写真家のブルース・ウェーバーがシカゴで撮り下ろした、ヴェルサーチ(VERSACE) 2016年秋冬コレクションのビジュアルが公開された。1990年にヴェルサーチのキャンペーンで初めて撮影を担当して以来、17年ぶりのコラボレーションとなる。モデルには、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)、カーリー・クロス(Karlie Kloss)、そしてディローン(Dilone)を起用。日常の生活を幻想的なストーリー仕立てにすることで、グラマラスなシーンから日常のシーンまで、どんな生活でも着やすい現代的なヴェルサーチを表現した。中でも注目したいのは、一家が休日を楽しんでいるような様子が切り取られたショット。ランウェイにも登場したダッフルコートを着用して、子供連れで颯爽と街を歩くジジ・ハディッドや、同じくコレクションピースのニット姿で家族揃ってクラシックカーから降り立つカーリー・クロスなど、ヴェルサーチ流のモダンな家族像がクールに映し出されている。
2016年06月12日エンダースキーマ(Hender Scheme)の2016-17年秋冬コレクションより、新作シューズを紹介。2016年6月中旬より、正規取扱店舗にて順次展開される。ブラック、ネイビー、バーガンディの3色展開で登場する「チロリアン(tirolean)」は手縫いのモカシン。ネイティブアメリカンの靴としてのイメージが強いモカシンを素材や製法で再解釈し、現代的な空気感が漂うデザインに仕上げた。機能的なコーデュラの生地をあえて意匠として使うことで、より本質的なアプローチを試みている。スポーティな第一印象が、エンダースキーマの挑戦を思わせる「ピール ゴア(peel gore)」。アイテム名にもなっている“皮”という着想は、このシューズが、中心からバナナの皮をむくように立体感を出そうというコンセプトがはっきりと表れている証拠だろう。履き口が深く、しまった形状をしているので、足首が包まれレースがなくても歩きやすさは抜群。ソールはビブラムで、接地面が少なくロッキングチェアのような感覚で前に歩を進めてくれる。2016年春夏コレクションで展開した「ファーブル(fabre)」をアップデートした「ファブリック ファーブル(fabric fabre)」も、たくさんの楽しみ方ができる一足。15mmアッパーの履き口を伸ばしたことや、布を切りっぱなしにしたことで、裸足に合わせても存在感を放つほか、ソックスと合わせても布同士の表情の合わせ方で楽しめる。カウのライニングを使用したことも、前シーズンとの印象が異なる要因の1つ。カラーも4色あり、自分らしさを見つけることができそうだ。ストリートで一躍脚光を浴びそうな、ヌメ革シリーズ「mip」の新作「mip-14」。大味になりやすいこのシルエットをここまでオーガニックに仕上げる秘訣は、細部に詰まっているこだわりだろう。アッパーは、タンニン鞣しの吟革をペーパーで擦ったカウと、ゴートの素上ヌメだ。足首の部分は、比較的タイトに設計されているため、ホールド感が着用時の安心感も生んでくれる。紹介していないアイテムも、ひとつひとつストーリーを感じられるものばかり。エンダースキーマの新作シューズを、一度着用してみてはいかがだろう。【詳細】エンダースキーマ 2016-17年秋冬コレクション展開時期:2016年6月中旬より順次展開店舗:エンダースキーマ正規取扱店舗アイテム情報:ギャラリーに記載
2016年06月12日バレンシアガ(BALENCIAGA)が、2016年秋冬プレコレクションの新バッグを展開する。あわせて、伊勢丹新宿店グランドフロアにて、バッグに注目した期間限定ストアをオープン。期間は2016年6月8日(水)から14日(火)まで。期間限定ストアでは、バレンシアガのアイコニックなバッグコレクション「クラシック」「ペーパー」「ネイビー」より、新作が登場。2016年秋冬プレコレクションのキーカラー“ネオンカラー”で彩られた「ネイビー カバ S」や「クラシック シティ」などが店頭に。新シーズンのハンドバッグを多数取り揃え、来場者を迎えてくれる。また、「ネイビー」コレクションから初のデニムバージョンが登場。ブラックデニム×ブラックカーフスキンでトーン・オン・トーンに仕上げた伊勢丹新宿店限定「ネイビー カバ M」「ネイビー クリップ M」は、ファンにとって見逃せないアイテムになりそうだ。【概要】バレンシアガ 2016年秋冬プレコレクション ポップアップストア会期:2016年6月8日(水)~6月14日(火)場所:伊勢丹新宿店本館 1 階=ハンドバッグ/プロモーション住所:東京都新宿区新宿3-14-1アイテム一例・ネイビー カバ S 99,000円+税・クラシック シティ 217,000円+税・ネイビー カバ M 116,000円+税・ネイビー クリップ M 56,000円+税【問い合わせ先】バレンシアガ ジャパンTEL:0570-000-601
2016年06月11日アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)が、2016年秋冬コレクションのシーズンビジュアルを公開した。モデルにはケイト・モスを起用。あるアーティストのアトリエという設定で、フォトグラファーのルイージ&イアンゴが創りだす白黒のビジュアルは、まるで映画のワンシーンのような重厚なムードを放つ。繊細なフローラルの刺繍やレースが表現するのは、ブランドの美学の本質であるフェミニティ。それをアンニュイな眼差しを浮かべたケイト・モスが身に纏うことで、女性らしさの中に宿る力強さや大胆さを感じられる作品となっている。アルベルタ フェレッティの2016年秋冬コレクションでは、ブランドの得意とする上質な素材でつくるエレガンスを軸に、スウェット素材やリラックスしたパジャマシャツを取り入れ、心地よさを溶け込ませたアイテムを提案した。【詳細】モデル:ケイト・モスフォトグラファー:ルイージ&イアンゴ
2016年06月10日バレンシアガ(BALENCIAGA)が2016-17秋冬メンズコレクションを発表した。実用性や機能性、日々のワークウエアをツールとした同コレクションは、創業者であるクリストバル・バレンシアガの上顧客であったモナ・フォン・ビスマルクのためにつくったガーデニング用の洋服からインスピレーションを得て製作されたもの。現代に合わせて再考され、実用的で計画的、リアルライフで使用するための洋服が生み出された。エプロンはレザーやスエード、スーツ用のウールを用いてその下に着用した洋服にマッチするようデザイン。その他のガーメントにはメンズウエアにおいて伝統的で主要なアーミークローズやユニフォーム、スポーツウエア、スーツアイテムなどが活かされた。素材には、硬いメッシュネオプレンやニットの他、レザー、スエード、ジュエルカラーのベルベット、ブラックやグレー、カーキを基調としたミリタリーな色調のナイロン、コットンドリル、ウールといった日常のファブリックを採用。クリストバル・バレンシアガのスピリットに基づき、シームは最小限に抑えられた。成形された時にシルエットが流線形を描くようにトラウザーやショルダーからシームが取り除かれている。トラウザーはワイドか、もしくは足に張り付くほどにタイトに、コートは床をかすめるほど細く長いか、もしくは短縮されショルダー部分は幅広く四角く裁断された。アクセサリーでは、ラテックスに浸されたチェルシーブーツや、アーミーバックパックからインスパイアされたバッグ、ウィメンズのプレフォールコレクションにも登場したシアリングスカーフなどが展開される。
2016年05月29日ユニクロ(UNIQLO)が、2016-17年秋冬コレクションを、2016年5月25日(水)に東京・ベルサール渋谷ガーデンで発表。定番アイテムの連鎖によって彩られた今季のランウェイ。ウルトラライトダウンとフリース、そしてポロシャツやニットが折り重なった新感覚の着こなしが続々と現れる。特に斬新なのは、アウターのレイヤード。ショート丈のコートにミドル丈のナイロンパーカー、あるいはダウンにさらにダウンといった掛け合わせがなされた。テイストミックスも特徴的。ウィメンズでは、タイトなニットの上にスポーツブラのようなタンクトップを重ね、さらにマニッシュなピーコートを合わせて。メンズでは、ヘリンボーンのフォーマルなセットアップに、アウトドアなダウンジャケットを重ねることで欲張りなコーディネートに仕上げている。カラーパレットは、ビビットカラーはもちろんのこと、秋冬らしいダークトーンも採用。スタンダードながらも異素材、そして意外性のある組み合わせを見せることで、ユニクロの新たな進化を感じさせた。
2016年05月28日ユニクロ(UNIQLO)が、2016-17年秋冬コレクションを発表。今シーズンもまた、モデルを起用した大規模な展示会を開催し、私たちの生活に寄り添うデイリーウェアを提案していく。定番アイテムを揃える「エッセンシャル」、スポーツやアウトドアシーンで活躍する「スポーツ」など、ユニクロでは馴染みあるワードローブはもちろんのこと、さらにパワーアップしたコラボレーションアイテムに注目してほしい。■マジック フォー オールウォルト・ディズニー・カンパニーの協力のもと、世界中の人々に“服”を通じて驚きを伝えるマジック フォー オール。1周年を迎える今年は、「Varsity」と「Outdoor」をテーマとしている。「Varsity」では、アメリカンカレッジファッションからインスピレーションを得たスポーティーなアイテムを。「トイストーリー」のキャラクターたちが、カレッジ風のロゴとなって登場する。そして、「Outdoor」では、ニットやフランネルシャツ、そしてウルトラライトダウンを新デザインで楽しめる。裏地をたくさんのミッキーで埋め尽くしたウルトラライトダウンは、この冬大活躍間違いなしのアイテムだ。そのほか、「スターウォーズ」や、「マーベル」シリーズなどもプルーオーバーやTシャツで、コミカルな演出をみせてくれる。家族で楽しめる同コレクションは、随時アイテムを展開予定なで今後も目が離せない。■ハナ タジマ フォー ユニクロファッションデザイナーである、英国生まれのハナ・タジマとのコラボレーションコレクションが日本初上陸。2016年6月30日(木)よりビックロ ユニクロ 新宿東口店、ユニクロ 銀座店、吉祥寺店、心斎橋店で展開する。デザインと機能性の両面でアジアを中心とした多くの国で高い評価を受ける、ハナ・タジマのウェア。アシンメトリーなカッティングや、滑らかに揺れるスリットなど、女性のボディラインを程よく主張させるフォルムが魅力となっている。レーヨンのロングワンピースやワイドパンツなど、ドレープの効いたエスニックムード漂うアイテムは是非チェックしてほしい。■イネス・ド・ラ・フレサンジュすでに馴染みのコラボレーションである同コレクションの16年秋冬シーズンは、ファッションの歴史において大きな変革期となった1960年代後半のパリがテーマ。パリのブルジョワのファッションが一般市民に流れ込み、2つの異なる文化が融合したその時代を再解釈した新鮮なスタイルを提案。当時の風景を想い起こさせる“パリジャン・シック”な魅力を詰め込んだ。メインカラーとなったのはグレー。そこに鮮やかなブルーやレッドをアクセントとして取り入れた。コートやニット、そしてシャツなどスタンダードな形でありながら、洗練されたワンランク上の洋服が堪能できるラインナップだ。■カリーヌ・ロワトフェルドカリスマファッションリーダーとのコラボレーションは今季も健在。女性なら誰もが羨む、最高のエレガンスとフェミニン、そしてクラシック。あらゆるエレメントを抱合してパワーアップし、さらに注目度が高まっている。アウターから、ニット、セットアップスーツ、ベルトやタイツの小物までを用意。特に、豊作となったアウターには、テーラリングの要素を取り入れた丁寧な仕立てのものが並んでいる。また、イミテーションファー(フェイクファー)を使用したアイテムは、ラグジュアリーな仕上がりで、バッグやティペットにも取り入れられた。ブラックを基調としたカラーパレットには、女性らしいエッジを加えるローズピンク、そしてミリタリーなカーキをプラス。レオパードやタイガーカモフラージュなど、強気な女性を連想させるカリーヌらしいアイテムももちろん忘れてはならない。
2016年05月28日ミー イッセイ ミヤケ(me ISSEY MIYAKE)が6月1日に2016秋冬コレクションを発売する。同コレクションでは、“TRUNK”をテーマに楽しい旅の友となるワードローブを提案。旅の準備をしながらこれから出会うであろう様々なシーンを思い描き、ミー イッセイ ミヤケらしい加工やパターンで表現したアイテムの数々を展開する。6月1日に発売されるアイテムのうち、「STAR PLEATS BAG」(8,000円)は夜空の星をハンドプリーツで象ったバッグ。二子玉川店限定でグリーン、ブラックカラーも発売される。なお、ブラックカラーのみMOMA museum shopでも販売される予定だ。
2016年05月25日マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)が2016-17秋冬ウィメンズコレクションのルックを公開した。2016-17秋冬ウィメンズコレクションでは、新たな素材やカラー、ストレートなシルエットにより新鮮なスタイルを提案。キャメルとブラックカラーをベースに、ブランドのアイコン的な素材であるハリスツイードをはじめ、ミルドコーティングやブラックウォッチ、フェルテッドウールジャージーといった素材を用いて製作した。「SHEEPSKIN DUFFLE」(45万円)は、数シーズンにわたり展開しているシープスキンのコートを新たなデザインで仕上げた今シーズンの代表的なアイテム。クラシカルなアーガイルのニット「ARGYLE KNIT」(9万5,000円)は、袖丈やシルエット、ディテールにこだわって製作された。その他、2種類の素材を用いてマニッシュなスタイルを提案する「HIGHLAND JACKET」(キャメル/7万2,000円、ブラック、チャコール/6万8,000円)や、ピンタックを配したデザインが新鮮なペーパーライクで繊細なコットンシルク素材のサーキュラースカート「COTTON SILK POPLIN」(ドレス/8万5,000円、スカート/4万8,000円)などが展開される。また、ベルベットのパンプスやレザーバッグ、シルクスカーフからボウタイまで、アクセサリーも数多く登場。マニッシュの中に足されたフェミニンさなどスタイリングの絶妙なバランスが今シーズンのコレクションのポイントとなっている。
2016年05月24日エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)やFWK バイ エンジニアド ガーメンツ、ニードルズ(NEEDLES)、サウス2 ウエスト8(SOUTH2 WEST8)をはじめとした人気ブランドの2017年秋冬コレクションをいち早く見ることがきるストアイベント「PREVIEW」が今季も開催。2017年5月19日(金)、ネペンテス 東京・青山エンジニアド ガーメンツを皮切りに、全国各店舗で行われる。会場では店舗販売に先駆け、人気ブランドの2017秋冬コレクションが集結。最新コレクションのサンプルを見ながら、各ブランドの今季の世界観を堪能できる機会となる。また、イベント開催中は、商品の予約や入荷連絡も対応。来店者には先着で、各ブランドのイメージブックレットもプレゼントされる。【イベント詳細】PREVIEW■ネペンテス 東京 / エンジニアド ガーメンツ開催期間:2017年5月19日(金)・20日(土)・21日(日)■ネペンテス 大阪開催期間:5月26日(金)・27日(土)・28日(日)■ネペンテス 博多開催期間:6月2日(金)・3日(土)・4日(日)■SOUTH2 WEST8開催期間:6月17日(金)・18日(土)・19日(日)※イメージブックレットの配布はなくなり次第終了。
2016年05月22日ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)が2016年秋冬コレクションを発表した。今季は60年代を代表するファッションアイコンである女優、ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)へ敬意を込めたコレクションになっている。フレンチシックなジャケットやスカートには、ラメ加工が施され当時のスタイルを彷彿とさせる。ヒョウ柄やマルチカラー、多彩なデザインのトップスに対してブラックやネイビーなど暗めのカラーのタイトなミニスカートをスタイリングすることで、全体像に落ち着きを加えた。ブランドが得意とするカシミアセーターには、スカルやペラフィネ自身の愛犬がモチーフに。さらに今季は、2つのコラボレーションが実現した。アメリカンコミック『ピーナッツ(PEANUTS)』の映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』の放映を記念したカシミア100%の上質なニットが登場。スカイブルー、ピンク、ネイビーのセーターの胸部には愛らしいスヌーピーの姿が。もう1つは、パリの老舗キャビア店「キャビア・キャスピア(CAVIAR KASPIA)」。ブラックのセーターにブルーで魚と店のロゴをデザインし、まさにフランスを代表するラグジュアリーアイテムに仕上げた。
2016年05月17日バルムング(BALMUNG)の2016-17年秋冬コレクションが2016年5月7日(土)、東京・渋谷で発表された。インスタレーション形式での発表となった今シーズン。シルバーとブラックの装飾、不規則に点滅する蛍光灯の光に包まれた会場に9体のルックが姿を表す。昭和の匂いがまだ残る、少し貧しさのあるような学徒をイメージの一部にワードローブを展開。体育館シューズや、ローファーをアレンジした靴、白ソックス、制服のディテールを取り込んだプルオーバーなど、学生の持つ初々しさや純粋な意味でのサブカルチャーを感じるアイテムや着こなしが目立った。また、もう1つのイメージソースとして、小さな子供が描いたようなチープな花柄を採用。メガネのフレームやバングル。アウターのプリントなど、様々な部分に登場している。総柄のアイテムは、同系の柄を散りばめた上にブラックのレースをレイヤード。動きとともにその空気感を変える興味深いアイテムだ。イメージを形にし、様々なアイテムに落とし込んで行くバルムング。スヌードにプリントされた白髪の人物は、死に近づく“昇天”のようなイメージを、古い日本のホラー映画から感じ取り表現したものだ。またそのスヌードと同生地のプルオーバーは、ネックが2重になっているディテールがポイント。インパクトのあるフォルムだけでなく、細部のデザインや、ニット地のアナログな立体感など、様々な部分にメッセージはこもっている。秋冬コレクションでありながら、ショーツなどのウェアも取り入れて展開する理由として、幅広い地域の人に愛されているという側面がある。象徴的なトップスのボリュームが引き立つコーディネートとしてだけでなく、ファッションを通してメッセージを伝えていく姿勢もブランドのストロングポイントといえよう。
2016年05月10日ミサハラダ ロンドン(misaharada london)の2016-17年秋冬コレクションを紹介する。イギリス・ロンドンを活動拠点とする、デザイナー原田美砂。英国王室ご用達の帽子ブランドに勤務し、エリザベス女王在位50周年記念式典のパレードでは、彼女がデザインした帽子を女王が着用し、当時大きな話題となった。そんな彼女が手掛ける今季は、20世紀の抽象芸術からインスピレーションを受けている。テーマは「カレイドスコープ モダン(Kaleidoscope Modern)」。特に強く影響を受けたのは、彫刻家・現代美術家であるアレクサンダー・カルダーと画家のソニア・ドローネだ。アレクサンダーが発明・制作した彫刻、そして幾何学的な模様。ソニアが描いた鮮やかなテキスタイルと絵画が、デザイナー原田に光を宿している。レーザーカットで仕上げた羽飾りは天高くのび、リサイクルのメタリックスパンコールはキラキラと輝く。レースのアップリケ、顔を覆うベール、クリスタルのモチーフ。そんな装飾の数々は、気品と洗練さをもたらしてくれる。素材は、ファーベロアやウールフェルトを用いて。カラーもバーガンディやモスグリーン、ダークネイビーなど、重厚感のあるものを好んだ。男性の正礼装に用いられる「ホンブルグ帽」や、ツバの広い「ワイドブリム クロッシェ」は、今シーズンのムードをくんだアイコンアイテムといえる。原田が生む、大胆さと繊細さを併せ持つ帽子たちは、着想源となったエネルギーとバイタリティあふれる抽象芸術と深く共鳴し合い、現代的なエレガントを奏でている。
2016年05月09日メルシーボークー,(mercibeaucoup,)は、「日本の神話」をテーマにした2016年秋冬コレクションを発表。イザナギとイザナミという2人の神によって創られた日本。やがてそこに住み始めた人間のために2人は力を合わせて国造りを進めていくのだが、その途中でイザナミは亡くなってしまう。時を経ても悲しみが癒えなかったイザナギは、死者の国である“黄泉の国”に足を運ぶことにする。しかし、そこで見たのは雷神が宿り、変わり果てたイザナミの姿。殺そうと追いかけてくるイザナミと鬼たちに追われながら、イザナギは元の世界へ必死で逃げ戻る。疲れ果てた彼の前に現れたのは、天照大御神らであった……。まだまだ話は続くのだが、今シーズン描かれたのはここまでの話。これらは顕著に洋服に落とし込まれた。日本古来より使われている麻素材に特にこだわり、綿、ウールなど国産の天然素材を中心にゴブラン織り、ジャガードやリボン刺繍などで世界を表現。伝統的な麻の葉柄、風神と雷神、鬼を追い払う時に用いたブドウの実や筍、桃の実が、ランダムにあしらわれている。そして、重要な登場人物であるイザナギとイザナミは、マルチなカラーでコレクションに彩りを加えた。ディテールには、2人が創り上げた日本列島そのもののパッチワークや、しめ縄のような模様、さらには神社でよく見る紙垂(しで)を模したモチーフまでが揃う。また、アイテムの名前もユニークで、例えば「クニウミソー」と名付けられた国と海を描いたカットソーがある。身に着けている洋服に隠れた物語を、友人たちに思わず話たくなってしまうような楽しい提案がなされた。デザイナー宇津木は今季のテーマについてこう話す。「最近、自分自身が自然栽培を始め、日本の食のものづくりに興味を持ち始めました。そこから、改めて“日本”を考えることに。蓋をあけたら、とても面白い話があった。それを形にしようと思いました。」ボーダレスな時代、海外に目を向けがちな今だからこそ、日本の良さを再考する場として今回のコレクションが完成したのだろう。人間の欲望にはきりがない。欲深くならずに満足することができる人は、心が富んでいるということ。それが、今季のサブテーマとして掲げられた“足るを知る”。メルシーボークー,の洋服が、そのきっかけとなれば嬉しい、そんな想いが感じられるような気がした。
2016年05月07日ストフ(STOF)が2016-17年秋冬コレクションを発表。テーマを「旅」とした今季は、風を感じられるような爽快感、そして旅の中で出会ったたくさんの国の文化を取り入れる多様性のあるワードローブを提案する。“書を捨てよ”。寺山修司の作品にもあった、その言葉を思い起こさせるのは緩いシャツやラフなハーフパンツ、そしてウィメンズのみで言えば丸みを帯びたカットワンピースもそうだ。秋冬とは思えないほどの軽やかな様相となっている。着物をイメージしたカシュクールのコートは、何も持たないでいられるようにフラップ付の大きなポケットを配して、軽装で行く旅に備えた。快適さを失わないように、素材には薄地でも保温性のあるものを選択。さらに、国境を越える表現も散見される。ベルギー産のジャカードは、チマヨ柄やノルディック柄のような民族調のモチーフを配して、ボリュームあるコートや大判のストールに。一方、NASAとの共同開発によって生まれた、近未来的な素材は海と大陸を抽象的に現しているようで、霞がかって見える淡いナチュラルカラーが印象的だ。シルエットは、ポンチョのような裾広がりのものが多く、サイドにスリット、バックに深いベンツを入れて動きを出している。また、ボトムスのレイヤードを楽しむスタイルも今季の特徴のひとつだろう。淡いグラフチェックが重なるコーディネートは、リラックスムードが弛みなく流れている。そんなトラッドなアイテムに合わせた足元は、主にトレッキングシューズ。しっかりと一歩を歩みだせるように、緩いワードローブの土台となり、旅への気持ちを高揚させる。
2016年05月07日ベッドサイドドラマ(bedsidedrama)は、“おとぎ話”をソースにした2016-17年秋冬コレクションを発表した。ページをめくるように次から次へと違うルックに目を移せば、たくさんの物語が隠れてることに気づかされる。まずは、『不思議の国のアリス』から。イメージインスピレーションは、モヘアシャギーのジャカードで表現された。ポンチョ風のロングカーディガンやコート、大きなバックパックが、ふんわりと温かみのあるムードを漂わせる。一方、『ラプンツェル』はニットアイテムへ。彼女の長い髪を連想させるのは、ケーブル編みや三つ編みのデザイン。ニットカーディガンの中には、バックのシルエットに大きな三つ編みを施して、裾を毛先のようなフリンジ状に仕立てているものもある。そして、『ブレーメンの音楽隊』や『赤ずきん』をイメージしたプリントは、プルオーバーの真ん中にシンプルに配され、7人の小人はグラフィカルな模様となってワンピースを彩る。誰もが知るおとぎ話の登場人物とともに、コレクションを盛り立てたのは、森に住む動物たちだ。MA-1の袖部分は、オリジナル柄のキルティングで、そこにはひつじやオオカミ、ねこ、山羊といった動物が潜んでいる。色がカーキだったり袖ポケットがあったり、ミリタリーな要素はそのままなのだが、どこかメルヘンなのは愉快な彼らのせい。ファンタジーな世界を着想源にしていると、とびきり甘いムードの洋服が生まれそうであるが、すべてがほんのりドリーミーなだけ。ベースはあくまでナチュラルだ。例を挙げるなら、分量感たっぷりに仕上げられたワンピース。装飾や柄のないシンプルな素材を大きく用いることで、いとも簡単に魔女を連想させるのが面白い。また、スタイリングも過剰になりすぎない配慮がなされていて、プリント入りのプルオーバーには、柔らかいニットパンツやワイドパンツを組み合わせることで、リラクシングな流れを築いた。さらに、洋服だけでなく、足元にも物語は繰り広げられている。今季のアクセントであり続けた『赤い靴』。主人公が魅了された靴と同じように魅惑的で、私たちをリリカルな世界へと導いた。
2016年04月26日ファッションブランド「アンスリード(UN3D.)」が2016-17年秋冬コレクションよりデビュー。デザイナーは、ムルーア(MURUA)で9年間に渡って、クリエイティブ・ディレクターを務めた荻原桃子。定番から距離を置いた個性的なウィメンズウェアと、その特徴的なディテールを連動させたメンズウェアを展開する。 アイテムは、プリーツ、タック、ドレープと3つのアイコンディテールを際立せてデザインされており、特にブランドを象徴するのは折り紙のようなプリーツ。ファーストシーズンは、イラストレーター佐々木香菜子とのコラボレーションウェアも揃え、華やかな構成だ。洋服だけでなく、ファーをあしらったソックス、カラフルなシューズなど、パワフルなアクセサリーも並べ、モダンなコーディネートを提案する。ファーストコレクションの展開を前に、デザイナー荻原桃子に新ブランド「アンスリード」に対する思いを聞くことができた。「アンスリード」は、「UN STANDARD, UN SIMPLE, UN SIMILAR」をキーワードに、いろんな道のアンチテーゼを謳っています。例えば、通常新ブランドをスタートさせるときは、年齢・職業など、着る人の細かい情報を考えてブランディングすると思うのですが、今回はそう考えることに疑問を抱いていて。例えば、子供産んだらこういうの着ないよね、30歳・40歳になったらこういうの着ないよね…という声。もちろんそういう人も多いでしょうが、そうじゃない人もいるはず。(製作側が)勝手に考えすぎて制限することで、結果としてこっちの自己満足になっているのでないかと。架空のことを考えるよりも、まずは洋服で表現したいディテールやデザインを考える。そして、本当に好きな人に買ってもらう。そういう順序にしたかったんですよね。これまでのブランドの作り方からは距離を置きたいなと思いました。元々すごく好きなディテールで。立体的、構築的なものに惹かれるんですよね。プリーツに対して、繊細さだとか、女性らしさだとか、そういったイメージを持っている人が多いと思うんですけど。だからこそ(力強いものと組合せたり、男性服に取り入れることで)、強さと優しさ、硬さと柔らかさといった相反するものをうまく表現してくれるのではないかなと思いました。ドレープも同様です。しかし、全体的に使うのではなく、(裏地であったり)部分的に使うことにもこだわっています。商品をつくる上で、色々な取引先と新しく関係を築いていくことが課題でした。最初はロットも少ないので、メーカーさんや工場さんが得をすることは少ないので、ブランドの熱意をお話しさせていただきお願いするところから始まりましたね。人間関係の重要性も考え直させられました。大きいブランドの中で長くやっていたので、制限のある中で個性を出すということ。また、セールス面の考え方を学びました。どんなに良い商品を生み出しても結局着てもらえないと意味がないので、どうやったら多くの方に着てもらえるかなと常に思考することは、得た部分だと思います。価格設定が4~5倍高くなっている分、制作過程は全く違います。「UN3D.」は、ほとんどのアイテムが日本製で、トワルと仮縫いの工程を経てパターンを作成していますし、靴も木型から制作をしています。もちろん、素材の選び方、縫製、始末、そのほかにも裏地のデザインやタグ、ショッパーなど、全てにおいてディテールまでしっかりとこだわりを入れています。たくさんブランドがあって、高い洋服も安い洋服もあるなか、1番大切なものはオリジナリティだと思っています。でも、こんなに物があふれている時代に、完全にどこにもなかったものなんてないと思うんですよ、似たようなものはきっとどこかにあるはず。でも、見せ方と組合せ次第ですごく新しくなる。新しいものを見たときって、ドキドキワクワクして、感動する。そういう気持ちに、作っている側もそうだし、着る・見る側もなって欲しい。そういう特別なブランドにしていきたいと考えているんですよね。安心して着られる洋服をあえて推したくないのは、世の中にたくさんあるから。ベーシックを追求しても今は意味がないんじゃないかなって。まずは、この世界観をもっと濃くしていきたい。そして、クオリティを高めて、セレクトショップに並んだときに、タグをみなくても「アンスリード」とわかってもらえるものにしていきたいと思っています。そのためには、一つひとつのデザイン性とクオリティを上げていくことが大切です。なかなか全身(コーディネート)で着てもらうことは難しいと思っているので。もちろんそういう方がいらっしゃったら、とっても嬉しいのですが。「アンスリード」のアイテムは、一つひとつにデザインソースをたっぷりと入れています。いつものスタイリングの中に、1つ取り入れるだけで、馴染みながら個性を出してくれるはず。手持ちの服と交えて、自由に着て欲しいですね。それは、原点であるんですけど、やっぱり自分たちがつくった洋服を着ている人を見るのが一番嬉しいです。SNSを通じてコメントをもらったり、お店で声をかけてもらったり。私たちの洋服を着てみて、ファッションに対する考え方や気持ちが変わったと意見を聞くと、とても嬉しいですよね。まずはオンラインショップからスタートして、今秋には、青山に路面店をオープンします。今は、店舗デザインを構想中です。お店では、洋服のほかにも、アートなども取扱います。オープン時には、今季ご協力いただいたアーティストの佐々木香菜子さんとコラボレーションしたアートを揃えます。彼女とは色彩感覚があって、素敵な作品が出来上がりました。それと、香港のセレクトショップ「I.T」さんでの取扱いも決まりまして。世界で同時に販売します。初めから、世界で同時に売りたいと思っていたんですよね。私が好きだと思うデザイン性の高いアイテムは、日本のマーケットだけでやっていくにはつらいのでは…と心配していたところもあって。「アンスリード」を好きだと思ってくれる方々に向けて、国境を越えて発信いきたいです。【ブランド詳細】アンスリード展開時期:2016-17年秋冬■アンスリード青山店オープン時期:2016年秋
2016年04月24日ロイヤル チエ(ROYAL CHIE)が、2016年秋冬コレクションを東京・内幸町の帝国ホテルで2016年4月14日(木)に発表した。40周年を迎える記念すべき今回のショーのテーマは、「MOSAIQUE de CHIE Sunshine」。ナチュラルなオフベージュ、透き通るようなホワイトといった優しいカラーパレットに、今季はそのテーマにふさわしい劇的な変化を投じた。ブランドのアイデンティティといえる軽くてカラフルな色使いが特徴のモザイク・ドゥ・チエには、イエローとネイビーブルーのエネルギッシュな配色が登場。それはまるで、太陽が降りそそぐ光のような輝きを放っていた。組み合わは自由自在。首からすっぽりかぶれるポンチョやショートコートにマッチさせたのは、ペンキをドリッピングをしたようなデザインのスキニーや、裾をカットオフしたデニムのタイトスカートだ。また、小物使いも愛らしく、スパンコールのカクテルドレスにコンパクトなボレロを羽織った2ルックには、手元にハートのミンクチャームを、 桜色のAラインのミニワンピースの足元はハイカットのスリッポンを。女性の永遠の憧れであるファーが、デザイナーの今井千恵によってより身近なものへと変化する。今回のコレクションに際し、今井は「長年愛用でいるファーは、ひとりひとりを優しく包み込むだけでなく、身に着けることによって、新たなエネルギーを生み出す不思議なパワーを持っています。今回の作品の中からお気に入りのファーを見つけてもらえれば嬉しいです。」とコメント寄せた。
2016年04月17日ドレスキャンプ(DRESSCAMP)の2016年秋冬コレクションが発表された。今季のテーマは「Animals(アニマルズ)」。ブランドらしいヴィヴィッドな色彩の中に、動物たちが現れた。ダイレクトに動物を表現するのは、ヒョウ柄やクロコダイルの型押し、そしてボリューミーなファーなど。ヒョウ柄はアウターからトップス、ボトムスまで、様々なアイテムに落としこまれている。ワンピースに関しては、フリルスリーブとチェリーの形に切り抜かれた裾によってガーリーさを加え、バランスをとる。一方クロコダイル柄は、鮮やかなメタリックカラーを使用し、とことんワイルドに。国内生産にこだわるダウンシュラフ・メーカー「ナンガ(NANGA)」とのコラボレーションによるダウンジャケットシリーズも、インパクトのあるレオパード柄で仕上げた。なお今シーズンはこれに限らず、メイド・イン・ジャパンに注目し、ほとんどのアイテムの素材に国内のものを採用している。そんなジャングルライクな世界観の中に、ロックテイストを感じさせるのは、存在感のあるスターモチーフ。星条旗を彷彿させるデザインや、大胆なサイズ感であらゆるウェアに散りばめられている。デザイナー・岩谷俊和は「今後ドレスキャンプの定番モチーフにしたい」と語った。さらに、メンズウェアにはミュージシャン デヴィッド・ボウイの曲「ヒーローズ(Heroes)」の歌詞がコートの裾や、ブルゾンの背中など随所に綴られた。アクセサリーにも目を向けたい。ボリューム感が目を惹くメンズの牛皮スリッポンシューズは、左右に異なる色のネオンベルトが取りつけられ、野生的な着こなしと相性抜群だ。
2016年04月16日ミヤオ(MIYAO)の2016年秋冬コレクションが発表された。今季は50年代〜70年代をインスピレーションとし、「レトロ」や「ノスタルジー」をキーワードにコレクションを展開した。まず目につくのが、極端に強弱がつけられたウェアのフォルム。大きい身頃+小さな袖、小さな身頃+大きな袖とユーモアの感じられるアンバランスさが特徴となっている。コートやニットに付けられたスリーブは大きく、中にはファーが取り付けられたボリューミーな袖もあり、存在感を光らせる。レトロな世界観は、細かいドット柄やピンナップガールを彷彿させる浮き出た下着風のデザイン、そしてレッドをキーカラーにしている辺りで感じることができるだろう。ルックでも、スカーフを頭からかぶった着こなしが披露され、少し懐かしさが漂う。また今シーズンは、デザイナー・宮尾史郎が好きなモチーフだと語るフラワー柄が豊富に落とし込まれた。大きなバラが金銀の箔を使用して表現されたり、カットワークでカーディガンにあしらわれている。他にも、首元に添って可愛らしい小花が咲いた。
2016年04月13日ビューティフルピープル(beautiful people)が2016年秋冬コレクションを発表した。今シーズンは「パリジェンヌになりたい」をテーマに、彼女たちの粋な着こなしをブランドらしいユーモアで新鮮に再構築。なおビューティフルピープルは、今後パリコレクションでの発表を目指しており、今回のテーマはまるでその心境を表現したように感じられる。男性のアイテムを、フェミニンに自分らしく着こなすパリジェンヌのスタイルをアイデアソースにした。着崩したようなシルエットになるよう、裁断し直したモッズコートやPコート、そしてメルトンのライダース。他にも、前後の表情が全く異なるノーカラーコートやスカート、上下逆に着せて裁断し直したバルキーなニットなどが登場する。きっかけはユニークだが、シンプルかつエレガントな仕上がりが特徴だ。さらに、ドット柄のトップスやフリルワンピース、白シャツ、ボーダーのタートルネックやデニムなど、あげるとキリがないほどパリジェンヌの溺愛アイテムたちが溢れかえる。ただし、そんなアイテムにブランドらしいスパイスを。シャツはブルゾンのような袖と、胸元の切り替えを利用したポケットが付き、メンズのナイトシャツをイメージしたものには、パールのボタンがあしらわれている。フリルワンピースのドット柄は、細かく描くことで遠目で見るとチェック柄に見える仕組みになっている。ユーモア溢れるシューズやアクセサリーにも目を向けよう。「フランスのメゾンが足袋なら日本のメゾンがバレエでも良いだろう」という考えで誕生した、バレエシューズのようなコロンとした丸く平らなつま先のブーツやローファー。また、アクセサリーからは舞子が使用している銀ビラと呼ばれる金属の髪飾りをモチーフにしたバングルやイヤリング、ネックレスが登場。和洋折衷なデザインが、パリ風の着こなしに独特のアクセントを与えてくれる。さらに今季のニュースとして挙げられるのは、メンズをノージェンダーなラインとしてレディースに統合したこと。XXSからLまで豊富な5サイズで展開されるので、自分にぴったりのサイズが見つかりそうだ。
2016年04月12日アキラナカ(AKIRA NAKA)が、2016-17年秋冬コレクションを発表した。「デコンストラクション」をテーマにした今シーズンは、 従来より自由で直感的な発想をもとに、シルエットやディテールのデザインを構築。布帛のようなシルエットのニット、結び目で袖付けをしドレープを描き、ウールの織りでデニム地を表現するなど、新しさを追求したコレクションとなっている。
2016年04月12日ジェニー ファックス(Jenny Fax)の2016-17年秋冬コレクションが発表された。2012年春夏シーズン以降、ショー形式で最新ルックを披露してきたジェニー ファックス。今季は、デザイナー シュエ・ジェンファンの故郷・台湾で、初めてコレクション発表を行った。アーカイブ作品と新作を絡め、ブランドコンセプト「儚い記憶の断片、頭からずっと離れない大切な思い出」というキーワードを描く。クリエーションの起点を振り返るシュエの姿が目に浮かぶほど、シーズンピースは淡く切ない仕上がり。ブランドと切り離すことのできない‟少女性”は、ロマンティックに表現する。ミニドレスに添えられた襟は、真っ白で大きく、花の刺繍が添えられている。チュールドレスは、ペールトーンで染め上げ、カラフルな糸でステッチを施した。あたたかなニットの上では、クマたちがティーカップに入って楽し気な表情をみせ、金刺繍入りジャカードブルゾンは、袖口にレースをあしらって可愛らしさを加えた。ぬいぐるみのようなアニマルたちは、実はベルト。スイートな洋服たちに添えられ、さらに甘い世界を作り上げていく。少しの毒っ気は、ガーリーなムードに必要なスパイス。イラストで書かれたドクロモチーフがドレスの上を愉快に駆け抜け、大量のスパンコールが透明な糸で編まれたトップスの上で輝き、ちょっぴりアダルトな雰囲気を香らせる。
2016年04月08日ユマコシノ(YUMA KOSHINO)の2016-17秋冬コレクションは2016春夏シーズンに引き続きボタニカル、フラワーモチーフをプリントやジャカードなど様々な表現でレイヤーが重ねられた。ボタニカル柄でエスニックポップに表現したファーストルックのドレスは、グリーンのレギンスで80年代ロンドン風。タータンチェックやローゲージのニット、ケミカルなグラフィックプリントなどが黒をポイントに世界が構築される。ルーズ&タイト、ハード&フェミニンに相反する要素がミックスされ、ジオメトリックなアクサセリーなどとともに、ロンドンポップなスタイリングがブランドのアイデンティティとなりつつある。コレクション全体を包むテントシルエットのバランス、アールデコをモダンにアレンジした未来的なグラフィック、シャイニーな素材使いなど、この数シーズン、ママデザイナーとしてクリエーションを継続する彼女の洋服に対するアティチュードを感じさせるコレクション。来年、ブランドデビュー10周年を迎える同ブランドのネクストステージの序章を予感させるシーズンとなった。Text: 野田達哉
2016年04月08日G.V.G.V.(ジーヴィージーヴィー)が2016-17年秋冬コレクションを発表。前回のコレクションで、ロシアアバンギャルドとジャポニズムの融合をテーマとしたG.V.G.V.。そのジャポニズムにフォーカスした今季は、形、色彩、それら組み合わせのバランスとして“日本”を表現し、デザイナーMUGらしい世界を創り上げる。“日本を連想するカラー”、MUGにとってそれは紫と緑で、大胆に綾なす色彩は力強く、鮮やか。梅の花や紋章のようなジャカードは、屏風のような輝きを放っている。リバティとのコラボレーションから生まれたテキスタイルは今季も健在で、小花柄が隠れたパープルグラデーションのペイズリーが渦巻くように放たれた。着物風のカシュクールワンピースやパンツ、シャツといったトータルアイテムが揃い、組み合わせには小刻みなプリーツを施したドットを。シルエットは、帯から派生したウエストベルトや、着物の重なりを表現したトップス、振袖を意識した手元、ボリュームある袴パンツといった伝統的なもの。それだけでなく、モダンな日本文化、ヤンキーや女学生といったルーズなスタイルも主張している。象徴的なアイテムは、「JAPAN」や「TOKYO」を漢字風にデフォルメしてあしらったスカジャンだろう。両面に異なる刺繍が丁寧に施され、リバーシブルで楽しめるという秀逸さ。メンズライクなサイズによる適度な落ち感に、シルクによる淡い光沢が相反する上品さを添えている。アウターは豊作で、定番となったレースアップディテールのMA-1には新型が登場。フェイクファーやニューカラーを投入した。コレクションの中でも一際存在感を放っていたのは、毛足の長い模造のファーを贅沢に用いたガウンコート。ラフなプルオーバーを合わせて、ラグジュアリーとストリートが絡み合う斬新なスタイルを築きあげた。
2016年04月07日ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)の2016-17年秋冬コレクションが発表された。「commons&sense(コモンズアンドセンス)」とともに作り上げたビジュアルは、モノトーンでまとめ、これまでとは一線をひいた大人なイメージ。‟ヨーロッパを意識した”と坂部三樹郎が語るウェアも同様に、モードな雰囲気へシフトしている。コレクションの基盤となったのは、メンズアウター。がっつりと落ちたショルダー、長すぎるほどのアーム、大胆にとった身幅…ビッグシルエットのそれらを華奢な女性が纏う。そのミスマッチの水面下で、アウターを下地として取り入れるという、固定概念の崩壊が自然に成されている。レイヤードは枠に縛られず、自由気ままに。ロングコートの上から、たっぷりのフリルベストやラメ入りフレアスカートをレイヤードしたり、ブルゾンに、パフスリーブのようなアームカバーと大振りのネックレスをデコレーションしたり…。男性らしさの上にフェミニティをぶつけて、相反するものの間に豊かなコンビネーションを創り出していく。強さを感じさせるものには、とことん甘さを加えて。ベルベットのワイドパンツやMA-1にはリボン型のエンブロイダリーを飾った。モチーフは、テープを使った立体刺繍の下に、刺繍をさらに配して、2層構造に。デニム地のベストは、真っ白なレースフリルと花のパッチワークを施して、とびきりガーリーに仕立てた。
2016年04月07日ユウミアリア(YuumiARIA)の2016年秋冬コレクションが発表された。今季のテーマは「CALM」。ベースにパンク要素を忍ばせ、そんな強いスタイルを女性が着こなした際の柔らかさや静けさを表現した。例えば、ライダースデザインのアイテムを柔らかいアンゴラ素材で仕上げたり、メンズらしいツイードジャケットは女性らしいAラインに。襟元にレースやベルベットリボンをあしらったワンピースには、どことなくロックを感じさせるパッチワークが中心に大胆にあしらわれていたり..。「ハードさ」と「柔らかさ」を絶妙に織り交ぜたウェアを提案した。人気のリメイクラインにも注目したい。秋冬らしいフェイクファーを使用したボリューミーなコートや、ストールが登場する。ストールは角度を変えれば、フードにもなる2wayだ。また迷彩コートはスウェット素材を混ぜ込み、重ね着風のウェアにリメイク。落書きのようなデザインが施されたバックスタイルもポイントとなっている。ミリタリージャケットは、様々な柄のファブリックを下部に垂らすことで、ワンピースへと変身させたり、チェックシャツを繋げてロングアウターに仕上げたりと、まるで魔法のように変幻自在に姿を変えていく。またハードなロックTシャツは、繊細なオーガンザやスパンコールを加え、毒のある甘さへと昇華した。
2016年04月07日mame(マメ)の2016-17年秋冬コレクションが発表された。今季も「Alchemist」と題された、デザイナー黒河内真衣子の旅は続いている。現実と夢の狭間に広がる儚げなムード、古い屋敷を改装したホテルの雰囲気、旅の最中で出会った老夫婦。それらの要素一つひとつが、クリエーションの中に落とし込まれ、艶やかさを秘めたコレクションを築き上げている。肩のラインは落ち、アームラインは驚くほどに大きなガウンコートは、アイコンルックに。ビックシルエットの特性を活かし、ボリューム感のあるドレスとワイドパンツを合わせたり、胸元が大きくあいたカットソーを差し込んだり。少し短めに設定した袖口から、柄インナーをのぞかせたり。様々なレイヤードスタイルを生み出している。パンツスーツを筆頭に、少しだけ香るマスキュリニティ。ミリタリー調の布地は、洗いをかけたり、切り裂いて編み込んだりして、ソフトに。キルティングは、光沢を足して、女性らしさへと近づける。一方で、繊細なテキスタイルは今季も健在。羊をイメージしたというドット柄のジャカード、金刺繍で縁取った花模様、黒河内自らパッチワークしたオリジナルパターン。古い邸宅にある壁紙をイメージしたというジャカードは、美しいライトブルーに染め上げ、色っぽく仕上げた。コーディネートの幅を広げたのも、今季の特徴。編地や糸を変えて表情を出したニットや刺繍入りの羽織りなどを仲間に加え、オリジナリティをプラス。ナイトウェアのようなルーズシルエットも、デコラティブなベルトやアクセサリーなどの小物で着飾り、ドレスのような華やかなものへと昇華させている。
2016年04月07日サカヨリ(sakayori.)が、2016-17秋冬コレクションを2016年4月1日(金)に東京・南青山で発表。テーマとしたのは、夢とリアルの合間、不思議なことが普通に存在するアリスの世界だ。並べられたワードローブはというと、ひとめだけではアリスの世界観を読み取るのは難しいかもしれない。しかし、ひとつひとつを見れば、すべてがオーバーサイズで、物語のなかで小さくなったアリスを連想させ、テキスタイルには次元の歪みが感じられる。コートは、ボリュームのあるリラクシングな着心地。ふんわり流れるコクーンシルエットを築いて、大きなラペルは自然と裾まで重なり合う。シャツは袖が長すぎるし、ボトムスはウエストがブカブカだから折りたたんでいる。大きすぎるスカートは、ウエストであるはずの部分を胸元にしてベアトップワンピースに仕立てた。ずり落ちないようにバックル付のベルトを通して大胆にギャザーを寄せ、チュールレースを添えてボリュームアップさせるといった、アリスらしい機知に富んだ工夫が面白い。フラワーは、渦巻くようなカーブを描いて連鎖的にワンピースを彩った。羽織にはラグジュアリーなファー、ボトムスには実用的なニットを用いて、素材の緩急によってコーディネートに歪みをプラス。また、“EAT ME”のクッキーや“Drink me”のボトルは、モノトーンの挿絵プリントとしてトップスに。フロントにはたっぷりのラッフルが湾曲して入り乱れ、シルクの繊細さをかき消すように揺れ動く。一方、バックは背中全体が見えるほどザックリあいている大胆なデザイン。腰回りを折りたたんだような形のパンツをあわせて、オリジナルの色気漂うマニッシュスタイルを完成させた。カラーパレットの中で目立ったイエローの存在について、デザイナーの坂寄順子は「あえて、アリスのイメージカラーである青の反対色を用いた」と語った。ステレオタイプを覆すカラーリングは、“奇妙な世界”をパッと明るく見せている。また、フロントに施されたブランド定番の金具は、大きな服をアレンジして、おしゃれに着こなすための道具として活躍。おもわぬ現実が、奇想天外な装いをデイリーに馴染むものへと導いた。夢かはたまた現実か。そんな世界を体感できるように、インスタレーション形式で披露された今季。会場はマッドハッターやウサギも列席するティーパーティー。トランプが無造作に置かれたテーブルには小さくなったアリスの姿…。2つの世界を行き交う空間は、時空を超えて洋服を楽しめる特別な場所となった。
2016年04月05日サンローラン(Saint Laurent)が2016年秋冬コレクションのビジュアルを公開した。今シーズンは、女優として活躍の場を広げるカーラ・デルヴィーニュを起用。ボリューミーなファーコートに包まれた姿や、スパンコールが煌めくベアトップドレスをオーバーサイズのベルトで締め上げたレディライクな着こなし。さらに、スモーキングジャケットをクールに繕う姿が披露された。腕につけられた大ぶりのバングルや、ネックカフも着こなしにスパイスを与えている。撮影はアメリカ・ニューヨークで2016年3月17日(木)に行われた。なお、カーラ・デルヴィーニュは2013年にも同ブランドのビジュアルに起用されている。最近モデル引退宣言をした彼女。モデル活動復活となるのか、今後の動向にも注目したい。【詳細】CARA DELEVINGNELE SMOKING SAINT LAURENTLA COLLECTION DE PARISPHOTOGRAPHED IN NEW YORK MARCH 17TH 2016
2016年04月03日