ゴジラという破壊神を演じた野村萬斎が、『花戦さ』では平和神に。どちらにしても、神の奇跡を表現する奇跡の俳優だ。○破壊神から平和神へ野村萬斎というと“ゴジラの中の人”を思い浮かべる人も多いだろう。『シン・ゴジラ』(16年)があれだけヒットしたのだから無理はない。謎の巨大生物ゴジラを、神がかった表現力で重厚に見せた彼だが、実は彼の本質は、ゴジラとは正反対の、軽やかな明るさにある。現在、ヒット中の映画『花戦さ』は、そっちの野村萬斎らしい映画で、恐怖の破壊神から一転、明るい平和神のような人物を演じている。そのレンジの広さには感嘆するばかり。『花戦さ』は、戦国時代、暴君・豊臣秀吉に、“花”で対抗した奇特な男・池坊専好(初代)の物語だ。織田信長が死んで、天下統一に最も近づいた豊臣秀吉は、権力をふりかざし、気に入らない人物を無慈悲に殺していく。その犠牲者は女、子供にまで及んだ。そんな彼に、たったひとり、唯一無二の方法で対抗した男・池坊専好の闘い方を描いた小説が、TBSの日曜劇場『JIN-仁—』、NHK朝ドラ『ごちそうさん』、大河ドラマ『おんな城主 直虎』などの森下佳子の脚本によって映画化された。池坊専好(初代)とは、いまから555年前、京都で誕生した、いけばなの源流・池坊の当主。彼の武器は“花”。ペンは剣より強しという言葉があるが、専好は、花で剣に対抗した。いったいどうやって? 花で勝てるものなの? という興味が、映画の縦軸となっている。花のみならず、茶や絵画など豊かな文化が描かれ、文化的な生活への祈りに満ちた作品になった。専好は、どんな危機的状況にも明るく前向きに対処していくと言えば聞こえがいいが、物語のはじめは、このひと、大丈夫か? と一瞬心配になるくらい、その場からはみ出ている。最初はまだ少年時代というのもあるが、「はいッ」と野村萬斎が笑顔で返事すると、それまで深刻だった空気ががらりと変わる。そんな感じで、披露した生花に問題が発生、秀吉を怒らせて、あわや、お手打ちになりそうなピンチも、持ち前のユーモアで回避する専好。この出会いから、やがて、彼と秀吉は宿命の闘いをすることになる……。○”ありえなさ”に説得力を持たせる力いわゆる“型破り”な男を野村萬斎は強い説得力をもって演じている。何かと深刻な武士の世界で、腰を落してのしのしと歩く武士に対して、彼は宙を飛ぶように走る姿はアニメーションのよう。苦虫をかみつぶしたような表情をする武士たちに対して、破顔一笑という言葉がふさわしいような笑顔をふりまく。振り返ると、野村萬斎の明るさが全国的に注目されたのは、NHKの朝ドラ『あぐり』(97年)だった。もともと、狂言師として活躍していたが、舞台の世界を知る人は限られる。それが、作家・吉行淳之介、女優・吉行和子の母である吉行あぐりのエッセイをもとにした朝ドラで、ヒロイン(あぐり)の夫で、風変わりな人物・エイスケを演じると、たちまち人気は拡大した。実在の旦那さまは妻より先立つのだが、「殺さないで」という嘆願が殺到したというエピソードは有名だ。それほど、いつでもどこでも明るく、ルールにとらわれない開放的な人物像は魅力的だった。このときも、萬斎が出ると、画面が何割も明るく見えた。その後、安倍晴明の映画『陰陽師』(01年)も大ヒットし、舞台活動のみならず、映像の世界でも活躍していく。『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督の映画『のぼうの城』(12年)では、一見、でくのぼうに見えながら、農民にも別け隔てなく接し、城のピンチに奇想天外な作戦を考えつくユニークな武将を演じていた。野村萬斎の明るさの根源は、彼が狂言師であることだ。「狂言」とは庶民を主役にした喜劇だ。この「狂言」と対をなすのが「能」で、貴族や上流階級の者を主役にしたシリアスな演目。「狂言」と「能」を合わせて「能楽」と呼ぶ。萬斎によるゴジラの歩き方が、能楽の手法・すり足を使っていることは有名だが、さらに彼は、手のひらを上にあげた神がかった動きを考案し、『シン・ゴジラ』のゴジラの風格をあげた。狂言師として活動する一方、萬斎は、ギリシャ悲劇やシェイクスピアの悲劇に挑んでもいて、静と動、悲劇と喜劇などを人間の相反するものを、偏らず見つめ、体現してきた成果が、幽玄の世界に近いゴジラの動きにも生きたのだろうと思う。『花戦さ』では、狂言における軽やかさを生かしたと思われる萬斎だが、花をいけるシーンとなると、集中力がハンパなく、実に崇高に見える。喜劇であろうとシリアス劇であろうと、伝統芸能・狂言の担い手として幼少時から研鑽を積んだことが、その所作に現れるのだ。能楽は、戦国時代以前、室町時代から存在していて(その歴史は600年と言われる)、信長も秀吉もそれを愛した。だからなのか、野村萬斎は、『花戦さ』の時代と馴染む。それは歌舞伎俳優にも言えることで、秀吉役の市川猿之助との共演シーンは、不思議なほどしっくりする。能楽といけばなの歴史も近い。どちらも、先人の思いを長く大切に受け継ぎ育み続けることでは共通。その果てしない営みが、花で武力に挑むことも可能ではないかと思わせる。野村萬斎は、ありえないことを起こす力を、身をもって信じせてくれる、奇跡の男だ。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。
2017年06月14日公開初日を迎えた映画『花戦さ』の舞台あいさつが3日、東京・丸の内TOEIで行われ、野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作、篠原哲雄監督が出席した。この日は、豊臣秀吉に立ち向かう主人公の花僧、初代・池坊専好を演じた野村萬斎をはじめとするキャスト陣と篠原監督が勢揃い。主演の野村は「本当に今日という日を迎えられて嬉しいです。じっくり観ていただきたい映画で、1つ1つのシーンも見どころだと思いますが、何度も観ていただけたらと思います」とあいさつ。その野村扮する専好と秀吉(市川猿之助)、織田信長(中井貴一)、千利休(佐藤浩市)、前田利家(佐々木蔵之介)が共演した冒頭のシーンについて野村は「ロイヤルストレートフラッシュという噂もありますけど(笑)」と笑わせつつ、「もちろん撮影中は緊迫感がありましたけど、みんな仲良くというか、大勢人が出るシーンは時間が掛かるので、和気あいあいとやりました。みんながわりと京都弁に慣れようと京都弁を話している時に無理やり参入しようか戸惑っていました」と振り返り、初めて織田信長を演じた中井は「このメンバーだから1日で終わったんでしょう。異種格闘技戦みたいな感じで頑張りました」とジャンルが違えど芸達者な5人の力で乗り切ったことを賞賛していた。日本の伝統文化において同じ心を通じ合わせた天才花僧の専好と天下の茶人・千利休を演じた野村と佐藤。MCから「演じて分かり合えたことは?」という質問に佐藤は「この人(野村)の前で文化芸能は語れないでしょう」と恐れ多い様子だったが、「改めてというよりも野村萬斎を間近で見られる面白さはすごく楽しめましたね。お客さんになれました」と刺激を受けた様子で、野村も「2度目の共演で、けったいな役が多いので受け止めていただける方がいるってことは幸せなことだと思います」と佐藤に感謝しきりだった。野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐藤浩市といった狂言、歌舞伎、日本映画界を代表する俳優陣が共演を果たした本作。暴君と化した豊臣秀吉(市川猿之助)の圧政から町衆を守るため、真っ向から秀吉に挑んだ花僧、初代・池坊専好(野村萬斎)の大勝負を描く。
2017年06月04日今週末に公開を控えた映画『花戦さ』に主演する能楽師で俳優の野村萬斎が、5月29日(月)今夜放送の日本テレビ系バラエティ「しゃべくり007」に出演。「ネプチューン」「くりぃむしちゅー」「チュートリアル」らとトークや企画を繰り広げる。狂言の世界だけでなく映画、テレビなどで幅広い活躍を見せる野村さん。大河ドラマ「花の乱」の細川勝元役や映画『陰陽師』シリーズでの安倍晴明役、最近では『のぼうの城』での成田長親(のぼう)役などが印象深いなか、昨年公開された『シン・ゴジラ』ではゴジラのモーションアクターを担当。同作のゴジラの独特の動きやポーズを生み出したことも大きな話題となった。そんな野村さんが今回トークで狂言の型を紹介する。「月を見る」「笑い方」などからトークが広がり、狂言風に「タクシーを止める」など狂言の型を使った様々な表現を見せる野村さんに注目だ。また企画は「狂言か?真実か?野村萬斎のウワサ007」ということで野村さんにまつわる数々のウワサの真相に迫っていく。「女優に会いたいからドラマに出る」というウワサは果たして真実なのか!?また今回は野村さんのほか、話題の芸人・みやぞんもゲストで登場。「イッテQ!」で見せる驚異的な身体能力が話題のみやぞんの様々な特殊能力が紹介される。野村さんの主演最新作となる映画『花戦さ』は、豊臣秀吉の圧政に立ち向かった実在の花僧“池坊専好”の姿を描いた作品。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連る花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった――。野村さんが信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった京都の花僧・池坊専好を演じるほか、専好と対立することになる天下人・豊臣秀吉役に市川猿之助、茶人・千利休役に佐藤浩市、織田信長役に中井貴一、前田利家役に佐々木蔵之介、吉右衛門役に高橋克実、れん役に森川葵、そのほか山内圭哉、和田正人、吉田栄作らが出演。また竹下景子が専好の良き相談相手として頼りにする尼・浄椿尼役を演じる。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。「しゃべくり007」は5月29日(月)22時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年05月29日野村萬斎、市川猿之助、中井貴一ら「狂言×歌舞伎×日本映画界」のトップが競演する映画『花戦さ』。この度、来月6月3日(土)に公開を控えた本作から、豪華俳優陣が顔を揃え、演技合戦を繰り広げたシーンのメイキング映像が到着した。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連る花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった――。本作は、信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった、池坊専好という実在した京都の花僧の物語。そんな池坊専好役を務めるのは、狂言師・萬斎さん。ほかにも、専好と対立することになる天下人・秀吉役を猿之助さん、茶人・千利休役を佐藤浩市、信長役を中井さん、前田利家役を佐々木蔵之介、吉右衛門役を高橋克実、れん役を森川葵が演じ、戦国時代、時の天下人である秀吉に専好が単身立ち向かう姿を痛快に描いていく。そしてこのほど公開されたメイキング映像では、まず織田信長に所望され、池坊専好が自ら花を披露するシーンの撮影現場に入る猿之助さんらが映し出される。巨大な松のいけばな「大砂物・昇り龍の松」を吟味する信長に対峙する専好、庭先に豊臣秀吉、千利休、前田利家が控えており、その緊迫したシーンを中心に映像が構成されている。東映京都撮影所に組まれた岐阜城の大広間セットで繰り広げられた芝居は、名優たちの共演といった生易しいものではなく、ジャンルを越えて表現者たちがぶつかり合う、演技の熱量はすさまじい。「さすがは上様でございますな。お見事でございます」と笑う若かりし秀吉や、「何故、このような松を?」という信長の問いかけに天真爛漫に「て、て、天に向かって、その、グワワワーっと…」と答える専好さながらに、セリフをシャドーアクティングと称して練習する萬斎さん。また、「武人たる者、茶と花を、人の心を大事にせよ」と武人道を説く信長が、「猿!」と秀吉に呼びかけるも印象的。さらにほかにも、権力者となった秀吉と利休が茶室で激しくも静かに繰り広げた「合戦」と呼ぶにふさわしい、のちの悲劇を暗示させるシーンなども織り込まれている。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年05月23日今夏、世田谷パブリッシアター開場20周年記念公演として上演される『子午線の祀り』。1979年初演の、木下順二による不朽の名作に、同劇場芸術監督の野村萬斎が満を持して演出に挑む。舞台『子午線の祀り』チケット情報「『子午線の祀り』は、いわば僕の演劇の原体験なんです」と萬斎は語る。父(野村万作)が初演から出演していたこともあり、1979年の初演時から折あるごとに観劇していたと言う。そして1999年、32歳で平知盛役に初めて抜擢され、2004年の再演にも出演した。「古典的な『平家物語』の世界と現代劇との融合、歌舞伎や新劇など色んな出自の方々が己のスタイルをぶつけあって最終的にひとつの作品をつくりあげる、今の僕のすべての精神は『子午線の祀り』から始まったと言っても過言ではありません」萬斎にとって今作を演出するのは初めて。「今回の新しい演出の重要なテーマは“レクイエム”です。作品を通じて、観客は歴史や宇宙の運行という自分ではコントロールできない大きな世界と出会い、人はただ生かされているということを知る。それはひとつの“弔い”の儀式と言えるのではないかと思うんです。生も死も、等しく肯定せざるを得ない」主人公の知盛は13年ぶりに演じる。「クライマックスでの知盛の“見るべき程の事は見つ”という台詞は死が見えていない人には言えないものです。年齢を重ねた今なら、より真に迫って言えると思う。抗えない老化もひとつの無常ですから。諦念を持ちながらも、自分の生を全うしたという思いを持たないと、この台詞に真実味を持たせるのは難しい」。共演は、近年活躍目覚しい成河をはじめ、前進座の河原崎國太郎、実力派俳優の今井朋彦、村田雄浩、若村麻由美らが名を連ねる。「今回成河君にお願いする義経は、私の父や歌舞伎俳優の市川右近さんなどが演じてきた、古典的様式美が必要とされる役でした。でも今回は様式性よりも(萬斎がモーション・アクターを務めた)『シン・ゴジラ』ならぬ“シン・義経”にしたかった(笑)。成河君は身体にキレがあるし声も高くてよく響く。新しい義経像を作っていただけると期待しております」最後に、世田谷パブリックシアター20周年に寄せて、自身の芸術観を語ってくれた。「現代のアートは、ほとんどの作家が一代限りですよね。古典芸能は後継者に自分のDNAを入れこみ、無形文化財という伝統の厚みをつくる。芸術監督たるもの、パブリックに文化を担っている意識で、狂言が滅びないようにするのと同じように、現代演劇の天才たちのつくる演劇文化を残していきたいです」東京公演は7月1日(土)から23日(日)まで。世田谷パブリックシアターにて。なお、チケットぴあでは5月1日(月)よりインターネット先行申込みの受付けを開始する。チケットは5月14日(日)一般発売。取材・文:落 雅季子
2017年05月01日京都で人気の『辻利』が関東初出店。辻利銀座店(つじリぎんざみせ)として、2017年4月20日(木)、ギンザ シックス(GINZA SIX)の地下2階に開店する。和の雰囲気とモダンなたたずまいを融合した銀座店では、お茶や限定のスイーツの販売スペースと、こだわりの抹茶メニューをテイクアウトできるカフェスタンドを併設。辻利のお点前用の高級抹茶を通常の2倍量使用した銀座店限定「辻利ソフト濃い茶」は、訪れた際は必ずチェックしておきたい。さらに、抹茶・煎茶や生八つ橋など、お土産や自宅用におすすめの商品も数多く店頭に並ぶ。また、抹茶・ホワイトチョコの濃厚な生地を低温でじっくり焼き上げた「辻利京濃い茶テリーヌ」も限定登場。抹茶のほろ苦さとチョコレートの濃厚な味わい、爽やかなイチゴのゼリー菓子(パート・ドゥ・フリュイ)の香りを一度に楽しめる、ここでしか味わえないスイーツだ。【店舗情報】辻利 銀座店(ツジリ ギンザミセ)住所:東京都中央区銀座6-10-1GINZA SIXB2TEL:03-6263-9988(開通日4月20日)■メニュー例・辻利ソフト抹茶 520円(税込)・辻利ソフト濃い茶 630円(税込)※銀座店限定・京濃い茶テリーヌ 2,700円(税込)※銀座店限定・京濃い茶ロールお点前抹茶糖付き 1,620円(税込)・京濃い茶バウム 2,160円(税込)・京濃い茶くるみ4個 1,080円(税込)8個 1,998円(税込)
2017年04月10日3人の30代の演出家が昭和30年代に書かれた戯曲に取り組む「かさなる視点―日本戯曲の力―」の第2弾として、上村聡史が安部公房の「城塞」に挑む。開幕まで1か月を切った3月中旬、稽古場に足を運んだ。【チケット情報はこちら】軍需産業で成り上がった“男”(山西惇)には、“拒絶症”を患う父(辻萬長)がいる。拒絶症とは、ある時から自分の中の時間を止めてしまう病。発作時だけかつてのように正気を取り戻す父に、男は妻(椿真由美)や従僕(たかお鷹)を巻き込み、終戦直後のある一日を再現してみせる。幾度も繰り返されるそんな芝居にうんざりした妻は、父を精神病院に送る計画を立てる。男は妻に代わりストリッパーの女(松岡依都美)を雇い、最後の芝居を打つが……。上村は「“戦後”と対峙したいという思いでいくつかの戯曲を読んだ中で、この作品から“いま”を感じた」と語る。「登場人物たちが、戦争の被害者意識と加害者意識を巧みに、無自覚に使い分けているさまが、すごく利己的であり、どこかで現代と繋がっている気がしました。“忘却”は日本人の特性かもしれないけど、終戦から時間を経て、僕らはどんどん忘れていく。そこでいま一度、この作品を通じて日本を批評したい」とこの戯曲を選んだ意図を明かす。稽古を見ると、上村はとにかく頻繁に芝居を止め、演出席から舞台へと足を運び、立ち位置、動き、セリフのニュアンスまで幾通りも試していく。「俳優たちと一緒に批評性を持って作っている」「稽古中はとにかくみんなうるさい(笑)」という上村の言葉通り、俳優陣からも次々と質問や提案が飛ぶ。特に、精神を患い幼児のようになった父を演じる辻、そんな彼を世話する従僕を演じるたかおのベテランコンビは、毎回のようにセリフに込める感情から動きまで変化させ、“怪演”と言うにふさわしい変幻自在の芝居を見せる。まさに病める父親に振り回される邸内の者たちといったところだが、山西、椿、松岡もさすがの反射神経でベテランふたりの好きにさせまいと応酬する。山西演じる“男”は、父親を病院に入れなければ禁治産処分(※財産を自由に処分する権利を失う措置)にすると妻から脅され、なんとかそれを回避しようと奔走するのだが、忌まわしい過去の“記憶”に囚われ、本当に病んでいるのは父ではなく自分なのではないかと苦悩する。男のモノローグは、辻とはまた違った鬼気迫るような圧巻の存在感を放つ。そこから、物語はクライマックスへ――。病んだ父を外へと引きずり出し、また再び時計の針を“あの時”へと戻し、父と息子の対峙へと向かうのだが、このふたりのやり取りはどこへ向かい、たどり着くのか……。それぞれに言い訳、自己弁護、理由を抱えた者たちが“芝居”の力を借りて、自らを正当化しようと戦う――日本人…いや、人間の本能のぶつかり合いが心に突き刺さる。「城塞」は4月13日(木)より東京・新国立劇場小劇場で上演。取材・文・撮影:黒豆直樹
2017年03月24日池坊専好役の野村萬斎をはじめ、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市ら「狂言×歌舞伎×日本映画界」のトップが集結する映画『花戦さ』。この度、本作の本予告とポスタービジュアルが解禁され、前売り鑑賞券も4月1日(土)より販売されることも決定した。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連ねる花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく命ある花の美しさだった――。本作は、信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった、池坊専好という実在した京都の花僧の物語。花を生けることで戦乱に生きる人々の心を救う花僧・池坊専好役に萬斎さん、専好と対立することになる天下人・秀吉役に猿之助さん、茶人・千利休役を佐藤さん、信長役を中井さん、前田利家役を佐々木さん、吉右衛門役を高橋克実、れん役を森川葵が扮し、戦国時代、時の天下人である秀吉に、専好が単身立ち向かう姿を痛快に描いていく。このほど公開された予告編では、時の権力者・秀吉の離宮を自害へと追いやることになる鬼気迫る怒りの表情や、信長の君主として凛とした佇まい、利家の専好に対する穏やかな表情、そして利休の包容力溢れる人柄が一目で分かる映像に。また、豪華メンバーが一同に会することになる映画冒頭、岐阜城の大広間のシーンで、10人がかりで14日間かけて作り上げた、松を昇り龍に見立てた幅4m55cm巨大な松のいけばなも登場。信長をして「見事なり」と言わしめ、専好の花の名手たる所以を一目で伝える迫力。しかし一転、「利休の話をするな」と怒り、驕り高ぶる秀吉も映し出され、「仏なんか どこにおるんや?」と涙する専好が「花をもって世を正そうぞ」と思いを込め、一世一代の「戦さ」へ突き進む姿が描かれている。さらに同時に解禁されたポスタービジュアルでは、「秀吉ギャフン」というコピーとともに、菖蒲の花を手に一世一代の大勝負に挑む専好をはじめ、生き生きした表情の登場人物たちが集結する、華やかな一枚となっている。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年03月17日京都・宇治の老舗「辻利」京都店から、3種の秋限定メニューが登場。2016年9月1日(木)から11月末までの期間限定で提供される。「辻利ソフト 秋のパルフェ」「辻利ソフト 秋のパルフェ」は、辻利の抹茶をふんだんに使った抹茶ソフトクリームに、栗あん、紫芋の八つ橋と紅葉の砂糖菓子をトッピングした秋の味覚が満載のパフェ。「京ラテ スムージー アップルパイ」&「京ラテ フロート つぶ栗」「京ラテ スムージー アップルパイ」は、八つ橋瓦とキャラメルソースを合わせた京ラテ スムージーに、角切りりんごとシナモン、大きめに砕いたパイをトッピングした一杯。そしてもう一方の限定ドリンクは、「京ラテ濃い茶」に辻利ソフト、まろやかな栗あん、白玉をトッピングした「京ラテ フロート つぶ栗」。どちらも濃厚な和の味わいを思う存分堪能出来る一杯となっている。【商品情報】「辻利 京都店」秋限定メニュー販売期間:2016年9月1日(木)〜11月末価格:・「辻利ソフト 秋のパルフェ」648円(税込)・「京ラテ フロート つぶ栗」Sサイズ 594円(税込)、Lサイズ 648円(税込)・「京ラテ スムージー アップルパイ」 Sサイズ 626円(税込)、Lサイズ 680円(税込)<店舗情報>辻利 京都店住所:京都府京都市東山区四条通大和大路西入中之町 215営業時間:11:00~20:00(年中無休)
2016年09月17日女優・森川葵が、狂言師・野村萬斎と歌舞伎俳優・市川猿之助が異色の共演を果たす映画『花戦さ』(2017年公開)に出演することが27日、発表された。原作は、文禄3年(1594年)に池坊専好が豊臣秀吉に披露したといわれる「大砂物」(全幅7.2メートル、高さ3.5メートルに及ぶ立花)から生まれた伝説に着想を得た、鬼塚忠氏の小説『花いくさ』。初代・池坊専好という花の名手と千利休の友情や、京都の町衆である六角堂にいる花僧が、権力者・豊臣秀吉の乱心に、刃でなく花をもって相手をあだ討ちするストーリーに感銘を受けた製作側が、映画化を企画した。森川が演じるのは、原作では描かれていないオリジナルのヒロインで天才絵師の"れん"。劇中で重要な役割を担うキャラクターで、戦国時代に生きており、ある出来事から心を閉ざしていたものの、専好(萬斎)に助けられ、少しずつ変化していく少女という役どころだ。このキャスティングは、本作を手がけた脚本家・森下佳子氏の強い推薦によって実現したという。現場では、ベテラン俳優陣に囲まれる中、期待に応えてみせようと堂々とした存在感を見せている様子。森川演じるれんが劇中で描く画は、作品が大英博物館に所蔵展示されている版画家・小松美羽氏が担当する。「京都に来て、すごく集中して撮影に臨めた」と振り返る森川。最初は「大先輩方に囲まれて、とても不安ではありました」というものの、「実際現場に来たら楽しく毎日撮影することができました」とうれしそうに報告している。演じる上でのポイントとしては、「なるべくちょっとした表情や目の演技で表現するようにしました」と明言。萬斎からは、「時代劇でも、もっと自由に色んなことにチャレンジしてみて良いんだ、堅苦しくなり過ぎなくて良いんだ、ということを学びました」と話している。そんな萬斎は、「森川さんとは初共演」と打ち明け、「普段は、ハキハキしてますが、カメラの前では何とも言えない不思議な色気や一種のカリスマ性を感じました」と称賛。続けて自身の演じる専好が花に精通した人物であることを挙げながら「役柄としても、花と絵、それぞれのアーティストとして触発・尊重しあえる同志的な関係を演じられた」と達成感を口にした。
2016年06月27日狂言界のトップスター・野村萬斎を主演に歌舞伎界の若き大看板・市川猿之助、そして映画界からは中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市という、各界の日本を代表する俳優が競演する『花戦さ』。このほど、本作のヒロインとなる天才絵師役で、活躍著しい若手実力派女優・森川葵が出演することが決定。合わせて、坊主頭で主演に挑む萬斎さんとの2ショット劇中写真も解禁となった。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は、豊臣秀吉への引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名は、池坊専好。華道池坊の歴史に名を連ねる“花僧”たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった――。超豪華キャスティングの中、野村さんが生け花に関しては天才、でも天真爛漫な一面も持つ華道家元・初代池坊専好を演じる本作。今回さらに、4月から「A-Studio」の新アシスタントや、宮藤官九郎脚本・監督作『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』が公開中で7月スタートのドラマ「遺産相続弁護士 柿崎真一」も控える、女優の森川さんが出演することになった。森川さんは、本作の脚本を手がけた「ごちそうさん」「天皇の料理番」の森下佳子の強い推薦により大抜擢。原作では描かれていない映画オリジナルのヒロイン、天才絵師“れん”を演じる。れんは、戦国の世に生きる少女で、ある出来事から人に対して心を閉ざしていたものの、萬斎さん演じる専好に助けられ、少しずつ変化していく、という難しい役どころ。現場では、日本を代表するベテラン俳優陣に囲まれる中、21歳という若さにもかかわらず、期待に応える堂々とした存在感を発揮。その森川さん演じる“れん”が劇中で描く画は、作品が大英博物館に所蔵展示される世界的アーティスト・小松美羽が担当する。森川さんは、「これまでおしゃべりな役が多かったのですが、今回は表情のお芝居で勝負するのがすごく楽しみでした。なるべく、ちょっとした表情や目の演技で表現するようにしました」とコメント。「大先輩方に囲まれて、とても不安ではありましたが、実際現場にきたら楽しく毎日撮影することができました。萬斎さんの演技を見て、時代劇でも、もっと自由に色んなことにチャレンジしてみていいんだ、堅苦しくなり過ぎなくていいんだ、ということを学びました」と語り、撮影現場をふり返った。また、花僧・専好のために坊主頭になった萬斎さんは、「(髪型に関して)去年のはじめから短い状態が続いていましたが、いまはまるで高校球児の様ですね。専好さんは花に魅入られた天才的な人で、とらえどころのない天真爛漫さは上手く表現できたと思います。生け花は初めてでしたが、花と対峙するのは楽しい時間でした。花と狂言は限られたものの中で表現するという点は似ていると思います」とコメント。初共演となった森川さんについては、「普段は、ハキハキしてますが、カメラの前では何とも言えない不思議な色気や一種のカリスマ性を感じました。役柄としても、花と絵、それぞれのアーティストとして触発・尊重しあえる同志的な関係を演じられたと思います」と明かし、その言葉に手応えを込めている。『花戦さ』は2017年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月27日山口もえが総料理長6月9日(木)から6月22日(水)の期間、港区青山にてタレントの山口もえが名誉総料理長を務める「オイル de ヘルシーカフェ」がオープンする。オイルを「健康に良く積極的に摂りたいもの」とする新しい意識をアピールし、栄養豊富で美味しいメニューを提供するカフェだ。6月9日(木)にはカフェのオープニング記者発表会と内覧試食会が開催され、山口もえも登場。オイルと一緒に摂取することでカルシウムの吸収や沈着を助けるビタミンK2・ビタミンDといった脂溶性栄養素について説明をうけ、「摂れているつもりで摂れていない栄養があったことにビックリしました。今までもったいないことをしていたかもしれない」(プレスリリースより引用)とコメントした。オイルの魅力、もっと知りたい!カフェのメニューには、野菜などの脂溶性栄養素の吸収率をアップさせる「AJINOMOTO 毎日(R)栄養オイル ビタミンK2&ビタミンD」と、食事からしか摂れない必須脂肪酸を配合した「AJINOMOTO 毎日(R)栄養オイル DHA&EPA」を活用。彩りの良い前菜やサラダ、パスタやピザなど全10品のメニューを提供する。■「オイル de ヘルシーカフェ」概要期間: 2016年6月9日(木)~6月22日(水)店舗所在地: Royal Garden Cafe 青山東京都港区北青山 2-1-19電話番号: 03-5414-6170営業時間: 11:00-23:00 (ラストオーダー22:00)定休日: 年中無休(プレスリリースより抜粋)(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社J-オイルミルズプレスリリース※山口もえさんが名誉総料理長に就任! 不足しがちな栄養素をオイルで摂れる 「オイル de ヘルシーカフェ」オープン/@Press
2016年06月15日元モーニング娘。でタレントの辻希美(28)が、14日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『有吉弘行のダレトク!?』(毎週火曜23:00~23:30)で、ワンクリック詐欺に遭ったことを明かした。辻がワンクリック詐欺の話を始めると、有吉弘行は「エロサイト見てたの?」と質問。辻は「そうなんです」と照れ笑いし、「エロサイトというか、"辻希美のエロ画像"ってのがあって、なんだろう、ちょっと見てみようと思って押したら、どっかの会社にかかっちゃったんです」と説明した。「やばいと思ってすぐに消した」という辻だが、「通話になっちゃったみたいで、そこからはもう電話の嵐」と回顧。しかも、「名前も電話番号も全部言っちゃった」という。そして、最初の請求金額は「8万円」だったが、「どんどんどんどん1時間ごとに増えて、最終的に何十万になった」と明かした。陣内智則が「そんなん払わんでええねんで」と言うと、辻は「だれにも相談できなくて。エロ画像見たってだれにも言えなくて…」と当時の心境を告白。「銀行に行こう」と決め、ATMで振り込もうとしたという辻だが、「振り込み方知らないんですよ」と話すと共演者は大爆笑し、陣内は「良かったな、アホで」といじった。その後、母親に電話し、「振り込み方教えてほしい。今すぐ振り込まなきゃいけないから、とりあえず振り込み方だけ教えて」と話したら、母親は「バカじゃないの。とりあえず無視しなさい」とアドバイス。言われた通り無視していたら連絡は来なくなったという。有吉が「だんなに言ったの?」と夫で俳優の杉浦太陽に話をしたか聞くと、「言いました。そしたら同じ詐欺に遭ってた」と暴露。再び大爆笑が起こり、陣内は「なんやねん! 何"辻希美のエロ画像"見てんねん!」とツッコんだ。
2016年06月15日狂言師の野村萬斎が4月29日(金・祝)、都内で行われた主演作『スキャナー記憶のカケラをよむ男』の初日舞台挨拶に登壇。本作で初の現代劇に出演し「今後、もっとやりたいですね」と再チャレンジに意欲を燃やした。“残留思念”と呼ばれる人間の記憶や感情を読み取る(=スキャン)特殊能力をもった元漫才師の主人公・仙石和彦(萬斎さん)が、元相方とともに連続殺人事件に挑む異色ミステリー。「探偵はBARにいる」「リーガル・ハイ」などで知られる人気脚本家・古沢良太が書き下ろした。上映後の舞台挨拶に立った萬斎さんは、「腰、抜けましたか?」と結末のドンデン返しに思わずドヤ顔。「誰にも予測できない、摩訶不思議な作品」とアピールし、「厚着でアスファルトの上に手を置いたりするから、火傷しちゃうかもと思った」と真夏に行われたロケをふり返った。舞台挨拶には萬斎さんをはじめ、共演する安田章大、杉咲花、ちすん、金子修介監督が登壇。エリート刑事役の安田さんは、「すごく変態的な役で(笑)、こんな機会もないと演じられない」と新境地(?)で手応えたっぷり。そんな安田さんと対峙するシーンがある杉咲さんは「怖かったけど、笑っちゃった」とはにかんだ。また、ちすんさんは「夏の撮影だったので、セミの鳴き声をやむのを待つ“セミ待ち”の時間があった」と話していた。大型連休の初日を迎え、金子監督は「ほかの作品には負けたくない。例えば、カルタやゾンビ、ゴキブリとか」と同時期公開の『ちはやふる -下の句-』『アイアムアヒーロー』『テラフォーマーズ』をライバル視。 安田さんは「ゴールデンウィークの思い出は、家族で動物園に行き、草っぱらでおにぎりを食べたこと」。“草っぱら”という独特な表現に、登壇者&ファンは大受けだった。『スキャナー記憶のカケラをよむ男』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月29日狂言師・野村萬斎と芸人・宮迫博之が初共演を果たす『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』。公開を間近に控えた本作のように、野村萬斎×宮迫博之にみられるような面白いバディが、過去の映画にも多く存在しているようだ。たった1人薄暗い部屋で、熱帯魚相手に日ごと繰り返す男・仙石和彦(野村萬斎)。実はこの仙石、残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情)を読み取ることができるという、特殊な能力を持っていた。その能力をひょんなことから芸能事務所=峠プロダクションの社長・峠久美子(高畑淳子)に見込まれ、丸山竜司(宮迫博之)と「マイティーズ」というお笑いコンビを組まされる。一時はかなりの人気を博したものの、あえなく解散となって以来、仙石はマンションの管理人としての職を得て極力、人と会わないですむ生活を選び、一方の丸山はマイティ丸山として売れない芸人に逆戻り。「マイティーズのおふたりの力を借りたいんです。人を探してほしいんです」と突然、峠プロダクションを訪ねてきた女子高生・秋山亜美(杉咲花)。どこか思い詰めた様子の亜美の依頼は、長年慕ってきたピアノ教師・沢村雪絵(木村文乃)を探し出してほしいというもの。なんとか雪絵が失踪した現場の思念を読み取った仙石は、犯人と思しき謎の女の姿をとらえる。警察もあてにならないと踏んだ2人は、独自に捜査を開始することを決意する。果たして謎の女の正体とは?目的は?そして雪絵の行方は?事件の裏の裏をスキャンした仙石が見たものは、予想をはるかに超える残酷であまりにも美しい真実だった。「人間は醜い」そう心を閉ざし切っていた仙石が、ラストに流す一筋の涙の意味。人が人を想う強い気持ちが、優しく切ない奇跡を起こす── 。本作は、「相棒」シリーズ、『探偵はBARにいる』シリーズなどを手掛ける稀代のヒットメーカーとなった人気脚本家・古沢良太が書き下ろした、予測不能な異色の謎解きミステリー。キャストには、人間嫌いの超ネガティブな主人公・仙石を演じる萬斎さんをはじめ、かつてマイティーズとして仙石とお笑いコンビを組んでいた丸山竜司役に「雨上がり決死隊」の宮迫博之、そしてこのコンビを支えるキャスト陣には、「関ジャニ∞」安田章大、 杉咲花、木村文乃 、ちすん、 梶原善、風間杜夫、 高畑淳子が顔を揃えた。また、『デスノート』『デスノート the Last name』の金子修介監督がメガホンをとり、謎解きのミステリーとユニークなキャラクターたちが織りなすコメディを絶妙なバランス感覚で描き、一歩踏み込んだ深い人間ドラマとして本作を見事に昇華させている。映画の中心になって活躍するのは、かつて「マイティーズ」という名のもと、お笑いの地で活動していた仙石と丸山の”凸凹バディ”。真逆の性格を持ち、まさに火と油のようなふたりがどのように協力し、事件に挑んでいくのか行方が気になるところではあるが、世の中にはそんな凸凹バディの活躍する面白い物語が数多く存在する。まず、 本作の脚本を書いた古沢氏のバディ映画といえば、やはり『探偵はBARにいる』。 少し破天荒で名前のない”探偵”(大泉洋)と、なんだか頼りなく感じる相棒・高田(松田龍平)の探偵コンビは凸凹の性格ながらに続編を通して共に難事件を解決してきた。そのほかにも、『トリック』シリーズでは自称天才美人奇術師・山田(仲間由紀恵)と天才物理学者(阿部寛)のコンビ、また海外映画では、型破りな性格のJ(ウィル・スミス)と寡黙なJ(トミー・リー・ジョーンズ)主演の『メン・イン・ブラック』シリーズや、『最強のふたり』の車いすで生活している大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)と彼の介護者として働く羽目になった黒人青年のドリス(オマール・シー)の友情物語などなど、 お互いをいがみ合っていた関係から”最強のバディ”へと関係が変わっていく姿に心が打たれる作品も多い。そんな歴代バディたちに負けず劣らず、 本作のコンビも几帳面で真面目な仙石と、がさつで無神経な丸山という真逆っぷり。さらに仙石役の萬斎さんは狂言師、丸山役の宮迫さんはお笑い芸人という、今まで交わることのなかった異色のコンビということも話題だ。はたして、仙石と丸山のコンビは事件の謎を解くことができるのか!?そして、古沢作品史上“最強のバディ”になれるのか。ぜひ劇場で確かめてみて。『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は4月29日(祝・金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月25日映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』が、2016年4月29日(金)より全国の劇場で公開される。現代劇初出演となる野村萬斎が演じる主人公・仙石和彦は、残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読み取ることができる特殊能力を持った男。その能力を使い、マイティーズというお笑いコンビで日本中を湧かせたこともあったが、その能力の代償に精神をすり減らし、コンビを解散。以来、マンションの管理人として人目を避けた生活を送るようになってしまう。一方、仙石の相棒であり、元相方のマイティ丸山を演じるのが、数々のバラエティーに出演する傍ら、俳優としても数多くの人気ドラマ・映画で活躍する宮迫博之。とある出来事から、再会した仙石をなんとか外の世界へと引きずり出し、この二人にしかできない捜査で様々な事件に挑んでいく。脚本は、『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)共同脚本での日本アカデミー賞最優秀脚本賞に始まり、話題作となった『キサラギ』(07)、『探偵はBARにいる』シリーズ(11)(13)、『少年H』(13)など多くのヒット作を手掛ける人気脚本家・古沢良太による描き下ろしだ。そして、6年に公開され大ヒットを記録した『デスノート』、『デスノート the Last name』などを手掛け、ブリュッセル映画祭で観客賞を受賞するなど、国内だけでなく海外でも高く評価されている金子修介がメガホンを取る。予想を裏切り続ける緊迫した展開、ふたりのかみ合わない凸凹コンビが見せる笑い。狂言とお笑いという全く異なるフィールドで活躍する人気者同士が魅せる異色の謎解きミステリー、その化学反応やいかに。【作品情報】『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』公開日:2016年4月29日(金)キャスト:野村萬斎、宮迫博之、安田章大、杉咲 花、木村文乃、ちすん、梶原 善、風間杜夫、高畑淳子脚本:古沢良太音楽:池 頼広監督:金子修介© 2016「スキャナー」製作委員会
2016年04月23日野村萬斎、市川猿之助、さらに中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市と日本屈指のスター俳優が集結する映画『花戦さ』に、情報番組「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ)でもおなじみの高橋克実が参戦することが決定。意外にも、初めての時代劇映画出演を果たしている。16世紀、戦乱に荒れ果てた京の都にいた、花を生けることで世の平穏を祈り、人々に生きる希望を与えんとする「池坊」と呼ばれる僧侶たち。やがて織田信長による天下統一を前に、戦国の世も終わりを告げようとするころ、「池坊」の中でもひときわ異彩を放つ池坊専好は、信長の所望で「大砂物」なる大がかりな生け花を披露することに…。本作は、これまであまり知られることのなかった花の名手、初代・池坊専好と千利休の友情と、戦国時代において京都の町衆である六角堂にいる花僧が、彼らの代表者として、時の権力者である豊臣秀吉の乱心に、刃ではなく“花をもって”相手を仇討をする物語。鬼塚忠の小説「花いくさ」を、「JIN-仁-」「ごちそうさん」「天皇の料理番」などを手がけた脚本家・森下佳子と『小川の辺』など時代劇でもその手腕をみせる篠原哲雄監督が映画化した。野村さんや市川さん、中井さん、佐々木さん、佐藤さんといった狂言、歌舞伎、日本映画界のトップスターが共演するの痛快時代劇エンタテインメントに、新たに出演することになったのはテレビ、舞台、映画で大活躍中の高橋さん。時代劇ドラマの経験は多々あれど、意外にも時代劇映画出演は初めて。吉右衛門という六角堂で花の手習いを受ける町衆の代表格で、花だけでなく、お茶、絵画などの文化に通じているという人物。幼なじみの専好(野村さん)とはお互いに強い友情で結ばれており、花の名手ではあるものの、世俗には滅法疎い専好のことを何か気にかけている。今回の出演に高橋さんは、「映画出演はスケジュール的になかなか難しいので、オファーが来た時は単純に大喜びしました」とコメント。「狂言界と歌舞伎、映画界のそれぞれの第一人者が3つ巴の映画に参加させていただけるということで、とても興奮しています。萬斎さんも今回、難しい役どころをとてもキュートに演じられているので、楽しみにしてください」と意欲を見せる。一番の困難は京都弁だそうで、「いま一番自分の中に大きく立ち塞がっている壁です(笑)。ここをとにかくクリアするために、繰り返し繰り返し練習しています」とのこと。「吉右衛門という役は、幼なじみの専好を色々な面で明るくサポートする、町衆の代表。役作りというよりも、持ち前の自分の明るい気質を活かして演じています。また、お花の所作もその都度、教えてもらっています」と語っている。「粋な趣味人だけど、キザまではいかない。町の人から好かれる、親しみやすいキャラクター」と言うだけに、お馴染みの明るく楽しい高橋さんを、本作でも目にすることができそうだ。『花戦さ』は 2017年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月20日演出家・蜷川幸雄がシェイクスピア戯曲37作品の上演を目指す“彩の国シェイクスピア・シリーズ”。その第32弾『尺には尺を』で、藤木直人が初のシェイクスピア舞台に挑むこととなった。昨年、蜷川の演出舞台『海辺のカフカ』に出演し、ロンドンやニューヨークほかを巡るワールドツアーを経験。長いツアーが終わる直前に、本作への出演が決まったという。「尺には尺を」チケット情報「ようやく『海辺~』が終わる……と思っていた時だったので、ツアー最終のソウル公演の千秋楽は「でも、まだ終わらないんだな…。半年後にはもうシェイクスピアの舞台に立っているの!?」という気持ちでした(笑)。お客様の前で演じるのは当然エネルギーがいるし、緊張感もありますけど、何よりも蜷川さんの前で演じるほうが緊張するんですよ(笑)。だから、またあの稽古場の緊張感を味わうのか…って思いましたね」喜劇であると同時に、衝撃的な展開から問題劇とも呼ばれる本作。藤木が演じるのは、侯爵(辻萬長)の代理でウィーンの統治を任された青年アンジェロだ。とくに性道徳について厳しく市井を取り締まるなか、アンジェロは不貞の罪を犯した貴族クローディオに死刑を宣告する。しかしクローディオの妹イザベラ(多部未華子)に恋をしてしまい……。「内容が気になってしまって」という藤木は、上演台本を渡される前に、戯曲を購入して読んでみたそうだ。「400年前の本であって、文化も大きく違い、独特な言い回し…。やっぱり難解というイメージがありました。しかも、その後に上がってきた上演台本が、内容は同じでも表現がことごとく違っていたんですよ(笑)。そこが翻訳劇の難しいところだなと。英語の台詞という正解があるのに、異文化である日本語に置き換えて上演するということ。でも、その挑戦を蜷川さんはずっと続けてきて、いろんな意見を言われながら闘ってきて、世界に認められた。『海辺~』のワールドツアーでは行く先々で熱狂的に迎え入れてもらったんですが、それは蜷川さんのやってきたことの証なんだなと感じましたね」前作と違い、今回は主演として稽古場の中心に立ち、蜷川の指揮を真っ向から受けとめる。「蜷川さんがどのような切り口で演出されるのか、その楽しみはあります。まあ、自分が出ない立場だったらその楽しみだけで済んだんですが(笑)。打たれ弱いんですよね」と苦笑いしつつ、覚悟は決めている。「蜷川さんが『この役を藤木がやってもいい』と言ってくださったのだから、応えるしかない。ハードルは限りなく高いし、逃げ出したくなるようなことが待っているでしょうけど、通過すべき時間なのかなと思います。あまり台詞を“独特で難解”と意識し過ぎず、自分の言葉として発せられるように頑張っていきたいと思います」公演は、5月25日(水)から6月11日(土)埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、6月17日(金)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホール、6月24日(金)から27日(月)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:上野紀子
2016年04月11日狂言師・野村萬斎や歌舞伎役者・市川猿之助らが出演する、生け花に焦点を当てた初の映画『花戦さ』が2017年に公開されることが6日、発表された。萬斎と猿之助が共演するのは今回が初となる。原作は、文禄3年(1594年)に池坊専好が豊臣秀吉に前田利家邸で披露したといわれる「大砂物」(全幅7.2メートル、高さ3.5メートルに及ぶ立花)から生まれた伝説に着想を得て、新たな物語とした鬼塚忠氏の小説『花いくさ』。初代・池坊専好という花の名手と千利休の友情や、京都の町衆である六角堂にいる花僧が、権力者・豊臣秀吉の乱心に、刃でなく花をもって相手をあだ討ちするストーリーに感銘を受けた製作側が、映画化を企画し実現に至った。そんな専好を演じるのが、萬斎。劇中での専好が持つ天真らんまん、奇想天外というイメージからオファーを受けた。萬斎は演じるに当たり、クランクイン前に華道の指導も受け、細かい所作にもこだわる徹底ぶりを見せているという。専好と対立する天下人・秀吉役を務めるのが、猿之助。「温厚だった秀吉が後年、嫡男・鶴松を失って狂気に陥っていく様を演じられるのは猿之助しかいない」との理由から抜てきされた。萬斎は、専好を「戦乱の時代の中で、花で世に語りかけ、花と共に生きた人」と説明。その上で、「命あるものにさらなる命を吹き込む、純粋(ピュア)な存在として演じたい」と意気込みを話す。2度にわたったという生け花の所作の稽古から、多くを学んだようで、「特有の所作に、私なりの動きを生かせれば」と自身ならではの演技ももくろんでいる。また、専好は「伝統を受け継ぐだけではなく、常に時代の空気を感じながら、"その時々の花の美しさ"を追求する」とし、「その姿勢は世阿弥も言っていることであり、われわれの狂言の世界と相通ずるものがある」と共感も覚えている様子だ。さらに、専好と深い友情と信頼を築き共に美を追い求めた茶人・千利休役として佐藤浩市、織田信長役として中井貴一、前田利家役として佐々木蔵之介といった俳優らが出演。『山桜』(08年)や『小川の辺』(11年)などを手がけてきた篠原哲雄監督がメガホンを取り、脚本を『包帯クラブ』(07年)などの森下佳子氏が執筆。音楽は、スタジオジブリ作品などで知られる久石譲が担当する。なお本作は、時代劇の中心地として名高い京都・太秦の映画人たちの手によって製作。撮影も大覚寺、妙心寺、鹿王院、仁和寺、南禅寺、梅宮大社、随心院など京都を代表する場所でも敢行されており、4月10日クランクイン、5月下旬のクランクアップを予定している。
2016年04月06日鬼塚忠の小説『花いくさ』が野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市ら豪華キャストの出演で映画化されることが決定した。戦国時代を生きた花僧・池坊専好の物語が描かれる。その他の情報本作は、1594年に池坊専好が豊臣秀吉に前田利家邸で披露したといわれる“大砂物(幅7.2メートル、高さ3.5メートルある立花)”の伝説に着想を得た物語を描くもので、池坊専好が権力者・豊臣秀吉に刃ではなく“花”をもって立ち向かう姿が描かれる。池坊専好を演じる野村萬斎は「専好は華道において“中興の祖”とも言われていますが、伝統を受け継ぐだけではなく、常に時代の空気を感じながら、“その時々の花の美しさ”を追求する。その姿勢は世阿弥も言っていることであり、我々の狂言の世界と相通ずるものがあると思っております」とコメント。撮影を前に、華道の指導も受け、細やかな所作にもこだわって演じる準備を整えたという。また、市川猿之助が豊臣秀吉を、佐藤浩市が千利休を、中井貴一が織田信長を、佐々木蔵之介が前田利家を演じる。『小川の辺』の篠原哲雄が監督を、ドラマ『ごちそうさん』の森下佳子が脚本を、久石譲が音楽を手がける本作は今月10日から撮影を開始し、2017年に公開になる。『花戦さ』2017年公開
2016年04月06日狂言師・野村萬斎主演の映画『スキャナー 記憶のカケラを読む男』(4月29日公開)の完成披露試写会が27日、都内で行われ、萬斎、共演の宮迫博之、関ジャニ∞の安田章大、杉咲花、木村文乃、ちすん、高畑淳子、脚本の古沢良太、金子修介監督が出席した。同作は『リーガル・ハイ』『ALWAYS 三丁目の夕日』などの脚本で知られるヒットメーカー・古沢のオリジナル作品。人の持ち物から残留思念をを読み取ることができる超能力者・仙石和彦を萬斎が演じ、仙石の漫才師時代の相方・丸山竜司を宮迫、2人にある事件の解決を依頼する女子高生を杉咲、エリート刑事を安田、行方不明になった女性を木村が演じる。舞台あいさつではまず、宮迫が両ほほを叩いて前を指差す、おなじみの自己紹介ネタ「宮迫です」を披露する。安田が「安田です」とネタを続け大歓声を受けると、宮迫から「本家よりキャー言われるな」とクレームに。さらに杉咲が「杉咲花です」と真似をすると会場から「かわいい!」と声が上がった。作品について、脚本の古沢は「もともと野村萬斎さんで何か作りませんかという話がありまして、大ファンだったものですから飛びつきました」と経緯を説明。「お会いしたら想像以上に変な人だったなあと。いかに変な人か知ってもらわなきゃいけないという一念で頑張って書きました」と執筆時の心境を語った。また、萬斎の相方役を務めた宮迫も「やっぱり変な方ですね」と肯定した。「お固い方かと思ったら、『漫才師役やるんだ、ちなみに僕萬斎』とかびっくりするようなこと言い出すから、こんな人なんだと思って」と意外な一面を明かす。安田も「初めてお会いした時はメイク中で、あんまり反応できなかったんでしょうね。あいさつしたら『おはよ』くらいで、ほんまに怖いんかなと思って」と初対面時のエピソードを披露。「めっちゃ優しいんやって気づいてからずっとおしゃべりさせていただいてましたね」とギャップについて話した。「狂言師の方ってどんな性格かわからないから」(安田)、「こうやって(狂言風に)入ってきたらどうしようかと」(宮迫)と畳み掛けるように自身の印象について語られた萬斎は「両サイドからものすごい関西風はさみ打ちで、たじたじでございます」と苦笑しつつ返した。作品にちなんで、どんな特殊能力が欲しいか? という質問に対して、安田は「だいたいみんなが同じこと考えると思うんですけど、エラ呼吸ができるようになりたいと」と答え、キャスト陣からは「みんな思わない」とブーイングを受けるが、「趣味もダイビングということで、魚に憧れて31年生きてきました」と理由も語った。実は『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』の大ファンだという木村は、「過去に遡って撮影に参加したいです。赤貝を見るとイリスに似てると思うくらい」と、思わぬ角度からの発言。『ガメラ』に関わっていた金子監督も驚く様子を見せた。萬斎は「伝書や作品を、本当に作った人はどういうつもりなんだろうなとか、わかったら面白いなと思いますね」と狂言師らしく締めた。
2016年03月28日野村萬斎が自身の演出・主演により実に4度目となる『マクベス』(6月、東京・世田谷パブリックシアター)に挑む。今回、新たに座組に加わり、マクベス夫人を演じるのは、シェイクスピア初挑戦となる鈴木砂羽。某日、ポスター撮影が行われた現場にて、和洋折衷の何とも不思議な衣裳に身を包んだふたりに話を聞いた。舞台『マクベス』チケット情報萬斎は過去に『間違いの喜劇』『リチャード三世』を翻案した作品を手掛けるなどいくつものシェイクスピア作品に携わってきたが、中でも本作は4演目と突出している。『マクベス』の何にそこまで惹かれるのか?そんな問いに作品を“酒”に例えこう語る。「海外(ニューヨーク・ソウル・シビウ・パリ)での成果を踏まえつつ、新たな要素を加え、じっくりと熟成させたい。役と演じる俳優自身の“化合”が行われるのがシェイクスピアの作品であり、その醍醐味がストレートに伝わるのが『マクベス』。それは僕らの中身が問われるということでもあるのですが(笑)」。新たに加わる鈴木とはNHKの朝ドラ『あぐり』以来19年ぶりの共演。当時「ハチャメチャやっていた(笑)」という萬斎を面白がっていたのが鈴木だったとか。萬斎は「たった5人の芝居ですから、相手役が変われば大きく変わる。年下の奥さんをもらって(笑)、またリフレクション(反響)が変わってくると思います」と期待を寄せる。鈴木はシェイクスピア初挑戦を自ら「新境地」と語る。既に頭の中には自分なりのマクベス夫人に対する様々な思いが渦巻いているよう。「よく“魔性の女”とか“強い女”と言われてますが、私が受け取った印象は一途で必死で“けなげな女”なんです」。その言葉に萬斎も「一生懸命に生きることが功罪を生み出していく。それが人生の難しさであり、シェイクスピアの面白いところだと思います」と嬉しそうにうなずく。さらに鈴木は、マクベスと夫人の“夫婦像”についても言及。「このふたり、すごく親密ですよね。これは持論ですが、共通の夢や野望を持った親密なふたりであるほど、互いの存在だけで満たされているから、子どもをなさないものなのかもしれないなと。まさに合わせ鏡のような夫婦だなと感じます。もしも子どもがいたら、ふたりは凶行を思いとどまっていたかもしれないけど、家族とか世継ぎの必要性とか、そういうものを超えたふたりの世界観が出来上がってる。夫人に関して言うと、面白いと思うのが、シェイクスピアはどんな小さな役にも名前を付けているのに、彼女はあくまで“マクベス夫人”なんですよね。そこに、女性の根本とも言えるような普遍性を付与してるのかなと感じますね」。そんな鈴木を頼もしそうに見つめる萬斎。このふたりが舞台上でどんな夫婦像を作り上げるのか?期待が高まる。東京公演は6月15日(水)から22日(水)まで。チケット前売りは4月16日(土)午前10時より。チケットぴあでは3月26日(土)より《いち早プレリザーブ》、4月5日(火)より《プレリザーブ》先行抽選を受付。取材・文:黒豆直樹
2016年03月14日野村萬斎が自身の演出・主演により実に4度目となる『マクベス』(6月、東京・世田谷パブリックシアター)に挑む。今回、新たに座組に加わり、マクベス夫人を演じるのは、シェイクスピア初挑戦となる鈴木砂羽。某日、ポスター撮影が行われた現場にて、和洋折衷の何とも不思議な衣裳に身を包んだふたりに話を聞いた。舞台『マクベス』チケット情報萬斎は過去に『間違いの喜劇』『リチャード三世』を翻案した作品を手掛けるなどいくつものシェイクスピア作品に携わってきたが、中でも本作は4演目と突出している。『マクベス』の何にそこまで惹かれるのか?そんな問いに作品を“酒”に例えこう語る。「海外(ニューヨーク・ソウル・シビウ・パリ)での成果を踏まえつつ、新たな要素を加え、じっくりと熟成させたい。役と演じる俳優自身の“化合”が行われるのがシェイクスピアの作品であり、その醍醐味がストレートに伝わるのが『マクベス』。それは僕らの中身が問われるということでもあるのですが(笑)」。新たに加わる鈴木とはNHKの朝ドラ『あぐり』以来19年ぶりの共演。当時「ハチャメチャやっていた(笑)」という萬斎を面白がっていたのが鈴木だったとか。萬斎は「たった5人の芝居ですから、相手役が変われば大きく変わる。年下の奥さんをもらって(笑)、またリフレクション(反響)が変わってくると思います」と期待を寄せる。鈴木はシェイクスピア初挑戦を自ら「新境地」と語る。既に頭の中には自分なりのマクベス夫人に対する様々な思いが渦巻いているよう。「よく“魔性の女”とか“強い女”と言われてますが、私が受け取った印象は一途で必死で“けなげな女”なんです」。その言葉に萬斎も「一生懸命に生きることが功罪を生み出していく。それが人生の難しさであり、シェイクスピアの面白いところだと思います」と嬉しそうにうなずく。さらに鈴木は、マクベスと夫人の“夫婦像”についても言及。「このふたり、すごく親密ですよね。これは持論ですが、共通の夢や野望を持った親密なふたりであるほど、互いの存在だけで満たされているから、子どもをなさないものなのかもしれないなと。まさに合わせ鏡のような夫婦だなと感じます。もしも子どもがいたら、ふたりは凶行を思いとどまっていたかもしれないけど、家族とか世継ぎの必要性とか、そういうものを超えたふたりの世界観が出来上がってる。夫人に関して言うと、面白いと思うのが、シェイクスピアはどんな小さな役にも名前を付けているのに、彼女はあくまで“マクベス夫人”なんですよね。そこに、女性の根本とも言えるような普遍性を付与してるのかなと感じますね」。そんな鈴木を頼もしそうに見つめる萬斎。このふたりが舞台上でどんな夫婦像を作り上げるのか?期待が高まる。東京公演は6月15日(水)から22日(水)まで。チケット前売りは4月16日(土)午前10時より。チケットぴあでは3月26日(土)より《いち早プレリザーブ》、4月5日(火)より《プレリザーブ》先行抽選を受付。取材・文:黒豆直樹
2016年03月14日狂言師・野村萬斎が現代劇に初挑戦し、雨上がり決死隊の宮迫博之と共演する映画『スキャナー記憶のカケラをよむ男』(4月29日公開)のポスタービジュアル(Web版)と予告映像が29日、公式サイトで公開された。残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読める元お笑い芸人で人間嫌いのネガティブ男・仙石和彦を萬斎が、その元相方の丸山竜治を宮迫が演じる本作。『探偵はBARにいる』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズなどを手がけた古沢良太氏が脚本を担当し、『デスノート』シリーズの金子修介監督がメガホンを取る。関ジャニ∞の安田章大、女優の杉咲花、木村文乃らが脇を固める。ポスタービジュアルは、仙石がこちらに向かって手をかざしており、それを丸山が訝(いぶか)しげに見つめる表情が印象的なデザイン。「あなたの全て読み取ります」という言葉の通り、仙石の手には残留思念を読み取る"スキャニング"の力が宿っており、人探しの依頼から、連続殺人事件を捜査する大舞台へと突入していく。それを表しているように、下部には「その探偵は自らの"手"で謎を解く」という言葉も躍っている。同時公開の予告映像は、そんな仙石が能力を使って思念を読み取る姿が捉えられている。続くシーンでは、「あなたの力で見つけてほしいんです」と依頼人の少女の一言で、丸山と共にピアノ教師失踪事件を捜査することに。しかし、仙石の思念の読み取る姿は壁や自転車のサドルをなで回すなど、はたから見れば異様な光景で、これには丸山からも「やっていることはただの変態にしか見えない」とのツッコミが。しかし記憶が交錯する中、「犯人の記憶が拾えるかもしれない」との仙石の一言でシーンは一転。激怒する丸山のカットなどシリアスな描写が続き、実は犯人は"もう1人の女"である可能性が示唆される。さらに、「解いてはいけない謎」というテロップや「これは誰の思念だ…!?」と困惑する仙石らが映しだされていく。(C)2016「スキャナー」製作委員会
2016年01月29日狂言師・野村萬斎が初挑戦となる“平成の男”、かつ特殊能力で謎を解く主人公を演じる『スキャナー記憶のカケラをよむ男』。相棒役の宮迫博之や安田章大、杉咲花、木村文乃ら強力な共演陣を迎えた本作の公開が、4月29日(金・祝)に決定、ビジュアルと共に公式サイトにて予告編が解禁された。残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読み取ることができる特殊能力を持った男・仙石和彦(野村萬斎)。かつて、相方・丸山竜司(宮迫博之)とともにマイティーズというお笑いコンビを組み、その能力を使って日本中を湧かせたが、代償に精神をすり減らし、やがてコンビは解散。以来、人間嫌いの超ネガティブ男となって毎日を過ごしていた。一方、ピン芸人として再スタートを切った丸山も、鳴かず飛ばずでクビ寸前の状態に。そんなふたりの元に、秋山亜美(杉咲花)という1人の女子高生により「行方不明となったピアノ教師・沢村雪絵(木村文乃)を探して欲しい」という依頼を持ち込まれる。10年ぶりの再会を果たした仙石と丸山だったが、仙石は久しぶりに使う能力のコントロールに悪戦苦闘する。若手刑事の佐々部悟(安田章大)をも巻き込んで、雪絵の痕跡を追う彼らが出会った、誰も予想だにしていなかった事件の入り口とは…?本作は『探偵はBARにいる』シリーズ、「リーガル・ハイ」シリーズなど、数々の大ヒット作品を生み出し続ける人気脚本家・古沢良太が書き下ろした、予測不能な異色の謎解きミステリー。メガホンを取るのは、『平成ガメラ』シリーズ、映画『デスノート』シリーズで知られ、エンターテインメントの前線で抜群の演出力を発揮する金子修介監督だ。今回解禁された予告映像で、印象的なのは、萬斎さん演じる主人公・仙石が特殊能力=“スキャニング”で思念を読み取る姿。宮迫さん演じる丸山が悪態まじりに「やっていることはただの変態にしか見えない」と評するその姿から、身を削るようにして真相に迫っていく様は、さすがこれまで唯一無二のキャラクターを鮮烈に演じてきた萬斎さんといったところ。「犯人の記憶を拾えるかもしれない」と仙石が自らの“手”で、誰も予測できない衝撃の結末へと近づいていくが…。併せて解禁となったポスタービジュアルにも、「あなたの全て読み取ります」とこちらに向けて手をかざす仙石と、渋い顔の丸山という、なんともキャラの濃い凸凹コンビの姿が。“記憶”に秘められた“想い”を読み取り、事件捜査に挑む異色の謎解きミステリー。まずはこちらの予告映像から、監督も太鼓判を押す円熟コンビのような絶妙な掛け合いと、スピーディーかつスリリングな展開を楽しんでみて。『スキャナー記憶のカケラをよむ男』は4月29日(金・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月29日12月12日に公開を控える映画『母と暮せば』とリンガーハットがコラボレーションし、12月2日から来年1月11日まで映画オリジナルデザインのどんぶりをプレゼントするキャンペーンを実施する。今回の企画は、長崎県を創業地とするリンガーハットが、同じく長崎を舞台とした母と子の絆の物語である本作を応援したいという思いから実現。コラボレーションどんぶりも、長崎の波佐見焼となっている。キャンペーンは、リンガーハット店内に掲出しているポスターか卓上ポップに表示されているスマートフォン専用応募サイト(QRコード)にアクセスし、クイズに解答すると応募可能。正解者の中から抽選で、100人にどんぶりが贈られる。本作の時代設定は、1948年。8月9日、長崎で助産師として暮らす伸子(吉永小百合)の前に、原爆で亡くなったはずの息子・浩二(二宮和也)が亡霊となって現れ、「母さんは諦めが悪いから、なかなか出て来られなかったんだよ」と口にする。その日から浩二は時々伸子の前に姿を見せるようになり、楽しかった思い出話や浩二の恋人・町子(黒木華)の話をするなど、2人の奇妙で喜びに満ちた日々が描かれる。浅野忠信、加藤健一、広岡由里子、本田望結、小林稔侍、辻萬長、橋爪功らが出演しており、音楽を現代音楽家の坂本龍一が手掛ける。(C)2015「母と暮せば」製作委員会
2015年11月26日野村萬斎が宮迫博之と“元・芸人コンビ”を演じる最新作『スキャナー記憶のカケラをよむ男』。このほど、劇中で2人が組んでいた“伝説”といわれた芸人コンビ・マイティーズの初ビジュアルが解禁。併せて、野村さん、宮迫さんからコメントが到着した。本作の脚本を手がける古沢良太とともに、映画『探偵はBARにいる』などで名コンビを生み出してきたプロデューサー・須藤泰司のもと、『デスノート』シリーズの金子修介監督がメガホンをとる本作。初の現代劇となる野村さんが、残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読むことができる元・お笑い芸人で人間嫌いの仙石和彦を熱演し、宮迫さんが口は悪いが仙石が唯一、本音でぶつかることのできる元相方の丸山竜司を演じる。これまでにないコンビが生し、様々な事件に挑んでいくなか、かつて組んでいた芸人コンビ・マイティーズの衝撃の初ビジュアルが到着。1つは、劇中にも登場するマイティーズのポスター。そこには、仙石さんの残留思念の能力を使い、日本中を湧かせていた“かつて”を彷彿とさせる派手な紫色のギラギラのスーツを着た丸山と、まるで探偵のような服装に分厚い手袋をはめている仙石の姿が。丸山を演じた宮迫さんは、ふだんの芸人のイメージと変わらぬ飄々とした表情を浮かべているが、一方の仙石を演じる野村さんは独特な髪型に違和感たっぷりの雰囲気を漂わせている。そのインパクトは強烈だが、“伝説”といわれたコンビにしては何だか頼りないような気も…。また、もう1点は、劇中の場面の一コマ。“笑撃エンタ共和国”と書かれた看板を背に、マイティーズが舞台でネタを披露しているワンシーンである。マイクを手にいきいきとした表情の丸山とは真逆に、浮かない顔をしている仙石。観客の方へ指を指す丸山と、右手の分厚い手袋を外している仙石の姿を見るに、マイティーズの十八番ネタである仙石の“能力”を披露しようとしていることがわかる。果たして、残留思念を読み取るという特殊能力を使った芸風はどのようなものなのか、そして、どのように観客の心を掴んでいたのか、気になるところ。だが、やがて仙石はその特殊能力がもたらす代償に精神をすり減らし、コンビを解散してしまうだけに、このシーンは貴重なのかも!?そんな2人の化学反応がもたらす漫才に、ますます期待が高まるところだ。■野村萬斎(仙石和彦役)宮迫さんの漫才の呼吸と僕の狂言の呼吸が同じテンポの良さを持ったり、時には間をもってひゅって投げたり、そういうキャッチボールの面白さを感じながら、息の合った漫才ができたと思っています。また、正直言って台本がないシーンも多く、基本アドリブでやってました(笑)。彼は本業ですからどんどんツッコミを入れて来て、僕がボケたりしながらやっていったのは面白かったですね。そのシーンは、エキストラの方しか観ていないのですが、その場にいた皆さんは楽しんで下さったようです。(いままでにない衣裳について)ハロウィンのようなコスプレ感を楽しみました。普段の私とのギャップをご期待ください。■宮迫博之(丸山竜司役)本当のコンビ(雨上がり決死隊)と同じ立ち位置でしたので、違和感なく役に入ることができ、初めてとは思えないほぢ、自然に演じることができました。ギラギラした派手な衣裳を着て、昭和初期の漫才師の気分になれて、新鮮な気持ちでした。もし、マイティーズのような能力を持ったコンビがいたら、日本のみならず世界をまたにかけた活躍も夢ではないと思います!『スキャナー記憶のカケラをよむ男』は2016年GW、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月06日狂言師・野村萬斎が現代劇に初挑戦する映画『スキャナー記憶のカケラをよむ男』(2016年GW公開)で、宮迫博之と共に演じるお笑いコンビ役のビジュアルが6日、初めて公開された。野村が演じるのは、残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読むことができる元お笑い芸人の仙石和彦。一方の宮迫は、口は悪いが仙石が唯一本音で接することができる元相方・丸山竜司を演じる。今回、ポスターと場面写真でその姿が明らかになった。劇中にも登場するポスターには、仙石の残留思念を使って一世を風靡していた頃の"マイティーズ"が映る。ド派手なジャケットで芸人らしいリアクションの宮迫に対し、探偵のような風貌の野村は独特な髪型も相まって違和感たっぷり。また、場面写真は、"笑撃エンタ共和国"と書かれた看板を背にネタを披露しているマイティーズを捉えている。マイクを手にいきいきとした表情を見せる丸山に対し、仙石は浮かない表情。右手の分厚い手袋を外していることから、残留思念を披露しようとしている瞬間と受け取れる。ビジュアル初公開のタイミングに合わせ、2人はコメントを寄せた。「正直言って台本がないシーンも多く、基本アドリブ」だったと野村が語る撮影。「彼は本業ですからどんどんツッコミを入れて来て、僕がぼけたりしながらやっていったのは面白かったですね」と宮迫とのコンビは新鮮だったようで、これまでのイメージとかけ離れた衣装について「ハロウィーンのようなコスプレ感を楽しみました」と触れながら、「普段の私とのギャップをご期待ください」と呼びかけている。野村との漫才を終え、「本当のコンビ(雨上がり決死隊)と同じ立ち位置でしたので、違和感なく役に入ることができ、初めてとは思えない程、自然に演じることができました」と手応え十分の宮迫。「ギラギラした派手な衣裳を着て、昭和初期の漫才師の気分になれて、新鮮な気持ちでした」と振り返り、「もし、マイティーズのような能力を持ったコンビがいたら、日本のみならず世界をまたにかけた活躍も夢ではないと思います!」と太鼓判を押している。(C)2016「スキャナー」製作委員会
2015年11月06日野村萬斎と宮迫博之が初共演することで話題の映画『スキャナー記憶のカケラをよむ男』。この度、「関ジャニ∞」の安田章大が若手刑事役として出演が決定した。現代劇初挑戦の野村萬斎が、残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読むことができる元・お笑い芸人で人間嫌いの仙石和彦を熱演し、宮迫博之が口は悪いが仙石が唯一、本音でぶつかれる元相方の丸山竜司を演じる。これまでにないこのコンビが様々な事件に挑んで行く――。今回この2人と共に、事件解決へと躍動し、物語の重要なキーマンとなる刑事・佐々部悟役に「関ジャニ∞」の安田章大が抜擢。安田さんは、国民的グループ関ジャニ∞の一員として活動する一方で、「夜行観覧車」(TBS)『エイトレンジャー』など話題作にも出演し、その演技力は高く評価されている。そんな安田さんは今回この役を演じるにあたって「初めての刑事役でしたが、何かを参考にしたりはしませんでした。演じる佐々部は、警察官僚の息子として見られる事に葛藤があるのに、それを表向きには見せない。その一方で、ガンガン事件に突き進んでいき、真相を絶対掴むぞっという思いの強い刑事だと思ったので、とにかく、単純にこの事件を解決してやるという思いだけで演じました。皆で作り上げた作品なので是非見に来てください」と熱く語っている。また金子修介監督は安田さんについて会った瞬間「いいヤツだな。彼のために撮ってやりたいな」と思ったとコメント。「印象的だったのが初日の帰り際、(安田の乗る)バンの中でわざわざ起立してみんなに挨拶していたこと(笑)。スタッフも「いいからいいから…」って感じでしたが、それくらい腰が低く礼儀正しい。演技に関しても、すごく勘がいいし、ほんとに研究熱心で真面目ですよね。台本を読んで“こういう作品、役をやりたかったです”って言ってくれました。役としては仙石と丸山とのコンビに、なんとかくっついていこうとする若手刑事というキャラクターを楽しく演じてくれています。この映画のキャラクターとして、輝いているというか、燃焼する瞬間をしっかりとらえてると思っています。」と印象を語った。さらに川田亮プロデューサーは「今回の佐々部刑事役は正義感に溢れて事件を追っていくので一見分かり易く見えるのですが、捜査を進めていくにつれ、徐々に自分が抱えているものと対峙せざるを得なくなるという複雑な役です。その複雑な部分を真実味をもって表現できるのは彼しかいないと思い、キャスティングをさせて頂きました。感情を爆発させるシーンもあったのですが、それを演じる時の彼の集中力は凄まじく、現場でも皆が圧倒されておりました。」と絶賛している。本作は、「相棒」や「リーガル・ハイ」などで数々のヒットを生み出し続ける人気脚本家の古沢良太の渾身の書下ろし。監督には『デスノート』など常にエンターテインメントの前線で抜群の演出力を魅せる金子修介が務め、今人気の制作スタッフが大集結。『スキャナー記憶のカケラをよむ男』は2016年ゴールデンウィークに全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年09月02日先日、狂言師の野村萬斎がアニメ史上“最恐”と謳われる悪役・ノロイの声優に抜擢され注目を集めた『GAMBAガンバと仲間たち』から、話題のノロイにフィーチャーした特別映像“伝説の白い悪魔篇”が公開。元祖・ガンバ役を務め、本作ではツブリを演じる声優・野沢雅子の演技ボイスも初披露された。都会の片隅で、街ネズミのガンバとマンプクは楽しく暮らしていた。ある日ガンバは、「海は世界で一番広くて大きい」と聞き、観たことのない海を目指す旅に出る。2匹は港で船乗りネズミの宴に参加するが、そこへ弱りきった島ネズミの忠太が助けを求めやってきた。しかし船乗りネズミたちは、敵が白イタチの「ノロイ」だと聞いたとたん、勝ち目がないと逃げ出してしまう。絶望する忠太を見たガンバは、自分だけでも島ネズミを助けようと決心する。夜が明け、出航のとき。なんとボーボ、ヨイショ、ガクシャ、イカサマ、そしてマンプクもガンバの心意気にひかれ、船に乗り込んでいた。いよいよ冒険のはじまり。ガンバと仲間たちはどうやってノロイに立ち向かうのか!?そして彼らの運命は…!?『ALWAYS 三丁目の夕日』『STAND BY ME ドラえもん』など数多くの大ヒット作品を世に送り出してきたクリエイター集団「白組」が、企画構想15年、製作期間10年、総製作費20億をかけて創り上げる3DCG映画の本作。主人公・ガンバ役には、アニメ「進撃の巨人」主人公・エレン役で知られる人気声優・梶裕貴、ヒロイン・潮路役には、邦画では声優初挑戦となる女優・神田沙也加がそれぞれキャスティングされ、その脇を野沢さんをはじめ高木渉、大塚明夫、池田秀一ら豪華実力派声優陣が固めている。今回公開された特別映像では、過去のアニメ「ガンバの冒険」で当時の少年少女たちのトラウマになったと言われるノロイがメイン。悪役初挑戦の野村さんが、原作により近い中性的な性格でありつつも、威厳と畏怖に満ち溢れた絶対的存在感を発揮するノロイを熱演。不気味に笑うその声や雄叫びは、まさに最強の敵にふさわしいキャラクターに仕上がっている。また映像冒頭ではツブリ役の野沢さんの演技が初披露。こちらも注目したい。『GAMBAガンバと仲間たち』は10月10日(土)より全国にて2D/3D公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月22日