地域の特産品などを実質2000円の負担だけで受け取ることができると、人気を集めている「ふるさと納税」。2015年の今年から納税制度の改正が発表され、制度が若干変更になりました。今回はその変更点についてご紹介します。○そもそも「ふるさと納税」って?「納税」と呼ばれていますが、その実体は特定の自治体に寄付することで税額の控除を受けられる寄付金控除の一種。また「ふるさと」と付いていますが出身地である必要はなく、寄付先は全国約1800の都道府県、市区町村から自由に複数を選ぶことができます。2008年にスタートした当初は、米や海産物、肉類といった地元の特産品が特典のほとんどでしたが、最近では宿泊券や体験ツアーなど内容がより多彩になったことも加わり利用者が急増しています。さらに充実した内容が、マネー雑誌だけでなくテレビでも大々的に取り上げられるなど認知度は急上昇。しかし、実際に行動に移している人は1割程度といわれ、さらに確定申告を行ってオトクを享受している人はその半分程度という調査結果もあります。その理由は、やり方がわからない、確定申告が面倒という声が多数。それを受けて今年から、(1)住民税からの控除額の上限が、これまでの1割から2割に引き上げ(2015年1月1日~適用)、(2)一定の条件を満たした会社員は確定申告が不要(2015年4月1日~適用)、と制度が変更されました。○変更点(1) - 負担が2000円で済む寄付金額が、ほぼ2倍に!ふるさと納税は、寄付額のうち2000円を超える部分について、一定の上限まで所得税と個人住民税から控除されます。これが、実質2000円で特典が受けられる理由です。この一定の上限が、これまでは住民税の約1割でしたが2015年1月1日から約2割へ拡充。これによって、控除の上限額がグンとアップしました。しかし、上限額は年収や家族構成、ふるさと納税以外の控除などによって異なります。負担を2000円に抑えたい場合は、自分の控除上限額を調べておく必要があります。チェックするのは、毎年6月に届く「住民税決定額通知書」の「都道府県民税(所得割)」と「市区町村民税(所得割)」欄。この合計額の約2割が目安です。ただし、これは前年の所得に対して今年かかる税額。今年ふるさと納税をする場合は、今年の所得をもとに計算されますから、今年の所得が昨年の所得より大きく増減する場合は考慮する必要があります。計算するのが面倒という人は、総務省が目安を公表しているので(下図)、まずはこれで確認してみてください。○変更点(2) - 給与所得のみ、寄付先が5自治体までなら確定申告が不要ふるさと納税をしたことのない理由として、多くの人が挙げるのが確定申告をしなくてはいけないことがあります。これが2015年4月1日から、確定申告が不要な給与所得者で寄付先が5団体までならば「ワンストップ特例申請書」を提出することで、確定申告が不要になりました(5団体を超える自治体にふるさと納税したり、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告が必要な人は、これまで通り確定申告が必要)。これまで確定申告をしないためにオトクを享受しきれていなかった人や、確定申告が面倒でふるさと納税を諦めていた人には大きな朗報です。この制度変更を受けて、新たにふるさと納税を導入したり内容のリニューアルを行う自治体が増えています。この機会にぜひチェックしてみましょう。<著者プロフィール>鈴木弥生編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。
2015年04月28日三井住友銀行は20日、神奈川を中心にドラッグストアチェーンを経営するカメガヤに対し「SMBCなでしこ融資」を実施したと発表した。なお、同件は医薬品販売業界初の取組みになるという。「SMBCなでしこ融資」は、融資実行時に顧客の女性活躍推進の取組状況を独自の基準で"見える化"し、現状の取組状況の分析や今後の課題、その課題への取組事例などを提供する融資商品だという。"見える化"については、基準の客観性および信頼性を確保するため、2012年度より経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している「なでしこ銘柄」の選定業務を受諾するなど、豊富な知見を有する日本総合研究所に業務を委託しているという。このたび対象となった、カメガヤに対する診断結果は、「今後、女性活躍が期待できるグロース企業」となったとしている。○カメガヤの取組み(1) 部長職以上の女性管理職比率が着実に増加している他、2013年度からは執行役員に女性を登用するなど、経営幹部として多用な人材登用を推進(2)パートタイマーから正社員への転換を行った従業員を副本部長や複数店舗店長などにまで登用した実績があるなど、性別や雇用形態を問わず、能力や意欲の高い社員に責任あるポジションにつく機会を提供(3)本社を中心に19時強制退社や業務効率化などの取組みを実施し、長時間労働削減に向けた意識改革を実行した結果、月間平均1人当たり時間外労働時間を7時間未満という高い水準で実現また、今後のさらなる女性活躍推進に向け、経営トップが「社会の多様性に対応した企業が社会のニーズに対応できる」と宣言し、取組みの進化に向けた具体的な目標として「2017年までに管理職の女性比率を40%以上とする」事をコミットしているという。三井住友銀行では、「SMBCなでしこ融資」により、顧客の女性活躍推進に向けた取組みを、金融を通じて応援していくとしている。
2015年04月23日ビズリーチは4月1日から、エンジニア職やデザイナー職といったクリエイターがより業務に集中し、パフォーマンスを発揮するための「クリエイターズタイム」制度を導入した。同社では、社員の約4割がエンジニア職やクリエイター職が占めている。これまでも、作業に集中するために、基本的に会話を禁止にする「クワイエットルーム」などを設置してきたが、今回、さらに業務効率を向上させるため、まとまった作業時間を確保できる同制度を導入した。同制度を利用すると、連続して最大4時間まで業務に集中する時間をオフィス内で確保できる。時間内では、緊急かつ重要な以外は、他の社員も話しかけることはせず、本人の了解なしに社内外のミーティングも入れないことにしたという。取締役CTOの竹内 真氏も、エンジニアとして活動するなかで、「クリエイティブな作業は隙間時間にできるものではない」感じていたという。世の中に新しい価値を創造するにはエンジニアやクリエイターが業務に集中できる環境と時間は必要であるとし、今後もより作業しやすい環境向上に努めていくとコメントした。
2015年04月07日マイナンバー制度が2016年1月より施行される。経営や人事、会計などに関わる職種の人はしっかり準備を進めていると思われるが、それ以外の大多数の人にとって、この制度がどういうものなのか、どんな影響があるのかさっぱり分からないというケースが多いのが現状だ。そこで今回は、社会人のあなたに何が起こるかシミュレーションしてみたいと思う。なお、この記事は2015年3月16日現在の情報に基づいている。今後、制度が変更される可能性もあるので、ご了承いただきたい。○突然届くぞマイナンバーマイナンバー制度は、社会保障と税、そして災害対策の分野で利用されるもので、各行政機関ごとに管理されていた個人を識別する仕組みを一本化して情報管理を容易にし、国民の利便性を向上するという狙いがある。これによって、所得の把握や申告がシンプルになり、照合もしやすくなることから、税に関する不正や生活保護などの援助金の不正受給などを無くすという意味合いも強い。もちろん、大変なのは会社の総務や経理といった部署で、源泉徴収票や行政機関に提出する各種法定調書にもマイナンバーが記載されるようになるので、帳票レイアウトを変更するなどの対策はもちろん、そもそもマイナンバーを家族分を含めて社員からどうやって集めるのか、社内でどうやって管理するかで、現在頭をひねっている真最中だ。国民1人につき1つの割り与えられる12桁の番号は、2015年10月ごろから配布が開始される。何も知らなければ、ある日突然、紙の通知カードが届くことになるので、うっかり捨ててしまわないよう十分気を付けなければならない。個人番号カードの発行を市区町村に申請すると、2016年1月以降に写真付きで身分証明書としても利用できるカードが交付される予定となっている。今のところこの個人番号カードには電子証明書が搭載されたICチップが埋め込まれ、表面には氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーなどが記載され、本人の写真が添付される。このカードは住基カードに代わり、e-Taxなどの電子申請や印鑑登録証などの自治体が条例で定めたサービスにも利用できる予定だ。これは社長であろうが一般社員であろうが、住民票を持っている全ての人が対象となるので、「知らなかった」ということが無いよう、しっかり知識として身につけてほしい。○会社ではマイナンバーはどう扱われる?マイナンバーの適用分野は冒頭で述べたとおり、社会保障と税、災害対策になる。すなわち、会社に勤めているなら、厚生年金や健康保険、給与、賞与、年末調整などなど、社会人生活と切り離せないところと密接に関係してくることになる。とはいえ、こちらが会社に伝えない限り入力ができない。会社の総務なり、経理なり、担当になった人を通して、会社へマイナンバーを知らせるのだ。この際、単純にマイナンバーを伝えるというだけでなく、「本人確認」が必須となっている。マイナンバーとそれを所有している人が同一であることを確認するためのもので、いわゆる成りすまし防止のための措置だと思えばいいだろう。本人確認の方法や必須要件はまだ正式にかたまっているわけではないが、今のところ、マイナンバーカードに記載されている内容を、「番号確認」と「身元確認」に分けておこなうことが決まっている。例えば、最初に届いた通知カードで番号確認を行い、運転免許証やパスポートなど、顔写真が入ったもので身元確認をするといった方法が適切とされている。これらは、正社員だけでなく、パートやアルバイトも同様だ。「会社勤めの人は大変だな~」なんて思っている個人事業主のあなた。もし、社員やアルバイトを雇っていなくても、外注しているなら話しは別。これと同じ事を、外注の人に対してやらなければいけないのだ。こうした一例を聞いただけで、「えー」とならないこと。なぜかというとこれは扶養家族に対してもおこなうケースがあるからだ。あなたが会社員など厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者で、第3号被保険者の届け出(配偶者に扶養されることになった場合)をする場合、事業主が扶養家族に対しても本人確認をする必要がある。これとは逆に年末調整のときなどは、あなたが扶養家族のマイナンバーを提供する側になるため、本人確認もあなたが行い会社へ渡す。ただし、今例に挙げた中に出てきた「社会保障」の「年金」分野でのマイナンバー活用は遅れることが決まっている。しかし、「社会保障」の雇用保険などの労働分野は2016年より施行される予定なので、いずれにしても準備は必要。具体的にやらなくてはならないことは、ケースバイケースになるうえ、ややこしくはあるが、いずれにしても「本人確認」は、自分の身に降りかかってくるケースもある事はお分かりいただけたかと思う。○マイナンバーはどのような管理がなされるのか?マイナンバーが、所得や税、保険などに関係することは理解できたと思うが、一度預けたものがどのように管理されるか気になるだろう。そもそも、マイナンバーは先に挙げた3つの分野以外での使われ方は許されない。例えば、他人のマイナンバーを知っているからといって、その人の所得や税額を知ることもできないし、本人確認がされない限り、開示されることもない。会社が社員番号の代わりに利用したり、個人別の売り上げ管理で使用することもダメだ。さらにいうと、マイナンバーを預かっている会社が、うっかり漏えいさせた場合は、最高で「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」という、これまで以上に厳しい措置が待っている。これは個人情報保護法では適用外だった小規模事業主にも適用され、実刑を含む重罰が用意されている。我々が注意するべきことは、マイナンバーが生涯にわたって利用されるものであること、社会保障、税、災害対策以外の用途では、決して他人に教えないことが重要になる。マイナンバーカードの取り扱いに注意し、紛失しないように管理を徹底するように心がけていただいきたい(※漏洩等があれば再発行は可能)。○自分で確定申告する場合は?こうした注意事項の他にも、源泉徴収票や確定申告書、各種支払調書、各種被保険者届、それぞれマイナンバーがどこかに記載されることになるため、帳票類もサイズや様式の変更が予定されている。ちなみに税務関係書類への番号記載時期については国税庁のHPでは以下のようにアナウンスされている。①所得税:平成28年1月1日の属する年分以降の申告書から②法人税:平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から③法定調書:平成28年1月1日以降の金銭等の支払等に係る法定調書から(※)④申請書・届出書:平成28年1月1日以降に提出すべき申請書等から(※)法定調書の対象となる金銭の支払を受ける者等の番号も記載する必要がある。この変更は個人事業主や、社会人でも自分で確定申告をするようなケースで、かなり大きなインパクトとなる。手書きでの会計処理の場合は、いちいち関係各所へ出向いて新しい帳票を貰わなくてはならないし、古い業務ソフトを使っているケースでは新しい帳票印刷に対応できない可能性もあるなど、今のうちから備えておかないと面倒になることもあるだろう。また、Excelなどで管理している場合は、セキュリティ的な問題がある。備えるという意味で、一番良い方法はバージョンアップによるマイナンバー制度対応を約束してくれている製品を選ぶことだ。今後、数年に亘って制度改正が行われる可能性があり、それらにずっと追随していくのは、かなり負担だ。例えばソリマチは「給料王」や「会計王」シリーズでは対応プログラムの提供をアナウンスしている。自分にとっても会社にとっても、社会全体を巻き込んでのまったく新しい取り組みの始まりが、いよいよ間近に迫っている。今のうちから数年間に亘るマイナンバー制度への対応に備えた業務ソフトを利用して新しい環境に慣れておくとよいだろう。
2015年03月31日東京都は20日、2015年4月1日から、東京都中小企業従業員融資「介護支援融資」の対象者および資金使途を拡充すると発表した。融資対象者については、現在の「都内在住または在勤で、介護休業中の中小企業従業員」に加え、「都内在住または在勤で、要介護または要支援認定を受けた三親等以内の親族のいる中小企業従業員」も対象とする。資金使途については、現在の「介護休業中の生活費」に加え、「介護に必要な費用(介護費用・物品の購入費用・交通費等)」も対象とする。融資利率は年利1.5%(2015年4月1日時点)、融資限度額は100万円。申込みに関する問い合わせは、中央労働金庫または東京都信用組合協会まで。
2015年03月20日TBI JAPANは、2016年3月卒業予定の新卒採用において、学生が面接官を自由に選ぶことのできる「選べる社長面接制度」及び「面接官全員社長制度」を実施する。○求める人材は「未来の社長」「社員全員社長」を目指し、10年で100人の経営者を輩出することをビジョンに掲げている同グループ。新卒採用においても"未来の社長"以外は求めていないという。同社がこのたび実施する「選べる社長面接制度」は、採用面接時のミスマッチの解消と、採用時の学生の自主性を促すことを目的として実施するもの。学生は、各社長のプロフィールをもとに、面接官を選択。グループ面接となる一次面接、個別の二次面接を受けることができる。また「面接官全員社長制度」として、一次選考から最終面接まで全ての面接は、同グループ全23社のCEOやCOO等が直接実施。学生の自主性を主体的に引き出す採用フローを目指し、学生とのミスマッチを減らしていくという。
2015年03月10日スルガ銀行は、このたび年度末に向けた中小企業や個人事業主などの顧客の新たな資金需要や返済などに関する相談に応える「休日融資相談窓口」を設置すると発表した。○「休日融資相談窓口」を設置の概要窓口設置日:3月14日(土曜日)相談受付時間:午前10時から午後5時まで相談窓口:本店営業部内ビジネスバンク沼津(沼津市通横町23番地)、三島セントラル支店内ビジネスバンク三島(三島市一番町15番26号)相談内容:中小企業・個人事業主などの顧客からの新たな資金需要や返済などに関する相談相談方法:来店または、電話にて相談
2015年03月09日オリエンタルランドは2月24日、「株式分割」「株式分割に伴う株主優待制度の配布基準変更」「長期保有株主向け優待制度の導入」について発表した。同社は、2015年3月31日を基準日として、2015年4月1日に1株を4株に分割する。これにより、株主優待制度の配布基準も変更される。同社は9月30日、3月31日の年2回を基準日とし、その時点における株主名簿に記録の所有株式数に応じて、株主用パスポート配布している。例えば、所有株式が100株以上の場合、3月末に株主用パスポートが1枚配布されることになる。長期保有株主向け優待制度としては、現行の株主優待制度に追加して、東京ディズニーリゾートの5周年ごとのアニバーサリーイヤーに株主用パスポートが配布される。「東京ディズニーリゾート35周年」のパスポートは、2015年9月30日から2018年9月30日までのすべての基準日(9月30日および3月31日)において、同一株主番号で同社株式を100株以上保有している株主に対し、2枚配布される。2018年12月に配布予定。「東京ディズニーリゾート40周年」のパスポートは、2018年9月30日から2023年9月30日までのすべての基準日(9月30日および3月31日)において、同一株主番号で同社株式を100株以上保有している株主に対し、4枚配布される。2023年12月配布予定。
2015年02月25日サイボウズは1月28日に、自社製品での「脆弱性報奨金制度」ついて説明会を開いた。脆弱性報奨金制度、いわゆるバグバウンティプログラム(BBP)は一般ユーザー(バグハンター)からの脆弱性の報告に対して、一定の報奨金を出す制度のこと。英語圏ではGoogleやMicrosoft・Facebookなどが実施しているが、同社によると国内ではサイボウズのみが現在実施しているものだ。サイボウズの報奨金制度を担当するCy-SIRTの伊藤彰嗣氏が、2014年の実績と2月2日からスタートしている2015年の制度変更について説明した。○220万円を獲得したバグハンターも。総額で約700万円の報奨金が発生サイボウズの脆弱性報奨金制度は、2013年の試行期間を経て、2014年6月から12月まで6ヶ月間行われた。サイボウズの各種クラウドサービス、各種製品を対象としたもので、共通脆弱性評価システムCVSS(Common Vulnerability Scoring System:米国家インフラストラクチャ諮問委員会が制定したもの)によって深刻度をはかり、それを元に報奨金が支払われるしくみだ。2014年の6月~12月にユーザーから報告された脆弱性は241件、認定したものは158件となっている。このうち最も深刻度の高い「深刻度III」が10件あった。報奨金の総額は700万円となっている(このうち400万円は公開待ちなどの理由で保留)。1件あたりの報奨金最高額は51万円、報奨金平均額は4万2787円だった。もっとも報奨金を多く獲得したバグハンターは、6ヶ月間で220万円もの報奨金を得たとのことだ。このしくみによって、2013年と比べるとサイボウズの脆弱性認定件数は大幅に増えている。認定件数で7倍、外部からの通報は約4倍に増えており、報奨金制度が大きな効果を出していることがわかる。伊藤彰嗣氏は「脆弱性発見の手段として報奨金制度は大きな効果があると実証できた。社内での脆弱性発見と、報奨金による発見が相互補完することで、サイボウズ製品のセキュリテイが向上している」と述べている。サイボウズ社内では製品全体の安全性を網羅的に見る必要があるが、報奨金制度ではバグハンターが一点突破で脆弱性を発見しようとする。そのため単純な作業量で比較すると、報奨金制度のほうが圧倒的に多くの脆弱性を発見できる。また報奨金制度によって、サイボウズ社内での意識が高まる効果もあるとのこと。伊藤彰嗣氏は「報告された脆弱性が、社内で他の脆弱性を発見するきっかけにもなっている。サイボウズ社内での脆弱性に対する意識が高まっているため、2015年は社内での脆弱性発見が多くなることを期待している」と分析した。○検証環境提供プログラムでシステムへの影響はなし。海外からの報告が予想外に多かったサイボウズはクラウドサービスを多く抱えているため、実際に動いているシステムを元に検証するには危険性が存在する。そこでサイボウズでは、脆弱性報奨金制度のために「検証環境提供プログラム」を提供している。検証環境提供プログラムは、サイボウズの実際のサービスとまったく同じものだが、テスト用として提供されているため、バグハンターが様々なテストを行える。実際のサービスに影響を与えることなく、テストできるのが最大のメリットだ。検証環境提供プログラムには、月間2万から3万リクエストがあったそうだ。2014年の脆弱性報奨金制度を実施してわかったことがいくつかある。まずは関係する脆弱性がリリースされると、バグハンターによって速やかに検証されること。たとえばShellshockの事例では、リリースされた2日後にはバグハンターによる検証のシグニチャーがテストされていた。また海外からの報告が予想外に多かったようだ。伊藤彰嗣氏は「英語の資料をまったく用意していなかったが、脆弱性報告のうちの24%が海外からだった。2015年は英語のルールブックを用意するようにしたい」と述べた。もう一つ、サイボウズが実施したバグハンティング合宿も大きな効果があったとのこと。実際に集まって合宿形式で行うことで、多くの検証が行われ、年間脆弱性情報報告数の20%が2日間に集中した。イベント形式で実際に集まり、バグハンター同士のコミュニケーションを活発になったことが良い結果につながっている。バグハンターとして参加する人のプロフィールは、学生、会社員、開発者のほか、脆弱性診断士が腕試しすることもあるとのこと。そして意外なことに法人の参加もあったそうだ。脆弱性診断ツールの開発会社も参加している。○2015年はXSSとSQLインジェクションの報奨金をアップするほか、支払いを早める施策もサイボウズでは参加したバグハンターにアンケートを取り、2月2日からスタートしている2015年の脆弱性報奨金制度に反映させている。アンケートでもっとも多かったのが報奨金の金額への要望で、たとえばXSS(クロスサイトスクリプティング)の報奨金が低いとの指摘があった。伊藤彰嗣氏は「報奨金のベースとなっている評価基準・CVSS(v2)自体に限界がある。CVSSではサーバー側の被害のみを評価し、クライアント側の被害は評価していないため、XSS脆弱性がどうしても低くなってしまう」と述べた。そこで2015年の脆弱性報奨金制度では、サイボウズ独自の基準でXSS脆弱性の評価額をアップさせた。2014年と比べて、最高で2倍の報奨金となる。またSQLインジェクションでも評価を変更し、特定のケースで評価を高めて報奨金をアップさせる。アンケートでのもう1つの要望は、報奨金の支払いが遅いという指摘だ。2014年の制度では「報告された脆弱性を一般に公開してから」の支払いだったため、平均で支払いまでに約10ヶ月かかっていた。「忘れてしまいそう」という声もあり、2015年は支払いを早めるように変更された。2015年の制度では「一般公開するか、脆弱性認定後に6ヶ月を経過したら支払う」という形になっている。このように昨年の反省点を元に、2015年のサイボウズの脆弱性報奨金制度は、2月2日からスタートしている(サイボウズ脆弱性報奨金制度について詳細説明とガイドライン)。12月25日までのおよそ10ヶ月間行われているので、興味がある人はチェックしてみるとよいだろう。国内の脆弱性報奨金制度は以前、他社でも開催していたものの、現在はサイボウズのみとなっている。他社からの問い合わせがあるか?という質問に対し伊藤彰嗣氏は「国内企業からの正式な問い合わせはないものの、勉強会などで興味を持っていただいている。サイボウズでは自社でコントロールしたいので独自のシステムで報奨金制度を持っているが、他社ではすでにある脆弱性報奨金のシステム、たとえば『HackerOne』などを利用する手もあるだろう」と述べた。最後に伊藤氏は脆弱性報奨金でのよい点と気にかかる点をまとめた。気にかかる点としては「日本のお客様の中には、バグバウンティの狩猟的要素、攻撃者を雇うということを文化として理解していただけない方もいらっしゃる」と述べた。脆弱性の公開や報奨金のことを知ると「御社のソフトにはそんなに問題があるのか?」と思ってしまう人もいるとのことだ。これは脆弱性報奨金の問題というより、セキュリティの知識が、日本で理解されていないことが原因といえるだろう。脆弱性報奨金のよい点としては「弊社製品のPRのためにセキュリティチェックシートを作っているが、ここで脆弱性報奨金のことを詳しく紹介している。脆弱性報奨金制度によって安全性を高める努力をしていることで、お客様になるほどと思っていただける」とした。このように自社製品の安全度をアピールする手段として、脆弱性報奨金制度が有効に使われている。日本ではあまりなじみのない脆弱性報奨金制度だが、サイボウズの成功例を元に、他社での導入も期待したい。
2015年02月19日住宅金融支援機構は9日、2014年度補正予算が成立したことに伴い、融資率が9割を超える長期固定型住宅ローン「フラット35(買取型)」の金利を引き下げたと発表した。借入期間が21年以上35年以下で融資率が9割超の場合の金利は、年1.50~2.53%(前週1.81~2.53%)。最も多くの取扱金融機関が提供する最頻金利は年1.50%(同1.81%)となった。借入期間が20年以下で融資率が9割超の場合の金利は、年1.23~2.26%(前週1.54~2.46%)。最頻金利は年1.23%(同1.54%)となった。なお、2月の融資率が9割以下の「フラット35(買取型)」の金利は、最低金利、最頻金利および最高金利のいずれも史上最低となっている。
2015年02月09日りそな銀行はこのたび、2月2日より大阪府と連携し「りそな『円安対策資金』融資制度」の取扱いを開始すると発表した。昨今の急激な円安の進行により、輸出の増加や原材料価格の高騰に伴う運転資金など、中小企業等の取引先の資金需要は増加しているという。りそな銀行は引続き円安の影響を受けている中小企業に対する積極的なサポートを行っていくとしている。○りそな『円安対策資金』融資制度の主な特徴総額50億円の新設ファンド同制度融資は大阪府内で事業を営む中小企業を対象に、大阪府が2011年度から実施している「金融機関提案型融資」制度を利用し、新たにファンドを組成したものスピーディな融資審査を実現専用の事業計画書などを利用し、中小企業などの取引先の資金需要をいち早く把握、スピーディな融資審査と提案につなげる円安に関する様々な資金需要に対応輸出増加や売上の増加に伴う運転資金のほか、原材料の高騰や輸入品の価格競争力低下を背景とした資金繰り対応資金など、利用できる要件を幅広く設定、円安に関する様々な資金需要に応える審査の結果、希望の融資・条件などに添えない場合がある。
2015年01月29日富士通は1月21日、2016年1月のマイナンバー制度の施行に向け、自治体や民間企業向けにマイナンバー制度に対応した業務システムや運用プロセスの構築を支援するコンサルティング、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス、教育関連のサービス、アプリケーション、セキュリティなどの製品を体系化し、1月21日より順次提供していくと発表した。具体的には、従来から提供している、自治体向けのMICJETシリーズや民間企業向けのGLOVIAシリーズなど既存の業種業務アプリケーションのマイナンバー制度への対応内容・時期を明確化するとともに、自治体向けの「FUJITSU 自治体ソリューション MICJET番号連携サーバ」(以下、MICJET番号連携サーバ)や、マイナンバー制度対応業務を支援する「FUJITSU BPOサービス マイナンバーBPOサービス」(以下、マイナンバーBPOサービス)などの新ソリューションを提供する。また、同社は1月21日付で富士通グループ全体を横断する組織として「番号制度推進室」を設立した。同組織では、マイナンバー制度への対応ソリューション、商品・サービスの企画および将来に向けたマイナンバー利活用の企画、推進を行う。自治体ソリューション「MICJET番号連携サーバ」では、中間サーバへの業務データ(所得、資格など)連携をスムーズに行う機能や現行の宛名管理方式と運用を継承することができる宛名管理機能により、既存システムへの影響を最小化し、運用の負荷と改修コストの低減を実現。マイナンバーBPOサービスでは、マイナンバー制度に対応する新たな業務(マイナンバーの収集・本人確認・保管など)、および各法定調書申告、届出書へのマイナンバー記載といった一連の業務を、SaaS環境などのICTを活用したBPOサービスで提供する。そして、ラーニング「企業におけるマイナンバー制度の理解と対応」では、多人数に対する、個人番号や特定個人情報の取扱についての研修に適したeラーニングサービスを提供。マイナンバー制度に関する基本事項から、マイナンバーの正しい管理方法まで分かりやすく説明する教育コースを用意するほか、要望にあわせた個別の対応も実施する。販売価格(税別)は、「MICJET番号連携サーバ」、「マイナンバーBPOサービス」がいずれも個別見積り。eラーニング「企業におけるマイナンバー制度の理解と対応」が1ID(1カ月)につき4,000円(税別)~となっている。
2015年01月21日商工組合中央金庫は19日、新品種の巨大椎茸を活用して地域経済の活性化に取り組む新設の協同組合日本茸師の会に対して、1千万円を融資したと発表した。商工中金は、各地域の地方公共団体や関係機関等と連携しながら、「地域経済の活性化」や「地域雇用の創造」に貢献する中小企業や協同組合を積極的にサポートしている。徳島県では、県内の農林水産業の活性化を図るための主要施策の一つとして、「徳島県の特長を生かした農業水産業の振興」を展開している。商工中金(徳島支店)は、同県の取組みに呼応し、新設の協同組合日本茸師の会に対し、徳島県信用保証協会と連携して創業資金1千万円を融資。また商工中金は、徳島県中小企業団体中央会(以下、徳島県中央会)と連携し、同組合の設立支援を行っている。協同組合日本茸師の会は、椎茸の種菌の共同開発・販売を目的として、2014年4月に設立された。同年11月に、同組合とファイブエムは、直径約15センチの巨大椎茸である新品種「天恵菇(てんけいこ)」を共同開発した。今後、同組合は各地の組合員を通じて、新品種を全国に流通させていく計画。商工中金は、この新規事業を地域経済の活性化につながる取組みと高く評価し、融資した。商工中金は、徳島県中央会や徳島県信用保証協会をはじめとする各地域の関係機関や地方公共団体等と連携しながら、地域経済の活性化に貢献していくとしている。
2015年01月20日2016年1月から施行される「マイナンバー制度」。非常にインパクトの高い制度であるにも関わらず、7割の企業がまだ未着手という話もあるほど、浸透率が低いのが難点だ。大企業や中小企業はもちろん、個人商店、個人事業主、SOHOといった法人、さらには全国民にとって、重大な変化をもたらすマイナンバー制度への備えに対する期間として、この1年は決して長いものではない。現在の状況から、今後どのような点に留意して事に当たれば良いか、会計、人事給与システムのベストセラーであるスーパーストリーム株式会社に話を伺ったので紹介しよう。○2016年に開始される「マイナンバー制度」スーパーストリームは、1995年にSuperStreamシリーズを販売開始して以来、20年間にわたって、会計、人事・給与の業務領域に特化した専業のERPベンダーとして活動してきた企業だ。現在では7,400社の企業に導入され、その存在は社会的にも大きな影響を持っている。そんなスーパーストリームに「マイナンバー制度」について話を伺う機会をいただいた。「マイナンバー制度は、日本の企業、国民すべてに関わってくる制度です。この1年の期間でどこまで備えることができるかという点では、2015年度における企業の経営テーマの中で最重要課題といっても過言ではありません」と語るのは、スーパーストリーム CTO(最高技術責任者)の山田誠氏だ。マイナンバー制度についてはすでにご存知だろうが、改めて概要を説明すると、住民票を有する全ての国民に対して1人1番号の個人番号、いわゆる「マイナンバー」が付番され、これを社会保障、税、災害対策の分野(将来的に適用分野は拡張される予定)で個人情報とマイナンバーを紐付けて効率的な管理を行うというもの。2015年10月からマイナンバーを記載した通知カードが、国民へ向けて送付され、2016年から利用が開始されるというものだ。「マイナンバーは結婚や転居をしても同一のものが使われ続けます。カード1枚あれば、年金手帳や健康保険証、介護保険、そういったものが統合的に生涯に渡って管理できるため、国民のメリットも高いです。社会保険や災害時の補助申請などもスムーズにできますから、国としても効率化ができる。自治体やその他行政機関単位で分散管理されていた個人情報が連携できるので、より正確な所得や他の行政サービスの受給状況も国が把握できるようになります」と山田氏はいう。マイナンバーひとつでそれだけのことができるという事は、逆に大変重要な情報ということになる。「企業側としてはプライバシー保護の観点から、どれだけ安全・安心な情報管理を保てるかという部分が大切になります」と山田氏。このマイナンバー制度には重い罰則が科せられることも大きな特徴のひとつで、万が一、漏えい事故などが起これば企業の信頼が失墜しかねない事態になることも予想できる。それだけにIDの管理徹底は企業の最重要課題になり得るのだ。○負担激増の人事部門「企業でいうと人事部門が最初に直接影響を受ける部署でしょう」と山田氏がいうように、マイナンバー制度が始まって、もっとも負担が大きくなる部門は人事給与業務だ。特にサービス業などを代表としたパート、アルバイトの雇用者が多い業種では、より顕著になる。「対象範囲は正社員のみならず契約社員、パート・アルバイトなどの全従業員分のマイナンバーを理解、同意を得て集める必要があります。社外研修で雇った講演者・弁護士なども対象です。業種によっては膨大な数のマイナンバーを取り扱わなければなりません」と山田氏は警鐘を鳴らす。マイナンバーはただ集めるだけでなく、本人に利用目的を明示し、個人番号の本人確認作業も発生する。さらに扶養家族がいれば、その分も含めて取り扱う必要があるので注意が必要だ。また、退職者の個人番号を適切に削除することが義務づけられるのも、マイナンバー制度の特徴だ。「企業は退職者を含めた労働者名簿や賃金台帳、そして源泉徴収票を、電子データや紙で一定期間保管する必要がありますが、マイナンバー情報に対しては、特定個人情報ガイドラインの安全管理措置の一環として退職後の一定期間で適切に廃棄又は削除する必要があります。詳細は未だ不透明な部分もありますが、いずれにせよ、企業にとってマイナンバーの情報管理については非常に頭を悩ます問題になり得ます」と山田氏。この他、マイナンバーに関わる企業の基本方針や取扱規程の策定および組織としての情報管理体制づくりも必要となる。例えば「誰が・どの業務に対して」マイナンバーを確認することができるのかといった部分にも取扱規程を設ける必要があり、給与業務でも社会保険担当者は閲覧できるが給与計算担当者は不可視にする、といったポリシー設定も必要となる。もちろん、システム自体のセキュリティ対策や堅牢性も重要になる。先ほど決めたポリシーに従い、それがきちんと運用されているかを可視化するログ監視も必要だ。ログに関しては入力、変更といったIDに直接関与したユーザーに対するだけでなく、閲覧した人も採取していかなくてはならない。登録・削除・更新のログ採取のみならず、参照も採取するとなるとその量は膨大に膨らむ。「システムの堅牢性を維持しつつこれに備えて改修しなければなりません。一部の企業ではクラウドサービスなどを利用して、マイナンバー情報を社外で管理することを検討されている企業もあります。仮にそのような考え方をとるならば、社内の人事・給与システムと密に情報を連携する仕組みが必要であり、また通信・ネットワークに対しても堅牢でセキュアな仕組みを作る必要があります。社外のサービスと自社の人事・給与システムを組み合わせるのは運用コストも鑑みると現実的に少し無理があるのではないか?と考えています」と山田氏は語る。○マイナンバー制度に備えるには信頼できるパートナー選びが重要ざっと教えていただいただけでも、これほど大きなインパクトと負担が起こるのが「マイナンバー制度」の導入だ。さらに言うなら2015年中にはシステムの改修が終わっていて、運用方法も決まっている必要がある。これを考えれば、残された時間が決して長いわけではないことがお分かりいただけるだろう。スーパーストリームの「SuperStream-NX」シリーズは、これらの課題をクリアし、的確なワークフローを実現できる製品となる。加えて特筆すべきは、既存顧客であれば、それらのアップデートは無償で供与される点だ。「2015年秋には標準機能としてマイナンバー制度対応のアップデートプログラムを提供します。既存ユーザーの方々には、標準の保守契約内で追加費用が発生することはありません。これは今後予定されているマイナンバー制度の拡張や消費税増税対応、軽減税率対応も含めて全て同じスタンスで対応します」と語る山田氏。法改正・税制対応の開発コストをユーザーに負担させないスタンスは、長年のノウハウと数多くの顧客の信頼を勝ち取った同社だからこそできるサービスといえるだろう。「日本国内で7000社を超える会計、人事・給与システムを提供している企業として、ユーザーの皆様のニーズを常に把握し、最適な形で安心できるサービスを提供し続けることが私達の使命と考えています」と最後に語ってくれた山田氏。マイナンバー制度への対策を早急に行いたい企業、あるいは人事システムのリプレースも視野に入れている企業は、一度同社に相談してみてはいかがだろう。
2015年01月14日三井住友銀行は6日、融資実行時に顧客の女性活躍推進の取組み状況を独自の基準で"見える化"し、その結果を提供する「SMBCなでしこ融資」(以下なでしこ融資)の取扱いを開始した。現在、日本では高齢化社会が進み、労働力人口が減少しつつあり、女性の活躍推進は企業にとっても喫緊の課題となっているという。グローバルな競争環境を生き抜く企業になるためには、組織の多様性を高める事が必要となる。"見える化"については、基準の客観性および信頼性を確保するため、2012年度より経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している「なでしこ銘柄」の選定業務を受託するなど、豊富な知見を有する日本総合研究所に制度設計および"見える化"業務を委託している。斯かる環境下、女性の活躍推進への取組みを積極的に推進している顧客は多数いるという。「なでしこ融資」は、こうした顧客に、現状の取組状況の分析や今後の課題、その課題への取組事例などを提供し、今後の更なる取組み推進に活用することで、顧客を応援することを目的としているという。三井住友銀行では、「なでしこ融資」により、顧客の女性活躍推進に向けた取組みを、金融を通じて応援していくとしている。
2015年01月08日トレンドマイクロは12月10日、「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」に対応したセキュリティ製品「Trend Micro マイナンバー向けサンドボックス」を、2015年第2四半期より地方公共団体などに向けて提供すると発表した。マイナンバー制度は、2015年10月より番号が通知され、翌2016年から行政手続き上の利用が開始される。運用においては、所轄官庁から中間サーバ接続時におけるセキュリティ対策が示されており、中間サーバへアクセスする端末を設置するセグメントに「サンドボックス装置の導入」が推奨されている。同製品は、ネットワーク上の不審な通信を検知し、ふるまい検知で見つかった不審ファイルをサンドボックスで解析させることにより、標的型サイバー攻撃からのリスク低減を実現する。具体的には、ネットワーク上の不審な通信を検知し、振る舞い検知で見つかった不審ファイルをサンドボックスで解析する。日本語を含むマルチランゲージOSに対応したサンドボックスを搭載しており、日本語アプリケーションである一太郎などもサポートしている。また、ファイル実行の結果発生する通信のふるまいや、ドロップするファイルの分析を行うエンジンを複数搭載しており、パターンファイルによる対策に依存せず、高い分析能力を備えたサンドボックスによって脅威検出ができるという。なお、トレンドマイクロでは、マイナンバー制度の運用に対応したセキュリティ製品として、「ウイルスバスター コーポレートエディション11」「Trend Micro Deep Security」「Trend Micro Safe Lock」なども提供する。
2014年12月11日平成27年から「子ども子育て支援新制度」がスタートします。多くのママたちからは、「聞いたことはあるけれど、実際この新制度によって自分たちの生活がどう変わるのかがわからない」という声が、大変多く聞こえてきます。今回は、数々の子育て専門資格を活かして、多くのママたちの子育てに寄り添う活動をする一方、行政の子育て専門委員や東京都足立区の子ども子育て新制度プロジェクトメンバーでもあるNPO法人子育てパレット代表 三浦りささんに、新しく始まるこの制度について、わかりやすく説明していただきました。■「子ども子育て支援新制度」は、どんなことを目的にした制度なの?現在、子育てを取り巻く課題が、数多く浮き彫りになっています。少子化問題、待機児童問題および子育てと仕事の両立の難しさ、子育てに対しての孤立感・負担感、児童虐待問題の深刻化、放課後児童クラブの不足などなど。こうした状況を打開するための策として、国をあげて「子育て支援の量を拡充、質を向上しよう!」ということを目的とした制度です。■「子ども子育て支援新制度」の開始によって、具体的にどの部分がどう変わるの?(1)保育・教育の場が増えます子ども子育て支援新制度が始まると、幼稚園、保育園・保育所、認定こども園(保育+教育)、地域型保育(小規模保育、保育ママなど)のいずれかが増えます。ただし、幼稚園が増えるのか? 保育園が増えるのか? 認定こども園が増えるのか? 地域型保育が増えるのか? はお住まいの市町村の事業計画によって遂行されます。場合によっては、現在通っている保育園・幼稚園の運営スタイルが変わることもあるかもしれませんし、新制度を選択しない私立幼稚園(※この場合は従来通りの利用手続き・利用料)もありますので、一度、市町村や園に確認してみるとよいでしょう。(2)新制度利用の幼稚園、保育園、保育所への入園・入所申込み方法が少し変わります今までは希望の幼稚園に直接申込みをして、園側から入園内定をもらい、入園という流れでしたが、子ども子育て支援新制度開始後は、入園内定を受けたら園を通して利用のための認定申請を管轄市町村に行い、認定通知を受け、幼稚園と正式入園契約となります。保育園や保育所の場合は、市町村に入所申込みをした後に認定証が交付されます (3)新制度利用の場合、保育料が変わります新制度における保育料は、国が定める上限額の範囲で各市町村が定めます。大きな変化でいいますと、幼稚園や認定こども園(短時間利用・保育必要なし)では所得に応じた保育料に変更し、兄弟利用の場合に第2子半額、第3子以降は無料が適用されます。保育園・保育所、認定こども園(長時間利用・保育必要あり)、地域型保育の場合は、所得割課税額と利用時間によって定められる上限額の範囲で決められます。(4)保育を必要とする該当事由が広がります従来の就労、妊娠・出産、保護者の疾病・障害、親族の介護・看護、災害復旧に加え、新たに求職活動、就学、虐待やDVのおそれがあること、育児休業取得中からすでに保育を利用している子どもがいて、継続利用が必要であること、という条件が加わりました(5)保育以外の部分についてその他については、子育て相談や一時預かりの場、放課後児童クラブ(学童保育)を、空き教室などを利用して増加する、かつ対象を小学校6年生までにする(※現在は小学校3年生まで)など、地域の子育てニーズに合わせた支援の場を増やしていきます。子ども子育て支援新制度とはどんな制度なのか、何となく理解できたでしょうか。お住まいの地域で実際にどのような変化があるのかはについては、自治体の取り組み方によって変わってきます。ぜひお住まいの市町村がどういう事業計画で遂行していこうとしているのか、情報を集めてみてくださいね。参考URL: 内閣府・子ども子育て新制度ページ
2014年11月21日イオンは18日、2015年2月期より、長期・大口保有株主を対象にした優待制度を新設すると発表した。これにより、同社株式への投資魅力を高めるという。新たな優待制度では、3年以上継続して同社株式を保有し、かつ毎年2月末時点で1,000株以上保有の株主に、イオンギフトカードを贈呈する。具体的には、保有株式数1,000~1,999株ではギフトカード2,000円分、2,000~2,999株では同4,000円分、3,000~4,999株では同6,000円分、5,000株以上では同1万円分を贈る。ギフトカードの発送は5月頃を予定している。第1回目は、2012年2月末から株式を継続して保有し、かつ2015年2月末の同社株主名簿に1,000株以上保有している株主が対象となる。なお、2015年2月末の権利付最終日は2015年2月24日となっている。現行のイオンオーナーズカードによる株主優待制度は今後も継続して実施する。同制度は、全国のイオンやマックスバリュなど、特典対象店舗の直営売場での買上金額に対してキャッシュバックするもの。対象となる支払金額合計に対し、持株数に応じた返金率を半期ごとにまとめて返金する。
2014年11月19日日本政策金融公庫は13日、同社が取り扱う「国の教育ローン」のうち、海外留学資金の2014年度上半期融資実績の件数が前年同期比30%増の774件、金額では同45%増の18億円となり、件数・金額ともに大幅に増加したと発表した。特に金額は比較可能な過去10年間で最高となり、1件当たりの平均融資額についても10年前に比べて1.4倍の232万円に増加した。政府は2013年6月に策定した「日本再興戦略」において、グローバル人材の育成を目的として、2020年までに日本人留学生を12万人に倍増させることを目指しており、2013年10月から、留学促進キャンペーン「トビタテ! 留学JAPAN」を開始。また、スーパーグローバルハイスクールおよび大学を指定するなど、意欲と能力のある若者の海外留学を支援している。このような現状を踏まえ、同社は政策金融機関として、2013年5月および2014年4月に海外留学者向け制度を拡充。具体的には、海外留学資金として利用する際の世帯年収上限額を、特定の条件を満たした場合は990万円(子ども1人または2人の世帯、事業所得者は770万円)に引き上げたほか、海外留学支援施設の対象要件を拡充するなどした。同社は、今後も留学を目指す人や教育資金を必要とする人を積極的に支援していくとしている。
2014年11月14日じぶん銀行はこのたび、カードローン(じぶんローン)のローン融資残高が2日に400億円を突破したと発表した。じぶんローンは、2008年12月に商品のサービスを開始し、昨年1月に融資残高200億円、その1年2か月後の今年3月に融資残高300億円を突破した。それからわずか7か月後での融資残高400億円突破となった。多くの顧客から支持を得たことで、残高増加のペースは年々上がっているという。これからも、顧客のニーズに応えるべく商品性や利便性、サービスの向上に取り組んでいくとしている。○じぶんローン5つの特長1.最大500万円までおまとめ・借り換えが可能。毎回の返済額が軽減されるチャンス2.最短でその日のうちに顧客の口座へ振込む最短即日融資3.限度額300万円までなら収入証明書原則不要4.ATM手数料は完全無料で、全国のコンビニなどで365日利用OK5.じぶんローンの金利は3.9%~17.5%(年率)。auユーザー限定で最大年0.5%の金利優遇
2014年10月08日NECは、社会保障・税に関わる番号制度(以下、マイナンバー制度)において、地方公共団体がマイナンバー制度に対応するために、通信ネットワークのセキュリティ対策を行う「マイナンバー対応ネットワーク・セキュリティソリューション」を体系化し、10月3日より販売を開始すると発表した。マイナンバー制度は、2013年5月に公布された「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づいて施行されるもので、日本に居住する全ての人に、重複しない12桁の番号、いわゆる「マイナンバー」が付番され、これまで複数の行政機関で個別に管理されていた個人情報が紐付けられる。マイナンバーは、2015年10月から全ての対象者に通知され、2016年1月から社会保障・税・災害対策に関する行政手続きで利用開始。2017年1月から(地方公共団体は7月から)行政機関の間で情報連携が開始される。ソリューションは地方公共団体向けに、マイナンバー制度の特定個人情報を格納する「中間サーバ」へのネットワーク接続、地方公共団体内に複数あるネットワークの統合、特定個人情報へのアクセス管理、などにおけるセキュリティ対策を行う。また、マイナンバー制度への対応に向けたセキュリティ対策の簡易アセスメントを最初に実施し、先進のSDN(Software-Defined Networking)等を利用してきめ細かなアクセス制御を行うことで、高度なセキュリティ対策を実現する。NECが提供するソリューションメニュー一覧は次のとおり。各メニューにおいて、NECが地方公共団体のネットワーク環境に対して簡易アセスメントを実施。ネットワークのコンサルティングから、設計、構築、保守までトータルに提供。これらにより、地方公共団体がマイナンバー制度に対応するネットワークのセキュリティ対策を効率的に実現し、導入期間の短縮が可能となる。
2014年10月06日モスフードサービスは、7月8日より、全国のモスバーガー店舗(一部店舗除く)で、自社発行のチャージ式プリペイドカード「MOS CARD」に「MOSポイント」制度を導入する。「MOS CARD」は2012年4月に導入され、特典として入金金額に応じてボーナスポイントが上乗せして付与され、商品購入時には自動的にポイントが優先利用されていた。「MOSポイント」制度は、購入者の意思でポイントを利用でき、「ポイントが貯まる・利用できる」ことを実感してもらえるよう、入金金額と付与されたポイントを分けて管理し、レシートに表示するようにした。MOSポイントは、10ポイント単位で会計時に利用できる。有効期限は最終付与もしくは再修理用から1年間。7月19日~8月25日の期間限定で、「朝モス来店特典ポイント付与」が実施される。朝モスの時間帯(午前7時~午前10時30分)にモスカードで会計をすると、1会計につき来店特典として「MOSポイント」が5ポイント付与される。
2014年07月04日損害保険ジャパン(以下損保ジャパン)は1日、東京都で新設された「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度(以下ABL制度)」の利用促進を支援することを目的として、中小企業が保有する動産(在庫)・売掛債権を取り巻くリスクを補償する「ABL総合補償プラン」の提供を開始した。ABL(Asset Based Lending)とは、不動産等の従来型担保ではなく、動産・売掛債権等を担保とした企業向けの融資のこと。東京都は都内中小企業等の支援を目的に、新たな資金調達の手段を提供するため、このたび「ABL制度」を創設した。そこで損保ジャパンでは同制度の利用促進を支援する目的で、「ABL総合補償プラン」の提供を開始することとなった。○「ABL総合補償プラン」の概要「ABL総合補償プラン」の契約形態同プランは物流総合保険(「東京都ABL割引」として10%の保険料割引を適用)、取引信用保険にABL専用特約をセットしたもの支払う保険金融資を受けた中小企業の動産の偶然な事故(火災、風水災、盗難等)や、売掛債権が取引先の倒産により回収できない場合の損害に対して保険金を支払う。ABL専用特約により、商流の過程で変化する動産・売掛債権の財産的価値をすべて担保権とするABLの考え方に合わせ、保険金を支払う損保ジャパンは「ABL総合補償プラン」の販売を通じて、中小企業などの資金調達手段の多様化に貢献していくとしている。
2014年05月02日2006年、法律を扱う専門職である裁判官、検察官、弁護士の質を高め、法曹人口を増加させるために司法試験制度が変更になり、2012年には新たな試験制度へ完全移行した。現在では、法科大学院課程の修了または司法試験予備試験合格が義務づけられている。また、受験資格だけではなく、受験回数にも制限がある。法科大学院修了の日または司法試験予備試験の合格発表の日の後の、最初の4月1日から5年以内に3回しか受験することができない。これには、法科大学院や予備試験受験による教育効果が薄れないうちに法曹界へ進んでもらうという目的がある。しかしながら、難関である司法試験を突破しても簡単に就職できるわけではないという。また、閉校する法科大学院も増えており、そのあり方が見直されつつあるようだ。そこで今回は、変化の時期を迎えた法曹界の現状について調べてみた。司法試験の合格率は、2006年には48.25%だったが、2011年には23.53%まで落ち込んだ。これは、合格率の低い法科大学院既卒者の増加が原因といわれている。最難関といわれる司法試験に合格し、弁護士として活躍するにはどのような過程が必要なのだろうか。明治大学法科大学院出身の萩生田彩弁護士(65期)にお話をうかがった。――萩生田さんは、法科大学院を修了して司法試験の受験資格を得たとのことですが、従来の司法試験の受験や、司法試験予備試験の受験ではなく法科大学院への進学を選んだ理由を教えてください。萩生田弁護士「従来の司法試験はハードルが高く、合格率も高くありませんでした。また、私たちが法科大学院に進学したのは、まだ予備試験が創設されていないとき。そのため、多くの方は数年間の期間と学費を費やしてでも法科大学院への進学を選択するのですが、私もその一人でした」――法科大学院で学んでよかったと思うことについて教えてください。萩生田弁護士「司法試験委員を務める先生や、弁護士等の実務家の先生方に教えて頂けたこと、また、こうした先生方にいつでも質問できる環境にあったことが、司法試験合格に大変役立ちました。また、身近に司法試験の受験者が多いので、仲間同士で切磋琢磨することもできました。そのなかで、自分はどのように合格を目指せばいいかを模索することができ、この点においては、法科大学院で学んでよかったと思います」――試験に合格後、弁護士事務所に就職するためには、どのような活動をするのでしょうか?萩生田弁護士「出身法科大学院からの支援や、一般企業が開催するようなセミナーは特に印象にありませんが、弁護士会による合同説明会があるのでそれに参加する人が多いように思います。また、各事務所のホームページや、弁護士の求人などが掲載されている『ひまわり求人求職ナビ』というサイトで求人情報をチェックしたりします」――弁護士事務所の就職試験とは、どのようなものなのでしょうか?萩生田弁護士「これは事務所によってまちまちではないでしょうか。一般企業のようなSPI試験に類似した試験を行うところもあると聞いていますし、司法試験の成績・法科大学院の成績やTOEICのスコアなどの資料で判断するところ、筆記試験や口述試験を実施するところもあります」――弁護士でも就職難といわれていますが、実際にはどうでしょうか?萩生田弁護士「実際、本当に厳しいと思います。就職が決まらなくて弁護士会への一斉登録に間に合わない修習生もいます。もっとも、私の同期にも12月の登録に間に合わない者もいましたが、2月には就職先が決まっていました。今後はもっと厳しい状況になっていくと思います」弁護士といえども、就職難を実感することは少なからずあるようだ。また、司法試験の受験資格を得ると同時に、実務家による実務に即した指導を受けられる法科大学院への進学も一般的と言える。現在の司法試験の受験制度では、司法試験予備試験というものが新設された。司法試験予備試験では、「法律科目+一般教養」を問われる短答式試験、さらに法律実務基礎科目が加わる論文試験、法律実務基礎科目に関する口述試験が課せられる。これをクリアしてはじめて司法試験の受験資格を得ることができる。しかし、司法試験法では、司法試験の実施目的を「法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習との有機的連携の下に行うもの」と定めている。司法試験制度が変更になったときに、司法修習制度も変更になり、法科大学院で学んだことを前提に修習を実施している。いわば、法科大学院は司法修習の一部に位置付けられているのだ。もちろん、法科大学院は司法試験予備試験の一部の役割も果たしている。ゆえに、法科大学院とは、司法試験の受験資格を得るためだけに存在するのではなく、司法修了後すぐに実務にとりかかれる人材を育成する機関と言える。そのため、法科大学院修了生と、司法試験予備試験合格者では、司法修習に入る前に大きな差が生じることもあるようだ。法科大学院は、法曹の質の低下防止、そして法曹人口の拡大を目的に2004年に開設された。法曹に必要な学識や能力を培うために、主に以下の4つの項目について学習する。・法律基本科目群:憲法、民法、刑法など・法律実務基礎科目群:責任感や倫理観の教育、法文書作成や模擬裁判などの実務体験など・基礎法学・隣接科目群:法哲学、外国法など・展開・先端科目群:労働法、経済法、知的財産法など修学期間は2~3年(法学既修者課程は2年、法学未修者課程は3年)。修了後には法務博士(専門職)が授与される。法科大学院は決して簡単に入学できるわけではない。入学時には、共通試験である法科大学院適性試験や学校ごとの個別試験が課せられる。法科大学院のカリキュラムは、基本的に司法試験の受験および合格に十分有益となる内容となっている。また、実務科目・臨床科目(模擬裁判、リーガルクリニック、エクスターンシップ等)が質・量ともに充実しているので、実際の法曹の仕事のイメージをつかみやすい点にメリットがあると思われる。このように、法科大学院は新たな司法試験制度において重要な役割を果たしているが、具体的にはどのようなことを学ぶのだろうか。成蹊大学法科大学院の尾関幸美教授にお話をうかがった。――学生が司法試験に合格するために、どのようなカリキュラムを組んでいるか、どのようなサポートをしているか教えてください。「全体を通して、法律基本科目を着実に修得し、応用・発展へと段階的に実力を養成できるカリキュラムとなっています。本学では、1年次に法律基本科目を中心に学び、さらに別途、基本演習を設け、必修科目の授業を補いつつも、応用力の向上を目指します。実務科目も必修となり、実務家教員による実践的な授業を行います。法律を理論的に体系的に学べ、実務に必要な素養を身につけるという点で、法科大学院には予備試験の勉強では得られない利点があると言えるのではないでしょうか」――この学習内容について、学生の反応はいかがでしょうか。「学習環境、施設にはかなり満足しているように感じます。カリキュラムについては、実務を身につけられたことに加え、おおむね試験に役立ったと思われている修了者が多いようですね。とくに、演習科目に加え、リーガルライティング、クリニック、模擬裁判などの実務基礎科目に力をいれた学生は合格率が高い傾向にあります」――現在の制度では、予備試験に合格すれば司法試験を受験できますが、法科大学院出身者との違いはありますか。「予備試験の受験者は、実務科目・臨床科目を学ぶ機会はありません。ですので、具体的な裁判手続および、法曹の仕事のイメージをつかみにくいのではないでしょうか。理論と実務を架橋することで、生きた法律学を学ぶことこそが、法科大学院の最大の利点。司法修習の一部と位置づけられているのはそのためだと考えています」――「理論と実務を架橋した法学教育」とは、具体的にどのようなものでしょうか。「本学では、法学の基礎的な知識・理論と、実際にそれがどのように法曹の仕事の中で活用されているのか理解できるように、実務科目や、模擬裁判、リーガルクリニック等の臨床科目を充実させました。これを少人数クラスで実施し、つねに教員が学生と質疑応答することで、学生の理解度を計りながら、授業を進行しています」――予備試験の導入で司法試験制度が変ったことにより、法科大学院は今後どのように変わっていくと思いますか。「時間と金銭的負担を考えれば、短期的には予備試験の方が効率的と思えるかもしれません。しかし、合格後の就職や実務についてからのことを考えると、法科大学院で学んだことが役に立つはずです。幅広い人脈を築くこともできますし、単なる受験勉強に制限されない体系的な法律学の学習、実務科目によるイメージトレーニングなども学べます。ここに利点があることは間違いありません」ビジネスのグローバル化や企業法務のニーズが高まる中、弁護士の需要は拡大し、業務も細分化している。法科大学院が生き残るには、このようなニーズに応えられる学びの提供が必要。受験資格の獲得や法律理論だけではなく、実務を経験できる法科大学院はさらに重要視されるのではないだろうか。(本記事は、2013年6月時点の情報に基づき執筆されています)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月20日三井住友銀行は30日、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下介護施設)を融資対象不動産とする「介護施設提携ローン」(以下同商品)を開発し、大和ハウス工業との提携により同商品の取扱いを開始した。わが国で高齢化が急速に進展している中、厚生労働省は「平成24年版厚生労働白書」において、高齢者支援サービスを提供する住宅の確保が極めて重要である一方、欧米各国と比較してその整備が立ち遅れているため、国土交通省と連携しながら介護施設の供給促進を図っていくこととしている。また、2011年10月に施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律」により「サービス付き高齢者向け住宅制度」が定義され、超高齢社会の本格的到来に応じた環境整備が進展しつつあるという。このような背景のもと、同行は高齢者向け商品・サービスの充実は社会的な課題の解決に向けた重要な取り組みであるととらえ、このたび超高齢社会における重要な社会基盤である介護施設の供給促進に向けて、ストラクチャードファイナンスのノウハウを活用し、介護施設を専らの融資対象不動産とする新たな融資商品を開発した。同商品は、土地の有効利用を希望する顧客(以下オーナー)、不動産の転貸事業を営む同行との提携企業、同行の3者が介護施設の建設、建設資金の融資、高齢者支援サービスの提供などの役割をそれぞれ分担して協力する点において特長ある商品。具体的には、同行からの借入によりオーナーが建設した介護施設を提携企業が一括して賃借した上で、高齢者支援サービスを提供するという商品内容であり、同行は同商品により市場への介護施設の新規供給をサボートするもの。このたび同行は、サービス付高齢者住宅の賃貸事業と建設工事受注の拡大をグループの中期経営計画の主要施策として掲げ、かつ同商品の趣旨を評価した大和ハウス工業と、同商品の取扱いにおいて第1号となる提携基本契約を締結した。この提携により、同行の顧客のみならず、大和ハウス工業の顧客にも介護施設の供給促進に協力してもらえる可能性が広がるだけでなく、大和ハウス工業の豊富な不動産賃貸と介護施設建設のノウハウを提供してもらうことで、質の高い介護施設をより安定的に市場に供給することの出来る体制が構築されることになるという。今後も同行は、同商品の提携企業を増やしていくことなどを通じて、介護施設の供給促進に向けた取り組みを継続することにより、高齢者向け商品・サービスの充実を先駆的・積極的に推進し、高齢者が安心していきいきと生活できる社会の実現に貢献していくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年05月31日ローソンはこのほど、社員自らが健康を意識し、働きやすく能力を発揮できる体制を作ることを狙い、社員の健康をサポートする独自の社内制度を開始した同社では、社員が自らの健康を意識し今後も生き生きと働いていくため、社員の健康をサポートする独自の社内制度を開始。健康アクションプランの提供、職場への健康機器の設置、健康診断の受診率向上制度の実施の3つが、主な取り組みとなる。定期健康診断の結果で血糖・血圧・肥満のリスクが高かった社員に対して個人別に「健康アクションプラン」を提供。生活習慣改善にむけた食事と運動の内容を個別が提示される。また対象者には、専門家による個別健康指導が行われるほか、タニタ社製の通信対応(ローソン店頭のLoppiで簡単に記録可能)歩数計と、独自に開発したスマートフォン用の「健康アクションプランアプリ」を配布。体重・歩数データ・食事内容・摂取カロリーなどをアプリ内に記録し、体質改善に向けた指標として活用を促すという。全社員が健康診断受診ならびに体質改善に取り組むことを目的に、会社が実施する定期健康診断・人間ドックを受診できなかった社員には、年度内の受診を計3回通知。1年間受診しなかった社員と直属の上司には、翌年度5月末に支給される賞与から本人15%、直属の上司10%を減額するという。さらに受診後に再検査が必要と勧告された対象者が、再検査を受けない、もしくは数値改善に向けた取り組みを行わない場合、同様に本人の賞与から状況に応じて2~8%、直属の上司は10%を減額する。2013年度内に実施する健康診断から、同社の社員3,490名を対象に制度を開始するとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月28日武蔵野銀行は27日、埼玉県・特定行政庁11市(※1)が進めている、耐震化支援策(※2)に対応するため、むさしの「耐震対策支援融資」の取扱いを開始した。同商品では、埼玉県・特定行政庁11市の「建築物耐震化補助事業(戸建住宅を除く)」の助成対象となる、本社ビルや工場、アパート・マンションなどを持っている法人・個人の顧客を対象に、建築物の耐震診断や耐震改修を行うための資金を、通常よりも低減した金利にて利用することができる。今後も同行は、埼玉県との連携を強化し、大規模地震に強いまちづくりを積極的に支援していくとしている。事業用不動産を持っている法人・個人事業主の顧客の対象商品融資対象者は埼玉県または特定行政庁11市より耐震改修にかかる補助金交付決定通知(補助金の交付決定が分かる書面)を受領している法人・個人事業主の人使いみちは自社所有建物の耐震診断・耐震改修工事を行うために必要な設備資金融資金額は1百万円以上(1百万円単位)で、融資期間は1年超20年以内(据置期間は最長1年以内)賃貸用不動産を持っている個人の顧客の対象商品融資対象者は融資年齢満20歳以上で、原則、同行指定の保証会社の保証が受けられること、そして埼玉県または特定行政庁11市より耐震改修にかかる補助金交付決定通知(補助金の交付決定が分かる書面)を受領していること使いみちは自社所有建物の耐震診断・耐震改修工事を行うために必要な設備資金融資金額は1百万円以上300百万円以下(10万円単位)で、融資期間は30年以内(据置期間は最長1年以内)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月29日りそなグループの近畿大阪銀行はこのほど、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」に基づき太陽光パネルを設置する事業者の資金需要に応えるため「近畿大阪再生可能エネルギー応援融資」の取扱いを開始すると発表した。同商品は、自社工場や収益物件などの屋上、遊休不動産などの有効利用を目的として太陽光パネルを購入、設置し再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づき売電する事業者が利用できる融資制度。近畿大阪銀行では、再生可能エネルギーの活用が注目されるなか、8月1日よりやまと建設と業務提携し太陽光発電システム設置ニーズに応えるサービスを始めているが、同商品の取扱開始により、太陽光パネル設置業者の紹介から資金支援まで一貫して支援できる体制が整ったとしている。今後は、更に幅広い顧客のニーズに応えることができるよう業務提携先企業の拡大も図っていくという。近畿大阪銀行は、さまざまな取り組みを通じて創エネ・環境負荷軽減に向けた関西の事業者の取り組みを積極的にサポートするとともに、地元経済全体の安定および成長に貢献していくとしている。申し込みできる人「再生可能エネルギー特措法」の認定発電設備に該当する太陽光パネルを設置する事業者(法人・個人事業主)融資金額1先につき合計300百万円以内融資期間原則1年以上15年以内取扱期間2012年9月3日~2013年3月29日【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月10日武蔵野銀行は7月に導入された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を活用し、太陽光発電事業へ参入する顧客向けに、10日からむさしの太陽光発電事業支援融資「太陽の恵み」の取扱いを開始した。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」とは、再生可能エネルギーの普及・拡大を目的に、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度。融資対象者は、同制度を利用する法人や個人事業主で10kw以上の発電能力を有する太陽光発電事業に必要な設備資金に使うことができる。融資金額は1000万円以上(100万円単位)、期間は1年超20年以内(据置期間1年以内)。金利は固定金利(特約期間中)または変動金利で、固定金利の特約期間は、2年・3年・5年・7年・10年から選択できる。同商品は融資期間を最長20年としており、長期間にわたり太陽光発電事業を安定的に支援することが可能だという。同行は、今後も地元銀行として、環境に配慮している顧客を積極的に支援していくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月10日埼玉りそな銀行は、2日より、昨年に引き続き県内事業者の節電への取組みをサポートすることを目的とした「埼玉りそな節電対策応援融資2012」の取扱いを開始すると発表した。取扱期間は10月31日まで。同商品は、今夏の節電対策として、地元企業が行う設備投資ならびに、節電のための企業努力に伴い発生する必要資金を調達する際に、適用金利(同行所定金利)を割引するというもの。申込みできるのは、節電に取り組む法人・個人事業主で、資金使途は、今夏の節電対策にかかる設備資金および運転資金。節電にかかる資材を取扱う販売・工事業者の仕入資金としても利用できる。同行は、「同商品を通じてエネルギー需給対策の一助となる節電への取組みを積極的にサポートするとともに、今後も地域金融機関として地元経済全体およびの安定および成長に貢献していく」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月05日