専門医が解説「アルツハイマー病新薬“レカネマブ”は軽度患者への効果に期待」
■アルツハイマー病の原因そのものを除去
「既存薬は、アセチルコリンを補充したりする対症療法的なもので、投薬後、10カ月ほどで効果がなくなってしまいました。ところが新薬『レカネマブ』は、アミロイドβそのものを除去するため、進行を遅らせる効果が持続することが期待されるのです」
治療法は、2週間に1度、1時間ほどの点滴治療を受ける。
「1年6カ月の投薬を続けることで、進行を27%ほど、時間に換算すると2〜3年ほど、遅らせるというデータが出ています」
副作用は、頭痛、寒気、吐き気などが報告されている。
「特徴的な副作用としては、脳浮腫が約12%、脳の微小な出血が約17%ほどの確率で起こるとされています。ただし、2千人の治験では、亡くなるなど重篤な副作用の報告はありませんでした。症状がなく軽い場合は治療を継続できますし、状況を見る必要がある場合は、一時中断して、落ち着いたら再開することになります」
薬価はどうなるのだろうか。「米国では1年間で360万円ほど、日本ではその半分の180万円ほどを期待している」というが、保険適用になるので、収入や年齢に応じて1~3割の負担で使用できる。
また、医療費が高額になった場合、高額療養費制度が利用できる。