コピーライターとは、言葉で多くの人とコミュニケーションをとる仕事。であれば、コミュニケーションの第一人者ではないかという観点から、仕事で心がけていることを伺っていくのがこの連載。今回は、ルミネの広告で女心を表し多くの人の心をつかんだ、博報堂 尾形真理子さんにお話を伺った。○長所、短所ではなく「特徴」を捉える――実務的なところで。社内で仕事を割り振られることが多いんですか?若い頃はほとんどそうですね。今はクライアントからの指名や、自分がチームを作ることの方が増えてきました。どちらにせよ、自分で環境を選べる部分と選べない部分はあります。選べない部分に関しては、「やだなぁ」と短絡的に思うとつまらないので、自分のなかで勝手に目標をつくることはしています。趣向性の違う方と仕事するなら、「好みでない仕事の仕方とはどういうものなのか、見てみよう」とか(笑)。――逆転の発想ですね!いやだと思うことも、特徴と捉えたら色々知ることはできるんですよね。例えば一般的に足が速い人がいいといわれているけど、足が遅いからこそ見えている景色があったりとか……速いも遅いも高いも低いも、メリットという言葉に置き換えるとつまらなくなるけど、特徴として見たら、自分のなかで学びが生まれることがたくさんあります。何本コピーを書いて持っていっても決めてくれないクリエイティブ・ディレクターとか、いやなわけですよ(笑)。若い頃は、「なんで決めてくれないんだ」「優柔不断じゃないか」と思っていました。でもそれだと不満でしかないから、先に進まないんです。"決めない"とはどういうことなんだろう? と、知ることを目的にすると、見方が180度変わりました。――それは具体的な経験ですか?そうですね。自分の中でかなり印象深い出来事だったのですが、決めない人のことを知ったら、それは"待てる人"だったんです。決められないのではなかった。たくさん考えて、もっともっと可能性を探ることを許してくれて、こちらが提案するものや書くコピーの精度があがってくるのを待てる力がある。「なんてありがたいんだ!」と、驚いた経験でした。「待つ」というのは、相手を信じてないとできないし、もっと言えば自分の答えを持っていないと怖くてできません。もちろん、ただただ決めない人もいます(笑)。そして単純にわたしが書けてないから、どうやっても選ぶコピーがないということも。それとはレベルの違う「待てる」能力に気づいて学ぶことができたのは、自分のなかで転換してみたおかげだと思います。○相手の行動を、ポジティブにひっくり返す――自分の理想の反応とは違う相手の真意を知ることができたら、コミュニケーションとしても強いですねコピーは、基本的には相手がいる言葉ですが、受けとる相手の反応を100%予測できるものではありません。「あのへんにボールを蹴りたいな」では届かない、もしくは無視されてしまいます。「あの走っている選手の3歩先の左足にアシストしたいな」というくらいの精度を求めてはじめてキャッチしてもらえます。それでもわたしにできるのはアシストまで。そのあとに蹴るのは受け手なんですよね。「なんで拾ってくれないんだ!」って相手に不満をもっても意味がないんです。――なんで蹴ってくれないんだ! とか……そこに怒っていたら続けられないから、自分のできることは精一杯やる。根性ではなく、自分が受け取れる限りのポジティブな解釈をすることかもしれないです。それはクライアントやスタッフに対しても同じで、「あの人が決めてくれない」「あの人は遅い」「あの人はどうだ」という不満を、どこまであきらめずに、ポジティブにひっくり返していけるか。どうやっても変わらないところもあるんですけどね。――その思考は、どうやって身についていったんですか?……やっぱり、失敗だとか怒られたりとか外されたりとか、経験が大きいと思います。うまくいっているときの、プラスのコミュニケーションって簡単なんですよね。たぶん恋人の関係とかもそうで、関係が良好ならば何を言ってもコミュニケーションになる。「このほうれん草おいしいね」「いやそれ小松菜だよ」っていう会話ですら、すごく幸せ(笑)。だけど、それが険悪な状況だったらどうなるでしょうか? 自分から踏み出せる一歩を持っているか。マイナスな状況を改善できる能力が、コミュニケーション能力なんだと思います。――マイナスな状況は多いですか?クライアントと世の中の人に、そもそも関係があるものばかりではありません。企業がAという商品を出したい、売りたいと考えても、消費者から見ればBでもCでもいい。「これを買ってほしい」ときに、どう回路をつくれば関係が生まれるか、と考える仕事なんです。マイナスな状況で、いかにプラスを作れるか。それは広告の思考なのですが、結局自分のキャリアの思考にもなっていると感じます。"くせ"に近いですね。コピーライターには、シニカルに聞こえるようで、意味はポジティブ、という発言をする人が多いです。マイナスな状況をどこかで前向きにとらえていて……それはおそらく、口説く仕事だから。口説く側が先にくじけてしまったりいじけてしまったりすれば、相手との関係は終わってしまいます。――もともと相手はこっちを見てくれてないぞと、マイナスな現状を把握しつつプラスに変えようとしているのですね……今日ここに来るまでに覚えている広告はありますか?――ちょ、ちょっと……いやでも、そういうものなんです(笑)。無視されるのが前提です。自分に差し出せるものがなければ、仕事が来るわけないというのも、同じことです。※次回は4月27日更新予定『広告』1948年創刊。博報堂の社員が中心となって編集制作を担当している。397号~404号の編集長として尾形真理子さんが就任。「なぜか愛せる人々」をテーマに展開している。現在発売中の398号では特集テーマとして「3cmのいたずら心」を掲げている。インフォメーションサイトはこちら。
2015年04月24日元山梨放送で現在フリーの中込真理子アナウンサー(29)が8日、自身のブログで第1子となる男児出産を報告。愛息子の写真を添え「私の王子様デス」「想像以上に可愛いぃぃぃぃです」と喜びをつづっている。佐伯桃子アナ、第1子女児出産「ようやく会うことができました!!」中込アナは「赤ちゃんに!赤ちゃんに!ついに赤ちゃんに会えましたょー」と喜び爆発で報告。「仏サマみたいな顔してます(笑)私の王子様デス」と早くも親バカ全開の様子で「どんな顔してる?どんなお手てしてる?ってずーっと想像してましたけどホンモノは想像以上に可愛いぃぃぃぃです」と写真を添えた。産後疲れがあったという中込アナだが「赤ちゃんが泣いてると『どうしたんだ?!』と気になってしまってついついせわしく動いている自分がいて母親ってこうゆうことなんだとシミジミシミジミ~」とつづると「見守っていただきありがとうございますこれからも育児の様子ブログで報告させていただきますね!!」と結んでいる。中込アナは大学在学中にミス横浜国立大学などを受賞。2007年に山梨放送入社し、2012年にフリーに転身。昨年8月にブログを通じて一般男性との結婚と妊娠を発表していた。
2015年01月08日博報堂は12月10日、同社の雑誌「広告」のリニューアルを発表した。「広告」は、1948年に広告文化の創造と発展を目的として発行された季刊誌。12月時点で通巻396号が発行され、編集製作は博報堂の社員が中心となって行う。2012年8月号~2014年10月号まで、「恋する芸術と科学」をテーマにさまざまな特集に取り組んできたが、2014年をもって同テーマを一旦終了とする。2015年は、新編集長に同社コピーライターの尾形真理子氏を迎え、「なぜか愛せる人々」を通年テーマに置き新しい体制で再スタートをきる。今後は、毎号、多様な価値観をもつ人々にフォーカスをあて、「人間」を丁寧に見つめていくことで社会の兆しを切り取っていくことを目指すという。尾形氏は、「リニューアル号の特集は『水色の自己主張』。声高に自分の考えを主張するのが『赤』だとしたら、誰かのためにできることを自分なりに続けて、いつの間にか周りの人たちをやわらかく導いていくような主張は『水色』かも。そんなイメージを抱きつつ、多様な『自己主張』と『水色』と結び付けて考えてみた特集を期待ください」と意気込みを語る。
2014年12月11日