オムニバスは8月19日、広告主及び広告代理店向けに動画広告専門のプライベート・マーケットプレイス(PMP)サービスを開始した。同サービスは、優良なWebメディアを絞り込んだ上で動画広告を配信したいという広告主のニーズに応えるため、動画広告SSPにおいて動画広告枠のマネジメント支援をサポートしてきたTV局や新聞社など、約50のWebメディアの動画広告をネットワーク化することにより実現したもの。同サービスにより、広告主と広告代理店は、どの媒体・広告枠に対して動画広告を配信するかを選択でき、ブランドとして不適切なWebメディアへの広告配信を防止するほか、媒体・広告枠単位での効果測定が可能になるという。ネットワーク媒体の例としては、テレビ東京のテレ東プレイや新聞社の朝日新聞デジタル、MSN、東洋経済オンラインなどとなる。同社は今後、同サービスとDSPの接続を順次行っていき、ネットワーク媒体数の拡大を図っていく考えだ。
2015年08月20日Facebookは8月18日、今春リリースした「ダイナミックプロダクト広告」を、数週間かけて強化すると発表した。新たにクロスセルやアップセル、コンバージョン最適化、オーディエンスネットワーク対応といった機能を追加していく。ダイナミックプロダクト広告は、Webサイトやモバイルアプリで買い物をする人々に対し、有益で関連性の高い商品を宣伝するのに役立つ。小売業やEコマース向けの広告製品で、利用者が関心を持ってくれそうな商品をターゲットに応じて自動的に宣伝する。サービスリリース以来、あらゆる機器においてコンバージョンの増加や顧客獲得単価(CPA)の低減に貢献しているという。現在のダイナミックプロダクト広告では、商品を見た人やカートに入れた人に対して関連商品を表示できるが、今後は商品を購入した人に対しても関連商品を表示できるようになる。例えば、オンラインショップで自転車を購入した人に対し、ヘルメットやバスケットなど、自転車を購入した人が関心を持ちそうな商品を宣伝するといったことも可能になる。また、「関連商品」の定義もより柔軟になる。例えば、モバイル・ショッピング・アプリでカートにファッションシューズを入れた人に対して、ファッションシューズのカテゴリからはもちろん、ハンドバッグのカテゴリからも商品を紹介でき、商品カテゴリ自体も自由に定義できるため、思い通りに広告を運用できる。数週間のうちに、ダイナミックプロダクト広告はオーディエンスネットワークに対応し、Facebook外のWebサイトでも買い物客にリーチできるようになる。
2015年08月20日アドウェイズは8月6日、Twitterより「Twitter Official Partner」に認定されたと発表した。これにともない、Twitter提供の広告APIを利用した広告運用プラットフォーム「STROBELIGHTS 4T」の提供を開始する。「STROBELIGHTS 4T」は、世界対応のスマートフォンアプリ向け効果測定システムである「PartyTrack」の開発を手がけているBulbitが開発。広告運用の効率化・自動化を支援するもので、Twitter広告の運用に際して、大量のターゲティング設定を一括で行ったり、自動化ルールの作成によって、人力では困難な大量のクリエイティブ精査が可能になるという。アドウェイズは、以前よりTwitterのトラッキングパートナーに選ばれていたが、今回はAdsAPIのパートナーとして新たに選定された。
2015年08月07日博報堂DYメディアパートナーズは8月5日、Facebook Japanと共同で、広告効果を測定する調査「TVCM×Facebook 動画広告のクロスメディア広告効果調査」を実施したと発表した。調査は、TVCMとFacebook広告動画の両方を駆使したクロスメディア広告の効果を測定したもの。Facebook動画広告とは、ユーザーのニュースフィード上に掲載され、広告が表示されると、動画が自動で再生を開始する動画広告商品だ。調査対象のキャンペーンは、2015年3月の「TVCM×Facebook 動画広告 クロスメディアキャンペーン」を実施した自動車、清涼飲料、健康系飲料の3キャンペーン。調査対象者は、関東地区/男女20-69歳のインターネットユーザーで、各キャンペーン3万5000人以上、延べ約10万5000人。ビデオリサーチインタラクティブが実施した。調査結果によると、TVCMとFacebook動画広告を掛け合わせることで、「ターゲットリーチ率」「広告認知率」「ブランド評価」などにおいて単体で実施するよりも広告効果が高くなる傾向が見られ、特に若年層での向上効果が顕著であったという。また、重複接触により、最も高い広告認知率と最も高いブランド評価(商品認知、商品購入利用意向など)が得られた。博報堂DYメディアパートナーズは、今回の調査を受け、今後TVCMとFacebook動画広告によるクロスメディア広告出稿提案を推進するとともに、広告投資を効果的に活用するソリューション提供を目指すとしている。
2015年08月06日レクサスは5日、グローバルブランド広告キャンペーン「AMAZING IN MOTION」第4弾「SLIDE」で、2015年6月に発表したLEXUSホバーボードの全容を公開した。LEXUSホバーボードは、2つの低温保持装置の中で超電導体が液体窒素によりマイナス197度に冷却され、永久磁石のレールの上に置かれることで浮上する。レールの磁場がホバーボードの超電導体の中に「凍結」されることで、ボードとレールの間に一定の距離が保持されて浮くことができるのだ。この力は、ホバーボード上で人が立ったりジャンプしたりできるほど強いものだという。LEXUSホバーボードのプロジェクトは、磁気浮上技術を専門とするIFW Dresdenおよびevico GmbHからの科学者チームの協力のもとで18カ月前に開始。ホバーボードのテストライダーを務めたプロスケーターのロス・マクグラン氏により、ドイツ・ドレスデンで大がかりなテストが行われ、その後もプロジェクトチームはテストを重ねてホバーボードの限界に挑戦し続けた。6月の発表以来、LEXUSホバーボードのテストは、スケートの要素と技術を組み込んだ特設のホバーパークにて進められた。ホバーパークに敷設するため、最長200メートルに及ぶ磁気のレールがドレスデンの施設からバルセロナに運ばれ、従来のスケートボードでは実現し得ない、水面上を走行するというような技も実現している。数々の受賞歴を持つヘンリー=アレックス・ルビン監督によりその様子は撮影され、動画が公開された。LEXUSホバーボードの動画「SLIDE」には、2015年北米国際自動車ショーでワールドプレミアした高性能スポーツセダン「GS F」が登場。同動画は、レクサスの創造力と革新性を表現する「Amazing in Motion」キャンペーン第4弾の一環となっている。なお、LEXUSホバーボードはプロトタイプであり、販売の予定はない。
2015年08月05日アップルは、Apple Watchの新しいスポット広告(CM)を公開した。"Closer"と"Beijing"と題されており、日常生活での利用における、Apple Watchのパーソナルで多面的な能力を前面に打ち出している。"Closer"と題されたCMでは、Apple Watchというパーソナルなデバイスが我々にとって最も個人的な人間関係、すなわち親と子供の関係にどのようにフィットするか、あるいは役に立つかを表現している。子供の好きなアニメ番組で始まり、母親からの呼び出しに応え、ちょっとした問題をシンプルな絵文字を使って解決する様子を捉えている。アップルでは、Apple watchの大ファンだという保護者から、Apple Watchを使ってやれること・やれないことについてのヒアリングを行っているそうだ。このCMはまさにそういった生の声が反映された仕上がりになっている。もう一本の"Beijing"では、ベルリンから北京へ旅する2人の友人のストーリーが綴られている。手首につけたApple Watchから発信される情報を活用することで、新しい都市の探索を容易なものにしてくれるといった内容だ。現地通貨の換算から、現地のフードやレストラン情報の入手、歴史的・文化的な建造物を訪ねたり、地域社会との交流を試みたりと様々なシチュエーションでApple Watchは活躍してくれるというメッセージが込められている。
2015年08月04日ソネット・メディア・ネットワークスは7月29日、アドフラウド(不正広告)の取り組みについて、Momentumとの間で合意に達したことを発表した。今回の合意は、同社DSP「Logicad」に関するオンライン広告取引RTBにおいて、Momentumのアドフラウド対策を実現する広告配信ネットワーク接続用プラグイン「Black Heron」への接続を対象とした国内初の共同運用となる。アドフラウドとは、無効なインプレッションやクリックを稼ぎ、広告費用に対する成約数や広告効果などを水増しする不正広告のこと。コンピュータによる自動プログラム「bot (ボット)」が、悪質なプログラミングを組み込み、人間のようにブラウジングすることで、広告表示やクリックを不当に発生させることがその代表例として挙げられる。Momentumのアドフラウド対策ツール「Black Heron」は、不正なオンライン広告取引の監視・対策ツールとして2015年5月から提供を開始。約90種類以上の判断基準を組み合わせた独自のアルゴリズムによるフラウドスコアを活用することで、botやコンバージョンしないユーザー、媒体への出稿回避を実現できることが特徴だ。今回の同意により、広告出稿企業は、広告枠に対しRTBによる安全な広告配信を行えるようになり、さらなる広告効果の向上が期待できるという。なお、両者の接続は、2015年11月を予定する。
2015年07月30日京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は7月30日、広告配信サービス「KANADE DSP」がジーニーの提供するSSP「Geniee SSP」をはじめとしたネイティブ広告枠に対応し、スマートフォン向けネイティブ広告の配信を開始したことを発表した。今回の対応により広告主は、広告掲載メディアのレイアウトやコンテンツに溶け込むようなデザインに最適化され、かつインプレッションに対する広告認知率の高いインフィード型のネイティブ広告をRTBで配信できるようになった。また、KANADE DSPが提供するユーザの性別や年齢などといったデモグラフィックやインタレストに合わせた広告配信、広告主サイトへの再訪を促すリターゲティングなど、同DSPの既存サービスメニューと組み合わせることで、広告主のブランド認知、効率的なサイトへの集客を支援するという。
2015年07月30日メッセージ性のあるユニークな広告が特徴のディーゼル(DIESEL)が、15-16AWシーズンのキャンペーンビジュアルを公開した。ディーゼルはこれまでも広告を通じて、時代や思潮に独自の解釈を投げかけてきた。修正された画像や大げさなコピー広告がまかり通る昨今に、15-16AWシーズンでは“Decoded by DIESEL”をテーマに、ありのままの事柄を率直に伝えるメッセージを展開する。デジタルカルチャーが浸透し、誰しもがあらゆる情報を直接読み取ることができる現代において、“ユーモア”は人々にシェアされて他者とつながる手段と捉え、未加工の写真に、「着る服を紹介しています」「軍事経験は不要です」「なんとか、かんとか」といったユーモアたっぷりの見出しを添えた気取らない表現で、消費者に敬意を表し、直接つながりたいという思いが込められている。スタイリングは同ブランドの新アーティスティック・ディレクターを務めるニコラ・フォルミケッティが、撮影はリチャード・バーブリッジが担当。クリエイティブエージェンシーはスプリング・スタジオズが担当した。
2015年07月30日マルニ(MARNI)が、15-16AWウィメンズコレクションの広告キャンペーンヴィジュアルを発表した。そのヴィジュアルは、意外なほどノンシャラン。秋冬の新作を纏ったトップモデルのマルテ・メイ・ヴァン・ハースターが、床に寝転んだり、引っ繰り返したテーブルにもたれかかったり。カメラに向かって完璧なポーズを決めてみせるのではなく、穏やかに自由気ままに振る舞う様は、今やモードの主流であるエフォートレスなムードを反映したかのよう。アートディレクションはエミリオ・プッチやヴェルサーチなども手掛けるGB65が担当。シュールレアリスティックなシチュエーションと惹き付けるカラフルな色彩の妙は今回のマルニのそれでも遺憾なく発揮されている。また、撮影を手掛けたのはイギリスの女流カメラマン、ジャッキー・ニッカーソン。90年代に『VOGUE』や『ELLE』などでファッションフォトグラファーとして活躍しながらも、最近はアフリカの人々や自然を撮った一連の作品でも知られている。ジャーナリストとしてもその手腕は高く評価され、ファッションとアートの垣根を超えて活躍を続けている。彼女は今回の撮影に際し、次のように語っている。「クリエイティブ・ディレクターのコンスエロ・カスティリオーニの実験的で時に反抗的、破壊的なデザインへのアプローチが大好きです。このヴィジュアルには、洗練されたエレガンスとケオティックな感覚が混在しています。私は作品を見た時真っ先に、そこに写っている人に目が行く写真が良いと考えています。服が人を所有しているのではなく、あくまでも人が服を着用しているのですから」。15-16AWからは毎シーズン広告キャンペーンを展開していくという。
2015年07月30日トッズ(TOD’S)がメンズとウィメンズの15-16AWの広告キャンペーンを公開した。トッズが提案するイタリアのライフスタイルと哲学が表現された今回のメンズ広告キャンペーンビジュアルでは、トータルルックをフィーチャー。アイコンシューズ「ゴンミーニ」や新作スニーカー、ローファーがフォーマルなルックやカジュアルな装いに合わせられている。また、ブランドのアクセサリーやレディ・トゥ・ウエアのコレクションが拡充していることも伺える内容となっている。一方のウィメンズの広告キャンペーンビジュアルでは、コレクションから新作をフィーチャー。サルトリアル感覚とスポーティーさ、メイド・イン・イタリーのラグジュアリーが、グラフィックや縫い込みのレザーを現代的にメランジュ(取り合わせ)することにより表現されたものとなっている。洗練されたスポーツスタイル、アクセサリーを飾る幾何学的なメタル使いに表れる反逆的なバイカー風ディテールなど、中心となるテーマは“コスモポリタンスキー”。グレース・ハーツェルをモデルに起用したこの広告は、ミラノにある個人宅で撮影された。ルックの主役はアクセサリーとなっており、バッグではアイコニックな「ケープ」や新作の「ウェーブ」、シューズでは「ゴンミーニ」の新たなブーティーが登場している。
2015年07月29日京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は7月28日、同社の広告配信サービス「KANADE DSP」が、adjustが提供するスマートフォン向け広告の効果測定・アナリティクスツール「adjust」と、CyberZが提供するスマートフォン広告向けソリューションツール「F.O.X」との連携を同日から開始すると発表した。「KANADE DSP」は、広告主のキャンペーン戦略に応じた広告配信を可能とする広告配信サービスで、ユーザごとの興味・関心に合わせて広告をパーソナライズする「パーソナライズリターゲティング」、潜在顧客を抽出し自社サイトへの訪問を促す「オーディエンス拡張」、狙ったセグメントへのブランド認知を促進する「プロファイルターゲティング」などを行う。今回の連携により、KANADE DSPで広告主のアプリインストール訴求の広告配信を行った際に、KANADE DSPの管理画面上で広告クリック数やインストール数、インストールあたりのコストなどの基本的な効果測定が可能となる。また、KANADE DSPが提供するユーザの性別や年齢などのデモグラフィックやインタレストに合わせて広告を配信する既存配信メニューと組み合わせることで、広告主のターゲット層への効率的なアプリインストール訴求を支援するという。
2015年07月29日何度も同じ広告を目にして、記憶に残っている商品はありませんか?私は、ある生姜ドリンクの広告を何度も見かけて気になっていました。広告の健康食品ははたして本当に効果があるのか……疑問に思いますよね。そこで、思いきって気になっていた広告の商品を、実際に試してみました!よく見かけるあの広告、ほんとに効果あるの?雑誌などでよく健康食品の広告を見かけますよね。たくさん広告を打っているなら、何かしらの効果があるのか?と前々から気になっていた私。「お母さんにプレゼントして久しぶりに実家に帰ると、見違えるほどお母さんがキレイになっていた」という、長崎の無添加生姜ドリンクを1ヶ月試してみることにしました。噂の「生姜シロップ」を注文!そして・・・注文した生姜シロップは、紅茶にいれたり炭酸水で割って飲む希釈タイプです。頑張って1ヶ月間試してみました。記念すべきスタートは、サービスで同封されていた炭酸水で割って飲むことに。一般的なジンジャーエールより甘みが少なく、生姜の辛みがきいていて、おつまみで用意したポテトフライとよく合います!翌日以降は朝、白湯にこのジンジャーシロップを小さじ1~2ほど加えて、毎日飲むことにしました。「シロップ」とありますが、甘さより生姜の辛みを強く感じます。白湯や紅茶などに入れる場合は、はちみつなどの甘さを追加した方が飲みやすいと思いました。1か月間、飲み続けて、わかった。2週間ほど経ち、「そろそろ生理前で肌が荒れるな~」と思っていたところ、何の不調も起こらないことに気づきました。私は月に2度は、口のまわりや眉間に吹き出物が必ずできます。が、このシロップを飲んでいる間は、1度も肌荒れが起きなかったのです。肌を健やかに保つ作用があるのかもしれません。ただ、便秘が改善されたり、寝つきがよくなったり、痩せたり……というような効果は特にありませんでした。広告通り、私は「きれい」になれたのか?この生姜シロップを試していることを誰にも話さず、他人から「きれいになった!」など何かしらの声をかけてもらえるか期待していたのですが、誰にも何も指摘されませんでした……。でもこの1か月肌荒れを起こさなかったように、美肌効果は確かにあったと思います。「よく見かける広告商品」は気になりつつも、試さない人が多いかもしれません。広告の内容が本当かどうかは、分からないものです。「ものは試し!」と自ら挑戦することが「良いもの」に出会える可能性を広げるのかもしれません。
2015年07月27日パルコがフランスのクリエイティブユニット、エムエムパリス(M/M Paris)がクリエイションを手掛けた15AWシーズンの広告ビジュアルを公開した。6月にオランダ内陸部の砂丘地帯で撮影された同ビジュアル。14AW-15SSシーズンに続き、スタッフにはエムエムパリス、フォトグラファーのヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)を継続起用。モデルはアナ・クリーブランド(Anna Cleveland)が、スタイリストはベンジャミン・ブルーノ(Benjamin Bruno)が務めた。15AWシーズンでは、“1年間という時間の継続性を表し、四季の移り変わりを追う”という前シーズンのコンセプトを踏襲しながら、新たに「月」をテーマに設定。4つの季節のクイーンを演じるアナ・クリーブランドとカイト(凧)を絡ませることで、月のリズムと自然が創り出す時間の変化や四季の変遷を描いた。エムエムパリスは、ファッションやアート、音楽、デザインと多分野で活動するクリエイティブユニット。これまでに、カルバン・クライン(Calvin Klein)、ディオール オム(Dior Homme)、アー・ペー・セー(A.P.C.)などのビックメゾンとコラボレーションを行う他、13年にグラミー賞の最優秀レコーディング・パッケージ賞を受賞したビョークの 『Biophilia』をはじめ、ヴァネッサ・パラディ、カニエ・ウェスト、マドンナといった著名アーティストのアルバムアートワークやミュージックビデオも手掛けている。
2015年07月21日インターネットを見ていると、自分が今まで見たサイトなどから、興味のありそうな広告が表示されるのはみなさんご存じですよね。ダイエットに関するサイトを検索していたら、ダイエット用品の広告が表示されたり、転職サイトを見ていたら仕事を紹介する広告が表示されたり。便利だったり余計なお世話だったりするこの機能ですが、イギリスの新聞『The Guardian』で紹介されたある調査によって、恐るべき事実が報告されたのです。■女性には高収入の仕事の広告が表示されない!アメリカのカーネギーメロン大学で行われた調査によると、Googleでは女性の求職者に高収入の仕事の広告が表示されないことがわかりました。この調査では『AdFisher』というソフトを使い、架空の男女の求職者17,370人のプロフィールを作成しました。この架空の男女は求職サイトのみにアクセスしたことになっています。Googleはこの架空の男女に合計60万もの広告を表示しました。調査チームが分析すると、明らかに男性のほうが高収入の仕事の広告が表示される回数が多かったという結果が出ました。収入20万ドル(2,482万円)以上の仕事の広告は男性には1,852回表示されたのに対し、女性には318回しか表示されなかったのです。Googleの広告表示システムは複雑で、ちょっとしたことで影響が出てしまうため、架空の男女のアクセス履歴は全く同じになっており、違いは男女の性差だけにされていました。■広告表示システムは選り好みをしすぎているこの結果は必ずしもGoogleの広告表示システムのみによるものではなく、広告を表示する企業の側の希望も含まれています。Googleの代表者は「広告を出す企業から、どんな人に対して広告を表示するかの希望を聞いています」と語っています。「ユーザーがどんなものに興味があり、どの人にどの広告を出すかは社内でルールが決まっています」。こうした仕組みはユーザーにぴったりの広告を表示するのに役立てられるわけですが、悪影響を及ぼすこともあります。実際に、高収入の仕事の広告は女性にはほとんど表示されず、男性にのみ表示されました。たとえそれが企業の意向であったとしても、この広告表示システムによって、女性は高収入の仕事につけない可能性があるのです。こうしたプロフィールや閲覧履歴を利用して広告を表示するシステムには問題があるのではないかと調査の中では指摘されています。■表示された広告=自分の興味・関心じゃないGoogleアカウントでは、プロフィールのカスタマイズができます。ここで自分が興味のあることの入力や、一度表示された広告で興味のないものを再表示しないようにすることができます。この機能を活用すれば、状況を改善することができます。しかし、これですべての問題が解決するわけではありません。カスタマイズの興味の項目にはもちろん、薬物乱用などという項目はありません。しかし、薬物乱用に関するサイトを閲覧した結果、リハビリテーション施設の広告が表示されるようになったのです。サイトを閲覧する前と後ではプロフィールに一切違いは現れませんでした。複雑なシステムにより、思わぬ広告が表示されることはなかなか防げません。閲覧履歴から自分の興味が分析され、広告が表示される。こうした一見便利なシステムも、いろいろと問題がありそうです。主体的に検索をすることの大切さは、まだまだ揺らぐことはなさそうです。(文/和州太郎)【参考】※Women less likely to be shown ads for high-paid jobs on Google, study shows―the guardian
2015年07月20日デジタルインファクトは7月14日、翔泳社のMarkeZine編集部と共同で、デジタル広告業界関係者460名を対象に、現在デジタル広告業界において注目を集める「アドテクノロジー」「スマートフォン広告」「動画広告」「ネイティブ広告」に関してアンケートを実施し、その結果を発表した。これによると、アドテクノロジーの定義に含まれるサービスとして、最も認識されているものはDSP(71.7%)で、DMPやアドネットワーク、SSPがそれに続いた。「動画広告元年がいつか」という認識については分散傾向がみられ、2014年(29.8%)との回答が最も多く、次いで2013年、2011年以前という結果となった。また、2015年のスマートフォン広告市場の見通しとしては、「ターゲティング広告配信技術の進化(55.0%)」が最も多く、「広告主層の拡大」や「クロスチャネルトラッキングと最適化配信」も比較的多い結果に。ネイティブ広告に関する現状認識としては、「新しい部分と、従来からの手法である部分とがある(39.8%)」や「特に新しさを感じない、マーケティング業界のバズワードに過ぎない」という回答が多く、17.6%は「わからない」と回答した。なお、同調査は、広告主(n=141)、広告会社(n=115)、メディア(n=52)、マーケティングコンサルティング(n=84)などに勤務するMarkezine読者460名を対象に、2015年1月~2月に実施されたもの。調査結果の詳細は、2015年6月17日発刊の「デジタル広告市場の最新潮流と現状動向分析調査」にまとめられているという。
2015年07月15日ニールセンは7月14日、「ニールセン デジタル広告視聴率」を日本にて提供開始することを発表した。同サービスは、オンラインでのブランディング広告キャンペーンのリーチ(到達度)を計測するもの。効果計測方法には、従来の「クリック数」以外の手法を導入し、テレビ広告のGRP(Gross Rating Point : テレビコマーシャルの延べ視聴率)と同様の指標で「自社広告がターゲット層にいかに到達したか」という度合いを管理できる。既に米国や中国など計12カ国で提供されているが、日本でのサービス開始は、米Facebookとのパートナーシップによって実現したものだという。日本におけるFacebook登録者は2,300万人にのぼり、このユーザー・データベースをパネルと見立て、ニールセンの持つオンライン・パネルの情報と複合的に組み合わせることにより、日本のオンライン・ユーザーで広告に接触した人々の性別や年齢層が把握可能となった。なお、ニールセンの会長兼CEOの福徳俊弘氏は、「オンラインのブランディング・キャンペーン向けの計測指標の導入は、日本のデジタル広告の一層の発展を促すためにも必要なことです。フェイスブックと提携することで、これまでにない巨大なユーザーパネルを得ることができました。この指標は、今後大きな成長が期待される動画広告にとっても、重要なものとなるでしょう」と述べる。同社は今後、フィリピンやタイ、マレーシア、メキシコでも同サービスの提供を開始する予定だ。
2015年07月15日Facebookは7月3日、モバイル機器でのフォーム入力の手間を省力化する新たな広告プロダクト「リード獲得広告」のテストを開始すると発表した。新機能は米国などでは既に実施されているが、国内での提供時期は未定。リード獲得広告は、Facebook上に掲載された広告に興味を示したユーザーがモバイル機器から申し込みの際、メールアドレスなどの連絡先情報をフォームに自動入力できるというもの。メールアドレスは、事前に登録しておく必要がある。同社は、情報をひとつひとつ入力する手間など、フォーム入力時のストレスを大幅に減らせると想定している。今回のテストでは、ニュースレター購読、見積もり依頼、電話連絡依頼、資料請求などの入力に自動入力が適用される。テストを実施するにあたり、特にユーザーのプライバシーに配慮した。フォームの自動入力が適用された後でも、ユーザーが「送信」ボタンをタップしない限り情報が送信されない。また、広告主は原則プライバシーポリシーの範囲内でしか取得した情報を利用できない。さらに、広告主は取得した情報を第三者に再販することはできない。テストでは、一部の企業のフォーム入力に実施されている。今後はテスト結果を参考にしながら、一般への開放を検討する方針だ。
2015年07月06日インターネット広告に関して今、ユーザーと広告主/オンラインメディアは逆の方向を向いているようだ。IAB(Internet Advertising Bureau)がまとめた英国の広告ブロッカーに関するユーザー調査によると、広告ブロックツールを使用しているユーザーは全体の15%だという。男性(22%)のほうが女性(9%)よりも広告を避ける傾向が強く、若い世代(25-34歳:29%、18-24歳:34%)ほど広告ブロッカーを導入している。また、PageFairの「2014 Report - Adblocking goes mainstream」によると、2013年、広告ブロックツールの利用者は前年に比べて17%も増加した。2014年6月末時点の広告ブロックツールのアクティブユーザーは1億4400万人。今年9月に公開される予定の2015年レポートでは2億5000万人前後に達している可能性が高い。一方で、同じIABのインターネット広告売上レポートの最新版によると、2015年第1四半期に米国のインターネット広告売上が133億ドルを記録したそうだ。第1四半期としては過去最高である。このペースだと今年は、昨年の年間500億ドルを超える見通しだ。広告主はインターネット広告を有効な広告手段と見なし、インターネットに流れ込んでくる広告費によってネットユーザーは豊富な無料コンテンツにアクセスできる。しかし、ユーザーが広告を拒否する傾向がここ1-2年で急速に強まっている。インターネットユーザーの広告疲れと呼べるような傾向が見られる。○まばたき程度の遅延もクリック数に影響インターネット広告を嫌う人が増えているのには、主に2つの理由がある。1つはスノーデン事件以降、プライバシー保護への関心が高まっていること。過去2年の間に、ユーザーをトラックしない検索サービスDuckDuckGoの検索数が6倍に増えた。広告ブロックツールの利用者も2年ほど前から急増し始めた。ユーザーはトラッキングを嫌い始め、一方でオンラインメディアは1つでも多く広告をクリックさせるために、トラッカーや広告関連のJavaScriptの実装を年々増やしている。その辺りの実状を、WiredのライタースタッフだったQuinn Norton氏が包み隠さずに語った「The hypocrisy of the internet journalist」が話題になったのも記憶に新しい。もう1つが広告関連のJavaScriptの増加によるサイトのパフォーマンスの低下だ。Googleの研究によると、400ミリ秒、まばたきする程度の時間の違いも検索数の増減にはっきりと現れる。目的のWebサイトが表示されるまで、パートナーサイトから広告やコンテンツを収集する間にユーザーがうんざりするのは言うまでもない。だからといって、広告ブロックツールがソリューションになるかというと、広告が表示されないようにしてもユーザーがトラックされ続けるし、今の広告ブロッカーは"メモリ食い"であるため、端末のパフォーマンスに影響が及ぶ。Mozillaに貢献しているNicholas Nethercote氏の「AdBlock Plus’s effect on Firefox’s memory usage」によると、AdBlock Plusを使用せずにニュースサイトを開いたFirefoxのメモリ消費量は194MiBだったが、AdBlock Plusを有効にしたら417MiBに増加した。○1カ月当たり14ドルのコスト効果的な広告を提供するために広告関連のJavaScriptを仕込んでも、パフォーマンスを損なってユーザーがサイトを使わなくなってしまったら、広告主やオンラインメディアにとって損失である。訴訟を通じて広告ブロックツールを骨抜きにしようという動きもあるが、それでは根本的な解決にはならない。ユーザーが反発を強め、Webのエコシステムの成長は鈍ってしまうだろう。広告主も、この風向きの変化を感じていて、それが近年Facebookに広告が集まり、ソーシャルマーケティングやバイラルマーケティングに力を注ぐ企業が増えている理由の1つである。オンライン・マーケティングの世界は今年、変革の時期を迎えたと言える。理由は、2014年の米インターネット広告売上の500億ドルという数字だ。これはインターネット広告市場の"成長"を示す数字として紹介されている。たしかに大きな数字なのだが、米国のほぼ全員がインターネットに接続するようになったと考えると、1人当たり年間177ドル。1カ月当たり14ドルである。まだまだ小さな金額であり、今なら広告とは別の方法でまかなうことが可能な数字である。例えば、AppleはiOS 9でSafariにコンテンツブロック用の拡張機能を用意し、また「News」という新アプリを提供する。広告まみれのWebではなく、ユーザーが快適にWebコンテンツを利用できる環境を同社が整えようとしていると見るのは的外れな推測ではない。体験にこだわり、iOSデバイスやMacを安売りしないAppleなら、コストをハードウェアやプラットフォームからの利益に吸収できるだろうし、他のプラットフォームとの明確な差別化につながる。ほかにも、サブスクリプション型のパッケージで広告フリー/トラッキングフリーを実現しようとしたり、マイクロペイメントを行ったりするなど、さまざまな試みが行われ始めている。1人当たり1カ月14ドル、さまざまな可能性を選べる今なら、大胆に、そして革新的に、今日の広告ベースの無料モデルに代わってすべての人を満足させられる新たなモデルづくりに挑める。米インターネット広告市場に流れ込む金額が今以上に膨れあがったら、広告疲れを感じ始めたインターネットユーザーといずれ衝突し、双方が受けるダメージも大きくなる。そうなると思い切ったことができなくなる。今年はインターネットが変われる大きなチャンスなのだ。
2015年07月06日Facebookは7月1日、動画広告のブランドリフト効果に関する調査の結果を発表した。ディスプレイ広告キャンペーンについては、動画を含めたほうがパフォーマンスが良くなることが調査結果に現れているが、動画広告を単独で用いた場合はどのような成果が得られるのかに関して、Facebookはニールセンへの委託調査を行った。ニールセンでは、動画がブランドにもたらす価値を明らかにするために、Facebookビデオ広告を利用していたキャンペーン173件の結果を分析。各調査では、テストグループと対照グループを対象に、「広告想起」「ブランド認知」「購買意向」の3つの広告キャンペーン指標を基準に動画の影響が測定された。具体的には、まずテストグループの動画視聴者を視聴時間別に分類。次に、分類したテストグループに対し、視聴時間に基づく傾向スコアで対照グループを割り当て、広告想起、ブランド認知、購買意向に関するアンケート回答を比較することで推定リフトを算出した。この調査の結果、動画広告は人の目に触れさえすれば、それがわずか1秒足らずの間で、「動画」として再生していない場合でも「静止画」として見てさえいれば、広告想起、ブランド認知、購買意向を向上させることが判明した。また、リフト効果は視聴時間に比例して向上することが確認できた。Facebookのマーケティングサイエンスチームが、ニールセンの調査結果と、視聴時間別の視聴人数を組み合わせ、視聴時間別のキャンペーン価値を推定したところ、視聴時間が3秒未満の人たちだけでもキャンペーン総価値の最大47%、視聴時間10秒未満の人たちまで含めた場合は、全体の74%を占めた。これらをふまえ、同社では、視聴時間が長くなるほどリフト効果は高まるが、10秒未満の視聴であってもブランド認知や購買意向の向上が認められ、十分な広告効果が得られるとしている。
2015年07月05日東京都・新橋のアド・ミュージアム東京は、日本最高峰の広告コピー賞「TCC賞」の2015年度受賞作品を紹介する広告賞展「おいしいコピーが焼けました。TCC 広告賞展 2015」を開催している。会期は8月2日まで(日・月曜休館、ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は翌平日休館、8月2日は開館)。開館時間は平日11:00~18:30、土・祝日11:00~16:30。入場無料。同展は、コピーで選ぶ広告賞、「TCC賞」の2015年度受賞作の中から、一般部門はTCCグランプリ1点・TCC賞11点・審査委員長賞2点、新人部門は最高新人 賞1名・新人賞21名の受賞作を紹介するもの。2015年度のTCCグランプリに選ばれたコピーは、サントリーホールディングス「ペプシネックス ゼロ」のTVCMから「自分より強いヤツを倒せ。」(多田琢氏/TUGBOAT)。また、TCC最高新人賞はダイハツ「WAKE」のTVCM「あんちゃん!WAKE だよ!ドデカクつかおう。WAKE だよ!」などで山本友和氏(電通)が受賞した。また、関連企画として、同ミュージアム内に併設の広告図書館(日・月・祝日・振替休日は休館)で、一倉宏(2015年度TCC賞審査委員長)をはじめ、多田琢(グランプリ受賞)、山本友和(最高新人賞)、仲畑貴志(2015年度HALL OF FAME - コピーの殿堂)ら4人のコピーライターが日頃読んでいる本、若い世代にすすめたい本を、メッセージとともに紹介する展示「コピーライターの本棚」が開催されている。また、展示会場には生のコピーライターが登場し、コピーはどんな人から生まれたのか、普段どんな発想で仕事をしているのかを、本人の生の声で届ける「コピーライター行動展示」が行われる。なお、コピーライター登場スケジュールや、会期中のTCC賞受賞者によるトークイベントの詳細などが同ミュージアムWebページに掲載されている。そのほか、広告コピーに焦点をあてた資料をピックアップし、江戸時代から現代に至る日本の広告歴史の紹介も、同ミュージアムの常設展示として行われているということだ。
2015年07月01日JMSは6月23日、動画広告の長さ1秒に付き料金が2円の従量課金型でスポーツを支援するサービス「スポクリ動画広告」をリリースした。「スポクリ」とは、クリック課金型の広告を利用したスポーツ支援の仕組みで、スポクリ上で1クリックされるごとに1円がスポーツチームの支援金となる。競技人口が少なく、観客動員も少ないマイナースポーツはこれまで、スポンサーを見つけるのが非常に難しかったが、同サービスによりスポンサー(広告主)は、インターネットユーザーに自社サイトを見てもらう機会を得ることができ、スポーツチーム側は同広告費用の一部を支援金として使用することが可能となる。このたび提供を開始する「スポクリ動画広告」では、単にスポンサー(広告主)のWebサイトを表示するのではなく、動画コンテンツを見てもらうことで、サービスや商品の訴求力を高めることが可能。加えて、動画閲覧後、インターネットユーザーがWebサイトに訪問しない場合は費用が発生しないという。同広告の費用は、(動画秒数×2円)×クリック数で算出。最低5,000クリックからで、費用の上限も設定できる。例えば、10秒の動画広告が5,000回クリックされた場合は、(10秒×2円)×5,000で10万円(税別)となり、そのうち5万円をスポーツ支援費用に回す仕組みだ。
2015年06月24日テクロコは6月22日、Web広告運用のクラウドソーシング「Draft (ドラフト)」の提供を開始した。同サービスは、Webサイトへの集客や販促のため、検索連動型広告やディスプレイ広告などのWeb広告を活用したいと考えている企業と、これら広告の運用スペシャリストをマッチングするもの。登録されているプレイヤーは、ヤフーやGoogleなどが認定するWebマーケティングの資格を持つスペシャリストとなるため、安心して利用できるほか、直接依頼することで、代理店への費用などコストの削減が可能だという。
2015年06月23日WWDCの終盤頃、次期iOS「iOS 9」のブラウザ「Safari」に広告非表示機能が実装されると報じられて、大きな話題になった。「無料広告モデルつぶしか?」というような書き方の報道もあり、気になってWWDCのセッション「Safari Extensibility: Content Blocking and Shared Links」を見てみた。確かに、広告ブロックを可能にする機能であるものの、広告ブロックのための機能と見なすのはちょっと違うと感じた。インパクトのある機能追加であることに変わりはないが、モバイルWebの利用体験をもっと根元から変えようとする取り組みの一環という印象を受けた。コンテンツブロッキングは、Cookieや画像、リソース、ポップアップなどのコンテンツをブロックする拡張機能を開発者が作成できるようにするAPIである。Safariに広告ブロック機能が装備されるようになると受け止めた人も少なくなかったが、サードパーティが提供して初めて広告ブロック機能が実現する。とはいえ、広告ブロックツールが登場するのは確定的で、だからこそ「広告ブロック実装」というように報じられたのだろう。だが、広告ブロッカーを開発するAPIとして評価すると、その効果に大きな疑問符が付くのだ。Adblock PlusのSebastian Noack氏がコンテンツ・ブロッキングに関してコメントしたブログ記事のタイトルは「Safari 9とiOS 9のコンテンツブロッキングは素晴らしいニュースか、それともSafariの広告ブロックが死を迎える予兆か?」である。OS X版のSafariに加えてiOSにもAPIの提供が拡大したことを歓迎する一方で、「ブロックリストフォーマットが使い物にならないものだったら、Safariの広告ブロックは終わりだ」と切り捨てている。広告ブロック機能が効果を発揮するには、リクエストごとに最新のブロックリストを参照するようなダイナミズムが求められるが、WebKitのコンテンツブロッキングのブロックリストはアプリケーションが実行された時やアプリケーションのアップデートの際にしかアップデートされないJSONファイルに依存しているように見える。それでは広告ブロック機能を提供しても容易にかわされてしまう。6月14日のアップデートでNoack氏は「コンテンツ・ブロッキングのメカニズムの詳細がWebKitのWebサイトで公開されたが、われわれが心配していたように、現時点でContent Blocking Extensionsは不十分と言わざるをえない、いくつかの問題を抱えている」と述べており、同氏はWebKitのメーリングリストで改善点を指摘した。なぜ、コンテンツ・ブロッキングは、こんな中途半端な拡張機能になっているのだろうか?○JavaScriptトラッキングをブロックするのに最適WebKitのSurfin’ Safariブログで、Benjamin Poulain氏が「コンテンツブロッカーAPIの利点が生きる機能はプライバシーと、より良いユーザー体験に関するものである」と述べている。さらに、従来のJavaScriptベースの拡張機能モデルでコンテンツブロッキングを実現すると、パフォーマンスを損ない、バッテリーの動作時間、ページロード速度やランタイム性能にも影響が及ぶと指摘している。プライバシー保護、ユーザー体験、そしてパフォーマンスの3つがキーワードだ。これらから導き出される答えとしては、Baldur Bjarnason氏の「iOS 9のコンテンツ・ブロッキング拡張はモバイル広告のハルマゲドン(最終戦争)ではない」が最も納得できる。広告ブロックはコンテンツ・ブロッキングで可能になる機能の1つだが、コンテンツ・ブロッキングの本当の狙いは「JavaScriptトラッキング・スクリプトをブロックすること」としている。トラッキングはプライバシーに密接に関わる問題だが、実はパフォーマンスへの影響も大きい。Mozillaの Monica Chew氏がWeb 2.0 Security and Privacyで最高論文賞を受賞した「Tracking Protection in Firefox For Privacy and Performance」によると、トラッキング・プロテクションを有効にしたFirefoxは、同氏が昨年8月にAir Mozillaで公表したデータよりも44%も速くニュースサイトをロードした。それだけ、ニュースサイトに関わるサードパーティのコンテンツが増えているのだ。トラッキングは広告を提供するための基盤である。Chew氏が5月28日に投稿した「広告:継続維持できるユートピアか?」によると、広告市場の規模は米国だけで500億ドルを超えるが、そのうちの3分の1のクリック・トラフィックは広告詐欺がらみだ。実際にユーザーが接する広告も、半数は存在してもユーザーに意識されていない。つまり、必要を満たしていない巨大なトラフィックがWebには存在する。ユーザーも邪魔に感じており、昨年だけで広告ブロッカーの利用が70%も増加した。中でも、18-29歳の層では41%が使用している。だが、広告ブロッキングはこの問題を解決する根本的なソリューションではない。そのように考えると、WebKitのコンテンツ・ブロッキング提供の狙いが見えてくる。もし、効果的な広告ブロッキングが広く使われるようなことになったら、すぐに大打撃を受けるWebサイトが少なくない。それではWebのエコシステムが一気に衰退する可能性すらある。効果的なトラッキング・ブロッカーが広く使われるようになったら、ユーザーは閲覧するWebのパフォーマンス向上を享受できる一方で、たちどころにオンライン広告が衰退するわけではない。しかし、トラッキング・ブロックの影響をじわじわと受け始めるから、オンライン広告に関わる企業はトラッキングに頼ることなく効果的にユーザーに広告を提供する方法に取り組まなければならない。つまり、トラッキング・ブロッカーはWeb広告を変えるカウントダウンの役割を成すのだ。
2015年06月22日米Facebookは6月18日(現地時間)、広告マネージャとパワーエディタの新バージョンをリリースしたと発表した。新バージョンは、シンプルになったレイアウトと様々な機能により、広告の作成や最適化、成果確認が簡単になり、より効率的にFacebook広告が利用できるようになった。新しい広告マネージャでは、これまで通り広告の作成、編集、分析が行えるだけでなく、画面レイアウトの最適化によって広告を作成、編集しながら広告のパフォーマンスを確認できる。「広告を管理」セクションでは、過去1週間の消化金額を表示。さらに、キャンペーン、広告セット、広告をクリックするとページ中央にグラフが表示され、パフォーマンスやオーディエンス、配置の結果を確認できる。表示するパフォーマンスデータは、期間や広告の目的や指標などのカスタムオプションでフィルタが可能で、一定期間毎にレポートを自動的に保存、送信できる。さらに、複数広告を同時に作成、編集できるようにもなり、作業時間を大きく短縮した。複数の広告のターゲットや予算を一括編集できるだけでなく、既存の広告や広告セット、キャンペーンの複製も簡単だという。パワーエディタは、多数の広告を一度に作成、管理できるように設計されたツール。今回の新バージョンでは、作業スペースの拡大、レイアウトの見直し、そして詳細検索と一括編集機能の改善によって、広告の作成、検索、編集がより簡単になった。レイアウトには編集エリアが追加され、広告の編集やキャンペーン情報の確認などの作業がしやすなり、また、複数広告を同時に選択できるので、広告や広告セット、キャンペーンをよりスピーディーに編集可能になる。さらに、広告やキャンペーンなどを、名前やIDで検索したり、配信ステータスなどによってフィルタできる。その他に、「最近編集済み」および「最近アップロード済み」フィルタを追加し、最近作業したアイテムへのアクセスがスムーズになった。
2015年06月22日日本最高峰の広告コピーの賞「TCC賞」受賞作など90点を一堂に集めた日本最大の広告コピー展「TCC広告賞展2015」が8月2日まで東京・汐留のアド・ミュージアム東京で行われる。1962年にスタートした「TCC賞」。本年度は総勢136人の審査員が応募総数8,122点の中から選出した広告コピーが展示される。会場では、全受賞作品および全ファイナリスト作品が視聴可能となっている。また同展では、トークイベントやコピーライターたちがオススメしたい本を紹介する本棚の展示、日本の広告の歴史を振り返る展示、さらに“生のコピーライター”による日替わり展示といった企画も行われる。トークイベントは、7月と8月の計2回の開催を予定。「自分より強いヤツを倒せ。」(ペプシネックス ゼロ)でグランプリに輝いた多田琢(TUGBOAT)、「運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる。」(ルミネ企業広告)でTCC 賞を受賞した尾形真理子が登壇する。会場のアートディレクションは、佐野研二郎(MR_DESIGN)が担当している。【展覧会情報】「TCC広告賞展2015」会期:6月18日~8月2日会場:アド・ミュージアム東京住所:東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留時間:平日11:00~18:30(最終入館18:00):土祝日11:00~16:30(最終入館16:00)料金:無料休館日:日曜日・月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌平日)※8月2日は開館
2015年06月19日モバイル広告ネットワークを運営するインモビは6月17日、同社が提供するMobile Tracking and Attribution Partner(MTAP)Programにおいて、CyberZおよびアドウェイズと業務提携したことを発表した。2014年12月に開始したMTAP Programは、厳選された独立系モバイルアトリビューションプラットフォームを認定するパートナーシッププログラム。今回の提携により、CyberZのスマートフォン広告向けソリューションツール「Force Operation X」およびアドウェイズのスマートフォンアプリ向け効果測定ツール「PartyTrack」とインモビのアドネットワークが連携を強化。より安全で正確なアトリビューションを広告主に提供できるようになった。さらにユーザーLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)をもとにした広告配信の最適化、広告リターゲティング機能、ネガティブターゲティング機能といったインモビの主要な機能を利用することが可能となった。
2015年06月17日ゼロスタートは6月15日、ECサイトなどにおける検索クエリを活用し、広告を最適化するソリューション「ZERO ZONE AD」の提供を開始した。同製品は、広告配信プラットフォームではなく、アドネットワークに出稿する広告の最適化を目的としたもの。検索クエリから消費者の購買を予測し、最適な商品を検索結果として出力するEC商品検索エンジン「ZERO ZONE SEARCH」や、パーソナライズに必要な大量の機械学習を高速に行い高度なオススメを実現するレコメンドエンジン「ZERO ZONE RECOMMEND」、効果測定エンジン「ZERO ZONE FEEDBACK」、ビッグデータ検索エンジン「ZERO ZONE DISCOVER」などを搭載する。また、検索クエリを活用するためサイト内検索エンジンとの連携が必要だが、これにより他社のサイト内検索エンジンによって得られる検索クエリも扱うことができる。同社は今後、さまざまな広告配信システムと接続することにより、単純なリターゲティング広告ではなくより消費者ごとに最適化された広告出稿の実現を目指す考えだ。
2015年06月16日●広告ビジュアルに携わるプロの作業環境を公開アドビ システムズと玄光社「コマーシャル・フォト」は5月22日、広告写真の最新動向やAdobe PhotoshopやLightroomのテクニックなどを解説する「デジタルフォト&デザインセミナー 2015」を、東京都・渋谷ヒカリエ ホールにて開催した。ここでは、同日15:40~16:30に「レタッチセッション」として実施された、博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部 REMBRANDT レタッチャー 浦田淳氏によるセミナー「広告ビジュアルの表現力を高めるレタッチテクニック」の様子をレポートする。○ハイスペックなPCと液晶ペンタブレットを活用同セミナーの講師を務めた浦田氏は、博報堂プロダクツのフォトクリエイティブ事業本部に所属するプロのレタッチャー。同部署にはカメラマンとレタッチャーが多数在籍し、写真のみならず映像作品も手がけているという。同氏のPhotoshop歴は20年で、レイヤー機能が初めて搭載されたバージョン3.0からのユーザーだ。浦田氏は各バージョンでの進化の過程を振り返り、「画期的な進化ポイント」としてバージョン4.0の「調整レイヤー」、バージョン7.0の「修復ブラシ」、CS2の「スマートオブジェクト」、CC2014の「ぼかしフィルター」などを挙げた。ちなみに浦田氏が今回のデモで使用した機材は、PC本体が「HP Z840」。特筆すべきは、GPUに「Nvidia Quadro K5200」を2基搭載している点だ。同マシンについて同氏は「4K以上の映像制作(特に4K以上のRAWデータの再生)において非常に利点が大きく、信頼性や完成度の高さにも満足している」と述べた。また、レタッチ作業にはワコムの13.3型液晶ペンタブレット「Cintiq Companion 2 (DTH-W1310H/K0)」を活用していることもあわせて紹介。同製品は、PCと接続するケーブルを外すとWindows 8.1を搭載したタブレット端末として利用できることに加え、CPUにはCore i7 5557Uプロセッサー/3.1GHz、メモリーが16GB、ストレージには512GBのSSDを搭載しているという高いスペック面からも「非常におすすめ」だという。○マスク制作の際にペンツールでパスをキレイに描くには…ここからは、実際のグラフィック広告の作例を見せながら、Photoshop上でどのようにして広告ビジュアルが制作されているかの解説となった。プロの現場でのレタッチ作業においての重要ポイントとして挙げたのが「効率的なマスク制作」と「スマートオブジェクトの活用」というふたつのキーワードだ。まずは作例として、"未来の渋谷像"のCGと実際のクルマの写真を合成した、某自動車メーカーの広告ビジュアルを紹介。ここではクルマのボディを切り抜くために「ペンツール」を使用してパスを描く作業過程を見せてくれた。ペンツールは曲線で構成される被写体を選択するのに好都合だという。パスを綺麗に描くコツは「ポイントの間隔をできるだけ長く取り、滑らかな曲線に仕上げること」とのことだ。必要以上に細かくポイントを打つと、曲線がいびつになってしまうという。ボディをグルリと一周パスで囲んだのち、パスパレットの下部にある点線の角丸アイコンをAltキー+クリック(Macの場合はoptionキー+クリック)して選択範囲を作成し(ここでは「ぼかしを半径」を1ピクセルに設定)、選択範囲に変換された状態でレイヤーパレット下部の「レイヤーマスクを追加」をクリックして作成したマスクを背景に貼り付けるまでの手順を実演。グリル部分やエンブレムといった部分についても、各パーツ毎に同様の手順で合成し、コントラストや色調などを個別に調整していくということだ。ちなみに、完成ビジュアルはクルマのボディにCGである背景がごく自然に映り込んでいる。このトリックについて浦田氏は、背景となるCGをプロジェクターで投影し、そのボディへの映り込みを素材としていると明かした。●「粘土をこねるように素材を合成」できるスマートオブジェクト○「スマートオブジェクト」を使えば、試行錯誤できる次に見せてくれた作例は、とあるアーティストのアルバムジャケット。煙の要素が"羽ばたく鳥"を形成したとてもクールなビジュアルだ。この作品を制作するにあたってのキーワードが、先ほどの重要なポイントとしてふたつめに挙げた「スマートオブジェクトの活用」だ。スチーマーや線香、タバコなどを撮影してさまざまな湯気や煙の写真素材を用意したら、それを下絵となる鳥の写真の上に重ねる。ここでレイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」を選択すると、レイヤーの中にファイルが埋め込まれた状態になる。そのまま「自由変形」で変形させたのち確定すると、通常のレイヤーの場合はレンダリングされてしまい後戻りできないが、スマートオブジェクトなら変形の情報が残っているために途中の段階に戻すことができるということだ。浦田氏はスマートオブジェクトの利点について、「粘土をこねるように素材を合成できる」と説明。さらに普通のレイヤーは縮小すると情報が失われ、再び拡大すると画質は劣化するが、スマートオブジェクトなら情報を元データから参照するため、クオリティは常に最高の状態を維持できることを説明し、「試行錯誤しながら効率的にビジュアルを作り上げることができます」とスマートオブジェクトの活用を提案した。○「リンクの配置」と「マスクの調整」で作業効率を向上続いての作例は、スマホ向け放送サービスの広告ビジュアル。7名のヒーローと1匹のマスコットがポーズを取る、戦隊モノの映画ポスターのような仕上がりとなっている。ここでは、昨年の秋に追加されたスマートオブジェクトの新機能である「リンクを配置」を使った制作プロセスが紹介された。前述したスマートオブジェクトはレイヤーの中にファイルが埋め込まれた状態であったのに対して、この「リンクの配置」は外部ファイルをスマートオブジェクトとして関連づけることができるというものだ。ここでは、縦長や横長など複数の形状のファイルに各キャラクター(要素)を同機能で配置した状態から、ひとつのファイルのキャラクターの一部に変更を加えると、自動的にすべてのファイルのキャラクターが更新される様子をデモしてくれた。続いて紹介されたのは、効率的なマスク制作のテクニックだ。ここでは、主人公の髪の毛を正確かつ効率的に選択する手段のひとつとして「明度差」を生かす方法が紹介された。「チャンネル」パネルの「RGB」をcontrolキー+クリック(Macの場合はcommandキー+クリック)するとRGB情報が選択範囲に変換されるので、下部の「選択範囲をチャンネルとして保存」アイコンをクリックしてアルファチャンネルとして保存する(つまり、画像の明度情報をアルファチャンネルに落とし込む)。次に「色調補正」メニューにある「トーンカーブ」を使ってコントラストを上げて背景と被写体の差を明確にしたら、そのアルファチャンネルをcontrolキー+クリック(Macはcommandキー+クリック)して選択範囲として読み込み、ペイントツール(ブラシツール)で細部(ここでは髪の毛の部分)を描いていく。さらに「選択範囲」メニューの「マスクを調整」を開き、輪郭部分をなぞることによって、Photoshopが色の差などを解析して自動的に細かなマスクを作成してくれる様子を見せてくれた。こうした技を組み合わせて、仕上がりの美しいマスクを作成しているということだ。○「Camera Rawフィルター」を色調補正ツールとして活用最後に紹介されたビジュアルは、渋谷の街並みと渓流の風景が一体化した印象的な作品。こちらもスマートオブジェクトを活用し、"粘土をこねるように"素材を重ねたものだ。渋谷の街と渓流の写真は「トーンカーブ」でハイライトを持ち上げるなど色調を補正しているほか、RAW現像を行うための「Camera Rawフィルター」を色調補正ツールとして活用しているという。同フィルターには便利なパラメーターが数多く用意され、そのなかでも「色温度」はPhotoshop本体には備えない、Camera Rawフィルターならではのパラメーターだ。ほかにも「露光量」は、トーンカーブによる調整とは異なり、フイルム面に当たる光の量をコントロールするパラメーターだと説明した。さらに、もうひとつ非常に便利なパラメーターとして、ハッキリしない素材に対して光が当たったかのように演出を追加できる「明瞭度」を挙げた。作例の素材となった元の写真は曇りの日に撮られたものだが、この「明瞭度」を利用してカリッとした印象に仕上げたということだ。○ムービーレタッチにもPhotoshopを応用するここからは、Photoshopのレタッチテクニックを「映像」に応用する「ムービーレタッチ」についての講義となった。現状のテレビ放送はHDサイズだが、総務省のロードマップによれば将来的に解像度が4K~8Kになるという。その精細感(ディテール)はグラフィックと同等になり、現在グラフィック(静止画像)を扱うクリエイターが持つ"ディテールに対するこだわり"が活きる領域に達するという。博報堂プロダクツでは、ムービーレタッチの技術を使って実際にCM制作も行っているということだ。ここで「After Effects」と「Photoshop」を使った、実際のムービーレタッチの方法についてのレクチャーとなった。After Effectsには、平面トラッキングを行う(動画の平面がどのように移動しているかを分析する)「mocha」というソフトが付属しており、ムービーレタッチに応用しているという。これはPhotoshopで修正したレイヤーを分析した情報をもとに貼り付ける(つまりひとコマずつ「自由変形」して貼り付ける)作業を自動的に行ってくれるソフトで、従来のように「ぼかしてごまかす」補正ではなく、Photoshopのスタンプツールのように皮膚の質感をそのまま移植するようなレタッチが実現可能になり、グラフィックと同じクオリティでの映像修正を可能にするいうことだ。そして、動画に写っている人物の肌を修正するムービーレタッチ作業の実演へと移行。まずは動画の中からレタッチのベースとなる1フレームをPSD形式で書き出したものをPhotoshopで開き、スポット修復ブラシツールなどを使って肌を美しく修正して一旦保存する。次にそれをAfter Effectsに読み込んでタイムラインに登録し、レタッチした部分のマスクを作成したら、「アニメーション」メニューの「mocha AE のトラック」を選択して「mocha」を起動。あとはmocha上で分析したい部分を定義してトラッキングボタンをクリックすると、自動的にほかのフレーム上でもその面を分析し、追従して修正される。続いて「Export Tracking Data」ボタンをクリックしてクリップボードにコピーしたら、After Effects上のPhotoshopのレイヤーにペーストすると、修正した部分がほかのフレームでもぴったりと移動する美しい動画に仕上がった。さらにAfter EffectsとPhotoshopはリアルタイムに連携しているため、あとからPhotoshopで修正した内容が自動的にAfter Effectsのムービーに反映するという様子も見せてくれた。ただし、この方法は被写体が上下左右に単純移動する場合には使えるが、角度が3D的に変わる場合や、光の当たり具合が変化するムービーには適さないということだ。○4K映像の制作現場では、グラフィック業界の感性やテクニックを求めている浦田氏はセミナーの最後に、「Creative CloudではインストールボタンをクリックするだけですべてのAdobeソフトが使えるようになったことで、グラフィックやムービーといったジャンルの垣根がなくなっていると思います」と述べ、ハードウェアの面でも気軽に4K以上の解像度で撮れる機材も増えてきていることや、MacやPCのコストパフォーマンスも向上していることについても言及。さらにグラフィック業界に携わる聴講者に向けて「4K以上の映像制作ではグラフィックを扱う人が持っているノウハウが注目されていると思いますので、是非グラフィックで培ってきた感性やテクニックをジャンルの垣根を越えて映像にもチャレンジして下さい。色んな可能性が広がっていくと思います」とエールを贈り、セミナーを締めくくった。
2015年06月03日アドウェイズは5月20日、同社の提供する「PartyTrack(パーティートラック)」が、ヤフーが提供を開始する「Yahoo!アプリインストール広告」と連携を開始したと発表した。「PartyTrack」は、スマートフォンアプリを対象とした全世界対応の効果測定システム。1つのSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)で、自然流入および広告経由それぞれの月別・日別・時間別インストール数の解析をはじめ、ROI(Return On Investment:費用対効果)やLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)など様々な効果指標の分析が可能となる。一方「Yahoo!アプリインストール広告」は、高度で効率的なターゲティングや多彩な広告表現を実現する、スマートフォンアプリのインストール促進を目的とした広告サービスで、アプリのインストール実績を確認するため、主要な広告効果測定ツールと連携している。この2つの連携により、「PartyTrack」で効果測定をしているアプリデベロッパーは、「Yahoo!アプリインストール広告」に出稿する際、インストール数の解析やROIの分析を通し、広告運用の最適化を行うことが可能になる。
2015年05月21日