2021年8月25日 11:00
動かさないのは逆効果!ひざの痛みの原因を医師が解説
「朝起きたときにひざがこわばる」「階段の上り下りや、椅子から立ち上がるときにひざが痛い」などと、ひざのトラブルを抱える中高年が増えている。
「最近、ひざ痛の患者さんが急増しています。長引く巣ごもりによる運動不足に、コロナ太りも重なったことで、ひざに負担がかかっているのです。ひざ痛の9割以上は変形性ひざ関節症で、病院では『安静にするように』と医師から言われるかもしれませんが、いつまでも動かさないとひざ関節を支える骨や軟骨、筋肉や靭帯が衰え、ひざ痛が慢性化してしまいます。私は、『安静に』と言ったことはなく、『痛くない範囲でひざをできるだけ動かしてください』とアドバイスしています」
そう語るのは、江東病院理事長で順天堂大学医学部整形外科特任教授の黒澤尚先生。黒澤先生は、1回1分程度、自宅で簡単にできる「運動療法」を’80年代から提唱。世界的に効果も実証され、臨床現場でも治療に取り入れられている。
毎日体操を続けることで、一時的な痛みを抑えるだけでなく、長い期間、効果が持続するという。
日本人の多くが「ひざ痛」に悩まされているが、その数は’05年に東京大学医学部の研究グループが行った調査によると約2,400万人。