腎臓が“寿命を決める”老廃物排出力を高めて病気を防ぐ食事10
■心筋梗塞や脳卒中を引き起こす慢性腎臓病
慢性腎臓病になると、どんなリスクがあるのだろう。
「腎臓のろ過機能が低下してタンパク尿が出たり、血管が硬くなってカルシウムが沈着することも。こうした病変が、心臓で起これば狭心症や心筋梗塞など、脳で起これば脳梗塞や脳出血などを引き起こす危険性があります」
恐ろしい慢性腎臓病だが、先述のとおり、加齢に伴う腎機能の低下は免れないという。
「50代以降は特に注意が必要です。また女性は『月経痛や頭痛などでよく痛み止めを使った』という人が多いのでは。痛み止めや解熱剤などは飲みすぎると腎臓にダメージを与えます。長期間服用していた人は腎機能低下の恐れがあるので、ぜひ検査を受けてください」
腎機能には加齢や薬のほか、糖尿病や高血圧、メタボリック症候群などの生活習慣病も負担になる。
慢性腎臓病の進行は止められないのだろうか。
「生活習慣病の薬物療法に加えて、運動療法が有効で、腎臓病の進行の抑制や、回復も期待できます。ですが、検査も受けず放置していると、末期の腎不全や尿毒症になりかねません。そうなると、人工透析か腎移植を受けるしかなく、命を落とすケースもあります」