誰もが一度は悩みを抱えたことがある問題といえば、家族やパートナーとの関係について。そこで、ある実在の夫婦から学びを得られる注目のドキュメンタリーをご紹介します。『人生ドライブ』【映画、ときどき私】 vol. 485熊本県宇土市で暮らすのは、7男3女の子どもに恵まれた岸英治さんと信子さんの夫婦。今年で結婚から39年が経つ2人は、ドライブをしながらこれまでを振り返ることに。岸家では、子どもたちが月に一度だけ自分が生まれた日にお父さんかお母さんを独り占めできる日や夫婦だけで過ごす日を設けたり、60代を過ぎたいまでもお互いを名前で呼び合ったりして、仲睦まじく過ごしていた。そんななか、自宅の全焼や熊本地震、緊急入院など、さまざまな困難が家族に襲いかかる。それでも、英治さんと信子さんは、ときに2人で、またあるときは家族とともに乗り越えてきた。山あり谷ありの道を走り続けてきた2人が抱える思いとは……。熊本県民テレビ開局 40 周年を記念して制作された本作は、同局が2000年頃から21年にわたって岸家を密着した映像を再編集した劇場版。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。城戸涼子監督2002 年 から熊本県民テレビで報道記者としてキャリアをスタートさせて以降、幅広いジャンルで20本以上のドキュメンタリー制作に携わってきた城戸監督。今回は、岸さん一家と触れ合うなかで教えられたことや撮影の裏側などについて、語っていただきました。―熊本県民テレビ開局 40 周年の企画として、岸さんたちのことが真っ先に思いついたそうですが、これまで数多くの取材をされているなかでもこの題材にしたいと思ったのはなぜですか?監督私は2006年から2年間にわたって岸家を取材したあと、2019年にもう一度担当することになりました。ちょうどそのときに、開局40周年の企画を社内で募集していたので、岸家ならたくさん映像が残っているので何かできるのではないかなと。私が入社する前からの映像もあるので、それらをもう一度見つめ直してみたいと考えて応募しました。―とはいえ、20年以上撮りためてきた映像を見るのはかなりの重労働だったのでは?監督はい、見るだけでも1か月以上かかりました。取材の総合計時間としては、推定でだいたい480時間くらい。ただ、過去の担当者によると、編集されていない素材が300本近く消されているということなので、私もすべてを見ることができたわけではありませんが、今回は過去の映像を見る作業とどこを使うかを考える作業が一番大変でした。お互いを尊敬し合う関係を築いている姿が素敵だった―それだけ膨大な映像を編集するうえで、意識していたこともあったのでしょうか。監督これまでテレビ放送の編集しかしたことがなく、CMなしで90分という映像を作ったことがなかったので、そこは少し苦労したところですね。そのなかで気をつけていたのは、テレビとの違い。たとえば、テレビの場合は、時間に制限がありますし、ピンポイントでしか出来事を伝えられないので、勘違いされないようにナレーションで説明を入れる必要があります。でも、映画ではなるべく余計な説明を入れずに、映像を見て理解していただきたいと思ったのです。構成で入っていただいた佐藤幸一さんのアドバイスを受けながら観客のみなさんと一緒に考える“余白”を残せるような編集にしたいという思いで、最初から最後まで作りました。―なるほど。ちなみに、岸家のみなさんと最初に会われたときは、どんな印象を受けましたか?監督私が初めて行ったとき、家にいたのはおもに小さい子どもたちだったので、もみくちゃにされながらいつも必死に撮影していた感じですね(笑)。本当にみんな元気だなと。でも、2019年に再び訪れたときは、すでに大きくなった子どもたちは家を出ていたので、もはや大家族ではなくなっていた状態。それでも、英治さんと信子さんはお互いを尊敬し合える関係を築いていたので、それが素敵だなと思いました。最初は、子どもがたくさんいる夫婦ということで始まった取材でしたが、最近はどちらかというと、英治さんと信子さんという夫婦を軸に取材しているので、2人にたまたま10人の子どもがいただけのように感じています。円満の秘訣は、気持ちを言葉や態度で示すこと―確かに、大家族の物語と思いきや、夫婦の在り方について学ぶ部分は多いですよね。結婚から40年近く経ったいまでもお互いに恋している感じがひしひしと伝わってきて素敵でしたが、夫婦円満の秘訣は何だと思いましたか?監督わかりやすいところで言うと、「ありがとう」とか「ごめんね」をきちんと口に出していることかなと。お2人の間には、「長い付き合いだから言わなくてもわかるでしょ?」があまりないので、いまでもいい関係なんだろうなと思いました。英治さんと信子さんはお互いが1番で、その次が子どもという感じですが、それを子どもたちもわかっていて、嫌だと思っていないところがいいですよね。もちろんケンカをすることもあるそうですが、普段から相手に対する感謝や尊敬の気持ちを言葉や態度で示しているので、お互いに信じているというか、多少のことでは揺るがない。英治さんが借金を抱えたときも、信子さんは子どもたちに悟られないようにしていたそうですが、そういう姿を見ていたからこそ、子どもたちも安心して育っていったのだと思います。―また、岸家では月に1日は「ちゃんの日」としてお父さんかお母さんを独り占めできる日を作ったり、夫婦でデートする日を設けたり、ルールを決めているのも素晴らしいなと。どういったきっかけで生まれたのでしょうか。監督3人目か4人目が生まれたあたりから、毎月ちゃんの日を作り、そのときに夫婦の日も作ったと聞きました。それ以外にも、子どもたちが寝静まったあとに2人で家の周りをぐるっとドライブすることもあるそうですが、5分だけでも2人きりの空間になれるとリフレッシュできて、また子育てをがんばろうと思えるのだそうです。苦しいことの先には、ちゃんと幸せがある―素敵ですね。子どもが生まれると、夫婦の関係性が変わる人もいると聞くので、そういう方には参考になるのではないかなと。監督そうですね。ただ、スタッフの間では夫婦で観に行ってもいいのか物議を醸しています。というのも、英治さんがすごすぎて比べられそうだという男性陣と信子さんみたいに優しくできないという女性陣がいて、気まずくならないか心配しているみたいです(笑)。そのいっぽうで、「夫婦で観に行きます」という人もいるので両極端ですが、観たあとは相手に優しくできるのではないかなと思っています。取材の帰り、私もカメラマンも「家に帰ったら家族に優しくしよう」と毎回反省していたくらいですから(笑)。―いろいろと話し合うきっかけができるという意味では、パートナーと一緒に観るのは面白いかもしれないですね。また、どんなに大変なことが起きても、つねに笑顔の信子さんが印象的でしたが、あの強さはどうやって培われたのでしょうか。監督信子さんは「どんなに苦しいことがあっても、それが幸せの入口であったことに気づかされることが人生で何回もあったから、多少大変なことがあっても目の前のことを乗り切るためにひたすらがんばれる」とおっしゃっていました。実際、火事や地震、病気などに見舞われたときも、そのあとに子どもたちが結婚したり、孫が生まれたりしていて、よくないことだけが続くことってないんですよね。いいことと悪いことの繰り返しなんですけれど、信子さんのように前向きなとらえ方をするだけで、人はこんなにも表情が変わるのかと。もちろんいろいろな経験をしたからこそではありますが、前向きな気持ちを1週間、1か月、1年と持ち続けていければ、苦しいことの先にちゃんと幸せがあるんだというのを信子さんから教えてもらいました。大切な人との関係を立ち止まって考えてほしい―岸家を通して、家族の絆を深めるために大切なことは何だと感じましたか?監督やっぱり、大事な人こそいい加減にしないことだと思います。小さな積み重ねをすることによって、しっかりとつながることができるというのは、岸さん家族を見ていて感じました。「相手に毎日『好き』と言うべき」とまでは言いませんが、照れたりぶっきらぼうになったりせずに、言葉や態度で相手に伝える必要はあるのではないかなと。ただ、このことは家族じゃない人に対しても言えることなので、近くで過ごしている大切な人と気持ちよく一緒に生きていくヒントは、英治さんと信子さん夫婦や岸さん家族を通して見えてくるのではないかと思っています。―その通りですね。それでは最後に、ananweb読者へメッセージをお願いします。監督映画の表向きの看板は、大家族の21年間を描いた作品ですが、私は英治さんと信子さんのパートナーシップの物語だと思っています。誰に自分を重ねるかによっても、かなり見方が変わる映画ではありますが、参考になる部分はあると思うので、ぜひ大事な人との関係を立ち止まって見つめるきっかけになってもらえたらうれしいです。前を向いて人生を進んでいく力をくれる!英治さんと信子さんが届けてくれるのは、どんなに険しい道でも笑顔で乗り切るための“活きたヒント”。家族やパートナーだけでなく、さまざまな人間関係において大切にしたいことが詰め込まれている本作は、きっと幸せへの近道を教えてくれるはずです。取材、文・志村昌美笑って泣ける予告編はこちら!作品情報『人生ドライブ』5月21日(土)、ポレポレ東中野ほか全国順次公開配給:太秦©2022 KKT熊本県民テレビ
2022年05月19日日常をより豊かなものにするうえで欠かせないものといえば、音楽。そこで、いまオススメしたい映画は、音楽によって人生が変わった女性たちの実話を描いた感動作です。『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』【映画、ときどき私】 vol. 4842009年、愛する人を戦地へと送り出していたのは、イギリス軍基地で暮らす軍人の妻たち。最悪な知らせが届くことを恐れながら、その帰りを待っていた。そこで、大佐の妻ケイトは、同じ立場にいる女性たちを元気づけ、ともに困難を乗り越えるために、合唱団を結成することを提案する。方針の違いから、初めは衝突を繰り返していたメンバーだったが、バラバラだった心と歌声は徐々にひとつになっていく。そこに届いたのは、毎年大規模に行われる戦没者追悼イベントのステージへの招待状。ところが、浮足立っていた妻たちのもとにある知らせが届くことに……。イギリスの駐屯地に住む軍人の妻たちが始めた合唱団の物語は、女王陛下の前で歌唱をしたり、オリジナル曲で全英チャート1位に輝いたりとイギリス全土で大きな反響を呼んだ実話。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。ピーター・カッタネオ監督本作を手掛けたのは、日本でも大ヒットを記録した『フル・モンティ』で知られるカッタネオ監督。今回は、映画化するまでの道のりや作品を通じて伝えたい思いなどについて、語っていただきました。―まずは、この合唱団のことを知ったきっかけやどういったところに魅力を感じたのかについて、教えてください。監督最初に彼女たちのことを知ったのは、あるドキュメンタリーを観ていたときのこと。途中から泣いてしまった僕は、これをベースに映画を作ったら素晴らしいものができるのではないだろうかと考えるようになりました。なぜなら、エモーショナルな映画体験を生み出す“ハートの部分”が音楽になる作品だからです。その後、実際の合唱団に会いに行ったとき、そこで目の当たりにした彼女たちから生まれるエネルギーが素晴らしかったので、ますますやる気に火がつきました。―彼女たちに映画化のことを伝えた際、アドバイスやリクエストなどもあったのでしょうか。監督まずは、「見ていてつまらないようなキャラクターにはしないでね」と言われました。特に、家でただパートナーの帰りを待っているだけの女性像にはしないでほしいと。自分たちの人生もしっかり持っているし、そこには笑いもあるものだから、と教えてもらいました。そういったこともあって、この映画ではしっかりとユーモアを描いています。そのほかに、気をつけなければいけないと思ったのは、映画のトーンについて。あまりセンチメンタルになりすぎてもいけないし、重すぎてもいけないというのは意識しました。実際の基地では、パワフルな体験をした―撮影は、本作のモデルとなった駐屯地のなかで行ったということですが、実際に基地で暮らす人々の生活に触れてみて、どのような印象を受けましたか?監督最初にセキュリティのゲートを通って入っていくのですが、あの瞬間というのは僕にとってパワフルな体験でした。あとは、子どもたちが走り回っている隣に戦車があったり、軍人がいたりする光景は普段見ないものだなと感じたのを覚えています。基地のなかはすごく静かで、戦地とはかけ離れていますが、それでもその様子を見ていると、前線のことが頭をよぎりますし、こういう生活のなかで悲しい知らせが来る瞬間とはどんなものなのかと改めて考えさせられました。そういうことを知るだけでも、とても強いインパクトを受けたと思います。―ちなみに、基地の方々は最初から受け入れてくださったのか、説得までに苦労した部分もあったのか、撮影中の様子についても教えてください。監督初めからとても協力してくれました。おそらく、合唱団が活動を始めてから10年ほど経っていたというのもよかったんだと思います。結成当初は軍からあまりよく思われていないところもあったようですが、いまでは合唱団が完全に軍の一部となっているからです。軍自体も以前に比べると、ひとりずつのメンタルヘルスに気を配ったり、しっかりとフォローするようになっていたりして、オープンな体制に変わっていたので、それもよかったのかなと。軍のみなさんも、この作品に協力することをとても喜んでくれました。音楽のシーンでは、リアルな瞬間を捉えられた―素晴らしいですね。そして、この作品では音楽シーンも見逃せませんが、どういったところにこだわったのでしょうか。監督今回は、本物のサウンドを表現するため、すべての歌唱シーンは撮影現場でライブ録音しています。また、初期の頃は、アマチュア合唱団の不完全な状態を見せるためと荒削りな自然さを大切にするため、リハーサルを行わずに撮影しました。そのほかに大変だったのは、俳優さんたちが歌に対する自信のレベルがかなり違ってたこと。歌うことに恐怖心を持っている人もいれば、うますぎるくらいの人もいたので、それを揃えていく必要はありました。そんななかで、彼女たちが曲にグッと入っていく瞬間はそのままを捉えられたので、リアルなものが映っていると思います。―だからこそ、彼女たちの歌には込み上げてくるものがありました。本作には、個性豊かなキャストが揃っていたと思いますが、彼女たちと合唱を通じて学んだこともありましたか?監督本当に幸せオーラの溢れる現場で、みんながすごく仲良くなったのですが、一緒に歌を歌うことによってお互いのことを知れたのがよかったのかなと。人前で合唱するためには、自分の“仮面”を外し、さらに自分を解放しなければいけないですからね。そのおかげで非常にうまくいったところがあったので、今後はほかの現場でも、リハーサルの1日目にはみんなで歌を歌ってもらおうかなと(笑)。チームを作るうえでは、とても素晴らしい方法だと思いました。日本とイギリスには、似ている部分が多いと感じた―なるほど。実際、イギリスのみならず、海外にも合唱団を作るムーブメントが広がったということなので、どんな方にも有効な方法かもしれませんね。私たち日本人にとっても興味深いところですが、監督は日本に対してどのような印象をお持ちですか?監督日本には映画のプロモーションで行ったことがありますが、とにかく時差ボケがひどくて街をフラフラと歩き回っていた覚えがあります。そんななか、魚河岸でお寿司を食べた思い出がありますが、あれ以来、あんなに美味しいお寿司は食べてないですね(笑)。そのときに世話をしてくださった方から、日本とイギリスは同じ島国であることや人間関係の築き方などが似てる部分があると言われましたが、確かにそうだなと。実際、まるでイギリスにいるような感じで日本の滞在を経験することができました。―本作は2020年にイギリスで公開されていますが、日本で公開を迎える2022年は、戦争について改めていろいろと考えさせられるタイミングとなりました。それによって、この作品に対する見方も変わってくるところはあるのではないでしょうか。監督確かにそうですね。2年前は、いまほどの大きな戦争はありませんでしたが、それでも戦争というものがいかにいろんな人に影響を与えているかというのは描きたいと思っていました。愛する人が何千マイルも離れたところで戦っていたとしても、その戦いは家のなかにまで伝わってきてしまうものですから。そして、誰かのことを心配する気持ちは、まるで前線で起きたことが断層線のように伸びて、戦地から遠く離れた人にまで届いていくような感じだと思っています。そういった悲劇に対してどう対応していくかというのを描くのが重要だったので、今回は政治的な局面や戦地で何が起きているかについては、あえて描きませんでした。立ち上がって、周りより頭が出てもいい―劇中で、「従順な妻路線はナシ!謙虚なヒナゲシじゃなくて、ヒマワリになってやろう」 という彼女たちのセリフに心を動かされる女性も多いと思うので、最後にananweb読者へメッセージをお願いします。監督英語には「出る杭は打たれる」の出る杭のように、「背の高いヒナゲシになるな」という表現がありますが、それは実際に彼女たちが言われていた言葉だと聞きました。それが面白いと思って取り入れたので、実はタイトルも「背の高いヒナゲシ」を意味する「Tall poppies」にしようかと思っていたほど。だからこそ、みなさんにも「背の高いヒナゲシのように、立ち上がって頭が出てもいいんだよ」とまずは伝えたいと思っています。あとは、ひとりよりも大勢で何かすることで生まれるパワフルさも感じていただけたらいいなと。合唱団というのは、まさにそれを体現しているものですが、みんなで力を合わせて歌うからこそ、あそこまで美しい声になるのだというのも楽しんでいただきたいです。一緒に笑って泣いて、前を向く!ひとりでは抱えきれない悲しみや不安があるときこそ、互いに支え合うこと、そして歌って笑い合うことの大切さを教えてくれるハートフルストーリー。苦しみのなかでも強さを身に着けた彼女たちから、勇気と元気をもらえる珠玉の1本です。取材、文・志村昌美歌声に魅了される予告編はこちら!作品情報『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』5月20日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷・有楽町、グランドシネマサンシャイン池袋他全国順次公開配給:キノフィルムズ© MILITARY WIVES CHOIR FILM LTD 2019
2022年05月18日ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」のメンバー7人全員が『ボテロ展 ふくよかな魔法』のオープニングイベントに登場!東京・渋谷にあるBunkamura ザ・ミュージアム内で、トークとフォトセッションが行われました。メンバーのコメントと、彼らが好きな作品をご紹介!BE:FIRSTのみなさん、登場!BE:FIRST(左から)LEOさん、SHUNTOさん、JUNONさん、MANATOさん、SOTAさん、RYOKIさん、RYUHEIさん【女子的アートナビ】vol. 243『ボテロ展 ふくよかな魔法』のオフィシャルサポーターをつとめるBE:FIRSTのメンバーが、展示室に登場!LEOさん、SHUNTOさん、JUNONさん、MANATOさん、SOTAさん、RYOKIさん、RYUHEIさんが、作品《コロンビアの聖母》の前に並び、フォトセッションが行われました。この展覧会では、南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロ(1932~)さんの作品を展示。初期から近年までの油彩や水彩、素描作品など全70点を楽しめます。ボテロさんは、現代を代表する美術家のひとり。1950年代後半から欧米で高く評価され、世界各地で展覧会が開かれています。彼の作品の特徴は、あらゆるかたちがふくらんでいる、という点。人だけでなく、植物や果物、楽器や日用品でさえもふくらんでいます。2022年は、ボテロさんが生誕90年を迎えた節目の年。本人が監修したこの展覧会は、彼の作品をまとめて見られる貴重なチャンスです。ボテロ愛あふれるトーク!ボテロ展の開幕に合わせて開かれた取材会では、BE:FIRSTのみなさんがオフィシャルサポーターとしての意気込みや、展覧会の楽しみ方を語ってくれました。まずは、メンバー全員のコメントを一挙にご紹介!LEOさんこんなステキな絵のオフィシャルサポーターを、デビューして間もない僕たちができるのはすごくうれしく思います。たくさんの人の愛を受けて、この場所に立てることを感謝していますし、誇りに思っています。SHUNTOさんこの機会をいただき、ありがたいと思っています。老若男女問わず、いろいろな目線やその人なりの解釈で絵をご覧になれると思います。すごい魅力がつまった絵画ばかりです!JUNONさん今日、はじめてボテロ展を見て、オフィシャルサポーターになれたことを誇りに思いますし、改めて自信をもって僕たちもみなさんにおすすめしたいと思いました。MANATOさん僕は、もともと美術館に来たことがほかのメンバーよりも少ないと思うのですけど、今回、いろいろな絵に興味をもちました。絵は、音楽とけっこう近い。表現するのが、絵と音楽という違いだけだったので、僕たちが刺激をもらえることが多かったし、勉強になりました。SOTAさん今日までオフィシャルサポーターとして意気込んで、がんばってきました。音声ガイドや映像撮影、僕たちだからこそ感じるボテロ展の魅力を精一杯伝えてきました。それがみなさんに届いて、少しでもここに来たいとか、興味をもつ人が増えたらうれしいなと思いました。RYOKIさん個人的に美術館や展覧会はすごく好きなのですが、ここ数年は忙しくてあまり行く機会がありませんでした。今回、久々に来させていただき、この独特の空間、すごく好きだなと感じました。絵と見つめ合い、ボテロさんはどういう思いでこの絵を描いたのかとか、説明文を読んで妄想し、自分の時間をつくれる場所だなと思いました。忙しければ忙しいほどリフレッシュできるし、自分を見つめ直せる時間になる。ぜひ、お越しいただきたいです。RYUHEIさんボテロさんが長年描いてきた歴史、すべてがこの展覧会につまっています。音声ガイドでは、絵の魅力を正確に説明するためにすごく丁寧にゆっくり話すよう意識しました。今回、美術館に来て、絵の魅力を感じたので、みなさんにもぜひ来てほしいです。「みんなで決めた絵がある」――続いて、展覧会で印象に残った作品について、LEOさんとRYUHEIさんがコメントしました。LEOさんみんなで、「これがいい」と決めた絵があるんです。RYUHEIさん《楽器》というタイトルの作品で、楽器がたくさん机の上に置いてある静物画です。それが、メンバーのなかで「いいんじゃないかな」となって、決めました。楽器は音楽とも関係があり、僕たち全員が音楽をするグループとして関係性がすごく深いと思い、この作品を選ばせていただきました。「自分たちができる芸術は音楽」――さらに、『ボテロ展』で影響を受けた点について、JUNONさんとRYOKIさん、SOTAさんのコメントをご紹介。JUNONさん芸術を見ると、自分たちができる最大限の芸術は音楽なので、改めて音楽でやっていきたいと思いました。RYOKIさんボテロさんの作品は、もともとの絵があり、それをオマージュしてボテロさん風にアレンジしている作品がけっこうあります。元の絵も、ものすごく芸術性の高い絵です。僕たちも、本物の良いエンターテインメントを見て、それで刺激を受け、良いところを吸収して、自分たちなりにBE:FIRST色にして、みなさんに届ける。これも、やはりアートのひとつで、昔から続いているものだと感じました。そこからニュージェネレーションとか、新しいエンターテインメントが派生していく。僕たちも、その影響のひとつになれればいいと思っています。SOTAさん僕は昔、授業でボテロさんの絵に触れたことがありました。ボテロさんの絵は、人だけでなく、楽器や果物を描いても唯一無二の作品に仕上がります。僕たちも、アーティストとして、自分たちにしか出せない声やダンスを追求していますし、そうすることのすばらしさを改めて感じました。収録時のほっこりエピソード――最後に、音声ガイド収録時のエピソードについて、LEOさんとRYOKIさんのトークをご紹介。LEOさん俳優業もやっているRYOKIのナレーションが、すごく上手で勉強になった。噛まないし、声を聴いているだけでちゃんと心に入ってくるんです。メンバー同士で刺激をもらいながら、新たな発見もしながら楽しくできました。RYOKIさん(LEOさんのコメントに対して)素直に、すごくうれしいですね。ブースに入るときにプレッシャーがありました。噛んだらみんなに昼ご飯おごる、と自分で言ったので(笑)。でも、ほかのみんなも声のトーンがよくて。みんなすごく上手。みんな良かった。LEOさんでも、みんなは噛みました(笑)。RYOKIはすごくて、和やかなムードをRYOKIがつくってくれました。音声ガイドを聴いてみた!BE:FIRSTのみなさんのコメント、いかがでしたか?本当にみなさんの仲が良くて、和気あいあいと話をしていました。今回の取材会でも話題になっていた音声ガイド、どんな内容か気になりますよね。実際に、展覧会の会場で聴いてみました!BE:FIRSTのみなさんはプロローグから登場し、スペシャルトラックでは、好きな作品や絵の感想を楽しそうに語っていました。このガイドでしか聴けない貴重なネタもあります。ぜひ音声ガイドを片手に、展覧会を楽しんでみてください!Information会期:~7月3日(日)※5月17日(火)休館会場:Bunkamura ザ・ミュージアム開室時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)※金・土の夜間開館については、状況により変更の可能性があります。※会期中すべての土日祝は【オンラインによる入場日時予約】が必要となります。観覧料:一般¥1,800、大学・高校生¥1,100、中学生・小学生¥800※最新情報は公式サイトでご確認ください
2022年05月17日ふだん何気なく使っている略語やカタカナ語の由来など、意外と知らない外国語の雑学をご紹介。今回は、日本でよく使われる言葉「NG」、「コンセント」、「テーマ」をピックアップ!「NG」って、そもそもなんの略?日常よく目にする略語「NG」。ドラマなどのNGシーンやNGネタ、NGワードなど、映像系のメディアでよく使われています。誰もが知っている言葉ですが、そもそも「NG」って、なんの略かご存じですか?NGの正式表記は…NGの正式表記は、英語の「no good」です!意味は、「だめ、失敗」。日本語の辞書には、「映画やテレビ、ラジオ番組などの録音録画、撮影などで失敗すること」と載っています。英語由来の言葉で、英和辞典にも載っていますが、英語圏では「NG」ではなく、「no good」と使うのが一般的。それほどメジャーな略語ではないようです。英語ネイティブの人に聞いてみたところ、ほとんどの人が略語の「NG」は使わない、とのこと。外国人と英語で話すときは、「NG」ではなく「no good」を使いましょう!「コンセント」は通じる?続いては「コンセント」。電化製品のプラグを差し込む器具のことですが、これってそもそも何語でしょう?コンセントは、和製語です!例えば、「部屋にコンセントはありますか」と英語でいいたいとき、「concent」という単語を使っても通じません。(英語「concent」の意味は、「一致・調和」です)「コンセント」を表す英語は、outlet、wall socket、pointなど。もともと日本では、明治期ごろにコンセントのことを「concentric plug(同心のプラグ)」と呼んでおり、そこから今の形に変化しました。ちなみに、似たような音の英語「consent」の意味は、「承諾する」「承認」など。医者が患者に治療方法を説明して承諾を得る、という意味を表す言葉「インフォームド・コンセント」のconsentです。「テーマ」は通じる?最後は「テーマ」。「テーマソング」や「会議のテーマ」など、日常生活からビジネスシーンまで、あらゆる場所で使われる言葉です。では、「テーマ」とは、もともと何語由来でしょう?正解は、ドイツ語です!「Thema」はドイツ語の中性名詞。おもな意味は「主題、論題、話題」。発音をカタカナで表すと「テーマ」です。ちなみに、「テーマ」を表す英語はthemeで、発音は「スィーム」。当然ですが、英語で話す場合にthemeを「テーマ」と発音しても通じません。日本で使われているカタカナ語は、ドイツ語由来のものもけっこうあります。また英語由来であっても、和製英語の場合は英語圏の人に通じません。辞書を引くと、言葉の由来が載っていることもあるので、気になるカタカナ語があったらぜひ調べてみてください!参考資料:『独和大辞典』(小学館)『日本国語大辞典』(小学館)『世界大百科事典』(平凡社)
2022年05月15日東京都美術館で『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』が開催中です。本展では、世界最高峰の美術館のひとつ、スコットランド国立美術館から上質な西洋絵画が集結。展示の様子や学芸員さんの解説、おすすめ作品をご紹介します!巨匠たちの作品に会える!【女子的アートナビ】vol. 244『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』では、スコットランドが誇る美術品のなかから、ラファエロやレンブラント、ルノワールなど、巨匠たちの作品や、ターナーやミレイなどイングランド出身の画家たちの作品なども含め、約90点が集結。西洋美術の流れを名画とともに楽しめます。スコットランド国立美術館が開館したのは、1859年。ヨーロッパの他国のように、王室コレクションからスタートした美術館ではなく、購入や地元の名士たちによる寄贈や寄託などによってコレクションを増やしていき、世界有数の美術館となりました。本展では、コレクションのエピソードを楽しめる作品も見ることができます。あだ名が有名!では、おすすめ作品を数点ピックアップしていきます。まずは、第1章「ルネサンス」から、巨匠エル・グレコの《祝福するキリスト(「世界の救い主)」》にフォーカス。イタリアやスペインで活躍したエル・グレコは、ギリシャ出身の画家。本名は、ドメニコス・テオトコプーロスですが、あだ名のエル・グレコ(ギリシャ人)として知られています。故郷のクレタ島で美術の修業をし、その後ヴェネツィアに移住、さらにローマでも働き、最後はスペインに永住しました。本作は、表現力豊かな筆遣いと、赤と青のコントラストが目を引く美しい作品です。学芸員さんのおすすめは…?続いて、第2章「バロック」では、スペインの画家、ディエゴ・ベラスケスの描いた《卵を料理する老婆》をご紹介。ベラスケスは、国王フェリペ4世付きの画家に任命され、「画家の中の画家」と呼ばれた巨匠。国王に信頼され、王室の肖像画を数多く描いたほか、王宮配室長も任されるほど出世した人です。本展担当の東京都美術館学芸員・髙城靖之さんによると、この作品は、ベラスケスがまだ若いころに、自分の力量を知らしめるために描いた野心作。本作の注目ポイントについて、次のように語っています。髙城さん作品の手前には静物を描いている部分があり、金属などの質感をたくみに描き分けています。なかでも一番の注目ポイントは、調理中の卵。素揚げにしているところですが、白身が固まっている最中のものと、すでに固まっている状態のものとがきちんと描き分けられています。卵が固まっていく様子を絵画で見事に表現しているので、ぜひご覧になってみてください。7度も夫を殺された…!?もう一点、バロック絵画で筆者のおすすめ作品をご紹介。オランダ絵画の黄金期に活躍した巨匠、レンブラント・ファン・レインの《ベッドの中の女性》です。一見すると、ふつうに美しい絵画ですが、解説を読んで作品の背景を知ると、あまりに残酷なストーリーに驚愕します。本作品の女性は、聖書の登場人物であるサラと考えられています。彼女は、過去7度も結婚初夜に夫を悪魔に殺されており、この絵は、8人目の夫が悪魔を追い払うところをサラが見守っている場面。この絵を見て、聖書の物語を読み解ける教養や見識が鑑賞者に求められているそうです。絵の背景にあるストーリーを知ると、作品の見え方ががらりと変わります。絵は表面的な美しさだけを見ても十分満足できますが、解説を読むとさらに別の楽しみ方もできます。スコットランド人の故郷愛が伝わる…!最後は、スコットランド国立美術館のステキなエピソードがある絵画をご紹介。本作品は、アメリカの風景画家フレデリック・エドウィン・チャーチの作品です。なぜ、アメリカ絵画が最後に展示されているのでしょう?髙城さんによると、この絵は、スコットランドの貧しい家庭に生まれた人がアメリカに移住し、実業家として成功したあと故郷に寄贈した作品。スコットランド国立美術館は、市民らの寄付などによりコレクションを増やしていった美術館なので、その象徴として最後にこの作品を展示したそうです。巨匠たちの競演を楽しんで!巨匠たちの名画、いかがでしたか?本展は7月3日まで開催。幅広い西洋美術の名品を、まとめて見られる貴重なチャンスです。ぜひ美術館で楽しんでみてくださいね!Information会期:~7月3日(日)※休室日は月曜日会場:東京都美術館企画展示室開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)※金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)※夜間開室については、展覧会公式サイトでご確認ください。観覧料:※本展は日時指定予約制一般¥1,900、大学生・専門学校生¥1,300、65歳以上¥1,400高校生以下無料(日時指定予約必要)※最新情報は展覧会公式サイトでご確認ください問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年05月14日東京国立博物館で特別展『琉球』が開催中です。この展覧会では、金銀や水晶などで飾られた色鮮やかな国宝の冠をはじめ、キラキラ美しいガラス玉の瓶や、神々しい「神猫図」など、貴重なアートや資料が一堂に集結。琉球の歴史と文化を体感できる展示の様子や、おもな見どころをご紹介します!琉球の歴史と文化を体感!【女子的アートナビ】vol. 242沖縄復帰50年記念特別展『琉球』では、琉球王国として独自の歴史と文化をもつ沖縄ゆかりの文化財を過去最大規模で展示。琉球国王尚家400年の貴重な宝物をはじめ、工芸作品や考古遺物、歴史資料など、さまざまな品を見ることができます。さらに、琉球の美と技を今に伝える模造復元作品も展示されています。明治以降、多くの困難を乗り越えてきた琉球・沖縄。その歴史や文化をさまざまな作品で知ることができる展覧会です。研究員さんのおすすめ作品!では、いくつか見どころをピックアップしていきます。まずは、東京国立博物館の研究員さんによるおすすめ作品をご紹介。東洋工芸がご専門の三笠景子さんのおすすめ作品は、重要文化財にもなっている《首里城京の内跡出土陶磁器》です。「京の内」とは、首里城内でもっとも大きな祭祀儀礼の場所。そこから出土した陶磁器は、中国の有名な景徳鎮窯でつくられたもので、ほかの日本の地域では見られないものばかり。かなり貴重な優品とのことです。東洋絵画がご専門の植松瑞希さんのおすすめは、《虎図》。まんまるまなこにふさふさ眉、やわらかそうな足など、愛嬌のある姿が琉球の虎の特徴だそうです。注目ポイントは、寅の額に描かれた「つむじ」。写真ではわからないと思いますので、ぜひ現地で見つけてみてください。ちなみに、筆者が個人的におすすめしたいのは、《虎図》の近くにある《神猫図》。ふさふさした黒い尾をもつ白猫の絵です。神々しいネコさまのお姿に魅入られます!キラキラ&ゴージャス!次にピックアップするのは、キラキラしたまばゆい作品2点。まずは、国宝の《玉冠》(展示は5月15日まで)。国王の正装として用いられたもので、金、銀、珊瑚、水晶、碧玉など計7種類の玉が合計288個もついています。まさにキラキラ&ゴージャス。本作品が飾られている展示室には、ほかにも琉球国王の尚家に伝来した多くの宝物がずらりと並び、すべて国宝に指定されています。これらは、戦前に東京へ移されていたため戦禍を免れたそうです。もうひとつ、美しくまばゆい作品《御玉貫》をご紹介。錫の瓶に、ガラス小玉を麻糸でつづった覆いをかぶせた琉球独特の酒器で、首里城内で行われる祭儀や贈答品として用いられたものです。色彩が本当に鮮やかで、うっとりします。未来への希望を感じるアート最後は、歴史と希望を感じる作品にフォーカス。展示室のなかでもひときわ目立つ彫刻《大龍柱(旧首里城正殿前)》は、戦前、首里城正殿前に設置されていた柱です。本来は、下の部分にとぐろを巻いた姿があったそうですが、沖縄戦で胴体のなかほどから下は失われました。この柱が製作されたのは、1711年と推測されています。「未来へ」と題した最終章では、1992年の首里城再建や、琉球文化の復興と継承のための人々の地道な研究や取り組みを紹介。仁王像や工芸品、衣裳などの模造復元を見ることができます。コラボ企画も!今回ご紹介した作品のほかにも、貴重な衣裳や歴史資料、先史文化を知ることができる土器など多彩な展示品があります。また、沖縄ゆかりの国宝の刀剣と『刀剣乱舞-ONLINE-』とのコラボ企画があったり、サンリオキャラクターズとのコラボグッズがあったりと、さまざまな角度から楽しめます。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。Information会期:~6月26日(日)※休館日は月曜日会場:東京国立博物館平成館開室時間:9時30分~17時00分(入館は閉館の30分前まで)観覧料:一般¥2,100、大学生¥1,300、高校生¥900※最新情報は公式サイトでご確認ください
2022年05月13日2022年5月15日は、アメリカ統治下だった沖縄が本土復帰を果たして50周年となる記念すべき日。歴史的な節目を迎えることもあり、大きな注目が集まっています。そこで、今回ご紹介するのは、沖縄ブームの先駆け的存在とされている異色作です。『パイナップル ツアーズ』【映画、ときどき私】 vol. 483舞台は、第二次世界大戦中にアメリカ軍が落とした不発弾が眠っている具良間島(ぐらましま)。そこでは、謎の病で声が出なくなったオペラ歌手の麗子が霊能者のユタを訪ねてきたり、ヤマト(日本)から流れてきたヒデヨシという名の青年が島の娘・春子とくっつけられそうになったり、1億円の懸賞金がかけられた不発弾を巡って騒動になったり、さまざまな出来事が起きていた。本作は、沖縄の架空の島で繰り広げられる『麗子おばさん』『春子とヒデヨシ』『爆弾小僧』という3つのエピソードから構成されたオムニバス映画。1992年に劇場公開された際には、国内のみならずベルリン国際映画祭に出品されるなど海外でも話題に。そこで、30年ぶりにデジタルリマスター版として復活を遂げることとなったいま、こちらの方々に集まっていただきました。真喜屋力監督、中江裕司監督、代島治彦さん本作で劇場公開デビューを果たしたのは、沖縄出身の真喜屋監督(写真・右)と大学入学をきっかけに沖縄にハマってしまった中江監督(手前左)。そして、おふたりの仲間である當間早志監督を含めた琉球大学映画研究会出身の3名を世に送り出したのが総合プロデューサーを務めた代島さん(左奥)です。今回は、当時の撮影秘話やいまだから話せる舞台裏、これからも残したい沖縄の文化などについて語っていただきました。―まずは、デジタルリマスター版にすることになった経緯から教えてください。代島さん僕が言い始めたことですが、理由としては、沖縄の人たちが本来持っているエネルギーや沖縄にある芸能の姿というのをもう一度みなさんに見てほしかったからです。いまでも沖縄に関しては、基地などの問題ばかりが取り上げられがちですが、それだけではないのだよと。特にこの作品は、90年代に起きた沖縄ブームのきっかけでもあったので、公開当時にこの映画を観ていない世代の方々も含めて、ウチナー(沖縄)文化を味わっていただきたいと思いました。―30年ぶりに復活すると聞いて、監督たちはどのようなお気持ちでしたか?真喜屋監督いまの若い世代のみなさんがどういう反応をするのかを見るのは面白いですし、デジタルにしてもらうことで映画としても寿命が延びるので、すごくうれしかったです。―実際、公開当時とは違う感想なども聞かれたのでしょうか。真喜屋監督たとえば、『パイナップル ツアーズ』以降に大人になった人たちに話を聞いてみると、沖縄を舞台にしたドラマを観たときに持っていた違和感がこれでスッキリしたとは言っていました。とはいえ、ローカルな話を全国区でやろうとすると、有名人を起用しないといけないとか、わかりやすく修正しないといけないとか、いろいろとあるので仕方がないことなんですが…。でも、この作品では沖縄の人は沖縄の人、ヤマトの人はヤマトの人に演じてもらえたので、そこはよかったと思っています。怖さもあったが、「1発当ててやろう!」と思っていた―つまり、この作品ではリアルな沖縄が映っていると。中江監督そうですね。でも、これは覚悟のいることなので、プロデューサーの度胸が試されるというか、代島さんのすごさだと思います。というのも、沖縄に軸足を置くと言うことは、全国の人に理解されない可能性もありますから。代島さんいや、あの頃はただ無知だったというのもありますね。ただ、それまでそういう作り方をした映画がなかったので、僕はそれが面白いなと。なので、ヤマトの人間は口を出さずに、金だけ出すみたいな(笑)。とはいえ、この映画は個人で1億円を集めてやろうとしていたので、それはけっこう大変でした。中江監督確かに、1億円の採算なんて普通は取れないので、相当無謀だったなと思いますよ。しかも、本土から来てもらった撮影と録音以外のスタッフは新聞で募集した素人さん。監督である僕たちも何もわかってないような状態なんて、普通ならありえないです。真喜屋監督ちなみに、最初から1億円突っ込んだわけではなくて、もっと少なかったのにずるずると増えてしまったんでしたよね?代島さんそうそう。3000万円だったものが5000万円になり、どんどん増えてしまったので、マンションを抵当に入れるまでに…。ヒデヨシ役の利重剛さんからは「人生台無しにしますよ」って言われましたけどね(笑)。でも、僕は配給も宣伝もイベントプロデュースも印刷物の作成も全部1人でやっていたので、「1発当ててやろう!」みたいな下心はあったと思います。中江監督怖い思いもしましたが、こういう話が笑いながらできるようになってよかったですね。つらいこともあったが、現場は楽しかった―裏でそんなリスクがあったとは驚きです。真喜屋監督は『麗子おばさん』、中江監督は『春子とヒデヨシ』をそれぞれ担当されていますが、いまだから言える現場でのハプニングなどもありましたか?中江監督撮影中はきちんと寝られない日が続いていたので、布団を取りに行った助監督の女の子が押し入れの布団に顔を突っ込んで、立ったまま寝てたこともありましたね(笑)。真喜屋も演出しながら寝ていたので、周りに気がつかれないように起こすというのもしょっちゅうでした。真喜屋監督あのときは、昼と夜の撮影が終わったあとにも準備をしていましたから。考えているふりしてごまかしていたものの、役者たちにもバレていたとは思います(笑)。つらかったですけど、楽しかったですね。代島さんあとは、普通の現場をよく知っている利重さんが一番大変だったんじゃないかなと。中江監督ものすごい大型の台風が来たときには利重さんがひとりで滞在していた一軒家の床が吹き飛びそうになったり、海の真ん中に取り残されるシーンでは雲が晴れないからという理由で2~3時間も岩の上で待たされたり。真喜屋監督あのときはさすがにイライラし始めていたので、僕が海にもぐってウニを利重さんに渡したんですよ。そしたらすごく喜んでくださって、「最高の助監督だな」と言いながら岩の上でウニを食べていました(笑)。中江監督面白い話はまだまだありますが、言えないことのほうが多いですね。真喜屋監督本当に、墓まで持っていく話ばっかりです(笑)。実力を超えたとんでもないものが映っていると感じた―ほかの現場では聞けないようなすごいエピソードばかりがありそうですね。その後、沖縄だけでなく東京でもヒットし、ベルリン国際映画祭への出品と飛躍を遂げますが、ご自身で手ごたえを感じた瞬間はありましたか?中江監督撮影しているときは何の実感もなかったですが、あるとしたら編集をしているときですね。「絶対にここから何かが生まれてくる」という根拠のない自信とともに、もしかしたら自分たちの実力を超えたとんでもないものが映っているかもしれないとは感じました。代島さん僕も編集のあとに音楽がついたのを見て、映画としての段取りを踏めているなとは思っていました。そんなときに、東京にいたベルリン国際映画祭の審査員に観てもらうことができ、出品が決まってはじけていった感じでしたね。中江監督監督としては全然何もできていないんですけど、映画が生き物のように勝手に歩いていく様子を目の当たりにしたというか、いろいろな人たちが集まり、そこに時代性がハマって一気に燃えたような感じでしたね。フィクションでありながら、当時の沖縄を映したドキュメンタリーみたいなところもあるので、二度撮れない作品だと思います。真喜屋監督ベルリンに行けたことも含めてなかなかできない経験でしたし、この作品があったおかげで、いまにつながっているというのは感じています。代島さん僕たちだけでなく、この映画に関わったすべての人たちにとってもここが出発点となっているので、そういう意味でもいい作品でしたよね。―本作では、30年前のリアルな沖縄が詰め込まれているということですが、これからも残していきたい沖縄の文化は何ですか?代島さんそれは、沖縄の言葉ですね。というのも、中江さんたちが経営している沖縄の桜坂劇場を訪ねた際、沖縄言葉の講座を開くと聞いて、それくらい使われなくなってきているのかと驚いたところだったので。中江監督言葉というのは大事なもので、言葉がなくなると沖縄人としてのプライドが失われていく可能性ありますから。これからも大々的に取り組んでいくつもりでいます。真喜屋監督あとは、沖縄人としてのアイデンティティ。やっぱり自分のアイデンティティを持っている人は強いですし、何よりも面白い。ただ、これは沖縄の人だけでなく、東京の人にも言えることなので、みなさんにも大切にしてほしいところです。おじいやおばあからの教えが受け継がれている―それでは最後に、ananweb読者に向けて見どころやメッセージをお願いします。中江監督僕らが最初とは言わないまでも、沖縄の映画のなかではいろいろなことを切り拓いていった作品なので、時代を切り拓いていった女性誌でもあるananを読まれている方々がこの作品をどのように観るのかはとても興味があります。あのときは、道がないことにも気がつかないままただ夢中で前に進んでいっただけでしたが、それがこれからどうなっていくのかは楽しみです。真喜屋監督僕も自分が本当に面白いと思っていたことに正直に向き合い、好きな人たちと一緒に貫いた結果がこの映画なので、そういった部分は観ていただく方々にも受け止めてもらえると思っています。代島さんすでに30年という年月は経っていますが、いまの時代でも海外でも通用する作品で本当に古びていないと改めて感じました。当時の空気感や気持ちがギュッと真空パックされていますので、りんけんバンドの名曲とともにそういうところも楽しんでいただけたらと。あとは、放送中のドラマ『ちむどんどん』でも沖縄が描かれているので、違いを見比べて楽しんでもらうのも面白いのではないかなと思います。中江監督いまのブームにも乗るとは、さすがプロデューサー(笑)。それと、映画監督というのは詐欺師みたいなものなので、映画のなかでは大きな嘘をついています。でも、食べ物もない戦後を経験した沖縄のおじいやおばあから、非日常を味わうことは生きるうえで欠かせないことだと僕は教えもらいました。そういった思いは、この作品にも脈々と受け継がれているので、そこも感じていただけるのではないかなと。真喜屋監督ぜひ、みなさんもこの映画の“嘘”に気持ちよくだまされていただけたらと思っています。沖縄が放つ熱狂の渦に巻き込まれる!30年という長い年月を経たいまなお、決して色褪せることのない痛快作。沖縄に降り注ぐ陽の光のような熱気と、ウチナーンチュの溢れんばかりのエネルギーに満ちた“ホンモノの沖縄”にどっぷりと浸かってみては?取材、文・志村昌美エネルギッシュな予告編はこちら!作品情報『パイナップル ツアーズ ー デジタルリマスター版 ー』5月14日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか 全国順次公開配給:ノンデライコ©スコブル工房
2022年05月13日年齢や職業、ジャンルなどに囚われることなく、「変化」をテーマに自由で新しい映画製作を目指している短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)』。映画監督のみならず、俳優やミュージシャン、漫画家など才能溢れるクリエイターたちが監督を務めていることでも注目を集めています。そこで、現在公開中のSeason3で、作品を手掛けたこちらの方にお話をうかがってきました。渡辺大知さん【映画、ときどき私】 vol. 482映画やドラマで、唯一無二の存在感を放っているミュージシャンで俳優の渡辺さん。今回は、個性豊かな9作品が並ぶなか、すれ違う男女を描いた『Good News,』で監督・脚本・編集を務めています。そこで、本作を通して感じた映画への思いや自身の変化との向き合い方などについて、語っていただきました。―このプロジェクトには、Season1で役者として出演されていましたが、監督としてオファーがあったときは、どのようなお気持ちでしたか?渡辺さん僕はもともと映画が好きだったので、大学でも映画作りを勉強しましたが、映画をもっと多角的に考えたいとずっと思っていました。役者のお仕事も映画を知るための活動のひとつでもあったので、こうして作り手の企画に呼んでいただけたのはうれしかったです。ありがたい企画に参加させていただけて、ワクワクしました。人をだます嘘と演技は何が違うのか考えていた―『Good News,』のストーリーは、どのようにして作り上げていったのでしょうか。渡辺さん以前から、「嘘」をテーマにした作品を作りたいと思っていました。というのも、演技をすることも、好きな人の前で自分をよく見せるのも、嘘のようで嘘じゃない。人をだます嘘と演技とは何が違うんだろうかと考えるようになっていたからです。そんなときにこのお話をいただいたので、詐欺師の男と女優を諦めた女性という2人が小さな嘘をつき合ってみたらおもしろいんじゃないかなと。ただ、その過程でコロナ禍になってしまい、いま撮る意味のあるものにしたいと思うようになりました。給付金詐欺が増えているとか、悲しい話を多く聞いていたなかで知ったのは、警官に成りすました男にだまされた振りをしたおばあちゃんが警察に犯人を捕まえさせたというニュース。設定は変えていますが、この話はそこから膨らませていきました。―劇中に登場するカップルは、藤原季節さんと夏子さんがはまり役で演じていらっしゃいましたが、キャスティングへのこだわりについても教えてください。渡辺さん今回は、僕が仕事をしたいと思っていた大好きな役者さんたちに出ていただけたので、本当にうれしかったです。夏子ちゃんは初めてお会いしましたが、季節くんとはだいぶ前に1度だけ飲んだことがあったので、オファーをOKしてもらってから、同じ店で落ち合うことに。そのときにどういう映画にしたいのか、思いのたけを伝えました。人とモノを作る喜びを改めて感じることができた―藤原さんはどのような反応でしたか?渡辺さん今回は極端に説明ゼリフの少ない脚本にしていたので、季節くんからは最初に「難しいですね」とは言われました。でも、僕としては必要な情報は変にセリフで説明するのではなく、映像で入れることで、そこに流れている空気をイキイキさせたかったというか。セリフもこの2人の関係性を濃くするために使ってほしかったので、あえて観客に伝えようとしなくても大丈夫だということは伝えさせてもらいました。―本作では監督としての現場を経験することで、新たに学んだことも多かったと思いますが、振り返ってみていかがですか?渡辺さん役者の仕事だと、現場が出来上がってからの参加というか、与えてもらった場でどう表現するかみたいなところがありますが、今回は全部イチからの作業。脚本に始まり、ロケハンや美術の打ち合わせなど、スタッフさんとは何度もコミュニケーションを重ねていきました。過去に自主映画を撮ったことはありましたが、今回のようにさまざまな現場を経験されている方からいろいろなアイディアを教えてもらったり、ひとりでロケハンしたり、というのは自分にとってすごく新鮮でした。たくさんの可能性があるなかで何をどうやって選んでいくのか、といったことは勉強になりましたし、人とモノを作る喜びを改めて教えてもらったと感じています。無理に自分を変えずに、波に漂っていたい―この企画では、「変化」がテーマとして掲げられていますが、最近ご自身で変化を感じた瞬間といえば?渡辺さんそもそも時間が流れているということは変化を伴うものであり、変化は生きることでもあるので、そういう意味ではつねに変化しているのかなと。生きることを見つめることが変化を感じ取るうえでは大切だと思っています。映画にも始まりと終わりで変化があるように、どんなものを撮っても変化というものが映り込んでしまうので、そこに自分なりの生き方みたいなものを閉じ込められたらいいなとも考えているところです。―なるほど。ちなみに、今後何か変化させていきたいことはありますか?渡辺さん自分で何かを変えていきたいというよりも、後悔や失敗は日々あるものなので、次はそうならないようにしたいなと思うことはあります。でも、同じことを繰り返しちゃうので、そこを変えなきゃみたいな気持ちにはなりますが、結局あまり変えられなかったりするんですよね(笑)。とはいえ、無理に自分を変えていくよりは、波に漂っていたいなという感じです。大事なのは、つねに希望を絶やさないこと―渡辺さんと言えば、ミュージシャン、俳優、監督といくつもの顔を持っていますが、今後特に力を入れたいと考えているものはありますか?渡辺さん人とモノを作る作業が自分に向いていると気づかせてくれたのは音楽でしたが、いまはバンドが活動休止中なので、イチからみんなで作り上げていく喜びを味わえたのが今回の監督としての活動。そのうえで、やっぱり自分にはこういう感覚が必要なんだなと感じました。以前は音楽と役者業の2つをやっている状態が心地よかったですが、いまはバンドの代わりに新しいバランスの取り方みたいなものを模索していけたらと。環境はつねに変わっていくものですが、1日1日バランスを取りながらやりたいことと向き合い、より良い表現へと向かっていけたらいいなという思いです。―では、ご自分のなかで最近一番の“Good News”を教えてください。渡辺さんうーん、あまりGood Newsはないですね(笑)。でも、やっぱり今回の企画で監督ができたことは、自分にとってすごくいいことだったと感じています。次につながる実感がありましたし、僕は自分が好きな世界の良さを伝えられる役目になりたいとも考えているので、そういった活動を進めるうえでも大きな意味のあることでした。映画はGood Newsがやってくるという話とは違いますが、いいことがないときこそ大事なのは希望を絶やさないこと。たとえ悪いことがあったとしても、いいことを望みながら自分でどう切り開いていけるかを考えることで、良くないことも打ち消せるんだと思います。映画について考えるきっかけとなってほしい―最後に、ananweb読者へメッセージをお願いします。渡辺さん『MIRRORLIAR FILMS』では、誰でも映画が撮れるというコンセプトのもとでやっています。ただ、映画は研究してもしつくせないほど難しいものなので、正直に言うと、誰にでも撮れるとは思っていません。でも、映画を撮ってみたいと思う人なら誰でも挑戦できる時代にはなっているので、今回のような企画に触れることで、「自分にもできるかもしれない」とか、「もっと映画を知りたい」と感じてもらえたらいいなと。みなさんにとって、そういうきっかけとなったら最高だなと思っています。インタビューを終えてみて……。ひと言ひと言をとても丁寧に話される姿からも、映画に対する真摯な思いが伝わってくる渡辺さん。今回、新たな挑戦をしたことで、次への手ごたえを感じているようにも見えました。役者としてはもちろん、監督としても今後がますます楽しみです。境界線を超えて放たれる才能を感じる!9人の監督たちが自分なりの表現と向き合い、オリジナリティを追求して完成させた珠玉のオムニバス映画。豪華キャストたちによる熱演とともに、作品ごとに見られるそれぞれの“変化”も堪能してみては?写真・北尾渉(渡辺大知)取材、文・志村昌美ストーリー同棲しているコータローとミユキの2人。最近様子がおかしいコータローに対し、ミユキは浮気を疑っていた。ところが、コータローはミユキとの将来を考え、先輩に誘われてある詐欺に加担しようとしていたのだった……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『MIRRORLIAR FILMS Season3』大ヒット上映中配給:イオンエンターテイメント/ティ・ジョイ️©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT写真・北尾渉(渡辺大知)
2022年05月13日『DEATH NOTE』や『進撃の巨人』でその名を轟かせ、日本のアニメ界でも一目置かれる存在となった荒木哲郎監督。壮大なスケールで描かれた最新作の『バブル』は、『SPY×FAMILIY』のWIT STUDIO最新作でもあり、すでに国内外から高い注目を集めています。そこで、声優を務めたこちらの方々にお話をうかがってきました。志尊淳さん & りりあ。さん【映画、ときどき私】 vol. 481世界に降り注いだ原因不明の“泡”で重力が壊れた東京を舞台に、パルクールのチームバトルに明け暮れる少年少女たちの姿が描かれている本作。他人とのコミュニケーションを好まない主人公のヒビキを志尊さんが演じ、りりあ。さんは物語の重要なカギを握る言葉を知らない謎の少女ウタに扮しています。今回は、幅広いジャンルで活躍する若手実力派俳優の志尊さんと、Z世代から圧倒的な人気を誇りながらも顔を出さずに活動するシンガーソングライターのりりあ。さんのおふたりに、本作の舞台裏やお互いの印象、そして知られざる素顔などについて、教えていただきました。―当初、りりあ。さんはエンディングテーマのみを担当する予定でしたが、制作陣の熱望によってヒロインに抜擢され、声優初挑戦となりました。実際に演じてみていかがでしたか?りりあ。さんお芝居はしたことがなかったですし、声優には歌手とはまったく違うスキルが必要なので、とにかく難しかったです。ただ、荒木監督からは「普段のままでいいよ」と。演じなくてもいいという意味では、やりやすかったです。―声優としては先輩となる志尊さんから見て、りりあ。さんの声はいかがでしたか?志尊さんいや、先輩だなんて(笑)。声優のお仕事では、現場によって求められることが違うので、僕自身は毎回初めての感じがしています。たとえば、ピクサーの作品とこういったアニメーションとでは、口の動きひとつとっても違いますし、実写の吹き替えでも求められるテクニックはまた別ですから。僕はそれぞれの現場に合わせて調整することにいつも必死なので、初めてのお芝居でウタのような役どころに挑戦するのはすごいなと思います。りりあ。さんは、掴めなくてミステリアスな人―おふたりは一緒にお仕事されるのは本作が初めてとなりますが、お互いの印象や会われたときのエピソードについて教えてください。りりあ。さん別の取材日のときに、たくさんの方に囲まれて緊張している私を見て、「こんなに囲まれたら緊張するよね。俺だって嫌だよ」みたいな感じで声をかけてくださったことがありました。そのおかげで緊張がほぐれたので、ありがたかったです。志尊さん僕の場合、りりあ。さんの容姿がわからなかったので、そういう意味では事前の印象はなかったですが、歌う声と普段の声が全然違うのには驚きました。どうやって曲を作っているのかも、どんな生活をしているかも、謎に包まれている感じですよね。それでいて、等身大の女性というイメージもあるので、その掴みにくさがますますミステリアスだなと思いました。―確かにそうですね。ちなみに、謎が多いりりあ。さんに聞いてみたいことはありますか?志尊さん普段は、何して遊んでいるの?りりあ。さん友達とカラオケに行ったり、渋谷で遊んだりしています。志尊さんそうなんだぁ……。いまのところ私生活がまったく見えないですね(笑)。―少しずつおうかがいしていきたいと思います。今回、役を演じるうえで苦労したのはどのあたりですか?りりあ。さん一番難しかったのは、息遣いですね。セリフではないだけに、大変でした。でも、志尊さんはお芝居も息遣いも本当にお上手なので、すごく感動しました。志尊さん僕は、全部が大変でした。最初は、絵コンテも出来上がっていない状態だったこともあり、見えない部分を自分で膨らませて全体像を掴まないといけなかったので、考えることが多すぎて本当に余裕がなかったです。休憩時間も頭のなかがグルグルしていたので、必死すぎてアフレコ中の記憶がほとんどないです。でも、僕としてはすごくうれしい現場でした。すべての感情が同時にわき上がるのを感じた現場―どのあたりに、うれしさを感じられたのでしょうか。志尊さん普段、役者の現場では時間との戦いでもあるので、意外と何回もトライさせていただける機会が少ないんですよ。でも、今回は細かく指摘していただいて、何度もやらせていただいたので、妥協していない感じがしてうれしかったです。それって愛がないとできないことでもあると思うので、そういうこだわりを持ってできたのは幸せなことだなと。ちなみに、最初のアフレコから3~4か月後に気になる箇所を録り直したりと、そのあとにもまた変更点を録ってみたいな感じで、長期間にわたって携わらせていただきました。―りりあ。さんは、この作品に関わることに対してはどんな感情がわき上がりましたか?りりあ。さん最初にお話をいただいたときは、正直言ってここまで大作だと知らなかったので、あとから不安と緊張と興奮と喜びのすべてが同時にバーッときましたが、最終的には私もうれしかったです。―ご自身が演じたキャラクターと共通点などを感じた部分があれば、教えてください。りりあ。さんウタは何もわからない状態で出てきて、だんだんみんなが知っていくというキャラクターなので、そういう部分は似ているのかなと。あとは、ご飯が好きなところが共通点ですね(笑)。志尊さんあはは!僕もヒビキみたいに意外と閉ざしているタイプだなと思います。―ちなみに、ヒビキといえば特殊な聴覚の持ち主ですが、そういったほかの人にはない感覚を持っていたりはしないですか?志尊さん残念ながら、何もないですね(笑)。でも、危機察知能力はものすごく高いほうだと思います。たとえば、一人でお茶しているときにおかしな携帯の持ち方している人がいたらすぐに店を出ます(笑)。いつも周りにアンテナを張って生活している―それは、このお仕事だからこそ鋭くなってしまった感覚ですね。志尊さんでも、嫌ですよね。いつも周りを見て、アンテナを張っていないといけないのは……。あとは、人の変化とかにも気がつきやすいので、相手が動揺していたり、嘘をついていたりするときもわかります。りりあ。さんちょっと、緊張してきました。志尊さんいやいや、そんなふうに見てないですよ(笑)。―確かに、見抜かれてしまいそうな気がしますね。りりあ。さんは、今後顔を出してアーティスト活動をすることは考えていらっしゃいますか?りりあ。さんこれからも変わらず、顔を出す気はまったくありません。志尊さんたとえば、映画の出演だったらどう?りりあ。さん顔を出すならしないですね。志尊さんじゃあ、「顔がわからないように撮るから、映画で芝居してほしい」と言われたら?りりあ。さんうわぁ……。でも、顔を出さないなら、やるかもしれないです。志尊さんそれもおもしろそうだね。それにしても、歌だけで届けることができるなんて、すごい時代だと思います。ファンの方々とのやりとりに勇気をもらっている―りりあ。さんにとって、創作活動の源になっているものは何ですか?りりあ。さん私の場合は、SNSから始まったので、ファンの方々との関わりから勇気をもらっています。ファンのみなさんとのやりとりはすごく近いので、直接送っていただいたDMから曲を作ることが多いです。志尊さんDMは全部チェックして、返事もするの?りりあ。さんはい、しています。友達みたいな感覚なので、恋愛相談に乗ることもあります。志尊さんすごいね。じゃあ、携帯なくなったら大変じゃない?りりあ。さんはい、おしまいですね(笑)。―志尊さんは、昨年体調を崩されたこともあり、SNSなどでいろんな思いも綴られていますが、この1年で心境にも変化があったのではないでしょうか。志尊さんいまは、「楽しく生きよう」というそれだけです。余計なことは考えずに、周りの人たちを大切にして楽しくいまを生きていけたらと。あとは、僕を肯定してくれたり、応援してくれたりする人がいるというのは、本当に力になっていますね。ひとりだったらできなかったこともたくさんあるので、そういう方々のためにもがんばりたいという気持ちが源にもなっています。―最近は映画監督などにも挑戦されていますが、新たにやってみたいことはありますか?志尊さん僕はけっこう直感で動くほうなので、やりたいと思ったらすぐに形にしたいタイプ。いままでも妥協することなく、自分がやりたいと思うことをしてきました。いますぐに思いつくものはないですが、楽しいの延長線上にあるクリエイティブを追求していくことが、僕にとってはストレスなく生きられる道なんだなと。どうなるかわからないですが、楽しく過ごしていきたいですね。どんな状況でも、友情や愛は諦めてはいけない―では、お忙しいおふたりにとって日々のご褒美となっているものがあれば、教えてください。りりあ。さんおいしいご飯を食べることです。志尊さん本当にご飯が大好きなんだね(笑)。りりあ。さんはい、大好きです!特に、お寿司とお肉が好きですね。志尊さん俺と一緒じゃん!りりあ。さんどちらかというとお寿司が大好きです。志尊さん回転とカウンター、どっちに行くの?りりあ。さんどっちにも行きますね。志尊さんすごい、大人だね!僕はこれをがんばったらご褒美というよりも、けっこう自分に甘いので、いつも好きなことをしちゃってます(笑)。―それでは最後に、おふたりがこの作品で魅力を感じたポイントなどを教えてください。りりあ。さんまずは、音楽がすごいなと思いました。もちろん映像も素晴らしかったので、目でも耳でも飽きさせない作品だなと。普段あまりアニメを観ないような人でも、楽しんでいただけると思います。志尊さんお話をいただいたときは、まさか世界がパンデミックになるとは考えてもいなかったので、最初は非現実的な物語でファンタジーの作品だなと。ただ、いまはこういう世界が来ないとは言えない自分もいるので、そんななかでも友情や愛を諦めてはいけないんだという気持ちが芽生えました。切り口の斬新さに刺激をもらいつつ、生きる活力やエネルギーをもらえる作品だと思います。インタビューを終えてみて……。会われたのは今回の取材が2度目ということでしたが、役と同じく息がぴったりの志尊さんとりりあ。さん。その絶妙なやりとりは、劇中でも観ることができるので、見事なハマリ役を見せるおふたりの声に注目してください。激しさと切なさが炸裂する!日本のアニメーション界が誇るクリエイターたちによる、最強のコラボレーションが生み出した圧倒的な世界観が広がる本作。想像を超える疾走感と没入感を味わえる圧巻の映像は、スクリーンで体感すべき1本です。写真・安田光優(志尊淳)取材、文・志村昌美ストーリー世界に降り注いだ泡〈バブル〉によって重力が壊れた東京は、家族を失った一部の若者たちの住処となり、パルクールのチームバトルの戦場にもなっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは、重力が歪む海へ落下してしまう。そこでヒビキの命を救ったのは、突如現れた不思議な力を持つ少女ウタ。驚異的な身体能力を持つウタは、ヒビキと彼のチームメンバーたちと共に暮らすことになる。そして、ヒビキとウタは、2人にだけ聴こえるハミングをきっかけに心を通わせていく。再び降泡現象が始まった東京で、2人の運命は世界を変える驚愕の真実へとつながっていた……。釘付けになる予告編はこちら!作品情報『バブル』5月13日(金)より全国公開配給:ワーナー・ブラザース映画©2022「バブル」製作委員会写真・安田光優(志尊淳)
2022年05月12日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第109回は、勇気を出して気になる男性にアプローチして、幸せになった女性の恋話をお届けします。1.ストレートに好意を見せる【結婚引き寄せ隊】vol. 109気になる男性がいても、自分から積極的に距離を縮めていく労力を惜しんでただ指を咥えて見ているだけでは、その恋を誰かに奪われてしまうこともありますよね。「当たって砕けろ」とはよく聞く言葉ですが、女性から気になる男性にアプローチして、当たっても砕けなかった幸せな恋だって存在します。まずは、ストレートに好意を見せたことで、恋がうまくいった女性の場合。20代後半のその女性は、どちらかというと自分の気持ちを素直に表現することが苦手で、恋愛関係に限らず、あまり人と活発に交流するタイプではありませんでした。でも友達に連れられて恋活の場へ出向くようになり、出会いの場では自分の話をすることも多くなり、だんだんと異性の前でも、自分の気持ちを表せるようになっていったそうです。そんなときに知り合った同年代の男性を「いいな」と思ったものの、最初はやはり緊張して、うまく話せなかったのだとか。その女性は、言葉ではうまく表現できない時期もありましたが、気になる男性の前ではいつもニコニコと笑顔。さらに、いつしかお互いの存在に慣れてきた頃には、素直に感情表現もできるようになりました。たとえば相手の男性がその女性の荷物を持ってくれたら、「自分で持つよ」とは言わずにその好意を素直に受け取り、「ありがとう」と感謝したり、ちょっと疲れているときに相手の男性が甘えさせてくれたときは「いつも助けられていて心強いよ」とストレートに伝えられるようになっていました。常に笑顔でポジティブな態度でいたことと、言葉でも好意をストレートに表したおかげで気持ちが届き、無事につきあうことになったそうです。好意の積み重ねが実を結んだエピソードでした。2.決めるポイントでしっかり告白続いて、ここぞというポイントでしっかり告白して、恋愛成就した女性の場合。30代半ばのその女性は、彼氏ができると長く付き合うけれど、いないときはシングルライフを十分に楽しむというスタンスでした。常に彼氏がいなきゃいけないという恋愛体質ではなかったこともあり、あまりその女性から恋愛の話を聞いたことはありません。そんなとき、その女性と一番仲良くしていた友達に彼氏ができました。女同士で気楽に遊びに行く回数は減ってしまい、ちょっと寂しさを感じていたその女性。友達に感化されたところがあるのか、久しぶりに合コンへ参加したそうです。すると、さっそく好みのタイプの男性に出会ったものの、他にもその男性を狙っていたライバルになる女性も参加していました。すぐにそんな空気を察知したその女性は、好みの男性と連絡先を交換する際、「なんか好きみたい」とアピールしたのだとか。まさかの女性側からの不意をつかれた言葉に驚いた男性でしたが、初対面にもかかわらず、しっかりと言葉にして気持ちを伝えてくれたことで、すぐに意気投合。後日ふたりでデートしたら思っていた以上に気が合ったそうで、晴れて恋人同士となりました。とくにライバルがいる場合は、勝負に出たほうがいいときもあるものですね。3.空気を読んでアプローチする最後に、空気を読んでアプローチして、うまくいった女性の場合。30代前半のその女性は、恋愛に限らず、友達関係でも仕事関係でも、人とのコミュニケーションを取るのが上手なタイプ。空気が悪いな、というときは余計なことは言わない。「いまならいける!」と感じたときは、全力で前に進めるという具合です。つまりは、空気を読むことが得意。だからこそ、「この人いいかも」と思った男性がいると、お互いの距離感をうまくつかめるし、押し引きのメリハリをつけることに成功するのだとか。でも空気が読めるからこそ、気になる男性にアプローチしてもまるで振り向かなかったり、「これ以上押しても時間の無駄」だと判断するときもはやいのです。相手と連絡を取り合っていても、まったくデートに誘われない、良いタイミングでその女性から男性をお茶に誘っても乗ってこない……など、手応えのないときは撤退。そして1番に気になっていた男性はスッパリと諦めて、今度は2番目に気になっていた男性に注目してみるのだそう。もともとコミュニケーション上手なうえに、2番目に好きだった男性だとちょっとした心の余裕があることも手伝ってか、「いま押したら良い返事がもらえそう」と感じたときに声をかけるとうまくデートできるなど、ふたりの距離を縮めていって、だいたいの片想いはうまくいっているそうです。恋をしたら、なんでも100パーセントうまくいくわけではありませんから、この女性のように“うまくいかないときもあるさ”ぐらいな気持ちもどこかに持ちながら、都度気持ちを切り替えてアプローチしていくといいのかもしれませんね。自分の気持ちをまったく表に出さなければ、相手に伝わるものも伝わらないものです。ご紹介した女性たちのように、一歩踏み出す勇気が出れば、それまでの何かが変わることもあるはず。みなさんが素敵な恋ができますよう!文・かわむらあみり©Tara Moore/Getty Images©Wavebreak/Getty Images©Jacobs Stock Photography Ltd/Getty Images
2022年05月11日定番の白Tシャツ×デニムコーデ。毎年、春夏になると鉄板で取り入れたくなる着こなしですよね。ですが、定番とはいえ年々コーディネイトのシルエットに変化があるのをご存知ですか?今回は、2022年夏に人気となる白T×デニムコーデのポイントをご紹介します。定番のTシャツ×デニムコーデ現在の定番となっているTシャツ×デニムコーデといえば、オーバーサイズシャツとハイウエストストレートデニムの組み合わせ。白Tシャツは厚手生地のヘビーオンス、シンプルな白無地が数年前から流行し始め、現在では定番化しています。その白Tにハイウエストのストレートデニムを合わせ、シャツはオールイン。トップスの程よいゆったり感とやや細めのデニムシルエットがスタイルがよく見えると人気です。もちろん、現在もこの着こなしは広く浸透しているので組み合わせていても問題はありません。ですが、根強く定着したこともあり、このコーデ自体にはすでに新鮮味があまり感じられません。ベーシックな着こなしをしたい場合はこのスタイルでも良いですが、2022年の目新しい白T×デニムコーデを取り入れたい場合は少しシルエットに変化をつけると良いでしょう。2022年はコンパクトな白Tシャツ×ルーズデニム去年からじわじわと人気を呼んでいたのが短丈トップス。短丈とはその名の通り、丈の短いトップスの総称です。もちろん白Tも同じく短丈のコンパクトTシャツが今年の旬。流行は長く定着しても5年〜10年単位で切り替わります。オーバーサイズシルエットが全般的に流行りだしたのは2015年頃なので、そろそろシルエットに変化の兆しがみられていますね。とくに昨年あたりからトップスもボトムスも丈が短いものが続々と登場しています。今後の勢いを見越して今年からコンパクトな白Tシャツを取り入れてみるのも良さそうですよ。短丈の白Tシャツに組み合わせるのはやはり例年通りハイウエストのデニムが正解。ですが、ストレートデニムよりも落ち感のあるルーズデニムが今っぽい印象を受けます。もちろん短丈トップスとストレートデニムの組み合わせもOKですが、ルーズデニムのほうがコーデ全体にメリハリが生まれるので人気が高いですね。小物はスニーカー、バッグはビビッドなカラーバッグが組み合わせとして人気です。今季は2000年代初期のストリートファッションがブーム再来の予感。ロゴTにも変化が白い無地のTシャツは定番に人気ですが、いっぽうロゴTも根強い支持を得ています。2022年のロゴTは、フォントの文字が小さめでワンポイントのようにデザインされているものが多い傾向にあります。また、襟と袖のリブの部分のみ色が違うパイピングTシャツも2022年を代表するアイテムになりそう。ぜひ、今夏に似合う白T×デニムコーデを取り入れたい方は参考にしてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2022年05月07日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第108回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その36をお届けします。1.初対面のフリをする男【結婚引き寄せ隊】vol. 108それは参加した婚活パーティでいまいち結果が出なかったときのこと。その後、お見合いをするにはちょっと堅苦しいし、飲み会に行くにはそこまでの気力もないし…。ということで、趣旨の違う婚活パーティに続けて行くことにしました。恋活イベントや婚活パーティを開催する会社によって、年齢や趣味でカテゴライズしたものなど、参加する男女のカラーが異なるため、開催する会社が違う、パーティ会場も離れた婚活パーティを選択。ひとつめのパーティでは、バリバリと働くビジネスマンやキャリアウーマンが集まっている会場で、しっかりとお互いに会話することができました。とはいえ、婚活というよりも、ちょっと面談のようなテイストが強く感じて、いいなと思える人はナシ。ふたつめのパーティでは、フリータイムがメインのカジュアルな印象で、ざっくばらんに趣味の話などで男女が盛り上がるような場所でした。ひとつめのグループの輪で話した後、次の輪に入ろうかと行ってみると、「あれ?」と気づいたのです。さっきのパーティにいた男性とまったく違うパーティの会場で遭遇してしまいました。でも、向こうからの反応もまるで初対面のようで、勘違いなのかもと思いつつも、仕事の話になって聞いているとやっぱり同じ人物だと確信。初対面のフリをされたので、こちらも初対面対応に。きっと向こうも「また会った」と内心思っていたはずですが、お互いにそのことには触れず、気まずさだけが残ったのでした。2.喫茶店で再び遭遇する男それは30代と40代の男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。いわゆるスタンダードなスタイルのパーティだったので、自己紹介から始まって、フリータイムとなり、最後に気になる相手の番号を紙に書いて提出し、カップリングするかどうかの番号の発表をして終了という流れになっていました。その婚活パーティで、最後の番号発表の際に偶然にも、カップリングしたのです。お互いの“気になる人同士”が合致した男女は、会場のドアの前かエレベーター前などで相手を待って、出るときに合流してお茶に行くような段取りになっていたので、カップリングした男性とともに会場近くの喫茶店へ入ることになりました。昔ながらの雰囲気の広い喫茶店の真ん中あたりの席に座り、パーティでは話しきれなかった話を続行。あるとき、男性がお手洗いに立ったので、一息ついてまわりのお客さんを見回すと、「おや?」と、見覚えのある男性が女性とお茶しているところが目に入りました。向こうは会話に夢中のようで、こちらには全然気づきません。見覚えのある男性が、知り合いだったか、誰だったかなとしばらく考えていたら、思い出しました。そういえばこの間行ったパーティで会った人。向こうはうまく彼女ができたのか、それとも違う婚活をしていて同じようにお茶をしているのか。まさか喫茶店で再遭遇するとはと、思わずびっくりしましたが、そのうちお手洗いから相手が戻ってきたので、目の前の男性に集中。気づくと見覚えのある男性たちは店を出ていましたが、どこで誰とすれ違うかわからないなあと、婚活中の再会具合に驚いたのでした。3.婚活サイトで発見した男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。サイトを運営する会社によって、集まる人たちも少しずつ変わってくるため、会員数が多いメジャーなところで一度どんな感じが試した後、会員数はそれほどではないものの会員が安定しているサイトに登録していました。パーティのように実際に足を運ばなくても、自宅で出会いが探せる効率の良さもあり、婚活サイトの身近さを実感。あるとき、男性会員の一覧を見ていくと、なんと知っている顔を発見しました。それは、その頃ちょうど仕事の場で会ったことのある男性。それまでもその男性は婚活サイトに登録していたのかもしれませんが、まだ仕事で顔を合わせる前だったのでスルーしていたようで、仕事でも挨拶程度しかしなかった距離感のため、適当に閲覧していたら気づかなかったかもしれません。登録されている顔写真を見ながら「この前、会った人だ」と思いつつ、その男性のプロフィールを見てみると…!これ本当なのかな?という情報が載っていました。オフィシャルな場所で会った男性だったため、そこでは嘘はつけないはず。でも、プロフィールに書かれていた職業などが認識している内容と違っていました。名前はニックネームになっていて本名はわからないし、他人の写真を勝手に使うのは登録する際バレそうなものだけど、万が一にも勝手に顔写真だけ使われているとか、そうじゃなくても他人の空似ということもあるかと思いつつ、忙しくなってサイトから退会してしまい、結局は真意の程はわかっていません。いずれにしても、知らない人と会うときは、できる限り身元が信頼できる人じゃないと信用できないなとあらためて思ったのでした。婚活していると、さまざまなタイプの男性に出会うことがあります。みなさんが素敵なパートナーに巡り会えますように!文・かわむらあみり©Giuseppe Lombardo/Getty Images©Drazen Zigic/Getty Images©Westend61/Getty Images
2022年05月06日これから迎える暑い季節に手放せない、ブラカップ付きインナー。以前はシンプルなデザインばかりでしたが、今では多種多様のおしゃれなインナーが増えています。ですが、デザインの豊富さにより選択肢が増えてしまったため自分に合うインナーを選ぶのが難しくなっているのでは?そこで今回は、体型別におすすめのカップ付きインナーの特徴をご紹介します。肩幅広めさん&なで肩さんに似合うインナーは?薄着の季節になると気になるのが、肩まわり。肌見せが増えるので、インナーのデザインとボディラインの相性が悪いと肩がいかつく見えたり、反対にだらしなく見えたりします。なかでもアイテム選びに注意が必要なのは、“肩幅広めさん”と“なで肩さん”です。肩幅広めさんにおすすめのインナーはボートネックのカップ付きタンクトップ。もしあれば、タンクトップの袖はノースリーブよりもほんの少し長い丈のフレンチスリーブだとなお美しいシルエットになります。鎖骨は露出しつつも胸のラインは見せすぎないボートネックは、肩のがっしりとした印象を抑える効果があります。反対に気をつけるべきは華奢なストラップのキャミソールインナーやホルターネックインナーです。こちらは肌の露出が高く、肩の広さを強調してしまうため気をつけましょう。なで肩さんは、肩幅広めさんとは反対にホルターネックのカップ付きインナーがオススメです。ホルターネックは首に引っかけるデザインなので、通常のキャミソールと違ってストラップが肩からズレる心配がありません。見た目も前身頃の中心あたりに視線が集中するデザインであるため、肩が落ちて貧相に見えるといった印象を防ぐことができます。反対になで肩さんにとって注意が必要なのがUネックのタンクトップ・キャミソールインナーです。Uネックのように鎖骨から肩にかけての肌見せが多いインナーは、肩のシルエットが目立つのでなで肩の印象を強めます。キャミソールも同様にストラップがズレやすいのでオススメしません。バスト大きめさん&小さめさんに似合うインナーは?インナー選びに注意が必要なもう2タイプの方は、“バスト大きめさん”と“小胸さん”です。バスト大きめさんはできるだけ、バストボリュームを目立たせないデザインを選ぶのがポイント。オススメはスクエアネックのカップ付きインナーです。なおかつストラップは太めで安定感のあるデザインを選びましょう。シルエットはぴったりめでもOKですが、できるだけ厚みのある生地を選ぶと肉感を拾いすぎないので良いですね。この他、人気のリブタンクトップも相性抜群です。反対に着こなしが難しいのは、クルーネックのインナー。クルーネックは鎖骨が隠れすぎる襟ぐりのデザインなのでバストの大きさを際立たせ、太見えするので気をつけて。トレンドの華奢ストラップを着る際は、シャツやカーディガンを上から羽織って肌の露出を控えめにすると良いでしょう。対する小胸さんは、上半身がコンパクトに見えるのでデザイン性に富んだキャミソールがおすすめです。2本の華奢ストラップがついたキャミソールや、アシンメトリーデザイン、ワンショルダータンクトップなども上手に着られます。胸の小ささをカバーアップしたい場合はシンプルなVネックよりもカーヴィなV字のハートシェイプネックがよさそう。素材は体にぴったりフィットしたものを選ぶと良いですね。1枚めはベーシック、2枚めはデザイン性を重視して何着持っていても損はないカップ付きインナー。以前は補正力がないと言われていましたが、昨今の需要の高さも相まって機能性の高いカップ付きインナーも増えてきました。同時に今回ご紹介したような、さまざまなデザイン・素材・シルエットがあるので、ぜひ複数GETしてみてくださいね。初めて取り入れる方は、1枚目をシンプルでベーシックなものに。2枚目はデザイン性を重視して選ぶのがおすすめです。ぜひ、これからやってくる暑い夏を快適なインナーで乗り切りましょう。イラスト・文 角 佑宇子
2022年05月04日ミステリー作家・櫛木理宇の最高傑作とも言われている『死刑にいたる病』が、ついに実写映画化。『孤狼の血』や『凶悪』で知られる白石和彌監督が手掛けたこともあり、原作ファンのみならず、映画ファンからも注目を集めている1本となっています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。阿部サダヲさん【映画、ときどき私】 vol. 480劇中では、世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村(はいむら)を演じた阿部さん。岡田健史さんや岩田剛典さん、中山美穂さんといった豪華俳優陣との共演はもちろん、阿部さんの見事な怪演ぶりがすでに話題となっています。今回は、役作りの裏側や現場での忘れられないエピソード、そして日常生活におけるこだわりなどについて、お話いただきました。―『彼女がその名を知らない鳥たち』に引き続き、すごい役で白石監督からオファーがきましたが、どのようなお気持ちでしたか?阿部さん白石監督とはまたご一緒したいと思っていたので、声をかけていただいたときはうれしかったです。ただ、まさか24人も殺している殺人犯の役になるとは考えもしませんでしたが……。でも、役者である限り、この榛村という人物は一生に一度あるかないかくらいの役ではありましたし、先輩たちからも「凶悪な役とか合うんじゃない?」と言われたこともあったので、挑戦したいと思いました。―これまでも幅広い役どころを演じられているので、シリアルキラーの役が初めてというのは少し意外な感じがしました。阿部さんファンの方が教えてくださったんですが、歴代の作品のなかで刑務所に入っていることは多いみたいです(笑)。でも、ここまでひどい殺人犯ではなく、どれも軽犯罪ですが。とはいえ、捕まっている場面や面会のシーンがけっこうあったので、演じたことがありそうというイメージがあるのかもしれません。―では、実際に演じてみて、いかがでしたか?阿部さん人をいたぶる場面では、経験したことのないようなことばかりでしたし、けっこうハードな描写も多かったので、気持ち的にはきついところもありました。でも、撮影自体は楽しかったです。実は、血が流れるものやゾンビが得意ではない―ちなみに、原作は読まれてから現場に入られたのでしょうか。阿部さん偶然、妻が読んでいたので、家に原作がありましたが、身近にあったことに驚きました。このような話を思いつくことに驚きましたが、すごくおもしろかったです。―ということは、こういったタイプのサスペンスやミステリーなどはお好きですか?阿部さんいや、苦手です(笑)。というより、怖いです。実は、血が流れるものが苦手で、ゾンビとかもあまり得意ではなくて……。なので、この作品では、本当にひどいことをしているなと自分でも思ったほどです。―苦手な方がされているとは思えないほどの狂気で、特に目の迫力がすごかったですが、そこは意識されていましたか?阿部さん僕自身はあまり気にしていませんでしたが、監督は『彼女がその名を知らない鳥たち』で僕が見せた目の怖さが印象に残っていたので今回の配役をしたとおっしゃっていました。男性を突き飛ばすシーンのときに、「5分前に人を殺したような顔をしてほしい」と言われて作った表情でしたが、監督はそういうところを伝えたかったのかもしれないですね。岡田くんに引き出されるようなところはあった―なかでも、引き込まれたのは、岡田健史さんとの面会のシーン。綿密なリハを行っていたのか、それとも本番でぶつかり合う感じだったのか、現場の様子を教えてください。阿部さん岡田くんとは撮影に入るずいぶん前に1回だけ本読みで顔を合わせたくらいで、全然会っていなかったので、どういう芝居をしてくるかもまったくわからない状態でした。なので、面会シーンは僕もすごく楽しみだったんです。岡田くんが外で何をしていて、どんな芝居をしているかを僕は見られないので刺激的でしたね。それに、彼は純粋な方なので、外から帰ってくるたびに顔が変わっていくんですけど、それがおもしろくて。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、彼が僕のことを“ある人物”と勘違いしているシーンでは、不思議な表情を浮かべていて、そういうふうにアプローチしてくるのかと驚かされました。それを受けて僕も違うパターンで行きましたが、そんな感じで僕も引き出されるような感じはあったのかなと。本当に予測不能でおもしろい方ですよ、岡田くんは。―ぜひ、おふたりの表情には注目していただきたいですね。そのほかにも豪華な共演者が揃っていましたが、印象に残っている方といえば?阿部さん中山美穂さんは、会えるだけでうれしかったですね(笑)。だって、中山美穂さんですよ!僕が芝居を始める前から見ていて、すごい時代を生きてきた方ですからね。―共演者というよりは、ファン目線に近い感じだったと。阿部さんそうですね。でも、度胸がなくて話しかけられませんでした……。ずっと見てたんだから、話しかければいいのにと思うんですが。―ということは、一度も声をかけられずに終わってしまったのですか?阿部さん川辺で撮影していたときに、確か僕が蚊に刺されて、「ここは蚊がいますよ」くらいは言った気がします(笑)。でも、その1回きりなので、もう少し話しかければよかったなとは思いました。人を操るよりも、操られるほうが楽に感じる―それは次回の共演に持ち越しですね。完成した作品をご覧になったとき、気になるシーンなどはありましたか?阿部さん岡田くんが外で動いている様子を見るのは初めてだったので、まずはそれが楽しみでした。自分のシーンでいうと冒頭のほうにレコードを聞きながら紅茶を飲んでいるところがありますが、撮影のときは「クラシックっぽい曲が流れます」とだけ言われていたんです。でも、監督が榛村のテーマソングを作ってくださっていたので、曲が流れた瞬間にしびれたというか、ゾクっとしました。『Mr. ビーン』のオープニングくらいでしか、聞いたことのないような曲でしたから(笑)。すごくうれしかったのもありますし、かっこいい曲だったので、監督にお願いしてすぐに曲のデータをいただいたほどです。―今回は、人を巧みに操る話術や表情というのは、事前に研究されたりしたのでしょうか。阿部さん榛村としては自然にしていることなので、どうすれば操れるかというのを意図的に考えていたわけではありません。なので、芝居している感じにも見えないような意識はしていました。「あの人がこんなことをするなんて……」と近所の人が言うような雰囲気が出ればいいかなと。「連続殺人犯ってこうでしょ」ではなく、榛村が日常を過ごすなかで、結果的に人を操っていたという感覚です。―ちなみに、ご自身は人を操るのは得意ですか?それとも操られがちですか?阿部さんどっちもある気がしますが、あまり人を操れてはいないかもしれないですね。「飲み会やってよ」と人に言っても、誰もやってくれませんから。―(笑)。ということは、できれば飲み会の幹事を操りたいと。阿部さんそうですね。でも、人との付き合いや距離感が一番難しいですよね。何でも言うこと聞いてくれる人がいたら逆に怖いですし。そういう意味では、人を操るほど責任を持てないので、操られるほうが楽かもしれないです(笑)。ルーティンを決めずに生きている―また、榛村といえば、典型的な秩序型殺人犯ということで、自分のなかで絶対的なルールがいくつかありましたが、阿部さんにもこれだけは譲れないルーティンのようなものはありますか?阿部さん僕はそういうのを決めて生きていないんですよね。とはいえ、お休みがないとおかしくなってしまいそうなので、お休みだけはきちんといただいています。あと、コロナ禍になってから、僕も家族も家にいる時間が長くなりましたが、そこで気がついたのは、ひとりの時間も必要だということでした。おそらく、向こうも思っていると思いますが(笑)。―では、お気に入りのひとり時間の過ごし方といえば?阿部さん知らない道を行って、迷っているときが一番好きです。変な道に入って行くと、ワクワクしますから。そういうところがあるので、ルーティンがないのかもしれないですし、なので芝居でも作っているときが一番楽しいんでしょうね。―なるほど。迷うからこそ見えるものもあるんですね。阿部さんちなみに、最近はスマホのマップで近道を教えてくれますが、それを巡って妻とケンカになることも。なぜなら、僕の知っている行き方のほうが早いと僕が思っているからです。妻は僕が早歩きするつもりだとか言うんですけど、そんなことしなくても絶対僕のほうが早い。だって、僕は50年以上も生きているわけで、そんな最近できたばかりのマップに負けるはずがないんですよ!―(笑)。確かに、スマホに操られている感じが嫌だなと思うことはありますし、迷う楽しみがなくなった気はします。阿部さんそうですよね。そんなふうに決めないから迷うし、毎日がすごく変わっていく感じはあります。ご飯を食べに行っても、毎回同じものを頼むこともしないほうかもしれないです。変化するかどうかは、自分が決めること―ほかにも、仕事のあとの楽しみといえば何ですか?阿部さんあまりないですが、お買い物とかは好きです。いまは自転車がほしいなと思っています。―自転車で行きたい場所はありますか?阿部さん瀬戸内のほうにあるしまなみ海道は、自転車で走ってみたいですね。でも、いざ行くとなったら面倒になってしまいそうではありますが……。―行けないと思うと行きたくなりますし、行っていいよと言われると面倒になるお気持ちわかります。阿部さんそうなんですよ、難しいですね。―では、ananweb読者へ向けて、阿部さんから元気になるようなメッセージをいただけますか?阿部さん明日は必ず来るものなので、僕は毎日生まれ変わっていいと思っています。変化を嫌う方もいますが、女性はどんどん変わっていいんじゃないかなと。ただ、「変化するかどうかは、君が決めることだよ」ということは覚えておいてほしいなと思います。―素敵なお言葉をありがとうございます。それでは最後に、本作の見どころについても教えてください。阿部さんもしかしたら、女性のみなさんは普段あまり観ないタイプの作品かもしれませんが、人を信じていいのか、いけないのかという部分も描かれていますし、注意喚起にもなる作品だと思っています。僕自身もこういう役は初めてなので、そのあたりもぜひ注目していただきたいです。インタビューを終えてみて……。劇中では、血も涙もない冷酷な表情に背筋がゾッとしましたが、取材では次々と繰り出されるおもしろいお話で終始笑わせてくださった阿部さん。まさに新境地とも言える役で見せる細かな表情の動きや仕草、そして観客までも操るような声のトーンなどにぜひ注目してみてください。ギリギリの心理戦から目が離せない!二転三転する真実の先にたどりつく、驚愕のラストに戦慄が走る究極のサイコ・サスペンス。かつてないほどの残虐さを見せながら、得も言われぬ魅力で人々を惹きつける連続殺人犯・榛村に、あなたも翻弄され、いつの間にか虜になってしまうはず。写真・北尾渉(阿部サダヲ)取材、文・志村昌美ストーリー鬱屈した日々を送っていた大学生・雅也のもとに、一通の手紙が届く。それは、稀代の連続殺人鬼として世間を震撼させた榛村からだった。犯行当時、榛村は雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよくそこに通っていたのだ。すでに、死刑判決を受けていた榛村だったが、「最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」と雅也に依頼する。事件を独自に調べ始めた雅也だったが、そこには想像をはるかに超える残酷な事件の真相があった……。謎が深まる予告編はこちら!作品情報『死刑にいたる病』5月6日(金)全国ロードショー配給:クロックワークス©2022 映画「死刑にいたる病」製作委員会写真・北尾渉(阿部サダヲ)
2022年05月03日アベンジャーズの中心人物としてさらなる活躍が期待され、注目度が高まっている“最強の魔術師”ドクター・ストレンジ。2017年には、ヒーロー誕生の瞬間を描いた映画『ドクター・ストレンジ』が大ヒットとなりましたが、続編『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』がついに日本でも幕を開けます。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。松下奈緒さん【映画、ときどき私】 vol. 479前作に引き続き、日本版声優陣のひとりとして本シリーズに参加しているのは、女優でミュージシャンの松下さん。劇中では、ストレンジが唯一心を許せる元恋人・クリスティーンの声を担当しています。今回は、声優としての苦労や使えるようになりたい魔術、そして気持ちの切り替え方法などについて、語っていただきました。―クリスティーンを演じるのは、久しぶりだったと思いますが、感覚はどのようにして取り戻しましたか?松下さんまずは、前作を日本語吹替版で何度か観ました。5年前の自分がどういうふうに演じていたのかを確認したかったので。ただ、やっぱりおもしろい作品なので、つい声のことを忘れて没頭してしまいました(笑)。―演じるうえで、前回との違いなども意識されていたのでしょうか。松下さんアフレコのときに、いまの私のトーンがベストと言っていただいたので、心がけたのは、ナチュラルなクリスティーンを表現することでした。時間は経過していますが、キャラクターとして大きく変化しているわけではないので、何かをプラスアルファすることもなく、いまの私を活かしました。クリスティーンは、女性が憧れるような存在―ご自身にとっては、前作が声優初挑戦作品でしたが、声優ならではの難しさもあったのでは?松下さん普段とは、別の筋肉を使っているような感覚で、まったく違いましたね。特に、どうやって声だけで感情移入したらいいのかが難しかったです。自分が思っている120%を出してちょうど良いときもあったくらいなので。ほかの声優さんの声も聞かせていただきましたが、決してオーバーではない抑揚の付け方が素晴らしくて、これは“魔法”だなと感じました。ただ、今回は前作があったおかげで、すんなりとクリスティーンに戻れたのはよかったかなと。ストレンジと向き合うシーンもたくさんあったので、前回よりも気持ちが高ぶるところは多かったと思います。―そのなかでも、印象に残っている場面を教えてください。松下さんストレンジがクリスティーンと2人っきりになるシーンは好きでしたね。葛藤する2人の距離感や間など、揺れ動く感じがとてもよくて、泣きそうになりました。マーベル作品なのでヒーローものではありますが、そこだけはラブストーリーみたいで、2人にはふさわしいシーンだったと思います。―とても楽しみです。ちなみに、ご自身とクリスティーンに共通点や似ているところはありますか?松下さん声のトーンが似ているのかな?と感じますが、あとはどうでしょうか?(笑)。クリスティーンは、かわいいし、聡明だし、ユーモアのセンスもあって、ウィットに富んだことも言える。優しさと守るべきものを守れる強さも兼ね備えているので、女性が憧れるような存在。そういう意味でも、こういう人になりたいなと思う部分はたくさんありました。ストレンジがついに“真のヒーロー”になったと感じた―本当に、魅力的ですよね。ほかにも、お好きなキャラクターはいますか?松下さん今回は、ウォンが意外とチャーミングでよかったですね。前作では、図書館の守護者として、近寄りがたい雰囲気がありましたが、最新作ではかわいいなと思えるところもあったので、見方がかなり変わりました。―強面とのギャップがいいのかもしれないですね。今回のストレンジで注目すべきポイントといえば、どんなところでしょうか。松下さんクリスティーン目線で言うと、精神的にすごく大人になったなと思いました。もともとヒーローになるべくしてなったというよりも、事故に遭ったが故にそうならざるを得なかったのほうが大きかったですが、5年を経てまったく別人格に。頭がよくてクールなところはそのままですが、本当にかっこよかったです。ついに“真のヒーロー”になったんだなと感じました。―そのストレンジといえば、さまざまな魔術を駆使して活躍していますが、もし松下さんが魔術を持てるとしたら?松下さんもし魔術が使えるなら私は瞬間移動がしてみたいですね(笑)。あの技術を習得するまでにはいろんな修行をしないといけないですが、どこにでも行けるのはいいなと思いながらいつも見ています。―もし使えたら行きたいところは?松下さんアフリカです。というのも、コロナ禍になる前、最後に行った海外がケニアで、大自然のなかで堂々と生きる動物たちの姿が素晴らしくて感動したので、もう一度あの光景を見られたらいいなと。勿論、飛行機に乗って行くのも楽しいのですが、魔術が使えたら使ってみたいですよね(笑)。年齢は意識せず、自然のバランスに委ねている―誰もがほしい魔術ですね。前作から5年ということで、ご自身の5年を振り返ってみていかがですか?松下さんやっぱり一番はコロナによって、どう生きていくのかというのは大きく変わったところだと思います。「自分がやるべきことは何なのか」や「こんなことをやってみたいな」とかいろんな意味で自分を見つめ直す時期になりました。人と会ってお話できることもありがたいですし、普通だと思っていたことが当たり前ではなかったんだと改めて感じています。―30代でも前半から後半になったことで、心境の変化もあったのではないかと思いますが。松下さんそれが、まったくないんです(笑)。周りからは「35歳を過ぎるといろんなところが言うこと聞かなくなるよ」と言われてはいましたが、そんなことを感じていられないというか、感じないようにしています(笑)。当然そういうこともあるとは思いますが、年を重ねただけいいこともあるはずなので、意識せずに過ごしていきたいなと。「40歳手前だから……」ではなく、「37歳も楽しいよ!」という感じで好きなことをしてきたいです。―松下さんは女優やミュージシャンとして幅広くご活躍されていますが、お仕事のバランスはどうされているのでしょうか。松下さん私の場合、バランスを取ろうとするとバランスが崩れてしまうので、女優も音楽活動も線引きすることなく自然に委ねています。そんなふうに、自然に作ってきたバランスにこれからも乗り続けていきたいです。今後は、自分に合う仕事の仕方をもっと増やしたい―ということは、オンオフも意識せずに切り替わっていると。松下さんそうですね。そもそも私はオンオフがあまりないほうなので、流れに逆らわないようにしています。あとは家に帰ってきて、愛犬に触ったらオフになりますね。本当に私の生きがいなので。あまり相手にしてもらえないときでも、勝手に話しかけています(笑)。心のよりどころでもあるので、いてくれるだけで助けられている感じです。―癒されますね。そのほかに、スタイル維持のために欠かさずしていることがあれば、教えてください。松下さん規則正しい生活を続けるのはなかなか難しいですが、なるべく同じ時間にご飯を食べるようにしたり、夜8時以降は食べないようにしたりというのは心がけています。あとは、犬と散歩に行くくらいですね。―今後挑戦してみたいことはありますか?松下さんここ10数年は、仕事の内容としては大きく変わってはいませんが、アプローチの仕方が少しずつ変化しているのは自分でも感じています。やることは変わらないけど、やり方が変わってきているとでも言いますか。自分に合うやり方や曲の作り方など、もっといい方法をこれからも新たに増やしていきたいと考えています。意識しているのは、翌日までひきずらないこと―今回、海外作品の吹き替えに携わることで、ご自身も海外作品に出演してみたいと思うことはなかったですか?松下さんまずは、英語をがんばらないとですよね。洋画は好きなので、広い夢として頭の片隅にはありますが、その前にやるべきことがたくさんあるなと……。でも、もし機会があればチャレンジしたいと思います!―それでは最後に、ananweb読者へメッセージをお願いします。松下さん私がいつも思っているのは、「今日あったことは翌日までひきずらない」ということ。もちろん、うまくいかなかったことや悪いことを1日で吹っ切れないときは私にもありますが、2~3日くらいで忘れる意識は持っています。そうすると、楽しかったことは倍増されて、嫌なことはすっと消えていきますから。そんなふうに、1日を精査してから寝るというのはたまにしていますが、自分のなかでいいことを膨らませていく習慣は20代からしておけばよかったなと感じています。そういう考え方ができるようになったのは、この仕事を始めてからですが、うまくいかないことや納得いかないことは、どんな仕事にもありますよね?ただ、そういう気持ちを切り替えて眠れば翌朝の気分も違う気がするので、良くも悪くも自分次第ですよね。いい意味で忘れて、ポジティブに考えることを意識するというのは、ひとつの方法だと私は思っています。インタビューを終えてみて……。凛とした佇まいと、知的なオーラを放っている松下さん。まさにクリスティーンのように女性が憧れる存在だと感じました。シリーズ最新作では、松下さんがオススメするシーンにも注目しながら、ストレンジとクリスティーンの恋の行方もぜひお楽しみに。新たな次元の扉が開く!ドクター・ストレンジと仲間たちによって繰り広げられるのは、マーベル史上最も予測不能と言われる壮絶な戦い。時間と空間を超越した圧倒的なスケール感と見たこともないような驚異の映像は、あなたを別世界へと連れて行ってくれるはず。取材、文・志村昌美ストーリー元天才外科医にして、アベンジャーズ最強の魔術師とされるドクター・ストレンジ。時間と空間を変幻自在に操る魔術を持っていたが、最も危険とされる禁断の呪文によって、“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちたパラレルワールドの扉が開かれてしまう。何もかもが変わりつつある世界を元に戻そうと試みるも、もはやどうすることもできないほどの恐るべき脅威が、人類と全宇宙に迫っていた。そんななか、ストレンジの前に立ちはだかる最凶の敵は、魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”だった……。目が離せない予告編はこちら!作品情報『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』5月4日(水・祝)より全国公開配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン©Marvel Studios 2022
2022年05月02日東京・六本木のサントリー美術館で『大英博物館北斎』がはじまりました。本展では、大英博物館が所蔵するクオリティの高い北斎作品が集結。さらに、北斎を愛したイギリスのコレクターたち6名にもフォーカス。アートの目利きである彼らが絶賛&狂喜した、日本人が気づいていない“北斎のスゴさ”もご紹介!イギリスでも大人気…スゴい北斎!【女子的アートナビ】vol. 240『大英博物館北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』では、大英博物館が所蔵する北斎作品を中心に、国内にある肉筆画も展示。イギリス人コレクターたちの“北斎愛”にも触れながら、彼の画業、特に数多くの代表作が生み出された後半生の作品群を一覧できます。葛飾北斎(1760-1849)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師。彼の作品は、日本だけでなく世界でも有名で、例えばモネやドガなどフランス印象派の画家たちや、ゴッホにも影響を与えています。フランスで人気があったというイメージが強い北斎ですが、実はイギリスでも大人気。すでに1870年代から北斎コレクターや研究者がいて、特に大英博物館には多くの作品が所蔵されています。本展のプレス説明会では、アルフレッド・ハフト氏(大英博物館アジア部日本セクション学芸員)のビデオメッセージが流れ、100年以上前に大英博物館の学芸員だったローレンス・ビニョン(1869-1943)の言葉が紹介されました。とても印象的でしたので、以下に抜粋します。「1908年、ローレンス・ビニョンは、北斎の風景画を見たときの体験を『美と驚きがひとつになった衝撃』と表現し、『世界は我々の想像を上回る驚きに満ち、我々を狂喜させる力の源であることを北斎は明らかにした。それは、これから我々自身で発見していくことができるものでもあるのだ』と語っています」これほどの衝撃をイギリス人に与えていた北斎、すごいです!「芸術家として北斎こそ正真正銘の日本人」では、展覧会のおもな見どころをご紹介していきます。第1章「画壇の登場から還暦」では、貴重な初期作から還暦近くの年齢で描いた作品が登場。ここでの見どころは、北斎が直接筆をとった「肉筆画」の名品《為朝図》。曲亭馬琴の読本『椿説弓張月(ちんせつ ゆみはりづき)』の主人公・源為朝を描いたもので、絵のなかには作者馬琴の祝詞も書かれています。本作品を購入したのは、イギリスの医師、ウィリアム・アンダーソン(1842-1900)。彼は解剖学と外科の教授として明治期に来日し、東京の海軍軍医学校の校長を務めました。さまざまな美術品も入手し、そのうち約2100点が大英博物館の所蔵品になっています。また、アンダーソンは、日本美術についての本も執筆。著書の中で、「芸術家として北斎こそが正真正銘の日本人」と絶賛しています。代表作が次々と…!第2章「富士と大波」では、《富嶽百景》や《冨嶽三十六景》シリーズの作品群などを紹介。大波が印象的な北斎の代表作《冨嶽三十六景神奈川沖浪裏》や、「赤富士」として親しまれている《冨嶽三十六景凱風快晴》もここで見ることができます。また、第4章「想像の世界」では、偉大な歌人や詩に読まれた景色、さらに目に見えない妖怪を描いた作品などが登場。不気味な見た目でも、どこかユーモラスさが感じられる人気作品《百物語こはだ小平二》も展示されています。「これが一人の画家の作品だとは信じがたい」最後の第6章「神の領域―肉筆画の名品―」では、晩年に描かれた肉筆画が登場。特に、88歳のときの作品《流水に鴨図》は必見です。2羽の鴨と水面に落ちた紅葉が描かれた作品で、鴨の描写が本当に細かいのです!近くで見ると、その精緻な美しさに圧倒されます。あの時代の88歳、大家の北斎先生でも老眼になっていると思いますし、集中力や持続力も若いころに比べれば低下しているはず。でも、線のブレもムラもなく、まさに“神の領域”に達した作品です。本作品を所蔵していたのは、イギリスの小説家アーサー・モリソン(1863-1945)。彼は2000以上の浮世絵版画を入手したほか、日本絵画も約600点購入。また、日本美術の研究書も出版し、その中で北斎について「複数の優れた絵師による作品でなく、すべて北斎一人によるものだということが、実に信じがたい」と語っています。究極の“推し活”展覧会本展では、北斎の名品を堪能できるだけでなく、日本美術好き・北斎大好きイギリス人コレクターたちによる究極の“推し活”も楽しめます。彼らが書いた北斎の推しポイントを読むと、今まで気づかなかった作品の魅力も発見でき、改めて北斎の偉大さを実感しました。100年以上前に北斎担当のファンたちが熱心に集めたコレクションを、現代の日本人が見るなんて、考えてみたらステキなこと。推し活をしていたコレクターたちも、きっと喜んでいると思います。究極の“推し活”展覧会、ぜひ足を運んでみてください!Information会期:~6月12日(日)※会期中展示替を行います。※会期は変更の場合があります。休館日:火曜日(5月3日、6月7日は開館)会場:サントリー美術館開室時間:10時~18時※金・土および4月28日(木)、5月2日(月)~4日(水・祝)は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥1,700、大学・高校生¥1,200、中学生以下無料※最新情報は公式サイトでご確認ください
2022年04月30日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第107回は、「彼氏と付き合っていて良かった」と彼女が思った、恋人のほっこりエピソードををお届けします。1.病気のときに看病してくれた【結婚引き寄せ隊】vol. 107付き合いが長いか短いかにかかわらず、恋人と一緒にいると、相手の意外な一面を知ることもありますよね。できれば、ネガティブな一面はあまり知りたくないものの、ポジティブな顔なら歓迎したいところ。筆者が婚活中に見聞きした、恋人と一緒にいて彼女が彼をさらに見直した、恋人たちのほっこりエピソードのひとつめは、病気のときに看病してくれたとき。誰だって病気で寝込んでいるときや、弱っているときに、自分のことを気にかけてケアしてくれる人がいたらとっても助かりますよね。それが大好きな彼ならなおさらのこと、衰弱している心身ともにありがたさが身に沁みてくるものです。普段は彼女の行動に無頓着な彼氏だったり、彼女が髪型やメイクを変えたことに気づかないような鈍感系の彼だったりすると、よりいっそう、いつもとのギャップで、せっせと看病してくれる彼の行動によって自分が大事にされている感がアップ。そんな彼がいたならば、大事にしてほしいものですね。2.忙しいときにご飯を作ってくれた続いては、忙しいときにご飯を作ってくれた彼。あらためてキュンときてしまったという彼女も少なくありません。最近では、男性も料理が得意だという場合もありますし、一人暮らしをしている男性だったら、自炊することに慣れている場合もあるでしょう。彼女が仕事で忙しいときに、手際よくササッと料理を作って、労ってくれるような彼は非常にありがたいものです。さらに、いつもは彼女が彼に手料理を振る舞うことが多いカップルなら、忙しいときにだけ、彼のほうからご飯を作ってくれたりすると、感激度も上がるというもの。料理を作り慣れていない彼氏だったとしても、たとえ上手にできなくっても、いいんです。「忙しいわたしのことを気遣ってご飯を作ってくれた」という、その優しさにジーンとくるのですから。彼女の様子に配慮できる彼氏って、素敵ですよね。3.落ち込んだときに真摯になぐさめてくれた毎日元気でハッピーでいられる人なんて、あまりいませんよね。生きていると良いことも悪いこともあって、落ち込むときだってあるでしょう。そんなときに、真摯になぐさめてくれる彼だったら、よりいっそう彼に身を任せたくなるものです。たとえば、普段からそれほど弱い自分を見せていない彼女だったり、あえて落ち込んでいる様子を悟られまいと強がってしまうタイプの彼女だったりしても、「あれ?いつもより元気ないね」などとすぐに察してくれる彼は貴重。彼女の様子に気づいて、「大丈夫?」と言葉でなぐさめてくれたり、あえて口では言わないけれどそっと寄り添ってくれたり、包容力のある彼はとっても落ち着きます。こうやって見てみると、どれも彼女の身に何かが起こったときに、きちんと向き合って労わってくれる彼が惚れ直されやすいようですね。付き合っていると、いい時も悪い時もあります。とくに自分が大変なときに、助けて守ってくれる彼だったら、恋人でいて良かったと思えますよね。そんな素敵な人とみなさんが末長く幸せでありますように!文・かわむらあみり©ti-ja/Getty Images©Arno Images/Getty Images©Strelciuc Dumitru/Getty Images文・かわむらあみり
2022年04月28日人生においてひたすら前に進んでいくことは大事ですが、ときには行き先を見失って立ち尽くしてしまうこともありませんか?そんな気分のときにオススメしたい映画は、“大人のためのおとぎ話”ともいえる注目作『ツユクサ』です。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。小林聡美さん【映画、ときどき私】 vol. 478主演を務めているのは、すでに40年以上のキャリアを誇り、幅広い世代の女性たちから愛されている小林さん。本作では、50歳を目前に控えた主人公の芙美(ふみ)が、ある過去を抱えたまま田舎町でひとり暮らしをするなかで、さまざまな“奇跡”と出会っていくさまを描いています。今回は、芙美を通して感じたことやラブシーンの裏側、そして人生の選択をするうえで大切にしていることなどについて、教えていただきました。―まずは、脚本を読んだときの第一印象をお聞かせください。小林さん読み終わったときに、「なんてかわいいお話なんだろう」と思いました。子どもの語りからはじまって、宇宙の話になり、芙美が隕石にぶつかってからは恋があったり、周りが少しずつ幸せになったりしていくんです。ただ、私には慣れない恋模様が描かれていたので(笑)、「これを私がやるのか……」みたいな不安はありました。―恋のお相手は、松重豊さんが演じられていましたが、脚本を読まれた段階で配役はご存じでしたか?小林さんはい。でも、松重さんが相手というのは、あえて思い描かないように読みました。そのほうが、純粋に物語の展開を楽しめる気がしたので。自分のなかでも恋愛のシーンは、“ひとまず横に置いておく物件”みたいな感じでした(笑)。―実際、キスシーンでは松重さんと事前にやりとりされたこともあったのでしょうか。小林さん特に相談はしなかったですが、こういう時期なので、うがい薬を用意する係の人が待機していて、撮影直前に消毒するというリアルな現場でした(笑)。恋の場合は、一歩踏み出すのを考えてしまう―とても素敵なシーンでしたが、裏では意外と事務的に進んでいたのですね……。小林さん松重さんの役どころが歯医者さんということもあって、口のなかをチェックされるシーンがあるんですが、そちらのほうが恥ずかしかったですね。―しかも、その流れでキスというのには驚きました。小林さんそうですよね。でも、撮影では恥ずかしいとか言っていられないというか、そういう仕事ですからね。今回は信頼できて紳士的な松重さんだからこそ、口のなかまで見せられたというのはあったと思います。―わかる気がします。物語のなかで、芙美はさまざまな転機と向き合うことになりますが、彼女の生き方はどのように感じましたか?小林さんいままでいたところから一歩を踏み出した彼女の勇気を讃えたいですね。特に、素敵な人が現れて、「どうしよう」となっているときに、行動に出たところは立派ですよね。この年になると、少し傍観してみようかなと思いがちですから。―小林さんもそのあたりの決断力は芙美と似ているところがありますか?小林さん私の場合、恋じゃなければ考えずに行けます(笑)。―これまで恋愛ものはあまり出られていないですが、このタイミングでラブストーリーに挑戦してみて、いかがでしたか?小林さん恋愛の部分にフォーカスすると変に意識してしまいそうだったので、あくまでも物語の流れの一部として捉えて、そこにはこだわらないことにしました。昔より、いまは人生も恋愛も選択肢がたくさんある―海外の作品では60代や70代の女性でも恋愛している姿が描かれていますが、日本ではあまりないので、そういう意味でもこの作品の描かれ方は新鮮なところではないかなと。小林さんいくつになっても恋愛はするし、年齢を重ねても若い人たちと同じような“心のひだ”もあるのに、もしかしたら上手に描ける人が少ないのかなという気はしています。でも、いまの40代後半以降の人たちは昔に比べたらすごく自由だし、人生や恋愛の選択肢もたくさんある。そういう意味では、こういう作品も軽い気持ちで観られる世の中にはなっているのかなと。この作品も最初の脚本は芙美が自分の年齢を気にしているようなセリフがありましたが、現代のテイストに合わない雰囲気で、そういった部分は削られていきました。この10年の間に、世の中も女性の立ち位置も変わってきて、今後は日本映画でもこういった作品は増えるんじゃないかなと感じていますし、そうなってほしいです。―この作品に続いて、増えていくといいですね。そのほかに、平岩紙さんと江口のりこさんとのシーンでは女性ならではのトークが非常におもしろかったです。小林さんアドリブっぽく話していたり、素で驚いていたりするようなところもありますが、すべて脚本通りです。事前に3人で打ち合わせすることもありませんでしたが、全員がのびのびと自分らしく演じられたのが、あのシーンの大らかさと楽しさにつながっているのかなと思います。―撮影の合間はどんなことをお話されていましたか?小林さん現場ではあまり親密な話はできなかったですね、それぞれにマイクがついていましたから(笑)。今回、支度部屋としてお借りしていたのは、地元のスーパーの方々が休憩室として使っている場所でしたが、そこにあるテレビで韓流ドラマが始まって「ここで働いているおばさんたちが楽しみに観ているドラマなんだろうね。いいねー」とか、3人で話しながら観ていました。経験することは素晴らしいと改めて感じた―まるで映画のなかと同じですね。松重さんは、前から小林さんに聞いてみたかったことをこの現場で質問されたとか。小林さん松重さんはとにかくおいしいものがお好きな方なので、「最近食べたものでおいしかったものは何ですか?」とか、そんな話ばっかりでした(笑)。―さすが松重さんです。ちなみに、何かオススメされましたか?小林さんアイスキャンディのおいしい会社を教えて差し上げたら、すぐ試していらっしゃいました。おいしかったみたいで、ご自宅の冷凍庫いっぱいだそうです(笑)。―本作の芙美は49歳ですが、小林さんご自身は50代に入った際、心境の変化などを感じることはあったのでしょうか。小林さんそこまで意識はしていませんでしたが、自分が想像していた50歳よりも幼いし、「こんな感じでいいのかな?」と(笑)。ただ、老年への準備というか、これからどういうふうに年を取っていきたいかというのは、何となく持っていたほうがよさそうだなというのは感じました。「バリバリ動けるのはあと何年だろう」といったことを具体的に考えるところはあったと思います。いまは50代後半で、60代への心の準備はなんとなくしていますが、30代からゆるやかにつながっている感覚なので、あまり急激に変わることはありませんでした。―小林さんといえば45歳で大学に入学していますよね。なかなかできないことだと思いますが、後押しとなったのは何ですか?小林さんそれは、タイミングですね。若いときほど仕事が忙しいわけでもなかったので、いまなら行けそうと思ったのと、体力的にもラストチャンスかなと。前からやりたいと思っていたことができたのはよかったですし、やっぱり経験というのは素晴らしいなと改めて感じました。先を見据えるより、その日を楽しみたい―いまや「人生100年時代」とも言われていますので、これからチャレンジしたいこともあるのでは?小林さん100歳といってもいつまで元気でいられるかによりますし、世の中もどうなっているかわからない時代ですからね。私としてはあまり先を見据えて計画するよりも、「いつ死んでもいい」くらいの気持ちでその日その日を楽しめたらいいかなと。最近はピアノを始めたので、“奇跡の老女ピアニスト”を目指してがんばります!―ぜひ、楽しみにしております。この作品では“小さくて大きな奇跡”がいくつも描かれていますが、最近起きた奇跡があれば教えてください。小林さん芙美みたいな素敵な奇跡は、なかなかないですよね。強いて言えば……、コロナ禍で全然会えなかった近所のおじいさんと最近ばったり会ったくらいかな(笑)。立ち話ができて楽しかったですけど、これは奇跡ではないですよね……。―(笑)。では、「こんな奇跡が起きたらいいな」はありますか?小林さん私は鳥を見るのが好きなので、鳥たちとコミュニケーションを取れるようになるとか(笑)。以前、カラスとずっと目が合って、語り掛けてくるようなテレパシーを感じたことがあって、鳥の言葉がわかったらいいなと。新しい趣味として、バードウォッチングもいいですねえ。―素敵ですね。もし、小林さんにとっての“座右の銘”があれば、教えていただけますか?小林さん若い頃はよどみなく生きていきたいと思っていたので「流れる水は腐らない」でしたが、年齢を重ねるとともに「終わりよければすべてよし」になりました。大変なことがあっても、俯瞰しておもしろがれるように心がけています。悔いや後悔のないように、行きたいところに行くべき―これまでにさまざまな選択と向き合ってきたと思いますが、決断する際に基準としているものは何ですか?小林さん「それをやりたいか」「嫌なのに我慢していないだろうか」「やりたいと無理に思い込ませてはいないか」というのを自分の心に聴きます。もちろん、すべてに対してやりたいことしかしないとなると、ただのわがままですが、あくまでも大事なポイントに関しては、そういったことを自分の心に確認するようにしています。―ちなみに、20代や30代のときにしておいてよかったことがあれば、教えてください。小林さん20代のときは、自分の仕事の出来なさ加減に落ち込み、「向いてないかも」と思うこともしょっちゅうありました。でも、そこで結論を出さずに続けてきたからこそ、いろいろな経験ができたのかなと。いまは向いてないと思ったら簡単に仕事を変えられる時代ですが、私はこの仕事を続けてこれてよかったです。いつも「次はもうちょっと自分を納得させたい」という思いでここまで来た感じです。あとはいろんなご縁ですね。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。小林さん「悔いのないように。そして後悔はしないように」ということですね。たとえボロボロになったとしても、自分が行きたいと思うならなら行けばいいんじゃないかなと。私自身はいままでに後悔はなく、みんないい経験だったなと思っています。インタビューを終えてみて……。どんな質問にも気さくに答えてくださり、優しい太陽のような小林さん。いろいろな経験をしてきたからこその言葉は、どれも心に響くものばかりでした。恋愛に関する話のときだけは少しはにかんでいらっしゃる姿が印象的でしたが、キュンとする素敵なシーンばかりなので必見です!あなたの周りにも“奇跡”は溢れている!大人になればなるほど、恋する気持ちにも悩みにも素直に向き合えないときはあるけれど、いくつになっても幸せをつかんでもいいのだと教えてくれる本作。人生につまずいて立ち止まっているときこそ、隣に寄り添いながら背中を優しく押してくれる1本です。写真・山本嵩(小林聡美)取材、文・志村昌美ストーリーとある小さな田舎町で暮らす芙美は、気の合う職場の友人たちとほっこり時間を過ごしたり、年の離れた親友の少年と遊びに出かけたりして過ごしていた。ところがある日、隕石に遭遇し、1億分の1の確率と言われるあり得ない出来事を経験する。日々の生活を楽しく送っているように見える芙美だったが、実は“ある哀しみ”を抱えていた。そんななか、篠田という男性と出会い、草笛をきっかけに親しくなっていく。50歳を目前にした芙美に小さな奇跡が起きようとしてた……。心がじんわりと温まる予告編はこちら!作品情報『ツユクサ』4月29日(金・祝)より全国公開配給:東京テアトル©2022「ツユクサ」製作委員会写真・山本嵩(小林聡美)
2022年04月28日ふだん何気なく使っているカタカナ語や略語の由来など、外国語の雑学をご紹介。今回は、知らないと旅行先でかなり困るトイレ略語をピックアップ!まずは、おなじみの「WC」外出先や旅先などで、よく目にする「WC」。もちろん、トイレだという意味はわかりますが、なんの略かご存じですか?WCの正式表記は…正式表記は、water closetです!直訳すると、「水洗式小部屋」。英和辞典には「水洗便所」と載っています。water closetの由来はイギリス英語。イギリスでは、1810年に水洗トイレが都市で使われはじめ、1863年にはロンドンに下水道ができました。現在、アメリカ英語圏ではあまり「WC」表記が使われていないようですが、ヨーロッパの公衆トイレでは健在。筆者が訪れた国では、例えばドイツやフランス、イタリアでも見たことがあります。ちなみに、「WC」の発音は、「ダブリュ・シー」一択ではありません。現地のアルファベットにならい、ドイツであれば「ヴェー・ツェー」と読みます。CRもトイレ!?公衆トイレを表す英語は、restroomやbathroom、toilet、washroom、lavatory(=Lav)など英語圏でもさまざまな表記があります。これらの単語なら、とりあえず「トイレ」だと認識できそうですが、ひとつ難易度の高いトイレ略語をご紹介。CR= comfort roomこちらはフィリピンで使われている言葉です。フィリピンでは英語も公用語になっているので、日常的に英語を使用。最近人気のオンライン英会話でも、フィリピン人の先生が活躍しています。もし、フィリピンでトイレに行きたくなったら、Where is CR? を使ってみてください!「H」「D」「M」「C」って、なんの略?外国の旅先でWCやrestroomを探し回り、運よく見つけたとしても、さらなる難関が待ち受けているときがあります。それが、男女の区別。新しい施設では、わかりやすいピクトグラム等になっていますが、例えばヨーロッパの古いレストランや地方の観光地に行くと、扉にそっけなく「H」「D」と単語の頭文字だけ記されていることも。急いでいるときこれらの表記に出会うと、絶望的な気持ちになります。いざというときのために、いくつか単語を確認しておきましょう!ドイツ:Herren(男性用)、Damen(女性用)スペイン:Hombres/ Caballeros/Señores(男性用)、Mujeres/Damas/ Señoras(女性用)フランス:Hommes/Messieurs(男性用)、Femmes/Mesdames(女性用)イタリア:Uomini/Signori(男性用)、Donne/Signore(女性用)フィンランド:Miehet(男性用)、Naiset(女性用)トイレあれこれ…ちなみに、ドイツのホテルなどではトイレ表示に数字の「00」が使われることもあり、はじめて出会うと戸惑います。また、イギリス英語圏では、おもに話し言葉でトイレのことを「loo」といい、アメリカでは男子トイレのスラングとして「john」を使用。どちらも辞典に載っています。お国によって、トイレ表示はさまざま。スラングもたくさんあるので、現地に行く前に調べておくと安心ですし、いろいろ発見があっておもしろいです。以上、知らないとヤバいトイレ略語でした!参考資料:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)『ビジネス技術実用英語大辞典V6』(プロジェクトポトス)
2022年04月27日日本が世界に誇る文化のひとつといえば、圧倒的な恐怖感と独特の世界観を持つジャパニーズホラー。そんななかで、新たな衝撃作として話題となっているのが、実在の幽霊団地事件をもとに描いた考察型体験ホラー『N号棟』です。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。萩原みのりさん【映画、ときどき私】 vol. 477近年は、『成れの果て』で主演を務めたのをはじめ、『佐々木、イン、マイマイン』や『花束みたいな恋をした』といった話題作にも出演するなど、注目を集めている萩原さん。劇中では、廃団地で起こる怪現象の謎を突き止めようと奮闘する死恐怖症を抱える女子大学生の史織を熱演し、観客を恐怖体験へと誘っていきます。今回は、撮影現場の裏側や自身の心境の変化、女性としての理想像などについて語っていただきました。―『N号棟』というタイトルを聞くだけで、笑えてきてしまうほど大変な現場だったそうですが、実際どのくらい大変だったのでしょうか。萩原さんとにかくめちゃめちゃ大変で、どれくらいかは映画を観て「察してください」と言う感じです(笑)。―確かに、観ているだけでもかなりの疲労感でした。萩原さんまず撮影場所が廃墟だったので、電気も水道も通っていないし、トイレも仮設トイレがあるという状況。そういう環境のなかで、朝からひたすら撮り続ける日々でした。内容も内容でしたし、撮影期間も短いうえに、ひとつひとつの撮影にすごく時間がかかっていたので、そういう大変さもあったかなと。特に、クライマックスのシーンは6~7時間くらいかけて撮っていますが、その間は最高潮につらい状態をずっと維持しなければならないのでしんどかったですね。しかも、怖がって怯えている感じを出すためにつねに過呼吸気味だったので、体力がゼロになるまでやっていたような現場でした。疲れている様子は、まさにリアルだった―撮影中はどうやって体力回復されていたのか、「これがあったから乗り切れた」みたいなものはありました?萩原さんそもそも、回復しない状態のまま進んでいく役柄だったので、そのあたりは徐々に気力を失っていく史織と重なっていたと思います。疲れている様子は、まさにリアルですね。―そういう状態でも、クランクアップするとすぐに戻れるものなのでしょうか。萩原さんそのときは、別の作品も撮っていて、撮休の日はほかの現場に行かなければならなかったので、ひきずる余裕がありませんでした。でも、それが気分転換になったというか、救いになっていたのかもしれません。ただ、その現場は『N号棟』とはまったく関係ない作品なのに、セットのなかに『N号棟』に出てくる教授の部屋に飾ってある死に関する哲学書がなぜか置いてあったことも……。そんなふうに、すべてが地続きになっているような錯覚に陥る瞬間はありました。―それはゾッとする偶然だったと思いますが、実際に現場でも怖い思いをしたことはありませんでしたか?萩原さん大変すぎて、もはや怖いと感じる余裕もありませんでしたね。というのも、エレベーターが動かないので、毎回5階くらいまで階段で上がらなければいけないのが体力的にきつくて。廃墟には鳥の死骸などもあったので、最初は怖くてギャーギャー言っていました。でも、だんだん慣れてきて何も思わなくなっちゃったのと、「ギャー」って叫ぶだけで疲れることがわかったので、すごい場所にいるはずなのに、みんなすごく普通にしてましたね(笑)。とにかく、階段を上って現場にいくことがそのときは一番のミッションであり、ほかのことを見ている余裕すらなかった感じです。みなさんがどこで怖がってくれるのかが楽しみ―ちなみに、この現場以外で不思議な経験をしたことはないですか?萩原さん全然ないですね。ただ、人生で1回だけ占いに行ったことがあって、そのときに「あなたは霊感が強すぎて閉じている」と会った瞬間に占い師さんから言われたということはありました。でも、一度も霊を見たことがないので、「ああ、そうですか……」という感じでしたが(笑)。とはいえ、実はものすごくビビりなので、お風呂では目をつぶれません。目を閉じたら誰かがいる気がしてしまい、髪や顔を洗っているときはいかにすぐ目を開けられるかとの闘いです(笑)。―お気持ちよくわかります。普段、ホラーはご覧になりますか?萩原さん『ソウ』とか海外のホラーはけっこう好きでよく観ています。というのも、日本の作品は現実味があって怖いですが、海外は描写がぶっ飛んでいたりするので、日常的でも非現実みたいな。私がそういう作品を観るのは、ジェットコースターに乗って疲れを吹き飛ばしたいみたいな感覚で観ることが多いです。―では、この作品では、どのあたりが見どころだと感じていますか?萩原さん個人的には、この作品はホラーというよりも、生きるとか死について繊細に考えさせられる人間ドラマだと思っています。なので、逆にみなさんがどこで怖がってくださるのかがすごく楽しみです。ちなみに、私が一番怖かったのは、筒井真理子さん。振り返ったときの表情は、正直言って本当に怖かったです(笑)。でも、その圧倒的な存在感と筒井さんの言葉のおかげで、追い込まれる状況に連れて行ってもらえる感覚はありました。ラストにかけてどんどん存在が大きくなっていくので、筒井さんを楽しみにしていただくのもいいかなと思います。役と自分の境目がわからなくなる瞬間も経験した―こういった役を演じることで、死や生きることに対して考えが変わったところもあったのでは?萩原さん現場に入るまでに自分ができることは、死恐怖症について理解することだと思ったので、当事者の方のブログを読んだり、死についての哲学書を読んだり、動画を見たりということを徹底的にしました。ただ、生きるとか死ぬとかは、ある意味身近なことでもあるので、それが私の実人生にまで踏み込んで来るような感覚があり、役と自分の境目がなくなってしまったことも。自分自身に投影しすぎてしまったときには、何が現実かわからなくなり、「どうして私はここを歩いているんだろう」とか「何で私は女優をしているんだろう」みたいなにすべてのことが一気にわからなくなってしまうような瞬間もありました。―それほどまで役に入り込んでしまうことは、いままでもありましたか?萩原さんいや、ないですね。これまではどんな役でも自分の人生とは離れている感覚だったので、そういうふうになったのは今回が初めてでした。―そこまでいくと、撮影が終わっても影響が残った部分があったのではないと思いますが。萩原さん実は、それまでも小さい頃から、「死んだらどうなるんだろう」とか「死について考える感覚すらなくなるってどういうことなんだろう」と考えて朝になってしまったことは何度もありました。答えが出ないからこそずっと考えてしまうんだと思いますが、この作品で死について考えることに疲れ果てたのか、いまでは考えなくなったので、逆に前を向けるようになった気がしています。10年後の自分はどうなっているのか未知―なるほど。今年はデビューから10周年となりますが、そういう意味での変化を感じることもあったのではないでしょうか。萩原さん私も感じるのかなと思っていたんですが、そういうこともあまりなく、もう10年も経っちゃったんだなという感じというか。学校に通っていた期間よりも長く何かしてきたことがないので、不思議な気持ちです。―では、次の10年はどう過ごしていきたいですか?萩原さん10年後に自分が役者の仕事をしているかどうか、どうなっているかもわからないくらい未知ですね。10年前は自分が役者の仕事を始めるとは考えてもいませんでしたし、1~2年くらいでやめると思っていたので(笑)。最初にスカウトされたときは、「何もせずにあとで後悔するくらいなら、『テレビに出たことあるよ』といつか自慢できるかもしれないからやってみたら?」と母に言われて、それぐらいの感じで始めたので。私の周りの人もまさか私がこの仕事を10年も続けるなんて、思ってもいなかったでしょうね。だからこそ、10年後もいまはまだ考えられないです。大人に見えない人間味のある女性になりたい―もし、「こんな女性になりたいな」と意識していることがあれば、教えてください。萩原さん私は、昔から“大人に見えないのにちゃんと大人”みたいな人にすごく憧れていているので、「大人になりたくない」とずっと言っている大人になりたいと思っています。いつまでも無邪気で、10代の頃と変わらないところでテンションが上がったり下がったりするような人間味のある女性でいられたらいいなと。そのままの感覚を持ち続けていたいと思っています。最近では、舞台でご一緒させていただいた女優の呉城久美さんがまさにそんな感じの方で、ずっと同じ年くらいだと思っていたら、実は10歳くらい上だったと知ってびっくりしました。そう感じさせないフラットなところが素敵ですし、悩みがあるときは同じように悩んでくれ、一緒に解決方法を見つけてくれるところもすごく魅力的なんですよね。私も10歳、20歳年下の後輩から親しみを持って接してもらえるような先輩になりたいです。インタビューを終えてみて……。過酷な現場の裏側も笑顔でお話されている姿を見て、内に秘めた強さを感じさせる萩原さん。役とリンクし、真に迫ったリアルな表情には、ぜひ注目です。ご自身でも想像がつかないというこれからの10年でどのような道をたどって行かれるのか、今後も楽しみにしたいと思います。一度足を踏み入れたら、もう戻れない!肉体的緊張感のみならず、精神に支配されていく“神秘的恐怖”も体感できる新時代のホラー映画。生と死の狭間に位置する異空間でしか味わえない衝撃体験をしてみては?写真・山本嵩(萩原みのり)取材、文・志村昌美ストーリーとある地方都市にあったのは、霊が出ることで有名な団地。女子大生の史織は、元カレの啓太が卒業制作を撮影するホラー映画のロケハンに、興味本位で同行する。啓太の現在の恋人・真帆と3人で向かったのは、廃墟同然の団地だったが、そこにはいまでも住人たちがいた。不思議に思いながらもロケハンを進めようとすると、突如激しいラップ現象に襲われる。その後も、頻発する怪奇現象に見舞われるが、言葉巧みな住人たちの“神秘的体験”に魅せられた啓太と真帆は洗脳されてしまう。そして、追い詰められた史織は、思いもよらぬものを目にしてしまうことに……。ゾクゾクする予告編はこちら!作品情報『N号棟』4月29日(金・祝)新宿ピカデリーほか全国公開配給:SDP©「N号棟」製作委員会写真・山本嵩(萩原みのり)
2022年04月27日ハリウッドの第一線で活躍するスタッフと日米が誇るスター・キャスト陣が集結した超大作ドラマ・シリーズ『TOKYO VICE』。すでに、日米同時配信がスタートし、大きな注目を集めています。WOWOWでの放送開始とともにさらなる高まりを見せるなか、こちらの方々にお話をうかがってきました。伊藤英明さん & アンセル・エルゴートさん【映画、ときどき私】 vol. 476『ベイビー・ドライバー』や『ウエスト・サイド・ストーリー』で脚光を浴び、日本でも人気の高い実力派俳優アンセル・エルゴートさん。劇中では、特ダネを追い求めるあまり闇社会へと踏み込んでしまう新人記者のアメリカ人青年ジェイクを演じています。そして、ジェイクと行動をともにする裏社会とつながりのある刑事の宮本に扮しているのが伊藤英明さん。近年は、ハリウッドデビューを果たすなど、幅広い活躍でも話題となっています。今回は、本作での共演を通じて友情を育んだおふたりに、撮影中の思い出や相手への熱い思いなどについて語っていただきました。―お互いのSNSに登場するなど、おふたりは非常に仲がよいことでも知られていますが、アンセルさんにとって伊藤さんはどんな存在ですか?アンセルさん英明さんとは、とっても馬が合いました。毎日一緒にサウナと温泉に入っていたので、文字通り裸の付き合いもしたくらいです(笑)。あとは、いろんなところへ食事に連れて行ってもらったり、新年には英明さんの実家に行ってお母さんの手料理をごちそうになったり、みんなで初詣に行ったりしました。本当にたくさんのいい思い出ができましたし、いろんなことを教えてくれたので、英明さんにはすごく感謝しています。とてもいい日本の先輩です。僕は本当にラッキーだと思います。―実際に、アンセルさんとご一緒されてみていかがでしたか?伊藤さんアンセルは環境も食事も違う場所で、いろいろと初めてのことをしなければいけない状況だったので、ストレスもあったと思います。でも、主演としてみんなを引っ張っていこうと押しつけがましくするわけでもなく、文化や歴史を積極的に学ぶことで、日本人に寄り添って役になりきるんだという覚悟をすごく感じたんです。実際、日本のなかに入って得たものを役に反映させたいという強い気持ちも伝わってきました。だからこそ、僕は彼にどんな些細なことでも経験してもらいたいなと。そういったこともあって、できるだけ日本の“普通の生活”を知ってもらえるように意識しました。日本語と歴史を毎日4時間以上は勉強した―劇中での日本語によるセリフにも驚きましたが、記者会見でもこの取材でも大半を流暢な日本語でお話されているのを見て、感動しています。どのようにして習得したのでしょうか。アンセルさん毎日4時間以上は勉強しましたが、最高の先生がついてくださっていたので、漢字や書き方、発音、それから日本の歴史と文化にいたるまですべてを教えてくれました。明治神宮の近くにあるベンチに座って、漢字を練習していたこともありましたね。いまでは、僕にとって日本は第二の故郷です。―そういう一生懸命な姿も、伊藤さんがアンセルさんをサポートしたいと思われた理由のひとつではないかなと。伊藤さんそうですね。撮影中はアンセルもパンデミックのなかにいる家族のことを心配したり、ホームシックになったり、いろんな心労があったと思います。それでも、そういう素振りを見せることなく、努力して役をやりきる姿に僕も感動しました。こんなにも日本の文化と語学を習得したハリウッドの俳優は、ほかにはいないんじゃないかな。―確かに、ここまでのレベルはいない気がします。劇中では、新聞記者やヤクザといった日本のなかでも厳しい社会を経験されたと思いますが、大変だったり、驚いたりしたことはありませんでしたか?アンセルさん合気道の稽古をしていたとき、まだ全然日本語を話せなかったのに、稽古で使う言葉を日本語で言わなければならず、それが難しくて大変でしたね。しかも、僕はたくさん汗をかいて震えているのに、先生も先輩もとても簡単そうにしていて、全然汗をかいていないんですよ(笑)。そんな僕を見た先生から言われたのは、「リラックスしなさい」ということ。そのときに、どれだけ一生懸命取り組んでいても、リラックスすることは大事なんだと学びました。これは合気道だけではなくて、何事においても言えることですよね。役で自由に生きることの楽しさを知った現場だった―日本の心も学ばれたんですね。日常生活を送るなかで、カルチャーショックなどはありませんでしたか?アンセルさん僕はニューヨーク人なので、ニューヨークの道で踊っても大丈夫ですが、東京の街中でちょっと大きな声を出してしまったときに、みんなに見られたのは恥ずかしかったです(笑)。そのときは、ちょっとだけホームシックになりました。―そんなことがあったとは(笑)。伊藤さんにとっては、ハリウッドの一流スタッフに囲まれる現場で、ご自身の俳優人生においても大きな意味を持つ作品になったと思いますが、振り返ってみていかがですか?伊藤さん僕個人のことで言わせてもらえば、ものすごいチャンスでした。でも、「チャンスをものにするんだ!」じゃなくて、みんなが同じ気持ちで作品に向かう心地よさを味わえる幸せな現場だったなと。役で自由に生きるとはこういうことか、役になりきるとはこういうことなのか、というのを改めて知ることができたので、僕自身も楽しかったです。アンセルや渡辺謙さんと現場をともにしたことも僕にとっては宝物になりましたが、これが一生の宝にならないように、これからも努力して、観ている人に感動を与えられる作品にもっと出たいと思っています。この経験を大事に、これからの俳優人生を歩んでいきたい―本作では、巨匠マイケル・マン監督が手掛けていることでも話題です。監督の現場で印象に残っていることはありますか?伊藤さん時間的な問題もあり、日本ではワンテイクで撮ることが多いですが、マイケル・マン監督の現場では同じシーンを何度も撮ることがありました。でも、「何回もテイクを重ねるのはNGではなくて、違うエモーションを見せてほしいだけなんだよ」と。「もし役としていいものが出せないのであれば、それは監督である僕の責任でもある」と言って向き合ってくれるので、俳優としてはとてもいい経験になりました。僕はもともと彼の大ファンで、『コラテラル』にいたっては、メイキング映像を何十回も見ていたほど。自分もそういう作品に出たいという気持ちで見ていましたが、オーディションの話をいただいたときは、「あのマイケル・マン監督に会えるんだ!」と思って受けました。でも、自分の夢にちゃんと向き合えば、こんなご褒美がもらえるんだと知ったので、今回の経験やいただいた言葉を大事にこれからの俳優人生を歩んでいきたいです。―また、ジェイクと組む敏腕刑事・片桐を演じた渡辺謙さんの存在も大きかったのではないかなと。伊藤さん現場に謙さんがいてくださるだけで絶大な安心感がありましたし、俳優として大事なことも教えてもらいました。あとは、どうしたら緊張せずに自分の思いを端的に伝えられるようになるのか、といったことを相談させていただいたことも。何事にも通じることではありますが、まず優先順位は何か、そして何を言いたくて、どこにフックがあって、結論に何を持ってくるのか、ということを考える頭の使い方を教えていただきました。それだけで話し方や伝わり方が変わってきたと感じています。日本の映画やドラマにもぜひ出てみたい―なるほど。俳優の先輩として、具体的なアドバイスを受けたこともありましたか?アンセルさん僕は謙さんから日本語のセリフを教わりましたが、そのときに言われたのは「日本語のセリフでも、まずは英語で覚えなさい」ということでした。英語で覚えて、意味がはっきりわかったうえで、日本語のセリフで言いなさいと。そんなふうに、自分が話している言葉のフィーリングをしっかりとつかんでからセリフを言う方法というのは、謙さんに教わって実践したことです。―記者会見では、渡辺さんから「次は全編日本語で行けるんじゃない?」とお墨付きをもらっていましたよね。伊藤さん絶対できると思うよ。アンセルさんやってみたい気持ちもありますが、謙さんは英語の演技も素晴らしく、僕はそれを見たいので、まだ英語と日本語の両方を使うほうでいいかなと思っています。―これだけ日本語が話せるのであれば、日本の映画やドラマでも問題ないと思いますが、ご興味はありますか?アンセルさんもちろんありますよ!もし英明さんとやれるならぜひ!伊藤さん月9にアンセル・エルゴート出たらおもしろくない?すごいよね。アンセルさん日本に来る飛行機のなかで『きのう何食べた?』を観ましたが、すごく大好きでした。英明さん、それを一緒にやりましょう!伊藤さんあははは(笑)。作品に捧げたみんなのエネルギーも感じてほしい―それはかなり観たいです!伊藤さんちなみに、アンセルは日本の映画が大好きで、積極的に昔の時代劇とかも観ているので、日本の監督については僕よりも詳しいんじゃない?アンセルさんいやいや、そんなことないですよ。でも、日本の伝統的なものは大好きです。伊藤さん地方にロケで行ったときには、わざわざ自分で古民家のような旅館を取って泊まったこともあったほどですから。でも、すきま風が寒くて寝られなかったんだよね?アンセルさんあはは(笑)。あと、赤羽にあるアパートにも泊まっていたことがありますが、あのときもおもしろかったですね。シャワーもない部屋だったので、銭湯に通っていましたが、そこで日本の方々と話をすることができました。そういう意味でも、ジェイクと同じ感覚を共有できたと思っています。伊藤さんアンセルはどんなに大変なときでも、「すべてがいい経験で、自分はいい人生を送っているんだ」という考え方の持ち主。いつもポジティブなところは、本当に素晴らしいなと感心しています。―見習いたいですね。それでは最後に、本作の見どころを教えてください。伊藤さんいままでの海外作品に登場する日本というのは、“ワンダージャパン”みたいな感じで、現実とは違って描かれていることも多かったですが、今回は監督のマイケルをはじめ、みんながリアルであることにこだわっていました。日本がここまでスタイリッシュでエネルギッシュに描かれている作品というのは、『ラスト サムライ』以来なんじゃないかなと思うほど。正しい人が生きにくいところもあるいまの時代に、正義感を持った新聞記者の姿がアンセルを通して世界中の人に観てもらえるのはうれしいです。そして、この作品はアンセルや謙さんをはじめ、すべてのキャストとスタッフが力を出し切った作品でもあります。だからこそ、全員の努力を決して無駄にしたくはないなと。作品にすべてを捧げたみんなのエネルギーはそのまま作品にも反映されているので、セカンドシーズン、サードシーズンと続いていってほしいと思っています。インタビューを終えてみて……。自分の気持ちを日本語で伝えようと一生懸命のアンセルさんと、その様子を温かく見守る伊藤さん。仲の良さはもちろんですが、お互いを想い合う気持ちまで伝わってきて、おふたりの関係性に感動を覚えた取材となりました。まずは『TOKYO VICE』での熱演に注目ですが、ぜひ『きのう何食べた?』での共演も実現してほしいです。未体験のトウキョウ・ワールドに誘われる!1990年代の東京を舞台に、凶暴なアンダーグラウンドの姿をリアルに映し出したドラマ・シリーズ。ハリウッドが手掛けるスタイリッシュな映像と息を飲む展開、そして豪華俳優陣による熱を帯びた演技合戦からも目が離せない。取材、文・志村昌美ストーリー難関な試験を突破し、日本の大手新聞社に就職したアメリカ人青年のジェイク。警察担当記者となったジェイクは、特ダネを追いかけるうちに、ヤクザ絡みの事件を解決する敏腕刑事の片桐と出会う。危険な闇社会へと足を踏み入れていくジェイクに、片桐は「この世界は、一度開いた扉は閉じるのが難しい」と忠告するのだった。そして、風俗街で暗躍する刑事の宮本や若きヤクザのリーダー・佐藤と知り合ったジェイクは、新興ヤクザ勢力の危険すぎるネタをつかもうとしていた。夢や希望を飲み込む東京のアンダーグラウンドで、生き残れるのは一体誰か……。胸がざわつく予告編はこちら!作品情報ハリウッド共同制作オリジナルドラマ『TOKYO VICE』WOWOWにて毎週日曜午後10時より独占放送中WOWOWオンデマンドにて配信中出演:アンセル・エルゴート、渡辺謙、菊地凛子、伊藤英明、笠松将、山下智久監督:マイケル・マン(第1話)ほか©HBO Max _ James Lisle©HBO Max _ Eros Hoagland
2022年04月25日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日は、現在ロンドンで人気を集めているサングラスをピックアップ!これから紫外線がどんどん多くなってくるので、ファッションアイテムとしてもUVカットとしても、サングラスは必須になりそうです。1960年~70年代のようなかっこいいサングラス!ファッショニスタの間では今も人気の、60~70年代風雰囲気抜群のサングラス!去年から流行っている淡い色との組み合わせでトレンド感アップ。特にイベントやフェスティバルなどで、本当に今でもよく見かける人気の形です。今年の注目度No.1は断然これ!最近よくストリートスタイルで見かける長細いサングラス。本当によく見かけるんです!スクエアタイプは比較的どんな顔の型にも似合うので、多くに人達が愛用しているようです。色違いも多く、柄があるものもありますが、個人的にはシンプルな色がおすすめ。丸みは柔らかさを強調してくれる!?こちらは先ほどご紹介したサングラスの丸型タイプ。少しソフトな印象になるので、細長いサングラスを着用してみたいけど、優しい雰囲気がお好みの方には、このタイプがおすすめかも。殿堂入りの人気キャッツアイ!相変わらず人気なのは、キャッツアイ型サングラス。ちょっと小悪魔的印象になるけど、とってもお洒落にも着こなせるタイプです。細長いサングラスよりも大きめのフレームなので、サングラスの機能としても紫外線をより広くシャットアウトしてくれるので、人気です。遊び心を反映させる絶好のチャンス!私のおすすめはこちら!超個性的に着こなしたい方に。サングラスとしての機能重視よりデザイン重視で使いたい場合などに最適。これ一つでファッションがだいぶ変わりますよね、ポイント使いにも、メインスタイルアクセサリーとしても使いたいデザインです。いかがでしたが?今までよりもまた今年は新しいデザインが人気です。今年のトレンドも取り入れながら、自分らしいファッションを楽しんでみてくださいね。写真・文 平野秀美
2022年04月24日東京駅丸の内駅舎内にある東京ステーションギャラリーで、『牧歌礼讃 / 楽園憧憬アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児』がはじまりました。本展では、ヨーロッパと日本で活躍した2名の画家の作品を展示。どちらの絵画も、癒される雰囲気のものばかりですが、彼らは破産や半身不随など過酷な人生を送っていました。両画家と作品について、館長の解説もあわせてご紹介します。どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 241本展では、アンドレ・ボーシャン(1873-1958)と藤田龍児(1928-2002)の代表作を含む計114点を展示。ボーシャンは20世紀前半のフランス、藤田は20世紀後半の日本で活躍した画家。生きた時代も国も異なる二人ですが、彼らの作品には楽園のような明るい光と自然への愛情があふれています。この展覧会を企画したのは、東京ステーションギャラリー館長の冨田章さん。冨田さんは、「二人の作品は、いつか紹介したいと思っていた」といい、両者の作品を一緒に展示した理由について、次のように語りました。冨田さん二人には意外な共通点が3つあります。まずは、モチーフ。どちらも自然を描き、自然に対する愛着が感じられます。2つ目は、両者とも50歳頃を境に新しい画家人生をはじめた点。3つ目は、それぞれがノスタルジックで心が休まる絵なのに、どちらも厳しい暮らしをしていたという点。過酷な状況で、安らぎに満ちた絵を描くのはどういうことなのか、いろいろ考えさせられます。半身不随を乗り越えて…ーーでは、二人の画家の経歴と作品を見ていきます。まずは、藤田龍児から。京都で生まれた藤田は、大阪市立美術研究所で絵画を学んだあと、1959年に美術文化展で初入選を果たし、毎年同協会で順調に出品を続けます。しかし、1976年から77年にかけて脳血栓を発症。半身不随となり、利き腕の右手が使えなくなります。藤田は、画家の道を断念し、作品も大量に処分してしまいます。その後、リハビリを経て50歳を過ぎてから左手で描き始め、1981年には個展を開き画家として復活。2002年に亡くなるまで、作品を制作し続けました。大変美しく、ジュエリーのよう…ーーでは、藤田の作品について、冨田さんの解説をご紹介します。冨田さん藤田の作品は、初期のころはシュルレアリスム風で抽象性が高い作品になっています。これが、前半生の重要ポイント。病気のあと、画風ががらりと変わり、メルヘン的でノスタルジックな作品を描くようになります。特に注目していただきたいのが、細密描写と色彩。花や雑草の穂のところに紫やオレンジなど、ちょっとした輝く色を差しているのです。それが、見ているとふっと浮き出てきて、大変に美しく、ジュエリーのような輝きを持っています。この色彩の美しさが見どころのひとつです。また、彼の作品には、エノコログサ(猫じゃらし)をはじめ、白い犬や蛇行した道、トンネルなど頻繁に出てくるモチーフがあります。特に、エノコログサは生命力の強さを感じられるモチーフ。藤田自身は、モチーフについて多くを語っていませんが、彼の人生や考え方を重ね合わせ、誤解でもいいので自分でいろいろ解釈してみるのもアートのひとつの楽しみ方だと思います。藤田は右手で20年、左手で20年描きました。50歳を境に、新しい画家の人生を歩み出したのです。破産や妻の病気を乗り越えて…ーー続いては、アンドレ・ボーシャンの経歴について。フランス中部で生まれたボーシャンは、苗木職人として自分の農園をもち、結婚して順調に暮らしていました。その後、第一次世界大戦が勃発。徴兵され、数年間部隊で活動します。除隊後、地元に戻ると農園は破産し、心労が重なった妻が精神を病んでいました。ボーシャンは妻を連れて彼女の故郷に行き、森の中に家を建てて自給自足しながら絵を描き始めます。1921年、48歳でサロン・ドートンヌに初入選。次第に評価が高まり、何度か個展を開き1949年にはパリで大回顧展を開催します。1958年に85歳で亡くなるまで、精力的に制作を続けました。斬新な描写が魅力ーーでは、ボーシャン作品について、冨田さんの解説をご紹介します。冨田さんボーシャンは、美術教育をいっさい受けていない人で、アンリ・ルソー以来の最も優れた「素朴派」の画家ともいわれています。絵を描くようになったきっかけは、軍隊生活。彼はそこで測地術(測量したデータをもとに正確な地図を描く)を学び、その技術で上官から高い評価を得ました。ボーシャンの作品は、稚拙にも見えますが、それが味わいになっています。プロの画家ではやらないような斬新な画面構成や描写が魅力です。また、もともと苗木職人なので、花や自然をモチーフにした作品が多く描かれています。絵の特徴は、あらゆるモチーフが同じような鮮明さで描かれている点。風景画を見ても、手前の木も、奥の山や川も、すべて同じ強さで描かれています。正確に地図を描く測地術の影響かもしれないが、ひとつひとつの対象に対して同じ注意力で描いています。ボーシャンと藤田は異質な二人ですが、彼らの作品は、のどかで牧歌的で響き合っている感じがします。どちらも見ていて心が和むし癒される。また、細部におもしろいところがあり、じっくり見るといろいろな発見があります。この展覧会で、ぜひ絵を見る歓びを感じてみてください。今しか見られない!館長の解説、いかがでしたか?この二人の作品を、これだけの規模で一緒に見られるなんて、奇跡のような展覧会です。本展は巡回しませんので、今、東京で見ないと次回いつ機会があるかわかりません。くれぐれもお見逃しなく!Information会期:~7月10日(日)※会期中一部展示替えがあります(前期4/16~5/29、後期5/31~7/10)休館日:月曜日*ただし5月2日、7月4日は開館会場:東京ステーションギャラリー開室時間:10時~18時※金曜日は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥1,300、大学・高校生¥1,100、中学生以下無料※最新情報は公式サイトでご確認ください
2022年04月24日映画には、知られざる真実や忘れられた過去にも光を当てる力がありますが、注目作『山歌(サンカ)』では、かつて日本の山々に実在していた「サンカ」と呼ばれる流浪の民の姿を描いています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。杉田雷麟さん【映画、ときどき私】 vol. 475本作で、主演に抜擢されたのは、『半世界』や『罪の声』『孤狼の血 LEVEL2』といった話題作への出演が続いている若手実力派俳優の杉田雷麟(らいる)さん。劇中では、生きづらさを抱えていた中学生の則夫が山でサンカの家族と出会い、さまざまな経験を通して変化していくさまを見事に演じています。今回は、初主演作への思いや今後挑戦してみたいことなどについて、語っていただきました。―まずは、初主演が決まったときのお気持ちからお聞かせください。杉田さんオーディション用の脚本では、ラストの父親と対峙する場面しか描かれていなかったので、そのときはまだ自分の役や内容についてあまりわかっていませんでした。実は、主演であることも受かってから知り、「え主演?」となったほどなので(笑)。―かなり驚いたと思いますが、同時にプレッシャーも感じたのではないかなと。杉田さん確かに、初めは主演ということに気負ってしまったところもありました。でも、本読みを進めていくうちにだんだん緊張がほぐれていき、則夫が自分の体のなかに染み込んでいった感じです。サンカについても、監督が僕の疑問点についてきちんと説明してくださったおかげで現場にはすごくいい状態で入れました。―笹谷遼平監督は杉田さんの影の部分に惹かれたとおっしゃっていますが、何か意識されていますか?杉田さんオーディションに行くときは、毎回「絶対にこの役を獲るぞ」という感じで気合いを入れて行きますが、重めの役が続いていたときに受けたオーディションだったので、そういうふうに見えてしまったのかなと。監督からは「影が2メートルくらいに見えた」と言われました(笑)。一番に考えていたのは、自分らしくいること―ちなみに、普段の杉田さんはどんな感じですか?杉田さん友人といるときは、ツッコんだり、ボケたりする感じで、けっこう明るいほうだと思います。とはいえ、スベることは多いですが……。―(笑)。今回、現場では主演として心がけていたこともありましたか?杉田さん自分らしくいたいというのを一番に考えていたので、主演というのはあまり意識していなかったです。それよりも周りの方に助けていただいたほうが多かったので、またこういう機会があれば、次はがんばりたいと思います。―撮影から3年近く経っていますが、初主演を経験したことで変化を感じる部分もあるのではないでしょうか。杉田さん演技については、3年前より成長していてほしい気持ちはありますが、役者に対する思いやこの道で生きていく覚悟に関しては、役者を始めたときからずっと変わっていません。いい意味であの頃とは変わっていない気がしています。―素敵ですね。本作で描かれている「サンカ」については、どのような印象を受けましたか?杉田さん最初に聞いたときは、何にも縛られることなく、自由に生きていてうらやましいというか、少し憧れるようなところはあったかもしれません。でも、劇中でも描かれているように、サンカの人たちが生きにくい時代になっていると知り、自分たちが何気なく便利に暮らしている陰で、やはり何かが犠牲になっていると改めて感じました。命や自然の偉大さについて改めて実感した―自然に対する見方や生き方など、何か影響を受けたところもあったのでは?杉田さん撮影では、実際に魚やヘビをさばくシーンがありましたが、直前まで生きていたものを焼いて食べたので、僕たちは命をいただいているんだなと実感しました。普段の生活ではあまり考えていないことだったので、ヘビの頭を切り落とすシーンでは僕の素のリアクションが映っています。―ご出身は栃木県ということですが、子ども時代はどんなふうにして過ごされていましたか?杉田さん僕は自然のなかで遊ぶことがわりと多かったので、トカゲやヘビを追いかけていたりしていましたね。ただ、最近はあまりそういうことに触れる機会が少なかったので、今回の現場を通じて、改めて命や自然の偉大さについて考えました。―杉田さんはサッカーやボクシングなどをされてきたということで、体力には自信があるほうだと思いますが、それでも山での撮影は大変だったのではないかなと。杉田さん雨が多くて寒さなどのきつさはあったものの、山に溶け込んでいるような感覚でいられたので、体力的な問題はありませんでした。ただ、撮影の最後のほうで大量発生していたヒルに刺されてしまい、かかとが血だらけになったことはありましたが(笑)。今回は、自分と則夫を切り替えることもなく、初めから終わりまで猛ダッシュで駆け抜けているようなイメージだったので、どちらかというとドキュメンタリーに近い撮影環境だったかもしれないですね。20代はいろいろな役をやって、幅を広げたい―今年でいよいよ20歳となりますが、法改正によってすでに4月から新成人となりました。心境の変化などはありましたか?杉田さん社会的にはすでにいろいろなことが適応されてはいますが、正直あまり実感がないというか……。やっぱり僕のなかでは、12月の誕生日に20歳を迎えたときが節目になる感じはしています。―どんな20代にしたいですか?杉田さん20歳になったら、今後演技をしていくうえで必要な感情が生まれ、幅も広がると思うので、とにかくいろいろな役をやりたいです。そのためにも、いまやれることを全力でできたらと。20代は、物事をもっと客観的に見れるようにもなりたいです。―ちなみに、これまでターニングポイントとなった作品や監督との出会いといえば?杉田さん本作の笹谷監督は伊参スタジオ映画祭で大賞を受賞したことでこの映画を作ることができたと聞きましたが、そのときに自分のなかでも監督をやってみたいという気持ちが生まれました。そういう意味では、この作品もひとつのターニングポイントになっている気がします。いつか自分の作品を海外に出してみたいと考えている―すでに脚本を書き始めているそうですが、どのようなものを書かれているのか教えていただけますか?杉田さん自分で読み返してみても、浅くてダメだなと思うものばかりなのでまだちょっと……。というのも、自分でも明確にコレだと言えるものが見つけられていなくて、どこに行こうかなとさまよっている状態なので。これまでわりと暗めの役が多かったので、そういうタイプの作品にひっぱられがちなんですが、それが本当に自分の撮りたいものかどうか僕自身でもわかっていないんだと思います。まずはいろいろと書いてみて、俳優と監督の両方ができるようになりたいです。映像化まではまだ遠い話ではありますが、いつか自分の作品を海外に出して、多くの方に観てもらえるようになれたらいいなと考えています。―非常に楽しみです。ちなみに、ご自身は普段どんなタイプの作品が好きですか?杉田さん洋画を観ることが多いですが、日本だと刑事ドラマをよく観ています。―最近観てよかったものがあれば、教えてください。杉田さん僕が大好きなトム・ハンクスさん主演の『ターミナル』とホラー映画の『ソウ』。どちらもほぼ同じ場所で展開されていますが、それであそこまでおもしろくできるということは、やっぱり脚本がおもしろければいい映画が作れるんだと、この2作品だけでも、思い知りました。最近は、時間があるとだいたい動画配信サービスで映画やアニメを観ていますが、俳優の仕事を始めてからは純粋な観客としての目線ではなくなりましたね。どうやって撮っているのか、つねにいろいろなことを考えながら観ています。これからもいい意味で変わらずに、がんばっていきたい―これから俳優として目指している理想像はありますか?杉田さん主役でも脇役でも両方務まるようになりたいですし、少し出ているだけでも印象に残るような俳優になりたいと思っています。いつか刑事役もやってみたいですし、コメディなども含めてどんどん幅は広げていきたいです。僕は演じているときが一番楽しいですし、現場では学ぶことも多いので、とにかく一生懸命やることをいつも意識しています。―それでは最後に、ananweb読者へメッセージをお願いします。杉田さんこの作品では、僕らが演じている以外にも、山の情景や命の描写などたくさん映し出されているので、観ていただいたときに、何でもいいので何かを感じ取ってもらえたらうれしいです。僕自身は、これからもいい意味で変わることなく、成長していきたいと思っています。応援よろしくお願いします。インタビューを終えてみて……。「現場と違って、取材での撮影は恥ずかしくて苦手」とはにかみつつも、さまざまな表情を見せてくれた杉田さん。雷麟というお名前は本名で、雷のように厳しく、頭がよくなるようにという願いが込められているそうですが、それを体現するような唯一無二の存在として、今後ますますの活躍に期待です。山が訴える声に耳を傾ける圧倒的な山の景色のなかで、人間も自然の一部であることを感じるとともに、真の意味で「生きる」とは何かを改めて考えさせられる本作。則夫のように、多くの人が生きづらさを抱えている現代にこそ観たい1本です。写真・北尾渉(杉田雷麟)取材、文・志村昌美ストーリー高度成長にわく1965年の夏。中学生の則夫は受験勉強のため、東京から祖母の家がある山奥の田舎を訪れていた。父と祖母に勉強を強いられ、一方的な価値観を押し付けられていた則夫は、ふとしたきっかけで、山から山へ漂泊の旅を続けるサンカの長である省三と娘のハナ、母のタエばあと出会う。既成概念に縛られることなく自然と共生している彼らと交流を深めていく則夫。生きづらさを抱えていた則夫にとって、いつしかサンカの家族は特別な存在となっていた。そんななか、彼らが山での生活を続けられないほど追い込まれていることを知った則夫は、ある事件を引き起こすことに……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『山歌(サンカ)』4月22日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開配給:マジックアワー©六字映画機構写真・北尾渉(杉田雷麟)
2022年04月21日2019年に世界中で社会現象を巻き起こした映画『ジョーカー』で、驚異的な怪演ぶりを見せた名優ホアキン・フェニックス。次回作への期待が高まるなか、最新主演作『カモン カモン』では狂気とはかけ離れた人物に扮し、話題を呼んでいます。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。ウディ・ノーマンくん【映画、ときどき私】 vol. 474本作では、ホアキン演じるラジオジャーナリストのジョニーが、ある日突然9歳の甥・ジェシーの面倒を見ることになるところから物語が始まりますが、ジェシーを演じているのがウディくん。英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたのをはじめ、さまざまな賞を受賞し、ホアキンにも衝撃を与えた新星の天才子役として注目を集めています。今回は、現場での様子やホアキンとの共演エピソード、そして13歳となったいま抱いている将来の夢などについて、語ってもらいました。―事前に行われたオーディションでは、マイク・ミルズ監督とホアキン・フェニックスさんは、ウディくんのアドリブに衝撃的な感動を覚えたそうですが、どんな演技を見せたのでしょうか。ウディくん僕はあまりはっきりとは覚えていないんですけど、即興というよりは、セリフのやりとりをするなかでちょっとセリフを足したぐらいだったかなと。ホアキンとは演技をするというよりも、セリフを言い合いながらなんとなく演じていくような感じて進めていきました。―撮影中もアドリブは多く取り入れていましたか?ウディくんいくつかの場面ではアドリブでセリフを足していますが、基本的には脚本に忠実です。でも、そのときどきで変化や追加が必要だと感じたときには、判断してアドリブを入れています。ホアキンは優しい人で、すぐに打ち解けられた―ウディくんはイギリス出身ですが、劇中では完璧なアメリカ英語で話されていたので、ホアキンさんもイギリス人であることに気がつかないほどだったとか。どうやって身につけたのですか?ウディくん実は、数年前に別の役のオーディションを受けるためにアメリカ英語のアクセントを練習したことがあったんです。そのときは役をもらえませんでしたが、当時の経験があったおかげで今回すんなりと入っていくことができたのだと思います。もちろんいくつかの“壁”はありましたが、繰り返し練習したので、いまでは第二外国語みたいに話せるようになりました。―すごいですね。では、思い出のシーンと言えば?ウディくんそれは、ニューヨークで撮影したレスリングのシーンです。というのも、僕が数年前にレスリングにハマっていた話をしていたら、じゃあ取り入れてみようとなったシーンなので。もともと脚本には書かれていませんでしたが、そういう経緯で追加されたので、僕にとっては特別で思い出深いシーンとなりました。―そのあたりは、ぜひ観客の方々にも注目してもらいたいですね。伯父役のホアキンさんはハリウッドでもトップクラスの俳優ですが、初共演で緊張しませんでしたか?ウディくん初めて彼と会ったのはオーディションのときでしたが、なんとパジャマ姿で現れたんです(笑)。そういったこともあって、すぐに打ち解けられたのではないかなと。すごく優しい人でもあるので、一緒に演じていてもまったく緊張することなく接することができました。共通点を見つけながら、役に入り込んでいった―ちなみに、彼の過去作は観たことがありましたか?ウディくん5歳くらいのときに、『ブラザー・ベア』というアニメーションを観ましたが、そのときはホアキンが声優をしていることは知らずに観ていました。そのほかの作品については、お母さんから「撮影が終わるまでは観てはいけない」と。なぜなら、ホアキンがスターであることを僕が意識してしまったら、圧倒されてしまうと考えたからです。―確かに、それはあるかもしれないですね。現場では彼からたくさんのことを教わったそうですが、具体的にはどんなことですか?ウディくんまず彼から学んだのは、共演者と打ち解けることの大切さです。どれだけ仲良くできるかによって、演じる際にいかにいろんなことがスムーズに運んでいくかを知りました。演技に関して具体的に何かを教わったりはしていませんが、彼を観察するなかで、カメラ前での振る舞いなどは参考にしています。―劇中のジェシーは、ちょっと変わった子どもとして描かれていますよね。普段のウディくんと似ているところもありますか?ウディくん答えは、イエスでありノーですね。共通点は音楽がすごく好きなところですが、内向的なジェシーと違って、僕はすぐに相手と仲良くなって自分を出すことができるので、そこは似ていないかなと。とはいえ、演じるうえでは、共通点を見つけていきながらジェシーという役に入り込んでいきました。今後20年で、いろいろなことが改善されていくはず―劇中ではラジオジャーナリストのジョニーが、取材として子どもたちにいろいろな質問をしていたので、いまから映画のなかで出てきたものと同じ質問をいくつかさせてください。まずは、ウディくんが怖いものは何ですか?ウディくんたくさんありますけど、一番怖いのは海。あとは、蝶々も怖いですね(笑)。―では、何に怒りを感じますか?ウディくん話を聞いている振りをして、内容を聞いていない人に対してです。特に、あとになってから、「そんなこと聞いてないよ」と言われると、イラっとしてしまうこともあるので。―わかります(笑)。ウディくんを幸せにしてくれるものといえば?ウディくん具体的には挙げられませんが、いま僕の周りにあるものはみんな僕のことを幸せにしてくれています。―素敵ですね。もし、スーパーパワーが1つ持てるなら何がいい?ウディくんテレポーテーションですね。いろんなところに、素早く移動できるようになりたいので。―自分の何かを1つ変えられるなら、変えたいものは何ですか?ウディくん僕は年齢のわりに背が低いほうなので、できればあと数センチは高くなりたいです!―これからの未来はどうなると思っているか、考えたことはある?ウディくん僕は地球が滅びることはないと思っていますし、未来はいい方向に進んでいるんじゃないかなと。たとえば、いま海にゴミを捨てている人たちも、それが間違いだと気がついているはずなので。今後20年でそういったことも改善されていくと感じています。俳優だけでなく、監督や脚本にも挑戦したい―ありがとうございます。今後も役者は続けていきたいということですが、もしほかにもやってみたい職業があれば、教えてください。ウディくん映画業界に関わるすべてのお仕事が楽しそうに見えるので、監督もやってみたいし、脚本も書いてみたいと思っています。実際、すでに脚本は書いているのですが、まだ自分が楽しむ程度のものなので、いつか本格的に取り組んでみたいです。―もう脚本を書かれているのですか!?ちなみに、どんなタイプの作品か教えてもらえますか?ウディくんすでに4~5本は書いているんだけど、最後に書いたのは1か月くらい前で、自分でも内容を忘れてしまいました(笑)。―いつか作品になるのを楽しみにしています。ほかには、どんなことに興味があるのでしょうか。ウディくん僕が一番ハマっているのは、音楽です。いまエレクトリックベースを弾いているのですが、いろいろなジャンルの根源をたどっていくと同じところにつながっていたりして、そういうところもすごくおもしろいですよね。ミュージシャンというのは、音楽によってその場の空間を満たすクリエイティビティを作り出しているので、すごく尊敬しています。日本にはいつか絶対に行きたいと思っている―ちなみに、いままで日本に来たことはありますか?ウディくんまだ行ったことはありませんが、 旅行するのが大好きですし、日本はいつか絶対に訪れてみたいと考えています。ロンドンと東京は似ているところがあるんじゃないかなと想像していますが、世界の反対側にあるくらい離れている都市なので、その違いを知るためにも行ってみたいです。映画のなかで見る日本や日本に行ったことのある友達から聞く話から、とても楽しそうな場所だなという印象です。―それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。ウディくんこの作品はロックダウンになる前に作ったものですが、それがこうして世界中の人に観てもらえるのは、とても光栄ですし、多くの方に届けられるのをうれしく思っているところです。ぜひ、日本のみなさんの感想も楽しみにしています。ありがとうございました!インタビューを終えてみて……。お茶目な笑顔を見せつつ、終始大人顔負けのしっかりとした受け答えをしてくれたウディくん。俳優としての実力はすでに名優からのお墨付きですが、計り知れない才能で将来は監督や脚本家、さらにはミュージシャンとしても私たちを楽しませてくれそうです。驚きと優しさに満ちたかけがえのない時間となるデトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオリンズといった異なる景色を見せる都市を舞台に繰り広げられる心温まるロードムービー。年の離れた天才俳優による“奇跡のケミストリー”に魅了されるだけでなく、悩みも怒りもすべてを優しさで包み込んでくれる珠玉の感動作です。取材、文・志村昌美ストーリーNYに1人で暮らすラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることになる。LAにある妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる。そのいっぽうで、ジョニーの仕事や録音機材にも興味を示し、2人は次第に距離を縮めていく。そして、仕事のためにNYへと戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるのだが……。愛おしさが詰まった予告編はこちら!作品情報『カモン カモン』4月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー配給:ハピネットファントム・スタジオ© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.Maggie Shannon
2022年04月20日この春も話題作がひしめき合っていますが、今回は映画好きにオススメしたい1本をご紹介します。それは、スティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシといった名監督たちに多大な影響を与えたとされる“20世紀最大の巨匠”イングマール・ベルイマン監督にまつわる注目作です。『ベルイマン島にて』【映画、ときどき私】 vol. 473アメリカからスウェーデンのフォーレ島へとやって来たのは、映画監督カップルのクリスとトニー。創作活動にも互いの関係にも停滞感を抱いていた2人は、敬愛するベルイマン監督が数々の傑作を撮ったこの島でひと夏を過ごすことで、新作へのインスピレーションを得ようと考えたのだ。やがて島の魔力がクリスに作用し、彼女は自身の“1度目の出会いは早すぎて2度目は遅すぎた”ために実らなかった初恋を投影した脚本を書き始める。その後、どうしても結末が思いつかず、悩んでいたクリスだったが、思いがけない出会いが彼女の心を変えていくことに……。第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、高い評価を得た本作。そこで、こちらの方に作品の背景などについて、お話をうかがってきました。ミア・ハンセン=ラブ監督@Judicaël Perrin2007年に26歳という若さで長編映画監督デビューを果たすと、類まれなセンスと才能でフランスを代表する女性監督のひとりとなったミア・ハンセン=ラブ監督。今回は、自身も敬愛するベルイマン監督の魅力や日本での思い出、そして女性に伝えたいメッセージについて語っていただきました。―10年ほど前から、ベルイマン監督の作品や人生に傾倒するようになったということですが、どういったところに惹かれているのでしょうか。監督これは非常に難しい質問ですね。お答えするのに、数時間はかかってしまうかもしれません(笑)。なぜなら、ベルイマンの魅力を短い時間で語り尽くすことは私にとっては不可能なことですから。具体的に彼のどの部分がいいとか、どの作品が好きということではなく、彼の人生も作品も生き方も、さらには息遣いまで、すべてが魅力的だと思っています。有名な作品のなかには、人工的なところがある作品もあるかもしれません。でも、『不良少女モニカ』(53)や『ある結婚の風景』(73)、『ファニーとアレクサンデル』(82)のような作品では、彼のキャパシティの広さや創作力の大きさ、そしてエロティシズムまでもがあると感じています。ベルイマンに惹かれるのは、自分に忠実だから―そういったことすべてから監督も影響を受けていらっしゃるのですね。監督そのほかに私が一番惹かれているのは、彼が自分に対してとても忠実であるところです。つまりそれは、自分を裏切ることなく、一切の妥協も許さないという意味でもありますが、そういった部分があるからこそ、ベルイマンがベルイマン以外の何者でもない理由かなと。だから、私は彼の作品を観ていると、彼とコミュニケーションを取れているような気がするのです。ほかにも同じようなコミュニケーションを感じられる監督は何名かいますが、ベルイマンほどそれを直接的に感じられる人はいないと思っています。そういうところが、私から見たベルイマンの魅力です。―なるほど。監督は「この映画の大きなテーマは“解放”である」とお話されていますが、それはいまでも多くの女性が男性から解放されていないと感じていらっしゃるところがあったからでしょうか。監督夫婦生活や社会において叫ばれているような、いわゆる女性解放というのとは少し意味が違いますが、私はクリスを通して自分自身を解き放って自由にする姿を表現したいと考えました。とはいえ、私が映画を作る際、最初に何かをテーマとして掲げているわけではないので、出来上がった作品に対して観る方が興味を持ってくださればいいと思っています。つまり、私が先に何かを意図しているわけではありません。劇中では、クリスがトニーと会話をしていくなかで徐々に変化し、芸術的な面において自分を解き放っていくようなところがありますが、初めは弱さのある女性だった彼女がだんだん強さを身に着けていく過程を感じていただいたらと。この作品を映画化するまではかなり時間がかかりましたが、こういう形で作り上げることができてよかったです。日本を理解するために、次回は長く滞在してみたい―話は変わりますが、日本についても少しお聞かせください。監督はこれまでに何度か来日されたことがあると思いますが、日本での印象深いエピソードなどはありますか?監督日本は大好きなんですが、いつも仕事で行くので、滞在日数が毎回3~4日ほど。あまりにも短すぎるので、私にとってはそれがすごくフラストレーションです。実際、初めて日本に行ったときには、ちょうど子どもが生後数か月のときだったので、1日中インタビューを受けながら授乳もしていて、ゾンビみたいになってしまった強烈な思い出もありますよ(笑)。2度目はもう少し余裕がありましたが、地方まで行けなかったのは残念でした。特に、香川の直島は島全体が美術館のような場所だと聞いていたので、そこで安藤忠雄さんの作品を見たり、芸術に触れたりしたかったですね。私にとって異文化を理解するのはとても重要なことですが、本当の意味で経験するには、やはり1か月程度は必要だと思います。次回こそは訪れてみたいです。過去にこだわらず、未来の力に変えてほしい―ぜひ、お待ちしております。それでは最後に、ananweb読者へのメッセージをいただきたいですが、なかには劇中のクリスのように自分を弱くて依存的だと考えているような女性たちもいると思いますので、この作品から感じてほしいことなどを教えてください。監督実は、私も長い間、クリスのように女性特有の弱さを抱え、家族の問題などに悩んでいた時期がありました。そのときは過去ばかりを振り返り、過去の傷に痛みを感じたりしていましたが、少しずつ弱さを強さに変えていくことができたのです。私の場合は、弱さを創作のツールとして利用しましたが、そんなふうに弱さを“武器”にすることもできるのだということは伝えられたらと。過去のことばかりにこだわるのではなく、それを未来に向けたひとつの力に変換することも可能なんだということをクリスの姿を通して知っていただきたいですし、みなさんにもそうなっていただけることを願っています。柔らかな日差しに包まれながら、自分の心に問いかけるインスピレーションを刺激する美しい景色が広がる “映画ファンの聖地”スウェーデンのフォーレ島を舞台に、女性の繊細な心の機微を見事に映し出した本作。静かな波のように観る者の感情に入り込み、ときには激しい雨のように心を揺さぶる必見作です。取材、文・志村昌美目を奪われる予告編はこちら!作品情報『ベルイマン島にて』4月22日(金)、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開配給:キノフィルムズ© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma
2022年04月20日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第106回は、とんとん拍子でうまくいって付き合うことになった彼氏が、実は“超テキトー男”だったという気をつけたい男性の特徴をお届けします。1.恋愛乗り換え常習の男【結婚引き寄せ隊】vol.106恋活や婚活をしていて、とんとん拍子で恋が進展して、付き合うことになった彼氏とうまくいっているかと思いきや、実は「テキトー男」だったから、すんなり付き合えただけだった…という、あまりうれしくない相手も存在します。筆者が婚活中に見聞きした、そんな気をつけたい男性の特徴のひとつめは、「恋愛乗り換え常習」の男性。しばらく彼氏がいなかった30代前半のある女性は、まだ具体的に結婚を考えてはいませんでした。とはいえ、まわりの友達がみんな彼氏持ちということもあって、イベントごとなどがあるときは、ひとりで寂しい気持ちでいたそうです。そこで飲み会に参加した際に出会ったのが、同年代の男性。「もう別れたのに元カノがしつこくて」という、元カノに困っているというその男性の相談に乗っているうちに仲良くなって、すぐ付き合うことになりました。出会いがあってよかったねえと喜んでいたのも束の間、その女性から連絡がありました。「ただの乗り換え男だったー!」と憤る女性の話を聞くと、どうやら彼氏は、数か月で女性に飽きてすぐ別の女性へと渡り歩いてしまう「恋愛乗り換え常習」の男性だったのです。最初に聞いていた元カノというのも、実はちゃんと別れていなかったのに、勝手に「元」彼女にさせられて乗り換えていただけだったとのこと。きっと今頃、同じような手口で他の女性へと乗り換えていっているはず。付き合うハードルは低いものの、別れるハードルも低すぎて、おままごとの付き合いじゃないんだから……と呆れるばかり。なんとも腹立たしい男性ですが、そんなヤツとは離れられてよかったんだと思ったのでした。2.押しに弱いだけの男30代半ばのある女性は、バリバリと仕事をしているアクティブ派で、飲み友達もたくさんいたので、顔も広いタイプでした。あまり恋愛には興味のなかったその女性でしたが、仕事のプロジェクトが一段落してひとりになったときに寂しくなって、ふと「彼氏が欲しい」と思ったそうです。そこで知り合いに「誰かいない?」と聞いたところ、いい男性がいるとのことで、紹介されたのが、細身の少し年下の男性。「シャイなところがある」と紹介されたため、ちょっと控えめな感じがありつつも、「ま、いっか」ととりあえずデートすると、けっこういい感じだったそうですぐ付き合うことになりました。でも……。その後彼氏とどうなっているのかその女性に聞いてみると、「別れた」とのこと。まだ半年も経っていません。よくよく話を聞くと、元カレはただ「押しに弱いだけ」の男性だったらしく、紹介話も断りきれず受けて、デートもとくに嫌じゃないからとやってきて、付き合うのもとりあえずという状態。つまり、何ひとつ自分から望んでいたわけではなく、ただ流されるままに恋人になっただけだったため、まったく彼女に向き合っていませんでした。そんな付き合いが長続きするはずもなく、後半はほとんど会っておらず、別れもその女性が切り出すとすんなり承諾したのだとか。テキトーに付き合われても、温度感が合わないからすぐバレますし、いい大人でもそんな男性いるんだなと思ったのでした。3.恋愛体質すぎる男30代前半のある女性は、「すぐにでも結婚したい」が口グセになるほど、一生懸命婚活していました。いまは20代の女性でも婚活市場に参加しているため、「素敵な男性に早く出会いたい」とちょっと焦っているところがあったようです。そんななか女性が参加した恋活イベントで、甘いマスクの好みの男性と出会いました。向こうももちろん出会いを求めていたため、すぐ意気投合。初めてふたりでデートすることになったその日に、交際することに。彼氏はすごく「恋愛体質すぎる」男性で、毎日連絡を取りたがる、休日は必ず会う、平日でも時間があれば仕事帰りに会いに来るなど、とにかく大盛り上がり。ですが、その女性の仕事が忙しくなってくると、だんだんバランスが崩れてきたのだとか。デート中も何度も「俺のこと好きだもんね?」と聞いてくる彼氏が重くなってきたそうで、そうなる度に女性は深いため息をつくのでした。意を決して別れを切り出した女性に、なんと泣いて拒否したという彼氏でしたが、なんとか別離。さぞ元カレは落ち込んでいると思いきや、少しおとなしくしていた時期を経て、そそくさと合コンに繰り出してすぐ次の彼女をゲットしたのだとか。誰に対しても、恋愛体質って発揮できちゃうものなのですね。出会いを探していると、思いがけないタイプの男性に出会うこともありますよね。そこでテキトーに恋愛をする人よりも、できれば、自分だからこそ選んでくれる人と、素敵な恋ができますように!文・かわむらあみり©LukaTDB/Getty Images©PhotoAlto/Odilon Dimier/Getty Images©franckreporter/Getty Images/Getty Images
2022年04月19日1992年にアニメ放送がスタートして以来、長年にわたって国民的な人気を誇る『クレヨンしんちゃん』。記念すべき30周年を飾る劇場版最新作『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』では、忍者の里を舞台に、しんのすけの出生にまつわる“真実”に迫っています。そこで、ゲスト声優を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。川栄李奈さん【映画、ときどき私】 vol. 472女優として目覚ましい活躍をみせる川栄さんが演じたのは、「自分こそがしんのすけの本当の母親だ」と名乗り現れる、くノ一(くのいち)の屁祖隠(へそがくれ)ちよめ。今回は、作品の見どころだけでなく、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』でヒロインを務め終えたばかりの心境や次に掲げる夢などについても、語っていただきました。―まずは、ちよめというキャラクターに対して、どのような印象を抱きましたか?川栄さん最初は、くノ一で妊婦という設定なのにアクションシーンがあることに驚きました。活発な妊婦さんで、なんて面白いんだろうと。しかも、芯の強いところもあるので、カッコイイお母さんだなと思いました。―ご自身と似ているところなどもあったのでしょうか。川栄さん女性としての強さみたいなところは共感できましたし、みさえがちよめに対して「あなたもお母さんでしょ?」と投げかけるシーンでは、すごくジーンときました。『クレヨンしんちゃん』の魅力は、子どもだけでなく、大人も感動できるところ。今回も、野原家を見ていて、当たり前の暮らしができることは素晴らしいことで、すごく幸せなことなんだと感じました。しんちゃんは、つねに身近にいた存在―小さいときからずっとアニメを見ていたそうですが、『クレヨンしんちゃん』との思い出と言えば?川栄さん幼少期から金曜日の夜は『クレヨンしんちゃん』と『ドラえもん』はセットで見ていた家庭だったので、朝のニュース番組のように、自分にとってはつねに身近にあるものでした。ちょっとお下品なギャグとかもあるので、あまり見せたくないという親御さんもいるようですが、そんなことも知らず、みんな見ていると思っていたほど。「見ちゃいけない」と言われている友達がいたのを知ったときは、びっくりしました。―となると、しんちゃんから受けていた影響もかなりあったのでは……。川栄さん「おしりブリブリ」とかはよくしていましたね(笑)。でも、それもみんなしていると思っていたくらいですから。―しんちゃんの真似をして、ご両親に怒られることはなかったですか?川栄さんそれよりも、笑っていましたね。なので、家族のコミュニケーション方法のひとつというか、みんなが微笑ましくなる瞬間でした。―いままでも声優のお仕事は非常に緊張されているそうですが、自分が大好きなアニメに参加することになってプレッシャーもあったのでは?川栄さんそうですね。特に、声優は本職ではないので、「自分が出てる!やったー!」みたいな気持ちよりは、「自分の声で大丈夫かな?」という不安のほうが大きかったです。いい意味で変わることなく、素で生きている―そんななかでも、ご自身なりに工夫されたこともあったと思いますが。川栄さんたとえば、初めのほうはちよめがシリアスな問題を抱えているので、トーンを暗めにしています。そのあと、最後に向けて少しずつ明るくしているのですが、子どもたちと話すときだけは寄り添うような優しい声を意識しました。声優のお仕事をやらせていただけるのは本当に貴重なことなので毎回噛みしめながら収録をしていますし、声優のみなさんのいいところを盗めたらと。そうやっていくうちに、自分の声にも自信を持てるようになったらいいなと考えています。―ちなみに、同じくゲスト声優であるハライチさんとは何かお話されましたか?川栄さんイベントや取材でお会いしただけなので、あまりお話はできませんでしたが、おふたりは本人役で出られるのでうらやましいです。というのも、誰もが知っている方でないとできないことだと思うので。改めてハライチさんのすごさを感じました。―ということは、川栄さんも本人役で出たいと?川栄さん本人役もいつかはやってみたいですね。でも、その前にビッグにならないといけないですが(笑)。―そういう意味では、朝ドラのヒロインを務められたことも次のステージに上がったきっかけになったと思いますが、心境に変化などはありますか?川栄さん私も朝ドラに出たら変わるんだろうと思っていたんですが、意外とあまりそういうこともなく、何も変わらずに素のままで生きています。なので、いい意味で特に変わったことはないですね。今後の作品がモチベーションになっている―大きな夢を叶えたあと、次の目標があれば、教えてください。川栄さんずっと抱いている夢は、映画で賞を獲ること。映画のほうがドラマよりも出演本数が少ないので、これからはもっと映画にもたくさん出たいです。お芝居がすごく好きなので、今後の作品がいつもモチベーションになっていますし、それを楽しみに生きています。―朝ドラではかなり英語も勉強されたということなので、今後は英語を使ったお仕事も考えているのでは?川栄さん実は、英語の勉強は一旦やめてしまったんです(笑)。というのも、私は何か目標がないとできないタイプなので……。しかも、英語ができる方からも「そんなにすぐに話せるようにはならないよ」と言われてしまい、やっぱり日々の積み重ねが大事なんだなと感じています。でも、ご縁があってまた英語を使えたらいいですね。英語を使う役がきたらがんばります!―毎日かなりお忙しいと思いますが、オンオフの切り替えなどは意識的にされているのでしょうか。川栄さん私は仕事の現場が終わったら「終わり!」となる性格で、役を引きずることはまったくありません。現場に行く前もガチガチに決めずに、台本を1、2回読んで空気感をつかんだらそれを持っていく感じにしているので、切り替えは得意なほうだと思います。自分の長所は、前のことを引きずらないところ―それは、お仕事を続ける過程で身に付いたものですか?川栄さん前のことを引きずらずに次の仕事ができるのはAKB48のときからなので、そこはもともと持っている自分の長所でもあるのかなと。セリフ覚えが得意なこともあり、家でも台本を開いている時間は最小限にしているので、息抜きはけっこうできているように感じています。あと、仕事のあとの楽しみといえば、大好きなお風呂に入ること。2~3時間は入るので、映画を観たり、台本を読んだりしながら過ごしています。―ほかにも、マイブーム的なことはありますか?川栄さんここ数年はお香にハマっていて、朝ドラの撮影で大阪にいたときも、朝起きたらまずお香をたくのがルーティーンでした。日によって香りを変えることもありますが、匂いによって癒されたり、スッキリしたりすることが多いかなと。匂いフェチのようなところもあるので、街を歩いているときにいい匂いがしたら、それをたどってお店に入ることもあるくらいです(笑)。―また、髪をバッサリ切ってから雰囲気も変わられましたが、切ろうと思ったきっかけは?川栄さん朝ドラが終わったときに腰のあたりまで伸びていて、ちょうど作品も重なっていなかったので、切りたいなと思って。髪が長かったときとは、洋服やアクセサリーの選び方がかなり変わったので、いまはそれを楽しんでいます。こんな時期でも、楽しいものを見つけてがんばりたい―とても素敵です。川栄さんといえば、撮影時もご自分でメイクをされることがあるほどコスメ好きということですが、最近お気に入りのメイク法を教えてください。川栄さん私は季節によってメイクを変えるのが好きなので、春ならオレンジやピンクを多めに使うようにしています。コスメも新しいものがいろいろと出るので、ネットやインスタで上げている人の情報を参考にしながら買っていますが、それが毎シーズンの楽しみです。―では、美肌を維持するためにしていることとは?川栄さんそれは、シンプルに皮膚科に行くことです(笑)。いまの時期は、花粉で肌が荒れることも多いですからね。そういうときは、皮膚科が一番だと思います。―確かに、それは大事ですね。それでは最後に、ananweb読者へメッセージをお願いします。川栄さんいまは仕事もリモートが増えているので、なかなか外に出られる機会がなくなっているかもしれませんが、そういうこともプラスにとらえられるようになるといいのかなと。家にいる時間を使っていままでできなかった趣味に取り組むのもいいですし、逆にたくさん休むのもありですよね。これは私にも言えることですが、コロナ禍が明けたときに何か役に立つものが身についていたらいいと思うので、みなさんも休みつつ、楽しいものを見つけてがんばってほしいと思っています。インタビューを終えてみて……。とても気さくで明るく、癒しのオーラを放っている川栄さん。子ども時代の思い出話には屈託のない笑顔を見せるいっぽうで、仕事に対しては真剣な眼差しで話されているのが印象的でした。劇中では、物語の大きなカギを握っている屁祖隠ちよめにぜひ注目です。ギャグも感動も満載の忍者アクション超大作!地球の未来と家族の明日を守るために立ち上がった“嵐を呼ぶ5歳児”しんのすけ。笑いに包まれるのはもちろんのこと、家族の絆が生み出す力には、大人でも思わず涙してしまうかも写真・山本嵩(川栄李奈)取材、文・志村昌美ストーリーひろしとみさえのもとに「しんのすけ」が誕生してから5年、嵐のような平和な日々を過ごしていた。ところがある日、5歳になる珍蔵という名の少年とともに屁祖隠ちよめと名乗る女性が野原家を訪れ、「私がしんのすけくんの本当の母親なんです」と打ち明ける。突然のことに戸惑いながらも、追い返すわけにもいかず、2人を野原家に泊めることに。しかし、その夜、謎の忍者軍団が突如襲い掛かる。ちよめはなんと、忍者の里を抜け出して追われているくノ一だったのだ!そしてその息子として、しんのすけもさらわれてしまうことに……。続きが気になる予告編はこちら!作品情報『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』4月22日(金)より全国ロードショー配給:東宝©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2022写真・山本嵩(川栄李奈)
2022年04月18日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第105回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その35をお届けします。1.複数に甘い言葉を囁く謎の男【結婚引き寄せ隊】vol. 105それは30代から40代の男女が集まる飲み会に参加したときのこと。マスコミから病院関係まで、さまざまな職種の人たちが集まっていて、初めてその飲み会に参加した人でもすんなりなじめるような和気あいあいとした雰囲気になっていました。同じように初参加という男女も多く、出会いを探していると言っても恋人ではなく、友達を増やしたいために参加している人もいて、あちこちで趣味の話や仕事の話になっている賑やかな飲み会に。しばらく飲んでから御手洗いに行こうと席を立ち、御手洗いから出たドアの前で、飲み会に参加していた優しそうな印象の男性とぶつかりそうになりました。「ごめんね!」とぶつかりそうになったことを詫び、爽やかな笑顔を向ける優しそうなその男性は、いまから御手洗いに入ろうとしていたようです。こちらも前をよく見ていなかったから申し訳ないと思っていたら、その男性は「飲み会の反対側の席にいたんだけど、実はずっ君のことを気になっていて見てたんだよね…」と囁いて、お手洗いに入っていってしまいました。え?いまなんか気になるって言ってた?と思いながらも、御手洗いの前でずっと立っているのも変だしと、とりあえず席に戻り飲み会続行。その男性は忘れた頃に席に戻ってきていましたが、気づくとお開きのときにはいませんでした。飲み会の帰りに、女友達と「こんな人がいた」という話をしていたら、なんと友達は電話をかけに外に出て戻ろうとしたら、ぶつかりそうになったその男性に「君のこと気になっていて」と同じようなことを囁かれたと言うではありませんか。しかも、偶然ぶつかりそうになって囁くというシチュエーションがたまたまなのか作為的なのか不明ながら、「怖っ!」と思ったのでした。2.独特の間で寡黙な男それはおもに30代の男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。そのパーティは小規模だったこともあって、最初に自己紹介をし合う時間も、けっこうしっかりとお互いのプロフィールについて会話することができる会になっていました。そこでひとりずつ自己紹介をしながら、何番目かにまわってきたのは、うつむき加減のネルシャツの男性。最初に「はじめまして…」と、挨拶をし合ったところまでは普通でしたが、そこから話がまったく進みません。うつむき加減の男性が、こちらのプロフィールに興味を持つようなそぶりもなく、やっぱり質問してくることもナシ。そのままだとシーンと静まり返るだけなのも時間がもったいないので、こちらから「お仕事は忙しいですか?」などと質問を投げかけると、ちょっと間をあけて「…まあ、はい」とボソッと応えるという具合。自己紹介タイムの後も、たまたまその男性と会話する機会があって、「先ほどはどうも」と言うと、ちょっと間をあけて「…どうも」と返事あり。その間は一体、何!?と思いながらも、いろんな人がいるよねと気持ちを切り替えた私なのでした。3.なんで婚活しているか不明な男それは少人数に絞られたプチお見合いの場に行ったときのこと。半個室のような場所で行われるプチお見合いでは、他の人たちの目を気にすることなく、相手との会話ができることがメリットです。とはいえ、その日に集まった参加者が自分の理想と違う場合は、少人数ゆえにデメリットともいえるかもしれません。その日は、初っ端から、妙な男性に出会いました。その男性はエリートサラリーマンで、「仕事も趣味も充実している」と豪語。こちらが聞いたことには何でもスラスラと答えてくれるうえ、「女性に困ったこともないんだよね」とまで言う始末です。「じゃあなんで婚活してるんですか?」とたずねたら、「人生経験だね」と即答。要はひまつぶしってこと?と思いながら、こちとら必死で人生のパートナーを探しているというのに、この男ときたら…と正直、不愉快。それが顔に出ていたのか、ちょっとは申し訳なさそうにするその男性でしたが、わざわざお金を払って暇つぶし(もしくはあわよくば好みの女性の物色だったのかも)に来る人に心は開けないなと、ソッコーで心のシャッターを閉じました。婚活していると、普段は出会わないようなタイプの男性に出会うことがあります。みなさんがいつか運命のパートナーに巡り会えますように!文・かわむらあみり©gradyreese/Getty Images©Adene Sanchez/Getty Images©gollykim/Getty Images
2022年04月17日OSやCPU、HDD、USBなど、コンピューター周りにあるさまざまな略語。なんの略だか、すぐにわかるものもあれば、意外に難しいワードもありますよね。今回は、日常でよく使うPC系の略語を4つご紹介!最初のお題は…「USB」USBメモリやUSBケーブル、パソコンやタブレット端末などについているUSBポートなど、ふだんから当たり前のように使っている「USB」。でも、これってなんの略でしょう?アルファベットだけ見ると、userやusabilityをイメージしそうですが、全然違います!ヒント:最初の「U」は、大阪にある某テーマパークの頭文字「U」と同じです!USBとは…USBは、Universal Serial Busの略です!それぞれの主な意味は、次のとおり。universal:「一般的な、普遍的な」serial:「連続的な、直列の」bus:「バス(コンピューター用語:各内部装置を結ぶ信号路、伝送路)」ざっくり直訳すると、「普遍的な直列の信号路」となり意味がわかりづらいですが、辞書では「汎用インターフェース規格」などと記載されています。USBは、パソコンとさまざまな周辺機器を接続するための規格として1990年代後半に登場。最初の規格はUSB1.0で、その後普及し、2019年にはUSB4がリリースされています。OSは、なんの略?では、「OS」はなんの略でしょう?正解は、Operating System(オペレーティングシステム)です!operate:「動く、働く、作動する、操作する」system:「体系、組織、仕組み」OSは、コンピューターを動かすために必要なシステムソフトウェア。基本ソフトとも呼ばれます。CPUは?続いて、パソコンを買うときに必ずチェックする「CPU」を見てみましょう。CPUは、Central Processing Unitの略。辞書には「中央処理装置、中央演算処理装置」と載っています。central:「中央の、中心の、主要な」process:「処理する、加工する」unit:「一個、単位、装置一式」ちなみに、CPUと同様の意味で使われるMPUは、Micro-Processing Unitの略。CPUもMPUも、コンピューターの中核となる装置で、性能が高いと処理速度もあがります。HDDは?最後に、HDDの表記をチェック。こちらは、Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)の略です。hard disk:「硬い円盤」drive:「駆動装置」HDDは、データを記録する機器のこと。ただ最近では、HDDに代わってSSD(Solid State Drive・ソリッドステートドライブ)が増えています。SSDとは、フラッシュメモリで作られた大容量記憶装置。ハードディスクドライブと同様の使い方ができます。OSやHDDなどは元の英語表記でも機能がイメージできますが、USBやSSDは略語のまま覚えたほうがわかりやすいかもしれませんね。以上、意外と知らないPC系の略語4選でした!参考資料:『現代用語の基礎知識』(自由国民社)『情報・知識 imidas』(集英社)『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)『ビジネス技術実用英語大辞典V6』(プロジェクトポトス)『日本国語大辞典』(小学館)
2022年04月13日