2021年3月31日 06:00
飲み込む力をセルフチェック、鍛えるポイントは“のどぼとけ”
健康だと思っている人でも、老化によって、確実に飲みこみ力は弱くなっている。浦長瀬先生が、健常者(平均年齢68.2歳)に内視鏡検査を行うと、47%が飲みこむ反応が遅く、65%が飲みこみきれていない唾液がのどにたまっていたという。問題なく食べることができても、嚥下機能が低下している人は多いのだ。
「飲みこみ力を鍛えるためには、まず、どの部分の、どの筋肉を使って飲みこんでいるかを理解することが大切です。それを理解しないと、何を鍛えたらいいかわからないからです。意識するポイントは3つ。のどぼとけがある喉頭、ごっくん筋、そして舌です」
まずは、水や食べ物を飲みこみ、その3つがどうなるかを確認してみよう。
「最初に、首を触りながら飲みこむと、上に動く部分があります。
この場所がのどぼとけのある咽頭です。次にあごの下を触りながら飲みこんでみてください。飲みこんだとき硬くなる場所が、咽頭を上に引っ張り上げる“ごっくん筋”です。最後に舌を意識しながら飲みこむと、舌を口内の上壁に押しつけているのがわかるはずです」
この一連の動作でもっとも大切なのは、のどぼとけがある咽頭の動き。人はのどぼとけを上に動かすことによって飲みこんでいるといっても過言ではないからだ。