鎌田實先生「コロナ感染拡大で懸念される“巣ごもり老化”」
「巣ごもり老化は、心・脳・体のそれぞれに影響をもたらしますが、それらのどれか1つでも衰えてしまえば、健康に過ごすことはできなくなってしまいます。つまり、巣ごもり老化の進行は、“要介護状態”に直結してしまう可能性が高いともいえるでしょう」
最近、「健康な状態」と「要介護状態」の中間を指す“フレイル”という言葉を耳にすることが増えたが、巣ごもり老化というのは、まさにこのフレイルの予備群にあたる。外出自粛が長引き、巣ごもり老化が進行してしまえば、それこそ「要介護」一直線になりかねないというのだ。
「新型コロナウイルスの収束までには、少なくとも1〜2年はかかると予想されます。自粛期間がそこまでの長期間に及べば、コロナの感染拡大を回避できても、おそらく5年後には要介護の中高年が激増している可能性があるのです」
いまのところ日本ではまだコロナの重症者数は抑えられているが、このままでは、「要介護の激増」というコロナ禍が5年後の日本を直撃しかねない。
そんな悲惨な状況を回避するには、日々の小さな積み重ねが大切だと鎌田先生はいう。
「コロナとの闘いは長期戦になります。だからこそ、ちょっとした心構えや、無理のない生活習慣の改善が、結果的に大きな差を生みます。