同じものや菓子パンばかり…「新型栄養失調」起こす食べ方の特徴
特に中年以降で体形を気にするような人にこの傾向が顕著です。こういう人たちに肉を取るよう栄養指導をすると、すぐに体調が改善されるのです」(溝口先生)
私たちは5大栄養素といわれる「糖質」「脂質」「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」で体が作られ、機能している。5大栄養素は互いに作用し合いながら、(1)エネルギーをつくる、(2)骨や筋肉など体をつくる、(3)体の機能を調節するといった働きを担っている。タンパク質と脂質は(1)〜(3)すべての働きをし、ビタミン、ミネラルはタンパク質と脂質の吸収を助けつつ、(2)(3)に働き、糖質は(1)のみに働いている。
つまり、糖質は(1)のエネルギーをつくることにしか作用しない。糖質を取ると体内でエネルギーとしてたまるものの、それは体をつくるわけでもないため、過多になると脂肪に変わっていくだけなのである。(2)(3)の働きを助けるタンパク質、ミネラル、ビタミンを取ることこそが必要なのだ。そして、溝口先生が不足していると訴えるタンパク質、鉄分(ミネラル)、ビタミンB群がすべて補えるのが「赤身の肉」というわけだ。
女子栄養大学で栄養学部の講師である浅尾貴子先生は、こうした栄養分の不足を指摘しつつ、さらに、新型栄養失調を招きやすい食事の特徴に、糖質過多であることと、ビタミンA、C、Eが不足していることを挙げている。