オムロンは9月16日、産業用ロボットメーカーの米アデプト テクノロジー(アデプト)を約2億100万ドルで買収すると発表した。公開買付けは9月23日(米国時間)に開始し、10月22日(米国時間)に終了する予定。アデプトはロボット制御する技術やビジョンセンサー技術に強みを持つ。特に、ロボット制御技術では、高速性となめらかな軌跡制御を両立させる技術を保有しており、繰り返し精度において業界最速クラスの性能を実現している。オムロンは自社の制御機器とオートメーション技術にアデプトのロボット技術を取り込むことで、自動車、デジタルデバイス、食品飲料などの産業に向けた「新しいオートメーションの創造」を推進し、産業の抱える課題に応えるためのソリューションを、メンテナンスやサポートと共に提供するとしている。
2015年09月16日日産自動車は2日、電気自動車「e-NV200」を47都道府県の自治体に3年間無償貸与する「電気自動車(e-NV200)活用事例創発事業」を開始すると発表した。同事業では、「静粛性や給電機能を活かした各種作業車両としての活用」「災害時の蓄電池としての活用」「中山間地域でのガソリンスタンド減少対策」といった、より良い街づくりや行政課題の解決等の一助となる活用方法を考案した自治体に対して、e-NV200を3年間無償貸与し、同車を実際に活用してもらう。これにより同社は、e-NV200の特長を活かした活用事例を積み上げ、全国に水平展開することにより、電気自動車の更なる普及を目指していく。e-NV200は、多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせることで、NV200の室内の広さや多用途性と、EVならではの滑らかな加速と静粛性を兼ね備えたモデル。最大1,500Wの電力を供給するパワープラグによって屋外での電源供給も可能となり、走る蓄電池として、さまざまなシーンに役立てることが可能となっている。
2015年09月02日みずほ情報総研とみずほ銀行は8月28日、共同で実施したIoTと人工知能に関する産業・社会の動向調査の結果として、「みずほ産業調査『IoT(Internet of Things)の現状と展望 -IoTと人工知能に関する調査を踏まえて-』」を刊行した。同レポートは、みずほ銀行のWebサイトからダウンロード可能。両社は、今後あらゆる産業・企業に大きな可能性とインパクトをもたらすと想定されるというIoTを中心に、国内外の産業・企業動向の他、先進的なテクノロジーの進展・活用動向などに関する調査を実施。その結果を受けて、未来の産業やライフスタイルの姿を示したレポートを「みずほ産業調査」として共同でまとめた。同レポートでは、まずIoTの全体動向としてIoTの概念整理から始め、昨今の市場動向や国内外の産業・企業動向などを示した上で、普及に向けた課題や日本企業におけるIoTへの取り組みの方向性についての示唆を提示した。次に、IoTの応用分野として移動・物流、生活・くらし、ものづくりを取り上げ、IoTが実際に社会の中でどのように実現するのか、IoTによって社会がどのように変わるのかといった点について、最新の活用事例を含めて紹介している。また、IoTを支える基盤に着目して人工知能とセキュリティの動向を解説している他、IoTに関連する最前線の領域で活躍する有識者へのインタビューを通じて、IoT時代を切り拓く人材の姿を示した。同レポートはPDF形式であり、表紙・裏表紙を含め全174ページ。
2015年08月31日みずほ情報総研とみずほ銀行は28日、IoT(※)と人工知能に関する産業・社会の動向調査を行い、このたび「みずほ産業調査『IoT(Internet of Things)の現状と展望 ―IoTと人工知能に関する調査を踏まえて―』」として共同で刊行したと発表した。なお、同調査レポートは、みずほ銀行のホームページよりダウンロードできる。(※)レポートでは、"モノ、ヒト、サービスの全てを包括したインターネット化による価値創造"と定義。○日本でも重要施策の一つとしてIoTへの取り組みが掲げられている近年、モノとインターネットの融合により新たな付加価値を創造するIoTへの注目が高まっているという。米国や欧州を中心に、さまざまな産業や企業において、IoTを戦略に掲げた取り組みが進められていることがその背景にあり、日本でも、6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015 ―未来への投資・生産性革命―」に、重要施策の一つとしてIoTへの取り組みが掲げられている。また、ソーシャルコンピューティングの普及やビッグデータ活用の本格化、人工知能やロボットの高度化など、テクノロジーは加速度的に進化を続けており、注目すべき新たな取り組みも次々と登場してきているという。このような新たなテクノロジーの登場・進化とその普及・進展は、産業構造や企業の競争環境の変革にとどまらず、個人のライフスタイル等も含めた社会全体に大きな影響を及ぼすものと考えられるとしている。こうした大きな変革の波の中で、テクノロジーの動向と、テクノロジーがもたらす産業・社会への影響を把握しておくことは、企業が戦略や経営の方向性を決定する上でますます重要だという。こうした観点から、みずほ情報総研とみずほ銀行では、今後、あらゆる産業・企業に大きな可能性とインパクトをもたらすことが想定されるIoTを中心に、国内外の産業・企業動向のほか、先進的なテクノロジーの進展・活用動向等に関する調査を行い、未来の産業やライフスタイルの姿を示したレポートを「みずほ産業調査」として共同でまとめたとしている。同調査レポートでは、まず、IoTの全体動向として、IoTの概念整理から始め、昨今の市場動向や国内外の産業・企業動向等を示したうえで、普及に向けた課題、日本企業におけるIoTへの取り組みの方向性についての示唆を提示。次に、IoTの応用分野として、移動・物流、生活・くらし、ものづくりを取り上げ、IoT が実際に社会の中でどのように実現するのか、IoTによって社会がどのように変わるのかといった点について、最新の活用事例を含めて紹介している。また、IoTを支える基盤に着目し、人工知能とセキュリティの動向を解説しているほか、IoTに関連する最前線の領域で活躍する有識者へのインタビューを通じて、IoT時代を切り拓く人材の姿を示したという。みずほ情報総研とみずほ銀行は、我が国の産業の発展と、顧客の企業価値向上に貢献するために、今後も協力して取り組んでいくとしている。
2015年08月31日ロジテックINAソリューションズは27日、最大5ポートのシリアルポートを搭載可能な産業用カスタムコントローラ「LC-96N10」と「LR-41N10」を発表した。8月下旬から発売し、価格はオープン。○LC-96N10「LC-96N10」は、最大5ポートのシリアル(COM)ポートが搭載可能な産業用カスタムコントローラ。形状はミドルタワー型となっている。シリアルポートを標準で4ポート搭載し、パラレルポートも搭載可能。PCIスロットも3基搭載しており、レガシーデバイスをサポートする。拡張ボード増設の際、浮きやたわみを抑えるタワーバーを装備。拡張ベイは外部5.25インチベイ×4基、外部3.5インチベイ×2基、内部3.5インチベイ×3基。組み込みシステム用途向けのライセンスである Windows7 Professional for Embedded Systemsに対応するほか、Windows8.1 Industry Proの使用もサポート。基本仕様を変更することがないので、設計コストの発生も最低限に抑えられる。主な仕様は、CPUが第3世代 Core i3 / i5 / i7 / Pentiumを選択可能。チップセットはIntel Q77 Expressで、メモリはPC3-10600 DDR3 SDRAMを4枚まで搭載可能。拡張スロットはPCI Express x16×1基、PCI×3基。主なインタフェースはGigabit Ethernet対応有線LAN×2基、USB 3.0×4基、USB 2.0×6基(内部ヘッダ×4基)、シリアル×5基(内部ヘッダ×1基)、パラレル×1基(内部ヘッダ×1基)、PS/2×2基、HDMI×1基、D-Sub×1基、マイク入力、ライン入出力など。本体サイズはW210×D490×H425.5mm、重量は約14kg(システム構成による)。○LR-41N10「LR-41N10」は、19型4Uのラックマウントモデル。本体正面に可動式カバーを搭載し、セキュリティ対策としてフロントカバーキーによるロックが可能。拡張ボードの浮きやたわみを抑える押さえレールを装備する。拡張ベイは外部5.25インチベイ×3基、外部3.5インチベイ×1基、内部3.5インチベイ×2基。停電対策として「UPS機能内蔵セット」も用意。バッテリーパック「RBS02A-P24/2.3L」を装着することで、停電時でも電源を確保できる。バッテリーパックは5.25インチベイに内蔵。カートリッジ式になっており正面からの着脱も行える。最小構成の主な仕様は、CPUが第3世代 Core i3 / i5 / i7 / Pentiumを選択可能。チップセットはIntel Q77 Expressで、メモリはPC3-10600 DDR3 SDRAMを4枚まで搭載できる。拡張スロットはPCI Express x16×1基、PCI×4基。主なインタフェースはGigabit Ethernet対応有線LAN×2基、USB 3.0×4基、USB 2.0×6基(内部ヘッダ×4基)、シリアル×5基(内部ヘッダ×1基)、パラレル×1基(内部ヘッダ×1基)、PS/2×2基、HDMI×1基、D-Sub×1基、マイク入力、ライン入出力など。本体サイズはW429.8×D505×H173.4mm、重量は約20kg(システム構成による)。
2015年08月27日カスペルスキーは8月24日、テスラモーターズの電気自動車「モデルS」の乗っ取りに関する記事を同社のブログ「Kaspersky Daily」で解説した。モバイルセキュリティ企業Lookoutの共同創立者で最高技術責任者(CTO)のケビン・マハフィ(Kevin Mahaffey)氏と、同氏のパートナーでCloudFlareの主席セキュリティリサーチャー、マーク・ロジャース(Marc Rogers)氏が、モデルSのシステムに6件の脆弱性を発見。テスラと共に数週間かけて修正プログラムを作成し、パッチを公開した。この6件の脆弱性は、車内にPCを持ちこんで車載Ethernetネットワークに直接つなぎ、PCからソフトウェアコマンドを送ることで、攻撃者がエンジンをかけられるようになっていた。システムにトロイの木馬を感染させることも可能で、その場合は、運転中であっても遠隔操作でエンジンを止められる。さらにリサーチャーたちは、エンターテインメントシステムを完全に掌握、窓の開閉、ドアの施錠と開錠、サスペンションの上げ下げ、自動車の電源オフにも成功した。しかし、テスラ車に搭載されているシステムでは、走行中に電源が切れるとハンドブレーキが作動、時速8km未満の場合は車はよろよろと走行しながら徐々に停止する。また、それより速度が出ている場合は予防策が発動する。高速走行中でのテストでは、ドライバーはステアリングとブレーキを制御しながらギアをニュートラルに切り替え、路肩に寄せて止めることができ、エアバッグも機能した。似たような状況にあるクライスラーのケースでは、1400万台の車両をリコールして緊急セキュリティパッチを適用せざるを得なかったが、テスラモーターズは無線経由のパッチ配信で切り抜けることができた。マハフィ氏は、「パッチを効率よく提供できるプロセスがあれば、多くの問題を解決できる。最近の自動車はPC並みかPCよりも頻繁にパッチを適用する必要があるが、毎週、毎月、ディーラーに車を持っていくのは困難だ。インターネットに接続されている車両には、OTA(無線ネットワーク経由)の仕組みが必要」とコメントしている。
2015年08月25日光岡自動車は、富山県の伝統工芸品「井波彫刻」とコラボレーションし、インテリアに井波彫刻を施したコンセプトカー「ビュート トヤマ(Viewt TOYAMA)」を、8月22日・23日に開催される『第41回井波彫刻まつり』で発表・展示する。ビュート トヤマは、地元富山の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい、という思いから、富山の伝統工芸品である井波彫刻や越中和紙と共演したコンセプトカー。コンパクトセダン「ビュート」のインテリアに、富山県の伝統工芸品をあしらった究極の"Made in TOYAMA"となっている。オプション装着された「クラシックインパネ」のウッドタイプパネル部分には、富山湾越しに見る3,000m級の立山連峰の雄大な景色で有名な雨晴海岸の絶景などを、井波彫刻の「欄間」の技法で制作した木製パネルを装着。同じく富山の伝統工芸品である「越中和紙」を使用した木製の一輪の花やパーセルボードが華を添え、富山県の魅力を全国に向けて発信する。同社は今後、富山のみならず北陸、ひいては日本の魅力を世界中に発信し、皆が元気になれるような「地域の産業が持つ魅力を再発見出来るコラボレーションカー」を企画していきたいとのこと。ビュート トヤマが発表・展示される『第41回井波彫刻まつり』は、富山県南砺市の井波彫刻総合会館にて、8月22日・23日に開催。車両展示に関しては、8月30日まで行われる。ビュート トヤマの発売については検討中。
2015年08月21日日産自動車は19日、島根県松江市が管理する松江城天守の国宝指定を記念して、電気自動車(EV)「e-NV200」を松江市に寄贈したと発表した。松江市役所にて同日行われた寄贈式では、同社副社長の片桐隆夫氏と島根日産自動車及び日産サティオ島根社長の櫻井誠己氏より、松江市の松浦正敬市長に記念キーが手渡された。今回寄贈するe-NV200は、走行時のCO2排出量がゼロという特性が、水と緑の豊かな自然と歴史的な文化遺産や伝統に恵まれた国際文化観光都市である松江市に適したモデル。松江市には、今後同車を松江城天守国宝指定のPRイベントや同市の環境保全活動イベントなど、環境にやさしい街づくりの取り組みに役立ててもらう。なお、松江市は次世代自動車充電インフラ整備促進事業として、EVの導入を促進するため、急速充電器の設置も進めている。e-NV200は、多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせることで、「NV200」の室内の広さや多用途性と、EVならではの滑らかな加速と静粛性を兼ね備えたモデル。また、最大1,500Wの電力を供給するパワープラグによって屋外での電源供給が可能となり、走る蓄電池として、さまざまなビジネスシーンに役立てることができる。5人乗り/7人乗りのワゴンタイプの設定により、乗用ユースとしても使用可能となっている。
2015年08月19日三井住友銀行と国立研究開発法人 産業技術総合研究所は29日、ベンチャー企業の事業化支援や、成長産業における産業振興の相互協力を目的とした業務連携に関する覚書を締結したと発表した。○ロボット分野などの成長産業振興に係るプラットフォームの構築を目指す日本国内には、優れた技術シーズが豊富にある一方で、米国・西海岸のように、ITやテクノロジーなどの技術シーズと優れた人材や投資家が結び付き、ベンチャー企業が次々と創出される「ベンチャー創造の好循環(エコシステム)」が確立できているとは言い難い状況にあると言われており、国内の優れた技術を事業化し、育成する仕組みづくりが喫緊の課題となっているという。このたびの覚書の締結により、三井住友銀行の「ベンチャー企業・成長産業に係るネットワーク」と、産業技術総合研究所の研究開発力を基盤とした「技術シーズ・技術の目利き力」を連携させることで、国内のベンチャー事業化支援、ならびにロボット分野などの成長産業振興に係るプラットフォームの構築を目指すとしている。今後、三井住友銀行と産業技術総合研究所が構築したプラットフォームに、国内外の産官学各種機関で創発される技術シーズや新規事業を検討する企業の人々に参画してもらうことで、国内の課題である「ベンチャー創造のエコシステム」の確立、日本経済活性化に貢献していくとしている。○連携協力事項起業家育成、ベンチャー企業の事業化支援(ベンチャー創造のエコシステム構築)起業家育成セミナーの開催様々な成長産業のオープンイノベーションを促すピッチコンテストの開催成長産業の産業振興(ロボット分野など)、その他新産業創出に向けた連携企業の相互紹介産業技術総合研究所による技術コンサルティングの提供今後成長が見込まれる有望な成長産業の発掘
2015年07月30日トヨタ自動車と日野自動車は、7月24日から30日にかけて、東京都において燃料電池バス(FCバス)の実証実験を実施すると発表した。今回、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」向けに開発したシステム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を搭載したFCバスで、非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証と、路線バスなど公共交通としての実用性を確認する走行実証を、東京都の協力を得て実施する。使用車両は両社が共同で開発したFCバスで、日野のハイブリッドノンステップ路線バスをベースに、FCV「MIRAI」向けに開発したTFCSを搭載したもの。出力を高めるためにFCスタックおよびモーターなどを2個搭載するほか、高圧水素タンクを8本搭載し、バス用に最適な設計を実施している。外部電源供給システムの公開給電実証は東京都環境科学研究所で行われ、FCバスの走行は東京都都心部および臨海地域で行われる予定。
2015年07月22日CarPlayやAndroid Autoなど、ここのところ名だたるITベンダーの自動車業界進出が激しいが、最近ではさらにAppleやGoogleなどの名前を冠した自動運転車プロジェクトの米国内での目撃情報が相次ぐなど、動きが活発化している様子がうかがえる。一方で、自動車メーカーらはこの動きを非常に警戒しており、特に事業のコアである「運転制御」の技術情報や、自動車から得られる各種データをこれらITベンダーに渡さないよう、データ利用に制限をかける意向だという。同件はReutersが内部関係者の話として伝えている。現在のところ、自動車メーカーとAppleやGoogleらITベンダーとの関係は「カーエンターテインメント(もしくはインフォテインメント)」の世界に留まっているが、一部自動車メーカーによれば、ステアリングやブレーキ、スロットルといった自動車制御に関わる情報について、これら技術パートナーには渡さないと説明しているという。現在、自動車の制御システムは新しい世代の技術へと移り変わりつつあり、特に自動運転など各種制御系システムに食い込むべく、ベンダー各社が参入を図っている段階だ。一方で、省燃費や安全に関わる運転制御の技術や、今後「Connected Car」として日々の自動車利用から得られる膨大な情報は自動車メーカーにとってのコアであり、データ解析などを合わせ将来的に膨大な収益源となる可能性を秘めている。ゆえに、この虎の子を渡したくないと考えるのは当然の動きだろう。以前からこうした話は何度かあり、電機メーカーらが新技術を携えて自動車メーカーへの売り込みを行ったものの、自動車メーカーは制御系システムへのアクセスを制限する形で対応していたという。これら参入を画策していたメーカーは一部品メーカーの域を出ることはなく、旨みも少ないという理由で自動車メーカーへの接近を諦めるケースが後に報告されている。AppleとGoogleも同様のスタンスで対応される可能性が高いとみられ、ITベンダー側としても関連メーカー含めて膨大な雇用を抱える自動車業界相手に、正面から圧力をかけて対応することは難しいとみられ、もうしばらくはアクセス可能な情報を巡って異なる業界同士のつばぜり合いが続きそうだ。
2015年07月11日オリックスとドーワテクノスは7月7月、安川電機の製品を中心とした産業用ロボットなどのFAシステムの販売ならびに導入支援について業務提携したと発表した。今回の提携は、産業用ロボットの導入を検討している製造メーカーに、診断から販売・施工・保守までのトータルサービスを提供することを目的としたもの。オリックスでは、自社の営業ネットワークを生かし、製造工場の自動化や省力化ニーズのあるカスタマに、ドーワテクノスとともに無料で診断を実施し、最適な製造ラインの構築と導入支援策を提案していくとする。また、ロボット設備の販売だけにとどまらず、製造ラインの設計・施工、保守・メンテナンスから、リースといった金融機能の提供、行政への各種補助金などの申請業務まで含めた形での支援を行っていくとしている。なお両社はまず、産業用ロボット大手の安川電機の本社があり北九州市を中心に九州地区でのサービス提供を開始し、将来的には全国展開を図っていきたいとしている。
2015年07月10日グーグルは5日、「明治日本の産業革命遺産」がユネスコの世界遺産に登録されたことを受け、松下村塾など28施設をGoogleマップのストリートビューで公開した。「明治日本の産業革命遺産」は、19世紀末から20世紀初頭に、日本の近代化を牽引した製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業に関連する遺産で、現在も稼働する工場を含む23の構成資産からなっている。今回のプロジェクトは、「明治日本の産業革命遺産」(23構成資産)のうち17構成資産から、新たに23施設を撮影した。既に公開済みだった5施設とあわせ、計28施設をストリートビューで閲覧できる。新たに公開した「松下村塾」では、通常は立ち入りが禁じられている室内も許可を得て撮影。吉田松陰が授業を行っていた部屋や寝泊まりしていたといわれる屋根裏部屋の写真を公開した。○公開された「明治日本の産業革命遺産」(全28施設)※は以前から公開済みの施設1.端島炭坑※2.松下村塾3.松下村塾(吉田松陰幽因ノ旧宅)4.三池炭鉱専用鉄道敷跡5.三池港6.三池炭鉱 宮原坑7.三池炭鉱 万田坑 ※8.小菅修船場跡9.旧グラバー住宅 ※10.高島炭坑11.三重津海軍所跡12.三角西(旧)港 ※13.旧集成館(反射炉跡)14.旧集成館(機械工場)15.旧集成館(旧鹿児島紡績所技師館)16.寺山炭窯跡17.関吉の疎水溝18.萩反射炉19.恵美須ヶ鼻造船所跡20.萩城下町(木戸孝允旧宅)21.萩城下町(北の総門)22.萩城下町(萩城外堀)23.萩城下町(口羽家住宅)24.萩城下町(指月山)25.大板山たたら製鉄遺跡26.橋野鉄鉱山・高炉跡27.橋野高炉跡 ※28.韮山反射炉
2015年07月06日トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業の自動車メーカー3社はこのほど、インフラ事業者に対する運営費の支援内容に加え、インフラ事業者と共同でサービスの向上等に向けた水素充填環境づくりに取り組むことを決定したと発表した。これは2015年2月12日に発表した、燃料電池自動車用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を共同で推進するとの考え方を踏まえたもの。具体的には、自動車メーカー3社は、政府による水素ステーションの運営支援と協調し、水素供給ビジネスへの参入を決めたインフラ事業者に対して水素ステーションの運営に係る経費の一部を支援するとともに、本支援の周知を図り水素供給ビジネスへの新たな事業者の参入を促していく。運営費の支援は、水素供給・利用技術研究組合(「HySUT」)に設置する「燃料電池自動車新規需要創出活動助成事業」への資金拠出を通じて行う。さらに、自動車メーカー3社は、水素ステーションに関する利用者のニーズやステーション稼働履歴等の情報を活用したサービスの向上に向けた取り組みの推進、水素ステーションの営業日数や営業時間の延長、稼働情報の充実・提供、及び多くの利用者がアクセスしやすい効率的なステーション整備等による利便性の向上、広く一般も対象とした燃料電池自動車や水素に対する理解促進および認知度の向上に取り組むとしている。水素を燃料とする燃料電池自動車の普及のためには、魅力ある商品の提供はもとより、燃料供給の拠点となる水素ステーションの整備が必要であるが、燃料電池自動車の導入初期においては普及台数が少なく、ステーションの稼働率も高くないため、インフラ事業者による水素ステーションの設置・運営は容易ではない。政府は、2014年6月に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を踏まえ、水素ステーションの整備に向けては、設置に対する補助金の交付や様々な規制の見直しなどに取り組み、さらに、2015年2月には、燃料電池自動車の新たな需要創出活動を推進するために、水素ステーションの運営に係る経費の一部支援による施策の強化を図ることを決めた。一方、燃料電池自動車に関しては、トヨタ自動車が2014年12月に販売を開始し、本田技研工業は2015年度中の販売開始を、日産自動車も早ければ2017年の販売開始を予定している。したがって、自動車メーカー3社は、政府やインフラ事業者とともに水素ステーションの整備促進を図ることが不可欠であるとして、燃料電池自動車の市場導入が本格化し、水素ステーションの整備が軌道に乗るまでの中期的な視点(2020年頃までを予定)で運営費の支援および水素充填環境づくりに取り組み、着実に水素ステーションの整備を後押ししていくとしている。
2015年07月02日光岡自動車は1日、ミディアムクラスセダン「リューギ」のマイナーチェンジを行い、3日に発売すると発表した。リューギは、縦型ラジエターグリルや大型のメッキバンパー、箱型のキャビン、踏ん張りの効いたフェンダーアーチなど、ベーシックな自動車らしい姿が特徴のミディアムクラスセダン。クラシカルで端正な面持ちでありながら、生産の全工程を職人が手作業で行うという希少性を備え、最新の性能で安心して気軽に楽しめるクルマとなっている。今回のマイナーチェンジでは、新たに設定された安全装備の充実が図られた。前方障害物を検知してドライバーへ警告する「衝突回避支援」、走行速度約50km/h以上で車線逸脱の可能性が発生した場合に警告する「車線逸脱アラーム」、対向車のヘッドライトや先行車のテールランプを認識してハイビームとロービームの切り替えを自動で行う「オートマチックハイビーム」、信号待ちなどで先行車が発進しても停止し続けた場合にドライバーに知らせる「先行車発進告知機能」、シフト操作時における急発進・急加速を抑制する「ドライブスタートコントロール」、急ブレーキをかけるとハザードランプが自動的に点滅する「緊急ブレーキシグナル」が、標準装備もしくはオプションとして設定(グレードにより異なる)されている。リューギの価格は、226万2,600円~319万6,800円(いずれも税込)。
2015年07月01日日立オートモーティブシステムズは、中国における自動車機器システム事業の拡大を目的に、重慶市に新たな製造会社を設立すると発表した。すでに中国に対しては日立の自動車機器システムの製造を行う連結子会社が沿岸地域を中心に13社が事業を展開しているが、今後、内陸地域へ拠点を拡大する自動車メーカーへの対応がグローバル戦略上、重要となると判断し、今回の新会社設立に至ったとする。新会社は「日立汽車系統(重慶)有限公司(予定)」で、敷地面積は約17万m2、2018年からの量産開始を計画しており、需要が高まるシャーシ系製品やエンジンマネジメントシステムなどの事業拡大を目指すとしている。
2015年06月22日チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは6月5日、産業用制御システム(ICS)向けの包括的なセキュリティ・ソリューションを拡充するセキュリティ・ゲートウェイ・アプライアンス「1200R」を発表した。このアプライアンスは、環境や遠隔地での導入用に専用設計された堅牢な最新セキュリティ・ゲートウェイ・アプライアンスでSCADAのトラフィックの完全な可視化ときめ細かい制御を実現してネットワークやデバイス、論理プロセスへの攻撃を防ぐ。1GbEポートを6基搭載しており、ファイアウォール・スループット2Gbpsを実現するほか、Modbus、MMS、DNP3、IEC60870-5-104、IEC61850、ICCP、OPC、BACnet、Profinet、Siemens Step7など多数のICS/SCADA固有のプロトコルに対する広範なサポートを行っている。また、コンパクトなフォームファクタ、ファンレスで可動部品を排除した先進的な設計により、-40℃~75℃の過酷な温度環境でも動作している。なお、最も厳格な規制であるIEC61850-3、IEEE1613、およびIEC60068-2に準拠している。これにより、SCADAネットワークのきめ細かい可視化と制御や、SCADA対応の脅威検出および防御技術の実現が可能になる。
2015年06月08日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月5日、燃料電池自動車(FCV)の本格的な普及に向け、燃料電池の高性能化・低コスト化、生産性の向上の実現に向けた研究開発プロジェクトに着手すると発表した。すでに一部の自動車メーカーよりFCVの販売などが開始されているが、本格的な普及に向けては、搭載されている固体高分子形燃料電池(PEFC)の低コスト化に向けた白金使用量の低減、車種の拡大に向けた燃料電池の高性能化、燃料電池の生産性の向上などの技術課題がいまだに存在しており、今回のプロジェクトでは、こうした課題のうち、ユーザー企業において技術開発・製品化を促進するための基盤となる技術開発を進めるという。具体的には、新たな燃料電池の開発を効率的に実施するために有効な、「燃料電池の内部構造や反応メカニズムをさまざざな手法を駆使して解析する技術」、「商用車への適用を見据えた5万時間(乗用車の10倍)の耐久性評価を可能とする技術」、「高性能化を実現する新規材料の、燃料電池への適用を可能とする設計指針(コンセプト)の創出」などの基盤的な研究開発に取り組むとしているほか、生産性を現行の10倍程度に向上させることを目指した新たなプロセス技術などの研究開発も進める計画としている。
2015年06月05日三井住友銀行は25日、Silicon Valley Robotics (President:Dr. Richard Mahoney、以下、SVR)と、日米のロボット産業の振興に関する相互協力を目的とした覚書を締結したと発表した。米国のシリコンバレーでは、従来よりソフトウェアやインターネットのサービスを提供する新興企業が多く輩出されてきたが、最近では、ロボットを含むハードウェアの開発・販売に取り組むベンチャー企業も増えているという。また、日本には、ロボットを構成するセンサーや駆動装置等の分野において、世界トップレベルの技術を持つ企業が多数存在しているとしている。日本では少子高齢化、生産年齢人口の減少が急速に進んでおり、幅広い分野において、ロボット技術の活用による社会課題の解決が期待されているという。このような中、同覚書締結により、同行及びSVRはロボット関連分野のビジネス展開に関心のある日系企業・米国企業の相互紹介や、ロボット関連の各種イベントの開催での協力などを行うとしている。SVRは、米国・シリコンバレーのロボット関連企業を多数会員に持つ非営利団体。ロボット分野において、起業家育成や企業間連携を促進させるための活動を実施している。三井住友銀行は、顧客の新しいビジネス展開をサポートするため、国内外の機関と連携して、様々なサービスを提供していくとしている。
2015年05月26日大垣共立銀行はこのたび、OKB大垣共立銀行のホームページから岐阜県自動車税をクレジットカードなどにより納付できるサービスを開始した。同サービスは自動車税の期限内納付率の向上を目的とする行政支援の一環として2013年から毎年実施しているという。ヤフー運営の「Yahoo!公金支払い」を利用したサービスで、OKB大垣共立銀行と取引のない人でも自宅で24時間いつでも岐阜県自動車税を納付できるという。また、共立カードおよびOKBデビット(JCB)で納付した人の中から抽選で100名にギフトカードをプレゼントする「岐阜県自動車税インターネット納付キャンペーン」も併せて開始した。OKB大垣共立銀行はこれからも、顧客の目線に合わせた利便性の高い商品・サービスを届けていくとしている。
2015年05月13日古川電気工業グループのKANZACCは4月17日、耐摩耗性能を改善した「銀系特殊めっき」の開発・量産化に成功し、自動車市場へ投入すると発表した。自動車用コネクタ端子では酸化防止のために銅合金に銀や錫めっきなどの表面処理が施されるが、挿抜・摺動回数の増加に伴って、耐摩耗性の向上が課題となっていた。今回開発された「銀系特殊めっき」では、耐摩耗性が向上したことで厚さを50%低減することが可能となり、原料コストの削減を実現することができる。また、ウィスカによる短絡が防止可能で、コネクタの信頼性向上にも貢献する。KANZACCは、今回の「銀系特殊めっき」のほか、電子部品分野で培った技術力を元に、「変色しない銀めっき」や「部分リフロー錫めっき」などの特徴的なめっき製品群を新たに自動車市場向けへ投入することで、2018年度の自動車向け売上高5億円以上を目指すとしている。
2015年04月20日アドビ・システムズ(アドビ)は4月6日、日産自動車(日産)が、グローバルで展開する複数のブランドで一貫したブランドイメージを保つことができるルノー・日産アライアンス共通のデジタルマーケティングプラットフォームを構築するため、「Adobe Marketing Cloud」を採用したことを発表した。日産は、世界20の国や地域に生産拠点をもち、世界各国の拠点を通じ「NISSAN」「INFINITI」「DATSUN」といった3つの自動車ブランドを展開。顧客の購買プロセスに重点を置き、一貫したブランド戦略に基づいて迅速な市場展開を行いつつ、顧客を理解するためのデータ分析や、ブランドイメージを保つためのアセット管理のコスト効率を高めたいという課題があったという。今回の導入により、グローバル資源の活用や重複投資の合理化、プロセスの標準化を図り、年間あたりのマーケティング投資を半分に抑制することを目指すほか、一人ひとりの顧客に最適な体験を提供し、マーケティング費用対効果の向上と収益性向上を実現したい考えだ。
2015年04月06日アドビ システムズは、日産自動車が展開する複数のブランドで一貫したブランドイメージをグローバルで提供するため、同社がデジタルマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」を採用したことを発表した。日産自動車は、世界20の国や地域を生産拠点として「NISSAN」、「INFINITI」、「DATSUN」という3つの自動車ブランドを展開しているが、これまでは各拠点の裁量によってデジタルマーケティングが行われており、一貫したブランドイメージの構築が課題となっていたという。そこで今回、各拠点の強みを発揮できるルノー・日産アライアンス共通のデジタルマーケティングプラットフォームとして、デジタルマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」と、コーポレートパブリッシングソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」を導入した。さまざまなデジタルタッチポイントから顧客の購買行動をサポートし、シームレスなカスタマージャーニーの提供に最適なソリューションであることが決め手になったとのことだ。なお、今回の「Adobe Marketing Cloud」導入について、日産自動車デジタルストラテジー部 デル・ジャクソン氏は、「現代の消費者にとって、デジタルチャネルは自然な選択肢であり、日産自動車では顧客とエンゲージする方法を変革する必要があると考えています。この変革を実現するため、当社の重要なテクノロジーパートナーとしてアドビを選択しました。アドビの『Adobe Marketing Cloud』による統合された顧客エンゲージメントのプラットフォームが目指す方向性は、日産が掲げる顧客エンゲージメントの方向性にフィットしています。このプラットフォームを活用して、南アフリカやインドなど重要な成長市場で、3組織をまたがる4つのブランド向けに新しいプラットフォームをローンチすることができました。『Adobe Marketing Cloud』により、世界中のモバイルを含むあらゆるチャネルにおいて、当社のブランドと顧客体験がさらに向上することを確信しています」と述べている。
2015年04月06日三菱自動車は3日、米国・ニューヨークで1日から開催されている『2015年ニューヨーク国際自動車ショー』(一般公開は3日~12日)で、2016年モデルの「アウトランダー」(北米仕様車)を世界初披露したと発表した。アウトランダーの2016年モデルは、フロントデザインなどの大幅な変更により、上質でありながらSUVらしいダイナミックで力強いデザインとした。吸遮音材・制振材・ダイナミックダンパーの追加など30カ所以上の改良を施すことで、エンジン音・ロードノイズ・風切音の大幅な低減も行われている。トランスミッションには、新世代CVTを搭載。エンジン制御とCVT制御の協調制御を最適化することで、エンジン回転上昇に対してリニアな加速を実現し、全域における加速性能も向上。ステップアップシフトを採用することで、アクセルを大きく踏み込んだ場合の気持ちよい加速フィーリングも実現している。シャシーでは、サスペンション取付部の剛性を向上させ、ステアリングホイールやサスペンションからの入力を正確にボディに伝えることで、操舵感・操舵に対する応答性と正確性を向上。また、リヤのショックアブソーバーのシリンダーを大径化することにより、走行安定性と乗り心地の向上などが図られている。
2015年04月03日●実は多くの車載機器に採用されているARMコアARMは3月26日、Cypressと共同で記者説明会を開催し、同社の自動車向け製品に関する取り組みを説明した。最初に書いておけば、今回の説明会では基本的には新しい製品とかテクノロジーが説明された訳ではなく、既にARMが提供しているものが再説明されたに過ぎないのだが、それでもわざわざ説明会を開いたというのは、こと国内ではARMのアーキテクチャはSmartphone/Tabletなど向けで、自動車関係では一部のInfortaiment機器向けに利用されている程度、という認識が多く、これを正したいという意図があったのでは無いかと思われる(Photo01)。○ARMの自動車向けストラテジーさて、まずはARMのパートから。ARMがアドレスできる自動車向けマーケットはどんどん大きくなっている(Photo02)という認識がまずあり、運転システムの電子化・ADAS・運転情報とInfortaimentという3つの分野が急速に伸びると予測し、このマーケットを真剣に獲得したいと目論んでいる。既に同社のコアは様々なメーカーが製品に採用、自動車向けに導入が始まっており(Photo03)、決して同社が自動車業界に無縁と言うわけでは無い。ただこれらの市場はARM以外のコアも多く採用されているため、ここでARMの採用比率をより高めてゆきたい、という訳だ。では具体的にどんな用途向けに今後展開が考えられるのか、というのがこちら(Photo04~06)。特に運転席周りの場合、高級車向けにはHUD(Head Up Display)すらも次第に一般的な装備になりつつあり、逆に言えばHUDこそ持たないものの、従来高級車にのみ搭載されていたマルチファンクションタイプのコンソールはミッドレンジを超えて大衆車にまで広がりつつある。Cortex-R5はまさしくこうした用途向けのMCUとして開発された製品である(Photo07)。どのあたりがコンソール用途向けかというと・ EEMBC AutoBenchで、1.0 Automark/MHzの高性能(ちなみにPowerPC系だとこれを超えるのはe200v7コア搭載の製品のみで、殆どの製品は1.0 Automark/MHz未満である)・ Green Hillsから自動車向けに最適化したコンパイラが提供される・ ISO26262/IEC 61508の認証取得に必要なリソースが提供されるというあたりである。実は後半2つは製品そのものというよりも開発環境に関係してくる部分なので、ここをもう少し説明する。自動車業界では最近MBD(Model Base Design)を利用した開発が序々に広まりつつある(Photo08)。といっても、現状ツールとしてはMathWorksのMATLAB/Simulinkが唯一のもので、あとはSynopsisの提供するVirtual Prototypeを初めとするツール類で試作を高速化する環境はあるが、ここで問題になるのはどちらを使うにしても、ターゲットデバイスはMATLAB/SimulinkなりVirtual Prototypeがあらかじめサポートしているものに限られる事だ。そんなわけで主要なプラットフォームベンダーは自社の製品がこれらのツールでサポートして貰える様に努力しているわけだが、ARMの場合主要なコアはもう既にサポートされているから、ここで悩む必要がなくなるのは大きなメリットである。また、例えば途中で利用するSoCのベンダーを変える、あるいは新規に追加するといった話があっても、複数のメーカーが既にARM v8-Rベースの製品を投入しているから、同じCortex-Rベースの製品を選べば開発やメンテナンスの手間がだいぶ省けることになる(Photo09)。勿論これは諸刃の剣であって、逆に半導体ベンダーからすると長期的にはCortex-Rを搭載しただけでは差別化にならなくなるわけで、別の差別化要因を探さないと別のメーカーにシェアを簡単に奪われてしまう事にもなるのだが。●Functional Safetyへの取り組み○具体的にはどのような機能安全対策が取られているのか?続いて話は機能安全の話に。Functional Safetyとして知られるこの機能は、単に自動車だけでなく安全性が必要とされる多くの場所で必要な要件とされている。この分野は、必要とされるリソース(設計・検証や要求されるドキュメントなど)が桁違いに大きくなるので、敢えてこの分野はやらないと公言しているメーカーもあるほどだが、ARMはここに積極的にアドレスする事を宣言している(Photo10)。では自動車における機能安全とはなにか?という一例がこれ(Photo11)。パワーステアリング周りの操作に関しては、故障しないのが勿論一番ではあるが、工業製品ではそれはありえない訳で、では故障したらどう対処できるかをちゃんと考えておく必要がある。一番まずいのはECUが故障したりトルクセンサーが異常を出したりしたときに、パワーステアリング用モーターが固着してしまうことで、したがってこういう事態にならないような設計が必要になるわけだが、そもそも大前提として故障頻度をどの程度に抑えるかという話がある。故障しても事故にならない設計をするのと同様に、コンポーネント内部に関しても「回路の一部が異常をきたしても、直ぐに全体が故障しない」様な設計が求められる。こうした機能安全は、業界に応じて異なる標準化がなされているが(Photo12)、骨子となる部分は基本的には同じで、あとはマージンの取り方とかドキュメントの手法などに相違点がある(一部検証方法などの違いもあるが)程度。流石にARMとしてもこの全部に対応するのは無理であり、まずはAutomotive/Medical/Industrialといったあたりをターゲットにする形だ。具体的にはどんな形で?というのがこちら(Photo13,14)。外部からの放射線などの影響に対してはECCとかMultiple Latchなどの対策が有用だし、Systemaic faultsへの対策はDCLS(Dual-Core Lock Step)などが効果的である。これらを当初からCortex-Rシリーズでは設計に盛り込んでいる、という話である。ただ、単にこれらを設計に盛り込むならず、開発時点でのマネジメントのレベルからこれに配慮してドキュメント(Photo15)を用意すると共に、こうした機構の検証メカニズムを用意、さらにはパッケージとして提供することでメーカーのみならず開発の負荷を減らせる、というのが同社の説明であった。●SpansionのCortex-R5ベースの自動車向けMCU「Traveoシリーズ」○Cypressの自動車向けラインナップさて、ここからはCypressというかSpansionの赤坂伸彦氏(Photo16)により、同社のCortex-R5ベースの自動車向けMCUであるTraveoシリーズの説明があった。まずはマーケット概観(Photo17)であるが、自動車向け半導体の売り上げの伸びは9.5%と、半導体全体の売り上げの伸びである6.5%を上回る勢いであり、これをキャッチアップしてゆくのは当然重要と考えられるとしている。このマーケットに向けて、富士通も昔から製品を提供しており、もう40年近いの歴史がある(Photo 18)。ここで利用されてきたアーキテクチャは同社独自のもの(最近だとFRシリーズ)や、場合によってはARM 9/11といったコアも利用されてきたのだが、同社は(Spansionの買収前に)Cortex-R5の採用を決定、Spansionの買収後にこれをTraveoシリーズとして発表している(Photo19)。なぜCortex-R5を採用したのか、という事に対するSpansionとしての回答はこちら(Photo20)である。もしここで独自コアのまま突っ走っていると、開発環境や自動車向け品質のコンパイラの提供、あるいはFunctional Safetyにまつわるパッケージの準備を全部自前で行う必要があり、そのあたりを勘案するとARMのエコシステムに乗ったほうが楽、というのは特にこれからシェアを伸ばしてゆきたいというメーカーにとっては当然であろう。同社の場合、Traveoをコンソールパネルやボディ制御、EV/HVのモータ制御向けに考えており(Photo21)、例えばモータ制御ならこんなことが出来るという一例が示された(Photo22)。ボディ制御は、本格的なシャーシ制御とかActive Suspensionなどではなく、比較的穏当な範囲の制御に留まっている(Photo 23)。HAVC(Photo24)も同じで、少しづつ機能が増えている事に対応して、MCUの側も少しつづ進化している(Photo25)形だ。そして本題と言うわけでもないが、同社が3月26日に発表した新製品が次のクラスタシステム向けのソリューションである(Photo26)。この分野も最近はアナログメーターが使われているケースはだいぶ減り、LCDに置き換えられつつある。また2D表示以外に3D表示が使われるケースも増えてきている。同社は富士通の時代からこの分野向けのソリューションを長く提供してきており(Photo27)、2D/3Dどちらも実績がある。特に3Dエンジンについては、VRAMを介さずに直接表示を行う機能を持っているのが特徴的である(Photo28)。このクラスタ向けは既に多くの製品がラインナップされているが(Photo 29)、3月26日には内蔵Flashとフレームバッファを1MBに削減した S6J32BAとS6J32DAを新たにラインナップに追加、大衆車向けの廉価なクラスタシステム向けとして提供されることになる。ちょっと話は戻るが、今のところARMは自動車向けのGPUを提供する予定はない(これはYork氏にも確認したが、あくまでSmartphoneやTabletなどのMobile向け、との事)。なので、どんなGPUを使うのか、というのは一つの差別化要因になりえる。実際赤坂氏も「Cortex-R5を使うだけで差別化になるとは考えていないので、どれだけ(OEM/Tier 1が)使いやすい製品を提供するか、という形で頑張ってゆく」とされており、その意味ではCortex-R5の使い方の一つの見本と考えてもよいかもしれない。冒頭に述べた通り、今回の説明会の内容はこれだけであり、何か目新しい話があったというわけでは無い。にも関わらずこうした説明会を開催することで、ARMは自動車業界にも強い、という事を印象付けたいというのが狙いであり、今後も似たような機会が定期的に開かれるかもしれない。ある程度そうした認識が浸透するまでは粘り強く繰り返す、というのはARM本国の意向でもあろうが、ARM(株)の内海社長の得意とする手法でもあるからだ。
2015年04月01日BMWは4月1日、電気自動車「BMW i3」を総合オンラインストア「Amazon」で同日より販売開始すると発表した。納車までの流れとしては、カートに「BMW i3」を入れると1-2営業日後にBMWiカスタマー・インタラクションセンターから充電方法などについて確認する連絡がくる。その後、さらに1-2営業日後に審査・契約書類が送られてくるので、それを記入しBMWに返送すると、5-7営業日後にBMWから納車日の連絡がくるという仕組みとなっている。BMW i3はBMWのサブ・ブランド「BMWi」の第1弾モデルとして2014年4月に日本での販売を開始した。BMW正規ディーラーが保有する185店舗のうち46店舗をBMWi販売店とし、専門トレーニングを受講した専任のセールス・スタッフを配置したほか、販売店が近くに無い地域のためにモバイル・セールス・アドバイザーを導入するなど、新しい販売モデルを採用してきた。BMWは、Amazonで「BMW i3」の販売を開始することで同ブランドのマルチ・チャンネル販売モデルをさらに推し進めるとしている。BMW i3は最大出力125kW/170ps、最大トルク250Nmを発生する電気モーターおよび総電力量22kWhのリチウムイオン電池を搭載し、一回の充電で229kmまでの走行が可能だ。価格は499万円から。
2015年04月01日日立製作所は3月23日、産業機器事業の競争力を高めてグローバルで事業を拡大していくため、産業機器事業を統合し、新たなカンパニーとして「インダストリアルプロダクツ社」を2015年5月1日付けで設立すると発表した。同カンパニーは、電力システム社の中・大型モーターや受変電機器、インフラシステム社のUPSなどのパワーエレクトロニクス製品や圧縮機、ポンプなどの中・大型の産業機器事業を統合する。また、小型の産業機器事業を手掛ける日立産機システムとの一体的な運営により、日立グループとして、小型から大型まで一貫した製品ラインアップを確立する。インダストリアルプロダクツ社社長には、日立製作所執行役常務 青木優和が就任し、日立産機取締役社長と兼務する。日立製作所5月1日付け事業グループ体制
2015年03月24日ZMPは、2015年1月にハーツユナイテッドグループ(HUG)との合弁会社として「自動車業界向けのデバッグおよびデータ収集等実験代行に関する事業」を行う株式会社ZEGを設立し、本格的な稼動を開始したと発表した。現在、自動車業界で実施されている高度運転支援技術および自動運転技術の検証においては、コンピュータを用いたドライビングシミュレータが多く利用されているが、多種多様なユーザーを想定した自動車走行パターンをすべて網羅したシミュレーションには限界があるため、実走行テストが重要視されている。一方で、実走行テストには走行テストの実施場所が限定されるなど、社内リソースのタイムリーな確保が困難という課題がある。さらに外部機関への実験依頼の場合は十分なセキュリティの担保が困難なほか、報告データの入手までに6カ月以上の期間を要するケースもあるなど、必要なデータをタイムリーに入手することも大きな課題となっている。ZEGの始動によりZMPが築き上げてきたセンシングやデータ収集・解析技術および、HUGが積み重ねてきたソフトウェアデバッグのノウハウを基に、十分なセキュリティ体制のもと全国において実施可能なタイムリーな走行テストおよびデータ解析による検証報告サービスによる複数の課題解決とともに、走行テストに付随するソフトウェアの単体検証や映像処理などの周辺業務など、実証実験に必要な要素を一気通貫で提供することが可能となる。近年、自動車は、搭載される先進運転支援技術(ADAS)の高度化により車載ソフトウェアが高度化、複雑化しており、車載ソフトウェア検証のための網羅的・大規模な実走行テストの必要が高まっているとのことで、ZMPでは、ZEGを通じて、これらのニーズ応えていきたいとしている。
2015年03月23日Sansanはこのほど、同社の提供する法人向け名刺管理サービス『Sansan』を経済産業省産業技術環境局が試験的に導入したと発表した。経済産業省では省内の人脈を可視化して有効活用することで産業政策の更なる推進を目指す。Sansanを選んだ理由として、部門ごとの情報閲覧権限の設定(アクセスコントロール)が可能な点や、Sansanが名刺管理アプリケーション、名刺スキャナ機器の貸与又はカメラアプリ、名刺情報のデータ化処理がオールインワンになったサービスであることが挙げられている。同サービスは、スキャナまたはスマートフォンの専用アプリで名刺をスキャンすると、読み取った名刺の情報がSansanのサーバに送信され、専属オペレータにより精度ほぼ100%の正確な名刺データベースが作成される。また、特許技術により、名刺に記載されている情報を基に日経テレコンやダイヤモンドの人事異動情報や、Webニュースサイトから最新の企業情報を取得して配信。自動的に顧客情報は常に最新に保たれ、営業活動に役立つ情報が提供される点が評価された。
2015年03月21日リニアテクノロジーは3月19日、産業用IoTに向けたSmartMesh IPソフトウェア開発キット「SmartMesh IPオンチップSDK」を発売した。同製品ではARM Cortex-M3上で、ワイヤレス・センサ・アプリケーションプログラムを直接実行することが可能となる。これにより単一のプロセッサでセンサ・インタフェースやエッジ・データ解析を可能とするため、ワイヤレス・センサ・ノード全体のコスト、実装面積、消費電力の低減につながる。また、リファレンスライブラリコードとサンプルソースコードによって、短期間でアプリケーションを開発することができ、6LoWPAN準拠のSmartMesh IPメッシュ・ネットワーク・スタックによって、超低消費電力で 99.999%以上のネットワーク信頼性を提供するとしている。SDKはTC5800-IPM(システムオンチップ)とLTP5901/2-IPM(PCB モジュール)と共に提供され、SmartMesh IPネットワーク・スタックとそのアプリケーションを同時に安定して実行できるように設計されているとのこと。オンチップSDKはSmartMesh IP製品ラインの一部として現在提供中だ。
2015年03月19日