ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はやっぱり大人気のデニムファッションについて、最新スタイルをご紹介します。オーバーサイズのデニムジャケット!数多くのブランドがオーバーサイズのデニムジャケットを販売している通り、ストリートスタイルでも多くの方が愛用しているのが伺えます。また、オーバーサイズはやっぱり今も人気。着るだけでトレンディなスタイルになるのもいいですよね。こちらの写真のデニムは、さらにロゴが柄になったお洒落デニム。全体のスタイルにピッタリ合っててかっこいい!デニムベストは男女共に人気キラキラとした飾りがついているデニムベストは、カッコ良さにきれいがプラスされて強調されたような印象。この方はブラトップスを着用していますが、Tシャツだったりワンピースを合わせても可愛く着こなせそうです。手ぶらでOK!実用も兼ねてこちらの男性のベストは、仕事でも使用できちゃいそうなポケットだらけの使い勝手がよさそうなベスト。男性の全体のスタイルにピッタリ合っていて、さすがお洒落さんという感じ。ロングジャケットにもワンピースにも大きめデニムシャツのいいところは、実はこのようにジャケットとしてもワンピースとしても使えちゃうところ。この日はワンピースのように使用していますが、前を開けてアウターとしても使える万能タイプ。またデザインはシンプルながらも色がタイダイ風なので、お洒落度はよりアップ!上下お揃いのホワイトデニム上下お揃いでデニム着用は今や定番スタイル。今回はホワイトデニムというところがポイント!ラインやフリンジが入った小洒落たデザインも珍しく、飽きのこないスタイリッシュさがポイント。夏でも涼しげに見えて素敵!穴あきデニムはいつだって使える!私も持っていますが、穴あきデニムはちょっとスタイルを崩したい時にもってこい。この方のようにビシッと決めたジャケットスタイルにも似合ってしまう不思議な存在なんですよね。もしこれが普通のデニムならインパクトは少ないと思いますが、穴あきデニムのお陰で全体がより遊び心を感じるスタイルになっています。いかがでしたでしょうか?デニムといってもズボンだけではなく、今はほとんどのファッションアイテムで使われています。使い方次第で、いろんなスタイルを楽しめるのがわかりますよね。今後のスタイルの参考になりましたら幸いです。写真、文・平野秀美
2023年08月05日ペットランキングや数多く配信されている動物動画のなかでも、幅広い層からつねに高い人気を誇っている猫。そこで、オススメの1本としてご紹介するのは、猫好きにはたまらないと話題のドキュメンタリーです。『猫と、とうさん』【映画、ときどき私】 vol. 593俳優兼インフルエンサー、ベイエリアの技術者、路上で暮らす男性、消防士、スタントマン、トラック運転手など、一見何のつながりもない男性たち。それぞれ異なる背景を持つ彼らだが、その共通点は家や職場でともに生活する猫たちをこのうえなく愛していることだった。そんな彼らに立ちはだかったのは、誰にとっても経験したことのない試練となった2020年。9人の男性たちは、コロナ禍で愛猫とともにさまざまな困難を乗り越えようとしていた…。ダラス国際映画祭2021やサンフランシスコインディーフェスト2022などで観客賞に輝き、各地で好評を博している本作。そこで、見どころなどについてこちらの方にお話をうかがってきました。マイ・ホン監督手がけたのは、ロサンゼルスを拠点に活動しているマイ・ホン監督。自身も、6匹の猫と暮らす愛猫家でもあります。今回は、キャリアにおいて初の長編ドキュメンタリー映画となる本作が誕生したきっかけや猫が男性たちに与える影響、そしてアメリカの猫事情などについて語っていただきました。―本作は、猫好きではなかった監督のパートナーが猫を飼い始めたことによって変わっていく様子を目の当たりにしたことが制作のきっかけだったとか。実際、どういう変化があったのかを教えてください。監督私は彼のことを長年知っていますが、優しい人ではあっても、動物に関心があるタイプではないと思っていました。なので、猫との強いつながりを見たときに「こんなにも思いやりがあって、動物を愛せるキャパがある人だったのか」と私も周りの人たちもみんな驚いたんです。あと、夫は仕事人間で働きすぎなところがありましたが、以前よりもゆったりとした暮らしをするようになったことで、自分の時間を大切にするようにもなりました。そんなふうに、猫とかかわることによって変わっていく姿を見て感動しましたし、重要な意味を持つことでもあると感じたのです。男性が猫を飼うことは、まだあまり一般的ではない―ただ、アメリカでは「猫を飼う男性は変わっている」と見られてしまう傾向があるそうですね。監督SNSに猫を飼う男性の投稿が増えていることによって、少しずつ変わってきたとは思いますが、それでも男性が猫を飼うことはまだあまり一般的とは言えないかもしれません。実際、飼っていたとしても、そのことを男性がオープンに話さないこともあるくらいですからね。私の兄がいい例ですが、実は彼が猫を飼っていることも、猫をかわいがっていることも知らなかったんです。でも、この映画によって彼はそのことを話してくれるようになりましたし、猫との写真をSNSに載せるようにもなりました。そんなふうに、身内にも猫のことを言わない男性もいるほどです。―驚きのエピソードですが、その背景には「猫を飼っていることを知られるとモテない」と男性が思い込んでいる部分もあるのかなと。監督それもありますね。おそらく、テレビや映画が与える影響が大きいと思いますが、男性には猫ではなく、犬がキャスティングされることが大半です。そうなると、男性と猫というのは見慣れない光景になるので、それが彼らにとっては恥ずかしさにつながってしまうのかもしれません。あと、アメリカでは猫好きの女性を「クレイジーキャットレディ」と呼び、非常識な描かれ方をされることがよくあるので、そういうイメージが広まってしまったことも原因だと感じています。最近は、有害な男らしさも改善されつつある―ちなみに、日本でも「猫を飼う女性は結婚できない」と言われていたこともあるので、猫好き女性に対する偏見は似ている部分があるのかもしれないです。監督そうですね。アメリカでも猫好きの女性は、1人で猫と住んでいるように思われたり、少し哀れみを持って見られたりする部分もありますから…。でも、私としては、猫の面倒もちゃんと見ることができる自立した女性で、より解放されている人として捉えています。―そう思います。また、本作では男性と猫を通して、“現代における男性らしさ”について探求したいという意図もあったそうですが、制作過程で新たな発見などもあったのでしょうか。監督いわゆる「トキシック・マスキュリニティ(有害な男らしさ)」については、だいぶ改善されているように感じました。それは、MeToo運動のように女性が声を上げられるようになり、男女平等を求めるようになったことも大きいのではないでしょうか。ただ、進化した部分があるのと同時に、伝統的な男らしさとされるマッチョイムズについては、まだまだかなと思うところも…。その1つの例が銃規制ですが、そういったところは、もっと改善すべきだと考えています。とはいえ、なかなか打破するのが難しい分野ではありますね。日本には、共通の“猫愛”があると感じている―なるほど。ただ、本作に登場する男性たちを見ていると、猫にはそれを変える可能性があるのではないかとさえ感じるところもありました。監督確かに、そうですね。男性と猫というイメージが広がることによって、もっと男性のソフトな面が出てほしいですし、もっとそこを評価してほしいと思っています。そうすれば、男性もマッチョでいることよりも、動物や人に対して愛情を持って接することに価値を見い出せるようになるからです。そして、それが有害な男らしさによるいじめなどを減らしていくきっかけになったらいいなと考えています。それから、男性が問題を解決する際のアプローチ方法においても、そういった変化は重要だと言えるのではないでしょうか。映画のなかに、野良猫の問題に取り組む男性が出てきますが、その姿から問題解決においても男らしさではなく、愛情や優しさを持って向き合う大切さを知ってほしいです。―日本についてもおうかがいしますが、これまでたびたび来日されているということなので、どのような印象をお持ちかをお聞かせください。監督日本人は勤勉で職人気質ですし、食をはじめとする文化の発信の仕方も素晴らしいので、私も映画という分野で同じように極められたらいいなと考えています。それと、猫が文化の一部に入り込んでいる国だなという印象です。ロゴや広告など、いたるところに猫がいるので、共通の“猫愛”を感じられて、猫好きの私としてはとても落ち着きます。楽しみながら仕事をする大事さを伝えたい―そういった共通点から、今後日本のアーティストと仕事をしてみたいと思うこともあるのでは?監督美的感覚が優れた方が多いので、機会があればぜひコラボレーションしてみたいですね。好きな方がいっぱいいすぎて困るのですが、映画監督であれば三池崇史監督のファンです。以前、私はアジア映画祭のプログラマーをしていたこともありますが、そのときにも三池監督の作品は多くかけていましたし、私の周りにも好きな人はたくさんいます。なので、アメリカでも監督の作品は愛されていることを伝えたいです。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督言い尽くされた表現ではありますが、やっぱり大切なのは「ネバーギブアップ」の精神。私自身も諦めそうになったことはありましたが、40代半ばでジャンルをドキュメンタリーに変更したことでやっと自分に合うものに出会うことができた経験があるからです。「気づくまでにどうしてこんなに時間がかかったんだろう」と思うこともありました。でも、そんなふうにちょっとした調整をしただけで答えが見えてくることもあると知れたので、いまはよかったなと感じています。この作品も自分の楽しみのために撮り始めたものなので、成功しても失敗しても関係ないという気持ちでしたが、いつの間にか多くの人が共感してくれました。そうやって輪が広がっていき、同時に評価されていることもうれしいですが、その源にあるのは何かというと、自分自身が楽しむこと。キャリアを築くうえではそういうこともつい忘れがちですが、楽しみながら仕事をする大事さをみなさんにも伝えたいです。“ニャン”とも言えない幸せな気持ちに満たされる!猫好きはもちろん、まだ猫の魅力に気づいていない人も虜になること間違いなしの本作。思わず釘付けになってしまうかわいさに癒されるだけでなく、個性豊かな猫たちが起こす奇跡の瞬間にも心を奪われる珠玉のドキュメンタリーです取材、文・志村昌美目が離せない予告編はこちら!作品情報『猫と、とうさん』YEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開中配給:ファインフィルムズ️(C) Gray Hat Productions LLC 2021.
2023年08月03日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。この夏に欲しい珍しいサングラスから定番デザインまで一挙にご紹介します。フェスやイベントに!ハート型のサングラスが可愛い!ブラックだと意外と普通の時でも使えそうなくらい、ファッションアイテムとして定着しそう。特にフェスやイベントなどではいつも人気の変形サングラス。ハート型はやっぱり可愛いですね。定番スクエアサングラス最近は一風変わったサングラスが人気ではありますが、やはり定番のスクエアタイプはちょっとお出かけの時に主張しすぎずにバランスが取れるので、愛用する人も多いのところ。1つ持っていたら、本当に重宝します。大きめのフレームは小顔効果抜群!今も人気の大きめフレームは、やはり小顔効果抜群ですね。また目が大きく見える印象があるので、ファッションアイテムとしては持ってて損なし!ラウンドサングラスは今年再注目!こちらのサングラスは、完全なるラウンドタイプではないけれど、こういう丸タイプのサングラスは本当に最近よく見かけます。比較的お洒落さんがかけている感じが強いので、ぜひ真似してみたいですね。細長タイプのサングラス目尻あたりが細くなったタイプのサングラスも、ここ最近人気のようです。多くのファッションショップで見かけますよ!また甘辛な印象なのも魅力的。個性的すぎないのでどんなファッションにも合わせやすく、毎日でも愛用できちゃいそう!フレームが透明系のサングラス形はよく見かけるタイプですが、フレームが透けたタイプのサングラスやメガネが人気急上昇中。印象も重くなりすぎず、夏にはぴったりな印象です。キャットアイサングラス今でも大人気のキャットアイサングラス。特に最近は目尻部分がより上がったものが流行っている模様。カラフルなフレームを選ぶのも今年の特徴です。ファッションを選ぶ印象なので、印象づけたい時にはもってこいです!いかがでしたでしょうか?今回は今年の夏にぜひお勧めしたいサングラスをご紹介しました。数ある中でどんなサングラスを選べばいいかわからない場合は、上記を参考にしてみてください。写真・文 平野秀美
2023年07月30日気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第7回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。【テレビっ子の窓】vol. 7春が過ぎ夏を迎え、暑い日が続くようになると、クーラーのきいた涼しい部屋でゆっくりしたくなる方もいるはず。そんなときにオススメしたい、2023年発表の注目の韓国ドラマと韓国映画をご紹介します。ときめく王道ラブストーリー『キング・ザ・ランド』Netflixシリーズ『キング・ザ・ランド』独占配信中作り笑いが苦手なキンググループの御曹司ク・ウォン(イ・ジュノ)は、いつも笑顔をふりまくホテル従業員のチョン・サラン(ユナ)と最悪な出会いをして険悪な関係に。ある日、2年連続で親切社員&優秀社員に選ばれるほどの逸材であるサランは、従業員の憧れの部署「キング・ザ・ランド」に配属され、上司となるウォンと衝突しながらも次第に惹かれあっていくという、王道のラブストーリー『キング・ザ・ランド』。Netflixシリーズ『キング・ザ・ランド』独占配信中御曹司と従業員という立場の違いがあるなかで、ウォンとサランの距離がどんどん縮まっていく様子がなんともロマンチック。そもそもK-POPスターの2PM ジュノと少女時代のユナという、容姿端麗なふたりが恋に落ちるさまは、観ているだけでも目の保養になって、ときめきスイッチがオン! いま現在ドラマが配信途中ということで、結末がどうなるのか、今後の展開が待ち遠しいです。ラブコメディ『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』Amazon Original『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』 Prime Videoで独占配信中。©KT StudioGenie恋愛コラムニストで恋愛コーチとして知られるボラ(ユ・インナ)とともに、恋愛にうとく無愛想な出版社のスヒョク(ユン・ヒョンミン)がボラの担当企画者となって、ふたりで恋愛指南書を作ることに。恋愛には戦略が必要だと世間にアピールしていたボラは、実生活では浮気者の恋人ジュワン(チャンソン)と別れの危機が訪れます。その一方でボラとスヒョクは、だんだんと恋愛の駆け引きをするようになるというラブコメディ『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』。Amazon Original『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』 Prime Videoで独占配信中。©KT StudioGenieボラを演じるユ・インナといえば、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016年)で死神と切ない恋をしたサニー役で魅力を開花させた印象。主演作となる今回は、自立した女性ながら恋愛にとまどうボラ役を好演していて、恋をしている女性は共感できる部分が多いかも。ボラの妹の彼氏役として登場し、初めて演技に挑戦したK-POPグループ「iKON」のジュネや、ジュワン役の2PMチャンソンらにも注目です。ファンタジーロマンス『ハートビート』Amazon Original『ハートビート』 Prime Videoで独占配信中©KBS「人間になって、心躍る恋がしたい」と願うヴァンパイアのウヒョル(オク・テギョン)は、サンザシで作った棺の中で100年間眠ると人間になれる秘術を知り実行したものの、あと1日の99日目に人間の女性イネ(ウォン・ジアン)に棺を開けられて“半人ヴァンパイア”になってしまいます。イネは血の通わないようなドライな女性でウヒョルとは折り合わないものの、ひょんなことから同居して心が通い合っていくという、ファンタジーロマンス『ハートビート』。Amazon Original『ハートビート』 Prime Videoで独占配信中©KBSウヒョルとイネが、どんなふうに恋愛関係になっていくのか? 現在配信途中ということもあって、今後のなりゆきに期待大。以前『ヴィンチェンツォ』で魅せた悪役での怪演が鮮烈で印象深いテギョン。今作では、人間になる秘術を教えてくれた1000年生きる猫のコ・ヤンナムのことを「コ先生〜」と呼んで探す姿、100年前と現代とのギャップに驚く古風なウヒョルをテギョンが演じ、コメディとの相性もバッチリです。青春コメディ『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』Netflix映画『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』7月26日(水)より独占配信中常識のないサッカー選手のユン・ホンデ(パク・ソジュン)は、相手チームの選手に暴行し、選手生命の危機に陥ることに。その罰として、ホームレスのワールドカップの監督を任されます。そんなサッカー未経験者を寄せ集めたチームのドキュメンタリー制作が決まり、放送局のプロデューサーである、情熱のないイ・ソミン(IU)は、彼らに密着。果たして、彼らは世界大会に出場できるのか?Netflix映画『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』7月26日(水)より独占配信中最弱チームが人生を逆転させるために次第に結束していく様子、ホンデとソミンもだんだんと本気で夢を叶える彼らとともに変化してく姿が見どころの青春コメディ『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』。初共演となるIUの愛らしさとパク・ソジュンがサッカーをプレーする姿も必見で、さらに、ふたりとそれぞれ共演経験のあるカン・ハヌルの特別出演も見逃せません。ラブストーリーから青春物語まで、涼しい部屋でゆったりと、気になる作品をチェックしてみてくださいね。きっとあなたにぴったりの韓国作品があるはずです!文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2023年07月30日国立西洋美術館の常設展示室で、小企画展「美術館の悪(わる)ものたち」が開かれています。本展では、国立西洋美術館が所蔵する膨大なコレクションのなかから、「悪ものたち」が登場する作品を展示。まがまがしい悪魔から、心惹かれる魅力的なキャラクターまで、さまざまな悪党が登場します。このユニークな展覧会を担当された研究員さんに、展示の見どころなどお聞きしてきました!西洋の「悪ものたち」が勢ぞろい!「美術館の悪ものたち」展示風景【女子的アートナビ】vol. 306「美術館の悪(わる)ものたち」では、国立西洋美術館が所蔵するコレクションからセレクトされた作品を49件展示。デューラーやルーベンス、クラーナハ、ドーミエ、ゴヤなど、ルネサンス期から20世紀までの名作版画のほか、油彩画も紹介されています。描かれている「悪もの」は、悪魔や怪物だけではありません。怠惰や大食い、嫉妬、貪欲、淫欲などもキリスト教会では「大罪(悪徳)」とされ、それらを描いた作品も展示。また、「死」をイメージ化した不気味な版画や、悪徳政治家を揶揄した風刺画もあり、多彩な西洋の悪ものたちが勢ぞろいしています。この楽しい展覧会を企画された国立西洋美術館 学芸課長の渡辺晋輔さんに、見どころや版画の楽しみ方をお聞きしてきました。悩みに悩んで「悪ものたち」に…――まず、本展開催の経緯について教えてください。渡辺さん国立西洋美術館の版画素描展示室では、大きい展覧会を開催するたびに、当館の所蔵作品を使った小さい展覧会をしています。今回、企画展示室では学術的なスペイン版画の展覧会をしているので、その裏番組として、この小企画展ではやわらかめのテーマで版画などを出すことにしました。――「美術館の悪ものたち」というタイトルにとても惹かれます。なぜ、「悪もの」をテーマにされたのですか?渡辺さん夏休みの期間とも重なるので、子どもが楽しめるものにしようと思いました。テーマは悩みに悩み、「悪魔と魔女」も考えましたが、それだけで作品を集めるのは難しく、もう少し広めのテーマとして出てきたのが「悪ものたち」でした。「悪い奴ら」にしようかとも思いましたが、最終的には「悪ものたち」となりました。「悪もの」は自由に描ける!――作品には、悪魔や怪物などキャラクターたちがたくさん登場しています。今のように簡単に情報が得られない当時の芸術家たちは、どんな風に個性的なキャラクターを生み出したのでしょうか?渡辺さん当時も、少ないながらも情報は得られました。その役割を果たしたのが版画です。ルネサンス期は、版画により情報の伝達が進み、各地で描かれている変わった怪物などを知ることができました。例えば、ユニークな怪物を描いたヒエロニムス・ボスの版画を見た画家が、それをもとに工夫を重ねて発展させて描いたりしています。また、16世紀はローマ時代の壁画などが発掘され、古代の変わった装飾模様が見つかった時期でもあるので、そのデザインを発達させたという可能性もあります。――西洋文化のなかで「悪ものたち」のイメージが受け継がれ、発展していったのですね。渡辺さん悪いものや醜いものは、「こう描かなければならない」という制約がありません。例えばキリストや聖人は、描き方が厳密に決まっています。また、美しい人の描き方もある程度決まっています。「悪ものたち」はそれらと正反対にあり自由なので、画家たちは創意工夫を発揮しやすく、自分の能力を示すきっかけにもしていました。不倫の濡れ衣を着せられた人妻の絵…スケッジャ(本名ジョヴァンニ・ディ・セル・ジョヴァンニ・グイーディ)《スザンナ伝》15世紀――本展の構成を教えていただけますか?渡辺さん会場では、セクションにわけながら、ルネサンス期から20世紀へと時代が下がるように展示していますが、時代の流れは厳密ではありません。また、本展では、当館コレクションのなかでもかなり良い版画を選んであります。テーマを設けていますが、名品展にもなっていて、基本的にどれを見ても良い作品です。――どれも名品とのことで、そこからセレクトするのは難しいと思いますが、各セクションのおすすめ作品を教えていただけますか?渡辺さん最初のセクション「罪深い人々」では、一番目に展示してあるテンペラ画が見どころです。描かれている「スザンナ伝」は、当時とてもメジャーな話です。旧約聖書に題材をとったもので、長老たちに言い寄られ、不倫の濡れ衣を着せられた人妻スザンナの様子などが描かれています。その長老たちが、典型的な悪人とわかるようになっているので、おもしろい作品です。――この絵は、部屋に飾って楽しむためにつくられたのですか?渡辺さん本作品は、もとは「カッソーネ」と呼ばれる、衣服などを入れる長持ちの前面を飾る装飾パネルでした。これは嫁入り道具です。スザンナは貞節を守った女性なので、花嫁のお手本のようなイメージとして、当時の花嫁道具に好んで描かれました。版画史に残る名品!アルブレヒト・デューラー《騎士と死と悪魔》1513年エングレーヴィング――次のセクション「悪魔と魔女」のおすすめ作品を教えていただけますか?渡辺さんデューラーの《騎士と死と悪魔》は、版画のなかで最高峰作品という位置づけで、版画史に残る重要な作品です。技法も優れていますし、「死」をデューラーが工夫して発展させ、あのような版画に仕上げた点もすばらしいです。右側に、ブタの鼻をもつ悪魔も描かれています。「美術館の悪ものたち」展示風景渡辺さんまた、このセクションでは、版画によってイメージがイタリアからドイツへ、そしてドイツからイタリアに伝わったことがわかる作品も3点展示しています。イタリアのマントヴァで制作されたマンテーニャの版画がドイツに運ばれ、それをデューラーが入手し、あるイメージを引用して「魔女」を描きます。その版画が、今度はローマに流通し、ヴェネツィアーノという画家が魔女の作品を描きました。会場では、パネルで詳しく解説してありますので、そちらもご覧ください。ずっと見ていて飽きないイチオシ版画ジョルジョ・ギージ《人生の寓意》1561年 エングレーヴィング――続いて、「魔物」のセクションについて、見どころを教えてください。渡辺さんギージの作品は、16世紀の版画のなかでは非常に有名で、とても魅力的だと思います。作者の空想がすごく発揮され、画面が謎めいていて、今でも何が描かれているのかよくわからない部分もあります。技術力も高く、細かなところまで描き込まれていて、見ていて飽きませんし、純粋に楽しいです。また、本作品は自分が購入を担当したものでもあり、ぜひ見ていただきたかったという思い入れもあります。――この作品は、大きなパネルにもされて、描かれている「生き物」を探すというクイズも出されていますね。渡辺さん動物や怪物だけでなく、よく見ると、「ラファエロ作」という文字も書いてあります。モチーフをラファエロから引用しているところもあり、いろいろな解釈が盛り込まれています。当館ホームページの作品検索ページでも本作品を拡大して見ることができますので、ゆっくり動物など探してみてください。男の醜さを際立たせた作品ウィレム・ファン・スワーネンブルフ、マールテン・ファン・ヘームスケルク の原画に基づく《『世俗財産の悪用についての寓意』より、男に矢を放とうとする死》1609年エングレーヴィング――「死」のセクションのおすすめ作品も教えてください。渡辺さんスワーネンブルフの作品は、世俗財産の悪用を寓意として表しているところがおもしろい作品です。「死」の訪れで財産が崩れ去り、結局死んでしまえば何も残らないという教訓がこめられています。――このような版画は、当時の人たちは飾って楽しんでいたのですか?渡辺さん版画は、本来は手元に置いて、見て楽しむものです。例えば、16世紀に入ると素描のコレクションをする人たちが出てきますが、これは一点ものでなかなか手に入らないので、その代わりに版画をコレクションしていました。今の切手帳みたいに帳面に版画を貼って、鑑賞するというやり方です。裕福な人の趣味ですが、安い物もありました。フェリシアン・ロップス《ポルノクラテスあるいは豚を連れた女》1881年エッチング、アクアティント――最後のセクション「近代都市の悪ものたち」の見どころを教えてください。渡辺さんロップスの作品はインパクトがあります。裸の女性が目隠しをしてブタを連れて歩いている版画です。「ポルノクラテス」とは「娼婦政治家」のことで、自分の利益しか見ていない政治家を風刺している作品です。近代都市の堕落したところを見せつけているように思います。左:フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス《『ロス・カプリーチョス』より、何たる犠牲か》1799年エッチング、アクアティント(一部掻き落とし)、ドライポイント右:オノレ・ドーミエ《『表情のクロッキー』より、(39)なあ、いいだろう…ご主人様に接吻しておくれ…今すぐに…》1838年リトグラフ渡辺さんゴヤやドーミエが描いた、中年男性が若い女性を口説く作品もおもしろいです。「不釣り合いなカップル」という主題は歴史が長く、ルネサンスのころからあります。年寄りの男性と若い女性、醜い男性と美しい女性など、いろいろなところが対比となっています。醜い男性を描くとき、いかにして醜さを際立たせるかが画家に求められていました。ゴヤもドーミエも、その部分をうまく表現していると思います。深く考えずに楽しんで!――最後に、版画の鑑賞法について教えてください。版画は、木版やエングレーヴィング、エッチングなどさまざまな技法があり、少し難しいイメージがあります。初心者は、どんなふうに見ればよいのでしょうか?渡辺さんあまり深く考えずに見ていいと思います。技法がわからないと作品がわからない、ということではないと思います。見ていると、素描とは違うというのはわかると思いますので、何か違うなという感じを楽しんでいただければ、それで十分だと思います。例えばデューラーの版画は、純粋に画像が醸し出す雰囲気がすごいと思います。風格があり、見ていると圧倒されます。その魅力を、会場で見て感じていただけたらうれしいです。――詳しく解説していただき、ありがとうございました。クビーンのポスターも見てください!渡辺さんのお話、いかがでしたか。モノトーンの版画は、一見すると地味ですが、描かれているテーマやストーリーを知ると、大変おもしろいアートだと思いました。本展は、タイトルもユニークですが、ポスターも非常にインパクトがあります。アルフレート・クビーンという画家が制作した、不敵な笑みを浮かべた骸骨の版画がデザインされているのですが、残念ながら本作品は著作権の関係で、ポスターも含めて写真を掲載できません。クビーンの作品はネットでも話題になっていて、「あの版画のグッズが欲しい」というコメントもちらほら。間違いなく、本展で一番キャラ立ちのスゴい「悪もの」です。会場で、クビーンの版画は最後に登場するので、ぜひ直接美術館でご覧になってみてください。「美術館の悪ものたち」は9月3日まで開催。Information会期:~9月3日(日)休館日:月曜日※8月14日(月)は開館会場:国立西洋美術館新館2階版画素描展示室時間:9:30~17:30※毎週金・土曜日:9:30~20:00※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥500大学生¥250※本展は常設展の観覧券または企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」(7月4日(火)~9月3日(日))観覧当日に限り、同展観覧券でご覧いただけます。
2023年07月30日国立新美術館で、「テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ」が開かれています。本展のアンバサダーは、俳優の板垣李光人(いたがきりひと)さん。ご自身でもデジタルアートを手がけるなど、アートが大好きな板垣さんに、展覧会の感想や楽しみ方について、語っていただきました!板垣李光人さんがアンバサダー!板垣李光人さん【女子的アートナビ】vol. 305「テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ」では、英国・テート美術館から「光」をテーマにセレクトされた作品が来日。イギリスが誇る風景画家のターナーやコンスタブル、印象派のモネ、室内の淡い光を描いたハマスホイなどの油彩画や、近代の写真作品、現代アートのインスタレーションなど多彩な作品をとおして、光とアートをめぐる200年の流れを体感することができます。今回、テート美術館から来日する約120点の作品のうち、およそ100点が日本初出品です。本展は、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドをめぐってきた世界巡回展。最終会場の日本では、大人気のロスコやリヒターの作品も特別に出品されます。そんな注目の展覧会でアンバサダーと音声ガイドを務めるのが、NHK大河ドラマ『どうする家康』でモテモテの井伊直政役を演じている俳優の板垣李光人さん。ドイツ語で「光」を意味する「Licht(リヒト)」という名をもつご縁でアンバサダーに選ばれた板垣さんが、プレス内覧会に登場。その後、インタビューも実施しましたので、まとめてご紹介します。すごく不思議な感じ――展覧会のアンバサダーになられて、いかがでしたか?板垣さんすごく不思議な感じです。アートが好きなので、美術館はプライベートでもよく来ている場所です。そこでこうしてお仕事をさせてもらってるというのが不思議な感じですし、本当に光栄で嬉しいです。国立新美術館もよく来ていて、展示室で作品を見たあとは、余韻に浸りながら館内のカフェでお茶しています。そこでケーキを食べたりもしています(笑)。――音声ガイドも担当されています。特に、収録で心がけたことなどありましたか?板垣さん音声ガイドは、作品を鑑賞するための手助けで、作品が主役という意識はありました。また、自分で美術館に来たときにもいつも聴いていたので、どういうテンポがいいのか、どんな感じがいいのか、ある程度はわかっているつもりでいましたので、割とスムーズにできました。完成したものはまだ聴いていないので、また来て聴いてみたいです。――音声ガイドの収録で、特に印象に残った作品解説はありましたか?板垣さん原稿を読んでいて興味深かったのは、草間彌生さんの鏡の作品《去ってゆく冬》です。草間さんの作品は、有名な水玉の絵や立体かぼちゃのイメージでしたが、今回の作品ははじめて知りました。無限を表している作品で、彼女が水玉を描く理由も原稿で触れられいて、興味深かったです。――その作品を実際にご覧になってみて、いかがでしたか?板垣さん会場で作品を見てみると、鏡の奥に続く水玉が、直線で続くのではなく曲線を描くことで、その先が円になるように想像できました。それにより、輪廻というか循環を連想できて、おもしろかったです。あの作品は、写真で見るよりも、やはり実際に本物を見ないとわからないと思いました。解脱したような感じ…――展覧会の全体をご覧になって、いかがでしたか?板垣さんとにかく幅が広いな、と思いました。時代の幅もそうですけど、油絵から現代アートまであり、いろいろな世代の方に楽しんでいただけるのではないかと思います。――お気に入りの作品を教えていただけますか?板垣さんいろいろあるのですが、まずジェームズ・タレルの《レイマー、ブルー》という作品はよかったです。見る人によって解釈や感じ方が全然違うと思うのですけど、ぼくはすごく高尚なもののように感じました。白い無垢な空間に青い光が映し出されるのですが、それがあの世への入り口のような感じで……。安らかで清らかで、煩悩がなくなり、解脱したというか、解脱の入り口にいるような感じがしました。――解脱できるような作品というのはすごいですね。ほかには、どんな作品がよかったですか。板垣さんジョン・ブレットの《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》も好きでした。海に光が降り注ぐ絵で、画家自身が航海に出て見た海の風景を描いたそうで、陸や港から見る海の景色とはまた違う力強さがありました。海の美しさだけでなく、航海に出ているからこそ海の恐ろしさ、厳しさ、力強さみたいなものがわかり、そのうえで描いている絵なので印象的です。波の質感や、光が降り注いで光が波に反射している様子など、ディテールを近くで見るのもいいし、少し離れて全体の力強さを楽しむのもいいです。――鑑賞方法が本格的ですね!板垣さん自分も絵を描いたりするので、ディテールとか見てしまいます。――絵を描かれる立場からご覧になって、すごいと思った作品はありましたか?板垣さんゲルハルト・リヒターの《アブストラクト・ペインティング(726)》はおもしろいと思いました。キャンバスを2個つなげている作品で、アナログで描いているので筆の跡もあるのですが、その筆の動きがデジタルな電子的なものにも思えました。解説を聴いたら、専用のスキージーで描いているそうで、機械的な動きによりその質感が出ているとのこと。油彩的なアプローチによるインクの飛び方とか筆の運び方とかのバランスがおもしろいと感じました。画家自身で自分の色も確立されていますよね。――本展をご覧になり、ご自身のアート制作などでトライしてみたいことなど出てきましたか?板垣さんぼくはデジタルアートを描いているのですが、キャンバスに描きたいなと思いました。リヒターを見たらいいな、と(笑)。専用の部屋を借りてアトリエみたいにして、壁をブルーシートで覆って汚れてもいいようにして、そんな環境が欲しいな、と思いました。衝撃を受けたアートは…――板垣さんは、デジタルアートで現代仏画をお描きになってNFTでリリースされていました。なぜ仏画というジャンルにされたのですか?板垣さんもともと仏教だけでなく宗教画が好きなんです。キリスト教絵画は、印象派などと違う質感があり、おもしろいと感じます。例えば、人物のバランスが、概念的な偉大さや存在の大きさにより描かれるサイズが決まったりして、そのめちゃくちゃ大胆な感じがおもしろいです。色の使い方も、絵の具の発達により変わってきますが、古いものは、その描かれた当時の独特の色の出し方があり、そんな色使いも好きです。ヨーロッパだけでなく、アジアの曼荼羅などもおもしろいですね。だから、もともと宗教画に興味があり、デジタルでイラストを描いていて、さらにファッションも好きなので、その自分の好きなものを組み合わせて紹介したいと思い、たどりついたのが現代仏画でした。――では、お寺などにも行かれたりするのですか?板垣さんお寺も仏像も好きです。お寺や神社にもいろいろ様式があり、例えば仏像でも攻めている感じのものもあったりして、見ていておもしろいです。――アートは、描くのも見るのも好きとのことですが、いつからアートに興味があったのですか?板垣さん絵は、覚えていないくらいのころから描いていました。アーティスティックなものが好きだと自覚したのは、ティム・バートンの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を見てから。この映画がとても好きでした。小さいころからティム・バートンの作品が好きで、それが今にも通じてくるのかなと思いました。――これまでに見た展覧会で、印象に残っているものはありますか?板垣さん以前、森美術館で開催されていた「塩田千春展:魂がふるえる」。あれは衝撃的でした。今回のテート美術館展でも、大きな卵のような作品《イシーの光》(アニッシュ・カプーア作)がありましたが、あのような生命とかエロティシズムを感じるような作品もすごく好きで、塩田さんの作品も血のような肉体的なものを感じ、そんな作品が好きで強烈だったので覚えています。――たくさん美術展に行かれていますが、アートの楽しみ方を教えていただけますか?板垣さん例えば今回のターナーの作品など、百数十年以上も前に描かれたものです。その時代に生きていた人たちが感じていたもの、考えていたこと、におい、五感などすべて表現されているのが絵なので、その時代にタイムスリップできる感覚を味わえるのが美術だと思います。来たことがない方は、とにかく一回来てみると、自分なりの楽しみ方が絶対に見つかると思います。――では、最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。板垣さんこの展覧会には、はじめて日本にくる作品もたくさんあり、絵だけでなく立体作品もあります。ふだん絵や美術に興味がない方や、美術館に来る機会がない方でも、すごく楽しみやすいと思います。いろいろな時代のものがあり、何か自分のなかにビビッとくる、心惹かれる作品が絶対にあると思うので、いろいろなテートの光を感じに来ていただけたらと思います。――ありがとうございました!取材を終えて…アートについて、非常に造詣の深い板垣さん。作品についての感想も、ひとつひとつがとても深く、でもわかりやすい言葉で話してくださり、聴き惚れてしまいました。容姿だけでなくお声も優しく美しいので、音声ガイドも心地よく聴くことができます。ぜひ、板垣さんのガイドを聴きながら、作品をご覧になってみてください。Information会期:〜10月2日(月)休館日:毎週火曜日会場:国立新美術館企画展示室2E時間:10:00〜18:00※毎週金・土曜日は20:00まで※入場は閉館の30分前まで観覧料:一般¥2,200大学生¥1,400高校生¥1,000
2023年07月30日東京駅周辺の便利なエリアには、ステキな美術館がいくつか集まっています。今回は、そのなかから夏のおでかけにおすすめしたい「ゾクゾクする」アートが見られる展覧会を2つご紹介!あやしい絵にゾクゾク!「甲斐荘楠音の全貌」東京ステーションギャラリー【女子的アートナビ】vol. 303まずは、東京駅直結の美術館、東京ステーションギャラリーで開催中の「甲斐荘楠音の全貌」。大正から昭和にかけて活躍した日本画家、甲斐荘楠音(かいのしょうただおと/1894-1978)の代表作が集まる過去最大規模の展覧会です。甲斐荘は、京都生まれ。御所近くの裕福な家庭で育ち、幼少のころから歌舞伎好きで劇場に通うような子どもでした。その後、京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)に進学。ルネサンス美術にも関心をもち、《モナリザ》の模写などもしていました。卒業後は、革新的な日本画を次々と発表し、注目を集めます。《幻覚(踊る女)》1920年頃、京都国立近代美術館彼が描く「あやしい」雰囲気の作品は、おもに大正時代に制作されました。女性の姿が独特な色彩やタッチで表現され、かなりのインパクト。ちょっと官能的でもあり、ゾクゾク鳥肌が立ちます。《春宵(花びら)》1921年頃、京都国立近代美術館ゾクゾクを通り越して、ギョッとする作品もあります。白粉をたっぷり塗った顔がやや不気味にも思える《春宵(花びら)》は、花魁を描いた作品。描きかけの部分もあるので、未完作といわれています。この花魁と似たような姿をした画家自身の写真も、参考資料として展示されています。太夫に扮する楠音、京都国立近代美術館芝居好きの甲斐荘は、ときどき女形として素人歌舞伎の舞台に出ることもありました。さらに、異性装で「女性」として振る舞うこともあり、彼が遊女や女形に扮した写真も多く残っています。《春》1929年、メトロポリタン美術館、ニューヨークPurchase, Brooke Russell Astor Bequest and Mary Livingston Griggs and Mary Griggs Burke Foundation Fund, 2019 / 2019.366また、本展には海外からの出品作もあります。展覧会のメインヴィジュアルにも使われている《春》は、アメリカのメトロポリタン美術館から来日。本作品は、甲斐荘が所属した絵画団体「新樹社」の第1回に出品された作品です。描かれている女性の顔は、以前の画風にあったあやしい雰囲気が薄まり、優しく微笑んでいます。本作は、新しい画風を切り拓いたといわれる作品で、2019年にメトロポリタン美術館所蔵となりました。映画衣裳の世界でも活躍!『旗本退屈男 謎の南蛮太鼓』衣裳、東映京都撮影所 ©東映(映画公開:1959年、監督:佐々木康、製作・配給元:東映株式会社、衣裳着用者:市川右太衛門)あやしい絵のイメージが強い画家ですが、本展では知られざる後半生についても紹介しています。甲斐荘は、風俗の考証家として、時代劇映画の衣裳制作にも携わっていました。会場では、「旗本退屈男」シリーズの豪華衣裳を多数展示。甲斐荘が映画『雨月物語』(溝口健二監督)のために考案した衣裳は、アカデミー賞衣裳デザイン賞にもノミネートされました。世界も認めたデザインセンスをもつ甲斐荘の着物は必見です。《虹のかけ橋(七妍)》1915-76年、京都国立近代美術館最終章では、画家が60年もかけて描き続けた大作《虹のかけ橋》を展示。21歳のときに構想した作品で、少しずつ手を入れたり、顔を描き直したりしながら、最後まで女性の美を追求していたようです。まさに、甲斐荘の「全貌」を見ることができる展覧会は、8月27日まで開催。クールな絵にゾクゾク!「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」アーティゾン美術館外観続いてご紹介するのは、東京駅から徒歩圏内にあるアーティゾン美術館で開催中の「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」。本展では、印象派から1960年代ごろまでのアート作品をとおして抽象絵画の歴史を紹介しています。展示されている作品は、ヨーロッパやアメリカ、アジアの作家など多岐にわたります。各作品は、ポンピドゥー・センターやフィリップス・コレクションなど、海外の美術館や個人コレクションから30点も来日。国内からも、国公立、私立美術館、個人コレクションもあわせて約70点が出品されています。さらに、アーティゾン美術館が新収蔵した作品95点を一挙に公開。あわせて約250点ものクールな抽象絵画を楽しめる大規模展覧会です。ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06年頃石橋財団アーティゾン美術館展示構成は、12のセクションに分かれています。最初のセクション「抽象芸術の源泉」では、マネ、ゴッホ、モネなどの印象派作品を展示。まず1作品目は、セザンヌの作品が紹介されています。セザンヌは印象派を代表する画家のひとりですが、やがて印象派の仲間から離れて独自の革新的な絵画を制作します。彼の作品は、その後キュビスムやフォービスム、抽象絵画へと影響を与えることになりました。抽象絵画の創始者は…フランティセック・クプカ《赤い背景のエチュード》1919年頃石橋財団アーティゾン美術館【新収蔵作品】セクション3「抽象絵画の覚醒」では、抽象絵画の世界を切り拓いた代表的な画家カンディンスキーやモンドリアン、ドローネーなど、巨匠たちの作品が多数登場。なかでも必見作は、展覧会のメインビジュアルにも使われているクプカの作品です。抽象絵画の創始者のひとりといわれるクプカは、当初、挿絵画家として生計を立てながら絵画のスタイルを模索。構図を単純化してしき、やがて作品は抽象絵画へと変化していきました。ほかにも、古賀春江や岡本太郎、ミロ、デュシャン、草間彌生、白髪一雄、瀧口修造など、巨匠たちの作品や、現在活躍している作家の絵画も展示されています。なお、各フロアへの入り口にもぜひ注目してみてください。ポロックやアルトゥングの作品が大きくデザインされ、展示への期待感がグッと高まります。抽象絵画を心ゆくまで楽しめる展覧会は、8月20日まで開催。Information展覧会名:甲斐荘楠音の全貌絵画、演劇、映画を越境する個性会期:~8月27日(日) ※会期中、展示替え有[前期7/1~7/30、後期8/1~8/27]休館日:月曜日[7/17,8/14,8/21は開館]、7/18(火)会場:東京ステーションギャラリー時間:10:00~18:00(金曜日~20:00) *入館は閉館30分前まで観覧料:一般¥1,400高校・大学生¥1,200中学生以下無料展覧会名:「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」会期:~ 8月20日(日)休館日:月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)は開館会場:アーティゾン美術館時間:10:00~18:00(8月11日を除く金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで観覧料:日時指定予約制ウェブ予約チケット ¥1,800 、窓口販売チケット¥ 2,000 、学生無料(要ウェブ予約)*予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットを購入可能*中学生以下の方はウェブ予約不要
2023年07月30日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はお洒落さん必見の、ネックレスやペンダントの身につけ方をピックアップ!長めペンダントを重ねづけ!こちらは大人気のイニシャルペンダントに、チャーム付きのペンダントの重ねづけ!比較的長いチェーンなのも印象的ですね。Tシャツにも似合いそうな重ねづけです。極太チェーンネックレス彼女のファッションにも目が行ってしまいますが、極太のネックレスの重ねづけもかなりインパクト大!雰囲気にぴったり合った重ねづけスタイル。リング以外の他のジュエリーはあえて身につけていないのは、あまりゴツゴツとしたジュエリーを重ねると、雰囲気が変わってしまうからかもしれません。とてもバランスの取れたジュエリーの選択だと思います。男性にも人気のパールネックレスヨーロッパでは、パールネックレスをしている男性もたまに見かけます。最近ジュエリーだって男女関係なくどんなデザインも身につけている感じがトレンディです。特にパールネックレスや揺れるタイプのピアスなど、本当によく見かけるようになりました。時代の変化でしょうか。とても素敵です!華奢ネックレスはヨーロッパでも人気胸元が大きくあいたロエベのニットワンピースに、華奢なネックレスを合わせているのは、ファッションウィークの常連エミリー。ちょっぴり物足りない感もありますが、あえて華奢なネックレスを選んだのは、ニットを強調したいからかも!?その日のファッションにあったジュエリーの選択って大切なんですね。個性的なパールネックレス全体的に上品でシックなスタイルにぴったり合ったパールネックレスは、デザインが一般的なものとは異なるロザリオタイプのようなネックレス。黒のワンピースにぴったり!色の組み合わせも素敵です。今回は海外のインフルエンサー達が愛用するネックレスの身につけ方をご紹介しました。次回は他のジュエリーも見てみたいと思います。写真・文 平野秀美
2023年07月29日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第149回は、ふとしたことで男性を意識させてしまう女性の特徴をご紹介します。1.体調を気遣ってくれる【結婚引き寄せ隊】vol. 149たとえば、たまたま友人たちと食事する場で会う知り合い程度の異性や、好みのタイプではなくてノーマークだった同僚など、まったく意識していない存在に、ふとしたことで「ドキッ」とさせられてしまことがあります。どんなときに男性は“恋愛スイッチ”が入るのか、ご紹介しましょう。Aくんは、運動神経バツグンのスポーツマンで、時間があるときは仕事帰りのジム通いを欠かさないような男性。もともとあまり恋愛に興味がないらしく、デートをしている時間があったら筋トレしたい、というぐらいにそれほど女性にも興味がなさそうでした。そんなAくんは健康体に見えていたのですが、だんだんと仕事が忙しくなってきて、心身ともに疲れがたまっていきました。あるとき、仕事中にふらふらしてデスクでグッタリしていたら、たまたま通りかかった他部署の同僚の女性がAくんに気づいて、「どうしたの? 元気ないね」と声をかけてきたのだとか。同僚でよく知った仲の女性のうえ、それまでも何度も職場の飲み会などで一緒になる機会があっても、なんとも思わなかった相手だったのに、声をかけてくれたときにドキッとしたAくん。さらに、いつも元気なのに珍しく体調が悪そうだからと、栄養ドリンクを差し入れてくれたそうで、その日を境に“ただの同僚”から“気になる同僚”に一気に変化。弱っているときに、体調を気遣ってくれる相手に、ときめいてしまうこともあるようです。2.帰り際にそっとボディタッチインドア派のBくんは、プラモデル作りやDIYが趣味で、話を聞いていても興味深く、人生を楽しんでいる感じが伝わってくるような男性。趣味の友達も多いらしく、誰かの家に集まっては、何人かで何かを作っているのが楽しいようでした。そんなBくんですが、趣味にしか興味がないというわけではなく、たまに「彼女が欲しいなあ」ともらしていることもあり、男友達に飲み会に誘ってもらうこともしばしばあったようです。あるとき誘われた飲み会にシングルの女性が何人か参加していたそうで、フレンドリーな場ということもあって、すぐ仲良くなりました。でも、なんとなく彼女が欲しいと思っていても、恋愛にガツガツしているタイプではないBくんは、たとえ女性から気に入られても相手のアピールに気づきません。恋愛の機微にうといところがあるため、BくんさえOKであればうまくまとまりそうなのに……という出会いもいくつかあったようです。そんななか、久しぶりに参加した飲み会がお開きの時間になり、そそくさと支度をし始めたBくんに帰り際、「また絶対Bくんに会いたいな」と、同席していた女性がそっと腕をつかんだそうです。すると、不意打ちだったことと、そっとボディタッチされたこと、そして明確ながら帰り際のひとことが効いたのか、突然異性として相手を意識したBくん。その後ふたりはうまくいったようで、きっと最初からベタベタとあからさまなボディタッチをせず、帰り際のさりげないアピールが功を奏したのでしょう。3.落ち込んだときになぐさめてくれた30代前半のCくんは押しに弱いタイプで、だいたいの恋愛では相手から告白されて、断る理由もないから…ということでなんとなく付き合っては、手応えがないからかフラれるという繰り返しだったそうです。Cくんは1年ほど同棲していた彼女がいましたが、好きな人ができたとフラれて、彼女は荷物をまとめて出ていきました。ふたりで暮らしていた部屋はひとりだとよけいに広く感じるらしく、日に日に暗い表情になっていくCくんを見かねて、友人たちは「恋を癒すのは新しい恋だ」と、気弱なCくんを包みこんでくれるような女性を紹介。別れてからそれほど日が経っていないから、新しい恋なんてできないと思っていたCくんでしたが、その女性を含めて友人たちと何度か食事や飲みに行っていると、ふと「いつも落ち込んでいるボクをなぐさめてくれている」と、相手の優しさに気づいたのだそう。それからはとんとん拍子にうまくいったふたりなのでした。自分の性格に合う相手と出会い、弱っているときに変わらず優しさを示してくれる相手なら、心を開いてみようと思うものですよね。それに、自分がどん底にいるとまわりの優しさに気づきづらいこともありますが、ふと人の善意がわかるぐらい少し余裕ができると、恋をする余裕も生まれるのかもしれません。いつ恋愛スイッチが入るのかわからないからこそ、気になる相手の状況に合わせた言動を心がけると、ご縁がつながりやすいのかも。みなさんの恋も、うまくいきますように!文・かわむらあみり©Prostock-Studio/Getty Images©PeopleImages/Getty Images©zoranm/Getty Images文・かわむらあみり
2023年07月25日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日は海外インフルエンザーが選ぶ夏シューズをご紹介します。やっぱりビーチサンダル!海外ではビーチサンダルをドレスやかっちりした服に合わせている人をたまに見かけます。こちらもベルベットでしっくりとした雰囲気のドレスにビーチサンダルと、一見似合わないように感じますが、足元がすっきりしていい感じ!紐付きサンダル本当によく見かけるのが、この紐のついたサンダル!紐の巻き方は自由自在、足首に巻いてもよし、ズボンの外から巻いてもよし。特にズボンの外から紐を巻く方法は、最近人気です。種類も増えてきているので、今後さらに人気が高くなること必須!厚底サンダルは夏の必需品夏らしいサンダルに、さらに脚長効果抜群の厚底タイプが人気!特にビーチなどでも砂がかかりにくかったり、クッション性が高いものも多いので、脚長効果以外でもベネフィット多数!夏でも欠かせないドクターマーチン!やっぱり海外では1年中人気のあるドクターマーチン!特にアンクルブーツがやはり人気ですよね。日本の夏はヨーロッパよりジメジメしているので、ブーツは避けた方が無難かもしれませんが、写真のように紐を大きく開けておくと通気性がよく、ルーズ感があってかっこいいですね。ヒールありのアンクルブーツレザー、またはビーガンレザーでできたアンクルブーツは、ドクターマーチンのようにヨーロッパでは1年中人気。ズボンとの相性がよく、特にデニムにはぴったり!キレイめに着こなしたい時は、いつだってアンクルブーツは正しい選択です。革ペタンコサンダル夏の時期にだけ愛用できるのが、このタイプのサンダル。マキシワンピースにだってズボンにだって合わせやすく、トレンド関係なしに長く愛用できるのも嬉しいですよね。また素材的にも長く愛用すればするほど味が出て、毎年履くのが楽しみになるんですよね。高めのピンヒールサンダル石畳が多いヨーロッパでは、比較的見ることは少ないのですが、やっぱりピンヒールのサンダルは凛とした雰囲気に見せてくれてかっこいい!1つあればパーティや特別な日に使用できていいかもしれません。今回は夏の足元ファッションスナップをご紹介しました。ヨーロッパと日本の気温や湿度事情もありますが、真似できる点が多いので、新しいシューズが欲しい方にはぜひ参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年07月23日渋谷区立松濤美術館で、「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」が開かれています。本展では、平安時代から現代までの日本のさまざまな人形を紹介。なじみのあるお雛さまやマネキン、リアルな生人形、さらに性を扱う人形など多彩な造形物が展示されています。会場の様子や学芸員さんのお話など、詳しくレポートします!ボーダーラインを飛び越えた人形が集結!「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」会場入り口【女子的アートナビ】vol. 304「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」では、民俗や考古、玩具、芸術など各ジャンルのボーダーラインを飛び越えた日本のさまざまな人形を展示。多様性をもつ人形をとおして、日本の立体造形表現の変遷を知ることができる展覧会です。本展を担当された松濤美術館学芸員の野城今日子さんは、本展の趣旨について次のように解説。野城さん人形にはさまざまな分野があり、表現方法も役割もすべて違います。ふだん、美術や芸術という枠組みで私たちは考えていますが、美術館に人形を並べてみると、「何が芸術なのか」と概念が揺さぶられるのではないでしょうか。人形の造形表現をとおして、カテゴライズできないところにも日本のモノづくり精神が宿るということをお伝えできればと思います。衝撃的な呪詛人形からスタート!《人形代[男・女]》平安京跡出土平安時代前期京都市指定文化財京都市蔵本展は10章構成。いくつか見どころをピックアップして、ご紹介していきます。第1会場(2階展示室)にある第1章では、考古や民俗資料としての人形を中心に展示。平安時代につくられた《人形代(ひとかたしろ)[男・女]》は、京都で出土したもので、人を呪い殺すためにつくられた人形です。本展のポスターにも使われています。野城さん人形代は、薄い木に顔を描いたシンプルなものが京都などでたくさんつくられ、儀式などで使われていました。約10年前に平安京跡の井戸から出土した人形代は、立体的で肉感もあり、精巧につくられ体に名前も書かれています。リアルにつくることにより、より強く呪いをかけられると当時の人は思っていたようです。大きなお雛さま!末吉石舟《古今雛》文政10(1827)年東京国立博物館蔵続く第2章では、おなじみの雛人形や五月人形を展示。雛人形は、貴族や公家社会の行事で、子どもの健康を願うため、また社会の規範を子どもに教えるためにも使われました。野城さんお雛さまは、小さなものや、子どもの健康を願うものなど、いろいろな種類があります。例えば、「古式立雛」は、今のドールハウスのように、子どもたちがお雛さまで遊んでいたルーツもあるようです。「古今雛」のような大きなお雛さまなどのバリエーションもあり、サイズや表現を変化させながら人々の生活に根づいていきました。彫刻と人形の違いは…小島与一 《三人舞妓》 1924年アトリエ一隻眼蔵前章は江戸時代までの人形でしたが、第3章からは明治に入り、西洋化を推し進める日本でつくられた人形が展示されています。野城さん江戸時代まで、彫刻的なものであった人形は、近代に西洋から彫刻の概念が入ると変化が生じていきます。例えば、展示されている博多人形はどこから見ても破綻のない形で、彩色も美しく、彫刻といっても人形といってもいい存在です。彫刻と人形の差はどう区別するのか、と感じていただきたいです。ギョッとする生人形「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」展示風景第2会場(地下1階展示室)に入ると、生人形(いきにんぎょう)が登場。生人形とは、幕末から明治にかけて流行したリアルな人形で、ギョッとするほど精巧につくられています。野城さん生人形は、見世物として架空の物語や歴史の物語のひとつの場面を表したりしているエンタメのひとつでした。お祭りなどのためにつくられた生人形もあれば、地域伝承に使われるものもあります。例えば、《生人形松江の処刑》は、松山市三津浜地区に伝わるものです。松江さんという女性が地域の乱暴な男に襲われそうになり、男性を殺めてしまいます。それで自分も処刑してほしいと父親に頼み、首を切られる場面を生人形で表しています。松江さんのお墓の横にこの人形を置き、供養のためにみなで踊ったりしていました。マネキンや現代アートも!「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」展示風景第8章では、商業で活躍した「人形」としてマネキンを紹介。さらに、最後の10章では、現代美術家、村上隆さんのアート作品とフィギュアが展示されています。野城さん初期の洋装マネキンは、実は彫刻家がつくっていました。向井良吉は彫刻家で、七彩というマネキンをつくる会社の創業者でもあります。会場では、彼のつくったマネキンと彫刻を並べて展示しています。また、最後の章では、村上隆さんのアート作品とフィギュアを展示。人形に対する思いは、いろいろな分野に分散しながら日本の根底に流れていき、今は現代アートとして世界に発信されています。大人の展示コーナー「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」展示風景第9章は、1階の特別エリアに作品が展示され、大人だけが入場できます。この展示室では、多くの人の心身に寄り添ってきたラブドールなど、性愛を対象にした人形が紹介されています。(18歳未満の方は、ご覧になれません)野城さんラブドールは、性行為をする相手としてつくられた人形で、生きているような血色、肉感がわかり、どこかリアルな感じがあります。生人形から流れている「人をつくりたい」という気持ちが現代にも受け継がれています。役割も表現の仕方も分野もすべて違いますが、人形は私たちと近い距離にあります。美術や芸術という枠組みでカテゴライズできないところにも造形精神が宿る、というのをこの展覧会で感じていただければうれしいです。展覧会は8月27日まで!本展は、前期と後期にわかれ、一部展示替えがあります。また、担当学芸員さんによるトークイベントなども予定されています。ぜひ、多様な人形の世界を楽しんでみてください。Information会期:~8月27日(日) ※前期:7月1日(土)~7月30日(日)後期:8月1日(火)~8月27日(日)※会期中、一部展示替えがあります休館日:月曜日[7/17は開館]、7/18(火)会場:渋谷区立松濤美術館時間:10:00~18:00(金曜日~20:00) *入館は閉館30分前まで観覧料:一般¥1,000大学生¥800高校生・60歳以上¥500※土・日曜日、祝休日及び夏休み期間は小中学生無料※毎週金曜日は渋谷区民無料
2023年07月23日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は大人可愛いワンピースの着こなしスタイルをご紹介します。ゆったりとした柔らかさこちらの淡いピンクのマキシワンピースは、色も含め全体的にふんわりと柔らかな印象。さらにゆったりとしたデザインは着やすさも抜群なので、暑い夏はかなり重宝しそう!プリーツスカートになってる!襟がついたこちらのワンピースは、スカート部分がプリーツになっていて、よりキレイで上品な印象に仕上がってます。よく見ると、なんとも個性的な柄ですが、そんな柄をも合わせたサングラスやバッグとバッチリ似合ってます。お洒落に着こなしている上級者向けワンピース。レースと透け感がドキドキしちゃう可愛いを代表するようなワンピースはこちら!全体レースという意外と難しいワンピースをカジュアルにキレイに着こなしているのは、ビーチサンダルに合わせているからかも!?こんな上品なドレスをビーチサンダルに合わせてしまうあたり、海外らしいですよね!こちらのワンピースはレースのみならず、さらに透け感があるタイプなので、程よい肌見せが大人っぽさを強調してくれているようです。夏の定番シャツワンピース!シャツを上手に大胆な短さのワンピースに仕立てているこちらのスタイル。足元はサンダルだと露出度が高すぎるので、こういう時はブーツなどを合わせることが多いのが海外流。チェーンベルトを使ってシャツのシルエットにメリハリをつけている点もポイント。ワンピース+ベストですっきり!着こなしの勉強になるのがこちら!ブラックのふんわりとしたワンピースに、ちょっと柄のあるニットベストを重ねて、腰あたりをすっきりとさせているメリハリが効いた上級者の着こなし術です。日本の夏は暑すぎるので、そこまで暑くない日に真似してみたいですね!大胆に胸元が開いたワンピース鎖骨がキレイに見える、ビーチやデートに最適なタイプのワンピース。すっきりとした印象なので、暑い夏にぴったり!真夏に欠かせないハットやスニーカーでカジュアルにボーイッシュに決めると、甘すぎずお洒落に見えます。一風変わった柄で差をつけるこちらの超ロングワンピースは、絶対に柄が被ることのなさそうな個性に溢れた柄。最近は肩の部分や袖部分にこだわったワンピースが多いですが、こちらも丸い感じのデザイン。柔かで落ち着いた印象です。いかがでしたでしょうか?ワンピースは種類も形も多いので、どんなデザインが人気か、自分に合っているかなかなか探すのも難しいですが、最近のトレンドとして上記のようなワンピースがファッショニスタに人気のようです。参考になれば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年07月22日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はすぐ垢抜ける方法が知りたいという方におすすめの、インフルエンサーのお洒落な着こなし方法をピックアップしてみました。色使いと大胆さが特徴全体的に印象的なスタイル!何よりも超ミニスカートが蛍光ピンクだなんて、一瞬で眼を奪われてしまう。ピンクに合わせた大きめのシャツトップスは、ミニスカートとは反対に大きめで長めなのも今時っぽい。さらに、脚長効果も抜群な紐付きピンサンダルなんて、大胆すぎる!思い切ったファッションが、自分スタイルの確立に不可欠なのかも知れません。スポーティにお洒落にこちらはパーカータイプのトップスにショートパンツ。しかしスポーティタイプは合わせる小物次第で、カッコよくも部屋着っぽくもなるので気をつける必要あり。こちらはスポーティな服装でありながら、しっかりメイクとジュエリーで高級感も出しています。ワンピースとシャツの合わせ方が最高!さすが世界的インフルエンサーのエミリー。超ショートワンピースに合わせたのは、トレンディなふんわりしたトップス。さらに合わせたシューズはサンダルなどフェミニンで上品な物ではなく、厚底ブーツでかっこよく。この甘辛スタイルを上手にバランス取れるセンスが素晴らしい!ビキニトップの使い方ビキニトップは、中に来ても外で重ね着してもいいんだ!という参考スタイルの1つ。トップスだけが浮かないように、サングラスと色を統一している点がポイント。全体のバランスを保っています。緩めワンピースの着こなし方大好きなワンピースでも、大きすぎたり胸元が大胆すぎるデザインってありますよね。私はそういう場合、なかなか上手に着こなせなかったのですが、このように中にトップスを着るだけで問題解決!色は淡いグレーをチョイスしている点も見習いたいポイント。個性的なカラーのピックアップ海外の人の色選びは本当に勉強になるんですが、この2つの色はどちらもなかなか見かけない色ですよね。その2つをあえて一緒に着こなすなんてすごい!しかもお洒落に見える。洋服がかなりインパクトの強いカラーなので、あえて小物にはあまり差し色を使わないのがポイント。シャツと同じ色のバッグはレッドのパンツに映えて素敵!いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した6選は、本当に参考になると思ったスナップなので、自分の新スタイルとしてトレンドを楽しんでみてはいかがでしょうか。今後もインフルエンサーのお洒落な着こなし方法をピックアップしていきます。お楽しみに!写真、文・平野秀美
2023年07月16日今年もジリジリと焼けるような暑さを感じる季節になりましたね。うっかり油断すると熱中症にもなりかねないこの時期は帽子が必須!今回は、オシャレさと熱中症対策どちらも兼ね備えたおすすめのハットアイテムと帽子に合わせたヘアアレンジのポイントをご紹介します。キャペリンハット×S字カールアレンジ近年のファッショントレンドはツイード素材やボウタイブラウスなどトラッド&クラシカルテイスト傾向にあります。その傾向は帽子トレンドにも影響しており、今年は定番のバケットハット以外にキャペリンやベルハットなどクラシカルで女性らしいデザインが新たに登場しています。とくにポイントとなるのが両サイドに太めのリボンがついたデザインです。アゴの下で結んで可愛く着けても良いですが、そのままリボンを結ばずに垂らした被り方もオシャレ。ヘアアレンジは、キャペリンの可愛いらしい印象に合わせて韓国風のS字カール巻きでコンサバに仕上げてみては?ベースボールキャップ×たまねぎヘアバケットハットと同じくらい長く定番化しているベースボールキャップ。2023年は昨年から続くY2Kブームの影響もあって再度ベースボールキャップへの注目度が上がってきている様子です。ストリートカジュアルの代表であるベースボールキャップに、あえてかっちりした襟シャツやシルエットの美しいカットソーを合わせてキレイめカジュアルにスタイリングするのが大人に似合う着こなし。ヘアアレンジはラフなポニーテールもOKですが、もう少しひと手間加えて玉ねぎヘアにするとオシャレさがアップします。キャップを被ったときのヘアアレンジの鉄則は両サイドの後れ毛を残すこと。前髪とサイドの毛束を全て帽子のなかに入れ込んでしまうと顔まわりが大きく目立ってしまうので気をつけましょう。夏の帽子は通気性の良い素材を選んで熱中症対策に帽子を被ることは効果的ですが、いっぽうで通気性の低い帽子を長時間被り続けていると頭部に熱がこもってしまい逆に暑さを感じやすくなるので、素材選びはとくに意識をして選んでください。ラフィアなどのストローハットは通気性に優れていておすすめです。ベースボールキャップは通気性効果の高い製品を意識して良いアイテムを選んでくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年07月15日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はこれから持っておくと便利な人気バッグをご紹介いたします。今も大人気!超ミニバッグシリーズこちらの超ミニショルダーバッグ。本当に必要最低限のものしか入らない、またはカードやリップケースくらいしか入らない小さなバッグは、ファッションの邪魔にもならないし、アクセントとして意外と使えるんです。最近はこの超ミニバッグは人気ですよね。今後も人気は継続していきそう。かなり重宝するボディバッグ/ウエストポーチ私も複数持っていますが、本当に手ぶらで過ごせるので重宝するのが、このタイプのバッグ。一見昔のバッグという印象があるかも知れませんが、最近はまたトレンド入り。腰にかけてもよし、肩に斜め掛けしてもよし。好きなように使って楽しめます!バケット風ハンドバッグ偶然同じホワイトカラーですが、このバケットタイプは、開閉がしっかりしているものが多いのが特徴。中の荷物が落ちる心配もなく安全に保たれるだけでなく、開閉が容易に行えるため、利便性が高いんです。また、小さめタイプなら、お洒落感もアップしてファッションアイテムとしてもおすすめ!キラキラのパーティバッグ一見派手でパーティバッグのようですが、実はこういうバッグでも普段で使っちゃうのがインフルエンサー!もちろんどんなスタイルに合わせてもいいとは言えませんが、キラキラ派手目のバッグは、ブラックなどトーンダウンした色と合わせると、より目立って素敵!クラッチも今や普段使いに!クラッチバッグは、どこかパーティやお洒落したい時に使うという印象が強かったのですが、今では普段愛用する方も増えています。ただ、常に手に持っている必要があるので、お買い物時などにはおすすめできないかも…ちょっとしたお食事やデートにはぴったり!編み編みバッグは今も大人気荷物が多い女性には、やっぱりたっぷり入る、こちらのタイプがおすすめ。日本では本革が人気ですが、最近ヨーロッパでは本革に見えるビーガンレザーを使用しているケースが多いのが特徴。編み編みタイプは素敵なデザインが多いので、1つ持っていたら重宝します!今回は最近も人気のバッグをいくつかピックアップしてみました。今後新しいバッグが欲しい方は、ぜひ参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年07月15日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第148回は、恋を探しているときに出会った相手との第一印象についてお届けします。1.写真よりも直感を優先【結婚引き寄せ隊】vol. 148恋活や婚活など出会いを探しているときでは、初対面の相手とおたがいのことを手探りでうかがうような場面が出てくるものですよね。そういった場所で受けた相手の第一印象が、その後の展開にもやっぱり影響してしまうというエピソードをご紹介します。出会いの場でよく言われるのは、とくに婚活は写真が大事ということ。いまは恋活でもアプリなどで出会い探しをする方にとっては、まずは相手がどんな人なのか、掲載されている写真をチェックすること、ありますよね。必ずしも本人の写真が出ているとは限らないものの、どんな写真なのかでだいたいの人柄を予測することはできるのではないでしょうか。ある婚活サイトに登録していたAさんは、自分好みの男性がいないか探していたところ、ある程度条件に合った男性を何人かキープ。婚活では、正式にお付き合いをすることになるまでは、並行して何人かとやりとりすることは普通なので、それぞれの男性と最初はメールで連絡を取り合うことにしたそうです。キープしている男性の中には、しっかりと写真館で撮影したようなものから、テキトーに自宅で自撮りした写真、風景を載せている人といろいろ。Aさんは、やっぱり写真の出し方にも性格が出るのかな?と写真を見ると、気合が入っていそうな男性よりも、なぜか風景写真を乗せている人が気になったのだとか。婚活サイトできちんと顔出ししていないのは、遊び人かとあやしまれてしまうこともあるのですが、Aさんは写真以外の面でその男性が理想の条件だったため、ひとまずやりとりをやめませんでした。実際に会う前になって、「顔写真を見せてもらえますか」と男性に依頼したら、ちゃんと出してくれて、Aさん好みのさわやかなタイプでその後はとんとん拍子に進展。彼は出会いがないから婚活サイトに登録したものの、知り合いも同じ婚活サイトを使っているから、恥ずかしいのでバレないように顔写真は出さなかったということでした。安心したAさんでしたが、もしも最初から風景写真だからと落としていたら、その後の展開がなかったため、最初に気になった気持ちを信じてよかったなあと思ったそうです。2.気合が入りすぎてもよくない恋愛経験の少ないBさんは、親しみやすいキャラクターの女性。男女問わず、誰とでもフレンドリーに接することができるタイプなので、実は彼がいないということが意外なほどでした。あるとき、シングルの女性何人かで合コンに参加しようという話になり、もしもいい出会いがあればと、いいタイミングで誘われたことに喜んで、Bさんも参加することになりました。友達同士なら、その場に男性がいても緊張する様子が見えないBさんなのに、いざ合コンとなり、「いい男性いるかなあ」という会話になると、だんだんとガチガチに肩に力が入るようになっていきました。はたから見ていてもいつもと違うBさんは、合コンが始まってからも、いつもと違って口数も少なく、笑顔もぎこちない…。結果、ほかの参加者には気の合う男性を見つけた女性もいましたが、Bさんはあまりその場には馴染めなかったようで、とりあえずみんなで、と交換した連絡先がわずかにあるぐらい。参加していた男性のなかには、好きなタイプもいたようなのですが、異性を意識しすぎて気合が入りすぎてしまったそうです。Bさんが意識していた男性に、あとから参加女性たちの印象を聞いたところ、Bさんのことは「控えめな女性だな」と感じたのだとか。見た目自体は男性のタイプで仲良くなりたいなと思ったけれど、Bさんに話しかけてもそっけなかったことから、勝手に脈無しと判断されて別の女性と仲良くなってしまったことが判明。つかめそうだったご縁を逃してしまったBさんですが、気合が入りすぎてもよくないなと実感したのでした。3.いつもと違うギャップがある「とにかくひとりになるのはイヤ」だという、寂しがり屋のCさんは、多忙を理由に彼にフラれたばかりでした。忙しいから恋愛できない、という元カレの話に納得できず、半ば強制的に別れてシングルになったCさんに、まわりの女友達たちが寄り添っていました。いつもはハツラツとしているCさんなのに、フラれたダメージで毎日メソメソしていたところ、友人のひとりは「痛手を癒すのは新しい恋しかない!」と、さっそく知り合いを紹介しようと何人かシングルの男性の候補を考えていたそうです。とはいえ、そんなにすぐ立ち直ることができなかったCさんは、すでに別れてから月日が経っていても、飲みの席でふと元カレを思い出して涙ぐむことがあったようで…。たまたま会社の飲み会で、Cさんのそんな姿を見てしまった同僚の男性は、いつもの元気な姿とは違うギャップに心をつかまれ、その後Cさんにアプローチ。同じ職場ということもあって、ふたりの距離は縮まっていきました。あとからわかったことですが、男性はもともと快活なCさんに第一印象から好感を持っていたそうで、そこにいつもと違う様子を見てギャップ萌え。一気に関係を進展させたいと気持ちを後押ししたようです。出会いを探していると、いろんな可能性から恋が進んでいくことがありますよね。みなさんも素敵な恋を謳歌してくださいね。文・かわむらあみり©Jose carlos Cerdeno/Getty Images©South_agency/Getty Images©Paperkites/Getty Images
2023年07月14日長年にわたって、世界中の人たちから愛され続けている児童書『アルプスの少女ハイジ』。日本ではテレビアニメ版が絶大な支持を誇っていますが、今回ご紹介するのは、本国スイスで誕生したB級エログロバイオレンスバージョンにアレンジされた18禁の実写版です。『マッド・ハイジ』【映画、ときどき私】 vol. 592チーズ製造会社のワンマン社長で、スイスの大統領でもある強欲なマイリ。自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定し、スイス全土を掌握すると、恐怖の独裁者として君臨する。それから20年が経ち、アルプスに暮らすハイジは年頃の女性になっていた。ところが、恋人のペーターが禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいていたことが発覚し、ハイジの眼前で処刑。さらに、唯一の身寄りであるおじいさんもマイリの手下によって爆死してしまう。愛するペーターと家族を失ったハイジは、血塗られた戦士へと変貌を遂げ、復讐の鬼と化すのだった。はたして、ハイジは邪悪な独裁者を血祭りにあげ、母国を解放することができるのか…。世界19か国538人の映画ファンによるクラウドファンディングで、約2億9000万円もの資金を集めたことでも話題となった本作。今回は、制作の裏側についてこちらの方々にお話をうかがってきました。ヨハネス・ハートマン監督 & サンドロ・クロプシュタイン監督ともにスイスのベルンに在住し、幼馴染でもあるヨハネス監督(写真・左)とサンドロ監督(右)。2007年以来、一緒にショート映画やミュージック・ビデオを手掛けてきた2人ですが、本作が初の長編映画となります。そこで、完成までに起きたさまざまなトラブルや日本から受けている影響、仕事をしてみたい日本人俳優などについて語っていただきました。―日本では『アルプスの少女ハイジ』に対してピュアなイメージを持っている方が多いので、本作で描かれているようなバイオレンスやエログロとはまさに対極の題材だと思いますが、それらを結び付けようとしたのはなぜですか?ヨハネス監督僕たちもハイジに対する印象は、日本のみなさんとまったく同じです。だからこそ、無垢なハイジとキレイなスイスのイメージをあえて真逆なものにしたらおもしろいし、バカげているのではないかなと。そして、みなさんが予想もできないものを作りたいと考えました。あとは、ハイジも成長したってことですよね(笑)。―とはいえ、それらのイメージをここまで覆すような作品を出すことに対して、周りからの反響が心配になることはなかったのでしょうか。サンドロ監督そこに対しての懸念はありませんでした。もちろん、いろいろな感想があり、ネガティブな反応があったのも事実です。でも、それも考えようによっては宣伝効果になりますからね!ただ、そのなかでも厳しかったのは、映画に反対した人たちが伝統的な衣装を売るお店に対して僕たちに衣装を一切売らないようにとメールを送ったこと。なぜなら、彼らにとって伝統衣装をアレンジするということは、ある意味伝統を冒涜していることになるからです。そういった批判はありました。それから、ティザー映像のなかでアーミーナイフを使って人の目をえぐる場面が映っていたのを見たスイスのアーミーナイフで有名な某会社が、僕たちのことを訴えようとしたことも…。そういったこともあったので、アーミーナイフではなく、日本の刀に変更しました。人によって、まったく異なる見方がある作品―映画作り以外のところでも、大変なことがそんなにいろいろとあったとは…。サンドロ監督あと、共同脚本を担当してくれたグレゴリー・ヴィトマーの話もまだありますよ。彼は普段チューリッヒの空港で税関の警官として働いていて、副業として空き時間を使って脚本を手伝ってくれましたが、この作品を観た彼の上司から「警察の仕事にふさわしくない」という理由で突然解雇されてしまったのです。でも、これにもめげることなく、裁判を起こして最高裁判所で勝訴しました。そのほかにも僕たちの作品に対して、「人種差別だ!」「女性蔑視だ!」とか「暴力を美化している」といった声が上がったこともありましたね。ただ、いっぽうで「これはフェミニストの映画だ」というふうに称賛してくれた方もいたので、別の人が観れば、まったく異なる見方がある作品と言えるのかもしれません。―完成までは、まさに波乱の道のりですね。ちなみに、おふたりは高畑勲監督と宮崎駿監督による 1974 年の テレビアニメ版はご覧になっていましたか?サンドロ監督はい、子どもの頃に観ていました。もう30年近く前ですが、とてもいい思い出です。ヨハネス監督おそらくほとんどのスイス人が、ほかの作品よりも先にまずこのアニメを観て育っている気がします。ただ、ドイツ語で吹き替えられていたので、ドイツのアニメだと思っている人も多いんじゃないかなと…。実際、僕もこの作品が日本のアニメだと知ったのは、かなりあとになってからでしたからね。日本のアニメからインスピレーションを受けている―スイスでもそれほど親しまれている作品なんですね。そういったこともあって、本作には日本の要素も随所に取り込まれていたのでしょうか。ヨハネス監督そうですね。たとえば、今回だとキャラクターの名前を日本風に発音してみたり、クララを日本人という設定にしてみたりしました。ほかにも、日本のアニメからインスピレーションを受けている部分もあるので、気がつく方にはわかるようなネタも入れています。サンドロ監督本作の衣装に関しても、スイスの伝統衣装に侍の鎧を組み合わせているので、そのあたりもインスパイアされていますよ。―いま名前が挙がったクララに関しては、日系の俳優であるアルマル・G・佐藤さんを起用し、さらに劇中で役名を日本語で表記しているほどなので、特に日本への強いこだわりを感じさせるキャラクターとなっています。サンドロ監督最初からそうしたいと思っていたわけではなく、みんなでセッションを重ねていくなかで、この作品自体が日本の影響を直に受けているのでクララを日本人にしてみようとなりました。ヨハネス監督それに、僕たち自身も映画に関する思考においては、日本から大きな影響を受けていますから。いまになってみると、アニメのなかにも日本人のキャラクターがいてもよかったんじゃないかと思っているくらいです(笑)。ありがちなスイスのイメージを壊したかった―そのあたりはぜひ日本の観客には楽しんでいただきたいところですね。それ以外にも、注目してほしいポイントなどがあれば、教えてください。ヨハネス監督脚本を書くにあたってはかなり話し合いをして、いろんなアイディアが出ましたが、そのなかでありがちなスイスのイメージを壊したいというのもありました。たとえば、「人を殺せる食べ物は何か?」というのに対して「スイスで有名な三角の山が付いているトブラローネチョコレートにしよう」とか「大量のチーズフォンデュにしよう」とか(笑)。あとは、ダイナマイトの仕掛けに鳩時計を使っているのもその一つ。ただ、これに関して付け加えると、本当はドイツの発明品なのに、多くの人が鳩時計はスイスのものだと思い込んでいるので、そういった部分も入れたらおもしろいかなと思って入れました。―先ほど、日本から影響を受けているということでしたが、具体的な作品や好きなアーティストを挙げるとすれば?サンドロ監督僕は、『修羅雪姫』『女囚さそりシリーズ』『殺し屋1』といった作品が好きです。ヨハネス監督作品で言えばまず『バトル・ロワイアル』ですが、三池崇史監督や黒澤明監督の手掛けた一連の作品からも僕たちは多大なる影響を受けています。―ちなみに、一緒にお仕事してみたい方はいらっしゃいますか?サンドロ監督それは、梶芽衣子さんです!ヨハネス監督僕も同感ですね。次回は、ハイジとクララをもっと展開させたい―おもしろい組み合わせなので、ぜひ見てみたいです。本作については、続編の期待もたかまりますが、すでに進行しているのでしょうか。ヨハネス監督これに関しては、もう少し時間が必要かなと思っています。というのも、今回は個人投資家の方々がサポートしてくれた作品ということもあり、日本とアメリカの成績次第かなと。そこでお金が回収できれば、次に取り掛かれるかもしれませんが、まだ現時点では何とも言えないところですね。―なるほど。とはいえ、ストーリーはすでに浮かんでいらっしゃるのでは?サンドロ監督まだ固まっているわけではないですが、ハイジの冒険は出発点に差し掛かったばかりということもあり、その先が描けたらいいかなと。特に、クララ役のアルマルがすごくよくて、また一緒に仕事したいと考えているので、次回はより彼女にスポットライトを当てて、ハイジとクララの話が展開できたらおもしろいかなと思っています。―ぜひ楽しみにしています。それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。ヨハネス監督ハイジのアニメで育った日本の方々が、この作品をどのように観るのかがとても楽しみですね。もし気に入っていただけたら、友達やたくさんの人に広めてもらえるとうれしいです。サンドロ監督まもなく日本で開催されるプレミアにも参加しますので、日本でみなさんと会えることを楽しみにしています。スイス映画の概念をぶっ壊す!想像の斜め上をさらに超えてくるような展開の連続に、誰もが衝撃を受けずにはいられない本作。美しいスイスの景色を舞台に、オトナな一面を見せるハイジにドキドキしつつ、見事な暴れっぷりにはアドレナリン全開になること間違いなし!取材、文・志村昌美驚愕の予告編はこちら!作品情報『マッド・ハイジ』7月14日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー配給:ハーク/S・D・P️(C)SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM
2023年07月13日この夏も注目の映画が並ぶなか、異色作として話題を呼ぶ1本といえば、広告やCDジャケット、CMなどさまざまなジャンルで活躍するアートディレクター・千原徹也さんの映画監督デビュー作『アイスクリームフィーバー』。川上未映子さんの短編『アイスクリーム熱』を原案に、いまを生きる女性たちの姿を描いています。そこで、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。吉岡里帆さん【映画、ときどき私】 vol. 591クリエイターとしての夢を諦めるか悩みながら、アイスクリーム屋でアルバイトをしている主人公の常田菜摘を演じている吉岡さん。自身のカレンダーを手掛けてもらうなど、千原監督とは長年にわたって一緒に仕事をしてきた間柄でもあります。今回は、ほかとは違う現場の様子や本作の魅力、30歳を迎えた心境などについて語っていただきました。―はじめに千原監督から映画化のお話があったときは、どのように思われましたか?吉岡さん千原さんはいつもファッションや広告のお仕事をされている方なので、映画自体もいままでの映画とはひと味違うかわいさやビジュアルが楽しめる映画になるだろうなという期待値がすごく高かったです。しかも、川上未映子さんが描く女性像はとても魅力的なので、それも合わさってぜひお受けしたいと思いました。―ご自身が演じられた役に対しては、共感するようなところもあったのでしょうか。吉岡さん夢を諦めるのが早すぎるのではないかと初めは共感できない部分もあったのですが、自分を確立するのがどれだけ難しいのかというのは菜摘だけでなく普遍的な悩みでもあると感じていました。そのほかに実感したのは、自分の欠けている部分を埋めてくれる最愛の人と出会ったとき、人はこんなにも心が揺れ動くのかということ。そういうロマンチックな部分はこの映画のなかでとくにお気に入りですし、それをモトーラ世理奈ちゃんと一緒に演じられてうれしかったです。あまり体験したことのない現場だった―現場の様子についても、教えてください。吉岡さん今回は、撮影の仕方が本当に変わっているなと思いました。いままで私が参加してきた現場だと、通常初めに段取りやテストをしてからやっと本番という流れですが、千原さんは芝居を作りすぎずに瞬発的に出る“生っぽいもの”を拾っていくようなスタイル。段取りをしないまま進んでいくこともあったので、自分でも意識していないところを撮られているような恥ずかしさと不安を感じたこともありました。あとは、スタイリストさんやメイクさんがハッピーで楽しい方々だったので、「かわいい!オッケー!」という言葉が飛び交っていたり(笑)。そういう意味でも、あまり体験したことのない現場だったなと思います。―なるほど。そんななかで、刺激を受けたことや新たな気づきもあったのではないかなと。吉岡さんそうですね。たとえば、いま世の中に出ている映画やファッション、アートにはトレンドがあり、それを先取りしていくのが重要と考えられている部分があると思うんです。でも、この作品からはどこかレトロなものを感じました。それは多分、目新しいものをバンバン入れることよりも、千原さんが自分自身の歴史を大切にしていることが伝わってきたからかなと思います。これはキャストにもスタッフにも言えることですが、本作には千原さんとずっと一緒に仕事してきた人たちばかりが揃っています。そういうところにも「新しいものもいいけど、長年愛したものほどきらめくものはない」というメッセージを受け取りました。千原監督は、人の10倍働くプロフェッショナルな方―吉岡さんにとって、千原監督はどんな存在ですか?吉岡さんいつも余裕があって飄々としていますが、私が抱いている千原さんのイメージは、いままで出会った人のなかで一番眠そうな人(笑)。それはなぜかというと、千原さんは、自分の睡眠時間を削ってでも自分がしたいことに時間を使っているプロフェッショナルな方だから。人の10倍以上働いていらっしゃるんじゃないかな。大人になっても夢を追いかけ続けてるからこそ、こんなにもバイタリティが溢れ出ているんじゃないかなと。―また、本作には個性豊かなキャストが揃っていますが、ご一緒されてみていかがでしたか?吉岡さん共演者の方々は前からすごく好きな方たちばかりでしたが、会ってより好きになりました。特に同じパートに出演しているモトーラ世理奈ちゃんには本当に恋に落ちてしまいそうなほどでしたし、水曜日のカンパネラの詩羽ちゃんはかわいい妹のような存在。キラキラしているみんなと共演できてうれしかったです。意気込みや夢をちゃんと持っている子たちなので、これからも心から応援したいと思っています。―劇中ではラブストーリーも描かれていますが、演じられてみて感じたことがあればお聞かせください。吉岡さん改めて、人が人に惹かれるのに男も女も関係ないなと。そういう部分がすごくピュアに描かれていると感じました。最初はもう少し恋愛の要素が強くなるのかなと思っていましたが、蓋を開けてみたらそれよりも、人と出会うことで成長をしていくという普遍的なテーマが描かれているので、そういうところもすごく好きです。どんなに大変なときでも、ライブや舞台は観に行く―なかでも運命の出会いを感じた菜摘が、仕事中にもかかわらず衝動的に相手を追いかけるシーンが印象的でした。ご自身にもそういう経験はありますか?吉岡さん「まだ勤務中ですよ!」と思わずツッコんでしまうくらい私はつまらない人間なんです(笑)。ただ、私にもそういう“衝動”みたいなものはありますよ。たとえば、どんなに忙しいタイミングでも、その瞬間を見逃したくなくてライブや舞台には意地でも観に行きます。それくらい大好きです。―そのなかでも、最近吉岡さんの心が動かされた瞬間といえば?吉岡さんBLACKPINKとTWICEのライブに立て続けに行きましたが、この世のものとは思えないくらいかわいかったです。元気をたくさんもらって目の保養にもなりましたし、とにかく感動しっぱなしでした。あとは、椎名林檎さまですね。まさに「神降臨!」という感じだったなと。演出などすべてにおいて拝みたくなるくらい、その場にいられて幸せでした。これからは、経験からくるエネルギーを見せていきたい―本作に登場している女性たちは、アイスクリームを愛するいっぽうで「I scream(私は叫ぶ)」の言葉のように自分の思いを叫びたい女性たちにも見えました。では、吉岡さんがいま叫びたいことは?吉岡さん「ちょうどいい量の休みがほしい!」ですかね(笑)。というのも、これだけ長いことお仕事をさせてもらっているのに、いまだにうまい休みの過ごし方がわからないので…。できれば1か月に1週間くらいまとめて休日があったらいいですね。そうすれば友達と小旅行もできますし、ダラダラしたり、お買い物に行ったり、自分をメンテナンスしたりもできますから。休む日と外に出る日の両方に使える日数があるのが理想です。―今年で30歳になられましたが、一つの節目を迎えたことで新たな思いを抱いているのではないでしょうか。吉岡さんこの10年は心もカラダもトレーニングをしてきたので、ここで鍛えてきたことを30代でどう生かしていくのかが重要だと思っています。いままで真面目にがんばってきたぶん、培ってきたものをステップアップのために使っていけたらと。これからは若さではなく、経験からくるエネルギーを作品で見せていきたいと考えています。とはいえ、20代は仕事ばかりで、趣味もすべて仕事につながるものをしてきたので、これからは仕事に関係ない趣味を持つべきかなと思うことも。そうしないと休まらないような気がしているところです。一生懸命してきた人は、その過程にも輝きがある―いま、挑戦してみたいことは?吉岡さん先日、共演させていただいた黒木瞳さんが本当に美しかったのでヒントをいただきたいと思って、いろいろとお話をうかがいました。そのときに「ダンスがいいですよ」と教えていただいたので、そういうのを参考にできたらいいなと。―ステキですね。ちなみに、吉岡さんが美容のために続けていることがあれば、教えてください。吉岡さん私は柑橘類が大好きなので、毎日カットレモンを2つか3つ食べるというのをずっと習慣にしています。レモンは美容にもいいし、代謝にもいいですからね。ただ、私の場合はそのまま食べるので、すっぱすぎてオススメしづらいですが、苦手な人は白湯に絞ったり、はちみつをかけたりするのがいいかなと思います。―最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。吉岡さんお仕事にプライベートにと日々邁進するみなさん!一生懸命してきた人には、その過程に輝きがあると感じているので、これからも“気高き戦士”として、一緒に社会を生き延びていきましょう!インタビューを終えてみて…。いるだけでその場を明るくし、取材部屋も癒しの空間に変えてしまう吉岡さん。ふわっとした柔らかい笑顔も印象的でしたが、その裏には仕事に対する意識の高さを感じずにはいられませんでした。ますます魅力が増していく30代をどのように過ごしていかれるのか、これからも楽しみなところです。スタイリッシュで、エモーショナルな映像美に釘付け!映画という概念にとらわれていない斬新さと、アートディレクターならではの美術や音楽へのこだわりを堪能できる本作。アイスクリームのように甘くてとろけるような想いも味わえる夏にぴったりのラブストーリーです。写真・園山友基(吉岡里帆)取材、文・志村昌美ヘアメイク・﨑 沙世子(io)スタイリスト・遠藤リカシャツ¥99,000、スカート¥121,000(すべて MARNI╱マルニ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-374-708)、ピアス(セットで/右耳)¥29,700、ネ ッ ク レ ス ¥69,300(ともに SWAROVSKI JEWELRY╱SWAROVSKI JAPAN)、アイスクリームのピアス(左耳)¥14,850(ohrora╱ロードス TEL: 03-6416-1995)、ブルートパーズのリング(右手人差し指)¥23,100(Hiromi.A╱ロードス TEL:03-6416-1995)ストーリーデザイン会社に就職するもうまくなじめず、アイスクリーム店でアルバイトをしている常田菜摘。デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるのか、今後の身の振り方について思い悩んでいた。そんなある日、店を訪れたミステリアスな客・橋本佐保に運命的なものを感じた菜摘は、衝動的にその後を追いかけてしまう。いっぽう、アイスクリーム店の近所に暮らす高嶋優の家には、疎遠になっていた姉の娘・美和が急に訪ねてくる。数年前に出て行った父親を探しに来たという美和との突然の共同生活に戸惑う優だったが、心を占める不安はそれだけではなかった…。かわいさの詰まった予告編はこちら!作品情報『アイスクリームフィーバー』7月14日(金)TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開配給:パルコ(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会写真・園山友基(吉岡里帆)
2023年07月12日静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」が開かれています。昔のサムライたちが身につけていた装身具は、実は日本を代表する美術品のひとつ。世界の愛好家たちも憧れた、クールなサムライアイテムをご紹介します!世界でも高評価!サムライアイテムが勢ぞろい「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場入り口【女子的アートナビ】vol. 302「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」では、静嘉堂文庫美術館が所蔵するコレクションのなかから、サムライたちの装身具である印籠や刀装具などのアイテムを展示。江戸時代の美術工芸品は、浮世絵と同じように海外でも高く評価され、世界の愛好家たちに蒐集されてきました。印籠などは小さな作品ですが、そのなかに花鳥風月や故事などが金銀漆で美しく表現され、世界のコレクターからも愛されています。本展では、そんなサムライアイテムのほか、おしゃれな江戸の人々を描いた風俗画も紹介。武士や遊女たちが華やかに着飾るようすも楽しむことができます。※本記事の写真はプレス内覧会で許可を得て撮影しています。サムライのおしゃれとは?《黒蝋色塗鞘桐紋金具打刀拵》江戸時代(17世紀)では、会場の展示作品とともに見どころをご紹介。まず1章は「サムライのおしゃれ」として鎌倉武士たちの華やかな鎧兜姿を描いた絵巻や、江戸の武士が登城するときに身につけた礼装の拵(こしらえ)などが展示されています。サムライや展示作品について、展覧会を担当した静嘉堂文庫美術館学芸員の山田正樹さんは、次のように解説してくれました。山田さんサムライの誕生については諸説ありますが、一説には京都の平安貴族に上級貴族と下級貴族がいて、下級貴族が軍事専門化した家系がのちの平氏や源氏のサムライといわれています。その平安鎌倉の武士たちが身につけていた戦の装束から「サムライのおしゃれ」を解いていくのが第1章です。江戸時代の武士は、腰に大小の刀を二本差していますが、長い刀を収めた打刀拵(うちがたなごしらえ)と、短い刀を入れた脇差拵の二点セットになっています。江戸時代初期、徳川幕府が制定した武士の礼装は裃、袴をつけて二本差しにして、殿中では脇差のみで、右側が空くので印籠を提げる。この三点セットが武士の礼装の基本でした。《蒙古襲来絵巻摸本巻二》明治2年(1869)山田さん《蒙古襲来絵巻》のオリジナルは鎌倉時代・13世紀に描かれたもの。静嘉堂の展示品はその摸本で、明治2年に描かれたものです。鎌倉時代の元寇がテーマの作品で、13世紀後半の武士たちの装束を知ることができます。この絵巻は、元寇の戦に参加して戦功をあげた竹崎季長自身が絵師に依頼したもので、細かく注文をつけて描かせたので武家風俗の考証が的確といわれています。人気のコレクターズアイテムが勢ぞろい!「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場風景続く2章「将軍・大名が好んだ印籠」では、静嘉堂が所蔵する276点の印籠コレクションから、40点を精選して紹介。将軍家や大名家につかえた蒔絵師ごとに、作品が展示されています。将軍や大名たちは、印籠を注文製作し、季節ごとに取りかえておしゃれを楽しんだり、贈答に使ったりしていたそうです。趣味で印籠を集めるお殿様もいて、コレクターズアイテムとなっていました。職人たちも技術やデザインを磨き、全国のサムライが集まる大都市・江戸には、腕の良い印籠蒔絵師たちが集まりました。数ある印籠のなかでも山田さんが注目する逸品は、尾張徳川家の御用蒔絵師、吉村寸斎の作品。山田さん作例が少なく、幻の蒔絵師と呼ばれています。木目のように見える背景は、実は黒漆地に金の研ぎ出し蒔絵で木目を繊細に表しています。そこに墨絵で描いた馬の図をそのままに螺鈿の輝く貝に置き換えて表しています。明治になると超絶技巧がはやりますが、寸斎の印籠はその走りとなるような作品です。海外が憧れた黒いモノとは?「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場風景3章「江戸の風俗画にみる武士のよそおい」では、江戸時代の江戸や京都の街のにぎわいなどを描いた屏風や、サムライのおしゃれアイテムである刀剣の拵(外装)や装飾金具などを展示。重要文化財の《四条河原遊楽図屏風》では、当時のファッションリーダーだった「かぶき者」や遊女、若衆たちが生き生きと描かれています。川之辺一朝ほか《藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)》明治時代(19世紀)また、江戸から明治にかけてつくられた刀剣の拵は、黒漆塗が大変美しく、海外の人たちも憧れました。ピアノの黒塗は、日本刀の鞘塗りに触発されたといわれているそうです。最後の4章「貴人のおしゃれ」では、重要文化財で世界的にも貴重な「密陀絵」の屏風と国宝の曜変天目(「稲葉天目」)を楽しめます。新発見のサーベルも必見!C.SMITH&SON《サーベル形儀仗刀 後藤象二郎拝領》(1868)本展では、NHKテレビでも報道された新発見のサーベルも展示されています。このサーベルは、後藤象二郎が英国ヴィクトリア女王から拝領したもので、長い間行方不明とされていましたが、世田谷の静嘉堂で発見されました。なぜ後藤にサーベルが贈られたのかというと、幕末に英国公使パークスを襲撃した刺客を、後藤象二郎と中井弘が撃退。その感謝の印として、サーベルが英国から下賜されました。その後、静嘉堂文庫創設者の岩﨑彌之助と、後藤の長女が結婚したことで、サーベルが岩﨑家に継承されたそうです。このサーベルは最初の展示室に展示されています。大変貴重な歴史的資料なので、ぜひこちらもお見逃しなく!Information会期:~7月30日(日)休館日:月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)は開館会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)開館時間:10:00 – 17:00 (入館は16:30まで)※金曜日は18:00 (入館は17:30)まで。観覧料:一般¥1,500、大高生¥1,000、中学生以下無料
2023年07月11日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は着たら瞬時にお洒落さんに見えちゃう柄パンツ、そんな目を引く柄パンツのストリートスナップをご紹介します。小花が可愛らしいパンツ上下でお揃いの柄をチョイスされていますが、ズボンだけでもTシャツやブラックトップスなどに合わせるだけでお洒落に見える!小花柄は、特に夏に人気がある柄なので、いまの時期に小花柄パンツを選ぶなら種類も多く探しやすそう。男性にも人気!大きな花柄ピンクのシャツが映える花柄ズボン。異次元のかっこよさですが、男性にだって大きな花柄は似合います。もちろん女性にも人気。スーツ風に柄を合わせてもOK柄パンツは、シンプルな一色のパンツに比べると、個性的なスタイルを演出することができるうえ、上下で合わせてスーツスタイルに着こなしてもかっこいい!このかたの着こなし方は上級者向け!中のトップスまでかなり個性的で、お洒落に着こなすには難しそうなところを、上手に彼女スタイルにしています。実はスタイリングの方向性は広い柄パンツはさまざまなスタイリングに合わせることができるという、模範的なスタイル。ワイドなズボンがリラックスした雰囲気を演出していているなか、ブラウスやジャケットと合わせてちょっとフォーマルな雰囲気も見せてくれているのがポイント。チェック柄は合わせやすい!柄パンツの良さは、自分の個性や好みに合わせて自分らしいスタイルにしやすいこと。さらに自分が好きな柄だと気持ちも上がって雰囲気もよし。こちらの柄はチェック柄で比較的合わせやすく、色も柄も全く異なるトップスを合わせて、彼女らしいファッションを楽しんでいます。大胆な大ぶりチェック!チェック柄にも色々あるんですね、かなり大きめのチェック柄が、より個性的で存在感がありますね。それでいて、シンプルな印象もあるので、写真のように同じような色で合わせてスーツのように見せてもかっこいい!小さい柄より柄が大きめのほうが、どんな服にも比較的合わせやすいのが特徴。今回は柄パンツのスナップをご紹介しました。柄パンツは個性的でおしゃれなスタイルを楽しむための良いチョイスだと思います。しかし、自分のスタイルやシーンに合わせて適切な柄やデザインを選ぶ目利きも重要なポイントかもしれません。どんどん自分ファッションを楽しんでみてください。写真・文 平野秀美
2023年07月09日東京国立博物館で、特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」が開かれています。本展のナビゲーターは、俳優の上白石萌音さん。メキシコで暮らしたことのある上白石さんが、展覧会の感想やメキシコの思い出などを語ってくれました!上白石萌音さんがナビゲーター!上白石萌音さん【女子的アートナビ】vol. 301特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」では、メキシコにある古代都市の遺跡群から、代表的な3つの文明「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」に関する至宝を展示。土偶や土器、石彫、首飾りや壁画など、さまざまな出土品約140件が紹介されています。メキシコは、16世紀初頭にスペインが侵略するまで、3千年以上も高度な文明が栄えていました。前1500年頃にオルメカ文明が興り、野生の動植物で暮らしを支え、暦を生み出し、さらに神への祈りなど捧げる儀礼の場やピラミッド、居住地などもつくられるようになりました。現在、メキシコの古代遺跡や歴史地区の多くは、世界遺産にも登録されています。そんなメキシコに3年間暮らしたことのある俳優の上白石萌音さんが、本展のプレス内覧会に登壇。展覧会の感想やメキシコの魅力を語ってくれました。ふわっと頬がゆるみました特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」会場風景――展示全体をご覧になって、いかがでしたか?上白石さん本当にいろいろな気持ちになりました。ワクワクしたり、おそれの気持ちを抱いたり、ふわっと頬がゆるむ瞬間があったり、精密な技術に驚いたり。すごく充実した楽しい時間でした。大昔の文明の品々なのに、その向こうに暮らしや作った人の存在、現代とのつながりを感じる瞬間もあり、フシギな気持ちになりました。また、私はメキシコで暮らしたこともあるので、すごく懐かしさも感じながら堪能させていただきました。――頬がゆるんだ作品とは、どのようなものですか?上白石さんふわっとした気持ちになる作品は、たくさんありました。出土品に描かれている生き物や人などの表情が、とても愛らしいのです。また、造形が絶妙でシュールなものもあり、そんなところにもメキシコの愛嬌を感じる瞬間がありました。小さい装飾品から大きい像まで、とても丁寧に装飾が施されていて、神や自然へのおそれ、祈りの切実さがにじみ出ているような気がしました。一番圧倒されたのは、「赤の女王」のマスクです。その展示室に差し掛かったときは、なんともいえない気持ちになりました。学芸員さんのお話によると、これを逃したら今後見ることができないかもしれないくらい貴重なモノということでしたので、ぜひこの機会を逃さずに見て、感じていただきたいと思います。ある者を憑依させて…《赤の女王のマスク・冠・首飾り》展示風景――音声ガイドの収録は、いかがでしたか?難しいところなどありましたか?上白石さん私は、音声ガイドを録るのが大好きなので、とても楽しみながらやらせていただきました。メキシコは住んでいましたが知らないことがたくさんあって、本当に勉強になることばかりでした。いろいろ学んだので、友だちに知識をひけらかしているところです(笑)。収録では、ある者を憑依させて読むところが台本にあり、そこが難しく感じました。ある者、というのは、展示されている「赤の女王」で、その女王を憑依させて読む場面があり、難しかったのですが、がんばりました。この部分は、ぜひ聴いてほしいです。――今回のお話がきたときは、いかがでしたか?上白石さん本当にうれしかったです。絶対にやりたいと思いました。メキシコへの恩返しになればいいな、と思い、日本とメキシコをちょっとでもつなぐことができたらと思いました。心をいっぱい動かした――メキシコでは、どんな思い出がありますか?上白石さん最初に思い出すのは、テオティワカンというメキシコシティにあるピラミッドです。住んでいたところからも車で少し行けば着くような場所にある大きな遺跡で、この展覧会でもフォーカスされています。そこに何度も父に連れられて行きました。当時は、まだピラミッドに登ることもできたので、汗をかきながら頂上まで登ったり、その大きさに驚いたり、幼いながらも心をいっぱい動かしながら歴史に触れたことを思い出します。父は社会科の教師なので、歴史のこともいろいろ教えてもらったりしました。――古代メキシコでは、豊穣を願って、生贄や食べ物をお供えしていました。今、上白石さんが祈りをささげて叶えてほしい願い事はありますか?上白石さん長年の念願は、両親と妹と四人でメキシコに里帰りすることです。なので、長期の休みがほしいです(笑)。まだ、一度も里帰りができていないのです。せっかく行くなら家族みんなで行って、長めに滞在したいので、いろいろなところにお願いをして、お祈りをしようかと思います。この展覧会を見て、さらにメキシコ里帰りのモチベーションが上がりました。――最後に、メッセージをお願いします。上白石さん本当に貴重な品がたくさんあるので、お子さんから大人まで、みなさん楽しんでいただけると思います。夏休みもきますし、ぜひ壮大な歴史に触れて、ワクワクしていただきたいです。そして興味が出たら、ぜひメキシコも訪れていただきたいです。もしよければ、音声ガイドもレンタルしてほしいです。よろしくお願いいたします。9月3日まで開催!音声ガイドは、上白石さんのほか、声優・杉田智和さんも担当されています。「赤の女王」や「雨の神」も出てきたり、クイズもあったりして、楽しみながら作品解説を聴くことができます。会場レンタルは¥650。アプリ配信版は¥700でダウンロード可能です。展覧会は9月3日まで開催。その後、福岡と大阪に巡回予定です。Information会期:~9月3日(日)※休館日は月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館会場:東京国立博物館平成館開場時間:9時30分~17時00分※入館は各閉館時間の30分前まで※土曜日は19時00分まで開館※6月30日(金)~7月2日(日)、7月7日(金)~9日(日)は20時00分まで開館※いずれも総合文化展は17時00分閉館観覧料:一般¥2,200、大学生¥1,400、高校生 ¥1,000
2023年07月09日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。年に数回あるかないかの重要なパーティや結婚式の招待。どんな服装で行けばいいか悩むことも多いですよね。今回は派手すぎず目立ちすぎない、普段のスタイルにもできそうな上品な着こなしをピックアップしました。シンプルだけどデザインにこだわる結婚式だと、あまり目立ちすぎない格好のほうが好まれそうですが、でもオシャレには気を遣っているように見せたいですよね。そういう場合は、できるだけシンプルなデザインを選びながら、ちょっとしたポイントがあるドレスを選ぶと、お洒落さんに見えますよ。このドレスの場合ですと、袖部分がラッパのように大きく広がっているとか、腰下部分が広がったデザインがポイント。また、全身真っ黒になりすぎないよう、シューズで反対の色をチョイスしているのも個性が出て素敵!女性らしさ全開のワンピースプリーツスカートは、いつだって上品度をアップしてくれます。そんな中でもシルキー素材でより品格よく。さらには首元に巻かれたスカーフはワンピースとお揃い。首に巻いてもベルトとして巻いてもお洒落です。女性にも男性にもモテるワンピース。シックなスーツスタイルで賢く!私のお勧めスタイルは、この賢く見える上品なスーツスタイル。ハイウエストのパンツにトップスもこだわりのあるものをチョイス。全体的に硬めの印象ですが、実は手の平にペイントしているという、遊び心がチラリと見えたりするんですね。こちらのスタイルは、会社にだって、パーティにだって着ていける優秀スタイル。プリーツスカートで上品度アップ情熱的なレッドのスカートにサンダルが目を引く、大胆なパーティスタイル。スカートの長さやプリーツが、より上品に見せてくれます。シャツからチラリと見え隠れする大胆なチェーン風ネックレスが、かっこよさをチラつかせてます。スーツみたいでスーツじゃないスタイルあまりファッションに取り入れることが少ない色、パープル。でも実は合わせやすく、小物選びが簡単だったりします。こちらの上下セットはジャケットスーツにも見えるけど、かしこまった印象にならないので、結婚式やパーティなどにお勧めのセットアップ。動きやすいのも魅力的。かっこいい女性のパンツスタイルブラックでカッコよく統一させたこちらは、蛇柄っぽいボトムスが雰囲気をより特別なものに。なんといっても、こちらのスタイルはパンツが特徴的。少し短めのものなので、夏にもぴったり。素足の足元を見せることですっきりとした印象になりますし、サンダルのチョイス次第で女性らしさもアップ。またシンプルなネックレスにブラックのバッグと、あまり色を使わない代わりに、差し色でネイルはド派手な蛍光ピンク。全体的には落ち着いているけど、パーティにもってこいのコーデ!いかがでしたでしょうか?今回はかしこまりすぎず、ある程度上品なスタイルをご紹介しました。結婚式やちょっとしたパーティには、これくらいのスタイルがちょうどいい!という参考になれば幸いです。著者情報平野秀美ひらの・ひでみヨーロッパ在住で、ヨーロッパ各地のファッションウイークなどを取材しているファッションジャーナリスト。写真・文 平野秀美
2023年07月08日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第147回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その50をお届けします。1.美容にうるさい男【結婚引き寄せ隊】vol. 147それは30代から40代が集まる婚活パーティに参加したときのこと。参加条件は30代から、となってはいたものの、この日の婚活パーティには、主に40代以上の男女が多いように感じました。そんななか、自己紹介タイムがスタート。大人の男女が集まっているだけあって、落ち着いてしっかりと相手の話を聞いて話せるようなタイプばかりで、安心しながら挑んでいました。そのうち何人目かの自己紹介のときに、40代半ばの渋い色のスーツを着た男性と対面。最初はふつうに名前や仕事について話していました。すると、急にじっとこちらの顔を見て、「ちょっと疲れてます?」と言う男性。確かに仕事が忙しくて完全に疲れが抜けきっていないけれど、一応婚活の場に行くんだからと、ちゃんとメイクしてきたつもりだったんですが…。とまどう私を目の前に、「なんかクマができていますね。肌が疲れているみたいだから、そういうときはしっかりと保湿するといいみたいですよ(ニッコリ)」というのです!まったく悪気なく、親切心からのアイドバイスといったふうに、「前にパーティで会った女性がそう言ってました」と、別の婚活女性が言っていた美容ネタをぶっ込んできてビックリ。良かれと思っての発言でも、初対面でクマがあるとかなんとか、失礼ですからー!と、心の中で叫ぶ私。もちろん、その男性とはその後一切目も合わせないで終了したのでした。2.海外帰りをアピールする男それは20代から30代が集まる大人数の婚活パーティに参加したときのこと。参加人数が多いと活気が出てくるもので、会場はにぎやかでした。まずは自己紹介ということで、大人数のパーティでは、女性が座る椅子のところへ男性陣だけが次から次へと横にずれていく、いわゆる回転寿司スタイルでスタート。ひとり数分しか持ち時間がないため、顔と名前を覚えたと思ったらすぐ次の人に。ああ、あわただしい…と思いながらも、自己紹介がやっと最後のほうになってきて、ホッとしそうになったそのとき。「こんにちはっ!」と白い歯を見せた笑顔の男性が、ハキハキとした元気な挨拶とともに、右手を差し出してきました。えっ? と思いながらも、しぶしぶ軽い握手をかわし、挨拶。短い時間に自己紹介する文言を考えてきたのか、それともいつも簡潔に話すことができるタイプだからなのか、名前、仕事、結婚願望についてを一気に話す男性。ひたすら聞いていたら、「あなたは?」と聞かれ、こちらは名前ぐらいしか言う時間が無く、その男性は時間配分はあまり考えていないようでした。しかも、ほんの数分の会話の中で、「先月まで海外で働いてたんで」とか「海外帰りなんで」とか、海外帰りアピールがスゴい。ツッコんで聞いて話を広げるほど持ち時間が無いため、ほぼ聴き手で自己紹介タイムが終了。たった数分なのに、ドッと疲れが…。その後はもちろんその男性には近づかなかったのでした。3.追わせてほしい男それは30代から40代までの男女が集まる婚活飲み会に参加したときのこと。その飲み会には、ただ飲むことが好きなだけで来ている人、出会いを探しに来ている人とさまざまなタイプがいたため、婚活だからとガツガツしていないゆるい感じがあってのんびり時間が過ぎていきました。飲み会も中盤ぐらいになってくると、だんだんと恋バナになってきて、それぞれの元カノや元カレ、結婚についてどう思っているかなどをざっくばらんに意見交換。たまたま同じテーブルを囲んで向かいに座っていた30代半ばの男性と、たわいのない話をしていると、酒の勢いも借りてなのか「俺は追わせてほしいんだよ!」と突然、熱弁をふるいはじめました。その男性いわく「すぐになびく女はダメ」だと。とにかく男性側に追わせてくれたら、どんどん夢中になるのに、そんな相手が見つからないとボヤいていて…「追わせてくれる?」とニヤリと笑いかけてきたので、正直に「ムリ!」と即答しました! ああ、追うとか追わせるとか、そういう駆け引きよりも安泰な家庭が欲しい、とグッタリしてしまったのでした。婚活していると、理想のタイプとばかり出会えるわけではありません。でも、そのうちきっと運命の相手に巡り合うはず! みなさんの恋がうまくいきますように。文・かわむらあみり©Johnce/Getty Images©FXQuadro/Getty Images©Estradaanton/Getty Images文・かわむらあみり
2023年07月06日シリーズ累計65万部を突破し、女性たちから高い支持を得ている青春小説「交換ウソ日記」がついに実写映画化。勘違いから始まった交換日記を中心に、学校イチのモテ男子・瀬戸山とつい空気を読みすぎてしまう不器用な女子高生・希美による切ないすれ違いラブストーリーが描かれています。そこで、本作で重要な役割を果たしているこちらの方にお話をうかがってきました。板垣瑞生さん【映画、ときどき私】 vol. 590映画『HiGH&LOW THE WORST X』や大河ドラマ「麒麟がくる」、「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」など、ネクストブレイクの筆頭として幅広いフィールドで活躍中の板垣さん。劇中では、希美の先輩で元カレでもある矢野を演じて、複雑な三角関係を繰り広げています。今回は、共演者たちと過ごした現場の思い出や胸がキュンとする瞬間、そして今後の目標などについて語ってもらいました。―まずは、作品に対してどのような印象をお持ちでしたか?板垣さんお話をいただいたときにウソから始まる恋愛というのがいいなと感じました。というのも、僕の感覚ですと恋愛作品ではウソに対してネガティブなイメージがありますが、この作品では真正面から向き合っているので、そういうところがおもしろいなと感じました。また、ここでのウソは相手に対しての優しさからくるもの。たとえ交換日記がウソだとしても、そこに愛があるのは真実なので、そういうストーリーをみなさんにも伝えたくて、今回出演させていただけることになりうれしいです。年齢や性別に関係なく、リスペクトしている―ということは、物語の内容が出演の決め手になったと。板垣さん希美役の桜田ひよりさんとまたお仕事をしたいと思っていたので、桜田さんの存在も大きかったです。―今回で3度目の共演ですが、板垣さんから見た桜田さんの魅力といえば?板垣さんお芝居が上手で、愛嬌があり、トークも上手で、安心して一緒に仕事ができる安定感もあるので、とにかくいい俳優さんです。作品への取り組み方はもちろん、周りのために一生懸命になれるところも人として素敵だなと思います。年齢や性別に関係なく、リスペクトしています。「欠点なんてないんじゃないかな?」と思っているくらいです(笑)。―では、初共演となった瀬戸山役の高橋文哉さんの印象についてもお聞かせください。板垣さん文哉くんと同じシーンはあまりなかったんですが、会ってすぐに仲良くなりました。一緒になったときには、一番話をしていたんじゃないかな。タイプは全然違うかもしれませんが、根本の部分が似ているのかなと感じました。―おふたりがどんな話で盛り上がっていたのか気になるところです。板垣さん共通の友達がけっこういて、「え!?知ってるの?」みたいなことが何回もありました。いまは、「今度一緒にご飯に行こう!」と誘っているところです。お芝居ができることに幸せを感じる―今回は久しぶりの高校生役でしたが、いかがでしたか?板垣さん高校は実生活で卒業したからもういいかなと思っていましたが、懐かしいし、やっぱりうれしいものですね。でも、それよりもこうしてお芝居ができることが幸せだなと感じています。―ちなみに、ご自身はどんな高校生でしたか?板垣さん僕の学校は私服だったんですが、シャイだったこともあって1年目はずっとフードを被って過ごしていました(笑)。しゃべりたくてもしゃべれないみたいなところがあったので、最初は馴染むまでけっこう苦労した覚えがあります。でも、そのあとは次第にみんなと仲良くなりました。友達とタピオカを飲みに行ったり、ダーツやビリヤードをしたりというのが、青春真っ只中の思い出です。他人に優しくできる女性はカッコイイと思う―本作のように、学生時代のキュンとしたエピソードがあれば、教えていただきたいのですが…。板垣さん僕は、お芝居でそういうシチュエーションを生み出すのは得意なほうですから。やっぱり男ならキュンキュンさせないとね!といいつつ、思い当たらないので「キュン!」と書いておいてください(笑)。―(笑)。ちなみに、瀬戸山のように思っていることを素直に言えるタイプですか?板垣さんはい、伝えたいと思っていることなら言えます。―では、ウソをつくのは得意なほう?板垣さんそんなについたことはないですけど、もしウソをつくなら自分が明かすまでは、絶対にバレないようにウソをつき通すと思います。逆の立場でも、中途半端なのはやめてほしいので、ウソをつくならちゃんとついてほしいです(笑)。―板垣さんが女性に対していいなと思う瞬間があれば、教えてください。板垣さん僕以外の人にも優しくしている姿を見たときです。もし自分と付き合っていたら、優しくしてくれると思うので、そうではない他人にも優しくできる人だとカッコイイなと思います。共通の趣味があったら、一緒に楽しみたい―劇中には、不器用で大人しい希美、生徒会長も務めるしっかり者の江里乃、元気でキャピキャピしている優子というタイプの違う女子が3人登場します。もし、全員と同じ学校だったら気になるのは?板垣さんうーん、僕は希美ちゃんがいいかな。というのも、希美ちゃんと同じように僕も音楽が好きなので、一緒に音楽を聴きながら騒げたら楽しそうかなと思います。共通の趣味があるというのはいいことだと思います。―確かに盛り上がりそうですね。希美は恋愛だけでなく、進路にも悩んでいる女の子でしたが、板垣さんは10代前半からお仕事をするなかで、進路に迷ったことはありませんでしたか?板垣さん僕はないですね。―さすがですね。つまり、子どもの頃からこの道で行くと決めていたと。板垣さんいやいや、そんなすごいことではないです。最初はハリー・ポッターになって、ホグワーツ魔法魔術学校に入りたかったくらいですから(笑)。でも、シリーズが終わってしまったので、行くところがなくなっちゃったんだとがっかりしていました。そのときに「これは俳優さんが演じているんだよ」と教えられ、「俳優って何だろう?」と。そう考えていたときにいまの事務所さんに声をかけていただいたので、「俳優になればホグワーツに入れるんだ!」と思っていました(笑)。それが始まりです。自分の気持ちにウソをつかずに行動してほしい―かわいいですね。では、いま目標としていることはありますか?板垣さん海外の作品に出てみたいなと考えています。『ハリー・ポッター』みたいなファンタジーでも、リアリズムな作品でも、何でもやってみたいです。あとは、逆に日本で出演した作品について海外の方から「自分の人生で一番いい作品。何回も観ているよ」と言ってもらえたら最高ですね。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。板垣さん真実から始まる恋愛もあれば、ウソから始まる恋愛もあるくらい、恋愛はいろいろあるので、これが正しい方法というのはないんじゃないかなと思います。なので、もし本当に相手のことが好きで付き合いたいと考えているなら、その愛は本物なので、その気持ちにウソをつかずに行動へと移したほうがいいと思います。インタビューを終えてみて…。端正な顔立ちと大人っぽい雰囲気が漂っていたのでクールな方かなと思いきや、話し始めるとお茶目でとても気さくな板垣さん。「高校生役はもうしないかも…」と明かしていたので、最後になるかもしれない板垣さんの高校生姿をぜひ堪能してください。切なさとワクワクの波が押し寄せる!共感と胸キュンが止まらない展開が次々と巻き起こる青春ラブストーリー。特に、最近トキメキ不足だと感じている人にとっては、恋愛でしか味わえないドキドキ感を思い出させてくれること間違いなしの1本です。写真・園山友基(板垣瑞生)取材、文・志村昌美ストーリー高校二年生の希美は、移動教室の机のなかに「好きだ!」とひと言だけ書かれた手紙を見つける。送り主は、なんと学校イチのモテ男子・瀬戸山だった。イタズラかなと戸惑いつつも、返事を靴箱に入れたことをきっかけに、ふたりのヒミツの交換日記が始まる。ところが、実はその手紙と交換日記は希美の親友宛てのものだと判明。勘違いから始まった交換日記だったが、本当のことが言い出せないまま、ついやりとり続けてしまう。そして、希美は自分とは真逆の性格の瀬戸山に少しずつ惹かれていき、事態は思わぬ方向へと進んでいく。ウソから始まった切ない恋の行方は…。一喜一憂しちゃう予告編はこちら!作品情報『交換ウソ日記』7月7日(金)全国公開配給:松竹(C)2023「交換ウソ日記」製作委員会写真・園山友基(板垣瑞生)
2023年07月05日夏は露出が増えてスタイルがバレやすい季節。気になるパーツをあちこち隠そうと思うと、暑さに耐えられない着こなしになってしまいますよね。ですが、実は薄着でも工夫を凝らせばいつも以上にスタイルがスッキリして見えることは可能なんです。今回は、Tシャツにパンツやスカートといったシンプルなコーディネイトなのに着痩せして見える方法をご紹介します。Tシャツ×ラップパンツTシャツ×パンツのシンプルなコーデはトップス、ボトムスどちらもシルエットの美しいデザインのアイテムを選ぶことが大切です。Tシャツはタックの入ったフレンチスリーブTシャツだと二の腕のラインもスッキリして見えやすいです。肩のつけ根部分にタックが入ることで脇肉のラインを拾わず、バストまわりと一緒に二の腕のカバーもしてくれます。ボトムスはラップパンツがおすすめ。ラップパンツとはカラダに巻きつけるようにして履くパンツのことを指します。留め具がカラダの中心にないぶん、下腹部周辺がスッキリとした印象になるのでスタイルアップに最適なアイテムです。布生地が斜めに打ち合わさっているので直線的なシルエットが脚全体をシャープに見せるという効果も期待できますね。ハイウエストタイプはさらに脚長効果とくびれ効果の両方も兼ね備えるので美脚見え間違いなし!Tシャツ×太めストラップのジャンスカ快適かつスタイルが良く見えるフェミニンコーデを狙うなら、選ぶべきはジャンパースカートです。夏といえばキャミソールワンピースを選ぶ方も多いですが、キャミソールワンピースはストラップが華奢なので、アイテムによっては二の腕や脇肉、肩周りの肉感を拾ってしまうので要注意。その点、ジャンパースカートは基本的にストラップがやや太めなので肩のラインをスッキリ見せてくれます。ジャンパースカートはAラインタイプ、Iラインタイプの2種類が定番ですが、着痩せを目的とする場合はIラインタイプがおすすめです。余計な広がりを見せずストンとしたシルエットは高身長に見える効果も。Tシャツはシンプルな半袖か、袖が大きく広がりすぎないパフスリーブなどで甘く可愛く着こなしてもOKです。Tシャツはミニマルなデザインを選ぶ昨今、パフスリーブやランタンスリーブなど袖にボリュームのあるデザインTシャツが増えていますが、身長が低く、スタイルがぽっちゃりしている方が着ると横に幅広い印象を与えかねないので要注意。Tシャツはできるだけ余計なデザインのないミニマルなシルエットを選ぶと良いですね。生地は薄すぎるよりも2枚仕立てなど、厚みと立体感のあるものがスッキリ見えの秘訣。ぜひ、これらのポイントを参考におしゃれでスタイルアップする着こなしに挑戦してみてくださいね!イラスト・文 角 佑宇子
2023年07月01日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏に思い切ったファッションを楽しみたい方にぜひ見てほしい、カラフルなストリートファッションをご紹介します。レッドやオレンジはパワーカラー!それぞれ着こなしがとても似ているけど、自己流ファッションを楽しんでいるかたたちです。真っ赤なスーツや、赤で統一したデニムスタイルもかっこいいし、ベルベット調のダークオレンジで緩めにまとめたファッションも魅力的。かなり派手な見た目になるはずが、それぞれの個性に合わせてしっくり着こなせています。ポイントカラーを楽しむ!目立つ色はシューズのピンクですが、全体的に色が入ったコートやハットを合わせて、全体のバランスがとれたお洒落な着こなしになってます。ピンクのシューズっていうのもかなり目立ちますが、シューズが浮かないくらい、全体的に色を散りばめてるところがファッション上級者!こんなスーツ楽しい!見たことのないお洒落で可愛らしい色が魅力的なスーツ。淡く柔らかい色が派手すぎず、大人の可愛いファッションを後押ししてくれているよう。なかなか着こなしが難しそうですが、固くならないようにシューズなはんとビーチサンダル!スーツをビーチサンダルで合わせちゃうところが、さすが海外ファッション!蛍光オレンジがお洒落!遠くにいても一発で見つけられそうな、蛍光オレンジのワンピース。こちらはプラダのもの。一時プラダが蛍光カラーを使ったファッションを推していましたね。シンプルなデザインだけど、動きやすそうな素材で、ディテールもしっかりとしています。なかなか着こなすには勇気がいりそうな色ですが、せっかくなら夏に試してみたいかも!?グッチらしいレッド&ブルーがイケてる大きめのバッグにグッチらしいスカートと、全体的に1970年代のような雰囲気を楽しめるデザインとカラーを、上手に今時っぽく着こなしています。レッドとブルーが一際目立つけど、不思議と落ち着いて見えるものですね。鮮やかブルーが魅惑的!大人らしいシルエットのワンピース、あまり見かけない鮮やかなブルーカラー。どんな柄や色よりも、目を引くワンピーススタイルに仕上がってます。ワンピースのデザインもユニークで、サンダルとの相性も抜群!長袖なので、秋まで愛用できそう。蛍光イエローが抜群に眩しい!人と被る心配のいらない、珍しいカラー!派手目な色だけど、実は柄や他の色とも合わせやすく、最近ではファッションの小物やアイテムでよく使われるカラーでもあります。ワンピースが蛍光イエローってなかなかないですよね。着こなせてる彼女がすごい!いかがでしたでしょうか?夏に負けないカラフルでお洒落な着こなしの参考になりましたでしょうか。海外のかたたちは色の使い方がとても斬新で上手。今後もカラーを取り入れたファッションをご紹介します。写真・文 平野秀美
2023年07月01日気になる話題の映像作品をおすすめする【テレビっ子の窓】第6回は、番外編。お笑いネタ本『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』(世界文化社)を発売した、韓国ドラマやK-POPに詳しい、お笑いコンビ「スクールゾーン」の橋本稜(通称はしも)さんに、おすすめの韓国作品や本のお話をうかがいました!スクールゾーン橋本さん登場【テレビっ子の窓 番外編】vol. 6世界中から注目を集めている韓国作品は、現在さまざまな動画配信サービスから視聴できるということもあって、何から観ようか迷う方もいるかもしれませんね。そこで、韓国通のスクールゾーン橋本さんに、著書でも紹介しているネタの韓国ドラマや楽しみ方、最新作からここ数年で印象深い韓国作品についてインタビューさせていただきました。――2023年3月30日に初の著書『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』を発売されましたね。韓流愛の詰まったネタを披露されている橋本さんですが、そもそも“韓流あるある”を始めたきっかけや、今回書籍化された理由はなんですか?韓国ドラマを観ていると、「え? こんなときに記憶喪失になるの!?」とか、「また交通事故?」という、突然の展開なのにある程度パターン化している部分もあるなと気づいたときがあって。いろいろなドラマを再確認していくと「またこれやってる!」「毎回、シャワーシーンがあるのはなんだろう」といった疑問をインスタグラムで発信したら、共感してくださる方が多くて、それならばと“韓流あるある”ネタをやりはじめました。『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』より。インスタをやり始めた4年前ぐらいから、“韓国ドラマあるある”を400本ぐらい動画で出しているので一度まとめた形にしようと、今回の書籍は“あるあるの集大成”といったものになります。文字で見ても面白くて、インスタにも載せていないようなネタも集めて、紹介しています。『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』 U-NEXT配信中 (C) STUDIO DRAGON CORPORATION――書籍の「当たり前のように人間以外の相手に恋をする」というページで紹介された韓国ドラマの中に、私も大好きなコン・ユさんの『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016年)の名前も。“900年以上生き続けるトッケビ(鬼のようなもの)”が登場しますが、未見の方も「トッケビ」を楽しめるコツはありますか。まだ観てない方にとっては「トッケビ」の、900年も生きた鬼と人間が恋愛するという設定がちょっと飛んでいるように感じるかもしれませんし、ほかに『愛の不時着』(2019年)にしても北朝鮮にパラシュートが不時着するなんてちょっとよくわからないな……と、すんなりドラマに入っていけない設定だなと思う人がいる場合もあるとしても、その気持ちもよくわかるんです。でも、そんな思いをいったん置いて観てみると、いつの間にかどんどんのめり込んでいく作品のひとつが「トッケビ」なんですよね。『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』 U-NEXT配信中 (C) STUDIO DRAGON CORPORATIONもし1話からのめり込めない場合、6話ぐらいから観てもいいかなと。韓国ドラマって、だいたい6話からちょうど面白くなってくる作品が多いように感じるので、6話から最終話まで観て、また1話から5話を観るという、スターウォーズみたいな視聴の仕方でもアリ。さらに「トッケビ」は、OSTというドラマのサウンドトラックが15曲以上もたくさん収録されているのがかなり珍しくて、観終わってロスになったらOSTを聴きながらロスを解消すると、何通りもドラマの世界観を楽しめます。橋本さんおすすめの韓国作品Netflixシリーズ『椿の花咲く頃』独占配信中――昨年、anan本誌でも「イチ押し韓流作品3選」をご紹介してくださっていますが、いまおすすめの韓国ドラマといえばなんでしょう?ここ数年で面白いと思ったラブコメだと『椿の花咲く頃』(2019年)ですね。最近だと、『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』(2022年)は展開がはやくて観やすいんじゃないかなと。もうひとつ、ドラマではなく未配信のユン・ダンビという女性監督の韓国映画『夏時間』(2021年)も良かった。単館上映していたので、東京の下高井戸シネマに観に行きました。Netflixシリーズ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』独占配信中――ジャンルの違う3作ですね。私も『椿の花咲く頃』はシングルマザー役のコン・ヒョジンさんとカン・ハヌルさんの恋の行方に見入りましたし、「ザ・グローリー」は壮絶な場面もありつつスカッとする復讐劇でした。『夏時間』はまだ観られていないのですが、いかがでしたか。この2作の韓国ドラマは、やっぱりおすすめになりますね。映画は、子どもたちがおじいちゃんの家に遊びに行って、ただ時が流れていくだけで派手な展開は何もないんですが、子どもたちが成長していく雰囲気が良かった。――いまあらためて日本で推したい韓国俳優といえば誰が思い浮かびますか?若手俳優よりは、渋い俳優さんの波が来てほしいですね。演技派のファン・ジョンミンさんは個人的にいいなあと思いますし。あとはチ・チャンウクさんかな。いい演技を見せてくれるから、日本でもさらに人気が出ても良さそうなのになって。『冬のソナタ』 U-NEXT配信中 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved――橋本さんは、中学生のときにお母様の横で『冬のソナタ』(2002年)を観ていたことが韓流好きになる原体験となっているんですよね。そうです。主演のペ・ヨンジュンさんにもハマって出演作を観るようになると、『太王四神記』(2007年)という韓国ドラマの主演もやっていて、その主題歌が東方神起だったので、そこからK-POPにハマっていって……という感じで韓流好きになっていきました。――男性で中学生ぐらいから興味を持つのは、珍しいですね。韓流話を話せる友達がいなかったので、妹と一緒に東方神起のライブに行ったり、よく母と一緒にドラマを観たり。母はファンクラブに入るほどのヒョンビンさんのファンなので、いまでも情報交換していると、「ヒョンビンのオフ会に行ってくる」というLINEが来ることも(笑)。韓国作品はポイントや演出を作るのが上手映画『告白、あるいは完璧な弁護』2023年6月23日より全国公開中。(C)2022 LOTTE ENTERTAINMENT & REALIES PICTURES All Rights Reserved.――ヒロインでいま注目している韓国の女優さんはいますか?この間、試写会で観させていただいたソ・ジソブさん主演のサスペンス韓国映画『告白、あるいは完璧な弁護』に、ガールズグループ「AFTERSCHOOL」のナナさんが出ていて、お上手だなと。K-POPアイドル出身の女優さんは、お芝居が上手な方が多いんだなと注目しています。お芝居はまだですが、今後は「aespa(エスパ)」のウィンターちゃんの演技も観てみたいな。――確かにK-POPグループ出身の方も映像作品でご活躍されている方は多いですよね。それだと私は、少女時代のユナさんが好きです。K-POPといえば、橋本さんの書籍では“韓流あるある”の度合いをBTSのキム・ナムジュン(RM)さんに扮して表現していますね。BTSもずっと追っていて、ナムさんが口角をよく上げていることに気づいて、まねしてみたら意外と似せられるかなとやらせてもらうようになりました。書籍では、ナムさんの口角の上がり具合で、あるある度を三段階で表現しています。『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』より。――では最後に、韓国作品の良さはなんだと思いますか?たとえ結果がわかっていても、そこまで行く足かせがすごく面白いところでしょうか。韓国ドラマや韓国映画を観ていると、「なんで!?」とツッコミたくなる、ぼやきたくなるようなポイントを作るのはとても上手ですよね。韓国ドラマの最後の終わり方ひとつとっても、毎回続きが気になる演出も上手ですし、結局、ベタが素敵だなと思います。ベタなところは変わらないでいてほしいですね。――では今後も、韓国作品をいろいろとご覧になっていくとネタも増えて、「韓国あるある本」の第2弾が発売されることも?そうですね。韓国ドラマが進化していくと思うので、またそれに合わせた“韓ドラあるある”を新しい形でもやっていけたらいいなと思います。Information『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』(世界文化社)発売中¥1,650(税込)教えてくれた人スクールゾーン橋本稜(はしもとりょう)1992年1月10日、埼玉県生まれ。NSC(吉本総合芸能学院)東京校16期卒業。2011年、俵山峻(たわらやましゅん)と「スクールゾーン」を結成。幼少期より慣れ親しんだ韓国ドラマやK-POPの知識、特技である韓国語を生かした「韓国あるある」をSNSで発信中。スクールゾーン はしも 公式SNSInstagram「スクールゾーンChannel」YouTube取材・文:かわむらあみり取材・文:かわむらあみり
2023年06月29日ニューヨークで映画を学んだあと、世界各地の映画祭などで国際的に評価されて注目を集めている福永壮志監督。柳田國男の「遠野物語」から着想を得て作られた最新作『山女』では、初めてプロの俳優を主人公に起用し、閉鎖的な村社会や同調圧力、格差といったものを臆することなく描いています。そこで、本作で主演に抜擢されたこちらの方にお話をうかがってきました。山田杏奈さん【映画、ときどき私】 vol. 589『樹海村』や『ひらいて』、『17才の帝国』など、話題の映画やドラマに多数出演し、若手の注目株としてさらなる活躍が期待されている山田さん。本作では、先代の罪を背負い、人々から蔑まれながらもたくましく生きる主人公の凛を見事に演じてきっています。今回は、役作りへのこだわりや現場の様子、そして自身が思い描くこれからに語っていただきました。―最初にお話があったとき、どのようなお気持ちでしたか?山田さん台本を読んだだけでも、自然の力強さみたいなものをすごく感じました。そして、そのなかでひたむきに生きている凛という女性の人生を描いているので、そういう作品で大きな役を演じさせてもらえることがうれしかったです。―役作りは難しいところもあったと思いますが、どういったところからアプローチを始めましたか?山田さんまずは、方言の練習から始めました。あとはわらじを編むシーンのために、家にわらを持って帰ってわらじを編んだこともありますが、そのときは家のなかがわらだらけになってしまって大変だったことも(笑)。でも、そんなふうに少しでも凛の生活に触れられるようにしたいと思って取り組みました。ほかにもリップクリームを塗らずに唇をガサガサにさせたり、髪の毛をボサボサのままにしたり、あえてあまりキレイにしないようにもしています。森山未來さんの佇まいと能力の高さはすごかった―劇中では役柄的に追い込まれるシーンが多かったので、精神的にきつい部分もあったのではないでしょうか。山田さん私自身は、もともとあまり引きずるタイプではありません。ただ、ずっと山形に行きっぱなしだったので、そういう意味で家に帰りたいなと思ったことはあったかなと。でも、気分転換に散歩をしたり、道の駅に行ったり、地元のおいしいご飯を食べたりしていたので、山形をすごく堪能させていただきました。―けっこう切り替えが得意なタイプでいらっしゃるんですね。山田さんそうですね、私はわりとすぐに戻れます。ただ、どこかで我慢しているところはあったので、撮影が終わってからはネイルをしたり、髪の毛や眉毛を染めたり、服を買いに行ったり、現代人に戻れることを一通りして、「終わった!」という気分にして役から抜けました。―今回は、山男として森山未來さんが出演されていますが、セリフがないにもかかわらず見事な存在感を放っています。ご一緒されてみていかがでしたか?山田さん本番以外では世間話をしたりと普段の森山さんなんですが、いざ始まると歩き方が変わり、まるで1匹の動物がいるかのような空気感と佇まいになるので、その様子はすごかったです。以前から素敵な役者さんだとは思っていましたが、山男としてその場にいる能力の高さに圧倒されました。みなさんに支えられたおかげで、安心してお芝居ができた―休憩中には、木の上で寝ていたこともあったとか。山田さんただ眠くて寝ていただけなのか、役作りだったのかはわからないのですが、いい意味でいろんなことを気にせずに役へ飛び込んでいける方なのかなと思いました。そういうことをしてしまうマインドは、もはや究極だなと。だからこそ説得力を生んでいるので、森山さんの山男の姿を見ているだけで凛の気持ちになれるだろうと思い、「ついていかせてください!」という感じでした。―そのほかも、若手からベテランまで素晴らしい方々が集結していましたが、印象に残っていることはありますか?山田さん父親役の永瀬正敏さんは、役としてはかなり厳しかったですが、実際はとにかく優しかったので、「大丈夫?」といつも気にしてくださいました。クランクアップのときには映像を撮って、わざわざ送ってくださったりもしたので、本当のお父さんみたいでしたね(笑)。今回はほかにも大ベテランの方々ばかりだったこともあり、背中を見せてもらいつつ、安心してお芝居をさせていただきました。本当に優しくしていただいたので、みなさんに支えられていたと思います。自分のことを評価できるのは、結局自分しかいない―凛を演じるなかで諦めの精神みたいなものを感じられていたそうですが、そこは野望みたいなものを持っていない“さとり世代”であるご自身の感覚と近いものがあったとか。そんななかで、今後についてはどうなりたいというのはありますか?山田さん世代とひとくくりにしていいのかわかりませんが、私は遠い先の目標や夢というのをあまり抱いたことがありません。おそらくそれは、「実現できなかったときが怖い」という気持ちが漠然とあるからではないかなと。だから、目先のことだけを考えてしまうのだと思います。でも、いま22歳になって、少しずつ10年後の計画をふわっとでも立てなきゃいけないのかなと考えることも…。しっかりと自立していたいという目標はありますが、まずは目の前のことをがむしゃらにするしかないとも感じています。若いうちにしかできないこともあるので、とりあえず25歳くらいまでは「まだ若いので!」と言いながらいろんなところに飛び込んでいきたいです。―ある信念を持って生きている凛のように、山田さんにとって支えとなっている思いとは?山田さん自分のことを評価できるのは結局自分しかいないので、何か失敗したとしても、「あのときの自分ができることはすべてやった」と思えるようにしたいなとは考えています。なので、まずはあとで後悔しないようにそのときのベストを尽くすというのはいつも意識していることです。1つの価値観に当てはめようとするのはナンセンス―素晴らしいですね。また、本作では女性差別や同調圧力などについても描かれていますが、ご自身もこれまでにそういう経験をされたことはありますか?山田さん私はそういう場面に出くわしたときは、わりとその場で思っていることを言ってしまうほうですね。いろんな人がいますが、「男女関係なく、各々の考えを大事にしましょう」という風潮のなかで、相手を1つの価値観に当てはめようとするのはナンセンスじゃないかなと。ただ、ケンカはしたくないので、そもそもそういう人とは距離を置くようにしています。―なるほど。ちなみに、落ち込んだりしているときには、どのようにして元気を取り戻していますか?山田さん私の場合は、「とにかく食べて寝る」です(笑)。自分でがんばったなと思ったときは、何もしない日を1日作って、好きなものをいろいろと出前してサボります。「これだけ毎日ちゃんとやったんだから今日くらいいいよね」と。でも、その日が終わると罪悪感が生まれるので、それでまたがんばるというのを繰り返しています。自分も強さのある人になるのが目標―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。山田さん私自身も生きていると悩みごとが多いなと感じています。だからこそ、決して恵まれた環境に生まれたわけではないけれど、自分の幸せのために生きようとする凛の姿をこの映画を通して感じていただきたいです。時代背景は違いますが、私もそういう強さのある人でありたいというのが目標なので、ぜひみなさんにもそういう部分を見ていただけたらと思っています。インタビューを終えてみて…。吸い込まれそうな瞳が印象的な山田さん。柔らかいオーラのなかにも、芯の強さが伝わってきて、劇中の凛とつながっているようにも感じました。これからも幅広い役どころで、さまざまな表情を見せてくれるのが楽しみです。雷に打たれるような衝撃が走る!社会にはびこる理不尽さや息苦しさなど、現代にも通じる感情に訴えかける本作。圧倒的な自然の美しさと俳優陣から放たれる熱量、そして過酷な運命に見舞われながらもそのなかで自分らしさを見つけていく女性のたくましさに心を激しく揺さぶられる必見作です。写真・園山友基(山田杏奈)取材、文・志村昌美ヘアメイク・菅長ふみ(Lila)スタイリスト・武久真理江ブラウス、スカート 参考商品(ともにNATSUMI OKUMURA/)、イヤーカフ(左耳)¥3,600、ブレスレット(左腕)¥6,000、リング(右手人差し指)¥3,000(すべてgraey/)、イヤーカフ(右耳)¥20,900、リング(右手中指)¥52,800(ともにSARARTH/SARARTH カスタマーサポート )ストーリー18世紀後半、冷害による食糧難に苦しむ東北の村で、父と弟と暮らしていた17歳の凛。誰もが忌み嫌う仕事を引き受け、人々から蔑まされながらもひたむきに生きていた。そんな彼女の心の救いは、盗人の女神様が宿ると言われる早池峰山だった。ある日、飢えに耐え切れなくなった凛の父親・伊兵衛は、村の蔵から米を盗んでしまう。家を守るため、村人たちから責められる父をかばった凛は、罪を背負って自ら村を去る。そして、決して越えてはいけないと言い伝えられる山奥の神聖な森へと進んだ凛の前に、伝説の存在として恐れられる“山男”が現れることに…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『山女』6月30日(金)ユーロスペース、シネスイッチ銀座、7月1日(土)新宿K’s cinemaほか全国順次公開配給:アニモプロデュース(C)YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023年06月29日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションウィーク後のモデルさんのファッションをチェック。なかでもデニムがかなり人気なので、デニムスタイルをピックアップしてご紹介します。グレーの細めデニムが合わせやすい!さすがモデルと言わんばかりの細身デニムで、その脚の長さがが際立ってます。グレーデニムだと他のいろんな色との相性も良いんです。定番カラーに飽きてきたら、今年はグレーがおすすめ!ビーガンレザーと合わせてクールに落ち着いた深めのインディゴブルーがぴったり合うビーガンレザージャケット。厚底アンクルブーツとヘソ出しで、脚の長さがとんでもないことになってますが、インディゴブルーはブラックカラーとの相性抜群!かっこよく着こなしたい時はぜひ真似てみて下さい。懐かしいブーツカット風デニム明るめブルーが似合うブーツカットを、カラー染めされたトレーナーにさらりと合わせたカジュアルスタイル。ブーツカットはスタイルを作り出すのが難しいのに、このカジュアル感はさすが!ワイドパンツが今年も熱い!人気中のワイドデニムパンツを履く時は、できるだけトップスは短めがいいかも?!上下のメリハリができ、ワイドデニムでもぼたつき感なくすっきりと着こなせます。ボーイズ風デニム一番人気のこのシンプルな程よいワイド感が今どきっぽい。カラーも明るめブルーが夏らしく、ホワイトTシャツに合わせるだけで可愛いかも!写真のようにカラフルなトップスでももちろん、なんでも合うので、一本は持っていたい定番デニムです。ライトカラーは夏向け!できるなら夏は明るい色で過ごしたいという方には、ライトブルーが素敵なデニムがおすすめ。冬よりも夏によく見かける色でもあります。柄ありデニムで個性発揮!デニムは種類や色が数あれど、なんとなく雰囲気は同じに見えるというかたには、思い切って柄があるデニムもおすすめ。滅多に見かけないので、人と被ることもなく、自分なりのファッションを楽しめます!いかがでしたでしょうか?モデルのみならず普段着として一般的に普及しているデニムパンツは、着こなしの自由度が本当に高い。夏らしいスタイルでこれからもデニムパンツを愛用してくださいね。著者情報平野秀美ひらの・ひでみヨーロッパ在住で、ヨーロッパ各地のファッションウイークなどを取材しているファッションジャーナリスト。写真・文 平野秀美
2023年06月25日現在、社会的にも大きな関心が寄せられている問題といえば、認知症や介護について。そんななか、まもなく公開を迎える注目作『オレンジ・ランプ』では、39歳で若年性認知症と診断された夫とその妻の9年にわたる道のりを実話に基づいて描いています。そこで、主演を務めたこちらの方に、お話をうかがってきました。貫地谷しほりさん【映画、ときどき私】 vol. 588映画『サバカン SABAKAN』やドラマ「大奥」など、幅広い作品で活躍を続けている貫地谷さん。劇中では、若くして認知症を発症してしまう夫を前向きに支え続ける妻の真央を演じています。そこで、本作を通じて感じたことや夫婦として大切にしたい思い、そして笑顔の秘訣について語っていただきました。―最初にオファーがあったときのお気持ちはいかがでしたか?貫地谷さんいま、私の母が認知症の祖母を介護しているというのもきっかけの1つとしてありましたが、この作品はとても明るいお話だったので、それをみなさんにも伝えたいという思いで受けました。というのも、以前流行った韓国映画『私の頭の中の消しゴム』の影響もあり、若年性認知症には私自身も悲しいイメージがあったからです。―実際、台本を読まれてみてどういう印象を受けましたか?貫地谷さん正直に言うと、この作品ではあまりにみんながいい人すぎたので、「本当にこんなファンタジーみたいな世界があるのかな?」と疑うような気持ちがあったのも確かです。でも、作品が出来上がって試写をしたときに、主人公のモデルである丹野智文さんが号泣しながら「そのまんまです」とおっしゃっていたので、現実にこんな優しい世界があるんだなと驚きました。この話が奇跡ではなく、当たり前の世界になってほしい―確かに、まさに映画のようなお話ですよね。貫地谷さん家族も友達も会社の人たちみんながすごく理解のある方々なので、私も最初は奇跡だと思っていました。ただ、実際にあったことなので、奇跡ではなくてこれが当たり前になる世の中になってほしいなと。この話が本当だという事実が私にとっては励みになっています。―とはいえ、認知症に対する世間のイメージはまだまだ厳しいものが多いのが現実です。本作で描かれているような優しい世界が当たり前になるためには、どうすればいいと思われますか?貫地谷さんまずはこの映画を観ていただきたいですが、私が思ったのは、知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあるということです。たとえば、認知症の方が食事のあとに「まだご飯を食べていない」と言ったとして、「さっき食べましたよ」と否定するのは自尊心が傷つけられてしまうので言ってはいけないとされています。でも、これも知らないと普通に言ってしまいますよね。それから、いまは行政の支援もいろいろと増えてきたそうなので、相談できる場所があるということを頭のなかに留めておくことも大事なこと。これは認知症に限ったことではないと思いますが、介護ではつい我慢したり、1人で抱え込んだりしがちなので、そういう仕組みを知っておくことの大切さを私も今回学びました。夫のように相性のいい人と出会えてラッキーだった―演じるうえで、「もし自分だったらどうするか?」というのが頭をよぎったこともあったのではないかなと。貫地谷さんそうですね。丹野さんのようにさまざまな機能をうまく活用していけばいいのかなとか、支えてくれる家族のことなど、いろいろと考えました。本当にいつ何が起こるかわからないですからね。以前なら「後でやればいいかな」と考えていたことも、「いますぐやったほうがいい」という意識に変わったのはこの作品の影響だと思います。―また、本作は夫婦の物語でもありますが、丹野さん夫妻の生き方に触れたことでご自身の夫婦観にも変化はありましたか?貫地谷さん「夫のことを大切にしよう」と改めて思いました。ときには自分の価値観やペースを押し付けそうになってしまうことがありますが、もっと夫の考えを尊重しなきゃいけないなと。私は本当に何でも夫に話してしまうので、秘密がなさすぎて逆に大丈夫かなと思うこともあるくらいです(笑)。一番の親友でもあります。―では、夫婦円満の秘訣として意識していることは?貫地谷さん付き合っているときも、結婚してからもまったく関係が変わらないので、単純に相性がいいんでしょうね。そういう人と出会えてラッキーですし、ありがたいことだなと感じています。お互いの両親も仲良くしていて、お正月には両家揃ってみんなで過ごすほど。何かあっても、家族の存在は心強いなと思えます。人と健康は財産だと感じている―素敵なご関係ですね。また、本作では、つらいときは大丈夫ではないと周りを頼ってもいいんだと教えてくれますが、ご自身は悩みがあるときはどのようにされているのでしょうか。貫地谷さん私は自分の悩みは自分で解決するほうであまり人に言わないタイプなので、周りが良かれと思ってかけてくれた言葉がまっすぐ届かないこともありました。でも、何気なく聞いた言葉からヒントを得られることもあるので、やっぱりいろんなことに耳を傾けるのは大事だなと。この作品で周りの人たちがこんなにも力になってくれることに気づかされたので、本当に人と健康は財産だなと思います。―ちなみに、これまで貫地谷さんがかけられた言葉によって救われた経験があればお聞かせください。貫地谷さんたくさんありますが、渡瀬恒彦さんと最後にご一緒させていただいたときのこと。渡瀬さんからお手紙をいただいたのですが、そこに「貫地谷がこれからすることは、愛に惑うことです」と書かれていました。迷っているときやつらいとき、答えが見つからないときがあっても、その言葉を思い出すと「この瞬間が大事なんだ」と思えるのですごく救われています。言葉の通じないところで、本当の冒険がしてみたい―30代前半でananwebにご登場いただいた際、「30代はきちんと生活をすることを意識している」「もっと冒険して好きなものを突き詰めたい」とお話されていましたが、30代も後半に差し掛かってきて心境に変化は?貫地谷さんいまも考えていることは同じですし、その通りにやってこれている気がしています。しかも、夫がすごく好奇心旺盛なタイプなので、おかげで私もいろいろと見ることができたり、知ることができたりしているので楽しいですね。食事のことをちゃんと考えるのも当たり前になってきたので、そういったこともうれしいです。―してみたい冒険については、「苦手意識があるが、色っぽいお芝居にも挑戦してみたい」ともおっしゃっていましたが…。貫地谷さんそこに関してはまだしてないですし、いまだに苦手ですね(笑)。それよりも本当の冒険がしたいですね。というのも、私は旅行をしたり、漫画を読んだりして異世界に思いをはせることが好きなので、言葉が通じないようなところでがんばってコミュニケーションを取るような経験ができたらいいなと。最近は、旅に出ることが私のモチベーションとなっています。―では、いま行きたいところといえば?貫地谷さん暖かくて、海がある場所でゆっくりできたらいいですね。ちなみに、つい最近もビーチがある海外に1週間くらい旅行したんですが、東京に帰ってきてしばらくしたらスマホに「先週より使用時間が38%増えています」という表示が出ました。そのときに気づいたのは、旅行をしたことでこんなにもデジタルデトックスもできていたんだということ。心が波立つこともなかったので、こういう時間は必要だと改めて感じました。自分の気持ちがどこにあるのかを知るのは大切なこと―貫地谷さんと言えば、いつも笑顔が素敵ですが、意識されていることがあれば教えてください。貫地谷さん以前、「自分に嘘をついていると、本当の気持ちがわからなくなっちゃうよ」と言われたことがありますが、まさにその通り。私の場合は夫に愚痴ったり、友達に話をしたりしますが、自分にとって何がつらいのか、何が悲しいのか、何が楽しいのか、というのを明確にするのは大事なことではないでしょうか。自分や人に嘘をつくというのはすごく体力を使いますし、つじつまを合わせるのも面倒くさいので、正直に生きることがストレスを溜めない秘訣であり心が一番健やかになる方法だと思います。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。貫地谷さんまずは、自分の気持ちがどこにあるのかというのを知るのはすごく大切なことだと思います。私は20代前半に悲しかったり、つらかったり、悔しかったりすることが多かったですが、30歳頃に同じような波が来たときにちゃんと向き合ってみたら前よりも少し自分に優しくなれました。周りに流されないことも大事ですが、そんなふうに受け入れてみる瞬間も必要だと考えています。ぜひ、無理せずに自分が心地いいと感じるペースでやってみてください。インタビューを終えてみて…。ananwebの連載にご登場いただくのは、3回目となった貫地谷さん。お会いするたびに魅力が増しているように感じていましたが、ご夫婦の素敵なエピソードを聞いて思わず納得してしまいました。明るさと芯の強さを兼ね備えた真央は、貫地谷さんのハマり役でもあるので、ぜひそのあたりも注目してご覧ください。諦めなければ、希望の灯りは見つけられる!家族だけでなく、周囲の人たちにどれだけ支えられて生きているのかを改めて感じさせられる本作。人生は思いがけないことの連続ではあるものの、向き合い方によっては新たな発見や可能性に出会うこともできるのだと気づかせてくれるはずです。写真・安田光優(貫地谷しほり)取材、文・志村昌美ヘアメイク・ICHIKI KITA(Permanent)ジャケット¥69,300、ベスト¥42,900(ともにsuzuki takayuki/03-6821-6701) 、パンツ¥25,300(MEYAME/ソークロニクル 03-5486-8009)、ピアス¥6,600(AMOR/ )、シューズ(スタイリスト私物)ストーリー妻の真央と2人の娘と暮らしていた39歳の只野晃一。カーディーラーのトップ営業マンとしても、充実した日々を送っていた。ところが、顧客の名前を忘れるなど、晃一に異変が出始める。そんななか、下された診断は「若年性アルツハイマー型認知症」だった。驚き、戸惑い、不安に押しつぶされていく晃一は、退社を決意する。心配のあまり何でもしてあげようとする真央だったが、ある出会いがきっかけで2人の意識が変わる。そして、「人生を諦めなくていい」と気づいた彼らを取り巻く世界が変わっていくことに…優しさに満ちた予告編はこちら!作品情報『オレンジ・ランプ』6月30日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー配給:ギャガ(C)2022「オレンジ・ランプ」製作委員会写真・安田光優(貫地谷しほり)
2023年06月24日