映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』が、2022年2月25日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他で全国ロードショー。ロジャー・ミッシェル監督の長編遺作にあたる。“ゴヤの名画”盗難事件に隠された感動の実話映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、197年の歴史を誇るロンドン・ナショナル・ギャラリーで起きた、フランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件をベースとする物語。この盗難事件は、名もなきタクシー運転手の人生を懸けた大勝負だった。イギリス中を巻き込んだ、笑いと涙溢れる感動の実話を映画化する。<映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』あらすじ>ロンドン・ナショナル・ギャラリーとは、世界中から年間600万人以上が来訪する美術館。13世紀後半から20世紀初頭にわたる2300点以上もの貴重なコレクションを揃え、「英国の至宝」と称えられている。1961年。197年の歴史を誇るこのの美術館・ロンドン・ナショナル・ギャラリーから、スペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。ロンドン警視庁はその巧妙な手口から、国際的なギャング集団による周到な計画による犯行だと断定。ところが、この前代未聞の事件の犯人はケンプトン・バントン、60歳。長年連れ添った妻と優しい息子とニューカッスルの小さなアパートで年金暮らしをするごく普通のタクシー運転手だった。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもうひとつの隠された真相が・・。当時、イギリス中の人々を巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とはー!?名優ジム・ブロードベントが主演主人公ケンプトン...ジム・ブロードベント「ウェリントン公爵」盗難事件を企てた60歳のタクシー運転手。彼がついた優しい嘘とは...?主演を務めるのは、『アイリス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『ハリー・ポッター』シリーズや、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』、『パディントン』シリーズなどに出演するジム・ブロードベント。イギリスが誇る名優が、ユーモアとウィットに溢れた演技を披露している。ドロシー...ヘレン・ミレンケンプトンの長年連れ添った妻。職を転々とするケンプトンに代わって、家政婦として働く一家の大黒柱的存在。演じるのは、『クィーン』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞などで主演女優賞を獲得し、『黄金のアデーレ 名画の帰還』や『ワイルド・スピード』シリーズなどでジャンルレスに活躍する女優ヘレン・ミレン。長年連れ添った夫婦のドラマに、重厚感を持たせている。ジャッキー...フィオン・ホワイトヘッド夫婦の息子。『ダンケルク』で好演したフィオン・ホワイトヘッドが担当する。ジェレミー・ハッチソン...マシュー・グード敏腕弁護士。『ダウントン・アビー』『キングスマン:ファースト・エージェント』のマシュー・グードが務める。『ノッティングヒルの恋人』ロジャー・ミッシェル監督の長編遺作監督は、『ノッティングヒルの恋人』で知られるロジャー・ミッシェル。2022年にエリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth』の公開を控えていたが、2021年9月に65歳の若さで惜しまれながらも逝去。『ゴヤの名画と優しい泥棒』が、長編遺作となった。『恋とニュースのつくり方』『私が愛した大統領』『ウィークエンドはパリで』などに通ずるテンポの良い作風は、『ゴヤの名画と優しい泥棒』でも健在。人と人との温かな触れ合いを描き、観る者すべての心を爽やかな気持ちで包み込む。【詳細】映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』公開日:2022年2月25日(金)監督:ロジャー・ミッシェル出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
2021年11月01日ロジャー・ミッシェル監督の長編遺作『THE DUKE』が邦題を『ゴヤの名画と優しい泥棒』として、2022年2月に公開することが決定した。世界中から年間600万人以上が来訪・13世紀後半から20世紀初頭までの間の2300点以上の貴重なコレクションを揃え「英国の至宝」と称えられる美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、その場所でスペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件が起こった。この事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。彼はゴヤの絵画を“人質”に取り、イギリス政府に対して身代金を要求。TVが唯一の娯楽だった時代、その身代金を寄付してイギリスの公共放送であるBBCの受信料を無料にすることで、孤独な高齢者たちの生活を助けようと行動を起こしたのだ。しかし、事件にはもう一つの真相が隠されていて…。約50年後に明かされる、イギリス中を巻き込んだその“優しい嘘”とは――。実話を基に、名もなきタクシー運転手の人生を懸けた大勝負を描く本作。監督は『ノッティングヒルの恋人』『ブラックバード 家族が家族であるうちに』のロジャー・ミッシェル。今後の待機作に、エリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth』が控えていたが、今年の9月に65歳の若さで惜しまれながらも逝去し、本作が長編遺作となった。ロジャー・ミッシェル監督 Photo by Larry Busacca/Getty Images主人公ケンプトンを演じたのは『アイリス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『ハリー・ポッター』シリーズや『パディントン』シリーズなど数多くの作品に出演するイギリスを代表する名優ジム・ブロードベント。「ジムの演技は愛情たっぷりで、彼が演じた主人公を愛さずにはいられない」と監督が語る通り、本作でもユーモアとウィットに溢れる演技を披露している。さらにジャンルを問わず幅広い作品に出演し、圧倒的な存在感を放つ女優ヘレン・ミレンがケンプトンの妻を演じ、長年連れ添った夫婦のドラマに重厚感を持たせている。また2人の息子役は『ダンケルク』のフィオン・ホワイトヘッドが演じ、フレッシュな魅力も見逃せない。『恋とニュースのつくり方』、『私が愛した大統領』、『ウィークエンドはパリで』などに通ずるテンポの良いウェルメイドな作風は本作でも健在。人と人との温かな触れ合いを描き、観客の心を爽やかな気持ちに包み込む感動作が誕生した。『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、2022年2月25日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2021年10月29日結腸がんのため8月に亡くなったチャドウィック・ボーズマンの遺作となった『マ・レイニーのブラックボトム』の予告編が公開された。今作は、劇作家のオーガスト・ウィルソンの同名劇を基に映画化したもので、“ブルースの母”と呼ばれたブルース歌手マ・レイニーの物語。1927年のシカゴを舞台に、ヴィオラ・デイヴィス演じる黒人歌手のマ・レイニーが人種、音楽、人間関係などの様々な問題に立ち向かう姿を描く。チャドウィックは、マ・レイニーのバンドメンバーでトランペット奏者のレヴィーを演じている。予告編では『ブラックパンサー』のティ・チャラ/ブラックパンサーとはまるで違う、レヴィーに徹したチャドウィックが熱演。亡くなってはいるが、チャドウィックに対するアカデミー賞助演男優賞へのノミネートに期待する声が上がっている。死後であっても、アカデミー賞を受賞した最近の例としては、『ダークナイト』のヒース・レジャーが挙げられる。主演のヴィオラは、チャドウィックとの撮影をWebメディアの「Zora」でふり返り、「彼はものすごく疲れているように見えた」ことは覚えているものの、闘病中だったとは知らなかったと明かしている。「立ったままで寝入ることもあったけれど、カメラが回り出した途端、疲れなんて全く見せることはなかった」とチャドウィックのプロ意識を称えた。(Hiromi Kaku)
2020年10月20日俳優の松岡茉優さんの主演ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)が、2020年10月6日に最終回を迎えました。このドラマに出演する俳優の三浦春馬さんは、撮影の期間中だった同年7月18日に逝去。ドラマは、急きょ全4回の放送となりました。三浦春馬へのテロップに涙…最終回を前に、松岡さんは自身のInstagramを更新。「物語は途中で終わったわけではなく未完のままというわけでもない、ドラマとしてみんなで走りきれたと私は思っています」と、コメントしました。 この投稿をInstagramで見る 松岡茉優 /Mayu Matsuoka(@mayu_matsuoka_koushiki)がシェアした投稿 - 2020年10月月6日午前1時01分PDTLAVOTの猿彦くんいつも癒されていました。たくさん頑張ってくれてありがとう。本日22時「おカネの切れ目が恋のはじまり」最終話です。ドラマは今日でおわりますが2人の物語はこれからもきっとあり続けるのだと思います。2人の今日はどんなかな?って私もたまに考えます。寒い日はすっかり寒くなったねって2人で話してるかな、とか物語は途中で終わったわけではなく未完のままというわけでもないドラマとしてみんなで走りきれたと私は思ってます。みなさま本当にありがとうございました。mayu_matsuoka_koushikiーより引用また、ドラマの最後には笑顔の三浦さんを背景にこのようなテロップが出され、多くの人が涙を流しました。春馬くんずっと大好きだよキャスト・スタッフ一同火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』ーより引用ドラマのTwitterアカウントでも、制作陣が「いろいろな覚悟を持ちつつ、愛と感謝の最終回をお届けさせてもらいました」とコメントしています。最後までご覧頂きありがとうございました。出演者、監督、脚本家、そしてスタッフ全員、色々な覚悟を持ちつつ、愛と感謝の最終回をお届けさせてもらいました。皆様も最後までご覧になってもらいまして、 #カネ恋 と出演者に愛を持って見ていただいてありがとうございました!— 【公式】感謝御礼!火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』 (@Kanekoi_tbs) October 6, 2020 キャスト、スタッフの思いは多くの人の心に届いたことでしょう。草刈正雄のセリフに涙する人もドラマでは、父親役の草刈正雄さんのセリフに、「春馬くんにいっているみたい」「涙が出る」などと反響が上がっていました。人を笑顔にする才能を生まれた時から持ってた。それにあきれるが大人になっても何一つ失っちゃいない。火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』ーより引用三浦さんの遺作となったドラマに、ネット上ではたくさんのコメントが寄せられています。・出演者のセリフがそれぞれ三浦くんへ送る言葉みたいだった。・見終ってから涙がしばらく止まらなかった。・テロップで涙腺崩壊した。最後まで放送してくれてありがとう。・最後のテロップに感動しました。まだ信じられない気持ちでいっぱいだけど、笑顔の春馬くんが見れてよかった。三浦さんの笑顔は、最後まで多くの人の心を癒してくれたに違いありません。[文・構成/grape編集部]
2020年10月07日「不変の価値を築き上げたレジェンドたちを再発見し、普遍の価値を獲得する可能性を秘めた人たちを発見する」ことをテーマに伊勢丹新宿店本館2階に新設されたイセタン ザ・スペースでは“ピエール・ジャンヌレ”にフォーカスし「Living with HERITAGE~ピエール・ジャンヌレの遺作と歴史に残る名作家具~」を開催いたします。今回の展示では、「Obje’d art」が世界各地から集めているビンテージ作品の中から、世界的に評価が高まっているピエール・ジャンヌレを中心に選りすぐったデザイナーズビンテージ家具を特集し展示・販売いたします。会場では家具の展示にあわせて、”HERITAGE”すなわち資産価値の高い家具を取り入れた生活空間をご提案いたします。今回の展示では、ピエール・ジャンヌレを中心にご紹介することで、ビンテージ家具そのもの、またモノづくりの背景、作り手の思想や哲学にも興味を抱いていただき、価値のあるビンテージ家具を生活空間に取り入れ、より豊かな生活空間を作るきっかけとなる事を望んでいます。展示内容に関して今回の展示は下記の4つの空間で構成します。No.1 A biography of Pierre Jeanneret / ピエール・ジャンヌレの紹介ピエール・ジャンヌレが生涯を捧げたチャンディーガル都市計画において建設された建築群の写真と共に彼のデザインした家具をご紹介いたします。No.2 Furniture for Project Chandigarh / チャンディーガルで使用されていた家具たちピエール・ジャンヌレは籐やチーク材といった、当時、インド国内に多く流通していた素材をデザインに用いることで、現地の職人たちが製作しやすい仕組みをつくりました。彼によるプロダクトでありながらも、インドの職人による工芸品でもあるという側面をもたせたその家具はル・コルビュジェと彼の建築にあわせて、素材違いを含めると約100種類以上の家具が製作されました。その中の数点を展示いたします。No.3 Living with Heritage / 名作家具と暮らすインテリアコーディネートピエール・ジャンヌレの作品を含め、彼と親交の深かったシャルロット・ペリアン やジャン・プルーヴェ の作品を取り入れたインテリア空間を提案します。また、合わせてインドの工芸品を含めコーディネートいたします。No.4 Modern crafts in India / インドの現代工芸ピエール・ジャンヌレはインドの近代建築やデザインに多大な影響を与えました。その影響を強く受け設立されたインドの家具工房「ファントム・ハンズ」。次世代につなぐ彼らの作品をご紹介いたします。【開催概要】開催日程:2020年5月30日(土)~6月27日(土)開催時間:10:00~20:00 ※5月30日(土)~6月12日(金)は11:00~19:00開催場所:伊勢丹新宿店本館2階=イセタン ザ・スペース住所:東京都新宿区新宿3-14-1Obje’d art(オブジェ デ アート)についてインテリアのスタイリングやディレクション、オリジナル家具・什器の設計などを手がけるデザインユニット「Archeologie」が2013年に創設した、デザイナーズを中心としたビンテージやアンティーク家具、絵画を取り扱い特別な空間を創造するチーム。2017年6月には家具のショールームとアートギャラリーを兼ね備えた、日本発のデザインギャラリーを東京・江戸川区小松川に開設。ISETAN THE SPACE/イセタン ザ・スペースについて不変と普遍不変の価値を築き上げたレジェンドたちを再発見し、普遍の価値を獲得する可能性を秘めた人たちを発見すること。「ISETAN THE SPACE」は、“3less(Timeless/Genderless/Category-less)”をキーワードに、世界の人々を熱狂させる独自の世界観と革新性を携えたスタイルの先駆者たちと、時流に流されない本質的な価値を持つクリエイションを発信するために生まれた実験的ポップアップスペースです。モノの表層を捉えるのではなく、その背後にある作り手の思想や哲学にもフォーカス。彼らのクリエイティビティを偏愛するコミュニティの感性や美意識も空間に共鳴させながら、共感からはじまる新しいつながりを東京・新宿から生み出していきたいと思います。★ISETAN THE SPACE公式インスタグラム @isetan_the_space#isetanthespace企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月27日映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が、2020年2月14日(金)より新宿ピカデリー他にてロードショー。太宰治の未完の遺作が「人生喜劇」に生まれ変わり映画化映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』は、“昭和の文豪”太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」を喜劇として生まれ変わらせた戯曲「グッドバイ」が起点。過去に舞台化され、第23回読売演劇大賞最優秀作品賞に輝いた作品が、『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』の成島出監督によって映画化される。“ダメ男”が愛人と別れるために“嘘夫婦”企画主人公は、文芸雑誌の編集長として働く田島周二。妻・田島静江と離れて暮らしていることをいいことに、気がつけば何人もの愛人を抱えている“ダメ男”だ。このままではいけないと、愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断なため、なかなか彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困った田島周二は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に、女房を演じてくれと頼み込む。男は、女と別れるため、女は、金のため。こうして、二人の“嘘夫婦”の企みがはじまった。大泉洋“ダメ男”役に主人公・田島周二役には、映画『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』『恋は雨上がりのように』など出演作が続き、現在ドラマ「ノーサイド・ゲーム」で活躍をみせる大泉洋。脚本を読んでいるときから、作品に夢中になり、マネージャーに「面白い!ドキドキする!こういう作品に出たかった!」と連絡したと語る。“実は美人”金にがめついキヌ子は小池栄子“嘘夫婦”の妻役・永井キヌ子には、小池栄子。舞台版で同役を演じ読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した小池は、劇場版でもガサツで小汚いけれど、実は美人というパワフルなヒロインを演じ切る。田島周二を取り巻く愛人たち大泉洋演じる田島周二を取り囲む愛人役には、人気女優が集結。クールな女医・大櫛加代を水川あさみ、挿絵画家の水原ケイ子を橋本愛、儚げな花屋の青木保子を緒川たまきが担当する。木村多江が妻役、松重豊が“嘘夫婦”を企てるまた、離れて暮らす妻・田島静江を木村多江、田島を尊敬する編集部員・清川伸彦を濱田岳、“嘘夫婦”の計画を提案する作家・漆山連行役として松重豊が出演。さらに、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子が顔を並べ、70年以上の時を経て“人生喜劇映画”として生まれ変わった、太宰治の未完の遺作に命を吹き込む。成島出監督に関しては、「演出が面白く、いつも笑っていました」と大泉がコメント。W主演となる小池栄子も、「本当に映画化してくれるんだと驚き、そんな監督の熱意が嬉しく、ホントに頭が下がる思いでした。また、成島さんがコメディを撮るというのも新鮮だなとワクワクしました。」と話している。【作品情報】映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』公開日:2020年2月14日(金)出演:大泉洋、小池栄子、水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子、濱田岳、松重豊監督:成島出原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より)音楽:安川午朗脚本:奥寺佐渡子
2019年09月12日中国新世代の俊傑フー・ボー監督の長編デビュー作にして、遺作となった『象は静かに座っている』の公開日が11月2日(土)に決定し、ビジュアルと予告編が解禁。また日本公開を祝し、坂本龍一、タル・ベーラ、市山尚三より応援コメントが到着した。ストーリー炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。シュアイの兄は町で幅を利かせているチェンだった。チェン達に追われ町を出ようとするブーは、友達のリン、近所の老人ジンをも巻き込んでいく。それぞれに事情を抱えながら、遠く2,300km先の果て満州里にいる、1日中ただ座り続けているという奇妙な象の存在にわずかな希望を求めて、4人は歩き出す――。第68ベルリン国際映画祭にて国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞スペシャル・メンションをW受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞するなど、世界を席巻した本作。しかし、新人監督のフー・ボーは4時間弱に及ぶ映画を完成させた後に自ら命を絶ち、本作がデビュー作にして遺作となっている。今回解禁されたビジュアルにも、「29歳で命を絶った若き才能、デビュー作にして遺作。世界を熱狂させた魂の234分。」という衝撃的なコピーが記され、交わらない方向へ視線を投げる4人の登場人物たち、それぞれの人生が複雑に絡み合っていくことを暗示させる印象的なものとなっている。併せて解禁された予告編では、フー・ボー監督が師と仰ぐ映画監督タル・ベーラからの「彼の映画は永遠に私たちと共にある。」という強烈なコメントが目に映る。中国の田舎町、孤独な“4人の運命”が交差するある1日の物語。音楽に呼応するように、それぞれにある想いを抱えた表情を浮かべ、ブー、リン、チェン、ジンの顔が順に映る。また、プリミティブなサウンドで、シンプルながら耳に残る本作の楽曲を手掛けたのは、中国の人気バンド「ホァ・ルン」。規格外の長尺に、一切の妥協も見えない挑戦的な長回し、日中の自然光にこだわったライティング、細部に渡るこだわりを垣間見ることができる本映像。クライマックスになるにつれ、徐々に沈みゆく陽の光が、彼らの行く先に待ち受けるものを予感させている。坂本龍一(音楽家)この映画のペースが好きだ。4時間近くと長い映画だが、無駄なショットがあった記憶はない。昨今、目にすることの多い、金満でIT先進国で資本主義的な中国とは全く違った日常が映し出される。その暗いけれど、甘く懐かしいトーンが好きだ。それは音楽からも来ていると思う。歪んだギターを中心に、昔聴いたことのあるチープなシンセのシンプルな絡み。20歳台の若い監督が作ったのに、とてもノスタルジックだ。好きな映画だ。29歳で自殺した監督、胡波(フー・ボー)の映画を、たくさん観たかった。タル・ベーラ(映画監督)私の“生徒”であり、私の友、私の家族である君がいないことを残念に思う。何百人もの中国人監督が私と働きたいと出願してきたが、彼に会い、すぐに心が決まった。一切の迷いもなく!彼は気品に溢れ、共に素晴らしい仕事をすることができた。彼の目には並々ならぬ、強い個性が表れていた。クソ!彼をちゃんと守れなかったことに、私は責任を感じている。残念でならない。彼は、両方の端から彼というろうそくを燃やしていたのだ。今ここにあるすべてを手に入れようとした。私たちは彼を失ったが、彼の映画は永遠に私たちと共にある。フー・ボーの映画を迎えてください。そして私と同じように彼を愛してください。市山尚三(東京フィルメックス・ディレクター)『象は静かに座っている』は次々と新たな才能が登場しつつある近年の中国映画の中でも稀有な傑作である。まずは、この作品が日本で劇場公開されることを喜びたい。これほどの才能ある監督の新作をもはや見ることができないという事実は悲劇でしかないが、一つ一つのショットに刻み込まれた魂の記録とも言うべき本作に心揺さぶられないものはいないだろう。『象は静かに座っている』は11月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年08月21日●『凶悪』『日悪』に続いて「心中した」原作『凶悪』(13)や『日本で一番悪い奴ら』(16)で、人間の業を炙り出してきた白石和彌監督が一転、「無償の愛」に挑んだ。10月28日に公開となる映画『彼女がその名を知らない鳥たち』。クレームで憂さ晴らししながら、地位も金もない陣治(阿部サダヲ)を足蹴にする依存女・十和子(蒼井優)。そんな十和子への執着心を隠さない不潔男・陣治と、薄っぺらな甘い言葉で十和子と肉体関係を結ぶ不倫男・水島(松坂桃李)。そして、自らの地位のために十和子を踏み台にする野心家の男・黒崎(竹野内豊)。不倫報道が日常化してきた今、ただその是か非かを問いただすのではなく、それら登場人物たちを通して、一観客に「あなたの愛とは?」を鋭く投げかける。その担い手となる役者を手とし、足とするからには。白石監督はそんな強いこだわりと責任を腹に据えて本作と向き合っていた。奇しくも映画作品で遺作となった中嶋しゅうさんとの思い出にも、役者への尊敬の念がにじみ出ている。○「同じような役」をオファーしないワケ――高校の先輩から数冊の本をもらい、その中の一冊が今回の原作だったそうですね。幻冬舎さんに小玉(圭太)さんという高校の大先輩がいらっしゃるのですが、小玉さんが『凶悪』を観て僕の存在に気づいてくださり、食事に誘ってもらって、それ以降かわいがっていただいてたんです。小玉さんが出版社問わず映画化したい本を数冊持ってきてくださって、その中の一冊が『彼女がその名を知らない鳥たち』でした。――『凶悪』がなければ、今回の作品も生まれなかったと。そうですね。『凶悪』問わず、すべての作品はそうやっていろいろなことに繋がっているんだと思います。――「無償の愛を描きたい」という思いが一致した作品だったと聞きました。映画化しづらい原作だと思います。過去の話が重要な要素を占めていますし、ラストの描き方もとても難しい。原作を読み終わって、1週間ぐらいそのあたりが引っかかっていました。でも、繰り返し考えているうちに、「好きかも」となってきて(笑)。そう思ってしまうと「もう、やるしかない」。――物語の起承転結も含めて、そうやって冷静に判断されてから決断されるんですね。もちろん。『凶悪』や『日本で一番悪い奴ら』もそうでしたが、「この原作と心中できるか」という覚悟がないと。もう少し手軽に撮っちゃえばいいのかもしれないですけど、「そうはいかん」と言い聞かせています。――原作に忠実に。ご自身の解釈で映画化することは本意ではないというお考えですか?もちろんそういうこともあり得るし、正しいとも思います。今回も読み終わって、ラストを変更することも考えて、いくつか書き出しました。でもやっぱりしっくりこなかった。最終的には「このラストしかない」と。これ以上の衝撃はありませんからね。――映画を観た後、何か引きずられているような独特の"魔力"がありました。CMで蒼井優さんを見ると十和子と重なって、以前とは違う魅力を感じたり。出ている役者さんが、それぞれ自分が抱いていたイメージとは少しずれているというか、キャスティングの妙を感じました。起用は原作を読んでの直感なのですが、阿部サダヲさんや蒼井優さんをはじめ、パブリックイメージと違う役割をいかに与えるのかというのが重要と考えています。阿部さんは最近「いい人」というか、潔癖感のある役が多かったのですが、今回のだらしない男も喜々として演じてくださいました。――そのあたりが「役者冥利」なんですかね。そうだと思いますよ。同じような役をやってもね。それを課されている俳優本人がいちばん思っているんじゃないですかね? でもみんな文句も言わず、当然プロだからきちんと全うしています。起用する側は、役者の将来性も踏まえてちゃんと考えてあげた方がいいと思います。●少女漫画映画の「恋」頼りを憂う――表現は正しくないのかもしれませんが、心理テストを受けているような映画でした。つまり、登場人物に対して自分がどのような印象を抱いているのか。そこがとても肝となるストーリー展開でした。そうですか(笑)。原作の流れには基本的に沿っていますが、陣治についても阿部さんから「どうやって演じたらいいですか?」と聞かれると、「さっき人を殺してきたような顔で」とお願いしていました。○連日の不倫報道と世間の「愛」――最近の映画は恋を描く作品が多くて、愛を描く作品が少ない。そんなこともプロダクションノートに書かれていました。今回の映画では、その「愛」を描こうとしている。少女漫画を原作にした映画がたくさん作られてますが、そのほとんどが恋の映画。また、そういう映画でしかヒット作を生み出せない日本の現状を憂いているというか、愛は愛でも気軽に口に出せる愛ではなくて、口に出すこと自体が軽く感じてしまうようなものをせめて作ろうよと。――そういう点での「無償の愛」は、とても覚悟のいるテーマですね。伝わっている人には伝わると信じたいですね。この映画は、最後に提示されるのが「愛」であるからこそ、観ていてつらくなるような展開を経ても残るものがあるんだと思います。いつか十和子が死ぬ時、きっと「良い人生だった」と前向きになるに違いない。そう思っています。――ここ数年、著名人の不倫が連日取り上げられています。今回の「無償の愛」は世相に対する問いかけとも受け取れます。でも映画を観て、ほとんどの人は無意識に「有償の愛」を求めているんじゃないかと思ってしまいました。本当にその通りだと思います。「無償の愛」は容易ではありません。相手に見返りを求めず、すべてを捧げることができる人はなかなかいない。そうやって深く考えていくと、この作品に潜んでいる過激なメッセージが聞こえてきます。でも、なかなか「無償側」にはなれませんよね。――そうですね。でも人として「無償でありたい」とも思います。1万分の1ミリでも、そうありたい (笑)。そうなれれば、何かが変わるんじゃないか。そんな予感がするんですよね。――松坂桃李さん演じる水島。十和子をもてあそぶゲス男でしたが、自分都合で考えてしまうことは多かれ少なかれ、自分も含めて誰にでもあるような気もしました。"そっち側"の人がほとんどだと思います。出演者の方には世の中の不倫についてとか具体的なことは話しませんでしたが、みんな共通して同じようなことを思っていたんじゃないですかね。○ピエール瀧の悪役像を生み出した起源――阿部さんからは「脚本に対して忠実に演じようとするルール」を感じたそうですね。脚本に書いてあることや僕がしてほしいと思っていることを、まずは素直に再現しようとする努力を惜しまない。そういう印象を感じましたね。役者さんが受け入れられなければ話し合うこともありますが、そういうこともあまりなかったです。互いに陣治のイメージが一致していたんだと思います。思い入れが強い役だったので、脚本にもだいぶ手を入れさせてもらいました。――『アウトレイジ 最終章』のピエール瀧さんを見て、『凶悪』を思い出しました。そういう悪役イメージを引き出したように、白石監督ならではの役者さんとの距離感、独自の演出法があるのではないかと。今の阿部さんの話を聞いても思いました。どうなんだろう。さきほど言われてうれしかったのが、もともとのイメージとずれている配役だったと。パブリックイメージと違う役割を与えるというのが、まずは僕の役目だと思うんですよね。それは役者にとってはうれしいことだし、一方では不安になるかのどちらかなんですよね。その役をやってみたいと思えばうれしいし、絶対にできないと思っていれば不安になるだろうけど。ただ、確実に普段やり慣れていることよりは、何かアプローチを変えなきゃいけないから。そういう役割をちょっとでも与えると、役者は急激に輝きを増すと思います。それは一般社会でも同じじゃないですか? プロ野球の監督も優勝すると、どのように指揮したのか分析する記事が上がりますよね。でも、その内容は結果を残したからこそ引きがあるわけで、結局は「勝てば官軍」。そういう考えに近いというか。新しい何かを発見してあげれば、役者は喜んでくれると信じています。●中嶋しゅうさん「また出てやるよ」――役者への尊敬の念ともいえますね。黒崎(竹野内豊)の妻・カヨ(村川絵梨)の叔父である国枝を演じた中嶋しゅうさん。残念ながら今年7月6日、舞台出演中に倒れ、帰らぬ人となってしまいました。映画で観ていただいた通り、役者としてとても輝いている方でした。嬉々として演じてくださって。国枝という役は原作では回想シーンしか登場しなくて、現在の十和子とは会わない。映画では2人が対面して。そのためにセリフを設けました。――「お前のことは覚えている」。身の毛もよだつセリフでした。やりたい放題やってきた国枝が五体満足で出てくるのも面白くないので、半身不随の設定にしました。どうですかねと尋ねてみたら、すごく喜んでくださって。「こんな感じの歩き方でいいかな?」とかいろいろ細かいアイデアをくださって。本当に楽しかったです。――どのような経緯で出演が決まったんですか?しゅうさんは前から出てもらいたいと思っていたんですけど、舞台でお忙しいのでなかなか映画のスケジュールと合わなかった。今回は、映画『関ヶ原』が終わって、ロケ地が大阪と近かったのでその足で来られるということになって、たまたまタイミングが合ったんです。やっと出てもらえてよかった、またお願いしますね、なんて話していたんですけどね。「また出てやるよ」と言ってくださっていたのに。――貴重なお話ありがとうございました。強烈な存在感とインパクトを残した役だったと思います。監督ご自身としてはここ最近、オファーが続々と舞い込んでいるそうですね。どのような基準で作品を選ばれているんですか?基本的には「面白い」と思えたもので、「ハートに火がつくかどうか」を方針としているんですけど、作品が増えすぎてきたのでまた方針を変えていこうかなと思っています。みなさん付き合いが長いと僕のことを知っていて「次にこういうのやりたいんじゃないの?」みたいなものを持ってきてくださって、それをやっちゃったりするので(笑)。『凶悪』や『日本で一番悪い奴ら』と同じように、この子(映画のプレスを指しながら)がまた新しい扉を開いてくれる映画になるんじゃないかとすごく期待していて。「お前、実録の人だろ?」みたいに言ってくるヤツもいましたが(笑)、職人でいたいなとは思いますよね。アレも撮れるし、コレも撮れる。そういった意味での新たな一面に挑戦できたことはよかったと思います。この作品も、新たな出会いのきっかけになることを願っています。■プロフィール白石和彌(しらいし・かずや)1974年北海道生まれ。1995年、中村幻児監督主催の映画塾に参加し、その後、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、行定勲、犬童一心監督などの作品にも参加。初の長編映画監督作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)の後、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した『凶悪』(13年)は、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞ほか、各映画賞を総なめした。その後、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』(16)、Netflixドラマ『火花』(16)など、幅広いジャンルを映像化し、来年は『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)の公開を控えている。(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
2017年10月27日今年5月に逝去した作曲家/シンセサイザーアーティストの冨田勲の遺作『ドクター・コッペリウス』がプロジェクトチームにより制作され、11月11日(金)・12日(土)の追悼特別公演で初披露される。10月26日に開かれた制作発表記者会見でその全貌が明らかになった。【チケット情報はこちら】『ドクター・コッペリウス』は、亡くなる1時間前まで打ち合わせをし、冨田が上演を最期まで夢見て創作し続けていた作品。“日本の宇宙開発・ロケット開発の父”と呼ばれ、バレエダンサーでもあった糸川英夫博士の「ホログラフィと一緒に踊りたい」という夢を形にするとともに、『イーハトーヴ交響曲』(2012年)のときに生のオーケストラ演奏で歌い踊ったボーカロイド・初音ミクにバレエ作品『コッペリア』を踊らせたいという冨田の思いが詰まった壮大な交響曲。オーケストラとシンセサイザー、バレエとホログラフィを融合させた“スペースバレエシンフォニー”となる。今回は、3Dで浮かび上がるバレエの衣装に身を包んだ初音ミクが、バレエダンサー風間無限とともに“パ・ド・ドゥ”を踊り、歌う。演出/エレクトロニクスのことぶき光は「映像は当日をお楽しみ」と明言を避け、振付の辻本知彦は「一番最後の曲はとてもいい振付になったと自負してます」と満足の表情でアピールした。1970~1980年代に冨田が制作した音源が入ったオープンリールテープもこのたび発見され、「再サンプリングしてかなりの場所で使います」とことぶき光。楽章の構成は7楽章。ストーリー原案とほとんどのサウンドファイルが遺されていたが、第1楽章と第2楽章はテーマや歌詞が遺されているのみ。プロジェクトチームから冨田氏へ思いを捧げる第0楽章『飛翔する生命体』を冒頭に据え、1と2は欠番となる。指揮の渡邊一正は「リハーサルはこれから。わくわくしています」と笑顔で語った。既存の楽曲を素材として用い、新しい世界観を作り上げるのが冨田の手法。本作には、ヴィラ=ロボス『ブラジル風バッハ』やレオ・ドリーブ『コッペリア』、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、最後の劇場用映画音楽となった映画『おかえり、はやぶさ』メインテーマが素材として用いられ、新しい世界を作り上げている。当日は、『ドクター・コッペリウス』のほかに、『イーハトーヴ交響曲』、冨田の代表作である『惑星 Planets』(1977年)のリミックスも披露される。冨田勲 追悼特別公演『ドクター・コッペリウス』は11月11日(金)・12日(土)に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催。チケット発売中。取材・文:門 宏
2016年10月31日太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」を演劇界の鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチが、7年ぶりに始動する彼のプロデュース公演「KERA・MAP」にて舞台化。太宰の分身のような主演の田島には、実力派俳優の仲村トオルが扮し、さらに小池栄子、水野美紀、夏帆、門脇麦といった豪華女性キャストが集結していることが分かった。妻子を田舎に残し、単身東京に暮らす男、田島周二。雑誌編集者という体裁の裏で、闇商売でしこたま儲けながら、10人もの愛人を抱えているという不埒な男。しかし一転、田舎の妻子を呼び寄せ、女たちと別れようと試みるが…。小説「グッド・バイ」は、太宰治が新聞連載を予定し13回分まで書かれていた未完の遺作。だが、太宰が玉川上水で入水自殺を遂げたため、まだ冒頭ともいえる部分のまま絶筆となっている。その遺作を2015年9月、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が脚本・演出を担当し、「KERA・MAP」の第6回公演「グッドバイ」として舞台化する。「人間失格」や「斜陽」などの退廃的な作風とは異なり、文体は軽やかでシニカル、ユーモラスな会話や描写が、その後の物語の展開を大きく期待させている小説「グッド・バイ」。残念ながら永遠に未完となったこの作品を、絶妙な会話劇の名手とされるKERAがどのように舞台化するか、早くも注目を集めている。主演・田島役の仲村さんを始め、キャストには小池さん、水野さん、夏帆さん、門脇さんに、町田マリー、緒川たまき、 萩原聖人、池谷のぶえ、野間口徹、山崎一といった実力派俳優たちが集結。仲村さんのKERA作品へ参加は、「黴菌」(‘10年)、この12月公演の「夕空はれて ~よくかきくうきゃく~」に続き、今作品が3作目。また、来年1月からスタートするKERA脚本・監督のTVドラマ「怪奇恋愛作戦」への出演も控えるなど、とりわけここ1年はKERA主宰の劇団「ナイロン100C」の劇団員並のペースで彼の作品への出演が続いており、その信頼度の高さが伺える。また、田島が数々の浮気相手と別れるべく、妻と偽り愛人たちに会わせていく、絶世の美女だが男勝りで口の悪いキヌ子を演じるのは、数々の舞台で高い評価を受ける小池さん。さらに夏帆さんや門脇さんら若手を始めとする女優陣の多彩さ、豪華さにも注目。KERA作品の常連俳優も多く、“太宰治×KERA”というかつてない作品世界を存分に体現してくれそうだ。今作で、知性と不純性を併せ持つ田島という男を演じることになった仲村さんは、「夏はドラマ(『怪奇恋愛作戦』)の撮影、そして、いまは舞台(『夕空はれて~よくかきくうきゃく』)の本番中。今年の大半はKERAさんの演出を受けていました。つまり夏以降は、俺、ほぼ『ナイロン(100C)』?のような…。来年の『グッドバイ』はまだかなり遠い話のような気がしますが、KERAさんに『これでさよなら』と言われないように、千秋楽の幕が降りる前にお客さんからは『グッドバイと言わないで!』と言われるように頑張ります」とユーモアたっぷりに意気込みをコメント。7年ぶりに第2期「KERA・MAP」をスタートさせるKERAは、「太宰にさほど興味のない私だが、どうしてあんなペシミストが、最期にこんな軽くユーモラスな作品に取り組んだのかが、ずっと興味深かった。導入部のあとは私が書く。『ヘナチョコな色男・田島と怪力傲慢な美女キヌ子。たくさんの田島の愛人』。軽妙酒脱な喜劇には格好の御膳立てと思われ、今回私はこれを、スクリューボールコメディとして成立させようと試みる」と語り、自身も期待を込めている。「KERA・MAP」第6回公演「グッドバイ」は2015年9月より世田谷パブリックシアター、10月より全国にて公演予定。(text:cinemacafe.net)
2014年12月01日昨年12月に急逝した森田芳光監督の遺作となった『僕達急行 A列車で行こう』のプレミア先行上映会が2月19日(日)、東京・品川プリンスシネマで開催され、“鉄ちゃん”こと熱狂的な鉄道マニアの主人公を演じた松山ケンイチと瑛太、ヒロイン役の貫地谷しほり、会社社長役で共演するピエール瀧が舞台挨拶を行った。大手企業に勤めるマイペース男子・小町圭(松山さん)と実家の鉄工所で働く小玉健太(瑛太さん)。性格は違えど“鉄道好き”という共通の趣味をきっかけに出会った2人が、鉄道愛ゆえの騒動を巻き起こしながら、いつしか周りをハッピーにしてしまう青春コメディ。森田監督によるオリジナル脚本で、構想には10年以上の歳月が費やされた。今回、初の共演が実現した松山さんと瑛太さん。以前から共演を待ち望んでいたと言い、松山さんは「瑛太さんが持っている柔らかい雰囲気のおかげで、自然に演技ができた」。瑛太さんも「もっと(役者として)にらみ合ったり、エネルギーをぶつけ合う現場になると思ったが、その真逆で松山くんと一緒にいると優しい気持ちになる」とお互いをベタ褒め。「例えば小町と小玉がケンカしたらどうなるんだろうとか、色々考えると、また瑛太さんと一緒に何かできればって思う」(松山さん)、「うれしいですね。松山くんは天才で秀才、尊敬しているので」(瑛太さん)と再共演を誓っていた。松山さんと瑛太さん、そしてピエールさんがジオラマ模型の中で電車を走らせるシーンは、マニアならずとも鉄道の楽しさを感じられる瞬間だ。撮影は博多のホビーショップで行われ「あの空間に入ると電車好きじゃなくても、電車好きになりますよ。模型のクオリティも素晴らしかったし、車庫にはSLが入っているんですよ」(松山さん)。そんな趣味に生きる男たちに対し、貫地谷さんは「私は趣味がないので、うらやましい」。森田監督との仕事は「監督のおかげで、現場はほわっとした雰囲気だった」とふり返る。また、ピエールさんも「これが森田演出かと、やってる僕らも度肝を抜かれることが多くて、非常に楽しかった」と撮影を存分にエンジョイしたようだ。“同じ趣味を通して、人とのつながりを持ち、人生を豊かにする”。そんな森田監督のメッセージが込められた本作が、ついに“発進”した。『僕達急行 A列車で行こう』は3月24日(土)より全国にて公開。■関連作品:僕達急行 A列車で行こう 2012年3月24日より全国にて公開© 2011『僕達急行』製作委員会■関連記事:岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表北川景子、恩師・森田芳光との別れに号泣織田裕二らも参列森田芳光監督の訃報に、松山ケンイチ「やっぱり寂しいです」松山ケンイチ、大河ドラマ「平清盛」放送目前で気合を注入!松山ケンイチ、中井貴一演じる父親が理想の父親像?
2012年02月20日昨年12月、61歳の若さで急逝した森田芳光監督の遺作『僕達急行 A列車で行こう』のプレミア先行上映会が19日に都内で開催され、本作で初共演を果たした松山ケンイチと瑛太、ヒロイン役の貫地谷しほり、共演するピエール瀧が舞台挨拶を行った。写真撮影時には、電車型の巨大パネルも登場し、松ケン&瑛太が“車窓”から挨拶するユニークな演出も施された。その他の写真本作は、松山と瑛太が“鉄ちゃん”こと鉄道オタクに扮し、熱っぽく趣味を共有することで、自分たちと周りを幸せにしていくハートウォーミングな青春コメディ。森田監督が10数年の構想を経て、シナリオを執筆。劇中には20路線80型式の車種が登場し、生前「これほど多くの電車が登場するのは、日本映画史上初だと思う」と豪語したほどだ。撮影は一昨年に行われ、松山は「やっと観ていただけて、うれしい」。そして「森田監督の遺作になったが『人は趣味を通して誰かとつながり、人生を豊かにできる』という大事なメッセージが込められている」と作品を真摯にアピールした。瑛太も「きっと今頃、喜んでいるんだと思います」と本作の“出発進行”を前に、一足先に天国に旅立った森田監督をしのんだ。人気・実力を兼ね備えたふたりの初共演に、本人たちは「瑛太さんから柔らかな空気感が出ていて、助けてもらった」(松山)、「一緒にいると優しい気持ちになれる」(瑛太)と互いをほめ合い、役柄同様の意気投合ぶり。若干“ダサめ”の衣装も注目で「衣装を着ると、自然と役に入れた」(松山)、「着た瞬間に純粋な気持ちで映画の世界観に入れた」(瑛太)と振り返った。貫地谷は「森田監督のおかげで、すごくほわっとした現場だった。私たちもほわっとした感じで演じることができて、楽しかったです」とニッコリ。鉄道ファンの会社社長を演じた瀧も「なるほどこれが森田演出かと、やってる僕らも度肝を抜かれることが多くて、非常に楽しかったですね」と映画そのままの楽しい撮影現場を、懐かしそうに語っていた。『僕達急行 A列車で行こう』3月24日(土)、全国ロードショー
2012年02月20日