鎌田實先生「コロナ感染拡大で懸念される“巣ごもり老化”」
1つ目の兆候は、気分がふさぎ込みがちになったり、よく眠れなくなったりという『心』の不調。次に、スマホの操作や簡単な計算などがうまくできなくなるといった『脳』の鈍化。そして、最後は血圧や血糖値の数値がコントロールできなくなってしまうような『体』の機能低下です。この3つが複合的に起こるのが巣ごもり老化の怖いところだといえるでしょう」
そして、鎌田先生の分析によれば、巣ごもり老化の兆候はいずれも長引く巣ごもり生活と深い関係があるという。
「たとえば、行きたいところに自由に行けないというストレスと、コロナ禍がいつ収束するのかわからないという不安感。こうした心的要因によるイライラが募ることで、睡眠障害が起こりやすくなってきます。また、人とのコミュニケーションが希薄になり、外部からの刺激も減るため、認知能力も当然低下してしまいます。そして、いちばんわかりやすいのは運動不足。
筋力が衰え肥満化傾向が強まるので、体のさまざまな部分に悪影響が出てくると考えられます」
まさに、コロナ対策のための外出自粛が生みだした「負の副産物」ともいえる巣ごもり老化だが、その影響は、“想定外の結果”をもたらすと鎌田先生はいう。