ロエベは現在の審美的なものづくりを進める還元主義の精神、つまり要素を削ぎ落とし基本形を際立たせたシンプルさをさらに探求し、2023年秋冬プレコレクションキャンペーンを発表しました。ロエベに集うアーティストやクリエイターのコミュニティにおける、人生、仕事、発想へのそれぞれの個人的な見解を、冷静沈着でありつつ少しずれた形で記録しています。ユルゲン・テラーが撮影したこのキャンペーンでは、俳優やキュレーター、シンガー、モデルなど、あらゆる属性のキャストたちが、多少の状況演出がありながらも、自然な姿で写真に収められています。北野武/Courtesy of LOEWE被写体は、北野武、俳優のオーブリー・プラザ、マイハラ・ヘロルド、ルース・ネッガ、マレー・バートレット、ソノヤ・ミズノ、音楽家のデヴ・ハインズ、モデルのシャオ・ウェン・ジュ、アーティストのナイリー・バグラミアン、ク・ジョンア、キュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストです。シャオ・ウェン・ジュ/Courtesy of LOEWEこのキャンペーンは、ロエベとユルゲン・テラーとが継続して行ってきたコラボレーションの新たな試みであり、生の視線、乾いたユーモアのセンス、身体とポーズに対する彫刻的アプローチを際立たせてミックスしています。それぞれの写真には、ユルゲン・テラー自身のアーカイブ作品が写り込み、大きな支柱で支えて背景として使用されています。このような再文脈化された写真と野外のセットとのコントラストは、ユーモラスで少し不条理な緊張感を生み出し、現実と描写の遊びはディテールへの探究心を煽って、キャストたちの解釈するようなポーズを通して頂点に達します。ナイリー・バグラミアン/Courtesy of LOEWEハンス・ウルリッヒ・オブリストは、エレファントバッグを写真に映しています。オーブリー・プラザは花とコンクリートの前でパセオ サッチェルを持ち、ルース・ネッガは巨大なフクロウの写真を背にフォントトートを見せて、北野武は壁に立てかけられた電話の写真の前で、パズルを電話のように持っています。ハンス・ウルリッヒ・オブリスト/Courtesy of LOEWEオーブリー・プラザ/Courtesy of LOEWE北野武/Courtesy of LOEWEポーズやシチュエーションは粗野でありながら遊び心があり、端正なフォルム、巨大なリボンや突き出たボディなどの大胆なディテール、そして彫刻的な本質主義が交錯するプレコレクションのシルエットを反映し、際立たせています。パズルやパセオ、フォントトートなど、ロエベを代表するバッグが、新たなバリエーションやカラー、サイズで登場します。また、ソノヤ・ミズノが履くトイブーツの、オブジェ・トゥルーヴェのヒールと花びらのようなペタルトゥ、マレー・バートレットが履くブラッシュ・スエードのチェルシーブーツの誇張したトゥなど、シューズは今やロエベを象徴するキーディテールを備えています。ソノヤ・ミズノ/Courtesy of LOEWEマレー・バートレット/Courtesy of LOEWEユルゲン・テラーの一見ぶっきらぼうなポートレート写真は、還元主義的でありつつも豊かな表現力とエネルギッシュな勢いで、あらゆるものに命を吹き込みます。
2023年06月01日アカネ ウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)の2023-24年秋冬コレクションが発表された。リアリティの再構築今季は“リアリティの再構築”をテーマにコレクションを展開。「クラシック」「ベーシック」「機能性」を軸に、アカネ ウツノミヤならではの解釈を加えたフレッシュなワードローブを提案する。プレイフルなツイードのセットアップ「クラシック」を象徴するツイードジャケットには、「ベーシック」なシャツを中に忍ばせ、襟やカフスを見せることによってスタイリングにアクセントをプラス。ツイードジャケットとセットアップで楽しめるスカートは、シャツをレイヤードしているかのようなユニークなデザインで登場する。デニムのコートドレスデザイナーが「ベーシック」と捉えるカテゴリーからは、シャツやデニムウェアが登場。とりわけ注目したいのは、ノーカラーのデニムコートだ。ボタンを閉めてレザーベルトでウエストマークをすればドレスとして、ボタンをすべて外して中にインナーを忍ばせればコートとして楽しめる、あらゆるシーンで活躍してくれそうなアイテムだ。バッグが付いたウェア「機能性」のカテゴリーでは、遊び心を感じられる“機能性”を提案。その好例なのが、立体的なバッグが付いたユニークなスカートやドレスだ。ロング丈のデニムスカートには、同素材で仕立てたミニバッグをウエストにあしらって。緩やかなシルエットを描くニットドレスには、ドレスと同じ温かみのあるニット素材で作り上げたショルダーバッグが付いている。日常的な風景を投影コレクションに華やぎをプラスする、日常的な風景を落とし込んだドレスにも注目したい。細やかなプリーツが施されたロングドレスには、明るさと暗さのコントラストが美しい夕暮れ時の風景をプリント。ジャカードによって表現された花々は、繊細な色味とタッチが相まって、どこか儚げな表情を見せるのだった。
2023年05月31日江原道(Koh Gen Do)のフェイスパウダー「マイファンスィー フェイスパウダー」に、2023年秋冬の新色が登場。2023年7月25日(火)より新発売される。“ふわっと粉雪質感”の人気フェイスパウダー「マイファンスィー フェイスパウダー」は、“まるで粉雪”のような肌触りで人気を博す、江原道のロングセラーフェイスパウダーだ。きめ細かなパウダーは肌に溶けこむように広がり、ふわっと一体化。凹凸や毛穴をナチュラルにカバーし、薄いヴェールをかけたような美しい仕上がりを叶えてくれる。新色は透明感UPの「ラベンダーピンク」2023年の秋冬は、そんな人気ベースメイクに「ラベンダーピンク」の新色が仲間入り。淡い薄紫のカラーは肌のくすみを飛ばし、まとうたび輝くような透明感をプラスする。なおパウダーは、スキンケア成分とミネラルだけを使用したシンプル処方なので、敏感肌の人でも安心して使用できるのがグッド。石けんで簡単にオフできるのも嬉しいポイントだ。【詳細】Koh Gen Do マイファンスィー フェイスパウダー ラベンダーピンク (専用パフ付き) 3,080円<新色>発売日:2023年7月25日(火)【問い合わせ先】Koh Gen Do(こうげんどう)TEL:0120-700-710
2023年05月28日オールモストブラック(ALMOSTBLACK)の2023年秋冬コレクションが、2023年5月23日(火)に草月会館 イサムノグチ石庭 “天国”にて発表された。芸術家・勅使河原蒼風の作品をインスピレーション源に今季のオールモストブラックは、芸術家の勅使河原蒼風とコラボレーション。いけばな草月流の創始者であり、数々の斬新な表現を生み出したことから「花のピカソ」の異名を持つ勅使河原蒼風。いけばなだけでなく、樹塊を用いた巨大な木彫や花を用いない立体作品、コラージュ絵画など、多様な作品を手掛けており、サルバドール・ダリやジョアン・ミロ、イサム・ノグチら巨匠とも交流を持った人物だ。今シーズンは、そんな蒼風の表現をデザイナーの中嶋峻太が解釈し、再講釈。コレクションの随所に蒼風の息吹を感じられるディテールが散りばめられた。たとえば、ミリタリーパンツやシャツに施された紐。これは機能面を支える紐を何重にも絡ませることで、蔦が絡み合った様子を表したものだ。ブランドの象徴的なミリタリーアイテムに、いけばなのエレガンスを掛け合わせるという手法もまた今季の鍵と言えよう。パンク・ファッションのディテールとしての“穴”もうひとつ特筆すべきは、ほぼすべてのウェアに開けられた穴について。これらの穴は、蒼風が花器や立体作品、樹塊、冷たさを感じる鉄の作品などに開けた不気味な穴から着想を得たものである。中嶋はこの穴を、パンク・ファッションを強調する要素と位置付けた。ファーストルックのロングコートからラストルックのほつれた糸が印象的なコートまで、繰り返し施されている。“穴”は装飾にもまた、“穴”はステンレスのボタンやブローチといった装飾にも採用。ステンレス鋳物の工場である「ヤナギモト」の協力の下制作された。ボタンやブローチの特徴的な形状、そこに開けられた穴もすべて蒼風の作品が着想源だ。ほかにも、蒼風作品からのヒントは至る所に隠されている。エッフェル塔を描いた蒼風による作品《Efferu-To》は、ニットや白シャツに大きくプリントされ、インパクトを与えた。
2023年05月26日セルヴォーク(Celvoke)の2023年秋冬ベースメイクが、2023年8月18日(火)より発売される。“肌悩みに特化”した6色コンシーラーパレットセルヴォークの2023年秋冬コスメは、「洗練の余韻」がテーマ。第1弾に続く第2弾は、カラーコスメの美しさを引き立てるベースメイクアイテムが登場する。注目は、濃いシミやクマ、ニキビ跡、毛穴…など、様々な肌悩みを自在にカバーする多機能なコンシーラーパレット「セルヴォーク シームレス フェイスパレット」。色味やテクスチャーを綿密に計算し、肌悩みに特化した6種類のカラーを1つのパレットに組み合わせた。また、パールの煌めきにこだわったパウダーハイライターや、自然な血色感を仕込むブラッシュカラーをセットしているのもポイント。オリジナル成分「発酵白樺コントロールカプセル」が肌表面の余分な皮脂を吸い取ってくれるので、塗りたての美しい仕上がりが長時間続くのも嬉しい。“まるで美容液!”極薄膜リキッドファンデ新作「セルヴォーク スキンレゾネート リキッドファンデーション」は、美容液成分83%配合で、肌と一体化するような心地よいつけ心地を叶えるリキッドファンデーション。うるおい溢れる極薄膜が、シミや色ムラなどをカバーしつつ、“まるで素肌そのもの”のような立体艶肌を完成させてくれる。カラーは、肌色に合わせて選べる全4色を展開する。“ツヤを纏う”軽やかフェイスパウダーファンデーションの後は、存在を感じさせないほどエアリーな使用感の新作フェイスパウダー「セルヴォーク スキンユニティ プレストパウダー」で仕上げを。サッと肌に纏えば、毛穴や小ジワ、凹凸を均一にカバーしてキメを整えながら、テカリや皮脂崩れを防止してくれる。シルバーパール配合で、肌の内側から発光するような艶を演出できるのも魅力的だ。【詳細】セルヴォーク 2023年秋冬ベースメイク発売日:2023年8月18日(火)※公式オンラインストアでは10:00より販売開始。取扱店舗:全国のセルヴォーク直営店舗、公式オンラインストアアイテム例:・セルヴォーク シームレス フェイスパレット 全2色 各6,490円<新製品>・セルヴォーク スキンレゾネート リキッドファンデーション 全4色 各5,280円<新製品>・セルヴォーク スキンユニティ プレストパウダー 4,950円<新製品>【問い合わせ先】セルヴォークTEL:03-3261-2892
2023年05月22日セルヴォーク(Celvoke)の2023年秋冬コスメが、2023年7月21日(金)より発売される。“洗練モード”な目もとを叶える4色アイシャドウ「洗練の余韻」をテーマに掲げるセルヴォークの2023年秋冬コスメ。目玉となるのは、人気4色入りアイシャドウ「セルヴォーク ヴァティック アイパレット」の新色だ。ベージュやブラウンを中心に、異なる質感を組み合わせたパレットは、ベーシックなのにどこか知性や色気を感じさせる大人のカラーリングが特徴。シェードを重ねれば、誰でもテクニックレスで“洗練モード”な目元を演出することができる。クリアな煌めきの単色アイカラーまぶたを華やかに煌めかせるアイカラー「セルヴォーク ヴァティック アイズ」にも、ゴールド・ブロンズ・シルバーの新色がお目見え。カラーピグメントを抑え、輝度の高いパールのみをぎゅっと固めることで、くすみのないクリアな輝きを実現した。他のアイシャドウと組み合わせて楽しむのはもちろん、単色使いで贅沢なきらめきを纏うのもおすすめだ。“シースルー発色”リップバームに秋冬カラー「セルヴォーク アラウズ リップス」は、“シースルー発色×ほんのりプランプ効果”で唇本来の血色を活かすティントリップバーム。新色には、センシュアルな「モーヴ」、フレッシュな「アプリコット」、レディな「レッド」の3色が登場する。センシュアルでモードな印象の“大人カラー”は、秋冬メイクの締め色として活躍しそう。“濃密発色”極細ジェルアイライナーセルヴォーク初のジェルアイライナー「セルヴォーク イラボレート ジェル アイライナー」は、まつ毛の隙間や目尻の端など、狙ったところに届く1.5mmの極細芯が特徴。ジェルならではのなめらかな描き心地と濃密発色で、くっきりラインもぼかしも、自由自在に演出できる。【詳細】セルヴォーク 2023年秋冬コスメ発売日:2023年7月21日(金)※公式オンラインストアでは10:00より販売開始。取扱店舗:全国のセルヴォーク直営店舗、公式オンラインストアアイテム:・セルヴォーク ヴァティック アイパレット 新3種 各6,820円<新色>・セルヴォーク ヴァティック アイズ 新3色 各2,200円<新色>・セルヴォーク アラウズ リップス 新3色 各3,960円<新色>※レフィルは2,970円、ケースは990円・セルヴォーク イラボレート ジェル アイライナー 全3色 各3,080円<新製品>【問い合わせ先】セルヴォークTEL:03-3261-2892
2023年05月22日クリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)の2023年秋冬コレクションから、"ショッパー”をモチーフにした新作トートバッグが登場。"ショッパー風”カーフレザーのトートショッパーをモチーフにした新作トートバッグは、ペーパー風のナチュラルな風合いを、上質なカーフレザーで表現しているのが特徴。フロントにブランドロゴを、ストラップに白のストリングを採用することで、ショッパーらしいカジュアルなムードに引き寄せているのがユニークだ。またトートバッグの内側には、メゾンのシグネチャーカラーであるレッドを差し込んで。マチもしっかりと配した構造のため、デイリーで活躍してくれること間違いなしだ。さらに同デザインを起用した、ショルダーバッグもお目見え。バッグの内側には、カードポケットも内蔵するなど、機能面にも注力している。【詳細】クリスチャン ルブタン2023年秋冬新作バッグ発売時期:2023年5月~順次展開店舗:クリスチャン ルブタン 全国ストア、公式オンラインブティック※ストアによって取り扱い商品が異なる場合あり。アイテム:・KRAFTILOU E/W SMALL TOTE(34x25x11,5cm) 167,200円・KRAFTILOU CLUTCH(22x11,5x6cm) 218,900円【問い合わせ先】クリスチャン ルブタン ジャパンカスタマーサービスTEL:03-6804-2855
2023年05月21日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2023年秋冬「Co-Ed」コレクションを紹介。「シネマ・インフェルノ」を着想源に2022年の「アーティザナル」コレクションで発表した、映画と演劇を一体化させた「シネマ・インフェルノ(Cinema Inferno)」。妊娠し、傷を負い、虐待する両親の横死をきっかけに逃亡を続ける恋人たちの物語を描いた作品だ。そんな「シネマ・インフェルノ」を引き継ぐ2023年秋冬「Co-Ed」コレクションは、物語の主人公カウントとヘンの出産が着想源。映画のループの中に閉じ込められていた2人の子供を想像し、彼らの美学を融合させたコレクションを展開していく。ミッキーマウスを表現まず最初に目を引くのは、ウォルト・ディズニー・カンパニーとタッグを組んだアイテム。「シネマ・インフェルノ」に登場したカーボーイたちを彷彿させるウエスタン風のコートには、ミッキーマウスの耳のようなモチーフを「デコルティケ」の手法によって浮かび上がって見えるように表現した。また、「レチクラ」のヴィンテージを再利用したTシャツや帽子には、ミッキーマウスがプリントされている。なお、ウォルト・ディズニー・カンパニーとのコラボレーションは、ジョン・ガリアーノの幼少期の潜在的な喜びの記憶がきっかけとなっている。ペンドルトンとコラボレーションペンドルトン(PENDLETON)とコラボレーションしたアイテムも、豊富なバリエーションでランウェイに登場。シャツからカーディガン、ロンパース、アウターまでコレクションを構成するあらゆるものに暖かみのあるチェック柄ウールが用いられている。多種多様な素材また、コレクションに使用された多種多様な素材は、不運な恋人たちの物語を描いた「シネマ・インフェルノ」のような複雑性を高めていくように感じられる。チュールやベルベットなどで仕立てたパーティドレスには、カジュアルなウールシャツを合わせて、意外性のあるスタイリングを提案。イブニングコートは、シルクガザール、ラメ入りブロケード、チェンジングコットンなど、高級感のある素材で仕立てられている。アイウェアやシューズも豊富にジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)とのコラボレーションにより誕生したアイウェアは、オーバーサイズ、オーバル、キャットアイ、ウェイファーラー、クラブマスターといった多彩なシルエットで登場。また、足元に彩りを添えるシューズも多彩なバリエーションで発表された。メゾン マルジェラのアイコンシューズ“タビ”からは、つま先の形を初めて進化させた新作をリリース。アーモンド形のつま先が特徴で、ラスベガスをイメージした煌びやかなパステルカラーで展開される。さらに、ラバーで強化された“タビ”のウェリントンブーツや、10cmヒールの“タビ”パンプスなども揃う。
2023年05月21日アンユーズド(UNUSED)の2023年秋冬コレクションから、ウィメンズ&メンズの新作アウターが、2023年9月より順次登場。バズリクソンズ(BUZZ RICKSON’S)とのコラボレーションブルゾンなどのアイテムが発売される。バズリクソンズコラボ、ミリタリーブルゾンバズリクソンズと製作したMA-1 ジャケットは、MA-1ジャケットをベースにフード付きの仕様に仕上げ、裾のリブを無くし、着丈も長めに変更したオリジナルモデル。艶やかな光沢感と立体感のあるシルエットが特徴だ。中綿には米軍のユニフォームにも用いられている機能素材の「クライマシールド(Climashield)」を採用し、暖かな着心地に仕上げた。保温性の高さに加え、軽量かつ通気性にも優れ、快適に着ることができるのも魅力だ。光沢のある撥水ダウンジャケットダウンジャケットには、漆のような光沢感が目を引くナイロンサテンを採用。オフホワイト、ベージュ、ブラックの3色展開で、いずれもクリーンな発色が魅力だ。撥水加工が施されており、アクティブに着用することができる。リネンウールのブルゾン&タフな綿ジャケットも秋から着たい軽めのアウターも要チェックだ。リネンウールのブルゾンは、ラムウールの柔らかな手触りとリネン特有のハリ感がバランスよく調和した、風合い豊かなアウター。リネンコットンの混紡糸をスペック染めした経糸と、タンブラー仕上げを施したラムウールの緯糸が織りなす、味のあるテクスチャーが魅力だ。カラーは、淡いブルーとライトベージュ、ブラックの3色を用意する。しっかりとした質感のダック生地を用いたブルゾンは、生地に3本撚りの経糸を用いることでより強度をアップ。表面の毛羽立ちが少なくきれいな仕上がりとなるため、タフさに加え上品さも兼ね備えた1着となっている。ソフトな着心地で、ラフに羽織ってもコーディネートが決まるのが嬉しい。【詳細】アンユーズド 2023年秋冬 アウター発売時期:2023年9月中旬~順次・アンユーズド×バズリクソンズ ブルゾン 121,000円 ※2024年1月下旬~発売予定・ダウンジャケット 97,900円 ※2023年10月下旬~発売予定・リネンウール ブルゾン 80,300円 ※2023年9月中旬~発売予定・コットンブルゾン 70,400円 ※2023年9月中旬~発売予定
2023年05月13日ミュウミュウ(MIU MIU)の、2023-24年秋冬コレクションを紹介。“見る”行為に着目ミウッチャ・プラダが手掛けるミュウミュウ 2023-24年秋冬コレクションでは、「WAYS OF LOOKING」をテーマに“見る”という行為に着目。“見る”という行為の主体は観察者であるものの、デザインは決して“見られる”だけの受動的なものではなく、主体の焦点や解釈を変えうる能動的なものである、という考え方がクリエーションの出発点になっている。たとえば、カッティングや生地によって誇張されたシェイプや、パターンメイキングと素材使いのバランスにより生み出される服と体の一体感など、創造・デザインが提示しうる多彩な可能性を、“技法と素材”の選択と実験により探求している。インナー/アウターの概念を問う象徴的なのは、普段は外に見えないはずのインナーウェアと、アウターウェアの概念に揺さぶりをかけるルック。さらりと羽織ったカーディガン、スカートなど、身に着けることで従来“覆う”役割を果たすアウターウェアにあえて透けるシフォン素材を用いることで、あえてインナーを外に見せるような佇まいを披露した。また、ミニマルなタートルネックニットに合わせたショーツには、きらびやかなビーズ刺繍をあしらうことでアイキャッチに。そして、スカートのウエストからストッキングのウエストが見えるように着たルックや、グレー、カーキカラー、パープルのショーツから、あえてインナーショーツのホワイトを見せコントラストを効かせたスタイルなども登場。隠すものとしてとらえられているインナーウェアを意外性のある方法で表に見せることで、ユニークなバランス感を生み出している。立体的なアウターウェア一方、コートやジャケット、フーディといったアウターウェアは、厚みのあるしっかりとした質感の素材を用いることで、その存在感を際立たせているのが印象的だ。コーデュロイのフーディやジャケット、柔らかなファージャケット、ピンクのジャカードコート、ツイードのコートなど、ややゆったりとしたシルエットで立体的に仕上げたアウターが散見されている。対照的な素材の組み合わせと一体感中でも目を引くのは、シアーなカーディガンやスカートに組み合わせたレザージャケット。対照的な質感のウェアをアウター、インナーとして重ねて着ることで、不思議な一体感を生み出している。シボ感のあるレザーとスムースなレザーをレイヤードしたスタイルは、ブラウンとエメラルドグリーン、イエローとコーラルピンクなど、ポップな配色によってプレイフルなエッセンスをプラスした。デコラティブなビーズ刺繍コレクションの随所に登場している、デコラティブなビーズ刺繍もまた、“見る”主体の集中を促し、好奇心を呼び起こすディテールの1つだ。透け感のある布地を重ねたホルターネックのドレスには、野花をちりばめるようにしてビーズ刺繍を施し、カーディガンやスカートには大輪の花々の装飾を施した。また、大胆なカットを施したツイードのミニドレスには、ネックラインを縁取るようにしてカラービーズの刺繍を施し、まるでジュエリーを身に着けているかのような装いに仕上げている。
2023年05月12日グッチ(GUCCI)の2023-24年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。交錯する過去と未来過去と未来が交錯するコレクションを提案する今シーズン。1990年代から今日に至るまでのグッチを象徴するデザインやスタイルをフィーチャーした。鮮やかなカラーパレットとりわけフォーカスしたのは、1990年代から2000年代初頭にかけてのセンシュアルでグラマラスなデザインだ。ウエスト位置から裾にかけてスリットを入れた艶めくドレスや、シアー素材のタイトスカート、ゴージャスなエコファーのコートなどが登場。いずれも2010年代のネオンサインを思わせる、ピンクやオレンジといった鮮やかなカラーパレットで提案された。ランジェリーを思わせるアイテム時折差し込まれた、ランジェリーを思わせるアイテムにも注目したい。胸元に大ぶりのストーンがセットされたシースルードレスには、あえて見せるようにブラとショーツを忍ばせて。ロングのサテンスカートとグローブには、GGロゴがあしらわれたメタリックなブラを合わせ、センシュアルなムードと上品なムードを同居させた。ボーイッシュなルックそんな色香を感じられるルックが散見される一方で、ボーイッシュなルックも登場。ワイドなデニムパンツに、オーバーサイズジャケットとビッグシルエットの白シャツを合わせた中性的なルックはその好例といえる。新作バッグ&シューズバッグやシューズの新作も豊富なバリエーションでランウェイに。アイコニックなホースビットが付いたチェーンショルダーバッグは、ラウンドがかかった台形シェイプで、パデット、シアリング、クリスタル、コントラストレザーで展開。ジャッキー バッグは、オリジナルの形をアレンジし、ツートーンカラーやGGパターンをエンボス加工したレザーで仕上げた。シューズは、ラバーソールを採用したローファーやタイガーヘッドが付いたサンダル、スポーティーなボクシングバーツやバスケットボールスニーカーが登場するほか、1960年代のスキーコレクションでリリースされたスノーブーツがホースビットが付いたデザインで再登場する。
2023年05月11日ディー・ナート・アンプタ(D.Nart.Ampta)の2023-24年秋冬コレクションが発表された。糸を解くように、リラックスして“解く・巻き戻す”という意味の「Unwind」をタイトルに掲げた今季のディー・ナート・アンプタ。コレクションでは、シーズンテーマを象徴するように、“糸がほどける”様子を連想させるリラクシングなピースが多く提案された。たとえば、グレンチェックのチェスターコートやシャツは、1枚の黒い布がほどけて解体される様子からインスピレーションを得たもの。穴が開いてぼろぼろになったダメージニットや、フリンジ付きのワイドパンツもまた、“ほどける”イメージを想起させる。曲線美が際立つシルエットディー・ナート・アンプタらしい曲線美が際立つ、優美なシルエットにも注目。ドレスは縦に波打つようなプリーツを配し、サイドはドローコードで絞ってドレープを寄せることで、ボリューミーな立体感を演出。ブラックのジャケットは、ウエストから裾にかけてAラインに広げ、風にたなびくような躍動感を漂わせた。和洋を組み合わせて和と洋、二極の要素を融合したルックもお目見え。たとえば、スクエアトゥが印象的なシューズは、ドクターマーチンのブーツと、下駄のフォルムを融合させたアイテム。他にも、袴を思わせるバルーンスカートや、和服シルエットのジャケットなど、ハイブリットなピースがコレクションをユニークに彩る。色と柄で遊ぶプレイフルなピースパレットは、シックなブラックを中心に、レッドやブルー、イエローなどヴィヴィッドなカラーを織り交ぜて、アクセントをプラス。鮮やかなカラーと大胆なパターンの組み合わせで、遊び心が光るパワフルなコレクションに仕上げた。
2023年04月26日ミキオサカベ(MIKIOSAKABE)の2023年秋冬コレクションが、2023年4月14日(金)、東京のウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会にて発表された。下降のベクトルテーラリングやシャツ、ドレス──これらいわばフォーマルな装いを、シルエットにより、素材により、あるいはディテールにより、その形式性を下降させることが、今季のミキオサカベにおいては試みられているように思われる。たとえばテーラードジャケットやドレスシャツは、上品なフォルムを踏襲しつつ、ショルダーを力強く仕上げるとともに、スリーブは腕のサイズを超えた大胆な長さに。丈感も長く設定し、力強くも気怠いシルエットに仕上げられている。また、ジャケットにおいては、端正な素材を基調とはしつつも、ショルダー周りやヨーク部分を起毛感のあるテクスチャーへと切り替え、上品さを脱臼。また、ワイドシルエットのスラックスとともに、縦方向に大胆なスリットを設け、テーラーリングのソリッドな表情を切り裂いて動きのある表情と多層性をもたらした。いま一度シルエットに戻るならば、全体として縦のラインを意識しつつも、重心を上方に据えることで、どこか不安定な印象をもたらしている。たとえばアウターにはボリューミーなパッファージャケットを着用しつつ、ボトムスはきわめてタイトなレギンスで些かのフェティシズムを掻き立て、さらに足元にはグラウンズ(grounds)とのコラボレーションによる量感あふれるシューズを合わせるなどは、その代表的な例だろう。一方、フリル咲き乱れ、パフスリーブは甘く、スカートはふわりと広がるドレスは、メタリックな光沢を帯びた軽快なファブリックや、スパンコールが一面にきらめく素材を採用することで、フォルム以上に表層における華やぎが引き立てられる。あるいは、ミニ丈のオフショルダードレスでは、快活なシルエットはそのままに、ビニール素材を用いることで、ある種シニカルな様相を示しているといえる。
2023年04月17日ジュン アシダ(jun ashida)の2023-24年秋冬コレクションが、2023年4月7日(金)、東京・六本木のグランド ハイアット 東京にて発表された。女性の美しさを引き出す衣服日本のプレタポルテの草分け的存在として知られ、1963年のメゾン創立以来、常にクオリティの高い服作りの姿勢を貫いてきたジュン アシダ。メゾン創立60周年という節目を迎える今季も、洋服を纏う女性の美しさをより際立たせるような、エレガントなウェアが披露された。優美なきらめきを湛えて今季のコレクションを象徴するのは、ラグジュアリーな煌めきを湛えたピースだ。ラメ糸を編み込んだタートルニットやメタリックな艶を放つパンツは、秋冬らしいマットな質感のウールコートやツイードジャケットとコントラストをなし、優雅なリズムをもたらしてゆく。暖色を基調としたワントーンのカラーリングの中で、濡れたような光沢が抜け感を演出していた。エレガンスを強調する曲線的なシルエットマニッシュなアイテムは、曲線的なラインで女性らしさのバランスを保っているのが印象的。たとえば真っ赤なジャケットは、裾に向かって広がるAラインのシルエットに。パンツは緩いカーブを描くテーパードを採用し、中に組み合わせたブラウスには、薔薇の花びらを思わせる装飾的なフリルのディテールを配している。水面のように輝くイブニングドレスショーの後半へ入ると、シャツやパンツといった日常着的なウェアは影を潜め、生地はきらめきを増し、コレクションはよりラグジュアリーな雰囲気に。繊細なレースを配したワンピースや、風になびくシアーなヴェールを纏ったサテンのイブニングドレスなどが登場した。中でも目を引いたのは、細かなプリーツが波打つ緩やかなロングドレス。歩みに合わせてまばゆいほどに輝くゴールドは、陽ざしを反射してゆらめく水面を彷彿とさせる美しさだ。アシンメトリックな遊びショーのフィナーレを飾ったのは、半分をラメが輝くゴールド、半分をマットなブラックで彩ったドレス。身体を引き立てる優美なシルエットを基調としつつも、斜めに入れたスリットや、ウエストに配した幾何学的な形のベルトなど、随所にアシンメトリックな要素を差し込んで変化をもたらしているのが面白い。
2023年04月10日サウス2 ウエスト8(SOUTH2 WEST8)の2023-24年秋冬コレクションから、スイコック(SUICOKE)とのコラボレーションシューズが登場。2023年9月30日(土)より発売する。23年秋冬の新作コラボブーツ&スリッポンサウス2 ウエスト8とスイコックの新作コラボレーションシューズとして、ブーツとスリッポンシューズが登場。いずれもキルティングアッパーにドローコード、安定感のあるソールを組み合わせたアクティブなシューズに仕上げている。カモフラージュ&ジオメトリック柄の2種デザインブーツとスリッポンシューズのアッパーには、サウス2 ウエスト8の2023-24年秋冬コレクションと連動したデザインを採用。草や木を思わせるアースカラーのカモフラージュ柄と、パープルを基調としたジオメトリックな定番柄「スカル&ターゲット柄」の2種類を用意する。【詳細】サウス2 ウエスト8×スイコック発売時期:2023年9月30日(土)価格:・スリッポン 28,600円・ブーツ 37,400円【問い合わせ先】サウス2 ウエスト8TEL:011-280-7577
2023年04月08日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2023年秋冬コレクションが発表された。ザ・スペシャルズ名曲から魅せる前向きなメッセージ今季のアンダーカバーのテーマは、「Enjoy Yourself」。1970年代後半から活動を始め、ジャマイカ音楽のスカとパンク要素を融合させたサウンドで人気を博したイギリスのバンド、ザ・スペシャルズの名曲タイトルから取ったものだ。デザイナーの高橋盾は、「Enjoy Yourself」の歌詞にあるように、「あっという間に過ぎ去る人生、精一杯楽しんで生きよう」というポジティブなメッセージを伝えたかったという。ザ・スペシャルズの愛用衣装、三つボタンスーツファーストルックを飾るのは、ザ・スペシャルズがよく着用していた三つボタンスーツのルック。立て続けに登場した三つボタンスーツは、いずれもシンプルなデザインと細身なシルエットでありながら、背を向けた途端に異なる表情を見せる。バックには、ザ・スペシャルズの曲「ゴーストタウン」のジャケットに描かれたピアノを弾く骸骨のプリントや、「Enjoy Yourself」のサビ部分の歌詞などがあしらわれた。スカを象徴するツートーンのチェッカー柄スカのシンボルでもあるツートーンのチェッカー柄も印象的。中でも、フラグメント デザイン(fragment design)とのコラボレーションアイテムのアウター類に注目。ホワイト×ブラックと、オフホワイト×ブラウンのチェッカー柄に覆われたブルゾンやチェスターコートが登場した。オフホワイトとブラウンのチェッカー柄は、アンビエントミュージックのパイオニアであるマニュエル・ゲッチングにより1984年に売り出された名盤「E2-E4」のジャケットから着想を得たものだ。薔薇や手のモチーフコレクションに散見されるのは、アンダーカバーでは度々用いられてきた薔薇や手のモチーフ。赤い爪が目を惹く手のモチーフを、三つボタンスーツをはじめ、トレンチコートやパンツ、フレアスカート、さらには膝上ブーツにまでビジュー刺繍で配している。また、チュールでぎっしりと埋まったコートには、白い薔薇を大きく表現した。動物を想起させる柄&素材ショー終盤には、耳付きのフードを配したトップスとヒョウ柄のレザージャケットやコート、ふわふわと存在感のあるボトムスを合わせたルックがお目見え。耳付きフードと中綿入りコートを組み合わせたルックも見られ、コレクションにインパクトを残した。
2023年04月04日タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2023年秋冬コレクションが、2023年3月29日(水)に発表された。華やかに、軽やかに今季、「フェスをイメージした」と語るタエ アシダのデザイナー・芦田多恵。タエ アシダらしいエレガントな雰囲気を持たせつつ、華やかで軽やかなムードを加えて、自分のスタイルを表現するコレクションを展開していく。多彩なジャケット“フェスのイメージ”を思わせる、モデル・大平修蔵の軽快なDJプレイとともに、ショーは始まった。「ジャケットをたくさん作った」と芦田多恵が語るように、コレクションでは多彩なジャケットが登場。素材や色、シルエットなど多種多様で、コーディネートに様々な表情を生み出している。チェック柄のグレーのダブルジャケットは、1つだけ違う色のボタンを配しているのが面白い。軽やかな雰囲気のボトムスオーセンティックなジャケットが散見される一方で、ボトムスは軽やかな雰囲気を纏う。美しいプリーツが目を引くふわっとしたシルエットのロングスカートや、身体と程よい距離感を保つパンツ、リラクシングなフォルムのスラックスなどが展開される。ヴィヴィットなカラーを差し色にカラーパレットは、ブラックやグレー、ブラウンなどニュートラルなカラーがベース。そこに、ハッとするようなピンクやイエロー、ブルーなどのカラーが、ルックに鮮やかなアクセントを加えている。見る者の視線を奪うドレスコレクションの終盤には、見る者の視線を奪う華やかなドレスがランウェイを彩る。ボディに寄り添う光沢感のあるドレスは、左足に大胆なカッティングを施して、センシュアルなムードに。スパンコールを全面に配したドレスは、ウエストのブラックカラーのリボンが、洗練された雰囲気を演出する。ひと際煌びやかなドレスラストルックは、まばゆい光を放つ繊細なフラワーモチーフのロングドレス。歩くたびに揺れ動く煌びやかな素材が美しいラインを描き出し、リュクスなムードを引き立てていた。
2023年04月01日タオ(TAO)の2023-24年秋冬コレクションが2023年3月29日(水)に東京・南青山で発表された。時にクラシカルに、時にスポーティーに軽快な弦楽器の音楽によって幕を開けた今シーズン。ファーストルックは表地に赤、裏地に黄色を採用した色鮮やかなパデットのケープコートからスタートした。ボトムスにはアウターの色味を際立たせるようにブラックのパンツを合わせつつ、花柄のレギンスを忍ばせることで、軽快なムードを加速させている。続くルックはタータンチェックのワンピースにフードが付いたパデットマフラー、その次もタータンチェックのパンツにフード付きパデットマフラーと、クラシカルなチェック地のウェアにスポーティーなパデット素材を合わせたルックが続く。カラーは、赤のタータンチェックにブルーのパデットマフラーを重ねてカラーコントラストを効かせたかと思えば、あるときはブラックのタータンチェックにブラックのパデットマフラーを合わせてシンプルにまとめ上げて…と多彩な提案がなされている。ショー中盤には、スポーティーなウェアを差し込んだルックも登場。たとえば、多様なタータンチェック地から成るスカートと一緒に提案された温かみのあるジャケットには、トラックジャケットを忍ばせて。ロングコートは、リラクシングなニットのフーディと一緒に提案された。ツイードを用いたアイテムが多彩なバリエーションで展開されたのも今季の特徴といえる。シルバーのファスナーがアクセントになったツイードジャケットやポケットのフラップにツイードを用いたショート丈のアウター、フロントだけにツイードを使用した異素材ミックスのパンツなどが登場。ピンクやパープル、ブルーなど異なる色味のツイードを組み合わせて作り上げたボリューミーなスカートはランウェイの上で一際存在感を放っていた。ショー終盤には、スリーブにラインが入ったフーディにナイロンのような素材のパンツを合わせたスタイリングなど、コレクションに漂う軽快なムードを加速させるルックが続く。そしてラストは、上品なツイードの途中からカジュアルな黄色の素材に切り替えた、今季を象徴するようなアイテムで締めくくった。
2023年04月01日ハイク(HYKE)の2023年秋冬コレクションから、新作アウターが登場。ハイクの2023年秋冬新作アウターダークトーンを基調としたアイテムに、ミリタリーの要素や遊び心あふれるディティールを散りばめた2023-24年秋冬コレクション。ファーやモヘアなど、表情豊かな素材使いのアウターが揃う。ガウンのような厚手のオーバーサイズコートたとえな大きめのラペルが目を引くミニマムなデザインのオーバーサイズコートは、光沢のある厚手の素材で仕上げることで、ガウンを羽織ったようなエレガントなムードに。ダッフルコートを再解釈したジャケットやコートフリース素材のアウターは、コートやジャケット、ベストなど豊富なラインナップで展開される。スポーティーなデザインには、素材の切り替えによってでアクセントをプラス。リラクシングなシルエットに仕上げることで、ハイクらしい洗練された佇まいを演出している。2022年秋冬コレクションで初登場し、話題を集めたダッフルコートを再構築した新作アウターも見逃せない。今季は、シンボリックな“斜めのトグルボタン”をジャケットのワンポイントとして配したノーカラージャケットが登場する。大胆に引き算をしたミニマムなシルエットは、カジュアルなダッフルコートをグンとモードな表情へと引き寄せている。またトグルボタンをあしらったアウターからは定番のコート、ジャケットも展開される。カラーはブラックに加え、ベージュ、ホワイト、ネイビーの4色を用意する。詳細ハイク 2023年秋冬新作アウター発売予定時期:2023年8月~9月頃価格:・FAUX SHEARLING TYPE MA-1 85,800円・DOUBLE CLOTH PANTS 39,600円・DOUBLE FACE DUFFEL JACKET 121,000円・FAUX SHEARLING DOUBLE-BREASTED COAT 104,500円・FLEECE COAT 55,000円・DOUBLE FACE DUFFEL COAT 107,800円
2023年03月31日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2023-24秋冬コレクションが発表された。均しく並び、乱れ動く四角形のリズム「ザ・スクエア・アンド・ビヨンド(The Square and Beyond)」をテーマに掲げた今季は、「四角」という“型”を創作起点とする慣習を再考。もとより四角形の型は、衣服デザインをはじめ、画布や譜面、布地など、多くのものづくりにおいて用いられてきた。イッセイ ミヤケによる豊かな発想力と技術力によって、その型は変幻自在に、異彩を放つフォルムへと発展する。コレクションでは、変形した型に身を包むことで生じる美意識や、新たな「間」を探求していく。動き出し変形していく四角いニットまずはじめに注目したいのは、四角が動き出し変形していくという発想をもとに、ウェアの中に四角く編まれたニットを発見できるドレス。縦と横の編み組織の組み合わせによって生まれた有機的な形は、異素材とはぎ合わせることで不規則なシルエットに。織物部分には四角の柄をプリントすることで、フォルムの変化をより強調したルックは、コレクションテーマを如実に反映していると言えるだろう。一枚の四角い服に一つの四角を描き込む一枚のキャンバスのような白く四角い服に、一つの四角を顔料プリントで大胆に描いたトレンチコートは、今季の服作りの原点でもあり、制作初期の発想を象徴するルックだ。左右非対称でボリューム感のある裾が特徴のトレンチコートは、片側に配したブラックの四角と、ボディのホワイトとのコントラストが効いている。ウェアには部分的に和紙を使用し、独特なハリ感と直線的なフォルムを生み出した。“でこぼこ”なチェック柄のセットアップコレクションにリズムをプラスしたのは、柔らかく“でこぼこ”としたチェック柄のセットアップやワンピース。格子状に織り込んだ“縮む糸”と、加工しても“縮まない糸”との収縮差を利用して“でこぼこ”を創出した。立体感のある“でこぼこ”により、チェック柄が歪んでいるのも印象的だ。左右に角張る立体的なパンツ&ジャンプスーツ左右に角張り、ひし形のようにも見える立体的なフォルムが印象的なパンツやジャンプスーツも登場。柔らかなストレッチ性のある素材を採用し、縫い目を最小限に抑えることでなめらかにフォルムを際立たせた。また、折り紙のように重ねられたフロント部分がルックに影を落とし、より立体感を強調しているかのようだ。“ねじれ”を表現したニットワンピース前後で異なる編み方を施したニットワンピースは、四角をねじれさせたような不規則なフォルムに。ストライプ柄をあしらうことで、そのねじれがより一層はっきりと見て取れる。片側の袖は膨らませ、もう一方のノースリーブ側にはポケットを配し、アシンメトリーであることを際立たせた。
2023年03月28日クリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)は、2023-24年秋冬ウィメンズコレクションの新作シューズ、バッグを2023年5月より順次、全国ストアなどにて発売する。きらめくストーンのパンプスや「リップスティック ヒール」新色目を引くのは、きらめくストーンを散りばめたアンクルストラップシューズやパンプス、ミュールなど。シースルーアッパーにストーンを散りばめることで、華やかな雰囲気に透明感をプラスしている。また、クリスチャン ルブタン ビューティの「リップスティック」をヒールに落とし込んだ「リップスティックヒール」のシューズは、グロッシーなパープルやフューシャピンク、レッドなど、鮮やかでポップなカラーをまとって登場。さらに、フリルの装飾を施したハイヒールやエネルギッシュなオレンジの厚底サンダル、曲線的なフォルムがエレガントなプラットフォームサンダルがラインナップする。スタッズを配したブーツ&グラフィカルソールの「デューン」ブーツさらに、ブーツも充実。メタリックなスタッズを手作業で波打つようにあしらったスパイクブーツは、上品なエレクトリック・ブルーに連なるスタッズがエッジを加える。また、前衛的なSFの美学とネオバイカーから着想を得た、グラフィカルソールの「デューン」ブーツも登場。アクティブなレースアップブーツと、スタッズやハーネスを配したパンキッシュなブーツが揃う。「ルビラ」バッグにカーフスキン&パテントなど新作2023年春夏コレクションで発表された「ルビラ」バッグには、カーフスキンや、光沢を放つパテントレザーのモデルが仲間入り。象徴的なカラスパイクチェーンストラップが、リュクスな雰囲気を演出する。サイズは、ミニクロスボディとラージショルダーの2種類を用意する。スペイン・フラメンコがテーマ「カバ」カプセルコレクションも毎年限定アイテムとして展開し続けている「カバ」シリーズも登場する。今季は、クリスチャン・ルブタンの長年の友人でもある女優のロッシ・デ・パルマとコラボレーションし、「フラメンカバ」カプセルコレクションとして展開。スペイン・アンダルシア地方の豊かな文化とフラメンコの伝統からインスパイアされたバッグやシューズを展開する。繊細な刺繍やフリルを飾り、ヴィヴィッドなレッドカラーを効かせたトートバッグや、ハンドルに大胆なフリルを装飾したミニバッグがラインナップする。【詳細】クリスチャン ルブタン 2023-24年秋冬ウィメンズコレクション発売時期:2023年5月~順次展開店舗:クリスチャン ルブタン 全国ストア、公式オンラインブティック※ストアによって取り扱い商品が異なる場合あり。【問い合わせ先】クリスチャン ルブタン ジャパンカスタマーサービスTEL:03-6804-2855
2023年03月27日マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)の2023-24年秋冬コレクションから新作ワンピースが登場。マメ クロゴウチの2023年秋冬新作ドレス昨シーズンに引き続き、20世紀初頭に大きく日本で飛躍した竹籠とその周辺文化から着想を得た2023-24年秋冬コレクション。マメ クロゴウチで人気を博すドレスにも、竹籠文化の要素が随所に散りばめらている。籠の編みを表現したプリーツワンピースたとえば精緻なプリーツが印象的なワンピースは、“籠の編み”を表現したもの。身体に優しく寄り添うシルエットやふんわりとしたパフスリーブがエレガントなムードを演出する。カラーは、ブラックとブラウンの落ち着いた2色が揃う。竹籠の網目をイメージしたドレスラッセルストライプとトーションレースを組み合わせたドレスは、竹籠の交差する無数の網目を着想源に。多彩な素材を複雑に挟み込むことによって、網目を軽やかに、力強く体現した。カラーは、ブラウンとカーキのナチュラルな2色からセレクトできる。胸元にカットアウトを施したワンピースブラックとカーキの2色展開となるドレスには、胸元にユニークなカットアウトを施して。サイドには、程よい抜け感を演出するスリットがあしらわれている。【詳細】マメ クロゴウチ 2023年秋冬ワンピース発売時期:2023年8月~9月アイテム例:・Marble Print I-Line Jersey Dress 66,000円・Wrinkle Pleats Puff Sleeve Dress 143,000円・Raschel Jersey Torchon Lace Stripe Dress 572,000円・Wool Cashmere Frilled Knitted Dress 83,600円
2023年03月27日マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)の2023-24年秋冬コレクションから新作バッグ&アクセサリーが登場。マメ クロゴウチの2023年秋冬新作バッグ&アクセサリー“花籠”イメージのコード刺繡バッグ2023年秋冬コレクションの注目のバッグは、コード刺繍のテクニックを用いた人気バッグの新作。今季は、これまで以上に強度のあるアクリル素材で“花籠”をイメージしたバッグを作り上げた。ラインナップするのは、マチが付いた縦長のバッグと丸みを帯びたミニバッグの2型。カラーは、ブラックとブルーの2色が揃う。“竹”を用いたピアスやバングルアクセサリーは、2023年春夏シーズンに引き続き、竹を用いたピアスやバングルがお目見え。今季は、漆を思わせる艶のあるダークブラウンで展開される。【詳細】マメ クロゴウチ 2023年秋冬新作バッグ&アクセサリー発売時期:2023年8月~9月アイテム例:・Cord Embroidery “Hanakago” Hand Bag 99,000円・Cord Embroidery “Hanakago” Mini Hand Bag 51,700円・Bundled-Plait Basket Motif Bamboo Earrings 82,500円
2023年03月27日フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)は、2023-24年秋冬コレクションを、2023年3月21日(火・祝)に恵比寿ガーデンプレイスのセンターエリアにて発表した。儚く過ぎていく365日間の中で「365days」というテーマを冠した今季は、過ぎ行く1年間の日々に思いを巡らせた。過ごしてきた時間の儚さを感じながらも、時の流れに身を委ねて“今日”を幸せに過ごそう、というポジティブなメッセージが込められている。日常を彩る花々日々を彩る“幸せ”の象徴として、デザイナーの田中文江が選んだのは色とりどりの花。様々な色彩の花々を隙間なく並べ、立体的なフリルの装飾とともにふんわりと仕上げたドレスやジャケット、ミニドレスは、服を飾る花々が生き生きとした佇まいを演出する。加えて、真っ白な花びらを散りばめたようなメッシュのドレスやスカート、落ち着いた色味の花モチーフをプリントしたしなやかなロングドレス、青々としたグリーンの花柄を配した艶やかなドレスなども登場。様々な表情の花を登場させることで、日常の機微を描き出しているかのようだ。躍動するフリル細やかなフリル使いも散見された特徴だ。目を引いたのは、フリルを密集させて贅沢に用いたり、渦巻を描くようにフリルをあしらうことで形作った、ボリュームのあるジャケットやトップス、スカートのルック。白地に黒の花柄を施したクラシカルな生地の模様がフリル、ギャザーによって凝縮され、豊かな表情を織りなしている。また、シャイニーなゴールドのブラウスには、首から肩にかけてフリルを連ねるようにして配した他、袖にも巻き付けるようにしてフリルをあしらうことで躍動をプラス。また、レザー調ベストやスカート、アーシーなブラウンカラーのロングドレスなどにもフリルの装飾を施した。肌を見せるディテールさらに、肌を見せるディテールも印象的。コンパクトなケープ、トップス、スカートを合わせたセットアップや、流れるような佇まいのロングドレスは、背中の開いたデザインを採用することでセンシュアルなエッセンスを加えた。また、きらめくラメニットとシアーなオーガンザを重ねたドレスは、異なる質感の素材が呼応し合うことで、より一層澄んだ透明感を生み出している。アルカンターラなどゲストブランドに尚、今季は、イタリアのテキスタイルブランドであるアルカンターラ(ALCANTARA)や眼鏡の産地、鯖江にある「眼鏡市場」の工場・キングスター(KING STAR)、そしてチルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス(Children of the discordance)をゲストブランドに迎えている。
2023年03月24日ナノアット(NaNo Art)の2023-24年秋冬コレクションが、2023年3月20日(月)に青山・スパイラル ホールで発表された。洋服の“真の価値”とは2019年のブランド設立以来、ランウェイショー初開催となるナノアット。"What is value?"をテーマに掲げる今季は、デザイナー・後藤と田中が「洋服の価値は何に依拠するのか」を深掘りしたコレクションを展開する。アパレル販売までのストーリーではなく、消費者のウェア購入後の「心の動き」を重要視した、洋服の“真の価値”を問うスタイルを提案していく。正義の女神“ユースティティア”着想柱を設置し裁判所に見立てたホールで、法服をイメージした黒いドレスのファーストルック入場からショーがスタート。ドレスには、コレクションの随所で散見される価値の象徴のモチーフ“正義の女神ユースティティア”がプリントされている。セカンドルックからは「洋服の真の価値」を体現するように、2着ずつ対になったウェアたちが続々と登場。一見同じように見えるが、異なる素材を使用したウェアたちを対比しているのが特徴だ。対比されるウェア中でも好例となるのは、複雑な構造のラペルを持つテーラードジャケットのペアルック。どちらも類似したデザインではあるものの、片方は高級なシルクを、もう片方はカジュアルなポリエステルを使用。全く異なる価値のファブリックを使用した2つのルックを、本当に見破ることができるのか、観る者に問いかけているようだ。また、細部にまでこだわったディテールのルックも数多くラインナップ。リブ部分がポリエステルかウールかという差のブルゾンのほか、シームにパイピングが施されているか否かという違いのトラウザー、教断したスカーフの柄が同じか異なるか、貝ボタンかプラスチック製なのかなど、消費者の価値観に委ねられたディテールだ。シンメトリーなパターンさらに、全てのアイテムが公平中立を示す“天秤”に倣い、シンメトリーなパターンに基づいているのもポイント。ダッフルコートなど服の型は崩さずに、独創的な対称のパターンワークをあしらい、バランス良くまとめている。カラーパレットには、ブラック&ホワイトに加え、カーキやネイビー、ブルーなど落ち着いた寒色系が揃う。消費者の価値=洋服の価値今季のコレクションを通じて導き出された、“消費者の価値=その洋服の価値に直結する”という本質的な解。この発展産業において、消費者に選ばれ続ける“服作り”を極めていくナノアットの決意が感じられた。
2023年03月23日ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2023年秋冬コレクションが、2023年3月18日(土)に発表された。ビデオプレゼンテーションの音楽は、ダムタイプの音楽と音響を担当してきた山中透による。自己の二重化詩のひとひらを引用することから始めたい。「そこで泣いているのは、だれ、ひとすじの風でないとしたら、こんな時間に/ほかにあるのは、いやはてのダイヤモンドだけ……だれなの泣いているのは、/こんなにもわたしのそば、このわたしこそ泣きだしそうなのに。/この手、わたしの顔に触れようと夢みながら、/ぼんやりと、何かふかい目的にしたがってでもいるのか、/この手は待っている、わたしの弱さから涙がひとしずく溶けて流れ出るのを。」──ポール・ヴァレリー『若きパルク』(清水徹訳)の冒頭である。ここで泣いているのは、ほかならぬ「わたし」だろう。しかしその存在は、「わたし」の眼差しの下に二重化されている。「わたし」の身体が「わたし」の意識から離れて、他者のごとく立ち現れる。「わたし」はどうやら明確な輪郭を持たず、「だれ」と呼びかけられた「わたし」の手だけが現れて、その顔に触れる、輪郭をなぞることを試みる。「わたし」が「わたし」を捉えるとき、そのイメージは断片的で曖昧であらざるをえない。そこからかろうじて紡ぎだされるのが自画像──「Self-Portrait」とは、今季のドレスドアンドレスドのテーマである──にほかなるまい。このように曖昧な輪郭をなぞり、諸断片のイメージを自分という存在へと編みあげてゆくのが、ドレスドアンドレスドにおけるテーラリングであった。シングルブレストやダブルブレストで研ぎ澄まされた佇まいに仕立てたジャケットには、ややもすれば不確かさの底に落ちる自分という存在に確固たるフォルムを与えるかのようにして、ハリのあるウールギャバジンを用いる。あるいはモールスキンは、執拗になぞろうとも静かに震えてやまないその輪郭を、繊細に具現化するもののようにすら思われよう。ところで、自画像を紡ぎだすために用いる手立てのひとつが、自らを映しだす鏡である。しかし、ただ1枚の鏡では、自己の輪郭を描ききることは叶わない。自らを囲繞する多数の鏡、それらが波のごとく返す諸断片のいわば結び目として、自画像が立ち現れる。こうして鏡の無限反射によって織りなされるイメージは、だから、自己という主体が立ち現れる点で生成的であり、数多の鏡に映した結果得るほかない点では束縛的である。それはコレクションにおいて、シャツのボタンホールを拡大したフロントスリット、そしてギャバジンのジャケットに見られる縫い閉じられたボタンホールの痕跡、これらの両極に反映されている。いま一度、ヴァレリーを引こう──「わたしは自分のあとを追い、自分に答え、自分を反射し、自分に反響する、わたしは鏡の無限に戦慄する──わたしはガラスでできているのだ」(「ムッシュー・テスト航海日誌抄」(清水徹訳)より)。鏡に映じる自らの像をまなざし、一方でそこに映された像が自らを見つめ返す。自己の存在を描きだしてもなお、他者のごとく自画像が立ち現れる、この慄き。鏡の無限反射の下で震えてやまない自己の輪郭が、今季のドレスドアンドレスドにおいては探られているように思われる。
2023年03月23日ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)の2023年秋冬コレクションが、2023年3月18日(土)、東京・渋谷にて発表された。ユニフォームが仄めかす色香「禁欲のエロティシズム」という逆説を弄することを許されたい。なぜならば、今季のケイスケヨシダが試みているのは、身体を構築的なシルエットへと閉じるテーラリングによって身体をなぞり、それをもって官能性をかすかに匂わせることにあるように思われるからだ。冒頭で書いたように、今季の軸となるのは、テーラリングをはじめとするフォーマルウェアだ。たとえばテーラードジャケットやロングコートは、ややショルダーを誇張し、丈感は長めに、ラペルの重心は極端に上方へと設定することで、力強く、身体を隈なく覆うかのような佇まいに仕立てている。では、テーラリングが匂わせる官能性とは何か。首元まで覆うかのようなジャケットは、しかしバックにブラウスを彷彿とさせるスリットを採用。スカーフやレース飾りの華やぐブラウス、これと合わせたスカートは、身体のフォルムを透かして見せるかのようにすっきりとしたシルエットに仕上げている。そもそも衣服とは、身体を覆うことで逆説的に生身の身体を感じさせるところに、その官能性のエッセンスを持っていた。裸体がエロティックたりうるのは衣服を脱ぎ去るがゆえのこと。ヌードとは、衣服を纏う振る舞いを起点として、むしろ事後的に立ち現れるものなのだ。ケイスケヨシダは、衣服でもって身体をなぞる。そうしてなぞられた輪郭が、身体を覆ってはいるものの、むしろそれゆえに身体の色香を醸し出す。それはある意味でフェティッシュだ。だから、テーラリングの素材においても、シックな無地やグレンチェックにとどまらず、艶かしく光沢を放つシンセティックレザーやベルベットを随所に見てとることができるのだといえよう。
2023年03月21日ミューラル(MURRAL)の2023年秋冬コレクションが、2023年3月18日(土)、東京・丸の内の東京国際フォーラムにて発表された。研ぎ澄まされた繊細さ移ろいゆくもの、儚いものへと注がれるまなざし──ミューラルにはそうした繊細さが通底しているのではないかと、2023年春夏のコレクションに寄せて書いた。先シーズンのミューラルが、幾重ものヴェールを脱ぎ去って現れる等身大の自分を「ヌード(NUDE)」というテーマで追求したのならば、今季はややもすればひりひりと痛む剥き出しの自分、その脆いほどの感じやすさを、「フラジャイル(FRAGILE)」という言葉で深めたように思われる。ミューラルにとって、「脆さ」を意味する「フラジャイル」を具現化する特権的な対象が、雪であった。空の気候状態に応じて結晶の形をさまざまに変える雪は、しかし、地上に降り注ぎ、手のひらで愛おしもうものならば、たちどころに溶けて消え入ってしまう。世界で初めて人工雪の製作に成功した物理学者・中谷宇吉郎は、「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残しているが、脆く移ろいやすい雪という手紙を受け取るには、受け手もまた繊細であらねばならない。雪を感受する感覚は、ブラックとホワイトという極度に研ぎ澄まされたカラーパレットを受け皿に、たとえばミューラルならではの繊細な刺繍に表れている。色彩を抑えた刺繍レースは、緩やかなに波打つノースリーブドレスや、トップス部分を切り替えたボディスーツへ。濃密な凹凸感を織りなす収縮刺繍もまた、その彩りをモノトーンに抑制し、ロングコートやスカートへと用いた。より直接的に雪を彷彿とさせるのは、たとえばラメ糸のきらめくファブリックであり、これを身体のシルエットに沿うかのようなキャミソールワンピースやトップスに用いている。また、華やかにドレープを揺らめかせるドレスやオフショルダーのブラウスには、雪景色を写した写真をプリントで施した。冒頭に、先シーズンの「ヌード」を踏まえつつ、「剥き出しの自分」と書いた。ややもすればひりひりと痛む、この繊細な感覚を、ミューラルはある種の官能性へと読み替えてゆく。それは、ショルダーを露出したオーバーオールや、大胆にフロントを開いたドレス、あるいは上述のタイトなトップスやオフショルダーのブラウスなどに見てとることができる。カラーは、ブラックとホワイトの研ぎ澄まされたモノトーンを基調に、あくまで抑制されている。しかし、その間には、ジャケットやスカートのライトグリーン、ニットに広がるグリーンのグラデーションを差し込んで。あるいは、フロントジップブルゾンやミニスカート、ドレスなどには、ニードルパンチを用いつつ、透明感を帯びたグラデーションを表現した。
2023年03月21日タナカ(TANAKA)は、2023-24年秋冬コレクションを、2023年3月18日(土)に渋谷ヒカリエで発表した。タナカ初のランウェイショー今回が初のランウェイショー開催となるタナカは、「今までの100年とこれからの100年を紡ぐ服」というブランドコンセプトを、今季のクリエーションを通して改めて表現。奄美大島の金井工芸や、徳島の藍師・染師「ブアイソウ(BUAISOU)」、岡山のデニム加工工場の西江デニム、そしてデニム生地のカイハラと、日本のものづくりを担う工房やメーカーと引き続きタッグを組みつつ、多彩な人々が行き交うニューヨークの街並みからインスパイアされた、生き生きとしたクリエーションを提示した。デニムウェアの多彩な表現長く紡いでいくことのできる服、性別や世代を問わず長く愛される服を提案するタナカが、ブランドスタート当初から作り続けているのがデニムウェア。ベーシックなデニムジャケットやジーンズから、ムラ染めのデニムウェア、ブラックデニムとインディゴデニムをパネルで切り替えたデニムジャケット、カラフルなペイントや、ニューヨークのアーティスト・フェイル(FAILE)のグラフィックを用いた賑やかなデニムのセットアップまで、様々なデニムウェアが登場。デニムをキャンバスのようにとらえ、表情豊かに仕上げたピースが多数展開されている。生花の押し花を装飾として施したホワイトデニムのコートは、ダメージ加工によってユーズド感をプラス。華やかさに加え、時の経過を感じさせる佇まいに仕上げた。また、たっぷりとした分量感に仕上げたセーラーカラーのデニムドレス、テーラードカラーのジャケット、ラップスカートなど、装飾だけでなくシルエットにおいても多岐にわたる表現を実践。幅広いデニムウェアの可能性を見せている。ヴィンテージスカーフや古着の再構築さらに、デザイナーのタナカサヨリがフランス在住の友人に見つけてもらったというヴィンテージスカーフを用いたウェアをはじめ、古着を再構築したウェアも散見された。袖が取れる仕様に仕上げたスカーフのブルゾンや、同じくスカーフをあしらったタナカの定番アイテム・パフィージャケットなども、サイドにスリットを施すなど、部分的に変形させることでフォルムに遊びを効かせている。また、スタジャンを解体しボリュームのあるレザーの袖をドッキングしたデニムジャケットなども目を引いた。1枚の布地をまとう“まとう”という、服の原初的な概念に立ち返り1枚の布地を大胆に使ったルックも印象的だ。デニムやチェック地などをパッチワークした、グラフィックプリントのキルティング地は、体に巻き付けるようにしてドレスとして着用したり、マントのように羽織ったりして、シンプルながらも存在感を放つ装いに。染色を施さないタナカのエッセンシャルな素材である生成り地のデニムをたっぷりと用いたドレスは、ドレープが優雅さをもたらす一方で、唐突にあしらわれた端切れデニムのパッチワークがラフな印象をプラス。また、生地自体に世界中の国旗をプリントするなど、デザインにおいても、素材においても多面性のある1着に仕上げた。
2023年03月21日リコール(RequaL≡)の2023-24年秋冬コレクションが渋谷ストリームの稲荷橋広場で2023年3月18日(金)に発表された。“歩きスマホ防止”をテーマにNTTドコモとのコラボレーションによって実現した今季のショー。社会問題にもなっている“歩きスマホ”の防止をテーマとし、人とスマートフォンとの関係性を見つめ直すきっかけになること目的としたコレクションを展開していく。ファッショナブルな人を見ると、人は歩きスマホをしていても、立ち止まって歩きスマホを辞めるのではないか?そんな可能性を見出したリコールのデザイナー・土居哲也。その言葉通り、コレクションでは思わず立ち止まって見入ってしまうであろうインパクト抜群のアイテムが繰り返し提案された。マキシ丈のブレザージャケットまず最初に注目したいのは、まるでロングコートのように丈を長く設定したブレザージャケット。クラシカルなジャケットをあえてマキシ丈で提案することで、プレイフルな一着へと昇華させている。一緒に提案された西陣織のオリジナルネクタイは、中綿を詰めてマフラーに。ダメージを施したようなセーター時の経過を感じさせるようなアイテムも目を引く。アランセーターは、ケーブルにダメージを施したような編み方で仕立てつつ、所々をブラウンで染め上げることで、長年着用したような風合いに。思わぬ場所にポケットとフードが配されたスウェットパーカーは、全体にダメージ加工が施されている。遊び心溢れるバッグウェアと同様にバッグにも、すれ違う人を振り返らせるような遊び心を散りばめて。リコールのロゴが入ったショルダーバッグは、よく見るとボタンが巨大化したような遊び心いっぱいのデザイン。超巨大なバックパックは、蝶ネクタイを模して手作りで製作された。ショーのラストには、“歩きスマホ”をする若者たちがランウェイに登場。ぶつかりあいながらもスマートフォンを見て歩くパフォーマンスを披露し、今季のテーマを改めて際立たせた。
2023年03月21日