緊急避妊薬のオンライン処方解禁、産婦人科医が思うこと
先般、厚生労働省の会議において、オンライン診療(※)の指針に関する改訂があり、「緊急避妊薬を医師との対面なしでオンライン処方できるようにする」ということが決まりました。今月にもオンライン処方が解禁される方針です。
※パソコンやスマホのビデオ通話機能を使って受診する
■緊急避妊薬のオンライン処方への賛否両論
本来、オンライン診療は、「病院やクリニックの外来で、医師と患者の間で直接の診療が行われた後に行う」という基本的な指針があります。
しかし、緊急避妊薬は性交渉のあと72時間以内に内服する必要があるため、少しでも早く処方を受けられる環境を求める声が以前からあり、それに応える形となりました。
このことについては、「処方を必要とする方」や「処方をする医師」の意見、産婦人科の代表である「日本産科婦人科学会」の見解、そして一般女性や男性の意見など、さまざまな立場からの賛否両論があります。
望まない妊娠を防ぐために、どうしても緊急で内服をしなければならない女性にとっては、非常に有益なことです。一方で、産婦人科学会が懸念しているように、性風俗業界での悪用や、避妊を軽視する動きにつながりかねないことも考えられます。