「IPOに申し込んだのに、なかなか当たらない。どこの証券会社で申し込んだらいいの?」、そんな風に思ったことはありませんか?IPOの最大のデメリットは、抽選で当選しないと買い付ける権利を得られない点です。しかも、当選確率は非常に低いのが現状です。そこで今回はIPOの当選確率を少しでも上げるために、IPOに強い証券会社を紹介していきます。併せて初値が上がりやすいIPO銘柄の特徴なども解説しますので、IPO投資をする際にご参考にしていただけたらと思います。通常の株取引にはないIPOの魅力それでは、まず通常の株取引(すでに上場している株を売買する株取引)にはないIPOの魅力を2つ見ていきましょう。魅力①短期間で大きな利益を得られる可能性が高いIPOの最大の魅力は、短期間で大きな利益を得られる可能性が高いという点です。投資家はIPO銘柄を上場前に事前に提示された公募価格で購入し、上場後にいつでも売却することができます(もちろん、そのまま保有し続けたり、買い増しすることも自由です)。公募価格:新規に上場する株式(IPO銘柄)を購入する際の価格のこと。そして、多くのIPO銘柄が公募価格よりも初値(上場後に初めて付く株価)のほうが高くなるのです。しかも、初値が公募価格の2倍・3倍になることも珍しくありません。2019年の新規上場をしたIPO銘柄は全86社。その内、初値が公募価格を上回ったのは86社中75社と、全体の87%を占めています。つまり、初値で売却をすれば、IPOの申し込みから上場までの2~3週間という短期間で、投資した資金を一気に2倍・3倍にも増やすことが可能なのです。2020年IPO銘柄の成績を見てみようそれでは初値で売却した場合、具体的にどれくらい利益を上げられるのでしょうか。2020年7月の記事執筆時点で今年新規上場したIPO銘柄は39社あります。そのうち直近上場した10銘柄の公募価格と初値を見てみましょう。直近10銘柄はすべて初値>公募価格という実績でした。公募価格に比べて初値が2倍~4倍の銘柄が多く、中には9倍以上になっている銘柄もありますね。一方で、2020年1月~2020年7月までのIPO銘柄の中で、公募価格割れをしてしまった銘柄が18銘柄あります。公募価格割れ:初値<公募価格になること。2020年前半は、約半分のIPO銘柄が公募価格割れというかなり悪い結果となりました。ただし、これは18銘柄すべてが3月~4月上旬に集中しているので、新型コロナウイルスによる歴史的な市場環境の悪化が大きな要因と考えらます。なお、直近5年間のIPO銘柄のうち、初値>公募価格となった銘柄は8割~9割に上っています。魅力②買付手数料がかからないIPO銘柄を買い付ける際は、通常の株取引でかかる買付手数料が発生しません。そのため、公募価格×購入株数が必要な購入資金額となります。[adsense_middle]初値>公募価格になるIPO銘柄の特徴IPO投資では初値が公募価格を大きく上回る確率が非常に高いです。一方で、中には初値<公募価格になってしまうIPO銘柄も中にはあります。そこで、ここでは初値>公募価格になる可能性の高いIPO銘柄の特徴を解説していきます。特徴①企業の成長性が高いIPO銘柄の成長性が高いと、投資家の人気を集めるため、初値が高くつきやすいです。逆に、成長性がほとんどないと見られるIPO銘柄には買い手がつきづらいという傾向があります。成長性を見極めるためには、過去の業績をチェックし、売り上げや利益が順調に右肩上がりで上がっているか、その企業が属する業界は今後市場拡大が見込めるのかどうかなどを確認しておきましょう。特徴②マザーズorジャスダックに上場するいくつかある市場の中で、マザーズorジャスダックに上場するIPO銘柄は、ほかの市場に上場する銘柄よりも初値が飛びやすい傾向にあります。これは、どちらの市場も今後の成長が期待できるベンチャー企業が多く上場するためです。また、マザーズとジャスダックを比べると、マザーズのほうが成長力のある企業が上場する傾向があるため、どちらかと言うとマザーズに上場するIPO銘柄のほうがおすすめです。特徴③知名度があるIPO銘柄の知名度にも初値は影響されます。知名度がある企業のIPOには、「あの企業が上場するなら買ってみようかな」と、普段IPOに参加しない投資家が申し込みや買い付けをすることがあります。そのため知名度があると買い付ける人が多く、初値が上がりやすい傾向にあるのです。2015年に上場した日本郵政やゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、2016年に上場したJR九州は初値>公募価格でした。一方で、2018年に上場したソフトバンクは公募価格割れをしてしまいました。ソフトバンクが公募割れした要因の1つに、上場前に大規模な通信障害を発生させてしまい、それが投資家心理に悪影響を与えたこと、という指摘もあります。特徴④事業内容に他社との違いがある他社にはない事業内容を展開している企業のほうが、初値が高くつきやすい傾向にあります。それらの企業は競合他社が少なく、今後の成長力に期待をする投資家の買いを誘いやすいためです。【取扱数や主幹事に注目】当選確率を上げる証券会社選びのポイント前章では初値>公募価格になりやすいIPO銘柄の特徴をお伝えしました。しかし、いくらよいIPO銘柄を見つけても、当選しなければ意味がありません。そこで、この章ではなるべくIPOの当選確率を上げるための証券会社選びのポイントを3つ紹介していきます。ポイント①IPO銘柄の取り扱いが多いIPOの当選確率は非常に低く、100回申し込んで1回~2回当たる程度だと言われています。そのため、IPO銘柄の取り扱いの多い証券会社で、より多くの抽選機会を確保することが重要です。年間数社の取り扱いをしている証券会社と、何十社と取り扱っている証券会社では、抽選に参加できる回数に大きく差が出ます。当選するためには、IPOの取扱数が多い証券会社を選び、数を打つことが大切なのです。ポイント②主幹事を多く務めているか企業が新規上場する際には、4社~7社の証券会社がさまざまなサポートをします。主幹事証券会社とは、その中でも主導的な役割を果たす証券会社を指します。実はこの主幹事証券会社は、売り出すIPO銘柄の株数のうち、約7割~9割程度を受け持っているのです。つまり、主幹事の証券会社は投資家へ割り当てるIPOの株数の絶対数が多いため、それだけ当選する投資家も多いことになります。そのため、主幹事を多く務める証券会社は狙い目です。ポイント③チャンス平等な抽選方法を採っているIPOの割り当て方法は証券会社によって異なります。取引実績や資金量に関係ない平等な抽選方法を採っている証券会社もあれば、抽選によらず証券会社側が任意で配分をする方法もあります。また、この2つの配分方式をミックスしている証券会社もあります。特に取引実績の少ない株式投資初心者は、取引実績や預けている資金量に関係ない、当選確率が皆平等な抽選方法を採用している証券会社を選んだほうがよいでしょう。[adsense_middle]【徹底比較】IPOに強い証券会社ランキング5選それではIPO投資をする際に口座を開く証券会社はどこがいいのでしょうか。最後にIPOに強い証券会社をランキング方式で5社紹介しますので、参考にしてみてください。1位:SBI証券IPO銘柄の取扱数が多い第1位はネット証券最大手のSBI証券。まず、SBI証券は、IPO銘柄の取扱数がほかの証券会社に比べ非常に多いです。2019年には86社が新規上場しましたが、SBI証券はそのうち82社を取り扱っていました。2020年も引き続き、取扱数は豊富です。つまり、現状SBI証券に口座を持っていれば、IPO銘柄の大半に申し込みができる、ということです。特徴的なポイント制度ありSBI証券には、IPOチャレンジポイントというSBI証券独自の特徴的な制度があります。この制度では、抽選に外れた回数に応じてポイントが加算されます。そして、次回以降の抽選時にこのポイントを使用すると当選確率が上がる、という仕組みになっています。つまり、抽選に外れても決して無駄にはならず、外れれば外れるほど、次回以降の当選する可能性が高まるのです。なお、抽選方法は、個人顧客へ配分予定数量の70%が抽選(申込株数単位)、30%がIPOチャレンジポイントに基づく配分となっています。2位:マネックス証券取扱数が豊富第2位はネット証券のマネックス証券。マネックス証券の特徴は取扱数が豊富な点です。2019年は45銘柄/86社を取り扱っており、ここ数年は50社前後取り扱っています。おおむねマネックス証券では全IPO銘柄のうち、半分以上に申し込みができるイメージです。当選確率が平等さらにマネックス証券は、申し込み数や取引実績、資金量が当選確率に反映しない抽選方法を採用しているため、誰もが平等に当選する可能性があるのも大きなポイントです。3位:SMBC日興証券主幹事数と取扱数が多く、IPO投資家に人気主幹事数と取扱数が業界でも有数なSMBC日興証券が第3位です。2019年の主幹事数は20社と第2位で、取扱数は61社に上り、2020年も7月時点で7社の主幹事を務めています。SMBC日興証券では、一般投資家へ販売する数量のうち、最大15%が抽選に回ります。15%のうち、10%前後が1人1票の平等なチャンスのある抽選方法のため、少額の申し込みであっても当選する可能性があるのです。また、残りの5%/最大15%部分に関しては、オンライン取引のダイレクトコースの中で、抽選で落ちてしまった申し込み者を対象に、預かり資産額に応じて当選確率が変わる抽選方法を採っています。4位:野村證券主幹事狙いの方におすすめ第4位は業界最大手の野村證券。野村證券の特徴は、主幹事数が毎年トップクラスに多いことです。主幹事を狙ってIPOの申し込みをしたい人にはぴったりの証券会社です。ただここ数年の取扱数が、SMBC日興証券と比べて30社前後下回っているため、第4位としました。野村證券では、顧客へ割り当てるIPOのうち、90%が営業マンなどの裁量で配分する裁量配分を、10%がネット抽選による当選確率が平等な抽選方法を採っています。手軽に申し込みができるまた、野村證券は事前入金不要で、手軽に申込みができるのも特徴です。ただし、野村證券の口座数の多さや、事前入金不要で申し込みができる手軽さから、申込みの絶対数が多く、当選確率は厳しいケースが多いでしょう。5位:楽天証券取扱いIPO銘柄が増加中第5位はネット証券口座数No.2の楽天証券です。楽天証券は最近IPOに力を入れてきており、2019年の取扱数は26社と特筆して多いわけではありませんが、ここ数年は取扱数が伸びています。なお、抽選方法は取引実績や資金量によらない完全平等な方式ですので、誰でにもチャンスがあります。IPOに強い証券会社に関するまとめ今回はIPOの魅力やIPOに強い証券会社などを紹介してきました。IPO投資は当選確率は低いですが、当たれば短期間で利益を上げられる可能性が高く、とても魅力的な投資方法です。今回紹介したIPO銘柄や証券会社の選び方を参考にしていただき、IPO投資をご検討いただければ幸いです。
2020年08月13日投資をご存知ですか?IPOとは新規公開株式(Initial Public Offering)の略で、企業が新たに上場し、投資家に株式を取得してもらうことを指します。そしてIPO投資は、これから上場する企業の株(IPO銘柄)を上場前に購入する投資方法のことです。IPO投資は高確率で利益を狙えるため「無料で買える宝くじ」とも言われています。今回は投資初心者の方に向け、そんなIPO投資の仕組みやメリット・デメリット、リスクなどを解説していきます。IPO投資とはIPO投資とは、冒頭で触れたとおり、これから新規上場する株(新規株式公開する株)を上場前に購入する投資方法です。通常の株取引では、上場済みの日々値動きが上下している株を売買しますが、IPO投資の場合は、上場前に決定された「公募価格」で購入し、上場後には自由に売買することができます。例えば、2015年11月に日本郵政が新規上場しました。日本郵政の株は上場前に1株あたり1,400円という公募価格がついたため、投資家は100株を14万円(1,400円×100株)の資金で上場前に購入することができました。ただし、IPO銘柄は抽選が行われるため、抽選で当選しないと上場前に購入することはできません。公募価格はBB(ブックビルディング)で決定されます。BBは個人投資家への「どれくらいの株価で何株買いたいか」を聞くアンケートのようなものです。IPO投資の始め方では、IPO投資はどうやって始めればよいのでしょうか。ここでは流れを把握しましょう。IPO(上場)承認仮条件決定BB(ブックビルディング)公募価格決定抽選当選&購入する権利を得るStep①IPO(上場)承認上場申請をしていた企業が、証券取引所から上場OKの許可をもらいます。このようにこれから上場する企業が、投資家がIPO投資のできるIPO銘柄となります。Step②仮条件決定新規で上場する企業の株価の仮条件(価格帯)が、機関投資家などの意見を基に決定されます。2015年11月に上場した日本郵政は仮条件が1,100円~1,400円でした。Step③BB(ブックビルディング)「いくらの株価で何株申し込みをするか」を申告します。証券会社によってはBBに参加しなくてもIPO銘柄の購入申し込みをすることができます。しかし、BB参加者に比べて優先順位は下がってしまいますので、IPO銘柄の購入希望者は必ずBBに参加しましょう。Step④公募価格決定BBに基づき、公募価格が決定されます。この公募価格がこの後行われる抽選で当選した投資家の購入価格となります。Step⑤抽選申し込み多数の場合は、抽選が行われます。IPO銘柄は人気なので、抽選はほぼほぼ行われると思ってよいでしょう。抽選方法は証券会社により異なり、1口座につき1抽選権のある完全平等な抽選もあれば、対面型の証券会社のようにお世話になっている顧客へ優先的に配分する、といった場合もあります。Step⑥当選&購入する権利を得る抽選に見事当選すれば、購入する権利を得ることができます。購入する権利ですので、権利を破棄して購入しないことも可能です。購入を希望する場合は、定められた購入期間中に購入手続きを取りましょう。IPO投資のメリットなんだかIPO投資は手続きなどいろいろあって大変そうですね。ですが、IPO投資にはこの煩雑な手続きをしてまで始めるメリットがあると個人的には考えます。ここではIPO投資のメリットを2つ紹介していきます。メリット①通常の取引より大きな利益を短期間で得られやすいIPO投資は、通常の株取引よりも大きな利益を短期間で得られる確率が非常に高いです。これがIPO投資の最大のメリットです。なんと初値が公募価格の2倍、3倍になるのも珍しくありません。つまり、IPO投資はその企業が上場した瞬間に売却をすれば、購入価格の何倍ものリターンを得られる可能性があるのです。海外株・日本株投資を含めて、ここまで高い確率で投資初心者が大きな利益を出せる投資方法はIPO投資のほかにないでしょう。初値:上場後初めてつく株価。公募価格で購入後、初値で売却することもできる。なお、2019年の新規上場を果たしたIPO銘柄は全86社。初値が公募価格を上回ったのは86社中75社と、全体の87%と占めています。その内39社の初値が公開価格の2倍以上となりました。例えば、記事執筆時点で直近上場したSpeee(スピー)は公募価格の1.79倍、Branding Engineerは5.96倍、グッドパッチは約4倍の初値がつきました。メリット②買付手数料が無料IPO投資は通常の取引で発生する買付時の手数料が掛かりません(売りの手数料は掛かります)。つまり、「公募価格×株数」が購入にあたっての必要資金となります。IPO投資のリスク・デメリットIPO投資は短期間で大きな利益を得られる確率が高かったり、買付手数料が掛からなかったりと大きなメリットがあります。一方で、デメリットやリスクもあります。ここではIPO投資のリスクとデメリットについて紹介していきます。IPO投資のリスクリスク①公募価格割れリスクはある確かにIPOは初値>公募価格となる確率は高いです。ここ5年間では約9割の高確率で、初値で売却すれば大きな利益を上げることができています。しかしこれは、残りの約1割は公募価格割れ=初値で売ると損するということでもあります。公募価格割れのリスクはどうしてもありますので、リスクとしてしっかり把握しましょう。公募価格割れリスクの低いIPO銘柄は、①業種全体・企業の成長性が期待できる、②ジャスダックorマザーズに上場する、③銘柄の知名度、などを勘案し見極めるのがおすすめです。リスク②上場後すぐは乱高下することもIPO銘柄は、上場当初は株価の変動が非常に大きく、乱高下する場合があります。例えば、2020年6月30日に上場したグッドパッチの株価は、上場して2週間程度ですが、日々5%~10%前後の上げ下げを繰り返しています。このようにIPO銘柄は上場後の値動きが激しく、予想しにくいというリスクは把握しておきましょう。IPO投資のデメリットデメリット①当選確率は非常に低い短期間で大きなリターンを得られる確率の高いIPO投資は非常に人気です。そのため多くの投資家が抽選に申し込むため、当選確率は非常に低いというデメリットがあります。当選確率は公開されていませんが、各金融メディアの数字や、注目度が高く抽選倍率が公表されているいくつかの銘柄の数字を総合的に勘案すると、100回申し込んで1回~2回当たるといったレベルのようです。デメリット②一時的に資金が拘束される場合も証券会社によっては、IPO銘柄の購入資金を申し込み時点で拘束されるところもあります。購入資金が拘束されるタイミングは、申し込み時点や当選発表後など証券会社によって異なります。例えば、申し込み時点で資金が拘束されるとなると、2~3週間資金を動かすことができません。そのため、自分が申し込んだ証券会社ではいつまでにいくらの資金が拘束されるのか、しっかり把握するようにしましょう。デメリット③IPO投資のやり方が面倒だと感じる場合もIPO銘柄の情報収集をしたり、BBで希望株価・株数を申告したりと、IPO投資のやり方は面倒だと感じる人もいます。また、IPO投資の手続きを取ったとしても、当選する確率は非常に低いため、「どうせ当たらないし・・・」という精神的なダメージも受けるでしょう。もちろん当たれば高確率で利益を出すことができますので、後は個人のモチベーション次第ですが、なかなか当選しないと心が折れても不思議ではありません。【株式投資初心者におすすめ】IPOの当選確率を上げる方法では最後に、IPOの当選確率を少しでも上げる方法を2つ紹介していきます。地道な作業ではありますが、ご参考にしてください。[adsense_middle]【おすすめ】複数の証券会社で申し込む複数の証券会社で申し込みをして、抽選機会を増やし、当選確率を上げるという方法です。もし抽選に外れてしまっても資金は戻ってきますので、損をすることはありません。抽選方法は証券会社によって異なります。投資初心者の方は、取引実績や資金量に当選確率が左右されずに、誰にでも平等な当選チャンスのある抽選方法を採用している証券会社で申し込むのがよいでしょう。また、IPO銘柄の取り扱いが多ければ多いほど、抽選する機会に恵まれるため、IPO銘柄を多く取り扱っている証券会社を利用するのがおすすめです。IPO主幹事の証券会社で申し込む企業が上場する際に、上場する企業のサポートをする証券会社を「幹事証券会社」といい、中でも中心的な役割を果たす幹事証券会社を「主幹事証券会社」と言います。なぜ、主幹事証券会社で申し込むとよいのかというと、投資家へ売り出されるIPO銘柄の全株数のうち、主幹事証券会社が7割~9割程度を受け持っているのです。つまり、主幹事の証券会社は他社に比べ、投資家へ割り当てるIPO銘柄の株数を圧倒的に持っています。その分だけ当選者が多く、当選確率も高い可能性があるのです。IPOで当選確率を上げるにはどの証券会社がおすすめ?IPOで当選確率を上げるには、複数の証券会社や主幹事の証券会社で申し込むのがよいと解説しました。この2つのポイントを踏まえ、「IPOの当選確率上げる」という観点ではどこの証券会社がおすすめなのでしょうか。ここでは4つの証券会社を紹介していきます。マネックス証券「マネックス証券」は取引実績や預かり資産・資産状況に関係なく、投資初心者であっても投資玄人であっても平等な抽選が行われます。また、IPO銘柄の取り扱いも豊富なのでおすすめです。SBI証券ネット証券最大手の「SBI証券」もおすすめです。ネット証券会社ですが、主幹事証券会社を比較的多く務めているのが特徴です。さらに、取り扱っているIPO銘柄数も豊富です。2019年には82社のIPO銘柄を取り扱っており、これは2019年の全IPO銘柄の約95%を占めています。なお、2020年も引き続き、IPOの取り扱いが豊富です。つまり現時点では、より多くの抽選機会を得るためにはSBI証券を利用するのが得策といえるでしょう。また「IPOチャレンジポイント」といって、抽選に外れた回数に応じてポイントが加算し、次回以降そのポイントを使うことにより当選率が高くなる、というSBI証券独自のサービスもあります。落選すればするほど、次回以降の当選確率が上がるため、落選しても無駄にならない点がよいですね。野村證券・SMBC日興証券主幹事数・IPO取り扱い銘柄数ともにトップクラスなのが「野村證券」と「SMBC日興証券」です。顧客へ割り当てるIPOの株数のうち、野村證券は10%以上、SMBC日興証券は最大15%が抽選となります。また、野村證券は10%以上・SMBC日興証券は10%前後/最大15%は、取引実績や資金量に左右されない誰でも平等にチャンスがある方式となっています。さらに「野村證券」の場合は、お金は当選してから入金すればよいので、気軽に申し込みができます。IPO投資に関するまとめ今回はIPO投資の仕組みやメリット・デメリット、IPOの当選確率を上げる方法などを解説してきました。IPO投資は当選すれば短期で大きな利益を上げられる可能性が高い投資方法です。今回解説したリスク・デメリットを把握した上で、IPO投資をご検討してみてはいかがでしょうか。
2020年07月30日○IPO市場が大躍進の米国株式市場今年の秋に「日本郵政」が上場する。1987年に上場したNTT並みの政府系大型株が「IPO(新規公開株)」となるとあって、話題を集めそうだ。その半面、一般投資家にとって「IPO」はあまり馴染みのない言葉であることも確かだ。一般的にIPO銘柄は、聞いたことのないような社名のことも多いし、規模が小さいことから、投資するには不安が大きいからだ。ただ、昨年リクルートが上場、今年は、日本郵政が上場するほか、LINEも上場候補にあがるなど、注目銘柄が続き、徐々に注目を集めつつある。こうした中、海を越えた米国では、IPO市場が活況を呈している。景気回復や株価上昇などを背景に、2014年は、件数、調達額とも、2001年以降でもっとも高い水準となっている(「グラフ1」参照)。○国の経済活性化には、新陳代謝が必須今、なぜ米国のIPO市場が沸いているのだろうか?ひとつには、世界的にIPOを推奨する動きがあることが大きい。というのは、国の経済が常に成長していくためには"新陳代謝"が不可欠だからだ。競争力が衰えた企業が退場し、活力のある新しい企業がどんどん出てくることで、資金が動き、新しい需要を喚起し、ひいては、経済に貢献するからだ。そのため、ここ数年、各国の証券取引所が上場基準のハードルを下げ、世界中の新規企業に、自らの証券取引所で上場するようアピールする動きが加速している。2014年9月にニューヨーク証券取引所に上場した中国通販サイト大手「アリババ」はその典型だろう。実際、IPOは上場する企業にとっても、飛躍的な成長をもたらすきっかけになることが多い。IPO効果の第1は、莫大な事業資金が手に入ることにより、設備投資や研究開発を積極的に進めることができることだ。第2に信用力・知名度が向上することも大きい。信用力が上がって優秀な人材が集まる。第3にM&Aで事業の幅を広げるといった戦略も展開できるようになる。こうしてIPO5年以内に、新興企業が飛躍的な成長を遂げ、一大企業へと成長する例は数多くある。こうした恩恵を存分に受けて、世界に名だたる企業となったのが、アップルであり、グーグルであり、最近では、フェイスブックやツイッターなのだ。○IPOを支える3本柱「ヒト、技術、資金」では、なぜ米国IPO市場は、そこまで抜きん出ているのだろうか? それは、企業とIPOを支える3つのキーワード「ヒト・技術・資金」が圧倒的であるからといえる。ヒトという意味では、米国はもともと移民の国だというカントリー精神がある。日本の場合、"いい大学を出て一流企業に行くのがエリート街道"といった観念がまだまだ強いが、米国では、"サラリーマンになるよりも事業立ち上げこそ目指す道"という雰囲気が強い。教育機関でも、事業立ち上げを夢見る世界中の優秀な人がこぞって米国に集まってくる。教育機関にいながら、新技術・サービスを開発する機会が与えられ、そうした研究に多くの資金が集まる仕組みができているからだ。いわゆるベンチャーキャピタルの資金量は、日本とアメリカでは、100倍ほど違うといっても過言ではないのだ。時代の潮流となる企業の誕生が続く米国だが、現在、特にめざましく成長しているのが「IT技術」「ヘルスケア」「エネルギー関連」などの分野だ(「グラフ2」参照)。IT技術でいえば、SNS、クラウドなどの技術を使って、Eコマースなどの新しいサービスが次々生まれている。ヘルスケアでいえば、バイオ技術、遺伝子工学など、エネルギー関連だと、シェールガス・オイル、バイオエネルギーといったものがあげられる。○新しい技術やサービスを生む"非連続的なイノベーション"こうした、今までにないサービスや技術が出てくるのが米国ならではの特徴だ。既存の企業の場合、継続的にやっている事業があると、そこから全く異なる技術を生み出すのは難しい。画期的な技術やサービス、つまり"非連続的なイノベーション"とよばれるものは、既存企業よりは、全く新しい企業から出てくるというのが過去のケースなのだ。こうした点を鑑みて、米国では、新規事業案件に資金が回る仕組みが充実している。例えば、「DARPA(米国防高等研究計画局)」が、軍事技術に限らず、先端的な技術になりそうな案件には、常に200件程度を出資をしている。その結果世に出てきたのが、インターネットであり、GPSであり、身近なところでは「ルンバ」なのだ。ルンバは、アイロボットという企業が、元々米軍から地雷除去装置の開発を依頼されたことがきっかけとなった。人工知能を使って無人で地雷除去をできないかという研究をしているうちに、あの円盤の形にたどりつき、ルンバが生まれたというわけなのだ。○米国のIPO銘柄に絞って投資する投資信託を利用するのも賢い選択肢夢いっぱいの米国IPO市場だが、日本にいるとなかなか新規上場の情報が掴みづらい。公募に応募するのも一苦労だ。何と言っても、IPO企業は中には大企業として成功する例もあるが、その影で露と消えていく企業も後を絶たない。つまりリスクも高いというわけだ。一投資家が、そうしたリスクを冒して、米国のIPO企業に投資をするのは勇気のいることだ。そこで、プロが情報収集と分析を重ね、こうした米国のIPO銘柄を厳選して投資する投資信託を利用するのも、ひとつの賢い選択肢だ。日興アセットマネジメントが設定している『日興USグローイング・ベンチャーファンド』は、公開後5年以内の企業の株式を中心に投資している。組み入れ上位銘柄には、フェイスブックをはじめ、バイオ医薬品・新薬開発に特化した「アブビー」、家畜とペットに特化した医薬品・ワクチンの研究開発の「ゾエティス」、民間航空機を航空会社にリースする「エア・リース・コーポ」など、名だたるIPO銘柄がズラリと並んでいる。投資を通じて"アメリカン・ドリーム"を感じるのも新しいムーブメントなのかもしれない。(※本稿で使用されているグラフはラザード社提供のデータをもとに日興アセットマネジメントが作成。グラフ・データは過去のものであり、将来の運用成果などを約束するものではない)<著者プロフィール>酒井 富士子経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。上智大学卒。日経ホーム出版社入社。 『日経ウーマン』『日経マネー』副編集長歴任後、リクルート入社。『あるじゃん』『赤すぐ』(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして金融を中心に活動。近著に『0円からはじめるつもり貯金』『20代からはじめるお金をふやす100の常識』『職業訓練校 3倍まる得スキルアップ術』『ハローワーク 3倍まる得活用術』『J-REIT金メダル投資術』(秀和システム)など。
2015年06月19日10月29日に実施の見通し米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、アジア生保部門AIAグループの香港上場を10月29日に実施する見通しだ。IPO割り当て分は15%-20%AIGはAIAグループの香港上場を今月21日に申請する。承認されれば10月29日から取引きが開始される見込みだ。戦略投資家への新規株式公開(IPO)の割り当て分は全体の15%-20%になるようだ。なお、IPOの規模は最大で約304億ドルに達する可能性がある。今月27日からヒアリングAIAグループは今月27日からヒアリングを開始して10月6日からロードショーを行う計画だ。公開価格の決定は10月21日になるもよう。
2010年09月23日