おとな向け映画ガイド映画館再開!新作は粒ぞろいです。ぴあ編集部 坂口英明20/6/7(日)イラストレーション:高松啓二緊急事態宣言の解除を受けて、待ちに待った新作映画の公開が、6月1日から映画館で始まりました。6日までで20本、今週末12日、13日にはさらに20本以上の作品が封切られます。各館、座席間を離すなど、鑑賞方法に気を使いながらのリスタートですが、映画館のスクリーンで作品を味わうのは、やはり格別の高揚感があります。しかも今回のロードショー内容たるや、素晴らしい!のひとこと。そのなかで、これはという4本をご紹介します。粒ぞろい! オススメです。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』オルコットの名作小説『若草物語』の4度目の映画化です。久しぶりの、オーソドックスで優雅なアメリカ映画を堪能してください。19世紀後半、ニューイングランド地方に住む四姉妹の成長と青春を描いた作品。先日、1949年版がBSで放送されていましたが、ジューン・アリソンや若き日のエリザベス・テイラーなど当時大人気のスター女優が出演する青春文芸作品でした。今回も、いま最も輝いている女優、シアーシャ・ローナンを主役の次女ジョーに、『美女と野獣』で不動の人気を得たエマ・ワトソンを長女役に起用するなど、ハリウッドの王道を行く作り。特に、シアーシャ・ローナンは観てるだけで幸せな気持ちにさせてくれます。見どころのもうひとつは、ていねいに再現されたセットデザイン、衣装やインテリア、小道具の数々。米アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞したのも納得です。細部にまでこころ配りのある、見事な作品です。『お名前はアドルフ?』ドイツ映画。まさにおとな向きの知的な、それでいて大笑いしてしまう、珠玉のコメディです。元はフランスのお芝居だったそうですが、ドイツで映画化すると、また意味あいが違います。舞台は、ライン川のほとりにある、現代ドイツ文学を教える大学教授のおしゃれな邸宅。妻の弟夫婦に待望の赤ちゃんが生まれるということで、お祝いの宴が始まります。ゲーム感覚で子どもの名前を当てっこしていると、とんでもない事態に。なるほど、舞台劇の映画化。すべてセリフのやりとりで進行します。名前をめぐって、哲学、歴史、文学の大論争。そのうち、それぞれの思いや秘密が吹き出して、さらに修羅場に。家の中での自粛疲れで、プチストレスに襲われていた今だからでしょうか、ここまでぶちまけられると、観終わって何故かスッキリもします。首都圏は、6/6(土)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、7/24(金)から名古屋・伏見ミリオン座他で公開。関西は、7/10(金)からテアトル梅田他で公開。『罪と女王』デンマークはフィンランドと並んで、世界一幸せな国といわれていますが、そんな国の、アンモラルな映画です。その辺が面白いのです。弁護士で、児童保護を専門とする女性が主人公。医者の夫、幼い双子の娘もいて、幸せな生活を送っていたのですが、やや素行の悪い、夫と前妻の間にできた17歳の少年を家にひきとったところから、ほころびが生じ始めます。彼を立ち直らせようとしているうちに、関係を持ってしまうのです。映画のすごさはここからで。過ちが発覚しそうになるや、彼女は、極めて残酷な大人の対応をし、自分の立場を守ろうとする行動にでるのです……。これまで観たことのない展開の映画です。女性監督メイ・エル・トーキーの、デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)作品賞など世界中で映画賞を受賞した作品です。首都圏は、6/5(金)からヒューマントラストシネマ有楽町他で公開。中部は、6/27(土)から名古屋・名演小劇場で公開。関西は、6/5(金)からシネ・リーブル梅田で公開。『コリーニ事件』大物実業家がベルリンのホテルで、銃で撃たれて死亡するシーンで始まります。犯行理由について沈黙を続ける犯人。事件の弁護をたまたま引き受けたのは新米弁護士の主人公。特に社会正義に燃え、という意識も、野心もそれほどない、普通の青年です。勝てる見込みのない裁判でしたが。調査を始めると、ある事実が浮かび上がります。それは……。ドイツのベストセラー小説を映画化した、現代のドラマですが、歴史ミステリーであり、後半は裁判劇。殺人事件が歴史を掘り起こし、戦後ドイツが隠してきた事実につきあたるこのドラマの展開はスリリングで、おとな向け一級エンタテインメントです。犯人コリーニ役は、マカロニ・ウェスタンの伝説のヒーロー、フランコ・ネロ。これがめちゃ渋いんです。
2020年06月07日ロングボブ切りっぱなしロングボブ切りっぱなしボブでも立体感が出るようにハイライトで軽く!コテやアイロンでランダムに巻けばハイライトが顔出しますざっくりくくっても立体感が出てgoodすっきりボブすっきりボブ襟足はすっきりだけど、丸みを残したボブスタイリングでかわいくもかっこよくもなれるバーム系のワックスで少しウェットに仕上げるとカッコよくセットできますナチュラルアッシュカラーナチュラルアッシュカラーイルミナカラーでダメージを最小限に!やわらかいけどツヤのあるカラーに大きめのコテでやわらく巻くことでやわらかなカラーが際立ちます簡単ヘアアレンジ簡単ヘアアレンジ毎朝の忙しい時間帯でも10分あれば簡単にアレンジできます!気になる方はご来店時に良ければレクチャーさせていただきます。ナチュラルウェーブナチュラルウェーブアッシュにすこしラベンダー系の色を混ぜて透明感はあるけどアンティークな落ち着いた色に透明感のある色なのでランダムに巻いて外国人風に、、
2020年06月05日外国人風ゆるふわ外国人風ゆるふわ外国人風ゆるふわ!ツヤ感を出すためにブラウンベースでお肌の色味に合わせております!伸ばし途中の外ハネスタイル伸ばし途中の外ハネスタイル外ハネのイルミナカラーのグラデーションで艶感抜群ボブスタイル!ジェルワックスでウェットな質感に!鉄板ボブスタイル鉄板ボブスタオル☆基本乾かすだけでOK!!余力があれば低温でストレートアイロンを!!ナチュラルストレートナチュラルストレートナチュラルなストレートヘア!クセはそんなに強くないけど雨の日広がってまとまりにくい方には【ストレートパーマ】がおすすめ♪作り過ぎないラフ感がベスト!ロングレイヤーロングレイヤーミディアム、ロングも春夏はレイヤースタイルに注目!重くおさまりの良いものから柔らかく軽やかなものへ!
2020年06月05日極上肌のつくり方 待望の文庫化女性皮膚科医が実践しているスキンケアや食事、生活習慣などが紹介されている文庫本『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』が彩図社から発売された。著者は皮膚科医の小林智子氏である。彩図社は2017年に同氏による同名の単行本を発売しており、この新刊はその文庫版となる。文庫化にあたり、糖化ケアできるスパイスの追加掲載など、内容がアップデートされている。価格は664円(税別)である。肌の生まれ変わりを助けるスキンケア日本医科大学を卒業し、名古屋大学大学院皮膚病態学にてアトピー性皮膚炎について研究した小林智子氏は、日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会などに所属し、テレビやラジオ、雑誌などでも活躍している。巷にあふれかえっている化粧品やスキンケア用品。口コミを頼りに選んでみても、出費のわりには思ったような効果が得られず、化粧品選び、スキンケアはさらに迷走することになる。『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』では、正しい「スキンケア」「食事」「生活習慣」を解説。女性にとって生涯向き合うことになるスキンケアに必要な基本の知識から、肌の生まれ変わりを助けるスキンケア、美肌のための食事、皮膚科の観点からの「肌のお悩み解決法」などが掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※書籍情報 彩図社
2020年05月26日デジタルパーマ朝楽☆パーマスタイルデジタルパーマ、ケアパーマ、オーガニックパーマなどなりたいスタイルに。朝の手間に時間がかからない簡単セットスタイル。オイル、バーム、ワックス、ムースのいずれかで仕上げるだけ。ボブレイヤーパーマ肩につかないくらいの長さ。レイヤーをい入れて重くなり過ぎないように。耳より下に大きめのパーマをかけてます。仕上げは、バームもしくは オイルをつけるだけ。朝、楽です。ハンサムショートパーマハンサムショートパーマベースは平行気味のショートボブに切って動きが出やすいように表面にレイヤーを入れ軽くしました!カラー少し明るめのブラウンに染めました!ハイライトを入れておくと動きが出やすいのでおススメ!ケアパーマ、オーガニックパーマで再現。ワックスで仕上げ。ふんわりミディパーマふんわりミディパーマゆるふわなパーマ。レイヤーを入れて軽く、デジタルパーマ、ケアパーマ、オーガニックパーマいずれで再現。動きが出るように耳下から大きめのパーマをかけてます。仕上げはバーム、オイルトリートメント◎切りっぱなしウェーブ肩の長さにぱつっと切りっぱなしのボブスタイルです☆ふわふわっとしたウエーブに揺れるアンニュイ感のある毛先が女性らしく可愛いスタイルです☆うざバングで切られた前髪も隙間を作って顔まわりの肌感を出してエアリーなスタイルにしています!バーム、オイルで◎店内イングローブ店内イングローブの店内。7席あります。窓が大きく 明るい店内です。只今新型コロナウィルス対策でお席を一つ空けての営業をしております。窓を開放しています。次亜塩素酸水を加湿器に入れて空間除菌してます。
2020年05月10日メンズスタイルサイドを短めに刈り上げたメンズのショートスタイルです。束感と動きが出るように全体を量感調整し、爽やかで軽い印象に!ビジネスにもぴったりなスタイルです。 スタイリングはセミマットなワックスを全体に揉み込み、毛先にニュアンスをつけました。爽やかメンズショート刈り上げやツーブロックをせずに短めのスタイル!ネープや耳周りをスッキリさせつつソフトマッシュベースにカット!トップは動きが出やすいようにレイヤーを入れました。カラーはアッシュ系で染めました。マッシュレイヤー顔まわりはマッシュベースのカットに、襟足は少し残したマッシュレイヤースタイルです!あえて襟足を残しますが、長くなりすぎない長さでバランスをみます。ブラウンカラーで重めシルエットの髪を軽く見せます。大人マッシュ髪も暗く、やりすぎない刈り上げが落ち着いた大人の雰囲気が出ます。スタイリングが苦手な方でも簡単なスタイリングができること間違いなし!アップバング、センターパート、ナチュラルと幅広いヘアースタイルを楽しめるので、出先や気分などによって変えれる飽きないスタイルです。メンズパーマ無造作マッシュ弱めのスパイラルパーマで毛先に動きをつけてあげることで決めすぎない無造作なスタイルに!!カットで整っていればワックスはなじませるだけで決まります。毎朝のスタイリングを簡単且つかっこよく!!ミディアムショートフロントに長さを残したショートスタイル。スタイリング次第で、無造作からワイルドにもイメージを変えられます。カラーは明るめでも黒髪でも似合わせOKです!バックはすっきりとさせておくことで、爽やかな印象もプラスさせます。ニュアンスパーマで動きをつけるのもおすすめです!ワイルドメンズパーマ黒髪で清潔感のあるスタイルでオフィスでもカジュアルにも使い分けできるスタイルです☆大きめのロットでパーマをかけ、スタイリングもしやすく扱いやすいスタイルです!メンズにもオススメのサロン男性ならではのお悩みに合わせたシャンプー、トリートメントなども完備。お使いになりたい商材をお選びいただけます。また、眉カットなどのメニューもございますので普段の定期的なメンテナンスなどに是非!オススメのヘッドスパメニュー当店ではお客様のニーズに合わせたヘッドスパメニューをご用意いております。あまり時間はないけど、少しでもリフレッシュしたい。しっかり頭皮ケアをしたいなどなど!180度フラットのシャンプーで癒しの時間をご提供いたします。
2020年05月04日おとな向け映画ガイド今週のオススメは、韓国冷血犯罪もの、山田孝之が父親役!?、スーダンに映画の灯を! この3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/3/30(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は、3月30日時点で13本(ライブビューイング、映画祭を除く)。こういうつらい時期の公開ですが、実は、話題作、佳作ぞろいです。この中から2本と、近日公開の1本を、おすすめしたいおとな向き映画としてご紹介します。万事解決して、皆様が御覧になれますように。『暗数殺人』このところハズレなし。韓国映画の傑作です。暗数殺人、統計にでてこない、闇から闇に葬られた殺人。当然あるんでしょうね。そのひとつが、ある事件をきっかけに明るみになったという実話の映画化です。現代の釜山。恋人殺人事件の容疑者が、刑事に別の殺人の犯行をほのめかします。虚言癖のある男なので、多少疑いながら調べてみると、自白の場所に白骨死体が。が、事件が表面化すると、彼は「死体を運んだだけ」ととぼける。そんな繰り返しでつぎつぎと明らかにされる殺人。ふてぶてしく、かわいげもない容疑者の意図は何か?刑事にとっては手柄をたてるチャンスであり、反発をしながらも、どんどん深みにはまっていき……。役者がいいです。刑事役にキム・ユンソク。『チェイサー』や、一昨年公開の『1987、ある闘いの真実』でも警察所長を好演していました。犯人役はチュ・ジフン。TVドラマ『宮 ~Love in Palace』や、映画でも『神と共に』など話題作に多く出演しているイケメン俳優です。悪魔的といいますか、いったいこの顔で何人殺したのだ、不気味なつらがまえです。ユンソクの部下役、チン・ソンギュも、私注目の役者です。今年公開の『エクストリーム・ジョブ』では刑事でありながら唐揚げ作りの天才というキャラで笑わせてくれました。今回は真面目一方ですが。『ステップ』かぶりものも全裸も辞さない、闇金や勇者ヨシヒコとか変わった役を演じる印象が強い山田孝之が父親健一役で、妻に先だたれてからの娘美紀との10年を描く感動の物語。ってありかと、思いましたが、ありでした。シングルファーザーの暮らしがていねいに描かれます。2歳半の娘を保育園に預け、会社へ。営業から時間の自由がきく総務に回してもらい、周りに迷惑がかからないように仕事をてきぱきこなし、娘を迎えに行き、食事の支度をし……。やがて小学校に入学し、卒業するまでの、さまざまなエピソード。「ステップ」は一歩、一歩ずつという意味でしょうか。原作は重松清の小説です。監督・脚本は飯塚健。代表作『荒川アンダー ザ ブリッジ』とはだいぶ雰囲気がちがいます。もちろん父娘の話が中心ですが、まわりの大人たちの描き方がとてもていねいです。私は、國村隼演じる義理の父親に感情移入して観ました。娘の夫、もう実の息子のような主人公と孫への愛情の表し方。國村さんはこういうの実にうまいですね。昔、ウイスキーのCMで家族の絆をテーマにしたシリーズに出ていましたが、あれを思い出しました。母役の余貴美子、健一の同僚役広末涼子、保育士の伊藤沙莉、それぞれに見せ場があります。健一の上司で、いつでも営業にもどってこいよ、と声をかけてくれる営業部長役岩松了もいいなあ。いつも誘ってくれるお昼ごはんが、ちょっとせこくて。『ようこそ、革命シネマへ』スーダン出身の若い監督スハイブ・ガスメルバリによる、ドキュメンタリーです。かつてのスーダンでは、映画は人気の娯楽で、自国製の作品もあったのですが、1989年に軍事クーデターが起き、その後、映画制作は禁止され、映画館も閉鎖されました。79年生まれのガスメルバリ監督は、留学先のフランスで映画にめざめ、そこで過去の「スーダン映画」に初めてふれます。帰国した監督は自国での作品制作をめざし、そんななかで、4人の年老いた映画人に出会います。いずれも1960〜70年代に外国で映画を学び、制作集団「スーダン・フィルム・グループ」を設立したこの国の映画の父、たちです。軍事独裁政権で表現の自由を奪われ、散り散りになっていた仲間たちは、その後再会し、ほそぼそと野外上映会をしたりして、スーダンにもう一度映画の灯をともそうと、活動をしていたのでした。カメラは、その4人が、首都ハルツーム近郊で廃墟と化していた映画館、その名も「革命シネマ」を再建しようと奮闘する姿を追っていきます。70歳前後、さまざまな苦難をへて、それでも失わなかった4人の映画の夢。映画館が修復されたら掛けようと決めた作品は、クエンティン・タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』、というのが泣かせます。首都圏は、4/4(土)から渋谷・ユーロスペースで公開。中部は、4/18(土)から名古屋シネマテークで公開。関西は、第七藝術劇場他で近日公開。
2020年03月30日おとな向け映画ガイド“世界一貧しい大統領”を描いた2本と、異文化トラブルを笑いとばすフレンチコメディが今週のオススメ。ぴあ編集部 坂口英明20/3/23(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は13本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのは『劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] III.spring song』のみ。予定されていた春休み映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『ソニック・ザ・ムービー』『3年目のデビュー』は公開延期になりました。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が12本。この中からの2本に4月公開の1本を加え、今週のオススメしたいおとな向き映画をご紹介します。『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』イギリスBBCが、その質素な暮らしぶりを「世界一貧しい大統領」と評したウルグアイの元大統領、ホセ・ムヒカ。彼の半生をテーマにしたドキュメンタリーが相次いで公開されます。それぞれ視点が違っていて、いつか並べて上映しても面白いと思える2本です。先に公開されるこの作品は、旧ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツァが監督。『パパは、出張中!』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を獲得したのをはじめ、ベルリン、ヴェネチアを制した巨匠は、トラクターを運転する大統領がいるときいて関心を持ち、2014年から撮影を開始、翌年の退任式後までムヒカ大統領に密着しています。愛車はボロボロのフォルクスワーゲン・ビートル、給料の9割は貧しい人々のために寄付をし、時間の許す限りトラクターに乗り、小さな畑で農業に精をだす。愛嬌のある顔をした好々爺。実は、若いときは極左反政府ゲリラで、銀行強盗もしたことがあるツワモノです。クストリッツァ監督とマテ茶を回し飲みしながら、にこやかに語ります。確かに、青年時代の写真をみると、精悍で歴戦のゲリラ兵士といった感じ。軍事独裁政権により、13年間も収監され、不屈の精神が培われたといいます。1985年に軍事政権が倒れた時、49歳で解放され、以後政治家として活躍、94年に下院議員になります。2009年には大統領選に出馬し、当選。10年から大統領職を務めました。在任中は、貧困率を劇的に下げるなど施策を次々と実現、国民から圧倒的支持を受けた5年間でした。青春の思い出を語るのですが、話はいささか物騒です。かつてのゲリラ活動の現場に立ち「45口径を手に銀行に入るのは最高だ」といい放つサングラス姿は、まるでフィルムノワールのギャングです。かと思うと、好きなタンゴのことを「挫折を知ったあとで好きになる歌だ」とつぶやく詩人です。夫人は元ゲリラの同志。愛の歴史も語られます。ホセ・ムヒカ、愛称は「ぺぺ」。84歳、「その顔に歴史あり」です。首都圏は、3/27(金)からヒューマントラストシネマ有楽町他で公開。中部は、3/28(土)から名演小劇場で公開。関西は、3/27(金)からテアトル梅田で公開。『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』続いて、4月10日に公開されるこの作品は、フジテレビのディレクター、田部井一真監督による日本のドキュメンタリーです。ムヒカさんと日本との意外な関係を、2016年に来日した時の映像と、ウルグアイ現地でのインタビューなどで描いています。そもそも、ムヒカさんの存在が世界で知られるようになったのは、2012年、リオデジャネイロで行われた国連持続可能な開発会議でのスピーチ。「私たちは発展をするためにこの地球上にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです。……行き過ぎた消費主義こそが地球を傷つけ、さらなる消費を促しています」。大量消費社会をやさしい口調で問いただす発言が、世界に反響をよんだのです。演説をもとに日本では子供向けの絵本が作られ、なんと50万部を超えるベストセラーになりました。このことがきっかけとなり、来日にもつながるのですが、ムヒカ元大統領と日本との縁はそれだけではありませんでした。ウルグアイでインタビューした田部井監督に「日本にはとても感謝をしているんだ」ときりだし、日本について話しだします。ウルグアイには、日本人の移民が多くいて、菊の花などの栽培をしていました。彼の家の近くにもそういう農家があり、困った時に花の苗を分けてもらったこともあったそうです。2016年4月、夫人とともに来日したムヒカさんが、行きたいと希望したのは、広島。原爆ドームを見終わって「未来に向けて記憶しよう。人間は同じ石でつまづく唯一の動物だと歴史が示しているのだから」と記します。楽しみにしていたのは若者との対話。「人生でいちばん大事なことは成功することでなく、歩むことだ、転んでも再び立ち上がることだ」と、語りかけます。全編を通し、力強いメッセージがつまった映画です。首都圏は、4/10(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、4/10(金)からセンチュリーシネマで公開。関西は、4/17(金)から梅田ブルク7他で公開。『最高の花婿 アンコール』フランスの大ヒットコメディ。2014年に作られた『最高の花婿』の続編です。ロワール地方のお金持ち一家。両親は敬虔なカソリックで保守的。にもかかわらず、美しい4人姉妹は全員、外国人と結婚してしまいます。長女はアラブ人と、次女はユダヤ人と、三女は中国人と。四女の相手がやっと同じ宗教のカソリックときかされ、安心したのですが、実はコートジボアール出身の黒人で……、前作はそんな大騒動でした。と、ここまで頭に入れていれば、第1作を観ていなくても充分楽しめます。あれから4年。花婿それぞれの故郷を訪ねる旅行から帰国した両親を囲み、みやげ話を聞こうと家族が集まります。ややコンサバな父の毒舌は相変わらずです。が、きいている花婿たちには、それを笑いとばす余裕もありません。仲のいい彼らはみな同じような悩みを抱えていました。それは、住んでいるパリの「異文化ハラスメント」。例えば、四女の夫、役者のシャルルは「黒人に振られる役はヤクの売人ばっかり。マシなのは『最強のふたり』のあいつだけさ!」とご不満です。で、彼がいきなり思いついたのが、インド行き。ツテもないのに、ボリウッドでスターになろうという計画です。義兄の3人もそれぞれ、フランス脱出を考えています。それを知った父と母。愛しい孫たちの顔が見れなくなるなんて耐えられません。花婿たちをフランスに引き留める大作戦が始まります……。フランスは「人種間混合結婚数」が世界一。20%近くが異民族・異人種・異宗教間での結婚、というデータがあります。ヨーロッパの他の国は3%前後ですから、その多さが窺えます。この映画の面白さは、人種や文化のちがいを茶化したり、皮肉ったり、それを陰湿なハラスメントでなく、当人の前でやるところ。そんな本音トークが受けた理由でしょうね。しかし愛があるんだな。幸せな気分になれること請け合いの映画です。首都圏は、3/27(金)からYEBISU GARDEN CINEMAで公開。中部は、4/18(土)から伏見ミリオン座で公開。関西は、4/17(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。
2020年03月23日おとな向け映画ガイド「悪カワヒロインアクション」と「三島由紀夫vs東大全共闘秘蔵映像」が今週のオススメ。ぴあ編集部 坂口英明20/3/16(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は13本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのは『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』『一度死んでみた』『弥生、三月ー君を愛した30年ー』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が10本です。この中から、おすすめしたいおとな向きの2作品をご紹介します。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』いやあ、あなどっておりました。恐るべしハーレイ・クイン、面白いです。スーパーマン、バットマンまではわかるけど、最近のマーベル・コミックとか、DCコミックスとか(あ、これはDCです)、キャラクターものありすぎでよくわからんなという人にも、かなり親切な作りになっています。おとなにもやさしい、「悪カワ」ヒロインの痛快アクションです。観終わって気分がスカッとします。ハーレイ・クインは、あのジョーカーの元彼女。実は精神科医で、ジョーカーは患者だったのですが、恋人になってしまい、といったこれまでのいきさつは、最初にハーレイがアニメを使って紹介してくれます。ジョーカーの庇護下で好き勝手やってたのに、別れた途端、町の悪党どもがみんな手のひら返しで……。なかでも最強の敵は、サイコで残忍なブラック・マスク。路上暮らしの少女、カサンドラが盗んだダイヤをめぐって、ふたりはブラック・マスクに追われることになります。キュートなのにクール、服やメイクもぶっとんでいて、腕っぷし(というか蹴りか)も強い。ちょっと狂気もはらんで、暴力的。武器はショットガンにドでかいハンマー。ハーレイのキャラクターがなんとも楽しいです。住まいは、ダウンタウンにある謎の中国料理店の上。ごたごたとしたポップなインテリアに、ペットはハイエナの「ブルース」です。ハーレイを演じているのは、前作の『スーサイド・スクワッド』と同じマーゴット・ロビー。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のシャロン・テート役、そして『スキャンダル』ではアカデミー賞助演女優賞ノミネートと、のりにのっている女優です。実は、一匹狼のハーレイが、行きがかり上、タフな女性3人と手を組み、最後はチームになります。それぞれのキャラクターがまた凄いんです。クラブの元歌手で、その声が凶器というブラック・キャナリーとか。この女性陣がサブタイトルの「BIRDS OF PREY (猛禽類)」なわけです。監督は中国系のキャシー・ヤン。スーパーヒーロー(ヒロイン)映画を演出した初のアジア人女性となりました。バトルの前にバストのガードを考えたり、ファイトの途中で髪留めの貸し借りがあったり、男性監督じゃ気づかない細部のこだわりというか、ちょとした気の使いかた、テンポのよさ、この監督うまいです。『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』今から50年前に三島由紀夫と東大全共闘が激論を交わした討論会のフィルム、こんなものが残っていたのかと驚くTBS秘蔵の映像に、新たな取材を加えて作られた貴重なドキュメンタリーです。三島由紀夫は、当時、若者向け雑誌『平凡パンチ』の「オール日本ミスター・ダンディ」という人気投票で、ダントツの1位(2位三船敏郎、3位伊丹十三)だったと、紹介されます。ノーベル賞の候補である大作家というだけでなく、映画に出演したり、マスコミにもよく登場する人気者でした。討論会が行われたのは1969年5月13日。東大安田講堂事件の数カ月後です。前年には新宿南口が炎上した新宿騒乱事件があり、学生運動はますます過激化。繰り返されるデモでは、ヘルメットにゲバ棒の新左翼が投石と火炎瓶で機動隊と激突していました。そういう空気のなか、行動右翼として、つまり敵とみられていた三島由紀夫が東大全共闘から招かれ、駒場キャンパスへ論争に乗り込んだのです。驚くのは、会場に集まった1000人の学生や壇上の全共闘メンバーを相手に、知識をひけらかして論破してやろうとか、馬鹿にするような態度は一切なく、真摯に意見に耳を傾けているところです。逆に全共闘の方が、超うえから目線で、えらそうです。それにしても、三島が、前年に楯の会という私兵のような集団を組織し、この討論会の翌年には、市ヶ谷の自衛隊で軍服を身にまとい、切腹自決するという最期を知っているだけに、いまにしてみればと、意味深長な発言もあります。論争そのものはやや難解ですが、内田樹さん、小説家・平野啓一郎さん、社会学者・小熊英二さん、瀬戸内寂聴さんのコメントがあり、理解が深まります。実際に討論に参加した元全共闘の闘士たち、三島を師と仰ぐ楯の会メンバー、現場に立ち会ったジャーナリストへのインタビューなど、秘話満載です。内田樹さんは「スクリーン越しにこの映画からいやおうなく吹きつけてくるのは1969年の『時代の空気』である。『政治の季節』の空気である。」と記しています。熱い! あの頃の熱気、熱情がびしびし伝わってくる映画です。
2020年03月16日明治「アポロ」とクラブハリエがコラボレーション。「大粒アポロ極上の一粒」を2020年3月24日(火)より全国で期間限定発売。明治「アポロ」は、2020年バレンタインシーズンに続き、ケーキ、焼き菓子などを展開する日本の洋菓子メーカー「クラブハリエ」と再びタッグ。今回は、全国一斉にこだわりの「大粒アポロ極上の一粒」を展開する。2層になったチョコレートは、上層と下層で異なる味わいのチョコレートを使用。香り高いセンガセンガナ種の苺をした甘酸っぱい苺クリームとカカオパルプジュースを練り込んだダークショコラを組み合わせた。一口食べれば、フルーティーで奥深い味わいを堪能できる。期間限定での発売なので、気になる人は早めにチェックしてみて。■クラブハリエとは…ケーキ、焼き菓子などを展開する日本の洋菓子メーカー。職人が一層一層丁寧に焼き上げた「バームクーヘン」は、ふんわりしっとりとした味わいで人気が高い。2020年のバレンタインには、アポロとコラボレーションして木箱に入った限定アポロを発売。果肉の食感を残したいちごジャムとスパイシーなチョコレートを組み合わせて“大人のアポロ”を展開した。【詳細】「大粒アポロ極上の一粒」305円+税発売日:2020年3月24日(火)期間限定発売発売エリア:全国【問い合わせ先】明治 お客様相談センターTEL:0120-041-082
2020年03月15日夜の時間をどのように過ごすかによって、キレイに差がつきます。スキンケアやボディケアだけでなく、心のケアもナイトルーティーンに加えて美人度アップ!極上の夜活美容を、今日からはじめてみましょう。夜活はキレイをつくる極上の時間出典:byBirth毎日忙しくしている女性は、家に帰ってもゆったり過ごせる時間を取れないこともあるのではないでしょうか?残業で遅く帰った日はベッドに直行してそのまま寝てしまったり、たまった家事を片づけてバタバタと過ごしてしまったり。このままでは、お肌も心もボロボロになってしまいます。そんな人にオススメしたいのが「夜活美容」。夜は、キレイをつくる極上の時間です!夜活美容のポイントは、とにかくリラックスすること。今よりもっとキレイになるために、今日からできる夜活美容をはじめてみませんか?今日からできる夜活美容「夜活美容って何をすればいいの?」と構えなくても大丈夫です。ほんのひと手間ナイトルーティーンに加えるだけで、極上の夜活美容をはじめられますよ。お風呂でゆったりバスタイム出典:byBirth遅く帰って来た日は一刻も早く寝たいところですが、シャワーで済ませてはいけません。湯船に浸かって、ゆったりとバスタイムを楽しんでみて。お風呂はキレイをつくる宝庫なので、無駄にしたらもったいないですよ。お風呂のスチーム効果で毛穴の汚れが落ち、つるつる美肌になれます。体が温まると血行が良くなり、代謝がアップする効果も。夜活美容なら、安眠効果を高めるために「ぬるめのお風呂」に浸かりましょう。リラックス効果が高まり、眠っている間に美肌へと導いてくれます。フェイスマスクで保湿ケア出典:byBirth朝はスキンケアの時間を取れないことも多いですが、夜ならまとまった時間が取れるので、丁寧なスキンケアに最適なタイミング。お風呂上がりの肌は浸透力がアップしているため、保湿ケアにピッタリの時間です。化粧水や美容液をたっぷりと染み込ませた「フェイスマスク」をすれば、肌にグングン浸透していきます。ドラッグストアで手に入るフェイスマスクは、500円程度でプチプラなのもうれしいポイント。5分くらい顔に貼りつけてリラックスしましょう。アロマオイルでマッサージ出典:byBirthお風呂上がりにマッサージをすると、血行やリンパの流れが促進されて効果抜群です。脚やせしたい人は、脚のリンパマッサージでむくみを解消。美肌や小顔を目指す人は、スキンケアも兼ねてフェイスマッサージを行いましょう。好きな香りのアロマオイルでマッサージすればリラックス効果が高まり、心もお肌も大喜びになります。リラックス効果のあるアロマオイルは、柑橘系の香りが特徴的な「ベルガモット」や、フローラルな香りが特徴的な「ネロリ」などがオススメです。もっと素敵に!心の夜活で内面も美しく夜活美容でもっと素敵な女性になるために、内面を美しくする「心の夜活」をご紹介します。頑張った自分を褒める日記出典:byBirth人生には色々なことがあるので、時には落ち込んだり、イライラしたりすることもありますよね。そんなときは自分を責めずに、今日一日頑張った自分を褒めてあげましょう。自分を褒める日記を1日の終わりに書くと、前向きな気持ちになって精神が落ちつきます。翌朝、目覚めたときからモチベーションがアップして、自分を好きになることができるでしょう。癒しの音楽でストレスケア仕事や家事などに追われている女性は、ストレスや疲れがたまっていませんか?頑張り屋さんの女性ほどストレスケアが大切です。ストレスをため込んだままだと自律神経が乱れ、心も体もボロボロになってしまいます。自律神経のバランスを整えるには、ゆったりとしたメロディーで、心の不安を取り除いてくれるような音楽を聴くのがオススメです。ネットで検索すると、様々な音楽を無料で聴くことができます。寝る1時間くらい前になったら、部屋の照明を落としてリラックスしながら音楽を堪能しましょう。ホットハーブティーでリラックス出典:byBirth温かい飲み物を飲むと体が温まり、リラックス効果を得られます。とはいえ、お茶やコーヒーにはカフェインが含まれているため、興奮して眠れなくなってしまうことも。夜活美容にオススメなのは、ハーブティーです。カモミールティーやラベンダーティーには鎮静作用があり、イライラを鎮めてリラックス効果を高めてくれます。また、ハーブティーは香りが良いのも特徴で、その香りを嗅ぐだけで自律神経のバランスを整え、精神を安定させる効果があります。夜活美容で心も体もキレイになる!スキンケアやボディケアをはじめ、心のケアもできる夜活美容についてご紹介しました。どれも簡単で、今日からでもはじめられるものばかり。「最近、肌が荒れてきたかも」「ストレスが多くて気分がすぐれない」という人は、ぜひ夜活美容をはじめてみてくださいね!
2020年03月09日おとな向け映画ガイドグザヴィエ・ドラン新作と夢のような農場の実話、が今週のオススメ。ぴあ編集部 坂口英明20/3/09(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は17本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのは『貴族降臨-PRINCE OF LEGENDー』1本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が16本です。この中から、おすすめしたいおとな向きの2作品をご紹介します。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』いまや、ネットの時代になって、絶滅危惧種的な存在かもしれませんが、ファンレターが重要な役割を担っています。世界が注目する映画監督のひとり、グザヴィエ・ドラン、待望の新作です。ドランは、子供の頃、レオナルド・ディカプリオに夢中で、ファンレターを書いたことがあり、そんな思い出をモチーフに作られたそうで、ちょっとノスタルジックな味もある映画です。タイトルバックの前、いわゆるアバンタイトルが、いかにも意味深にまとめられ、物語が始まります。2006年、ニューヨーク。テレビの人気俳優ジョン・F・ドノヴァンが29歳で謎の死を遂げます。そのショッキングなニュースが流れた時、ロンドンでは、11歳のルパートが自分宛ての手紙のことでお母さんを責めています。彼は子役、母はいわゆるステージ・ママです。11歳の少年の手紙の相手は、その人気俳優でした。なぜ彼らは100通を超える秘密の文通をしていたのか。ドノヴァンにとっての少年はどんな存在だったのか。10年の時を経て、21歳の若手俳優になったルパートが、ドノヴァンとの思い出を書いた著書『若き俳優への手紙』について、語りはじめます。ドラン作品ではおなじみのテーマ「母と子」も、やはり映画の大切な要素です。ルパートの母親役はナタリー・ポートマン、ドノヴァンの母親役はスーザン・サランドン、これにドノヴァンのマネジャー役でキャシー・ベイツ、とアカデミー賞受賞&ノミネートの女優たちが脇を固めています。さすがに名優たち、監督の脚本力も加わって、見事に「キャラ立ち」しています。ドノヴァン役はTVの人気者キット・ハリントン。11歳のルパート役ジェイコブ・トレンブレイは、天才子役!です。神童といわれたドラン監督も30歳。アップを多用し、時に70ミリフィルムを使い、構図もすべて自分で決めるという映像や、音楽の使い方など、いたるところに才器を感じます。冒頭、少年が手紙をなくした母を問い詰めます。「インクの色は何色だったの?」。インクの色、匂い……、手紙が伝えるのは文だけではありません。『ビッグ・リトル・ファーム理想の暮らしのつくり方』こんなときこそ、自然の無限の可能性を感じ、とてもポジティブな気持ちになれる、このドキュメンタリーをオススメします。ロサンゼルス郊外、ジョンとモリーという若い夫妻が、2010年から8年間で作りあげた「理想の」農場のお話です。妻は野菜を中心とした料理研究家でブロガー、夫は野性生物番組の監督・カメラマン。マンション暮らしだったのですが、殺処分から救ったワンちゃんと暮らし始めたのがきっかけとなり、農場経営を決意します。動物と共生し、あらゆる食材を伝統農法で育てるのがモリーの夢。それを実現しようというわけです。最初は相手にされなかった資金集めも、話題が話題を呼んで、なんとか成功。東京ドーム約17個分もあるロス郊外の農地を手にします。そこからの奮闘。一部始終をジョンがカメラに収めていきます。まずは、死んだ土壌を生き返らせるところから。ここに伝統農法のプロ、アラン・ヨークという仙人のような人物がサンダルをはいて登場します。そして、仲間の協力も得て、まるで「ビフォー・アフター」のように土地が劇的に変わり、野生植物の楽園と化していきます。が、難問は続出します。果樹園の樹にアブラムシが大量発生したり。でも、それはどこからともなくやってきたてんとう虫が食べてくれます。そう、そんな風に、自然の難題は自然が解決してくれると彼らは身を持って気づいていくのです。ときに、コヨーテがニワトリを襲います。ジョンは、銃で駆除すべきか、苦渋の選択で悩むのですが……。製作・監督・脚本・撮影監督はジョン・チェスター自身。トロント映画祭、サンダンス映画祭など多くの国際映画祭で「観客賞」を受賞した作品です。生きとし生けるものが共生しあうこと、意味のない命はない、そんなことを痛感します。若い人たちに観てもらいたいなあ。首都圏は、3/14(土)からシネスイッチ銀座、新宿ピカデリー他で公開。中部は、3/28(土)から伏見ミリオン座他で公開。関西は、4/3(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。
2020年03月09日大人のためのちょいモードボブオーダー率No1のボブスタイルです!!オイルをつけてタイトに外ハネ、シンプルな内巻きにも、結わいてのヘアアレンジも可能な万能ヘアスタイルです!カラーはハイライト+アッシュベージュで抜け感と柔らかさをプラス。スタイリングも簡単です!是非挑戦してみてください!!大人のためのちょいモードボブを見る素敵な大人のエレガントボブ毛先よりにパーマをかけた大人可愛い、ちょっぴりエレガントなボブです!表面は後ろに流すようにするとグッと大人っぽく演出できます。カラーはハイライトを入れて抜け感を出した上に、暗めのアッシュベージュで落ち着いた印象に!素敵な大人のエレガントボブを見る30代40代*大人のふんわりショートボブ30代〜40代の大人女性に似合うショートボブならお任せ下さい!!スタイルの持ちの良さ、骨格、レングスとのバランス、顔まわりの似合わせには自信があります!!360度どこから見てもキレイなシルエットを出来るだけ長く持たせるには、骨格にあったシルエットを選ぶことと必要以上に軽くしすぎないことです。BEAUTRIUMのスライドカットなら細い毛束を一本一本丁寧に軽くしていくので持ちも良く、自分でスタイリングしても簡単に抜け感を演出できます。カラーは柔らかな印象にする10トーンのマットベージュ。毛先に緩めにパーマをかけるとスタイリングがもっと楽になります!30代40代*大人のふんわりショートボブを見る30代40代オススメ*大人のゆるっとボブこちらのスタイルは毛先にかけたパーマでランダムに揺れる毛束が素敵な“ゆるっとボブ”です!ハネてもOKなのでスタイリングがとても簡単です。前髪は目にかからない程度に流しやすいようにカットしています。裾広がりのAシルエットは女性らしい印象でどなたからも好感度◎顔まわりの長さと前髪の広さの調節で小顔効果もありますし、どなたにでも素敵なボブをに合わせます!30代40代オススメ*大人のゆるっとボブを見る30代40代*菅野美穂さん風*結べるボブ仕事や家事に忙しい女性に、ギリギリ結べるラインのボブをご提案いたします!オイルやムースなどのウェット系のスタイリング剤でタイトに外ハネスタイルも可能ですし、内巻き仕上げも可能です。直毛の方はパーマを毛先ワンカールでかけるとスタイリングがラクになりますよ!30代40代*菅野美穂さん風*結べるボブを見る誰でも小顔に!!【結べる*ひし形ボブ】30代、40代にオススメな内巻きボブがベース。ひし形シルエットは骨格を選ばず、どんなお顔の形も小顔に似合わせることが可能です!ギリギリ結べるのもポイント!前髪は薄めのシースルーバング。オイルをつけて束感を出します。直毛の方は緩めのニュアンスパーマがオススメです!カラーは9トーンのアッシュベージュにハイライトをプラスします!誰でも小顔に!!【結べる*ひし形ボブ】を見る30代40代*大人クールなコンパクトボブ大人カジュアルやナチュラルテイストのショートボブが得意です!今回ご紹介のスタイルは後頭部のシルエットが綺麗な、コンパクトなショートボブです。前髪長めのクールなショートボブはウェット系のスタイリング剤と相性抜群です!カラーは13トーンのオレンジベージュをセレクト。直毛の方は緩めのパーマをかけるとスタイリングが楽になります!30代40代*大人クールなコンパクトボブを見る大人*愛されボブディボブスタイルには自信があります!今回はシーンに合わせてアレンジの効く、結わくことのできる長さのボブディの紹介です!重めのローグラデーションベースにスライドカットで軽さをプラスしました!カラーは12トーンのマットベージュにハイライトで抜け感と立体感を!根元付近はグラデーションで染めるとカラーの持ちが良くなります!パーマをかけるとスタイリングがかなり簡単になります!毛先よりに高保湿コスメパーマを!前処理をしっかりしますのでダメージを最小限に抑えることができますよ!大人*愛されボブディを見る大人可愛い*ゆるふわ丸みボブカットはアゴラインの丸みのあるグラデーションボブがベースです。髪の毛を柔らかく見せたい方にオススメです!お顔の形が気になる方は前髪の長さと厚さで似合わせることができますので、どんな方にも挑戦しやすいヘアスタイルです!毛先にはゆるふわパーマで女性らしい印象をプラスします!スタイリングもグッと楽になります!カラーは9トーンのピンクアッシュでツヤと抜け感を両立しました!ハイライトやローライトとも相性バッチリのスタイルなので気になる方はどうぞご相談ください。どんな方にも好印象間違いなしの、王道愛されスタイルです!!大人女性のためのボブスタイル、ショートスタイルが特に得意です!ぜひ他のスタイルもご覧ください!!ボブスタイルならお任せください!必ずあなたのお悩みを解決いたします!大人可愛い*ゆるふわ丸みボブを見る大人のためのうるツヤ*ショートボブショートボブスタイルお任せください!大人女性の方にオススメしたい、オトナ可愛いツヤ感ショートボブです!幅広い髪質、お顔の形に似合わせることができます!さらにスタイリングが簡単なところもオススメポイントです!カラーは7トーンのバイオレットアッシュでツヤ感をプラスします!大人のためのうるツヤ*ショートボブを見る
2020年03月03日おとな向け映画ガイド『ジュディ 虹の彼方に』『星屑の町』が今週のオススメ。ぴあ編集部 坂口英明20/3/02(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は18本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのが『仮面病棟』『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』『ジュディ 虹の彼方に』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が15本です。当初8日に公開予定されていた『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は公開延期となりました。この中から、おすすめしたいおとな向きの2作品をご紹介します。『ジュディ 虹の彼方に』ラストで泣きました。 映画はこれでなくては! まさに感動必至の作品です。ジュディ・ガーランドの最晩年を描いています。子役時代の『オズの魔法使』はミュージカル映画の象徴ともいえる1本、その中で歌った『虹の彼方に(オーバー・ザ・レインボー)』が不朽のスタンダードソングになりました。ショービジネスに燦然と輝くまさに星のような存在です。が、そういうひとに限って、実人生は、そんなに恵まれていないんですね。1954年に『スタア誕生』(最近レディー・ガガがリメイク)に主演。アカデミー賞では本命視されながら、最優秀主演女優賞を逸し、女優から歌手に軸足を移したとされています。60年代はショービジネスの第一線で活躍、カーネギー・ホールでの名パフォーマンスなど、レコードでも名盤を残しています。この映画が描く1968〜69年は、ジュディが47年の人生を終える直前。長年の酒と薬、金銭問題、愛する子どもたちとの別離など、心身ともに疲れ果てていたといいます。最後の舞台はロンドンのナイトクラブ「トーク・オブ・ザ・タウン」での長期公演。このロンドン時代を中心に物語は進みます。ジュディ役を演じたレネー・ゼルウィガーに圧倒されます。『ブリジット・ジョーンズの日記』で、アラサーの悩める独身女性を演じた、ややふっくらした印象の強いあの女優さん。その後『シカゴ』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネート、『コールドマウンテン』では助演女優賞を受賞した実力派。この作品でも、女優魂というか、相当の練習を積まれたのでしょう。吹き替え無しで歌い、ジュディが憑依しているかのようです。クラブで歌う『トロリー・ソング』『カム・レイン・オア・カム・シャイン』などのスタンダード・ナンバーの楽しいこと……、そして感動の『虹の彼方に』。レネーはこの作品で、ジュディがなしえなかったアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞を果たしています。ちょっといいエピソードが心に残りました。ジュディが、舞台がうまくいかず、打ちひしがれて、もう世界に自分の味方はいないと絶望した夜。「出待ち」のファンが彼女を救います。ショーに通いつめる中年のゲイのカップルです。彼らのもてなし、というか心配りがどれほど力になったか。LGBTQコミュニティでは、ジュディと『虹の彼方に』がシンボル的な存在であるといいます。『星屑の町』こちらもショービジネス!ですが、うって変わって、売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の歌と涙の人情喜劇。シリーズ化し、25年も演じられてきた、下北沢あたりじゃ評判の、舞台の映画化です。例えば、内山田洋とクール・ファイブのように、前川清のバックでわわわわーとコーラスをつけている人たち、いますよね。どこか謎の存在でありますが、かれらに着目したアイデアが面白い。舞台と同じメンバーが出演、これがまた実に絶妙のキャスティングです。映画を観る前の予備知識として、グループ結成のいきさつを書いておくと。元大手レコード会社社員の山田修(コント赤信号の小宮孝泰)が、担当の演歌部門が縮小になったのを機に、それなら自分でとこのグループを作りました。メンバーは、行きつけのスナックのマスター(同じく赤信号のラサール石井)、そして店の客(渡辺哲と有薗芳記)。これに大阪ミナミからボーカルの大平サブローが参加し、グループが誕生。さらに、博多の焼き鳥屋の親父(でんでん)が、グループの経済的な救世主となり、途中から加わります。以後、解散と再結成を繰り返し現在にいたる、というわけです。東北巡業、といっても温泉の余興がほとんど。今回は山田修の故郷、東北の田舎町、廃校になった小学校で公演です。主催は山田の弟(菅原大吉)が率いる町の青年団。ゲストというか前座歌手で「キティ岩城」(戸田恵子)もやってきます。公演前日に行ったスナックで、歌手志望の愛ちゃんにまとわりつかれ、すったもんだあり…。愛ちゃん役はのん。久しぶりの映画出演です。彼女がグループに加わってからの展開はちょっとした「スター誕生」風。かっこよくいえばショービジネス・エンタテインメントですが、どこかしょぼいのが逆に魅力です。大平サブローが歌う『宗右衛門町ブルース』『中の島ブルース』『ほんきかしら』や、グループのオリジナル『MISS YOU』。戸田恵子が歌う『手紙』など、昭和歌謡がたっぷり味わえます。すべて歌詞が字幕になってでます。のんちゃんが歌う『新宿の女』『恋の季節』はよく考えた選曲ですね。脚本は、お芝居のときから、演じる役者の個性を活かす「当て書き」で書かれています。小宮はいかにも気が弱そうだし、一見コワモテだが優しい渡辺、謎がありそうなでんでん、すねものの有薗。なかでもラサール石井が傑作です。舞台での大平との関西弁の漫才のようなやりとりなんて、最高です。
2020年03月02日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明20/2/24(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は24本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのが『野性の呼び声』『スケアリーストーリーズ 怖い本』『劇場版「SHIROBAKO」』『しまじろうと そらとぶふね』『初恋』の5本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から、おすすめしたいおとな向きの4作品をご紹介します。『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』年老いた美術商、成功とはいいがたい彼の人生の終盤に、大きなチャンスが巡ってきます。オークションの下見会で見つけた小さな肖像画。署名がないので安価ですが、これは隠れた名画に違いない、72歳の主人公オラヴィは、その絵画にひと目で魅了されます。調べていくうちに、この絵は19世紀ロシアを代表する画家レーピンの作品だ、と確信します。もしそれが事実で、真相を知るのが彼だけならばひと財産、ですが。証拠がなければ二束三文。さて、最後にして最大のディールは……。フィンランドの首都ヘルシンキを舞台にした現代の物語です。旧市街で小さな美術店を営むオラヴィ。オークションの落札価格さえインターネットで調べられる時代ですが、彼の商売道具はタイプライターと昔ながらの紙のカード。家族も顧みず、絵画に没頭した人生。娘との確執もあり、孤独なひとり暮らしです。ギャラリーをたたむことになるかもしれないという経済状況。朝、ベーカリーでブリオッシュを一つ買うのが毎日のささやかな楽しみです。そんな彼の店に、疎遠だった孫がやってきます。問題児のため学校の職業体験課題の引受先がなく、祖父を頼ってきたのです。店番をさせると意外や商才もあり、オラヴィの調査の大きな力になってゆきます。何か小さな希望がみえてきます。クラシカルな主人公の顔と風体、帝政ロシア領時代の雰囲気を残す街の景観、それが相まって、しみじみとした趣を感じさせる映画になりました。ちなみに、彼のいきつけというベーカリーは、エクベリという老舗です。ガイドブックによればヘルシンキ最古だそうです。孫の教育のために訪れるミュージアムは、アテネウム美術館。国宝級の美術品が撮影に使われています。絵画をめぐるミステリー、スリリングなオークション、ヘルシンキの街のたたずまい、そして家族の絆。観終わったあとも気分良く映画館を出られる素敵な作品です。首都圏は、2/28(金)からヒューマントラストシネマ有楽町他で公開。中部は、2/28(金)から名演小劇場で公開。関西は、3/6(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。『野性の呼び声』子どもの頃に読んだことがあるひとも多いかと思います。日本製アニメになったこともあります。勇敢で、誇り高い名犬バックの半生を描いた、ジャック・ロンドンの古典名作、久々の映画化です。バックの父はセント・バーナードで、母は牧羊犬のスコッチ・シェパード。19世紀末のアメリカ、カリフォルニアの判事の家で生まれました。賢くていたずら好きのお坊ちゃん犬。それが、小金稼ぎの悪党に捕まり、ゴールドラッシュのカナダにそり犬として売り飛ばされてしまいます。雪を知りません。夜の雪原でどう寝たら良いか、ましてそりを引くなんて、わけがわからない。そんな世間知らずのバックが、多くの苦難と経験を積んで、強くたくましいリーダー犬になっていきます。そしてソーントンという、傷心の旅を続ける男と巡り合います。演じているのがなんとハリソン・フォード(感動のキャスティング!)。大自然のなかでともに生き、強い友情で結ばれていきます。前半は、高貴な生まれの主人公が、低い身分に落ち、さまよい苦しんだのち尊い存在になるという、日本でいえば貴種流離譚のようなストーリー。後半は、信頼という絆でつながった「ふたり」の、壮大なアドベンチャーです。原作は何度も映像化されていますが、今回は、これまでのような人間目線とは異なり、原作と同じように、バックの立場でその半生を描いたのが特徴です。それを可能にしたのがCG。実際の動物を調教して撮影するのでなく、アニメでもない、新しい表現スタイルです。シルク・ド・ソレイユでパフォーマーだったテリー・ノータリーが、犬の身振り手振りを四足で演じ、それをCG化した上、実写映像を多く溶け込ませたハイブリット。子どもの頃のやんちゃさ、苦難の日々の不屈さ、ソーントンとのおだやかな日々、成犬としてのりりしさ。実写版『ライオンキング』にも驚きましたが、リアルに表現される主人公バックは、喜怒哀楽、とても表情豊かです。『黒い司法 0%からの奇跡』アメリカ南部アラバマ、黒人死刑囚の冤罪を晴らそうと活躍する弁護士の物語。実話を元にした映画です。日本ならインデペンデント作品となるタイプの、とてもシリアスなテーマですが、マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックスという人気の俳優が主演し、ワーナー・ブラザースが配給したメジャー映画。全米では12月のホリデーシーズンに公開された珠玉のエンタテインメント作品です。時代は1988年。ハーバート・ロースクールを卒業したエリート弁護士ブライアン(ジョーダン)は、あえて南部で、冤罪被害者を救済する活動に飛び込みます。最初に手がけたのが、死刑囚ウォルター(フォックス)の事件です。18歳の白人女性が殺害され、ウォルターの無実を立証する黒人の証人が多くいるにもかかわらず、白人男性の曖昧な証言だけで下された死刑判決。調べていくうちに、犯行を裏付けた証言は司法取引によりでっちあげられた偽証とわかります。まだ根強く残る人種差別意識、白人社会の反感のなか、無罪という正義を勝ち取ることができるか、可能性「0%からの奇跡」を描いています。『アラバマ物語』(1962年)という名作映画がありました。黒人青年の白人女性への暴行容疑をめぐる裁判劇。弁護にあたるグレゴリー・ペックは、アメリカの良心を体現したヒーローでした。この原作に描かれたのが、ほかならぬアラバマ州モンロービル。まさに『黒い司法』の舞台なのです。『アラバマ物語』の記念館があり、街の自慢なのですが。本質はなにも変わっていないという皮肉。この映画に登場する他の冤罪被害者の事件が解決したのは、つい最近という事実に慄然とします。だからこそ、今でも活動を続けるブライアン・スティーブンソン氏のこの映画が公開される意味は大きいのです。『PMC:ザ・バンカー』2024年、アメリカ大統領選挙当日、南北朝鮮の軍事境界線を越えて、北朝鮮のKINGが亡命をしてくるという荒唐無稽なポリティカルアクションです。さすが韓国映画。大胆、です。略語が多いので解説しながら紹介します。映画の中心になるのは、PMC(Private Military Company=民間軍事会社)の多国籍傭兵部隊です。CIAから依頼された彼らのミッションは、DMZ(DeMilitarized Zone=軍事境界線)の地下30メートルに作られたバンカー(シェルターのようなもの)で開かれる南北秘密会議の咳から北側の要人を誘拐すること。CIAの企みは、その要人が持つ情報で北の核武装を解除し、選挙で劣勢の現職大統領支持率を一気にあげ、勝利に導こうというもの。当初の計画では10分で片がつくはずでした。ところが、会談前にソウルに北からスカッドミサイルが打ち込まれ、しかもあろうことか、会場に現れたのは北側の最高指導者!ここからは、地下要塞での壮烈バトルです。地下のバンカーには南北双方のエリアが存在し、高級ホテル並のスイート・ルーム、いくつもの会議室、トンネルでセクターがつながっています。ここで、13人の傭兵隊と、中国に雇われた別のPMCが入り乱れての凄まじいサバイバルを繰り広げるというわけです。この臨場感がすごいんです。傭兵部隊の隊長は『神と共に』のハ・ジョンウ。多国籍部隊ですので、アメリカ、メキシコ、ラトビアなど、様々な人種のツワモノが登場します。ドラマの重要な役割をになう、KINGの主治医役で『パラサイト 半地下の家族』のイ・ソンギュンが出演しています。首都圏は、2/28(金)からシネマート新宿他で公開。中部は、2/28(金)から岐阜・大垣コロナシネマワールドで、愛知は近日公開。関西は、2/28(金)からシネマート心斎橋で公開。
2020年02月24日「白雪姫」をモチーフに繰り広げられる極上エロティックスリラー『白雪姫~あなたが知らないグリム童話~』(原題:Pure as Snow)がこの春、日本でも公開決定。場面写真も到着した。美しく若い女性クレアは、現在、義母のモードによって運営されている、死んだ父親が経営していたホテルで働いている。クレアはモードに対して制御しがたい嫉妬心を抱えているが、一方でモードの若い恋人はクレアに恋をする。これを知ったモードは、クレアを永遠に葬ろうとするが、間一髪、見知らぬ男に助けられ、彼の双子の兄弟とチェリストが住む牧場で一緒に暮らすことに。生活を共にしていくうちに、一人、また一人と彼女の魅力にやられ恋に落ちていく男たち。そして、次第にクレアも彼女の中で何かが解放されていくことを感じ始め…。本作は、『恍惚』『夜明けの祈り』など、女性の生き方や愛の目覚めを描き、現代のフランス映画界を牽引するアンヌ・フォンテーヌ監督が手掛ける、これまでにない過激なのに妖艶で美しい大人の白雪姫。キャストには、命の危機を感じて逃げ、隠れて生活していく中で次々と男を翻弄してゆく娘クレアを、『夜明けの祈り』、『呼吸 友情と破壊』ではセザール賞ノミネートも果たしたフランス映画界の女神、ルー・ドゥ・ラージュ。恋人を義理の娘に奪われかけ嫉妬に狂う義母モードを、『ピアニスト』『エル ELLE』などに出演するフランスを代表する国際派女優イザベル・ユペールが演じている。『白雪姫~あなたが知らないグリム童話~』は4月24日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて公開。(cinemacafe.net)
2020年02月21日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/2/17(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される映画は23本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国約100スクリーン以上で拡大上映されるのが『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』『チャーリーズ・エンジェル』『スキャンダル』『ミッドサマー』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から、おとな向きの、ぜひご覧いただきたい3本をご紹介します。『名もなき生涯』同調圧力があったり、正しいことをいうことすら考えてしまう昨今、この作品が公開される意味は大きいと思います。第二次大戦時、ナチスに併合されたオーストリアで、ヒトラーに忠誠を誓わないという意思を貫き、最後は処刑された実在の農夫を描いた映画です。監督は、数少ない作品のほとんどが秀作というテレンス・マリックです。主人公のフランツ・イェーガーシュテッターは、ドイツ国境に近いオーストリアにある小さな村の農夫です。敬虔なキリスト教徒で、妻と3人の娘とつつましくも平和な暮らしを営んでいたのですが、戦争はこの山あいの寒村まで押し寄せてきます。召集されたフランツは、罪なき人は殺せない、と兵役を拒否するのです。彼は逮捕され、ベルリンに送られ、裁判にかけられます。頼りの教会も「祖国への義務を優先すべき」と彼の主張にあえて耳を貸さず、孤独な戦いを強いられます。夫をはげます妻もまた、村八分状態で苦難の日々が続きます。同じ時代が背景の『サウンド・オブ・ミュージック』に似た山と谷、豊かな自然が舞台です。監督の初期作品『天国の日々』を彷彿とさせるおだやかな日々の描写で始まります。農場や平原、山腹、現存する教会や聖堂などでロケし、自然光で撮影された映像、鳥のさえずり、牛や羊の鳴き声、教会の鐘など、撮影時の環境音と静謐な音楽は、まさにテレンス・マリックの世界です。そんな平穏な村の空気は、やがて険悪でギスギスしたものに変わっていきます。「今、世界はこの映画で描かれた時代に逆戻りしている。この歴史から何も学んでいないとしたらあまりにクレージーだ」というのが、監督の主張です。フランツの存在は、1970年代に当地を訪れたアメリカ人研究者が見出すまで、まさに「名もなき者の生涯」だったそうです。『Red』Red、赤は危険信号の赤でしょうか。赤い糸、レッドカード、真っ赤なルージュ、朝焼け、燃えたぎる血の色……。または、一線を越えていく決断の象徴?吹雪の夜、街道沿いのボックスで思いつめたように塔子(夏帆)が電話をしているシーンで始まります。かたわらに鞍田(妻夫木聡)。通り過ぎていったトラックの荷台から、赤い布切れが、風に舞い、白い雪道に落ちます。そしてふたりは、無言のまま凍てついた道に車を走らせます。それはまるで「道行き」のようです。このただならぬ緊迫感。映画は、この夜間走行と回想が交互に描かれていきます。育ちのいい商社マンの夫、可愛い娘がいて、夫の両親と同居する住まいは郊外の大きな戸建て。何不自由のない専業主婦・塔子が、10年ぶりにかつて愛した鞍田と再会し、彼の勤める設計事務所で働き始めます。生き生きと仕事に精をだすうちに、実は気詰まりな姑との関係、気は良いけれど自分本位な夫(間宮祥太朗)との生活に疑問が生まれ、距離を感じ始めます。シングルマザーに育てられた自分は、幸せな家庭という幻想を求めていただけなのか?本当の自分はどこに?相手の鞍田もまた、ある秘密をかかえています。そして、ふたりは再び恋の深みにおちてゆきます。島本理生の原作を三島有紀子監督が映画化。ハードなラブストーリーであり、女性の自立の映画でもあります。散りばめられたキーワードや、印象的な映像、気になるセリフ、音楽と音、個性的な役者たち……、観終わっていろいろなことが、記憶に残りました。前作『幼な子われらに生まれ』では不思議な集合住宅が、話題になりました。今回は鞍田の住む、建築家らしい住居が彼の孤独を表現しているかのように使われています。塔子の母役・余貴美子や、職場の同僚役・柄本佑のセリフも彼女の生き方を変える役割を果たします。劇中に流れるジェフ・バックリィの『ハレルヤ』、心に響きます。作者はレナード・コーエン。「愛はマーチのような威勢のいいものじゃない……」、そんなフレーズもある名曲です。『スキャンダル』全米を代表するニュースチャンネル、FOXニュースで起きた、たった3年前の「スキャンダル」を、会社のロゴや関係者の実名までもそのまま使い、内幕を映画にしてしまう。こんなことができちゃうんですね。しかも、社会派というより、ハリウッドの三大女優が熱演する、つまりハラハラどきどきのサスペンスなのです。局内部の描写や、人間模様が見ものです。ドナルド・トランプが共和党の大統領候補として選挙運動中だった2016年。FOXニュースの人気キャスター、メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)が彼の女性蔑視発言を攻撃します。トランプ支持の局上層部はその報道ぶりに好意的ではありません。そんな折、かつてメーガンと局のトップキャスターを争ったグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、局のCEOロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)をセクハラで訴えます。ケリーもかつてロジャーから同じような行為をされたことがあるのですが、MeTooと名乗ることはしません。もうひとり。メーガンの座を狙うケイラ(マーゴット・ロビー)がロジャーに接近、同じく性的な行為を迫られています。ケイラは何人かの体験を組合わせて作られた架空の人物ですが、メーガンとグレッチェンは実在しています。特にメーガンは、ご本人とかなり似ています。この作品で、今年度アカデミー賞メイクアップ賞を受賞したカズ・ヒロ(辻一弘)の特殊メイクの産物です。また、シャーリーズ・セロンとマーゴット・ロビーは賞は逸しましたが、それぞれ、アカデミー賞主演女優、助演賞候補でした。普通こういうテーマは圧力でつぶされることが多く、この作品も撮影入り2週間前に制作会社が突然降りるという危機がありました。それにも関わらず、その3日以内に新たな制作・配給会社をみつけ、撮影にこぎつけられたのは、プロデューサーでもあるセロンの情熱と力だったそうです。なんともかっこいい映画人。『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』『グリンゴ/最強の悪運男』に続き、出演作の日本公開は今年すでに3本目。いま絶好調の女優です。
2020年02月17日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明20/2/10(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される作品は15本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのが『1917 命をかけた伝令』『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』『影裏』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が12本です。この中から、おとな向きの映画4作品をご紹介します。『1917 命をかけた伝令』今日、10日に発表された米アカデミー賞。作品賞は惜しくも逃しましたが、撮影賞、視覚効果賞、録音賞を受賞したイギリス映画です。本国では、英アカデミー賞作品賞、英国作品賞を受賞しています。1917年、第一次世界大戦のヨーロッパ西部戦線を舞台にした戦争映画です。『西部戦線異状なし』やキューブリックの『突撃』でも描かれましたが、塹壕(ざんごう)の戦い。延々と続く壕で対置する持久戦です。その塹壕からドイツ軍がなぜか撤収。このチャンスにイギリス軍は1600人の部隊で追撃を決めます。ところが総攻撃開始の前日に、退却は罠であることが判明。このまま進めば1600人は全滅必至です。しかし最前線への通信が遮断されてしまい、作戦中止の指令が届きません。頼りは直接文書を届ける伝令のみ。命じられたのは若いイギリス兵ふたり。兵士でごった返す自軍の壕を抜け、撤退した敵の壕に飛び込み、野を越え、川を越え……リミットは明朝。とにかく走る、のです。この作品の評判が高い理由は撮影方法。普通、映画はカットとカットを編集でつなぎますが、この映画は、伝令兵士の行動を、最初から最後までワンカットで追い続けます。次々とおきるアクシデント、敵の攻撃……。カメラとともに観客も伴走しているかのように、一部始終を目の当たりにするわけで、その緊張感たるや大変なものです。119分、息つく暇もありません。監督は、第一次大戦に参戦した祖父から伝令の体験を聞かされたというサム・メンデス。ミッションを命じるエリンモア将軍役でコリン・ファース、最前線で伝令を受け取るマッケンジー大佐役をベネディクト・カンバーバッチが演じています。主役のスコフィールド上等兵役のジョージ・マッケイは当然ながら出ずっぱりです。『影裏』今更ながら、役者の力を感じます。震災前後の岩手・盛岡を舞台にした男ふたりの友情、というか、不思議な人間関係を描いた映画です。主演の綾野剛、松田龍平が芥川賞受賞の原作をはるかにしのぐ存在感です。不慣れな盛岡に転勤となった今野(綾野)が、職場の同僚・日浅(松田)と親友といってもいい仲になるのですが、日浅は突然、転職。そのあたりからふたりの関係がぎくしゃくしてきます。そして大震災。日浅は釜石に出張に行っていたようですが、行方不明に。消息を探し始めた今野は、隠されていた日浅の一面を知ることになります。「知った気になるなよ。お前が見ているのは、ほんの一瞬、光があたった所だけだ」といっていた日浅。彼は一体何者なのか。謎めいた役を演じたら松田龍平ほどぴったりくる役者はいません。彼にBL的な思いも少しあり、しだいに翻弄される今野役、綾野剛もいい佇まいです。ふたりが釣りを楽しむ緑あふれる盛岡の清流の美しさ、震災後の不安な雰囲気……、美術や撮影スタッフの仕事ぶりにも拍手、です。監督は、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』や映画『るろうに剣心』シリーズの大友啓史。盛岡の出身です。『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』本当にあった話です。21世紀初頭のアメリカ。『サラ、神に背いた少年』という小説がベストセラーになりました。作者はJ・T・リロイ。女装の男娼だった経験をもとに書いたといい、カバーをみるとミステリアスな美少年です。セレブやアーティストからも支持され、時代の寵児となったこのリロイなる美少年作家、実は存在せず、40過ぎのローラという売れない女流作家の創造物でした。写真も適当にみつけたものでした。が、ローラが、写真のイメージそのままの、中性的な魅力を持つ女性サヴァンナをみつけ、彼女にリロイを演じさせると、これが大成功。サヴァンナは見事になりすまし、パリで堂々と記者会見をしたり、ハリウッドで映画化されるとカンヌ映画祭に現れたりと大ブレイク。ところが、2006年、ニューヨーク・タイムズの報道でこの嘘が暴かれてしまい……。この事件は、ローラを中心に描いた『作家、本当のJ・T・リロイ』というドキュメンタリー映画にもなっていますが、今回の作品は、リロイを演じたサヴァンナが書いたノンフィクションをもとに、彼女も製作に加わって作られています。誰かになりすますことの背徳的な魅力と、罪悪感というよりバレたらどうなるのかという恐れと、バレてもいいやという開き直った行動、わかるような、わからないような。サヴァンナ役のクリステン・スチュワートは、近く公開のリブート版『チャーリーズ・エンジェル』にも出演。ローラを演じたローラ・ダーンは、『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』で紫色の髪をしたホルド提督を演じてました。ブルース・ダーンの娘です。首都圏は、2/14(金)から新宿シネマカリテ他で公開。中部は、3/7(土)から伏見ミリオン座で公開。関西は、2/14(金)からテアトル梅田で公開。『山中静夫氏の尊厳死』末期の肺がんで余命3カ月を宣告された山中静夫氏が、故郷の山を見ながら死んでいきたいと、信州・佐久の病院を訪ねます。浜松にある雑貨屋の婿養子となり、長く郵便配達の仕事をしてきました。それは真面目な初老の男性です。妻は、見舞うのに車で2時間もかかる病院への入院は反対でしたが、これまで、文句ひとついわなかった実直な夫が初めて自分の強い意思をみせたことで、同意します。山中さんの生まれた在所は、もう限界集落になっていて近所のおばあさんが一人住んでいるだけ。実家もすべて死に絶え、廃屋寸前になっています。ここで、山中さんには「やっておきたいこと」があったのです……。山中静夫役は中村梅雀。もうひとりの主役は主治医の今井医師。津田寛治が見事に演じています。次から次へと患者を見送る日々、今井医師は、山中さんを看取ったあと、うつ病を発症してしまいます。「個室にしますか、相部屋にしますか」ときかれ、山中さんは「何が何でも個室。最後くらい人に気を遣いたくない」と色をなして主張します。それで与えられた角部屋の浅間山が見える個室。思い残すことはそれほどなく、朝な夕なにふるさとの山をみて、ていねいに対応してくれる先生がいて。ある意味考えられる理想の死に方かもしれません。首都圏は、2/14(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、3/21(土)から名演小劇場他で公開。関西は、3/20(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。
2020年02月10日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/2/3(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開される作品は22本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのが『ヲタクに恋は難しい』『犬鳴村』『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO スーパー戦隊MOVIEパーティー』の3プログラム。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から、今回は、片肘はらずに気楽に観ていただき、あー面白かった!と映画館をあとにできる、そんなおとな向きの映画3作品をご紹介します。『グリンゴ/最強の悪運男』『グリンゴ』はスペイン語で「よそもの」の意味。手塚治虫の漫画のタイトルで同名のものがありました。意味は同じですが、もちろん無関係です。サブタイトルの「最強の悪運男」は、何をやってもついていない主人公ハロルドのこと。でも、彼がなぜ最強かってところがポイントです。ハロルドは、シカゴの製薬会社で働く風采のあがらないサラリーマン。友人リチャードに拾われ、彼が経営する会社に入ったものの、この友人がケチでジコチュー、ひそかに会社を売りに出して、いいとこ取りを計画中で、ハロルドはポイ捨てされる運命にあります。しかもあろうことか、妻はそのリチャード社長と浮気中です。会社には共同経営者かつ社長の愛人エレーンという重役がいて、彼女は彼女で色気を前面におしだす欲の塊。しかもなにやら画策中。悪運男、最低男、性悪女、と見事にキャラ立ちした3人が揃いました。社長の悪巧みのために3人はメキシコ出張にでかけるのですが、旅先でハロルドが誘拐され、会社に法外な身代金の要求がとどきます。でも実はこれ、自分の悪運に嫌気がさしたハロルドの一世一代の狂言で……。人の良さそうなハロルド役にこれまでキング牧師を演じたこともあるデヴィッド・オイェロウォ。社長リチャードは『スター・ウォーズ』シリーズではルークの叔父役だったジョエル・エドガートン。そして、男とみると舌なめずりをくりかえすビッチ役は、おなじみシャーリーズ・セロンです。彼女はこの映画のプロデューサーも兼ねています。のりのりでフェロモンをまきちらしてます。ごく普通の人間がなにかのきっかけで、どんどん事件に巻き込まれていく、いわゆる「巻き込まれ型サスペンス」。話はエスカレートしていき、この三人以外にも悪玉、善玉、おかしなキャラクターが次々登場します。最高なのが、ギャングの麻薬組織のボス。ビートルズの熱狂的なファンで、抗争相手を捕まえるや、ビートルズのベスト・アルバムを尋ね、彼の趣味とちがうと銃で殺してしまいます。さて、彼がきらいなアルバムとは?何だったと思います?とりあえず私はセーフ。彼には殺されずにすみます。『グッドライアー 偽りのゲーム』今週登場の謎解きミステリーは、この作品です。ポスターなどのビジュアルでは、白いコートのヘレン・ミレンと黒いスーツのイアン・マッケランが対照的に表現されています。それでこのタイトルですから、この名優ふたりによるだまし合い、「コンゲーム」ものと想像できます。まさにそれ。予測を裏切らない名人芸、見せ場たっぷりのエンタテインメントです。今からおよそ10年前のロンドン。ベテラン詐欺師ロイは、流行り始めたネット交際サイトで、最近夫に先立たれた資産家ベティと知り合います。ロイのいかにも紳士然とした外見、そつのない会話。世間しらずの上流夫人は彼の魅力にどんどんはまっていきます……。ロンドンのおしゃれで粋なお年寄りのデート。ベティがロイにトップ・ハットを見立てるセント・ジェームズストリートの帽子店「ロック&カンパニー」や老舗デパートの「フォートナム・アンド・メイソン」など、有名店も登場します。ロイ役のイアン・マッケランは、『ロード・オブ・ザ・リング』の魔法使いガンダルフでおなじみ。高名なシェイクスピア役者です。かたや、米アカデミー主演女優賞を受賞した『クィーン』のエリザベス女王を始め、誇り高き女性役ならこの人、ヘレン・ミレン。彼女が演じるベティは、ノーブルで、一見世間知らず風ですが、芯は強そうです。ロイがいかに百戦錬磨とはいえ、詐欺師の手にやすやすとかかるとは思えません。後半は、予想を越えた、そうくるか、という展開でした。お楽しみに。『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』旅の映画、ロードムービーも、毎月様々なテーマの作品が公開されます。何かを目指す旅、追う旅、追われる旅、さまよう旅……。この映画は、夢に向かう旅です。アメリカ南部、ジョージア州サバンナ郊外。身寄りのないダウン症の青年ザックは受け入れ先がなく、州指定の老人施設で暮らしています。彼の夢は、プロレスラーになること。親しくしてくれるカールじいさん(懐かしやブルース・ダーン!)の部屋で、憧れのレスラー、ソルトウォーター・レッドネックが開いたレスリング道場勧誘のビデオカセットを繰り返し見て、いつかこの学校に入るのだ、と考えています。そしてある夜、窓枠にはめられた鉄格子をすり抜け、施設をパンツ一丁で逃げ出します。ふとしたことで出会い、旅の仲間となったのが、漁師のタイラー。カニ漁の漁場のトラブルで命を狙われています。ふたりは逃避行ですから、道なき道を行くことになるのです。基本は歩き。時にヒッチハイク、手作りのいかだ……。途中から、ザックを探す施設の看護師エレノアも加わり、ついに、レスリング道場のある町にたどりつくのですが……。ささやかな映画作りから始まったのだそうです。実際にダウン症で、役者志望のザック・ゴッツァーゲンが、「映画スターになりたい」という夢をふたりのクリエイターに語り、彼らがザックを想定したオリジナル脚本を書き、テスト映像を作ったところ、3人の熱と、ザックの存在感にうたれた独立系のプロデューサーが出資を決めました。アメリカ南部の地方映画祭で観客賞をとったものの、全米公開最初の映画館数は17館。それがSNSなどの評判で6週後には1490館まで広がり、大ヒットとなりました。映画そのものも、まさに夢の実現でした。彼らの旅は、どこか『ハックルベリー・フィンの冒険』を連想させます。めげない、恐れをしらない、ザック君を見ていると、何か元気をもらえる。そんな映画です。
2020年02月03日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明20/1/27(月)イラストレーション:高松啓二今週公開される作品は18本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国のシネコン等で拡大上映されるのが『AI崩壊』『バッドボーイズフォー・ライフ』『嘘八百 京町ロワイヤル』『前田建設ファンタジー営業部』『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の5本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が13本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『男と女 人生最良の日々』あの不朽の名作『男と女』の50年後を描いた映画です。主人公ジャン・ルイは海辺の瀟洒な老人ホームで余生を送っています。年輪を重ねた顔は多少枯れた感じではありますが、おしゃれでチャーミングなおじいさんです。が、そろそろ意識があいまい。思い出すのは、50年前に出会い、恋におち、別れたアンヌという女性のことばかりです。ある日、いつものように庭のベンチに腰かけていると、年老いているけれど気品があって美しい女性が声をかけます。「こんにちわ、座っていいかしら?」ふたりは話しはじめます。……施設のこと、子供のこと、老いた男の話は、何度も行きつ戻りつし、かつて愛した女性に、またたどり着きます。「あなたみたいに美しい女性だった」。彼女が長い髪をかきあげると、「すてきなしぐさだ。彼女もそうしていた」……。いつもいつも思い出すアンヌが目の前にいるのに、なかなか気が付かないジャン・ルイ。それが『男と女』50年ぶりの再会シーンです。ジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメ、監督はクロード・ルルーシュ、そして音楽はフランシス・レイ。かつてのスタッフ、キャストが再集結しました。冬のドーヴィル海岸、はしゃぐ子供たち、犬を連れて散歩する男、バックにかかるあのスキャット・コーラス。雨の高速道路、夜明けのパリ。彼女のもとへひた走るジャン・ルイの車……。50年前の映像が思い出とともによみがえります。フランシス・レイはこの作品のために新曲を作り、映画完成のあと、この世を去りました。「君はいつだって、俺の川がたどり着く終着地……」新しいシャンソンがヴァース(導入)のように使われ、ダバダバダ……につながります。まるで、「映画みたい」といいたくなるような、うっとりとさせてくれる映画です。『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』1月は毎週良質なミステリーが登場します。なかでもこの作品が一番、かと。よくできたプロット、ミステリアスな舞台背景、そして個性的で芸達者な役者たち、楽しませてくれる条件がそろっています。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)のライアン・ジョンソン監督が「ミステリーの女王アガサ・クリスティーに捧げたい」とオリジナル脚本で長年の夢に挑戦した、王道を行く「Whodunit(犯人探し)」映画です。ニューヨーク郊外にある豪邸。世界的なミステリー作家ハーランが、85歳の誕生パーティーの夜、謎の死を遂げます。屋敷は深い森の中にある1890年代に建てられたゴシック建築。ハーランの膨大なナイフコレクションがインテリアの中心です。その夜、屋敷にいたのは、長女夫妻と息子、次男夫妻と息子、亡き長男の妻と娘、年老いたハーランの母、そして専属看護師です。この家族の間には、膨大な財産と版権などのビジネスをめぐるいさかいがあります。事故死か、他殺か?そこに名探偵の登場。警察も一目をおく高名な探偵を演じているのは「007ジェームズ・ボンド」のダニエル・クレイグ。謎の人物からの依頼を受けて捜査に加わったという設定です。ハーラン役は大御所、クリストファー・プラマー。長女役にジェイミー・リー・カーティス、その息子をクリス・エヴァンスが演じています。お膳立てはよし。捜査が進み、次々と明らかになる事実。そして、意外な結末……。そうだよ、観たかったのはこういうの、といいたくなる、おとな向きエンタテインメントです。『淪落の人』香港では日曜になると、街なかの、例えば歩道橋の脇とか、そこかしこにダンボールをしいて、日本でいうとお花見の宴会のように、何人かで飲み食いをしている光景を目にします。普段は住み込みで働くフィリピン人のメイドさんたちが、たまの休みに仲間と過ごす憩いの場です。そんなメイドさんと、雇い主である中年の香港人とのハートウォーミングな心の交流の物語です。雇い主のリョンを演じているのは、ジョニー・トー作品などのハードボイルドからホラームービーまで、守備範囲の広いアンソニー・ウォン。建築現場で働いていたのですが、突然の事故で半身不随となり、その補償金でほそぼそと暮らしています。妻とは離婚、アメリカに留学している息子とスカイプで会話をし、彼の成長だけが生きがいというやや気難しい中年男です。そこに紹介者を通じてやってきたのが、フィリピン人のエヴリン(クリセル・コンサンジ)です。人生は終わったと絶望した男と、写真家の夢を諦め、出稼ぎを選んだ女。言葉もわからず、なかなかうちとけないふたりですが、すこしずつ片言の英語でおたがいの心を通わせるようになっていきます。淪落の人、って「(女性などが)堕落して身を持ちくずすこと」(新明解)と辞書には随分な意味が書かれていますが、このタイトルは、白居易の『琵琶行』という詩からとっているのだそうです。左遷され失意のなかで、やはり人生のどん底にある琵琶の奏者と出会い、天涯淪落の人同士、縁を大切にすべき、と詠った一節です。新人監督のオリヴァー・チャンが、香港の「劇映画初作品プロジェクト」の資金援助を受けて、オリジナル脚本を映画化。香港のアカデミー賞といえる香港電影金像奨でチャン監督が最優秀新人賞。脚本に魅せられてノーギャラで参加したという、主演のアンソニー・ウォンは主演男優賞を獲得しています。良い後味の残る、ウェルメイドな香港映画です。首都圏は、2/1(土)から新宿武蔵野館で公開。中部は、2/1(土)からシネマスコーレで公開。関西は、4/3(金)からシネ・リーブル梅田で公開。『アメリカン・ドリーマー』1970年前後のカルトヒーロー、デニス・ホッパーの関連映画公開が続いています。12月には、そのドキュメンタリー『デニス・ホッパー/狂気の旅路』と、監督第2作『ラストムービー』、そして2月は、1日から『アメリカン・ドリーマー』と大ヒット作『イージー・ライダー』、28日は出演作『地獄の黙字録』が劇場で上映されます。ハリウッドの異端児、鬼才、狂気の芸術家、自由な生き方をめざすヒッピー……、デニス・ホッパーという存在は謎めいて、悪の魅力にあふれています。ジェームズ・ディーンの『理由なき反抗』『ジャイアンツ』に出演した2枚目スターでしたが、60年代はマリファナやドラッグにひたる生活。それをそのまま映画にしたような『イージー・ライダー』(1969年)で監督業に手を染め、一躍注目の人となります。この『アメリカン・ドリーマー』は、監督第2作『ラストムービー』の撮影を終え、編集作業に入っている頃のデニス・ホッパーをとらえたドキュメンタリーです。何も隠すことはない、とカメラの前でマリファナを吸い、バスタブで3Pに熱中し、裸で町を歩く……。どこまでが狂気で、どこまでが正気か? どうやら、狂気のアーティスト、デニス・ホッパーを演じているふしも見え隠れします。大成功のあと、次回作に過大な期待をかけられていることへのプレッシャーがそうさせているとも見えます。いかにも70年代の空気が横溢した作品です。全米の大学キャンパスで上映されたものの、ネガフィルムは焼失。存在する1本のプリントからデジタル化された幻のフィルム。日本ではこれが初の一般公開です。首都圏は、2/1(土)からユーロスペースで公開。『イージー・ライダー』も日本公開50周年記念として、同じ映画館で公開されます。中部、関西は現在未定。
2020年01月27日大人マッシュパーマベースはマッシュベースのショートレイヤー。パーマをゆるくかけてトップのボリュームと束感と動きを作る事でハチの膨らみを解消。ナチュラルでラフな雰囲気の20代30代の方にオススメの髪型です。大人マッシュパーマを見るツーブロックマッシュパーマベースはマッシュベースのショートレイヤー。パーマをゆるくかけてトップのボリュームと束感と動きを作る事でハチの膨らみを解消。ナチュラルでラフな雰囲気の20代30代の方にオススメの髪型です。ツーブロックマッシュパーマを見るコンパクトマッシュベースは襟足とサイド短めのマッシュショート。トップにはレイヤーを多めに入れて立体感を出しています。耳上は中だけ短いツーブロックにして長さはあるけどすっきり感が出るようにしています。コンパクトマッシュを見る大人マッシュパーマベースは襟足とサイド短めのマッシュショート。トップにはレイヤーを多めに入れてゆるめにパーマをかけて立体感を出しています。耳上と襟足を短いツーブロックにしてあるので、全体的に長さはあるけどすっきり感のある印象になります。大人マッシュパーマを見る大人ツーブロックパーマベースは襟足とサイド短めのマッシュショート。トップにはレイヤーを多めに入れてゆるめにパーマをかけて立体感を出しています。耳上と襟足を短いツーブロックにしてあるので、全体的に長さはあるけどすっきり感のある印象になります。大人ツーブロックパーマを見る大人のツーブロックマッシュショートベースは襟足とサイド短めのマッシュショート。トップにはレイヤーを多めに入れてゆるめにパーマをかけて立体感を出しています。耳上と襟足を短いツーブロックにしてあるので、全体的に長さはあるけどすっきり感のある印象になります。大人のツーブロックマッシュショートを見る大人のクセ毛風ショートベースは襟足とサイド短めのマッシュショート。トップにはレイヤーを多めに入れてゆるめにパーマをかけて立体感を出しています。耳上は中だけ短いツーブロックにして長さはあるけどすっきり感が出るようにしています。大人のクセ毛風ショートを見る大人のマッシュパーマベースは襟足とサイドを短くツーブロックにしたマッシュショート。トップにはレイヤーを軽く入れてゆるめにパーマをかけて立体感を出しています。ナチュラルベースなのでビジネスマンの方にもオススメです!大人のマッシュパーマを見る大人ツーブロックパーマベースは襟足とサイド短めのマッシュショート。トップにはレイヤーを多めに入れてゆるめにパーマをかけて立体感を出しています。耳上は中だけ短いツーブロックにして長さはあるけどすっきり感が出るようにしています。大人ツーブロックパーマを見る大人の大人のナチュラルショートアウトラインを短くしたショートスタイルです。後ろは繋がる様に、サイドはツーブロックになる様に刈り上げます。トップにレイヤーを入れ、前髪が重たい印象にならない様に毛量調節し、スタイリングしやすくしています。大人の大人のナチュラルショートを見る
2020年01月24日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明20/1/20(月)イラストレーション:高松啓二今週公開される作品は20本(ライブビューイング、映画祭を除く)。100スクリーンを超える全国のシネコンで拡大上映されるのは『キャッツ』『サヨナラまでの30分』の2本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が18本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『風の電話』岩手県東部、大槌町に住む庭師が海辺の高台にある自宅の庭に建てた電話ボックス。『風の電話』とよばれています。置かれた電話は繋がっていません。他界した従兄ともう一度話をしたいとの思いで作った、象徴的なボックスです。その後震災がおき、家族や知り合いを亡くした人たちが、この電話のことを知り、天国へ想いを伝えようと訪れるようになりました。その姿がテレビなどで報道され、話題になりました。年間3万人が訪れる鎮魂の場所です。この電話をモチーフに映画が作られました。主人公は、大槌で罹災、家族をすべて失い、呉の叔母の家に身を寄せる高校生ハル。映画は、叔母の入院でパニックのようになったハルが、突然故郷をめざし、ヒッチハイクで始める旅の物語です。計画もない、いきあたりばったりの旅。その途上で出会った大人たちとの交流が、自分はひとりぼっちだ、と絶望していたハルの心を癒していきます。彼らは様々な事情をかかえて生きていて、他人のことなどかまっているひまなどないのですが、ハルの様子をみて、思わず声をかけ、手を差し伸べてくれます。演じているのは、三浦友和、西島秀俊、西田敏行といったベテランの役者たち。諏訪敦彦監督は、役者が台本通りにセリフを読むのではなく、状況を理解した役者が自分の言葉で話す「即興芝居」というスタイルの映画作りをする演出家です。それに応えた、名優たちに、存在感、リアリティを感じます。食事のシーンが多いのも面白いです。悲しいことは多いが、人はまず食べなきゃ生きていけないのです。そして主演、ハル役のモトーラ世理奈が素晴らしい。最初は言葉少ないメソメソした孤独な少女ですが、次第に他者との関係性にめざめていきます。ゆっくりと、自分の言葉でぽつりぽつりと話しはじめます。ロードムービーのように、旅をしながらの撮影だったそうです。終盤近く、10分近い長いモノローグは、この旅の中で彼女自身が人間として成長したかのような、心の叫びが感じられ、圧巻です。『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』年明けから、たて続けにおとな向けのミステリー映画が公開されます。いずれも仕掛けが凝っています。例えばこの作品。世界的なベストセラー小説の出版にからむミステリーサスペンスです。大人気シリーズの最終章出版に向けて、フランスの豪邸に世界9カ国から翻訳家が集められます。携帯もパソコンも没収、ロシアの富豪が作った核シェルターのような密室に、いわゆる「缶詰め」状態にされ、翻訳にとりかかります。原稿も毎日20ページ分しか渡されません。そんな徹底した秘密保持策にも関わらず、本の一部が流出、犯人から法外なお金を要求する恐喝メールが版元に届きます。犯人は9人の中にいるというわけです。大ベストセラー『ダ・ヴィンチ・コード』、その4作目『インフェルノ』の出版に際し、アメリカの出版元が各国の翻訳家を秘密の燃料庫に隔離して翻訳作業を行ったという出版秘話にヒントを得ています。この缶詰めに、アジアの翻訳者は対象外だったようです。映画では、中国からも参加、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、ロシア、デンマークから高いギャラで集められます。それぞれ個性的であり、お国柄も違えば、仕事の仕方も異なります。本の内容を知るのは彼らと、作者、そしてこの異常な環境を考えついた出版社の社長だけ。やがて内輪もめが始まり、犯人探しが始まり、思いもつかない展開が……。密室ミステリーの一種ですね。お楽しみに。『イーディ、83歳はじめての山登り』人生を変えてしまう映画とは、実はこういう作品なのかもしれません。30年間介護した夫に先立たれ、ひとりになった83歳のイーディ。身辺整理をしていて、昔父からもらった山の絵葉書を見つけ、山登りか、それもいいなと思いますが……。この年ではとても無理だろうと悩む彼女が吹っ切れたのは、馴染みのフィッシュ&チップスの店での会話でした。「追加の注文には遅い?」と聞く彼女に、「何も遅すぎることはないさ」。店員のこの言葉で彼女はにっこり微笑むのです。マンガなら、頭の上にランプが灯った感じです。ロンドンからスコットランド・インバネス行きの夜行列車に乗り、めざすはスイルベン山。絵葉書に父の自筆で「この変な山に登ろう」と書いてあった山です。イーディを演じるのは、舞台出身の大女優シーラ・ハンコック。綿密なトレーニングを積み。撮影に臨んだとのこと。高齢の役者にとっては大変なチャレンジだったと思います。遅すぎる、ということはない、どんな世代にとっても。一歩踏み出したい人への応援歌のような映画です。首都圏は、1/24(金)からシネスイッチ銀座で公開。中部は、3/7(土)から伏見ミリオン座で公開。関西は、3/20(金)からテアトル梅田で公開。『彼らは生きていた』日本では2月14日(金)に公開される『1917 命をかけた伝令』という第1次大戦を舞台にした戦争映画が評判です。このドキュメンタリーの日本公開が急遽決まったのは、その関連作品とみなされて、のようです。確かにこの2本を観ると、第1次大戦の理解は倍加どころではありません。なんともすさまじい、戦争の記録です。戦争勃発は1914年。映像の世紀は始まっています。戦争の一部始終は映像として残っています。イギリス帝国戦争博物館に保存された数千時間に及ぶそういう戦争の記録映像をデジタル修復、1本の映画にまとめたのは『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督です。フィルムは、傷を取り除き、現代の1秒24フレームに修正し、動きがスムーズになり、着色も加えています。100年前に観たのとは比較にならないリアルさだと思います。サイレント画像に、BBCが収録保存していた退役軍人のインタビュー音声素材、再現音も組み合わせて構成。戦争終結100周年記念行事として、2018年のロンドン映画祭で上映されました。開戦が伝わると、熱病にかかったように軍を志願する10代の少年たち、それを煽るのは宣伝ポスターや国全体の好戦ムードです。彼らは。あまり考えもなく軍隊に入り、軍服に身を包み、軍事訓練に励みます。表情は楽しそうで、どこかピクニック気分です。それが、フランスに派遣され、ドイツと対置する西部戦線に送り込まれたあたりから、微笑みは消え、悲惨な様相を呈してきます。広大な塹壕を堀り、そこをベースにした小競り合いでしかばねを重ねていきます。敵の狙撃により隣にいた戦友の首がふっとび、腕が、足がなくなっていきます。遺骸はそのままにされ、死臭がただよう、この世の地獄です。近代戦の装備がどんどん登場します。まだ飛行機の戦いは主ではありません。戦車が現れ、毒ガスも使われます。毒ガスにどう対処したか、聞くと絶句します。壮絶な、まさに壮絶な戦争です。首都圏は、1/25(土)からシアター・イメージフォーラムで公開。中部は、2/22(土)から名古屋シネマテークで公開。関西は、2/14(金)からテアトル梅田で公開。
2020年01月20日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/1/13(月)イラストレーション:高松啓二今週公開される作品は21本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのは『記憶屋 あなたを忘れない』『ラストレター』『リチャード・ジュエル』『ジョジョ・ラビット』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が17本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『リチャード・ジュエル』衰え知らずの巨匠、クリント・イーストウッドの新作。今回も実話に隠れた真実を描いています。1996年アトランタ五輪開催時におきた爆破事件で一時犯人に疑われ、社会的に糾弾された男をとりあげ、彼の名誉を映画で回復しようという、いかにもイーストウッドらしい男気あふれる映画作りです。しかもこれが見事なエンタテインメントになっています。主人公リチャード・ジュエルは、33歳。ごく普通の警備員です。警察官にあこがれている、正義感にあふれた、いささか空気がよめない人。ちょっとした不正にも一言口をはさむし、武器コレクターです。小太りで、およそモテそうにない風体。善良なのに、ややアブナイ感じに見えてしまいます。野外で開かれた五輪関連イベント会場で、彼はベンチの下におかれた爆発物を発見、必死になって避難を誘導し、爆発の被害を最小にとどめた功績者でした。新聞やテレビでも話題となり、ヒーローに祭り上げられます。ところが、数日後、FBIが彼を容疑者に擬しているという地元紙のスクープ記事がでて、そこから彼はメディアと国民からバッシングを受けることになるのです。FBIの執拗な捜査や尋問も続きます。まさか、彼にとって正義で憧れるFBIが、犯人でない自分を疑うはずがない、という思い込み、勘違いが事態をどんどん悪くしてゆき……。もはや彼の無実を信じてくれるのは、知り合いの、権威を嫌うブライアント弁護士と母のふたりだけという窮地に立たされます。ジュエルを演じたポール・ウォルター・ハウザーがいかにもイノセントで、らしい雰囲気です。彼の弁護士ブライアント役に『スリー・ビルボード』でアカデミー賞を受賞したサム・ロックウェル。母親役のキャシー・ベイツはこの作品で各映画賞にノミネートされています。善良な普通のひとに突然飛びかかってくる、いまのことばでいえば炎上リンチ。SNS時代の今、これをつきつけてくるイーストウッドにうなります。『ジョジョ・ラビット』ヒトラーとナチスをユーモアで風刺した、ポップなコメディにして、ヒューマンドラマの傑作。ゴールデングローブ賞は逸しましたが、米アカデミー賞有力候補といわれる一本です。ナチスが青少年教育、というか、洗脳のために作ったヒトラーユーゲント。そこに所属する男の子ジョジョの日常を描いています。彼は、母とふたり暮らし、10歳です。自分に自信がなく、例えば、ユーゲントキャンプで自己紹介がちゃんとできるか、悩みます。そんなときに、力強く励ましてくれるのが、彼の空想上の友達、ヒトラー君です。キャンプで、うさぎを殺すという課題を実行できず「うさぎのジョジョ」とあだ名をつけられたときも、どこからともなく現れ、「うさぎは勇敢でずる賢く強いんだ」と激励してくれます。そんな彼の日常に、大事件が巻き起こります。ある日、家の天井裏で、ユダヤ人の少女を発見してしまうのです。どうやら、奔放な母が、かくまっていたらしいのですが……。ヒトラーの時代を描いて、ここまで翔んだ映画は少ないと思います。監督は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。母はユダヤ系、父はマオリ系(ポリネシア)のニュージーランド人ですが、劇中、ヒトラーを演じているのは彼です。ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスが無垢で一途、茶目っ気もたっぷりあってかわいいんです。ゴールデン・グローブ賞では主演男優賞候補でした。アカデミー賞もいけるかも。大人の役者では、なんと、サム・ロックウェルがユーゲントの教官役で出演しています。母親役にスカーレット・ヨハンソン。タイトルバックに流れるのが、ビートルズの『抱きしめたい』(ドイツ語版)です。これがぴったり合って、一気にジョジョの世界にひきこまれてしまいます。『私の知らないわたしの素顔』知的で美人、大学教授というキャリア、でも50歳を越え、若さと美貌を失いつつあるひとりの女性が、Facebookで仮想恋愛に夢中になっていくという異色のサスペンスロマンスです。主演は『真実』で是枝裕和作品にも出演したジュリエット・ビノシュ。現代フランスを代表する女優です。ビノシュ扮するクレールは、長く連れ添った夫の不倫が原因で子供とも別れ、いまやパリの高層マンションでひとり暮らし。そんなある日、若い恋人につれなくされ、Facebookの友達申請まで拒否されます。腹を立てた彼女は、彼の友達アレックスに目をつけ、24歳のセクシーな女性になりすまして、SNSフレンドになることに成功します。だてに文学教授をやってきたわけではありません。巧みな彼女のコメントにアレックスが惹かれていきます、そしてクレールも夢中になって、電話で声を交わし、テレフォン・セックスをするところまで発展するのですが……。恋の行方は? バーチャルの恋が「リアル」にどう影響をあたえる? ふたりは会うのか会わないのか? 興味津々です。そして、クライマックスには、彼女の心の真実を見ることになります。恋するクレールがどんどんキレイに見えてきます。ジュリエット・ビノシュ、さすがです。首都圏は、1/17(金)からBunkamura ル・シネマで公開。中部は、2/14(金)から伏見ミリオン座で公開。関西は、2/21(金)からシネ・リーブル梅田で公開。
2020年01月13日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/1/6(月)イラストレーション:高松啓二今週公開される作品は17本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国100スクリーン以上ののシネコンで拡大上映されるのは『フォードvsフェラーリ』『カイジ ファイナルゲーム』の2本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が15本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『フォードvsフェラーリ』ル・マン24時間耐久レースを舞台にした、男たちの壮絶なドラマ。1960年代後半、全盛だったフェラーリに対抗してフォードが挑戦、数年かけて勝利を手にした、その実話を描いています。フォード社のヘンリー・フォード2世、後に社長となるリー・アイアコッカなど、登場人物はほとんど実名です。中心になるのは、マット・デイモンが演じるカーデザイナーのキャロル・シェルビーと、クリスチャン・ベイルが演じる伝説のレーシングドライバー、ケン・マイルズ、このふたりです。フォードは堅実な自動車メーカーで、カーレースなんぞ縁がなかったのですが、トップの鶴の一声でル・マン参戦を決めます。フェラーリ買収に失敗した意趣返しと、ブランドのイメージチェンジを図るためです。プロジェクトのリーダーを命じられたアイアコッカは社外からふたりを起用します。キャロルは心臓病でレーサーをリタイアした後、自ら率いるシェルビー社でル・マンに挑戦する野心家デザイナーです。彼がコンビを組んだケンも妥協をしない頑固かつ無鉄砲なドライバー。この大企業と野武士チームは当然あつれきをうむのですが、そんなことはおかまいなしに、アルチザンの道を突っ走るふたりの破天荒な挑戦が、ドラマをぐいぐい引っ張ります。米アカデミー賞候補確実と思います。ドラマ部分だけでなく、カーレースの映像がすごいんです。1965年当時のレーシングカーは、いまやミュージアム展示品。実際に走らせるために高性能のレプリカを用意しました。ル・マンのレーストラック、観覧席もすべて再現しています。実際のレースシーンの多くはドライバー目線の高性能の車載カメラや、別のカメラ車両を使って撮影されています。もちろんカークラッシュなどCGも使われているのでしょうが、この驚くような臨場感はいままで経験したことがありません。IMAXなど、できたら大画面で観るのがオススメです。キューウィーン……と炸裂し、画面を吹っ飛んでいくエンジン音の迫力も、これまでにない魅力です。ScreenXという左右のスクリーンにも映像を投影する、視野270度の3面マルチプロジェクションでの上映や、シートが動く4DX、その両方装備の上映予定の館もあります。カーレースマニアならずとも、この興奮はたまりません。『フィッシャーマンズ・ソングコーンウォールから愛をこめて』実際にイギリスであった、船乗りコーラスバンドの奇跡ともいえる成功物語を映画化した作品です。2019年にイギリスで公開され、動員100万人を越える大ヒットを記録したといいます。ヒゲ面のむくつけき男たちが主人公。『フル・モンティ』のような、おじさんたちの崖っぷちからのサクセスストーリーかと思われるかもしれませんが、もう少し大らかな人生賛歌です。舞台はイギリス南西部大西洋岸、コーンウォール地方にある港町、ポート・アイザックです。この町の漁師たちは歌が好き。ワーク・ソングというんですか、漁をしながら、18世紀から続く伝統の舟歌を歌います。このコーラスバンド「フィッシャーマンズ・フレンズ」は、1995年にチャリティのために結成されました。2010年にメジャーデビュー。CD売上が、トラディッショナルフォーク部門でトップを記録、2011年2月にはBBCラジオの賞を獲得、国内で大規模ツアーを行うまでになります。プロデューサーなど登場人物の設定は変えてありますが、レコード会社との契約や、Youtubeであがった映像で全国的な人気になったことなど、ほぼ実際にあったことです。映画は、このバンドを見つけたロンドンの音楽プロデューサー、人のよさそうなダニー(ダニエル・メイズ)の、奮闘と恋のドラマになっています。バカンスでやってきて、町の広場で歌うその素朴な歌声に魅了された彼ですが、一筋縄ではいかない海の男たちの説得と、一方で、まさかの舟歌を売り出そうというのですから、音楽業界の猛者たちをどう納得させるか、が見どころです。おもちゃのような家が点在する小高い丘に囲まれた、小さな入り江の港町。男たちが集まるパブ……。イギリスらしい風情もそこかしこに。おやじたちは普段着も絵になりますが、ロンドンにおめかしして行くときの、髭面にサングラス、ピーコートにセーター、ジーンズ。いかにもイギリスの船乗りファッション。とってもおしゃれです。『マザーレス・ブルックリン』エドワード・ノートンが監督、脚本、製作、主演したフィルム・ノワール。ジョナサン・レセムによる小説を映画化、時代設定を1999年から1957年に変えています。ブルース・ウィリス、ウィレム・デフォー、アレック・ボールドウィンと、渋い役者を並べた、渋い探偵映画です。主人公ライオネルは、ニューヨークの私立探偵。トゥレット症候群と強迫性障害という病気を抱えています。突然顔をしかめたり、意味不明の言葉や、卑猥な言葉を発したりします。すべて自分ではコントロールできないことですが、聞いたほうは驚きます。聞き込み中に、本音に近いことを言ってしまい、相手が過剰反応して逆に捜査が進むというメリットもあります。並外れた記憶力の持ち主。そんなキャラクターです。孤児院からブルース・ウィリス扮するフランクに引き取られ、育てられ、仕事も彼から教わって。タイトルはそんなライオネルの出自からとっています。ある日、フランクが事件を捜査中に殺害され、彼はその犯人を追うことに。この映画でひとつの注目は音楽です。1957年のニューヨーク。ハーレムのジャズクラブが頻繁に登場します。ノートンは友人であるウィントン・マルサリスに協力を依頼、彼の全面的なバックアップを得て、クラブを再現しています。マルサリスは舞台裏だけでなく、実際の撮影でもオールスターバンドのひとりとして、トランペットを吹き、マイルス・デイヴィスを思わせる演奏を披露しています。映画は2時間24分とやや長いのですが、おかげでこのクラブシーンはたっぷりあります。この作品も、良い音響設備のある映画館がオススメです。
2020年01月06日おとな向け映画ガイド1月第1週、今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明19/12/30(月)イラストレーション:高松啓二お正月第1週。公開される作品は9本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国のシネコンで拡大上映される作品はなく、すべてミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3本をご紹介します。『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』アメリカ大統領選に挑戦する国務長官とスピーチライターのラブストーリーです。映画のチラシには「男女逆転シンデレラストーリー!」とあります。国務長官役になんとシャーリーズ・セロン。その恋のお相手はややダサめのお兄ちゃん、例えていうと、過激なドキュメンタリーで知られるマイケル・ムーアがひげをはやし、少しやせた感じ。黒縁メガネ、丸い顔、服は無頓着、言葉は早口なうえ、話せば悪口雑言。この組み合わせが意表をつきます。うまくいったら、彼は大統領の夫。ファースト・レディ、ではなく、なんていうのでしょう、そういう存在になるのです。エリートコースを歩み、国務長官まで上り詰めたシャーロット(シャーリーズ・セロン)。片や、フレッド(セス・ローゲン)は潜入取材も辞さない突撃ジャーナリストで、会社をケンカ離職したところ。このふたりが、偶然、久しぶりに、あるパーティーで再会します。実は幼馴染で、年上の彼女は彼のベビーシッターをやったことがある、という関係。フレッドにとっては初恋の人です。もちろん片思いですが。大統領選に備え、専用のスピーチライターを探していたシャーロットは、フレッドの起用を思い立ちます。それが大成功。彼の得意なトゲのある文章、きついジョークは抑えめに、少女の頃の理想とか、夢見たことなど、フレッドのスピーチ原稿にはシャーロットが忘れかけていた自分自身のアピールポイントが巧みに織り込まれていたのです。彼は見事に役をこなしていきます。環境問題に対応するため、世界を飛び歩く激務に、側近として同行し、そして……。シャーロットにいいよるプレイボーイなカナダ首相、頭が空っぽとしか思えない米大統領、金髪のメディア王など、VIPをカリカチュアライズした登場人物にも笑えます。ホリデー・シーズンぴったりの、気楽に観られ、後味もいいラブコメです。『エクストリーム・ジョブ』本国で歴代興行収入NO.1の刑事アクションです。爆笑コメディ、といってもいいかもしれません。こういう映画がでてくるのも、韓国映画が元気な証拠です。国際麻薬犯罪組織を追う捜査チーム。かなり個性豊かな面々が、ドジな失敗を繰り返すなか、やっと敵のアジトをつきとめます。道路をはさんだ向かいにあるチキン料理屋で、客を装い張り込み捜査を始めます。この店、客がほとんどこない閑古鳥状態ですが、時々その組織の事務所が出前を頼むという、捜査には絶好の場所。にもかかわらず、突然、経営危機で店をたたむと主人から打ち明けられてしまい……。年下のライバルチームに差をつけられている中、何とかこのチャンスを逃したくない捜査班コ班長は、この店を買い取るという大胆な策にでます。といっても数々の失敗実績で捜査費はでない。苦肉の策で、なんと、退職金を担保に金を借り、この店の経営を引き継いでしまうのです。チーム全員が店員となって、偽装営業をはじめるのですが。チームのひとり、マ刑事があみだしたチキンのタレが絶品で、このチキン店が大当たり!決しておちゃらけたドタバタ・コメディというだけではありません。班長は、警察本部にいる上司からのプレッシャーや、ライバルの他部署とのあつれき、妻からのお小言、といまや悲しみの中間管理職。でも、タフなんです。演じているのはリュ・スンリョン。韓国映画ではおなじみの顔です。チキン店が繁盛した立役者、マ刑事役のチン・ソンギュは、チキン料理人はひょっとして天職かと悩むところがかわいいキャラ、イ・ハニ扮する伝法な女性刑事もこういったチームには欠かせません。『さよならテレビ』東京のポレポレ東中野でお正月に公開されるドキュメンタリーには傑作が多いんです。『人生フルーツ』は2018年1月2日にここ1館で封切り、全国120館まで上映館を広げ、大ヒットしました。その前年は、やくざの親分がライフスタイルと意見を語る『やくざと憲法』を公開。今回のこの作品も2作同様、東海テレビの製作、テレビニュースの放送現場を描いた問題作です。取材されてみて初めて取材される側の気持ちが理解できる、といいますか。「カメラ回すなよ」「気になって仕方がない」とか、報道局内でも撮影されることへのハレーションはありますし、場合によったら恥部もさらけだす覚悟も必要です。よくここまで描けた、社内の理解が得られたな、と驚くテレビの自画像です。視聴率は他局から抜かれっぱなし、もっと数字を取れるネタを集めてこいとゲキを飛ばす報道部幹部。一方で、「働き方改革」を報道するテレビ局がブラック企業と非難されてはと、残業はできるだけ減らせ、という。ジャーナリストである前にサラリーマンである矛盾。そういう業務合理化対策で雇用契約された若い派遣スタッフ、同じく短期契約のディレクター、夕方のニュースのメインキャスターに起用された局アナの3人を中心に、テレビ局報道部が描かれます。取材現場だけでなく、日々の編集会議の模様や、放送事故の現場まで、生放送でのミス、トラブルなど自らを潔よくさらけ出しています……。決してハッピーでも予定調和でもない結末。これからどうなるんだテレビは!、という叫びが聞こえてきます。東海テレビ開局60周年記念として放送された番組に、新たな映像を加えて再構成した映画です。中部地区だけの放送だったため、うわさの番組となり、録画映像が業界人の間で相当出回ったといいます。貴重な映像です。首都圏は、1/2(木)からポレポレ東中野で公開。中部は、1/2(木)から名古屋シネマテークでで公開。関西は、1/4(土)から第七藝術劇場他で公開。
2019年12月30日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。年末にことしのベストムービーが登場!ぴあ編集部 坂口英明19/12/23(月)イラストレーション:高松啓二ことし最後の週末。公開される作品は10本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのは『男はつらいよお帰り 寅さん』『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』の2本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が8本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『パラサイト 半地下の家族』前評判がすこぶるよく、1月の公開予定が、急遽年末に先行公開となりました。2019年最後にロードショーするこの映画が、ことしのベストムービー!と思います。ともかく観終わって興奮しました。思わぬ展開で最後まで目がはなせません。是非観ていただきたいので、慎重にご紹介します。中心になるのは4人家族、ソウルの下町に住んでいます。家は半地下にあり、居間の窓からは、道行く人の首より下だけが見えます。時には酔っ払いが窓に向けて立ち小便をしたりする、そんな場末です。父は気はいいが、何をやってもうまくいきません。母は一見ルーズ、いざというときは強い下町のおっかさん。二十歳前後の息子と娘はそこそこのルックス。4人の共通点は、口が達者で悪知恵がはたらくこと。善人そうに見えるのが特徴です。といってこれまで世渡りがうまかったわけではありません。息子ギウは予備校通いの浪人中ですが、兵役の前後にみっちりやっているため、いわば「受験勉強」のプロ。いっぱしのことをいいます。友人がそんな彼の能力を見込んで、金持ち一家の娘の家庭教師になる話を持ち込んできます。大学在学証明を偽造、面接も弁舌さわやかに、先方の母と娘の心をガッチリつかみます。さらに、その娘の弟が絵を描くのが得意とみるや、この才能は伸ばすべきとアドバイス。知り合いの知り合いで、シカゴ留学の経験もある美術教育のプロを知っているとほのめかす。なんのことはない、それはギウの妹で、彼女も見事にこの役をこなしていきます。そして、おかかえ運転手に父、家政婦に母と、家族はみるみる、この丘の上の豪邸に住む金持ち一家にまるでウイルスのようにパラサイト(寄生)していくのです。と、ここまではお伝えしてもよいと思うのですが、話はこれが序の口なのです。カンヌ映画祭パルムドール(最高賞)受賞、当然でしょう。米アカデミー賞は外国語部門候補に残っています。残念ですが、日本のほとんどの映画賞は候補の対象期間からはずれます(日本アカデミー賞12/15公開、キネ旬ベストテンは12/19公開まで)。監督はポン・ジュノ、『殺人の追憶』『母なる証明』など、韓国の巨匠。名コンビ、ソン・ガンホが父親役です。12/27(金)から1/9(木)まで、東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田で特別先行公開。1/10(金)から全国公開。『男はつらいよお帰り 寅さん』車寅次郎さんがどんな形で登場するか、は明かせません。振り返れば、テレビでは奄美大島でハブに噛まれれて亡くなりましたが、映画の寅さんは、まだ旅の空のはず、です。22年ぶりの続編。主人公は満男君です。彼ももう50歳近く。ちょっと売れはじめの小説家になっています。妻に先立たれ、中3の娘と二人暮らし。妻の七回忌の法要で柴又の実家に帰ってきて……という始まりです。懐かしい顔が並びます。さくらさんも博さんも。大人になった満男が、悲恋に終わった泉と再会します。これがなるほど、の展開。リリーさんも元気です。団子屋さん「くるまや」はどうなった?裏の印刷工場は?題経寺は?そして肝心のあの人は?昔のことを思い出す満男。何か困ったことがあるといつもあの人がいてくれた。「風に向かって俺の名前をよべ」と言ってくれた。それにしても困った人でもありました。いつか皆でメロンを食べていたことがあって……と、いろんな寅さんエピソードが浮かんできます。過去49作のなかから引用される思い出の数々。「これが男はつらいよの集大成」、確かにそんな映画です。タイトル前のプロローグ、映画用語でアバンタイトルといいますが、いつも寅さんの旅先の夢で始まります。今回は満男が「あ、夢か」とつぶやくと、丸い文字のいつものタイトルに「ちゃーん、ちゃららららら」のあのテーマソング。久しぶりに大画面で観ましょう。老いも若きもお正月映画は、寅さん!です。『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』北欧はヘヴィメタルが大人気だそうです。フィンランドの人口は550万人、メタルバンドは3000あると、この映画のサイトに書いてあります。そういえば、エアギター世界選手権が毎年行われるのもこの国です。あれもメタル系多いですものね。この作品はフィンランドとノルウェーの合作、元気なヘヴィ・メタルバンドの物語です。ロングヘアー、無精ひげ、タトゥー、革ジャン、鎖チャラチャラの出で立ち。音楽のジャンルをきかれると「終末シンフォニックトナカイ粉砕反キリスト戦争推進メタル」と答えるし、バンドの名前は「インペイルド・レクタム(直腸陥没)」。演奏する曲は「溢れ出る分泌物またはももに垂れるクソ」って、おいおいな感じですが、実は素朴な好青年。フィンランド北部、小さな町で12年、幼馴染で作ったバンドです。実は、いつかステージで演奏したいというのが夢の、ライブ童貞。うぶな青年ですから、たまたま知り合ったノルウェーのプロモーターにデモテープを渡せただけで、舞い上がってしまいます。女友達にノルウェーで開かれるロックフェス、ノーザンダムネーションに出ると口走り、その話は、小さな町中に広がって……。フィンランドとノルウェーは北の方で地続きなんですね。奮起した彼らがフィヨルドを越えてオンボロ車でノルウェーをめざす後半は、北欧の美しい景色を背景に、ちょっとほろ苦さも混じった青春爆笑ロードムービーになっています。首都圏は、12/27(金)からシネマート新宿他で公開。中部は、2/1(土)からセンチュリーシネマで公開。関西は、12/27(金)からシネマート心斎橋他で公開。
2019年12月23日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/12/16(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は26本(ライブビューイングを除く)。とても多い週です。全国のシネコンで拡大上映されるのが『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が22本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『テッド・バンディ』ウィキペディアで「シリアルキラー(連続殺人犯)」を調べると、最初に出てくるのがこのテッド・バンディという名前。女性36人以上を殺害した、アメリカ犯罪史上稀にみる殺人鬼が主人公の映画です。だからといって、『ハウス・ジャック・ビルト』のような、どちらかというと、グロなホラーを想像して観ると、これが肩すかしにあうというか、うまく裏切られます。日本公開用のチラシに大きく書かれた「極めて邪悪衝撃的に凶悪で卑劣」という宣伝文句が実は原題。映画は「そういわれているのだが……」と、このシリアルキラーを極悪人として事件を再現するのではなく、長年の恋人、リズの視点から描いていきます。彼女の目には、ハンサムでやさしく向学心に燃える好青年。それが一転、殺人事件の容疑者として逮捕され、有罪の判決を受け、さらに他の州で起きた事件の容疑までかけられてしまうのです。人殺しなんてできる人じゃない、リズからすると、バンディは冤罪? とすら思えてくるのですが……。この事件が全米中で話題になったのは1979年、フロリダでの裁判が公開となり、TV中継されたためです。甘いマスク、弁舌さわやかで、時には軽い冗談を交えて話す彼に、女性ファン、いまでいうと追っかけまで登場します。この一部始終が観ものです。「人間というのは妙な生きものよ。悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事を働く」、池波正太郎さんの鬼平の一節を思い出しました。バンディを演じるのはザック・エフロン。法廷で彼と対置する判事役はジョン・マルコヴィッチです。リズの友人役、どこかで観たことがあります。あの名子役、ではありませんか。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』大ヒットした名作アニメに、250のカット、およそ30分近くが新たに描き加えられました。完全版にしたというよりは、別バージョンとして作られた形。だからタイトルも少し変わっています。すずさんが遊郭に迷い込み、そこで出会ったリンさん。彼女のエピソードがふくらみました。同世代でありながら、まるで別の人生を歩むふたりが心を通わせ、互いを大切な存在と思うまでがていねいに描かれています。このことで、すずさんというひとりの女性が、戦前戦中をどう生きたかだけでなく、世界にはいくつもの「片隅」があるのだと気付かされます。観終わると、すずさん、リンさん、夫に先立たれ北條家に出戻った義姉径子や、義理の母・サンといった女性たち、それぞれの人生が、しみじみと心に残ります。夫、周作もすこし見え方が変わりました。年の瀬。のんさんがあの声でつぶやく「こまったねえ」というセリフをきくのは、心がほっこりして、とてもよろしいと思います。『冬時間のパリ』毎年10月の最終週に、フランスは夏時間から冬時間に切り替わります。やはりパリはこの季節、とてもロマンティックです。そんな季節のなかで、編集者と女優、小説家と政治家秘書、年の頃なら40〜50代でしょうか、ちょっとセレブなカップルが微妙にからみあい、もつれあうオサレな大人のラブコメです。ひんぱんにでてくる話題は、出版業界が直面する電子化問題。男ふたりの大関心事です。主演のギョーム・カネは書籍系出版社の編集者ですが、電子書籍にどこまで対応するか、目下検討中。電子化担当の部下との不倫関係も同時進行中です。ジュリエット・ビノシュは彼の妻役、TV刑事シリーズに出演する中堅女優ですが、どうやら夫が担当する小説家と浮気中。その小説家が書いた新作も不倫がテーマで……。電子書籍と恋愛。みんなとても忙しいのです。気の利いたセリフと知的会話がいっぱい。ウディ・アレン作品を思わせる都会派コメディです。監督はオリヴィエ・アサイヤス。ビノシュの主演で、ニューヨーク・タイムズの「21世紀の映画暫定ベスト25」に選ばれている『夏時間の庭』という作品がありました。首都圏は、12/20(金)からBunkamuraル・シネマで公開。中部は、1/11(土)から伏見ミリオン座で公開。関西は、1/17(金)からテアトル梅田他で公開。『サイゴン・クチュール』ファッションデザイナーを目指す女性が、1969年のベトナムから現代へタイムスリップするファンタジー。1969年といえば、ベトナム戦争中ですが、この作品はそれを完全にネグっています。戦時臭はなく、この映画にでてくる女性たちはポップな60sを謳歌しています。それがベトナムで大ヒットしたといいます。そういう時代なんですね。伝統衣装アオザイを扱う老舗の娘ニュイはミス・サイゴンに選ばれるほどの美女。9代続く家業を嫌い、パリのファッションに憧れています。彼女がデザインする服は、当時としてはハイファッション風。そんな彼女が突然のハプニングで現代へ。ファッション・ビジネスに潜り込むのですが、今観るとどこか野暮ったいニュイのセンスでは、成功はとても無理。いくつもの現実を目の当たりにする中で、最後にアオザイをアレンジしたデザインを思いつき、認められます。50年経って古いものが一番新しいものになっているというアイロニーでしょうか。古いと馬鹿にし、反発していた家業とそれを守る母の気持ちに目覚め、過去に戻るという、まるで松竹新喜劇のような人情ベトナムファンタジー。音楽、ファッション、ヘアスタイルもアメリカの影響下にあったカラフルなアジアの60’sカルチャーが楽しい。とてもかわいらしい映画です。首都圏は、12/21(土)からK’s cinemaで公開。中部は、12/28(土)から名演小劇場で公開。関西は、1/25(土)からシネ・ヌーヴォで公開。
2019年12月16日この投稿をInstagramで見る 毎日20人近くショートのお客様をカットさせていただいています^_^ いつも自分に大切な髪を切らせていただきありがとうございます^_^ . . ☆手で乾かすだけで立体感あるショートに!(アイロンやブラシを使う事はありません^_^) ☆指名のお客様の90%以上がショート〜ボブです! ☆2016〜2019年BEAUTRIUMお客様の指名数No.1 ネットからの予約がいっぱいでも、お店に直接お電話頂ければ予約が取れる場合がございます(^^) . (当日や前日の予約キャンセルは、予約を取りたかった他のお客様にもご迷惑がかかるため極力避けていただければ幸いです(^^)) . . . #カット #久保ショート #カラー #パーマ #ファッション #ヘアカタログ #ショートカット #吉瀬美智子 #波瑠 #長澤まさみ #辺見えみり#ヘアスタイル #表参道 #美容室 #撮影 #田丸麻紀 #滝川クリステル #比留川游 #30代髪型 #北川景子 #米倉涼子 #30代ヘアスタイル #40代ヘアスタイル #ショートヘア #ショートボブ #ピアス #ヘアアレンジ #ボブ #アクセサリー #前髪 ショートヘア/ショートボブ/ヘアカタログ/久保 友洋 (@tomohirokubo)がシェアした投稿 - 2019年12月月5日午前4時55分PST この投稿をInstagramで見る もうすぐ12月! 年末にむけてたくさん大人可愛いスタイル作ります!^_^ . . ☆手で乾かすだけで立体感あるショートに!(アイロンやブラシを使う事はありません^_^) ☆指名のお客様の90%以上がショート〜ボブです! ☆2016〜2019年BEAUTRIUMお客様の指名数No.1 . . ☆お客様への大切なお願い☆ 当日や前日の予約キャンセルは、予約を取りたかった他のお客様にもご迷惑がかかるため極力避けていただければ幸いです! . ネットからの予約がいっぱいでも、お店に直接お電話頂ければ予約が取れる場合がございます(^^) . . #カット #久保ショート #カラー #パーマ #ファッション #ヘアカタログ #ショートカット #吉瀬美智子 #波瑠 #長澤まさみ #辺見えみり#ヘアスタイル #表参道 #美容室 #撮影 #田丸麻紀 #滝川クリステル #比留川游 #30代髪型 #北川景子 #米倉涼子 #30代ヘアスタイル #40代ヘアスタイル #ショートヘア #ショートボブ #ピアス #ヘアアレンジ #ボブ #アクセサリー #前髪 ショートヘア/ショートボブ/ヘアカタログ/久保 友洋 (@tomohirokubo)がシェアした投稿 - 2019年11月月29日午前5時33分PST 大人のエアリーレイヤーショートトップにオリジナルのメッシュレイヤーとスライドカットをいれた大人の美人ショートです。タイトショートをベースに後頭部とサイドのポイント、トップのみにメッシュレイヤーをいれてメリハリをつけます。シンプルにオシャレでこなれた雰囲気になれるオススメショートスタイルです!大人のエアリーレイヤーショートを見る"2wayスタイル" 大人万能ショートサイドを下せば軽めのショートボブスタイル。サイドを耳にかければショートスタイルに変わる2wayショートスタイルです。顔型もカバーしやすい”女性らしい”万能スタイルです。トップはオリジナルのメッシュレイヤーでバリューム感と柔らかさを出します。サイドと耳後ろは軽め、後頭部は重めに残すことで手ぐしだけで今っぽい立体的なシルエットになります。"2wayスタイル" 大人万能ショートを見る☆ボリュームUP☆大人ショートボブ後頭部にボリュームのでるショートボブスタイルです!襟足は少し長めに残し、女性らしく立体的なスタイルにカットします。クセがある方はいかしてカットします。直毛の方はワンカールのパーマをかけます。顔型もカバーしやすいので比較的に似合わせやすいスタイルです☆ボリュームUP☆大人ショートボブを見る☆黄金バランス☆大人スウィートショート誰でも似合わせやすい黄金バランスショートスタイル!一人一人の顔型にあわせてひし形シルエットでカットします。ひし形シルエットが頭や顔を小さく見せます。トップはふんわりレイヤーでボリュームを出して、オリジナルのアールカットで後頭部の丸みと襟足のタイトさを作ります。前髪はとにかくその方に似合うようにカットします。骨格、毛質、生えグセにあわせて細かくカットしていきます。直毛すぎる方はワンカールのパーマをオススメします。☆黄金バランス☆大人スウィートショートを見る☆カットで立体的に☆大人エアリーショートスタイリングが簡単なのにオシャレでこなれた雰囲気のでるショートスタイルです!少しだけ長く残して首に貼り付けるよういエリアシをカットすることで首を細く長く見せることができます。後頭部はオリジナルのアールカットで立体感を出しつつ、トップはふんわりボリュームがでるようにカットします。耳周りはすっきりできるようにいらない部分を軽くカットしています。クセが少しでもある方はカットだけで作れますし、直毛の方は頭の形にあわせてより立体的になるようにパーマをかけます。☆カットで立体的に☆大人エアリーショートを見る大人のリラックスショートカットで作る大人可愛いショートボブスタイル!!エリアシは少し長めに残し女性らしく首に張り付くようにカットします。トップはボリュームがでるように後頭部に丸みを残しながらフワッとレイヤーをいれます。直毛の方は軽くパーマをかけるとより扱いやすくなります。大人のリラックスショートを見る大人のフレンチナチュラルショート柔らかさのある女性らしい万能ショートスタイルです!がっつりショートは短すぎるしボブよりは短くしたい方にオススメです。顔周りに少し長さが残るので顔型もカバーをすることも可能です。後頭部はふんわりさせるようにレイヤーをいれます。トップから根元のボリュームをだすようにパーマをかけます。大人のフレンチナチュラルショートを見る この投稿をInstagramで見る ショートヘアは "ナチュラルに柔らかく可愛く" . . ☆手で乾かすだけで立体感あるショートに!(アイロンやブラシを使う事はありません^_^) ☆指名のお客様の90%以上がショート〜ボブです! ☆2016〜2019年BEAUTRIUMお客様の指名数No.1 ネットからの予約がいっぱいでも、お店に直接お電話頂ければ予約が取れる場合がございます(^^) . (当日や前日の予約キャンセルは、予約を取りたかった他のお客様にもご迷惑がかかるため極力避けていただければ幸いです(^^)) . . . #カット #久保ショート #カラー #パーマ #ファッション #ヘアカタログ #ショートカット #吉瀬美智子 #波瑠 #長澤まさみ #辺見えみり#ヘアスタイル #表参道 #美容室 #撮影 #田丸麻紀 #滝川クリステル #比留川游 #30代髪型 #北川景子 #米倉涼子 #30代ヘアスタイル #40代ヘアスタイル #ショートヘア #ショートボブ #ピアス #ヘアアレンジ #ボブ #アクセサリー #前髪 ショートヘア/ショートボブ/ヘアカタログ/久保 友洋 (@tomohirokubo)がシェアした投稿 - 2019年12月月3日午前2時59分PST この投稿をInstagramで見る 10月オーダーの多かったスタイル^_^ 1〜3位(集計はなんとなくのイメージです笑) . . ☆手で乾かすだけで立体感あるショートに!(アイロンやブラシを使う事はありません^_^) ☆指名のお客様の90%以上がショート〜ボブです! ☆2016〜2019年BEAUTRIUMお客様の指名数No.1 ネットからの予約がいっぱいでも、お店に直接お電話頂ければ予約が取れる場合がございます(^^) . (当日や前日の予約キャンセルは、予約を取りたかった他のお客様にもご迷惑がかかるため極力避けていただければ幸いです(^^)) . . . #カット #久保ショート #カラー #パーマ #ファッション #ヘアカタログ #ショートカット #吉瀬美智子 #波瑠 #長澤まさみ #辺見えみり#ヘアスタイル #表参道 #美容室 #撮影 #田丸麻紀 #滝川クリステル #比留川游 #30代髪型 #北川景子 #米倉涼子 #30代ヘアスタイル #40代ヘアスタイル #ショートヘア #ショートボブ #ピアス #ヘアアレンジ #ボブ #アクセサリー #前髪 ショートヘア/ショートボブ/ヘアカタログ/久保 友洋 (@tomohirokubo)がシェアした投稿 - 2019年11月月13日午前3時38分PST この投稿をInstagramで見る 「友達のショートヘアが可愛かったから」 「友達がカットすごい上手いからって言って紹介してくれた」 「娘にすすめられて^_^」 本日既存のお客様の紹介で3名新しいお客様の髪を切らせていただきました。 ありがとうございます^_^ 紹介してくれた方の信頼、 紹介された方の期待に 少しでもこたえられるように精一杯カットさせていただきます^_^ 毎日たくさんのご来店ありがとうございます^_^ . . ☆手で乾かすだけで立体感あるショートに!(アイロンやブラシを使う事はありません^_^) ☆指名のお客様の90%以上がショート〜ボブです! ☆2016〜2019年BEAUTRIUMお客様の指名数No.1 ネットからの予約がいっぱいでも、お店に直接お電話頂ければ予約が取れる場合がございます(^^) . (当日や前日夜の予約キャンセルは、予約を取りたかった他のお客様にもご迷惑がかかるため極力避けていただければ幸いです(^^)) . . . #カット #久保ショート #カラー #パーマ #ファッション #ヘアカタログ #モデル #吉瀬美智子 #波瑠 #長澤まさみ #辺見えみり#ヘアスタイル #表参道 #美容室 #撮影 #田丸麻紀 #滝川クリステル #比留川游 #新垣結衣 #中谷美紀 #米倉涼子 #30代ヘアスタイル #40代ヘアスタイル #ショートヘア #ショートボブ #ピアス #ヘアアレンジ #ボブ #アクセサリー #前髪 ショートヘア/ショートボブ/ヘアカタログ/久保 友洋 (@tomohirokubo)がシェアした投稿 - 2019年 9月月2日午前5時40分PDT
2019年12月09日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/12/9(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は22本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのが『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』『ジュマンジ/ネクスト・レベル』『屍人荘の殺人』『カツベン!』『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』5本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が17本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『カツベン!』活動写真と呼ばれた無声映画に、芝居がかった解説をつけて上映する、この日本オリジナルスタイルから生まれたスターが活動弁士、略して「カツベン」です。いまもその芸を受け継ぐ弁士がいますし、坂本頼光のようにお笑いライブで活躍する人もいて、ひそかな人気になっています。それはさておき。その活動弁士を主人公に、無声映画黄金時代の大正から昭和初期の映画館を舞台にした極上のドタバタコメディに仕立てたのは『Shall we ダンス?』の才人、周防正行監督です。とても凝っています。劇中で使われる無声映画をまず、オリジナルで製作するところから始まり、撮影場所も、全国の古い芝居小屋、映画館、日光江戸村、東映の京都撮影所など、らしく見える場所を探しまわったそうです。中心になったロケ地は福島市にある旧廣瀬座という、国の指定重要文化財の劇場です。カツベンがどう演じられていたか、欠かせなかったという楽隊がどこに配置され、どんな風に演奏したか。この辺りの再現には力が入っています。サイレント映画の上映なのに、まるで寄席か大衆演劇のような話芸あり、ヴォードヴィルのようなライブありと、音に溢れていたのです。活動弁士を目指す染谷俊太郎役に成田凌、女優志望の栗原梅子役に黒島結菜、この若いふたりを中心に、周防組らしく芸達者が顔をそろえています。カツベンの先輩弁士に永瀬正敏、高良健吾。竹中直人と渡辺えりは映画館の気のいい館主夫婦。そのライバル館の社長で悪玉が小日向文世など、名前を挙げるとキリがないですが、特に徳井優、田口浩正、正名僕蔵の楽士三人組がてんやわんやの狂言回しふうな役割で、大笑い。スラップスティック・コメディっぽいといいますか、アクションで楽しませてくれる、最近には珍しい映画です。『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』ガウディのサグラダ・ファミリア、アンコールワット遺跡など、写真で見るだけでも、ただひたすら感嘆し、凄い!とうなるしかない建造物があります。この映画にでてくる、フランスの片田舎に建つ「宮殿」にも驚きます。シュヴァルという郵便配達員が、33年かけ、たった一人で手造りした理想宮です。実際にあった話で、この建造物はその後きちんと修復管理され、いまもフランス南東部の小さな村にあり、観光名所になっているのだそうです。郵便配達で1日32キロ歩き、仕事を終えてから10時間が宮殿作り。配達の途中も、理想宮のことを考え、路傍でみつけた石を拾い、これはあそこに使おうとか……。19世紀の終わりから、世紀をまたぎ、第1次大戦もほぼ無縁に、1920年代の半ばまでこつこつと作り続けたのです。実直を絵に書いたような彼が、なぜこういうことを始め、何をめざしたのか。きっかけは、娘に喜んでほしい、娘を驚かせたい、という不器用な男の愛の表現だったのですが。しかし、それにしては抽象的でぶっとんだ着想というか想像力の産物です。ジャック・ガンブランという役者が演じるシュヴァルは、日本でいうとまるで若い頃の笠智衆のようなたたずまい。彼をあたたかく見守り、ともに人生を歩んだ妻フィロメーヌ役のレティシア・カスタの、複雑な表情が印象的です。『再会の夏』フランスの忠犬物語。予告を観たときからうるっときましたが、もうこの黒いワンちゃんがけなげで……。第1次世界大戦後、レジオンドヌール勲章まで受勲した戦争の英雄ジャックが、軍を侮辱したと逮捕、収監されます。弁明を拒絶した彼を尋問するため、軍判事の少佐が留置所を訪れると、その中庭で何かを訴えるように、吠え続ける一匹の黒い犬がいたのです……。第1次大戦では、多くの動物たちが戦場で、地雷処理や攻撃などに参加したといいます。そんな史実もふまえたジャン=クリストフ・リュファンの、仏ゴンクール賞受賞小説を映画化した作品です。監督は86歳の名匠ジャン・ベッケル。軍に忠誠を尽くしてきた、退役間近のランティエ少佐を演じるのはフランソワ・クリュゼ。『最強のふたり』の名優です。かたくなに口を閉ざすジャックに向き合い、彼と暮らしていた女性を訪ね、彼が栄誉を捨ててまでして守ろうとしたのは何だったのか、を探っていきます。この少佐の存在が、心温まる映画、を支えています。もちろん、ボースロン犬(ドーベルマンの一種)、イェーガー君の活躍も特筆ものです。『つつんで、ひらいて』本の装幀、手がけた数は1万5千冊という、この世界の第一人者、装幀家・菊地信義さんを描いたドキュメンタリーです。大江健三郎、吉本隆明など文芸書が多い菊地さんの仕事。一冊一冊、どんなカバーをつけるか、どんな書体でタイトルを表現するか。タイトルがプリントされた紙を、くしゃくしゃにまるめ、それを広げ、またくしゃくしゃにし、広げて、コピーを取る。 文字がかすれた感じになって。うん、これでできた、とうなづく。文字を切り取り、レイアウト通りに貼り込む。それで実際のカバーのように本を包んで、眺めてみる。映画のこのタイトルは、そんな菊地さんの仕事ぶりそのままです。それから、文字を、例えば0.5ミリ右に、とか動かして調整する。もちろん最後はパソコンでの作業になり、そちらは助手の方がやられるので、菊地さんのデスクは筆記具とカッター、のりの手仕事道具のみ置かれています。芸術家でもデザイナーでもなく、本の職人さんです。お弟子さんにあたる、若い装幀家・水戸部功さんの「パソコンでスケッチしている感覚」という、パソコンで完結する仕事の仕方とは好対照です。ものを「こしらえる」ことを、神田生まれの菊地さんの祖母は「こさえる」といっていたそうです。「デザインってそういうことです。“こさえる”なんですよ」と菊地さん。原稿を読み込み、あらゆる手法を試み、著者のイメージを羽ばたかせる装幀。小説家・古井由吉さんによれば「自己模倣したくない、ということでしょう。常に何かちがう」。こういう時代だからこそ、手に取りたくなる、開いてページを繰ってみたくなる本はあります。そんな本と出会いたい、本好きの皆さんにオススメの映画です。是枝裕和さん率いる映像クリエーター集団「分福」の製作、監督は劇映画『夜明け』でデビューした広瀬奈々子さん。首都圏は、12/14(土)から渋谷・シアター・イメージフォーラムで公開。中部は、名古屋シネマテークで近日公開。関西は、1/11(土)から第七藝術劇場で公開。
2019年12月09日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品!ぴあ編集部 坂口英明19/12/2(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は15本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのが『ルパン三世 THE FIRST』『午前0時、キスしに来てよ』『ラスト・クリスマス』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が12本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『ラスト・クリスマス』これぞクリスマス・ロマンティック・コメディ!主人公ケイトはちょっとドジで愛嬌のあるクリスマスショップの女性店員。いつも小妖精の格好をして働いています。場所はロンドン。街全体がイルミネーションでキラキラ輝く季節。雪も少し降り。そこに謎めいたアジア系の青年トムが現れて。ワム!の『ラスト・クリスマス』が流れ……。もうすべてがそろっています。ワム!の、その大ヒット曲からインスパイアされたオリジナル・ストーリー。クリスマスに他界したジョージ・マイケルの歌は、未発表曲も含め、劇中ふんだんにちりばめられています。原案・脚本を担当したのはイギリスの大女優エマ・トンプソン。ケイトの母親役で出演もしています。そういえば、彼女は同じくロンドンを舞台にしたクリスマス映画『ラブ・アクチュアリー』にも出演していましたね。主演のケイト役はエミリア・クラーク、トム役には『クレイジー・リッチ!』のアジア系イケメン、ヘンリー・ゴールディングが扮しています。クリマスショップの、サンタとよばれるオーナー役はミシェル・ヨー(私は『グリーン・デスティニー』を思い出します)。彼女の大人の恋や、ケイトの家族の物語、トムがボランティアで手伝うホームレスのためのイベント、そして感動のラスト!映画館を後にするときは、あのメロディを口ずさみ、幸せな気持ちになっているはずです。『私のちいさなお葬式』心臓病で医者に余命わずかと宣告された73歳の女性が、誰にも迷惑をかけずに、ひとりでひっそりと自分のお葬式をやろうと決める、そんなロシアの「終活」映画。といってもシリアスなドラマではなく、どちらかというとクスリと笑える系のコメディです。小さな村の、ひとつしかない学校で長年教師を務め、いまは年金生活。夫に先立たれてひとり暮らし。都会に居る息子は成功していて忙しく、5年に一度顔をだす程度。自死をする覚悟で、生前にお葬式の準備をしてしまおうとするのですが、例えば、死亡診断書とか、本来なら亡くならないと出せません。でも村に住む大人はほとんど教え子。真面目な、でも優しいこの先生に頼まれるといやとはいえないのです。諸手続きを済ませ、棺桶を買い、葬式での食事を用意。あとは死ぬだけなのですが……。主演のエレーナを演じるマリーナ・ネヨーロワ、隣家に住む友人役のアリーサ・フレインドリフという、ロシアを代表する名女優ふたりが、ともに存在感のある演技で素晴らしいです。原題は「解凍した鯉」。登場する鯉の「名演技」も観ものです。驚いたのが劇中歌。日本ではザ・ピーナッツが歌った『恋のバカンス』のロシア語版が主人公の思い出の歌のように流れます。宮川泰が作曲した1963年のヒット曲ですが、ソ連でも大ヒットしたそうです。聡明で、どこかかわいらしいおばあちゃんの、愛すべきロシア映画です。首都圏は、12/6(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、12/14(土)から名古屋シネマテークで公開。関西は、12/6(金)からシネ・リーブル梅田で公開。『リンドグレーン』スウェーデンの作家、『長くつ下のピッピ』などの子供向け小説で世界的に知られるアストリッド・リンドグレーン。1907年に生まれ94歳で他界した彼女の、16歳から10年間、まさに「作家リンドグレーン」が誕生するまで、を描いています。彼女は、スウェーデン南部の小さな町ヴィンメルビー生まれ。教会の土地で農業を営む、大家族のなかで育ちました。身の回りのことを書いた作文が地元紙に掲載されたことがきっかけで、小さな新聞社で編集助手の仕事を得ます。ときには秘書、取材や原稿書きもする、楽しそうなハイティーン。ポスターなどメインビジュアルでは、この頃の彼女の生き生きとした姿が使われています。ところがこの後、年上の男性との不倫、シングルマザーになる、など、戦前の女性としては波乱万丈のストーリーが待っています。その中に、彼女がなぜ、世界の子供たちに愛読されたエバーグリーンの物語を作ることができたかという秘密への答えもあります。作家になってからのサクセスストーリーよりも、小説の愛読者にとって、興味のある内容かもしれません。同じ北欧、デンマークを代表する女性監督のひとり、ペアニレ・フィシャー・クリステンセン作品。岩波書店の本でおなじみのリンドグレーンの映画、東京の上映館は当然、岩波ホールです。首都圏は、12/7(土)から岩波ホールで公開。中部は、1/11(土)からセンチュリーシネマで公開。関西は、12/27(金)からシネ・リーブル梅田で公開。
2019年12月02日