全米監督協会賞(DGA)のノミネーションが発表された。1948年以来、DGAの長編映画監督賞とアカデミー賞の監督賞は7人を除いて一致していることから、DGAの結果は見逃せないものとなっている。昨年アカデミー賞で監督賞を獲得した『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルもDGA監督賞の受賞者であった。今年長編映画監督賞にノミネートされたのは、ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)、グレタ・ガーウィグ(『レディ・バード』)、マーティン・マクドナー(『スリー・ビルボード』)、クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)、ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』)の5人。ノーラン監督がDGAにノミネートされるのは『メメント』、『ダークナイト』、『インセプション』以来4回目。また、5人の中で唯一の女性のガーウィグ監督は、DGA史上長編映画監督賞にノミネートされた8人目の女性監督だ。過去、DGAにノミネートされた監督たちの80パーセントはアカデミー賞でもノミネートされている。アカデミー賞のノミネーションは1月23日(現地時間)に発表、DGA授賞式は2月3日、そしてアカデミー賞授賞式は3月4日に開催される。(Hiromi Kaku)■関連作品:ダンケルク 2017年9月9日より全国にて公開(C) 2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
2018年01月12日毎年恒例となった「2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン」が発表。個人賞では『彼女がその名を知らない鳥たち』の蒼井優が主演女優賞、『あゝ、荒野』『火花』などで主演を務めた菅田将暉が主演男優賞に選ばれ、日本映画ベスト・テン1位の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石橋静河、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』と主演作が続いた山田涼介がそれぞれ新人女優賞・男優賞を受賞した。1919(大正8)年に創刊され、“世界一の歴史を持つ”映画雑誌「キネマ旬報」による「キネマ旬報ベスト・テン」。今回で91回目を迎え、あの米アカデミー賞(2018年で第90回)を超える由緒ある映画賞としても知られる。日本映画第1位(作品賞)には石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』、外国映画第1位(作品賞)にはケン・ローチ監督のカンヌ・パルムドール(最高賞)受賞作『わたしは、ダニエル・ブレイク』が選出。また、個人賞・主演男優賞の菅田さんは初の受賞となり、日本映画ベスト・テン3位に入った『あゝ、荒野』ヤン・イクチュンが助演男優賞でW受賞。ヤン・イクチュンは2010年度(第84回)の『息もできない』(外国語映画作品賞)以来の受賞で、外国人俳優の個人賞受賞は1993年度(第67回)『月はどっちに出ている』のルビー・モレノ以来となった。助演女優賞は『幼な子われらに生まれ』の田中麗奈が獲得した。蒼井優&菅田将暉から喜びのコメント到着2006年度(第80回)『フラガール』『ハチミツとクローバー』など3作品で助演女優賞を受賞して以来の受賞となった蒼井さんは、「今回の受賞を、私の周りの方々がとても喜んでくれて、ああ、多くの人にお世話になっていただけた賞なんだなと、改めて思いました。ありがとうございました」と真摯にコメント。2017年大活躍をみせた菅田さんは、「真ん中に立つことがひとつの目標だったので、こんな大きな賞をいただいたことに対して、気が引き締まります。これからもワンカットワンカット、真摯にやっていきます」と気持ちを新たに喜びを語った。■受賞結果【個人賞】日本映画監督賞大林宣彦『花筐/HANAGATAMI』日本映画脚本賞石井裕也『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』外国映画監督賞ケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』主演女優賞蒼井優『彼女がその名を知らない鳥たち』主演男優賞菅田将暉『あゝ、荒野』『火花』『帝一の國』『キセキ-あの日のソビト-』助演女優賞田中麗奈『幼な子われらに生まれ』助演男優賞ヤン・イクチュン『あゝ、荒野』新人女優賞石橋静河『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKSパークス』『密使と番人』新人男優賞山田涼介『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』【2017年第91回日本映画ベスト・テン】1位『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』2位『花筐/HANAGATAMI』3位『あゝ、荒野』4位『幼な子われらに生まれ』5位『散歩する侵略者』6位『バンコクナイツ』7位『彼女の人生は間違いじゃない』8位『三度目の殺人』9位『彼女がその名を知らない鳥たち』10位『彼らが本気で編むときは、』(次点:『ビジランテ』)【2017年第91回外国映画ベスト・テン】1位『わたしは、ダニエル・ブレイク』2位『パターソン』3位『マンチェスター・バイ・ザ・シー』4位『ダンケルク』5位『立ち去った女』6位『沈黙-サイレンス-』7位『希望のかなた』8位『ドリーム』9位『ムーンライト』10位『ラ・ラ・ランド』(次点:『残像』)【2017年第91回文化映画ベスト・テン】1位『人生フルーツ』2位『標的の島風(かじ)かたか』3位『やさしくなあに~奈緒ちゃんと家族の35年~』4位『ウォーナーの謎のリスト』5位『谺雄二ハンセン病とともに生きる熊笹の尾根の生涯』6位『沈黙―立ち上がる慰安婦』7位『米軍(アメリカ)が最も恐れた男その名は、カメジロー』8位『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』9位『まなぶ通信制中学60年の空白を越えて』10位『廻り神楽(かぐら)』(次点:『桜の樹の下』)なお、「2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン第1位映画鑑賞会と表彰式」は2月12日(月・祝)に開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:PARKS パークス 2017年4月22日よりテアトル新宿、4月29日より吉祥寺オデヲンほか全国にて順次公開(C) 2017本田プロモーションBAUSわたしは、ダニエル・ブレイク 2017年3月18日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開(C) Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinema and TheBritish Film Institute 2016映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 2017年5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、5月27日(土)より全国にて公開(C) 2017「映画夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会彼女がその名を知らない鳥たち 2017年10月、全国にて公開(C) 2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
2018年01月11日第71回英国アカデミー(BAFTA)賞のノミネーションが9日(現地時間)、発表され、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多12部門にノミネートされた。ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門でゲイリー・オールドマンが主演男優賞を受賞した『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は作品賞、主演男優賞など9部門に。ゴールデン・グローブ賞で最多4部門を受賞した『スリー・ビルボード』は作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞など8部門9ノミネート、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』も作品賞、監督賞ほか8部門で候補になった。英国映画の『パディントン2』、『Film Stars Don’t Die in Liverpool』(原題)は3部門、『The Death of Stalin』(原題)は2部門でノミネート。スティーヴン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』が完全無視される一方、興行面では苦戦した『ブレードランナー2049』は監督賞、作曲賞ほか8部門で候補になるなど、アメリカの映画賞とは異なる姿勢がはっきり表れた。英国アカデミー賞授賞式は2月18日(現地時間)、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催される。主なノミネーションは以下の通り。■最優秀作品賞『君の名前でぼくを呼んで』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『ダンケルク』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』■英国映画賞『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『The Death of Stalin』『God’s Own Country』『Lady Macbeth』『パディントン2』『スリー・ビルボード』■最優秀男優賞ダニエル・デイ=ルイス(『ファントム・スレッド』)ダニエル・カルーヤ(『ゲットアウト』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)ジェイミー・ベル(『Film Stars Don’t Die in Liverpool』原題)ティモシー・シャラメ(『君の名前で僕を呼んで』)■最優秀女優賞アネット・ベニング(『Film Stars Don’t Die in Liverpool』原題)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)マーゴット・ロビー(『I, Tonya』原題)サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)シアーシャ・ローナン(『レディ・バード』)■助演男優賞クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)ヒュー・グラント(『パディントン2』)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)ウディ・ハレルソン(『スリー・ビルボード』)■助演女優賞アリソン・ジャニー(『I, Tonya』原題)クリスティン・スコット・トーマス(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)ローリー・メトカーフ(『レディ・バード』)レスリー・マンヴィル(『ファントム・スレッド』)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)■最優秀監督賞ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『ブレードランナー2049』)ルカ・グァダニーノ(『君の名前で僕を呼んで』)クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)マーティン・マクドナー(『スリー・ビルボード』)■最優秀オリジナル脚本賞『ゲットアウト』ジョーダン・ピール『I, Tonya』(原題)スティーヴン・ロジャース『レディ・バード』グレタ・ガーウィグ『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■最優秀脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー『The Death of Stalin』(原題)アーマンド・イアヌッチ、イアン・マーティン、デヴィッド・シュナイダー『Film Stars Don’t Die in Liverpool』(原題)マット・グリーンハイ『Molly’s Game』(原題)アーロン・ソーキン『パディントン2』サイモン・ファーナビー、ポール・キング■最優秀外国語映画賞『エル ELLE』(フランス/ドイツ/ベルギー)『最初に父が殺された』(カンボジア)『お嬢さん』(韓国)『ラブレス』(ロシア)『セールスマン』(イラン)■最優秀作曲賞『ブレードランナー2049』ハンス・ジマー『ウィンストン・チャーチル』ダリオ・マリアネッリ『ダンケルク』ハンス・ジマー『ファントム・スレッド』ジョニー・グリーンウッド『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ■最優秀アニメ映画賞『リメンバー・ミー』『ゴッホ最期の手紙』『ぼくの名前はズッキーニ』(text:Yuki Tominaga)
2018年01月09日第75回ゴールデン・グローブ賞が1月7日(現地時間)、ロサンゼルスで発表され、『スリー・ビルボード』が作品賞ほか4部門で最多受賞を果たした。テレビ部門では「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」が圧勝、ハリウッドにおける女性のパワーが大きく印象づけられた。マーティン・マクドナー監督が脚本賞を受賞したほか、女優賞(フランシス・マクドーマンド)、助演男優賞(サム・ロックウェル)に輝いた『スリー・ビルボード』は、アメリカ南部のミズーリ州の小さな町を舞台に、娘を殺された女性が地元警察に抗議する3枚の広告看板を立てる物語。2月1日(木)から日本公開される。最多7部門にノミネートされていた『シェイプ・オブ・ウォーター』(3月1日(木)より公開)は監督賞(ギレルモ・デル・トロ)と作曲賞(アレクサンドル・デスプラ)を受賞した。ハリウッド外国人記者協会(HFPA)の投票によるゴールデン・グローブ賞は、映画とテレビの部をドラマ部門とミュージカル/コメディ部門に分けて選出。2月のアカデミー賞の行方を占う前哨戦のハイライトの1つだ。今年の最多受賞作はテレビ部門のリミテッドシリーズ/テレビムービー部門 の「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」。作品賞ほか女優賞、助演男女優賞とノミネートされた全4部門を制覇。一見幸せそうな家庭を築く女性たちの隠された苦しみを描き、ハラスメントや虐待といったテーマに切り込んだ同作が大きく支持された。最初に発表された同女優賞受賞のニコール・キッドマンは「これは友情の物語です。団結し、支え合いました」とスピーチで女性のパワーを強調。活動家だった母についてふれ、「これは虐待を扱った作品です。私たちの作品を通して変革をもたらしたいです」と語った。ミュージカル/コメディ部門も、高校生の少女と母親を描いたグレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』が作品賞と主演女優賞(シアーシャ・ローナン)を受賞。女優であるガーウィグの監督デビュー作だ。セシル・B・デミル賞を受賞したオプラ・ウィンフリーは「あまりにも長い間、女性たちの話に権力を持つ男性たちは女性たちの話に耳を傾けず、彼女たちは信頼されずにいました。でも、彼らの時代は終わるのです(Their time is up)」と高らかに宣言した。映画の部ドラマ部門作品賞のプレゼンターに登場したのは、ゴールデン・グローブ賞監督賞で唯一の女性受賞者のバーブラ・ストライザンド。「私が受賞したのは1984年です。34年も前?みなさん、Time is upよ」と語った。授賞結果は以下の通り。<映画の部>■ドラマ部門作品賞『スリー・ビルボード』女優賞フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』男優賞ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』■ミュージカル/コメディ部門作品賞『レディ・バード』女優賞シアーシャ・ローナン『レディ・バード』男優賞ジェームズ・フランコ『THE DISASTER ARTIST』(原題)助演女優賞アリソン・ジャニー『I, TONYA』(原題)助演男優賞サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』アニメ作品賞『リメンバー・ミー』外国語映画賞『女は二度決断する』(ドイツ/フランス)監督賞ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』脚本賞マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』作曲賞アレクサンドル・デスプラ『シェイプ・オブ・ウォーター』主題歌賞“THIS IS ME”『グレイテスト・ショーマン』<テレビ>■ドラマ部門作品賞「THE HANDMAID’S TALE」(原題)女優賞エリザベス・モス「THE HANDMAID’S TALE」(原題)男優賞スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US 36歳、これから」■ミュージカル/コメディ部門作品賞「マーベラス・ミセス・メイゼル」女優賞レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」男優賞アジズ・アンサリ「マスター・オブ・ゼロ」■リミテッドシリーズ/テレビムービー部門作品賞「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」女優賞ニコール・キッドマン「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」男優賞ユアン・マクレガー「FARGO/ファーゴ」助演女優賞ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」助演男優賞アレクサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」(text:Yuki Tominaga)
2018年01月08日今年で記念すべき90周年を迎えるアカデミー賞レース。今回の「入門編」では、作品賞候補の声が高い作品の中から、確実にノミネートされそうな厳選5作品を分析してみた。■確実にノミネートされそうな5作品『ダンケルク』まずはクリストファー・ノーラン監督の戦争映画『ダンケルク』。とにかくこの作品はテンションが高い。だが戦争映画でもっとも血糊が少ない映画と言ってもよく、映像とサウンドのみで観客を矢継ぎ早に窮地、また窮地に追い込み、戦地の兵士同様に絶体絶命な気分に追い込んでいくノーラン監督の手腕は凄い。映像も素晴らしくこの作品はノミネートほぼ確実いえる。『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』次に作品賞ノミネート必至と思われるのが、スティーヴン・スピルバーグ監督・主演トム・ハンクス&メリル・ストリープの『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』。実話を基にしたサスペンス・ドラマで、ベトナム戦争激化の当時に、女性経営者のワシントン・ポスト紙が政府の脅迫、出資者の反対、世間の性差別に屈せず、当時の米国政府がいかにアメリカ国民を嘘で操って泥沼化していたベトナム戦争を30年間にも渡って長引かせてきたかを暴露するまでの壮絶な“バトル”が描かれている。現在、トランプ政権で大揺れに揺れているアメリカ、そして様々なセクハラ問題などから女性の社会立場が何かと話題になる最近の世相において、まさにタイムリーな映画で、作品賞候補にノミネートされること請け合いの作品だ。『ゲット・アウト』そして次のノミネーション確率大の作品は、こちらも世相を反映したユニークなエントリーでホラー映画『ゲット・アウト』。アカデミー賞候補にホラー映画のタイトルが挙がるのは非常に珍しい。アカデミーは「ホラーとSFが嫌い」という定説はいまだ根強いのだが、この『ゲット・アウト』の強みはただのホラーではなく、ここ数年アメリカに吹き荒れている人種問題に、非常に賢い風刺を効かせたストーリーであるという点だ。黒人監督、黒人ライターそして黒人男優主演による本作は、現在ハリウッドで注目されている業界での多様性を具現化している作品ということでも特出している。これまであまりに白人優位で問題になったアカデミーにとって本作をノミネートすることは、心機一転・汚名挽回のいいチャンスとなるだけに候補確率はかなり高い。『レディ・バード/Lady Bird』(原題)今年のダークホースで、こちらもノミネーションほぼ確実と思えるのが『レディ・バード/Lady Bird』。これまで女優業中心だったグレタ・ガーウィグの監督デビュー作で、自分がティーンエイジャーだった頃の経験を基に執筆したストーリーとのことで、映画祭などでこの作品をすでに見た人々からはその質の高さに新米監督の作品とは思えないと言う声が上がっているほどの話題作だ。主役クリスティーヌこと“レディ・バード”を若き演技派シアーシャ・ローナン(『ブルックリン』)が演じ、彼女の名演もアカデミー賞主演女優部門でノミネーション間違えなしとの下馬評が高い。『シェイプ・オブ・ウォーター』5本目にご紹介の『シェイプ・オブ・ウォーター』も以前であればアカデミー賞候補になるには少々異色すぎると言われていたかもしれない。日本ではまだ未公開の本作だが、ギレルモ・デル・トロ監督が製作・脚本も兼ねたこの作品は、彼お得意の美しくもダークなファンタジー・ドラマで、謎の人魚男と口のきけない女性とのロマンスを描いている。ひと昔前に人魚姫がトム・ハンクス演じた普通の男性に恋をしてしまう映画『スプラッシュ』を男女逆にしてもっとダークにしたのがこの作品である。口のきけないヒロイン(サラ・ホーキンス)が、愛する人魚を邪悪な科学者から守ろうと、命がけで救出を試みる様には思わずエールを送ってしまう。■今年のアカデミー賞は女性主人公の作品がポイントに?今年のアカデミー賞作品部門のノミネーション予想をしていて気がつくことは、女性を主人公にした作品がこれまでになく目立つことだ。2017年はハリウッド映画業界で「セクハラ」に苦しめられた女性被害者たち立ち上がり、権力乱用の大物を次々に暴露していったたことがキッカケで、ある意味で女子パワーの年となった。現在、オンラインでもアカデミー賞レースの上位を走っている上記5作品中、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』、『レディ・バード』、『シェイプ・オブ・ウォーター』の3作品が女性を主人公にした映画で、これは特筆に値する。ここ数年において、会員の年齢、性別、人種が多様化したと言われるアカデミーだが、『シェイプ・オブ・ウォーター』のような作品をノミネートしてしまうかもしれない新世代アカデミーには、これまでにはなかった新しい何かを期待できるかもしれない。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2018年01月04日12月30日、「第59回 輝く!日本レコード大賞」(TBS系)が放送。“最年長新人バンド”がキャッチコピーのThe KanLeKeeZ(ザ・カンレキーズ)が企画賞を受賞し、話題となっている。 The KanLeKeeZは“2015年から突如THE ALFEEのコンサートのステージに現れた謎の集団”として知られ、’16年にメジャーデビュー。メンバーは桜井賢(62)、坂崎幸之助(63)、高見沢俊彦(63)。つまり、ロックバンド・THE ALFEEの変名ユニットだ。 ステージでは’16年12月にリリースしたアルバム「G.S. meets The KanLeKeeZ」より3曲をメドレーで披露。司会の安住紳一郎アナ(44)と天海祐希(50)がステージの袖で、曲に合わせて振り付けをする一幕も。 安住アナから「みなさんTHE ALFEEですよね?」と聞かれると、高見沢は「ご覧の通り、違いますよ。関係ないです」とコメント。続けて「新人賞を狙っていたのですが、年齢制限があったようです」と話し、安住アナは「(年齢制限は)ないです」とツッコミを入れていた。 Twitterでは《そう言えばカンレキーズのダンスの練習してなかった》《安住さんと天海さんが楽しそうに踊ってくれたのがほほえましかったw》など、歌と振り付けを楽しむファンが続出。《“好きさ好きさ”の時にライトの色を赤にし忘れちゃってる方がチラホラ居たのが残念》など、愛があふれたツイートで盛り上がった。
2017年12月31日気づけば年の瀬。歳をとるごとに、どんどん一年が短くなっているので、もしかしたら365日ないんじゃないのと疑っている西山です。今年も恋をしたんだかしてないんだか、よくわからないけれど、クリスマスも大晦日も一人ってことは間違いなく成就はしていないということです。そして気づけば、三十代のカウントダウンが始まりました。1月21日で、私は40歳になります。ひえー!子どもの頃に想像していた40歳と全然違う!寒くて布団から出たくなくて、無理な態勢でテレビのリモコンに手をのばして背中を痛める40歳になるなんて思ってもいなかった!そして40歳なんて、もう女としてはとっくに終了していて、恋なんてしないものだと思っていた!とっくに終了している説は真実かもしれませんが、そんなつまらない説には目をつぶり、私は40歳になっても恋をする気マンマンであります。だってこの連載が続く限り、私には『恋をする』という使命があるのです。いや、ウソ。連載のためではなくて、自分のため。だって恋をしている方が人生は張り合いが出るから。デートに向けて可愛い洋服を買ってみたり、もっと綺麗になれるようにメイクを変えてみたり、おっぱいが大きくなるようにクラランスの美容液でケアしたり、おっぱいが大きくなるように腕立て伏せをしたり、おっぱいが大きくなるように豆乳を飲んだり。(おっぱいへの執念がハンパない)毎日の努力は大変だけど、恋をした時の綺麗になりたいという想いは必ず実を結びます。だって数日前、久しぶりに会った3歳の甥っ子に「あれ?まーたん、おっぱい大きくなった?」と言われたので。ちなみに甥っ子はそのあと私に「パンはパンでも食べられないフライパンは?」というかなり難しいなぞなぞを出してきました。その甥っ子の「いとこが欲しい」というシビアな願いを叶えるためにも、これまで以上に恋をしていく所存であります。ちなみに今はですね、はい、していますよ、恋。ただ先日、その人と付き合う付き合わないの話になった時、「不安要素が多すぎるから、もう少し様子を見させて欲しい」と告げられました。んー、相変わらず雲行きの怪しい恋ばかりしているなあ。まあ、そんなことにめげる私じゃないけどね!Grapps読者のみなさん、2018年もたくさん恋をしていきましょう!Written by 西山繭子
2017年12月30日第70回カンヌ国際映画祭において、最高賞のパルムドールを受賞した映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』が、2018年4月28日(土)より全国の劇場にて順次公開される。現代社会を痛烈に風刺するヒューマンドラマ現代アート美術館のキュレーターが、盗まれた財布とスマートフォンを見つけるために“ある行動“を取ったことで、予想外の事態に巻き込まれていく様を描いた本作。アート界で成功を手にしたエリート紳士が遭遇する様々なハプニングを通じて、他者への無関心や欺瞞、階層間の断絶といった現代社会の問題を、痛烈かつユーモアたっぷりの笑いで風刺するヒューマンドラマだ。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』あらすじ著名な現代アート美術館のキュレーターとして、周囲の尊敬を集めていたクリスティアン。離婚歴があるが、2人の娘の良き父であり、電気自動車に乗り、慈善活動の支援もしている。そんな彼が担当した次の展示は、通りかかる人たちを利他主義へと導くインスタレーション「ザ・スクエア」。他人を思いやる人間としての役割を思い出してもらおう、という試みだ。しかし、自分の理想通りに生きるということは時に難しい。クリスティアンは、自分の携帯電話と財布を盗んだ泥棒に対して取った愚かな行動によって、取り返しのつかない状況へと引きずり込まれていってしまうのだった...。スウェーデンの奇才、リューベン・オストルンドが監督監督を務めたのは、リューベン・オストルンド。第67回カンヌ国際映画祭のある視点部門において審査員賞を獲得した『フレンチアルプスで起きたこと』では、「壊れゆく家族の絆」を描き大きな話題を呼んだスウェーデンの奇才だ。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』はパルムドール受賞以降も、ヨーロッパ映画賞で6冠に輝くなど、世界中の映画祭を席巻。これまでに16の賞を受賞、14のノミネートを果たしている。さらに、アカデミー賞外国語映画賞でもノミネートされており、受賞の期待も高まっている。作品情報映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』公開日:2018年4月28日(土)監督・脚本:リューベン・オストルンド『フレンチアルプスで起きたこと』出演:クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリーほか原題:THE SQUARE(c)2017 Plattform Prodtion AB / Société Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS
2017年12月24日@nifty温泉に掲載する12,134施設の中から選ばれるニフティ株式会社は、温泉・温浴施設情報専門サービス「@nifty温泉」にて「第12回 @nifty温泉 年間ランキング(2017)」を発表しました。同ランキングは、「@nifty温泉」に記載されている全12,134施設の中から、各施設閲覧数や利用者からの口コミ評価などにより2017年総合ランキング「TOP100」を決定しました。 集計期間は、2016年12月1日(木)~2017年11月30日(木)です。2017年人気温泉発表全国総合ランキング1位は「杉戸天然温泉 雅楽の湯(埼玉県)」となりました。同温泉は、源泉かけ流しの温泉にビュッフェレストランなど1日ゆっくりくつろげ豊富なお湯を楽しむことができる温泉です。2位は、天然温泉で岩盤浴やヨガが楽しめる「美楽温泉 SPA-HERBS(埼玉県)」、3位は、横浜駅から徒歩5分、天然温泉、源泉かけ流しカップルでのデートコースにも最適な「横浜天然温泉 SPA EAS(神奈川県)」となりました。「@nifty温泉」について全国12,134店舗(2017年11月現在)の温泉情報が集まる最大級の温泉サイトです。同サイトは、近くの日帰り温泉、スーパー銭湯、健康ランドなどを、ランキングや口コミから探すことができます。温浴施設をおトクに楽しめる割引クーポンも多数掲載しています。(画像はプレスリリースより)【参考】※ニフティ株式会社プレスリリース(PR TIMESより)※第12回 @nifty温泉 年間ランキング(2017)
2017年12月23日5月の第70回カンヌ国際映画祭において最高賞であるパルムドールに輝き、来たる第90回アカデミー賞外国語映画賞のスウェーデン代表作品でもある『THE SQUARE』が、邦題『ザ・スクエア 思いやりの聖域』として、2018年4月28日(土)より日本公開されることが決定した。あらすじクリスティアンは、周囲の尊敬を集める現代アート美術館のキュレーター。離婚歴はあるが、2人の娘の良き父であり、電気自動車に乗り、慈善活動を支援している。彼の次の展示は「ザ・スクエア」。通りかかる人たちを巻き込む展示手法で、他人を思いやる人間としての役割を思い出してもらおうという試みだ。しかし、自分の理想通りに生きるということは時に難しい。クリスティアンは、自分の携帯電話と財布を盗んだ泥棒に対して取った愚かな行動によって、取り返しのつかない状況へと引きずり込まれていってしまう――。権威ある現代アート美術館のキュレーターが、盗まれた財布とスマートフォンを見つけるために“ある行動“を取ったことで予想外の事態に巻き込まれていく様を描いた本作。『フレンチアルプスで起きたこと』で「壊れゆく家族の絆」を描き、大きな話題を呼んだスウェーデンの俊英リューベン・オストルンド監督が、成功を手にしたエリート紳士が遭遇するさまざまなハプニングを通じ、他者への無関心や欺瞞、階層間の断絶といった現代社会の問題を、痛烈な笑いたっぷりに美しくエレガントに浮かび上がらせ、“思いやりの聖域”を示していく。主人公のクリスティアンを演じるのは、先日、ダニエル・クレイグの後任役も発表された『ドラゴン・タトゥーの女』の続編『The Girl in the Spider’s Web』(原題)で悪役を演じるデンマーク出身のクレス・バング。さらに、「The Handmaid‘s Tale」(原題)「トップ・オブ・ザ・レイク~チャイナガール~」で海外ドラマ賞レースを席巻するエリザベス・モス、アリシア・ヴィキャンデル版『トゥームレイダー』のドミニク・ウェスト、『猿の惑星』シリーズのテリー・ノタリーらが出演。すでに本作は、パルムドール受賞以降も、ヨーロッパ映画賞で6冠に輝くなど世界中の映画祭を席巻しており、これまでに16の賞を受賞、14のノミネートを獲得。アカデミー賞外国語映画賞では、スウェーデン代表作品としてショートリスト(ノミネート候補作)入りも果たしている。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』は2018年4月28日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、立川シネマシティほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月21日宮沢りえ主演で2016年秋に公開され、第40回日本アカデミー賞で優秀作品賞ほか6部門を受賞、報知映画賞をはじめとした国内の映画賞を総なめ、海外の映画祭でも絶賛された『湯を沸かすほどの熱い愛』が12月20日(水)今夜、テレビ東京にて地上波初放送される。銭湯「幸の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から、彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め実行していく。家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる…母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うものだった。ぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく家族。そして母から受けた大きな愛で繋がった家族は、究極の愛を込めて母を葬ることを決意する……。余命2か月を宣告されたものの、持ち前の明るさで残される家族を再生させていく“母親”幸野双葉を宮沢りえが演じ主演。宮沢さんは本作で第40回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。『たそがれ清兵衛』『紙の月』と本作で計3度の最優秀主演女優賞に輝いた。双葉の娘、安澄には「とと姉ちゃん」や『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』『無限の住人』などの杉咲花。杉咲さんも本作でアカデミー最優秀助演女優賞、新人賞を受賞。“親子”受賞は当時話題となった。また双葉の夫・一浩には「時効警察」や『オーバー・フェンス』のオダギリジョー。さらに『秘密 THE TOP SECRET』や『真田十勇士』などの松坂桃李らが共演。監督は自主制作映画『チチを撮りに』がベルリン国際映画祭ほか国内外10を超える映画祭で絶賛された中野量太が手がけ、商業デビュー作品ながらアカデミー優秀監督賞、優秀脚本賞を受賞する快挙を達成。さらに「報知映画賞」「日刊スポーツ映画大賞」「ヨコハマ映画祭」など国内の主要な映画祭で軒並み作品、監督、主演女優賞を受賞、「第90回米国アカデミー賞外国語映画賞部門」「モントリオール世界映画祭」「釜山国際映画祭」にも出品され、世界で高い評価を受けた。幸野一家と彼らを取り巻く人々の、熱い愛をひしひしと感じられる『湯を沸かすほどの熱い愛』は12月20日(水)21時~テレビ東京でオンエア。(笠緒)
2017年12月20日心配事は現実のものになるとはよく言ったもので、「こうやってヨメのことをネタに原稿を書いていたら、いつかヨメにバレて怒られるだろうな」と心配していたら、先日、本当に怒られました。「わたしのことを書くのなら、先にわたしの許可をとるべきでしょ?」とだけぼくに言ってくるのなら、まだかわいげがあるというものです。がしかし、我がヨメはあろうことか、「良妻賢母として書いてよ」と、ケチをつけてきました。いや、リクエストをしてきました。びっくりぽん!です。さて、年上の女性を取材していたら見えてくる、良妻賢母という言葉のむかしながらの解釈があります。たとえば60歳の、見るからに良妻賢母そうな女性がスナックで働きはじめたところに以前、取材中に遭遇したことがあります。彼女は言いました。「夫は弁護士で、『おれの稼ぎだけでやっていくから、お前は(!)専業主婦になれ。おれが帰宅するまで寝るな(以下、ご想像のとおり)』と、結婚当初わたしに言ったので、35年間わたしはずっと専業主婦でした。でも、最近は夫婦愛も覚めて、子供もうちに寄りつかず、ゆえに夫に内緒で、若い頃にしたくてもできなかったことをしたいと思っています。そのひとつが、スナックでバイトすることです。」35年のあいだに、外で伸ばす羽が錆びついてしまったのか、彼女は3日でスナックを辞めていきました。妻のことを「お前」と呼ぶことがすでに物語っているとおり、むかしながらの良妻賢母の解釈が、今の時代に通用しないことを物語っている、典型的な例かもしれません。では現代版「良妻賢母の解釈」とは?これは、男女平等と言われている現代の風潮にならって(?)、あるいは女性の読者の反感を買わないようにするため(?)、まずは男のことを考えてみようと思います。つまり「良夫賢父」のことを考えてみる。「良夫賢父」をなんと読めばいいのか知りませんが、パソコンで1文字ずつ打つと、こういう文字列が完成します。良き夫であり、賢い父親である…これはたとえば理性がちゃんとはたらく男であれ、ということである、という仮説がすぐに浮かびます。理性なき「良」も、理性なき「賢」も、ともに成立しないから。理性をはたらかせるためにはなにが必要か?むかしの賢者たちはこう言います。「思い込みで判断しないこと」「つねに、正しい判断とはなにかを『意識すること』」「自己愛を少なめにして真理を追究すること」などなど。すべて、かの有名なデカルトさんと、その周辺の哲学者たちの言葉および、その意訳です。夫婦はお互いに、相手を映す鏡なのだから、ダンナが「良夫賢父」であろうと努力すれば、ヨメも良妻賢母であろうと努力するかもしれない。これも一般論として言えることだろうと思います。鏡であるというのは、こういうことですよね。「そうあろうと努力する」のに必要なことは、デカルトさんたちの言葉をお借りするなら、たとえば「思い込みで判断しない」ように日々「意識すること」となります。冒頭に戻ると、我がヨメはぼくの原稿を読みながら「良妻賢母として書いてよ」と、のたまわりました。我がヨメは「ぼくが彼女のことを良妻賢母として書いていない」と、思い込みで判断し、その判断が、ヨメをしてそう言わしめたのかもしれません。もしそうであるなら、そして、夫婦の鏡の法則から判断するなら、ぼくもヨメのなんらかを思い込みで見、判断している、ということになります。あるいは、ぼくがヨメのなんらかを思い込みで見、判断しているという、ぼくが意識していない事実を、ヨメはすでに知っている、ということになります。他人が意識していないことを知り、それを相手にうまく指摘できるというのは、先人いわく「良」き人であり、「賢」い人です。「人」を拡大解釈すれば、女性の場合、妻や母という言葉と入れ替え可能でしょう。ということは、ヨメはすでに良妻賢母だということになります。びっくりぽん!です。(追伸。我がヨメよ、こんなんでええか?)(ひとみしょう/文筆家)
2017年12月20日全米で『ムーンライト』『それでも夜は明ける』を超える大ヒット(初週末スクリーンアベレージ比較)を記録し、先日の第75回ゴールデン・グローブ賞では作品賞と主演&助演男優賞にノミネートされた『Call Me By Your Name』が、『君の名前で僕を呼んで』の邦題で2018年4月に公開されることになった。イケメン実力派アーミー・ハマーと新星ティモシー・シャラメの共演に加え、脚色には今年89歳になった巨匠ジェームズ・アイヴォリー(『日の名残り』『モーリス』)、監督に『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノがクレジットされる本作は、全米で軒並み高評価のレビューが並び、賞レースの始まりとともにゴッサム賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞を制覇、来年2018年3月の第90回アカデミー賞最有力候補作として話題沸騰中。先日のゴールデン・グローブ賞において、作品賞(ドラマ部門)・主演男優賞(ドラマ部門)・助演男優賞と主要3部門にノミネート。インディペンデント・スピリット賞では6部門、ブロードキャスト批評家協会賞にも8部門でノミネートされ、全米俳優組合賞(SAG賞)でも、ゲイリー・オールドマンやデンゼル・ワシントンらと並んでティモシーが主演男優賞にノミネートされるなど、賞レースを牽引する注目作となっている。今回決定した邦題『君の名前で僕を呼んで』は、原題『Call Me By Your Name』の直訳であり、ティモシー演じる主人公エリオと、アーミー演じるオリヴァーが、互いの想いを確かめ合う印象的なシーンに登場する重要な台詞の一部。昨今、映画ファンの間でも話題に上るように、邦題決定にはさまざまな意見が交わされるが、本作の場合には「これ以外の邦題はない」と配給関係者満場一致で決定したという。どんなシーンに、その言葉が登場するのか、いまからも期待が高まる。『君の名前で僕を呼んで』は2018年4月、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月15日2018年1月21日(現地時間)に開催される第24回全米映画俳優組合賞のノミネーションが発表された。テレビ部門で目を引くのは、候補者5人が2つの作品に集中しているテレビ女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)。また、昨年わずか12歳で女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた「ストレンジャー・シングス」のミリー・ボビー・ブラウンが今年もノミネートを果たし、13歳で受賞となるかにも要注目だ。【テレビ部門】男優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)ベネディクト・カンバーバッチ「シャーロック」ジェフ・ダニエルズ「ゴッドレス -神の消えた町-」ロバート・デ・ニーロ「The Wizard of Lies」ジェフリー・ラッシュ「ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン」アレクサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」ニコール・キッドマン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」ジェシカ・ラング「Feud: Bette & Joan」スーザン・サランドン「Feud: Bette & Joan」リース・ウィザースプーン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」男優賞(ドラマ部門)ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」スターリング・K・ブラウン「THIS IS US 36歳、これから」ピーター・ディンクレイジ「ゲーム・オブ・スローンズ」デヴィッド・ハーバー「ストレンジャー・シングス」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」女優賞(ドラマ部門)ミリー・ボビー・ブラウン「ストレンジャー・シングス」クレア・フォイ「ザ・クラウン」ローラ・リニー 「オザークへようこそ」エリザベス・モス「The Handmaid’s Tale」ロビン・ライト「ハウス・オブ・カード 野望の階段」男優賞(コメディ部門)アンソニー・アンダーソン「Black-ish」アジズ・アンサリ 「マスター・オブ・ゼロ」ラリー・デヴィッド「ラリーのミッドライフ★クライシス」ショーン・ヘイズ「ふたりは友達? ウィル&グレイス」ウィリアム・H・メイシー「シェイムレス 俺たちに恥はない」マーク・マロン 「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」男優賞(コメディ部門)ウゾ・アドゥバ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」アリソン・ブリー「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」ジェーン・フォンダ「グレイス&フランキー」ジュリア・ルイス=ドレイファス「Veep/ヴィープ」リリー・トムリン「グレイス&フランキー」アンサンブル賞(ドラマ部門)「ザ・クラウン」「ゲーム・オブ・スローンズ」「The Handmaid’s Tale」「ストレンジャー・シングス」「THIS IS US 36歳、これから」アンサンブル賞(コメディ部門)「Black-ish」「ラリーのミッドライフ★クライシス」「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」「Veep/ヴィープ」スタント・アンサンブル賞「ゲーム・オブ・スローンズ」「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」「Homeland/ホームランド」「ストレンジャー・シングス」「ウォーキング・デッド」(Hiromi Kaku)
2017年12月14日12月13日朝(現地時間)、女優のオリヴィア・マンとニーシー・ナッシュがウェストハリウッドのパシフィック・デザイン・センターより第24回全米映画俳優組合賞(SAG)のノミネーションを発表した。授賞式は2018年1月21日に開催。同授賞式は24回目にして初めて司会者を起用することとなり、その大役をクリスティン・ベルが務める。アカデミー賞を予想する上で最も重要だと位置づけされているSAGの映画部門のノミネーションはこちら。■主演男優賞ティモシー・シャラメ (『Call Me by Your Name』)ジェームズ・フランコ (『The Disaster Artist』)ダニエル・カルーヤ(『ゲット・アウト』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)デンゼル・ワシントン(『Roman J. Israel, Esq.』)■主演女優賞ジュディ・デンチ(『Victoria & Abdul』)サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)マーゴット・ロビー(『I, Tonya』)シアーシャ・ローナン(『Lady Bird』)助演男優賞スティーヴ・カレル (『Battle of the Sexes』)ウィレム・デフォー(『The Florida Project』)ウディ・ハレルソン(『スリー・ビルボード』)リチャード・ジェンキンス (『シェイプ・オブ・ウォーター』)サム・ロックウェル (『スリー・ビルボード』)助演女優賞メアリー・J・ブライジ (『マッドバウンド 哀しき友情』)ホン・チャウ(『ダウンサイズ』)ホリー・ハンター(『ビッグ・シック』)アリソン・ジャニー(『I, Tonya』)ローリー・メトカーフ(『Lady Bird』)キャスト賞『ビッグ・シック』『ゲット・アウト』『Lady Bird』『マッドバウンド 哀しき友情』『スリー・ビルボード』(Hiromi Kaku)
2017年12月14日先日、ノミネーションが発表された「第75回ゴールデン・グローブ賞」で、外国語映画賞にノミネートされたドイツの名匠ファティ・アキン監督の最新作『女は二度決断する』が、来年4月に日本公開されることが決定した。ドイツ、ハンブルク。カティヤはトルコからの移民であるヌーリと結婚し、幸せな家庭を築いていた。ある日、白昼に爆弾が爆発し、ヌーリと愛息ロッコが犠牲になる。トルコ人同士の抗争を警察は疑うが、人種差別主義者のドイツ人によるテロであることが判明する。突然愛する家族を奪われたカティヤ。憎悪と絶望の中、カティヤの魂はどこへ向かうのか――。突然の悲劇により、最愛の家族を奪われた女の苦悩を映し出す本作。メガホンをとったのは、世界三大国際映画祭全てで主要賞受賞経験を持つアキン監督。主人公のカティヤを『ミスター・ノーバディ』『マリー・アントワネットに別れをつげて』に出演し、ハリウッドやヨーロッパで活躍する国際派女優ダイアン・クルーガーが演じた。彼女は、母国語であるドイツ語を使った映画に本作で初挑戦し、見事カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した。今回発表された「第75回ゴールデングローブ賞」外国語映画賞ノミネートや、「第70回カンヌ国際映画祭」主演女優賞受賞のほかにも、「第17回ニューヨーク映画批評家オンライン賞 外国語映画賞」「第27回フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭 観客賞」など数々の映画賞で外国語映画賞に受賞&ノミネートを重ねており、来月発表される「第90回アカデミー賞」外国語映画賞/主演女優賞のノミネートの可能性もさらに濃厚となっている。また、ダイアンのほかにもデニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、ヌーマン・アチャル、ウルリッヒ・トゥクールが名を連ねる。『女は二度決断する』は2018年4月、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年12月13日いよいよ第90回アカデミー賞に向けた映画賞レースがスタートした。前回の作品賞『ムーンライト』と同じく、前哨戦の1つ「ゴッサム賞」を獲得し、「ゴールデン・グローブ賞」では主要3部門にノミネートされるなど、いま賞レースでひと際注目を集めているのが、80年代の北イタリアを舞台に、思春期の少年とアメリカ人青年とのひと夏のラブロマンスを描いた『Call Me by Your Name』(原題)だ。そして同作で主演を務め、すでにいくつもの主演男優賞や新進俳優に与えられる賞を手にしているのが、現在21歳のティモシー・シャラメ。「ヴァラエティ」誌が選ぶ「2017年の観るべき10人の俳優たち」の1人にも選ばれ、今後、日本でも大きな関心を集めるに違いない若手俳優にいち早く注目した。■若きクリスチャン・ベイル×ダニエル・デイ・ルイス+ディカプリオ!?1995年、ニューヨークのマンハッタン生まれのティモシー。父親はフランス人でUNICEFの職員、母親はダンサーでもあったニコール・フレンダー、姉ポーリーンも女優で、おじはホラー・コメディ『アイドル・ハンズ』(’99)などの監督ロッドマン・フレンダー、義理のおばは「マスターズ・オブ・セックス」などのクリエイター、エイミー・リップマン。母方の祖父は『パリの旅愁』(’61)の原作者として知られる作家ハロルド・フレンダーという超がつくサラブレッドだ。ニューヨークの名門芸術専門学校ラガーディア高校を卒業し、フランス語も堪能だとか。また、最終的にはトム・ホランドに決まったが、新生スパイダーマン候補の1人でもあったという。現在は髪を伸ばしていることもあってか、まもなく22歳というのに、すでにこの色気!日本人俳優でいえば、どことなく高杉真宙や山田涼介にも似た物憂げな雰囲気を醸し出しており、若いころのアラン・ドロンやジュード・ロウにも似ているような…。『Call Me by Your Name』とともに賞レースで高い評価を受けている『Lady Bird』(原題)にも出演しており、同作で初監督を務めた女優グレタ・カーウィグが「GQ」誌に語ったところによれば、「若き日のクリスチャン・ベイルとダニエル・デイ・ルイスに、レオナルド・ディカプリオをまぶした感じ」という絶賛ぶり!そんな彼は短編映画で俳優デビューし、人気TVシリーズ「LAW&ORDER」にゲスト出演した後、2012年、かつてエズラ・ミラーが注目されるきっかけの1つとなった高視聴率ドラマ「ロイヤル・ペインズ 救命医ハンク」に、主要キャラクターの女医ジルの甥っ子ルーク役でゲスト出演、ちょっと気弱なチェスの達人を演じた。続いて、エミー賞&ゴールデン・グローブ賞などを総なめにした「HOMELAND/ホームランド」シーズン2では、ウォルデン副大統領の息子フィン役で準レギュラーに。実生活さながらの(?)セレブの若者らしい葛藤を繊細に演じ、2013年俳優組合賞(SAG)アンサンブル賞にノミネート。ちなみにこの頃、同じ高校に通うマドンナの娘ローデス・レオンとの交際報道でゴシップ欄を騒がせたこともあった。■ケイシー・アフレックやジェームズ・フランコの少年時代も好演スクリーンデビューは、クリストファー・ノーラン監督の2014年の大ヒット作『インターステラー』。日本公開時は、人気子役マッケンジー・フォイ&ジェシカ・チャステインが演じた娘とマシュー・マコノヒーが演じた主人公との絆が話題を呼んだが、その兄で農場を継いだケイシー・アフレック演じるトムの少年時代を演じていたのがティモシー。その一方、『マイレージ、マイライフ』『JUNO』のジェイソン・ライトマン監督が彼らしい視点でSNS社会に斬り込んだ『ステイ・コネクテッドつながりたい僕らの世界』(劇場未公開)にも出演。2017年『ベイビー・ドライバー』でブレイクしたアンセル・エルゴートとひと悶着あるアメフト部員を演じていたが、アーティストタイプかと思いきや、意外にもアメフトのユニフォーム姿もお似合いだった。意外といえば、日本で2016年に公開されたクリスマス・ムービー『クーパー家の晩餐会』での彼も、いま思い返せば、かなり衝撃的だ。演じたのは、ダイアン・キートン&ジョン・グッドマン夫妻の孫息子で、絶賛反抗期中のチャーリー。口下手で、いまにも繋がりそうなゲジ眉に、脇汗…と、まるでイケてない高校生となって不器用な恋を展開しており、彼の見るに堪えない(?)初々しいキスシーンは笑いを誘う。そんな彼が、すっかり大人びて、『Call Me by Your Name』ではアーミー・ハマー演じる年上の青年に思いを募らせ、危うい少年ぽさと儚げな色気を感じさせるほどになったとは…。ちなみに、劇場未公開だが、ジェームズ・フランコが共同製作も兼ねて主演を務め、アンバー・ハード、クリスチャン・スレイターらが共演した『サスペクツ・ダイアリーすり替えられた記憶』(’15)では、ドラッグに溺れ、父(エド・ハリス)から虐待されていた主人公の壮絶な少年時代を熱演しており、ここでも若きカメレオン俳優ぶりを見せつけている。■セレーナ・ゴメスとキスも!今後の待機作がスゴすぎ!!そして『Call Me By Your Name』だ。1983年夏、陽光輝く北イタリアの避暑地で夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会い、ともに時間を過ごすうちに、激しい恋に落ちていく。ティモシーはイタリア語をマスターし、ピアノやギターも披露、かつてないセクシャルなシーンにも挑んだという。サンダンス映画祭で絶賛を浴び、ゴッサム賞ブレイクスルー俳優賞ほか、LA、NYと2大都市の映画批評家協会賞で主演男優賞を獲得。主演男優枠は、早くから『ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)でのゲイリー・オールドマンが話題となっていたが、英国のベテランの初オスカーを阻むのはティモシーだったりするのかも。また、『フランシス・ハ』のグレタ・カーヴィグが初監督した自伝的作品『Lady Bird』は、『ブルックリン』のシアーシャ・ローナンが主演、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の新鋭ルーカス・ヘッジズも共演する。本作では一転、チャラいミュージシャンを演じているようで、シアーシャ演じる主人公のヴァージンを奪う(!?)相手だとか!おそらく両作品とも、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞にノミネートされるはずなので、詳細を楽しみにしておきたい。さらには、クリスチャン・ベイル主演『Hostiles』、スティーブ・カレルの息子役を演じる『Beautiful Boy』、ウディ・アレン監督最新作『A Rainy Day in New York』(いずれも原題)など、話題作が続くティモシー。特にウディ・アレン作品ではセレーナ・ゴメスとのキスシーンもあり、エル・ファニング、スキ・ウォーターハウス、ジュード・ロウら共演者がとにかく豪華。まさに、名優・名監督に恵まれ続けている若き実力派。彼が映画界に巻き起こす新風を、見逃さないで。(text:Reiko Uehara)
2017年12月12日ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)が、前年に発表された映画・テレビ番組の中から優れた作品を表彰するゴールデン・グローブ賞。第75回を数える今回、テレビの部では、ニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーンというオスカー女優の共演が話題を呼び、エミー賞も席巻した「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」が最多6ノミネートを果たした。映画・ドラマ界のセレブリティが一堂に会し、テーブルを囲むパーティー形式で行われることから、“パーティー・オブ・ザ・イヤー”とも称されるゴールデン・グローブ賞。世界160か国以上で放送されており、映画の部はアカデミー賞の前哨戦としても注目を集めている。12月11日(現地時間)に映画の部と合わせて発表されたテレビの部では、「アリー my Love」のデヴィッド・E・ケリーが脚本・製作総指揮を手掛け、『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレが監督を務めた話題作「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」が、リミテッドシリーズ/テレビムービー部門で最多6ノミネートを獲得。また、本作を放送するケーブルテレビ局HBOは、「ゲーム・オブ・スローンズ」など最多12ノミネート。「フュード/確執 ベティ vs ジョーン」(4ノミネート)に次ぐ3ノミネートを獲得したのは、人生の岐路に立つ36歳の男女を描き日本でも話題を呼んでいる「THIS IS US 36歳、これから」。ドラマ部門の作品賞、男優賞(スターリング・K・ブラウン)、助演女優賞(クリッシー・メッツ)がノミネートされている。さらに、ジェーン・カンピオン監督が手掛ける衝撃のクライム・ミステリー「トップ・オブ・ザ・レイク~チャイナガール」がリミテッドシリーズ/テレビムービー部門の作品賞にノミネート。本作に出演するエリザベス・モスは、今回のゴールデン・グローブ賞において「The Handmaid‘s Tale」(原題)でドラマ部門女優賞に、ニコールは「ビッグ・リトル・ライズ」でリミテッドシリーズ/テレビムービー部門女優賞にノミネートされており、実力派女優の共演も見どころ。2人はそれぞれの作品で、本年度のエミー賞も獲得している。授賞式は来年1月7日(現地時間)に開催され、セス・マイヤーズが司会を務める。テレビの部のノミネートは以下の通り。テレビの部ドラマ部門作品賞「ザ・クラウン」「ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌」「The Handmaid‘s Tale」(原題)「ストレンジャー・シングス 未知の世界」「THIS IS US 36歳、これから」女優賞カトリーナ・バルフ「アウトランダー」クレア・フォイ「ザ・クラウン」マギー・ギレンホール 「The Deuce」(原題)キャサリン・ラングフォード「13の理由」エリザベス・モス「The Handmaid’s Tale」(原題)男優賞ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US36歳、これから」フレディ・ハイモア「The Good Doctor」(原題)ボブ・オデンカーク 「ベター・コール・ソウル」リーヴ・シュレイバー「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」テレビの部コメディ/ミュージカル部門作品賞「アトランタ」「Black-ish」(原題)「マーベラス・ミセス・メイゼル 」「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」「マスター・オブ・ゼロ」「ウィル&グレイス」女優賞フランキー・ショウ 「SMILF」(原題)レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」アリソン・ブリー「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」イッサ・レイ「インセキュア」パメラ・アドロン「Better Things」(原題)男優賞アンソニー・アンダーソン 「Black-ish」(原題)アジズ・アンサリ「マスター・オブ・ゼロ」ケヴィン・ベーコン「アイ・ラブ・ディック」ウィリアム・H・メイシー「シェイムレス俺たちに恥はない」エリック・マコーマック「ウィル&グレイス」テレビの部リミテッドシリーズ/テレビムービー部門作品賞「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」「FARGO/ファーゴ」「フュード/確執 ベティ vs ジョーン」「The Sinner -記憶を埋める女-」、「トップ・オブ・ザ・レイク~チャイナガール」女優賞ニコール・キッドマン 「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」ジェシカ・ラング 「フュード/確執ベティ vs ジョーン」リース・ウィザースプーン「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」スーザン・サランドン「フュード/確執ベティ vs ジョーン」ジェシカ・ビール「The Sinner -記憶を埋める女-」男優賞ロバート・デ・ニーロ「嘘の天才 ~史上最大の金融詐欺~」カイル・マクラクラン「ツイン・ピークスThe Return」ユアン・マクレガー「FARGO/ファーゴ」ジュード・ロウ「ピウス13世美しき異端児」ジェフリー・ラッシュ「ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン」助演女優賞ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」アン・ダウド「The Handmaid’s Tale」(原題)クリッシー・メッツ「THIS IS US36歳、これから」ミシェル・ファイファー「嘘の天才 ~史上最大の金融詐欺~」シェイリーン・ウッドリー「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」助演男優賞アルフレッド・モリナ「フュード/確執ベティ vs ジョーン」アレキサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」デヴィッド・シューリス「FARGO/ファーゴ」デヴィッド・ハーバー「ストレンジャー・シングス未知の世界」クリスチャン・スレイター「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」(text:cinemacafe.net)
2017年12月12日アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される世界最高峰の映画の祭典「第90回アカデミー賞授賞式」。WOWOWでは、今年も「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」として3月5日(月)に生中継を放送。この度、番組案内役として、今年もジョン・カビラ&高島彩がコンビを組むことが分かった。カビラさんは、「心痛むニュースが多く聞かれるアメリカのエンターテインメント界ですが、オスカーのステージでどのようにその暗雲を払うのか、はたまた直視しするのか、これまでの授賞式とは一線を画す内容になることは必至。映画の無限の創造性を讃えながら、正義の尊さもユーモアというスパイスを効かせて表現するであろう今回の授賞式。究極の『一期一会』にご期待ください!」と熱いコメント。一方、高島さんは「今年はどんな作品があの舞台を彩るのだろうと、胸が高鳴ってきますね」と心境を明かし、自身の私生活では、家事も育児も『ラ・ラ・ランド』のサントラと共にあったと言う高島さん。それゆえ「歌曲賞がどの作品になるのかも楽しみです。そして、前回は人種や性別を含め、あらゆる多様性を大切にしようというメッセージが『ムーンライト』の受賞に見えたように思いましたが、90回を迎える今回もハリウッドは明るいニュースばかりではありません。女性の人権を守るメッセージを作品や受賞者が発信してくれることも期待しています」と語った。ドナルド・トランプ大統領誕生直後の開催となった前回は、作品賞で封筒の渡し間違えという、アカデミー賞史上初のトラブルが発生し、前例のない大変な混乱の中終了した授賞式。高島さんは、「今年は幻の受賞作なんてことにならないように、受賞作が書かれた封筒がどんな風にプレゼンターに渡されるのかも個人的には小さな楽しみです」とも話している。「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」は2018年3月5日(月)8時30分~WOWOプライムにて放送(2か国語/同時通訳)。※字幕版は同日21時~放送(cinemacafe.net)
2017年12月12日アカデミー賞の行方を占う前哨戦の目玉の1つ、ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが12月11日(現地時間)に発表され、第75回となる今回は『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多7部門でノミネートされた。次いで『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『スリー・ビルボード』が6部門でノミネートされた。ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)の投票によって、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分けて、作品賞と主演俳優賞、両部門から助演俳優賞が選出される。授賞式は来年1月7日(現地時間)に開催され、セス・マイヤーズが司会を務める。映画部門のノミネートは以下の通り。映画の部映画の部/ドラマ部門作品賞『Call Me by Your Name』(原題)『ダンケルク』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主演女優賞ジェシカ・チャステイン(『Molly’s Game』原題)サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)メリル・ストリープ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)ミシェル・ウィリアムズ(『All the Money in the World』原題)主演男優賞ティモシー・シャラメ(『Call Me by Your Name』原題)ダニエル・デイ・ルイス(『Phantom Thread』原題)トム・ハンクス(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)デンゼル・ワシントン(『Roman J. Israel, Esq』原題)【ミュージカル・コメディ部門】作品賞『The Disaster Artist』(原題)『ゲット・アウト』『グレイテスト・ショーマン』『I, Tonya』(原題)『Lady Bird』(原題)主演女優賞ジュディ・デンチ(『Victoria&Abdul』原題)ヘレン・ミレン(『ロング, ロングバケーション』)マーゴット・ロビー(『I, Tonya』原題)シアーシャ・ローナン(『Lady Bird』原題)エマ・ストーン(『Battle of the Sexes』原題)主演男優賞スティーヴ・カレル(『Battle of the Sexes』原題)アンセル・エルゴート(『ベイビー・ドライバー』)ジェームズ・フランコ(『The Disaster Artist』原題)ヒュー・ジャックマン(『グレイテスト・ショーマン』)ダニエル・カルーヤ(『ゲット・アウト』)助演女優賞メアリー・J・ブライジ(『マッドバウンド 哀しき友情』)ホン・チャウ(『ダウンサイズ』)アリソン・ジャネイ(『I, Tonya』原題)ローリー・メトカーフ(『Lady Bird』原題)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)助演男優賞ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)アーミー・ハマー(『Call Me by Your Name』原題)リチャード・ジェンキンズ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)外国語映画賞『ナチュラルウーマン』『最初に父が殺された』『女は二度決断する』『ラブレス』『The Square』(原題)監督賞ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)マーティン・マクドノー(『スリー・ビルボード』)クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)リドリー・スコット(『All the Money in the World』原題)スティーヴン・スピルバーグ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)脚本賞『Lady Bird』(原題)『Molly’s Game』(原題)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』作曲賞『ダンケルク』『Phantom Thread』(原題)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主題歌賞「リメンバー・ミー」(『リメンバー・ミー』)「This Is Me」(『グレイテイスト・ショーマン』)「Mighty River」(『マッドバウンド 哀しき友情』)「Home」(『Ferdinand』原題)「The Star,」(『The Star』原題)アニメ映画賞『ボス・ベイビー』『The Breadwinner』(原題)『リメンバー・ミー』『Ferdinand』(原題)『ゴッホ最期の手紙』(text:Yuki Tominaga)
2017年12月11日誰もが知っているとおり、英語で1000のことをthousandと書きますが、これを、しばし迷って「象さん」と読んだ人がいて、聞いた瞬間おおいに笑ってしまいました。tho(ぞ)u(う)san(さん)d(発音しないと決める)で、たしかに「ぞうさん」と読めなくもないし、最後の「d」はべつに発音しなくったっていいし…エルメスの頭のHだって発音しないわけだし。英語の授業中の出来事で、先生に当てられた女性は、ホントの読み方は知らないけど、どうにかしなくちゃならなかったから、必死で読み方を考えたのち、象さんと読んだのでしょう。まちがっていると薄々わかっていても、期せずして英文の途中に登場した「1000」を読まないと授業を止めてしまうことになるという強い責任感が、彼女の記憶のどこかから象さんを引っ張り出してきたのでしょう(象さんもビックリしたと思う。「今、このタイミングでおれ?」ってな具合に)。夫婦のあいだにも「ホントのところは知らないけど、一応どうにかしなくちゃならないこと」があります。たとえば彼女のお母さん、つまり義理のお母さんが、ぼくらの結婚式についてどう考えているのか?ということは、ぼくは知らない。もちろん漠然と「こう思っているのだろうなあ」という推測はします。でも本当のところはよくわからない。みんなで寄り集まって話せばいいことですが、お互いに「これを言ってしまうと、こっちの家がわがままだと見られてしまうかもしれない」など、いろんな細かな感情が作用することだってあるでしょうから、お互いになかなか話を切り出せない。ゆえにホンネが見えない。結婚式のことがぼくとヨメの間でほぼ話題に上がらず、でもそろそろ場所や日程、おおざっぱな内容などを決めないと周囲の人たちがいぶかしく思うだろうなと内心焦っていたぼくは、ヨメに尋ねました。「結婚式どうする?」と。なぜなら男として、結婚式を一応どうにかしなくちゃならないという責任感があったから。ヨメは答えました。「ふつうの結婚式でいい」と。ぼくは即座に言い返しました。「ふつうでいいと言ったところで、お義母さんには『こういう結婚式にしたい』という思いがあるかもしれないから、お義母さんに相談しといてよ」と。なぜかふと、お義母さんという言葉が口をついて出てきました。言いながら「しまった」と思いました。「しまった、先にお義父さんのことを聞くべきだった」と思いました。女の子の家庭って、お父さんとお母さんどちらが娘をヨメに出すことをナーヴァスに感じているのかといえば、おそらくお父さんだから。でも「お義父さんは結婚式になにかリクエストないの?」と、ぼくはヨメに聞けなかった。同性は同性の気持ちに敏感だから。わが娘を嫁に出すお義父さんの心中を思えば…少なくともぼくはなにも言えない。お義父さんは、かわいい娘の結婚式について思うところがあるにせよ、きっとそれをまだ言語化できるところにはいないであろうと想像したら、なにも言えなかった。ましてや「知ったか」をして、「お義父さんも哀しいだろうね」とは、口が裂けても言えなかった。thousandを象さんと読むかのごときユーモアは、ぼくらの結婚式の話題においては、どこにも見当たらなかった。世界中の人々がthousandを「ぞうさん」と発音する日が来たら、5000ドルは「five ぞうさん だら~ず」となり、静岡や愛知の人はきっとうれしいのだろうなあとぼんやり考えているぼくに、ヨメは言いました。「わたし、結婚式にあまり興味がないから」。「でもお義父さんとお義母さんは、娘の結婚式のことを真剣に考えているはずだよ」ぼくはこう答えました。しばし重たい沈黙があり、会話はここで途切れました。その後も沈黙が続きました。英語の授業中に、知ったかで強行突破した「ぞうさん女」のことが、とてもまぶしく、勇気ある女性として思い出されたひと時でした。おおいに違和を感じつつも、象さんと発音しきった彼女に、たくましく生き抜いてきた胆力を感じたのです。(ひとみしょう/文筆家)
2017年12月08日先日、この連載を読んでくださっている方にはおなじみのオスカルから久しぶりにメールがきました。オスカルを知らない方のためにさくっと説明しますと、彼は私がこの春にマンチェスターで通っていた語学学校のクラスメイトであります。25歳のハンサムなフランス人青年。メールには近況報告が書いてあったのですが、そこには「I found a job as a lawyer in the French Federation of ××」とありました。え?lawyer?14歳年下のオスカルは私から見るととっても頼りなくて、社会性も身についていなくて、正直、この子ちゃんと仕事に就けるのだろうかと心配していました。そのアンドレ…じゃなくてオスカルがlawyer!?確かに本の話をしていた時「あまり小説は読まないなあ。法律関係の本ばっかり」と言っていました。その時は、何カッコつけてんだよと流してしまいましたが、ちゃんとお勉強していたのね。ちなみに日本ではlawyer=弁護士と捉えられがちですが、イギリスでは法律に関わる仕事をしている人を総称してlawyerと呼ぶようなので、オスカルが法廷で「裁判長、シュルブプレ!」と言っているわけではありません。しかしまあ若者の失業率が高いフランスで良い仕事に就けたオスカルは優秀であります。何よりも素晴らしいのは、彼が仕事のためにパリに引っ越したこと!メールにも「パリで繭子のことを待っているよ」と書いてありました。久々の甘いメールに、おばさん胸きゅん。オスカルとはしばらく連絡をとっていませんでしたが、これを機にまたメールをするようになりました。そんなある日、いつもはメールのオスカルから突然テレビ電話の着信。何事かと思って出ると、液晶の向こうにはシャンゼリゼ通りのイルミネーションが輝いていました。「ハーイ、繭子!シャンゼリゼだよ!元気出た?」数日前に送ったメールで、私はオスカルに最近何をやってもうまくいかないと愚痴モード。そして「ニュースで見たけど、シャンゼリゼのイルミネーションが始まったんだね」と書いていました。そんな私にオスカルからのプレゼント。ああ、マンチェスターのハンバーガー屋に行っても、カレー屋に行っても、メニューが決められず一番上に書いてあるのを指さしていたオスカルが何だか大人になっちゃった。「一緒に見たいから、早くおいで!」というオスカルに頷きながらも、もう寒いのがイヤで次の外国はオーストラリアの予定だよとは言えない14歳年上のお姉さんなのでした。Written by 西山繭子
2017年12月08日パキスタン出身のアメリカ人コメディアン、クメイル・ナンジアニの実話を描いた、本年度アカデミー賞大本命作『THE BIG SICK』(原題)が、『ビッグ・シック』の邦題で2018年2月23日(金)より日本でも公開されることが決定した。■あらすじパキスタンで生まれシカゴに移住したコメディアンのクメイルは、アメリカ人大学院生のエミリーと付き合っている。ある日、同郷の花嫁しか認めない厳格な母親に言われるまま、見合いをしていたことがエミリーにバレて、2人は破局を迎える。ところが数日後、エミリーは原因不明の病で昏睡状態に。病院へ駆けつけたクメイルは、彼がエミリーを傷つけたことに腹を立てている両親テリーとベスに出会う。最初はクメイルへの敵意をあらわにしていたベスが、気分転換に訪れたコメディクラブで、クメイルに人種差別的なヤジを飛ばす観客と毅然と闘ったことから、3人は心を通わせ始める。彼らのエミリーへの深い愛に心を動かされ、自分にとってもエミリーがいかに大切な存在かに気付いていくクメイル。果たして、エミリーは目覚めるのか?そのとき、2人の未来の行方は――?■早くもアカデミー賞最有力!本作は、パキスタン出身のアメリカ人コメディアン、クメイルが“異文化結婚”の前に立ちはだかる数々のトラブルと騒動を愛と笑いで乗り越えた実話を、本人たちが共同で脚本執筆、クメイルを主役に抜擢して映画化。『はじまりのうた』のプロデューサーが製作を担い、『ドリスの恋愛妄想適齢期』のマイケル・ショウォルターがメガホンをとった。出演にはクメイルのほかにも、「恋するベーカリー」「ルビー・スパークス」のゾーイ・カザン、『アイス・エイジ』シリーズのレイ・ロマノ、『ピアノ・レッスン』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のホリー・ハンター、インド出身のアヌパム・カーが名を連ねた。全米でたった5スクリーンからスタートした本作だが、人種問題がさく裂するトランプ政権下、口コミにより2,600スクリーンにまで拡大し大ヒットを記録。さらに、近年注目を集める映画祭「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)」で観客賞を受賞するほか、「ロカルノ国際映画祭」「ナンタケット映画祭」で観客賞受賞。「デトロイト映画批評家協会賞」「LAオンライン映画批評家協会賞」にはノミネート、そのほかにも次々と映画賞を受賞・ノミネートした。そして、12月11日(月)に開催される「ゴールデン・グローブ賞」ノミネート(コメディ・ミュージカル部門)への期待も高まっており、早くもアカデミー賞最有力との呼び名も高くなっている。『ビッグ・シック』は2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2017年12月08日12月3日(現地時間)、ロサンゼルス映画評価協会賞が発表された。作品賞に輝いたのはルカ・グァダニーノ監督作の『Call Me by Your Name』(原題)。この作品は監督賞、主演男優賞も受賞した。1983年のイタリアを舞台に2人の青年の恋を描いた同作は、サンダンス映画祭でプレミア上映が行われる前々から評判がすこぶるよく、今後の賞レースでもたびたび名前を聞くことが予想されている。ジェームズ・フランコが監督・主演を務め、弟のデイヴ、「フリークス学園」での共演以来仲の良いセス・ローゲンをキャストに起用した『The Disaster Artist』(原題)も好評。今回はジェームズが主演男優賞の次点に選ばれた。主な受賞者及び受賞作品は以下の通り。■作品賞受賞:『Call Me by Your Name』次点:『The Florida Project』監督賞受賞:ギレルモ・デル・トロ (『シェイプ・オブ・ウォーター』)受賞:ルカ・グァダニーノ (『Call Me by Your Name』)主演男優賞受賞:ティモシー・シャラメ (『Call Me by Your Name』)次点:ジェームズ・フランコ (『The Disaster Artist』)主演女優賞受賞:サリー・ホーキンス (『シェイプ・オブ・ウォーター』)次点:フランシス・マクドーマンド (『スリー・ビルボード』)助演男優賞受賞:ウィレム・デフォー (『The Florida Project』)次点:サム・ロックウェル (『スリー・ビルボード』)助演女優賞受賞:ローリー・メトカーフ (『Lady Bird』)次点:メアリー・J・ブライジ (『マッドバウンド 哀しき友情』)(Hiromi Kaku)
2017年12月04日「TOKIO」長瀬智也が、WOWOWにて放送される「生中継!第60回グラミー賞授賞式」のスペシャルゲストに決定。長瀬さんは前回の第59回にもゲスト出演しており、今回で2回目の出演。決定にあたり長瀬さんは、「グラミー賞は、例えるなら“音楽のオリンピック”。世界の音楽、そして会場の熱気を日本の方に伝えることができるのは、音楽好きとして嬉しい限りです」と喜びのコメントを寄せている。音楽界で最も権威ある賞として全世界の音楽ファン、ミュージシャン、音楽関係者が注目するグラミー賞。60回を数える今回の授賞式は、これまでのロサンゼルスからニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンに会場を移し開催。先日、ノミネーションが一挙発表され、ジェイ・Zが最多8ノミネートを果たすなど注目を集めている。この度、2018年1月に行われる授賞式の模様を、今回もWOWOWが独占生中継。ニューヨークにスタジオを構え、スペシャルゲストとして長瀬さんを迎えて、会場の熱気と興奮を伝える。初参加となった昨年をふり返り、長瀬さんは「『あわよくば、何か盗んでやろう!』と意気込んでいましたが、そんなことを考える余地もないほど、感動と刺激的なシーンの連続でした。パフォーマンスの迫力はもちろん、アーティストの音楽に対する想いや人間性までを感じ取れることが、授賞式を生中継で見る醍醐味だと思います」と話し、「今回の会場はニューヨーク。さまざまな人が行きかう街での60回の節目となる授賞式であり、どんなことが起きるか期待しつつ、さまざまな音楽・アーティストの魅力に触れてほしいです」とコメントしている。「生中継!第60回グラミー賞授賞式」(2か国語版※同時通訳)は2018年1月29日(月)8時30分~WOWOWプライム、「第60回グラミー賞授賞式」(字幕版)は2018年1月29日(月)22時~WOWOWライブにて放送。(cinemacafe.net)
2017年12月01日元新体操日本代表(通称フェアリージャパン)の畠山愛理が、「第46回ベストドレッサー賞」のスポーツ部門に選出され29日、都内で行われた授賞式に出席した。ファッション産業界の発展と各界の文化交流を目的に、政治、経済、学術、文化、芸能、スポーツなどの各分野で時代をリードする著名人に贈る同賞。1972年にスタートし、今年で第46回を迎える。新体操日本代表として2012年のロンドン五輪、2015年の世界選手権、2016年のリオデジャネイロ五輪などで活躍し、引退後はスポーツキャスターやモデル、タレントとして活動している畠山。「素直にとてもうれしいです」と受賞を喜び、「初めはドッキリなんじゃないかと思ってしまった。次に、本当に私で合ってるのかなって思うくらい驚きました」と笑った。この日は、美背中をあらわにした黒いロングドレスで登場し、レッドカーペット上で新体操のポーズも披露。衣装については「身長を生かしたドレスを選びました」と説明し、また、「スタイルを隠した服を着ていると、どんどんふくよかになってしまう気持ちが自分の中であるので、普段から体型を隠さない服を着るように意識しているので、このドレスを選びました」と話した。畠山のほか、経済部門にワコールホールディングス代表取締役社長の塚本能交、学術・文化部門にギタリストの村治佳織、芸能部門に女優の波瑠と歌舞伎俳優の尾上菊之助が選出された。
2017年11月29日11月29日(水)、第42回「報知映画賞」全9部門が発表。中でも注目の「新人賞」には今年7月より公開された『君の膵臓をたべたい』北村匠海&浜辺美波がW受賞した。まず「作品賞」(邦画)に選ばれたのは寺山修司の原作を基に、岸善幸監督が前篇/後篇と二部作で手掛けた、菅田将暉&ヤン・イクチュンW主演の『あゝ、荒野』。「監督賞」に選ばれたのは、浅野忠信や田中麗奈らをキャストに迎え、直木賞作家・重松清の傑作原作を映画化した『幼な子われらに生まれ』の三島有紀子。「主演男優賞」および「主演女優賞」は菅田さんと蒼井優。菅田さんは1月に公開された『キセキ -あの日のソビト-』、4月に公開された『帝一の國』『あゝ、荒野』『火花』など、2017年公開の話題作に立て続けに出演。蒼井さんも10月に公開された『彼女がその名を知らない鳥たち』で主演を務め、10月に開催された「第30回東京国際映画祭」では安藤サクラ、満島ひかり、宮崎あおいとともにオープニングセレモニーに登場した。そして注目の「新人賞」には今年7月より公開された『君の膵臓をたべたい』の北村さん&浜辺さんがW受賞。「第22回釜山国際映画祭」にもオープンシネマ部門への正式招待された同作で、北村さんと浜辺さんは膵臓の病に侵されたクラスの人気者の少女と、彼女の病気を家族以外で唯一知る地味なクラスメイトを演じた。(text:cinemacafe.net)
2017年11月29日女優の波瑠が、「第46回ベストドレッサー賞」の芸能部門に選出され29日、都内で行われた授賞式に出席した。波瑠ファッション産業界の発展と各界の文化交流を目的に、政治、経済、学術、文化、芸能、スポーツなどの各分野で時代をリードする著名人に贈る同賞。1972年にスタートし、今年で第46回を迎える。波瑠は「すごくうれしいです。身に余る賞というか、光栄です」と謙虚にコメント。この日の衣装について「1からオーダーメイドで作っていただいた衣装で、世界に一つしかない服を着させていただいてうれしいです」と話し、また、「かかとの高い靴を履いて、久しぶりに視線が高いです」と笑った。普段の服については、「たいしたものは着てないです」と言い、「Tシャツや、冬はニットにジーンズだったり、現場に行ったら着替える仕事なので、脱ぎきしやすい着心地がいい服を着ています」と説明。「気に入りの服があるとずっとそれを着て、クタクタになってきてそろそろやめようかなと思ってやめる」とお気に入りの服を大切に着るタイプだと語った。波瑠のほか、経済部門にワコールホールディングス代表取締役社長の塚本能交、学術・文化部門にギタリストの村治佳織、芸能部門に歌舞伎俳優の尾上菊之助、スポーツ部門にスポーツキャスター・モデルの畠山愛理が選出された。
2017年11月29日「第60回グラミー賞」授賞式が、2018年1月28日(日本時間29日)にこれまでのロサンゼルスからニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンに会場を移し開催。この度、全84部門のノミネーションが発表された。今回発表されたノミネートでは、ジェイ・Zが「年間最優秀レコード候補」「年間最優秀アルバム候補」「年間最優秀楽曲候補」の主要3部門を含む8ノミネートで最多!ジェイ・Zは、過去にプロデューサーとしてのノミネーションは多数あるが、アーティストとしての自身の作品としては初の主要部門ノミネート。前回の第59回授賞式で、主要部門の受賞を逃し波紋を呼んだ妻・ビヨンセのリベンジなるのか?と注目が集まる。そして、ケンドリック・ラマーの7ノミネート、ブルーノ・マーズの6ノミネートが上位に続いている。また日本からは、喜多郎の「空海の旅5(Sacred Journey Of Ku-kai Vol.5)」が、「最優秀ニューエイジ・アルバム」にノミネートされた。なお、WOWOWでは29日(月)にこの授賞式の模様を生中継することが決定。ほかにもWOWOWでは、今回の授賞式をより楽しむための特別番組や、前回の「第59回グラミー賞授賞式」などを放送する特集番組が組まれている。主要4部門ノミネーションは以下の通り<年間最優秀レコード候補>「Redbone」チャイルディッシュ・ガンビーノ/「デスパシート」ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー/「ザ・ストーリー・オブ・O.J.」ジェイ・Z/「ハンブル」ケンドリック・ラマー/「24K・マジック」ブルーノ・マーズ<年間最優秀アルバム候補>「アウェイクン、マイ・ラヴ!」チャイルディッシュ・ガンビーノ/「4:44」ジェイ・Z/「ダム」ケンドリック・ラマー/「メロドラマ」ロード/「24K・マジック」ブルーノ・マーズ<年間最優秀楽曲候補>「デスパシート」ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー/「4:44」ジェイ・Z/「Issues」ジュリア・マイケルズ/「1-800-273-8255」ロジックfeat.アレッシア・カーラ&カリード/「ザッツ・ホワット・アイ・ライク」ブルーノ・マーズ<最優秀新人賞候補>アレッシア・カーラ/カリード/リル・ウージー・ヴァート/ジュリア・マイケルズ/SZA「生中継!第60回グラミー賞授賞式」(二か国語版※同時通訳)は2018年1月29日(月)8時30分~WOWOWプライム、「第60回グラミー賞授賞式」(字幕版)は1月29日(月)22時~WOWOWライブにて放送。※生中継・字幕版ともにWOWOWメンバーズオンデマンドで配信予定。(cinemacafe.net)
2017年11月29日第70回カンヌ国際映画祭にて脚本賞を受賞した、『ロブスター』のヨルゴス・ランティモス監督最新作『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』が、来年3月3日(土)より日本公開されることが決定した。心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な2人の子どもに恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。しかし、彼らの特権的な生活は、ある少年を家に招き入れたときから奇妙なことが起こり始める。子どもたちは突然歩けなくなり、目から赤い血を流す。そしてスティーブンはついに容赦ない選択を迫られることになる…。本作は、『籠の中の乙女』で第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ受賞、続くコリン・ファレルやレイチェル・ワイズら人気俳優が集結した『ロブスター』では、第68回カンヌ国際映画祭「審査員賞」を見事受賞し、本作でカンヌ映画祭3度目の受賞となったランティモスの監督・脚本による最新作。主人公を演じるのは、前作『ロブスター』に続き、監督と再び組んだコリン・ファレル。『ロブスター』では結婚できずメタボで冴えない中年男を演じたが、本作ではあることをきっかけに少年に追い詰められる心臓外科医スティーブンを演じる。また彼の美しい妻には、オスカー女優のニコール・キッドマン。謎の少年役を、『ダンケルク』で兵士の救出に向かう民間の船に乗り込む正義感の強い少年を演じ、注目を集めた期待の新星バリー・コーガンが演じる。なお、本作の「選べるオリジナルクリアファイル付き前売券」が発売。新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開劇場の窓口で販売される(数量限定)。『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は2018年3月3日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年11月20日