アカデミー賞授賞式の生放送で作品賞が謝って発表されてしまったというハプニングは、世界中を駆け巡り今年のアカデミー賞ニュースは受賞者や作品が残した功績についてではなく、授賞式でのとんでもないミステイクに焦点が当たることになってしまった。なぜこのようなミスが起きてしまったのか?とにかく、アカデミー賞というのはいまも昔も仰々しいのが売りである。大統領就任式でも行いような綿密さで計画され実行されている。アカデミー関係者は、候補者からアシスタントに至るまでルールを逸脱すれば相手が誰であれ容赦無くアカデミーの輪から外される。例えば今年はアカデミー録音部門候補者の中に、自分がノミネートされたことを同僚に挨拶したことでアカデミーの自己宣伝禁止法に触れるとされノミネーションを取り消された候補者が出るという事態があった。この厳重体制はアカデミーの投票周りについては尚更である。世界的に有名な会計監査事務所であるPwC(プライスウォーターハウスクーパー社)が、投票管理の一切を任されており受賞者がプレゼンターに読み上げるその瞬間までを管理しているのだが、米国大統領選挙もここまでやってくれればロシアにハッキングされることもないのでは、などと素人考えで思ってしまうほどの厳戒態勢を敷いている。数年前、投票がオンラインになる前は、特定の日にPwCのアカデミー賞担当責任者2人がビバリーヒルズのアカデミー本部にやって来て、投票用紙がアカデミーの会員数分きちんとあるかどうかスタッフたちに1通ずつ数えさせたあと、担当者2人が自ら郵便配達のトラックまで運び、郵便屋さんに責任を託す「投票用紙を送り出す日」という特別な日が設けられていた。いまでもアカデミー会員が記入した(インプットした)投票は、PcW社の厳重な警備下で集計され、受賞者が記載されたカードと賞の部門名の入った特別デザインの封筒は同じものが2通ずつ用意される。1通ずつ別々のブリーフケースに納められ、PcWアカデミー賞担当責任者2人のみが知っているコンビネーションロックが掛けられる。このあと2人は別々の車で別々のルートを通って会場ドルビーシアターへと向かう。万が一責任者のひとりに何かが起きても、受賞結果の入ったブリーフケースが必ず現場に到達するようにである。シアターに着くと2人の責任者はそれぞれがプレゼンターに渡す受賞者カードの入った封筒を持って舞台袖二方に分かれる。これはどちらの舞台袖からプレゼンターが出ることになっても、直前にきちんと封筒を渡せるように、という配慮から。だが今年の授賞式ではこの最新の配慮が裏目に出てしまったようで、予備として責任者の手元に残っていた「主演女優賞」の受賞者カードを、誤ってプレゼンターのウォーレン・ビーティーに渡してしまったようだ。だがウォーレンの手元を写した写真を見ると、彼の持つ封筒にはかなり大きく「主演女優賞」と記されている。実際に受賞者を読み上げるとき、異常に長い間合いを取ったウォーレンは、カードが妙だということに薄々気がついていたに違いない。そのときにひとことステージマネージャーにでも誰にでも合図をしていたらここまで大事になっていなかったのではないか。まあ後悔先に立たずと言ったところである。以前、ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで「Seconds from Disaster」という大事故を検証するシリーズ番組があった。タイトルを訳せば「惨事までの数秒間」というわけだが、大きなアクシデントは様々な要因が絡み合って起きる、というのがその番組の焦点だった。今回のアカデミーの一件は、人命に関わるものではないにせよ「Seconds from Disaster」を思い出させるところがある。アカデミー賞では、長年にわたって受賞者カードの入った封筒をハンドルする会計監査の老舗であるPwC(プライスウォーターハウスクーパー)社の企業信用問題などもあるため、業界内での“封筒取り違え事件”のインパクトはその連鎖反応を考えると、結構大変な出来事と言えるだろう。この記事の執筆真っ最中に、授賞式で「作品賞」を発表した俳優ウォーレン・ビーティーに、間違った封筒を手渡した“犯人”が判明した。アカデミー賞の投票周りを一切仕切っているPwC社からの代表男女2人の内ひとりであるブライアン・カリナン氏がそのひと。「カリナン氏が謝ってプレゼンターのビーティー氏に間違った封筒を手渡してしまった」とPwC社が発表した。おまけにどうやらカリナン氏は、封筒渡しの直前までツイートをやっていたということで、この緊張感に欠ける態度に対してはPwC共々非難の的になるのではないかと見られる。いくらコンピューターで制御しようが、何人護衛を立てようがひとりの人間の気の緩みで全ての努力が水の泡になるという、いい教訓といえよう。(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2017年03月03日第89回アカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演男優賞の3部門を受賞した『ムーンライト』が、当初予定していた4月28日の公開日を繰り上げ、3月31日より公開規模を大幅に拡大し、全国公開することが3日、明らかになった。公開日繰り上げは、作品賞受賞を祝して決定。授賞式後には、「少しでも早く劇場で鑑賞したい」と公開を待ち望む声が殺到したという。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。2月26日(日本時間27日)に行われた第89回アカデミー賞の授賞式では、作品賞発表間違えという前代未聞のハプニングが発生。はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表されたが、その後『ムーンライト』と訂正され、会場は一時大混乱となった。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年03月03日第89回アカデミー賞にて作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を受賞した『ムーンライト』。その後、「早く劇場で観たい」という日本公開を待ち望む声が殺到したことを受け、3月31日(金)より緊急拡大公開されることが決定した。名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。母親はドラッグに溺れている。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…。ブラッド・ピットが代表を務める「プランBエンターテインメント」が制作した本作は、自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴った“愛”の物語。人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれ、どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔が押し寄せる。やがて思いもよらない再会により、秘めた想いを抱えてきたシャロンの暗闇に光がさしたとき、観る者の心は大きく揺さぶられ、深い感動と余韻に包まれていく。主な前哨戦では、最も多くの“作品賞”を受賞していた本作(329部門ノミネート・158部門受賞)。さらに、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞を含む3部門を獲得。劇的な作品賞受賞の瞬間もさることながら、アカデミー賞の歴史の中でLGBTをテーマにした映画として初めて作品賞を受賞し、まさに“映画史の歴史を変えた”1本となった。そんな本作に「少しでも早く劇場で鑑賞したい」という声が多数寄せられたことから、当初予定していた4月28日(金)の公開日を約1か月繰り上げ、3月31日(金)から公開規模を大幅に拡大して全国公開する。本作のビジュアルにも登場する少年期、ティーンエイジャー期、成人期で主人公シャロンを演じたアレックス・ヒバート、アッシュトン・サンダース、トレバヴァンテ・ローズは、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」春夏アンダーウェアの広告モデルにも抜擢されており、さらなる注目を集めそうだ。『ムーンライト』は3月31日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月03日今年度のアカデミー賞作品賞の結果発表取り間違え事件の原因となった監査役の2人が、来年度からアカデミー賞に関わることを禁止された。アカデミー会長シェリル・ブーン・アイザックス氏は、アカデミー賞の投票を管理し、プレゼンターたちに結果が記されたカードが入った封筒渡す役割を担っている監査法人プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)の今年度の担当者であったブライアン・カリナン氏、マーサ・ルイス氏が来年度の第90回アカデミー賞に関わることはないと発表した。しかし、これまで80年以上に渡ってアカデミー賞に携わってきたPwCと今後一緒に仕事をしていくかどうかについては明言を避けており、現在検討中であるとだけ話している。授賞式当日、作品賞発表の際に誤ってプレゼンターのウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイに本当の受賞作品『ムーンライト』と記された封筒ではなく、『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの結果が記された封筒を渡してしまうという事件が起きており、バックステージで他の事に気を取られていたカリナン氏が間違った封筒を渡したとみられている。授賞式後、PwCは声明文を発表し、その中でハプニングの詳細を説明、謝罪。その一方で『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督はこの出来事について「大変なことにはなってしまったけど、ある意味素敵なことだった」と話している。(C)BANG Media International
2017年03月03日去る2月27日、第89回アカデミー賞授賞式の終了直後に『レッドタートル ある島の物語』が長編アニメーション映画賞にノミネートされていた「スタジオジブリ」鈴木敏夫プロデューサーに、ライブ配信サービス「LINE LIVE(ラインライブ)」が現地で直撃。そのインタビューと記者懇談会の模様が配信された。まさかのハプニングで幕を閉じた第89回アカデミー賞授賞式。「スタジオジブリ」初の海外共同制作作品『レッドタートル ある島の物語』は長編アニメーション映画賞にノミネートされ注目を集めていたが、栄冠は『ズートピア』に。授賞式終了後、「LINE LIVE」で生配信された記者懇談会&独占インタビューで、鈴木プロデューサーは「今回は期待していた」と残念がった。「ジブリでプロデュースして、制作現場はフランス、スタッフはヨーロッパの方々。その組み合わせも面白いし、近ごろ騒がしい映画が多い中、こういう静かな映画っていうのは人の目をひくんじゃないかなと思っていた」と悔しさをにじませながらも、「僕自身は英語ができないんですけど、発表の直前まで、どうやってしゃべろうかなって考えてたんですよ(笑)」と明るく答えた。そして、長編アニメーション映画賞を受賞したディズニーの『ズートピア』については「大好きな映画」と明かし、「ディズニーの方からのお願いで日本公開前に作品を観たら、すごくいい映画だなって感動しちゃってね。だから戦わなきゃいけなくなったのは、つらかったよね」と正直な気持ちを激白。「『レッドタートル』に獲ってほしかったけど、好きな映画だったから納得した」と語った。2年ぶりの授賞式への出席については、「結構楽しめた」とのこと。「ハリウッドがトランプさんのことをどう思っているか、政治的メッセージもところどころにあったし、若いころのすごく大事な映画だった『俺たちに明日はない』のウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが出てきたときはグッときた」とうれしそう。ファンだったというスカーレット・ヨハンソンを生で見た感想は、「パッと見てびっくりした。映画のイメージと実際の彼女の間にギャップがあった。会わないほうがよかったかな(笑)」と語り、授賞式については満喫した様子だ。また、宮崎駿監督の復帰について質問があがると、「それはわからない。引退を発表してからもいろんな企画を出す人なんですよ。最近もね。だから延々続くんですよね」と返答。三鷹の森ジブリ美術館の上映用に宮崎監督が制作中のショートフィルムについては「まもなく完成する」と明かし、「最初は10分と言ってたけど、もう少し長くなる予定。さすがおもしろいものになっている」と太鼓判!この作品で宮崎監督がCGを取り入れたことについては、「CGがあがってくると、それはダメだって手で描いちゃう。CGでできないことを要求しちゃうんだよね。でも、短編の中には結構CGが入ってますよ」と言及。その完成が楽しみになる言葉を寄せている。(text:cinemacafe.net)
2017年03月02日Aaron Poole / (C)A.M.P.A.S. 作品賞を呼び間違えたり、追悼メッセージで別人の写真を流したりと、何かと不始末が多かった今年のアカデミー賞。何事もなく終わったかのように見えた主演男優賞の発表でも事件が起こっていた。ベン・アフレックの弟であるケイシー・アフレックが受賞したが、プレゼンターのブリー・ラーソンが拍手を拒否したのだ。 ラーソンは昨年、『ルーム』で主演女優賞を獲得した。『ルーム』では、17歳のときに誘拐され、その後7年間に渡り性的・身体的虐待を受け続ける女性を演じた。監禁生活の中で犯人の子どもを産み育て、息子が5歳になったことをきっかけに脱出計画を実行する。 役作りのために1か月間どこにも外出せず部屋に閉じこもり、性被害に遭った女性の心情を理解するために精神分析医とじっくり話したというラーソン。撮了後は性的暴行の被害者を支援する活動をスタート。昨年のアカデミー賞授賞式では、大学内で起こったレイプ事件を題材とした作品『The Hunting Ground』に主題歌「Til It Happens To You」を提供したレディー・ガガが、レイプされた過去を持つ52人の女性たちと共にステージで同曲を披露した。ガガ自身も性的暴行のサバイバーだ。パフォーマンス後、ラーソンは立ち上がって会場を後にする女性たち全員と抱き合い、彼女たちの勇気を讃えた。 ケイシー・アフレックの話に戻ろう。彼は2010年、監督作『容疑者、ホアキン・フェニックス』を撮影中にわいせつないやがらせがあったとして、プロデューサーと撮影監督からセクシャルハラスメントで訴えられている。アフレックは容疑を否認し、結果示談となったが、その真偽は今もって明かにされていない。 オスカー像授与後の拍手を拒否し、祝意を表さなかったことで、ラーソンは性的犯罪の加害者に対する無言の抗議を行ったのだ。彼女の毅然とした姿勢はSNSで絶賛された。 アカデミー賞の受賞を祝われるはずが、性的犯罪の容疑者であった過去を蒸し返されることになってしまったアフレックは、疑惑を払拭するべく、ついにボストン・グローブ紙の取材に応えた。 「どんな理由があっても、誰であろうとも、いかなる虐待も許すべきではないし、忌まわしいものだと思っています。そして全ての人に、職場をはじめとしたあらゆる場所で敬意をもって応対される価値があると思います。本当に覚えのないことです。僕にできることといえば、ただ、自分の人生を僕なりに生き、自分の価値観に従って話し、行動するだけですよ」と改めてセクハラを完全否定。 これまでは偉大な兄の陰に隠れ、パッとしなかった印象のアフレックがいよいよ脚光を浴びる時が来た──と思ったが、有り難くない方向からのスポットライトもしばらくは消えそうにない。
2017年03月02日第89回アカデミー賞にて視覚効果賞と音響編集賞にノミネートされ、実際に起きたメキシコ湾沖海底油田爆発事故のリアルな描写と臨場感が高く評価されている『バーニング・オーシャン』。このほど、大迫力の本予告映像が解禁となった。2010年4月20日、メキシコ湾沖約80kmの石油掘削施設“ディープウォーター・ホライゾン”が、海底油田より逆流してきた天然ガスの引火により大爆発を起こした。その後も未曾有の被害を出す大事故となり、施設だけでなく海上一面が火の海に。この事故は、世界最大級の“人災“でもあった――。被害の拡大を食い止めようとする現場作業員と彼らの決死の脱出を壮大なスケールで描く、実話に基づく海洋ディザスター・スペクタクルとなる本作。監督は『ローン・サバイバー』『バトルシップ』を手がけてきたピーター・バーグ。複雑な施設の巨大セットを建造し、観る者がまるでその場にいるかのような大迫力の映像を作り上げるとともに、工期の遅れ、安全テストの実施をめぐる現場と親会社の衝突など、大事故へとつながる原因の積み重ねを緊張感たっぷりに描いた。主演は、監督とボストンマラソン爆弾テロ事件の映画化『パトリオット・デイ』でもタッグを組むマーク・ウォールバーグ。共演に、実力派のカート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ。さらにはジーナ・ロドリゲスや『メイズ・ランナー』のディラン・オブライエン、ケイト・ハドソンが名を連ねる。解禁となった本予告は、2010年4月20日、いつもと変わらない朝から幕を開ける。しかし、その日世界中に衝撃が走ることになる――。マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォルバーグ)たちを乗せたヘリコプターは、メキシコ湾沖80kmに位置する石油採掘施設“ディープウォーター・ホライゾン”へと向かう。到着後、彼らの雇用主であるBP社の管理職ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)が安全テストの担当者を帰してしまったことが発覚。安全性を重んじるマイクの上司で施設責任者ジミー(カート・ラッセル)は激しく抗議するも、工期が大幅に遅れている状況のため、利益最優先の考えのヴィドリンは「問題ない」とその訴えを受け入れず、強硬に押し切る形で作業を進める。だが、最終段階を迎えたとき、警報器が鳴り響き、大量の原油が漏れ出す緊急事態が発生。ついには、掘削中の海底油田から逆流してきた天然ガスが引火爆発し、石油発掘施設全体が炎に包まれてしまった。瞬く間に大混乱に陥った施設内では、作業員たちが我先に脱出を試みるが、マイクは仲間を無事に脱出させるため、また、自分の帰りを信じて待つ家族の元へ帰るため、決死の救出作業にとりかかる。果たして、作業員126名の運命は…!リアリティにこだわった監督は綿密なリサーチを重ね、ウォールバーグも「映画史上最大のセットの部類に入るかもしれない」と語るほどの巨大なディープウォーター・ホライゾンを実際に再現。その結果、観客を劇中に引きずり込むほどの圧倒的なド迫力の映像が完成した。当時、この事故は日本でも大きく報道されたが、その内容は事故後の原油流出による環境汚染、世界の大企業を巻き込んだ巨額の賠償問題が中心。爆発事故をめぐる、生死を懸けた現場作業員たちの知られざるドラマが、ついに明かされる。『バーニング・オーシャン』は4月21日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:バーニング・オーシャン 2017年4月21日より全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年03月02日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。昨年の作品賞では『海街diary』が最優秀賞に選出されたが、今年は一体どの作品になるのだろうか。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞作品賞で最優秀作品賞をとると思う作品は?1位 『シン・ゴジラ』 1,056名2位 『64-ロクヨン-前編』 233名3位 『怒り』 226名4位 『家族はつらいよ』 130名5位 『湯を沸かすほどの熱い愛』 114名○怪獣×日本のリアルが評価■1位『シン・ゴジラ』・「キャストも凄いが、ゴジラを真下から見上げるアングル構成はなかなか迫力があった。BGMに頼ることなく逃げまどう人々の悲鳴やどよめきがリアルで、一層の恐怖感や迫り来る迫力を感じさせる。完成度が高いSF映画だと思った」(56歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「ネットでかなりのひとがネタにする。CMで起用されるなど影響が大きかったから」(32歳男性/日用品・雑貨/技能工・運輸・設備関連)・「今の日本の危機管理体制に対するメッセージ性があるから」(48歳女性/その他金融/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他)・「高齢者として昔のゴジラを思い出す機会を得た」(73歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「現代の日本の問題と、昔のゴジラという生物のコラボレーションがとても面白かったから」(27歳女性/輸送用機器/営業関連)■2位『64-ロクヨン-前編』・「元ネタも良く出来ているし、映像だけでのごまかしではないと思うので」(43歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連(生産・製造・運輸・警備・農林他)・「ストーリーや展開、映像など秀でてる」(42歳男性/教育/公共サービス関連)・「佐藤浩市の演技もさることながら三浦友和や周りの役者らの名演技が光っていた」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「話も骨太で緻密。出演俳優陣も豪華で適役適所な配役だと感じたので」(42歳女性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)・「革新的かつ新しい手法の撮り方だから」(36歳男性/通信関連/営業関連(営業・MR・人材・コールセンター他)・「話の展開に固唾を呑む暇もないぐらいのめり込んでしまったから」(37歳女性/ドラッグストア・調剤薬局/専門サービス関連)■3位『怒り』・「各登場人物の心情が、細かい部分まで描かれていて素晴らしかったから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)・「『怒り』は、豪華なキャストで、宮崎あおいさんや、広瀬すずさんが、主演、助演の女優賞を獲得するなど、11部門で受賞しているから」(64歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人間の隠れた内面がうまく描かれているから」(43歳女性/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)・「映画館に観に行きましたが、最初から最後まで釘付けで、それぞれの人の怒りの種類は違うけれども、共感できるし、渡辺謙のお父さん役や娘役の宮崎あおいちゃん最高でした。」(40歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人の気持ちをうまく表現しているから」(23歳女性/その他/その他・専業主婦等■4位『家族はつらいよ』・「男はつらいよに続く、山田洋二の代表作と言えるから」(65歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)・「熟年離婚のなかで今までの家族のふれあいや今後について考えさせられた。」(56歳男性/その他電気・電子関連/IT関連技術職)・「暗くなりがちな家族問題を明るく描いていて見ていて本当に楽しかったから」(25歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「山田洋次監督の世界で、今の時代にない人情もので、人の心に訴えていると感じたから」(34歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「ありふれた日本の家族の中に起こる、様々の問題困難を、温かく描いている。それが現代日本映画にとって逆に新しいので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)■5位『湯を沸かすほどの熱い愛』・「前評判がいいし、女優たちの演技が素晴らしいから」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「今、家族愛のストーリーが人気だから」(48歳男性/設計/メカトロ関連技術職)・「宮沢りえの母親役が圧巻だった」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「宮沢りえの迫真の演技がすばらしい」(42歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)・「母の大きな愛を描いた作品で笑い、涙もうまくスパイスとして効いていた。点と線がつながるシーンには涙なくては見れませんでした」(54歳女性/その他/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)■総評予想1位となったのは、『シン・ゴジラ』。1954年に生まれたゴジラを現代の視点から描きなおし、SNSでも大きく話題に。新たな「ゴジラブーム」を作り出し、2016年の年末には紅白歌合戦にも登場した。ゴジラシリーズに思い入れのある年配男性から、これまであまりゴジラに触れていなかった若い女性など、幅広い層に訴求したことで「最優秀賞を取るのではないか」と予想した人が多かった。2位の『64-ロクヨン-前編』は昭和64年に発生した未解決事件に取り組む警察の姿が重厚に描かれ、支持を受けた。刑事部と警務部の対立、マスコミとの関係が描かれ、ベテラン俳優陣の演技も話題に。僅差となった3位の『怒り』は、謎を呼ぶ展開、実力派俳優陣のぶつかり合い、事件によって浮き彫りになる本質などが混ざり合い、観た人から様々な感情を引き出す作品となった点が評価を受けた。巨匠・山田洋次監督の『家族はつらいよ』は、現代のホームドラマとして熟年離婚をテーマにし、ヒット。『家族はつらいよ2』も5月に公開が決定している。一方『湯を沸かすほどの熱い愛』は、若手監督らしくどこか尖った家族愛と宮沢りえの演技が話題となった。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年03月02日アメリカ映画の最高権威とも呼ばれる、アカデミー賞。このアカデミー賞ですが、2年間連続で「ヨーロッパ系(白人)ばかり」が受賞していたことで批判が相次ぎました。果たして今年はどうだったのでしょうか?(Photo by Simon Lutz)2016年度のアメリカ映画の優秀作品や俳優、監督らに賞を送る第89回アカデミー賞の授賞式が、米カリフォルニア州ハリウッドで日本時間の2月27日に行われました。今回の授賞式では、司会を務めたジミー・キメル(アメリカのテレビショーの司会者として有名)がトランプ大統領を批判するジョークを多く飛ばすなど、トランプ政権批判の目立つセレモニーでしたが、何よりも注目が集まったのは受賞者の人種的バックグラウンドが過去2年間と比べて多様になったことです。(参照元:Konbini)前回、前々回のアカデミー賞では、なんと受賞した人だけでなくノミネートした人もすべて「ヨーロッパ系(白人)」だったのです。これに対し、「#OscarsSoWhite(オスカーは白すぎる)」というハッシュタグを使った抗議活動が巻き起こり、アフリカ系の映画監督スパイク・リーにいたっては2016年のアカデミー賞授賞式をボイコットしました。(参照元:CNN.com)(引用元:Viola Davis)<「Fences(原題)」でアカデミー賞助演女優賞、エミー賞とトニー賞も得てアフリカ系俳優史上初のトリプル受賞したヴィオラ・デイビス>それと比べて今回のアカデミー賞は、過去10年間で初めて複数人のアフリカ系(黒人)の俳優が受賞。そして#OscarsSoWhiteをもじった「#OscarsSoDiverse(オスカーはとても多様)」がSNSで使われました。また、授賞式で作品名が呼び違えられるハプニングがあったものの、作品賞を受賞した「ムーンライト」は“白人的”なストーリーではなく、アフリカ系(黒人)の少年がアイデンティティを模索するものでした。その他には、トランプ大統領が入国禁止を命じたイスラム諸国の1つだったイランのアスガル・ファルハーディー監督が映画「セールスマン」で外国語映画賞を受賞。しかしながら、トランプ氏の大統領令に対して抗議の姿勢を表すため授賞式を欠席しました。(引用元:Mahershala Ali)<「ムーンライト」でアカデミー賞助演男優賞、オスカー史上初ムスリム俳優のマハーシャラ・アリ> (引用元:MOONLIGHT)<アカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」の監督のバリー・ジェンキンス(右)と劇作家のタレル・アルバン・マクレイニー(左)> ※動画が見られない方はこちら<アカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」> さて、アカデミー賞での人種の偏りが改善されたように見えますが、ここで問題は終わりではありません。2年間連続でマイノリティがノミネートや受賞をできなかったからこそ、今回は受賞できたという見方もできます。それから、今回賞を得たアフリカ系や中東出身者、ムスリムだけがマイノリティではありません。ノミネートや受賞したことが少ないラティーノやアジア系、ネイティブ・アメリカンなどの人々はどうなるでしょうか。今後の動向にも注目していきましょう。次回のハッシュタグ・アクティビズムをお楽しみに!※「黒人」にはアフリカ系以外に中南米やカリブ海諸国をルーツとする人々も含まれるため、本記事で扱ったアフリカ系の人々をアフリカ系(黒人)と表記しました。Text by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!黒人監督スパイク・リーが批判。 「百合のように白い」アカデミー賞。#OscarsSoWhite 「主役が黒人」だから批判された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以前この記事でも述べたが、主役が黒人なだけで、白人によるボイコットが起きるなど、アメリカの映画産業...
2017年03月02日「フードドライヤーのある暮らし」第2回。第1回は色んな果物で作る自家製フルーツの作り方をお届けしました。沢山のドライフルーツが出来上がり、まずはそのまま頂くのが何より贅沢な食し方。・林檎は子どものオヤツに・苺、バナナは朝ごはん、ヨーグルトのお供に・キウイ、オレンジは晩酌のおつまみに一通り満喫したあと、試したくなるのは自家製スイーツですね。朝ごはんにはマフィンやスコーンの方がお手軽なのですが、何よりドライフルーツ感を楽しむのならパウンドケーキ。ドライフルーツをたっぷり味わえるパウンドケーキの作り方をご紹介します。お好きなドライフルーツをたっぷり入れて。基本のパウンドケーキ材料バター:100g砂糖:70g卵:2個薄力粉:120gベーキングパウダー:小さじ1お好きなドライフルーツ:50〜100g事前準備・バターは室温に柔らかくなるまで戻しておきます。※冬場はオーブンの二次発酵モード(35度ぐらい)に入れておくと柔らかくなります。またお急ぎの場合は溶けすぎないよう、様子を見ながら電子レンジに30秒〜1分ほどかけてください。・オーブンを170度に予熱します。【1】ボウルに柔らかくなったバターをいれ、砂糖を2回にわけて加え、泡立て器でよく混ぜます。よく溶いた卵を少しずつ加え、よく混ぜ合わせます。【2】薄力粉とベーキングパウダーをあわせてふるい、ボウルに加えてヘラでさっくりと混ぜ合わせます。【3】ドライフルーツを加え、軽く混ぜ合わせます。【4】パウンド型に入れ、空気を抜くように数回テーブルの上に打ち付け、ヘラで表面を整えます。170度のオーブンで40〜45分焼きます。今回はウェット感の残るドライオレンジを表面にのせました。焦げ色が付きやすくなるので、途中アルミホイルをかぶせ、焼き色がつかないようにします。竹串をさして、ウェットな生地がついてこなければ完成です。パウンドケーキは冷めたらラップに包んで冷蔵庫へ。一晩寝かせることで味が馴染み、より美味しくなります。酸味、甘み、様々なドライフルーツを沢山入れることで、焼く度に味わいが変わるのが何よりの楽しさ。是非オリジナルの一品を焼き上げて見て下さい。バターなしで。豆腐のもっちりパウンドケーキパウンドケーキを頻繁にやくと、バターの消費量が少々ネックに。もう少しヘルシーに作りたい、そんな時におすすめなのは豆腐を使い、しっとりとした食感に仕上げたパウンドケーキです。材料:絹ごし豆腐:100g砂糖:70g卵:1個菜種油(またはサラダ油):大さじ2薄力粉:120gベーキングパウダー:小さじ1お好きなドライフルーツ:50〜100g事前準備:・オーブンを170度に予熱します。【1】絹ごし豆腐をボウルに入れ、泡立て器で滑らかになるまで混ぜ合わせます。砂糖、卵、菜種油を加えよく混ぜ合わせます。【2】薄力粉とベーキングパウダーをあわせてふるい、ボウルに加えてヘラでさっくりと混ぜ合わせます。【3】ドライフルーツを加え、軽く混ぜ合わせます。【4】パウンド型に入れ、空気を抜くように数回テーブルの上に打ち付け、ヘラで表面を整えます。170度のオーブンで40〜45分焼きます。同じく粗熱をとったら型から取り出し、ラップして冷蔵庫へ。一晩寝かせるとしっとり感がさらにアップしますよ。基本的な流れは一緒ですが、バターを使わない分、準備もお手軽。目の詰まったもっとり、しっとりとした食感が特徴の優しいパウンドケーキ。フルーツたっぷりで、朝ごはんにも使える一品です。クッキングシート不要で感動のスルッ!?通常パウンドケーキを焼くにはパウンド型に、カットしたクッキングシートを敷くか、油を塗るなどの下準備が必要です。今回使用したパウンド型はセラミックコーティングをした耐熱ガラス皿、「Cera Bake」。汚れがこびりつかず、型からはがしやすいのが特徴で、何も敷かず、塗らなくともスルッと型から取り出すことができます。これはちょっとした感動体験。焼き菓子をついつい頻繁に作りたくなる、心強い味方です。【連載特集】フードドライヤーのある暮らし【第1回】自家製ドライフルーツを作ろう【第2回】ドライフルーツたっぷり2種のパウンドケーキ【第3回】自家製ドライフルーツでフォンダンウォーター【第4回】自家製ドライハーブの楽しみ方= 文・レシピ・写真:大西佳葉 =食のはなし フードドライヤーのある暮らし 【ご紹介したアイテム】切って、並べて、ボタンを押すだけ。旨みや栄養素がギュッと凝縮された安心の自家製ドライフードを手軽に楽しめる、Princess(プリンセス)フードドライヤー。ドライフルーツ、干し芋や、大切なペットに安心のビーフジャーキーも作ることができます。⇒PRINCESSフードドライヤー/プリンセス12,830円(税込)⇒CeraBake焦げ付かないオーブン皿パウンドケーキM2,160円(税込)
2017年03月02日俳優のマット・デイモンが、アカデミー賞での作品賞の取り間違いが起きたのは、自身との長年の"確執"で知られているジミー・キンメルのせいだと冗談交じりに非難した。26日に開かれた同式典で司会を務めたジミーは、式典中何度もマットのことをネタにしていたが、マットも反撃。作品賞が本当の受賞作である『ムーンライト』ではなく『ラ・ラ・ランド』と読み上げられたのはジミーのせいだとした。マットは式典後、『エンターテイメント・トゥナイト』のインタビューに対して、「めちゃくちゃになったのに驚かなかったのは僕だけだったね。ジミーを雇うとこういうことになるんだよ」と話した。ジミーは開幕のモノローグでマットと和解したいという意向を示しながらも、主演男優賞に輝いた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の役どころをケイシー・アフレックに譲り、自身は『グレートウォール』に出演することに決めて見事にコケたとからかったり、マットがベン・アフレックと共にプレゼンターとして壇上に登場した際には、マットが話し始めようとするたびに音楽を演奏させて妨害するなどしていた。(C)BANG Media International
2017年03月01日第24回読売演劇大賞の贈賞式が2月27日、都内にて行われた。読売演劇大賞は1994年に演劇界の活性化を願って創設された賞。今回は2016年1月から12月までに国内で上演された、すべての演劇作品を対象に、最もすぐれた作品・人に贈賞される。作品賞、男優賞、女優賞、演出家賞、スタッフ賞の5部門と、全部門の中から新人を対象に贈られる「杉村春子賞」があり、その中からさらに「大賞」を選ぶ。今回の大賞はNODA・MAP『逆鱗』や『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」』の美術を担当し、最優秀スタッフ賞を受賞した堀尾幸男。「私は(登山家の)三浦雄一郎さんに似てるんですが、舞台美術家やスタッフは“シェルパ”。山に登って三浦先生は歓喜の声を上げ写真に写りますが、シェルパは写真に出てこない。これはまさに舞台スタッフ。それが今回、大賞を頂いて表に出ることになりました」とユーモアたっぷりで受賞の喜びを語った。なお、最優秀スタッフ賞受賞者の大賞受賞は読売演劇大賞史上初。最優秀作品賞は『ジャージー・ボーイズ』が、こちらもミュージカル作品としては同賞史上初の受賞。また同作に主演した中川晃教は最優秀男優賞を受賞し、W受賞となった。実在のバンド「ザ・フォー・シーズンズ」の栄光と影を描いた作品で、中川は“天使の歌声”の持ち主フランキー・ヴァリ役をトワングという歌唱法を用い演じたが「自分でも聴いたことのない自分の声が必要だった」とその苦労を振り返りながらも、充足の表情。時折、感極まり涙で声を詰まらせながら「歌と芝居、そしてダンス、様々な手法でミュージカルはお客さまに感動を届けていく。なんて素晴らしい仕事なんでしょうか。今後もミュージカル、エンタテインメントを、最高のところまで持っていけるように僕も頑張っていきたい」と力強く語った。最優秀演出家賞はケラリーノ・サンドロヴィッチ。「出演者の方とワイワイやっているうちに出来ちゃったという感じ。こんな楽しいことをやって賞までいただいて、ありがたい」とコメント。最優秀女優賞の鈴木杏は「15歳から16歳になるときに『奇跡の人』で初めて舞台に立って、そのときから私はずっと演劇に恋をしっぱなし」と笑顔で語る。杉村春子賞を受賞した三浦春馬は「この賞をいただいたことによって、微力ですがもっともっと、ミュージカル、そして演劇を、日本の皆さまに身近に感じてもらえるように努力をしていきたい」と話した。ほか芸術栄誉賞は吉井澄雄、選考委員特別賞は三浦基が受賞。会見後には『ジャージー・ボーイズ』のメンバーによるパフォーマンス披露もあり、華やかで楽しい会となった。
2017年03月01日26日(現地時間)に行われた第89回アカデミー賞に出席したスカーレット・ヨハンソンが、レッド・カーペットでサミュエル・L・ジャクソンに叱られたことを明かした。『アベンジャーズ』シリーズで共演している2人はレッド・カーペットで偶然一緒になった。「サミュエル・ジャクソンに会えてうれしかったのに、いきなり怒られたの」とスカーレットは「E! News」の取材で語った。理由は「私が子どもの写真をあまり送らないから」。スカーレットには、先日破局した2番目の夫、ロマン・ドーリアックとの間に2歳になる娘・ローズがいる。スカーレットは「ここでそれを聞く?と思ったけど、彼は『写真はどこだ?』って」と笑いながら話した。仲の良さをうかがわせる微笑ましいエピソードだが、実はスカーレットは娘の誕生祝いにサミュエルが何を贈ってくれたのか、その記憶もあやふやな様子。記者に水を向けられると、「彼、何をくれたんだっけ?聞かないで。もし思い出せないと、また怒られちゃう。サムは敵に回したくないでしょ!」と慌てていた。(text:Yuki Tominaga)
2017年03月01日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀監督賞には、若手監督、アニメーション監督等様々なジャンルの監督が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞監督賞で最優秀賞をとると思う監督は?1位 新海誠(『君の名は。』) 1,041名2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』) 448名3位 李相日(『怒り』) 109名4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』) 104名5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 54名○日本のアニメの技術力を再発見■1位新海誠(『君の名は。』)・「話題になったから。外国でも話題になるのはすごいと思う」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「改めて日本のアニメ技術の高さを感じさせられたから」(38歳男性/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)・「作品賞にノミネートされていないのが不思議なくらい、去年の日本映画でいちばんよい作品」(54歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)・「話題性と観客動員数に加えて、ストーリーの総合演出力があると感じたから」(39歳男性/官公庁/公共サービス関連)・「興行収入がすごかったのと、作品からものすごく色々な主張が込められていて、誰もが認める良い作品だと思うから」(24歳男性/食品/その他・専業主婦等)・「アニメーションの綺麗さ、入れ替わるというあり得ないことがきちんと進みそして涙」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)・「ただ、とって欲しいと願うだけです」(53歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)・「『ゴジラ』の歴史に対し、位負けすることがない、細部まで手を抜いていない力作」(64歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「怪獣映画にもかかわらず、緻密なリサーチによる演出でリアリティを感じさせることに成功したから」(46歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)・「庵野さん好きだし、これにノッてくれればエヴァもすぐにやってくれるかもしれない」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「長く愛されている作品のキャラクターで新しいものを作るというのは相当大変だと思う」(29歳女性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)■3位 李相日(『怒り』)・「俳優の微妙な表情まで、うまくとらえていたから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)・「役者の新しい面を引き出していたように感じたから」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「客観視して作られる日本に見つめ直せる撮り方だったから」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「映画としての深みや感動に、監督の決断や取捨選択が大きくかかわっているのではないかと思ったから」(28歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「この原作を映像化するのは無理だと思っていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)■4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』)・「警察内部の部分を取り扱っているのと、主役の警察官の気持ちをよく表している様に思う」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「テレビでも放映されていた作品を映画にする苦労があったと思うから」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「原作の小説を、よりリアルなものとして映画を完成させていらっしゃると想います」(55歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「作品への想像力がすごいと思うから」(30歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「深層心理に働きかける映像や描写がうまい」(49歳男性/食品/営業関連)■5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「人気原作の映画化が一般的になりつつある中、自ら書き下ろした脚本で監督をやり最高の作品を作った中野量太さんを推したい。伏線を上手く張った内容で且つそれが感動に繋がっていた。最後のアイデアも素晴らしいと思う」(47歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)・「そろそろ賞をとる感じがするから」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「日本代表する若手監督だから」(48歳男性/設計/メカトロ関連技術職)・「家族愛、感情の表現がとても上手な作品だったから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「俳優の選出が適任だから」(23歳女性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)○総評予想1位となったのは、大ヒット中のアニメーション映画『君の名は。』の新海誠監督。2016年8月の公開から半年経った今も公開され続けており、現在興行収入は現在244億円を突破した。公開直後から話題となっただけでなく、アジア・北米でも好評なことから「日本の底力」「アニメ表現のすごさを示した」と多くの読者より支持を受けた。2位の庵野秀明&樋口真嗣監督は、『シン・ゴジラ』が大ヒット。ゴジラの恐ろしさだけではなく、ゴジラに立ち向かい尽力する人々を客観的に見せたことで、ありきたりなヒューマン・ストーリーではない映画を作り上げた手腕が大きく評価された。『怒り』の李相日監督は、撮り方や役者への指導も含めて話題となった。『64-ロクヨン-前編』の瀬々敬久監督は、重厚な作品づくりが、『湯を沸かすほどの熱い愛』中野量太監督は若手監督としての期待がそれぞれ支持を得た。話題作に恵まれた2016年の映画界にふさわしく、様々な監督にスポットライトがあたる結果となった。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年03月01日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀主演女優賞には、10代~50代まで、いずれも実力派の華やかな女優5名が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞女優賞で最優秀賞をとると思う女優は?1位 広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』) 506名2位 大竹しのぶ(『後妻業の女』) 478名3位 宮崎あおい(『怒り』) 331名4位 宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 325名5位 黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』) 119名○みずみずしい演技が支持■1位 広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』)・「若さと透明感、みずみずしさあふれる演技が魅力的なので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「これは、学園ムービーの金字塔を作った。千早にあいたい」(34歳男性/官公庁/事務・企画・経営関連)・「キャストが発表された時には原作のイメージとかけ離れていて不満に思ったが、いざ映像化されたものを見たらはまっていたから」(38歳女性/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)・「畳の上の格闘技とも言われる競技かるたに向けた真剣さ、純粋さと、きれいな容姿がマッチしているから」(33歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「漫画の実写化というのは難しいものがあるが、原作のイメージを壊すことなく、むしろ更に発展させたと思うから。これは主演の影響がかなり大きいと思います」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 大竹しのぶ(『後妻業の女』) 478名・「兎に角面白い。小説家仲間が刺激を受けた」(36歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「大竹しのぶさんの演技の凄さ。あらためて素晴らしい女優さんだと思いました。面白いながらも現代のリアルな真実、ホラー性のある内容を人間誰しもがある後ろめたい本性を見事に演じていると思いました」(49歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)・「大竹さんはすごい女優さんだと思う。何でも役になり切れる」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「昔から演技派の女優さんで、今回の映画では役をしっかりと演じ切っていた。役になり切っていたおかげで、とても映画に入り込み感情移入しながら楽しむことができた」(44歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「意外なキャスティングだったが、女優さんの魅力があふれてた」(28歳女性/インターネット関連/営業関連)■3位 宮崎あおい(『怒り』) 331名・「実力派男優陣にも負けない演技力だったから」(48歳男性/専門店/販売・サービス関連)・「凄いとしか言いようがない。実力もそうだが、まるで憑依している姿は圧巻」(50歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人の想いというものをスクリーンを通して伝えられる稀有な存在だと思う」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「演技の為に、体重を増加させて、挑んでいる姿が頑張っていたので」(40歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「女優としてもともと注目を集めているだけではなく、『怒り』の世界観にマッチした演技をしていたと思うから」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)■4位 宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「いまや演技派として成熟してきていると思うから」(57歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)・「素敵な役だし、存在感のある女優さんだから」(34歳女性/サービス/その他・専業主婦等)・「美人だし年齢を重ねるごとに素敵になっていくからです」(31歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「余命のまもないお母ちゃんとその子供を愛する母の愛情と強さを熱演していたから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「余命宣告をうけながらも精一杯生き抜いた女性の生き方が迫力があった」(5歳女性/その他/その他・専業主婦等)■5位 黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』)・「華やかな人でないけど魅力ある女性なので」(45歳男性/旅行・観光/販売・サービス関連)・「他の女性にはない独特の雰囲気を醸す演技が良いから」(21歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「派手ではないけど、気になる演技をする人なので受賞してほしいと思います」(27歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)・「あの世界観にぴったりとはまっていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)・「美人だし、大人の魅力を感じさせるから」(44歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)○総評得票数で最多となったのは、映画『ちはやふる-上の句-』で好演した広瀬すず。昨年行われた第39回日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞しており、1年で優秀主演女優賞に輝く活躍に。また今回は、映画『怒り』で優秀助演女優賞にも選出されており、読者の期待もかなり高くなっている。2位となったのは、すでに何度も同賞を受賞している女優・大竹しのぶ。2016年の年末には、紅白歌合戦に初出場したこともあり、演技力だけでなく話題性にも関心が高まっていた。また、3位の宮崎あおいは『怒り』で体重を増加させて役に挑んだ点、感情を露わにする芝居などが高い支持を得た。母としての姿を演じ、評価を受けた宮沢りえは、歳を重ねるごとに磨かれる演技が話題に。また黒木華は第38回、第39回と続けて最優秀助演女優賞を受賞しており、満を持しての主演女優賞、最優秀賞獲得に期待が持たれるところだ。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年02月28日アカデミー賞の投票を管理し、プレゼンターたちに結果が記されたカードが入った封筒渡す役割を担っている監査法人プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が、26日に行われた第89回アカデミー賞の授賞式で作品賞発表を取り間違えた出来事について謝罪した。PwCは、作品賞発表の際に誤ってウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイに本当の受賞作品『ムーンライト』と記された封筒ではなく、『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの結果が記された封筒を渡してしまった責任が自分たちにあると認めた。声明文を発表し、その中でハプニングの詳細を説明、謝罪した上で、なぜこのような事態が起きたのか現在調査中だとしている。式の直後、主演女優賞に輝いたエマは作品賞のプレゼンターに渡されたとされている主演女優賞の受賞者として自身の名前が書かれたカードは授賞式の最中ずっと手元に持っていたとし、「この出来事にとやかく言うつもりはないけれど、私はそのカードを持っていたの。だから何が起きたのかよくわからないわ。とりあえずみんなには先に言っておきたかったの」とコメントしていたが、PwC側は警備の関係上、授賞式の舞台袖には全ての結果のセットが入ったスーツケースが2つ用意されていると説明していた。このハプニングにはがっかりさせられたエマだったが、『ムーンライト』は大好きな作品であるため作品賞に輝いた事をうれしく思うと話していた。(C)BANG Media International
2017年02月28日果たして『ラ・ラ・ランド』は何部門受賞するか?第89回アカデミー賞を前に、持ち上がる話題といえばこの1点だけだった。それだけに同作が作品賞を逃す波乱の結果(というより、前代未聞のハプニング)は映画ファンや業界関係者を大いに驚かせた。ただ、まず言わなければならないのは、大逆転を果たした『ムーンライト』が作品賞の栄冠に値する完成度を誇っているという点。貧困エリアで育った黒人少年の成長を描いた本作は、「自分とは何者なのか?」とアイデンティティを模索する姿が美しい映像と繊細な心理描写で描かれており、テーマそのものが文化や宗教を超えて非常に普遍的。観客によって、感情移入するキャラクターの視点も変わるため、不思議な余韻を味わえる一作だ。6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』、3冠達成の『ムーンライト』に続き、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が主演男優賞&脚本賞、『ハクソー・リッジ』が編集賞&録音賞でそれぞれ2部門に輝いた。一方、『Fences』(原題)は助演女優賞を獲得するも、大本命と目されていた主演男優賞を逃したデンゼル・ワシントンが、目を真っ赤にし、悔しがる表情が印象に残る。応援していた『メッセージ』は音響編集賞のみの受賞で、少々残念である。後出しジャンケンのようで心苦しいが、冷静に受賞者リストを見返すと、非常にバランスが取れており、大混戦だった昨年以上に今年のノミネーションが多様性に富んでいたとわかる。『ラ・ラ・ランド』の独走を止めたのも、この多様性にほかならず、アカデミー会員が個々の作品の芸術性と革新性に、真摯に向き合った結果なのではないだろうか。さまざまな批判に対し、安易な決着をせず、オスカーなりの“本気”を見せる姿勢に、好感を抱く。司会のジミー・キンメルによる絶妙なトランプいじりのおかげで、セレモニー全体は当初の予想に反して、政治色は弱めだ。授賞式の幕開けは、ジャスティン・ティンバーレイクによる華やかなライブパフォーマンス。さまざまな人種のダンサー、ミュージシャンが客席を一体化させた熱狂は、いまのアメリカの目指すべき方向を示している。ツアー客へのどっきりや、俳優本人に悪口ツイッターを読ませるなど、基本的には楽しい演出が多かった。もちろん、明確な反トランプ発言もあった。例えば、アニメ賞のプレゼンターを務めたメキシコ出身の俳優ガエル・ガルシア・ベルナルは、「メキシコ人として、移民労働者として、そして人間として、国境の壁に反対です」と明言。その直後に、アメリカの長きにわたる繁栄を支える多様性を描いた『ズートピア』が「長編アニメーション映画賞」に輝くと、共同メガホンをとったリッチ・ムーア監督は、「寛容さは、他者への恐怖より力強い」とスピーチした。また、トランプ大統領が署名した7か国の市民入国を一時的に禁止する大統領令に抗議し、外国語映画賞候補になったイラン映画『セールスマン』のアスガル・ファルハーディー監督、主演のタラネ・アリシュスティは授賞式出席を辞退。ファルハーディー監督は『別離』に続き、見事2度目の外国語映画賞に輝いたが、代理として米在住のイラン人女性がオスカー像を受け取り、「偏見を壊すのが映画の役目」と監督からのメッセージを代読した。(text:Ryo Uchida)
2017年02月28日女優のメリル・ストリープ(67)が、アカデミー賞を台無しにしたとしてシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドを批判した。26日に開催されたアカデミー賞授賞式で記念すべき20回目のノミネートを果たしていたメリルは、その大事な日に着るドレスのデザインを最初はカールに依頼していたものの、他からギャラ付で衣装を着てもらうようオファーされたためにカールへのデザイン依頼を途中でキャンセルしたとカールから非難されていた。カールは先日「すでにスケッチは作ったし、ドレスも作り始めていたんだ。(でも、その数日後、彼女の関係者から電話がかかってきて)『ドレスの制作をこれ以上続けないで。私たちにお金を支払ってくれる人を見つけたから』って言われたんだ。10万ユーロ(約1,200万円)もするドレスを我々はメリルにプレゼントしたのに、さらに(彼女に着てもらうために)お金を支払わないといけないってことがわかったんだ。彼らにドレスをプレゼントし、ドレスを作るけど、僕らがお金を払うことはないよ」と話していた。メリルはこの件に対しUsウィークリー誌に声明を出し、その中で「有名デザイナーのカール・ラガーフェルドが重要な業界出版物で私自身、私のスタイリスト、私が着ることに決めたドレスの有名デザイナーの名誉を傷つけました。その結果、この話が世界中で話題になり、さらに広がって、私の記録破りの20ノミネートの場であったアカデミー賞への私の登場を台無しにし、メディアや私の仕事仲間、観客の目からこの名誉を覆い隠したのです」と非難した。このメリルの声明が出される前には、カールはウィメンズ・ウェア・デイリー誌に「誤解があった」と謝罪しており、「シャネルはストリープ氏のリクエストにより、彼女の着るアカデミー賞用ドレスをデザインすることについてストリープ氏のスタイリストと話をしました」「非公式の会話の中で、私はストリープ氏が報酬のために他のデザイナーを選んだと誤解してしまいましたが、ストリープ氏のチームはそれが事実ではないとしています。この論争を遺憾に思い、ストリープ氏の20回目のアカデミー賞ノミネートにお祝い申し上げます」と話していたが、メリルにはこの謝罪の意も届かなかったようだ。メリルは声明の中で「ラガーフェルド氏の一般的な論争における遺憾の意と声明は謝罪ではありませんでした」と続けている。(C)BANG Media International
2017年02月28日2月27日(日本時間)に発表された第89回アカデミー賞にて、同賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF&ASIA)2016」のグランプリ作品『合唱』(Sing)が、見事、短編実写映画部門で受賞。「SSFF&ASIA」のグランプリ作品がオスカーを獲得するのは初めてとなり、早くも3月1日(水)よりブリリア ショートショート シアターにて上映されることになった。おとなしい10歳の少女ジョフィーは転校したばかり。最初は慣れなかったが、すぐに校内の合唱団に入ることを決め、人気者のクラスメイト・リザと仲良くなる。ほどなく、彼女たちは一致団結して、合唱団の指揮者である先生に立ち向かうことに。彼女は見た目と違い、本当は意地悪な人物だった――。ハンガリー発の本作は、1990年代のブダペストを舞台にした、クリストフ・デアーク監督の友人の実話をもとにした物語。転校先で強豪の合唱団に入部した10歳の少女が、名声の裏にある醜い秘密を知ってしまい、子どもたちが一致団結して世の中の不公平に立ち向かう姿が胸を打つ作品となっている。また、「SSFF&ASIA」は俳優の別所哲也が代表を務める米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭として知られ、今年6月には19回目の開催を控える。今回アカデミー賞短編部門で初受賞を果たした『合唱』は、加藤雅也、黒木瞳、クローデット・ゴッドフリー、佐藤信介、テリー伊藤の5名のオフィシャルコンペティション審査員によって選出された2016年のグランプリ作品だ。クリストフ・デアーク監督は、「SSFF&ASIA 2016」アワードセレモニーの際、「映画祭で日本を訪れ、観客からの素晴らしい反応に感動しました。自分の作品がこんなにも遠くの国で皆さんの心と共鳴するなんて夢のまた夢でした。中には自分が子ども時代に悩んだ経験を重ね合わせて話をしてくださった方もあり、この作品の社会的な面が多くの人に伝わっているという実感ができたことをとても嬉しく思いました。日本でご覧いただいた皆さんの心を打つことができて本当に光栄です」と語っていた。「SSFF&ASIA」代表の別所さんは今回の受賞に際し、「『合唱』(Sing)のオスカー受賞を心からお祝いします。クリストフ監督の努力が最高の形で実を結び、とてもうれしく思います。私たちは映画監督たちが世界で輝く一歩となればと思い、この19年間、映画祭を続けてきました。今後も若い映画制作者たちが才能を発揮できるよう、応援をしていきます」と、お祝いのコメントを寄せている。『合唱』は3月1日(水)~3月31日(金)まで横浜みなとみらい・ブリリア ショートショート シアターにて「アカデミー賞ショートフィルムプログラム(全3作品)」として上映。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日アカデミー賞で披露されたパフォーマンスをご紹介!まずはジャスティン・ティンバーレイクが『Trolls』(原題)の「Can’t Stop the Feeling」を歌いながら会場入り。実はその直前に弟を同伴したエマ・ストーンがレッドカーペットでインタビューを受けているところに“フォトボム”を仕掛ける余裕っぷりを見せていたジャスティン。歌って踊るノリノリなジャスティンに合わせ、会場の招待客も総立ちではしゃぎ、盛大な幕開けとなった。リン=マヌエル・ミランダは、『モアナと伝説の海』の「How Far I’ll Go 」の前奏でアカデミー賞仕様のラップを披露。その後、モアナを演じたアウリイ・クラヴァーリョが16歳とは思えない堂々とした歌声で会場を沸かせた。途中、波に見立てた大きな布が彼女の頭にぶつかってしまうというハプニングもあったが、アウリイは気にせず笑顔で歌い切った。スティングは、ISISに殺害されたジャーナリストのジェームズ・フォーリーを描いたドキュメンタリー『Jim: The James Foley Story』(原題)から「The Empty Chair」を1人で歌った。本来はピアノ伴奏のバラードだが、今回はアコースティックギターでしっとりと歌い上げ、ジェームズを偲んだ。『ラ・ラ・ランド』から「City of Stars」と「Audition」の2曲がノミネートされ、同映画のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングから紹介を受けて登場したジョン・レジェンドは、2曲をピアノで弾き語り。映画の世界がそのまま表現されたセットでジョンの歌声は会場に心地よく響き、コンサート並みのクオリティで圧倒。見事、「City of Stars」が歌曲賞を受賞した。まさにどの曲が歌曲賞を受賞してもおかしくない、大物アーティストたちが圧巻のパフォーマンスを見せた。(Hiromi Kaku)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.モアナと伝説の海 2017年3月10日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月27日授賞式最後の作品賞発表で、まさかの封筒渡し間違いという前代未聞の事態が起きて騒然となった第89回アカデミー賞授賞式。歴史に残る授賞式を彩った女優たちの装いをふり返ってみよう。主演女優賞を受賞したエマ・ストーン(『ラ・ラ・ランド』)は「ジバンシイ(GIVENCHY)」のオートクチュール。トップはビーズの刺繍、裾はフリンジのレイヤーというゴージャスなゴールドのドレスは、オスカー像を思わせるシルエットだった。きれいなダウンスタイルの髪に、「ティファニー(TIFFANY)」のダイアモンドのイヤリングというシックなスタイルだ。プレゼンターを務めたダコタ・ジョンソンも、クラシックな女優を思わせる「グッチ(GUCCI)」のゴールドのドレス。ハイネックに「カルティエ(Cartier)」のヴィンテージのネックレスを合わせた。今年のトレンドの1つはハイネックにロングスリーブのドレス。主演女優賞候補のイザベル・ユペール(『Elle』原題)の「アルマーニ・プリヴェ(ARMANI PRIVR)」、同賞候補のルース・ネッガ(『ラビング愛という名前のふたり』)の「ヴァレンティノ(Valentino)」などがこのスタイル。今年の賞シーズン中、レッドカーペット・ファッションでも注目されたルースはレースをあしらった鮮やかなレッドのドレスの胸元に青いリボンをつけていたが、これは「アメリカ自由人権協会(ACLU)」支援を表明するもの。長いケープが印象的な「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」の白のドレスを着たスーパーモデルのカーリー・クロス、作品賞や脚色賞を受賞した『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督をはじめ、リボンをつけた出席者の姿があった。デコルテを見せないのと対照的に、ストラップレスやオフショルダーのスタイルも。主演男優賞のプレゼンターを務めたブリー・ラーソンは「オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)」の黒のストラップレス。ベルベットでVカットの胸元と大きなひだを作った裾が印象的。同じく黒のストラップレスのキルステン・ダンストは「ディオール(Dior)」のオートクチュール。『ムーンライト』で助演女優賞候補だったナオミ・ハリスは、ラフ・シモンズがデザインする「カルバンクライン by アポイントメント(Calvin Klein By Appointment)」。白のストラップレスでアンダーバスト下を少しだけ肌を見せるデザイン。前面は膝丈だが、後ろは長めのトレーンという斬新なデザイン。アリシア・ヴィキャンデルは、広告キャンペーンに出演している「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のドレス。総レースでコルセットにティアードスカートというゴシック・スタイルの黒のドレスがブロンズ色の肌に映えていた。トップがプランジネックの黒、スカート部分はゴールドというメリハリの効いたスタイルのミシェル・ウィリアムズも「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のカスタムメイド。スカーレット・ヨハンソンは「アライア(ALAIA)」のピンクのプリントドレスをベルトでウエストマークした。一方、50歳にして裾がフリンジの「ヴェルサーチ(VERSACE)」のワンショルダーを着こなしたのはハル・ベリー。ダイナミックなヘアスタイルも大迫力。ドレスの裾にスリットの入ったデザインも人気で、シャーリーズ・セロンは「ディオール(Dior)」のメタリック調のドレス。Vネックの深いえり、スリットからきれいな長い脚がのぞいていた。タラジ・P・ヘンソンは「アルベルタ・フェレッティ(Alberta Ferretti)」のカスタム。ベルベットのオフショルダーに、ゴージャスな「ニラヴ・モディ(NIRAV MODI)」のダイヤモンドのネックレスを合わせた。大人世代の女優たちに人気だったのが「アルマーニ プリヴェ(ARMANI PRIVE)」。助演女優賞を受賞したヴィオラ・デイヴィス(『フェンス』)とニコール・キッドマンは共にホルターネックをチョイス。ヴィオラの赤いドレスはオフショルダーのスリーブとトレーンがアクセント。ニコールはヌードカラーに繊細な刺繍をほどこした豪華な一着だった。(text:Yuki Tominaga)
2017年02月27日第89回アカデミー賞は前代未聞、空前絶後(笑)のハプニングで幕を閉じた。作品に輝いたのは大本命『ラ・ラ・ランド』ではなく、対抗馬の『ムーンライト』。夢を追う尊さを描いた『ラ・ラ・ランド』にとって、受賞の喜びはまさに“夢の瞬間”でしかなかった。まずは本年度のアカデミー賞をけん引した両雄の受賞結果をまとめておこう。『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門で栄冠。一方、史上最多タイとなる13部門14ノミネートに挙がっていた『ラ・ラ・ランド』は、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞の合計6部門に輝き、本年度の最多部門受賞を果たした。■ブラッド・ピットの制作会社がまた作品賞!受賞発表後、早速話題になっているのが本作を製作した「プランBエンターテインメント」の快挙だ。映画ファンにはおなじみだが、あのブラッド・ピットが所有する映画制作会社で、過去に『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ監督)、『それでも夜は明ける』(スティーヴ・マックイーン監督)がアカデミー賞作品賞に輝く実績を誇っているのだ。「脚本がとんでもなく素晴らしく、構成は特筆すべきエレガントさとシンプルさがあった」と語るのは、共同社長でプロデューサーを務めるジェレミー・クライナー。決して派手な要素はないが、バリー・ジェンキンス監督の独特なビジュアル感覚と、手がけた脚本の繊細な心理描写を見抜き、映画化を実現させた功績は非常に大きい。■“白すぎるオスカー”への反省は?アカデミー賞といえば近年、白人俳優ばかりがノミネートされる“白すぎるオスカー”と批判されており、本年度はその対策にも注目が集まった。結果として、演技賞候補20人のうち、アフリカ系の俳優が6人名前を連ねることになった。そんな流れのなかで、ジェンキンス監督がアフリカ系監督で初の監督賞を受賞し、作品賞は『ラ・ラ・ランド』に…という予想を立てていたが、結果はその逆。先述した『それでも夜は明ける』も作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門と似た受賞結果になっている点を見ると、批判への配慮というよりは、純粋に作品が評価されたと捉えるべきだろう。■若き才能にチャンス与えるハリウッド『ムーンライト』のメガホンをとったジェンキンス監督は現在37歳で、本作は長編2作目。また、史上最年少で監督賞に輝いたチャゼル監督は現在32歳で『ラ・ラ・ランド』が長編3作目である。両監督に共通するのは野心と革新性、そして実験精神だ。彼らの躍進はハリウッドの人材の豊富さに加えて、その才能にチャンスを与える業界の懐の深さを象徴している。一方、本年度はオスカーの常連であるクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』がともに技術系の部門での1ノミネートに留まっており(受賞はせず)、ベテランに厳しい結果になっている。(text:Ryo Uchida)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ラ・ラ・ランド』が最多6部門を受賞。作品賞は『ムーンライト』が獲得した。作品賞の発表では、前代未聞のハプニングが発生。主演女優賞の封筒を作品賞で渡してしまい、最初『ラ・ラ・ランド』と発表されキャスト・スタッフが壇上に上がりスピーチするも、その途中で『ムーンライト』だと訂正発表された。『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を獲得した。『タイタニック』(97)と並ぶ、史上最多14ノミネートだった『ラ・ラ・ランド』は、下馬評通り、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)などを含む最多6部門を受賞。32歳での監督賞受賞は最年少となった。主演男優賞は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが初受賞。また昨年は"白人チョイスアワード"と揶揄されたが、今年は助演男優賞を『ムーンライト』のマハーシャラ・アリ、助演女優賞を『フェンス』ヴィオラ・デイヴィスが受賞し10年ぶりの黒人俳優W受賞となった。長編アニメ映画賞では、ディズニー5連覇となる『ズートピア』が受賞。スタジオジブリとして初めて海外と共同製作した『レッドタートル ある島の物語』は惜しくも受賞を逃した。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。第89回アカデミー賞 受賞結果一覧作品賞:『ムーンライト』監督賞:デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』主演男優賞:ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』主演女優賞:エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』助演男優賞:マハーシャラ・アリ『ムーンライト』助演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス『フェンス』脚本賞:『マンチェスター・バイ・ザ・シー』脚色賞:『ムーンライト』撮影賞:『ラ・ラ・ランド』編集賞:『ハクソー・リッジ』美術賞:『ラ・ラ・ランド』衣装デザイン賞:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』メイク・ヘアスタイリング賞:『スーサイド・スクワッド』作曲賞:『ラ・ラ・ランド』歌曲賞:「City of Stars」『ラ・ラ・ランド』録音賞:『ハクソー・リッジ』音響編集賞:『メッセージ』視覚効果賞:『ジャングル・ブック』外国語映画賞:『セールスマン』製作国:イラン長編アニメ映画賞:『ズートピア』短編アニメ映画賞:『ひな鳥の冒険』短編実写映画賞:『合唱』短編ドキュメンタリー賞:『ホワイト・ヘルメット‐シリアの民間防衛隊‐』長編ドキュメンタリー:『O・J:メイド・イン・アメリカ(原題)』(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.
2017年02月27日壇上で封筒の中身を見比べるPhil McCarten /(C)A.M.P.A.S. 第89回アカデミー賞授賞式がロサンゼルス・ドルビーシアターで行われた。 史上最多となる14部門にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』が、監督賞、主演女優賞を含む6部門を受賞。そしてクライマックス「作品賞」の発表の瞬間を迎えた。 プレゼンテーターを務めたのは往年の名優、ウォーレン・ベイティ(79)とフェイ・ダナウェイ(76)。『俺たちに明日はない』の公開50周年を記念した人選だった。 ダナウェイは「今日の最後の賞を発表するのはとても光栄です。ノミネートされた素晴らしい作品は私たちに希望や喜びを与えてくれます」と笑顔で語り、ベイティも「政治においても、芸術においても、真実を明かにすることが大切。作品賞にノミネートされた作品は、社会の中で多様性が増していることを示しています。世界中で多様性と自由が大切だということを教えてくれているのです」と、昨今の右傾化する情勢を風刺する挨拶を述べた。 ノミネーション作品のダイジェストが流れ、ドラムロールが響き、ついにその時が訪れた。「オスカーは……」と言いながら封筒を開けたベイティは、受賞作が書かれた紙片を見て少し怪訝な表情を見せ、封筒の中を検めるような仕草をしている。「アカデミー賞を受賞するのは……」と言い直し、ダナウェイが「『ラ・ラ・ランド』!」と発表。 その瞬間大歓声が上がり、デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、そしてスタッフたちがステージに大挙して押し寄せた。プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツが「本当にありがとう。アカデミーに、ライオンズゲートに、すばらしいキャストたちに感謝します」と、スピーチを行う後ろで、ヘッドセットを着けた受賞式のスタッフが慌ただしく壇上を行き来している。 不穏な空気が流れる中、プロデューサーのフレッド・バーガーがマイクの前に進み出て「愛しい妻……」と口を開いた瞬間、後ろからスタッフが何ごとかを耳打ち。そして彼は「負けだったみたいだ」とニッコリ笑って踵を返した。そして最初にスピーチをしたジョーダン・ホロウィッツが「間違いがありました。作品賞は『ムーンライト』です。冗談ではありませんよ。本当に、読み間違えたみたいなんです」と言いながら、『ムーンライト』と書かれた紙を客席に向かって提示した。 司会者のジミー・キンメルは「大変残念なことが起きました。個人的にはスティーブ・ハーヴェイが悪いと思っていますが」と、2015年のミス・ユニバースで、視界のスティーブ・ハーヴェイが優勝者の名前を間違えて発表した事件を引き合いに出しながら事態の収拾に腐心。ホロウィッツは一度受け取ったオスカー像を、「これはぜひ私から『ムーンライト』の皆さんに渡したい」と言って大歓声をもらっていた。 『ムーンライト』のスタッフが壇上に到着するのを待つ間に、ベイティがマイクの前に歩み出て「何があったか説明させてください」と切り出した。「私が封筒を開けると、そこには『エマ・ストーン/ララ・ランド』と書いてありました。だから、私はずっと見ていたんです。これはジョークでやったんじゃないんですよ。作品賞は『ムーンライト』です」。 どうやら、直前に発表された主演女優賞の封筒が、何らかの手違いでベイティに手渡されてしまったようだ。確かに、封筒を開けたときのベイティは戸惑いながら何度も中身を確かめている。 予定外のアクシデントに見舞われてしまった『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督は「夢じゃないかと思っていたけど、もう違う、これが現実だ!何てことだ!」と喜びを爆発させた。 アカデミー賞の長い歴史の中でも、大トリの作品賞で呼び間違うなど前代未聞。ケチがついてしまった感もあるが、今年の作品賞は『ムーンライト』に贈られた。日本では4月28日に公開される。
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、最高賞である作品賞に『ムーンライト』(4月28日日本公開)が輝いた。『ムーンライト』は、脚色賞(バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)も受賞し、3部門を獲得した。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。作品賞の発表の場面では、はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表され、ステージ上にキャストやスタッフが集結してスピーチが行われている最中に間違えが発覚。正しくは『ムーンライト』だと訂正されるという前代未聞のハプニングに会場は混乱したが、『ラ・ラ・ランド』陣も切り替えて祝福した。作品賞は、『ムーンライト』のほか、『メッセージ』、『フェンス』、『ハックソー・リッジ』、『最後の追跡』、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』、『ラ・ラ・ランド』、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが主演女優賞を獲得した。『ラ・ラ・ランド』は、ロサンゼルスを舞台にしたミュージカル映画。カフェで働きながら女優を目指しているミア(エマ・ストーン)と、いつか自分の店を持ちジャズを思う存分演奏したいと夢見るジャズピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の恋を描いた。エマ・ストーンは、同部門にノミネートされた女優たちの名前を挙げ、「本当にすばらしかった。みなさんを尊敬しています。みなさんと並ぶことができただけで光栄です」と感謝。そして、デミアン・チャゼル監督や共に主演を務めたライアン・ゴズリングをはじめとする作品を関わった人、家族や友人への感謝の思いを伝え、「光栄です。本当にありがとうございます」と語った。主演女優賞には、エマ・ストーンのほか、『エル(原題)』のイザベル・ユペール、『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガ、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のメリル・ストリープがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催。ステージ上では、一度プレゼンターが『ラ・ラ・ランド』の名前を呼び上げるも、実はバックステージで封筒手渡しのミスが発生。正しくは、黒人少年の成長と葛藤を描いた『ムーンライト』が「作品賞」を受賞!大本命と目されたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』が同賞を逃す大波乱が巻き起こった。本年度のアカデミー賞で作品賞をはじめ、監督賞(バリー・ジェンキンス)、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、助演女優賞(ナオミ・ハリス)、撮影賞、編集賞、作曲賞の8部門にノミネートされ、合計3部門を受賞。もともと、全米の主要メディアが「本年度のベスト級」と評し、オスカー前哨戦でも『ラ・ラ・ランド』と肩を並べる高い評価を受けていた本作がそのポテンシャルを発揮し、近年まれに見る“大逆転”を披露した。麻薬中毒の母親をもつ黒人少年のシャロンが、いじめや貧困といった過酷な環境を生き抜くなかで、自らのアイデンティティに葛藤しながら、成長を遂げる姿を描いた本作。淡くピュアな初恋や、大人になっても心に残る後悔の念、思わぬ再会がもたらす“光”といった普遍的なテーマが色彩豊かな映像美でつづられる。『ラ・ラ・ランド』プロデューサーが受賞のコメントをし、役者やスタッフが喜びの涙を浮かべる中、今回の封筒手渡しのミスが発覚。プロデューサーは既に手渡されたオスカー像を「僕たちから『ムーンライト』のみなさんに渡したい」と話し、両作品が互いを称え合った。ジェンキンス監督はパプニングを受けて「これが現実だ、なんてことでしょう」と語り、「本当に長年一緒にやってきたみなさんに感謝です」「この映画は不可能だと思っていました。でもここにいる人たちが『大丈夫』だといってくれた」と話した。『ムーンライト』は4月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが主演男優賞を獲得した。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語。マット・デイモンがプロデュースを務めた。ケイシー・アフレックは「私にとって大きな意味を持つものです。ありがとうございます」「圧倒されています」と感無量の様子。「私がここにいるのは、多くの方たちの才能があるからです。そして何よりも、ケネス・ロナーガン監督のおかげです」と話し、プロデューサーのマット・デイモンにも感謝した。主演男優賞には、ケイシー・アフレックのほか、『ハックソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールド、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『フェンス』のデンゼル・ワシントンがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、現在5部門受賞中の『ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル監督)で見事な歌声を披露したエマ・ストーンが「主演女優賞」に輝いた。本作は、世界に興奮と熱狂を叩きつけた『セッション』のデイミアン・チャゼル監督の最新作であり、本年度アカデミー賞大本命といわれた極上ミュージカル・エンターテインメント。共演のライアン・ゴズリングとエマが、歌、ダンス、ピアノの猛特訓を経て全編吹き替えなしで挑んだことでも、注目を集めている。エマはヴェネツィア国際映画祭女優賞受賞、第74回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞している。アカデミー賞では2014年に『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で助演女優賞にノミネートされていた。今回2度目のノミネートでオスカー像獲得となった。スピーチでは、ほかのノミニーに向け「本当に素晴らしかった。皆さんを尊敬しているし、皆さんと並ぶことができるだけで感激です」とコメント。そして「こういう瞬間は幸運と機会に恵まれているから起こる。だからこういう機会に感謝致します。デイミアン監督にも感謝を…」「この映画に出演することができて、信じてくれて、忍耐強くいてくれて、ありがとう」と大きな感謝を述べた。また、共演したライアンには「いつも笑わせてくれてありがとう。素敵なパートナーでした」と伝え、「ひとりひとりに感謝したい」と締めくくった。『ラ・ラ・ランド』はTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが「主演男優賞」を受賞。マット・デイモンがプロデューサーを務める本作。ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに、帰ることはないと思っていた故郷の“マンチェスター・バイ・ザ・シー”へと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語だ。監督・脚本は、自ら脚本を手がけた監督デビュー作『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』(未)でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、『ギャング・オブ・ニューヨーク』の脚本でもアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたケネス・ロナーガンが務める。主演は当初、マット自身が務めるはずだったが、親友ベン・アフレックの弟ケイシー・アフレックにその座を譲り、ケイシーはそれに応えるかのようにキャリアの中でも傑出した演技を披露。本役でゴールデングローブ賞をはじめ、放送映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞ほか各賞レースで「主演男優賞」を受賞。そして今回のオスカー像獲得に至った。スピーチでは兄と抱き合い涙ぐむシーンも…。「最初に演技を教えてくれたのはデンゼルだ」とコメントを始めると「私がココに居るのは、多くの人たちの才能があるからです」と携わったスタッフや家族へ感謝をコメント。「もっと意義ある大きなことを言いたいのですが…」と動揺した表所を浮かべつつ「このコミュニティーであることを誇りに思います。本当に圧倒されているます…」。マット・デイモンにも、「こういうチャンスを与えてくれてありがろうございます」と感謝を伝え締めくくった。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は5月、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日