8月25日(木) に15歳の誕生日を迎えた私立恵比寿中学の風見和香が東京・恵比寿ガーデンホールにて生誕ライブを開催した。メンバー自らがプロデュースする、エビ中生誕ライブシリーズ。今年から新メンバーも開催することが決定し、そのトップバッターを風見和香が務めた。『ののかまると犬の散歩~初めてのお散歩~』をテーマに初々しい第一回を開催した。マリンとセーラー服を意識した可愛らしい衣装で登場した風見は、「イヤフォン・ライオット」からスタート。この曲は新体制初の楽曲で、風見にとってのデビュー曲ともいえる。「今日で15歳になりました!一緒にお散歩楽しんでいきましょー!」と会場を煽るとスタートから盛り上がりを見せ、続いて「朝顔」を元気よく歌い上げた。最初のMCでは「みんな楽しんでいきましょうね! 緊張していますが嬉しいです。」と挨拶すると、「ラブリースマイリーベイビー」「誘惑したいや」、続けて上白石萌音のカバー曲「スピン」を歌い上げ、そのまま質問コーナーへ。「来年から新メンバーが入りますが、ののちゃんはどんな存在になりたいですか?」という質問に「エビ中の末っ子だけど、お姉さんらしく、真面目なキャラを貫きたい」などと風見らしく質問に答えて会場を和ませると、原田知世のカバー曲「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」、続いて「I’m your manager」を歌い上げた。そして、MCに入ると「自分の目標を発表したいと思います!」と深呼吸すると「15歳のテーマは自分らしくです! もっともっと自分の良いところを見つけて皆さんにアピールしていきたいと思います」と意気込みを語った。そして、ライブは後半パートへ。きゃりーぱみゅぱみゅのカバー曲「キミに100パーセント」で会場にハッピーな想いを届けると、雰囲気は一転し最新アルバムに収録されているバラード曲「ナガレボシ」を披露。切ない中にも温かみのある歌声で会場を優しく包み込んだ。栞菜智世のカバー曲「Heaven’s Door 〜日の当たる場所〜」でライブを締めくくると、「めちゃくちゃ緊張したけど、たくさんの方が集まってくださって、ここまで頑張ってきて本当に良かったなと思いました! ありがとうございます!」とファンに深々と感謝の言葉を届け、会場をあとにした。アンコールの拍手が響き渡ると、突如関取風の着ぐるみを来た風見が登場。いつもの優等生と一変した姿に会場は大盛り上がり。「着ぐるみがずっと着たかったの!」と会場を沸かせると、ハッピーバースデーソングが流れ、メンバーの柏木ひなたがケーキを持ってサプライズ登場し、15歳の誕生日をお祝いした。そして、着ぐるみのまま現役中学生最後のソロライブの記念として「永遠に中学生」を歌い上げると「これからも頑張りまーす! 本当に今日はありがとう!!」とファンに感謝の言葉を述べるとともに、さらなる活躍を誓って、記念すべき第1回のソロライブを締めくくった。<公演情報>風見和香生誕ソロライブ『ののかまると犬の散歩~初めてのお散歩~』2022年8月25日(木) 恵比寿ガーデンホール【セットリスト】01. イヤフォン・ライオット02. 朝顔03. ラブリースマイリーベイビー04. 誘惑したいや05. スピン/上白石萌音06. ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ / 原田知世07. I’m your manager08. キミに100パーセント / きゃりーぱみゅぱみゅ09. ナガレボシ10. Heaven’s Door 〜日の当たる場所〜 / 栞菜智世En.1 永遠に中学生<リリース情報>10th Anniversary Album『中吉』2022年9月21日(水) リリース●初回生産限定盤【3CD+Blu-ray】9,500円(税込)・豪華BOX仕様・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入●通常盤【2CD】3,800円(税込)・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入【CD1】※全形態共通01. 仮契約のシンデレラ02. 誘惑したいや03. ラブリースマイリーベイビー04. ハイタテキ!05. PLAYBACK06. スーパーヒーロー07. ポップコーントーン08. 感情電車09. なないろ10. HOT UP!!!11. シンガロン・シンガソン12. 星の数え方13. ジャンプ14. 愛のレンタル15. ハッピーエンドとそれから16. Anytime, Anywhere【CD2】※全形態共通01. エビ中出席番号の歌 その302. 仮契約のシンデレラ(中吉ver.)03. スターダストライト(中吉ver.)04. パクチー(中吉ver.)05. ハイタテキ!(中吉ver.)06. 全力☆ランナー(中吉ver.)07. 紅の詩(中吉ver.)08. YELL(中吉ver.)09. Family Complex(中吉ver.)10. 青春ゾンビィィズ11. 新未来センセーション12. Bang Bang Beat13. 8月配信予定曲【CD3】※初回生産限定盤のみ・エビ中 中吉ノンストップミックス by DJ和【特典Blu-ray】※初回生産限定盤のみ・エビ中10年の歴史を綴ったドキュメントムービー・「ANNIVERSARY POINT」収録10th Anniversary Album『中吉』特設サイト:「メジャーデビュー10周年特設サイト」:<配信情報>「ヘロー」作詞・作曲:harha編曲:ササノマリイ配信リンク:「Bang Bang Beat」作詞:Giz’Mo(from Jam9)作曲:ArmySlick / Giz’Mo(from Jam9)編曲:ArmySlick配信リンク:「新未来センセーション」作詞・作曲・編曲:けんたあろは配信リンク:「青春ゾンビィィズ」作詞・作曲:TAKUYA編曲:EFFY配信リンク:<ライブ情報>『私立恵比寿中学 Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR「放課後ロッケンロール」』※終了分は割愛9月1日(木) Zepp Osaka Bayside VS 新しい学校のリーダーズ9月2日(金) Zepp Osaka Bayside VS 石崎ひゅーい10月17日(月) Zepp DiverCity10月18日(火) Zepp DiverCity『私立恵比寿中学 We sing a popular tune on the stage 題して「ちゅうおん」2022』2022年9月24日(土)・25日(日) 秩父ミューズパーク 野外ステージ1部:open 12:00 / start 13:002部:open 16:00 / start 17:00桜木心菜生誕ソロライブ『桜木NightProm~new open~』9月16日(金) 東京・恵比寿ザ・ガーデンホールopen 18:00 / start 19:00■柏木ひなたプロデュース公演『35710〜わたしたち10年選手〜』2022年10月22日(土) LINE CUBE SHIBUYA出演:真山・安本・星名・柏木『101112〜平成いそきんトリオ集結〜』2022年10月30日(日) 市川市文化会館出演:柏木・小林・中山『10131415〜BOSSと子分たち〜』2022年11月12日(土) 立川ステージガーデン出演:柏木・桜木・小久保・風『柏木ひなた EBICHU 12th Anniversary Live Let’s laugh together forever!!!!!!!!!!』2022年11月28日(月) 中野サンプラザ出演:柏木※その他詳細は後日発表いたします。■私立恵比寿中学 オフィシャルサイト
2022年08月26日坂口健太郎&杏W主演「競争の番人」第7話が8月22日オンエア。大倉孝二演じる風見の“上司ぶり”に「頼りたくなっちゃう」「キャップの株が激上がり」などの反応多数。小勝負の過去について改めて注目する声も上がっている。「元彼の遺言状」のドラマ化も記憶に新しい新川帆立の最新作を原作に、独占禁止法に関わる違反行為を取り締まり、経済活動における自由で公正な競争の場を守るために目を光らせる公正取引委員会にスポットを当てた物語が展開する本作。公取委の第六審査・審査官として働く小勝負勉を坂口さんが、刑事だったが公取委への異動を命じられた第六審査・新人職員の白熊楓を杏さんがそれぞれ演じるほか、第六審査主査の桃園千代子に小池栄子。第六審査キャップの風見慎一に大倉孝二。父が検事の六角洸介に加藤清史郎。第六審査長の本庄聡子に寺島しのぶ。小勝負と東大時代の同期でもある検察官の緑川瑛子に大西礼芳。国土交通省事務次官の藤堂清正に小日向文世といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。楓は風見から一人で調査案件を担当してみないかと言われる。調査案件は大手通販サイト・三ツ星マーケットの自社オリジナルブランド「アンカレント」の再販売価格維持。白熊が風見とネット通販会社を回るとブランド事業部長の黒崎美佐子(雛形あきこ)の名で値引きを禁止するメールが届いていた。白熊と風見たちは三ツ星マーケットに立入検査を行う。美佐子はメールの差し出しなどを認め社長の山辺(姜暢雄)も調査に協力的で、案件は簡単に解決したかに見えた。しかし三ツ星マーケットには再販売価格維持以外に隠していることがあった…。それはサイトのランキング操作。ランキングはいつもアンカレントが上位を占めていて、アンカレントより売上のあるブランドでもランキングでは下位に表示されていた…というのが今回の物語。当初の調査でランキング操作に気づけなかったことで「警察でもミスして、公取でも失敗して、私ほんと何やってんだろ」と落ち込む楓に、風見は「白熊さんらしく頑張ればいい」と励ます。「私らしくってなんですか」と聞き返す楓に、風見は「色々考えないで、いつもみたいに突っ走れ」とアドバイスし、かすかに口ごもりながらも「何かあったら責任は僕が取るから」と宣言する…。この風見のセリフに「キャップ、頼りたくなっちゃういい人」「キャップの言葉、身に沁みます……」「良い上司すぎて、彼氏より小勝負よりキャップの株が激上がりしてしまう」などの反応多数。その後舞台は半年後に。緑川が「ラクター建設」に関する案件の資料を見せると小勝負の顔色が変わる。その供述調書には“小勝負誠”という名前と談合に加担という記述が。さらに本庄聡子の名も…。「来週、小勝負さんの過去が明かされる?」「小勝負勉のあの目、表情。過去は?本庄さんとの関わりは…」「小勝負の過去も気になる…クライマックスまで見逃せんぞ」など、終盤に向けて小勝負の過去についても大きな注目が集まっている模様だ。【第8話あらすじ】15年前、公取の四国支所にいた本庄は建設工事の談合疑惑に取り組む。ゼネコン大手の一角「ラクター建設」の関与が疑われるが有力な情報は得られずにいた。ラクター建設の木下健一(石井正則)から話を聞いた本庄は、木下が目を話した隙に周囲を見回し、小さな建設会社「小勝負建設」の調査資料を発見する…「競争の番人」は毎週月曜21:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年08月22日坂口健太郎&杏W主演「競争の番人」第4話が8月1日放送。大倉孝二演じる風見のセリフの途中でいきなり画面が真っ暗に…この演出が話題になる一方、自分が取り逃がした相手につい熱くなってしまう白熊には「刑事への未練が残りすぎ」といった指摘も送られている。これまでドラマとして描かれることがなかった、独占禁止法の違反行為を取り締まる公正取引委員会を舞台にした本作。公正取引委員会・第六審査、通称“ダイロク”審査官の天才、小勝負勉役で坂口さんが。犯人と取り逃がしたことで公取委への異動を命じられた元刑事で第六審査新人職員の白熊楓役で杏さんがそれぞれ出演、W主演を務めている。共演には第六審査主査で人心掌握術に長ける桃園千代子役に小池栄子。部下に翻弄される第六審査キャップの風見慎一役に大倉さん。育ちの良いお坊ちゃんな審査官・六角洸介役に加藤清史郎。第六審査を新たに立ち上げた第六審査長の本庄聡子役に寺島しのぶ。小勝負とは東大時代の同期で公取委に出向している検察官の緑川瑛子役に大西礼芳。小勝負と因縁がある様子の国土交通省事務次官・藤堂清正役に小日向文世といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。ダイロクは世界的電機メーカー・アレス電機の優越的地位の濫用、いわゆる下請けいじめを調べることに。白熊はアレス電機役員に知った顔の男がいることに気づく。それは白熊が強盗殺人事件の捜査中に現場で取り逃がした柴野竜平(岡田義徳)だった。警察は事件の捜査を中止しており、白熊は今度こそ柴野を捕まえることが出来るかもと意気込むが、今は公取委の身なので捜査はできない。本庄は柴野は下請けいじめの中心人物と目されているが、強盗殺人という重大事件に関わっている可能性があると分かった以上、公取委での調査はできないと話す…というのが4話のストーリー。アレス電機の件について打ち合わせするダイロクのメンバーたちに、自分の息子が出場する中学の軟式野球大会のチラシを配る風見。息子が強豪校でレギュラーになったことを軽く自慢しつつ、ダイロクメンバーたちに応援に来るよう暗に求める。驚く白熊らを前に風見が「仲間と力を合わせて正々堂々と競い合う。スポーツって最…」と話していると、突然映像が切れてしまう…一瞬の間を置いて“数日後”とテロップが表示され…。この演出に「テレビの電源が急に切れたのかと思った」「風見さんのお子さん自慢が途中でカットされたw」「みんな聞いてないのを台詞カット&暗転で表現するの好き」「上司が部下に息子の野球の応援を強制するのは「優越的地位の濫用」じゃないのかww」などの声が。一方、公取に現れた柴野に対し、刑事口調で「答えなさい!」と怒鳴りつけてしまう白熊には「白熊ちゃん、公取に来たばかりとはいえ刑事への未練が残りすぎてるんだよな」「白熊ちゃん気持ちはわかるけど、組織人としての職分に自覚を持たないとね…公取として戦わなきゃ」といった反応が上がる一方、「白熊の真っ直ぐさに大丈夫かと心配になりながら、やっぱり爽快さがあります」といった声も送られている。【第5話あらすじ】アレス電機への検査が行われようとした時、ダイロクに洸介の父で検事の敦夫(羽場裕一)と駒場直樹(小松和重)が現れて検査に待ったをかける。柴野に横領の疑いがあるため検察の捜査を優先させて欲しいと言う。敦夫の言うことを聞くしかないと半ば諦め気味の風見だが、本庄聡子(寺島しのぶ)は検察の捜査の邪魔はしないと断わる…。「競争の番人」は毎週月曜21:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年08月01日ユニットコムは28日、PCゲーム「グリザイア」シリーズに登場するキャラクター、風見一姫のビジュアライズノートPCを発表した。受注開始は28日で、3月下旬から出荷開始。同社が運営するパソコン工房、BUY MORE、TWOTOP、Goodwillで販売し、パソコン工房サイトではWeb通販も行う。価格は134,400円(消費税5%時、以下同)から。イラストレーター「フミオ」氏による描き下ろしイラストを天板にプリントした、フルHD解像度の15.6型ノートPC。専用テーマとして、作品内の音声を使用したシステム音源を収録。外装にはオリジナルカートンケースを採用し、購入特典としてマイクロファイバークロスが付属する。エントリーモデルの主な仕様は、CPUがIntel Pentium 2020M(2.4GHz)、チップセットがIntel HM76 Express、メモリが4GB(4GB×1)、ストレージが500GB HDD、グラフィックスがGeForce GT 650M 1GB/Intel HD Graphics 4000(NVIDIA Optimus対応)、光学ドライブがDVDスーパーマルチ、液晶が15.6型ワイド(1,920×1,080ドット)。OSはWindows 8 64bit。上記仕様で、価格は134,400円。スタンダードモデルの主な仕様は、上記仕様から、CPUがIntel Core i3-3120M(2.5GHz)、メモリが8GB(4GB×2)、光学ドライブがブルーレイディスクドライブに変更される。この構成で価格は160,650円。ハイスペックモデルでは、上記仕様から、CPUがIntel Core i7-3630QM(2.4GHz)、ストレージが120GB SSDに変更される。この構成で価格は194,250円。その他の仕様は共通で、主なインタフェースはSD/MMC/メモリースティック対応カードリーダー、USB 3.0×2、USB 2.0×1、USB 3.0/eSATA Comboポート×1、HDMI×1、D-Sub×1など。通信機能はGigabit対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN。本体サイズはW374×D250×H16.3~41.4mm、重量は約2.8kg。バッテリ駆動時間はJEITA測定法 Ver1.0で約2時間30分。
2014年02月28日映画監督、脚本家の新藤兼人氏が5月29日に亡くなった。映画監督として数々の名作を残しているけれど、脚本にも注目作品が多い。その新藤氏が関わった鉄道映画の名作が、1960年公開『大いなる旅路』だ。監督は関川秀雄氏で、新藤氏は脚本を手がけた。主演の三國連太郎は国鉄機関士の青年から壮年までの30年を演じきった。実際に起きた鉄道事故が制作のきっかけで、全編を通じて鉄道機関士の真摯な生き方を描く作品であると評価され、当時の国鉄の協力を得た。大正末期。主人公の岩見浩造(三國連太郎)は蒸気機関車の助手(窯焚き)だ。同期で親友の佐久間太吉(加藤嘉)は、東京鉄道教習所の試験に合格しエリートコースへ。しかし浩造は不合格となり、ふてくされて仕事に身が入らない。そんな浩造を諭す先輩機関士、橋下(河野秋武)と乗務した貨物列車が、雪崩を避けきれず脱線転覆する。浩造は助かったが、橋下は「事故を知らせろ」と言い残して死ぬ。現場に復帰した浩造は、新婚の妻(風見章子)と通り過ぎる列車を眺め、「列車を守る人がいるから乗る人が安心して眠っていられる。俺達は一番大事なものを預けられていた」と決意を新たにする。生まれ変わった浩造は、堅実に仕事を続ける。次男が生まれる頃には機関士に昇格。3男1女に恵まれた。だが長男は徴兵され、後に戦死してしまう。次男は父の思いを受け継ぎ、東京鉄道教習所に合格。浩造の運転する列車で東京へ。三男は予科練に志願した。戦後を迎えて社会が落ち着くと、今度は長女が自由恋愛になびいて去ってしまう。「みんな出ていってしまって、育てた甲斐がない」と嘆く妻に、「子供なんて、みんなそんなもんだよ」と浩造は諭す。戦後も浩造は機関士として働く。その間、次男は佐久間の娘と結婚、その一方で三男の死など、喜びや悲しみが積もりゆく。そんな中、浩造の働きが認められ、国鉄本社で表彰されることに。功績章を胸に付けた浩造と妻は、次男が運転する「こだま」に乗り、旅を続ける……。機関士という仕事に向き合ってきた主人公と家族のドラマ。脱線事故のほかに大きな山場もなく、ミステリーのようなトリックも、大仕掛けで盛り上がる場面もない。しかし、ラストシーンでは人生の重み、家族の絆などさまざまな思いが蘇り、感動の波がわき上がる。映画製作のきっかけとなった事故は1944(昭和19)年、山田線で起きた。機関車が雪崩で崩れた鉄橋にさしかかり転落。28歳の加藤岩蔵機関士が死亡し、機関助士も負傷した。加藤機関士は労働組合の殉職者名簿において、「死ぬ間際まで安全のため職務を全うした機関士」として記録された。機関助士も、負傷しながらも事故防止に尽力したと讃えられている。このエピソードを知った新藤兼人氏が映画製作を立案。脚本を手がけて関川秀雄氏に提供したという。主人公の名前は「岩見浩造」であり、殉職した加藤岩蔵機関士から「岩」の字を取ったといえる。映画公開後、事故現場に記念碑も建てられた。映画では、老練な橋下機関士が壊れた時計を示し、「これが発生時刻だ、すぐに知らせに行け」と指示している。これも実際のエピソードによるものだという。この場面を撮影するにあたり、山田線浅岸駅のスイッチバックで本物の機関車を脱線させた。国鉄上層部が特別に許可したという。映画に使われた機関車は8620形だが、事故にあった機関車はC58 283号機で、戦後になって引き上げられ、再び山田線を走ったとのこと。物語の舞台は盛岡機関区だ。映画でも、同機関区に所属していた蒸気機関車がたくさん登場する。形式までは追いきれないものの、二軸貨車も多く登場し、まるで「動く貨車カタログ」のようだ。浩造が担当する列車はほとんどが貨物列車で、当時の日本の物流の主役は貨物列車だったと実感できる。戦時の物資不足を示すエピソードとして、蒸気機関車に供給する石炭の質の悪さに苦労する機関士のセリフがある。終盤には電気機関車や電車も現れ、30年の時の流れを表現している。それにしても、約90分の映画で30年分も歳を取るにもかかわらず、俳優陣の演技が見事だ。まるで30年間ずっと撮影し続けたかのように見えてしまう(予告編によると撮影は2年間にわたったそう)。アルバムをめくりながら、長い歳月を振り返ったような感覚になる。ちなみに三國連太郎は、同作品に出演する2年前、老人を演じるために歯を10本抜いたというエピソードがある。この作品でもそれが役に立ったようだ。主人公以外の配役では、浩造の次男に注目。なんと若かりし頃の高倉健だ。新人鉄道員を演じ、花形列車の151系ビジネス特急「こだま」を運転する。この若い”健さん”が後年、『新幹線大爆破』で犯人役となり、北海道の小さな駅を描いた映画『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)の主人公となるのだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月24日