アイドルグループ・乃木坂46の秋元真夏と久保史緒里が21日、都内で行われた「知って、肝炎プロジェクトミーティング2020」に出席した。乃木坂46の秋元真夏と久保史緒里厚生労働省 肝炎総合対策推進国民運動事業「知って、肝炎プロジェクト」では、肝炎についての正しい知識や肝炎ウイルス検査の必要性を国民に分かりやすく伝え、国民自らが積極的に行動していくことを目的に啓発活動を展開中。この日のミーティングには、芸能界やスポーツ界の大使・スペシャルサポーターが参加し、「家族の絆」をテーマにコロナ禍における肝炎対策について勉強会を行った。秋元は「このプロジェクトに参加させていただいてから肝炎について勉強させていただいている最中で、乃木坂46のファンの皆さんは10、20代の方が増えているので、その世代にも肝炎の恐ろしさや、ちゃんとウイルス検査を受けることを、私たちが率先して伝えていくべきなのかなと感じました。しっかり私たちは学びを深めて発信していく手段を探していくことが大切なのかなと思うので、これから取り組んでいきたい」と情報発信に意欲。久保も「コロナ禍ということもあり、なかなかイベントを開催することもできない中ですが、グループとして、若い世代として肝炎についての情報を蓄えて、ブログなどファンの方の目に留まるところから、まずは私たちが勉強してお伝えすることができたらいいなと考えています」と語った。勉強会にはそのほか、特別参与の杉良太郎、肝炎対策特別大使の伍代夏子、石川ひとみ、岩本輝雄、w-inds.の千葉涼平、AKB48の向井地美音と横山由依、EXILEの白濱亜嵐とNESMITH、SOLIDEMOのシュネルと中山優貴、小橋建太、コロッケ、島谷ひとみ、清水宏保、瀬川瑛子、田辺靖雄、仁志敏久、平松政次が出席した。撮影:蔦野裕
2020年07月22日質問:慢性肝炎の初期段階、症状をこれ以上悪化させないためにどんなことに気をつけたらいい?検査を受けたら、慢性肝炎の初期段階と言われました。今はまだ薬をもらうための定期的な通院をしていますが、もし肝硬変になって入院するようなことになったらと心配です。入院が長くなるようですと家族の生活を変えることになりますし、金銭的なことも不安です。症状をこれ以上悪化させないために、どんなことに気をつけて日常を過ごしたらいいでしょうか?愛知県:まっちゃんさん(41)回答:「慢性肝炎」で気をつけることについてお答えします。――「C型肝炎」の場合の食事について慢性肝炎にかかられたとのことでご心配はつきないことでしょう。慢性肝炎はB型、C型のどちらになりますでしょうか。C型肝炎では、鉄を制限した食事が推奨されています。C型肝炎ウイルスに感染している人の肝臓は、鉄を過剰に蓄積してしまうことが分かっています。鉄が過剰に肝臓に蓄積されてしまうと、鉄から生じるフリーラジカル(活性酸素など)が肝細胞の膜やDNAを傷つけます。それにより、肝炎が悪化し、さらには、肝がんの発生の原因にもなると考えられています。また、鉄を制限することで、肝炎の進行を食い止めることができるのではないかとも考えられています。食べ物に含まれる鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚に多く含まれ、消化管から吸収される割合は23%ほどです。非ヘム鉄は、野菜や穀類に多く含まれ、吸収される割合は3~8%ほどです。食事で鉄を制限する場合には、吸収率の高いヘム鉄を含む食べ物に注意することが大切です。基本的なポイントとしては、以下のようになります。肉は控えめにしましょう。特に鉄を多く含む牛肉、レバーには注意しましょう。赤身魚、青魚、貝類は鉄の含有量が多いので、控えめにしましょう。白身魚は鉄の含有量が少ないので、大丈夫です。卵のうち卵黄は鉄を多く含むので、控えめにしましょう。緑の濃い野菜は避けましょう。ビタミンCは鉄の吸収を高めます。ビタミンCを多く含む果物は、間食でとるようにしましょう。緑茶、コーヒー、紅茶などはタンニンを多く含みます。タンニンは、鉄と結合して、鉄の吸収を抑えます。積極的にとりましょう。鉄を制限した食事療法は、栄養士の指導のもとに行われることが望まれます。詳しくは、かかりつけの医師に聞いてみましょう。<「B型肝炎」「C型肝炎」で気をつけること>それでは次に、B型、C型慢性肝炎に共通して気をつけたいことをみていきましょう。■栄養バランスを考えた食事を規則正しく栄養バランスの取れた食事を1日3食しっかりとるようにしましょう。たんぱく質の多い食品をとるようにしてください。肝臓の機能が落ちてくると、たんぱく質を作る機能も落ちてきます。それを補うためにも、たんぱく質をたくさんとる必要があります。目安は、体重1kg当たり1.5gです。また、食後は30分~1時間程度横になりましょう。 ■お酒は避けるお酒は、肝臓で解毒されます。肝臓の機能が下がっている慢性肝炎では、少しお酒を飲んだだけでも肝機能が悪化することがあります。基本的には、禁酒です。■薬の服用は慎重に市販の薬には、肝臓に負担をかける薬もあります。風邪を引いただけで病院に行くのはおっくうかもしれませんが、慢性肝炎をお持ちであれば、念のため病院を受診し、肝臓にやさしい薬を出してもらいましょう。市販の薬を自己判断で飲むのは止めましょう。■仕事は無理をしない普通に仕事をする分には問題ないでしょう。しかし、慢性肝炎は自覚症状があまりないため、知らずに無理をして、症状を悪化させる可能性があります。無理はせず、睡眠をしっかり取り、休養しましょう。■長風呂は避ける熱めのお風呂に長い時間入ったり、サウナに入ったりすると、体力を消耗するので避けましょう。 ■旅行には慎重に症状が落ち着いている場合には、旅行にも出たくなると思いますが、無理のないスケジュールでまわるようにしましょう。薬の携帯は忘れずに、そして、薬のリストもしっかり持っていきましょう。いかがでしょうか。原則は、無理をしない、ということです。そして、かかりつけの医師の指示に従い、定期的に検査を受けて、肝臓の状態をしっかり診てもらうようにしましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:C型肝炎の最近の治療法で飲み薬を使うものを見つけました。飲み薬を使う、メリット、デメリットを教えてください。40歳女性、独身です。現在C型肝炎を患っています。ALT・AST共に、基準値範囲内で安定していて、普通の生活に支障はありません。最近の治療法で、飲み薬を使うものを見つけました。少し調べましたが、専門的すぎて理解できませんでした。飲み薬を使う、メリット、デメリットを教えてください。特に、副作用としてうつ病が発症するか否かが気になります。東京都:ぴなぴなさん(40)回答:「C型肝炎」治療の新薬についてお答えします。――「インターフェロン」と新薬についてC型肝炎の治療に使われている、新しく発売された飲み薬について、興味を持たれているのですね。まずは、従来の治療の柱であるインターフェロンについてご説明します。ご存じかと思いますが、C型肝炎の治療に使われてきたインターフェロンは注射薬でした。週1回の通院が必要で、患者さんへの負担は大きいものです。うつ病の副作用をご心配されているようですが、副作用としてうつ病が有名なのは、このインターフェロンになります。うつ病のほかにも、発熱、倦怠感、間質性肺炎を引き起こし、非常に有効な薬ではありますが、合わない患者さんも多くいました。さて、新薬についてですが、飲み薬、という点がまず画期的なところです。C型肝炎ウイルスが増殖するために必要な酵素の働きを邪魔することで、C型肝炎ウイルスを抑える働きがあります。飲み薬のため、注射を打たれる恐怖感もなくなり、通院は治療開始から12週までは2週間に1回、それ以降は、4週間に1回、肝機能の検査のための通院となり、患者さんへの負担は大きく減ります。新薬の第一弾は、アスナプレビルとダクラタスビルの2剤の組み合わせ(2014年9月に販売開始)です。国内での臨床試験では、6カ月この新薬を飲み続けた患者さんの84.7%でC型肝炎ウイルスが体内から消えた、という結果が出ています。さらにすごいことは、この中にインターフェロンが効かなかった患者さんも含まれていたことです。副作用の心配としては、肝機能障害になります。そのため、4週間に1回は肝機能検査のための通院が必要になるのです。インターフェロンに比べて、副作用が今のところ少ないと報告されており、厳しい副作用のためインターフェロンを使用できなかった高齢者にも新薬は使えるのでは、と期待されています。<まずは専門医を受診しましょう>ここまでは、いいところだらけなのですが、治療に関しては注意が必要です。この治療は、日本肝臓学会の専門医または特定の講習を受講した医師のみが行うことができます。消化器内科と掲げていても、新薬を処方できるとは限りません。新薬の処方ができる専門医であることを確かめて受診しましょう。専門医であれば、医療費の公的補助が受けられるので、経済的にも非常に助かるでしょう。また、専門医の下でも、新薬の適応になるかどうかは診断を受けてからになります。新薬はC型肝炎ウイルスの患者さんには朗報ですが、まずは落ち着いて専門医を見つけ、そして、自分が新薬の適応になるのかどうか結果を待ちましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:主人に風邪のような症状があります。「肝炎」の症状にとても似ており不安を感じています。このところずっと、主人に風邪のような症状があります。内科で診てもらい、特に問題がないとの診断で、仕事のストレスか何かだと考えていました。最近になって調べたところ、「肝炎」の症状にとても似ており不安を感じています。主人は比較的お酒が好きで、仕事の付き合いでかなりの量を飲んでいます。症状としては、全身の倦怠感と微熱、最近では吐き気があります。やはり肝炎の可能性が高いでしょうか?東京都:えだまめさん(39)回答:「アルコール性肝炎」についてお答えします。――「アルコール性肝炎」とはご主人に風邪のような症状が続いているとのこと、ご心配ですね。お酒が好きで、日常的に飲まれる方で、全身の倦怠感、微熱、吐き気といった症状は、確かにアルコール性肝炎の疑いがあります。すでに内科を受診されたということですが、その時、肝機能の血液検査などは受けられたでしょうか。一般的な肝機能の血液検査としては、「ALT(GPT)」、「AST(GOT)」、「γ(ガンマ)-GTP」といった項目の値が測定されます。また、もっと多くの項目を検査する場合、ALP、総ビリルビン(直接ビリルビン・間接ビリルビン)といった項目も追加されることがあります。ここでは、健康診断などで測られることの多いALT、AST、γ-GTPの3項目について、アルコール性肝炎の場合どうなるか簡単にお話しします。γ-GTPはアルコール性肝障害の指標としてよく用いられる値で、お酒を多く飲まれる方の場合、たいてい上昇が見られます。このγ-GTPの上昇だけであれば、一定期間禁酒をすれば値は正常に戻ることが多いのですが、「肝細胞に含まれるALT、ASTが上昇してくる=アルコールにより肝臓そのものが壊れてくる」と、肝臓が炎症を起こした状態となり、肝腫大(肝臓が腫れて大きく膨らむこと)、腹痛、発熱や血液中の白血球の増加などの症状が見られます。これを放置してお酒を飲み続けると、アルコール性肝硬変をきたし、最悪の場合、死に至ることもあります。ご主人が内科を受診され、身体の診察のほかに肝機能の項目を含む血液検査を受けられ、その上で問題ないという診断を受けたのであれば、実際に診察された先生の診断が一番だと思います。ただ、風邪のような症状、という主訴で受診され、のどや鼻などの診察をメインで受けられたということであれば、もう一度受診してアルコールをよく飲む傾向があることを伝えた上で、肝機能の検査を含む血液検査を受けてみるとよいと思います。<休肝日を設けましょう>肝臓は沈黙の臓器といわれ、状態が悪くてもなかなか自覚症状が出ないことが多いことで知られる臓器ですので、大事に至る前にきちんと検査し、対策をとることがとても大切です。また今回もし肝臓に異常がなくても、ご主人には休肝日を作り、節酒を心がけるようにしていただくとよいと思います。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:母が自己免疫性肝炎を発症。一般的に遺伝はしないと聞きましたが、心配しています。母が自己免疫性肝炎を発症しました。肝疾患の中でも女性に多いと聞きました。一般的に遺伝はしないと聞きましたが、詳細原因が解明されていないだけに、もしかしていつか自分も……と心配しています。アルコール摂取量を制限するなどで発症を防ぐことはできるのでしょうか?また、甲状腺の病気も合併症として起こる場合があると聞きましたが、こちらも予防策はあるのでしょうか?兵庫県:yukariさん(28)回答:「自己免疫性肝炎」についてお答えします。――「自己免疫性肝炎」の遺伝自己免疫性肝炎に関するご相談ですね。おっしゃるように、自己免疫性肝炎は40代から50代で発症することが多く、1対7の割合で女性の患者が多いといわれています。欧米と比べて、日本には少ないとされていますが、まれに若い方や高齢者でも発症する方がいらっしゃいます。原因に関しては、はっきりしたことはまだ分かっておらず、免疫をつかさどるリンパ球という細胞が肝臓の細胞を異物と認識して、攻撃してしまうことが原因ではないかと考えられています。このような攻撃が起こるきっかけとして、何らかの薬物やウイルスの感染が疑われますが、それもまだ解明はされていません。ご心配の遺伝に関しては、すでにお聞き及びのように、いわゆる遺伝病ではない、と考えられています。しかし、遺伝の心配が全くないかというと、ほかの多くの病気同様そうではなく、病因と考えられている免疫を担う遺伝子の一部が両親から受け継がれることになるため、どちらかの親、または両親に自己免疫性肝炎の患者さんがいると、そうでない方に比べて発症率は多少高くなるといわれています。ただ、家族内発症はごく一部であり、あくまでパーセンテージの問題です。<「自己免疫性肝炎」の予防>自己免疫性肝炎の予防について、発症原因がいまだに明確でないことから、予防となるような対策もこれといったものがないのが現状です。自己免疫性肝炎とほかの肝炎が同時発症して、肝臓にさらにダメージを与えてしまうことのないよう、B型・C型肝炎といったウイルス性の肝炎にかからないよう気を付けて過ごす、脂肪肝を避けるために暴飲暴食を避ける(特にアルコールの肝臓への負担はかなり大きいものになります)、薬を服用するときは体調に留意し肝機能検査をこまめに受ける、といったことが挙げられるでしょう。また、自己免疫性肝炎に伴う甲状腺の病気に関しては、現在のところこれといった予防法はありません。自己免疫性肝炎は早期診断・治療ができれば、比較的進行も緩やかで副腎皮質ステロイドによってうまくコントロールできることが多いとされています。もし万一、ご相談者さまに倦怠感や食欲不振、皮膚が黄色くなるといった症状が見られた場合は、ぜひ早めに内科専門医を受診するようにしてください。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?30代半ばの主婦です。ウイルス性肝炎は、血液感染もあり得ると聞きましたが、普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?(医療関係の仕事はしておりません)。滋賀県:じゅんママさん(35)回答:「ウイルス性肝炎」についてお答えします。――「B型肝炎」「C型肝炎」の感染経路ウイルス性肝炎を引き起こすウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型などがあります。日本人に圧倒的に多いのが、B型肝炎とC型肝炎になりますので、B型肝炎、C型肝炎について述べていきます。まず、B型肝炎、C型肝炎はどのように感染するのか、一般的な感染経路を紹介しましょう。肝炎ウイルスを含む血液の輸血を過去に受けたことがある肝炎ウイルスに感染している人と注射針を共有した肝炎ウイルス陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こしたりした(特に医療従事者は注意が必要)肝炎ウイルス陽性の人に使った器具を適切な消毒をせずに使いまわしして、入れ墨やピアスの穴あけをしたまた、B型肝炎ウイルスでは、以下のような感染経路も考えられます。B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた子に対し、適切な感染予防措置を講じなかったB型肝炎患者と性行為を行った以前は、ウイルス性肝炎の感染は、過去の輸血や注射によるものとされていました。昔は、C型肝炎ウイルスが存在することすら分からない時代もあり、肝炎ウイルスの検査技術が未熟であったためです。血友病など、血液系の病気に用いる血液製剤によって感染してしまうこともありました。しかし、現在は、輸血用の血液、血液製剤は厳しくチェックされており、これらの経路によるウイルス性肝炎の感染はほとんど起きていません。最近増えているのは、性交渉による感染です。B型肝炎ウイルスは非常に強い感染力を持ち、体液で感染することがあります。コンドームによる感染予防が大切になってきます。<「肝炎ウイルス」の正しい知識を持ちましょう>肝炎ウイルス予防では、他人の血液に触れないことが重要になります。くしゃみ、咳、握手や抱擁、食器やコップの共用、入浴、日常の接触では感染はしません。肝炎ウイルスは、空気感染はしません。普通に生活をしていれば、肝炎ウイルスに感染する機会などほとんどないでしょう。知識もなく、肝炎ウイルスを恐れることは、肝炎ウイルス患者さんへの差別につながります。正しい知識を持つことが大切です。つまり、医療従事者ではなく、ご主人が肝炎ウイルスに感染していないのであれば、ウイルス性肝炎にかかるリスクはどうなのか、と心配することは、「自分はいつか交通事故にあって死ぬのだろうか」と毎日心配することと同じくらい、意味のないことだと思います。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日アッヴィは11月26日、ジェノタイプ1型C型慢性肝炎ウイルス(HCV)に感染した成人患者向けの治療薬として「ヴィキラックス配合錠」を発売したと発表した。ヴィキラックスは、2種の直接作用型抗ウイルス剤であるオムビタスビルとパリタプレビルにリトナビルを加えた配合剤で、12週間にわたって固定用量を1日1回服用する。インターフェロンやリバビリンの併用は不要。厚生労働省より2015年4月に優先審査対象に指定され、同年2月の製造販売承認申請後、7カ月後の同年9月に承認された。 同承認は第III相臨床試験のGIFT-I試験を根拠とし、主要評価項目であるインターフェロン治療の対象で肝硬変を発症していない高ウイルス量の未治療患者においては、ウイルス学的著効率95%を達成している。薬価は1錠2万6801.2円として収載され、12週間の治療全体の費用は450万2601.6円となる。
2015年11月26日岡山大学は10月19日、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染を認識する新たな宿主因子cGASを同定したと発表した。同成果は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)腫瘍ウイルス学分野の團迫浩方 助教、加藤宣之 教授らの研究グループによるもので、10月16日付けで欧州の生化学関連の総合誌「FEBS Journal」に掲載された。同研究グループはHBVゲノムである二本鎖DNAを「非自己」として認識する宿主因子cGASを新たに同定。解析を進めた結果、HBV感染を認識したcGASが、自然免疫応答の1つであるSTINGシグナル伝達系を発動させ、最終的に細胞内で新たに作られるHBV感染粒子の形成を阻害するという新たな分子機構が明らかになった。今回の研究成果について同研究グループは、「B型慢性肝炎患者の肝臓内におけるcGASの発現量によりHBV量が調節されている可能性があることが分かりました。cGASの発現を人為的に高めることができれば、体内の自然免疫応答が高まりHBV量を大幅に減少させることができると期待されます。」とコメントしている。
2015年10月19日北海道大学(北大)は1月5日、生体内でB型肝炎ウイルス(HBV)が認識される仕組みを解明したと発表した。同成果は北大、名古屋市立大学、国立感染症研究所、米ロックフェラー大学、東京都医学総合研究所、フェニックスバイオらによるもので、12月31日付(現地時間)の米免疫学雑誌「Immunity」に掲載された。同研究グループは、HBVがヒト肝細胞に感染した際のセンサー分子は何か、またHBVを認識した後にどのような免疫応答が発生するのかについて、自然免疫に着目して研究を進めた。その結果、DNAウイルスであるHBVが、細胞内のRNAセンサーとして知られるRIG-Iによって認識されることを発見。その下流で抗ウイルス活性のあるインターフェロンを産生し、感染防御を誘導することがわかった。また、RIG-Iは、センサー分子として働くだけでなく、直接的にウイルスの複製を阻害する働きを持っていることも判明した。さらに、この複製阻害の仕組みに基づいたB型肝炎治療の創薬を支持する結果が、ヒト肝臓を移植したヒト化マウスモデルを用いた実験で得られたという。今回、生体内での分子センターを同定し、その認識機構の一端を明らかにしたことに加え、ウイルスの抑制の可能性を示唆する結果も得られたことによって、新たな視点でのHBV治療薬の開発につながることが期待される。
2015年01月05日アディーレ法律事務所は14日、B型肝炎の給付金請求手続に特化したWebサイトを開設した。弁護士が給付金の請求手続を最大限サポートするという。アディーレは、B型肝炎の給付金請求の専門チームを設置し、相談に対応している。今回開設したサイトでは、B型肝炎と給付金の基礎知識、給付金を受け取るまでの流れなどを詳しく掲載しているほか、寄せられた質問をQ&Aとして紹介し、用語集では専門的な用語をわかりやすく説明している。また、サイトにて「7日間でB型肝炎の給付金制度がわかる! メールマガジン」の申し込みも可能となっている。日本では、予防接種法により、幼少期に集団予防接種の強制が実施されてきた。その際、注射器(注射針や注射筒)の使い回しというずさんな管理が行われ、40数万人(国の推計)もがB型肝炎ウイルスに感染したといわれている。現在では国が責任を認め、感染被害者を対象に給付金が支給されるようになったが、給付金を受け取るには訴訟手続が必要であり、専門的な知識や労力が求められる。さらに請求期限も2017年1月12日までと決められており、これまでの給付金受給者は8,748人(2014年8月1日法務省発表)と、感染被害者全体のわずか2%にとどまり、救済は道半ばとなっているという。
2014年11月14日MSDは9月26日、C型慢性肝炎治療薬「バニヘップ カプセル150mg(一般名:バニプレビル)」の製造販売承認を取得したと発表した。同治療薬はC型肝炎ウイルス(HCV)の複製に関わる酵素を阻害するもので、「ペグインターフェロン アルファ-2b」および「リバビリン」との3剤併用療法により、日本人のC型肝炎患者の約70%を占めるジェノタイプ1型のC型慢性肝炎に効果を示すという。現在、日本では約150万~200万人がHCVに感染していると推定されているが、感染がわかっていない人や、わかっていても通院しない人も多い現状がある。さらに、慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の75%がHCVに感染しており、年間3万人が肝がんで死亡している。同社は、「同治療薬および既存のC型慢性肝炎治療薬を通して、患者や医療従事者の皆さんに貢献できるよう努力していく」とコメント。なお、同治療薬は日本でのみ発売を予定している。
2014年09月26日ドイツの製薬企業・ベーリンガーインゲルハイムグループの日本法人、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社は、28週間の治療後に、肝硬変を有するC型慢性肝炎患者で、最大71%がウイルス学的著効(薬効を示すこと)を達成したことが新たなデータで明らかにされた、と発表した。この結果は、ベーリンガーインゲルハイムが開発中の、インターフェロンを併用しない2つの直接作用型抗ウイルス剤を含む併用療法を受けた、C型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1b型)において示されたもの。肝硬変は、肝細胞が破壊され消失して瘢痕(はんこん)組織となるものであり、発症すると肝機能が徐々に低下し、肝臓がんおよび肝移植のリスクが高くなる。インターフェロンによる副作用は重度になることもあり、その副作用には、心不全、敗血症、白血球減少症、失明などがある。インターフェロンは現行の治療選択肢のすべてで併用されており、その負担を軽減するためには、インターフェロンを併用しないで済む治療法が渇望されている。ジェノタイプ1型(ジェノタイプ1a型、ジェノタイプ1b型)はC型慢性肝炎の最も一般的なタイプで、インターフェロンを併用した治療レジメンでは最も治療困難なタイプでもあり、また、肝硬変患者は従来から治療への反応が不良で、特にインターフェロン治療では効果が認められなくなっている。今回の結果では、インターフェロンを併用しない28週間の治療後、最大でC型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1b型)の71%がウイルス学的著効を達成した。今回のデータは、肝硬変を有するC型慢性肝炎患者という特定の患者集団に対してインターフェロンを併用しない治療法で、高いウイルス学的著効率が示された初めてのデータで、治療期間が大幅に短縮される可能性も示されている。この結果は世界で推定3,400万人の、肝硬変を発症する20%のC型慢性肝炎患者にとって意義あるものとなった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月26日幼い頃に受けた集団予防接種で注射器を使い回しされたのが原因として、全国10地裁で国に損害賠償を求めて争われているB型肝炎訴訟。このほどの原告側との和解協議では、発症した場合に一時金を支給するにとどめられ、和解金を支払わない方針が国から示された。しかし、医療機関にかかることが少ないため実態が見えにくかった未発症者(キャリアー)の6割以上が、医療費の経済的負担を感じ、差別や偏見を経験するなどの被害を受けている人も多いようだ。これは、毎日新聞が実施したアンケート調査の結果として報じている。原告側は、薬害C型肝炎でのキャリアと同水準の1人1,200万円の和解金を求めているが、国側は接種から20年以上経過したキャリアーには損害賠償請求権がないと主張、「将来、肝炎などを発症する割合は相当程度低い」とも指摘している。原告の多くが定期的な血液検査や差別・偏見で悩むしかし、アンケートでは約9割が定期的な血液検査に通い、医療費の負担は「家計を圧迫して苦しい」といい、「家族に迷惑を掛けていると感じる」を合わせると64%に上るという。健康状態でも73%は「体調管理に気を使っている」と答え、常に不安を抱えた状態のようだ。さらに生活面の影響は深刻だ。差別・偏見を受けることが多く、差別が怖く家族以外には感染を知らせていないとか、家族にも言えないケースもあるという。「家族らに負い目を感じる」とした人は73%に達していて、発症者より割合が高く、また「夢を断念した」「性格が内向的になった」も20%以上いたとのことだ。保険加入困難、恋愛・結婚を断念…原告からのアンケートの自由記述欄に多かったのは、「生命保険の加入が難しい」「加入できても保険料の割り増しや条件付きの契約になってしまう」「保険に入れないので自分が死んだ時は家族の生活費を補償してほしい」など、保険での制約と要望だったという。また、つらいと感じるのは自身の健康問題に限らないようで、「親族が緊急に輸血を必要としても手助けできない。臓器提供の意思があってもできない」「48歳の若さで夫を亡くした母がショックでうつ病になり、家族がバラバラになってしまった」「友人の反応に過敏になり、パニック障害を発症した」「(子供に母子間感染させた女性からは)息子は交際相手に肝炎を告げるのが苦で恋愛も結婚もあきらめた」「子供が成長過程で発症し、母子心中まで考えた」「子供が偏見を受けず、充実した治療体制が確立されないと死んでも死にきれない」「『性交渉で感染したんでしょ?』と誤解されるのが悔しい」など、それぞれに深刻な悩みと戦っているようだ。専門家の意見は?専門家からは、「発症していなくても、感染したこと自体の被害を考慮すべき」との声が出ており、薬害問題に詳しい新潟医療福祉大の片平特任教授(保健学)は「発症の有無以前に『感染した』という事実が原告の人生に大きな影を及ぼしていることが推察される。和解協議は感染被害者の身体的・精神的・経済的・社会的被害を十分考慮に入れて進めるべきだ」と話している。こうして考えると、キャリアーへの何らかの対応は必須ではなかろうか。
2010年10月27日