フェラガモ(FERRAGAMO)は2月24日、ミラノで2024年春夏コレクションを発表しました。Courtesy of FERRAGAMOフェラガモの2024年秋冬コレクションで、マクシミリアン・デイヴィスは1920年代を独自の視点で探求し、その自由なアイデンティティのエッセンスを抽出します。短いヘムライン、流れるようなファブリック、ドロップしたウエスト、リラックスしたカッティングなど、これまでの社会的慣習から解放された象徴的なビジュアル・コードを凝縮し、より磨きをかけて洗練させたコレクションは、19-20世紀の2つの感覚を持ち合わせた1920年代の自己表現を反映させています。1920年代において服は、自由を謳歌する手段の代表の一つでした。そしてその自由の表現は、私自身や私の財産、そしてフェラガモと共鳴するものなのです。ラッカー仕上げのオーガンジーのドレスやきわめてフェミニンな透け感、フェザーやスパンコールの刺繍と並んで、ジョーン・クロフォードやグレタ・ガルボなど男性的なシルエットを好んだ当時の女優たちのワードローブが、広い肩幅、重厚なウール、しなやかなレザーに反映されました。テーラリングでは、シャープで彫刻的なラペルがシュルレアリズムの精神を感じさせ、変形したプロポーションと相まって、まるでレイヨグラフのポートレートのように印象的に仕上げられました。フェラガモのアーカイブにもよく見られるブランケット・ケープは、身を守るためのものとして使用されていた1920年代を表徴するアイテムの一つです。20年代、人々は自分たちを取り巻く社会に対する意見を交換する場として、スピークイージー(禁酒法時代に密かにお酒を提供していたバーなど)を通じて、コミュニティを形成していました。危険を避けるために人々はケープをまとい、身の安全が確保されるまでは着ているものを隠していました。Courtesy of FERRAGAMOこの“身を守る”という発想はこのコレクションのテーマの一つであり、当時のユニフォームに加え、太ももまであるウェーダーやレザーのアウターウエアなどのフィッシャーマンの実用的なワークウエアがインスピレーション源となり、流れるようなドレープと対をなしています。上質なウールカシミアや、エフォートレスな繊細さを演出する裏地のないレザーは、それぞれが異なる柔らかさを表現し、コレクションにフェティッシュな魅力を与えます。Courtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOフットウエアでは、スウィートハートシェイプのサテンパンプス、エレガントなTストラップのスティレットヒール、アーカイブから取り出したストラップサンダルなど、当時を象徴するようなディテールが、控えめながら確かな存在感を示します。「私はいつも、物事を徹底的に見直します。歴史を振り返り、その時代の象徴や流行したものを、よりクリーンでモダンに再定義するのが好きなのです。Courtesy of FERRAGAMOアンドロジニーの精神に基づき、伝統的なブローグシューズのディテールやモンクストラップのバックルをシガレットヒールのミュールに取り入れました。メンズのフォーマルな厳格さはさりげなく姿を変え、ダービーシューズは少しシュールなインパクトを与えるために緩やかに細長いシルエットになり、幾何学的な四角いヒールを採用しました。実用的なブーティは緩やかにボリュームを持たせ、つま先をスクエアにすることで、ヴィンテージのシルエットを現代的にアレンジしています。Courtesy of FERRAGAMOバッグでは、アイコニックな「ハグ」バッグのシーズナルバリエーションとして、フェザーや、グレインドカーフ、新しいフェラガモのモノグラムのスタイルが登場します。950 枚のラミネートレザーのスパンコールを19時間かけて手作業で縫い付けた、まるで人魚の鱗のような特別なモデルは、フェラガモの卓越したクラフツマンシップを表現します。「フィアンマ」バッグには、このコレクションテーマを反映した新しいサイズと陰影のあるアニメーションが仲間入りし、さらにフェラガモの故郷フィレンツェのシンボルであるユリの花をモチーフにしたガンチーニで開閉する、ソフトなフォルムの新しいハンドバッグも登場します。Courtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOお問い合わせ:フェラガモ・ジャパン0120-202-170
2024年03月06日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年3月2日(土)にフランス・パリで発表した。ショーン・マクギアーのデビューコレクション今季は、新クリエイティブ・ディレクターのショーン・マクギアーが手掛ける初のシーズン。ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW Anderson)でヘッドデザイナーを務めた経験も持つショーン・マクギアーがデビューコレクションのテーマに選んだのは「ラフな贅沢」。端正なテーラリングと予想外のフォルムを組み合わせながら、内なる動物性を露わにしていくようなワイルドかつエレガントなクリエーションを提示する。身体を包み込むデザイン散見されたのは、身体を"包み込む”デザイン。ざっくりと編み込んだハンドニットのセーターは、通常の4倍もの大きさの襟を採用しており、着用するとまるで身体が埋め込まれているかのような彫刻的なフォルムに。コルセットをベースにしたダブルフェイスのモヘアニットもまた、グラスのように立体感のある造形で身体を覆う。襟にパッドを配し、極端に誇張したシアリングのコートもアイキャッチだ。すっぽりと身体を覆うことで、逆説的に内側の身体への意識を掻き立てる。また、手を隠すディテールも随所に登場。ドレープを浮かべたラミネートジャージーのドレスはフロントに手を入れておくことのできるスペースがあり、さびたような風合いに仕上げたアビエイタージャケットやスタッズの並ぶレザーブルゾンも同様に、身体の前方にポケットが来るようレイアウトされている。たっぷりと生地を使用したレオパードジャカードのビスコースドレスは、両袖をショールのように繋げたデザインがユニーク。袖口が無く、優雅な生地の流れの中で腕を覆い隠すような設計になっている。拡張と圧縮拡張と圧縮のディテールを混在させることで遊び心を加え、ラインナップをより豊かに構築した。テーラードのロングコートやレザーコートはパワーショルダーで肩を強調する一方、ウエストをタイトにシェイプしたシルエットを採用し緩急をつけた。また、ウールモヘアのピンストライプスーツやベルベットのコートには、ウエストや袖をコードで縛るディテールをプラス。ストイックな佇まいに仕上げている。フューチャリスティックなデザイン加えて、フューチャリスティックなデザインも目を引く。ニットのミニドレスには、もこもこしたボアのパーツをフロントのみに配し、有機的な表情をプラス。オーガンザのコートは、そのシアーな透け感を生かして内側からスカルのライトを点灯し、デザインに意外性のあるアクセントを加えている。割れたミラーを張り合わせたTシャツやドレス、様々な形・色の破片を散りばめたノースリーブドレスは、瞬間を閉じ込めたようなデザインに。また、一見するとトルソーのような、人間の身体を大きく縁取る立体ドレスは、生地や糸を使わずに身体を覆う未来的なドレスの存在を示唆した。
2024年03月06日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションをフランスのパリ市庁舎にて2024年3月1日(金)に発表した。“立体”を装飾したドレス最初に目に飛び込んできたのは、角ばった立体を積み上げたようなフォルムのブラックドレスやセットアップ。直角の立体がまるで布地の表面から浮き上がり増幅しているかのような佇まいが目を引く。また、黒と白を大胆に切り替えたドレスや、緩やかなコクーンシルエットを描くコートなども角のある立体をまとっている。布地の流れを生かす曲線ではなく、直線的で角ばった表現が新鮮に映った。立体的なモチーフはショーが進むにつれ角がとれ、抽象的な輪郭を描くモチーフへと移行。生地表面にとらえどころのない有機的な空間とフォルムが生み出されることで、独特な佇まいを極めている。加えて、生地を折り重ねたり、くしゃっと無造作に貼り付けたりしたようなディテールのドレスも登場。一見偶発的なフォルムに見えるが絶妙なバランスで成り立っており、生地の重なりや動きが優雅さを漂わせる。チェックやストライプ柄をフィーチャーまた、ヨウジヤマモト プール オム 2024年秋冬コレクションと同様、象徴的な黒のルックだけではなく色を使ったルックが多く登場しているのも今季の特徴だ。散見されたのは、ダークトーンのチェック柄。たっぷりと生地を使った赤チェックのドレスにグリーンチェックのショートジャケットを重ねたルックや、チェックonチェックでボウタイブラウスを合わせたセットアップは、色のトーンは落ち着いていながらもパンクな精神を秘めている。序盤で登場した立体モチーフは、柄のアイテムにも応用されている。ショルダーを直覚的なフォルムに仕上げたストライプ地のジャケットや、隆起しているかのような立体感のチェック柄スカートなどが登場。ストライプ柄パンツは、柄のラインをあえてずらすように切り替えを施し、脚の様々な部分に立体パーツをオン。直線を使った柄の性質も相まって、より一層グラフィカルな佇まいを強調している。グレーのテーラードジャケット、後ろ姿にアクセント今季シンボリックに用いられていた色はグレー。ショーの終盤を飾るセットアップには、すべてグレーの生地が用いられていた。テーラードジャケットは肩を尖らせ、ウエストを絞ったシャープなデザインに。いずれも、背面の裾から中に着たシャツのデコラティブな裾が見える着こなしで展開されており、斜め上に向かって跳ねるような裾や、ふわりと波打つラッフルを重ねた裾などにより、アイキャッチな後ろ姿を提示した。コーディネートのアクセントとして、大ぶりなモチーフのネックレスなどアクセサリーが効果的に使われていたのも印象的だ。
2024年03月05日マックスマーラ(Max Mara)の2024-25年秋冬コレクションがイタリア・ミラノで発表された。フランスの女性作家・コレットを着想源に今季のマックスマーラの着想源となったのは、フランスを代表する女性作家シドニー=ガブリエル・コレットだ。「性の解放」を謳い、同性も対象とした奔放な恋愛遍歴で知られる彼女は、それらを赤裸々に記した自叙伝的小説によって、19世紀終盤から20世紀初頭のフランス文学界にセンセーションを巻き起こした。“秘めたる色気”を表現知的で洗練されていながら、どこか官能的な女性の一面が垣間見える…そんなコレットの魅力は、コレクションの中にそのまま落とし込まれている。たとえば、都会的なロングコートやハンサムなパワージャケットの中に、ミニ丈のスカートやスリップドレスを忍ばせたルック。ボリューミーなアウターとミニマルなインナーの絶妙な駆け引きによって、秘めたるセンシュアリティを表現している。女性らしさを際立たせる肌見せさりげない肌見せも、女性らしさを着際立たせるポイント。デコルテを美しく魅せるボートネックのニットやドレスが提案されたほか、ざっくりと胸元をあけた開襟スタイルのシャツやコートも目を惹いた。“縦”を強調する流麗なシルエットシルエットはいつにも増して流麗に仕立てられており、モダンかつ無駄のない印象だ。はためくロング丈のチェスターコートや、裾に向けてふわりと広がるフレアパンツ、太めのリブを配したブラックニットなどは、美しい縦のラインを強調するアイテム。時折、幅広のニットバンドと帯のような細いストラップベルトでウエストをキュッと締め、流れるようなシルエットに緩急をもたらしている。深いミッドナイトブルーを主役に「ワインの鑑定家がいるように、ブルーの鑑定家もいるの」というコレットの言葉から、深みのあるネイビーをキーカラーとして採用。そこに、ブラックやベージュ、スモーキーグレーといったベーシックなパレットをコンビネーションさせて、リアルクローズを追求している。
2024年03月04日カサブランカ(CASABLANCA)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年2月28日(水)に発表した。ビョーク「少年ヴィーナス」から広がる再解釈と想像の世界アイスランドの歌手・ビョークの楽曲「少年ヴィーナス」と同じタイトル「Venus as a Boy」を冠したカサブランカの2024-25年秋冬シーズン。ヴィーナスとはギリシャ神話における美と愛の女神“アフロディテ”をもとに、ローマ神話で語り継がれる女神。そのヴィーナスを、少年として再解釈した楽曲が「少年ヴィーナス」だ。「古代ギリシャ」がテーマこの“再解釈”から広がる想像こそが、今季のクリエーションの出発点になっている。クリエイティブディレクターのシャラフ・タジェルがテーマに選んだのは古代ギリシャ。古代ギリシャの巡礼と、古代都市エレウシスでの宗教的な儀式から着想を得ている。知恵と洗練の源泉である古代の神秘とサイケデリックな恍惚の体験を反映しつつ、現代的な要素を織り交ぜたウェアを展開する。布地を巻き付けるディテールをミニマルに象徴的なのは、古代ギリシャの衣服を思わせる、真っ白なテキスタイルのウェア。深いスリットを施した、流れるようなシルエットのドレスをはじめ、ダイナミックなケープやテーラードジャケットが登場している。いずれも共通して、布地を巻き付けるかのようなプリミティブなディテールがミニマルな形で落とし込まれている。また、繊細にきらめくビーズ刺繍のウェアも神秘を感じるロマンティックなデザインに。澄んだ輝きを放つビーズ刺繍によって幾何学模様を構築したトップスやミニスカート、細かい光の粒に覆われたシースルーのドレスなどが幻想的な存在感を放つ。オリンピックモチーフもこの他にも、古代ギリシャの先進性を連想させるモチーフが随所に散りばめられている。古代オリンピックが始まった土地であることにちなんで、オリンピックカラーの幾何学模様やトロフィー、月桂樹のモチーフを配したジャージルックが散見された。ハーフジップトップスやバッグなどには、五輪マークを解体した幾何学模様があしらわれている。また、壁画のようなカットソーや、オリンピックのユニフォームを思わせるシルバージャケットとジャージのスポーティーなスタイリングも目を引いた。ジェフ・ハミルトン&エンシェント グリーク サンダルズとコラボ加えて、ジェフ・ハミルトン(Jeff Hamilton)とコラボレーションしたジャケットが登場。ワッペンとクリスタルを組み合わせたレザージャケットや、ジェフ・ハミルトンのアイコニックなパッチワークレザージャケットが揃う。いずれも、神殿や聖火、スポーツ競技のモチーフなどを装飾している。さらに、エンシェント グリーク サンダルズ(ANCIENT GREEK SANDALS)ともタッグを組んでおり、月桂樹の刺繍とシャーリングを組み合わせたレースアップサンダルがランウェイに登場した。
2024年03月04日アンリアレイジ(ANREALAGE)は2024-25年秋冬コレクションを、2024年2月27日(火)にフランス・パリのアレクサンドル3世橋の下にて発表した。『ドラえもん』とコラボ、球体など立体パターン“オブジェクト”をテーマに掲げた今季は、「生物」としての人間と対極にある「無生物」、すなわちオブジェクトのための服を制作。従来“人間の体に合う服”を追求してきたファッションの常識を疑い、「体に合わない服」を考案するところからクリエーションをスタートさせた。中でも注目は藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』とコラボレーションしたウェアだ。ドラえもんをはじめ、のび太やジャイアン、スネ夫、しずか、ドラミなどおなじみのキャラクターを彷彿させるウェアが披露された。『ドラえもん』モチーフを落とし込んだのは、球体や三角錐、立方体、正八面体など、身体とはかけ離れた立体に添うパターンで作られたアンリアレイジのアイコニックなピース。プレゼンテーション会場では、頭につけると宙を飛ぶことのできるひみつ道具「タケコプター」がそれぞれの立体に配されており、各ピースが宙に浮かぶ演出とともに披露された。ドラえもんを思わせるブルーとホワイトのカラーブロックを施したボールシャツは、実際に身にまとうと前合わせが緩やかにカーブしたアシンメトリーデザインに。アンリアレイジのロゴとドラえもんを総柄にしたボールスカートは、ゆったりと空気を含むようなドレープがポイントだ。リーボックのシューズをイメージした立体ウェア加えて、リーボック(Reebok)とのコラボレーションウェアも“立体”パターンで登場。リーボックのシューズ「インスタポンプフューリー94」を競技用ボールのように変換したダウンブルゾンには、ネオンカラーをメインにヴィヴィッドな配色を採用した。構築的なキルティングとロゴによって、スポーティーなムードを際立たせている。メタリック&ストライプ柄素材もまた、立体をベースにしたパターンのウェアは、金・銀色に輝くメタリックなファブリックやカラフルなストライプ地でも提案する。ゴールドの三角錐ジャケットは、ハリのある質感ときらびやかな光沢により存在感のある佇まいに。一方、赤白ストライプの正八面体シャツは、着用時のフォルムも元の立体が持つ造形とある程度呼応した形がユニーク。着ると身体の前後に立体的な空間が生まれるのが印象的だ。着るとドロップショルダーになる正十二面体のジャケット、ポンチョのように裾に向かって広がる正二十面体のジャケットも展開された。
2024年03月02日マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月27日(火)にフランス・パリのレストラン「オガタ・パリ」にて発表した。佐賀の「古唐津」を衣服に今季マメ クロゴウチがフォーカスするのは16世紀後半に佐賀で開花したとされる「古唐津」。デザイナーの黒河内真衣子が佐賀を旅した際に目にした風景や陶⽚が着想源となっている。地域の風景をダイレクトに反映し、時代ごとに変わっていく土の表情の変化や、職人のものづくりに対する姿勢に感銘を受けたことから、陶器の柄や色彩、質感をジャカードや染め、刺繍などによって衣服に落とし込んだ。まるで"陶器を着る"ような感覚でまとうことのできるウェアを提案する。陶器の風合いを表現した素材使い注目したいのは、「古唐津」の器の質感や表情を表現した素材だ。たとえば混ざり合う釉薬が神秘的な「朝鮮唐津」を思わせる有松絞りのデニムパンツは、表情豊かな色彩がポイント。色を入れる部分と入れない部分に分けて染めを施すことで、黒から白、茶色へとそれぞれの色が混ざり合っていく様子を表した。また、デニムには型押しによる立体的な模様があしらわれているのもポイント。天然素材に形状記憶を施す、貴重な職人技によるエンボス加工が施されている。また、シルクウールのワンショルダードレスやシャツもアイキャッチ。“ひび”のような模様を織りなす陶器の肌理に入った「貫入」を、抽象的な色の移り変わりとともに投影している。有機的な模様は京都の職人が手掛けたもので、その制作過程もユニーク。シルク地に餅米をあしらって乾燥させることで生じる亀裂に染料を流し込むことで、細かなひび模様を描き出した。風景や花を描いた「絵唐津」を思わせる草花モチーフの刺繍は、ミニマルなドレスやシャツに印象的な余韻をプラス。また、割れた器を修復する際に割れた部分を金で仕上げる“金継ぎ”のように、地の部分とは異なる要素を差し込むディテールも見て取れた。ニットやベロアジャージにふいに施された金色のラインや、ダークトーンのセットアップに合わせた金色や銀色のベルトが、静かな佇まいにアクセントをもたらしている。土の色から着想キーカラーとなるのは土の色から着想を得たグレー。マーブル模様のように色が混ざり合うジャカードニットをはじめ、凛とした佇まいのセットアップやチェスターコート、繊細な透け感のカットソーなども披露された。また、焼き物を裏返すと見える土本来の色や、 窯中の炎の記憶が赤みのあるオレンジのカットソーやテラコッタカラーのシャツとなり登場している。研ぎ澄まされたフォルム素材の色やテクスチャーと対比してみると、フォルムは静謐でベーシックに仕上げられている。クリエーションにあたり、黒河内はまず軸が「焼き物」であることを念頭に置き、その上で「よりシンプルで強い」表現を追求した。素材に合わせてパターンも強くするのではなく、あえて削ぎ落したパターンを選ぶことで素材の個性を生かすように仕上げたという。たとえば、オーロラのような釉薬が特徴的な「斑唐津」のアルパカウールコートは、手作業で行われる「むら染め」により独特な色味を再現しているのに加え、器の手触りを思い起こさせる立体感も表現。ミニマルなシルエットを採用することで、独特の風合いを際立たせている。
2024年03月02日CFCL(シーエフシーエル)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年2月26日(月)にフランス・パリのパレ・ド・トーキョーにて発表した。2022年よりパリ・ファッションウィーク公式カレンダーに参加して以来、初のランウェイショーとなる。“ニットウェア”が日常を彩るリズムCFCLは、それぞれの着る人に合わせ、柔軟にフィットするニットならではの実用的な応用力に着目してきた。性別やボディサイズに関わらず、どんな人にも応じて寄り添うニットの可能性を、機能的な器の「Ware(ウェア)」になぞらえた「Knit-ware(ニットウェア)」を提案している。CFCLが今季のテーマに選んだのは、「韻律」を意味する「Cadence」。平日と休日、朝と夜、緊張と緩和といった抑揚を繰り返していく日々の暮らしを豊かに彩り、独特のリズムを生み出していくようなデイリーニットウェアを展開する。日常のあらゆる場面で、控えめな優雅さをコレクション全体を通して見ると、日常の様々なシーンが浮かび上がってくる。例えば、アセテートと再生ポリエステルのハイゲージリブを用いたアイボリーのディナージャケットや、エレガントなドレープを描くブラックのエプロンドレスは、クリーンな佇まいでオケージョンにぴったり。一方、コンピュータープログラミングニットで作った、メッシュテクスチャの撥水フェンシングジャケットやフーデッドコート、中綿ブルゾンは、身軽でカジュアルに過ごしたい日に活躍しそうだ。いずれもCFCLならではのミニマルなデザインで、日常の場面の中になじみつつも控えめに優雅さを携えているのがポイント。壺を思わせる形の定番「POTTERY」シリーズのレッドのワンピースには、レーヨンのモール糸を混ぜて編み上げることで生まれる光沢とふんわりとした柔らかさをプラス。また、薄地のシースルーニットトップスから、厚みを持たせてしっかり編み込んだセーターやドレスまで、ダークトーンのラメニットがシャイニーなアクセントとして際立っていたのも印象的だ。変化する服の表情素材が目を引いたのは、「HYPHA」シリーズ。見る角度によって表情をくるくると変えるストライプのボンバージャケットやテーラードジャケットが登場する。いずれもプログラミングによるシームレスなダーツが施されており、着た時に身体を自然に包み込む立体的なフォルムに仕上げている。ボンバージャケットはふわりと身体と程よく距離のあるフォルムに、テーラードジャケットは編地が身体に添うような1着に仕上げている。加えて、丸いスパンコールを散りばめた「ENCHANT」シリーズもアイキャッチ。光を受けてきらめくスパンコールと、研ぎ澄まされたフォルムが呼応し、存在感をより強めていた。なお、スパンコールは職人の手縫いによるもの。人の手を介さずに機械的に生み出されるウェアをベースにあえて手作業を施し、服の表情に緩急をつけている。フォーナインズ、アシックスとコラボなお、前シーズンから続いてフォーナインズ(999.9)とコラボレーションしたアイウェアを展開。また、アシックス(ASICS)とコラボレーションしたシューズも登場する。
2024年03月01日エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)の2024年秋冬コレクションから、ドクターマーチン(Dr. Martens)とのコラボレーションによるユニセックスシューズが登場。2024年12月より一部の限定店舗にて販売予定だ。エムエム6 メゾン マルジェラ×ドクターマーチン初のコラボシューズエムエム6 メゾン マルジェラとドクターマーチンが初タッグ。2024年の秋冬シーズンに向けたフットウェアのカプセルコレクションが発表された。イエローステッチのブーツやローファーコラボレーションシューズは、耐久性や心地よい履きやすさを兼ね備えるドクターマーチンのシューズをベースに。ドクターマーチンのシグネチャーであるイエローステッチを配したローファーやブーツなどがラインナップする。【詳細】エムエム6 メゾン マルジェラ×ドクターマーチン発売時期:2024年12月【問い合わせ先】エムエム6 メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-934-779
2024年02月29日2024年2月24日、ドルチェ&ガッバーナは2024-25 秋冬 ウィメンズ コレクションを発表しました。©DOLCE&GABBANA今季のテーマは「TUXEDO」。タキシードはピュアなスタイルの究極の象徴です。私たちにとって、スタイルだけがファッションを超越します。 タキシードのようにシンプルでクラシックなものほど、 完璧であり、永遠であり、 時間の制約を受けないものはありません。しかし、スタイルというものは主張され、洗練され、 アップデートされる必要があります。タキシードを何度も作り直してきた私たちは今日、改良を加え、 その都度違ったものにすることが可能です。エッセンシャルピースを完成させることで、私たちは自分だけの、 そして誰もが認めるスタイルをこれまで作り上げてきました。ドルチェ&ガッバーナの女性は、 女性らしさを際立たせるシンプルで厳格なラインによって、 常にファッショナブルな気分でタキシードを着ることができるのです。ブランドにとって、タキシードをデザインするということは、 私たちのサルトリアの文化に深く根ざしたタイムレスなエレガンス を提供するということです。それは、 女性たちにクラシックなワードローブを提供することであり、 現在の流行から逃れ、 より自分に自信を持てるようにすることなのです。私たちのデザインは決して抽象的なものではなく、 女性の体の上で生き、呼吸するものです。ネットやヴェール、レースなど、 女性の体に透明感を与える素材や、 官能的なフォルムを際立たせるカッティングが好きなのです。ドルチェ&ガッバーナは、白い紙に鉛筆で描かれたスタイルで、 ドルチェ&ガッバーナを纏う女性の夢、野心、 欲望を表現しています。私たちのコレクションは女性とのラブストーリーであり、 タキシードを通して女性のテーラリングを形作っているのです。マスキュリンとフェミニン、厳格さと誘惑が絡み合い、 すべての女性が自分のスタイルを自由に表現できるように。ブラックを基調としたコレクションは、 クリスタルをあしらったプレシャスなドレスに彩られています。私たちがブラックを愛するのは、主張し、デザインし、 スタイルにする色だからです。ブラックスーツは鉛筆の一筆書きであり、純粋なラインです。 さらに、神秘を表現しています。タキシードの直線的なエレガンスと洗練されたシンプルさは、 女性らしさを際立たせます。タキシードを着た女性は、そのエレガンス、曖昧さ、 魅惑的なパワーで私たちを魅了します。―ドメニコ・ドルチェ、ステファノ・ガッバーナ©DOLCE&GABBANA©DOLCE&GABBANA©DOLCE&GABBANA©DOLCE&GABBANA©DOLCE&GABBANA©DOLCE&GABBANA©DOLCE&GABBANA#DGFW24#DolceGabbana #ドルチェガッバーナお問合せ先:ドルチェ&ガッバーナ ジャパン電話 : 03-6833-6099www.dolcegabbana.com
2024年02月29日Courtesy of DIORディオール(DIOR)は、2月27日午後11時(日本時間)より、クリエイティヴ ディレクター マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による、2024年秋冬コレクション ショーをライブストリーミング配信します。■ディオール 2024年秋冬 コレクション ショー ■日時:2024年2月27日(火)午後11時(日本時間)スタート予定@DIOR @MariaGraziaChiuri#DiorAW24お問い合わせ:クリスチャン ディオールTEL:0120-02-1947
2024年02月27日オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)は、2024年2月21日(イタリア時間)、ミラノファッションウィークにて、2024年秋冬イエローコレクションを発表しました。Courtesy of Onituska Tiger本コレクションのテーマは、「アーバン・ウインター」。日本製のアパレルで構成されたルックは、ウェットなコーティング加工により、突然雷雨に見舞われた東京を彷彿させながら、都市的な冬風景のエッセンスを表現しています。Courtesy of Onituska Tigerカラーは、アイコニックなイエローに加え、メトロポリタングレー、ブラック、ベージュ、ヘーゼルナッツを組み合わせており、全ルックを通して斬新なツイストを加えたシルエットを創り上げています。コート、ジャケット、ピーコートは、ワイドショルダーと細いウエストのコントラストを、チューブ状のパディングやリブなどテーラリングならではの加工で強調しています。ダブルカシミヤのフーディーは、同素材のコートやブルゾンの上から羽織るアウターウエアとして、新たな重ね着の概念を提案します。Courtesy of Onituska Tigerメンズには、エクストラロングとアンクルカットのチノパンと5ポケットのワイドパンツ、ウイメンズには、ストレッチのきいたスリムフィットとオーバーサイズのトラウザー。流れるようなシルエットのマイクロスカートや、光沢のあるスパンコール刺繍がなされたシルクパネルドレス、ウールソックスやクリーパーシューズとコーディネートが可能です。また、ブランド初のVカットハイヒールは、快適性と機能性も注力されました。ラバーソールとトレッキングブーツを融合させたハイブリッドシューズや、ショルダーストラップのついたシンセティックレザーのダブルバッグもコレクションに加わっています。Courtesy of Onituska Tiger生誕75周年を迎えるアニバーサリーイヤーのショーとして、創業年である1949年にちなんだ49ルックを披露しました。また、ルックのアクセントとなるのは、ブランドにとって最もアイコニックなトラックトップからインスピレーションを得た、リブ編みのジップネックウールウエアです。モダンなスカーフやエクストリームクロップトップとしても着用可能であり、Onitsuka Tigerのセレブレーションピースとなっています。Courtesy of Onituska Tigerショー冒頭では、振付師のAkane 氏がプロデュースするダンスチーム「アバンギャルディ」が、ダンスパフォーマンスを披露しました。17 名が着用したイエローの制服と、オニツカタイガーストライプのない特別なデザインのMEXICO 66 SDは、映画「キル・ビル」をオマージュしたものであり、ヘリテージをモードに解釈した新たなスタイルとして、ブランドの進化を表現しています。またランウェイショーでは、世界的ピアニストのYuja Wang氏によるライブ演奏が行われました。楽曲は、今回のコレクションテーマに合わせて作曲されたものであり、ピアノも時代を超えて愛される世界最高峰のピアノメーカーSteinway & Sons 社がこのショーのためにイエローにラッピングした特別仕様となっています。Courtesy of Onituska TigerCourtesy of Onituska TigerCourtesy of Onituska Tiger#OnitsukaTigerOnitsuka Tiger(オニツカタイガー) 日本のファッションブランド、オニツカタイガーは、革新的なデザインと快適さを追求し、ファッション性を兼ね備えたコレクションを発表し続けています。このブランドの姿勢は、伝統と現代的なデザインへの敬意を表し、研ぎ澄まされたデザインは品質とディテールにこだわる職人技により実現しています。 常に新たな価値を提供し続け、"新しいラグジュアリー" を探し求める人々に寄り添うことを目指します。Onitsuka Tigerオフィシャルサイト::@onitsukatigerjp※2/26更新(画像追加)
2024年02月26日プラダは、2024年2月22日(現地時間)、2024年秋冬レディスコレクションをミラノにてランウェイ形式で発表しました。Courtesy of PRADAロマンスという考え方に触れてみました。今、特にファッション界において、その言葉はある意味タブーなのかもしれません。ロマンチックな雰囲気を湛えたコレクションです。服に、愛や優しさという価値観を織り込んだのです。ロマンチックな愛もあれば、家族間の愛もあります。それは、理論的見解というよりもむしろ感情に関する会話なのです。私は、こうした考え方をとても大切にしています。そして常にこの考え方の下に制作を行っています。美を作り、愛をもってつくっています。歴史と人々の生活の間には密接なつながりがあります。過去のファッションは過去の生活を語ってくれますが、同時に現在の私たちの生活についても解き明かしてくれます。歴史を振り返ると、私たちの犯している過ち、そして強みが見えてきます。私たちが持っている唯一のもの、それが過去です。歴史から学ぶことをしない、懐古主義という考え方は好みません。歴史は、私たちにすべてを教えてくれます。困難な時期こそ、その教えは重要な意味を持ちます。歴史によって形作られているのが、本コレクションなのです。大切なのは懐古主義ではなく、理解です。私たちが何者なのか、どうしてそのような服を身につけるのか、ということへの理解です。それは過去を思い出し、前進するためにその知識を活用する、ということなのです。 ― ミウッチャ・プラダ私たちは美しいものを作ろうと努力しています。過去を振り返ることなく、美について語ることはできません。美の歴史を消し去ることはできません。理想の美に対する現在の考え方を決めるのは、過去なのです。私たちはいつも時を遡ります。今のように混乱の時期、歴史を知ることに大きな意味があります。私たちは何者なのか、どこから来たのか。そうした過去を知ることができて初めて、未来を見据えることができるのです。そこには、感傷、そして激しい感情を感じた際の記憶があります。歴史を感じさせますが、現代の私たちの目には新鮮に感じられる要素を切り取っています。最大の難関は、過去の歴史(ビクトリア朝、1920年代、1950年代など)から借りた要素を念頭に置きつつ、その当時のシルエットをそのまま再現して制作することはしない、という点でした。歴史を語ろうとしているのではないからです。このコレクションが表現しようとしているのは、ファッションに対する愛、私たちがファッションに対して感じる愛なのです。 ― ラフ・シモンズ PRADA 2024 年秋冬レディスファッションショー 「INSTINCTIVE ROMANCE」本能的に惹かれる歴史。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズによる 2024 年秋冬レディスコレクションは、歴史の断片をファッションに埋め込み、美についての考え方、そして記憶によって形作る現代世界を模索しました。過去と共にそこにあるのは、ロマンスです。Courtesy of PRADA歴史に関する知識は、過去を解き明かすだけでなく、現代を定義します。さまざまな年代の要素をちりばめた服が、これまでとは異なる新しい視点を提案します。過去は、学びを授けてくれる有効な手段です。本コレクションでは、新しいものを作り上げるために過去を振り返りました。過去を理性的に考察するのではなく、現代にも通じる美の理想に対して心がどう揺れ動くのかを探求します。Courtesy of PRADA文字通り過去が、今日のファッションを形作りました。現代ファッションの典型とも言えるバイカージャケット、ボンバージャケット、ニットウェアに、過去から着想を得た要素を加え、ラインやディテールを変えて異なるシェイプに仕上げました。Courtesy of PRADAさまざまな要素が一つの服に織り込まれ、ボディに沿うように作られたものもあれば、下に重ねた服が見えるよう工夫されたものもあります。ファブリックが主役のスカートには、儚げなシルクにかっちりとした仕立てのウールを合わせ、繊細さと力強さのコントラストを際立たせています。縦のラインを強調することによって、細身のシルエットが際立ちます。シューズやハットが、全体のバランスをさらに極端なものにし、ボディに沿う服は、女性らしさを明白に表現しています。女性らしい身のこなしを讃える工夫も随所に見られます。ハンドバッグは腕から吊り下げられ、サングラスはメイクの一部のようです。制作の背景には生き方があります。人間の生活という無形のものを、形にしました。Courtesy of PRADA定型的な表現も、具現化や、再加工、受け止め方を変えることによって変化させることができます。これまで男性的な素材として用いられたものを、繊細で女性的なものに変容させました。また、リボン、フリル、ラッフルといった女性らしさを表現するありきたりなディテールには新たな解釈を施し、その意味を根本から見直しました。Courtesy of PRADA疑問を投げかけ、答えを導き出す。ファッションショーは、世界と対話を始め、さまざまな考え方を交換し合う場です。対話や表現することへの欲求は、人間なら誰もが持っている根本的な本能です。身につけるものを通して、私たちは互いに触れあい、感情を表現するのです。Courtesy of PRADACourtesy of PRADACourtesy of PRADACourtesy of PRADACourtesy of PRADAお問い合わせ:プラダ クライアントサービスTEL:0120.45.1913
2024年02月25日エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)は、2024年秋冬コレクションを2月22日にミラノで発表しました。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象とは、エムエム6 メゾン マルジェラがシーズンごとにワードローブの要素を考案する際の手段であり、抽象化とは、ある意味でありのままであること、まったく物語性のない感覚のそっけなさ、率直さの中にある歪んだ固定観念から生じる結果なのです。Courtesy of MM6 Maison Margielaジャケット、カーディガン、コートは、いずれもあるがままの姿でありながら、しかし本来あるべき姿ではなく、それらは新しい意味、別の機能、宿命のねじれを生み出しています。アームホールの下にスリットを入れて腕を通したり、あるいはカーディガンをケープにしていたり、レインコートはマスタードカラーのデニムで仕立てられています。キルティングは内側から外側へと移動し、レギンスにはバックポケットが付けられました。さらにはジャケットの丈をわざと半端な長さにして、ドレスなのかアウターなのか、問いを投げかけます。ライニングのスカートは丈を危険なほど短く切った結果、一見すると完全にシンプルで、ゆえにむしろ異質なものとなりました。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象化が中核となった今シーズンは、ピローケースがトップスへと姿を変えます。プリントは、エムエム 6 チームがいつも移動中に滞在するホテルの枕のプリントを忠実に再現したものです。一方で、今シーズンにおける抽象化は、パンキッシュな印象も与えるでしょう。猫背の姿勢によって上がった肩のラインに、数が増えるジッパーに、テーラリングからインナーに至るまで繰り返し用いられたコンサートのグラフィックに、バウハウスの角度と線の仕掛けを思わせる幾何学的なグラフィックのウェアに、ブラックで統一されたスタイルに。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象化は、完結することのない服のアイデアの中で表現し、テクスチャーで遊び、異なる生地で製作を繰り返すことで、その価値を再評価し変化させます。幾何学的なフォルムの純粋さは、ある種の先鋭的なシルエットを生み出します。つまり抽象化とは、丈や幅をとことんまで試行することなのです。Courtesy of MM6 Maison Margielaキャミオヌールのカーディガンやボディスーツ、ペンダントに用いられたキーホルダーは、メゾンの歴史を物語っています。また、アクセサリーは抽象化の領域をさらに掘り下げています。手描きのコミックブックに描かれる足のような特殊なシェイプのブーツやローファーは、イギリスのカルト的な人気を誇るブランド、ドクターマーチンとの初めてのコラボレーションで開発されたものです。さらにフォーチュンクッキーバッグ、ピローバッグ、カラフルなセーフティーピンも登場しました。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象化は、柔らかな雰囲気に満たされたカーペットの部屋の中でついに実現しました。その壁は揺らぐカーテンによって非物質化され、時間はニュートラルな静けさに浮かび上がり、パンキッシュなサウンドスコアによって切り裂かれました。Courtesy of MM6 Maison MargielaCourtesy of MM6 Maison MargielaCourtesy of MM6 Maison MargielaCourtesy of MM6 Maison Margielaお問い合わせ:マルジェラ ジャパン クライントサービス0120-934-779www.maisonmargiela.com/mm6/
2024年02月24日グッチがサバト・デ・サルノによる2024年秋冬ウイメンズコレクションをミラノのFonderia Carlo Macchiにて発表しました。Courtesy of Gucci小さく破壊的なジェスチャーを求める。ルールに従わず、最も適切と思われるものとは異なる視点から物事を見る。これが、私の夢の描き方です。急ぐことなく、レンガで家を建てるように目に見える形で積み上げ、階層化します。ファッションにおいても、そのプロセスは同じです。私は埋められたいと願っている空洞、襞の隙間を探します。より自由になるために、広い視野を求めて離れる前に、近づいてディテールを見つめます。そして平凡だと思われている場所で非凡なるものを見つけ出すのです。私の夢、私のファッションは、常に現実と対話しています。なぜなら、私は別の世界で生きるのではなく、何よりもこの世界で生きる方法を模索しているからです。 ― SabatoCourtesy of Gucci主役となるコートは、マスキュリンなファブリックとシルエットを用いながら、カバーされたプラケットと背中の隠しボタンによって、ボディを抱擁するような雰囲気を醸し出します。ボンバージャケット、ピーコート、レザージャケットにも同様のスタイルが用いられています。Courtesy of Gucciコートの仕立てはクラフツマンシップとその卓越したテクニックを象徴するものです。構造から始まり、ライニングや内側の仕上げ、ファブリックの落ち感、着用したときの動き、ウールと新しい繊維を混紡した場合の色調の変化など、さまざまな要素が入念に考えられ、細心の注意を払いながら進む創造の旅を経て仕上げられます。2024年秋冬コレクションは、その旅を幾度も繰り返すことで、レディトゥウェアのルールに対する小さな破壊的行為を描き出します。Courtesy of Gucciハンドバッグは「GG ミラノ」と名付けられた新しいトップハンドル バッグが登場。このバッグは、シルクのようになめらかなナッパレザーを重ねて軽くふんわりとした印象に仕上げ、フラットなパンチング加工で表現されたロゴから下の層が見えるようにデザインされています。グッチのアーカイブにある乗馬のモチーフをコンテンポラリーに再解釈したハーフムーンシェイプの新作バッグにも、同様のロゴがあしらわれています。さらにアイコニックなディテールであるバンブーを模したゴールドトーンのメタルバーで装飾されたクラッチバッグや、ゆったりとして包みこむようなシルエットとバンブー ハンドルを組み合わせたバケットバッグも登場します。Courtesy of Gucciシューズは、グッチと乗馬の世界のつながりを象徴する代表的なアイテムである乗馬ブーツは、クラシックなシルエットを細身のホースビット ハードウェアが飾っています。ホースビットローファーは、卓越したクラフツマンシップにより洗練されたプラットフォームサンダルへと進化しています。Courtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of Gucciお問い合せ:グッチ クライアントサービス0120-99-2177www.gucci.com
2024年02月24日カレンテージ(CURRENTAGE)の2024-25年秋冬コレクションが、東京・寺田倉庫で発表された。“旅の記憶”をコラージュして、世界を繋ぐカレンテージは、“自分だけのヴィンテージ”をコンセプトに、2017年に塚崎恵理子が立ち上げたファッションブランド。「CURRENT + VINTAGE(今とヴィンテージ)」「CURRENT + AGE(今を生きる世代)」という造語からなるブランド名の通り、世代を超えて愛される洋服に“今っぽさ”を加えたコレクションを展開している。今シーズンの着想源となったのは、デザイナー塚崎恵理子の“旅の記憶”だ。今まで何度も訪れている馴染みの国イギリスやフランス、久しぶりのドイツ、初めて行く中欧や東欧の国々、そして中央アジアのウズベキスタン…。パンデミックが落ち着いて堰を切るように旅に出た塚崎は、文化も宗教も違う国々で沢山の美しいものに出逢ったという。異素材・異テイストをミックス旅の中で見たあらゆる文化や美しいものを“コラージュ”するかのように、モデルたちが纏う服は素材使いもカラーも、テイストまで様々だ。シアーシャツが肌を透かしたかと思えば、重厚感のあるファーコートが登場したり。無骨なレザーベストに、センシュアルなボディスーツとタイツを合わせたり。モダンとレトロ、マニッシュとフェミニン、タイトとオーバー…それら“異要素”が絶妙なバランスで重なり合い、唯一無二の世界観を作り上げていく。“伝統衣装”にインスパイアとりわけ目を引いたのが、“民族衣装”のエッセンスを織り交ぜたルックだ。たとえばパフスリーブのニットに大胆な飾り襟のブラウス、ターバンを頭に巻いたスタイリングは、中欧や東欧の伝統的な衣服からインスピレーションを得たもの。足元にはポインテッドトゥのピンヒールパンプスを合わせて、モダンに再解釈しているのがカレンテージらしい。多種多様な柄でリズムをコレクションをリズミカルに彩る、多彩な柄使いも見逃せない。ヨーロピアンヴィンテージを思わせる花柄のシャツや、クラシカルな千鳥柄のオールインワン、数種類ものグレンチェックの布をつなぎ合わせたドレスなど次から次へと登場し、見る者を全く飽きさせない。色気を漂わせるシャイニーな素材使い全体的にどこか色気が漂っているように感じるのは、シャイニーな素材使いによるものだろう。たとえば、ふんわりと空気を孕むバルーンスカートには、メタリックな煌めきを。ベスト&パンツのセットアップには星のような輝きのスパンコール、ニットカーディガンには金箔を思わせるディテール、ボディスーツには身体に沿って光沢を湛えるベルベットを採用し、ドレッシーなムードを加速させた。
2024年02月18日アンディサイデッド((un)decided)の2024-25年秋冬コレクションが、2024年2月7日(水)に東京のガーデン 新木場ファクトリーにて発表された。希望に満ちた「夢」の中セヴシグ(SEVESKIG)のデザイナーが手掛けるウィメンズブランド「アンディサイデッド」。ディレクターである長野剛識は「Dream:夢」をテーマとし、“未来に見る希望”と“眠りの中で見る様々な事象”という2つの意味での「夢」を衣服に落とし込んだ。なお、セヴシグにはよりダークサイドな“悪夢”に寄せたデザインを、アンディサイデッドには“希望”に寄せたデザインを採用。確かに、光を受けるとキラキラとした繊細な煌めきを放つブラックマテリアルのファーストルックや、柔らかくふわふわとしたシルエットのスカート、透明感のあるカラーリングを配したドレス等を中心に、未来を真っ直ぐに見つめる者だけが持つ明るさのようなものが、あらゆるピースから見て取れる。アボリジナル文化のモチーフそうした“未来に見る希望”としての「夢」の着想源の1つとなったのは、オーストラリア先住民であるアボリジナルピープルの神話や教訓などに根差した「The Dreaming」という概念。アボリジナル文化に根差した“ロックアート”が、色とりどりのドットパターンでブラウスやドレスなどにあしらわれている。眠りの世界にも身を置いてまた「夢」といえば、現実の延長線上でありながら、実際にはあり得ないことが起こるもの。そんな夢の特性は、“違和感”を感じるディテールで表現された。例えば、曲線的なカットを施したボディに手を覆うほど長いアームを組み合わせたハーフネックトップス。あらゆるコーディネートに散見されたベーシックなアイテムだが、どこか視界が歪んだような感覚が引き起こされる。“反転”プリントやおぼろげなニット素材そのほか、反転文字をプリントしたボディに、儚げなニット素材のアームをドッキングさせたスウェットトップスや、軽快なチェックパターンのシングルブレストジャケット、たっぷりとした生地使いが目を惹くトレンチコートなどが並んだ。
2024年02月17日ユハ(JUHA)の2024年秋冬コレクションが、2024年2月13日(火)、上野・東京国立博物館 表慶館にて発表された。テーマは「Mono sex mode show」。ジェンダーフルイドで幅広い人々へ向けたウェア白装束の集団の囁き声が突如として止み、コーラスへと切り替わると、厳かな雰囲気の中、ユハの10周年にして初となるショーがゆったりと幕を開けた。ファーストルックを飾るのは、セットアップのデニムにロングコートを羽織り、目深にフードを被ったルック。オーバーサイズに仕上げており男女共に着こなせそうなウェアだ。これまでのユハはマイノリティへ向けたウェアの提案が多かったが、今季からはより幅広い人々へ、ジェンダーフルイドなウェアを展開していくという。激しいダメージ加工デニム今シーズンのユハは、ダメージジーンズを取り入れたルックが多数登場。いずれも色褪せ、激しくダメージ加工が施されている。たとえば、グレーデニムを使ったジーンズは、透け感のあるニットカーディガンとコーディネート。ダメージの隙間からは、シアータイツを覗き見させ、レイヤードさせていた。フェミニンな素材使い2020-21年秋冬シーズンからウィメンズコレクションを展開する以前より、フェミニンな素材使いを得意としてきたユハ。そのフェミニンさは今季も健在で、レースやファー、ツイード、シアー素材などが、コーラスの歌声が響き渡り重厚感溢れる会場に軽やかさを運び込んでいた。中でもレースは、ロングカーディガンやトップス、スカーフとなって観客の目を奪う。ロングコートの首元から覗くハイネックのトップスなどは、優美で上品な印象を与えていた。フラワープリントのシアートップスまた、無地のウェアが多い中、フラワープリントが目を惹く。ぴったりと身体に沿うシアートップスにあしらわれ、さりげなく肌を魅せるセンシュアルなウェアに仕上げられている。モノトーンを基調にカラーパレットはモノトーンを基調にしつつ、バーガンディやブラウン、カーキといったアースカラーも。ダークな印象を受ける色合いが続く中、時折シルバーのラメで彩られたトップスやパンツも差し込まれ、眩く煌めいていた。
2024年02月16日オーベラス・ジャパン株式会社(以下:当社)は、2024年2月1日~5日に韓国ソウル市で開催された「ソウルファッションウィーク 2024年秋冬コレクション」にて潜入取材をいたしました。「ソウルファッションウィーク」のブランドはほぼ全てが日本未販売のため、これまで日本メディアではあまり取り上げられてきませんでした。今回、当社が2023年にオープンした日本未上陸の韓国ブランドを集約した公式直販ECモール『@SEOUL(アットソウル) 』より、4ブランドが出演いたしました。「DOUCAN」「Re Rhee」「02 ARMOIRE」「CONECT X」は、韓国ではK-POPアイドルも着用している有名ブランドのため、これから日本でも流行ることが期待される、韓国好きの方は必見のブランドです。ショー会場にもたくさんの韓国芸能人が招待されていました!脱出おひとり島3に出演した(左から)ジンソク、ミヌ、ウォンイク■DOUCAN DOUCAN 24FF想像の中に存在する理想世界であるユートピアの反対概念「ヘテロトピア」。DOUCANは現実世界に存在する「私だけの特別な価値と意味が込められた空間」、【HETEROTOPIA in DOUCAN】を具現化した。DOUCAN コレクション西洋式構造の上に韓国の感性を盛り込み、クラシックとカジュアルが適切に混合された今回のコレクションでは、多様な質感のファブリックマッチ、ユニークなディテール、アイコニックなモノグラムで構成され、様々な服の構造が組み合わさったユニークなシルエットは新しい美しさと価値が込められたDOUCANのヘテロトピアで自由に表現されている。■Re RheeRe Rhee 24FFRe Rheeはこれまで毎シーズンすべてのインスピレーションの源泉を、同時代を生きていく人々から受けてきた。漠然とした恐ろしい状況、穏やかな創作の中のきらめき、刹那の感情の中で揺らぐ生地に、レースオブジェ、スパングル、革などで構成した。Re Rhee コレクションアイボリーの清楚な強さブラックの優雅さを融合して逆説的に表現し、それぞれを引き立たせるポイントカラーは自然に染み込ませた。限界を設けず、最終ルックが出るまでひたすらに成果物をさらにブラッシュアップしていった。■02 ARMOIRE 02 ARMOIRE 24FF02 ARMOIREは私たちに訪れた「成熟」という人生の区間を、FW24コレクションを通じてクラシックに回帰した。02 ARMOIRE コレクション誰もが「情熱」と「倦怠」の時期を繰り返し、「成熟」の段階を迎えることになる。常に同じことから抜け出すために新しいことを探そうとする試みの意味について悩み、我々がしなければならないことは「再び最初に戻る」ことであると悟る。原点回帰のコレクションとなった。■CONECT XCONECT X コレクション今回のコレクションでは、ポストデジタル世代のデザイナー本人の記憶を表現した。デジタル文化が発達する前に遊んだ太い毛糸を利用したパンチニードル、様々な色の玉を集めて靴紐や安全ピンに通して作るアクセサリーやラバーランプ。それらは鮮やかな色と質感、そして折衷的なディテールが特徴で、デザイナーが大切にしていた過去の美学を連想させ、新しいアイデアを与えられた。シグネチャーハンドスプレーによるカラーデザインと、ヴィンテージグラフィックプリンティングで、オーガニックコットンやニット、ハンド銀箔作業をしたデニム、ビーガンレザーなど、ユニセックスシルエットで過去の記憶の美学を現代的に溶かしたジェンダーレスルックを表現した。【@SEOUL(アットソウル)】日本未上陸の韓国ブランドを集約した公式直販ECモール 日本での「韓国アパレル」はファストファッションのイメージが強く、韓国人デザイナー(韓国ファッション業界)と韓国好き日本女性のマッチングができていませんでした。韓国には、今回のショー以外にも日本でまだ知られていない有名アパレルブランドが多数ありますので、@SEOULがいち早く日本へお届けいたします。■インフルエンサーによるセレクトショップをオープン!@SEOULでは、これまでになかった新たな試みとして、当モールの中にインフルエンサー個人がセレクトしたアイテムを販売する「ショップinショップ」をローンチいたします。これまでPRが主だったインフルエンサーが、オンライン上でセレクトショップをオープンし、@SEOULが取り扱う「韓国ブランド」を販売する取り組みです。すでに40ブランド・5,000アイテムを販売しておりますが、好みやライフスタイルに合わせたファッションコーデを、さまざまなインフルエンサーが提案します。フォローしているインフルエンサーのコーデも参考にしていただきながら、ぜひ「投げ銭」感覚でインフルエンサーが販売する「ショップinショップ」にて、@SEOUL商品をお買い求めください。※@SEOUL 出店ブランド(予定含む)02 ARMOIRE/AGNEL/AILE DE/AOAO/AsiHa/Benet.Me/blanc de noirs/Camino/Coett/CONECT X/Demarc/DIERNEAS/DOUCAN/Entre Reves/FLENO/FREAKS BY KIMTAEHOON/Ganisong/HANSUKNE/HYEYEONG KIM/JAYBAEK COUTURE/JULIY & CALLA/JULYFOUR/L'EAU ET/Limelike/M.Rof/MANAVIS 7/moiremoa/MONOPHOBIA/Quisque/REFINED 902/RE RHEE/Shoehi/Sognareby/Sophy & Taylor/teenytiger/Tose/triple root/VOYONN/Waterparang/Wunder Geist/yugadang【会社概要】社名 : オーベラス・ジャパン株式会社代表者: 代表取締役 渡邊 勇太所在地: 東京都港区六本木7-21-24設立 : 2019年11月資本金: 1,000万円URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月16日エズミ(EZUMi)の2024-25年秋冬コレクションが発表された。ポスト・スタンダード今季のエズミが目指したのは、ファッションにおける“スタンダード”のその先。デザイナー・江角泰俊は原点に立ち返り、「スタンダードとは何か?」という問いに対する“いまの回答”を追い求めた。伝統的なシルエットをより女性らしく変容させることで、かつてのダダイズムやポストモダニズムのように、現代の基準のその先にある、“ポスト・スタンダード”となり得るコレクションを展開する。フェミニン&マニッシュへと昇華最大の特徴は、現代において“スタンダード”とされるフォームを、よりフェミニンかつ力強いシルエットへ昇華させている点だ。マニッシュな印象のあるMA-1ジャケットをベースに、丸みのある身頃と袖を配し、そしてギャザーを入れた裾は斬新な“ペプラム”へとアップデート。一見、相反しているように見える“フェミニンとマニッシュの融合”を実現させた。自ら導き出すシルエット自ら導き出すシルエットも今季ならでは。たとえば、シアー感のある素材のチェック柄ブラウスは、胸元のコルセット部分で結ばれているリボンをほどいて垂らしたり、後ろで結んだり...と多彩な表情を演出することができる。また、腰部分のドローストリングを調節することで、ペプラムシルエットに変化するフィールドジャケットや、ジップを上下に開閉すると、タートルネックor襟付きとしてアレンジを楽しめるニットも魅力的だ。異素材の掛け合わせ異素材を掛け合わせることで生まれた、“新しいスタンダードの形”も見逃せない。クラシックなチェスターコートに組み合わせたのは、ボリュームのあるキルティング生地。ウエストからキルティング素材に切り替わり、裾にかけてドレスのようなAラインを描き出している。そのほか、とろみのあるスカートに切りっぱなしのデニムを合わせた、未視感のあるデニムスカートも披露された。落ち着いたカラーパレットに、光を差し込ませてカラーパレットは、エズミらしく白と黒、グレーのモノトーンを主に採用。ベージュのMA-1やバーガンディーのペプラムジャケット、ブラウンのニットといった秋冬カラーに、ライトイエローのファーが触り心地の良いクロップド丈ジャケットや、サックスのワンピースなどのパステルカラーを時折差し込んでいた。
2024年02月13日ダブレット(doublet)の2024年秋冬コレクションが発表された。癒し、あるいは闇から光へと「THE CURE」、つまり「治療」や「癒し」をテーマとした、今季のダブレット。構造的には、闇から光へ、死から生へと向かう動きを「癒し」と捉えるならば、その特権的なモチーフこそ、死してもなお蠢いてやまない、ゾンビという存在であったようだ。ゾンビのおどろおどろしさは、パターンや素材、ディテールによって、ある種のウィットを含ませつつ巧みに表現されている。たとえば、クラシカルなハリスツイード(Harris Tweed)のスーツは、端正に立ったときではなく、身体を捩ったようなポーズのときに合わせて構築。立体的なパターンをベースとしつつも、独特の歪みを帯びた表情に仕上げている。この世を去った人の「死後の生」を願うのが、ミイラだろう。包帯でぐるぐる巻きにされたミイラの姿は、パッチワーク状に仕上げたニットやデニムパンツ、カットソーのデザインに着想を与えている。つまり、ニットやデニム、カットソー素材のパッチを、包帯よろしく繋ぎあわせ、それを身体に巻き付けるかのように組み上げているのだ。ミイラを真似たような遊び心を示しつつ、そこには粛々と手を動かすひたむきさが感じられる。癒しというテーマは、それこそ体の疲れを和らげ、健康を促進させる、日常のモチーフを取り入れることでもなされている。たとえば、温泉。なめらかなカシミヤ混素材を用いたテーラードジャケットは、バックに大胆なスリットを設け、ライニングには暖簾をモチーフとしたプリントを施すことで、それ自体温泉の暖簾を彷彿とさせる1着に。ファブリックには温泉の成分を吹き付けているらしく、その効果はジャケットを身にまとうだけでも現れるとか、現れないとか……。ユーモアを含ませつつ、死と生をめぐる物語を紡ぐ今季のダブレットを象徴するのが、温かみのあるシルクのニードルパンチを用いたアウターであるように思われる。そもそも蚕とは、すぐれて死と生を体現する昆虫ではなかろうか。4回の脱皮を繰り返すその生態が、死と生の反復を思わせるばかりではない。糸を取り出すには、命ある蛹の生を奪わざるをえず、だから生糸とは蚕の命そのものにほかならないのだから──。蚕の姿が安らうシルクのボンバージャケットやロングコートには、だから、再生への希望が蚕に仮託されて宿っているのではなかろうか。
2024年02月12日セヴシグ(SEVESKIG)の2024-25年秋冬コレクションが、2024年2月7日(水)に東京のガーデン 新木場ファクトリーにて発表された。2つの「夢」のクロスオーバーセヴシグとそのウィメンズライン「アンディサイデッド((un)decided)」のディレクターである長野剛識が2024-25年秋冬コレクションのテーマに選んだのは、「Dream:夢」。オーストラリア先住民のアボリジナルピープルの神話や教訓などに根差した「The Dreaming」という概念にインスピレーションを得ながら、眠っているときに見る「夢」をクロスオーバーさせ、希望と混沌に満ちた世界に身を置くようなルックを展開した。差し込まれるカオス現実の延長線上でありながら、実際にはあり得ないことが起こる「夢」。そんな夢の特性は、違和感を感じるディテールで表現された。例えば、曲線的なカットを施したボディに手を覆うほど長いアームを組み合わせたハーフネックトップス。あらゆるコーディネートに散見されたベーシックなアイテムだが、どこか視界が歪んだような感覚を引き出してくる。二面性のあるアウターまた、フロントとバッグの両方にジッパーが配され、後ろ前でも着用可能な2WAY仕様のアイテムも印象的。ジャケットやブルゾンといったアウター類に施されたそれらには、落差の激しい夢の“二面性”が投影されている。目が“バグる”ディテールさらに、剥がれたような生地の下から別のテキスタイルが現れるスエット、極端に伸びたワッペンを刺繍であしらったダブルブレストジャケットなど目が“バグる”ようなディテールのウェアが並んだ。なお、このようにドレッシーなアイテムからカジュアルなものまで、皆に「夢」の世界が落とし込まれているのも、今季の特徴だろう。自然と神話に彩られてカラーパレットは、ベージュやオフホワイトといったオーストラリアの自然を感じるニュートラルな色味を基調としながら、神話世界に由来する7色を差し込んで。光沢感のあるグリーンカラーに彩られたムートンレザーコートや、オレンジイエローのジャージセットアップ、ショッキングピンクのニットドレス等が存在感を放った。
2024年02月10日リンシュウ(RYNSHU)の2024-25年秋冬メンズ・ウィメンズコレクションが2024年2月6日(火)、東京・アニヴェルセル 表参道にて発表された。瞳に宿る熱い想い瞳に宿る熱い思いを意味する"Eyes On Fire"をテーマに掲げた今季のリンシュウ。会場には空港のアナウンスや足音が流れ、出発前のターミナルを彷彿とさせる。新たな旅立ちの前の高揚感と勇気、そしてこれからの未来でも持ち続ける情熱を、ブラックとホワイトのモノトーンカラーを基調に、リンシュウ流のシックな世界観で落とし込んだコレクションを展開する。軽やかな黒の装いランウェイは、ベーシックなシャツに艶やかなシルクのロングコートを纏ったファーストルックからスタート。漆黒のダークなカラーリングながら、歩く度にコートが“ふわりと”揺れ、軽やかな雰囲気にまとめている。門出を彩るテーラーリング今季を象徴するのが、“新たな門出にふさわしい”テーラードジャケットの華やかなルックの数々。伝統工芸のように切り取られたレザーライクな素材や、六角形を連ねたジャカードなど、多彩な生地を用いていた。また、白黒の花柄にスパンコールを縫い付けたジャケット、裾の中央に向かって山型にカットされたコート...など、ギミックを効かせたディテールも印象的だ。内に秘めた“RYNSHU”の情熱ブラックのワンカラーで統一されていたコレクションが一転、ランウェイ中盤からホワイトが登場。"RYNSHU"のロゴが立体的に浮かび上がるフクレジャカード生地のテーラードジャケットや、ほどよく体躯に沿うシルエットのパンツ、背面にオーガンザを組み合わせたロングコートが披露された。新たな自分への出発ラストには、妖精のような角の生えたヘッドアクセサリーが目を引くルックがお目見え。アーチ状の曲線にカットされたドレスは、鱗のように縫い付けられたスパンコールがキラキラと輝き、圧倒的な存在感を放っていた。やがて、出発の合図である教会の鐘が鳴り響くとともに、コレクションは幕を閉じた。
2024年02月09日チノ(CINOH)の2024年秋冬コレクションが、東京・ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会にて発表された。テーマは「GENTLE GLIMMER」。内なる強さ「GENTLE GLIMMER」“内なる強さ”という意味を込め、「GENTLE GLIMMER」と題した今季のコレクション。これまでにも、フェミニンとマスキュリン、機能とデザインなど相反する2つの要素を孕むコレクションを展開してきたチノだが、今回提案するのは「ミニマルと装飾性」が融合するスタイルだ。フリンジにみる“ミニマルな装飾性”「ミニマルと装飾性」――一見相容れることのないふたつの要素を繋ぐカギは、“付け足さないで装飾する”服作りにある。たとえば、シャツの襟やTシャツの裾など随所で強調されたフリンジ。後から布を付け足すという一般的な方法ではなく、縫い代を外に出してカットすることで、パターンを増やさずに華やかなフリンジを作り出しているのだという。それ自体が装飾的な素材使いスパンコールが編み込まれたローゲージニットや、歩みにあわせて揺らめくフェザーを配したシャツ、しっとりとした光沢を湛えるベルベットのドレスなど、“素材そのものが装飾的”であるピースも印象的だ。ベーシックなウールやレザーでさえも、素材感が織りなすニュアンスの違いによってどこか装飾的に感じられる。エフォートレスなシルエット全体を通して、シルエットはクリーンかつオーセンティックな雰囲気。袖部分にくしゅっとドレープを寄せたシャツや、リラクシングなタックパンツ、袖先に向けてワイドに広がるニットなど、ベーシックなリアルクローズを基調としつつも、さりげないアレンジによってチノらしいエフォートレスが際立つ。鮮烈なレッドを差し込んでカラーは、グレーやベージュ、ブラックなど、落ち着きのあるものが中心。時折差し込むダスティブルーや鮮烈なレッドによって、ニュートラルなパレットを引き締めた。全体として、トーン・オン・トーンのコーディネートにまとめることで、シルエットと素材が織りなすさりげないサプライズを際立たせている。
2024年02月05日sacai(サカイ)の2024年秋冬コレクションが、2024年1月21日(日)、フランスのパリにて発表された。テーマは「United as One / One Love」。大胆なフォルムの追求ブランドのエッセンスであるハイブリットを基調にしつつ、ミリタリーとクラシックの掛け合わせを軸に構成された、今季のsacai。デザインの特徴のひとつが、レイヤリングの構造だ。ミリタリージャケットやパファージャケットをはじめ、ボリュームのあるシルエットでまとめたアウターは、ショート丈に設定。レイヤード風のデザインに仕上げたり、ロング丈のアイテムを下に重ねたりすることで、ダイナミックなフォルムを際立てた。sacaiならではのハイブリッドの手法は、こうした大胆なフォルム、あるいは異なるテイストの交錯へと用いられている。たとえばフォルムにおいては、ボディのフロントはメルトンコートやデニムジャケットなど、バックやスリーブにはMA-1ブルゾンの構造を採用。ショートな丈感に対して、スリーブは丸みを帯びたシルエットを描くことで、シルエットにコントラストを生み出している。また、随所に大胆なファスナーを取り入れるなど、構造に変化をもたらした。一方、テイストの交錯では、今季は特にクラシカルな要素が交えられているように思われる。ダブルコートとトレンチコートを縦方向に分割して組み合わせたり、フロントにはツイードジャケットの要素を、バックにはツイードのプリントを施したパファージャケットの要素を組み合わせるなど、色調を合わせつつも異なるテイストの大胆なハイブリッドが行われている。コレクションを彩る柄には、今季、ノルディック柄がしばしば取り入れられている。温かみのあるニットで展開するばかりでなく、アウトドア調のジャケットの上にファブリックでノルディック柄を施したり、スパンコール刺繍で表現したりと、アレンジを加えている。カラーは、ホワイトやブラック、ベージュ、カーキ、ネイビーなど、クラシックやミリタリーなどにちなんだベーシックなものを基調に、時として鮮やかなイエローや淡いミントグリーンでアクセントを。また、コーディネート全体を同系色でまとめることを軸とすることで、フォルムの大胆さの追求を試みた。
2024年01月25日ルメール(LEMAIRE)の2024年秋冬コレクションが発表された流れるようなシルエットを基調に流麗なシルエットと、温かみがありながらも洗練された雰囲気に仕上げられた、今季のルメール。シルエットの特徴がわかりやすいのは、たとえばアウターだろう。ダブルコートやステンカラーコートなど、ロングコートの数々は、ショルダーをドロップさせ、肩から裾、あるいは袖先へと、流れるようなラインに仕上げている。テーラリングも、端正さはそのままに、フォーマルに過ぎない雰囲気に。カシミヤのフランネルなど温かみのある素材と、抜け感のあるシルエットで仕上げるとともに、セットアップのパンツもワイドシルエットとすることで、リラクシングな佇まいとなっている。クラシカルなウェアばかりでなく、日常に溶け込むカジュアルなアイテムも落ち着きのあるムードで展開している。スリーブにパッカリングを施したモッズコートや、襟をボア素材で切り替えたレザージャケット、デニム素材のショートコートやパンツなど、あくまでクリーンな雰囲気にまとめた。ドレスやスカート、パンツの流れるような曲線も特徴だ。風に揺らめいては繊細なドレープを織りなすシアー素材を用いるなど、全体の佇まいをより流麗なものとしている。カラーは、ブラウンやベージュ、エクリュ、ブラックなど、落ち着きのあるものが中心。また、オリーブやスモークピンクなども、あくまで上品な色調で取り入れた。全体として、トーン・オン・トーンのコーディネートにまとめることで、繊細な色使いと素材感が織りなすニュアンスを引き立てた。
2024年01月24日ロエベは、1月20日(現地時間)、パリの中心部にある歴史的なフランス共和国親衛隊の馬術トレーニングアリーナに設けられた特設会場にてロエベ2024年秋冬メンズコレクションを発表しました。Courtesy of LOEWEルックの概念と形式からの脱却。集合体として現れる、魅惑のキャラクターたち。きわめて露骨でストレートな表現。絶え間ないせわしなさ。多義に渡るアメリカ的イコノグラフィーを結晶化していくなかで、動態はルックの中に囚われていきます。コート、スーツ、ブルゾン、ジャンパー、ロングカーディガン、レザートラウザー、ファティーグパンツ、トラックスーツ ボトムスにおいてそれは直接的かつ明快です。バイカーブーツ、コンバットブーツ、スケーターシューズも同様に。ルックを提案するのではなく、"強要"するという冷笑的な試みのもと、アイテムは恣意的に一体化されています――シューズがソックスに、ソックスがトラウザーに、トラウザーはジャケットあるいはコートに、ベルトはウエストに。その様相は我々の生きるコラージュ化されたリアリティで日夜起きている事態と類似しています。Courtesy of LOEWEリチャード・ホーキンスの作品は断片化され、プリント、ニットのジャカード織、オーバーサイズのスクイーズバッグ(同バッグはデニムでも登場)の刺繍、パズルトートにおける刺繍やレザーマルケトリー、ガラススタッズ、フリンジなどのデザインに姿を変えて、ジュエリーや洋服の上でさらなるコラージュとして出現します。Courtesy of LOEWECourtesy of LOEWECourtesy of LOEWECourtesy of LOEWECourtesy of LOEWECourtesy of LOEWECourtesy of LOEWEロエベについて1846年スペインにて誕生したロエベは、176年以上にわたって世界的なラグジュアリーブランドの一つとして名を連ねてきました。2013年からはジョナサン・アンダーソンによる指揮のもと、新たな章へ。知的かつ遊び心に満ちたファッションと、大胆でいきいきとしたスペインのライフスタイル、レザーにおける類稀な専門性を背景に、クラフトとカルチャーを重んじるブランドとして存在感を示しています。お問い合わせ:ロエベ ジャパン クライアントサービス電話:03-6215-6116
2024年01月24日カラー(kolor)の2024年秋冬コレクションが、2024年1月20日(土)、フランスのパリにて発表された。反転と対照ワークやミリタリーを中心に、その構造や要素の裏側、反対側を垣間見せるかのような、今季のカラー。ワークジャケットやショート丈のトレンチコート、ブレザーなど、オーバーサイズのアウターをはじめ、ウェスタンシャツ、ダメージ加工を施したカーゴパンツなど、ワークウェアを中心としたアイテムが軸となっている。特徴的なのが、ライニングを延長することでウェアの裏側をほのめかす作り。ダッフルコートは表地を短く設定する一方、裏地は長く伸ばして。ワークジャケットは、フロントをボア素材で切り替える一方、ライニングのキルティングを垣間見せる。ブレザーにも、とりどりのチェック柄がちらりと垣間見えるよう仕上げた。また、レイアリングを意識したデザインや着こなしも特徴だ。ブレザーは、フロントを二重を重ねたようなデザインに。また、デニムジャケットを解体、前後反転したようベストをコートの上に重ね、コーデュロイブレザーの上にデニムベストをレイヤードするなど、レイヤリングが随所に取り入れられている。無骨なワークウェアと相反する装飾性も、しばしば見受けられる。ジャケットやパンツの裾にメタリックなきらめきを帯びたパーツを散りばめたり、トレンチコートやブレザーのカラーにビジューの装飾を施したりと、華やかなディテールを見て取ることができる。カラーは、秋冬らしい温かく落ち着いたものが軸。ブラウンやベージュを中心に、カーキ、ブラック、ボルドーなどを取り入れているほか、チェック柄を織り交ぜてトレッドな雰囲気を添えた。
2024年01月23日メゾン ヴァレンティノ(MAISON VALENTINO)は、1月20日(現地時間)、パリ造幣局博物館にて、2024-25年秋冬メンズコレクション ‘ル シエル 20.24’ を発表しました。Courtesy of Valentinoコンテンポラリーなマスキュリニティの絶え間ない反映。ピエールパオロ・ピッチョーリによるヴァレンティノの2024-25年秋冬メンズコレクション ‘ル シエル20.24’ は、アイデアと理想を伝えるコミュニケーションツールとして純粋な色を探ります。社会的な慣習から、そして周囲の期待から解き放たれた色。マスキュリニティを表す色ととらえられているブルーという言語が再構成され、再評価され、再考されます。Courtesy of Valentino色に新たな意味がもたらされます。かつてはフェミニンな色であったブルーが男性らしさの象徴となったのはこの100年以内のことに過ぎません。このコレクションではブルーを解放して再考し、変化した男性的な意識が表現されています。自由な思想を象徴するスカイブルーは、視野を広げて男性とは何か問いかける実験的な手段です。Courtesy of Valentino伝統的に男性らしいとされるワードローブとその先入観が、新しいアイデンティティによって書き換えられます。柔らかさ、流動性、繊細さ、優美さ。それらは傷つきやすさの中に見出される力強さであり、衣服における男性らしさやパワーの定義に対する私たちの認識に変化をもたらします。Courtesy of Valentinoこのメッセージは、イデオロギーや哲学を反映し、あり方をファッション化する衣服によって伝えられます。新たなアプローチや考察が組み込まれたウエア。ソフトになったテーラリングが柔らかい男性像を生み出します。テーラリングとオートクチュールという二つの領域を結び、エンブロイダリーや装飾がウエアの表面のみならず、そのアイデンティティをも変化させます。Courtesy of Valentino職人たちの技を称えることは、人間らしさの表れでもあります。神話に登場するモチーフがテーラリングの中にインターシャで表現され、美徳と生、普遍的な道徳性の物語として、理想主義と時代を超えた人間の価値を表します。ヴァレンティノアルトリリエーヴォ(ハイレリーフ、浮き彫り)と名付けられた彫刻のような刺繍のテクニックがジャケットのショルダーを飾り、男性らしい力強さの典型的なあり方を破壊します。Courtesy of ValentinoCourtesy of ValentinoCourtesy of ValentinoCourtesy of ValentinoCourtesy of Valentino@maisonvalentino#ValentinoLeCiel2024
2024年01月23日メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)の2024年秋冬コレクションが、2024年1月19日(金)、フランスのパリにて発表された。大胆な佇まい、時の経過を帯びたような表情古びた建物の空間を会場に、きらびやかなKen IshiiのDJとともに披露された、今季のメゾン ミハラヤスヒロ。ミリタリーなどを中心に、超・オーバーサイズと経年変化を帯びたかのような風合いを特徴とするコレクションを展開している。オーバーサイズが際立つのは、アウターの数々。アンコン仕立てのテーラードジャケットや、大胆なスリーブに仕上げたMA-1ブルゾン、ユーズド加工を施したデニムのモッズコート、ボリューム感あふれるパファージャケットやボアブルゾンなど、多様なウェアをダイナミックなシルエットにアレンジしている。経年変化を帯びたような表情も特徴だ。アンコンジャケットやスウェットウェアは、どこか古びた風合いに。デニムのコートやパンツには、無骨な素材感のファブリックにハードなブリーチ加工を。ニットカーディガンには裾にほつれを施し、アシンメトリックなプリーツスカートにはホールを散りばめた。古びた表情とは相反する、華やかな素材も随所に見られる。プルオーバーなどには、ラメ糸きらめく表情に。ダークトーンのジャケットにも、ラメ糸で光の表情を。あるいは、ボリュームのあるトレンチコートには艶やかなビニール素材を用いている。コーディネートのレイヤリングも特徴。ビッグシルエットのアウターには、さらに長い丈感のカットソーやスウェット、シャギーなニットカーディガンを重ねたり、逆にパファージャケットにはコンパクトな丈感のトップスとショートパンツを合わせたり、丈感のリズミカルな差異を際立てた。カラーは、都市の廃墟を彷彿とさせるダークグレーやブラック、カーキなどが中心。さまざまな加工や素材感で、これらダークトーンの色合いの多様な表情を引き出すほか、フェイクファーのイエローやシャギーニットのレッドなどで彩りを添えている。
2024年01月23日