20世紀を象徴するフランスの国民的写真家ロベール・ドアノーの人生と創作に迫る、初のドキュメンタリー映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』が、2017年4月22日(土)より東京都写真美術館ホールとユーロスペースにて公開。順次、全国でも上映される。ロベール・ドアノー、その名は知らなくとも「パリ市庁舎前のキス」という写真を目にしたことのある人は少なくないだろう。1950年にアメリカの雑誌「LIFE」の依頼で撮影され、1980年代にポスターとして発売されると世界中に広まった。この写真が撮られた当時のパリでは、恋人たちが街中でキスすることなど珍しい時代であったという。ドアノーの演出によって生まれたこの一枚は、誰もが憧れる恋人たちの都・パリのイメージを創り上げていった。生涯を通してドアノーは、“パリの日常”をとらえた数々の名作をのこしていくこととなる。街角に潜む“瞬間のドラマ”を職人技で釣り上げ、ときには演出によって“人生の真実”をより深く表現した。しかし、彼の独自の写真哲学による撮影現場はあまり知られてこなかった。本作は、撮影風景やインタビューなどの当時の貴重な資料映像や、親交のあった著名人による証言により、写真家ロベール・ドアノーのすべてに迫る、初のドキュメンタリー映画。今では世界でもっとも有名な写真のひとつとなった「パリ市庁舎前のキス」の知られざる撮影秘話も明かされる。さらに、ピカソ、フランソワーズ・サガン、ロマン・ポランスキー、サビーヌ・アゼマ、イザベル・ユペールなど、ドアノーが撮った同時代を代表する著名人のポートフォリオ作品も楽しめる。監督は、ドアノーの孫娘であるクレモンティーヌ・ドルディル。家族だからこその視点で、優しさにあふれた祖父、撮影にこだわりぬく写真家の両面を描き出し、愛とユーモアに溢れたドアノーの写真家人生を浮き彫りにする。【概要】映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』公開日:2017年4月22日(土)劇場:東京都写真美術館ホール、ユーロスペースほか全国順次公開監督:クレモンティーヌ・ドルディル出演:ロベール・ドアノー/ダニエル・ペナック/サビーヌ・アゼマ/ジャン・クロード・カリエール/堀江敏幸制作:2016 年/フランス/フランス語/アメリカンビスタ/80分原題:ROBERT DOISNEAU: THROUGH THE LENS字幕翻訳:星加久実/字幕監修:佐藤正子/配給:ブロードメディア・スタジオ©2016/Day For Productions/ARTE France/INA ©Atelier Robert Doisneau
2017年01月16日パピマミをご覧の既婚男性の皆さん、妻に恋してますか?夫が妻に作る“料理”がカギとなる1月28日公開の映画『恋妻家宮本』と、パパが作った料理を家族みんなで食べる“共食維新”を掲げ、パパ料理の普及を目指す『日本パパ料理協会』がコラボレート!料理を通じて、夫婦のコミュニケーションを高めるためのヒントを3回シリーズで紹介していきます。●一人息子が巣立ったとき、夫婦はどうなってしまうのか?映画『恋妻家宮本』とは――。阿部寛さん、天海祐希さんという豪華なキャストが夫婦を演じることでも話題の映画『恋妻家宮本』。この映画では、今、子育てをしている夫婦がいつかは直面するであろう 「子どもが巣立った後、どうしたらいいのか?」という問題がつぶさに描かれています。優柔不断な中学校の国語教師、宮本陽平(阿部寛)と妻の美代子(天海祐希)は大学時代に知り合い、想定外の妊娠発覚から結婚することになります。それから27年。一人息子の結婚をきっかけに夫婦水入らずとなったものの、できちゃった婚だったため、結婚後初めての二人だけの生活はなぜかギクシャク。互いにうまく伝えられない思いを抱えながら日々を過ごしていたのですが、ある日、陽平が美代子の書いた離婚届を発見してしまったことから、改めて夫婦について考えていくことになるのです。『家政婦のミタ』『女王の教室』『○○妻』など数々のヒットドラマの脚本を手掛けてきた遊川和彦さんがベストセラー作家・重松清さんの『ファミレス』を原作に、脚本だけでなく、初めて監督まで挑戦した作品です。主軸を担う宮本夫婦だけでなく、彼らを取り巻くさまざまな夫婦の姿が描かれているこの作品でカギを握っているのが“料理”。新たな趣味として料理教室に通っている陽平が作る料理は、なかなか妻の心には届きません。●妻が食べたい料理は“夫が食べたい料理”とは違う初回となる今回は、日本パパ料理協会の会長飯士(はんし)である、パパ料理研究家の滝村雅晴さんに“妻が喜ぶ料理を出すために知っておきたいコツ”を教えてもらいました。『料理経験が少ない男性が料理を始める場合、多くの人は“自分の食べたいもの”を作るところから始めると思います。もちろんそれも悪くはないのですが、それは“男の料理”、つまり自分がおなかが空いたときに、自分が食べたいものを自分勝手に作るものなんですね。我々日本パパ料理協会が普及したい“パパ料理”は、家族のおなかが空いたときに、家族が食べたいものを、家族のために作る料理なんです。ここには自分軸か?家族軸か?という大きな違いがあるのですが、妻に対しても考え方は同じです。そう考えると、妻が喜ぶ料理とは、まず“妻が好きなもの”。これは当たり前ですよね。そして、“妻のTPOにあったメニュー”。日常の家庭料理は、前後の体調や、食べたもので調整しなければいけません。例えば正月明けなど食べ過ぎた朝は“ほうれん草とにんじんと豆乳のスムージー”のように軽いものを選ぶとか、そういった配慮も必要です。もちろん量も重要。男性目線で考える量ではなく、少量を少しずつ作るといったことも考えるべきです。これは味も同じ。妻本人が食べた後に「あ!これ、食べたかった味!」って言ってもらえる料理こそが、まさに妻が喜んでくれる料理ですよね。すごくシンプルに言うと、“夫が食べたい料理と妻が食べたい料理は違う”ということを認識することが一番大事です』●日本パパ料理協会会長飯士・滝村雅晴さんオススメの“恋妻家料理”2つでは、実際にどんな料理を作ればいいのか?滝村さんオススメの恋妻家料理を教えていただきました!●(1)鯛と生ハムのカルパッチョ※パパレシピ(3~4人分)【材料:A】・鯛(1さく)・生ハム(50g程度)・レタス(適量)・市販のすりおろしにんにく(大さじ1)【材料:B】・粗挽きこしょう(少々)・エキストラバージンオリーブオイル(大さじ1)・レモン(4分の1個)【作り方】鯛は斜めにそぎ切りして、皿にならべ、すりおろしにんにくをスプーンでぬり、生ハムを1枚1枚上にのせる。ベビーリーフをのせ、【材料:B】をかけて出来上がり。※妻の好みによっては粗挽きこしょうとレモンは多めでもOK!●(2)ゴーヤチャンプルー※パパレシピ(3~4人分:15分)【材料】・ゴーヤ(1本)・木綿豆腐(1丁)・卵(1個)・ごま油(大さじ1~)・塩(少々)・しょうゆ(大さじ1)・白ごま(小さじ1)・かつお節(ひとつかみ)【作り方】(a)ゴーヤは塩もみし、半分に切ってわたをとり7mm幅に切る。木綿豆腐は3~4cm角ぐらいに切る。(b)フライパンに火をかけ熱くなったらごま油を加え、ゴーヤを塩をふって炒めて透明になったら、豆腐を加えて炒める(先に豆腐に焼き色がつくまで焼いて取り出してからゴーヤを炒めるのもあり)。 卵を加えて、かつお節、しょうゆ、白ごまを加えて炒めて出来上がり。※アト辛おとな味:妻の好みによっては七味をかけてもOK!----------いずれも滝村さん自身が妻に作って喜ばれた経験があるメニューです。料理の経験があまりないという方でも作れる簡単なものなので、ぜひチャレンジしてみてください!日本パパ料理協会のFacebookとInstagramでは、恋妻家であるパパ飯士たちが妻に作った料理の写真をアップしていく『恋妻家料理のススメ』キャンペーンを実施中。滝村さんのオススメレシピの他にもたくさんの恋妻家料理のヒントを見つけることができるかもしれません!次回は、日本パパ料理協会の飯士たちが作った妻恋家料理とその裏側にあるストーリーを紹介していきます!【取材協力/日本パパ料理協会】・公式Facebook()【映画】『恋妻家(こいさいか)宮本(みやもと)』2017年1月28日(土)全国ロードショー監督・脚本:遊川和彦原作:重松清『ファミレス』上下(角川文庫刊)出演者:阿部寛、天海祐希/菅野美穂、相武紗季、工藤阿須加、早見あかり、奥貫薫、佐藤二朗/富司純子 他上映時間:1時間57分・公式サイト()●ライター/杉山ジョージ(兼業主夫放送作家)
2017年01月12日12月・1月のハリウッドは、とにかく映画賞ラッシュ。放送映画批評家協会(Broadcast Film Critics Association)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR/National Board of Review of Motion Pictures)などの各授賞式はすでに行われ結果が出ている。ドラマ映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』、主人公リーを演じるケイシー・アフレック、ドラマ映画『ムーンライト』、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』、ドラマ映画『フェンシズ(原題)/Fences』で主人公トロイを演じたデンゼル・ワシントンそして『ジャッキー』で主人公を演じたナタリー・ポートマンは、批評家ならびに映画ファンからも絶賛されており、このことから見てもアカデミー賞へのノミネーションは確実と見られている。ちなみに、これらの映画賞はハードコアな映画ファンでもない限り、いったい誰の手によって選ばれているのか余り知られていないだろう。基本的にはアメリカの映画批評家たちが選んだものと思って間違えないのだが、彼らは制作の現場に関わっている人たちとは違う。だが1月中盤から2月になるとアカデミー賞を筆頭に映画の現場に携わる人たちによって選出される映画賞が増える。とくにアカデミー賞は現場に携わるプロ中のプロであるアカデミー会員たちによって選出される栄えある賞だ。よって批評家たちの投票結果と多少異なってくるのは当然のことだが、過去の統計を見ると、批評家たちが選ぶ映画賞の受賞結果がアカデミー賞ノミネーションがかなり重複しているのがわかる。冒頭に挙げたアカデミー賞に向けて話題の作品も、まだ日本では耳慣れないものが多い。「イマ旬!」では今回2本、次回3本の割り振りでアカデミー賞レースの上位を走る5作品について紹介していこうと思う。『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』【あらすじ】マサチューセッツの街で修理屋として生計を立てながら物静かに暮らしている男リーは、ある日故郷の兄ジョーが倒れたという知らせを受ける。急いで帰ったもののジョーは亡くなっていた。ショックを受けるリーに追い打ちをかけるように待っていたのは、ジョーの息子パトリックの養育権をリーに託すという、思いもかけぬ兄からの遺言だった。その昔、余りにつらい過去を振り切るためあとにした故郷。いっぽうティーンのパトリックは昔はあんなに仲の良かった叔父リーに拒絶されたと感じ、一層殻にこもってしまう。溝の深まる甥っ子と叔父の関係。兄の死が引き起こした様々な出来事は、嫌が応にしてリーに辛い過去と向き合う試練を突きつけていた。【アカデミー賞候補本命度】作品賞をはじめ主要部門と言われている主演・助演男優&女優賞候補はもちろん、マルチ部門でのノミネーションそして受賞が有力視されている。ケイシー・アフレックもさておき、元妻を演じるミシェル・ウィリアムズ、甥っ子を演じる新星ルーカス・ヘッジなど、観ている者を引き込まれずにはいられない胸に迫る演技が素晴らしい。悲痛なストーリーではあるが、つらい部分を乗り越えて見ているといいことがある作品で主人公リーと同様の心の旅ができる。【注目点:ケイシー・アフレック】本作で、“ベン・アフレックの弟”という肩書きから見事卒業した感ありのケイシー。年末時点でさまざまな映画賞にて主演男優賞を受賞、あるいは候補にノミネートと順風漫歩。オスカー本線ではライバルにデンゼル・ワシントンが立ちはだかっているが、『トレイニング・デイ』で主演男優賞受賞経験のある彼に比べてフレッシュなケイシーのほうが受賞確率が高いのでは。少々気がはやいが、もしもケイシーが主演男優賞を受賞すれば兄ベンも成し遂げていない快挙を達成することになる!『フェンシズ(原題)/Fences』【あらすじ】ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。【アカデミー賞候補本命度】主演男優賞候補デンゼル・ワシントン、助演女優賞候補ヴィオラ・デイヴィスでアカデミー賞のノミネーションを受けることはほぼ確実といってもいいだろう。舞台劇の映画化は、往々にして膨大なセリフの量が特徴だが本作も例外ではない。途中でカットを入れずにすごい量のセリフを淀みなくデリバリーするデンゼルのテンションは、観ているこちらがグッタリしてしまうほどの凄さで、まさに芸術の域。【注目点:デンゼル・ワシントン&ヴィオラ・デイヴィス】ならばデンゼルに再びオスカー像を…!と言いたいところだが、本作でデンゼル以上に注目されるべきは、助演女優ヴィオラ・デイビス。気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラが、髪振り乱し、涙溢れ、流れる鼻水をものともせず、妻としての心情を夫にぶちまけるシーンは、映画史上に残るであろう名場面。業界内ではヴィオラのオスカー受賞必至の噂が飛び交っており、筆者も大いに同感。次回の「イマ旬」では執筆時点で映画賞予想サイトGoldderby.comにおいてアカデミー賞レースのトップ10圏内に入っていて、筆者も応援中の3作品を現場目線でご紹介。乞うご期待!(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2016年12月30日日本の若手写真家たちの作品を展開する「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」が、17年1月20日から29日まで東京・六本木にあるIMA gallery(IMA CONCEPT STORE内)にて開催される。同展は、日本におけるアートフォトマーケットの醸成を目的に、IMAメディアプロジェクトが主催を行っている展覧会。世界最大のフォトフェア「パリフォト(PARIS PHOTO)」と同時期にパリで開催し、その後日本へと巡回している。横田大輔や水谷吉法など、これまで同展で選出した写真家の多くが世界に羽ばたいている。また、今年は世界的アートフォトフェスティバルのひとつである「アン シーン・フォト・フェスティバル(UNSEEN Photo Festival)」の一環としてオランダ・アムステルダムでも開催し、海外でも注目を集めた。東京凱旋となる同展では、映像を軸に独自の世界観で物語を創出する東加奈子と、国際的な視野から現代社会をユーモラスに捉える石野郁和、即興的なスティルライフを生み出す宇田川直寛の3人が「LUMIX DMC-GX8」を用いて撮り下ろした作品を発表する。その他に、石橋英之、清水はるみ、駒瀬由宗も加わり、計6名で二次元を超えた写真表現の可能性に迫る。【展覧会情報】「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」会場:IMA gallery(IMA CONCEPT STORE内)住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:17年1月20日~29日時間:11:00~19:00休館日:17年1月23日入場無料
2016年12月30日賞レースでにぎわっている映画界で、第22回放送映画批評家協会賞が発表された。『ラ・ラ・ランド』が8冠に輝き、同作のデミアン・チャゼル監督が監督賞と脚本賞を受賞し、そのほか撮影、音楽、編集部門でも受賞した。主演のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンも主演男優賞と主演女優賞の候補に挙がっていたが、残念ながらそれぞれ『Manchester by the Sea』(原題)のケイシー・アフレックと『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマンに譲った。『ラ・ラ・ランド』は12日早朝(現地時間)、来年1月に開催されるゴールデン・グローブ賞で最多7部門でノミネーションを受けたばかりで、これからの賞レースの大本命のうちの1作品として盛り上がりを見せている。ほかに、コメディ映画賞を『デッドプール』、コメディ映画主演男優賞を同作のライアン・レイノルズ、コメディ映画主演女優賞を『スーサイド・スクワッド』のマーゴット・ロビーが受賞。テレビ部門の作品賞には「ゲーム・オブ・スローンズ」が輝いた。「ウォーキング・デッド」の強烈なキャラクター・ニーガン役を演じているジェフリー・ディーン・モーガンがドラマ部門のゲスト賞を獲得した。(Hiromi Kaku)
2016年12月13日アカデミー賞の前哨戦の1つ、放送映画批評家協会賞(現地時間)にて作品賞などにノミネートされている『Loving』が、『ラビング愛という名前のふたり』として2017年3月に日本公開されることが決定。人種を越えた結婚が違法だった時代に結ばれた夫妻の、ポスタービジュアルも解禁となった。本作は、『英国王のスピーチ』『キングスマン』のコリン・ファースが映画化を熱望した実話。時は1958年、バージニア州。大工のリチャード・ラビングは、恋人のミルドレッドから妊娠したと告げられ、大喜びで結婚を申し込む。異人種間の結婚は法律で禁止されていたが、子どものころに出会って以来、友情が愛情へと変わっていった2人にとって、別れなどあり得ないことだった。2人は法律で許されるワシントンDCで結婚し、地元で新居を構えて暮らし始めるが、夜中に突然現れた保安官に逮捕されてしまう。2人は離婚か、生まれ故郷を捨てるか、二つに一つの選択を迫られることに──。コリン・ファースが魅せられ、プロデューサーに名乗り出てた実話を元にした本作は、いまからわずか60年前、アメリカのいくつもの州で異人種間の結婚が禁じられていた時代が舞台。だが、活動家でもなく、ごく普通の労働者階級のラビング夫妻の訴えによって、1967年についに法律が変わる。きっかけは、妻のミルドレッドが、ケネディ大統領の弟であるロバート・ケネディ司法長官に書いた1通の手紙。愛する夫のリチャードと“生まれ故郷で夫婦として暮らしたい”という、ごく当たり前の願いからだった。監督・脚本を務めたのは、ジェシカ・チャステイン×マイケル・シャノンの『テイク・シェルター』、マシュー・マコノヒー主演『MUD マッド』が絶賛されたジェフ・ニコルズ。気鋭の監督が、実在の夫妻の慎ましくも美しい人生を、丁寧に慈しむようにスクリーンに焼きつけていく。夫婦役を演じるのは、『ブラック・スキャンダル』で腐敗したFBI職員を演じ、自身で監督を務めたサイコスリラー『ザ・ギフト』、ナタリー・ポートマン主演『ジェーン』などで今年、注目を集めた実力派ジョエル・エドガートンと、「エージェント・オブ・シールド」や『ウォークラフト』などで知られるルース・ネッガ。この主演の2人が、自分たちの“LOVING(ラビング)”という名の通り、観る者すべての心を揺さぶる、ただひたすらに愛を貫いた夫婦を熱演。歴史までもを変えたアメリカ史上最も純粋なラブストーリーを体現している。『ラビング愛という名前のふたり』は2017年3月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月12日マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の原作を完全映画化した『沈黙-サイレンス-』。先日、『君の名は。』がアニメ映画賞を受賞して話題となったLA映画批評家協会賞において、本作に出演したイッセー尾形が「助演男優賞」次点に選出。スコセッシも認めた、その個性派俳優の場面写真が解禁となった。原作「沈黙」は、17世紀、江戸初期の日本を舞台に、キリシタン弾圧とイエズス会宣教師たちへの迫害を描いた戦後文学の金字塔。スコセッシ監督がこの原作と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えて実現した映画は、11月29日(現地時間)に発表された賞レースの前哨戦となるナショナル・ボード・オブ・レビューでトップ10作品に選ばれ、脚色賞にも輝いた。また、翌11月30日には、バチカン宮殿にて特別試写会が行われ、スコセッシ監督はローマ教皇フランシスコに謁見。長崎の隠れキリシタンが250年にもわたる弾圧の中で守りぬいた、17世紀の聖母画「雪のサンタマリア」(日本二十六聖人館蔵)の写真を贈ると、イエズス会派のフランシスコ教皇は「沈黙」を読んだことがあると語り、全世界の注目を集めた。そしてこのたび、LA映画批評家協会賞では、激しいキリシタン弾圧を推し進める井上筑後守を演じたイッセーさんが、助演男優賞の次点に選ばれるという快挙に。その何とも意地の悪そうな姿をとらえた場面写真が解禁となった。イッセーさんが演じる井上筑後守とは、残忍な弾圧政策を推し進める危険人物として宣教師の間でうわさされていた奉行。物腰柔らかなそぶりでロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)に棄教を迫り、追い詰めていく狡猾な人物だ。解禁された場面写真は、山中で囚われた隠れキリシタンとロドリゴの前に現れ、「転べ」(信仰を棄てろ)と迫る井上の姿をとらえている。猛暑と土埃に閉口しながら、手にした扇子で顔にまとわりつくハエを払ってはいるが、その佇まいはいかにも、したたか者といった様子だ。LAで12月4日(現地時間)に行われた本作初の一般試写会で、700人近い観客の前に登壇したスコセッシ監督は、イッセーさんが演じた井上のキャラクターは、すでにオーディションのときに出来上がっていたと語った。「扇子さばき、ハエをピシャリと打つ動作、口の中の埃、彼が意気消沈する瞬間―私たちは皆、お互いに顔を見合わせて『OK』と言ったんだ」とスコセッシ監督は絶賛。ロドリゴを演じたアンドリューも、そんなイッセーさんの演技に、「ヘビ使いと一緒の部屋にいたようなものだ。あなたはヘビであり、同時に食べられてしまう人でもあった」と高い賞賛を贈っている。いち早く評価されたイッセーさんの熱演。本作をスクリーンで目撃する日が、ますます待ち遠しくなってきた。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月07日TBSが放送する年末恒例音楽番組「輝く!日本レコード大賞」。第58回目を迎える今年の本番組総合司会者に、この度TBSアナウンサーの安住紳一郎と女優・天海祐希が決定した。今年も東京・新国立劇場から生放送でお届けする「輝く!日本レコード大賞」。今回が本番組総合司会初となる天海さんは、宝塚歌劇団退団後、「離婚弁護士」「女王の教室」「BOSS」「偽装の夫婦」「Chef~三ツ星の給食~」などの数々のドラマに出演し、今年公開された『名探偵コナン 純黒の悪夢』では声優にも挑戦。また、来年には出演作『恋妻家宮本』『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の公開も控え、幅広い世代から支持を得る女優。そんな天海さんが「レコード大賞」の舞台で、初めて音楽番組の総合司会に挑戦。今年、日本で最も輝いた音楽に華を添えていく。一方、本番組総合司会を担当するのは5年連続5度目となる安住さん。バラエティ番組や情報番組はもちろん、「あなたが聴きたい歌の4時間スペシャル」「音楽の日」といった長時間の音楽番組も多く担当。本番組では、2001年から11年間進行アナウンサーを、2012年からは総合司会を務め、毎年相手のトークを引き出す安定した司会ぶりで出演アーティストから大きな信頼を寄せられている存在だ。天海さんは「歴史ある素晴らしい場にお声をかけて頂き、大変光栄に思っております。安住さんの足を引っ張る事なく、無事にこの大役を終われる様頑張りたいと思います」と意気込み。安住さんは「天海祐希さんとご一緒するのが、いまから楽しみです」と天海さんとのコンビに期待を語り、「『第58回輝く!日本レコード大賞』。タイトルを読み上げるたび、50年以上の年月に思いをはせます。また今年も新しい1ページが加わります。夜5時30分からの4時間を超える番組ですが、ご覧いただければ幸いです」とコメントを寄せた。かつて2008年に「ぴったんこカン・カン」のロケ企画で共演したこともある2人。そこで息の合った掛け合いが好評を博し、2週にわたって放送されるほど。8年ぶりの共演となる今回、さらにパワーアップした2人のトークも音楽とあわせてお楽しみに。「第58回輝く!日本レコード大賞」は12月30日(金)17時30分~TBSにて生放送。(cinemacafe.net)
2016年12月06日歌手の西野カナが、TBSで12月5日に生放送された『第49回日本有線大賞』(19:00~)で、初の大賞に輝いた。有線放送に寄せられたリクエストが多かった歌手や楽曲を表彰する『日本有線大賞』。7回目の出場となった西野は、結婚という人生の節目に立つ友人に贈った初のウェディングソングである最新シングル「Dear Bride」を歌った。そして、初の大賞を受賞すると、「何も言葉が出ないくらい、すごいびっくりしすぎています」と驚き、「信じられなくてテンパってるんですけど、本当にありがとうございます」と感激。「こんな素晴らしい賞をいただけて、こんなすてきなステージに立たせていただいて、皆さんに支えていただいたおかげです。心からありがとうございます」と伝えた。「日本有線大賞」の候補となる「有線音楽優秀賞」には、西野のほか、AKB48、大月みやこ、JUJU、西内まりや、氷川きよし、水森かおり、三山ひろしが選出されていた。
2016年12月06日アカデミー賞の前哨戦の1つとされているLA映画批評家協会賞が4日(現地時間)に発表された。作品賞と監督賞はバリー・ジェンキンス監督の『Moonlight』(原題)が受賞。どちらの賞もデミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』(原題)が次点に選ばれた。『Moonlight』からは、マハーシャラ・アリが助演男優賞、ジェームズ・ラクストンが撮影賞を獲得。計4部門で受賞し、高い評価を受けた。助演男優賞は、遠藤周作の「沈黙」を原作とし、ハリウッドで映画化された『沈黙-サイレンス-』に出演のイッセー尾形さんが次点として発表されている。アニメ賞に輝いたのは、世界でも話題、いまもなお日本で記録的なヒットを更新中の『君の名は。』だ。アカデミー賞にまた一歩近付き、ますます期待が高まる。新海誠監督は現在、海外プロモーションでロサンゼルスに滞在中だとのこと。リアルタイムで受賞を耳にし、ツイッターで「LAで取材中に嬉しいニュース。『君の名は。』がロサンゼルス映画批評家協会賞、アニメ部門受賞だそうです。なんと。マジですか…」と喜びを語っている。なお、次点はスタジオジブリ初の海外共同作品『レッドタートル ある島の物語』だった。(Hiromi Kaku)
2016年12月05日「『現代用語の基礎知識』選 2016ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、東京・帝国ホテルで発表され、「神ってる」が年間大賞に選ばれた。「神ってる」は、プロ野球の交流戦で、広島カープの緒方孝市監督が、鈴木誠也選手の活躍を表現した言葉。緒方監督と鈴木選手が受賞した。昨年の年間大賞では「トリプルスリー」が選ばれており、野球関連の言葉が2年連続で大賞となった。このほか、ノミネート30語から選ばれたトップ10には「ゲス不倫」(受賞者:週刊文春編集部)、「聖地巡礼」(ディップ株式会社)、「トランプ現象」(受賞者なし)、「PPAP」(ピコ太郎)、「保育園落ちた死ね」(山尾志桜里衆院議員)、「(僕の)アモーレ」(長友佑都選手・平愛梨)、「ポケモンGO」(株式会社ナイアンテック・株式会社ポケモン)、「マイナス金利」(日本銀行)、「盛り土」(受賞者辞退)が受賞。例年、お笑い芸人のギャグが入ることが多いが、トレンディエンジェル・斎藤司の「斎藤さんだぞ」は、トップ10入りを逃した。ピコ太郎は欠席。長友選手も欠席したが、「大切な人に向けた言葉が日本の多くの人に使っていただき、今回の賞をいただいたことを心からうれしく思います。僕自身がすごく好きな言葉なので、もっと多くの人に使ってもらえるとうれしいです」とコメントを寄せ、その"大切な人"である平愛梨が登壇した。なお、「選考委員特別賞」として、熊本市が「復興城主」で受賞した。○『現代用語の基礎知識』選 2016ユーキャン新語・流行語大賞 ノミネート30語「アスリートファースト」「新しい判断」「歩きスマホ」「EU離脱」「AI」「おそ松さん」「神ってる」「君の名は。」「くまモン頑張れ絵」「ゲス不倫」「斎藤さんだぞ」「ジカ熱」「シン・ゴジラ」「SMAP解散」「聖地巡礼」「センテンススプリング」「タカマツペア」「都民ファースト」「トランプ現象」「パナマ文書」「びっくりぽん」「文春砲」「PPAP」「保育園落ちた日本死ね」「(僕の)アモーレ」「ポケモンGO」「マイナス金利」「民泊」「盛り土」「レガシー」
2016年12月01日TBSにて生放送される「第49回日本有線大賞」の取材会が11月28日(月)、同局内にて行われ、進行を務める高橋英樹、小島瑠璃子が出席した。アワードのMCを初めて担当するという高橋さんは、「この仕事に入って随分たちますけど、初めての大役のようなもので戸惑っているというか、いまちょっと心臓がバクバクしています」と大御所俳優らしからぬ緊張感を浮かべながらも、「AKB48」やピコ太郎を「ぜひ見てみたい!」と言い、小島さんと笑顔を交わした。「日本有線大賞」は、1968年にスタートした有線放送に寄せられたリクエスト回数を基準に決定される賞。2016年を彩ったアーティストの各賞が発表されるほか、日本を代表する世界に広げたい歌や、大事にしている思い出の歌など、視聴者からのリクエストに応えるコーナーも放送される。これまで何度か共演経験があるという2人。高橋さんは、小島さんについて「シャープな方で安心しております。多才な人なので、任せておけば何でもフォローしてもらえるかな」と信頼を寄せる。小島さんも、「私の座右の銘は、(娘の)真麻さんに言ったという英樹さんの言葉で“芸能界の仕事はちょうどいいがない、忙しすぎるか、暇すぎるかのどちらか”です。暇すぎるを考えたときに死にそうになったので(笑)、多少寝れないとかでも、気持ちが変わると体力も変わると思って日々働いております」と、饒舌に話した。今年一番の思い出の曲を尋ねられた高橋さんは、「今年…」と悩みながらも、「一番簡単なピコ太郎かな(笑)。最近、覚えられる歌がなかなかないんですよ。でも、圧倒的にすぐ覚えられる」と冗談とも本気ともつかない回答で場を盛り上げた。なお、出演の中で注目しているアーティストについて、高橋さんが「AKB48。さすがに生で見ることないでしょう?今回ぜひ見てみたいな。どういうパフォーマンスなのかなあ」とソワソワすると、小島さんも「私も1回もないです!」と同意。小島さんの注目アーティストは、「桐谷健太さん。浦島太郎のCMを初めて見たときに、ぐっとくるものがああったんです。ご本人の歌が聞けるのがとても楽しみです」と盛り上がっていた。なお、現在発表されている各賞のアーティスト&楽曲は下記の通り。【有線音楽優秀賞】(※50音順)AKB48大月みやこJUJU西内まりや西野カナ氷川きよし水森かおり三山ひろし【新人賞】(※50音順)エドアルド林部智史ふわふわ【有線大衆賞】市川由紀乃【有線話題賞】(※50音順)「PERFECT HUMAN」RADIO FISH「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」ピコ太郎【特別賞】(※50音順)「海の声」浦島太郎(桐谷健太)THE YELLOW MONKEY■『第49回日本有線大賞』2016年12月5日(月)19:00~(TBS系列)(cinamacafe.net)
2016年11月30日俳優の高橋英樹(72)とタレントの小島瑠璃子(22)が、TBSで12月5日に生放送される『第49回日本有線大賞』(19:00~)のMCを務めることが決定した。28日に東京・赤坂の同局で取材に応じ、意気込みを語った。高橋は「初めての大役のようなお仕事をいただきまして、心臓がちょっとバクバクしていますが、アーティストのみなさんのいいところを引き出せるように頑張りたい」とやや緊張している様子。小島も「私の年齢のダブルスコア以上の歴史のある番組。うれしい反面、プレッシャーもありますが、そのプレッシャーをプラスに変えられたら」と心境を語った。お互いについて、高橋は「任せておけば何でもフォローしてもらえるのかなと思いますので、安心しています。多才な人なので」と信頼。小島は「今日初めて英樹さんとお仕事させていただいたんですが、温かくて頼りになって、そして、声がすてきだなと。一緒にやらせていただく喜びも感じています」とうれしそうに話した。自分にとっての"今年一番の1曲"を聞かれると、高橋は「一番簡単なピコ太郎かな」と笑い、「最近私が覚えられる歌がなかなかないんですよ。難しいの多くて。その中では圧倒的に私でもすぐ覚えられる」と説明。また、「有線音楽優秀賞」に選ばれたAKB48について、「AKB48が全員そろってパフォーマンスしているのを見たことがないのでぜひ見てみたい!」と興奮気味に話した。小島は、「特別賞」に選ばれた、桐谷健太が浦島太郎名義で歌う「海の声」について、「CMを初めて見たときにすごい惹きつけられて、グッとくるものがあった」と告白。「配信からヒットが広がって、ああいう形で音楽が広がるパターンってあるんだと思って。曲も好きだし、広がり方もおもしろかったので、ご本人の歌を聞けるのが楽しみです」と期待感を表した。今年は、「日本有線大賞」の候補となる「有線音楽優秀賞」に、AKB48、大月みやこ、JUJU、西内まりや、西野カナ、氷川きよし、水森かおり、三山ひろしの8組が決定。「有線話題賞」は、RADIO FISHの「PERFECT HUMAN」と、ピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」が輝き、「特別賞」には、桐谷健太が浦島太郎名義で歌う「海の声」と、今年再結成したTHE YELLOW MONKEYが選ばれている。
2016年11月30日ニューヨークが生んだ伝説の写真家、ソール・ライターの想像の秘密に迫る日本初の回顧展「写真家ソール・ライター展」が17年4月29日から6月25日まで、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催される。1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍しながら58歳の年にスタジオを閉鎖、商業写真から退き世間から姿を消したソール・ライターはドイツのシュタイデル社から出版された作品集で再び脚光を浴びるとことなり、12年に公開されたドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」でその名と作品がさらに多くの人々の知るところとなった。今回開催予定の回顧展は、ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力を得て、同財団所蔵のモノクロ、カラーの写真作品、絵画作品の他200点あまりの貴重な資料を一同に集めた日本初の回顧展となっている。【イベント情報】「写真家ソール・ライター展」会場:Bunkamuraザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1会期:17年4月29日~6月25日予定
2016年11月25日TBSでは、年末恒例の「第58回輝く!日本レコード大賞」を新国立劇場より生放送することが決定。併せて、今年の音楽シーンを総決算する各賞受賞者が発表された。2016年の「日本レコード大賞」候補となる「優秀作品賞」には、「AKB48」の「365日の紙飛行機」をはじめ、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌として話題となった宇多田ヒカルの「花束を君に」や、映画『四月は君の嘘』の主題歌でもある「いきものがかり」の「ラストシーン」などが受賞。なお、宇多田さんは9月にリリースしたニュールバム「Fantôme」が「最優秀アルバム賞」にも決定している。「最優秀新人賞」候補となる「新人賞」には、“ボイメン”の略称で知られる東海地方出身・在住のメンバーで構成された「BOYS AND MEN」ら4組。「特別賞」には社会現象ともなっている映画から『君の名は。』/「RADWIMPS」、『シン・ゴジラ』/鷺巣詩郎・伊福部昭、さらに「THE YELLOW MONKEY」や「BIGBANG」。そして「特別話題賞」には、YouTubeの週間再生回数ランキングで世界一になるという快挙を達成した、いま話題のピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」が受賞した。主要な賞受賞者・楽曲は以下の通り。■優秀作品賞「あなたの好きなところ」/西野カナ「海の声」/浦島太郎(桐谷健太)「女は抱かれて鮎になる」/坂本冬美「最&高」/きゃりーぱみゅぱみゅ「365日の紙飛行機」/「AKB48」「涙のない世界」/「AAA」「花束を君に」/宇多田ヒカル「BELIEVE」/西内まりや「みれん心」/氷川きよし「ラストシーン」/「いきものがかり」■新人賞iKON林部智史羽山みずき「BOYS AND MEN」■最優秀アルバム賞「Fantôme」/宇多田ヒカル■優秀アルバム賞「YELLOW DANCER」/星野源「醒めない」/「スピッツ」「シャンデリア」/「back number」「JOY OF LIFE」/葉加瀬太郎■最優秀歌唱賞鈴木雅之■特別賞『君の名は。』/「RADWIMPS」「THE YELLOW MONKEY」『シン・ゴジラ』/鷺巣詩郎・伊福部昭「BIGBANG」■特別話題賞「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」/ピコ太郎■編曲賞「SEKAI NO OWARI」「Hey Ho」/「SEKAI NO OWARI」「第58回輝く!日本レコード大賞」は12月30日(金)17時30分~TBSにて生放送。(cinemacafe.net)
2016年11月18日「第49回日本有線大賞」が12月5日(月)よりTBSにて生放送されることが決定。この度、各賞の受賞者が発表された。1968年に始まった「日本有線大賞」は、有線放送に寄せられたリクエストのデータにより決定するもので、2016年に「最も聴きたい曲」、「最もリクエストされた曲」が明らかになる賞だ。今年の有線大賞候補となる「有線音楽優秀賞」には、「AKB48」を始め、先月カバーアルバム「スナックJUJU ~夜のRequest~」をリリースし、また一夜限りの世界最大のスナック「-ジュジュ苑スペシャル- スナックJUJU」を開店し話題となったJUJU、『CUTIE HONEY -TEARS-』で主演を務めた西内まりや、「番場の忠太郎」「ときめきのルンバ」などこれまで何度も大賞を受賞してきた氷川きよしら合わせて8組が選出。さらに、「新人賞」には、エドアルド、林部智史、「ふわふわ」。「有線大衆賞」に市川由紀乃。「有線話題賞」には、「RADIO FISH」の「PERFECT HUMAN」と、ピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」。そして、「特別賞」には浦島太郎(桐谷健太)に「海の声」と「THE YELLOW MONKEY」が受賞決定。栄えある「第49回日本有線大賞」の栄冠は、一体誰に輝くのか!?<受賞アーティスト&楽曲一覧>■有線音楽優秀賞AKB48大月みやこJUJU西内まりや西野カナ氷川きよし水森かおり三山ひろし■新人賞エドアルド林部智史ふわふわ■有線大衆賞市川由紀乃■有線話題賞RADIO FISH「PERFECT HUMAN」ピコ太郎「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」■特別賞浦島太郎(桐谷健太)「海の声」THE YELLOW MONKEY「第49回日本有線大賞」は12月5日(月)19時~TBSにて生放送。(cinemacafe.net)
2016年11月16日TBSで12月5日に生放送される『第49回日本有線大賞』(19:00~)の各賞が15日、発表され、「有線話題賞」には、RADIO FISHの「PERFECT HUMAN」とピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」が選出された。有線放送に寄せられたリクエストのデータにもとづき決定され、1年間で最もリクエストされた曲が明らかになる『日本有線大賞』。「日本有線大賞」の候補となる「有線音楽優秀賞」には、AKB48、大月みやこ、JUJU、西内まりや、西野カナ、氷川きよし、水森かおり、三山ひろしの8組が選ばれた。「有線話題賞」は、お笑いコンビ・オリエンタルラジオ率いるダンス&ボーカルユニット・RADIO FISHの「PERFECT HUMAN」と、世界中でブレイク中のシンガーソングライター・ピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」に決定。まさに今年の話題を集めた2組が選ばれた。また、「特別賞」には、桐谷健太が「au三太郎シリーズ」CMの役柄・浦島太郎名義で歌う「海の声」と、今年再結成したロックバンド・THE YELLOW MONKEYが選出。「新人賞」はエドアルド、林部智史、ふわふわ、「有線大衆賞」は市川由紀乃が受賞した。
2016年11月16日第34回 毎日ファッション大賞の表彰式が、東京・恵比寿で2016年11月2日(水)に開催された。大賞に選ばれたのは、ファセッタズム(FACETASM)デザイナー落合宏理。新人賞・資生堂奨励賞は、プラスチックトーキョー(PLASTICTOKYO)の今崎契助、業界に貢献した人物に贈られる鯨岡阿美子賞は、カイハラ株式会社代表取締役の貝原良治が受賞。また、特別賞にはビームス(BEAMS)の「ビームス ジャパン」、話題賞には第74期名人の将棋棋士・佐藤天彦が選ばれた。毎日ファッション大賞とは1983年に毎日新聞社が創刊110年を記念し、日本のファッションの歩むべき方向性を模索する上で、何らかの寄与を果たしたいという願いを込めて創設したもの。過年度受賞者には、高田賢三、川久保玲、山本耀司、三宅一生といった世界に誇る才能あふれるデザイナーたちが名を連ねている。大賞 ファセッタズム デザイナー落合宏理2013年に新人賞を受賞してから僅か3年での大賞受賞となった、ファセッタズム デザイナー落合宏理。LVMHが若手支援を目的に行う「LVMHプライズ」で、日本人初のファイナリストに選出。また、リオオリンピック閉会式の衣装も担当した。これらの実績を評価するとともに、ミラノ・パリでのショー発表、ストリートという路線を腕1本で貫いてきたという功績が受賞理由となった。受賞者のことば「必ずとらなければならなかった大賞」落合「私自身、毎日ファッション大賞は学生のころから漠然とした夢であって、ブランドを初めてから必ずとらなければいけないものだと感じながらここまでやってきました。昨年、パリに拠点を移して‟東京”の見え方が、海外では少し異なることに気付きました。実際、注目されていたのはカワイイ文化というような感覚的なもの。だから、自分自身の好きな東京のユース感というのをヨーロッパで披露し、改めて“東京的なモノ”を発信できればと考えました。また、新人賞から3年を経てあらゆることが変わりました。特に、LVMHプライズは自分にとっても大きな出来事。その中でリカルド ティッシやセリーヌのフィビー、マーク ジェイコブスら世界の様々のデザイナーの人たちと話す機会がありました。世界の女性を虜にしてきたフィビーは美しいし、マークは本当にチャーミング。デザイナーとして振る舞いも含めて成長しなきゃいけないと痛感しました。このような名誉ある賞をいただけるということは、スタッフのみんな、関係者の皆さんが支えてくださったおかげだと感じています。だからこそ大賞をいただいたことに自信を持って、今後も世界に対してクリエーションを発表していければと思います。」新人賞・資生堂奨励賞 プラスチックトーキョー デザイナー今崎契助“東京のカルチャー”を表現しているということ、そして高い技術力と安定感が評価された、プラスチックトーキョーのデザイナーである今崎契助。彼の作品は、独創性に満ち溢れている。活動の動向が気になる彼だが、この受賞が今後のステップの後押しになることは間違いないだろう。なお、表彰式では2017年春夏コレクションのショーを披露。アマゾン ファッションウィーク中にも同ショーを発表したが、今回は資生堂のメーキャップアーティストたちによるヘアメイクということもあり、アレンジとしてウィメンズのモデルを起用したという。受賞者のことば「受賞を機にブランドの飛躍へ」今崎「そのほかの受賞者の方々、これまで受賞された方々の名前を見ても身に余る受賞です。‟入国審査”というのが2017年春夏コレクションでのテーマなのですが、モードの世界をいかに搔い潜れるかということも表現したくて、パンキッシュな要素や反骨精神が出るようショー内で表現しました。そして僕自身も。昨日髪を30センチ切り、同シーズンのアイテムを着用しました。ブランド知名度、クオリティー、まだまだこれから伸ばしていかなければいけないところは全般的にあると感じています。これを機にもっと飛躍していきます。」鯨岡阿美子賞 カイハラ株式会社 代表取締役会長 貝原良治ここ数年のモード界の中核を占めたともいえるデニム。日本のデニムが世界でも高品質なものだという認識がファッション業界で広まる中、それを陰で支え続けたカイハラ株式会社の貢献度は計り知れない。紡績、染色、織布加工の一貫生産を行い、国内はもちろんのこと約80%は輸出。近年はジーンズ業界だけでなく、瀬戸内周辺の企業をはじめ異業種とコラボレーションを行いながらカイハラブランドを広めている。受賞者のことば「日本デニムの良さを発信したい」貝原「まさかこんな名誉ある賞をいただけるとは思っていませんでした。1893年に祖父が藍染備後絣を創業して以来、広幅絣、サロン絣、絣用の染色機などを創出し今でも新しいものを作り続けています。また、デニムは1970年にスタートし、その染色機も手掛けてきたもののひとつです。私自身、生まれたときから織り機の音を聞きながら、そして藍染めをする場所なども見て育ってきました。そんな人生から、自分の血液が青なのではないかと思うほど。しかし、それが自分の自信にも繋がっています。今後はさらにあらゆる企業やブランドとコラボレーションをして、“デニムとはどういうものなのか”を若い人達に広めていきます。そして、40年近く続けている海外との取引も積極的に行い、日本デニムの良さを発信していくことが使命だと感じています。」話題賞 第74期名人棋士 佐藤天彦16年ぶりの20代名人取得を果たした棋士・佐藤天彦。対局中のファッションで注目を集め、ついたニックネームは「貴族」。クローゼットの中には、サンローラン(Saint Laurent)やドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)など約300着以上が収まっているという。将棋とファッションという相反するところにあるものを結びつけ、「新時代の棋士の登場」と言われる彼が話題賞に選ばれた。受賞者のことば「ファッションも将棋も個性を出すもの」佐藤「将棋の棋士である私が、まさかファッション関係の賞を頂けるなんて思っていませんでした。以前から洋服が好きであった自分にとってはとても嬉しく、本当に光栄です。小学校4年生頃に洋服に興味を抱き、高校生の頃コレクション雑誌を見るようになりました。その時に、特に目に留まったのが今も好きなアン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)。中近世の西洋服装史に興味があったので、それが現代風に解釈されているところがとても素敵だと感じたんです。今日の洋服もシャツにヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)を合わせている以外は、全てアン ドゥムルメステールです。かけ離れているように見えても、ファッションも将棋も個性を出すというところは共通点なのかもしれません。あくまで自然体でいられることが大切だと思います。この受賞をもって、今後はこれまで挑戦できなかったようなファッションにも少しずつ手を広げられたらと考えています。」特別賞 ビームス「ビームス ジャパン」日本の食、洋服、カルチャーなどに着目し、“日本の人種のるつぼ”ともいえる東京・新宿にリニューアルオープンした「ビームス ジャパン(BEAMS JAPAN)」。国境や年齢、性別を問わず訪れる人を魅了したこの店舗が特別賞を受賞した。「売れるものを作って売る」という発想ではなく「日本をブランディングする」という試みは、セレクトショップの新時代を築くインパクトであった。受賞者のことば「匠からオタクまで、日本のコト・モノを発信する場に」設楽「ビームスは今年で40周年を迎えました。このような賞を頂けたこと、本当に感激しています。約6.5坪のアメリカンライフショップとして誕生して以来、世界中の良いモノやコトを日本に紹介してきました。40周年を機に今までのプロジェクトを続けていくのと同時に、これからは日本の良いコト、モノを世界に伝える相互発信をしようと考えました。その舞台が「ビームス ジャパン」。コンセプトを“匠からオタクまで”と掲げました。ここには、日本の伝統工芸からポップカルチャーまでが集結しています。これからもあらゆるジャンルのアーティストや職人、デザイナーの方々に協力いただき、チームジャパンを結成することで、世界に日本文化を発信していきます。
2016年11月05日窓の外に広がる東京の街並みを眺めつつ、「日本に来る飛行機の中で『シン・ゴジラ』を見たから、ちょっと複雑な気分」と笑うサイモン・ペッグ。映画愛に溢れていて、穏やかで、ユーモラス。そんな彼が来日を果たしたのは、『スター・トレック BEYOND』のプロモーションを行うためだ。このシリーズ最新作に、サイモンはキャストとしてだけでなく、脚本家としても関わった。彼が共同脚本家のダグ・ユング共々、生み出したストーリーはこうだ。カーク船長と宇宙船エンタープライズ号の面々は、ある任務のため未知の惑星へ。しかし、謎の敵から攻撃を受け、船は大破し、クルーも散り散りばらばらになってしまう。「僕自身、シリーズのファンだからエンタープライズ号大破案には激しく抵抗を感じたけど(笑)、そこには意味がちゃんとある。宇宙船の崩壊は、クルーをまとめていたものが失われることの象徴。そこから元に戻れるのかという、人間関係の試練が描かれていくんだ」と明かすサイモンだが、宇宙船大破の展開も興味深ければ、クルーが離れ離れになる際の組み合わせも面白い。意外な者同士がバディとなり、見知らぬ土地でサバイバルを繰り広げる。「最初に思いついた組み合わせは、スポックとボーンズ。性格も正反対で、ボーンズはカークの感情、スポックはカークの理性を表す存在でもある。そこで彼らからカークを取り払い、2人の間に何が生まれるのかを見てみたかった。一方、リーダーのカークと年若いチェコフの組み合わせでは、父と息子のような関係が楽しめる。そして、スールーとウフーラは過去2作で会話すらしていない印象だったから、新鮮で面白いと思ったんだ」。その頃、サイモン演じるスコッティは…と言うと、謎の女性戦士ジェイラに遭遇。敵か味方か分からない彼女にスコッティは翻弄されるが、「ジェイラはクールでイケてるんだ。スコッティはダサくてイケてないのにね」と、やや口惜しそう?「ジェイラから見たスコッティはオジさん。ただ、彼自身は古臭いんだけど、『スター・トレック』は未来が舞台だから話がちょっとおかしなことになってくるよね(笑)。とにかく、ジェイラはアイデアも豊富で、自立していて前向き。そんな女性とイケてない男性が出会うことにも面白さがある。スコッティは自分が正しく、すべてを知っていると思い込みがちだけど、時にそれは間違っているんだ」。さすがは“男と女”を分かっているサイモン?「僕自身はクールなんだけどね!いや、残念ながらそうでもないな…」とうなだれつつ豪快に笑うが、女性に理解ある(!)脚本家サイモン・ペッグであることと女性を分かっていない(?)スコッティの両立は、さぞ難しかったのではないだろうか。「僕の撮影があるときはダグに脚本家としての判断を任せ、それ以外のときは僕も脚本家として撮影に立ち会った。でも、言うほど簡単に切り替えができるはずもなく、自分の撮影シーンにも脚本家として意見を出したり、キャストが僕に脚本のことを聞きに来ることはあったよ。とは言え、自分の撮影シーンは休暇みたいな気持ちだった。キャスト仲間とくつろげるし、演じること自体が僕にとっては楽しみ以外の何物でもないから。もちろん、脚本家であることも楽しんでいるよ。次の『スター・トレック』の脚本にはスケジュールの都合もあって関われないけど、ダグとはまた一緒に何かを書きたいと思っている」。演じることが楽しい。物語を書くことが楽しい。俳優として、脚本家として、サイモンは常に映画作りを楽しんできた。彼に負けず劣らず、映画作りを楽しむ仲間たちと共に。「エドガー・ライトやニック・フロストは僕の大切な仲間。彼らと一緒に作った『ショーン・オブ・ザ・デッド』を見て、J.J.エイブラムスは『M:i:lll』に僕を誘ってくれたんだ。そして、J.J.と真の友となり、『スター・トレック』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にも出演できたのだから、やはり出会いは大事だし、仲間の存在は大きいと思う」。それにしても、映画の中の彼からも常々感じていたことだが、サイモン・ペッグの声は非常にセクシーだ。こう指摘されることも多いのでは?と訊くと、「う~ん、ときどきね。…フハハハハ!」と照れ隠し。「自分ではずっと耳にし続けているものだから、もはやよく分からないし、むしろ嫌気もさしているけど…(笑)」と続ける。「映画の中の自分の声を聴いたり、録音したものを聴いたりするのは妙な気分。実際とはちょっと違うなって違和感を覚えるしね。子どもの頃、初めて自分の声を聴いたときも、妙な感じがしたな。でも、褒めていただいたのは素直に嬉しいです。ありがとう(笑)」。そんなサイモンが大事にする“声”とは?それは、「心からの声で語ること」だという。「脚本家としても、俳優としても、語る物語が心からのものであるよう僕は心掛けている。そこには、真実が伴っていなくてはならないと思うんだ」。「たとえそれが『スター・トレック』のようなファンタジーでもね。感情の真実や社会を反映した真実は、どんな物語にも必ず根づいているべきものだから」と、やはりいい声で言うサイモン。「いいSFはロボットや宇宙船よりも、人間について語っている」とも語る彼の真実が、『スター・トレック BEYOND』には根づいている。(text:Hikaru Watanabe/photo:Nahoko Suzuki)
2016年10月24日2016 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞のプロ部門デザイナーによるジョイントショーと同大賞アマチュア部門ショーを2016年10月19日(水)に、東京・渋谷ヒカリエにて開催した。■プロ部門プロ部門のデザイナージョイントショーでは、大賞プロ部門でビジネス支援を受けている31名のデザイナーのうち5名の2016年最新作品を披露した。ミーンズワイル(meanswhile)2016年の審査で最高位を獲得したミーンズワイルのデザイナー藤崎尚大。彼が掲げるブランドコンセプトは「日常着である以上、服は衣装ではなく道具である」「身体に最も近い道具」「デザインは目的ではなく手段」だ。メインとなったのは、マウンテンパーカーやハーフカーゴパンツで、まさにそのコンセプトを反映したようなもの。特に、象徴的だったのは“リュックを背負える”マウンテンパーカー。背部と裾にジッパーがぐるりと装着されていて、変形できるような仕組みになっている。また、機能美を追求するブランドならではの軽い素材感も印象的であった。ヘルマフ アンド ロディタス(HELMAPH & RODITUS)透明感のあるテキスタイルを、Tシャツとショートパンツに重ねたスタイルが目立った。カジュアルともエレガントともとらえられるルックの首元には、ボリューミーなラッフルを。さらに、動きのあるレースを明るい黄色であしらうことでポップな表情も作りだすなど、あらゆるものをハイブリッドさせた女性らしいスタイリングを提案した。リュシオルジャンピエール(LUCIOLE_JEAN PIERRE)ファーストルックに登場させたのは、袖に刺繍を施したブルゾンと細身のパンツをあわせたロックテイスト溢れるスタイル。続くどのスタイルをとっても、バランスのとれた着崩しが魅力だ。例えば、ジャケットはひじのところまで腕まくりして、わざと裏地のフォーマルストライプをみせ、そこから垂れる長い袖のストリート感で中和。一方、パンチのあるレザージャケットには緩いパーカーとストレートワイドパンツを合わせていた。■アマチュア部門数々の有名デザイナーを輩出し、若手クリエイターの登竜門となっているファッション大賞のアマチュア部門。今回は世界9か国の国と地域から6,672点のデザイン画のエントリーがあり、その中から25人の精鋭たちの作品が最終審査にノミネート。サポートサーフェス(support surface)デザイナーの研壁宣男、ネ・ネット(Né-net)デザイナーの髙島一精らによって選ばれた5名が本日発表された。大賞 文部科学大臣賞に選ばれたのは、上田康子服飾専門学校・ファン ティ カム トゥ(PHAN THI CAM TU)。ベトナム人留学生の彼女が、今回の受賞作で発表したテーマは「KINTSUGI」だ。日本人でも「金継ぎ」を知っている人はそう多くないのではないだろうか。割れてしまった陶磁器を金で装飾して仕上げるこの技法は、接着されたことによってまた異なる美学を生み出す。彼女の作品は、人体を忘れるほど丸く、ところどころに再構築された跡があるドレスルック。まるで陶器に色を乗せたようなブルーとグリーンのマーブルの色合いと「金継ぎ」で魅せたゴールドのディテールが日本人の心に響くものになっていた。
2016年10月22日「anan」2021号9/21発売は「カラダにいいもの大賞2016」特集。今週の表紙作成ストーリーを紹介します。選びに選んだ、anan誌上健康博覧会!ようこそ“カラダにいいもの”ワールドへ。表紙にずらっと並ぶのは、特集内で登場するカラダに良いもの20品。昨年に引き続き、ananでは異例の、真っ赤な「特大ロゴ表紙」が目印です。これだけ目立てば、夏の疲れでぐったりな朝の通勤ラッシュや、帰宅途中のコンビニでもきっと、目に留まるはず。そう、とりたてて不調に悩んでなくても、なんとなく“カラダにいいこと”したい女子たちに、どうかこの一冊が届きますように、と願っております。今回、特集内で登場するのは、全186品。まさに、anan的“誌上健康博覧会”の開催です。カラダによくておいしいモノ、カラダにいいけど痛いモノ、カラダによくてじわじわくるモノ、あらゆるジャンルを取り揃え、皆様のご来場、心よりお待ちしております。ちなみに、「掲載商品はどこで買えるの?」の声にお応えして、今年は本誌発売日(9/21)より、誌面にて紹介した商品(一部を除く)が、西武・そごうのe.デパート「カラダにいいもの大賞」WEBショップで購入可能です。こちらも合わせて、ぜひご来店くださいませ〜。楽しいですよ!(K)
2016年09月20日アガサ・クリスティーによる1949年のミステリー小説『ねじれた家』が映画化されることになった。出演は、グレン・クローズ、ジリアン・アンダーソン、クリスティーナ・ヘンドリックス、マックス・アイアンズ、テレンス・スタンプら。その他の情報監督は『サラの鍵』のジル・パケ=ブランネール。脚本は『ダウントン・アビー』『ゴスフォード・パーク』のジュリアン・フェロウズ。撮影はイギリスでスタートした。今年1月、没後40年を迎えたクリスティーは、今、再び注目を集めている。『オリエント急行の殺人』は、ケネス・ブラナーの主演兼監督で、現在、リメイクの企画が進んでいる製作準備が進行中。また『検察側の証人』も、ベン・アフレックの主演兼監督で映画化が決まっている。昨年12月、クリスティーの小説にもとづくテレビドラマ版を放映し、高い視聴率を得たBBCも、さらにクリスティー作品を手がけることを発表している。文:猿渡由紀
2016年09月14日来年2月26日(現地時間)に開催される第89回アカデミー賞に向けて、外国語映画賞部門の日本代表に『母と暮せば』が決定、出品されることになった。日本映画製作者連盟が6日に発表した。『母と暮せば』は終戦から3年後の長崎を舞台とした、山田洋次監督初のファンタジー映画。吉永さゆり演じる助産師の伸子の前に、二宮和也演じる原爆で亡くなった息子・浩二が、ひょっこり現れる…というストーリーで、日本では昨年12月に公開。多くの人の涙を誘った。日本の作品がアカデミー賞の外国語映画賞を受賞したのは2009年、滝田洋二郎監督の『おくりびと』が初めて。その後、2011年に中島哲也監督の『告白』がショートリスト入りしたものの、ノミネート及び受賞は逃している。各国が外国語映画賞への出品準備に取り組む中、スペインからは巨匠ペドロ・アルモドバル監督の『ジュリエッタ』が選ばれた。「The Hollywood Reporter」によれば、スペインからこの部門にアルモドバル監督作品が出品されるのは、これが6回目。そのうち1989年に『神経衰弱ぎりぎりの女たち』がノミネート、2000年に『オール・アバウト・マイ・マザー』が見事受賞、2007年に『ボルベール<帰郷>』がショートリスト入りを果たしている。(Hiromi Kaku)■関連作品:母と暮せば 2015年12月12日より全国にて公開(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
2016年09月08日メル・ギブソンの最新作『Hacksaw Ridge』がヴェネツィア映画祭で上映され、批評家に大絶賛されている。ギブソンが監督をするのは、2006年の『アポカリプト』以来、まさに10年ぶり。この間、飲酒運転、ユダヤ人差別発言、愛人に対するDVの疑いなど、立て続けにスキャンダルが起こり、大きなイメージダウンを受けていた。それだけに、この華やかな復帰は、おそらく感無量だろう。その他の情報映画は第二次世界大戦中の沖縄を舞台にした実話物。米軍の衛生兵デスモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)は、一度も銃を使うことなく、多くの命を救う。ほかに、ヒューゴ・ウィーヴィング、ヴィンス・ヴォーン、テレサ・パルマー、サム・ワーシントンなどが出演する。アメリカ公開はオスカー狙い作品が多く公開される11月で、アワードシーズンでの検討をねらっているようだ。文:猿渡由紀
2016年09月06日クリストファー・ノーラン監督が初めて実話の映画化に挑む最新作『ダンケルク(原題)』が、2017年に日本公開されることが決定し、日本版特報映像と海外版ティザーポスターが24日、公開された。本作は、第二次世界大戦中の1940年5月26日から9日間、860隻の船舶でイギリス軍、フランス軍の兵士約30万人以上もの命を救った、史上最大の救出作戦「ダンケルク作戦」を描くスペクタクル・サスペンス大作。撮影は今年5月23日から開始し、舞台となったフランスのダンケルクを皮切りに、オランダ、イギリス、そしてアメリカで行われた。キャストには、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『レヴェナント:蘇えりし者』で圧倒的な存在感と迫真の演技力を披露したトム・ハーディ、『ブリッジ・オブ・スパイ』でオスカー助演男優賞に輝いたマーク・ライランス、監督としても評価の高い名優ケネス・ブラナー、ノーラン作品常連の個性派キリアン・マーフィーらが出演。また、ワン・ダイレクションとして活躍していたハリー・スタイルズが、自らオーディションを受けて映画初出演を果たす。クリエイティブ・チームも精鋭たちが集結。撮影のホイテ・ヴァン・ホイテマ、美術のネイサン・クローリー、編集のリー・スミスは『インターステラー』に続いての参加となり、衣装のジェフリー・ガーランドは『インセプション』以来のタッグ、そして、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のアンドリュー・ジャクソンが視覚効果監修を担当している。『ダンケルク(原題)』は、2017年7月19日に本作の舞台となったフランスとベルギー、7月21日に全米&全英で公開。日本公開は2017年を予定している。
2016年08月24日「Hulu史上最高傑作」(「TIME」誌)といわれ、批評家から絶賛を受けているアメリカのHuluオリジナルドラマ「THE PATH/ザ・パス」がついに日本に上陸!日本での配信にともない、主演を務めた「ブレイキング・バッド」で知られるアーロン・ポールと、「ハンニバル」にも出演するヒュー・ダンシーからコメントが到着した。2人の子どもと共に何不自由なく、幸せな暮らしを送るエディ・レーン(アーロン・ポール)と妻のサラ(ミシェル・モナハン)。そんな幸せな生活は、ある信仰によって支えられていた。誰しもが抱えている心の闇を“光”で導いてくれたその信仰は、彼らの中で大きな意味を持っている。新興宗教団体「The Meyerist Movement(マイヤリスト・ムーブメント)」は哀しみを抱える人々に耳を傾け、そして魂に触れ光を照らす。信者たちはカリスマ性に富んだ教祖カル(ヒュー・ダンシー)の言葉によって救われ、この活動に一層の価値を見出していた。カルは巧みな言葉で彼らを鼓舞し、新しい世界・未来を創造しようとしていく。帰依した人々は哀しみから開放され、幸福に満ちた暮らしを手にしているような感覚にマインドコントロールされていた。そんなある日、脱退した女性から、団体の恐ろしい事実を聞いたエディ。その忠告を信じなかったエディだが、彼は団体の恐ろしい本当の姿を見てしまった。信じるものを全て失い、崩壊していくエディが直面する恐怖とは――?本作は、人間が抱える心の闇と葛藤を“新興宗教団体”を題材に描いた衝撃作。「フライデー・ナイト・ライツ」(日本未放送)でエミー賞を受賞、「ロズウェル-星の恋人たち」で知られるジェイソン・カイティムズが製作総指揮を務めた。全米で放送されるや、その内容から「衝撃的」「鮮烈だ」との声が批評家たちから上がり、瞬く間に話題を呼んだ。主演は、あの『ズートピア』でもパロディされた社会現象ドラマ「ブレイキング・バッド」をはじめ、ドラマや映画に引っ張りだこのアーロン・ポール。彼の妻役には、「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」でマシュー・マコノヒー&ウディ・ハレルソンと共演したミシェル・モナハン、新興宗教団体の若きカリスマ教祖には、「ハンニバル」で“レクター博士”マッツ・ミケルセンに翻弄されていたヒュー・ダンシーと、海ドラファンにうれしい豪華キャストが脇を固める。また、注目すべきは、アーロン・ポール演じるエディの息子役で登場するカイル・アレン。小栗旬が出演するCM「ペプシストロング 桃太郎」で“犬”と名乗る青年役を演じている、知る人ぞ知る注目の若手俳優だ。甘いマスクと透き通る眼差し、クラシックバレエで鍛えた身体は日本でも人気になる可能性大!さらに今回のHulu独占配信に伴い、アーロン・ポールとヒュー・ダンシーからコメントが到着している。■アーロン・ポール「THE PATH/ザ・パス」は新興宗教活動をテーマにしたドラマだ。そしてこの物語の核になるのは“家族”なんだ。主人公のエディはある瞬間から目を覚まし、教祖の説教を信じなくなる。だが、彼以外の家族は教祖の言葉に導かれ、信じきっている。そのとき、彼は家族全員を失う可能性があることに気づき、恐怖に包まれるんだ。■ヒュー・ダンシー僕が演じた教祖カル率いる新興宗教団体は活動を続けるかどうかの岐路に立たされるんだ。信仰を組み立ててきたシステムに亀裂が入り始めるんだ。どんな問題も助け合い、支え合う家族のような集団に…。脚本が素晴らしかったからこのドラマに出たいと思った。僕が参加を決断する前にすでにアーロンが出演することが決まっていたよ。我々は素晴らしい脚本に出会えたんだ。「THE PATH/ザ・パス」は8月11日(木・祝)よりHuluにて独占配信中、毎週木曜日1話ずつ配信予定(全10話)。(text:cinemacafe.net)
2016年08月11日●「やらせてやる」風潮の変化みなさんは「助監督」と聞いて何を思い浮かべるだろうか? TSUTAYAがプロ・アマ問わず映画企画を募集するコンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM(以下TCP)」が昨年に引き続き今年も行われ、先月13日に締め切られた。受賞作には最大で製作費5,000万円(今年度は最低5,000万円)が約束されるという同社の"太っ腹映画愛"が話題になったが、その第1回で準グランプリを受賞したのが、助監督として映画業界に生きる2人の男だった。加藤卓哉氏は、SNSの"裏アカウント"を持った女性が欲望と理性の狭間で愛に生きる姿を描いた『裏アカ』で「GREEN FUNDING賞」を、一方の片桐健滋氏は、訳あり物件に居住して部屋を浄化することを生業とする無気力女子が主人公の『ルームロンダリング』で「Filmarks賞」を受賞。奇しくも女性の人生を追った2人には、「助監督」としてどのような生き様が貫かれているのか。両作のクランクインは来年初旬を予定しているという。同じタイミングで映画監督デビューを飾る2人の目には「やっと自分の映画が作れる」という希望の光と共に、決して明るくはない日本映画界の未来も映っていた。○監督と助監督の間にそびえる"壁"――あらためまして、昨年の受賞おめでとうございます。撮影はこれからだと聞いています。受賞後で何か変化はありましたか?片桐健滋(以下片桐):大きな違いは周りの反応のような気がします。僕も加藤くんも演出部出身なので、受賞後も他の現場での仕事があるわけです。悪い言い方になりますが、一応"食いぶち"なので(笑)。やっぱり続けていかないといけない。その中で、ほかの助監督やスタッフとのやりとりを通じて、受賞したことが「うそじゃなかった」と実感しているような感じで。刺激になった人もいるみたいですが、一方で「やらせだったんじゅないか」みたいな声も届いています(笑)。加藤卓哉(以下加藤):僕も同じです(笑)。周りの監督にも「次はいよいよ加藤が」と自分のいない所で言ってくださる方がいます。受賞したことで、周りの見る目が変わったというか、こんな僕でも演出家の卵として認めてくださる方がいたのは、うれしかったですね。――助監督は監督になるための近道だと思い込んでいたのですが、現実はそうでもないみたいですね。片桐:東映、東宝、松竹など、大きな映画会社がスタッフを雇っていた時代がありました。カメラマン、照明、録音、美術、俳優、そして演出。昔であれば、そこから監督になる流れがありました。今では雇われなくなったことでその流れが変わり、われわれは"町場"の人間となりました。"町場"の人間が監督になるためには……プロデューサーとかなり密な関係になるしかないんじゃないですかね。どうですか?加藤:「この人の下についていれば、いずれ監督になれる」みたいな、エスカレーター方式の道筋がこの業界にはなくなってしまいましたよね。監督と助監督の間にある壁は、果てしなく高く分厚い(笑)。それでも、俳優さんや芸人さんがいきなり監督をやられたりするので、本当に頭打ちなんです。若い子はどんどん辞めていってしまって、このままだと逆三角形型のような業界になりかねない。監督になるのは、本当に難しい時代だと思います。僕は今37歳なんですが、40歳までに監督になれなかったら、実家に帰ろうと思っていたんです。そういう誓いを立てたのは……一生助監督なんて続けたくないから(笑)。ハリウッドには、助監督を専業としている人はいます。でも、そうはなりたくない……。僕だけじゃなくて、みなさんそういう思いはあると思います。――助監督はおおまかにどのような仕事なんですか?加藤:それだけで2時間ぐらい語れますよ(笑)!――「一生続けたくない」仕事とは、どんなものなんだろうと。片桐:潰しの利かない仕事なんです。撮影・録音などと違って、技術職ではないので、壮大な素人というべきか…。大切とされる仕事の中で「スケジュール管理」はその1つとして挙げられます。撮影地の諸々の手配や当日の天候、俳優の予定など、さまざまな条件に左右されながら、決められた予算内でそれらを進めていく。これを「チーフ助監督」が担当しています。その下の「セカンド助監督」は監督と共に芝居のことについての指示や、衣装やメイクとのつながりとなる役目。さらにその下の「サード助監督」は、主に美術・装飾周りを担当します。そして、その下の「フォース助監督」は、カチンコを打ったり。「助監督」の中には、そういう役割分担があります。――助監督だけでもそんなに!?加藤:何人もいるんです(笑)。――監督になることがどれだけ大変なことか、何となく分かってきました。片桐:TCPはそのハイエンドであればいいと思います。最終審査を担当されるのは、実際にバジェットを動かしているプロデューサー。本当にその作品が、世に出すのにふさわしいのか。厳しい目で選んでいただけるので、映像業界のプロの方々はぜひ出すべきだと思います。それとは別に、僕らのように演出家で食べていきたいと考えている若手に、もっと別なチャンスも必要だと思います。例えばNetflix、YouTube、Amazonなどでのオリジナルコンテンツをローバジェットでもいいので、若手に任せる機会を作ってほしい。半分は慈善事業みたいになってしまうので、ビジネスの面から見ても難しいとは思いますが……。そういう意味では、「お金」と「育成」のバランスを上手にとれるプロデューサーが不在というのも、背景にはあると思います。加藤:昔は連ドラなどで、チーフ助監督に1本撮らせてみようとか、映画の予告編を助監督が作るとか、「やらせてやる」風潮があったんですが、今はほとんど聞きません。単純にコンテストを増やせばいいというわけではないですが、「育てる」「見つける」みたいなチャンスが、もっと増えてくれないと困ります。●「音楽成金はいても、映画成金は少ない」○邦画界に忍び寄る"負の連鎖"――そのほか、日本映画界が抱えている現実問題はありますか。片桐:監督になられた方は、プロデューサーの方、もしくは脚本家の方と会う機会があるんですよね。でも、それ以外の人間はほとんど。接点がないかもしれません。チーフ助監督になるとプロデューサーや脚本家とは会いますが。脚本家とやりとりして、それをプロデューサーに持っていくような、自分たちでオリジナルコンテンツ作っていけるような互いに意見交換するような下部組織がありません。そういう風通しの良い環境が、昔は映画会社の中にあったんじゃないでしょうか?今ではみんなが単独行動をしていて、横のつながりがない。だから、オリジナルコンテンツを作りにくい状況にあるんじゃないかなと思います。加藤:TSUTAYAの増田社長がおっしゃっていたんですが、「音楽成金はいても、映画成金は少ない」と。お金がすべてだとは言いませんが、「憧れ」につながるものがあればいいなと。今、業界に残っている人は本当に映画が好きで、根性で残っている人が多い。真剣に映画業界を盛り上げていこうと思ったら、別のところから引っ張ってくることも必要になってきます。でも、呼び込むためにはお金も必要になる。お金が回る業界になれば多くの才能が集まってくると思うので、そうするとそれが相乗効果になって業界発展につながる。現場のお金が乏しくなり、スタッフが大変になり、映画のクオリティが下がり、若い子が辞めていく……まさにデフレスパイラルのような状態です。今こそ転換しなければならないと思います。片桐:それから、「映画を映画館で観る」ことが「当たり前」ではなくなってきたことも問題として挙げられます。そもそも、興行した時の映画館の取り分が多すぎるんです……(約50%)。監督と話しているとそういう事情はよく耳にします。――そんな業界をどうやって盛り上げていきましょうか。片桐:ドライブインシアターはすでにありますが、僕がいつか見てみたいのが「移動遊園地」のような映画館。お客さんには鑑賞料ではなく入場料をいただいて、中ではいろいろなブースが待ってるんです。子供も遊べるような場所として、休日の過ごし方の1つとして根付かせることができれば、映画も楽しんでもらえそうな気がしませんか? 幼い頃に観たものは大人になっても記憶に残りやすいですし、そうやって子供の興味につながることを最終的にはやりたいと思っています。あれ、TSUTAYAさんならできたりするのか…。加藤:僕は自分がのしあがっていくことで精一杯ですが(笑)。でもそうやって映画を見てくれる人口が増えないとダメなので、とっても良い試みだと思います。映画は「芸術」と「ビジネス」と半々のものだと思います。ビジネスとして成り立つ映画館以外の仕組みが必要だし、今がその過渡期なんだとは思います。○TSUTAYA20万ポイントの使いみち――ところで副賞としてTポイント・20万ポイントが贈呈されたそうですが……やっぱり気になってしまうのは使い道です。加藤:僕は牛角に行きました。プレゼン映像の撮影に協力してくれたスタッフ全員を呼んで、いちばん高いプレミアムコースを注文。お会計は13万円ぐらいでした。「Tポイントで支払います」と伝えたら、牛角の店員さんも「え、全額ですか?」と二度見され(笑)。残り7万円でエアコンを買いました。――牛角会は盛り上がりましたか?加藤:盛り上がりましたね! みんな喜んでくれたというか……なんでしょうね。一人一人にお礼をして回っていたら、時間切れでほとんど肉が食えませんでした。片桐:僕は、一緒に企画を出した梅本さん(プロデューサー)と半分半分。梅本さんはケルヒャーを買ったそうです。「窓掃除するやつ買った」と聞いて、内心では「なぜこのタイミングで……」と(笑)。僕はこの際、欲しかったDVDを山程買ってやろうと思ってたんですが、ヨドバシカメラに行ったらカミさんが「あっ、電動自転車……」とつぶやいて(笑)。ヤフーショッピングで買ってあげました。価格は16万円。はい。赤字です。まぁプライスレスですから(笑)。――そんな災難があったとは(笑)。それでは最後に。これから撮影だと思いますが、現在の心境をお聞かせください。片桐:「TCPの1回目の受賞作が面白かった」と言われるような作品にしたいです。自分のこれからのことは置いといて、自分が賞をいただいたからには、「面白い」と言われるものに何としてもしたい。そしてTCPは来年もあると思いますので、映像にかかわっている人はとにかく出すべきだと思います。加藤:やっぱり、TCPは僕の人生を変えてくれたと思っているので、それに報いたいというか、恩返ししたい気持ちが強いです。そのためには「面白い映画を作る」ということに尽きると思うので、それに向けて一生懸命がんばりたいと思います。■プロフィール・片桐健滋1979年大阪府生まれ。高校在学中より8mm映画制作を始め、1997年に神奈川映像コンクールで「ice・cream」が入賞。2000年に渡仏し、フランソワ・トリュフォーの編集で知られるヤン・デデ氏に3年間師事。帰国後、フリーの編集を経て、演出部に転向。以降、崔洋一監督、豊田利晃監督、羽住英一郎監督、廣木隆一監督などに師事し現在に至る。・加藤卓哉1978年愛知県生まれ。大阪府立大学・工学部卒業後、東京で就職しソニーのエンジニアとして働く。映画業界への転職を一念発起し、経験不問の求人を見て東映株式会社と契約。その後助監督として『劔岳 点の記』『孤高のメス』『わが母の記』『あなたへ』『アゲイン』『くちびるに歌を』など東映以外の作品にも積極的に参加し、現在に至る。
2016年08月04日日本音楽事業者協会(音事協)主催のお笑いコンテスト「あなたが選ぶ! お笑いハーベスト大賞2016」の本選会が16日、都内で行われ、お笑いトリオのトンツカタンが優勝した。音事協が毎年主催している「お笑いハーベスト大賞」は、新人や若手のお笑い芸人を"ハーベスト(収穫)"する賞レースイベント。この日は4月から6月にかけて予選会を勝ち抜いた21組のお笑いタレントが勢揃いし、準決勝で自慢のネタを披露。トンツカタン、ハナコ、やさしい雨、ヤングウッズ、マツモトクラブの5組が決勝に進出し、その5組によるネタ勝負でトンツカタンが7代目の王者に輝いた。準決勝と決勝で菅原好謙と櫻田佑がキスをするネタを披露して優勝したトンツカタン。ネタの考案者でもある森本晋太郎は「この2人がキスをしたら面白いかなと思って書きました」と明かし、キスをした櫻田は「最初は戸惑いもありましたが、キスを重ねていく内にお互い唇を求め合うようになりました」と驚かせば、新婚の菅原も「女房より櫻田の方が多いですよ」と笑わせる場面も。男性同士のキスと言うことで、同性愛をイメージするが、森本は「(キスのネタは)偶然そうなりました。でも準決勝のネタは同性愛ではなく、キスのはなかさ、キスの良さを唇と唇が触れ合う良さを伝えたかったんです。接吻のストーリーなので、同性愛とは違いますね。決勝のネタも幽霊同士のキスなので、同性愛とは一線を画したコントだと思っています。キス以外のネタの方が多いですよ!」と同性愛を否定していた。そんな彼らは、アンジャッシュやアンタッチャブル、おぎやはぎらが在籍するプロダクション人力舎所属のお笑いコンビ。初めてのタイトル獲得で賞金50万円を手にし、動画配信サービス「Hulu」の配信番組出演権も手にした。森本は「本当にこの賞レースを勝てたのはうれしいです」と喜びつつも、「去年のキングオブコントでは2回戦止まりだったので、ハーベストに泥を塗らないように他の賞でもいい結果を出したい」と意欲満々。また、3人ともアルバイトをしながら芸能活動をしているが、既婚者の菅原は若干立場が異なるようで、「僕は後輩に奢るために週1でコンビニのバイトをしています。基本的に奥さんからお小遣いをもらい、バイトもしなくていいよと言われてますから。元々ヒモだったんですが、ヒモから昇格して今は奥さんの扶養家族です!」と笑わせていた。なお、同コンテストの模様は、8月6・7日にBS日テレ(ともに24:00~25:00※日時は未定ながらCS日テレでも放送予定)で放送するほか、Hulu(8月6・7日 25:00~)でも配信される。
2016年07月17日2015年に20周年を迎えた、“映画を創る映画祭”「函館港イルミナシオン映画祭」が手がける「シナリオ大賞映画化プロジェクト」の第1弾作品『函館珈琲』。このほど、本作の公開日が9月24日(土)に決定、ポスタービジュアルが解禁となった。若き日に書いた小説「不完全な月」で新人賞を受賞後、2作目が書けない小説家・桧山英二。彼は素性を隠し、入居予定だった先輩の代わりに、函館のとあるアートアパートメント“翡翠館”にやってきた。住人たちはみな心に小さな棘が刺さったまま、それぞれガラス、テディベア、ピンホール写真に打ち込み、自分の確かな居場所を求めて、不安に打ち震えながら生きていた。函館の澄んだ空気の中に、見失っていたものを探そうともがく桧山。函館だけに流れる不思議な時間が、彼の人生をゆっくり動かしていく――。同映画祭「シナリオ大賞映画化プロジェクト」の第1弾として、2013年度函館市長賞を射止めた、いとう菜のはによるシナリオを映画化した本作。監督は、『ソウルフラワートレイン』の西尾孔志。撮影は『乱反射』『スノーフレーク』など函館の街を知り尽くしている上野彰吾、美術には『オー・ド・ヴィ』のベテラン小澤秀高、そして照明には『恋人たち』の赤津淳一ら、函館に魅了された強力な布陣が集結。主演の小説家・桧山英二役には、『仮面ライダー THE FIRST/THE NEXT』の黄川田将也、函館の翡翠館に集まる若者たちには、装飾ガラスの職人を目指す堀池一子役に片岡礼子、テディベア作家の相澤幸太郎役にはドイツ育ちの注目の新人・中島トニー、ピンホール写真家のヒロイン藤村佐和役には元「wyolica」のヴォーカルAzumiが映画初出演し、さらに主題歌を担当。カフェのマスターには、映画祭のディレクターでミュージシャンのあがた森魚。そしてミステリアスな翡翠館の主人をベテランの夏樹陽子が務めている。解禁となったポスタービジュアルでは、“書けなくなった”小説家・桧山を演じる黄川田さんを中心に、実力派キャスト陣の姿がとらえられ、夕日が眩しい函館の風景を映し出している。キャッチコピーの「ひとりぼっちの季節…この街でやさしい時間に出会った」との言葉は、まるで1杯の珈琲のように心温まる物語を予感させている。『函館珈琲』は9月24日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月03日「第16回テレビ朝日新人シナリオ大賞」に、23歳の大学院生・寺下佳孝さんが決定した。同賞史上最年少での大賞受賞となる。今回は、計1,845編の応募があり、5月27日に井上由美子、岡田惠和、両沢和幸の選考委員3氏による最終選考会の結果、大賞に寺下さんの『ずるいよ、みんなっ!』を選出。20日、東京・六本木のテレビ朝日で授賞式が行われ、賞金500万円が授与された。寺下さんは「この場に立つため高校生のときからシナリオを書き続けてきたので、評価していただき、とてもうれしいです」と感無量。「今後どうするかが大事だと思うので、これで満足せず、自分らしいシナリオを描いていきたいと思います」と気を引き締めつつ、「いただいた賞金で、両親に旅行をプレゼントしたいですね」と親孝行な一面を見せた。選考委員の井上氏は「人間を見る目が確かで、今後楽しみな作家になると思います」と期待。岡田氏も「小さな世界をスペクタクルに描いていて、なかなかの書き手だな」、両沢氏は「ぜひ映像化してもらい、演出家がそれをどうさばくか見てみたい」と、それぞれ講評した。優秀賞(賞金100万円)には、自営業手伝い・福島伸幸さん(40)の『LastMessage』、会社員の荒木伸二さん(45)の『二十年、待って。』を選出。テレビ朝日の早河洋会長は、自身が19歳の時に脚本の賞を受賞したことに触れて、史上最年少の受賞を喜びながら、「私自身は脚本家にならなくてよかったなと思いますが(笑)、受賞者の皆さんの今後のご活躍を願っております」とエールを送った。なお、前回大賞を受賞した藤原忍氏の『少女のみる夢』は、乃木坂46の齋藤飛鳥・星野みなみのダブル主演で映像化され、同局で7月3日(深夜1:40~2:40)に放送される。
2016年06月21日