腹筋は「10秒そる」で鍛えられる!専門家が語る革命的メソッド
たとえば、コップを持ち上げる際に腕を曲げるのはこの求心性収縮によるもので、『筋肉を縮める』動きです。対して、持ち上げたコップを落とさないようテーブルにゆっくり置くのは、重力に対して物体を制御する『遠心性収縮』によるもの。『収縮』といいつつ実際は『筋肉を伸ばす』動きで、僕がおすすめする『そる腹筋』は、この『遠心性収縮』に着目したものです」
この2つの概念はもともと存在するものの、これまで医学界で注目されることはあまりなかったという。
「でも、数年前にその役割にふと気づき、『筋硬度計』という器具を使って全身の筋肉を測定してみたのです。すると、腹筋で求心性収縮を使うのは朝起き上がるときぐらいで、それ以外は、ほぼ遠心性でした。つまり腹筋は『筋肉を伸ばす』ことが重要なんだとわかりました。その矢先に、従来のあおむけになって上体を起こすシットアップという『縮める』腹筋運動は、腰を痛めるというニュースがアメリカで報じられ、『やっぱり、腹筋は伸ばして鍛えるものなのだ!』という確信に至ったのです」
こうして考案されたのが「そる腹筋」。たった10秒、呼吸と組み合わせて上半身をそらすというもので、シットアップに比べて疲労感は3分の1なのに対し、効果は1.2倍あることがわかっている。