緊急避妊薬のオンライン処方解禁、産婦人科医が思うこと
■オンライン処方を求める声
これまでも、クリニックや医師によっては、インターネット上で、「お待たせせずに緊急避妊薬を処方します!」などと広告を打っていました。
しかし、多くの産婦人科医師は安易に処方をするのではなく、月経の時期から性交渉がどの程度排卵日に近いのかを検討したり、内服後も本当に避妊できたかどうかも確認し、妊娠に向き合うのと同様に、避妊についても慎重に対応してきました。
今回の緊急避妊薬のオンライン処方を求める声は、産婦人科医師よりも一般女性からの声が大きかったのではないかと思います。
■女性たちが「自分で選択」しなければいけない
オンライン診療自体、医師も患者もまだまだ馴染みの少ない診療です。
ただ、少なくとも医師と患者が対面で話をするよりも、両者の接点は小さくなります。
緊急避妊薬は、医師との接点が少ないことで、産婦人科を受診するためらいの気持ちを軽減できることや、早急に処方だけをしてもらえるということで、オンライン診療に適しているのかもしれません。しかし、オンライン診療では、対面で話をしたり、実際に検査をしたりするよりも医師が得られる情報が少なくなるため、医師ができるアドバイスや治療も少なくなる可能性があります。