ナショナル・ボード・オブ・レビューが賞を発表した。作品賞に輝いたのは、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。この映画ではさらに、マーティン・スコセッシが監督賞、リリー・グラッドストーンが主演女優賞を獲得している。主演男優賞は『The Holdovers』のポール・ジアマティ。この映画は脚本部門(デビッド・ヘミングソン)、助演女優部門(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)でも受賞した。助演男優賞、脚色賞は『哀れなるものたち』で、それぞれマーク・ラファロ、トニー・マクナマラ。ブレイクスルー演技賞は『A Thousand and One』のテヤナ・テイラー、新人監督賞は『Past Lives』のセリーン・ソンだった。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』公開中文=猿渡由紀画像提供 Apple TV+
2023年12月07日来月7日に60歳の誕生日を迎えるニコラス・ケイジが、近いうちに映画俳優業からの引退を考えているようだ。「UPROXX」のインタビュー記事で明らかにした。「現時点で45年間俳優をやってきて、100本以上の映画に出演した。映画を通じて言うべきことは言えた気がする。ピークの時に『アディオス』と言って去りたい。そこに行きつくにはあと3,4本出演してからかな」と語っている。映画に関しては今年主演したA24×アリ・アスター製作『Dream Scenario(原題)』が自身にとって最盛期の作品にあたると考え、最後にしたかったようだ。しかし、すでに出演契約を結んでいる作品がいくつかあり、それについてはしっかり出演するとのこと。ニコラスは「来月60歳になる。父は75歳で亡くなった。私に運があれば父よりもう少し長生きできるかな。あと15年間でなにができるだろう。大切なものは?大切なのは子どもたちだ。私には小さな娘もいる」と今後の人生について考えている模様。そこで、映画俳優を引退後はテレビ俳優として生きる道も示唆している。家族と離ればなれにならず、一か所にとどまって撮影できるようなドラマが見つかれば「個人的に最高だ」と期待を寄せている。昨年、ニコラスと妻リコ・シバタの間に第1子オーガストちゃんが誕生した。ニコラスにはオーガストちゃんのほかに息子2人がいる。(賀来比呂美)
2023年12月05日英インディペンデント映画賞が発表された。作品賞に輝いたのは、山田太一の小説を映画化した『異人たち』。今作ではさらに、アンドリュー・ヘイが監督賞と脚本賞、ポール・メスカルが助演賞を受賞している。ただしメスカルは『How to Have Sex』のショーン・トーマスとタイでの受賞。主演賞は『How to Have Sex』のミア・マッケンナ=ブルース、ブレイクスルー演技賞は『ライ・レーン』のヴィヴィアン・オパラ、国際映画賞はフランスの『Anatomy of a Fall』だった。『異人たち』2024年春 日本公開(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2023年12月05日12月に入って、今年の映画賞が発表され始めている。昨年、『ケイコ 目を澄ませて』が12月16日の公開にもかかわらず、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ各賞に輝いたが、今年も、12月8日(金)に公開される『市子』が、後発ながら賞にからむ可能性がでてきた。主演は杉咲花。市子という名の女性の、ミステリアスで壮絶な生き方を描いた衝撃作だ──。『市子』3年間同棲していた恋人・長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズされ、幸せの絶頂にいるはずの川辺市子(杉咲花)が、翌日、突然、逃げるように家を飛び出し、そのまま失踪する……それから1週間ほどして、途方に暮れる長谷川のもとに、ある事件を捜査中の後藤刑事(宇野祥平)が訪ねてきて、「市子という名前の女性は存在せえへんのですよ」と告げる。市子はなぜ、家を出たのか? 市子はいったい何者?ミステリアスな問いかけがのっけから飛び出す。結婚を決めたものの、長谷川は、市子のことをあまり知らなかった。家族や過去について、彼女も話したがらないし、彼もあえてきこうとしなかった。ふたりで居られることが幸せだった。こうなってみると、市子を探す手立ては少ない。長谷川と後藤刑事は市子を知るわずかな人間に接触し、聞き込みをしながら行方を追い始める。そして、ここからは、観客の私たちも、長谷川の気持ちに寄り添いながら市子の過去を知っていくことになる。映画の原作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheaterの旗揚げ公演作品『川辺市子のために』。サンモールスタジオ選定賞 2015 で最優秀脚本賞を受賞し、再演を重ねた人気舞台だ。facebookなどで、すでに亡くなった人のアカウントが生きていて、誕生日のリマインドがあったり、死亡を知らない人からのお祝いメッセージが載っていたりすることがある。そんなことが脚本執筆のきっかけだったそうで。「実際はもうこの世にはいないのに、まだいることにされていることに、ある種の違和感を抱いていたんです。そういったところから、逆転的ではあるんですけど、存在しているのに存在していないことにされている人の話が描けないだろうかと、考え始めて……そのテーマと向き合う中で、自分の責任ではなく、社会や制度、家庭環境などによって生き辛さを抱えていた人たちが居たことに遅まきながら気付いた。」それが戸田がこのシナリオを書くモチーフだったという。そして書かれたのが1987年に生をうけた「川辺市子」の半生。あくまでも舞台用の脚本だったが、映画化するにあたって、黒澤明監督の『羅生門』のように、各登場人物の証言によって主人公の人物像が浮かび上がるという手法を用いた。それが見事に成功したと言える。観客は、次々出てくる意外な証言に驚きながら、最後まで、ミステリーを読むように彼女の謎を追い続けることになる。杉咲花は、高校生から28歳までの市子を演じている。あどけなさもあり、魔性を秘めた感じもある。人を引きつける魅力を持ちながら、目立とうとすることは避ける。複雑な人間像だ。『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえの娘役で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。東京生まれだが、主演したNHKの朝ドラ『おちょやん』では、関西弁での演技経験がある。彼女の演技について戸田監督は「凄かったの一言でもありますが、誠実で愛情深く、丁寧に役を心で感じ取る魅力的な方でした」と語っているが、同感だ。失踪の日、着の身着のまま、“つっかけ”を履いて、ここでないどこかへ、走って逃げて行く市子のせつない後ろ姿が、とても印象的だった。あなたの隣にいるかもしれない、誰かの、もうひとつの顔。親しいと思っている人を本当にどこまで自分は理解しているのだろうか。そんなことも考えさせられる作品です。文=坂口英明(ぴあ編集部)(C)2023 映画「市子」製作委員会【ぴあ水先案内から】平辻哲也さん(映画ジャーナリスト)「……この冬、激推ししたい1本。」平辻哲也さんの水先案内をもっと見る()
2023年12月04日ニューヨーク映画批評家サークル賞が発表された。作品賞に輝いたのはマーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。この映画に出演したリリー・グラッドストーンも主演女優賞を受賞した。監督賞は『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーラン。主演男優賞は『Passages』のフランツ・ロゴフスキ。助演男優賞は『May December』のチャールズ・メルトン、助演女優賞は『The Holdovers』のダヴァイン・ジョイ・ランドルフ。脚本賞は『May December』、長編アニメーション賞は『君たちはどう生きるか』、国際映画賞は『Anatomy of a Fall』だった。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』公開中文=猿渡由紀画像提供 Apple TV+
2023年12月01日11月30日(現地時間)、第89回ニューヨーク映画批評家協会賞が発表された。作品賞は、マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』、監督賞はクリストファー・ノーラン(『オッペンハイマー』)、主演女優賞はリリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)、主演男優賞はフランツ・ロゴフスキ(『パッセージ』)、助演女優賞はダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(『The Holdovers』)、助演男優賞はチャールズ・メルトン(『May December』)、アニメ映画賞は宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が受賞した。「Variety」誌によると、ニューヨーク映画批評家協会賞作品賞を受賞した映画は、アカデミー賞の作品賞に候補入りすることがほとんどであり、2009年から今年まで候補入りを逃したのは『キャロル』と『ファースト・カウ』のみとのこと。スコセッシ監督がニューヨーク映画批評家協会賞で作品賞を獲得したのは、『グッドフェローズ』『アイリッシュマン』に続く3度目。80年以上の歴史を誇る同賞で、ほかに作品賞を3度受賞した監督は、ハリウッド黄金期に活躍したウィリアム・ワイラーとフレッド・ジンネマンだけである。(賀来比呂美)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibliキラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 2023年10月20日より世界同時劇場公開画像提供 Apple TV+
2023年12月01日ロシアの俳優セルゲイ・フェティソフが書き遺した回想録「ロマンについての物語」を、英国出身トム・プライヤーと、ウクライナの新星俳優オレグ・ザゴロドニーの共演で映画化した『ファイアバード』の公開が2024年2月9日(金)に決定。2バージョンのティザー予告が解禁された。本作は、「ペット・ショップ・ボーイズ」の「Together」やModyの「Wait for Me」、BBCワールド制作のライブドキュメンタリー『Robbie Williams:Fans Journey to Tallinn』の監督・プロデューサーとして知られているエストニア出身のペーテル・レバネ監督の長編デビュー作。『ブロークバック・マウンテン』や『アナザー・カントリー』を彷彿とさせる“秘められた愛”が、繊細かつ壮大なスケールで描かれている。主演には、『博士と彼女のセオリー』『キングスマン』のトム・プライヤーと、ウクライナの新鋭俳優オレグ・ザゴロドニーという東西欧州の新星俳優が競演。冷戦時代ソビエト占領下のエストニアを舞台に、当時決して許されるものではなかった愛の物語を演じている。今回解禁となったのは、抑制された時代の中で、2人の愛の衝動がエモーショナルに伝わってくるポスターイメージとティザー予告。ファーストルックのポスターイメージは、緊張感が漂うソビエト冷戦下のエストニアで、抑えきれない2人の愛の感情が昂まるその瞬間を封じ込めたような、エモーショナルな場面写真を採用したドラマティックなデザインに。また、併せて公開となったティザー予告は、ポスターイメージと連動するように愛の衝動を表現したEmo Ver.と、主人公セルゲイとロマンの埋められぬ愛の距離感を切なく表現したFeelVer.の2バージョンとなっている。『ファイアバード』が2024年2月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年11月30日ゴッサム・アワードが発表された。作品賞に選ばれたのは、韓国系カナダ人監督セリーン・ソンの『Past Lives』。この自伝的映画は今年のサンダンス映画祭で初上映され、好評を得た。この部門の候補作には、やはりサンダンスで観客賞を受賞したA・V・ロックウェル監督の『A Thousand and One』も含まれていたが、サンダンスでは受賞を逃した『Past Lives』が制した。しかし、新人監督に贈られるブレイクスルー監督賞は、ロックウェルが受賞している。国際長編賞は、カンヌ映画祭でパルムドールに輝いた『Anatomy of a Fall』。この作品は脚本賞も受賞した。主演賞は『The Unknown Country』のリリー・グラッドストーン、助演賞は『May December』のチャールズ・メルトンだった。文=猿渡由紀
2023年11月29日11月27日(現地時間)、第33回ゴッサム賞授賞式が開催された。A24の『Past Lives(原題)』が最高賞の作品賞を受賞した。同作はセリーヌ・ソンの長編監督デビュー作。韓国・ソウルの幼なじみの男女が、片方の家族がカナダに移住したことで疎遠になるも、20年以上の時を経て再会するという恋愛ドラマだ。セリーヌ・ソンの半自伝的な物語であり、セリーヌ・ソンは脚本も手掛けている。主演はグレタ・リー(「ザ・モーニングショー」ステラ役)、ユ・テオ(『めまい 窓越しの想い』)。今年1月、サンダンス映画祭にて世界初公開された。ゴッサム賞の作品賞を受賞したことに、映画ファンは「とても美しい映画」「作品賞にふさわしい」「オスカーの作品賞にもノミネートされますように」「今年、私を泣かせた唯一の映画」などの感想をXに寄せている。山田太一の小説「異人たちとの夏」をアンドリュー・ヘイ監督が映画化した『異人たち』は、脚本賞(アンドリュー・ヘイ)、国際長編映画賞、主演賞(アンドリュー・スコット)、助演賞(クレア・フォイ)の最多4ノミネートを果たしたものの、受賞ならず。脚本賞&国際長編映画賞は『Anatomy of a Fall』、主演賞はリリー・グラッドストーン(『The Unknown Country』)、助演賞はチャールズ・メルトン(『May December』)が受賞した。(賀来比呂美)
2023年11月29日国内映画賞のトップを飾る第48回報知映画賞の各賞が決定。『ヴィレッジ』『春に散る』の演技が評価された横浜流星が、昨年の助演男優賞に続いて主演男優賞を初受賞。また、主演女優賞は『レジェンド&バタフライ』『リボルバー・リリー』の演技が評価された綾瀬はるかが初受賞した。『リボルバー・リリー』報知映画賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として1976年に誕生。年末から年明けにかけて日本各地で開催される映画賞の中でも、先陣を切って発表されるため、その年の受賞者・受賞作品を占う意味でも大きな注目を集めている。『月』作品賞・邦画部門は宮沢りえ主演、石井裕也監督による『月』が受賞し、同作に出演した磯村勇斗、二階堂ふみがそれぞれ助演男優賞、助演女優賞に選ばれ、3冠。監督賞は『ゴジラ-1.0』山崎貴監督が受賞した。第48回報知映画賞各賞作品賞・邦画部門『月』作品賞・海外部門『グランツーリスモ』アニメ作品賞『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』監督賞山崎貴『ゴジラ-1.0』主演男優賞横浜流星『ヴィレッジ』『春に散る』主演女優賞綾瀬はるか『レジェンド&バタフライ』『リボルバー・リリー』助演男優賞磯村勇斗『月』助演女優賞二階堂ふみ『月』新人賞アイナ・ジ・エンド『キリエのうた』(シネマカフェ編集部)■関連作品:リボルバー・リリー 2023年8月11日より全国にて公開©2023「リボルバー・リリー」フィルムパートナーズヴィレッジ(2023) 2023年4月21日より公開©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会レジェンド&バタフライ 2023年1月27日より全国にて公開©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会春に散る 2023年8月25日より全国にて公開©2023映画『春に散る』製作委員会ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 2023年4月28日より全国にて公開(C) 2023 Nintendo and Universal Studiosキリエのうた 2023年10月13日より全国にて公開Ⓒ2023 Kyrie Film Bandグランツーリスモ 9月15日(金) 全国の映画館で公開月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.
2023年11月28日第15回TAMA映画賞の授賞式が26日に東京・パルテノン多摩にて行われ、受賞者が揃った。最優秀作品賞の是枝裕和監督『怪物』には黒川想矢と柊木陽太、足立紳監督『雑魚どもよ、大志を抱け!』には田代輝、白石葵一、松藤史恩、岩田奏、蒼井旬、坂元愛登も揃って登場。足立監督には、子供達から色紙が渡される。『怪物』是枝監督も「今、隣にいるこの二人の役者さんと出会えたことがこの作品にとって一番大きかったなと改めて思っております」としみじみ。黒川は「今このような舞台に立たせていただくことを想像してなかったので、この『怪物』に出演させていただけて感動してます」、柊木は「このような大きな反響をいただいて、素晴らしい作品に携わらせていただけたことがとて嬉しいです。これからいろんなことで悩んでいったりすると思うんですけど、この作品での経験を活かしてこれからもこのお仕事を続けていけたらなと思います」と思いを明かす。また是枝監督は「だいぶ撮影の現場でも最年長になることが増えてきたんですけども、珍しく大先輩が2人。阪本(順治)さんともご挨拶しましたけども、会うと緊張する方達がいるんですよ」と、授賞式ならではの後輩感を見せていた。この日は受賞者の他、『せかいのおきく』阪本順治監督、『エゴイスト』松永大司監督、『リバー、流れないでよ』藤谷理子、永野宗典も登場。特別賞の 『君たちはどう生きるか』からはスタジオジブリ執行役員 野中晋輔氏が登壇し、宮崎駿監督からの「歴史ある映画祭で特別賞をいただき大変光栄に思います。この映画の完成には構想から7年の時間がかかりました。僕もずいぶん歳をとって、長い時間仕事に集中することができなくなってるのに、映画を完成させて公開できたのは支えてくれた多くのスタッフと、キャストの皆さんのおかげだと思います。心から感謝申し上げます。映画はまだ上映されていますので、一人でも多くの人が映画館に足を運んでいただけたら嬉しいです」というコメントを読み上げた。○■受賞一覧■最優秀作品賞『怪物』(是枝裕和監督 及びスタッフ・キャスト一同)『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)■最優秀男優賞佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安 2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』)■最優秀女優賞菊地凛子(『658 km、陽子の旅』)黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)■最優秀新進監督賞福永壮志監督(『山女』)金子由里奈監督(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)■最優秀新進男優賞目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)■最優秀新進女優賞山田杏奈(『山女』)高石あかり ※高ははしごだか(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)
2023年11月26日第15回TAMA映画賞の授賞式が26日に東京・パルテノン多摩にて行われ、受賞者が揃った。『658 km、陽子の旅』で最優秀女優賞を受賞した菊地は、ギラギラに輝くドレスで、会場内でも圧倒的存在感を発揮。「映画は完成してから観客の皆さんに手渡されますけど、心に残っていたのだと実感することができて、大変嬉しく思いますし、とても励みになりました」と受賞の喜びを表した。同作については、「ロードムービーなので最初から最後まで一つもかけることもなく彼女の1日をやってくわけですけど、一つ一つ進んでいくにあたって彼女が心を開いたり成長していったり自分を見直したりしていくんですが、そういった心の変化とか動きがあり、どうしたら彼女でいれるか考えて過ごしてやっていたと思います」と振り返る。今後については「とにかく丁寧に真摯に向き合っていければいいなと思っています。またこうして映画に巡り合うことを願って頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」と意気込んだ。○■受賞一覧■最優秀作品賞『怪物』(是枝裕和監督 及びスタッフ・キャスト一同)『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)■最優秀男優賞佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安 2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』)■最優秀女優賞菊地凛子(『658 km、陽子の旅』)黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)■最優秀新進監督賞福永壮志監督(『山女』)金子由里奈監督(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)■最優秀新進男優賞目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)■最優秀新進女優賞山田杏奈(『山女』)高石あかり ※高ははしごだか(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)
2023年11月25日第15回TAMA映画賞の授賞式が26日に東京・パルテノン多摩にて行われ、受賞者が揃った。『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』で最優秀新進男優賞に輝いた目黒蓮。「こうして賞をいただけると、作品が生き続けてくれているんだなと実感することができて、とてもありがたく思います」と感謝する。塚原あゆ子監督との出会いが大きかったそうで「『リアルを大切にしてほしい』ということをすごく言っていただいて。塚原監督はお芝居をするというよりも、『こういうことを言われたらこういう反応になるよね』とか、『こういう表情になるよね』とか、現実を大切にされている方なので、お芝居経験がまだ少ない時期に塚原さんと出会うことができて本当に幸運だなと思いますし、『わたしの幸せな結婚』を撮影した後の作品でも、塚原さんに教えていただいたことが生きてきたなと感謝しています」と語った。今田美桜との共演シーンについては「今田さんが今までやってこられていた役や印象として、華やかな方なのかなというイメージがあったので、初めて対峙してお芝居をした時に美世というキャラクターの悲壮感といいますか、そういう部分が表現されていて、僕自身やりやすかったですし役に没頭することができたなと思います。感謝しています」と表す。普段の活動と役者としての活動について聞かれると、「ダンスや歌、振り付けを覚えるのと、アクションは結び付いてはいけないものといいますか、塚原さんに教えていただいたことでもあるんですけど、アクションが振り付けっぽくならないように『きれいにやらないでほしい』と言っていただいて、崩していくような感覚でアクションをやらせてもらっていました」と振り返る。「逆にふだんのSnow Manの時の歌、ダンスパフォーマンスの表現力は、お芝居をたくさん経験させてもらううちに、表現の幅が増えたのかなと思います」と相互に作用している様子。さらに「Snow Manでいる時はなるべく『目黒蓮』というものをどれだけ足していくかという感じなんですけど、役を演じさせていただく時はどれだけ自分を引いていくか。足し算と引き算で全然違うことやってる感覚なんですけど、どちらもすみわけられて楽しくやらせてもらってます」と説明した。最後に目黒は「常に思っているんですが、自分というのは作品のためにあって、作品を通して何か思いを伝えたり、その思いが一人でも多くの方に作品を通して届けばいいなと思いますし、自分が演じるにあたって、観てくださった方の人生、生活に何らかの影響を与えられるようなお芝居ができたらいいなと思います」と語る。「ありがたいことに、いくつか話をいただいているんですけど、誰かがじゃなくて自分がやるべきだと思えるような作品、自分の心も動くような作品に出演させていただいて皆様にお届けできればいいなと思います」と今後の活動についても意気込んだ。○受賞一覧■最優秀作品賞『怪物』(是枝裕和監督 及びスタッフ・キャスト一同)『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)■最優秀男優賞佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安 2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』)■最優秀女優賞菊地凛子(『658 km、陽子の旅』)黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)■最優秀新進監督賞福永壮志監督(『山女』)金子由里奈監督(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)■最優秀新進男優賞目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)■最優秀新進女優賞山田杏奈(『山女』)高石あかり ※高ははしごだか(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)
2023年11月25日“韓国のアカデミー賞”とも称される第59回大鐘賞映画祭にて、映画『コンクリート・ユートピア』が作品賞をはじめ、イ・ビョンホンの主演男優賞、キム・ソニョンの助演女優賞ほか6冠を獲得。また、シリーズ部門では「ムービング」が作品賞に選ばれるなどディズニープラスオリジナル作品が圧倒した。大鐘賞映画祭は、青龍映画賞、百想芸術大賞とともに韓国の3大映画賞といわれる中で最も長い歴史を持つ映画賞。今回、京畿アートセンター大劇場にて11月15日(水)に行われた授賞式はYouTubeで生中継された。『隠された時間』で高評価を得たオム・テファ監督が、イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、キム・ドユンら豪華キャストを迎えた『コンクリート・ユートピア』(2024年1月5日より公開)は、大地震により一瞬にして廃墟と化したソウルで唯一崩落しなかったマンションを舞台に、生存者たちが極限状態で巻き起こす濃密な人間ドラマを描いた。崩落をまぬがれたマンション=“ファングンアパート”では居住者だけのルールを定め、“ユートピア”を築こうとする。そこで住民代表に選ばれるヨンタクを狂気を持って演じたイ・ビョンホンが、『白頭山大噴火』などに続いて自身4度目の主演男優賞を受賞。「愛の不時着」や『三姉妹』『人生は、美しい』など多くのドラマ・映画で知られ、“ファングンアパート”の婦人会会長としてヨンタクを支持するグメを演じたキム・ソニョンが助演女優賞に。美術賞、音響効果賞、視覚効果賞とディストピア的世界観の表現も評価された。同作は現地韓国では8月9日より公開され、初登場動員数1位、公開7日で観客200万人を突破する大ヒットスタートを切った。トロント国際映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭、ハワイ国際映画祭などへ出品され、第96回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品ともなっている。また、監督賞は同じくトロント国際映画祭で北米プレミアされた『密輸』(原題/英題『Smugglers』)のリュ・スンワン監督。新人女優賞は『あしたの少女』のキム・シウン、新人男優賞は『貴公子』(原題)のキム・ソンホ。キム・シウン『あしたの少女』2月9日(金)より日本公開の『梟ーフクロウー』のアン・テジン監督は新人監督賞と脚本賞を受賞。ドキュメンタリー賞ではヤン・ヨンヒ監督による『スープとイデオロギー』が受賞した。今年から初めて動画配信サービスの作品も対象になったシリーズ部門では、「ムービング」が作品賞・女優賞(ハン・ヒョジュ)、「カジノ」が監督賞・男優賞(チェ・ミンシク)という結果となった。ハン・ヒョジュ「ムービング」ディズニープラスにて配信中主な受賞結果作品賞:『コンクリート・ユートピア』監督賞:リュ・スンワン『密輸』(原題)新人監督賞:アン・テジン『梟ーフクロウー』脚本賞:アン・テジン、ヒョン・ギュリ『梟ーフクロウー』主演男優賞:イ・ビョンホン『コンクリート・ユートピア』主演女優賞:キム・ソヒョン『ビニールハウス』(原題)助演男優賞:オ・ジョンセ『クモの巣』(原題)助演女優賞:キム・ソニョン『コンクリート・ユートピア』新人男優賞:キム・ソンホ『貴公子』(原題)新人女優賞:キム・シウン『あしたの少女』ドキュメンタリー賞:ヤン・ヨンヒ『スープとイデオロギー』音楽賞:『PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ』シリーズ作品賞:「ムービング」シリーズ監督賞:カン・ユンソン「カジノ」シリーズ男優賞:チェ・ミンシク「カジノ」シリーズ女優賞:ハン・ヒョジュ「ムービング」(上原礼子)■関連作品:スープとイデオロギー 2022年6月11日よりユーロスペース、ポレポレ東中野、シネマート心斎橋、第七藝術劇場ほか全国にて公開© PLACE TO BE, Yang Yonghiコンクリート・ユートピア 2024年1⽉5⽇より全国にて公開© 2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年11月19日第73回ベルリン国際映画祭にて史上最年少で主演俳優賞(ソフィア・オテロ)を受賞し、先日は第36回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門でも仮題『20000種のハチ』として上映された『ミツバチと私』から予告編が解禁、新場面写真と監督からのメッセージが到着した。今回解禁された予告編は、ソフィア・オテロ演じる主人公のアイトールが「私はなんでこうなの?」とつぶやくシーンから始まる。男の子の体で生まれたアイトールは、名前や髪型や水着…日々の様々なことに違和感を覚え、自分のことが分からない不安を募らせていく。そんなアイトールに戸惑いを隠せない家族。スペイン・バスク地方の柔らかな光が差し込む緑豊かな美しい自然を背景に、家族に寄り添われながら、自分らしく生きていきたいと顔を上げる繊細な表情が映し出されていく。併せて解禁となった新場面写真は、養蜂用の防護服に身を包んだアイトールの姿や、休暇でバスクへ向かう車の後部座席で並ぶ兄弟3人、叔母と植物を植えていたアイトールがハチに驚いて顔をしかめる場面。ドレスを着たアイトールと母親が鏡を見つめるシーンのほか、池で水着を交換したアイトールと友達の2ショットのカットなどが収められている。本作が第36回東京国際映画祭で上映された際、観客からは「傑作」「涙が止まらなかった」「主演の子の演技が素晴らしい」といった声が多くあがり大好評を博し、連続で満席に。さらに、今年度新設されたアワード「エシカル・フィルム賞」の第一回受賞作品に選ばれた。エシカルとは人・社会・環境を思いやる考え方や行動のこと。近年ではSDGsに積極的に取り組む企業が増えたことでエシカルの認知度が高まり、エシカルに沿った意識行動がSDGsの目標達成には必要不可欠とされている。本賞は、世界でも注目されるエシカルに特化した部門で、ジェンダー平等、環境、貧困、多様性、差別といった現代の重要な社会テーマに向き合った作品が対象。審査委員でエシカルディレクターの坂口真生氏は、選考理由を「一言で言えば優しさ。この映画に出ていたすべての人がすべての人に優しい思いやりを持った一面が見てとれた」と語っている。監督エスティバリス・ウレソラ・ソラグレンよりメッセージ日本で私の映画を上映していただけてとても幸せです。皆様にこの映画を観ていただきたい理由はいくつかあります。ひとつは、子どものトランスジェンダーというとても重要なテーマを扱っているからです。しかし、それだけではありません。家族の問題も含まれていますし、私たちは時々、自分はいったい誰なのだろうと自問することがあります。それは、自分自身を取り巻く人々が自分をどのように見ているかにも関係します。この映画は、光に満ちていて繊細で優しく感動的です。主人公のソフィア・オテロだけではなく、母親や祖母、叔母役の俳優たちも素晴らしい演技をしています。また、この映画を見て私の生まれ故郷であるバスクを発見してほしいと思います。バスク語という言語、そしてバスクの風景をです。映画館で皆様を待っています。『ミツバチと私』は2024年1月5日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ミツバチと私 2024年1月5日より新宿武蔵野館、 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開© 2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE
2023年11月15日第33回ゴッサム賞授賞式で、グレタ・ガーウィグ監督の『バービー』が「グローバル・アイコン&クリエイト・トリビュート賞」を受賞することが分かった。ゴッサム賞を主催する「ゴッサム・フィルム&メディア・インスティチュート」が発表した。同賞は「文化的なアイコンと、そのアイコンに命を吹き込んだ映画製作者を表彰する」もので、今年の授賞式のために創設されたという。事務局長ジェフリー・シャープは、「『バービー』の独創的な世界とエッジの効いた脚本、生き生きとした映画製作、感情に訴え、楽しい演技、明るくてにぎやかなセットと衣装デザイン、そして衝撃をもたらすオリジナル音楽に世界中の観客が虜になりました」とコメントしている。『バービー』のクリエイティブチームは撮影監督のロドリゴ・プリエト(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)、プロダクション・デザイナーのサラ・グリーンウッド(『美女と野獣』)、衣装デザイナーのジャクリーン・デュラン(『アンナ・カレーニナ』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でアカデミー賞受賞)ら。第33回ゴッサム賞授賞式は11月27日に開催される。(賀来比呂美)
2023年11月15日ハリウッドで118日間続いていた全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが、ついに終結を迎える。同組合の交渉委員会が、満場一致で交渉相手の全米映画テレビ制作者協会(AMPTP)との暫定合意に達し、「ストライキは11月9日の木曜日、午前12時1分に正式に終了します」という声明を出した。組合員の最低賃金の引き上げ、ストリーミング配信による俳優への収益配分の変更、AIの使用における規制など、組合がAMPTP側に要求していたことが通ったとのこと。SAG-AFTRAは、5月2日から大規模なストライキに突入した全米脚本家組合(WGA)に続く形で7月14日からストライキに入った。両者のダブル・ストライキは1960年から63年ぶり。WGAは9月27日に一足早くストライキを終えていた。SAG-AFTRAのスト中は、原則として俳優は映画やテレビの撮影に参加できず、プロモーション活動もNGだったため、興行収入に大きな影響が出たとみられている。今年の夏は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』主演のトム・クルーズ、『バービー』主演のマーゴット・ロビーらがプロモーション来日予定だったが、キャンセルとなった。スト終結により、アレック・ボールドウィン、マンディ・ムーア、「ストレンジャー・シングス」のノア・シュナップ、ジョー・ルッソ監督らが喜びの声や祝福メッセージをSNSにアップしている。(賀来比呂美)
2023年11月09日「第48回報知映画賞」のノミネートが発表された。スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として1976年に誕生した「報知映画賞」。各賞は、作品/主演男女優/助演男女優/新人/海外作品の7部門を選出。第10回(1985年度)からは監督賞、第42回(2017年度)からはアニメ作品賞も加わり、年によっては特別賞が選定される。各賞とも、ファン投票上位から報知映画賞事務局(顧問・渡辺祥子)が選出。今後、選考委員会で厳正な審査が行われ、今月下旬以降に各賞の結果を発表。毎年12月に行われる表彰式では、受賞者に賞状と賞金(第16回から)、イラストレーター・和田誠デザインのブロンズ像を贈呈している。今回、作品賞(邦画部門)は、瀬々敬久監督×二宮和也主演タッグの『ラーゲリより愛を込めて』や、岸井ゆきのが主人公のボクサーを演じ新境地を切り開いた『ケイコ 目を澄ませて』。『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』、『BAD LANDS バッド・ランズ』、読者投票1位の『わたしの幸せな結婚』を含む17作品。主演賞には、岸優太や神木隆之介、鈴木亮平、二宮和也、横浜流星、綾瀬はるか、安藤サクラ、岸井ゆきの、黒木華、長澤まさみ、松岡茉優ら。新人賞には、アイナ・ジ・エンド、當真あみ、目黒蓮(Snow Man)らが選ばれた。作品賞(海外部門)には『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』、『グランツーリスモ』など、アニメ作品賞には『THE FIRST SLAM DUNK』、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』などがノミネートされている。なお、最多ノミネートは『仕掛人・藤枝梅安』の6部門6ノミネートとなっている。第48回報知映画賞主なノミネート▼作品賞・邦画部門17作品ラーゲリより愛を込めてケイコ 目を澄ませて仕掛人・藤枝梅安1、2茶飲友達エゴイストわたしの幸せな結婚★ロストケアヴィレッジ劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~銀河鉄道の父怪物春に散るこんにちは、母さん福田村事件BAD LANDS バッド・ランズ月ゴジラ-1.0▼監督賞16名足立紳石井裕也今泉力哉河毛俊作熊切和嘉是枝裕和瀬々敬久外山文治塚原あゆ子★原田眞人藤井道人松永大司三宅唱森達也山崎貴山田洋次▼主演男優賞12名岸優太★神木隆之介窪塚洋介倉悠貴佐藤浩市鈴木亮平豊川悦司二宮和也藤竜也松山ケンイチ役所広司横浜流星▼主演女優賞12名天海祐希綾瀬はるか安藤サクラ★岸井ゆきの菊地凛子黒木華さとうほなみ筒井真理子長澤まさみ松岡茉優宮沢りえ吉永小百合▼新人賞8名アイナ・ジ・エンド池川侑希弥大西利空黒川想矢當真あみ柊木陽太目黒蓮★山崎七海※50音順、作品は原則公開順★は読者投票1位(シネマカフェ編集部)■関連作品:ラーゲリより愛を込めて 2022年12月9日より全国東宝系にて公開ⓒ2022『ラーゲリより愛を込めて』製作委員会 ⓒ1989清水香子劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~ 2023年4月28日より公開©2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会ケイコ 目を澄ませて 2022年12月16日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMASロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会わたしの幸せな結婚 2023年3月17日より全国にて公開ⓒ2023映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会ヴィレッジ(2023) 2023年4月21日より公開©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会エゴイスト(2023) 2023年2月10日より全国にて公開© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会銀河鉄道の父 2023年5月5日より全国にて公開©2022「銀河鉄道の父」製作委員会福田村事件 2023年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開(c)「福田村事件」プロジェクト2023こんにちは、母さん 2023年9月1日より全国にて公開©2023「こんにちは、母さん」製作委員会春に散る 2023年8月25日より全国にて公開©2023映画『春に散る』製作委員会仕掛人・藤枝梅安 2023年2月3日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社仕掛人・藤枝梅安2 2023年4月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社茶飲友達 2023年2月4日渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開©️2022茶飲友達フィルムパートナーズ怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会BAD LANDSバッド・ランズ 2023年9月29日より全国にて公開©2023「BAD LANDS」製作委員会月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.
2023年11月08日「第36回東京国際映画祭」(TIFF)のクロージングセレモニーが1日、都内で開催され、『正欲』(岸善幸監督/稲垣吾郎主演)が観客賞と最優秀監督賞を受賞した。朝井リョウ氏による小説『正欲』を、監督・岸善幸氏、脚本・港岳彦氏で映画化した本作。稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を出演者として迎え、家庭環境、性的指向、容姿――異なる背景を持つ人たちを描きながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。観客賞、さらに最優秀監督賞にも輝き、2度ステージに登壇した岸監督。「4作目の作品ですが、名誉ある賞をいただけてこれからの映画作りの励みになります。これからも頑張っていこうと思います」と語った。そして、「この作品は、多様性の意味を、すべての人が自由で、自分を偽らずに生きていける社会は何かということを問いかけています。なかなか自分のアイデンティティを確立するというのは難しい時代です。この作品を見て多様性の意味を皆さんに考えていただけたら本当にうれしいです」と本作に込めた思いを説明。「これを励みにこれからもいろんな映画をいろんなテーマで作っていきたいと思います」と決意を新たにし、「ありがとうございました」と感謝した。なお、コンペティション部門は、114の国・地域から寄せられた1942本の中から15作品が選ばれ、日本からは『正欲』(岸善幸監督/稲垣吾郎主演)、『曖昧な楽園』(小辻陽平監督/奥津裕也主演)、『わたくしどもは。』(富名哲也監督/小松菜奈&松田龍平主演)の3作品がノミネートされていた。
2023年11月01日「第36回東京国際映画祭」(TIFF)のクロージングセレモニーが1日、都内で開催され、『正欲』(岸善幸監督/稲垣吾郎主演)が観客賞を受賞した。朝井リョウ氏による小説『正欲』を、監督・岸善幸氏、脚本・港岳彦氏で映画化した本作。稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を出演者として迎え、家庭環境、性的指向、容姿――異なる背景を持つ人たちを描きながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。今年の映画祭のナビゲーターを務める安藤桃子監督からトロフィーを受け取った岸監督は、「この作品は多様性という言葉にはじかれてしまうようなマイノリティの中のマイノリティ、非常に些細な小さな人間たちを題材にしています。言葉だけではなくこの映画を見てたくさんの人が多様性の本当の意味を感じていただけたらと思います」と本作に込めた思いを語った。そして、「こんな素敵な賞をいただけて幸せです。主演の稲垣さん、新垣さん、磯村さん、皆さんに伝えたいと思います。本当にありがとうございました」と感謝した。なお、コンペティション部門は、114の国・地域から寄せられた1942本の中から15作品が選ばれ、日本からは『正欲』(岸善幸監督/稲垣吾郎主演)、『曖昧な楽園』(小辻陽平監督/奥津裕也主演)、『わたくしどもは。』(富名哲也監督/小松菜奈&松田龍平主演)の3作品がノミネートされていた。
2023年11月01日2023年ベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映され、LGBTやクィアをテーマにした映画に与えられるテディ賞、パノラマ観客賞にノミネートされた『緑の夜』。俳優復帰作となったファン・ビンビンと『ベイビー・ブローカー』のイ・ジュヨンが共演した本作が2024年1月19日(金)より公開、日本版ポスタービジュアルが解禁された。韓国で抑圧された生活を送り暮らすジン・シャと、危うくミステリアスな緑の髪の女性。彼女との出会いを本能的に“危険だ”と感じるジンだったが、2人は人生を賭けた危険な冒険に乗り出す――。中国から韓国に渡ったジン・シャを演じるのはファン・ビンビン。ハリウッド作品『355』や「武則天-The Empress」などで知られる彼女が、本作では抑圧された人生を甘んじて送るも、自由のために大きな賭けに出るシャを演じ切っている。謎多き緑の髪の女性には「梨泰院クラス」でブレイク、是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』での好演も記憶に新しいイ・ジュヨンが演じる。『なまず』『野球少女』など独創性溢れる話題作への主演でも知られ、『毒戦 BELIEVER 2』ほか話題作が待機する「信じて観る」若手俳優の1人だ。韓国社会の闇を通して、彼女たちの自由と解放を最後の一瞬まで問い続ける本作のメガホンを取ったのは、監督デビュー作『Summer Blur』が世界的に高い評価を得たハン・シュアイ。「自由を得るためには、見えない何者かの許可を得る必要がある」と語る監督は、「この物語で彼女たちの揺るぎない決意にもう一度触れ、何者かに立ち向かう勇気を手にしたい」と作品に込めた願いを述べる。イ・チャンドン監督『ポエトリーアグネスの詩』を手掛けたキム・ヒョンソクが撮影監督として参加している。この度解禁された日本版ビジュアルは、首元を覆うファーの華やかさとは裏腹に、額の傷もあらわに、目を伏したジン・シャに語りかけるような「何を恐れているの?」というコピーが添えられている。2人の人生を賭けた危険な冒険の行く末が気になるビジュアルが完成した。『緑の夜』は2024年1月19日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月27日先週、現在ストライキ中の全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が、ハロウィンシーズンの俳優たちの“コスプレ”に関するガイドラインを発表した。その内容は「ストライキに関連する映画やドラマの有名キャラのコスプレは禁止」ということだ。例えば、今年世界中で大ヒットした『バービー』のバービーやケン、去年Netflixで配信された「ウェンズデー」のウェンズデー・アダムスなどはNGで、そういったコスプレ姿の写真や動画は「SNSに掲載不可」としている。その代わりに「幽霊、ゾンビ、蜘蛛など一般的なキャラクターや人物にインスパイアされたコスチュームを選びましょう」とのこと。ただし、このルールは「だれの子どもにも適応されない」ということが後日付け加えられた。それは、ライアン・レイノルズによるポストや俳優たちからの批判が影響した模様。ライアンは「(ハロウィンの)一晩中、8歳の娘に『スト破り!』って叫ぶのが楽しみだよ。娘は組合員じゃないけれど、学ぶことは大事だもんね」とライアン節で嘲笑。共感の声が集まった。2001年から2005年までSAF-AFTRAの代表を務めたメリッサ・ギルバートは、「これがあなたたちが考えたこと?ハロウィンにだれが何を着ようと、文字通りだれも気にしません。こんな幼稚なことがストライキを終結させるとでも本気で思っているの?ジョークにしか見えません。こんなルールは撤回すると言ってほしい…交渉に行ってください!」と組合に訴えた。(賀来比呂美)
2023年10月23日映画『ポトフ 美食家と料理人』 が、2023年12月15日(金)より全国順次公開される。同作品は、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞作品映画『ポトフ 美食家と料理人』は、19世紀末のフランスを舞台に、料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛の物語を紡いだ感動作。新たなるグルメ映画の⾦字塔として、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞に輝き、第96回アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表に選出された作品だ。名匠トラン・アン・ユンが紡ぐ、天才料理人と美食家による愛の物語メガホンを取ったのは、繊細な映像美で高く評価されてきた監督、トラン・アン・ユン。『青いパパイヤの⾹り』でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール、『シクロ』でヴェネチア国際映画祭⾦獅⼦賞を受賞した名匠トラン・アン・ユンが愛と⼈⽣を味わう感動の物語を描き出す。名優ジュリエット・ビノシュが天才料理⼈に出演は、フランスの名優ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメル。全⾝全霊をかけて厨房に⽴つ料理⼈と、料理へのまっすぐな情熱をそぞぐ美⾷家を演じる。ウージェニー…ジュリエット・ビノシュプロとして矜持を持って⽣きる天才料理⼈。ドダンが閃いたメニューを完璧に再現し、極上の料理によって⼈々を驚かせてきた。ドダン…ブノワ・マジメル〈⾷〉を追求し芸術にまで⾼めた美⾷家。ウージェニーへの切なく揺れる想いを抱える。彼女に何度目かのプロポーズをするが、ウージェニーはキスで答えるだけ。しかし⼆⼈の絆は強く結ばれている。ミシュラン3つ星シェフのピエール・ガニェールが監修映画『ポトフ 美食家と料理人』は、ミシュラン3つ星シェフのピエール・ガニェールが料理を完全監修しているのも見どころの1つ。前衛的かつ独創性と芸術性に満ちた料理から“厨房のピカソ”と称されるピエール・ガニェールによる極上メニューが次々と登場する。劇中では、ピエール・ガニェール本人がシェフ役として登場するシーンもあるので、ぜひチェックしてみてほしい。また、“食”という芸術を捉えるためのこだわりが、随所に散りばめられているのもポイント。調理過程を1台のカメラで撮影したり、劇伴を使うことなく魚や肉を焼いたり煮たりする音を音響効果と捉えたり、自然光をメインの照明としたり……と、食材が“究極のひと⽫”へと進化を遂げる様⼦を美しく描き出している。なお、映画『ポトフ美食家と料理人』では、肉、魚、野菜、バターなど使用する材料も出来上がった料理も全て本物。カットがかかってもあまりの美味しさに俳優たちはお皿を手放さずに食べ続けていたという。監督は、「2人とも実生活でも美食家で料理が得意なので非常に細かいところまで表現していて、さらに積極的に自分の役に取り組んでくれて、とても仕事がしやすかった」と振り返っている。映画『ポトフ 美食家と料理人』あらすじ舞台は19世紀末フランスの片田舎。シャトーで暮らす美⾷家のドダンと天才料理⼈のウージェニーの2⼈が⽣み出した料理は、⼈々を驚かせ、その類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。そんなある日、ドダンはユーラシア皇太⼦から晩餐会に招待される。豪華なだけで論理もテーマもない⼤量の料理に退屈するドダンは、家庭料理で皇太⼦を魅了できるか挑戦することに。トライするのは、最もシンプルな料理“ポトフ”。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは⼈⽣初の挑戦として、すべて⾃分の⼿で作る渾⾝の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが……。【作品詳細】映画『ポトフ 美食家と料理人』公開日:2023年12月15日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋⾕宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開監督:トラン・アン・ユン脚本・脚⾊:トラン・アン・ユン出演:ジュリエット・ビノシュ、ブノワ・マジメル料理監修:ピエール・ガニェール配給:ギャガ(ギャガロゴ)原題:La Passion de Dodin Bouffant字幕翻訳:古⽥由紀⼦©2023 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA
2023年10月19日故ジャニー喜多川元社長が、菊田一夫演劇賞特別賞を取り消されたことが18日、明らかになった。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。2003年4月4日に第28回(2002年度)菊田一夫演劇賞の選考結果を発表し、永年のショービジネスに対する多大な情熱と功績を讃え、故ジャニー喜多川氏に対して菊田一夫演劇賞特別賞が贈られていた。この度、一般社団法人映画演劇文化協会は、故ジャニー喜多川氏による性加害の実態が明らかとなったことから「菊田一夫演劇賞における顕彰に相応しくないとの判断に至りました」と発表。贈賞を取り消すとともに、協会のホームページ、菊田一夫演劇賞の授賞記録からも削除した。
2023年10月18日『デッドプール』シリーズ第3弾の製作が、ハリウッドで行われている全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキによって大きな影響を受けているようだ。監督のショーン・レヴィが「The Wrap」に明かした。「正式な公開日が決まっているのかさえ、わからない状況です。(2024年)5月3日に公開予定だったのは知っていますが。ストライキと長期にわたる製作中断によって、公開日が本当に危うくなっています」と説明。製作の進捗については、「映画の半分を撮り終え、編集も終わっています。私たちはどうしても早く仕事に戻って、来年公開したいと思っているんですよ」と語った。『デッドプール』第3弾の当初の公開予定日は2024年11月8日だった。しかし、今年5月に始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキをきっかけにディズニーは6月、複数の作品の公開スケジュールを変更。『デッドプール』第3弾の公開日は半年前倒しになったという経緯がある。その後7月からSAG-AFTRAもストに突入したため、多くの作品が製作中断を余儀なくされている。映画ファンは「どう考えても来年の5月公開は厳しそうだ」「もともとの公開日に変更すればいい」「ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン役で登場)にこれ以上ダイエットとワークアウトを続けさせるのは酷だよ!」などのコメントをXに寄せている。(賀来比呂美)■関連作品:デッドプール2 2018年6月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved
2023年10月18日第73回ベルリン国際映画祭にて、主演ソフィア・オテロが2020年より新設された男優賞・女優賞の性別区分のない主演俳優賞を史上最年少受賞したスペイン映画『ミツバチと私』(英題:20,000 SPECIES OF BEES)が2024年1月5日(金)より公開決定。併せて、ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。夏のバカンスでフランスからスペインにやってきた家族。8歳のアイトールは、自身の性自認に戸惑い、違和感に悩み心を閉ざしていた。母はそんなアイトールを愛しながらも向き合い方に迷っている。ある日、叔母が営んでいる養蜂場でミツバチの生態を知ったアイトールは、ハチや自然と触れ合うことで心をほどき、ありのままで生きていきたいという思いを強くしていく――。本作は、第73回ベルリン国際映画祭にて主演ソフィア・オテロの驚くほど自然な演技が評価され、史上最年少の8歳にして最優秀主演俳優賞を受賞した注目作。ソフィア・オテロは、約500人の中からオーディションで選ばれた新人で、今回が映画初出演。子どもが抱える不安や心の機微を繊細に演じる様子は、『ミツバチのささやき』(73)のアナ・トレントを想起させる。手掛けたのは、数々の短編を監督し、『Chords』(原題/22)では第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された実績を持つスペイン人監督のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン。彼女の輝かしい長編デビュー作となった本作は、ベルリン国際映画祭の銀熊賞に加え、ギルド賞をW受賞。さらに、第26回マラガ・スペイン映画祭でも最優秀スペイン映画賞を受賞するなど世界各国から注目を集め、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では95%フレッシュと高い満足度を記録している。監督は、「家族との関係が、自分探しの旅にどう影響するのかを探りたかった」と語っており、トランスジェンダーの本人だけでなく、母、祖母ら3世代の視点を交え、それぞれの考えで人生を生き抜く姿を描く。スペインのバスク地方の緑豊かな美しい景色とともに、自然光のみで撮影した美しい映像も必見。今回解禁された日本版ポスターは、主人公アイトールを中心に、繊細な表情に柔らかな光が差し込む様子を捉えたもの。そして右下には、「生まれ変わったら、女の子になれるのかな?」という劇中に登場する台詞があり、性自認を巡って思い悩む心の内を告白するもの。併せて解禁となった場面写真は、ポスタービジュアルの表情とは打って変わり、ベットの上で、アイトールが穏やかな表情で微笑みながら母親を見つめるシーン。自身の心と、家族との関係性の変化に伴って移り変わっていく、アイトールの細やかな表情に注目だ。本作は第36回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門でひと足早く上映され、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督の来日も予定されている。『ミツバチと私』は2024年1月5日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月16日濱口竜介監督作『悪は存在しない』がロンドン映画祭で最優秀作品賞を受賞した。審査員全員一致の決定だったという。「繊細で、シネマティック、そして完全に悟った演技によって強調された、濱口監督の確信に満ちたドラマ」「家族とコミュニティ両者の抒情的な肖像画であり、土地開発の倫理についてのニュアンスを含む考察でもある」と評された。濱口監督は同映画祭のXアカウントに動画で喜びのコメントを発表。「『悪は存在しない』がロンドン映画祭で最優秀賞受賞という本当にうれしいニュースを聞いて、驚きました。ありがとうございます」と感謝を述べた。キャストやスタッフの仕事ぶりをカメラ越しで見ていて、濱口監督自身も「素晴らしい」と思っていたため、それが評価されたことに「勇気づけられる」と語った。また、前作『ドライブ・マイ・カー』の音楽を担当し、今作では音楽と共に企画・発案も担当した石橋英子氏の名前を挙げ、「彼女の音楽の存在が、この映画を完成まで導いてくれた」と説明した。『悪は存在しない』は今年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞も受賞した。日本公開は2024年GWを予定している。(賀来比呂美)
2023年10月16日解決に向けて希望が持たれていた全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが長引きそうだ。労働条件の交渉相手であるスタジオ、配信会社の代表全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と前向きな話し合いが進んでいたと見えたが、現地時間水曜日、スタジオと配信会社のトップが立ち上がって出ていき、交渉が炸裂した。とりわけ配信作品の印税をヒットに応じて払うということについて双方の開きは大きく、再びムードは険悪になっている。SAG-AFTRAのストライキは7月14日にスタートした。2ヶ月半早く始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキは、先月末に終了している。文=猿渡由紀
2023年10月13日10月23日(月) から11月1日(水) にかけて開催される第36回東京国際映画祭で上映される「Amazon Prime Video テイクワン賞」のファイナリスト作品が発表された。この賞は、国内外でオリジナル作品を製作し多様な映像作品を配信するPrime Videoの協賛を得て、東京国際映画祭が更なる才能の発掘を目指して2021年から設立。これまで商業映画の監督・脚本・プロデューサーを担当したことのない、日本在住の映画作家が制作した15分までの短編作品を対象としたもので、7月5日から9月4日までの2カ月間で143作品の応募があった。厳正なる審査の結果、ファイナリスト作品として選ばれたのは、坂本憲翔監督の『窓辺のふたり』、木口健太監督の『GIRLS BRAVO』、岡本多緒監督の『サン・アンド・ムーン』、平田雄己監督の『凛として』、ヤン・リーピン(楊礼平)監督の『Gone With The Wind』、安村栄美監督の『ビー・プリペアード』、大黒友也監督の『ゴミ屑と花(short ver.)』、ジミー・ミン・シャム監督の『TALK TO ME』の全8作品。映画祭での上映は初日の10月23日(月) 午前11時半からTOHOシネマズ シャンテで行われ、受賞結果は11月1日(水) のクロージングセレモニーで発表される。今年度の審査委員長は昨年に続き行定勲監督が務め、そのほかの審査委員は玉城ティナ(俳優)、芦澤明子(撮影監督)、森重晃(プロデューサー)、戸石紀子(Amazon スタジオプロデューサー)が務める。<イベント情報>第36回東京国際映画祭開催期間:10月23日(月)~11月1日(水)会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区公式サイト:
2023年10月12日第15回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者が5日、明らかになった。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。最優秀作品賞には「声に出せない思いを抱えるこどもたちが解放された光溢れる世界を映すことで、「怪物」を生み出す実社会の生きづらさを描き出した」として『怪物』、及び「少年たちは、友の危機にそれぞれの覚悟で立ち向かう。その姿は大人へと成長する逞しさを感じさせ、観る者の胸に熱く迫った」と、『雑魚どもよ、大志を抱け!』が選ばれた。最優秀男優賞には「俳優・佐藤浩市ならではの滲み出る渋さと颯爽と放つ華が、若手俳優の魅力も最大限引き出し、作品を輝かせ続けている」と評価された佐藤浩市と、「『エゴイスト』において、愛とエゴの狭間で葛藤しながらも献身的に注ぐ愛は繊細で切なく、実在感あるものとして観る者の心に刻まれた」という鈴木亮平、最優秀女優賞には「故郷への旅のなかでさまざまな人と出会い、自身の孤独な人生と向き合って、静かに奮い立つ瞬間を表現した」という菊地凛子と、「凛とした所作が美しい武家の娘であり、気っぷがよいおきゃんな娘でもある『おきく』の創出により、爽やかな青春ドラマに昇華させた」という黒木華が選出された。また最優秀新進男優賞の目黒蓮は「キャラクターを華がある演技でスクリーンに焼き付けて観る者をとりこにし、美世への想いの移ろいを繊細な感情表現で演じきった」、奥平大兼は「物語に溶け込み、役柄を的確に捉える優れたバランス感覚と素直な表現力は、映画の未来を担っていくことを予感させる」と評価を受けたほか、下記の受賞者・受賞作品がそろった。○■最優秀作品賞『怪物』(是枝裕和監督 及びスタッフ・キャスト一同)『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 及びスタッフ・キャスト一同)○■特別賞宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)○■最優秀男優賞佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安 2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』)○■最優秀女優賞菊地凛子(『658 km、陽子の旅』)黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)○■最優秀新進監督賞福永壮志監督(『山女』)金子由里奈監督(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)○■最優秀新進男優賞目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)○■最優秀新進女優賞山田杏奈(『山女』)高石あかり ※高ははしごだか(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)
2023年10月05日