2020年12月13日 11:00
リハビリ現場で実証…「フラワーアレンジ」の脳トレ効果
プログラム化されたフラワーアレンジメントを、実際に脳に損傷がある高次機能障害の人のリハビリテーションとして実践してもらったところ、認知機能の向上が記憶力テストの結果によって立証された。さらに、その効果はプログラム実施から3カ月が経過してもなお明確に表れていた。
「脳は複数の機能を同時進行で使う複雑な働きをします。フラワーアレンジメントは、花が視野に入ることや、非日常的な手先の動きをすること自体新鮮な刺激ですが、それ以外にもさまざまな刺激を脳に与えるようです。どこにどの花を挿すかという情報を覚えて、それを適切に使う脳の働きは『ワーキングメモリ』という日常生活を支える大切な機能を活性化させます」
そうした作業を数十分間繰り返して行うことは集中力を養い、脳の前頭葉を刺激することになる。こうした脳の働きは、リハビリ用のプログラムとしてだけでなく、健康な人にとっても脳トレのような働きをするため、認知機能の維持・向上を助けることにもつながるのではないかと望月先生は話す。
また、脳の機能のほかに、頭痛や倦怠感などの身体的症状が軽減した、うつ傾向が改善したといった研究結果も出ている。花が私たちに与えてくれるのは、癒しだけではないようだ。
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