳)■ しばらく様子見て..見守りますが、どちらかが泣き出したら口を出しますね。子ども同士でラチが明かない状態と判断して。相手の親の手前…というのもありますが、相手の子を責める(叱る)ような言い方はしないよう気を遣いますね。でも中には「わが子は悪くない。〇〇ちゃんがそー言うからうちの子もそー言うの!」って。いやいやいやいや。お宅のお子さんの方が先ですけど!と心の中で。(よちままさん/37歳)■ 未就学のうちは仲裁しますね。小1になった上の子はケンカしながらもうまく友達づき合いしているようなので、そっちは口出ししません。(ゲストさん)■ 危ない所までは止めないし、口を出さない。 明らかに危険が伴う事や人として言ってはいけない事「死ね」とか「消えろ」とか。そういう事を言い始めたら口出しします。(うーこさん/37歳)ないしないようにしている■ 時と場合によりますかね。 とりあえず様子見ます。あまりにもエスカレートしそうであれば、さとします。 独り言のようにボソッと、あの言い方好きじゃないんだよなぁ~っとか。(はるはるさん/35歳)■ 今のところガマン(笑)しています。お迎えに行った時や公園遊びの時、ちょっとわんぱくなお友達に叩かれたり押されたりするのを見ることがあり、口を出したいのですが、仲が悪いというわけではなさそうなので、見守り中。モヤモヤすることはあるんですが…。(ねるねるさん/34歳)投票期間/2019年8月22日〜9月4日<あんふぁんWeb編集部>
2019年09月05日子どもには大きく世界に羽ばたくような人間になってほしい――。子どもを持つ親なら、どこかでそんな期待をするかもしれません。そんなスケールが大きな人間になるには、いま、どんなスキルを身につけるべきなのでしょうか。過去にはアメリカの大手銀行で全米営業成績1位となり、現在はグローバルスタンダードを獲得するリーダー人材育成のための教育機関・PYD JAPANの代表である酒井レオさんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)脳全体をバランス良く鍛えるSTEAM教育わたしが代表を務めるPYD JAPANでは、「STEAM教育」を推し進めることにも注力しています。STEAM教育という言葉をはじめて耳にするという人に少しかいつまんで解説しましょう。そもそも、STEAM教育以前に「STEM教育」というものがあります。STEMは「Science, Technology, Engineering and Mathematics」の頭文字。つまり、STEM教育とは「科学、技術、工学、数学の教育」であり、ITやAIがどんどん身近になっているいま、とても重視されている教育です。でも、一見してわかると思いますが、どうにも分野が偏っていますよね?すべてが理系のロジカルな分野です。そこで、STEM教育に、まったく異なる分野の「Art(アート)」を取り入れたものが「STEAM教育」と呼ばれ、注目を集めているわけです。STEM教育にアートを取り入れると、どんなメリットがあるのでしょうか。それは、使う脳の偏りをなくすということです。ロジカルな分野のSTEMに使う脳は左脳、一方でアートに使う脳は右脳です。つまり、STEAM教育は脳全体をバランス良く鍛えることができる教育といえるのです。子どもになにかを学ばせるには親が一緒に体験するわたしたちが行っているSTEAM教育をテーマにしたセミナーやイベントで重視していることは「まず親にわかってもらう」ということ。STEAM教育とはどんなものなのか、その良さはどこにあるのか、親が理解してはじめて子どもに伝わるのです。小学生の算数の勉強なら、親も教えることができますよね?でも、子どもが中学生になって、算数から数学になると……。当時の記憶があいまいで、親は「もう子どもに教えることができない」と、急に塾に頼ったり、子どもに家庭教師をつけたりするケースが大半だと思われます。これをいまのSTEAM教育に置き換えてみましょう。たとえば、子どもにプログラミングを習わせるとします。おそらく、そのスキルを身につけているという親はごく少数のはずです。そのため、子どもをプログラミング教室に通わせるにも、どんな教室がいいのか、どんな先生がいいのかという判断基準を親は持っていません。であるのならば、親もそのプログラミング教育を実際に受けてみればいい。そうして、「これだったらわかりやすい」「簡単にプログラムを書けそう」と思えたなら、親も子どもを教室へ送り出しやすくなるはずです。プログラミングに限った話ではありませんが、子どもになにかを学ばせたいと思うのなら、親自身がまずは体験するべきなのです。実際にこのような考えから、PYD Japanでは今年の4月から、FLAP&PLAYという親世代や社会人向けのプログラム講座を開講しました。わたしが耳にしてびっくりしたのは、日本では大学生の就職活動に親がついていくケースもあるという話……。そうではなくて、自分ひとりでは外に向かって出ていけない、ものごとを決められない子どものときにこそ、親がついて行って一緒に体験してあげるべきです。「いますぐはじめる」から将来に余裕が生まれる先にSTEAM教育の一例としてプログラミングを挙げましたが、これからの時代に間違いなくもっとも重要な教育のひとつになるのがそのプログラミングです。というのも、これからいわゆるエリート層のトップに立つのは、エンジニアなどプログラミング技術を身につけた人間だからです。『Google』や『Apple』が世界のトップ企業になっていることを思えば、それはすでに現実になっていますよね。わたしのまわりでも、その潮流は見て取れます。わたしが生まれ育ったのはニューヨークのタイムズスクエア地区で、そこは基本的に裕福な人たちが住んでいるエリアです。じつは、少し前にわたしが35年間住んだ家を売りに出したのですが、購入を検討するために家を見に来る人たちはエンジニアばかりでした。わたしが子どもの頃というと、そのエリアに住んでいたのは、弁護士、医師に会計士といった職業の人たちでした。それだけ、いまはエンジニアの地位が上がっているということです。でも、プログラミングを学ぶ必要があるのは、エンジニアを目指す子どもだけではありません。これからは、あらゆる分野の仕事にAIやIT技術が取り込まれます。弁護士も医師も会計士も銀行員も、どんな職業に就く人間でも、一流になろうと思うのなら、プログラミングのスキルを身につける必要があるでしょう。それはもはや時代の潮流であり、避けられない道といえます。いい見本となる人がいます。それは、わたしの母です。母はファッションデザイナーなのですが、いまから15年前の50歳のときに突然プログラミングの勉強をはじめました。2年間ほど毎晩ひたすら勉強をして、いまはそれがしっかり仕事につながっています。時代の先になにが必要とされるのか――。自分を進化させていこうと必死に考えている人には、そういうものがしっかり見えているものなのです。「いますぐには必要ないものだから」「いまはなんとかなっているから」なんていっている場合ではありません。いまからはじめるからこそ、10年後、15年後の自分にある程度の余裕が生まれる――。そういうふうな発想を持って、子どもの教育について考えてほしいですね。『全米No.1バンカーが教える 世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』酒井レオ 著/アスコム(2019)■ 全米No.1バンカー・酒井レオさん インタビュー一覧第1回:「極端な話、英語力は必要ない!」我が子を“世界レベル”に育てるために本当に必要なもの第2回:子どもの教育に「いまはまだ必要ない」は禁句。「いますぐはじめる」のが成功への道!第3回:「数字にうるさい子ども」は将来明るい!全米No.1バンカーが教える“コスト意識”の育み方(※近日公開)【プロフィール】酒井レオ(さかい・れお)アメリカ・ニューヨーク出身。NPO法人Pursue Your Dream Foundation創業者。Advanced Millennium Consulting Inc.代表取締役。Little Monster Inc.共同経営者。ワシントン大学を卒業後、JPモルガンを経てコマース銀行にてマネージメント・デベロップメント・アソシエーツプログラム(MDA)を取得。管理職に就く。その後、バンク・オブ・アメリカに転職し、2007年に歴代最年少で全米営業成績1位となる。同年、アメリカンドリームをつかむために渡米するすべての人を応援するNPO法人Pursue Your Dream Foundation(PYD)を設立。2010年には日本にグローバルスタンダードを獲得するリーダー人材育成のための教育機関PYD JAPANを設立。2018年、ニューヨークを本拠地とする、最新テクノロジーを切り口に、教育支援、メディア運営、投資事業を通して若者を応援するLittle Monster Inc.の共同経営者として始動。著書に『全米No.1バンカーが教える 最強の気くばり』(サンマーク出版)、『NY式「超一流の営業」の基本』(朝日新聞出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年09月03日子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?いじめの被害者になったことがある 32.8%ない 29.8%わからない 20.6%両方ある 7.2%傍観者になったことがある 4.1%いじめの加害者になったことがある 3.4%その他 2.2%■幼稚園や学校で…いじめの実態全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループでうちの子をたたいているのを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『いじめられる方が悪い』とピシャリ」(滋賀県 40代女性)「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は1年生をいじめています。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性)「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそくいじめのターゲットにされてしまいました。最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。低学年でもいじめがあるという現実に驚がくしました」(三重県 40代女性)「娘が高校1年の時、部活でいじめにあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性)そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。心の傷は長期の戦い」とか、「子どもが『悪口ノート』を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまでいじめの低年齢化が進んでいるのかと驚きです。また、いじめの連鎖やいじめの後も続く心のケアについて訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。■いじめと遊びの境目とはいじめ問題の難しいところは、何をもって「いじめ」とするかというところ。コメントでも、その難しさについての悩みの声が寄せられていました。「いじめといじりは紙一重。長男はすごく体が小さかったので、担いで女子トイレや更衣室に投げ込まれたりして、先生からは『いじられキャラです』と説明されました。しかし家では、『つらい』と泣いてました」(大阪府 40代女性)「小3の息子が、よく消しゴムを粉々にされたり、鉛筆を折られたり、ノートや筆箱に落書きされたりして帰ってきます。相手はふざけてやっているのか、いじめや嫌がらせの分類なのか、難しいところ」(福島県 30代女性)「いじめまで発展してはいませんが、小3の息子がちょくちょく同じ子からちょっかいをかけられているみたいです」(岩手県 30代女性)「いじられキャラ」や「嫌がらせ」、「ちょっかい」などというキーワードからは、「いじめ」との明確な違いを見つけることの難しさを実感させられます。また、している方とされている方との間に、意識の違いが生じている場合もありそうで、「いじめ」の判定が簡単ではないことがよくわかります。■勇気ある行動に出る子どもたち親たちから寄せられたエピソードのなかには、いじめをみずから解決したり、仲裁したりという子どもたちの勇気ある行動がいくつも集まっていました。「中2の息子は平和主義で、いわゆる『いじめ』を嫌います。性格的にも、男女を問わず嫌がらせを受けている友人を無視することができず、『やめとけ!』と言えるような子です。親としては、『ターゲットが息子に向けられるのでは?』と心配もしましたが、『放っておけばいいから! オレは大丈夫!』と、強く逞しい内心を聞き安堵(あんど)しました」(広島県 40代女性)「いじめられている子、いじめている子、分け隔てなく仲良くしていたら 『あいつと仲良くするんだったら仲間はずれにする』と言われた。無視されたりしながら、それでも『どんな子でも差別したくない』と、どちらとも変わらず接することをやめなかった」(北海道 30代女性)「小学生のときに、『1つ解決しても、また違う子からいじめにあう』と言ってきたことがありました。その場で相手に、『なんでそんなことするのか聞いてみなさい』と言ったら、娘はそのとおりに加害者の子に直接聞いてこれまで解決してきました。いまでは、誰かがいじめていたら『そんなことはしちゃいけない!』と言える子になりました」(茨城県 30代女性)大人でもなかなかできないような勇気ある行動の数々に、子どもたちの持つ力の大きさを感じます。ただいじめの仲裁に入ることでみずからが標的になってしまうこともあるため、親としてはどのように伝えればいいのか、本当に実行して大丈夫なのか悩みどころではあります。でも子どもたちが勇気を持ってみずから起こした勇気ある行動には称賛を送ってあげたいですよね。■加害者がわずか「3.4%」に疑問の声もアンケートによると、「いじめの加害者になったことがある」のはわずか3.4%。いじめは1対多数となることが多いことが考えられ、本来は被害者の数よりも多くなるはず。この結果からはどのようなことが読み解けるのでしょうか。「被害者率が高いが、加害者側はただ知らないだけなんじゃないかって思うほど、子どもの世界を親は知らないものです」(滋賀県 30代女性)「加害者が少ないことにビックリ。わが子が学校でどうなのか、親子での話し合いをしてる家庭が少ないのかなって感じました」(茨城県 40代女性)「加害者にも被害者にもなってもらいたくないし、いままでもいじめはないとは思う。でも本当に『ない』とは言いきれない。他人がさ細なことだと感じるようなことでも当事者が『いじめ』だと受け止めれば、それは『いじめ』。『ない』と自信を持って答えている方々、大丈夫ですか?」(神奈川県 40代女性)たしかに、被害者だけではなく、子どもが「いじめの加害者になっている」ことにも、親としては気づきにくい現状があるかもしれません。アンケートでも「わからない」と答えた人が2割以上いることから、子どもたちのなかで、どのようなやり取りがあったのか、どんな関係性なのか、すべてを把握するのは至難の業です。筆者の小学1年生の長男も、最近友だちと帰宅中にもう一人の友だちを走って置き去りにしてきたことがありました。本人が帰宅後、「逃げてきた!」とうれしそうに言ってきたことで発覚。親同士も仲が良かったのですぐに謝罪して事なきを得ましたが、悪気のなかった長男の態度に驚き、反省させられました。その後、あらためて「なぜしてはいけないのか」「されたらどんな気持ちになるか」について、親子で話し合い、長男自身も涙目になって反省しましたが、「いじめの加害者」と相手には映った可能性もあった出来事でした。こうしたことは日常で頻繁に起こっているのかもしれません。そうだとすると、だれもがいじめの被害者にも加害者にもなりえるといえそうです。ではそんなとき、親としてはどのようなことができるのでしょうか。■子どもが加害者にならないためにいじめの加害者にどうしてなってしまうのでしょうか?「家では良い子の親こそ、学校ではおとなしい下級生に対して弱い者いじめをしているのに、『わが子は優等生だ』と思っている気がする。圧力を親からかけられてる子どもは外で弱い者に圧力をかけるのでは? ある意味子どもも犠牲者」(三重県 40代女性)「いじめをしてしまう子は、家庭で精神的な問題があるのだと思う。発見した場合は、いじめる側の子の心の問題も見つけてあげないと、ずっと変わらないのではないかと思います」(三重県 30代女性)たとえば家庭や習い事、そして学校などで、別の問題を抱え、そのストレスによっていじめを始めてしまう…、コメントにもあるように、こういったストレスなどがいじめる側が抱えている可能性はあるかもしれません。でもだからと言って、いじめはけっして許される行為ではありません。ただ家庭の対応が無力だとも思いたくない。もし家庭でそのストレスを少しでも受け止められれば、いじめの加害者が一人でも減らせるのではないか? そう信じたいものです。それでは、そのとき親は子どもにどのようなメッセージを伝えればいいのでしょうか。「『やられたらやり返せ』という教育はダメだと思う。人にやられて嫌だったことは誰かに対してもやっちゃいけないと教えるべき。我慢できないストレスを受けたら、やり返す以外の対処法を教えるべき」(千葉県 30代女性)「相手が嫌だと思ったらその相手にはそれをしないことを心がけることだと思います。言葉や行動で誰しも相手を陥れることがあることを、大人も子どももしっかり認識すべきだと思います」(神奈川県 30代女性)「どんな場合でも、大勢対一人は卑怯(ひきょう)。大勢で一人をいじめるのは絶対あってはならないことだと、親は厳しく教えていかなきゃいけないと思います」(佐賀県 40代女性)たしかに、「相手が嫌がること」を想像できたなら、「相手が嫌がることをしない」と子どもたちが立ち止まって考えられるかもしれません。さらに、あたり前のことではありますが、「大勢対一人」という構図は絶対にダメだということを伝え続けることも重要なポイントになりそうです。■子どもをいじめの被害者にさせない最後に、子どもがいじめの被害者にならないためにすべきこと、また、いじめの被害者になってしまったら親としてどう対処すればいいか、考えてみたいと思います。●子どもの出すSOSを見逃さない「いじめの被害者になったとき、子どもの目に覇気を感じなかったので問いかけました。自分から言えない子どもが多いので、『わが子は大丈夫』じゃなく、基本的に信じるべきですが、疑うべきでもあります」(徳島県 40代男性)「何でも話しやすいように小言はぐっと我慢して、子どもの学校の話を聞いてます。子どもも自分からいじめの話をしたくないんですよね。ふさぎ込んでたり、変なテンションだったりしないか、いつも気にかけます」(東京都 40代女性)●子どもに寄り添い守ってあげる「いじめまでとは言わないけれど、仲良くしていた子とギクシャクしていた。大切にしていたお友だちだったので、メンタルが心配でしたが、できるだけ寄り添って話を聞いてあげました」(岩手県 40代女性)「息子が幼稚園の頃、毎日のように意地悪されていた。幼稚園も学校も、先生がいるとは言え、大人の目が届きにくい子どもたちだけの社会。自分の子どもの声を拾い、子どもを守るのは自分しかいないのだと親は認識すべきでしょうね」(東京都 50代女性)●子どもを見守る「息子が一度いじめられてると話してきました。びっくりしましたが、本人は『自分で解決する!』と勇気ある一言。息子には『どうしてもうまくいかないときは相談してね』と伝えました。今では人の気持ちをくみとれる優しい息子になっています」(石川県 40代女性)●相手や学校に相談して連携する「深刻なからかいではなくふざけ合いの延長みたいな感じでしたが、どうしても許せないことは、話を聞いた上で相手の子に話をしました。学校の先生には恵まれたので、よく相談もして、学校、家庭、本人の連携で問題は乗り切っていたと思います」(山梨県 50代女性)●学校をやめることも視野に入れる「いじめられている友だちを助けて娘が標的に。下駄箱の上履きに画びょう、クラスに机がない、物がなくなるなど散々でした…。その後、学校を転校しました」(千葉県 50代女性)ここまで、子どものいじめについて、加害者、被害者どちらにもならないための方法について考えてきました。最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。「いじめに関わらない人間なんていないと思うんです。見て見ぬふりもいじめだと思います。いじめられてつらい思いをしても、今度はいじめる側。大人になってもいじめはなくなりません。もっと相手を思いやる気持ちを持たないといけないですよね」(福島県 40代女性)「いじめがニュースになる度に、子どもに『あなたはどう?』といじめについての話し合いをして『傍観者になるな』って言っています」(茨城県 40代女性)もしかしたら、「傍観者になる」人たちが一番多いのかもしれませんね。いじめられるのが怖くて、見て見ぬふりをしてしまうということは、親の私たちにも身に覚えがある人は多いでしょう。いじめていた子が、次の日にはいじめられる側になるかもしれない。どんなときにも、「相手を思いやる気持ち」が必要だと感じます。「あなたは大切な存在」と親が子どもに伝え、子ども自身もそう思えたら、自分のことも相手のことも大切にしていこうという気持ちが芽生えるのかもしれません。そのことだけは、できる限り親から子どもに、言葉だけではなく行動でも示していきたいなと思います。「大人になってもいじめはある」というコメントも多く目にしました。実際に、いじめ問題は子どものものだけでなく、大人間でも問題となることがたびたびあります。親である自分たちが、お手本となれるように、相手に思いやりを持ち、普段から「いじめは絶対にしてはいけないことだ」と行動で示していきたいものですね。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?アンケート回答数:5222件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年09月01日わが子と一緒にいると、「やっぱり親である自分と価値観が似ているな」と感じる瞬間はありませんか?物の見方、感じ方、考え方など、子どもと自分に通じる部分を感じ取ると、どこか嬉しく、誇らしいような気持ちになる人も多いはず。しかし一方で、無意識のうちに親の価値観をそのまま子どもに押し付けてしまう危険性も知られています。親と子どもは別の人格であり、違う価値観を持っていて当たり前なのに、自分とわが子を同一視してしまうのです。今回は、価値観の押し付けによって子どもに何が起こるのか、詳しく解説していきます。子どもの価値観を決める親の価値観まだ自己が確立されていない小さい子どもでも、それぞれに個性があり、意見をぶつけ合って喧嘩をしたり、同調して共感し合ったりする様子を目にします。ふとその子の親を見ると、子どもの価値観形成に大きな影響を与えていることが見て取れるのではないでしょうか。アドラー心理学で知られる精神科医アルフレッド・アドラー氏によると、両親が持っている価値観を『家族価値』と呼ぶそう。家族価値とは、家族の理想であり目標です。たとえば「学歴が第一」「将来成功することが大事」「男は男らしく、女は女らしく」など、夫婦間でよく話題にのぼるようなことを指します。子どもは、この『家族価値』を無視することができません。面と向かって言い聞かせなくても、家族の会話の中で感じ取り、無意識のうちにその価値観に影響を受けてしまうのです。そして多くの場合、子どもは全面服従して家族価値をそのまま自分の価値として取り込みます。もしくは、その逆に全面反抗するケースも多いそう。まじめで厳しい親に反発して非行に走ったり、落ちこぼれたりするのは、その典型であると言えるでしょう。親の価値観を押し付けると子どもはどうなる?筑波大学附属小学校副校長の田中博史先生は、自分の価値観を子どもに押し付ける親は、「どんなに小さくても、子どもはすでに『自分で考える生き物』だと認識できていない」傾向があるといいます。特に母親は、「自分から産まれた子なのだから」という理由から、自分と子どもを一心同体のように感じてしまいがち。しかし、親と子は別人格であり、子どもは子どもなりに少しずつ自己を形成していくのです。また、教育評論家の石田勝紀氏は、「子どもにこうなってもらいたい」と強く願う親が、その価値観や思考の枠からはみ出た子どもに対して “強制的に戻させようとする” ことに苦言を呈しています。広い意味での社会道徳や倫理観というものは確かにありますが、それが親の水準になると狭い意味での社会道徳、倫理観となり、極めて柔軟性の欠ける親主導型の「親の価値観押し付けモデル」となることが少なくありません。親と子では得意とする部分も異なり、才能も異なり、価値観も異なるのです。(引用元:東洋経済ONLINE|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」「押し付け」を変えるための「6つの提案」)それなのに、何をするにも「こうしたほうがいいんじゃない?」「お母さん(お父さん)の言う通りにしたら失敗しないから」と、親の思い通りに誘導したり、決断の機会を奪ったりする生活を送っていると、どのような人間になってしまうのでしょうか。石田氏は、ほかの人に決めてもらうほうが楽な時間をたくさん過ごしていた子どもは、自分で決めないですぐにほかの誰かを頼るようになる、といいます。親はよかれと思ってあれこれと手出し口出しをしても、それは結果的に子どもの判断力や決断力を奪い、大人になってからも誰かに頼って生きていくようになってしまうのです。また、価値観を子どもに押し付けてしまう背景には、現代の余裕のない子育て環境も影響していると言われています。子育てに関する著書を多数執筆、カウンセラーとしても活躍中の高橋愛子先生は、「核家族化が進んだ現代は、親にゆとりがなく『子どもをきちんとしつけなくては』とプレッシャーを感じる人も多い」と述べています。お子さんが引きこもりやニートになってしまったご家庭では、子供の気持ちに耳を傾けず、「親の言うことは正しいのだから、その通りにしていればいいんだ」と命令しているケースがほとんどです。自分の気持ちを理解されずに生きてきた子供は鬱積した寂しさや悲しさを処理しきれなくなり、社会や家族ともコミュニケーションを断つのです。(引用元:プレジデントムック(2017),『プレジデントFamily 小学生からの知育大百科 2018完全保存版』, プレジデント社.)このように、親の価値観を押し付けることは、成長後の人間関係にも大きな影響を及ぼすということを忘れないようにしてください。親と子は違う人間だと認識する親と子の価値観の違いは理解できたものの、やっぱりどこか受け入れがたいと感じる親御さんも多いのではないでしょうか。前出の石田氏によると、その場合「親が考える『こうあるべき』や『ルール』をすべて撤廃し、子どもの良い点は何か、子どもが大切にしている価値観は何か、にフォーカスすることが唯一の方法」だそうです。“親目線” ではなく、“子ども目線” で。わが子をよく観察して、何をしているときにもっとも「ワクワク感」や「充実感」に満ちた顔をしているか、それを見つけてみましょう。そして、そこを入り口としてアプローチすることが秘訣です。また、子どもに話しかけるとき、「〜〜しなさい」といった指示・命令用語を頻繁に使っていませんか?こういった言葉は、子どもの「できていない部分」に意識が向いてしまうがゆえに口を突いてしまうものです。その結果、子どものネガティブな部分にばかり目がいくようになり、結局は悪循環を引き起こしてしまいます。不完全である子どもの足りない部分にばかり注目することは、ありのままのわが子を受け入れていないことと同じです。そもそも、親である自分自身も完璧とは言いがたいのではないでしょうか?親も子も、どちらも良い部分と未熟な部分を持ち合わせているという前提に立ってみると、子どもが「別の人格を持ったひとりの人間」であることに納得できるはずです。子どもの価値観形成を手助けするのはOK子どもの価値観を理解するためには、親から子どもに歩み寄り、いつもの言葉がけに少し変化を加えるといいでしょう。NPO法人 親子コミュニケーションラボ代表理事の天野ひかりさんは、「母親として、この子を “しつけなければ” というプレッシャーや脅迫観念から、時として直接的で短絡的な言葉を使ってしまう。子どもをきちんと育てたい、能力を伸ばしてあげたいという目標設定は正しいのに、言葉がけという手段を誤っている」パターンが多いといいます。それは子どもの自己肯定感を低下させることにもつながります。たとえば、お子さんがマンガばかり読んでいることを心配して、「マンガなんかよりも歴史の本を読みなさい!」と命令していませんか?これはNGです。天野さんはこの声かけに対して、「子どもに本を読む楽しさ、本で知識を得られることの喜びを知ってほしいはずなのに、子どもの読書欲を邪魔している」と指摘します。ここで大事なのは、『本来の目的』を明確にすることです。「その本いいね。おもしろそう」などと、子どもの読書欲を削がない言葉をかけてあげましょう。そのうえで、どうしても子どもに読んでほしい本があるなら、「自分が読むこと!」と天野さんは提案しています。親が興味を持って読んでいるものは子どもの心を惹きつけるので、まずは親がお手本を見せてあげるといいでしょう。親が「子どものために」といくら環境づくりに励んでも、子どもにとっては「何でも勝手に決められてしまう」としか映りません。前出の筑波大学附属小学校の田中先生は、「難しい本に焦って出会わせなくても、考える子に育つ環境づくりはもっと身近なところにある」といいます。まずは、日々のお手伝いやお出かけの準備といった小さなことなどから、子どもたちに「選ばせて」「決めさせる」ように心がけましょう。たとえばお出かけのとき、子どもの靴まですべてそろえていませんか?たまにはいじわるして、とってもいい天気なのに長靴を置いてみたりする。我が子がどのように動くか少し離れて観察してみると面白い。もしも、何も疑わず長靴をはいて天気のいい日にでかけていったとしたら、少し我が子への接し方を見つめ直した方がいいかもしれない。(引用元:現代ビジネス|わが子の「考える力」を奪う親たち、その意外過ぎる共通点)反対に、長靴を見た子どもが「どうして長靴なの?」と言ったり、外を見て「雨は降っていないよ」と言ったりするようなら、自分の頭で物事を考えているということ。このように、日常の中の小さな出来事をきっかけにして、「自分で考える力」を身につけることは可能です。その延長として、親の意見や価値観をそのまま鵜呑みにしない強い心が養われていくでしょう。***子どもが「親の言うことは絶対!」と信じ込むのはよくありません。自信を奪い、自立への妨げになってしまいます。わが子を心配するあまり、すぐに正解を出してしまったり、自分の思い通りになるように誘導したりすると、いずれ子ども自身が「選べない」「決められない」人間になってしまうかも。ここは一歩引いて、お子さんを信じて見守ってあげませんか?(参考)DIAMOND ONLINE|子どもの価値観を決めるのは「○○価値」である現代ビジネス|わが子の「考える力」を奪う親たち、その意外過ぎる共通点東洋経済ONLINE|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」「押し付け」を変えるための「6つの提案」プレジデントムック(2017),『プレジデントFamily 小学生からの知育大百科 2018完全保存版』, プレジデント社.LEE,2017年12月号,pp.202-205.
2019年08月31日親であれば、まずは子どもが健康であることを願うものです。全身運動である水泳は、それこそ体全体をバランス良く鍛えてくれるものですから、子どもをスイミングスクールに通わせている人も多いでしょう。せっかく通わせるのなら、体を鍛えるだけではなく、「もしものとき」に溺れないようにしっかり泳げるようになってほしいものです。でも、なかには子どもがなかなか上達しないことを不安に思っている人もいるかもしれません。そこで、アドバイスをお願いしたのは、運動が苦手な子どもを対象にした体育指導のプロフェッショナルである西薗一也さん。西薗さんは「スイミングスクールの指導には問題点もある」と語りますが……。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)スイミングスクールの規定が子どもの邪魔をしている?いま、スイミングは習い事のなかでいちばんの人気を誇ります。全身運動ということや、学校の体育の授業での狙いのように「もしものときに溺れないために」と親が考えていることもありますが、水のなかでフワフワと浮かぶことが脳の発達を促すといわれていることも大きく起因しているように思います。じつは、東大生が小学生のときにしていた習い事のナンバーワンがスイミングだというデータもあるのです。そういう背景もあって、いまはどこのスイミングスクールもキッズクラスは満員という状態です。ただ……すべてのスイミングスクールを非難するわけではありませんが、その指導には首を傾げるような部分も。なかなか上達しないという子どもの場合、1年経っても2年経っても25メートルを泳げないというケースも珍しくないからです。これには、スイミングスクールのシステムが大きくかかわっています。ひとつはインストラクターと子どもたちの人数の問題です。20人のクラスで60分のレッスンを受けるとしたら、ひとりの子どもがインストラクターから直接指導を受けられるのは単純計算でわずか3分です。それでは一人ひとりにいき届いた指導ができるはずもありません。ほかには、たとえば「バタ足のテストに合格しないと次の級に進めない」といったことも問題点として挙げられます。もしかしたら、その子どもは手で水をかくことはすごく得意かもしれません。でも、バタ足のテストで引っかかってしまうがために先に進めないということがあるのです。将来的にスイマーを目指すというならともかく、「25メートルを泳ぐ」ということが目標なら、どんなかたちであれプールの底に足をつかずに25メートルを泳ぎ切ることができればいいわけです。しかも、その目標をより早く達成できれば、それだけ子どもの自信にもなる。むしろ、スイミングスクールのシステム、規定が子どもたちの成長の邪魔をしているように感じることも多いのです。酸素を浪費させる「バタ足信仰」とNGの声かけ泳ぐ距離にもよりますが、きちんと息継ぎさえできれば水泳というものはそれほど苦しいものではありません。でも、たとえ息継ぎができる子どもでも、スイミングスクールでは多くの子どもたちが苦しんでいます。なぜかというと、先にも少し触れたバタ足に対するこだわりが強過ぎるからです。激しくバタ足をすれば、どんどん酸素を消費することになります。しかも、まだ体の使い方がうまくない子どもたちがバタ足をすると、どうしても膝が曲がり過ぎてしまう。すると、脚が沈んで頭が上がり、どんどん体が立ってきて前に進めなくなるのです。また、息継ぎと同時に膝が曲がってしまうので、体が一気に沈んでしまいます。加えて「もっと頑張れ!」というような声をかけて指導をしていたら、それも問題といえます。子どもたちは素直で必死ですから、「頑張れ!」といわれると「頑張らなきゃ!」と思う。つまり、その声かけが緊張を生むわけです。緊張すると、今度は脳でも酸素をどんどん消費することになる。バタ足でも脳でも酸素を浪費して、本来の能力でいえばもっと泳げるはずの子どもでも、その距離に達する前にギブアップしてしまうということになるのです。プールがない自宅でもできる水泳の練習法これらのことを踏まえると、まずは「バタ足信仰」ともいえる考え方を捨てる、それから子どもに「緊張させない」ことが大切になります。そもそも、クロールの推進力でいえば、手で水をかくことが7、バタ足が3くらいの割合です。つまり、推進力の弱いバタ足をがむしゃらに練習させるより、手による推進力をもっと増すために「上半身をできる限り伸ばす」練習をさせてあげるべきなのです。まずは、しっかり体を伸ばせば水の抵抗が減るということを感じさせてほしい。僕の場合、プールの壁から少し距離を置いたところに立ち、僕の胸に指先を突き刺すようなイメージで子どもに蹴伸びをさせます。その際、「槍のように」「ロケットのように」と子どもたちがイメージしやすい言葉をかけてあげれば、そのイメージに自分を重ねてしっかり体を伸ばすことができるようになります。最初からクロールをさせると「かく」イメージが強すぎて肘が曲がってしまいますので、まずは「指先を奥に伸ばそう」という意識が必要。そのために、槍やロケットをイメージして全身を伸ばそうという意識を持たせるのです。これに近い練習は家庭でもできます。むしろ、プールがないという環境を生かしましょう。うつ伏せで寝た状態でまっすぐに手と脚を伸ばし、蹴伸び姿勢をつくらせてみてください。そして、本人に客観視させるために、スマホやカメラで撮影して見せてあげるのです。水のなかではないからこそ撮影するのも簡単です。本人はしっかり体を伸ばしているつもりでも、そうできていないことが視覚的にわかれば、修正することができます。また、子どもに「緊張させない」ということでいえば、その逆に「安心させる」ことが大切。そのためには、子どもが少しでも頑張れたら褒めることを心がけましょう。ありがたいことに、水泳には距離というわかりやすい指標があります。泳げる距離が1メートルでも伸びれば「すごいじゃん!」と褒めることができるわけです。もちろん、細かいテクニックについてはここでは伝えきれませんが、もっとも重要となるのは、この「褒める」こと。先に触れたように、「もっと頑張れ!」「あとちょっとだよ!」といった言葉かけでは、子どもはプレッシャーを感じて緊張するだけです。そうではなく、いまできたことを「すごいぞ!」と褒めてあげてください。そうすれば、子どもは「これでいいんだ!」「自分はできる!」と安心して成長をしていくでしょう。『『うんどうの絵本 全4巻セット(ボールなげ・かけっこ・すいえい・なわとび)』』西薗一也 著/あかね書房(2015)■スポーツひろば代表・西薗一也さん インタビュー一覧第1回:運動神経は成功体験で伸びる!運動が「得意な子」と「苦手な子」の違い第2回:どんな運動も“細かく分解”できる。子どもの運動能力を高めるために親ができること第3回:「跳べた!」という強烈な体験が自己肯定感を押し上げる。“プロ直伝”縄跳び練習方法第4回:子どもが泳げるようになる魔法の言葉。酸素を浪費する「バタ足信仰」は捨てるべし【プロフィール】西薗一也(にしぞの・かずや)東京都出身。株式会社ボディアシスト取締役。スポーツひろば代表。一般社団法人子ども運動指導技能協会理事。日本体育大学卒業後、一般企業を経て家庭教師型体育指導のスポーツひろばを設立。運動が苦手な子どもを対象にした体育の家庭教師の事業をはじめとして、子ども専用の運動教室の開設や発達障害児向けの運動プログラムの開発など、新たな体育指導法の普及に幅広く取り組む。著書に『発達障害の子どものための体育の苦手を解決する本』(草思社)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年08月29日子どもが生まれると、保育園に始まり、学校や習い事など、数々の局面で親としての選択を迫られることがありますよね。そんなときに、「子どもの生き方」について思いを寄せることもあるかもしれません。子どもたちが歩む人生にはさまざまな選択肢が待ち受けていますが、そんなときに親としてはどのように関わればいいのでしょうか。子どもの生き方についてのアンケートをもとに、考えてみたいと思います。■「自分のような生き方をしてほしい」親はたった3割!?アンケートでは、子どもに自分のような生き方をしてもらいたいか聞きました。その結果、「すごくそう思う」、「そう思う」、「少しそう思う」と答えた人があわせて32.3%となり、その度合いに大小はあるものの「子どもに自分のような生き方をしてほしい」と思っている親は約3割にとどまることがわかりました。一方で、「思わない」という回答は65.5%となり、6割以上の親たちが「自分のような生き方をしてほしくない」とは考えているようです。Q.子どもには自分のような生き方をしてほしい?すごくそう思う 8.3%そう思う 6.1%少しそう思う 17.9%思わない 65.5%その他 2.2%■親の思い1、「諦めた夢、子どもにはかなえさせたい」それでは、まずは「自分のような生き方はしてほしくない」と考えている親たちの思いについて、掘り下げていきたいと思います。「私は学生時代、友だちとは自由に遊べない、夢を持つこと、何かをやり遂げることができない家庭環境だったので、娘には自分をしっかり持って生きていってほしいです」(鳥取県 40代女性)「幼少期に否定されて育ったため、かなりマイナス思考な自分のようにはなってほしくないです。わが子には『いーじゃん! やってみよー!』と言うように心掛けております」(愛知県 40代男性)「バブルに踊らされ、人生しくじりどん底見ているので、子どもたちには後悔しない人生を歩んでほしい」(三重県 50代女性)「私は、経済的に夢を諦めたので子どもたちには、自分の夢をかなえてほしいです。夢をかなえてあげられるように、自分もがんばろうと思います」(静岡県 40代女性)どのコメントからも、自らのつらい経験を思い返して、子どもにはできれば同じ思いはさせたくないと考える親の気持ちが伝わってきます。ほかにも、「自分のようにモラハラな男性とは結婚しないで」とか、「生活のためにいやいやしている仕事なので、子どもにはそんな仕事はさせたくない」などという切実な声も届いていました。家庭環境や経済状況、また結婚や仕事など、人生のさまざまな局面で、親自身も苦労してきた場合、どうしても子どもには同じつらさを経験させたくないと思ってしまいますよね。大事な存在だからこそ、守ってあげたいという親の思いが伝わってきます。■親の思い2、「子どもは自分のコピーじゃない!」また、子どもと親は別の人間だから同じ人生は歩めないという意見も多く寄せられていました。「子どもには自分とは違う可能性があるので、その可能性を少しでもサポートしていけたらと思う」(愛媛県 40代男性)「子どもは自分のコピーではない。性格や特性が違うから、自分に合った生き方をしてほしい」(千葉県 50代女性)「小3の長女に対して、義母も夫も『将来は○○になるのが一番!』など勝手に将来を決めてうるさく言うけど、娘の将来は娘のもの。親なんて二の次で良いと思う」(茨城県 30代女性)筆者は男子2人の母なのですが、長男は自分と性格がまったく違うため、何をするときも少し離れたところから応援してきました。しかし、次男とは性格がとても似ていて、失敗の予測がつきやすく、つい口出しをしてしまうことが多くなってしまいがちです。子どもが歩む人生を見据えつつ、どの程度のサポートをしてあげればいいのか、悩みは深まるばかりです。■親の思い3、「私以上の幸せに」なかには「自分よりもいい人生を送ってほしい」という願いを抱く親たちもいるようです。「生き方とか人生観とか難しい話はともかく、子どもには自分以上に幸せになってほしいと思うのが親心」(千葉県 40代女性)「『何となく』、その言葉がぴったりの私の人生でした。先を深く考えず決める事ばかりで、後悔しまくりです。同じ人生を歩んでほしくないので、いろんな知識や常識を子どもには教えています」(神奈川県 30代女性)「自分の今までを全部否定する訳ではありませんが、私の様にはなってほしくない。嫌なことも良いこともいろいろな経験をして、後悔のないような生き方をしてほしいと思います」(岩手県 40代女性)そのほかにも「しっかり勉強して、知識、社会性、専門性を身に付けて親を越えて行ってほしい」という声もありました。たしかに、親としては子どもにはいい人生を送ってほしいと思うものですよね。そして比較できるものではありませんが、自分が歩んだものよりもいい人生を送ってほしいと考えてしまうのは、あたり前なのかもしれません。■親の思い4、「自分を見て同じ道を歩いて」一方、「自分のような生き方をしてもらいたい」と考えている人たちは、どのような考えを持っているのでしょうか。「『後悔のないように前進あるのみ!』というのが私のポリシー。そんな姿を見て、同じ道を歩いてくれている娘です」(宮崎県 40代女性)「信頼できる最愛のパートナーと結ばれ、かわいい子宝に恵まれてほしい。温かい家庭と信頼関係、そこだけは、自分と同じような生き方になってほしいな」(宮城県 30代女性)「子どもの頃からなりたかった職業につき、やりがいをもって仕事ができていて、嫁ぎ先でたくさんの良い友人ができて毎日楽しく過ごせている。娘にも息子にも自分がやりたいことを見つけ、楽しく充実した生活を送ってほしいなと思います」(神奈川県 40代女性)そのほかには、「学校を出て、普通に就職して家庭をもった。子どもにも同じような人生を送ってほしい」、「子どもには自分と同じように早く結婚して出産してもらいたい」などという、それぞれの人生を経た経験から来るアドバイスが寄せられていました。100%同じ人生を送ることはできなくても、自分が人生で「よかった」と思えたことは、子どもにもできれば同じように経験させてあげたいと思う人も多いでしょう。人生の先輩だからこその親の助言ができるポイントにもなりそうですね。■子どもに身につけてほしい力とは子どもに「親と同じような生き方」または「まったく異なる生き方」を望むとしても、親はどのような力を子どもに身につけてほしいと願っているのでしょうか?「自分の思うように生きてほしい。自分の選んだ道なら、失敗も受け入れざるを得ないし、その失敗の痛みと、はい上がる力、成功の快感を感じながら、なりたい自分になってほしい」(神奈川県 40代女性)「今は、私の時代とは全く違います。どんなに生きづらい世の中でも、強く楽しくまっすぐに歩んでいってほしいと願っています」(茨城県 40代女性)「元気で人の気持ちがわかる人間になってほしい。うそ付かずに、真っすぐな人間になってほしいです」(埼玉県 40代女性)「『あなたに会えてほんとうによかった』、そう言われる生き方をしてほしい。ただそれだけです」(東京都 40代女性)「人の迷惑にならない、犯罪を犯さない、できれば社会の役に立つ人間になってほしいです」(東京都 40代女性)「とにかく、事故や病気で親より早く逝く事がないように、大人になってほしいです」(埼玉県 40代女性)「一人一人、顔や性格が、違うように、生き方も違うと、思います。誰かのまねではなく、自分の人生を思い切り生きてほしい。願うなら、人に囲まれ、笑顔の多い人生を」(愛媛県 40代女性)■子どもの人生に親はどうかかわるべき?それでは親としては、子どもの生き方にどのように関わっていけばいいのでしょうか。いくつか、コメントからヒントが見つけられそうです。「子どもは親と同じような生き方をしなくてもいい。自分のありようを考えながら、つまずきながらでも。つまずいた時は、立ち止まってまた歩けばいいのです。歩き出すサポートはいくらでもします」(山梨県 50代女性)「子の可能性や将来の選択肢の幅を広げる手伝いまでが親の仕事」(宮崎県 40代女性)「子どもの人生は親が決めるものでもないし、親が決めていいものでもない。しかし、親を見てその後をついていきたいと思われるように、自分を磨いていきたい」(茨城県 30代男性)「適当に生きてきた事を後悔してるので子どもには私の失敗談をたくさん話して反面教師にしてほしい。適当に過ごすのではなく、自分できちんと考えて進んでいってほしい」(奈良県 30代女性)ここまで、子どもの生き方について、親の人生との関わりも含めて考えてきました。さまざまな理由から、子どもに親のような生き方をしてもらいたい人としてもらいたくない人がいること、その背景には親自身が生きてきた人生が大きく関わっていることが理解できます。寄せられたコメントのなかでもっとも多く出てきた言葉は、「子どもの人生は子どもの人生」というもの。子どもを心配する気持ちから、つい口出ししてしまったり、先回りして失敗を遠ざけたりしてしまう親のふるまいは、時に重要な役割を果たすこともあります。ただ、その度合いによっては、子どもの道を邪魔してしまいかねない場合もあるかもしれません。親と子の人生は別物だということを、強く認識しておく必要があるのだと痛感させられます。子どもの人生を考えるとき、忘れがちとなってしまう「自分の人生」。親と子の人生が同一のものではないということは、親の人生も親だけのものでもあります。もちろん親としてふるまわなければいけない側面もあるでしょうし、子育て中に我慢しなければいけないこともあるでしょう。でもパパママである前に、一人の人間として「したいことをする」「夢を持ってみる」「毎日を楽しく過ごしてみる」ことも、とっても大事なことだと思います。子どもの人生を応援しつつも、自分の人生を楽しむ親の姿は、子どもにも希望と勇気を与えられそうな気がします。Q.子どもには自分のような生き方をしてほしい?アンケート回答数:4974件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年08月25日授業中、積極的に手を挙げて発言する子どもがいる一方で、やる気がないのか、それとも恥ずかしがっているだけなのか、ほとんど手を挙げない子どももいます。自分の子どもが後者の場合、「どうして手を挙げないのだろうか……」と心配になってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。今回は、子どもが授業で手を挙げない理由や、改善策についてご紹介しましょう。子どもが「手を挙げない」ことに悩む親は多い「授業参観に行ったら、子どもがまったく手を挙げない」「家では解けていた問題が出されたのに、手を挙げない」「担任の先生に『授業ではほとんど手を挙げないんです』と言われてしまった」など、子どもが手を挙げないことについて悩む親は多いものです。答えがわからないから手を挙げないのならまだしも、答えがわかっているはずなのに手を挙げないとなると、つい「どうして手を挙げないの!」「もっと積極的に授業に参加しないとダメでしょ!」と頭ごなしに怒ってしまうこともあるかもしれません。しかし、まずは、なぜ子どもが手を挙げないのか考えてみてはいかがでしょう。なぜ手を挙げないの?子どもが手を挙げない理由には、以下のケースが考えられます。●恥ずかしがり屋である手を挙げて指名され、自分の考えや答えを発表することを「恥ずかしい」と思っているケースです。教育評論家の親野智可等氏は、こうした恥ずかしがり屋でおとなしい、引っ込み思案な性格の子どもは、ひとつのクラスに何割か必ずいると言います。親野氏いわく、そのような性格の子どもにとって、授業中に手を挙げて発表するというのは、大人が思っている以上に大変なことなのだそう。それを親や先生に強制されたとしたら、子どもにとってかなりの苦痛になってしまいます。●内弁慶な性格である「家ではうるさいくらいにしゃべっているのに、授業や集団活動になると借りてきた猫のようにおとなしくなる」といった内弁慶な性格であることから、手を挙げることができないケースです。白梅学園大学子ども学部や鎌倉女子大学児童学部等で非常勤講師を勤め、発達心理学・保育学が専門の塚崎京子氏によると、内弁慶な子どもは、自分が人前に立ったときに相手がどう思うかを非常に気にする傾向があるため、手を挙げることを避けてしまうのだそう。●周囲との関係に不安がある友だちや家族とケンカしてしまった、うまくいっていないなど、周囲との人間関係に不安を抱えていることから、手を挙げることができなくなっているケースです。公益財団法人・愛知県教育振興会によると、子どもは自分が周囲の人々に「受け入れられている」と感じたとき、心を開いて自分を外へ出すことができるそうです。授業中、クラスメートの前で「手を挙げる」という活動も、その表れであるとのこと。そのため、何らかの事情によって「自分は受け入れられていない」と感じている子どもは、積極的に手を挙げることができない場合もあるのです。手を挙げられるようになるためのポイント子どもが手を挙げられるようになるため、親は以下のポイントを意識してみましょう。●子どもが得意なことを褒めて伸ばすスポーツや歌、お絵かきなど何でもいいので、子どもが好きなこと・得意なことを伸ばしてあげましょう。保育士として15年以上保育業務に関わっている市川由美子氏によると、好きなことに没頭して親に「よくできたね!」などと褒められた子どもは、好きなことをきっかけに行動範囲を広げられるようになり、恥ずかしがらずに堂々と振る舞うことができるようになるそう。そこから、自信を持っておしゃべりができるようになり、手を挙げるなどの能動的な行動にも抵抗がなくなっていくのです。また、恥ずかしがり屋の子どもは、大勢の前で緊張してしまう傾向にあるため、はじめは少人数のグループで得意なことをして遊ぶ経験を積み、自分らしさを発揮できる場所を作ることで、自信が持てるようになるそうです。●「手を挙げたくない」という気持ちを受け止める子どもがなぜ手を挙げたくないのかという理由を聞き、その気持ちを受け止めることも大切です。例えば、子どもが「答えはわかっていたけど、手を挙げるのが恥ずかしかったんだよ」と言ったら、「そうだったんだね。みんなのお母さんやお父さんも来ていたし、緊張しちゃうよね」と共感しつつ受け止めてあげましょう。私立小・中学校に23年間勤務後、作家・教育評論家として活動している中井俊已氏によると、そうして子どもの気持ちを受け止めたうえで「ノートにはきちんと答えが書けていたね」「正しい姿勢で授業が聞けていたね」などと、違う視点から子どもを褒めると、子どもは自信がつき「もっと頑張って授業を受けよう」と思えるそう。自信がつくことで、やがて手を挙げて発言できるようにもなっていきます。●失敗や間違いを責めない前出の中井氏は、学校の授業について次のように述べています。教員は、授業中、みんなで協力し合い、よいところを伸ばし合う雰囲気をつくろうと努力しています。誰かが間違ったことは、クラス内で共有して、みんなで理解できればよいのです。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|学校と子どものことがよくわかる!授業参観のチェックポイント【後編】)授業では、みんなで協力して正解までたどりつくことが大切であり、発言が正解である必要はありません。失敗や不正解を恐れると、子どもはますます発言できなくなってしまいます。子どもが何か失敗したり、間違ったりしたときは、責めることなく「自分の考えを言えてえらかったね」「正解に辿り着くためにはどうすればいいと思う?」などと、ポジティブな言葉をかけることを心がけましょう。また、「○○ちゃんは何度も手を挙げていたのに、どうして手を挙げなかったの?」などと、人と比較することもNGだと中井氏は言います。人と比較する言葉をかけていると、子どもは順位ばかりを気にするようになったり、1番以外はダメだという思考になったりしてしまうのだそう。「去年よりもノートのとり方がわかりやすいね」「教室内の掲示物、すごく上手に作れていたね」のように、誰かと比べることなく、子ども自身の成長を見つけて褒めてあげましょう。***積極的に手を挙げるのは良いことですが、だからといって「手を挙げない=出来が悪い、やる気がない」というわけではありません。手を挙げるように強いるのではなく、それ以外の子どもの長所に目を向け、伸ばしてあげることも大切なのです。文/田口 るい(参考)ベネッセ教育情報サイト|恥ずかしがりやで授業中に手をあげるなど積極性がありません[教えて!親野先生]ベネッセ教育情報サイト|恥ずかしがり屋の子どもへのNG対処法とOK対処法ベネッセ教育情報サイト|学校と子どものことがよくわかる!授業参観のチェックポイント【前編】ベネッセ教育情報サイト|学校と子どものことがよくわかる!授業参観のチェックポイント【後編】東洋経済オンライン|4月授業参観に「行くだけの親」が見落とす本質公益財団法人 愛知県教育振興会|授業中、挙手をしないZ会さぽナビ|子どものココロジー 引っ込み思案な子
2019年08月23日関西人主婦で二児の母のモチコです。子どもには聞かれたくない単語ってありますよね……。我が家はその単語を親同士の会話で使うとき、子どもにはわからないよう隠語を使っています。 アルファベットどころかひらがなすらまだ全く読めないイチコ……。なのに「NATTO=納豆」とバレてしまいました!おそらく普通に「納豆」と言って大丈夫な場面で間違えて「NATTO」と言ったからかと。しまった……! そしてこの後は、ご飯を食べたのにまた納豆を食べさせるか、我慢させて泣かせるかという選択を親が迫られます。まあ納豆くらい多少食べ過ぎてもいいか。(適当)このように、子どもに聞かれるとその後大変な展開が予想される言葉は、親同士でしかわからない隠語で喋っています。その方法をお伝えします。目次 0.1 ⑴アルファベット化する!0.2 ⑵英語で言う!0.3 ⑶ロゴやキャラクターなどをイメージで伝える!1 モチコさんのその他の記事はこちら●⑴アルファベット化する!「納豆=NATTO」のように、アルファベットで言っています。単語をそのまま伝えるので、夫婦間で誤解なく単語を認識できます。 ……が、アルファベット化も、アルファベットをひらがな化するのも、多少手間取ります。「えっと……O、Y、A、T、Uどこにしまった? 」「O? Y? え? なんて ?」みたいな。慣れるまでまどろっこしい会話になります。●⑵英語で言う!これもよくやります。例えば、名前を聞くだけで息子が食べたがってしょうがない「いちご」は「strawberry」みたいな。このとき、発音は照れずに本場っぽく英語の発音にするのがコツ。うっかり日本語の発音で「ストロベリー」と言うと、娘が「ストロベリー?いちご?」と言うので、結局息子の耳に「いちご」という単語が入ってしまう……!(ちなみに娘はアイスやチョコでストロベリーはいちごということに気付いたようです。)同様にカタカナと英語の発音が近いもの(ムービーとmovieなど)は使えませんのでご注意を!●⑶ロゴやキャラクターなどをイメージで伝える!ものすごく有名なロゴやキャラクター、キャッチコピーなどがあるものは、それを利用して伝えます。「mのマークのファストフード」とか「ねずみの国」みたいな。ちょっとクイズっぽくなるのも楽しいです。ただ子どもに気づかれてしまう隠語になることもあるので、口に出す前に難易度を考えなければなりません。(「I’m lovin it」と言ったら一瞬でバレました。みんな大好きマクドナルド。CMに出てくるフレーズは基本使えません。)以上、我が家の隠語のパターンでした。4コマでも描きましたが、うっかり同じものばかり使うと子どもにバレてしまうので、手を替え品を替えいろんなパターンで乗り切るのがオススメです!うまいこと親にしかわからない隠語を駆使して、ワガママやイヤイヤの火種を撒かないよう気をつけていきましょう……! 隠語使わずとも平和に過ごせる日が待ち遠しいです。●ライター/モチコ
2019年08月19日「これからの時代を生き抜くための力を育てるには、『失敗』が不可欠なんです」と言うのは、花まるグループ「西郡学習道場」代表の西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん。そう言われても、そもそも論として、「失敗が怖い」筆者は、わが子に失敗をさせてあげる胆力(心の余裕)がありません。どうしたら良いのでしょうか? 「Vol.1 “良い大学”では生き抜けない時代。子育ての新しい道筋は?」 の続きです。「いまの学校教育が育てているのは、“受験に合格する力”です」と語る「花まる学習会」グループの西郡さん。AIが進化して答えのない時代に、いま、子どもに、本当に必要な力を、どう育てていけば良いのでしょうか?■“成長”の前には、必ず失敗や困難がある「みなさんも、自分の人生を振り返ってみれば、『自分が成長したな』『壁を乗り越えたな』と感じたときには、その前に必ず失敗があったのではないでしょうか?」と西郡さんは言います。たとえば、部活動で試合に負けて、その悔しさをバネに練習をがんばったとき、大人になってからは、お客様に叱られる、大きなミスをする。そうしたことを乗り越えて、何かを成し遂げたとき。「そんなとき、自分の成長を感じた方も多いのではないでしょうか?」(西郡さん) 成長は、失敗や困難の先にある。失敗ではなく、その先にある成長の方に意識を向けられるようになってくると、いま、目の前にある「失敗」は、成長のためのジャンプ台に見えてくるのかもしれませんね。…と、そんなことを書いてみてはいる筆者ですが、じつは最近、仕事で大失敗をして、ただいま激しく落ち込んでいます。そんななか、「失敗は、ジャンプ台」なんていう気分には、じつは、まったくなれません(涙)。■「失敗」を避ける日本の教育失敗恐怖症ともいえる筆者。「なぜ、自分はこれほどまでに失敗が怖いのか?」ということを理論的に知ることも、失敗恐怖症を和らげるのに役立つかもしれません。従来の日本の教育では、なるべく「失敗」を避けて効率的に生きることが良しとされています。良い大学に入れるように、テストで良い点を取るための勉強をする。「成功の方法は教えてもらえますが、失敗したあとの方法は教えてもらえないのです」(西郡さん)そこには、「失敗」をして遠回りする時間の余裕がないという、致し方ない側面もあります。試験で点数を取るためには、知識を効率よく詰め込む必要があります。「そのため、自分のやり方ではなく、『正しいとされている』やり方を教えられるのが日本の教育なのです」(西郡さん)現在の教育のあり方そのものが、「失敗」を排除する方向にいきがちである。そういった認識を持っておくことが、子どもの失敗を許容できる母への第一歩なのかもしれませんね。■なぜ、うちの子は「失敗」を嫌がるのか?しかし、西郡さんは「『失敗』を奪っているのは教育現場だけではありません。親も、知らず知らずのうちに、子どもを失敗から遠ざけようとしています」とも、言います「親の接し方で、子どもは違ってきます。たとえば、子どもに対して『これはこうでしょ!』と上から目線で伝えるのではなく、『もっとよく見て、これはどうなると思う?』と、示唆的に考えさせるような会話をすることが大切です」(西郡さん)問題を解けなければ、叱る。正解すれば、褒めるという教え方では、子どもはできないことに焦りや不安を感じてしまいます。「失敗をした上での成功体験を持っている子どもは、わからないことそのものを楽しく感じます。その差が、将来の学力の差になるのだと思います。『わからないからおもしろいんだよ』と、繰り返し伝えてあげてください」(西郡さん)。■「できちゃった」が「またやりたい」を生む西郡さんがおっしゃる、「わからないからおもしろいんだよ」と子どもに言える母である、という境地。母であるなら、ぜひとも辿り着いてみたいものです。けれども、現在の筆者は辿り着けていません(涙)。どうしたら良いのでしょうか? 「そもそも、学習とは、ひと言で表せば、『できなかったことをできるようにすること』なんです。『できなかったこと』が、『できちゃった』とき、子どもは大きな快感を味わいます。そして、より勉強をおもしろいと感じるようになり、明日もやりたいという『学習意欲』が生まれます」(西郡さん)やはり、その根底には、『失敗』があります。たとえば、問題が解けなかった。その後、どうすれば解けるようになるか考えて試行錯誤し、最終的に正解を導き出すことで、「やった!」「解けた!」という大きな達成感が生まれるのですから。「その感覚が楽しいから、また勉強をがんばります。そして、もっともっと学びたい、いろいろなことを知りたいという『向上心』が生まれるのです」(西郡さん)■子どもが「明日またがんばろう」と思えるためには「『学習意欲』と『向上心』。この2つを得ることができれば、どんな子も伸びていきます」(西郡さん)。「学習意欲」と「向上心」と書くと難しく感じるかもしれませんが、要するに「明日またやろう」「より良くしよう」という気にさせることだそうです。そのために大切なことは、大人が「できなかったことができるようになっているか」という部分に着目してあげること。「つまり、他人ではなく、以前のその子自身と比べて伸びているかどうかが重要なのです」(西郡さん)昨日の自分にはできなかったことができちゃった。それが楽しいから明日もまたやりたい。「この連鎖が、何よりも子どもを成長させていくのです」(西郡さん)<「失敗する子」の育て方>1)これからの時代を生き抜く子を育てるためには、「失敗」が不可欠2)「できちゃった」が「またやりたい」を生む3)その子自身の成長に注目してあげると、学習意欲と向上心が育つ■花まる学習会/西郡学習道場代表 西郡文啓さんの新著 『ちゃんと失敗する子の育て方』 高濱 正伸、西郡 文啓 (著)/総合法令出版 1,300円(税抜き)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん1958年生まれ。熊本大学教育学部卒業。花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として「西郡学習道場」を設立。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。高濱さん曰く、「私が経営者という立場で運営部分に頭を働かせているときも、彼はただただ、子どものことだけを考えてきた人間です。頭のてっぺんから足のつま先まで、根っからの教育者で、どんな子でも一度も見放したことはありません」。
2019年08月19日ウーマンエキサイト読者の皆さま、こんにちは!koyomeです。今回「親になって強くなったこと」を考えてみました。正直、あんまりないんですよね…。(むしろ、娘達を産んで、弱点が増えたような気もしますがその話はまたいずれ。)ただ、ひとつだけ強くなったなぁと思うことがあったので、それを描いてみました。スーパーなどに買い物に行ったときのこと。昔から、忙しそうな店員さんに話しかけるタイミングをうかがうのが苦手というかタイミングがわからないというか…。気にしすぎと言われればそれまでですが、結局は人見知りなんですけどね。とにかく、苦手意識がありました。そして、子どもを連れた今現在はというと…トイレの場所を探す、お迎えの時間が迫っていて急いで買い物を終わらせなきゃ…とギリギリなことが多く、恥ずかしいとか言ってる場合ではなく、必然的に店員さんに話しかけ、時には頼ることも増えました。店員さんのやさしさに触れることも多く、本当にありがたいです。ただし現在、時々1人で買い物に行ったりすると…まだ…こうなることもあります。幼稚園や習い事でも、知らないママさんに話しかけなければいけない場面や、逆に話しかけられる機会も増えました。娘たちのおかげで、行動せざるを得ないことが増えて、人見知りなんていってられない!!…強くなったなぁと思います。
2019年08月19日あなたは、ダメ男に引っ掛かって嘆いている女性を見たことがありますか。きっと彼女は、彼がそんなダメ男だったとは気付かなかったのでしょう。冷静に彼を見極めるために参考にすべきポイントを、実際にダメ男と交際した経験のある女性たちに話を聞いたので、ご紹介しましょう。文・塚田牧夫1:夢をリアルに語る「元カレと出会ったばかりのころ。将来の夢を語ってくれていました。起業して、経営者になりたいという話でした。そのために、今は会社員以外にも、夜は居酒屋でバイトをしてお金を貯めているのだと。プランはしっかりしているし、リアルなのですが、付き合って1年経ってもまったく起業する気配はありませんでした。ずっとこの調子だろうと思い、別れました」ミナ(仮名)/30歳プランが具体的だと信憑性もありますが、実行しない人も多いでしょう。夢をリアルに語る程度で信用してしまうのは、時期尚早かもしれません。2:羽振りが良すぎる「元カレは最初、すごく羽振りのいい人でした。食事もご馳走してくれるし、帰りのタクシー代まで出してくれる。彼は、“実家がお金持ちだからお金はある”と説明していました。それで付き合い始めましたが……。私と知り合ったのが、ギャンブルでたまたま大勝していた時期だったようです。負け始めると、私からお金を借りるようになりました。実家は関係ありませんでした」フミ(仮名)/28歳実家がお金持ちでも、お金を融通してくれる親ばかりではありません。彼がお金に困っても親から借りられなかったのは、すでに見限られていたからなのでしょうか。3:恋愛経験が少なく真面目「付き合っていた男の浮気が原因で別れたとき。次は誠実な人と付き合いたいと思っていたところ、元カレと知り合いました。彼は恋愛経験が少なく、とても真面目。でも、付き合ってしばらくしたころ、かなりキツい性格だと分かりました。私が男友だちと連絡を取っていると、“信じられない”“ビッチ”だのと罵ってくる。酷い言葉責めにあい、ひどく落ち込みました」マユミ(仮名)/28歳恋愛経験が少ないが故に、女性との距離感がつかめない男性もいます。自分の価値観を、相手にも押し付けてしまうことがあります。俗に言う「モラハラ男」になってしまうことも……。4:アプローチが熱烈「合コンで知り合った男性がいて、翌日から猛アプローチを受けました。LINEで“好き”“会いたい”といった言葉を連発。すごくいいお店に連れて行ってくれるし、豪華なプレゼントもくれました。それで付き合い始めたのですが、しばらくして態度が急変。連絡が来なくなったと思ったら、もうほかの女に手を出し始めていました。最低の男でした」セイコ(仮名)/30歳熱しやすいタイプは、やはり冷めるスピードも速い。また、恋愛をゲームのように考えている人がいるのも事実。“女が引っ掛かりやすいダメ男の特徴”をご紹介しました。ダメ男だと最初から分かっていればいいのですが、本格的に付き合う前にそれを察知するのは難しいでしょう。少ないヒントを見逃さないように注意しましょう。©ZoneCreative/gettyimages©Hero Images/gettyimages©Tetra Images/gettyimages©Fabrice LEROUGE/gettyimages
2019年08月18日親に言われたり、されたりして傷ついたエピソードを、20~30代女性の集まるアンアン総研メンバー200人にリサーチしました。親の立場になってみれば、わからなくもないセリフもありますが、多くは「酷い」のひと言につきます。これから親になるみなさん、既に親となっている方も、ぜひとも反面教師にしてくださいね!文・田中亜子【アンアン総研リサーチ】いまも忘れない! 親の非情な言葉「いろいろありましたが、一番呪いになっているのは『こんなに美人な私から(母はかつてモデル)、こんなデブでブスな子どもが生まれるとは思わなかった』です」(30歳・公務員)「兄と弟がいるのですが、お手伝いは私にしか頼まず、私がなんで私にばかり頼むのと聞いたら、『女の子でしょ!』と言われたこと。何かにつけて女の子なんだからと兄弟と扱いが違っていた」(32歳・主婦)「親の立場に立てば理解できる話ですが、中学生の時に将来なりたい夢を話したら『あんたには才能がないからムリだよ。普通の会社に働いて暮らしなさい』みたいに言われたこと。自分にもし子どもができたら、もう少しうまく伝えてあげたいなと思います」(31歳・自営業)「勉強して現役で国立大学に合格することができたのですが、それを親に報告したら『今からでもいいから医学部医学科を受け直さないか?』と言われ、大人になってからも『医者になっていたらよかったのに』と言われます。確かに医者になっていたら給与は格段に上だったんでしょうけど、言われるたびにもやもやします」(32歳・専門職)「『バカばっかり産んで』っと泣きながら自分のお腹を叩く母親。子ども達はすごい学歴でもないので本気の発言だったのだろうが、忘れられない」(34歳・会社員)どれも怒りが湧いてしまうきっかけがあって出た言葉だと仮定して、親もひとりの人間。頭に血がのぼり、理性を失ってしまうこともあるのかも。それでも、子どもの前では、いつも笑顔であり続けたいものです。信じられない! 親の最低な行動「門限を破ってしまい、母親からかかと落としされた」(32歳・会社員)「揉めるとすぐ暴力に結びつける父。でも、初めて私が父を倒してからは、父の暴力はなくなった」(34歳・公務員)「夏休み、友達に会えないように、服を全部捨てられたり、携帯を取り上げられたり、電話線を切られた」(31歳・自由業)「父親と大喧嘩した後日、家の鍵が知らない間に変わってて家に入れなかった」(27歳・会社員)「何かで怒らせたらしく。自分の誕生日会前日の夜に買いに行ったジュースを、帰り道の途中でその場に全部捨てられた。いまだに忘れられません」(30歳・会社員)「子どものころ、肺炎で入院しているとき、お見舞いに来てくれた両親が「車を見てくる」という嘘をついて帰ったこと。話の途中で、そういったので私は病院のベットでずっと待っていた。看護婦さんに帰ったことを知らされて嘘をつかれたことを知った。素直に言えばいいのに、なんで嘘をつくのか疑問で悲しかった」(30歳・自営業)思春期になり、反抗的な態度をとる子どもに、親はつい手を出してしまうかもしれませんが、いかなる理由があっても、暴力はいけません。別の方法を模索して親子関係を少しでも良好に保ちたいですね。最後に、自分の親ではない大人から傷つけられたエピソードもご紹介します。「両親は共働きだったので、私はかぎっ子でした。けっこう頻繁に周りの親たちから、『さみしい思いしてない? かわいそうに』などと言われていて、それが普通と思っていた自分は、その生活を楽しんでいたのですが、あまりにも周りが言うものだから、“私ってさみしい子なの?”“私ってかわいそうなの?”と思うようになりました。例えかわいそうと思っても、それがしあわせな子もいるのだから、周りはとやかく言うことはないと思いました。私は、働く母を尊敬してるし、それが誇り。私が親になって、鍵っ子ちゃんがいても“お母さんかっこいいね!”って言いたいです」(33歳・専門職)これは独身の方や子どものいない人にも刺さるお話ではないでしょうか。何気ない言葉が子どもを傷つけることもあります。言葉の持つ影響力を考え、相手の立場になる想像力を働かせて、軽はずみな言葉かけは慎みたいものですね。©Esther Moreno Martinez / EyeEm/Gettyimages©ljubaphoto/Gettyimages
2019年08月18日先日まで全8話にわたって長女との中学受験実録シリーズをお届けしてきました、もりりんパパです。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。今回はその総括的なお話、我が家の経験から見えてきた家庭学習での親のあり方を書くことにしました。が、その前に…。僕は前回の記事にて”特集:私がコミックライターになるまで”に参加させていただいたんですよね。その中で自身の毒親疑惑の部分、そしてそれをブログに助けられたことについて少し触れてみました。で、僕はブログやウーマンエキサイトさんでの連載を嫁さんや子ども・両親・親族等に伝えています。子どもたちの成長状況を記事で伝えることも含めて。そして、前回の話を見た長女から言われたんです。…うん。ですよね(-"-;その辺も含めて今回のお話を書き進めていきたいと思います。少しダークなお話になるかと思いますが、どうかお付き合いください。教育で毒親にならないために…僕が長女の勉強に携わりだしたのは彼女が小学3年生の頃。元々は嫁さんが宿題を見ることが多かったんです。しかし、その年の夏休みに…。ずっと様子を見ていた嫁さんがギブアップしてしまいまして。で、ここでバトンタッチをして僕が長女の勉強を見ることになったんです。勉強を見るにあたってその時点で気をつけたいと思ったこと、それは…・主役(勉強をする)はあくまで長女本人・教える側(僕)は基本静観して必要な時のみ声かけくらいでした。しかし、実際は…実際はこのような感じでした。後に長女に尋ねると、それはもう恐ろしい親だったそうです。自分でも今振り返ると…ありえない親だったかもしれません。せっかく一緒に勉強に取り組んでも思い通りに動かない子ども。時には僕は声を荒げ、物を投げてしまうことも…。それが日々続き、自分の感情がエスカレートしていくのが分かりました。これではいけない、それは分かっている。でも感情が爆発すると止まらない、止められない。勉強はきちんとして欲しい、だけど思い通りにならない。どうすればよいのか、分からない…!!まさに負のスパイラル。その流れを止めてくれたのは…。他でもない、長女からのSOSとそれを重く受け止めた嫁さんの存在でした。もちろん、嫁さんに言われてすぐに全て納得出来たわけではありません。それでも、少しづつ自分の中に落とし込んで気をつけていくようにしました。子どもは子ども、親は親。長女は僕自身ではありません。こうやって文字にしてみると当たり前のことですが、それが自分の感情がコントロール出来なくなると分からなくなり、無理強いをしていたのだと思います。まずは親である僕の…自分の気持ちに余裕を持つこと。それが出来ない時は一旦勉強をやめ、環境を変えて思い切ってリフレッシュすること。長女には長女の考えがありますし、もしかしたらだらけているように見えても実は考えがあるのかもしれません。そう気づいたのは、彼女が6年生の頃。中学受験への取り組みをしていた時でした。気づくのに時間がかかりすぎて、長女を中心に、家族には辛い思いをさせてしまったと思います。今だって、正しいと思い行っている育児や教育が、実は間違っているかもしれませんが…。最初に書いたように、長女の人生は長女が主人公。まだ全てを彼女が決めて生きていけるわけではないので、親として時に注意し、時に一緒に笑いながら今この時をともに生きているのだとは思います。でも、そんな中で親としての僕の感情が爆発してしまった時。それを一方的に攻撃的にぶつけてしまうのは違います。自分はあくまで支える側。自分の役割をきちんと考えておかないと、家庭学習にはとくに様々なリスクが潜むと感じました。親としての自身のコントロール。難しいですが…それを怠るとエスカレートし、止まらなくなっていつしか”毒親”となってしまう。大げさではなく、そう感じるようになりました。そうならないためにも、前回の記事に書いたようにブログを書くことで自分の視点を変えて行ったり。また、主役である子ども自身の心の声に耳を傾けて考えていく。そう考えながら接していくことがより良い関係性を築けるのでは…そう考えながら日々家族みんなで過ごしています。以上、前回の続きのお話でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2019年08月14日子どもがテストで100点を取ったとき、どんな声がけをしていますか?じつは、使う言葉しだいでは、子どものモチベーションをアップさせることもあれば、逆に低下させてしまうこともあるのです。今回は、子どもが100点を取ったときの声がけの影響や、良い褒め方・悪い褒め方についてご紹介します。「100点なんてすごい!」が良くない理由子どもがテストで100点を取ったとき、思わず「100点が取れたなんて、すごい!」という言葉をかけてはいませんか?もちろん、100点が取れることはすばらしいことですから、「すごい!」と言いたくなる気持ちもわかりますし、そう言われた子どもも誇らしい気持ちになるはずです。しかし、国立大学教育学部附属小学校教諭の松尾英明先生いわく、この発言は、高い技能やパフォーマンスへの評価に過ぎないのだそう。こうした褒め方が繰り返されることで、子どもは「100点以外には価値はない」と考えるようになるそうです。その結果、90点などの高得点を取っても「100点を取れなかった自分はダメな子だ」と落ち込んだり、大きなプレッシャーを感じたりすると松尾先生は言います。子どもに対して「100点なんてすごい!」と結果だけを褒めるのは、子どもを追い込んでしまうことになるのです。こんな声がけはNG!「100点なんてすごい!」以外にも、子どもにとってNGな声かけがいくつかあります。皆さんはこんな言葉をかけてはいませんか?×NG×「次も頑張ってね!」今後への期待の気持ちも込めて、つい言ってしまいがちな言葉ですが、このように言われた子どもは「まだ頑張りが足りないんだ」「頑張ったけど、認めてもらえないんだ」と感じてしまう傾向にあります。そうして頑張り続けた結果、ある日突然やる気がなくなったり、勉強が嫌いになってしまったりするケースも珍しくありません。×NG×「100点取れたから○○あげる」100点を取れたご褒美として、子どもが欲しがっていたものやお小遣いをあげるという親は少なくないでしょう。しかし、教育評論家の親野智可等氏によると、子どもが何かを達成するたびにご褒美をあげていると、子どもが「何かくれないと勉強しない」と言い出したり、「じゃあ、いくらくれる?」が口癖になってしまったりする可能性があるのだそう。さらに、「お金や物をもらうために勉強する」という意識が強くなって、勉強そのもののおもしろさや価値を知ることができなくなり、自主的に勉強する姿勢が見られなくなる場合もあるのだとか。×NG×「○○ちゃんよりも良い点が取れたね」子どもの兄弟姉妹や、同級生と比較して褒めてはいませんか?これは子どもにとって「他人よりも優れている=褒めてもらえる」と認識させるきっかけになってしまうため、良い声かけとは言えません。保育士として15年以上、福祉施設や託児所、保育園などさまざまな場面で保育業務に携わってきた市川由美子氏によると、ほかの子どもと比べて褒められた子どもは、他人に対して必要以上に競争意識を抱いたり、逆にほかの子どもよりも自分ができていないと感じた際に強い劣等感を覚えたりするそうです。子どもを伸ばす褒め方4つ子どもを伸ばすために、以下の褒め方を実践してみましょう。「よく頑張ったね」100点という結果ではなく、子どもが頑張った過程を褒める方法です。このように褒められた子どもは、次回100点が取れなくても、「前回は頑張ったから100点が取れた」という経験をもとに「今回は頑張りが足りなかったかもしれない」と気づくことができます。また、前述した「すごい!」という褒め方も、「頑張ったね」と組み合わせて使うことで、子どもに「100点だけがすごい」と思わせることがなくなりますよ。 「〜〜したから、100点がとれたんだね」「テスト前に自主的に勉強していた」「勉強時間をいつもより増やしていた」など、100点を取れた要因となるような本人の具体的な努力や、以前と比べて成長している点を褒める方法です。白梅学園大学子ども学部や鎌倉女子大学児童学部で非常勤講師を勤める塚崎京子氏によると、子どもにとって最も嬉しいことは、物をもらえることではなく、親に認めてもらえることだそう。小さな成果や努力でも、親に本気で褒めてもらえたと実感できると、子どもにとって何よりのご褒美になるのです。 「やってみて、どうだった?」国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏は、子どもによっては、褒められることで「いつも褒められるようにしなければならない」と感じる可能性があると指摘しています。石川氏いわく、ただ褒めるのではなく、子どもの気持ちに耳を傾けて受け止め、尊重する姿勢を見せることが、自己肯定感を育むことにつながるのだそう。たとえば、子どもが100点を取ったら、まずは「どうだった?」と聞き、子どもが「簡単だったよ」と答えたら、「そうなんだ。簡単だったんだね」と、ただただ気持ちを肯定してあげるのです。もちろん、子どもが嬉しそうにしていたり、褒めてほしい様子が見られたりしたら、「頑張ったね!」と声がけするのもOKです。 「〜〜してくれて、ありがとう!」褒める言葉の代わりに感謝の気持ちを伝えるのも効果的です。「100点とれるくらい頑張ってくれて嬉しいよ!」でもいいでしょう。自分がしたことに対して感謝されると、子どもは親に認められたと感じ、自信を持つことにつながります。子どもにお手伝いをしてもらったときなどにもおすすめです。 ***子どもを褒めるのはいいことですが、結果ではなく、それまでの過程を褒めることが大切です。褒めることを通して、子どもが「これまでの努力を認めてもらえた」「お父さんやお母さんは自分をしっかり見てくれている」と実感できるよう、工夫してみましょう。文/田口 るい(参考)プレジデントオンライン|「100点答案」を褒めると勉強嫌いになる東洋経済オンライン|子どもを「ご褒美で釣る」親はなぜダメなのかさぽナビZ会|子どもにとって「ご褒美」とは?All About|ほめてるつもりでほめてない?NGな子どものほめ方現代ビジネス講談社|子どもを伸ばす「ほめ方」とダメにする「ほめ方」は大違い!ベネッセ教育情報サイト|上手に子どもを褒めて、自信をつけてあげよう!ベネッセ教育情報サイト|子どもを「褒める」前に大切なこと
2019年08月11日「子どもの言うことを親がジャッジしてしまうと、子どもは『親にとって正しい答え』を言おうとするようになり、自分で考えることをしなくなる」と話すボーク重子さん。一人娘スカイさんが「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝し、さらに自身も2004年に念願のアジア現代アートギャラリーをオープンさせ、現在では子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについての講演会やワークショップを展開しているボークさんに、現在の日本の育児の現状についてもお話をうかがいました。前回、ボークさんは「グローバル社会で生き抜くスキルをつけるために、家庭での対話が重要」とお聞きしました。そこで重要となってくるパパとママの対話についてお話をお聞きします。さらに日本で問題となっているのが「ワンオペ育児」の状況。日本のママが直面する問題にボークさんは、「いたしません!」宣言というポジティブなメッセージをママに贈ってくれました。》 「英語できない親でも、グローバル時代を生き抜く力を育てられる!」 ■「パパとママの会話が子どもの手本になる!――子どもが自分の意見を表に出せるようにするためには、何が大切なのでしょうか?ボークさん:子どもの対話力をあげるには、大人が手本になるのもいい方法です。子どもにとって、一番身近な存在は、パパとママ。家族というのは最小にして最強のコミュニティですから、ここでも否定から入ってはいけません。「この材料で、カレーしかメニューが思い浮かばないなんて!」という批判的な対応だと、親の顔色を見て、ウケのいい答えを言おうとしてしまいます(※)。※リベラルアーツ的思考力の素地を作るためには、家庭での毎日の会話で十分にできるとボークさんは語ります。たとえば晩ご飯のメニュー決め。ただ子どもの意見に対して親がジャッジしてはいけないと話します。――大人にとって都合のいいことや気にいることを言ってくれる子のほうが、大人はラクだから「いい子」だと思いがちですよね。ボークさん:都合のいいことも、悪いことも、まずは否定しないことが大切です。そして、それを夫婦のやりとりで、見せてあげれば、子どもは安心します。冷蔵庫の材料を伝えて、パパも一所懸命考えて答える。ママも受け止める。そのような親のやり取りを見て、子どもは自然と学びます。パパが「肉じゃがができるね。今日は肉じゃがが食べたいな」と言ったとき、ママが面倒臭く感じても、即座に「え? 肉じゃが? じゃあ、自分で作れば?」というような反応ではなく(笑)、「たしかに肉じゃがも作れる材料だね。でも、今日は、ちょっと煮物を作る時間が足りないから、この材料を小さく切ってカレーにしようか?」などと返せばいいのです。「否定されない」、「受け止めてもらえる」、という見本をぜひ、ご夫婦でも見せてあげてください。「安全でない」と子どもが感じると、子どもは自分を見失い始めます。大人が求める答えをしてしまうのです。そうすると、自己肯定感は下がります。■「ママはどれだけやるか?」ではなく、「どれだけやらないか」――「ワンオペ育児」が多い日本だと、夫婦の会話を子どもに見せる機会自体が少ないご家庭もありそうです。ボークさん:私は「ワンオペ育児」という言葉を知ったときに、とんでもないことだと思いました。驚きとショックでプルプルしてしまったほどに。日本の女性は有能なので、やれば、ほとんどのことができてしまうんですよね。だから、ワンオペ育児もやろうと思えばできてしまう。――たとえ「ワンオペ育児」でなくても、育児中のワーママは、やることがたくさんありすぎて、あらたに何かを始めることが大変だと感じてしまうかもしれません。ボークさん:やることがたくさんありすぎて、それを整理するために、to doリストを作る方もいるかもしれませんが、to doリストは、達成感をもたらしてくれるけれど、疲れも持ってきます。だって「やらないといけないこと」が書き連ねてあるのですから。だからto doリストを見直してみてください。本当にやらなければならないこと、その中に、いくつありますか? 仕事、家事、育児、全力投球を3つもしなければならないなんて、無理です。to doリストを作ったら、作った端から消してしまいましょう(笑)。料理、洗濯、掃除……すべてを納得のいくまで行うなんて無理なのです。家族のために、子どものために、食卓においしそうな料理を並べたいと思う気持ちに嘘はなくても、美しい料理を作るためにママの笑顔が消えてしまったら、本末転倒。「買ってきたけれどおいしそうでしょ?」ってママが笑って言うほうがよっぽど、子どもはうれしいものです。■パパがいるときには、「いたしません」宣言を!――笑顔でいることが大切! それを実現するには?ボークさん:リベラルアーツ(※)を培うためには、ママが対話の時間や心のゆとりを持つことがマストです。そのためには時間を作り出すことが必要。でも1日の時間は決まっています。そんななかで笑顔を保つためにできること、それには日常のTo Do家事をどれだけ「やらないか」が勝負です。※リベラルアーツとは、「自由とは?」、「正義とは?」など問いを立てて、自分と向き合い、そこから自分の考え方や生き方についての意見を構築していくための学び掃除はお掃除ロボットを回しておけばいい。生ゴミはディスポーザーに入れればいい。パートナーが在宅しているとき、ママは家事を「いたしません」でいいんです。たとえば、日曜日の昼食の準備は「いたしません」のように。やってしまえばできることを「いたしません」と言うのには、覚悟が必要です。でも、やらないことで時間を作り、その時間は、ママが心にゆとりを持つこと、例えば「やりたいこと」に時間を使ったり、子どもとの対話に使ったりしましょう。――サボったり、手抜きでいいのでしょうか? 仕事をしているだけで罪悪感を感じるママもいる中、家事も手抜きだとさらに罪悪感を感じるママもでてきそうです。ボークさん:「女性はこうあるべき」「ママはこうあるべき」「妻はこうあるべき」「働くママはこうあるべき」など、女性に課せられたいろんな「べきが」あるなか、あえて「いたしません」というのは罪悪感や劣等感を伴うかもしれません。だから母、妻という立場ではなく、女性は、「自分でいる」ことがとても大変なんです。そう考えると、もしかしたら女性が自分でいられるというのは、生まれたときだけかもしれませんね。その後は、「女の子なんだから」と言われ続けて育ちます。どんなときも、いい娘、いい妻、いい母でいるように、そして自分のことは後回しにしていい、と訓練されていってしまう。そして、気づかぬうちに、自分でも自分にそう言い聞かせてします。国の調査によると、6歳未満の子どもをもつ夫婦の家事・育児関連時間は、男性が1時間23分(女性が約7時間34分)と圧倒的に低い状態です(※1)。そんなの私に言わせれば犯罪です(笑)。ハーバード大のリサーチ(※2)によると、「働くママに育てられた女の子は、マネージャーになる確率が高く、男の子は家事育児の時間が倍で、不幸になることなんて『ない』」というデータがあります。ママが働いているからという理由で、罪悪感を抱える必要なんてないんです。働くことが好きなら罪悪感から自由になってもっともっとエンジョイしてほしいと思います。「ママが心にゆとりを持つ」。この時間を確保するために、いますぐできることがあります。それは家族の役割を決めるということです。なぜなら家族はコミュニティーなのですから、全員参加が基本です。子どもの場合は、年齢に合わせて「家族のためにできること」をみんなで決めます。それは、たとえばお皿を下げることかもしれないし、おもちゃを自分で片すことかもしれない。パパの場合には、週末のランチとディナーと1週間に必要な食料の買い出しをするとかいかがでしょう?家族の役割を決める時に大切なルールが1つだけあります。それは「ダメ出しをしない」。ランチがまずくても、作ってくれた人に文句は言いません。子どものおもちゃの片付け方が完璧でなかったとしても、ママはやり直しをしないようにしましょう。そして大切なことは、「ありがとう」と伝えること。こうしたことを家族で習慣にして、それを繰り返していくうちに、だれもがどんどん上手になっていくのですから。「世界基準の子どもの教養」で必要なことの1つに、「誰かの役に立つ」意識を持つことがあります。それは、お子さんが家族の役割を果たしたときに、「あなたのおかげで、家の〇〇が助かった」と声かけするだけで家庭で育むことができるんです。それは、家庭からからスタートして、学校、社会と世界が広がっていきます。さらに家族の役割を決めて全員参加で助け合うことにはもう1つ利点があります。それは子どもの自己肯定感が上がるということ。誰かの役に立つことで、自分も幸せな気持ちになり、「自分ってすごいじゃない」と思え自分を認められるようになるのです。――貢献する意識を小さい頃から芽生えさせることはできそうですね。ボークさん:激動する社会を生き抜き、みずからの力で将来を切り開いていくためには、みずから課題を見つけ、考える力が必要です。考える力を培うには、意見を述べる機会をどれだけ増やせるかが鍵になってきます。そして私たちは一人では生きていけません。社会とのつながりのなかで生きていきます。だからこそ自分の意見を構築する第一歩を、そして「誰かの役に立つ」意識作りを、まずは今日から、家庭で始めてみてください。この2つを意識することは、グローバル社会で活躍するために必要不可欠になっていきます。■今回のお話を伺ったボーク重子さんのご著書 『世界基準の子どもの教養』 (ボーク重子/ポプラ社 1,600円(税抜き))ボーク重子(ぼーく・しげこ)さんICF認定ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県出身。米・ワシントンDC在住。子育てと並行して自身のキャリアも積み上げ、2004年に念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年にワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。『心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育「非認知能力」の育て方』(小学館)、『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)のほか、近著に『世界基準の子どもの教養』(ポプラ社)がある。※1.総務省 「平成 28 年社会生活基本調査」 (pdf)※2.ハーバード・ビジネス・スクールKathleen McGinn教授レポート「Working Mothers Raise More Successful Daughters and Empathetic Sons」
2019年07月31日「子どもが我慢できなくて困っている」という悩みを抱える親は多いものです。しかし、我慢には、子どもにとって良い影響をもたらすものと、そうでないものがあることをご存じですか?今回は、子どもの成長に欠かせない我慢と、子どもをダメにしてしまう我慢についてご紹介しましょう。「我慢できる子ども」は将来伸びる!生きていくうえで、我慢しなければならない場面は多々存在します。スーパーで買い物をしてレジの行列に並ぶときや、車の運転中に赤信号で止まるとき。怠けたくても学校や会社に行かなければならないときや、人間関係……。もし我慢ができなければ、多くの人に迷惑がかかったり、事故やトラブルが起こったりするのは当然。子どものうちから我慢することを覚えるのは、協調性を育てて周囲の人々と良好な関係を保つために、そして社会の一員として生きていくために、欠かせないことなのです。また、米コロンビア大学の心理学者ウォルター・ミシェルが考案した「マシュマロ・テスト」という実験では、我慢と学力に関係があることが示されています。この実験は、186人の4歳児の目の前に1個のマシュマロを置いた状態で「しばらく我慢すればマシュマロを2個食べられるけど、もし今すぐにマシュマロを食べてしまったら2個目のマシュマロは食べられないよ」と告げたあとの様子を観察し、自制心の高さを測るというもの。その結果、マシュマロを食べることを我慢して2個目のマシュマロを獲得できた子どもは、全体の2~3割しかいませんでした。そして、マシュマロ・テストを受けた子どもたちが22歳になるまで追跡した結果、当時我慢できた子どもは我慢できなかった子どもに比べて、青少年期に問題行動が少なく、アメリカの大学入試で標準的に用いられているSAT(大学進学適性試験)で平均より高い点数を取っていたことがわかったのです。また、成人後の肥満指数が低く危険なドラッグなどに手を染めていない、さらに対人関係が良好で自尊心が高いとの報告もありました。幼少期に我慢できるかどうかは、その後の人生に大きくかかわってくるといえるでしょう。しなくてもいい我慢、させてない?しかし、子どもの我慢する力を育てたいからといって、何でも我慢をさせればいいというわけではありません。文京学院大学大学院特任教授の平山許江氏によれば、子どもに我慢をさせすぎると、次第にやる気を失い、「やりたい!」という気持ちや意欲が減退してしまうのだとか。やりたがらなくなってしまった子どもに「やりなさい」と促すのは、やりたがる子どもを「やめなさい」と制するよりも難しく、成長に支障をきたす恐れもあると言います。何でもかんでも我慢をさせることは、子どもにとってストレスです。「あれもダメ」「これもダメ」と妥協させられ続けた子どもは、「どうせきっとこれもダメなんだろう」と諦めてしまい、意欲を失い、主体性が損なわれていきます。自分の欲求を我慢するのは、大人でも難しいですよね。幼い子どもにとってはもっと難しいもの。子どもの意欲を殺さずに、我慢する力を育てるためには、子どもに合わせた我慢の度合いを考え、時には我慢しなくてもいい環境を与えてあげることも大切なのです。子どもが伸びる我慢・子どもをダメにする我慢我慢のなかには、「子どもでも必ずしなくてはいけない我慢」と「子どもにとって悪い我慢」があります。しなくてはいけない我慢は、子どもが伸びるきっかけにもなる大切な要素です。まずは、子どもが伸びる我慢についてご紹介しましょう。精神科医で評論家の和田秀樹氏は、我慢が伸ばす3つの力について次のように述べています。◎こんなことをしたらカッコ悪いと考えて我慢する→社会性が伸びる和田氏いわく「おもちゃを買ってもらえないから、泣いて駄々をこねたい。でも、周りの人に笑われるから、できない」「すごく楽しくてはしゃぎたい気分だけれど、今は電車の中だからそんなことをしたら恥ずかしい」などの「こんなことをしたらカッコ悪い」という感覚が自分を高めたいという欲求につながり、我慢する力が育っていくのだそう。こうした経験を重ねるうちに、人の目を意識するようになり、社会性が育っていきます。 ◎相手の気持ちを想像して我慢する→思いやりの心が育つ集団生活を送るなかで、時に失敗を重ねながら「こんなことをしたら○○くんは怒るだろうな」「これを言ったら△△ちゃんは傷つくな」ということを覚えて、自分の感情をコントロールできるようになると、相手の立場を考えた思いやりのある行動ができるようになると和田氏は言います。親はどうしても子ども同士のケンカや争いを避けようとしがちですが、子どもはこれらを通して我慢することを覚え、思いやりの心を育てるのです。 ◎我慢することで「ひとりでできた!」という快感を覚える→自立心が育つたとえば、小さい頃はオムツが必須ですが、ある程度成長すると、一定時間我慢してからおまるやトイレで用を足せるようになりますよね。すると、親御さんが「よくできたね!」と褒めてくれます。和田氏いわく、このとき子どもは「お母さんに頼らずに自分の力でできた!」という自立の快感を味わうのだそう。子どもは、その快感をもっと味わいたいためにまた我慢し、さらに自立の快感を味わう……というループで、我慢する力と自立心を伸ばしていきます。そのため、我慢と自立には、親が褒めてあげることが欠かせません。子どもが我慢できたら、きちんと褒めてあげましょう。 一方の「子どもにとって悪い我慢」について、東京家政大学ナースリールーム主任の井桁容子氏は以下を挙げています。×大人の都合で子どもを我慢させる自宅では許していることを、ほかの人に「だらしない親だ」と思われたくないがゆえに、人前でだけ「ダメ」と叱ったことはありませんか?普段なら許していることを、イライラして「ダメ」と禁じたことはありませんか?このように、大人の都合で我慢させるのはNGです。子どもには、大人の都合はわかりません。井桁氏いわく「あるときは良いけど、あるときはダメ」と対応を変えると子どもは混乱し、その行為が良いことなのか、我慢するべきことなのかわからなくなってしまうそう。 ×威圧的に「ダメ」と我慢させる「子どものため」「しつけ」という理由でなんでも「ダメ」と我慢させたり、子どもがやりたがらないことを無理にやらせたりすることはNGです。なぜダメなのか、子どもがきちんと理解できなければ、禁止してもまた同じことを繰り返してしまうでしょう。威圧的に我慢させるのではなく、「なぜダメなのか」「なぜやらなければならないのか」を説明してあげることが大切だと、井桁氏は言います。反対に、理由を説明できないものは我慢させるべきではないと言えますね。 ×人のせいにして我慢させる「店員さんに叱られるよ」「あのおじさんが怒ってるよ」「先生はこう言ってたよ」など、第三者のせいにして叱ったことはありませんか?このように、親以外の誰かのせいにして我慢させると、子どもは「その人の目の届かないところならやっていい」と解釈してしまい逆効果です。なぜダメなのか、親自身の思いを説明してあげなければ、我慢ができるようにはなりません。 井桁氏によると、こうした悪い我慢を強いられた子どもは、無気力になったり、人間関係がうまく築けなかったり、自分の感情をうまくコントロールできなくなったりする可能性があるそう。子どもに悪い我慢をさせていないか、親は日頃の言動を振り返ってみることも必要ですね。***我慢は生きていくために大切なことではありますが、状況や言い方によっては悪影響を及ぼす場合もあります。子どもに我慢を教える際には、それが子どもにとって本当に必要な我慢なのかどうかを考えてみることも大切でしょう。文/田口 るい(参考)こどもまなび☆ラボ|我慢ができない子どもは “親の愛” を試してる!?「自制心」が育つ親の言葉こどもまなび☆ラボ|「辛抱強い子」を育てるヒント。「我慢する力」を伸ばすのは “○○上手な親” だった!PHPファミリー|子どもにさせていい我慢、わるい我慢PHPファミリー|わるい我慢をさせてない?子どもに我慢を教えるコツPHPファミリー|「我慢する力」は、どう育まれるのかPHPファミリー|子どもを我慢させる時、受け止める時東洋経済オンライン|「おやつの我慢勝負に勝つ子」が優秀なワケベネッセ教育情報サイト|小学校以降の成長のベースとなる「我慢をする力」は家庭で伸ばす!【前編】
2019年07月27日たまの休みくらいは、思いっ切り子どもを自然のなかで遊ばせてあげたい――。都市化が進み、誰もが多忙な時代だからこそ、そう考える親も少なくないでしょう。でも、親子ともに自然に触れる機会が減っているいま、親は子どもにどのように自然体験をさせてあげればいいのでしょうか。「プロの自然解説者」である、プロ・ナチュラリストの佐々木洋さんにお話を聞きました。アドバイスに先立って語ってくれたのは、子どもたちとの自然体験活動を通じて佐々木さんが感動したというエピソードです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)いまもむかしも子どもたちの本質は変わらないわたしがおこなう子ども向けの活動は本当に多岐にわたっていて、それこそ虫ばかりを追いかけるようなこともあれば、ただのんびりと山を歩くということもあります。過去25年以上にわたっておこなってきた活動のなかでとくに印象に残っているエピソードをお伝えしましょう。その日、出掛けたのは干潟で、「泥んこ体験」をさせることが目的でした。幼い頃に干潟や田んぼで遊んだことがあれば、足の指と指の間を柔らかい泥が抜ける独特の感触を思い出すという人もいるでしょう。なんともいえない気持ち良さがありますよね。地方であれば、いまも干潟や田んぼで泥まみれになって遊んでいるという子どももいますが、都心部だとそうはいきません。連れて行った子どもたちは幼稚園の年長さんたちで、ひとりも干潟で遊んだ経験はありませんでした。当然、子どもたちはおっかなびっくりです。しかも、「汚れるとお母さんに怒られる」なんて思っている子どももいて、なかなか泥んこになりません(笑)。ところが、ある男の子が転んで泥だらけになっちゃった。すると、その瞬間、子どもたちが一斉に「わーッ!」と叫んで泥まみれになって遊びはじめたのです。わたしは、その光景を見ていて子どもたちにかけられた「現代の呪文」が解けた瞬間だと思いました。いまもむかしも子どもたちの本質は変わりません。ただ、いまの子どもたちは自然に触れる機会が激減しているというだけなのです。「ついに子どもたちの『本能』に火がついた」と、感動したことを強く覚えていますね。擬人化して虫への恐怖心を取り除く子どもたちが自然に触れる機会が減っていることを思えば、子どもを自然に親しませるには親などまわりの大人が工夫してあげることも必要かもしれません。虫が苦手だという子どもも多いものです。虫の怖さは人によってさまざまでしょうけど、ひとつは「自分でコントロールできない」ということが考えられます。自分で飼っている犬などのペットなら、その行動もある程度コントロールできますし、行動の予測もできるでしょう。でも、触った経験のない虫の場合はどんな動きをするのかがわかりません。だから怖いのです。だとしたら、それこそペットのように思わせてあげればいいのです。自然体験が少ない子どもなら、おとなしくて危険でもないダンゴムシでも触れないという子どももいます。そういう子どもにはダンゴムシに親近感を持たせてあげましょう。何匹かのダンゴムシがいたら、「どのダンゴムシが好き?」と聞いてみる。ダンゴムシを怖がる子どもなら、「いちばんちっちゃいダンゴムシ」なんて答えるかもしれません。そうしたら、「お父さんはこの大きくて格好いいヤツがいいな」「大きさがちがうから、もしかしたら親子かな?」なんて話してみる。いわば、擬人化するというわけです。そうすると、子どもは自分が選んだダンゴムシに親近感を持ちはじめます。他の虫には触れなくても、「『僕の、わたしのダンゴムシ』なら大丈夫」というふうに虫への意識が変わっていくのです。そうすれば、徐々に他の虫に対しての恐怖心も和らいでいくはずです。「子どもと一緒に体験する」という意識また、以前と比べて自然体験が減っているのは、大人も変わらないかもしれません。そういう親が子どもに自然体験をさせようとすると、つい「もっと勉強してから」と思ってしまいがちです。とくに教育熱心な親の場合、全部勉強してから教えようと考える真面目な人が多いのです。でも、そんなことをしているうちに子どもはどんどん成長してすぐに親と一緒に外で遊ぶような年齢ではなくなってしまいます。大切なことは「子どもと一緒に体験する」という意識です。公園で子どもに「この花、なに?」と聞かれて、その場で答えられなくてもなんの問題もありません。「なんだろうね?」「うちの近くにもあるかな?」なんて答えて、帰宅してから子どもと一緒に調べればいいのです。子どもとは、親が上から下に向かって教え諭すだけの対象ではありません。親もわからなくて知らないことであれば、子どもと同じ目線に立って一緒にワクワクドキドキしながら学んでみてはどうでしょうか。また、「同じ目線」という意味でいえば、実際の目線の高さを親子で交換することもおすすめします。親子で散歩をしているとき、子どもは目ざとく虫や花を発見しますよね。もちろん、目がいいということもあるのですが、それは子どもの目線が物理的に低いからです。地面に近いのですから小さな花にも気がつきますし、草木の葉の裏に隠れている虫も見つけられるというわけです。そこで、親が実際に子どもと同じ高さで周囲の自然を見てみる。逆に、子どもを抱っこしてあげて大人の目線から見える風景を味わわせてあげる。きっと、親子ともに新たな発見や感動があるはずですよ。『ナンコレ生物図鑑 あなたの隣にきっといる』佐々木洋 著/旬報社(2015)■ プロ・ナチュラリスト 佐々木洋さん インタビュー一覧第1回:「自然だし、仕方ない」現代の恵まれた子どもたちが“自然体験”から学ぶ重要なこと第2回:「虫が怖い」はこうして克服。ダンゴムシすら触れない子に、親は何をすればいい?第3回:自然観察=現場検証!?生き物の“痕跡”探しから始まる、都会でもできる自然体験(※近日公開)第4回:カブトムシやクワガタが採り放題!夏休みに親子で作る“スーパーバナナトラップ”(※近日公開)【プロフィール】佐々木洋(ささき・ひろし)1961年9月30日生まれ、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。公益財団法人日本自然保護協会自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などさまざまな立ち場で自然解説活動をしたあと、「プロ・ナチュラリスト 佐々木洋事務所」を設立。「自然の面白さや大切さを多くの人とわかち合い、そのことを通じて自然を守っていきたい」という思いのもとに、25年以上にわたって、自然観察指導、自然に関する執筆・写真撮影、講演、テレビ・ラジオ番組の出演・企画・監修、エコロジーツアーの企画・ガイド等の活動をおこなう。著書に『ぼくはプロ・ナチュラリスト 「自然へのとびら」をひらく仕事』(旬報社)、『モリゾー・キッコロ 森へいこうよ! 会える! 虫図鑑』(宝島社)、『「調べ学習」に役立つ水辺の生きもの』(実業之日本社)、『よるの えんてい』(講談社)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年07月14日共働き家庭が増え、親も子どもも忙しいいま、子どもが自然に触れる機会は以前と比べて減りつつあります。そもそも、幼いうちから自然に触れることは、子どもになにをもたらしてくれるのでしょうか。お話を聞いたのは、佐々木洋さん。職業は「プロ・ナチュラリスト」で、ご本人いわく「プロの自然解説者」です。まずは、プロ・ナチュラリストの仕事内容から語っていただきました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)老若男女を相手に自然の面白さを説く「自然解説者」わたしの仕事は「プロ・ナチュラリスト」です。耳にしたことがあるという人はあまり多くないかもしれません。というのも、これはわたしが商標登録をしているもので、一般的に広く知られた職業ではないですからね(笑)。仕事の内容をひとことでいえば、「プロの自然解説者」です。活動にはいくつかの柱があります。まずは幼稚園や保育所、小学校などで授業の一環として自然の大切さや面白さを話すというもの。それから、各地のホールなどでおこなう講演会や講習会。これらにはただ話をするだけではなく、実際に自然のなかで自然観察の指導をおこなうというものもあります。それから、書籍などの執筆活動に、テレビやラジオ番組の企画、出演です。講演会や講習会の対象は子どもたちということもあれば、子持ちかどうかにかかわらず大人の場合もあるし、外国人ということもある。場所、対象によって内容もさまざまですね。そもそもなぜわたしがこの仕事をはじめたかというと、単純に自然が好きだったということに尽きます。でも、学生時代の専門は英語音声学でした。学生の頃は英語を使った仕事をしようと考えていたのですが、自然の世界が懐かしくて戻ってきたという感じですね。わたしの出身は東京ですが、都内とはいえ河川敷がすぐそばにあって自然豊かな場所でした。その原風景がわたしをこの仕事に導いてくれたのです。「ありのままの自分でいい」と思わせてくれる自然の多様性いまの子どもたちは、かつてと比べて自然に触れる機会が圧倒的に減っていると感じています。とはいえ、自然の豊かさそのものは以前とほとんど変わっていません。都内であっても動物も虫もたくさんいて季節の草花も豊かに咲き誇るのに、それに触れる機会が減っているだけなのです。それが本当に残念でならない……。とくに幼児期から自然に触れることは子どもにたくさんのものを与えてくれます。それこそ、その「効能」には枚挙にいとまがありませんが、なかでもわたしが大切だと思っている3つの効能をお伝えします。第一に「多様性を知る」ということ。子どもは自分が好きなことであれば大人以上に熱心に知識を蓄えていきます。新幹線が好きな子どもであれば、どんな新幹線でもひと目見れば名前を答えることができるでしょう。でも、自然だとそうはいきません。どんなに虫が好きな子どもでも、幼稚園の園庭にやって来るすべての虫の名前をいうことはできないでしょう。わたしにも無理です。なぜかというと、それだけ多くの種類の生きものがいて、多様性に富んでいるのが自然というものだからです。しかも、もっといえば、それらのいろいろな生きものにはなにひとついらないというものもありません。人間からは嫌われることが多いカラスだって、自然界では食物連鎖の一部を担ってしっかり役に立っています。この意識は人間教育にもつながるものです。人はそれぞれすべてちがっていて、しかもちがっていていい。ありのままの自分を受け入れて力強く人生を歩むためには、幼い頃に自然を通じて多様性を知るべきなのです。思いどおりにならないなかで最大限の創意工夫と努力をするふたつ目の効能は、「究極の癒やしを与えてくれる」ということ。大人のみなさんだって、仕事や人間関係でストレスがたまれば、海を見たくなったり森のなかを散歩したくなったりすることもあるでしょう。これは子どもにもあてはまることです。子ども自身が大人のように意識しているかどうかは別として、自然のなかで受け取る癒やしが子どもの心をほぐして健やかに育ててくれるのです。3つ目は、「思いどおりにならないことがあると知る」こと。いまの子どもたちはかつてと比べて物質的には恵まれていますし、大人も以前ほど厳しく怒らなくなりました。ともすれば、そういう環境にある子どもは「なんでも思いどおりになる」と感じてしまいそうですが、自然だけはいまもむかしも変わらず思ったとおりにはなりません。どんなに丹精を込めて植物を育てても花を咲かせてくれないということもあります。「昨日、アゲハチョウを見た!」という友だちの話を聞いてその場所に行ってみても、今日は見つからないということもあるでしょう。そこで、子どもは子どもなりに「自然だし、仕方ない」と「あきらめる」ことを知ります。この「『あきらめる』ことを知る」ということが重要なのです。「あきらめる」というと、努力をやめるというイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。努力や、それからお金などではどうにもならないということもあるのが世のなかです。自分がなんでも支配できるわけではないということです。仕事をしている大人でもそうですよね?人間関係などさまざまな要素が絡む仕事では、ひとりの人間が思いどおりにできることは限られています。でも、その制約のなかで最大限の創意工夫と努力をする。「どうすれば花を咲かせられるか」と考える。自然と触れるなかで得るその姿勢こそが、子どもを大きく成長させてくれるはずです。『ナンコレ生物図鑑 あなたの隣にきっといる』佐々木洋 著/旬報社(2015)■ プロ・ナチュラリスト 佐々木洋さん インタビュー一覧第1回:「自然だし、仕方ない」現代の恵まれた子どもたちが“自然体験”から学ぶ重要なこと第2回:「虫が怖い」はこうして克服。ダンゴムシすら触れない子に、親は何をすればいい?(※近日公開)第3回:自然観察=現場検証!?生き物の“痕跡”探しから始まる、都会でもできる自然体験(※近日公開)第4回:カブトムシやクワガタが採り放題!夏休みに親子で作る“スーパーバナナトラップ”(※近日公開)【プロフィール】佐々木洋(ささき・ひろし)1961年9月30日生まれ、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。公益財団法人日本自然保護協会自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などさまざまな立ち場で自然解説活動をしたあと、「プロ・ナチュラリスト 佐々木洋事務所」を設立。「自然の面白さや大切さを多くの人とわかち合い、そのことを通じて自然を守っていきたい」という思いのもとに、25年以上にわたって、自然観察指導、自然に関する執筆・写真撮影、講演、テレビ・ラジオ番組の出演・企画・監修、エコロジーツアーの企画・ガイド等の活動をおこなう。著書に『ぼくはプロ・ナチュラリスト 「自然へのとびら」をひらく仕事』(旬報社)、『モリゾー・キッコロ 森へいこうよ! 会える! 虫図鑑』(宝島社)、『「調べ学習」に役立つ水辺の生きもの』(実業之日本社)、『よるの えんてい』(講談社)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年07月13日我が子が、果たして順調に言葉や文字を覚えてくれるだろうか――。幼い子どもを持つ心配性の親なら、そんな不安を抱えているかもしれません。そこで、発達心理学を専門とし、『しまじろうのわお!』(テレビ東京)などの幼児教育番組や幼児向け教材の監修を行っている静岡大学情報学部客員教授の沢井佳子先生に、言葉や文字を子どもに効果的に教える方法を聞きました。まずは、その前の段階、まだしゃべらない子どものコミュニケーションについて教えてもらいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)赤ちゃんのときの動作に言葉を覚える前兆を見るまだしゃべらない子どもでも、あとあときちんと話せるようになるかどうかを確認する方法があります。その方法は、生まれて間もない赤ちゃんの段階でもできることです。対話の基本はキャッチボールのように交互に話すことですよね?Aさんが話しているときはBさんが聞く。そして、Aさんが話し終わったあとでBさんが話す。それと同じことが赤ちゃんの行動にも見られるのです。親が「○○ちゃん、かわいいね」というと、赤ちゃんは親を見てじっとしている。そして、いい終わったあとに自分の手足を動かす。こういう答えるような動作が見られるようでしたら、心配ありません。こうした行動から、その子どもには対話へと発達するベースが備わっていることがわかるのです。また、2、3歳になってもなかなかしゃべらないとなると、やはりおうちのかたは心配でしょう。その段階になるまでに、発達上の問題がないかをチェックする方法があります。赤ちゃんは1歳になる前頃から「指さし」をするようになります。あるいは、はっきりとした指さしをしなくても、親が見る方向を一緒に見ます。たとえば、お母さんが犬を見て、「あ、ワンワンがいるよ」といったとします。その言葉を聞いて、子どもはお母さんが見ている方向を見る。これは「共同注視」と呼ばれます。別のパターンとしては、親の前でテレビを見ていた子どもが、ある場面で親のほうを振り返るということもあります。これは、まだしゃべれなくても、「面白いよね?」「お父さんも見ているよね?」と伝えようとしているということで、「社会的参照」と呼ばれ、他の霊長類にはあまり見られない、人間の子ども特有の行動です。これらは「前言語的コミュニケーション」と呼ばれる行動で、いわば「言語のもと」といえます。こういう行動が見られるようであれば、言葉が出てくるのは時間の問題。心配の必要はありません。ひらがなを覚えるための第1ステップは「音節分解」こうして子どもがしゃべるようになると、熱心な親なら五十音を順に書かせるなどして幼い子どもにひらがなを覚えさせようとするかもしれません。でも、残念ながら、しゃべりはじめたばかりの子どもにいきなり文字を覚えさせることにはあまり意味がないのです。なぜなら、まずは「聞き取る」ことが大事だからです。その視点から、ひらがなを読む、覚えるために必要となる準備として「音節分解」があります。たとえば、「たぬき」という文字を覚えるにも、まずは「た・ぬ・き」と音節ごとに分解できる必要があります。幸い、日本語のひらがなは一部の例外を除いて1音節に1文字が対応しています。英語の場合、「ノック」という1音節の発音の言葉でも文字にすると「knock」と5文字にもなる。つづりを覚えるのがやっかいですよね。英語と比較しても、日本語の「ひらがなの読み」は幼児にとって学習しやすいのです。言葉や文字の勉強というと、つい紙と鉛筆でするものをイメージしてしまいます。でも、紙と鉛筆では音節という概念を学ぶことは簡単ではありません。目と耳と口と動作を通して、音節の区切りを学ぶことが大切です。この音節分解を学ぶためには、わたしが監修したものも含めて音声や映像で教えるビデオ教材がありますから、そういうものをご覧になるとわかりやすいでしょう。注意してほしい点は、「音節分解ができなくても文字が読めるように見える」子どもがいるということ。電車が好きな子どもなら、「とうきょう」という駅名標のひらがな表記を見て「トーキョー」と声に出すことがあります。ただ、それはきちんとひらがなを読んでいるわけではなく、「とうきょう」という文字の連なりを絵のようなまとまり(パタン)として記憶し、それに「トーキョー」という音をペアにして覚えているに過ぎないのです。そこで勘違いして、「うちの子はもうひらがなが読めている」なんて思ってはいけません。まずは音節分解ができるようになること。それができてから、本当に、ひらがなという表音文字を読む……という言葉の学習がはじまるのです。とくにオノマトペの学習に有効な「実況中継」そして、子どもの語彙を豊かにしてあげたいのなら、親が「実況中継」するということをぜひ心がけてください。いまこの瞬間に起きていることを、いちいち言葉で表現して、目の前の出来事を実況中継するのです。そうすることで、紙と鉛筆で書くという学びでは得られない、生活の感覚の「実感」を伴って子どもが言葉を覚えることにつながります。これは、とくに擬態語や擬音語などのオノマトペ(※)を子どもが学ぶ際にはとても有効な手段です。たとえば、子どもがご飯を食べているときに口のまわりを汚してしまったなら、「口のまわりが『べたべた』になっちゃったね」「水で洗ったら口のまわりが『さっぱり』して『さらさら』になったね」というふうに言葉で実況するのです。そうすると、子どもの脳には「べたべた」「さっぱり」「さらさら」という言葉の音が、べたべたの触覚などの、ライブの身体感覚を伴って入っていきます。これらの感覚は紙と鉛筆で学べるものではありません。紙と鉛筆を用意してわざわざ勉強をするという場面をつくらなくてもいいのです。親が実況中継をすれば、日常のなかで子どもは、微妙なニュアンス、感覚の違いとともに言葉をどんどんと覚えていくのですから。※オノマトペ:自然界の音や声、ものごとの状態や動きなどを象徴的に表した語。擬態語、擬音語、擬声語など■ 静岡大学情報学部客員教授・沢井佳子先生 インタビュー一覧第1回:“○歳だからこれができないとダメ!”その思い込みから親を解放する「発達心理学」入門第2回:幼い子どもの言葉が格段に豊かになる、親から子への「実況中継」という方法第3回:「10まで言えるのに、5個が数えられない」?未就学児への“数”と“時間”の教え方(※近日公開)第4回:「非認知能力」という名称の流行が生んでしまった“誤解”と“困った副作用”(※近日公開)【プロフィール】沢井佳子(さわい・よしこSAWAI, Yoshiko)1959年生まれ、東京都出身。チャイルド・ラボ所長、静岡大学情報学部客員教授。認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。学習院大学文学部心理学科卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。同大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学。専攻は発達心理学。幼児教育番組『ひらけ! ポンキッキ』(フジテレビ)の心理学スタッフ、文教大学人間科学部講師などを経て現職。他に、日本こども成育協会理事、人工知能学会「コモンセンス知識と情動研究会」幹事、日本子ども学会常任理事などを務める。幼児教育シリーズ『こどもちゃれんじ』(ベネッセコーポレーション)の「考える力」プログラム監修、幼児教育番組『しまじろうのわお!』(テレビ東京系列/2016年国際エミー賞子ども番組部門ノミネート、2019年アジアテレビ賞受賞)の監修など、多様なメディアを用いた幼児向け教材やテレビ番組の制作におけるコンテンツ開発に携わっている。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年07月10日「同じ月齢のよその子どもはもうおしゃべりが達者なのに、うちの子どもはまだ話す気配すらない」――。そんなことがあれば、誰もが我が子を心配してしまうものです。そんな不安を解消すべくお話を聞いたのは、静岡大学情報学部客員教授でチャイルド・ラボ所長の沢井佳子先生。発達心理学を専門とし、『しまじろうのわお!』(テレビ東京)などの幼児教育番組や幼児向け教材の監修を行っています。沢井先生は、「子どもの発達は、『何歳でなにができるか?』ではなく、『できるようになっていく順序』が大事」だといいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)発達とは、生得的なプログラムが順に発動していくこと親であれば誰もが我が子の発達が遅れていないかと気になります。でも、「○歳だからなにができなくてはいけないはずだ」と思い込んで、「遅れているのは能力に問題があるから?」と心配をする必要はありません。人間の発達は、「あることができてから、次のことができるようになる」といった、発達段階の順序が定まっていて、多少の遅れがあったとしても、順番を踏んで、あとあと発達していくからです。なぜそのような順序の定まった発達が起こるのかというと、人間にはサバイバルのためにあらかじめさまざまなプログラムがインストールされているからです。たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんにお母さんが「ベーッ」と舌を出す姿を見せると、赤ちゃんは、お母さんの顔をじっと見つめたあと、なんと舌を出します。わたしも息子が生まれたときに実験して確かめました。つまり、人間は生まれつき模倣のプログラムを持っているということになる。いちばん身近にいる養育者――親を模倣することは、赤ちゃんにとってサバイバルのすべを学ぶということなのです。よく「子どもは試行錯誤して学ぶ」といいますが、じつはそうではありません。試行錯誤とは、たとえば手足をめちゃくちゃに動かすような、無駄な行動を何度も繰り返して、目的のために効果的なものを選んでいく過程を指します。でも、赤ちゃんの場合はそうではありません。意外なほどすっと無駄なくいろいろなことができるようになる。それは、身近な人を「観察して模倣するプログラム」がインストールされているからに他なりません。このように、あらゆる発達に関するプログラムが、人間にはインストールされています。つまり、発達とはなにかというと、もともとインストールされている生得的なプログラムが、身近な人とのやりとりと、まわりの環境の刺激に誘発されて、順々に発動するということ。ですから、発達段階に合っていない知識や技能を詰め込むような教育は、効果がないばかりか、自ら行動的に遊んで学ぶ「思考の機会」を奪うことにもなりかねません。子どもとのおしゃべりや遊びを心掛けながら、次の段階を「待つ」ことが大切なのです。まだしゃべらない子どもの発達は「動作」で確認するでは、幼児の発達の順序についてかいつまんでお伝えします。0〜2歳のあいだは、論理の基礎となる大事な事柄を体全体で学ぶ時期です。それは、「ものは隠されてもそこにあり続ける」ことの理解。心理学では「対象の永続性」といいます。赤ちゃんは「いないいないばあ」が大好きですよね。0歳はじめの赤ちゃんにとって、「ものは隠されていてもそこにあり続ける」ということや「もののなかにものが入る」ということは大発見なのです。それから、2歳までのあいだはものの並び方の順序の規則性、「系列」を学ぶ時期でもあります。わたしが1980年代に心理学スタッフを務めた『ひらけ! ポンキッキ』(フジテレビ)でも系列を課題にした映像をたくさん放送しました。たとえば、「シマウマ、ペンギン、シマウマ、ペンギン、シマウマ、次はなにかな?」という遊びです。「シマウマ」と「ペンギン」の絵が順に登場するのですから、系列を理解している子どもは「次はペンギン!」としっかり答えます。こうした順番の規則性を読み取る「系列」についての理解は、「朝・昼・夜」「春・夏・秋・冬」といった、時間の繰り返しの理解や、自然数の系列(1、2、3……)の構造の理解にもかかわります。また、言葉の順番から意味を予測するという文法の理解も助けるのです。世界を理解するためには、ものの並び方の規則性を発見し、順序を予測することが大事です。でも、2歳だとまだしゃべらない子どももいますから、おうちのかたは心配なさるでしょうね。そこで、子どもの発達を言葉ではなく「動作」で確認してみてください。1歳半頃になると、まだしゃべれなくても系列などをすでに理解した子どもは「機械の操作」ができるようになります。わたしの息子が1歳6カ月のときは、『くまのプーさん』のレーザーディスクを観たいがために、テレビとレーザーディスクプレーヤーの電源を入れて、セレクターも含めたスイッチをきちんと順番に押すということをしていました。つまり、そこには系列はもちろん、因果関係についての論理的理解があるということです。また、たとえしゃべらなくても、言葉を理解しているということもわかります。子どもに向かって、指さしをしながら「○○ちゃん、あのウサギのぬいぐるみを持ってきて」というとぬいぐるみを正しく持ってきてくれる。「ウサギはどれ?」と尋ねれば、ウサギのぬいぐるみを指さす。こういうことができていれば、言語理解や指さしによる表現はできていますから、言葉を話しはじめるのも時間の問題でしょう……と安心できるのです。短期記憶が増える5歳半で一気に大人びる3歳になると、思い浮かべる力、「表象能力」がものすごく発達します。2歳児の場合は、語彙は一気に増えますが、まだ表象能力は十分に育っていません。なにかの病気で子どもが入院しないといけないというとき、2歳児に「入院だから今日は病院で寝るのよ」というと、「入院だね、わかった!」なんて答えますが、いざ病院から親が帰ろうとすると泣いて怒ってしまう。なぜなら、自分が病院でひとりで寝るということを頭に思い浮かべられないからです。でも、3歳になればそういう未来のことも、話を聞くだけでイメージできるようになります。また、表象能力が発達するということは、目の前に電車がなくても、ロープを電車に見立てて電車ごっこをして遊んだり、姿やかたちのちがうもの同士の共通性を見つけて「生きもの」「乗りもの」などの仲間に分けたりするなど、抽象的な話も次第にできるようになります。つまり、抽象物への理解が進み、文字や数について学ぶ体勢が整う時期といえます。続いて、4歳では爆発的に語彙が増えます。電車や図鑑が大好きな子どもだと、大人が知らないようなマニアックな知識も持っているということもありますよね。それらの知識にまつわる多種多様な言葉はこの時期に覚えるものです。でも、一気に増えた言葉や知識をきちんと整理できていないので、大人顔負けの膨大な知識を持ちながら、子どもらしい勘違いをしている例もしばしば見受けられ、大人が思わず笑ってしまうような面白い時期ともいえます。それから、次の大きな発達が訪れるのが5歳半頃。この時期の子どもは、短期記憶が大人の半分くらいにまで達します。コンピューターもメモリが増えるとできる作業が格段に増えますよね?それと同じように、頭のなかでふたつのことを思い浮かべて比較する、いまのことを考えながら未来の話をするということもできるようになるのです。それによって、物語のような文章をつくらせても、物語のはじまりから終わりまでの流れを認識する余裕があり、かなりのレベルのものをつくることができて、一気に大人びたように見えてきます。ここでは一般的な年齢での発達の過程をお話しましたが、先にお伝えしたように「○歳だからなにができなくてはいけない」といった思い込みや心配は無用です。年齢を輪切りにして着目するのではなく、発達の順序の進み方をご覧になって、順調ならば安心して見守ってください。逆に、親が指さしをしても一緒に見てくれないし、自分で指さしなどの動作のやりとりをしないのに、文字には関心がある……というように「発達の順番がおかしいかな?」などと感じるようなら、地域の小児専門病院、いわゆるこども病院で診てもらうことをおすすめします。■ 静岡大学情報学部客員教授・沢井佳子先生 インタビュー一覧第1回:“○歳だからこれができないとダメ!”その思い込みから親を解放する「発達心理学」入門第2回:幼い子どもの言葉が格段に豊かになる、親から子への「実況中継」という方法(※近日公開)第3回:「10まで言えるのに、5個が数えられない」?未就学児への“数”と“時間”の教え方(※近日公開)第4回:「非認知能力」という名称の流行が生んでしまった“誤解”と“困った副作用”(※近日公開)【プロフィール】沢井佳子(さわい・よしこSAWAI, Yoshiko)1959年生まれ、東京都出身。チャイルド・ラボ所長、静岡大学情報学部客員教授。認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。学習院大学文学部心理学科卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。同大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学。専攻は発達心理学。幼児教育番組『ひらけ! ポンキッキ』(フジテレビ)の心理学スタッフ、文教大学人間科学部講師などを経て現職。他に、日本こども成育協会理事、人工知能学会「コモンセンス知識と情動研究会」幹事、日本子ども学会常任理事などを務める。幼児教育シリーズ『こどもちゃれんじ』(ベネッセコーポレーション)の「考える力」プログラム監修、幼児教育番組『しまじろうのわお!』(テレビ東京系列/2016年国際エミー賞子ども番組部門ノミネート、2019年アジアテレビ賞受賞)の監修など、多様なメディアを用いた幼児向け教材やテレビ番組の制作におけるコンテンツ開発に携わっている。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年07月09日恋愛がうまくいかないとき、「私ってもしかしてダメ女?だから変な男ばかり引き寄せてしまうの?」なんて落ち込んだことは誰しもあるのではないでしょうか。付き合う男性にいつも浮気される、お金を貸してしまう・・・などはダメ女の特徴に当てはまっているかもしれません。でも、「ダメ女」って実はけっこうモテる特徴があるんですよね。ダメ女に惹かれる男性心理や、ダメ女を抜け出すコツを解説します。■ダメ女たちには共通点がある!性格編知識が浅いダメ女が男性から騙されやすい理由として「知識が浅い」ということがあります。周りにいるダメ女のよくある特徴として「お金を簡単に貸してしまう」という被害を耳にしたことがありませんか?でも、これは貸してしまった方の知識のなさにも問題があるのです。お金に対しての知識が浅いか深いで返済してもらえる可能性は大きく変わります。例えば、彼から借金を申し込まれたとき、「すぐに返すから!」と言われて返ってこなかった場合。紙に「○○さんから○万円を借りました。○月○日までに返済します」という形で借用書を書いてもらっておけば証拠になるのに、そういった知識がないために「俺は借りていない」と言い逃れられて泣き寝入りすることになるダメ女が多いのです。大好きな彼に何か頼まれたとき、すぐに信じてしまうのではなく調べてから行動することも大事です。「どうせ私なんて」が口癖卑屈で自分に自信がないのもダメ女の特徴です。「どうせ私なんて」が口癖で、人から「そんなことないよ」と言われると安心します。でも、これを繰り返しているとずっと変わりません。「どうせ私なんて」という言い方は、謙虚なようで実際は違います。「どうせ私なんて頑張っても無駄だからしない」「どうせ頑張っても認めてもらえない」など、自分でダメ女から抜け出す努力を捨ててしまっている言い方なのです。なので、聞いた人も決していい印象を持ちません。周りにポジティブな人がいなくなってしまい、ダメ男が寄ってきやすくなる悪い口癖なので、もし心当たりある方は今日からすぐにやめましょう!人との付き合いが苦手「私、人見知りだから」と言い訳して、なかなか新しい人間関係を作っていかないのもダメ女の特徴です。飲み会や合コンなどを自分から主催することはまずないでしょう。誰かがどうにかしてくれるのを"待っているだけ”で、自分からは何もしません。でも、「人と比べられることや、人に合わせることが得意ではないので友達は要らない」と割り切って1人でいることを好むのであれば話は別です。自分が今の環境に満足しているのであれば、マイペースに生きることは決して悪いことではありません。「もっと人と仲良くしたい」と思っているのにやらない、人任せにしてしまうことが問題なのです。また、LINEの返信もすぐに返さない、気分次第でドタキャンする・・・・・・などの行動を取っているのであれば要注意です。そんな行動を取り続けていると、これまで助けてくれていた友達もいつかはいなくなってしまいますよ。誰にでも甘えるダメ女は誰にでも甘えるのでトラブルになりやすい特徴も持っています。甘え上手なのは決して悪いことではありません。でも、問題なのは甘える相手や甘え方なんです。友達の家に長い間居座ってしまう、借りたものを返さない、友達の彼氏やダンナさんにまで甘えてしまう・・・・・・など、誰にでも"甘えすぎ”なのは考えもの。特に、友達の男関係に思わせぶりな態度を出してしまうのは人間関係が壊れるきっかけに。男性の目から見ると、気軽に頼ってくる、甘えてくる女性は「俺のこと好きなんだろうな」という思わせぶりな態度に見えてしまうもの。思わせぶりが無意識にやってしまっている態度だったとしても、男性の心をかき乱してしまうので、「友達の彼氏に告白されてしまった」などの事件が起きやすいのです。思わせぶりをやめたいという気持ちがあるなら、「私の態度って思わせぶりに見える?」と女友達に確認してみると何が問題か分かるでしょう。人の話はスルーして自分の話ばかりする「人の話を最後まで聞かない」のもダメ女の特徴です。「聞いて聞いて!」と自分の話ばかりして、相手がしゃべっているときに遮ったり、つまらなさそうな顔で接していたら、どんどん相手はストレスに感じてしまいます。自分の話ばかりする子よりも、自分の話を聞いてくれる人と過ごす方が楽しいですよね。「この子と喋っても面白くないから会わない」とならないよう、会話中に自分の話ばかりになっていないかはいつも意識したほうがいいでしょう。キレやすい自分がキレやすいという自覚がある方には耳の痛い話かもしれませんが、大人の女性として、他人に不機嫌をぶつけたり、いきなりキレないというのは大事なこと。「コントロールできない」というのはダメ女の素質アリですよ。生理前や生理中は感情の起伏が激しくなって普段よりもキレやすいという方も多いかもしれないですね。「体調なんだからしょうがない」と言い訳しないのが大人の女性のマナーです。キレやすいのが分かっている時期は人と会う約束を入れないなど、避ける方法を見つけるようにするとダメ女認定されなくなるかもしれません。■ダメ女は基本的にだらしない?生活編片付けられない人にも他人にもだらしない。これもダメ女の特徴のひとつです。そして、人間関係がだらしない人ななぜか部屋も片付けられない人が多いのです。これは"優先順位の付け方が苦手””捨てるのが苦手"という共通する性質のせいかもしれませんね。部屋を綺麗に保つには物を少なくしマメに掃除することが大事ですが、片付けられない人は「何から手をつけていいか分からない」「全部大事だから捨てるものがない」などの言い訳を繰り返し、変えようとしません。人間関係も同じように「頼まれたら断れない」「先にしてあった約束より彼氏からの呼び出しを優先してしまう」など、優先順位をつけられないので関係がゴタゴタになりやすいのです。借金してもへっちゃら!お金にだらしがないダメ女のだらしない特徴のなかでも、人に迷惑をかける頻度が高いのが「お金にだらしない」という点です。借金しても「早く返さないと!」という責任感がうすいので、平気で踏み倒すこともあります。人からの信頼を失ってしまう残念な特徴なので、ダメ女を抜け出すためには「借りない」「あるだけお金を使ってしまわない」を意識することが大事ですね。家事全般が苦手面倒なことは後回し、楽しいことを優先させてしまうダメ女は、家事全般が苦手な人が多いです。ゴミを捨てるのを忘れてベランダがゴミ袋だらけになる、掃除機をかけるのが嫌いで床が髪の毛やほこりだらけでも気にしないなど「汚部屋」になる可能性も高いでしょう。洗濯が面倒で新しい服を買ってしまう、料理が嫌いなので外食ばかりになってしまうなどズボラなせいでお金が無駄にかかることも多いはず。家がごちゃごちゃしていると、目につくたびに心や体が休まりません。そのせいで余計にイライラすることも増えてしまうでしょう。約束を平気ですっぽかす「約束は守らないといけない」という感覚が薄く、自分のことしか考えていないので大事な約束も平気ですっぽかすことがあるのがダメ女です。相手はそのために時間を作って準備してくれているのに、すっぽかされたらショックだし悲しい気持ちになります。人に対して約束を守らなでいると、相手から約束を破られることも多くなり、信頼しあえる人間関係が築けません。■ダメ女の男性関係とは?恋愛編ダメ女にも種類がある!こんなダメ女は嫌われるひとくちに"ダメ女”といっても、色んな種類の女性がいます。自分にだらしないだけなら人に迷惑をかけることはありませんが、男関係にまでだらしないのは一番嫌われるポイント。彼氏がいても他の男性に誘われると断れない、友達の彼氏に手を出してしまう・・・・・・など、下半身が’ルーズなダメ女は多くの人から嫌われてしまいます。男性からの褒め言葉に流されやすい女性は要注意、男関係で嫌われるダメ女の素質を持っています。友だちと会うのもNG?束縛がきつい自分に自信がないために、付き合う相手を束縛してしまう傾向もあります。また、自分が平気で人の彼に誘われてもOKしてしまう、手を出してしまうので、彼が「男友だちと会う」と言っても「陰で他の女と会っているのでは」と考えてしまって彼氏のことも信用できないんですね。誘われるとついフラフラしてしまう性質から直さないと、嫉妬と束縛に疲れてしまう恋愛からずっと抜け出せないでしょう。なんでも依存してくる自分で考えるのが苦手で、つい人に依存してしまうクセがある人は恋愛がうまくいきません。家賃を払ってくれるから・・・・・・とよく知らない男性の家に転がり込んだり、すぐに仕事をやめてしまったり。わがままを言っても怒らない、甘やかしてくれる人としか付き合わないそんな生活を続けていると「別れたくてもお金がないから別れられない」という辛い状況になってしまうこともあります。ちゃんとした大人の男性なら、お互いに依存しない自立した関係を好むもの。経済的、精神的に依存できることが愛だと思っていると、対等な恋愛はできません。マイナス思考頭のどこかで「私はダメな女だ」と思っている女性は、そのマイナス思考が恋愛にも反映されてしまうのでダメな女でいられる相手ばかり引き寄せてしまいます。自分以上にだらしないダメ男に引っかかることも多いはず。「自分は変な男にばかり引っかかる」というネガティブなマイナス思考から抜け出さないと、ずっと同じような恋愛を繰り返してしまいますよ。スマホを見るのは当たり前!いつも監視される彼氏のスマホを見るのは当たり前、という感覚を持っていませんか?その裏には「私は絶対浮気されるはず」という悪い思い込みがあるのではないでしょうか。過去の彼氏が全員浮気をしてきたというのであれば、自分でも気付かないうちに浮気性の彼氏を選んでいるのかもしれません。浮気は嫌だと思いながら「ダメ女の私はどうせ浮気するような彼氏しかできないんだ」と矛盾したことを同時に考えている可能性があります。また、付き合った彼氏からいつも監視される・・・・・・という方も同じで「男は信用できない」という気持ちが強すぎて、同じような「女は信用できない」という人を引寄せているのでしょう。空気が読めない彼氏が友だちを紹介してくれない・・・・・・という女性には、ほぼ間違いなくある特徴があります。それは「空気が読めない」ということ。自慢できる彼女なら、どんどん紹介したいと思うもの。彼女のことは好きだけれど、空気が読めない子を友だちのいる場に連れていったら雰囲気が悪くなるのが分かるので連れていけないのです。過去の歴代彼氏に友だちを積極的に紹介してもらっていないのであれば、自分の空気が読めない度合いをちょっと振り返ってみたほうがいいかもしれません。相談内容が重すぎる見た目は可愛いのに本命彼女に選ばれない場合は、相手との距離感を間違えているのかもしれません。付き合う前の段階から、男性に重すぎる相談をしてしまうので「俺にはこの子を幸せにしてあげられない」と引かれてしまうのです。重くて暗い相談をしても笑顔で聞いてくれるような男性は「騙しやすそう」と思って寄ってきていると思ったほうがいいでしょう。■ダメな女はかわいい?ダメな女を好きになる男性の心理自分だけを見ていてくれるダメ女は女性からは嫌われてしまうことが多いですが、男性からは意外とモテます。依存心が強く、束縛が激しいのも最初は「俺だけを見てくれているからなんだ」と相手が勘違いしてハマるんですね。逆のパターンで、束縛が激しいダメ男に対しても「この人、自分だけを見てくれている!」と感激して夢中になってしまう場合もあります。顔やスタイルが良ければ内面は関係ないダメ女って見た目はけっこう美女や可愛い子が多いんです。というのも、外見がブスだと許されないことも多いけれど、可愛いから色々なことが許されてきてしまった結果ダメ女が出来上がるからです。ただ、そんな女性によってくるのは「顔やスタイルが良ければ内面は関係ない」という見た目しか追いかけない男性です。外見しか興味がない男性と付き合うと、最初はチヤホヤされても他にもっと美人が登場したら振られてしまう。このような成長のない恋愛を繰り返すことが多いです。守ってあげたくなる自分で人生を切り開いていく自立心の薄いダメ女は、「どうにかして男性に頼って生きていきたい」と思っています。でも、それって「男なんていなくても生きていけるわ」という全然可愛げのない女性に比べると男性から見て魅力的なんですよね。「私は一人じゃ生きていけない」と素直に甘えられるダメ女は、男性が守ってあげたくなる魅力を持っているといえるでしょう。放っておけないあまり深く考えず思いつきで行動してしまうことも多いダメ女は、いろいろなトラブルに巻き込まれることも多いです。男性関係で揉めてストーカーに遭ってしまう、男に騙されて借金を背負ってしまうなど、波乱万丈な人生を送ることも。でも、そんな頼りない姿は男性にとって「放っておけない存在」に移ります。素直に頼るのは得意なので、しっかりして面倒見のいい男性とダメ女はベストカップルになるかもしれません。頼られたい男性は「頼られたい」という気持ちが強い人が多いので、女性はある程度甘え上手なほうがカップルとして長続きします。仕事のできる女性が「君は一人でも生きていけそう」と言って男性から振られてしまうケースがありますが、ダメ女はその真逆だからモテるんです。「俺がいないとこいつはダメなんだ」そう思えるのって、男性にとってはけっこう幸せなこと。頼られたい願望が強い男性にとっては、一般的なダメ女も可愛い女性に見えるでしょう。男としての自信を満たしてくれる自分に自信がなくマイナス思考なダメ女は、決して悪いことばかりではありません。その分男性に素直に頼ることが出来、男としての自信を満たしてくれる存在になれます。依存するのも得意なので、「彼女は俺のおかげで生きていけている」と男性が思いやすいんですね。甘えるのが上手なので、家事も仕事も完璧なキャリアウーマンよりも、男としての自信を満たしてくれる存在になりやすいのです。自分もダメ女に共感するところがあるだらしないところの多いダメ女が男性からモテる最大の理由は「一緒にいて素の自分をさらけ出しても許されそうだから」なのかもしれません。ダメ女が男性を引きつけるのは、そのスキの多さ。「自分もダメ女に共感するところがある。そんなに俺は完璧な人間じゃない」と感じるからこそ、電球に引き寄せられる虫のように多くの男性が寄ってくるのではないでしょうか。■まとめ自分では短所だと思っていても、他人から見ると居心地がよく魅力的な面も多いダメ女ですが、「お金にだらしない」「約束をすっぽかす」「他人の彼氏をとってしまう」などの性質は改善したほうがいいですね。人間、いきなり変わるのは難しいですが、まずは「直そう」という意思が大事です。「ダメ女から抜け出したい!」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2019年07月08日