日本の伝統工芸や世界のクラフツマンシップに焦点を当てた「TOKYO CRAFT MARKET」の第3回が10月29日、30日に東京・青山にある国際連合大学の中庭広場にて開催される。素朴なものから豪華絢爛なものまで、職人の手により工夫と遊び心を交えて生み出され、また別の手へと受け継がれてきた伝統工芸品の数々。この度「TOKYO CRAFT MARKET|Season 03:Fall 2016」と題して開催される同イベントでは、そんな日本の伝統工芸や世界のクラフツマンシップにフォーカスし、各地から豊富なラインアップで職人の技によって生まれたアイテムが集められた。また、当日はフードカートなども展開される。出店店舗は、高田耕造商店、石川隆児、建築研究室セクションアール、吉永哲子、EVERY DENIM、COMMON BRIDGE、IKI-YA、杉原和紙、ろくろ舎、FIELD GOOD、asleep on a train、オザキショウタロウ、analogico、Lille og Stor、月兎窯、N.G.R、益久染織研究所、チャルパデザインストア、unnou、playground、White&Blue、The Old House、Modern Craft Council、FUKUI CRAFT BRIDGE、AROMA VITA+、Parque、UNI STAND、カネ十農園、だし処こがね、羊や、八万寿茶舗、B.U.D-BOTANICAL URBAN DEPARTMENT-、city farmers、中川政七商店、bows and scapes、Modern Bonsai 利園、TRADMAN’S、AND THE FRIET、RUBBER TRAMP、Hey! Riccio、薪窯Pizza UNCLE KENなど。なお、イベントオフィシャルFacebook()、およびPinterest()でも、随時イベントやアイテムの詳細がアップされている。【イベント情報】「TOKYO CRAFT MARKET|Season 03:Fall 2016」※前庭広場では青山ファーマーズマーケットが同時開催会場:国際連合大学 中庭広場住所:東京都渋谷区神宮前5-53-70 国際連合大学会期:10月29日、30日時間:10:00~16:00
2016年10月27日第29回東京国際映画祭が10月25日、東京・六本木ヒルズで開幕。オープニング作品『マダム・フローレンス!夢見るふたり』に主演するアカデミー賞女優のメリル・ストリープ、クロージング作品『聖の青春』で実在の天才棋士を演じる天才棋士を演じた松山ケンイチらがレッドカーペットに登場した。その他の画像第29回東京国際映画祭は10月25日から六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか都内の各劇場および施設・ホールで開催。近年は注目度の低下を指摘する声もあり、来年迎える第30回を前に、映画祭への関心を取り戻せるか勝負の年となる。コンペティション、特別招待作品、アジアの未来、ワールド・フォーカス、日本映画スプラッシュ、CROSSCUT ASIAなど各部門の上映に加えて、『映画監督 細田守の世界』、『Japan Now監督特集 岩井俊二』、アジア・オムニバス映画製作シリーズ第1弾:『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』など、提携企画を合わせた国内外の約204作品が上映され、出演者やスタッフらによる舞台あいさつやティーチインイベントが連日行われる。コンペティション部門の審査委員長をジャン=ジャック・ベネックス(映画監督/脚本家/プロデューサー)が務め、平山秀幸(映画監督)、ヴァレリオ・マスタンドレア(俳優)、ニコール・ロックリン(プロデューサー)、メイベル・チャン(映画監督)という幅広いジャンルの映画人が審査にあたる。今年は、蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』、杉野希妃監督が主演も務める『雪女』の日本映画2本がコンペティション部門に選出されている。第29回東京国際映画祭11月3日(木)までTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて開催中取材・文・写真:内田 涼
2016年10月25日第21回釜山国際映画祭(BIFF)が6日(現地時間)、韓国・釜山市海雲台区の”映画の殿堂”で開幕した。日本からも『怒り』の渡辺謙、李相日監督、『シン・ゴジラ』の長谷川博己、樋口真嗣監督、『嫌な女』の黒木瞳監督、『ジムノペディに乱れる』の板尾創路、行定勲監督らがレッドカーペットに登場した。開幕式の司会は『監視者たち』で師弟を演じたソル・ギョングとハン・ヒョジュ(「トンイ」)の2人が務めた。今年映画デビューを果たした人気グループ「SHINee」のミンホが登場すると、レッドカーペット前に駆けつけたファンから大きな歓声があがった。ほかに、開幕作品『春夢』(原題)のハン・イェリとヤン・イクチュンをはじめ、名優アン・ソンギや、オ・ジホ、イエル(「ジニョプの道」)、パク・ソダム(『ベテラン』)、キム・ギドク監督らが出席。今年の釜山映画祭は波乱があった。セウォル号沈没事故でのパク・クネ政権の対応を批判するドキュメンタリー『ダイビング・ベル』の上映をめぐり、昨年から映画祭側と釜山市側が対立。映画祭の独立性を主張するイ・ヨングァン前執行委員長が事実上更迭されるなどしたため、一時は開催も危ぶまれた。なんとか開幕にこぎ着けたものの、釜山市側の対応を批判し、ボイコットする映画人も少なくはなかった。さらには猛威を振るった台風18号の影響で、映画祭開幕前夜には海雲台ビーチのBIFFステージが崩壊するなど大きな被害を受けた。とはいえ期間中、イ・ビョンホン、チョン・ウソン、ソン・イェジン、ユン・ヨジョンら韓国を代表するスターや、黒沢清監督、山下敦弘監督、蒼井優らのトークなど、さまざまなイベントが予定されている。釜山国際映画祭は15日まで。(text:Ayako Ishizu)
2016年10月07日11月19日(土)より開催され、国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第8回TAMA映画賞」。この度、東京テアトル70周年記念作品から、『オーバー・フェンス』、『ふきげんな過去』、『ディストラクション・ベイビーズ』の3作品が選出、受賞が決定した。「TAMA映画賞」は、明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するというもの。本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰する「最優秀作品賞」には、山下敦弘監督の『オーバー・フェンス』が決定!加えて、本作に出演するオダギリジョーと蒼井優が「最優秀男優賞」と「最優秀女優賞」をそれぞれ受賞している。なお、『オーバー・フェンス』は、10月6日(現地時間)から開催される第21回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門にて出品が決定しており、クロージング上映ではオダギリさんと山下監督の登壇も決定している。また、映画ファンを魅了した事象に対し表彰する「特別賞」は、『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也監督&柳楽優弥、及びスタッフ・キャスト一同に贈られる。さらに本作からは村上虹郎と小松奈々が「最優秀新進男優賞」「最優秀新進女優賞」をそれぞれ受賞。そして、『ふきげんな過去』からは「最優秀女優賞」に小泉今日子、「最優秀新進監督賞」は前田司郎監督が選ばれた。今回受賞を受けて、各作品の主演キャストより喜びのコメントが寄せられた。<以下受賞者コメント>■オダギリジョー(『オーバー・フェンス』)芝居なんかいつでも辞めてやる!!そんな気持ちでいます。いや、少し丁寧に言うといつまでこの職業を続けるのかな…という気持ちでいます。でもこういう賞を頂くともう少し続けてみちゃおうかしら…とか思うんですよねぇ~。揺らぐ40歳。ありがとうございました。■小泉今日子(『ふきげんな過去』)前田司郎監督の世界の中で不思議な夏休みを過ごしていたあの撮影の日々もすでに過去。あの日々よりも少し未来に立っている私は、懐かしい気持ちで「ふきげんな過去」を思う。ワニがいようがいまいが、本当のお母さんがいようがいまいが、果子は相変わらず不機嫌な顔をして、あの町でビニール傘を引きずっているでしょう。少女って頼もしくて、カッコイイ!!少女ではなくなってずいぶん経ってしまった私は、満面の笑みでこの栄えある賞を頂きに参ります。本当にありがとうございました。■柳楽優弥(『ディストラクション・ベイビーズ』)作品への皆の情熱が、この様な素晴らしい形で評価して頂けたことに心から感謝致します。特に今年は邦画が豊作で、新たな銀幕時代への重要な年になったのではないかと思います。この素晴らしい機会を新たな出発地点と考え、より一層精進してまいります。ありがとうございました。第8回TAMA映画賞は11月19日(土)~11月27日(日)開催予定。(cinemacafe.net)
2016年10月06日第88回アカデミー賞助演女優賞に輝いたアリシア・ヴィキャンデルが9月29日(木)、都内で行われた出演作『ジェイソン・ボーン』のPRイベントに出席。オスカー受賞に加え、数々の話題作に出演し、まさに“最旬女優”の冠がふさわしいアリシアが初来日を果たした。以前から親日家を公言し、初来日を心待ちにしていたアリシアのために、この日は緑豊かな日本庭園をのぞむ八芳園白鳳館でイベントを開催。一方、アリシアも「日本庭園のイメージに合わせた」という「アーデム(ERDEM)」のワンピースに身を包み、「私がいままで経験した記者会見で、最も美しい場所ね」とすっかりご満悦だった。マット・デイモンが主演し、アクション映画の歴史を刷新した『ボーン』シリーズ待望の最新作『ジェイソン・ボーン』で、アリシアはボーンを追い詰めるキャリア志向の若きCIAエージェント、ヘザー・リーを演じた。「若くして巨大組織で頭角を現すだけに、非常に優秀だけど、ミステリアスだし、どんな倫理観を持っているのか捉えがたい女性なの。野心家で一匹オオカミなタイプね。私も自分なりに向上心はあるつもりだけど、ヘザーに比べるとオープンマインドな性格だと思うわ」(アリシア)。もともと大ファンだったという『ボーン』シリーズの魅力は、「スパイアクションの分野に、フレッシュな要素と同時代性を盛り込んだ点」だといい、「今回は生活から戦争まで、あらゆる面で影響を及ぼすテクノロジーの進歩を題材に、プライバシーと治安のバランスを描いている」。念願の共演を果たしたデイモンについては、「第一線のスターでありながら、地に足がついていて、心から演技を愛している。仕事に全てをぶつける勤勉さに多くを学んだわ」と敬意を示していた。イベントには“最も旬で、天使のように美しい”アリシアにちなみ、お笑いコンビ「トレンディエンジェル」の斎藤司とたかしが来場。10月3日に誕生日を迎えるアリシアのために、誕生花である紅葉柄の和傘をプレゼントした。これに大喜びのアリシアは、斎藤さんの持ちギャグ「斎藤さんだぞ」をマネし、「アリシアさんだぞ」と自己紹介するお茶目な一面も見せてくれた。『ジェイソン・ボーン』は10月7日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月29日昔話の主人公たちが共演するauのCM"三太郎"シリーズが、日本最大の広告賞「2016 56th ACC CM FESTIVAL」の総務大臣賞・グランプリを受賞した。同賞は、1961年に創設された日本で最も権威のある広告賞。"三太郎"シリーズが受賞した「フィルム部門」には、1,776本の応募があり、この中のテレビCMカテゴリーで頂点に立った。審査委員長の古川裕也氏は「グランプリは、圧倒的多数ですんなり決まった。受賞作は、ゴールド(グランプリの次のランク)だった去年より、明らかに進化していた」と講評している。このほか、「演技賞」も発表。受賞者は、瑛太・荒川良々(住友生命保険/1UP/「仕事で1UP 先輩の証言」編ほか)、山田孝之(日本コカ・コーラ/ジョージア/40周年 この国を支える人々編ほか)、黒木華(サントリーホールディングス/オールフリー/白いパラソル、ほか)、カンニング竹山(内閣府/消費者保護/毎日話せば詐欺は防げる)、さかなクン・綾小路翔(キリンビール/氷結/あたらしくいこう さかなクン編、同 綾小路翔編)となっている。
2016年09月28日18日(現地時間)に開催されたエミー賞授賞式で人気の高かったベストドレッサーをご紹介。多数のメディアがベストドレッサーとして取り上げているのは「クワンティコ/FBIアカデミーの真実」のプリヤンカー・チョープラー。ミス・ワールドで優勝した美貌を「ジェイソン・ウー(Jason Wu)」のレッドドレスがさらに光らせている。デザイン性の高いワンショルダー部分がポイントで、アクセサリーはピアスのみ、メイクもヘアスタイルもシンプルに徹することで、彼女の本来の美を際立たせた。クリステン・ベルの「ズハイル・ムラド(Zuhair Murad)」のドレスにも熱い視線が注がれた。シャンパン地に花や葉が描かれているシフォン素材のドレスで、ウエストまで深いVラインにカッティングされた胸元が特徴。「ロマンティック、おとぎ話の世界のドレスみたい」と評された。「殺人を無罪にする方法」で主演女優賞にノミネートされていたヴィオラ・デイヴィスの「マルケッサ(Marcheasa)」のドレスも好評。肌の色に映える鮮やかなピンクと胸元にレースをあしらったカッティングが美しい。気合が入り過ぎてファンをびっくりさせたのがクレア・デインズ。「スキャパレリ(Schiaparelli)」のゴールドのドレスに合わせて肌をタンニングスプレーで“ニセ日焼け”して登場。偽物感漂うオレンジ色の肌に、「ドナルド・トランプを目指したの?」という声も。ドレス自体が素晴らしいだけに残念!(Hiromi Kaku)
2016年09月20日第68回エミー賞授賞式が18日(現地時間)、ロサンゼルスのマイクロソフト・シアターで行われ、最多23ノミネートの「ゲーム・オブ・スローンズ」がドラマシリーズ部門の作品賞を2年連続で受賞、監督賞や脚本賞など合わせて最多12部門を獲得した。実は12部門受賞も2年連続という快挙を成し遂げた「ゲーム・オブ・スローンズ」はエミー賞の総受賞数38を記録。1993年から2004年放送の「そりゃないぜ!? フレイジャー」の受賞数37を抜いて、歴代最多受賞トップに躍り出た。コメディシリーズ部門の作品賞は「ヴィープ(原題)/Veep」が昨年に続いて2度目の受賞を果たした。リミテッドシリーズ部門では下馬評通り、「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」が作品賞、主演男優賞(コートニー・B・ヴァンス)、主演女優賞(サラ・ポールソン)、助演男優賞(スターリング・K・ブラウン)、脚本賞(D・V・デヴィンセンティス)など主要部門を独占し、圧倒的な強さを見せた。ドラマシリーズ部門の主演男優賞は「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」のラミ・マレック、主演女優賞は「オーファン・ブラック暴走遺伝子」のタチアナ・マスラニーが共に初受賞。コメディシリーズ部門の主演男優賞は「トランスペアレント」のジェフリー・タンバーが2年連続、「ヴィープ(原題)/Veep」のジュリア・ルイス=ドレイファスに至っては5年連続で受賞という強さを見せた。ドラマシリーズ部門の助演賞は「ゲーム・オブ・スローンズ」のキット・ハリントンとメイジー・ウィリアムズが有力視されていたが、2人とも受賞はならず。特に助演女優賞は授賞式を欠席した「ダウントン・アビー」のマギー・スミスが受賞。プレゼンターが彼女の名前を読み上げると、司会のジミー・キンメルが歩み寄ってトロフィーを取り上げると、「郵送はしないよ。マギー、もしこれが欲しいなら、落し物コーナーに置いてあるから」と、一度も授賞式に姿を見せたことのないマギーに皮肉まじりのメッセージを送った。ちなみにジミーは「バラエティ・トーク・シリーズ」部門で自身の名を冠した「Jimmy Kimmel Live!」が作品賞受賞を逃すも、粛々と仕事を続行。そこに突然マット・デイモンがサプライズで登場した。実はこの2人、10年以上前からジミーの番組上でネタとして確執を演じ続けている関係。今回は、失意をひた隠すジミーの前にマットがリンゴをかじりながら登場、「さっきのカテゴリーを見逃しちゃった。君、受賞した?」と問いかける。ジミーが受賞者を教えると、マットは「イエス!」とガッツポーズ。そして「気の毒だな。負けたのに、ここに残ってみんなの前に立たなきゃいけないなんて、屈辱的だよね」と言いたい放題の後、会場にジミーへの拍手を促し、ハグして退場した。今年のアカデミー賞では会場でガールスカウトのクッキー販売があったが、エミー賞ではジミーのお母さんが7,000人分のピーナツバター&ジェリーのサンドイッチを作って配るという趣向があり、セレブたちが大喜びでかぶりついていた。第68回エミー賞の主な受賞結果は以下の通り。ドラマシリーズ部門・作品賞:「ゲーム・オブ・スローンズ」・主演男優賞:ラミ・マレック「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」・主演女優賞:タチアナ・マスラニー「オーファン・ブラック暴走遺伝子」・助演男優賞:ベン・メンデルソーン「ブラッドライン」・助演女優賞:マギー・スミス「ダウントン・アビー」・監督賞:ミゲル・サポチニク「ゲーム・オブ・スローンズ」・脚本賞:デビッド・ベニオフ、D・B・ワイス「ゲーム・オブ・スローンズ」・コメディシリーズ部門・作品賞:「Veep」(原題)・主演男優賞:ジェフリー・タンバー「トランスペアレント」・主演女優賞:ジュリア・ルイス=ドレイファス「Veep」(原題)・助演男優賞:ルーイ・アンダーソン 「Baskets」(原題)・助演女優賞:ケイト・マッキノン「サタデー・ナイト・ライブ」・監督賞:ジル・ソロウェイ「トランスペアレント」・脚本賞:アジズ・アンサリ、アラン・ヤン「マスター・オブ・ゼロ」リミテッドシリーズ/テレビムービー部門・リミテッドシリーズ作品賞「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」・テレビムービー作品賞「SHERLOCK/シャーロック忌まわしき花嫁」・主演男優賞:コートニー・B・ヴァンス「アメリカン・クライム・ストーリー O・J・シンプソン事件」・主演女優賞:サラ・ポールソン「アメリカン・クライム・ストーリー O・J・シンプソン事件」・助演男優賞:スターリング・K・ブラウン「アメリカン・クライム・ストーリー O・J・シンプソン事件」・助演女優賞:レジーナ・キング「アメリカン・クライム」・監督賞:スサンネ・ビア「ナイト・マネジャー」・脚本賞:D・V・デヴィンセンティス「アメリカン・クライム・ストーリー O・J・シンプソン事件」(text:Yuki Tominaga)
2016年09月20日第41回トロント映画祭の受賞結果が発表された。その他の情報カンヌやヴェネツィアと違い、審査員ではなく観客が投票するトロントでは、観客賞が最高賞となる。この栄誉に輝いたのは、多くが予測したとおり、デイミアン・チャゼル監督の『La La Land』だった。現代のL.A.を舞台にしたミュージカルで、主演はエマ・ストーンとライアン・ゴズリング。ストーンは、今作で、ヴェネツィア映画祭の女優賞を受賞したばかり。この観客賞受賞で、オスカーに向けて、さらにはずみがついた。次点はガース・デイビスの『Lion』と、ミラ・ナーイルの『Queen of Katwe』。また、昨年始まった、審査員が決めるプラットフォーム賞には『Jackie』のパブロ・ラレイン監督が選ばれた。今作では、主演のナタリー・ポートマンにも絶賛が集まっており、アワードシーズンでの健闘が期待できそうだ。トロントで観客賞受賞から、オスカー作品賞につながった作品には、『アメリカン・ビューティ』『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『それでも夜は明ける』などの例がある。昨年の受賞作『ルーム』は、受賞こそ逃したものの作品部門にノミネートされ、ブリー・ラーソンが主演女優賞を受賞している。『LA LA LAND(原題)』2017年2月 TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー取材・文:猿渡由紀
2016年09月20日来年2月26日(現地時間)に開催される第89回アカデミー賞に向けて、外国語映画賞部門の日本代表に『母と暮せば』が決定、出品されることになった。日本映画製作者連盟が6日に発表した。『母と暮せば』は終戦から3年後の長崎を舞台とした、山田洋次監督初のファンタジー映画。吉永さゆり演じる助産師の伸子の前に、二宮和也演じる原爆で亡くなった息子・浩二が、ひょっこり現れる…というストーリーで、日本では昨年12月に公開。多くの人の涙を誘った。日本の作品がアカデミー賞の外国語映画賞を受賞したのは2009年、滝田洋二郎監督の『おくりびと』が初めて。その後、2011年に中島哲也監督の『告白』がショートリスト入りしたものの、ノミネート及び受賞は逃している。各国が外国語映画賞への出品準備に取り組む中、スペインからは巨匠ペドロ・アルモドバル監督の『ジュリエッタ』が選ばれた。「The Hollywood Reporter」によれば、スペインからこの部門にアルモドバル監督作品が出品されるのは、これが6回目。そのうち1989年に『神経衰弱ぎりぎりの女たち』がノミネート、2000年に『オール・アバウト・マイ・マザー』が見事受賞、2007年に『ボルベール<帰郷>』がショートリスト入りを果たしている。(Hiromi Kaku)■関連作品:母と暮せば 2015年12月12日より全国にて公開(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
2016年09月08日第40回モントリオール映画祭のワールド・コンペティション部門に出品されていた映画『たたら侍』が、現地時間5日に行われた受賞式で、最優秀芸術賞を受賞し、主演の青柳翔、AKIRA、小林直己、エグゼクティヴ・プロデューサーを務めるHIRO、錦織良成監督がコメントを寄せた。その他の画像『たたら侍』は、戦国時代の島根・奥出雲の村を舞台に、伝統を継承し守ることを宿命付けられた主人公が、葛藤や挫折を通して真の“武士”へと成長していく姿を描いた本格時代劇映画。映画祭審査員長のピエール・アンリ・ドロー氏は、「『たたら侍』の中で興味深いのは、欧米人が知らない侍に対する新しいビジョンだということだ。古典的な黒澤の『七人の侍』や『乱』のような戦いのプロフェッショナルの侍を描いている訳ではなく、裏にある真実を追求するかのようなアプローチである。この映画のアプローチは素晴らしい」と話し、映画祭創設者でプレジデントのセルジュ・ロジーク氏は「今年のコンペは非常にレベルが高かった。(『たたら侍』は)世界に通用する作品なので、オスカーに出すべきだ」と称賛した。青柳は「この作品はたくさんの方にご協力頂き、日本の文化や伝統を世界の方々にも知って頂きたいという思いから作られました。日頃悲しい出来事やニュースが続く中『憎しみからは何も生まれない。憎しみの連鎖を断ち切る』という、簡単な事ではないけれど、それでも諦めるよりよい未来であればと言うメッセージも詰まっている作品だと思うので日本だけではなく、たくさんの人に観て頂きたいと思っております」と語り、AKIRAは「自分たち自身もジャパンプライドという精神を持って、新たなLove,Dream,Happinessの形とメッセージを映画を通してお届けしたいと思っていましたので、この評価をすごく嬉しく思っていると同時に誇りを持って、さらなる活動に活かしていきたいと思っております」とコメント。小林は「『たたら侍』は、日本の伝統技術とともに、美しい日本の風景や自然の持つ強さ、そこから生まれた日本の精神を題材として取り扱っています。先日、モントリオールに訪れた際も、そのあたりが現地の皆さんの興味を集めていたことを肌で感じました。そんな作品が、最優秀芸術賞を頂けたということで、改めて日本を誇りに思います」といい、HIROは「監督はじめスタッフの皆様に色々勉強させていただき、このような映画に携われたことを幸せに思います。映画『たたら侍』を世界中の方にご覧いただけるよう、これを機に、さらに飛躍できるよう頑張っていきたいと思います」と喜びを語った。錦織監督は「HIROさんと一緒に企画を立ち上げてから約3年。1年がかりで撮影し、完成した映画『たたら侍』にとって今回の受賞は、何よりのご褒美です。こんなに嬉しいことはありません。この受賞を機に、真の侍の心、日本の心を描いたこの映画がひとりでも多くの人々に観ていただけたらと思います。みんなで1カット1カット紡いだ拘りの作品を宜しくお願い致します」と思いを述べた。『たたら侍』 2017年初夏公開
2016年09月07日俳優のジャッキー・チェンが、アカデミー賞特別名誉賞を受賞することになった。『ラッシュアワー』などでおなじみのジャッキーと、映画編集者のアン・V・コーツ、キャスティングディレクターのリン・スタルマスター、ドキュメンタリー映画監督のフレデリック・ワイズマンが、11月に行われるガバナーズ・アワードでこの特別賞を受け取ることになると映画芸術科学アカデミーが1日に発表した。同団体のシェリル・ブーン・アイザックス会長は、声明文の中で「アカデミー賞特別名誉賞はジャッキー・チェン、アン・V・コーツ、リン・スタルマスター、フレデリック・ワイズマンのような、その分野における真の先駆者であり、伝説的な存在である人物のために作られた賞です」「彼らの素晴らしい功績を称えられることを誇りに思います」とコメントしている。ジャッキーは自国香港の映画作品への出演、脚本、監督、プロデュースだけでなく、世界中においても興行成績の成功をおさめた「他に類を見ない国際的なキャリア」を称えられ、今回の受賞に至った。一方、1962年作『アラビアのロレンス』で知られるアンは、『エレファント・マン』『アウト・オブ・サイト』『オリエント急行殺人事件』『エリン・ブロコビッチ』など、60年間にわたるキャリアの中で多くの有名作品を手掛けてきた。『卒業』『屋根の上のバイオリン弾き』『トッツィー』を含む200作品以上の映画に携わってきたリンは、ジョン・トラボルタやジョン・ヴォイト、故クリストファー・リーヴらをはじめとする俳優の才能の発掘してきた人物だ。フレデリックは、自身にとって初のドキュメンタリー作品である精神異常を抱える犯罪者たちを収容した病院の舞台裏に迫った1967年作『チチカット・フォーリーズ』をリリース後、ほぼ毎年ドキュメンタリー作品を世に送り出してきた。この4人は、11月12日にハリウッド&ハイランドセンターのレイ・ドルビー・ボールルームで開催される第8回ガバナーズ・アワードでアカデミー賞特別名誉賞を受賞する。2015年度には、デビー・レイノルズ、スパイク・リー、ジーナ・ローランズらが同賞を受賞していた。(C)BANG Media International
2016年09月05日2010年の『悪人』で、深津絵里が第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門最優秀女優賞を受賞、日本でも興収20億円の大ヒットとなり、第34回日本アカデミー賞主要5部門を受賞をした原作・吉田修一×監督・李相日のコンビ。このほど、そのチームが再集結し、渡辺謙をはじめとする豪華実力俳優陣で贈る意欲作『怒り』が、第41回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門、加えて第64回サン・セバスティアン国際映画祭コンペティション部門へ出品されることが決まった。八王子で発生した陰惨な殺人事件。被害者のものと思われる血で書かれた「怒」の一文字と、逃亡を続ける犯人。1年が経過しても犯人の有力情報は得られぬまま、事件から生まれた疑いが日本中に広まり、人々の“信じたい”気持ちに歪みを与えていく。前歴不詳の3人の男と出会い、距離が縮まる3組の登場人物。信じたはずが一度生じた疑いから逃れられず、“信じる” “疑う”の対極の感情の間で揺れていく。行き着く先は救いか破滅か。信じた先の“怒り”は凶行を生み、思わぬ形で殺人事件を解き明かしていく――。主演の渡辺さんをはじめ、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡といった豪華キャスト陣がそれぞれ新たな境地を開いた本作。行き場のない感情に葛藤する3組が織り成す群像劇は、李相日作品の真骨頂として大きな注目を集めている。まず、ベルリン、カンヌに次ぐ来場者数32万人を集め、例年300本以上の作品が上映される北米最大級の映画祭にして、米アカデミー賞の前哨戦として広く知られるトロント国際映画祭では、父娘を演じた渡辺さんと宮崎さん、そして李監督が招待を受け、現地時間9月10日のプレミア上映に参加する。本映画祭の最高賞は、観客の投票によって決定する観客賞で、近年では『英国王のスピーチ』や『それでも夜は明ける』、『ルーム』など、アカデミー賞に直結するとして大きな注目を集めている。さらに、スペインで開催されるサン・セバスティアン国際映画祭では、日本映画で唯一、コンペティション部門での出品が決定!現地時間9月23日のプレミア上映に、渡辺さんと李監督が参加。また、翌日、現地時間24日に行われるクロージングセレモニーにも出席し、これまで日本作品は受賞していない最高賞となる最優秀作品賞を目指す。なお、渡辺さんは『明日の記憶』(’06)でハワイ国際映画祭、『硫黄島からの手紙』(’06)でベルリン国際映画祭、LA Eiga Fest2014、2013年公開の『許されざる者』でヴェネチア国際映画祭、釜山国際映画祭に参加以来、3年ぶりの国際映画祭への参加となる。■渡辺謙コメント僕が日本で出演した作品をアメリカで紹介したいとアメリカのパブリシストに言うと、「トロント国際映画祭へ出品しろ」と言われるくらい北米最大の映画祭です。この作品に含まれている人間の本質的な痛みや悩みみたいなものは、洋の東西問わないと思うので、海外の方々へどれだけ深く刺さるか、どういうリアクションがかえってくるか、興味深いです。また、ヨーロッパの方は日本に近い感覚を持っていらっしゃるお客様が多いので、また北米とは違うリアクションがあるのではないかと、とても楽しみにしています。オリンピックでもたくさんの種目があるように、日本の映画もいろいろなタイプの映画があります。いま、本当に誇れる映画が出来たなという気がしています。ちゃんと日本でこういう映画をつくりました、という誇りを持って、日本代表として行きたいと思います。■宮崎あおいコメントこの作品で李監督と渡辺さんと一緒に映画祭に行けるというのは、本当に嬉しいです。「すごい映画が出来ました」と自信を持って言える作品なので、その気持ちを伝えて、たくさんの人に観ていただけるように頑張りたいなと思います。とても緊張していますが、『怒り』を観た海外の方々の反応を楽しみにして行きたいと思います。そしてトロントは10年以上前ですが、ホームスティをした場所でもあるので、このようなかたちでトロントに行けることも嬉しいです。『怒り』は9月17日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月25日森岡龍&前野朋哉が人気漫才コンビを演じ、共演に黒木華、新井浩文を迎えた『エミアビのはじまりとはじまり』。『舟を編む』で「第37 回日本アカデミー賞」最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作の完全オリジナル脚本による監督最新作に、『舟を編む』石井裕也監督や、ムロツヨシ、「黒猫チェルシー」の渡辺大知、高月彩良らから絶賛のコメントが続々と到着していることが分かった。人気上昇中の若手漫才コンビ“エミアビ”のひとり・海野(前野さん)が、ある日突然、自動車事故で死んでしまう。遺された相方の実道(森岡さん)はマネージャーの夏海(黒木さん)を連れ、海野の車に同乗していた雛子の遺兄・黒沢(新井さん)に会いに行く。黒沢も数年前までお笑いの世界にいた、エミアビの先輩であり恩人だった…。本作は、遺された者たちが繰り広げる、“笑い”がつなぐ希望と再生のヒューマン・ストーリー。『彼岸島デラックス』にも参加し、8月上旬号の「キネマ旬報」では映画界が期待する若手俳優のひとりにも選出された森岡さんが漫才コンビの相方を失った実道を、いまやau の人気CMシリーズで一寸法師役として注目度急上昇中の前野さんが、突然亡くなってしまう海野を好演。巨匠・鈴木清順監督の愛弟子・渡辺謙作が、『となり町戦争』『フレフレ少女』に続いて脚本・監督を務めている。マスコミ関係者向け試写会は全回満席。上映中は漫才シーンで笑い声が上がり、大盛況となった。上映後の感想では「愛と再起とプライドのために、というところが芸人ではない人たちも共感できる物語だと思いました。監督の、あらためて映画で楽しませたいという決意表明のようにも感じられて、心動かされました」「どんだけ辛気臭いかと思いきや、小気味よく裏切ってくれるお笑いバカたちの奮闘。前野朋哉さんのはじけっぷりには、“笑神”が降臨してます」「とてつもなく悲しいとき、怖いときにこそ、とてつもない笑いがやってくる。そのことがファンタジックに描かれるのが、逆にとてもリアル。その意味でも主人公の実道は本当にまだこれからの人、『はじまり』の人なんだなと思いました」と、映画評論家や映画ライターも太鼓判。さらに、日本映画界を牽引する監督や、“笑い”を仕事にする漫才コンビ、注目俳優など、各界の著名人からも絶賛の声が続々と届いている。<以下、コメント>■石井裕也(映画監督)過去を想いながら、またはじめるしかないんですね。それがダメでも、またはじめる。何度でも。作家がどうしても作らなければならなかった映画を観ると、本当に勇気づけられます。■大森立嗣(映画監督)26 歳で監督デビューした早熟の問題児 ?!「渡辺謙作、第2 章のはじまりとはじまり」だね。いいね! 映画、笑ったよ。■ナイツ・塙宣之(漫才師)ありえない設定ではなく、ありえる設定であって、でもシリアスのようでシリアスじゃない。笑いって結局、無敵なんだなぁ。■ナイツ・土屋伸之(漫才師)絶体絶命な状況vs 笑い笑いは最強にして、やっぱりすごく脆いな…胸がいっぱいになりました。■倉本美津留(放送作家)体当たりの映画だ。この映画でしか観ることのできない体当たりがいくつも鏤められてある。だから観ないとね。■さらば青春の光・森田哲矢(お笑い芸人)まず劇中で披露されるネタが芸人にはない独特な発想で素晴らしかったです。なおかつ役者の方々にあんなに完璧に漫才されたらたまったもんじゃないです。けしてハッピーエンドではない終わり方も僕はめっちゃ好きでした。■さらば青春の光・東口宜隆(お笑い芸人)売れるか売れないかではなく、いま挑戦しているか否か、が大事だということを思い返させてくれた映画でした。■ムロツヨシ(喜劇役者)森岡くん、前野くん、黒木華に浩文新井、好みだらけの役者だらけに、この中身。みれてよかったです。飛んでました。とんだ映画でした。■犬山紙子(エッセイスト)死んでなお、人を笑かした海野は最強にかっこいい。かっこよすぎて、雛子に嫉妬した。■渡辺大知(黒猫チェルシー)僕にとってエミアビは、おもろい先輩2大巨塔が組んだ夢のゴールデンコンビなのです。だから絶対笑えるとは思ってたけど、まさか泣かされもするとは! 2人の笑いマジだぜ。■高月彩良(女優)笑いは、人の心を回復させ救ってくれる。笑えない日々が描かれていても、映像にも客席にも笑いが飛び交っていて不思議な感覚でした。『エミアビのはじまりとはじまり』は9月3日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月11日「第73回ゴールデングローブ賞」最優秀主演男優賞にノミネートされ話題となった、ウィル・スミス主演の映画『コンカッション』が10月29日(土)より日本でも公開されることが決定した。ナイジェリアからアメリカに夢を抱いてやってきたベネット・オマル(ウィル・スミス)は、検死官も務める真面目で誠実な医師。2005年、彼はアメリカンフットボールのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)を引退した元スティーラーズの花形選手マイク・ウェブスター(デヴィッド・モース)の変死解剖に携わり、頭部への激しいタックルが原因である脳の病気“CTE(慢性外傷性脳症)”を発見、独自の論文を発表する。だが、熱狂的ファンが支える国民的スポーツにメスに入れたオマル医師の見解をNFLは全面否定し、絶大な権力で彼とその周りに圧力をかけていく。それでも、不屈の男オマル医師は一歩も譲らない…。アメリカンフットボールの最高峰「NFL」で後を絶たない選手引退後の謎の死…。本作は、ある花形選手の検死を行ったひとりの医師の“発見”が全米を揺るがせた衝撃の実話ドラマを映画化。人種差別や偏見と闘いながら、“真実”のために巨大組織NFLに立ち向かい、アメフトの危険性が立証されたことで明らかになるアメリカ全体の病理を的確に描いている。ナイジェリアからやってきた正義感溢れる実在の人物を迫真の演技で体現するのは、『メン・イン・ブラック』シリーズや、オスカー候補となった『ALI アリ』など、幅広い映画でハリウッドを代表する世界的スターウィル。そのほか、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のアレック・ボルドウィン、『グリーンマイル』デヴィッド・モース、『シャーロック・ホームズ』シリーズのエディ・マーサンら名優たちが出演している。製作は『エイリアン』『グラディエーター』『オデッセイ』など歴史に残る傑作を生み続ける巨匠リドリー・スコットとジャンニーナ・ファシオ=スコット。そして、『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』の社会派ピーター・ランデスマン監督がメガホンを取った。アメリカの夢「NFL」の裏に隠された“真実”にメスをいれる衝撃の実話ドラマ。スポーツ選手はもちろん、多くのスポーツファン必見となりそう。『コンカッション』は10月29日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2016年08月09日文化服装学院在学中に「ここのがっこう」に通い、2015年、自身の名を冠した「ソウシオオツキ」をスタートさせて大月壮士。今年はLVMHが主催する若手デザイナーの育成・支援を目的とするファッションコンテスト「LVMHプライズ」に日本人最年少でノミネーションを果たしている。大月壮士へのインタビュー後編。ーー東京ニューエイジの中では、大月さんの服が一番リアルクローズに近いのかなと思います。リアルとモードの境界線についてどう思いますか?リアルだけではつまらないので、そこのバランスは意識しています。いわゆる作品っぽいものが学生の時から嫌いだったんで、リアルなものっていうよりは“リアルっぽいもの”を目指していたというか。“ちゃんとしてますよ感”は意識してやっていました。メンズファッションは“リアル”とともに成長してきた部分もあるので。アルマーニとかそうですよね、地に足がついてるっていうか。実生活の中で成り立つモードを提案している。ーーより“リアル”に近いのは、テーラードを軸にしていることもあるかと思います。意識的にこだわっているというより、入りがテーラードだったんで。自然とそうなっているっていうのもありますし、一時はテーラーになりたいっていう時期もありました。そこは大事に、大事にというかベースですね。ーー一貫する和装っぽいイメージはどこから?実は、あまり“和”のイメージやモチーフは使いたくなくて。だからイメージとして借りてるというよりも、自分の中では日本的なテーラードを作っている感じ。こんなこと言うのは恐れ多いんだけれど、和製アルマーニみたいな感覚。ーーじゃあ好きなデザイナーはアルマーニ?アルマーニは、好きというよりもリスペクトですね。ファッションに憧れを持った高校生の頃は、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)のディオール オム(Dior Homme)でした。それこそ雑誌『HUgE』の、クリス・ヴァン・アッシュの青シャツをグレイのスラックスにタックインしてるスタイリングを見て、モードの世界にはまっていったので。ーー共に、主にメンズの世界で活躍するデザイナーですね。ですが、今回の伊勢丹でのポップアップ用に、初めてレディースをデザインされましたが、いかがでしたか?難しいんですよ、これが(笑)。今回はシャツとジャケットとスカートをデザインしました。メンズって、襟をつけて、ポケットつけて、ちゃんとディテールを押さえて、機能性をつけてあげれば、ある程度のクオリティーは担保できるじゃないですか。でもレディースって、シェイプとかあるし、なんか難しいんですよ。体の凹凸も多いから、やりづらいし。「これ着たらどうなるの?」っていう感じでした(笑)。ーーデザイナーとして喜びを感じる時は、どんな時でしょうか?月並みですけど、やっぱりモデルに着せたときですかね。「おお、こうなるんだな」「これはキタわ」みたいな。作って、スタイリング組んで、それがイケてたら、嬉しいですね。自分の想像にバチっとハマるときもあるし、超えてくるときもあるし。ーーご自身の中でアイコニックなアイテムはなんでしょう?今のところこれといったものはないですが、ジャケットは絶対に毎シーズン作っていくと思います。ジャケットは遊べるところが少ないので、難しい部分もあるのですが、ソウシオオツキのジャケットだと一見してわかってもらえるようにしたいなって思っています。ーーデザインに対するアプローチについて教えてください。健康ランドによく行くんですけど、水風呂が好きなんです。水風呂入って、目をつぶっているとめっちゃ集中できて。今までリサーチに行ったり、画像見たりして溜まったアイデアが服としてまとまっていくと言うか。「ポケットがここにあって、こうして、こうしたら…、あ! これだ!」みたいな。で、サウナに入ると、全部忘れちゃうんですよ(笑)。だから何セットも繰り返す。ーー温冷交代浴っていうんですよね。サウナ入って、水風呂入って、またサウナ入って…。旅行っていうほどでもないけれど、出かけたりとかしてリサーチして。そうやって自分の中に溜まった塵みたいなものが、水風呂でキュッと纏まるみたいな感覚です。ーー毎シーズン、テーマを設けているんですか?設けているときもあれば、設けていてもあんまり言わないようにしているものもありますね。16SS以降は、ネタくさいのが気分じゃなくなったので、「これがテーマです」みたいな、面白話みたいなのは仕込まないようにしています。ーー近いうちに実現させたいこと、近い目標をお聞かせください。取り扱って頂ける店舗を増やしたいです。ーーでは、最後の質問になりますが、遠い未来どんなブランドになっていきたいとお考えですか?「日本でイケてるブランドは?」って聞いた時、多くの人の口から「ソウシオオツキ」がパッと出てくるぐらいの存在にしたいです。あとは、ファッションの“文脈”になりたいっていうのはずっと思ってます。30年前のメンズ史にアルマーニが君臨しているように。そうなれるように、「地に足つけて」、ですかね。今回のインタビューで、二人のデザイナーの名が挙がった。ジョルジオ・アルマーニとクリス・ヴァン・アッシュだ。ともに間違いなく、メンズファッション史に名を刻む人物だ。前者は説明不要の「モードの帝王」。テーラードジャケットから肩パットを取り去り、男性服に柔らかさを与え、ファッションにおける身体性の考え方を更新した。後者は、ディオール オムにて、直接的でマスキュリンなカッティングが冴えるテーラードアイテムを次々と世に送り出している。両者の名が挙がったこと、これが意味するところは、“男性的な美”の追求にあるだろう。大月のコレクションは、ジェンダーレス化が進み、形骸化していくダンディズムへ警鐘を鳴らしているかのよう。そしてもっと言えば、形骸化するからこそ、より純粋な意味で、“男性的な美”がファッションとして新たな価値を持ち得る。大月が生み出す“ジャパニーズ・テーラード”は、メンズファッションの新たな地平を切り開く、そんな価値観すら含んでいるのかもしれない。前編「ニッポンのサラリーマンを“モードの文脈”でみせる」に戻る。
2016年08月08日9月に開催される第38回PFFぴあフィルムフェスティバルの全プログラムが発表になった。その他の写真“PFF(ぴあフィルムフェスティバル)”は、世界最大級の自主映画コンペ“PFFアワード”をメインプログラムに据えている映画祭。今年も全国から集まった483本作品の中から20作品が入選作に決定。全作品が映画祭で上映され、各賞が決定する。また、カンヌ映画祭のある視点部門で審査員賞を受賞した深田晃司監督の『淵に立つ』がクロージング作品として上映。さらに園子温、塚本晋也らの過去の8ミリ作品を丁寧に修復しデジタル上映する“8ミリ・マッドネス!!~自主映画パンク時代~”など、映画の“最前線と“可能性”を多角的に楽しめる内容が揃う。このほど新たに発表になったのは、“PFF講座シリーズ 映画のコツ~こうすればもっと映画が輝く~”の2プログラムと、毎年、好評を集めている過去の名作を上映するプログラム。講座シリーズでは、映画祭初日に渡辺謙作監督、前野朋哉、森岡 龍が“俳優業と監督業”と題した講座を開くことがすでに発表されていたが、新たに『恋人たち』の橋口亮輔監督と、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーによる“映画の新しい表現”と、『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也監督と、ユーロスペースを立ち上げたことでも知られる堀越謙三プロデューサーによる“作家映画の行方”の開催が決定。また、先ごろこの世を去った巨匠ジャック・リヴェットを追悼し、新しい世代にリヴェット作品の魅力を知ってもらう入門編として1974年の名作『セリーヌとジュリーは舟でゆく』を上映。さらに“傑作発見!”と題した新企画も登場。9月11日(日)と21日(水)には、貴重なドキュメンタリー『我等の時代の映画作家シリーズ ジョン・カサヴェテス』と、ネイティブ・アメリカンの生々しい生活を捉えたケント・マッケンジー監督の『The Exiles エグザイル』を同時上映。18日(日)には、古厩智之監督の未ソフト化作品『まぶだち』を35ミリフィルムで上映する。本年度から“PFFアワード”は当日券のみになり、それ以外のプログラムは全席指定で前売り券と当日券を発売。チケットはチケットぴあにて、プレリザーブ(先行抽選)が受付中。一般発売は、13日(土)から開始される。第38回PFFぴあフィルムフェスティバル9月10日(土)から23日(金)まで東京国立近代美術館フィルムセンター(月曜休館)10月29日(土)から11月4日(金) まで京都シネマ11月3日(木・祝)から6日(日) まで神戸アートビレッジセンター11月11日(金)から13日(日) まで愛知芸術文化センター2017年4月福岡市総合図書館
2016年08月08日『舟を編む』で「第37回日本アカデミー賞」最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作監督の最新作『エミアビのはじまりとはじまり』。本作で漫才コンビを組む俳優の森岡龍と前野朋哉がこの度、2日(火)に行われた「M-1グランプリ」1回戦を突破したことが明らかになった。連続テレビ小説「あまちゃん」やドラマ「64(ロクヨン)」にも出演し、演技で注目を集める森岡さんと、『桐島、部活やめるってよ』や、現在放送中のauのCMにて一寸法師役に大抜擢され注目度急上昇中の前野さんが主演を務める本作。森岡さんと前野さんのコンビ名「エミアビ」のマネージャー夏海役に黒木華、「エミアビ」の先輩・黒沢役に新井浩文らが出演している。人気上昇中の漫才コンビという設定のため、クランクイン前から漫才の練習を積んできたという森岡さんと前野さん。自分たちの漫才の実力を試したい、という一心で出場を決意し、出演エントリーをしてから約1か月間、時間がない中で隙をみて練習を重ねていたという。この日、会場の新宿シアターモリエールに集まったコンビは41組。全国各地から漫才の頂点を狙うべく、プロ・アマ問わず漫才コンビが集結した。満席の会場に入った2人は、ほかのコンビが笑いをとっていくのを目の当たりにし、次第に緊張が隠せず顔がこわばる…。そんな2人の応援に駆け付けた渡辺監督も見守る中、本番へ。観客を前に、あまりの緊張でネタが飛ぶもアドリブを効かせると会場は笑いが。その後も順調に漫才は進み、あっという間の2分間が終了した。無事漫才が終わると息つく間もなく結果発表。エントリーナンバーがなかなか呼ばれず顔が曇る2人だったが、最後に彼らの番号が呼ばれ、驚きを隠せず思わず抱き合いながら喜んだ。森岡さんは「本番中に頭真っ白になってネタが飛んでしまったのでダメだな…と思っていたのですが、突破出来て本当にうれしいです!」と喜びを隠せない様子。前野さんも「突破出来て、いまはとにかくホッとしています。お客さんの反応が直に伝わるので、非常にスリリングでした!」とコメントを寄せた。続く2回戦は10月上旬より始まる予定。「学生時代に同級生とM-1グランプリに出場し2回戦で敗退してしまったので、次は2回戦も突破したい気持ちです!」(森岡さん)、「点数をつけるのなら今日は50点。次はもっとリラックスしてやれたらいいなと思いました」(前野さん)とそれぞれ意気込みを語った。『エミアビのはじまりとはじまり』は9月3日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月02日9月に開催される第38回PFFぴあフィルムフェスティバルのオープニングとクロージング作品が発表になった。クロージングでは、カンヌ映画祭のある視点部門で審査員賞を受賞した深田晃司監督の『淵に立つ』が公開に先がけ先行上映される。その他の画像オープニングは大ホールで、『PFF講座シリーズ 映画のコツ~こうすればもっと映画が輝く~』と題して、『エミアビのはじまりとはじまり』でタッグを組んだ渡辺謙作監督、前野朋哉、森岡龍の3人が登壇し、映画を志す人や映画ファンに向けて、トークイベントを行う。参考作品として渡辺監督の映画初参加となった鈴木清順監督の『夢二』を上映し、“演出と演技”をテーマに3人が対談する。続いて小ホールでは、『おそいひと』『堀川中立売』で注目を集める柴田剛監督の最新作『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』を日本初上映。上映後には柴田監督のトークイベントが行われる。クロージング作品『淵に立つ』の上映時には深田監督とキャストによる舞台あいさつも予定されている。なお第38回PFF最終日の9月23日(金)は、コンペティション部門“PFFアワード2016”各賞発表の表彰式と、グランプリ受賞作品の上映が行われる。チケットはチケットぴあにて、プレリザーブ(先行抽選)が8月8日(月)より受付開始。一般発売は、13日(土)から開始される。第38回PFFぴあフィルムフェスティバル9月10日(土)から23日(金)まで東京国立近代美術館フィルムセンター(月曜休館)10月29日(土)から11月4日(金) まで京都シネマ11月3日(木・祝)から6日(日) まで神戸アートビレッジセンター11月11日(金)から13日(日) まで愛知芸術文化センター2017年4月福岡市総合図書館
2016年08月01日第11回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の授賞式が、7月8日にフランス大使公邸にて行われた。日本特別賞には、アーティストであり、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教でもあるスプツニ子!が選ばれた。スプツニ子!は、テクノロジーやサイエンスが人々の価値観や社会にどのような影響をもたらすのかを探求する作品を数多く制作・発表しているアーティスト。今年は、恋におちる成分と言われるオキシトシンと、赤く光る珊瑚の遺伝子を導入した蚕から「運命の赤い糸」を製作。これを用い、好きな人にその気持ちを伝えることができない不器用な理系女子の主人公が、自ら研究する遺伝子組み換え蚕によって「運命の赤い糸」を創作する映像インスタレーション作品「運命の赤い糸をつむぐ蚕-タマキの恋」を制作し、「瀬戸内国際芸術祭2016」にて発表した。その他にも、理系のバックグラウンドとアーティストならではの斬新な発想を融合した作品をソーシャルメディアなどで国内外に訴求し、世界的に注目されており、気鋭の新世代リーダーとしてその功績が高く評価され、今回の受賞に至った。なお、「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」は、05年に日本ロレアルが日本ユネスコ国内委員会との協力のもと創設した賞。物質科学または生命科学の博士後期課程に在籍、または同課程に進学予定の女性科学者を対象に計4名の受賞者を決定し、賞状と奨学金100万円を贈呈している。
2016年07月19日テレビ界のアカデミー賞といわれる第68回エミー賞の候補が発表になった。公式サイトによると、最も多くのノミネートを受けたのは昨年と同じ「ゲーム・オブ・スローンズ」が23ノミネート。続いて「The People v. O.J. Simpson: American Crime Story」(原題)が22、「FARGO/ファーゴ」が18、テレビ局としては「ゲーム・オブ・スローンズ」を製作・放送しているHBOが計94ものノミネートを記録した。昨年、ドラマシリーズ部門作品賞をはじめ、12もの賞を獲得した「ゲーム・オブ・スローンズ」だが、今年はティリオン・ラニスター役のピーター・ディンクレイジとジョン・スノウ役のキット・ハリントンの2人が助演男優賞、サーセイ・ラニスター役のレナ・ヘディ、デナーリス・ターガリエン役のエミリア・クラーク、今年日本に来日を果たし話題になったアリア・スターク役のメイジー・ウィリアムズの3人が助演女優賞にノミネートされる快挙を遂げている。2月に開催された第88回アカデミー賞は、主要俳優部門にノミネートされた20人が全員白人だったことから「アカデミー賞は白すぎる」だとか「白人至上主義」と物議を醸したが、エミー賞の俳優部門には黒人が2人以上ノミネートされている部門もあり、「多様性」を見せている。エミー賞授賞式は9月18日(現地時間)に行われ、ジミー・キンメルが再びホストを務める。ジミーは2012年にもホストに抜擢された経験を持つ。(Hiromi Kaku)
2016年07月15日第76回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞、日本でもディズニー/ピクサー歴代興収No.1を記録した『ファインディング・ニモ』。ニモと同じカクレクマノミを見た子どもが“ニモだ!”と感激するほど社会現象化した同作の続編、『ファインディング・ドリー』もまたアニメーション史上、記録的な興行成績で全米を席巻中だ。その夏映画の大注目作に、ナンヨウハギの忘れんぼうドリーの吹き替えで室井滋が、ニモの父親で心配性の父親マーリンの吹き替えで木梨憲武もカムバック!夢の再共演を果たしたふたりにインタビューを敢行。ニモが繰り広げた奇跡の冒険から1年後の世界を描く本作は、忘れんぼうのドリーを主人公に新たなアドベンチャーを壮大なスケールで描くエンターテインメント巨編!ドリーとマーリンとして、室井さんと木梨さんは、再共演を果たすことになった。この点、室井さんは、「それこそドリーじゃないけれど、どんな風だったか思い出すことが大変で(笑)。日頃ナレーションの仕事は多いですが、吹き替えは少ないので、ドリーの感覚を思い出すために、収録の現場に入って、自分が納得できるまで多少の時間がかかりましたね」と述懐。一方のマーリン役の木梨さんも、「久しぶりだったので、時間はかかりましたね」と室井さんと同調。「ついに、この映画が帰ってくると思ったら、ニモのパート2ではなく、ドリーの話で、やったと思いましたよ。そこには、どういうストーリーが待っているんだろうって。この年月を経ていると思うと、海の映像などもとてつもないほどきれいに違いないと思いました」と期待感でいっぱいだったとか。今回のドリーは、離れ離れになってしまった両親との家族の思い出を探しに、禁断の人間の世界まで飛び出す大冒険を繰り広げる。水のない世界は、それだけで大変なのに、ドリーは極端に忘れんぼうという、言ってみればハンデを背負っている。それでもあきらめずに泳ぎ続けるドリーの姿を観ていると、ドリーを演じる室井さんも感動を禁じ得なかったと言う。「ドリーにはマイナス思考がないので、ハンデがあると自分でも思っていないんですよ。だって、忘れちゃうから。マイナス思考を持ちようがない、みたいなところがあるんです。でも、そういうところが力強いと思う。わたしたち人間は余計なことを考え過ぎて生きている。ドリーを見ているとそう思えてくる。だからこれから先の人生は、ドリーのように忘れたいことは忘れて、覚えていたいことだけ覚えていようと思いました(笑)。そこが魅力だと思いますね」。マーリン役の木梨さんも、ドリーの冒険を追体験して日々の生活にフィードバックできる感動と勇気を得たと笑顔で語る。「ドリーって、重要なことは覚えていたりもするんですよ。だからね、それさえ覚えていれば、人間だっていいんですよ。全部覚えてるから、人間はそのネタで夜酒を飲み、愚痴りながら酒に酔って寝る、そういう毎日になっているでしょ(笑)。それはそれでありなんだけど、ドリーくらいさばけているといいですよね。本当、あこがれますよ」。確かに今回初登場する7本足のタコのハンクも、ドリーの忘れんぼうの性格に最初は驚くが「記憶がないと、人生が楽でうらやましい」というような言葉を言う。しかし、それこそがドリーの魅力であって、人生を豊かに生きるヒントも隠されている。室井さんは、最後にこう付け加えた。「また、同じ失敗をドリーは繰り返すかもしれない。忘れんぼうだからね。でもドリーは、そういうことを恐れていないというか、全然気にしていないんです。過去は過去として、前だけを見ている。本当にうらやましい。すごくいいなあ」。(text/photo:Takashi Tokita)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年07月15日2003年にディズニー/ピクサー5作目となる作品として公開され第76回アカデミー賞・長編アニメ賞を受賞。日本でも大ヒットを記録したCGアニメ『ファインディング・ニモ』が、7月15日(金)今夜の金曜プレミアムに登場する。同作は『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』などのスタッフが贈るグレート・バリアリーフの美しい海を舞台にした、魚たちが繰り広げる冒険ストーリー。物語は元気で好奇心いっぱいのカクレクマノミの子供・ニモが同級生たちに度胸のあるところを見せようとしてサンゴ礁の外に出て人間にさらわれてしまったことから、ニモの父マーリンが「ニモをさらったボートを見た」と言う親切だけど物忘れのひどいナンヨウハギのドリーを相棒に、ニモを探す果てしない海の旅へ繰り出すというもの。道中サメに追いかけられたり、はたまたアオウミガメの群れに助けられたりと、大海原で壮大な冒険を繰り広げるマーリンたちの姿が当時感動を呼び、水族館などでカクレクマノミが人気となったのは記憶に新しい。いまだにカクレクマノミ=“ニモ”というイメージを持っている人も多いのではないだろうか。今回放送される日本語版ではニモの父・マーリンを木梨憲武、相棒ドリーを室井滋が吹き替えるほか、LiLiCoやさかなクンも声優として参加。なによりオーストラリアのグレート・バリアリーフの自然を描いたCGの美しさにも改めて注目してほしい。そして『ファインディング・ニモ』の13年ぶりの続編となる『ファインディング・ドリー』が明日、7月16日(土)よりいよいよ全国にて公開となる。舞台は本日放送の『ファインディング・ニモ』の物語から1年後の世界。物忘れがひどいドリーが、記憶の断片から自分の両親を、そして生まれた場所を探すことを決意。ニモ、そして渋々ながらマーリンたちとともに再び大海原へと旅立つ。「今度は、僕がドリーを助けてあげる」…。果たして、ドリーは記憶をたどって、両親に、そして生まれた場所をみつけることはできるのか。日本よりひと足先に公開された全米では早くも「ピクサーの最高傑作!誰もが楽しめるピクサーの名作が誕生」との絶賛の声が上がっているそう。今作では室井滋、木梨憲武はもちろん上川隆也、中村アン、さかなクンらが声優として参加している。今夜は『ドリー』公開前夜の予習として改めて『ニモ』を鑑賞して見てはいかが?金曜プレミアム『ファインディング・ニモ』は7月15日(金)21時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2016年07月15日第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をW受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』のDVD&Blu-rayの発売がこのほど決定。特典内容も明らかとなった。2002年1月、米国の新聞「ボストン・グローブ」が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による児童への性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。「スポットライト」という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を探り当てたのだろうか――?「ピューリッツァー賞」に輝いた「ボストン・グローブ」紙の調査報道チームの軌跡を映画化した本作。“世紀のスクープ”の内幕を取材に当たった新聞記者の目線で克明に描き、社会派ドラマの傑作として高い評価を得ている。脚本と監督を『扉をたたく人』『靴職人と魔法のミシン』のトム・マッカーシーが出手掛け、キャストにはマイケル・キートンや、本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたマーク・ラファロ、同じくアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたレイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバーら実力派が勢揃いしている。また、日本語吹替版のキャストには、「スポットライト」班のマーク演じるマイク・レゼンデス役を宮内敦士、マイケル演じるウォルター“ロビー”ロビンソン役に牛山茂、レイチェル演じるサーシャ・ファイファー役に森なな子、リーヴ演じるマーティ・バロン役に大塚明夫、ジョン・スラッテリー演じるベン・ブラッドリー・Jr.役に仲野裕、そして弁護士のスタンリー・トゥッチ演じるミッチェル・ガラベディアン役を岩崎ひろしが担当し、こちらも豪華声優陣が集結している。このほど発売が決定したDVD&Bru-rayでは、特典映像としてスタッフやキャスト、モデルとなった記者のインタビュー映像や、撮影風景、日本版と海外版の予告編&TVスポット集が収められている。『スポットライト 世紀のスクープ』のDVD&Blu-rayは9月7日(水)より発売。<『スポットライト 世紀のスクープ』発売情報>発売日:9月7日(水)※同日レンタル開始価格:DVD3,800円+税/Blu-ray4,800円+税発売元・販売元:バップ(C)2015 SPOTLIGHT FILM, LLC(cinemacafe.net)
2016年07月08日綾野剛が「第15回ニューヨーク・アジア映画祭」にてライジング・スター賞を受賞した『日本で一番悪い奴ら』。実際の警察不祥事を題材にした本作から、新たな場面写真がシネマカフェに到着。実は、綾野さん演じる日本警察史上最もヤバイ刑事は、“餃子耳”が特徴的な“柔道家”だったことが明らかになった。本作で綾野さんが演じるのは、「正義の味方、悪を絶つ」の信念をもちながらも、でっちあげ・やらせ逮捕・おとり捜査・拳銃購入・覚せい剤密輸など、あらゆる悪事に手を汚していく北海道警(以下、道警)の刑事・諸星要一。「日本警察史上、最大の不祥事」と呼ばれる“実際の事件”をベースにしたこの作品で、綾野さんは一人の男の堕ちに堕ちた26年間を熱演。諸星を慕って集まった裏社会のスパイ=S(エス)には、中村獅童、YOUNG DAIS、お笑い芸人「デニス」の植野行雄が扮し、警察組織への忠誠を誓い、正義を貫こうとしたために間違った道を突き進んでいく刑事たちの狂喜と波乱に満ちた物語が描き出していく。今回解禁となったのは、綾野さん演じる諸星の“餃子耳”&柔道着姿や、一本背負いを決めて犯人を逮捕している場面。柔道の腕を買われて警察官となった諸星は、柔道で見事、道警を初の全国優勝に導き、刑事へと昇進を果たす。以後、先輩刑事である村井(ピエール瀧)から、「犯人を挙げて点数を稼げ」、そのためには「協力者=S(スパイ)を作れ」と諭されたことをきっかけに、暴力団幹部・黒岩(中村獅童)、クスリの運び屋・山辺(YOUNG DAIS)、盗難車バイヤーでパキスタン人のラシード(植野行雄)を引き入れ、のちに警察史上最大の不祥事を引き起こしていくことに。実はその後も何かと、この “餃子耳”がキーポイントになっていくのだが…。綾野さんにとって本作は、「間違いなく僕にとっての代表作」と断言するほどの自信作。役作りについても徹底を尽くし、柔道の日本チャンピオンで特に寝技が強かったという原作のモデルに沿う形で、耳を格闘家特有の“餃子耳”をする際には、綾野さん自らヒアルロン酸を直接耳に入れようと白石監督に相談したところ、「特殊メイクでいいから!」と監督に止められたほど。さらに、約1か月の撮影期間で26年間の男の人生を演じるにあたり、体重を10キロ増減させるなど外見も大きく変貌させており、綾野さん渾身の役者魂を感じさせている。「ニューヨーク・アジア映画祭」では、これから世界的な活躍を期待する俳優に贈られるライジング・スター賞の受賞に「感謝しかない」と語っていた綾野さん。その新たな代表作にして、超問題作をスクリーンでも目撃してみて。『日本で一番悪い奴ら』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月02日俳優・綾野剛が、映画『日本で一番悪い奴ら』(公開中)で第15回ニューヨーク・アジア映画祭の「ライジング・スター賞」を受賞し、現地時間28日、同地で行われた授賞式にメガホンを取った白石和彌監督と共に出席した。同賞は、「これからの世界的な活躍を期待する俳優」に贈られるもの。過去には、『モテキ』(11年)の長澤まさみや、『さよなら歌舞伎町』(15年)と『TOKYO TRIBE』(14年)の染谷将太らが受賞してきた。会場となったリンカーンセンターは幅広い世代の男女で満席となり、映画祭のディレクターであるサミュエル・ジャミエール氏が綾野と白石監督を呼び込んだ。今回がニューヨーク初上陸となる綾野は「会場の皆さま、本日はご来場いただきありがとうございます。ニューヨーク、最高です!」と英語であいさつ。歓声と祝福の拍手を浴びると「非常に光栄な賞を頂き、大変うれしく思っております」と感慨を示しつつ「私個人が、この賞を受賞したとは考えておりません。この『日本で一番悪い奴ら』という作品が評価され、私が代表として、今日この賞を頂いたのだと思っております」と映画チームに感謝を述べた。同映画祭のオープニング作品となった本作。白石監督は「ビッグスター!」と満席の会場に綾野を紹介し、「映画の中でたくさん悪いことをしていますが、そのおかげで、この作品と、ライジング・スター賞を受賞した綾野剛がこの場にいます」と口にし、会場を沸かせた。授賞式に続き、公式上映も敢行。実際に起きた"日本警察史上、最大の不祥事"とも呼ばれる「稲葉事件」をもとに、警部と"S"(スパイ)と呼ばれるチンピラなどの捜査協力者たちを映した本作だが、エンターテイメント性の高さと、桁外れのキャラクター展開によって上映中は絶えず笑いが起こり、後半では悪に染まった諸星(綾野)と同調するように観客は物語に引き込まれていた。終了するや、場内からは拍手が起こり、観客と共に鑑賞していた綾野と白石監督が紹介されると、2人へ賛辞も寄せられた。綾野はティーチインに登場すると、「笑いながら楽しんで見ていただいたことに、とても感銘をうけています」と感激。「ある出来事をきっかけに、物語は重厚感を増していきますが、会場のリアクションもそれに応じて呼吸しているようで、そこは日本の劇場と似ていると感じました」と印象を語る。一方、白石監督は「聞くところによると、ニューヨークでも警察の不祥事などがあるようですし、ギャングもいる。そのような環境で、どう見てもらえるのか不安だったが、楽しんでもらえて安心しました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。「大変栄誉ある賞をいただきまして、感謝しかありません。今回、ニューヨークにきて、たくさんのパワーをいただきました」と喜びを語った綾野。「エンターテイメントのありとあらゆる可能性に満ちあふれていて、この地で体感したことを自らの糧にして、今後の作品にも生かしていきたいと考えています」と締めると、会場から盛大な拍手が送られた。(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会
2016年06月30日主演・綾野剛と『凶悪』の白石和彌監督がタッグを組んだ『日本で一番悪い奴ら』。先日、本作が「第15回ニューヨーク・アジア映画祭」オープニング作品に決定し、綾野さんが同映画祭のライジング・スター賞を受賞することが報じられたが、この度現地時間6月28日(火)、その授賞式が行われ、綾野さんと監督が参加した。北海道警察の新米刑事・諸星要一(綾野剛)は、叩き上げの刑事たちの前で 右往左往する毎日をおくっていた。そんな中、署内随一の敏腕刑事・村井(ピエール瀧)から教えられた刑事として認められる唯一の方法、それは“点数”を稼ぐこと。あらゆる罪状が点数別に分類され、熾烈な点数稼ぎに勝利した者だけが組織に生き残る。そのためには裏社会に飛び込み、捜査に協力するスパイ=S(エス)を仲間にし、有利な情報を手に入れろ! こうして、その教えに従った諸星と、彼の元に集まった3人のSたちとの狂喜と波乱に満ちた生活がはじまった。「正義の味方、悪を絶つ」の信念をもちながらも、でっちあげ・やらせ逮捕・おとり捜査・拳銃購入・覚せい剤密輸など、ありとあらゆる悪事に手を汚した北海道警察の刑事・諸星の行き着く先は――!?会場となったのは、ニューヨークのリンカーンセンター内にあるWalter Reade Theater。場内は上映を待ち望む幅広い世代の男女で満席となり、そこへ映画祭のディレクターが綾野さんと白石監督を呼び込み登壇。まず、今回がニューヨーク初上陸となる綾野さんが「会場の皆様、本日はご来場頂きありがとうございます。ニューヨーク、最高です!」と英語で挨拶すると、観客からは歓声と祝福の拍手が鳴り響いた。さらに、綾野さんは、“これからの世界的な活躍を期待する俳優”に贈られる「ライジング・スター賞」の受賞に関して「非常に光栄な賞をいただき、大変嬉しく思っております」と喜びを述べ、「私個人が、この賞を受賞したとは考えておりません。この『日本で一番悪い奴ら』という作品が評価され、私が代表として、今日この賞をいただいたのだと思っております。この作品に、白石監督に、そして本日この場にお越しくださった会場の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました」とコメント。また、オープニング上映の際にすでに観客と一緒に映画を見ている白石監督からは「ビッグスター!」と満席の会場に綾野さんを紹介し、「映画の中でたくさん悪いことをしていますが、そのおかげで、この作品と、ライジング・スター賞を授賞した綾野剛がこの場います」と挨拶し会場を沸かせた。続いて同会場にて公式上映が行われ、上映中は絶えず笑いが起こり、本編後半では悪に染まった諸星と同調するように観客は物語に引き込まれていたようだ。また上映終了するや、場内からは拍手が起こり、客席で観客と共に鑑賞していた綾野さんと白石監督が紹介されると、さらに割れんばかりの拍手と賛辞が2人へ向けられていた。上映後のティーチインにて綾野さんは「笑いながら楽しんで観ていただいたことに、とても感銘を受けています。そこは日本の劇場と似ていると感じました」と語り、白石監督も「聞くところによると、ニューヨークでも警察の不祥事などがあるようですし、ギャングもいる。そのような環境で、どう観てもらえるのか不安だったが、楽しんでもらえて安心しました」と安堵の表情を浮かべていた。最後に綾野さんは、「大変栄誉ある賞をいただきまして、感謝しかありません。今回、ニューヨークに来て、たくさんのパワーをいただきました。エンターテイメントのありとあらゆる可能性に満ちあふれていて、この地で体感したことを自らの糧にして、今後の作品にも活かしていきたいと考えています」と締めくくっていた。『日本で一番悪い奴ら』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年06月30日6月12日(現地時間)、アメリカ演劇界で最も権威のある「トニー賞授賞式」が開催された。同日早朝フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた乱射テロ事件を受け、急遽授賞式は犠牲者への追悼セレモニーを兼ねたものに。参加者は“シルバーリボン”を身に着け、犠牲者に敬意を示した。授賞式は司会を務めるジェームズ・コーデンの「舞台は人種、宗教、セクシャリティー、性別が平等でみんなが受け入れられ愛される場所です。僕らはみんなでそれを確実なものにしなければならない」というスピーチから始まった。テロは同性愛に嫌悪を持つイスラム国の一員によるものと見られ、ジェームズは万人の平等性を訴えた。今回最多受賞を果たしたのは、史上最多の13部門で計16のノミネーションを受けていた「ハミルトン」で11部門を受賞。同作品は先日映画『メリー・ポピンズ』に出演が決まったリン=マヌエル・ミランダが脚本・音楽・主演を務めるミュージカル。<主な受賞結果一覧>演劇作品賞:「ザ・ヒューマンズ」ミュージカル作品賞:「ハミルトン」演劇リバイバル作品賞:「橋からの眺め」ミュージカル・リバイバル作品賞:「カラーパープル」演劇主演男優賞:フランク・ランジェラ「ザ・ファーザー」演劇主演女優賞:ジェシカ・ラング「夜への長い旅路」ミュージカル主演男優賞:レスリー・オドム・ジュニア「ハミルトン」ミュージカル主演女優賞:シンシア・エリヴォ「カラーパープル」(Hiromi Kaku)
2016年06月13日8日(水)、第42回「放送文化基金賞」が発表され、「番組部門」のテレビドラマでは、最優秀賞に「赤めだか」(TBS)、優秀賞に「天皇の料理番」(TBS)が選ばれた。同部門の演技賞には、「天皇の料理番」主演の佐藤健と、福岡発地域ドラマ「いとの森の家」で樹木希林が受賞している。過去1年間の放送番組から優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる「放送文化基金賞」。今年も平成27年4月~28年3月に放送されたものを対象に選出した。全国の民放、NHK、プロダクションなどから、全部で268件の応募、推薦があり、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つの番組部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16番組と、演技賞や企画賞など個人5件、さらに個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件を決定した。昨年は「相棒 season13」(テレビ朝日)が最優秀賞に選ばれた「番組部門」におけるテレビドラマ番組。今年は、立川談春の同名エッセイを原作に、「嵐」二宮和也主演で昨年12月28日(月)に放送された、年末ドラマ特別企画「赤めだか」が受賞。ビートたけしが立川談志を演じ、17歳で談志に入門した二宮さん演じる談春と、談志の弟子たちの成長物語。「厳しさを自らのものとすることで人は成長できることを教えてくれる啓発的ドラマでありながら、笑いを随所に盛り込んでぐいぐい引き込むストーリー」などと評され、最優秀賞に輝いた。優秀賞に選ばれた「TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場『天皇の料理番』」。大正・昭和時代に宮内省の厨司長を務めた秋山徳蔵氏の人生を描いた杉森久英の同名小説が原作で、田舎のやっかい者・秋山篤蔵を佐藤さんが演じ、天皇の料理番を勤め上げるまでに成長していく物語。「キャスティング、ストーリーの構成どれをとっても完成度が高い」と絶賛され、主役の脇を固めた黒木華、鈴木亮平といった俳優たちの演技も「質がみな高かった」とされた。主演の佐藤さんは演技賞も本作で受賞し、「難しい役柄を、多くのハードルを越えて演じ切り、ドラマの強力な牽引力となった演技は秀逸」と評価されている。(text:cinemacafe.net)
2016年06月08日昨年行われた「第28回東京国際映画祭」で会場を笑いと涙で包み、観客賞を受賞したイタリア映画「Se Dio vuole」(原題)の邦題を『神様の思し召し』とし、8月27日(土)より日本でも公開されることがこのほど決定。また併せて本作のポスタービジュアルも到着した。天才外科医トンマーゾは、自分と同じ道を目指していた医学生の息子から「神父になる」と突然告げられる。なんとか息子をそそのかしたピエトロ神父の正体を暴き、息子を我が道に戻そうと奮闘するが…。命を救う医師、心を救う神父。そんな正反対の2人に芽生えた、まさかの友情、そして見つけた人生の宝ものとは――?監督には、本作が長編デビューとなったエドアルド・ファルコーネ。これまで脚本家としての実績を重ねている彼が、国境を超える笑いを本作で実現させている。そしてキャストには、腕利きだが傲慢な心臓外科医トンマーゾ役に、『赤いアモーレ』のマルコ・ジャリーニ。前科者で型破りなピエトロ神父役には『ローマ、恋のビフォーアフター』のアレッサンドロ・ガスマンが好演している。このほど到着したポスターは、本国イタリア国旗を想起させる三色を背景に、天才外科医がムショ帰りのカリスマ神父を見上げている1枚。目に見えるものを信じる医師と、目に見えないものこそを信じる神父。対局の2人の間にひと波乱ありそうな雰囲気が陽気に表現されているようだ。「東京国際映画祭」で脚光を浴びた熱くて陽気な人間賛歌『神様の思し召し』。ポスターのコピーにもある通り、真逆な2人が出会って見つけたものとは一体どんなものなのか。あの『最強のふたり』のような笑いと涙が再び帰ってくる。『神様の思し召し』は8月27日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2016年06月07日